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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-05
(45)【発行日】2023-06-13
(54)【発明の名称】統合化されたLIDAR照明出力制御
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/484 20060101AFI20230606BHJP
   G01S 17/10 20200101ALI20230606BHJP
【FI】
G01S7/484
G01S17/10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019553816
(86)(22)【出願日】2018-03-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-28
(86)【国際出願番号】 US2018025395
(87)【国際公開番号】W WO2018183843
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2021-03-30
(31)【優先権主張番号】62/480,119
(32)【優先日】2017-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/941,302
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518183103
【氏名又は名称】ベロダイン ライダー ユーエスエー,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003579
【氏名又は名称】弁理士法人山崎国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【弁理士】
【氏名又は名称】朴 志恩
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【弁理士】
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 千裕
(74)【代理人】
【識別番号】100071010
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 行造
(72)【発明者】
【氏名】ホール、デイヴィッド エス
(72)【発明者】
【氏名】リウ、レイモンド
(72)【発明者】
【氏名】ミルグローム、オーレン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥミトリアン、マリウス
【審査官】山下 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-102000(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0258695(US,A1)
【文献】特開2013-187528(JP,A)
【文献】特開2016-164983(JP,A)
【文献】特開平10-221450(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0316494(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0106650(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48 - 7/51
G01S17/00 -17/95
G01C 3/08 - 3/10
H01S 5/026
H01L33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
統合LIDAR測定装置であって、
プリント回路基板に取り付けられた照明源と、
前記プリント回路基板に取り付けられ、省電力制御モジュールを具備する窒化ガリウム(GaN)ベースの照明ドライバ集積回路(IC)であって、前記照明ドライバICは、前記照明源及び第1の電源に電気的に接続され、前記照明ドライバICは、パルストリガー信号に応答して前記照明源を前記第1の電源に選択的に電気的に接続させ、前記照明源に照明光の測定パルスを放射させるよう構成され、そして前記省電力制御モジュールは、前記GaNベースの照明ドライバICの回路の一部に供給する電力を調整して電力消費を低減させることができることを特徴とする、照明ドライバ集積回路と、
前記プリント回路基板に取り付けられた光検出器であって、前記光検出器は、光の戻りパルスを検出し、前記検出された戻りパルスを示す出力信号を生成するよう構成され、前記戻りパルスは、対応する前記測定パルスにより照射された周囲環境内の1つの位置から反射された前記測定パルスであることを特徴とする、光検出器と、
前記プリント回路基板に取り付けられた戻り信号受信機集積回路(IC)であって、前記出力信号に基づいて前記戻り信号受信機ICは、前記LIDAR測定装置から3次元環境内の測定位置まで行き、前記LIDAR測定装置に戻ってくるまでの前記測定パルスの飛行時間を決定するよう構成され、前記戻り信号受信機ICは前記パルストリガー信号を生成し、前記パルストリガー信号を前記GaNベースの照明ドライバICに伝達するよう構成されていることを特徴とする、戻りパルス受信機ICと、
を具備し、
前記省電力制御モジュールは、(i)前記パルストリガー信号の第1のエッジで遅れ時間を導入し、(ii)前記遅れ時間の経過後、前記GaNベースの照明ドライバICの回路の一部への第1の調整された電圧を生成し、前記第1の調整された電圧は、前記パルストリガー信号の第2のエッジを過ぎても低電圧を維持し、(iii)前記GaNベースの照明ドライバICの回路の一部への第2の調整された電圧を生成し、前記第2の調整された電圧は、次のパルストリガー信号の第1のエッジの前に高電圧値へと上昇することを特徴とする、統合LIDAR測定装置。
【請求項2】
前記第1の電源は、前記第1の電源の第1のノードと第2のノードとの間に第1の電圧を生じさせ、前記照明源の第1のノードは、前記電源の前記第1のノードに電気的に接続され、前記照明ドライバICは、前記照明源の第2のノードと前記第1の電源の前記第2のノードとに電気的に接続され、前記照明ドライバICは、前記パルストリガー信号に応答して、前記照明源の前記第2のノードを前記第1の電源の前記第2のノードに選択的に電気的に接続させるよう構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の統合LIDAR測定装置。
【請求項3】
前記GaNベースの照明ドライバICは、複数の電界効果トランジスタ(FETs)を具備し、前記複数の電界効果トランジスタ(FETs)は、
ソース、第2の電源の第1のノードに接続されたドレイン、及びゲート充電制御信号を受信するよう構成されたゲートを有する第1の電界効果トランジスタ(FET)と、
前記第1のFETの前記ソースに接続されたドレイン、前記第2の電源の第2のノードに接続されたソース、及びゲート放電制御信号を受信するよう構成されたゲートを有する第2のFETと、
前記第1のFETの前記ソースと前記第2のFETの前記ドレインとに接続されたゲート、前記照明源の前記第2のノードに接続されたドレイン、及び前記第1の電源の前記第2のノードに接続されたソースを有する第3のFETであって、前記ゲート充電制御信号は、前記第3のFETの前記ゲートを前記第2の電源の前記第1のノードに選択的に接続させ、前記ゲート放電制御信号は、前記第3のFETの前記ゲートを前記第2の電源の前記第2のノードに選択的に接続させることを特徴とする第3のFETと、
を具備することを特徴とする請求項2に記載の統合LIDAR測定装置。
【請求項4】
パルストリガー信号に応答して、プリント回路基板に取り付けられた窒化ガリウム(GaN)ベースの照明ドライバ集積回路(IC)から電力のパルスを供給するステップであって、前記照明ドライバICには、省電力制御モジュールが含まれていることを特徴とする、ステップと
電力消費を低減させるために、前記GaNベースの照明ドライバICの回路の一部に供給する電力を調整するステップであって、前記電力を調整するステップは、
