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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-05
(45)【発行日】2023-06-13
(54)【発明の名称】衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/30 20200101AFI20230606BHJP
   D06F 39/02 20060101ALI20230606BHJP
【FI】
D06F33/30
D06F39/02 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019156843
(22)【出願日】2019-08-29
(65)【公開番号】P2021029932
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-04-04
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】内山 具典
(72)【発明者】
【氏名】松井 陽子
(72)【発明者】
【氏名】小倉 隼人
(72)【発明者】
【氏名】杉本 哲也
(72)【発明者】
【氏名】椎橋 貞人
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-074081(JP,A)
【文献】特開昭63-051896(JP,A)
【文献】特開2006-223557(JP,A)
【文献】特開2019-092690(JP,A)
【文献】特表2019-501722(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0191206(US,A1)
【文献】特表2019-500173(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0191205(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 33/30
D06F 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の第1衣類処理剤を貯留する第1タンクと、
所定の第2衣類処理剤を貯留する第2タンクと、
前記第1タンクから所定量の前記第1衣類処理剤を計量する第1計量部と、
前記第2タンクから所定量の前記第2衣類処理剤を計量する第2計量部と、
回転可能に設けられる第1ギア部と、前記第1ギア部と係止状態となることにより前記第1ギア部と一体的に回転するように構成され、且つ、前記第1計量部に接続される第1ラチェット部と、前記第1ギア部と前記第1ラチェット部との間に塗布される粘着性を有する潤滑剤と、を有する第1ラチェットギアと、
回転可能に設けられる第2ギア部と、前記第2ギア部と係止状態となることにより前記第2ギア部と一体的に回転するように構成され、且つ、前記第2計量部に接続される第2ラチェット部と、前記第2ギア部と前記第2ラチェット部との間に塗布される粘着性を有する潤滑剤と、を有する第2ラチェットギアと、
前記第1ギア部および前記第2ギア部を回転させる共通のモータと、
前記モータの回転軸の回転方向を第1方向と第2方向とに切り換える制御部と、
を備え、
前記制御部が前記モータの回転軸を前記第2方向に回転させることにより、前記第1ラチェットギアは、前記第1ギア部に前記第1ラチェット部が係止して前記第1ギア部および前記第1ラチェット部が一体的に回転する状態となり、一方、前記第2ラチェットギアは、前記第2ギア部に前記第2ラチェット部が係止せず前記第2ギア部のみが回転する状態となり、これにより、前記第1計量部による前記第1衣類処理剤の計量が実行され、
前記制御部が前記モータの回転軸を前記第1方向に回転させることにより、前記第2ラチェットギアは、前記第2ギア部に前記第2ラチェット部が係止して前記第2ギア部および前記第2ラチェット部が一体的に回転する状態となり、一方、前記第1ラチェットギアは、前記第1ギア部に前記第1ラチェット部が係止せず前記第1ギア部のみが回転する状態となり、これにより、前記第2計量部による前記第2衣類処理剤の計量が実行されるように構成されており、
前記制御部は、
前記モータの回転軸を前記第2方向に回転させることによって前記第1計量部による前記第1衣類処理剤の計量を実行した後に、少なくとも前記潤滑剤の粘着性によって前記第1ギア部に前記第1ラチェット部が粘着した粘着状態が解除されるように前記モータの回転軸を前記第1方向に回転させ、これにより、前記第1計量部内に残る前記第1衣類処理剤を排出する残剤排出処理を実行する衣類処理装置。
【請求項2】
所定の第1衣類処理剤を貯留する第1タンクと、
所定の第2衣類処理剤を貯留する第2タンクと、
前記第1タンクから所定量の前記第1衣類処理剤を計量する第1計量部と、
前記第2タンクから所定量の前記第2衣類処理剤を計量する第2計量部と、
