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特許7290628過剰温度保護用光学センサ付きヒータを備えるシステム及び発熱体の保護方法
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  • 特許-過剰温度保護用光学センサ付きヒータを備えるシステム及び発熱体の保護方法 図1A
  • 特許-過剰温度保護用光学センサ付きヒータを備えるシステム及び発熱体の保護方法 図1B
  • 特許-過剰温度保護用光学センサ付きヒータを備えるシステム及び発熱体の保護方法 図2
  • 特許-過剰温度保護用光学センサ付きヒータを備えるシステム及び発熱体の保護方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-05
(45)【発行日】2023-06-13
(54)【発明の名称】過剰温度保護用光学センサ付きヒータを備えるシステム及び発熱体の保護方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/00 20060101AFI20230606BHJP
【FI】
H05B3/00 310D
H05B3/00 320Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020508970
(86)(22)【出願日】2018-04-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-25
(86)【国際出願番号】 US2018029502
(87)【国際公開番号】W WO2018200765
(87)【国際公開日】2018-11-01
【審査請求日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】15/582,274
(32)【優先日】2017-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519382617
【氏名又は名称】タトコ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン ビー. アロルド
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド ティー. リッテンハウス
(72)【発明者】
【氏名】アン エム. リビー
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-040757(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0178057(US,A1)
【文献】特開昭63-309985(JP,A)
【文献】特開平09-280962(JP,A)
【文献】米国特許第05212763(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 1/00-3/00
G01D 21/00
G01J 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部(132)を有するハウジングと、
前記ハウジング内に配置された抵抗線(114)を有する発熱体と、
前記抵抗線に電力を供給する電源(104)と、
前記電源から前記発熱体に向けて供給される電力の大きさを制御するヒータ制御ユニット(106)と、
センサアセンブリ(108)とを備え、
前記センサアセンブリは、
前記ハウジングの開口部に装着され、前記抵抗線から発せられる光を直接受け取るための照準開口部(124)を含む連結器(110)と、
前記照準開口部を通過する前記抵抗線の光を受信し、受信した光の波長に基づいて実際の抵抗線の温度を表す過剰温度フィードバック信号を前記ヒータ制御ユニットに提供する光学センサ(112)とを備え、
前記ヒータ制御ユニットは、
前記発熱体への出力電圧を調整する電力制御ユニット(302)と、
前記光学センサ(112)から提供される抵抗線の実際の温度を表す過剰温度フィードバック信号が所定の過剰温度閾値を超えたことに応じて前記電力制御ユニットから前記発熱体へ出力される電力を制限する電力リミッタ(304)とを備える、システム。
【請求項2】
前記照準開口部(124)は、前記抵抗線の少なくとも一部に対面している、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ハウジング内に配置され、前記発熱体の温度出力を感知して前記ヒータ制御ユニットに温度フィードバック信号を提供する温度センサ(122)をさらに備え、