(i)前記省電力制御モジュールにより、前記パルストリガー信号の第1のエッジで遅れ時間を導入するステップと、
(ii)前記遅れ時間の経過後、前記省電力制御モジュールにより、前記GaNベースの照明ドライバICの回路の一部への第1の調整された電圧を生成するステップであって、前記第1の調整された電圧は、前記パルストリガー信号の第2のエッジを過ぎても低電圧を維持する、ステップと、
(iii)前記省電力制御モジュールにより、前記GaNベースの照明ドライバICの回路の一部への第2の調整された電圧を生成するステップであって、前記第2の調整された電圧は、次のパルストリガー信号の第1のエッジの前に高電圧値へと上昇する、ステップと、
を具備することを特徴とする、ステップと、
前記プリント回路基板に取り付けられた照明源からの電力の前記パルスに応答して照明光の測定パルスを放射するステップと、
光の戻りパルスを検出するステップであって、前記戻りパルスは、対応する前記測定パルスにより照射された周囲環境内の1つの位置から反射された前記測定パルスであることを特徴とする光の戻りパルスを検出するステップと、
LIDAR装置から3次元環境内の測定位置まで行き、前記LIDAR装置に戻ってくるまでの前記測定パルスの飛行時間を、前記検出された光の戻りパルスに基づき決定するステップと
を具備することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2017年3月31日に出願された「統合化されたLIDAR照明出力制御」というタイトルの米国特許仮出願第62/480,119号に基づき優先権を主張している、2018年3月30日に出願された「統合化されたLIDAR照明出力制御」というタイトルの米国特許出願第15/941,302に基づく優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
開示した実施形態は、LIDARベースの3Dポイントクラウド測定システムに関する。
【背景技術】
【0003】
LIDARシステムは、光のパルスを使用して、各光パルスの飛行時間(TOF)に基づいて物体までの距離を測定する。LIDARシステムの光源から発せられる光パルスは、遠方の物体と互いに影響し合う。光の一部は物体から反射し、LIDARシステムの検出器に戻る。光パルスの放射と戻り光パルスの検出との間の経過時間に基づいて、距離を推定する。いくつかの例では、レーザーエミッターによって光のパルスが生成される。光パルスは、レンズ又はレンズアセンブリを介して集光される。レーザー光のパルスがエミッターの近くに取り付けられた検出器に戻るのにかかる時間を測定する。距離は、時間測定により高精度で導出される。
【0004】
一部のLIDARシステムは単一のレーザーエミッター/検出器の組み合わせを使用し、回転ミラーを組み合わせて、平面を効果的にスキャンする。このようなシステムによって実行される距離測定は、事実上二次元(つまり平面)であり、捕捉した距離ポイントは二次元(つまり単一平面)のポイントクラウドとされる。いくつかの例では、回転ミラーは非常に高速度で回転する(例えば:毎分数千回転)。
【0005】
多くの操作シナリオでは、3Dポイントクラウドが必要である。周囲の環境を三次元で調査するために、多くのスキームが採用されている。いくつかの例では、2D機器は上下に、及び/又は前後に、多くの場合ジンバル上で動作する。これは、センサーの「ウィンク」又は「うなずき」として当業者に一般的に知られている。したがって、単一のビームLIDARユニットを使用して、一度に1点ではあるが、距離点の3Dアレイ全体をキャプチャできる。関連する例では、プリズムを使用してレーザーパルスを、それぞれがわずかに異なる垂直角を持つ複数の層に「分割」する。これは、上記のうなずき効果をシミュレートするが、センサー自体は作動しない。
【0006】
上記のすべての例で、単一のレーザーのエミッター/検出器の組み合わせの光路は、単一のセンサーよりも広い視野を得るために何らかの形で変更されている。このような装置が単位時間あたりに生成できるピクセル数は、本質的に、単一のレーザーのパルス繰り返し率の制限により制限される。ミラー、プリズム、又は、カバレッジエリアを拡大する装置の作動により、ビーム経路を変更することで、ポイントクラウド密度が低下することとなる。
【0007】
上記のように、3Dポイントクラウドシステムにはいくつかの構成がある。しかしながら、多くのアプリケーションでは、広い視野で見る必要がある。例えば、自律走行車の用途では、車両の前の地面を見るために、垂直方向の視野をできるだけ下方に拡大する必要がある。さらに、車が道路の窪みに入った場合に備えて、垂直方向の視野は地平線の上方に拡大する必要がある。さらに、現実の世界で生じる動きとその動きの画像化との間の遅延を最小限にする必要がある。いくつかの例では、完結した画像更新を毎秒少なくとも5回行うことが望ましい。これらの要件に対処するために、複数のレーザーエミッターと検出器のアレイを含む3D-LIDARシステムが開発された。このシステムは、2011年6月28日に発行された米国特許番号7,969,558に記載されており、その内容は、参照により全体が本明細書に組み込まれるものとする。
【0008】
多くの用途において、一連のパルスが放出される。各パルスの方向は、連続的に急速に変化する。これらの例では、個々のパルスに関連付けられた距離測定ではピクセルを考慮し、高速で連続的に放出及び捕捉されたピクセルの集合(つまり「ポイントクラウド」)を画像として得たり、他の理由(障害物の検出など)のために分析したりできる。いくつかの例では、結果的に得られたポイントクラウドをユーザーに三次元で表示される画像として得るために表示ソフトウェアを使用する。実写カメラで撮影されたかのように見える3D画像として測定距離を表現するためにさまざまなスキームを使用することができる。
【0009】
いくつかの既存のLIDARシステムは、共通の基板(例えば、電気実装ボード)上で統合されていない照明源と検出器を採用している。さらに、照明ビーム経路と収集ビーム経路は、LIDAR装置内で分離されている。これにより、オプトメカニクスの設計が複雑になり、調整が困難になる。
【0010】
加えて、異なる方向に照明ビームをスキャンさせるために使用される機械装置は、機械的振動、慣性力、及び一般的な環境条件に敏感である。設計が適切でない場合、これらの機械装置は劣化して、性能の低下や故障につながる可能性がある。
【0011】
高解像度及び高スループットで3D環境を測定するには、測定パルスは非常に短くなければならない。現在のシステムは、持続時間が短いパルスを生成する能力が限られているため、解像度が低いという問題がある。
【0012】
現実的な動作環境ではターゲットの反射率と接近度が大きく変化するため、検出器の飽和により測定能力が制限される。加えて、電力消費によりLIDARシステムが過熱する場合がある。照明具、ターゲット、回路、及び温度は、実際のシステムによって異なる。これらすべての要素の変動は、各LIDAR装置の光子出力を適切に較正しなければシステムのパフォーマンスを制限することとなる。
【0013】
画像解像度及び画像範囲を改善するために、LIDARシステムの照明ドライブ電子機器及び受信電子機器の改善が望まれる。
【発明の概要】
【0014】
ここでは、統合LIDAR測定装置を用いて3次元LIDAR測定を実行するための方法及びシステムについて説明する。
【0015】
1つの態様では、LIDAR測定装置の照明ドライバは、照明光源を電力源に選択的に接続させて、パルストリガー信号に応答して照明光の測定パルスを生成させるGaNベースのLIDAR測定システム(IC)である。GaNベースの照明ドライバには、従来のシリコンベースの相補型金属酸化シリコン(CMOS)デバイスよりも高い電流密度をもたらす電界効果トランジスタ(FET)が含まれている。その結果、GaNベースの照明ドライバは、大幅に少ない電力損失で比較的大きな電流を照明源に供給することができる。
【0016】
さらなる態様では、戻りパルス受信機ICは、主制御装置からパルスコマンド信号を受信し、パルスコマンド信号に応答してパルストリガー信号を照明ドライバICに伝達する。パルストリガー信号により、戻りパルスのデータ取得及び、戻りパルス受信機ICによる関連する飛行時間の計算も開始する。このようにして、受信機ICの内部クロックに基づいて生成されたパルストリガー信号を使用して、パルス生成と戻りパルスデータ取得の両方を開始させる。これにより、パルス生成と戻りパルス取得の正確な同期が保証され、時間・デジタル変換による正確な飛行時間計算が可能になる。