回転可能に設けられる第1ギア部と、前記第1ギア部と係止状態となることにより前記第1ギア部と一体的に回転するように構成され、且つ、前記第1計量部に接続される第1ラチェット部と、前記第1ギア部と前記第1ラチェット部との間に塗布される粘着性を有する潤滑剤と、を有する第1ラチェットギアと、
回転可能に設けられる第2ギア部と、前記第2ギア部と係止状態となることにより前記第2ギア部と一体的に回転するように構成され、且つ、前記第2計量部に接続される第2ラチェット部と、前記第2ギア部と前記第2ラチェット部との間に塗布される粘着性を有する潤滑剤と、を有する第2ラチェットギアと、
前記第1ギア部および前記第2ギア部を回転させる共通のモータと、
前記モータの回転軸の回転方向を第1方向と第2方向とに切り換える制御部と、
を備え、
前記制御部が前記モータの回転軸を前記第2方向に回転させることにより、前記第1ラチェットギアは、前記第1ギア部に前記第1ラチェット部が係止して前記第1ギア部および前記第1ラチェット部が一体的に回転する状態となり、一方、前記第2ラチェットギアは、前記第2ギア部に前記第2ラチェット部が係止せず前記第2ギア部のみが回転する状態となり、これにより、前記第1計量部による前記第1衣類処理剤の計量が実行され、
前記制御部が前記モータの回転軸を前記第1方向に回転させることにより、前記第2ラチェットギアは、前記第2ギア部に前記第2ラチェット部が係止して前記第2ギア部および前記第2ラチェット部が一体的に回転する状態となり、一方、前記第1ラチェットギアは、前記第1ギア部に前記第1ラチェット部が係止せず前記第1ギア部のみが回転する状態となり、これにより、前記第2計量部による前記第2衣類処理剤の計量が実行されるように構成されており、
前記制御部は、
前記モータの回転軸を前記第1方向に回転させることによって前記第2計量部による前記第2衣類処理剤の計量を実行した後に、少なくとも前記潤滑剤の粘着性によって前記第2ギア部に前記第2ラチェット部が粘着した粘着状態が解除されるように前記モータの回転軸を前記第2方向に回転させ、これにより、前記第2計量部内に残る前記第2衣類処理剤を排出する残剤排出処理を実行する衣類処理装置。
【請求項3】
衣類を収容する衣類処理槽と、
前記衣類処理槽に連なる継手水路部と、
を備え、
前記第1計量部の出口および前記第2計量部の出口は、前記継手水路部に接続されており、
前記制御部は、前記残剤排出処理を実行する場合には、前記継手水路部内に水を供給する請求項1または2に記載の衣類処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記残剤排出処理を実行しながら前記継手水路部内に水を供給する請求項3記載の衣類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、衣類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、それぞれのタンクに供給された洗剤と柔軟剤を自動的に供給するように構成した洗濯機が開示されている。この特許文献1に開示されている洗濯機は、洗剤や柔軟剤を供給する際に、ギアポンプを一旦逆転して供給管内の洗剤や柔軟剤を空にする初期化動作を行ってから供給動作を行うことにより、ポンプ手段の内部に残留した洗剤や柔軟剤の量が異なった場合でもほぼ一定の供給量を供給するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-158600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年では、例えば洗剤や柔軟剤などの衣類処理剤をタンクから計量する2つの計量部を1つの共通のモータにより駆動するように構成した計量ポンプが考えられている。しかしながら、この計量ポンプは、計量部を駆動するラチェットギアが、回転可能に設けられるギア部と、このギア部と係止状態となることによりギア部と一体的に回転するように構成され、且つ、計量部に接続されるラチェット部と、ギア部とラチェット部との間に塗布される粘着性を有する潤滑剤と、を有した構成となっている。即ち、ラチェットギアは、ギア部にラチェット部が一旦係止すると、潤滑剤による粘着性によりラチェット部がギア部から離れにくくなる構成となっている。
【0005】
そのため、一方の計量部を駆動した後に他方の計量部を駆動しようとすると、一方の計量部を駆動するラチェットギアにおいてギア部とラチェット部が粘着したまま一体的に回転してしまい、これにより、他方の計量部の駆動中であるにも関わらず、一方の計量部内に残る衣類処理剤が槽内に供給されてしまうという不具合が生じる。
【0006】
特に、洗い行程において一方の計量部により洗剤を計量して槽内に供給した後に、すすぎ行程において他方の計量部により柔軟剤を計量して槽内に供給する場合には、洗い行程において一方の計量部内に残った洗剤が、すすぎ行程において他方の計量部の駆動に伴い槽内に供給されてしまうことになる。つまり、衣類をすすいで洗剤を除去しようとするすすぎ行程において洗剤が供給されてしまうことになり、好ましくない。