前記電力制御ユニットは、前記温度センサ(122)から提供される温度フィードバック信号に基づいて、前記発熱体への出力電圧を調整する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記光学センサ(112)は、赤外線(IR)センサである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ヒータ制御ユニット(106)は、前記電力制御ユニット(302)からの制御信号に応答して、電源(104)から前記抵抗線へ向かう電力を切替えるように構成されたスイッチ(306)をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記連結器(110)は、ブラケット(204)を介して前記光学センサに連結されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記連結器(110)と前記光学センサ(112)との間に空隙Gが設けられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムは、前記光学センサ(112)に冷却剤を供給するために、前記光学センサに連結された冷却剤ホース(208)をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
開口部(132)を有するハウジングと、
前記ハウジング内に配置された抵抗線(114)を有する発熱体と、
前記抵抗線に電力を供給する電源(104)と、
前記電源から前記発熱体に向けて供給される電力の大きさを制御するヒータ制御ユニット(106)と、
前記ハウジング内に配置され、前記発熱体の温度出力を感知して前記ヒータ制御ユニットに温度フィードバック信号を提供する温度センサ(122)と、
センサアセンブリ(108)とを備え、
前記センサアセンブリは、
前記ハウジングの開口部に装着され、前記抵抗線から発せられる光を直接受け取るための照準開口部(124)を含む連結器(110)と、
前記照準開口部を通過する前記抵抗線の光を受信し、受信した光の波長に基づいて実際の抵抗線の温度を表す過剰温度フィードバック信号を前記ヒータ制御ユニットに提供する光学センサ(112)とを備え、
前記照準開口部は、前記抵抗線の外側寸法によって規定される領域に交差する中心軸線を有しており、
前記ヒータ制御ユニットは、
前記温度センサ(122)から提供される温度フィードバック信号に基づいて前記発熱体への出力電圧を調整する電力制御ユニット(302)と、
前記光学センサ(112)から提供される抵抗線の実際の温度を表す過剰温度フィードバック信号が所定の過剰温度閾値を超えたことに応じて前記電力制御ユニットから前記発熱体へ出力される電力を制限する電力リミッタ(304)とを備える、システム。
【請求項10】
前記ヒータ制御ユニット(106)は、前記電力制御ユニット(302)からの制御信号に応答して、電源(104)から前記抵抗線に向かう電力を切替えるように構成されたスイッチ(306)をさらに備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
開口部を有するハウジング内に配置された抵抗線を備える発熱体を過剰温度状態から保護する方法であって、
電源(104)からの電力をヒータ制御ユニットを介して前記抵抗線に供給して、前記抵抗線を所望の温度にするステップと、
前記開口部を通して前記抵抗線から発せられる光を光学センサで受信し、受信した光の波長に基づいて抵抗線の実際の温度を表す過剰温度フィードバック信号をヒータ制御ユニットに提供するステップと、
前記抵抗線の実際の温度を表す過剰温度フィードバック信号が所定の過剰温度閾値を超えたことに応じて、前記ヒータ制御ユニットによって前記電源から前記抵抗線に供給される電力を制限するステップとを備える、方法。
【請求項12】
前記ハウジング内に配置された温度センサによって、前記発熱体の温度出力を感知して前記ヒータ制御ユニットに温度フィードバック信号を提供するステップと、
前記温度フィードバック信号に基づいて前記発熱体への出力電圧を調整するステップとをさらに備える、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヒータに関し、より詳細には、過剰温度の保護を含むヒータに関する。
【背景技術】
【0002】
ヒータは、多種多様な工業的、商業的、及び消費者の用途に使用されている。ヒータは一般に、用途に使用するため、熱を発するために電源によって加圧される1以上の発熱体を含む。