【0017】
別のさらなる態様では、戻りパルス受信機ICは、照明源と統合LIDAR測定装置の光検出器との間の内部的なクロストークに起因するパルスの検出と、有効な戻りパルスとの間で費やされた時間に基づき決定される。このようにして、システムに起因する遅延は飛行時間の推定から排除される。
【0018】
別の態様では、照明ドライバICには、照明源を流れる電流を制御するように構成されたいくつかの異なるFETが含まれる。さらに、照明源に接続されたFETの数は、デジタルFET選択信号に基づいて選択可能である。いくつかの実施形態では、FET選択信号は、戻りパルス受信機ICから照明ドライバICに伝達される。
【0019】
別の態様では、照明ドライバICには、照明ドライバICの1つの回路に供給する電力を調整して電力消費を低減する省電力制御モジュールが含まれる。動作中、照明ドライバICは測定パルスの生成に比較的短い時間を使い、次の測定パルスを生成するトリガー信号を待機するのに比較的長い時間を使う。このようなアイドル期間において、照明ドライバICは、待機期間全体にわたってアクティブである必要はない、回路コンポーネントに供給される電力を削減又は削除する。
【0020】
別の態様では、照明ドライバICには、パルストリガー信号に基づいてパルス開始信号を生成するパルス開始信号発生器が含まれる。加えて、照明ドライバICには、パルス終了信号を生成するパルス終了信号発生器が含まれる。同時に、パルス開始信号とパルス終了信号は、照明ドライバICによって生成されたパルスのタイミングを直接決定する。照明ドライバICは、戻りパルス受信機ICから受信したアナログパルス幅制御信号の値に基づいて、持続時間がプログラム可能なパルスを生成する。照明ドライバは、パルス幅制御信号の値に基づくパルス開始信号より遅れたパルス終了信号を生成する。
【0021】
別の態様では、照明ドライバICは、戻りパルス受信機ICから受信したアナログ振幅制御信号の値に基づいて、プログラム可能な振幅のパルスを生成する。
【0022】
別の態様では、主制御装置は、別々の統合LIDAR測定装置にそれぞれ伝達される複数のパルスコマンド信号を生成するように構成される。各戻りパルス受信機ICは、受信したパルスコマンド信号に基づいて、対応するパルストリガー信号を生成する。
【0023】
上述の記載は要約であり、したがって、必然的に、簡素化、一般化及び詳細の省略が含まれ、したがって、当業者であればこの要約は単なる例示であり、決して限定のためのものではないことを理解するであろう。他の態様、創作的特徴、及びここに記載した装置及び/又はプロセスの利点は、ここに記載した非限定的な詳細な説明において明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】少なくとも1つの新規な態様における少なくとも1つの統合LIDAR測定装置を含むLIDAR測定システムの1つの実施形態を示す簡略図である。
【0025】
図2】統合LIDAR測定装置130からの測定パルスの放射、及び戻り測定パルスの捕捉に関連するタイミングを図示する。
【0026】
図3】1つの実施形態における照明ドライバICを示す簡略図を示す。
【0027】
図4】別の実施形態における照明ドライバICを示す簡略図を示す。
【0028】
図5】省電力制御モジュール、パルス開始信号発生器、及びパルス終了信号発生器を含む照明ドライバICの1つの実施形態の簡略図を示す。
【0029】
図6】省電力制御モジュールの実施形態をさらに詳細に示す。
【0030】
図7】パルス開始信号発生器の1つの実施形態をさらに詳細に示す。
【0031】
図8】パルス終了信号発生器の1つの実施形態をさらに詳細に示す。
【0032】
図9】パルス振幅制御回路の実施形態をさらに詳細に示す。
【0033】
図10】パルストリガー信号に応じて省電力制御モジュールによって生成される調整された電圧VREGの変化の簡略図を示す。
【0034】
図11】1つの例示的な動作シナリオにおける3D-LIDARシステム100の実施形態を示す図である。
【0035】
図12】1つの例示的な動作シナリオにおける3D-LIDARシステム10の別の実施形態を示す図である。
【0036】
図13】1つの例示的な実施形態における3D-LIDARシステム100の分解図を示す。
【0037】
図14】光学素子116の詳細を示す図である。
【0038】
図15】集光した光118の各ビームの整形を示す光学系116の断面図である。
【0039】
図16】少なくとも1つの新しい太陽における、統合LIDAR測定装置により、LIDAR測定を実行する方法300を例示するフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
次に、本発明の背景例及びいくつかの実施形態を詳細に参照するが、それらの例は添付図面に示されている。
【0041】
図1は、1つの実施形態におけるLIDAR測定システム120を示す。LIDAR測定システム120には、主制御装置190と1つ以上の統合LIDAR測定装置130とが含まれる。統合LIDAR測定装置130には、戻り信号受信機集積回路(IC)、窒化ガリウムベースの照明ドライバ集積回路(IC)140、照明源160、光検出器170、及びトランスインピーダンス増幅器(TIA)180が含まれる。これらの要素の各々は、要素間の機械的支持及び電気的接続性を提供する共通基板135(例えば、プリント回路基板)に取り付けられている。
【0042】
加えて、いくつかの実施形態では、統合LIDAR測定装置には、基板135に取り付けられた電子素子に電圧を供給し、照明装置160に電力を供給する1つ以上の電圧源を含む。図1に示すように、統合LIDAR測定装置130には、ノードVDDLV137とノードVSS136に比較的低い電圧を供給するように構成された低信号電圧源131を含む。いくつかの実施形態では、電圧源131によって供給される電圧は約5ボルトである。この電圧は、照明ドライバIC140の1つ以上のトランジスタのゲートに供給される電圧が損傷閾値を超えないことを保証するように選択される。加えて、統合LIDAR測定装置130には、低電圧電源131によって供給される電圧よりも高い電圧をノードVDDMV139とVSS138との間に供給するように構成された、中間信号電圧源132が含まれる。いくつかの実施形態では、電圧源132によって供給される電圧は約12ボルトである。この電圧は、照明ドライバIC140の1つ以上のトランジスタの高速スイッチング遷移を保証するように選択される。加えて、統合LIDAR測定装置130には、中間電圧電源132によって供給される電圧よりも高い電圧をノードVDDHV122とノードVSS121との間に供給するように構成された、電力電圧源133が含まれる。いくつかの実施形態では、電圧源133によって供給される電圧は約15から20ボルトである。電圧源133は、照明源160に測定光のパルスを放射させるような、高電流136(例えば、100アンペア以上)を照明源160に供給するように構成されている。
【0043】
ここでは好ましい出力電圧について説明したが、一般に、電源131、132、及び133は、任意の適切な電圧を供給するように構成することができる。加えて、図1を参照して説明した電圧源131、132、及び133は、基板135に取り付けられている。しかしながら、一般に、ここで説明する電源のいずれも、別の基板に取り付けることができ、任意の適切な方法で基板135に取り付けられた様々な要素に電気的に接続することができる。電源131、132、及び133は、図1を参照して電圧源として説明されているが、一般に、ここで説明した任意の電源は、電圧又は電流で特定した電力を供給するように構成することができる。したがって、本明細書で電圧源又は電流源として説明している任意の電源は、それぞれ同等の電流源又は電圧源と考えることができる。
【0044】
照明源160は、電流136のパルスに応答して照明光162の測定パルスを放射する。照明光162は、LIDARシステムの1つ以上の光学要素により周囲環境の特定の場所に焦点が合わせられ、その場所に投射される。
【0045】