【0007】
そこで、本実施形態は、衣類処理剤を計量する2つの計量部を1つの共通のモータにより駆動する構成において、一方の計量部による衣類処理剤の計量を実行した後に、その一方の計量部内に残る衣類処理剤が、他方の計量部による衣類処理剤の計量時に槽内に供給されてしまうことを抑制するようにした衣類処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態の衣類処理装置は、所定の第1衣類処理剤を貯留する第1タンクと、所定の第2衣類処理剤を貯留する第2タンクと、前記第1タンクから所定量の前記第1衣類処理剤を計量する第1計量部と、前記第2タンクから所定量の前記第2衣類処理剤を計量する第2計量部と、回転可能に設けられる第1ギア部と、前記第1ギア部と係止状態となることにより前記第1ギア部と一体的に回転するように構成され、且つ、前記第1計量部に接続される第1ラチェット部と、前記第1ギア部と前記第1ラチェット部との間に塗布される粘着性を有する潤滑剤と、を有する第1ラチェットギアと、回転可能に設けられる第2ギア部と、前記第2ギア部と係止状態となることにより前記第2ギア部と一体的に回転するように構成され、且つ、前記第2計量部に接続される第2ラチェット部と、前記第2ギア部と前記第2ラチェット部との間に塗布される粘着性を有する潤滑剤と、を有する第2ラチェットギアと、前記第1ギア部および前記第2ギア部を回転させる共通のモータと、前記モータの回転軸の回転方向を第1方向と第2方向とに切り換える制御部と、を備え、前記制御部が前記モータの回転軸を前記第2方向に回転させることにより、前記第1ラチェットギアは、前記第1ギア部に前記第1ラチェット部が係止して前記第1ギア部および前記第1ラチェット部が一体的に回転する状態となり、一方、前記第2ラチェットギアは、前記第2ギア部に前記第2ラチェット部が係止せず前記第2ギア部のみが回転する状態となり、これにより、前記第1計量部による前記第1衣類処理剤の計量が実行され、前記制御部が前記モータの回転軸を前記第1方向に回転させることにより、前記第2ラチェットギアは、前記第2ギア部に前記第2ラチェット部が係止して前記第2ギア部および前記第2ラチェット部が一体的に回転する状態となり、一方、前記第1ラチェットギアは、前記第1ギア部に前記第1ラチェット部が係止せず前記第1ギア部のみが回転する状態となり、これにより、前記第2計量部による前記第2衣類処理剤の計量が実行されるように構成されており、前記制御部は、前記モータの回転軸を前記第2方向に回転させることによって前記第1計量部による前記第1衣類処理剤の計量を実行した後に、少なくとも前記潤滑剤の粘着性によって前記第1ギア部に前記第1ラチェット部が粘着した粘着状態が解除されるように前記モータの回転軸を前記第1方向に回転させ、これにより、前記第1計量部内に残る前記第1衣類処理剤を排出する残剤排出処理を実行する。あるいは、前記制御部は、前記モータの回転軸を前記第1方向に回転させることによって前記第2計量部による前記第2衣類処理剤の計量を実行した後に、少なくとも前記潤滑剤の粘着性によって前記第2ギア部に前記第2ラチェット部が粘着した粘着状態が解除されるように前記モータの回転軸を前記第2方向に回転させ、これにより、前記第2計量部内に残る前記第2衣類処理剤を排出する残剤排出処理を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る洗濯機の構成例を概略的に示す縦断側面図
図2】本実施形態に係る給水部の構成例を概略的に示す図
図3】本実施形態に係る計量ポンプの構成例を概略的に示す図(その1)
図4】本実施形態に係る計量ポンプの構成例を概略的に示す図(その2)
図5】本実施形態に係る計量ポンプの構成例を概略的に示すものであって、洗剤用ラチェットギアにおいてギア部の突出部にラチェット部の係止部が粘着した状態が解消された状態例を仮想的に示す図
図6】本実施形態の変形例に係る計量ポンプの構成例を概略的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、衣類処理装置に係る一実施形態について図面を参照ながら説明する。図1に例示する洗濯機1は、衣類に所定の処理、この場合、少なくとも、洗い処理、すすぎ処理、脱水処理を施すことが可能な衣類処理装置の一例である。また、洗濯機1は、回転槽の回転中心軸が水平方向あるいは水平方向に対して傾斜する方向に延びる、いわゆるドラム式の洗濯機である。
【0011】
洗濯機1は、その外郭を構成する矩形箱状の外箱2の内部に、衣類を洗浄するための洗浄槽3を備えている。洗浄槽3は、衣類処理槽の一例であり、有底円筒状の水槽の内部に、同じく有底円筒状のドラムを回転可能に備えた構成である。ドラムの周壁には多数の小孔が設けられており、また、ドラムの内周面には、衣類をかき上げるためのバッフルが設けられている。洗浄槽3の前面開口部は、外箱2の前面に設けられたドア5によって開閉可能となっている。使用者は、ドア5を開くことにより、洗浄槽3の前面開口部を通して当該洗浄槽3内に衣類を出し入れすることができる。