【発明の概要】
【0003】
ヒータに関連する1つの課題は、ヒータへの入力エネルギーを、過剰温度状態を引き起こすレベルより下に維持することを含む。例えば、電源からのライン電圧の変化は、ヒータの過剰温度状態を引き起こし得る。過剰温度状態は、発熱体に永久的な損傷を引き起こし得る。
【0004】
ヒータ内の過剰温度状態を回避するための従来の試みは、発熱体を監視するために熱電対を使用することを含んでいた。熱電対は、発熱体の近くに配置され、発熱体の温度を表すフィードバックを提供する。コントローラは、熱電対からのフィードバックに応答して、ヒータへの駆動電力を調整して、所望の温度を維持し、及び/又は過剰温度状態を回避してもよい。
【0005】
残念ながら、熱電対は確実に機能するために、システム内で最小限の空気流を必要とするかもしれない。熱電対を横切る空気流が最小レベルより下である場合、熱電対は、過剰温度状態及び発熱体への損傷を防止するのに十分迅速に、発熱体の温度上昇を検出しなくてもよい。熱電対のために十分な空気流があるシステムにおいてさえ、熱電対及び/又はコントローラのための応答時間は、いくつかのシステムにおいては、過剰温度状態を防止するためには、十分に速くないかもしれない。
【0006】
また、赤外線センサは、ヒータ内の過剰温度状態を回避する試みにおいても使用されてきた。公知の構成では、赤外線センサは、ヒータから発せられ、ヒータが配置されるガラス管に沿って伝達される光を間接的に感知するように配置される。しかし再び、赤外線センサは、過剰温度状態を防止するのに十分なほど迅速に発熱体の温度上昇を感知しないかもしれない。
【0007】
一実施形態において、システムが提供される。システムは、発熱体と、センサアセンブリと、ヒータ制御ユニットとを含む。センサアセンブリは、発熱体から直接発熱体波長を受取るように構成された照準開口部を有する連結器と、連結器の照準開口部を通して、直接発熱体の波長を受取るように構成された光学センサとを含む。光学センサは、発熱体波長に応答して、過剰温度フィードバック信号を提供するよう構成される。過剰温度フィードバック信号は、発熱体の温度を表す。ヒータ制御ユニットは、発熱体を、所望の温度にするように構成される。ヒータ制御ユニットは、過剰温度フィードバック信号に応答して、発熱体に送達される電力を制限するようにさらに構成される。
【0008】
関連する実施形態では、照準開口部は、発熱体の外側寸法によって規定される領域と交差する中心軸線を有してもよい。別の関連する実施形態では、発熱体は、その内部に開口部を有するハウジング内に配置されてもよく、連結器は、開口部を通して発熱体の波長を受取るようにハウジングに連結されてもよい。
【0009】
さらに別の関連する実施形態では、システムは、温度センサをさらに含んでもよい。温度センサは、温度フィードバック信号をヒータ制御ユニットに提供するように構成される。ヒータ制御ユニットは、温度フィードバック信号に応答して、発熱体を所望の温度にするように構成される。さらに別の関連する実施形態では、光学センサは赤外線(IR)センサであってもよい。
【0010】
さらに別の関連する実施形態では、ヒータ制御ユニットは、電力制御ユニット及び電力リミッタを含んでもよい。電力制御ユニットは、発熱体を所望の温度にするため、制御信号を提供するように構成される。電力リミッタは、過剰温度フィードバック信号に応答して、制御信号を制限することによって、発熱体に送達される電力を制限するように構成される。さらなる関連する実施形態では、ヒータ制御ユニットは、電力制御ユニットからの制御信号に応答して、電力を電源から発熱体に切替えるように構成されたスイッチをさらに含んでもよい。別のさらなる関連する実施形態では、システムは、温度フィードバック信号を電力制御ユニットに提供するように構成された温度センサを、さらに含んでもよい。電力制御ユニットは、温度フィードバック信号に応答して、制御信号を提供するように構成される。
【0011】
さらに別の関連する実施形態では、連結器は、ブラケットを介して、光学センサに連結されてもよい。さらなる関連する実施形態では、連結器と光学センサとの間に、空隙を設けてもよい。
【0012】
さらに別の関連する実施形態では、システムは、センサに冷却剤を供給するために、光学センサに連結された冷却剤ホースをさらに含んでもよい。
【0013】