いくつかの実施形態では、照明源160はレーザーベース(例えばレーザーダイオード)である。いくつかの実施形態では、照明源は、1つ以上の発光ダイオードに基づいている。一般に、任意の適切なパルス照明源を考えることができる。
【0046】
図1に示すように、統合LIDAR測定装置130から放射された照明光162と、統合LIDAR測定装置に向かう対応する戻り測定光171は、光路を共有する。統合LIDAR測定装置130には、アクティブセンサー領域174を有する光検出器170が含まれる。図1に示すように、照明源160は、光検出器のアクティブ領域174の視野の外側に位置する。図1に示すように、オーバーモールドレンズ172は、光検出器170に取り付けられている。オーバーモールドレンズ172には、戻り光171の光線受け入れ円錐に対応する円錐空洞が含まれる。照明源160からの照明光162は、ファイバ導波路によって検出器受信円錐に注入される。光カプラーは、照明源160とファイバ導波路とを光学的に接続する。ファイバ導波路の端部では、照明光162を戻り光171の円錐に注入するために、ミラー要素161は導波路に対して45度の角度に保たれている。1つの実施形態では、ファイバ導波路の端面は45度の角度で切断され、端面は高反射誘電体コーティングでコーティングした鏡面を提供する。いくつかの実施形態では、導波路には、長方形のガラスコアと、より低い屈折率のポリマークラッドとが含まれる。いくつかの実施形態では、光学アセンブリ全体が、ポリマークラッディングの屈折率に厳密に一致する屈折率を有する材料でカプセル化されている。このようにして、導波路により、照明光162が最小のオクルージョンで戻り光171の受け入れ円錐に注入される。
【0047】
検出器170のアクティブ検出領域174に投射された戻り光171の受け入れ円錐内の導波路の配置は、照明スポットと検出器の視野が確実に遠視野で最大の重なりを有するように選択される。
【0048】
図1に示すように、周囲環境から反射された戻り光171は、光検出器170によって検出される。いくつかの実施形態では、光検出器170はアバランシェフォトダイオードである。光検出器170は、アナログトランスインピーダンス増幅器(TIA)180によって増幅される出力信号173を生成する。しかしながら、一般に、出力信号173の増幅は、複数の増幅段を有することがある。この意味で、本特許文書の範囲内で他の多くのアナログ信号増幅方式を考えることができるので、アナログトランスインピーダンス増幅器を非限定的な例として提示する。図1には、一般に、受信機IC150とは別個のデバイスとしてTIA180が描かれているが、TIA180は受信機IC150と統合されてもよい。いくつかの実施形態では、TIA180を受信機IC150と統合して、スペースを節約し、信号の混入を低減することが好ましい。
【0049】
図1に示すように、増幅された信号181は、戻り信号受信機IC150に伝達される。受信機IC150には、タイミング回路と、照明源160から三次元環境内の反射物体まで行き光検出器170に戻るまでの測定パルスの飛行時間を推定する時間デジタル変換器が含まれる。推定飛行時間を示す信号155は、LIDAR測定システム120のユーザーへのさらなる処理及び伝達のために、主制御装置190に伝達される。加えて、戻り信号受信機IC150は、ピーク値(すなわち、戻りパルス)を含むリターン信号181のセグメントをデジタル化し、デジタル化されたセグメントを示す信号156を主制御装置190に伝達する。いくつかの実施形態では、主制御装置190は、これらの信号セグメントを処理して、検出された物体の特性を識別する。いくつかの実施形態では、主制御装置190は、さらなる処理のために、信号156をLIDAR測定システム120のユーザーに伝達する。
【0050】
主制御装置190は、統合LIDAR測定装置130の受信機IC150に伝達されるパルスコマンド信号191を生成するように構成される。一般に、LIDAR測定システムには、いくつかの異なる統合LIDAR測定装置130が含まれる。これらの実施形態では、主制御装置190は、パルスコマンド信号191を、異なる統合LIDAR測定装置の各々に伝達する。このようにして、主制御装置190は、任意の数の統合LIDAR測定装置によって実行されるLIDAR測定のタイミングを調整する。
【0051】
パルスコマンド信号191は、主制御装置190によって生成されたデジタル信号である。かくて、パルスコマンド信号191のタイミングは、主制御装置190に関連するクロックによって決定される。いくつかの実施形態では、パルスコマンド信号191は、照明ドライバIC140によるパルス生成及び受信機IC150によるデータ取得を開始させるために直接使用される。しかしながら、照明ドライバIC140及び受信機IC150は、主制御装置190と同じクロックを共有しない。このため、パルスコマンド信号191を直接使用してパルス生成とデータ収集を開始させる場合、飛行時間の正確な推定は、はるかに計算が面倒になる。
【0052】
1つの態様では、受信機IC150は、パルスコマンド信号191を受信し、パルスコマンド信号191に応答して、パルストリガー信号VTRG151を生成する。パルストリガー信号151は、照明ドライバIC140に伝達され、照明源160を電源133に電気的に接続し、照明光162のパルスを生成させるように、照明ドライバIC140を直接的に動作させる。加えて、パルストリガー信号151は、戻り信号181及び関連する飛行時間計算のデータ取得を直接的に開始させる。このようにして、受信機IC150の内部クロックに基づいて生成されたパルストリガー信号151を、パルス生成と戻りパルスデータ取得の両方を開始させるために使用する。これにより、時間からデジタルへの変換により正確な飛行時間の計算を可能にする、パルス生成と戻りパルス取得との同期を確実なものとする。
【0053】
図2は、統合LIDAR測定装置130からの測定パルスの放射及び戻り測定パルスの捕捉に関連するタイミングを図示する。図2に示すように、測定は、受信機IC150によって生成されるパルストリガー信号162の立ち上がりエッジによって測定を開始する。図1及び図2に示すように。増幅されたリターン信号181を、受信機IC150が受信する。前述のように、測定窓(つまり、収集されたリターン信号データが特定の測定パルスと関連付けられている期間)は、パルストリガー信号162の立ち上がりエッジでデータ取得を有効にすることによって開始する。受信機IC150は、測定パルスシーケンスの放出に応答して戻り信号が予想される時間の窓に対応するように、測定窓の持続時間Tmeasurementを制御する。いくつかの例では、パルストリガー信号162の立ち上がりエッジで測定窓が有効になり、LIDARシステムの範囲の約2倍の距離にわたる光の飛行時間に対応する時刻で無効になる。このように、測定窓は、LIDARシステムに隣接するオブジェクト(つまり、無視できる飛行時間)からLIDARシステムの最大範囲までにあるオブジェクトの戻り光を収集するために開いている。このようにして、有用なリターン信号に貢献できない可能性のある他のすべての光が排除される。
【0054】
図2に示すように、戻り信号181には、放出された測定パルスに対応する3つの戻り測定パルスが含まれる。一般に、信号検出は、検出されたすべての測定パルスに対して実行される。さらに、最も近い有効信号181B(すなわち、戻り測定パルスの最初の有効なインスタンス)、最も強い信号、及び最も遠い有効信号181C(すなわち、測定窓における戻り測定パルスの最後の有効なインスタンス)を識別するために信号分析を実行することができる。これらのインスタンスはいずれも、潜在的に有効な距離測定としてLIDARシステムから報告することができる。
【0055】
LIDARシステムからの光の放出に関連する内部システム遅延(例えば、スイッチング要素、エネルギー貯蔵要素、及びパルス発光装置に関連する信号通信遅延及び待ち時間)、及び光の収集と収集された光を示す信号の生成(例えば、増幅器のレイテンシ、アナログデジタル変換遅延など)に関連する遅延は、光の測定パルスの飛行時間の推定における誤差の原因となる。したがって、パルストリガー信号162の立ち上がりエッジと各有効戻りパルス(すなわち、181B及び181C)との間の経過時間に基づく飛行時間の測定には、望ましくない測定エラーが入り込んでいる。いくつかの実施形態では、修正した実際の光の飛行時間の推定値を得るため、電子的な遅延を補正するために、較正済みの所定の遅延時間が採用されている。ただし、動的に変化する電子遅延に対して静的な補正を行うことには、精度に限界が生じる。頻繁に再キャリブレーションを行うこともできるが、これには計算の複雑さが伴い、システムの稼働時間の妨げとなる。