【0012】
また、洗濯機1は、洗浄槽3内に水を供給するための給水部4、および、洗浄槽3内の水を機外に排水するための排水部6を備えている。給水部4は、例えば水道などの図示しない水源から洗浄槽3に延びる給水経路の途中に、後述する給水弁ユニット10などを備えた構成となっている。また、排水部6は、洗浄槽3の底部から機外に延びる排水経路の途中に排水弁7などを備えた構成となっている。排水弁7が閉じられた状態で給水部4により洗浄槽3内に水が供給されることにより、洗浄槽3内に所定量の水が溜められる。また、排水弁7が開かれることにより、洗浄槽3内の水が排水経路を介して機外に排出される。
【0013】
図2に例示するように、給水部4は、図示しない水源から洗浄槽3に延びる給水経路の途中に、給水弁ユニット10、自動投入部11、注水ケース12などを備えた構成となっている。給水弁ユニット10の入口は、例えば水道などの図示しない水源に接続されている。また、給水弁ユニット10は、少なくとも2つの給水弁10a,10bを有している。給水弁10aは、手動用給水弁の一例であり、手動用供給経路13aを介して注水ケース12に接続されている。給水弁10bは、自動用給水弁の一例であり、自動用供給経路13bを介して注水ケース12に接続されている。以下、給水弁10aを手動用給水弁10aと称し、給水弁10bを自動用給水弁10bと称する。注水ケース12の出口は、給水ホース14を介して洗浄槽3に接続されている。自動用供給経路13bの途中部には、継手水路部13cが設けられている。継手水路部13cは、注水ケース12を介して洗浄槽3に間接的に連なっている。
【0014】
自動投入部11は、洗剤タンク15および柔軟剤タンク16を備えている。洗剤タンク15は、第1タンクの一例であり、柔軟剤タンク16は、第2タンクの一例である。洗剤タンク15および柔軟剤タンク16は、給水部4に対し着脱可能に備えられている。具体的には、洗剤タンク15および柔軟剤タンク16は、給水部4を構成する図示しないタンク収容部の内部に着脱可能に備えられている。
【0015】
洗剤タンク15内には、運転複数回分の衣類処理剤、この場合、洗浄槽3内の衣類を洗浄するための洗剤を貯留可能となっている。洗剤は、第1衣類処理剤の一例である。一方、柔軟剤タンク16内には、運転複数回分の衣類処理剤、この場合、洗浄槽3内の衣類に柔軟処理を施すための柔軟剤を貯留可能となっている。柔軟剤は、第2衣類処理剤の一例である。
【0016】
洗剤タンク15は、洗剤用計量部17を介して自動用供給経路13bの継手水路部13cに接続されている。洗剤用計量部17は、第1計量部の一例であり、詳しくは後述するように、液体を吸引して送出する構成となっている。洗剤用計量部17の入口17aは、洗剤タンク15に接続されている。また、洗剤用計量部17の出口17bは、自動用供給経路13bの途中部を構成する継手水路部13cに接続されている。また、洗剤用計量部17の入口17aおよび出口17bには、それぞれ図示しない逆止弁が備えられている。洗剤用計量部17は、洗剤タンク15内から所定量、この場合、1回の運転に使用する量の洗剤を計量し、その計量した洗剤を自動用供給経路13b内に送出する。そして、自動用供給経路13b内に送出された洗剤は、給水弁ユニット10の自動用給水弁10bから供給される水とともに注水ケース12内に導入される。そして、注水ケース12内に導入された洗剤は、同じく注水ケース12内に導入された水とともに給水ホース14を介して洗浄槽3内に供給される。これにより、洗剤タンク15内から洗浄槽3内に洗剤が自動的に投入される。
【0017】
柔軟剤タンク16は、柔軟剤用計量部18を介して自動用供給経路13bの継手水路部13cに接続されている。柔軟剤用計量部18は、第2計量部の一例であり、詳しくは後述するように、液体を吸引して送出する構成となっている。柔軟剤用計量部18の入口18aは、柔軟剤タンク16に接続されている。また、柔軟剤用計量部18の出口18bは、自動用供給経路13bの途中部を構成する継手水路部13cに接続されている。また、柔軟剤用計量部18の入口18aおよび出口18bには、それぞれ図示しない逆止弁が備えられている。柔軟剤用計量部18は、柔軟剤タンク16内から所定量、この場合、1回の運転に使用する量の柔軟剤を計量し、その計量した柔軟剤を自動用供給経路13b内に送出する。そして、自動用供給経路13b内に送出された柔軟剤は、給水弁ユニット10の自動用給水弁10bから供給される水とともに注水ケース12内に導入される。そして、注水ケース12内に導入された柔軟剤は、同じく注水ケース12内に導入された水とともに給水ホース14を介して洗浄槽3内に供給される。これにより、柔軟剤タンク16内から洗浄槽3内に柔軟剤が自動的に投入される。
【0018】