別の実施形態では、システムが提供される。システムは、発熱体と、センサアセンブリと、ヒータ制御ユニットとを含む。発熱体は、ハウジング内に配置され、ハウジングは開口部を有する。センサアセンブリは、連結器と光学センサとを含む。連結器は、ハウジングに連結され、ハウジング内の開口部を通して、発熱体から、発熱体の波長を直接受取るように構成された照準開口部を有する。照準開口部は、発熱体の外側寸法によって規定される領域と交差する中心軸線を有する。光学センサは、連結器の照準開口部を通して、直接発熱体の波長を受取るように構成される。光学センサは、発熱体の波長に応答して、過剰温度フィードバック信号を提供するように構成される。過剰温度フィードバック信号は、発熱体の温度を表す。光学センサは、温度フィードバック信号を提供するように構成される。ヒータ制御ユニットは、温度フィードバック信号に応答して、発熱体を所望の温度にするように構成される。ヒータ制御ユニットは、過剰温度フィードバック信号に応答して、発熱体に送達される電力を制限するようにさらに構成される。
【0014】
関連する実施形態では、ヒータ制御ユニットは、電力制御ユニット及び電力リミッタを含んでもよい。電力制御ユニットは、発熱体を所望の温度にするため、制御信号を提供するように構成される。電力リミッタは、過剰温度フィードバック信号に応答して、制御信号を制限することによって、発熱体に送達される電力を制限するように構成される。さらに関連する実施形態では、ヒータ制御ユニットは、電力制御ユニットからの制御信号に応答して、電力を、電源から発熱体に切替えるように構成されたスイッチをさらに含んでもよい。
【0015】
別の実施形態では、発熱体を過剰温度状態から保護する方法が提供される。この方法は、発熱体の所望の温度を達成するために、電源から発熱体に電力を供給するステップと、発熱体から直接波長を受取るステップと、発熱体の実際の温度を表す温度フィードバック信号を提供するために、波長を感知するステップと、発熱体の実際の温度が所定の過剰温度閾値を超えたとき、温度フィードバック信号に応答して、電源から発熱体に供給される電力を制限するステップとを含む。
【0016】
関連する実施形態では、方法は、温度フィードバック信号を提供するため、発熱体の温度を感知するステップをさらに含んでもよく、電力は、温度フィードバック信号に応答して、電源から送達される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本明細書に開示された上記及び他の目的、特徴及び利点は、添付の図面に示されるように、本明細書に開示された特定の実施形態の以下の説明から明らかになり、添付の図面では、同様の参照符号は、異なる図を通して同じ部分を指す。図面は、必ずしも縮尺通りである必要はなく、代わりに、本明細書に開示される原理を示すことに重点が置かれる。
【0018】
図1A】本明細書に開示される実施形態による、ヒータシステムを概略的に示す図である。
【0019】
図1B図1Aに示されるヒータシステムの部分断面図であり、発熱体及び光学センサアセンブリを示す図である。
【0020】
図2】本明細書に開示される実施形態による、光学センサアセンブリの一実施形態の側面図である。
【0021】
図3】本明細書に開示される実施形態によるシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
一般に、全体を通して開示される実施形態によるヒータは、発熱体と、連結器及び光学センサを含むセンサアセンブリとを含む。発熱体から発する光は、連結器を直接通過して光学センサに至る。光学センサは、過剰温度フィードバック信号が、所定の閾値を超えたとき、発熱体への電力を制限するため、過剰温度フィードバック信号を提供する。この構成では、光学センサの応答時間は、過剰温度状態を回避するのに十分に速い。この構成はまた、過剰温度状態を引き起こす温度に近いが、それを超えない温度でのシステムの動作を可能にする。
【0023】
図1は、ヒータ102と、電源104と、ヒータ制御ユニット106と、連結器110及び光学センサ112を含むセンサアセンブリ108とを含むヒータシステム100の一実施形態を概略的に示す。ヒータ102は、コア116の周りに、例えば蛇行パターンで巻かれた導電性発熱体114を含む。コア116は、セラミック管、又は用途において発熱体114によって生成される熱に耐えるように構成された他の構造であってもよい。
【0024】
発熱体114は、用途に適合されたハウジング118内に配置され、管120、例えば透明な石英管状スリーブ内に配置されてもよく、いくつかの実施形態では、管120内に配置される。説明を簡単かつ容易にするために、ヒータシステム100は、単一の発熱体114のみを含むものとして、図1に示す。しかし、本開示に一致するシステムは、用途に応じて、任意の数の発熱体を含んでもよいことを理解されたい。