【0056】
別の態様では、受信機IC150は、照明源160と光検出器170との間の内部クロストークによる検出パルス181Aの検出と、有効な戻りパルス(例えば、181B及び181C)との間の経過時間に基づいて飛行時間を測定する。このようにして、システムに起因する遅延は飛行時間の推定から排除される。パルス181Aは、光の伝播距離が事実上存在しない内部クロストークによって生成される。したがって、パルストリガー信号の立ち上がりエッジからパルス181Aの検出のインスタンスまでの時間遅れは、照明及び信号検出に関連するシステムに起因する遅延のすべてを捕捉する。有効な戻りパルス(例えば、戻りパルス181B及び181C)の飛行時間を、検出されたパルス181Aを基準にして測定することにより、内部クロストークによる照明及び信号検出に関連するすべての、システムに起因する遅延が除去される。図2に示すように、受信機IC150は、戻りパルス181Bに関連する飛行時間TOFと、戻りパルス181Aを基準とした戻りパルス181Cに関連する飛行時間TOFとを推定する。
【0057】
いくつかの実施形態では、信号分析は、受信機IC150によって完全に実行される。これらの実施形態では、統合LIDAR測定装置130から伝達される信号155には、受信機IC150によって決定された飛行時間の指示が含まれる。いくつかの実施形態では、信号156には、受信機IC150によって生成された戻り信号181のデジタル化されたセグメントが含まれる。これらの生の測定信号セグメントは、3D-LIDARシステムに搭載された、又は3D-LIDARシステムの外部にある1つ以上のプロセッサによってさらに処理され、距離の別の推定値、検出されたオブジェクトの1つ以上の物理的特性、又はそれらの組み合わせを取得する。
【0058】
1つの態様では、LIDAR測定装置の照明ドライバは、照明源を電力源に選択的に接続し、パルストリガー信号に応答して照明光の測定パルスを生成する。GaNベースの照明ドライバには、従来のシリコンベースの相補型金属酸化シリコン(CMOS)デバイスよりも高い電流密度を提供する電界効果トランジスタ(FET)が含まれている。その結果、GaNベースの照明ドライバは、シリコンベースのドライバよりも大幅に少ない電力損失で、比較的大きな電流を照明源に供給することができる。
【0059】
図1に示すように、照明ドライバIC140は、電源133の電圧ノード121と照明源160のノードに接続される。照明源160の別のノードは、電源133の電圧ノード122に接続される。パルストリガー信号151に応答して、照明ドライバIC140の電界効果トランジスタ(FET)は実質的に導電性になり、照明源160をノード121と有効に接続する。これにより、照明源160を通る高電流の流れ136が誘発され、照明光162の測定パルスを放射させる。
【0060】
図3は、照明ドライバIC140の実施形態140Aを示す。さらなる態様では、GaNベースの照明ドライバIC140Aには、共通のGaNベースのIC上に統合された3つのFET141、143、及び144が含まれる。主FET141は、照明源160(例えば、レーザーダイオード160)を通る電流の流れを制御する。しかし、2つの追加のトランジスタ、主充電FET143及び主放電FET144は、主FET141のゲート電圧を制御して、転移を加速し、電力損失を最小化する。
【0061】
図3に示すように、主充電FET143のドレインは、図1に示す低電圧電源131の電圧ノード137に接続されている。主充電FET143のソースは、主放電FET144のドレイン及び主FET141のゲートに接続されている。主放電FET144のソースは、低電圧電源131の電圧ノード136に接続されている。加えて、主FET141のゲートと低電圧電源131の電圧ノード136との間に抵抗が接続されている。ゲート充電制御信号145は、主充電FET143のゲートに提供され、ゲート放電制御信号146は、主放電FET144のゲートに送られる。このようにして、ゲート充電制御信号145及びゲート放電制御信号144は、主FET141のゲートの充電状態、したがって主FET141の導通状態を決定する。一例では、ゲート充電制御信号はパルストリガー信号151であり、ゲート放電制御信号はパルストリガー信号151の逆信号である。
【0062】
図3に示す照明ドライバIC140の実施形態140Aには、照明源160を流れる電流を決定する単一の主FET141が含まれる。別の態様では、照明ドライバIC140には、照明源160を通る電流を制御するように構成された、いくつかの異なるFETが含まれる。さらに、照明源に接続されるFETの数はプログラム可能である。これにより、プログラム可能な最大電流を照明源160に流すことができ、従ってプログラム可能な最大照明パルスの振幅を可能とする。
【0063】
図4は、照明ドライバIC140の実施形態140Bを示す。図3を参照して、同様の番号が付けられた要素について説明する。図4に示すように、1つ以上のFETのN個のグループは、照明源160と並列に接続される。ここで、Nは任意の正の整数である。各FETグループ141A~141Nの各主FETのドレインは、照明源160のノードに接続されている。同様に、各FETグループ141A~141Nの各主FETのソースは、電源電圧供給133のノード121に接続されている。各FETグループ141A~141Nの各主FETのゲートは、主充電FET143のソース及び主放電FET144のドレインに選択的に接続される。FETの特定のグループの各主FETが主充電FET143のソース及び主放電FET144のドレインに電気的に接続されるかどうかは、受信機IC150から受信される選択信号SEL、154の状態によって決定される。図4に示す例では、SELはNビットワードである。各ビットは特定の主FETグループに対応している。特定のビットが高の状態の場合、対応する主FETグループに関連付けられている各主FETは、主充電FET143のソースと主FETのドレインに接続される。この状態では、ゲート充電制御信号145とゲート放電制御信号144は、対応する主FETグループの各主FETのゲートの充電状態を決定します。このようにして、Nビットワードの各ビットの状態は、どの主FETグループが照明源160によるパルス生成に関与するかを決定する。
【0064】
受信機IC150は、SEL信号を生成して照明ドライバIC140に伝達することにより、どのFETグループが次の測定パルスに参加すべきかを決定する。いくつかの例では、決定は前の測定パルスから受信した戻り信号に基づく。例えば、受信した戻り信号が飽和している場合、受信機IC150は、参加する主FETグループの数を減らすために、多数のゼロ値ビットで選択信号SELを生成して照明ドライバ140に伝達する。このようにして、次の照明パルスで放射される光子の数が減少する。
【0065】
いくつかの実施形態では、各主FETグループ内でのFETの数は異なる。このようにして、FETグループをさまざまな組み合わせでアクティブにして、広範囲で均一な解像度となるようにFETを参画させることができる。
【0066】
図5は、照明ドライバIC140の一部について1つの実施形態140Cを示す。図5に示すように、照明ドライバIC140Cには、省電力制御モジュール210、パルス開始信号発生器220、及びパルス終了信号発生器230が含まれる。
【0067】
別の態様では、照明ドライバIC140には、照明ドライバIC140の回路の一部に供給する電力を調整して電力消費を低減させる省電力制御モジュールが含まれる。動作中、照明ドライバIC140は比較的短い時間で測定パルスを生成し、比較的長い時間、次の測定パルスを生成するためのトリガー信号を待機する。これらのアイドル期間中は、待機期間全体にわたってアクティブにする必要はない回路コンポーネントに供給する電力を削減又は削除することが望ましい。図5に示すように、省電力制御モジュール210は、図1に示す信号電圧源132の電圧ノードVDDMVとVSSの間に接続される。加えて、省電力制御モジュール210は、受信機IC150からパルストリガー信号151を受信し、それに応答して、照明ドライバIC140の様々な部分に供給する調整された電圧Vregを生成する。例えば、Vregは、図4に示される主FETグループ141A~N、図9に示すパルス振幅制御回路250、及び図5に示すパルス終了信号発生器230に供給される。