また、注水ケース12内には、手動投入用ケース12aが出し入れ可能に収容されている。手動投入用ケース12a内には、使用者の手動によって洗剤が投入される図示しない手動洗剤投入部、および、使用者の手動によって柔軟剤が投入される図示しない手動柔軟剤投入部が設けられている。手動洗剤投入部に投入されている洗剤、あるいは、手動柔軟剤投入部に投入されている柔軟剤は、給水弁ユニット10から手動用供給経路13aを介して注水ケース12内に注水される水とともに給水ホース14を介して洗浄槽3内に供給される。
【0019】
以上のように構成される給水部4において、手動用供給経路13aは、使用者が手動で投入する洗剤や柔軟剤などの衣類処理剤を洗浄槽3内に供給するための供給経路を構成している。また、自動用供給経路13bは、自動投入部11が自動で投入する洗剤や柔軟剤などの衣類処理剤を洗浄槽3内に供給するための供給経路を構成している。また、洗剤用計量部17および柔軟剤用計量部18は、後述するモータMとともに計量ポンプ100を構成している。
【0020】
次に、計量ポンプ100の具体的な構成例について詳細に説明する。図3および図4に例示するように、計量ポンプ100は、複数の計量部、この場合、洗剤用計量部17および柔軟剤用計量部18という2つの計量部を1つの共通のモータMにより駆動する構成となっている。以下、さらに詳細に説明する。
【0021】
即ち、計量ポンプ100は、洗剤用ラチェットギア200および柔軟剤用ラチェットギア300を備えている。洗剤用ラチェットギア200は、洗剤用計量部17に接続されており、モータMの駆動力を洗剤用計量部17に伝達するものである。柔軟剤用ラチェットギア300は、柔軟剤用計量部18に接続されており、モータMの駆動力を柔軟剤用計量部18に伝達するものである。この場合、モータMの回転軸Maは、柔軟剤用ラチェットギア300のギア部301に接続されている。即ち、柔軟剤用ラチェットギア300のギア部301は、モータMによって直接的に回転されるようになっている。一方、洗剤用ラチェットギア200のギア部201は、モータMによって間接的に、つまり、柔軟剤用ラチェットギア300のギア部301を介して回転されるようになっている。
【0022】
洗剤用ラチェットギア200は、第1ラチェットギアの一例であり、ギア部201およびラチェット部202を備えている。ギア部201は、ほぼ円板状に形成され、洗剤用第1方向A1および洗剤用第2方向A2の双方向に回転可能に備えられている。ギア部201の周側面には、柔軟剤用ラチェットギア300のギア部301に噛み合わされる複数の歯が設けられている。また、ギア部201の内周面には、内方に突出する複数、この場合、3つの突出部201aが設けられている。ラチェット部202は、ギア部201に対して同心状に回転可能に配置される円形状のラチェット本体部202aと、このラチェット本体部202aの周側面に設けられる複数、この場合、3つの係止部202bと、を備えている。係止部202bは、ラチェット本体部202aの周側面から弾性変形可能に延出されており、その先端部が、ギア部201の突出部201aに対し周方向に係止可能な形状となっている。また、ラチェット本体部202aには、シャフト202cが設けられている。このシャフト202cには、洗剤用計量部17を構成するピストン17dが接続されている。
【0023】
洗剤用ラチェットギア200において、ギア部201が洗剤用第1方向A1に回転すると、ラチェット部202の係止部202bがギア部201の突出部201aに係止する係止状態となる。これにより、洗剤用ラチェットギア200は、ギア部201およびラチェット部202が一体的に洗剤用第1方向A1に回転する状態となる。一方、洗剤用ラチェットギア200において、ギア部201が洗剤用第2方向A2に回転すると、ラチェット部202の係止部202bがギア部201の突出部201aに係止しない非係止状態となる。これにより、洗剤用ラチェットギア200は、ギア部201のみが洗剤用第2方向A2に回転し、ラチェット部202が回転しない状態となる。
【0024】
柔軟剤用ラチェットギア300は、第2ラチェットギアの一例であり、ギア部301およびラチェット部302を備えている。ギア部301は、ほぼ円板状に形成され、柔軟剤用第1方向B1および柔軟剤用第2方向B2の双方向に回転可能に備えられている。ギア部301の周側面には、洗剤用ラチェットギア200のギア部201に噛み合わされる複数の歯が設けられている。また、ギア部301の内周面には、内方に突出する複数、この場合、3つの突出部301aが設けられている。ラチェット部302は、ギア部301に対して同心状に回転可能に配置される円形状のラチェット本体部302aと、このラチェット本体部302aの周側面に設けられる複数、この場合、3つの係止部302bと、を備えている。係止部302bは、ラチェット本体部302aの周側面から弾性変形可能に延出されており、その先端部が、ギア部301の突出部301aに対し周方向に係止可能な形状となっている。また、ラチェット本体部302aには、シャフト302cが設けられている。このシャフト302cには、柔軟剤用計量部18を構成するピストン18dが接続されている。
【0025】
柔軟剤用ラチェットギア300において、ギア部301が柔軟剤用第1方向B1に回転すると、ラチェット部302の係止部302bがギア部301の突出部301aに係止する係止状態となる。これにより、柔軟剤用ラチェットギア300は、ギア部301およびラチェット部302が一体的に柔軟剤用第1方向B1に回転する状態となる。一方、柔軟剤用ラチェットギア300において、ギア部301が柔軟剤用第2方向B2に回転すると、ラチェット部302の係止部302bがギア部301の突出部301aに係止しない非係止状態となる。これにより、柔軟剤用ラチェットギア300は、ギア部301のみが柔軟剤用第2方向B2に回転し、ラチェット部302が回転しない状態となる。
【0026】
また、洗剤用ラチェットギア200は、ギア部201とラチェット部202との間に、粘着性を有する図示しない潤滑剤が塗付された構成となっている。また、柔軟剤用ラチェットギア300は、ギア部301とラチェット部302との間に、粘着性を有する図示しない潤滑剤が塗付された構成となっている。
【0027】
また、洗剤用計量部17は、円筒状のシリンダ部17cの内部にピストン17dを往復動可能に備えた構成となっている。ピストン17dは、シリンダ部17cの内面から離間した状態で往復動可能な大きさとなっている。また、ピストン17dの下部には、可撓性を有する蛇腹部17eが設けられている。蛇腹部17eは、ピストン17dの往復動に伴い伸縮するようになっている。洗剤用計量部17の入口17aおよび出口17bは、この蛇腹部17eの内側に位置するように配置されている。
【0028】
また、柔軟剤用計量部18は、円筒状のシリンダ部18cの内部にピストン18dを往復動可能に備えた構成となっている。ピストン18dは、シリンダ部18cの内面から離間した状態で往復動可能な大きさとなっている。また、ピストン18dの下部には、可撓性を有する蛇腹部18eが設けられている。蛇腹部18eは、ピストン18dの往復動に伴い伸縮するようになっている。柔軟剤用計量部18の入口18aおよび出口18bは、この蛇腹部18eの内側に位置するように配置されている。
【0029】
また、モータMは、洗濯機1の動作全般を制御する制御装置400に接続されている。制御装置400は、制御部の一例であり、例えばマイクロコンピュータを主体として構成されている。上述した計量ポンプ100において、洗剤用ラチェットギア200のギア部201は、柔軟剤用ラチェットギア300のギア部301を介してモータMにより間接的に回転されるようになっている。一方、柔軟剤用ラチェットギア300のギア部301は、モータMにより直接的に回転されるようになっている。即ち、モータMは、洗剤用ラチェットギア200のギア部201および柔軟剤用ラチェットギア300のギア部301の双方を回転させる共通のモータとして備えられている。そして、制御装置400は、モータMの回転軸Maの回転方向を第1方向R1と第2方向R2とに適宜切り換えることで、洗剤用ラチェットギア200のギア部201の回転方向および柔軟剤用ラチェットギア300のギア部301の回転方向を切り換えるようになっている。
【0030】
即ち、制御装置400は、モータMのモータ軸Maの回転方向を第1方向R1に切り換えることにより、柔軟剤用ラチェットギア300のギア部301を柔軟剤用第1方向B1に回転させ、また、この柔軟剤用ラチェットギア300のギア部301の回転を介して洗剤用ラチェットギア200のギア部201を洗剤用第2方向A2に回転させる。
【0031】
また、制御装置400は、モータMのモータ軸Maの回転方向を第2方向R2に切り換えることにより、柔軟剤用ラチェットギア300のギア部301を柔軟剤用第2方向B2に回転させ、また、この柔軟剤用ラチェットギア300のギア部301を介して洗剤用ラチェットギア200のギア部201を洗剤用第1方向A1に回転させる。
【0032】
以上のように構成される計量ポンプ100によれば、制御装置400がモータMの回転軸を第2方向R2に回転させることにより、洗剤用ラチェットギア200は、ギア部201にラチェット部202が係止してギア部201およびラチェット部202が一体的に回転して洗剤用計量部17を駆動、つまり、ピストン17dを往復動する駆動状態となり、一方、柔軟剤用ラチェットギア300は、ギア部301にラチェット部302が係止せずギア部301のみが回転して柔軟剤用計量部18を駆動しない、つまり、ピストン18dを往復動しない非駆動状態となる。これにより、洗剤用計量部17による洗剤タンク15内からの洗剤の計量、および、その計量した洗剤の洗浄槽3内への供給が実行されるようになる。
【0033】
また、制御装置400がモータMの回転軸Maを第1方向R1に回転させることにより、柔軟剤用ラチェットギア300は、ギア部301にラチェット部302が係止してギア部301およびラチェット部302が一体的に回転して柔軟剤用計量部18を駆動、つまり、ピストン18dを往復動する駆動状態となり、一方、洗剤用ラチェットギア200は、ギア部201にラチェット部202が係止せずギア部201のみが回転して洗剤用計量部17を駆動しない、つまり、ピストン17dを往復動しない非駆動状態となる。これにより、柔軟剤用計量部18による柔軟剤の計量が実行されるようになる。