【0068】
図6は、省電力制御モジュール210の実施形態210Aを示す。省電力制御モジュール210Aには抵抗214が含まれる。パルストリガー信号151は、抵抗器214の第1のノードに供給される。抵抗器214の第2のノードは、コンデンサ215の第1のノードに接続されている。コンデンサ215の他方のノードは、図1に示す信号電圧源132のノード138に接続されている。省電力制御モジュール210Aには、信号電圧源132のノード138に接続されたソース、抵抗器214の第2のノードに接続されたゲート、及びFET211のゲートに接続されたドレインを有するFET213も含まれる。FET211のドレインは、信号電圧源132のノード139に接続され、調整された電圧Vregは、FET211のソースに供給される。抵抗214とコンデンサ215は、FET213のゲートに遅延をもたらすRCネットワークを作成する。これにより、VTRGの立ち上がりエッジと、スリープモード中にVREGがVSSに降下する時との間に遅延(図10に示されるTD_SLEEP)が生じる。
【0069】
図10は、パルストリガー信号VTRGに応答して省電力制御モジュール210によって生成される調整された電圧VREGの変化の簡略図を示す。図10に示すように、パルストリガー信号の立ち上がりエッジで、調整された電圧は、一定期間、TD-SLEEPの間、高いままである。この時間の長さは、抵抗214及びコンデンサ215の値によって決定される。この時間が経過すると、VREGはすぐに下降する。VTRGの立ち下がりエッジで、調整された電圧は一定期間低いままであり、その後比較的高い電圧値まで上昇し、照明ドライバIC140はその後のVTRGの立ち上がりエッジに応答して測定パルスを生成する準備ができる。
【0070】
別の態様では、照明ドライバIC140には、パルストリガー信号に基づくGaNベースの照明ドライバICの部分にパルス開始信号Vinitを生成するパルス開始信号発生器220が含まれる。加えて、照明ドライバIC140には、パルス開始信号に基づいてGaNベースの照明ドライバICの部分にパルス終了信号Vtermを生成するパルス終了信号発生器230が含まれる。一緒に、パルス開始信号とパルス終了信号は、照明ドライバIC140によって生成されたパルスのタイミングを直接決定する。言い換えれば、実施形態では、パルストリガー信号151に照明ドライバIC140により生成されたパルスのタイミングを直接決定させるのではなく、パルス開始信号の生成を開始させるためにパルストリガー信号151を使用する。一方、パルス開始信号は、パルスの生成を直接開始させ、また、パルス終了信号の生成を開始させる。パルス終了信号は、パルスの生成を直接終了させる。
【0071】
図7は、パルス開始信号発生器220の実施形態220Aを示す。パルス開始信号発生器220Aは、FET222及び抵抗223を含む。パルストリガー信号15は、FET222のゲートに供給される。FET222のソースは、図1に示される信号電圧源132のノード138に接続される。抵抗器223の第1のノードは信号電圧源132のノード139に接続され、抵抗器223の第2のノードはFET222のドレインに接続される。パルス開始信号221はFET222のドレインに供給される。
【0072】
図10は、パルストリガー信号VTRGに応答してパルス開始信号発生器220によって生成されるパルス開始信号VINITの変化の簡略図を示す。図10に示すように、パルストリガー信号の立ち上がりエッジで、VINITは、非常に急速に低電圧値VSSまで下降する。VTRGの立ち下がりエッジで、VINITはVDDMVの値まで上昇し、照明ドライバIC140は、VTRGの次の立ち上がりエッジに応答してパルス開始信号を生成する準備ができる。
【0073】
別の態様では、パルス終了信号発生器230は、アナログ入力信号の値に基づいてプログラム可能な持続時間のパルスを生成するように構成される。図1に示すように、受信機IC150はアナログパルス幅制御信号VPWC152を生成し、VPWCを照明ドライバIC140に伝達する。それに応答して、照明ドライバIC140は、受信したVPWCの値に基づいてパルス持続時間を変更する。図5に示す実施形態では、パルス終了信号発生器230は、VPWC及びVINITを受信し、VPWCの値に従ってプログラムされたVINITからの遅延を有するパルス終了信号VTERMを生成する。
【0074】
図8は、パルス終了信号発生器230の実施形態230Aを示す。パルス終端信号発生器230には、抵抗238と、演算増幅器として構成されるFET236~237とが含まれる。演算増幅器の出力は、FET243のゲートに接続されている。演算増幅器は、FET236のゲートでVPWCを入力として受信する。さらに、演算増幅器は、FET237のゲートで入力電圧249を受信する。入力電圧249がVPWCの値を超えると、出力電圧248の値はトランジションを低い値に切り替える。VPWCの値が入力電圧249の値を超えると、出力電圧248の値は高い値に移行する。入力電圧249は、抵抗器241とコンデンサ242によって形成されるRC回路の電圧である。VINITはFET240のゲートで受信される。VINITが低い値(パルスの開始時)に移行すると、FET240はRC回路をVSSから有効に切り離す。これにより、RC回路の充電が開始される。FET239は、RC回路にゼロではない開始電圧を供給する。RC回路の電圧が上昇すると、最終的にはVPWCの値を超え、出力ノード248のトランジションを開始させる。RC回路の電圧上昇率は一定であるため、出力電圧248のトランジションまでの時間遅れは、部分的にVPWCの値によって決定される。VPWCの値が大きいほど、終了信号VTERMが生成されるまでのパルス開始からの遅れが大きくなる。このようにして、VPWCの値がパルス持続時間を決定する。パルス終了信号発生器230には、抵抗232と、演算増幅器構造への電流源として構成されたFET233~235とが含まれる。FET243及び244は、出力電圧248の値を縮小させるように構成される。抵抗245及び247とFET246は、出力電圧248の縮小した値を反転させるように構成されている。パルス終了信号VTERMは、FET246のドレインで提供される。
【0075】
図10は、パルス開始信号VINIT及びパルス幅制御信号VPWCに応答してパルス終了信号発生器230によって生成されるパルス終了信号VTERMの変化の簡略図を示す。図10に示すように、VINITが低くなると、RC回路の電圧が上昇し始める。RC回路の電圧がVPWCを越えた時点で、VTERMは高になり、一定時間保持され、その後再び減少する。パルスの開始とVTERMの立ち上がりエッジとの間の期間、TD-PULSEが測定パルスの相対的な持続時間を決定することに注意すべきである。VTRGの立ち下がりエッジで、VTERMは再び下降し、照明ドライバIC140は、後続のパルスへのパルス終了信号を生成する準備ができる。図10に示すように、主FET141のゲート電圧VGATEも描かれている。
【0076】
別の態様では、パルス終了信号発生器230は、アナログ入力信号の値に基づいてプログラム可能な振幅のパルスを生成するように構成される。図1に示すように、受信機IC150は、アナログ振幅制御信号VAMP153を生成し、VAMPを照明ドライバIC140に伝達する。それに応答して、照明ドライバIC140は、VAMPの受信値に基づいてパルス振幅を変更する。
【0077】
図9に示された照明ドライバIC140の部分の実施形態140Cにおいて、図9に示されるように、パルス振幅制御回路250は、照明源160によって生成されるパルスの振幅を制御するVAMPを受け取る。
【0078】
INITが低になると(測定パルスの開始の信号)、FET262は主充電FET143のゲートをVSSから迅速に切り離し、主充電FET143を迅速に充電することを可能にする。同様に、FET263は、主FET141のゲートをVSSから迅速に切り離し、主FET141を充電することを可能にする。
【0079】