【0034】
以上のような計量ポンプ100を備える洗濯機1において、制御装置400は、洗浄槽3内の衣類を洗う洗い行程では、モータMのモータ軸Maの回転方向を第2方向R2に切り換えることにより、洗剤用計量部17による洗剤の計量および槽内への供給を実行する。また、制御装置400は、洗浄槽3内の衣類をすすぐすすぎ行程では、モータMのモータ軸Maの回転方向を第1方向R1に切り換えることにより、柔軟剤用計量部18による柔軟剤の計量および槽内への供給を実行する。
【0035】
しかしながら、本実施形態に係る計量ポンプ100によれば、計量部17,18を駆動するラチェットギア200,300は、回転可能に設けられるギア部201,301と、ギア部201,301と係止状態となることによりギア部201,301と一体的に回転するように構成され、且つ、計量部17,18に接続されるラチェット部202,302と、ギア部201,301とラチェット部202,302との間に塗布される粘着性を有する潤滑剤と、を有した構成となっている。即ち、ラチェットギア200,300は、ギア部201,301にラチェット部202,302が一旦係止すると、潤滑剤による粘着性によりラチェット部202,302がギア部201,301から離れにくくなる構成となっている。
【0036】
そのため、一方の計量部、この場合、洗剤用計量部17を駆動した後に他方の計量部、この場合、柔軟剤用計量部18を駆動しようとすると、洗剤用計量部17を駆動するラチェットギア200においてギア部201とラチェット部202が粘着したまま一体的に回転してしまう。つまり、洗剤用計量部17が少なからず作動してしまう。そのため、このような状態、つまり、ラチェットギア200においてギア部201とラチェット部202が粘着したままの状態ですすぎ行程において柔軟剤用計量部18の駆動を開始すると、柔軟剤用計量部18の駆動中であるにも関わらず、洗剤用計量部17内に残る洗剤が柔軟剤とともに洗浄槽3内に供給されてしまうという不具合が生じる。
【0037】
そこで、本実施形態では、制御装置400は、モータMの回転軸Maを第2方向R2に回転させることによって洗剤用計量部17による洗剤の計量および継手水路部13cへの供給を実行した後であって、且つ、すすぎ行程を開始する前までの間に、モータMの回転軸Maを所定時間だけ第1方向R1に回転させる残剤排出処理を実行するように構成されている。この残剤排出処理において、制御装置400は、洗剤用ラチェットギア200において、少なくとも潤滑剤の粘着性によってギア部201にラチェット部202が粘着した粘着状態が解除されるまでの短い時間だけモータMの回転軸Maを第1方向R1に回転させる。これにより、洗剤用ラチェットギア200は、例えば図3に例示するギア部201の突出部201aにラチェット部202の係止部202bが粘着した状態から、例えば図5に例示するギア部201の突出部201aからラチェット部202の係止部202bが離れた状態となろうとする。そして、この状態になろうとするときに、潤滑剤の粘着性によってギア部201にラチェット部202が引っ張られて洗剤用第2方向A2へ少量だけ駆動するような状態が形成される。また、ギア部201の突出部201aとラチェット部202の係止部202bとの間に隙間が形成されることで、これにより、洗剤用計量部17のピストン17dが蛇腹部17eに引っ張られるようにして少量だけ駆動可能となる。そのため、洗剤用計量部17を少しだけ駆動することが可能となり、洗剤用計量部17内に残る洗剤を当該洗剤用計量部17の外部、つまり、洗浄槽3側に排出することができる。
【0038】
なお、残剤排出処理を実行するタイミングは、洗い行程の洗剤投入終了後からすすぎ行程の開始前までの間であれば適宜変更して実施することができるが、洗い行程の洗剤投入終了直後に行うことが好ましい。また、残剤排出処理を実行する時間は、例えば数秒程度以下で十分であるが、使用する潤滑剤の粘着性の強さに応じて適宜調整するとよい。また、洗い行程の終了後からすすぎ行程の開始前までの間に残剤排出処理を複数回実行するように構成してもよい。この場合、各回の残剤排出処理の時間を異ならせたり、実行する間隔を異ならせたりしてもよい。
【0039】
以上のように構成される洗濯機1によれば、洗剤および柔軟剤を計量する2つの計量部17,18を1つの共通のモータMにより駆動する構成において、一方の計量部17による洗剤の計量を実行した後であって、且つ、すすぎ行程を開始する前までの間に、他方の計量部18を所定の短時間だけ駆動することにより、洗剤用ラチェットギア200においてギア部201にラチェット部202が粘着した粘着状態を積極的に解除するようにした。これにより、洗剤用計量部17内に残る洗剤を当該洗剤用計量部17の外部に排出した状態ですすぎ行程を開始することができ、一方の計量部17内に残る洗剤が、すすぎ行程における他方の計量部18による柔軟剤の計量時に洗浄槽3内に供給されてしまうことを抑制することができる。
【0040】
なお、本実施形態は、上述した一実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や拡張を行うことができる。即ち、制御装置400は、残剤排出処理を実行する場合には、給水弁10bから継手水路部13c内に水を供給するように構成するとよい。この構成によれば、残剤排出処理によって排出された洗剤を速やかに洗浄槽3内に洗い流すことができ、すすぎ行程において洗剤が洗浄槽3内に供給されてしまうことを一層確実に回避することができる。
【0041】
また、制御装置400は、残剤排出処理を実行しながら給水弁10bから継手水路部13c内に水を供給するように構成するとよい。この構成によれば、残剤排出処理によって排出された洗剤を洗い流しながら洗浄槽3内に給水を行うことができ、運転時間の短縮化を図ることができる。
【0042】
また、洗剤用計量部17および柔軟剤用計量部18は、蛇腹部17e,18eを備える構成に限られるものではなく、衣類処理剤を計量して送出できる構成であれば、種々の構成を適用することができる。図6には、いわゆるピストン式の計量部の構成例を示している。この場合、洗剤用計量部117は、蛇腹部17eを備えておらず、ピストン17dに代えてピストン117dを備えた構成である。ピストン117dは、円筒状のシリンダ部117cの内部を摺動するピストンである。ピストン117dの先端部には、横長状の孔117fが設けられており、洗剤用ラチェットギア200のシャフト202cは、この孔117f内に移動可能に差し込まれている。また、柔軟剤用計量部118は、蛇腹部18eを備えておらず、ピストン18dに代えてピストン118dを備えた構成である。ピストン118dは、円筒状のシリンダ部118cの内部を摺動するピストンである。ピストン118dの先端部には、横長状の孔118fが設けられており、柔軟剤用ラチェットギア300のシャフト302cは、この孔118f内に移動可能に差し込まれている。このような摺動式のピストン構成であっても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0043】
また、洗濯機1は、継手水路部13cを備えず、計量ポンプ100により計量された衣類処理剤を洗浄槽3内に直接的に供給する構成としてもよい。
【0044】
また、制御装置400は、モータMの回転軸Maを第1方向R1に回転させることによって柔軟剤用計量部18による柔軟剤の計量を実行した後に、少なくとも潤滑剤の粘着性によってギア部301にラチェット部302が粘着した粘着状態が解除されるようにモータMの回転軸Maを第2方向R2に回転させ、これにより、柔軟材用計量部18内に残る柔軟剤を排出する残剤排出処理を実行するように構成してもよい。即ち、上述した実施形態について、第1計量部および第1ラチェットギアの動作と、第2計量部および第2ラチェットギアの動作と、を入れ換えた形態としてもよい。また、計量ポンプ100は、洗剤タンク15と柔軟剤タンク16とを逆に接続した構成、換言すれば、入れ換えた構成としてもよい。また、モータMは、第2ラチェットギア側に設けてもよいし、第1ラチェットギア側に設けてもよい。モータMを第1ラチェットギア側に設けた場合、第1方向R1と第2方向R2とをそれぞれ逆向きに設定すれば、換言すれば、第1方向R1と第2方向R2とを入れ換えればよい。
【0045】
また、タンクは、洗剤を貯留する洗剤タンク15や柔軟剤を貯留する柔軟剤タンク16に限られるものではなく、例えば、消臭剤を貯留する消臭剤タンク、除菌剤を貯留する除菌剤タンクなど、衣類に何らかの処理を施す種々の処理剤を貯留するタンクであれば種々の種類のタンクを適宜採用することができる。また、給水部4に備えられる複数のタンクは、同じ種類の処理剤を貯留するタンクであってもよいし、異なる種類の処理剤を貯留するタンクであってもよい。
【0046】
また、本実施形態は、回転槽の回転中心軸が鉛直方向に延びる、いわゆる縦軸型の洗濯機にも適用することができる。また、本実施形態は、乾燥機能を有する洗濯機にも適用することができる。また、本実施形態は、乾燥機能を有しない洗濯機にも適用することができる。また、本実施形態は、例えば、衣類の消臭、脱臭、除菌など、衣類に対して何らかの処理を施す装置であれば、種々の衣類処理装置に適用することができる。
【0047】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
図面中、1は洗濯機(衣類処理装置)、3は洗浄槽(衣類処理槽)、13cは継手水路部、15は洗剤タンク(第1タンク)、16は柔軟剤タンク(第2タンク)、17は洗剤用計量部(第1計量部)、18は柔軟剤用計量部(第2計量部)、200は洗剤用ラチェットギア(第1ラチェットギア)、201はギア部(第1ギア部)、202はラチェット部(第1ラチェット部)、300は柔軟剤用ラチェットギア(第2ラチェットギア)、
301はギア部(第2ギア部)、302はラチェット部(第2ラチェット部)、400は制御装置(制御部)、Mはモータを示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6