TERMが高になると(測定パルスの終了の信号)、FET264は充電FET143のゲートをVSSに短絡させる。同様に、主放電FET144は、可能な限り迅速に主FET141のゲートをVSSに短絡させて、照明源160を通る電流の流れを遮断する。
【0080】
FET260及び抵抗261により、主放電FET144及び放電FET264の迅速なターンオンがもたらされる。
【0081】
加えて、パルス振幅制御回路250には、抵抗251及び254、コンデンサ252、及びFET253が含まれる。パルス振幅制御信号VAMPを、抵抗器251の第1ノードで受信する。抵抗251の第2のノードは、FET253のゲート及びコンデンサ252の第1のノードに接続されている。FET253のドレインは、調整された電圧源VREGに接続されている。FET253のソースは、抵抗254の第1のノードに接続されている。抵抗254の第2のノードは、主充電FET143のゲートに接続されているコンデンサ252の第2のノードに接続されている。このようにして、パルス振幅制御回路250は、主充電FET143のゲートで充電を制御する。
【0082】
図9に示すように、VAMPの値は、パルス振幅制御回路250のランプ速度を制御する。VAMPが増加すると、FET253のゲートでの電荷蓄積の速度が増加する。同様に、これにより主電荷FET143のゲートでの電荷蓄積の速度が増加する。これにより、主FET141のゲートでの電荷蓄積の速度が増加し、照明源160によって結果的に生成された照明パルスのランプレートが加速される。与えられたパルス幅の照明パルスの最大振幅を制御する。
【0083】
別の態様では、主制御装置は、各々が別々の統合LIDAR測定装置に伝達される複数のパルスコマンド信号を生成するように構成される。各戻りパルス受信機ICは、受信したパルスコマンド信号に基づいて、対応するパルストリガー信号を生成する。
【0084】
図11図13は、複数の統合LIDAR測定装置を有する3D-LIDARシステムを示す。いくつかの実施形態では、各統合LIDAR測定装置の起動同士の間に遅延時間が設定される。いくつかの例では、遅延時間は、LIDAR装置の最大範囲にあるオブジェクトとの間の測定パルスシーケンスの飛行時間よりも長くなる。このようにして、統合LIDAR測定装置のいずれにもクロストークをなくす。いくつかの他の例では、別の統合LIDAR測定装置から放射された測定パルスがLIDAR装置に戻る前に、1つの統合LIDAR測定装置から測定パルスが放射される。これらの実施形態では、クロストークを回避するために、各ビームによって調査される周囲環境の領域同士の十分な空間的分離を確保するように注意が払われる。
【0085】
図11は、1つの例示的な動作シナリオにおける3D-LIDARシステム100の実施形態を示す図である。3D-LIDARシステム100には、下部ハウジング101と、赤外線(例えば、700から1,700ナノメートルのスペクトル範囲内の波長を有する光)に対して透明な材料から構築されたドーム型シェル要素103を有する上部ハウジング102とが含まれる。1つの例では、ドーム型シェル要素103は、905ナノメートルを中心とする波長を有する光に対して透明である。
【0086】
図11に示すように、複数の光ビーム105は、中心軸104から測定した角度範囲αにわたって、3D-LIDARシステム100からドーム型シェル要素103を通って放射される。図11に示す実施形態では、各光ビームは、互いに離間した複数の異なる位置でx軸及びy軸によって規定される平面に投射される。例えば、ビーム106は位置107でxy平面に投影される。
【0087】
図11に示す実施形態では、3D-LIDARシステム100は、中心軸104の周りに複数の光ビーム105のそれぞれをスキャンするように構成される。xy平面に投射される各光ビームは、中心軸104とxy平面の交点を中心とする円形パターンをたどる。例えば、時間の経過とともに、xy平面に投射されたビーム106は、中心軸104を中心とする円形軌道108をたどる。
【0088】
図12は、1つの例示的な操作シナリオにおける3D-LIDARシステム10の別の実施形態を示す図である。3D-LIDARシステム10には、下部ハウジング11と、赤外線(例えば、700から1,700ナノメートルのスペクトル範囲内の波長を持つ光)を透過する材料で構成されている円筒シェル要素13を有する上部ハウジング12とが含まれる。1つの例では、円筒シェル要素13は、905ナノメートルを中心とする波長を有する光に対して透明である。
【0089】
図12に示すように、3D-LIDARシステム10から複数の光ビーム15が、角度範囲βにわたって円筒シェル要素13を通って放射される。図12に示す実施形態では各光ビームの主光線が示されている。各光ビームは、複数の異なる方向で周囲の環境へと外向きに投射される。例えば、ビーム16は、周囲環境の位置17へと投射される。いくつかの実施形態では、システム10から放射された光の各ビームはわずかに発散する。1つの例では、システム10から放射された光ビームは、システム10から100メートルの距離で直径20センチメートルのスポットサイズを照射する。このように、照明光の各ビームは、システム10から放射される照明光の円錐となる。
【0090】
図12に示す実施形態では、3D-LIDARシステム10は、中心軸14の周りの複数の光ビーム15のそれぞれでスキャンするように構成されている。例示の目的で、光ビーム15は、3D-LIDARシステム10の非回転座標フレームに対してある角度方向で示され、光線15'は、この非回転座標フレームに対して別の角度方向で示されている。光ビーム15が中心軸14を中心に回転すると、周囲の環境に投影される各光ビーム(例えば、各ビームに関連付けられた各照明光の円錐)は照明ビームが中心軸14の周りをスイープするときに、対応する環境を照射する。
【0091】
図13は、例示的な1つの実施形態における3D-LIDARシステム100の分解図を示している。3D-LIDARシステム100には、中心軸104を中心として回転する光放射/収集エンジン112がさらに含まれる。図13に示す実施形態では、光放射/収集エンジン112の中心光軸117は、中心軸104に対して角度θで傾斜している。図13に示すように、3D-LIDARシステム100には、下部ハウジング101に固定された位置に取り付けられた静止電子基板110が含まれる。回転電子基板111は静止電子基板110の上に配置され、静止電子基板110に対して所定の回転速度(例えば、毎分200回転以上)で回転するように構成される。電力信号と電子信号は、1つ以上の変圧器、コンデンサ素子、又は光学素子を通って電子基板110と回転電子基板111との間で伝達され、これらの信号の非接触伝送が行われることになる。光放射/収集エンジン112は、回転する電子基板111に固定して設置され、したがって、所定の角速度ωで中心軸104の周りを回転する。
【0092】
図13に示すように、光放射/収集エンジン112には、統合LIDAR測定装置113のアレイが含まれる。1つの態様では、各統合LIDAR測定装置には、光放射素子、光検出素子、及び共通基板(例えば、プリント回路基板又は他の電気回路基板)上に統合された関連する制御用及び信号調整用電子機器が含まれる。
【0093】
各統合LIDAR測定装置から放射された光は一連の光学素子116を通過し、放射された光をコリメートして3D-LIDARシステムから環境に投射する照明光のビームを生成する。このようにして、別々のLIDAR測定装置から放出される光ビーム105のアレイは、図11に示すように3D-LIDARシステム100から放射される。一般に、3D-LIDARシステム100から任意の数の光線を同時に放射するために、任意の数のLIDAR測定装置を配置できる。特定のLIDAR測定装置による照明により環境内のオブジェクトから反射された光は、光学素子116によって収集される。収集された光は光学素子116を通過し、そこで同じ特定のLIDAR測定装置の検出素子に焦点が合わせられる。このようにして、異なるLIDAR測定装置によって生成された照明による、環境の異なる部分の照明に関連する収集光は、対応する各LIDAR測定装置の検出器に別々に焦点を合わせられる。
【0094】
図14は、光学素子116の詳細を示す。図14に示すように、光学素子116には、統合LIDAR測定装置113のアレイの各検出器上に収集光118を集束させるように配置された4つのレンズ素子116A~Dが含まれる。図14に示す実施形態では、光学系116を通過する光は、ミラー124で反射され、統合LIDAR測定装置113のアレイの各検出器に向けられる。いくつかの実施形態では、1つ以上の光学要素116は、所定の波長範囲外の光を吸収する1つ以上の材料で構成される。所定の波長範囲には、統合LIDAR測定装置113のアレイによって放射される光の波長が含まれる。1つの例では、レンズ要素の1つ以上は、統合LIDAR測定装置113のアレイの各々によって生成される赤外線よりも短い波長を有する光を吸収する着色剤添加物を含むプラスチック材料で構成される。1つの例では、着色剤はAako BV(オランダ)から入手可能なEpolight7276A(オランダ)である。一般に、任意の数の異なる着色剤を光学系116のプラスチックレンズ要素のいずれかに加えて、望ましくないスペクトルを除去することができる。
【0095】
図15は、収集された光118の各ビームの形を示す光学系116の断面図である。
【0096】
このように、図2に示された3D-LIDARシステム10などのLIDARシステム及び図11に示されたシステム100には、それぞれがLIDAR装置から周囲環境に照明光のパルスビームを放射し、周囲環境内のオブジェクトから反射された戻り光を測定する複数の統合LIDAR測定装置が含まれる。
【0097】
図11及び図12を参照しながら説明する実施形態のような、いくつかの実施形態では、統合LIDAR測定装置のアレイは、LIDAR装置の回転フレームに取り付けられている。この回転フレームは、LIDAR装置のベースフレームに対して回転する。しかし、一般に、統合LIDAR測定装置のアレイは、任意の適切な方法(例えば、ジンバル、パン/チルトなど)で移動可能にすることも又はLIDAR装置のベースフレームに固定することもできる。
【0098】
他のいくつかの実施形態では、各統合LIDAR測定装置には、統合LIDAR測定装置によって生成された照明ビームをスキャンするビーム方向付け要素(例えば、スキャニングミラー、MEMSミラーなど)が含まれる。
【0099】
いくつかの他の実施形態では、2つ以上の統合LIDAR測定装置の各々は、照明光のビームを周囲の環境のさまざまな方向に反射するスキャニングミラー装置(例えば、MEMSミラー)に向かって、照明光のビームを放射する。
【0100】
さらなる態様において、1つ以上の統合LIDAR測定装置は、これらの1つ以上の統合LIDAR測定装置によって生成された照明ビームを異なる方向に向ける光位相変調装置と光学的に通信を行う。光位相変調装置は、光位相変調装置の状態を変化させ、それにより光位相変調装置から回折される光の方向を変化させるための制御信号を受信する能動装置である。このようにして、1つ以上の統合LIDAR装置によって生成された照明ビームは、さまざまな向きでスキャンされ、測定中の周囲の3D環境を効果的に調べる。周囲環境に投射された回折ビームはその環境と相互に影響しあう。それぞれの統合LIDAR測定装置は、オブジェクトから収集された戻り光に基づいて、LIDAR測定システムと検出されたオブジェクトとの間の距離を測定する。光位相変調装置は、統合LIDAR測定装置と周囲環境の測定対象オブジェクトとの間の光路に配置される。したがって、照明光と対応する戻り光は、両方とも光位相変調デバイスを通過する。
【0101】
図16は、ここに記載の統合LIDAR測定装置による実施に適した、方法300のフローチャートを示す。いくつかの実施形態では、統合LIDAR測定装置130は、図16に示した方法300に従って動作可能である。しかしながら、一般に、方法300の実行は、図1を参照して説明した統合LIDAR測定装置130の実施形態に対するものに限定されない。これらの例示及びこれらに対応する説明は、多くの他の実施形態及び動作例を考えることができるため、例として示すものである。
【0102】
ブロック301において、パルストリガー信号に応答してプリント回路基板に取り付けられた窒化ガリウム(GaN)ベースの照明ドライバ集積回路(IC)によって電力のパルスが供給される。
【0103】
ブロック302では、プリント回路基板に取り付けられた照明源からの電力のパルスに応答して、照明光の測定パルスが放射される。
【0104】
ブロック303では、光の戻りパルスが検出される。戻りパルスは、対応する測定パルスによって照らされた周囲環境の位置から反射された測定パルスである。
【0105】
ブロック304では、LIDAR装置から3次元環境内の測定場所へ、そしてLIDAR装置へ戻る測定パルスの飛行時間は、検出された光の戻りパルスに基づいて、プリント基板に取り付けられた戻りパルス受信ICによって測定される。
【0106】
ここで説明したコンピューティングシステムには、パーソナルコンピュータシステム、メインフレーム、コンピューターシステム、ワークステーション、画像コンピュータ、パラレルプロセッサ、又は、当該技術分野で知られている他のデバイスを含めることができるが、これらに限定されない。一般に、「コンピューティングシステム」という用語は、記憶媒体からの命令を実行する1つ以上のプロセッサを有する装置を包含するように広く定義することができる。
【0107】
ここで説明したような方法を実行するプログラム命令は、有線、ケーブル、又は無線伝送リンクなどの伝送媒体を介して伝送することができる。プログラム命令は、コンピュータ読み取り可能媒体に保存される。例示的なコンピュータ読み取り可能媒体としては、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気ディスク又は光ディスク、又は磁気テープが含まれる。
【0108】
1つ以上の例示的な実施形態では、説明した機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実施することができる。ソフトウェアで実施される場合、機能は、コンピュータ読み取り可能媒体上の1つ以上の命令又はコードとして格納又は送信することができる。コンピュータで読み取り可能媒体には、コンピュータの記憶媒体と、ある場所から他の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体の両方が含まれる。記憶媒体は、汎用コンピュータ又は専用コンピュータがアクセスできる利用可能な任意の媒体とすることができる。限定するためではなく例示として、そのようなコンピュータ読み取り可能媒体には、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM又は他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置又は他の磁気記憶装置、又は、所望のプログラムコードを命令又はデータ構造の形式で持ち運び又は格納のために使用することができ、汎用コンピュータ又は専用コンピュータ、又は汎用プロセッサ又は専用プロセッサからアクセスすることができる他の媒体を含むことができる。また、すべての接続は、コンピュータ読み取り可能媒体と称し得る。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、又は赤外線、ラジオ波、マイクロ波のような無線技術を使用して、Webサイト、サーバ、又はその他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、又は赤外線、ラジオ波、マイクロ波のような無線技術が媒体の定義に含まれる。ここで使用されるディスク及び磁気ディスクには、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーデイスクが含まれる。ここで、通常、磁気ディスクは磁気的にデータを再生するものであり、ディスクはレーザーで光学的にデータを再生するものである。これらの組み合わせもコンピュータ読み取り可能媒体の範囲内に含まれる。
【0109】
特定の実施形態を説明目的のために上述の通りで説明したが、この特許文書の教示は一般的な利用可能性を示し、上記の特定の実施形態に限定することを意味しない。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、説明した実施形態の様々な特徴の様々な修正、改変、及び組み合わせを実施することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16