【0025】
電源104は、所与の発熱体114に電力を供給するのに必要な、電圧及び電流出力、例えば、0Vから1000V以上の範囲を供給可能な任意の電源であってもよく、そしていくつかの実施形態ではそうであり、ヒータ制御ユニット106に線電流を供給してもよく、そしていくつかの実施形態では供給する。発熱体114の両端は、ヒータ制御ユニット106の出力を横切って連結される。ヒータ制御ユニット106は、電源104から線電流を受取り、ヒータ102の所望の温度出力を確立するために、発熱体114を駆動するよう、出力電力を供給する。いくつかの実施形態では、例えば、所望の出力温度は、ヒータ制御ユニット106へのユーザ制御入力、例えば、ダイヤル、スイッチ、又は電気的閾値設定入力を使用して確立される。
【0026】
いくつかの実施形態では、ハウジング118内に配置された任意の温度センサ122は、発熱体114の温度出力を感知し、温度フィードバック信号を、ヒータ制御ユニット106に提供する。温度センサ122は、例えば、いくつかの実施形態では、熱電対又はサーミスタである。ヒータ制御ユニット106は、温度センサ122からの温度フィードバック信号に応答して、発熱体114への出力電力を調整して、発熱体114への温度出力を、ユーザ制御入力を使用して確立された所望の出力温度で維持してもよい。
【0027】
センサアセンブリ108は、発熱体114に対して過剰温度保護を提供する。全体を通して使用されるように、「過剰温度」は、発熱体114を損傷し、その結果、それがもはや意図された用途において必要とされるようには動作せず、ヒータ制御ユニット106において閾値限界として確立される発熱体114の温度出力を言う。センサアセンブリの連結器110は、ハウジング118に連結され、発熱体114から直接光126を受取るための照準開口部124を含む。照準開口部124は波長透過性であり、その結果、発熱体114からの波長は、波長が可視であろうと不可視であろうと、照準開口部124を直接通過して光学センサ112に至る。
【0028】
図1Aでは、照準開口部124は、発熱体114の外周によって規定される領域と交差する中心軸線Aを有する。図1Bは、例えば、発熱体114、光学センサアセンブリ108及び中心軸線Aを示す断面図である。図1Bでは、蛇行発熱体114は、円形領域Rを規定する外周114を有する。照準開口部124の中心軸線Aは、円形領域Rと交差する。円形領域Rは、図1Bでは円形であり、中心軸線Aは、円の直径で領域Rと交差するが、いくつかの実施形態では、発熱体の外周140は、円形領域を規定しなくてもよく、中心軸線Aは、領域の中心以外の位置で交差してもよい。
【0029】
連結器110は、ヒータ102によって生成される熱に耐えるように選択された金属から構成されてもよい。照準開口部124は、照準開口部124及び光学センサ112の汚染を防止するために、波長透過性の照準グラスで満たされてもよい。光学センサ112は、光学センサ112の感知表面上に、照準開口部124を介して直接受信される任意の波長が直接与えられるように、連結器110の照準開口部124と一直線で提供されてもよく、いくつかの実施形態ではそのように提供される。光学センサ112は、連結器110と直接接触するか、又は連結器110の第1端部128で、そこから間隔をあけて設けられてもよく、いくつかの実施形態ではそのように設けられる。連結器110の第2端部130は、ハウジング118の開口部132と一直線で、ハウジング118と直接接触してもよく、いくつかの実施形態ではそのように設けられる。発熱体114から発せられる波長は、ハウジング118の開口部126(及び任意の管120)を直接通過し、照準開口部124に直接入る。連結器110は、例えば、連結器110及びハウジング118上の嵌合しているねじを使用して、及び/又は連結器110をハウジング118に直接溶接することによって、ハウジング118の開口部132に固定されてもよく、いくつかの実施形態ではそのように固定される。ハウジング118は、ヒータの用途において、所望であれば加圧されてもよい。連結器110の長さは、ヒータ102の温度によって引き起こされる光学センサ112への損傷を回避するために、ハウジング118と光学センサ112との間に安全な距離Dを確立するように選択されてもよい。
【0030】
光学センサ112は、例えば公知の赤外線センサであってもよく、連結器110の照準開口部124を介してそこに与えられる波長に応答して、ヒータ制御ユニット106に電気的過剰温度フィードバック信号を与える。ヒータ制御ユニット106は、過剰温度フィードバック信号が、ヒータ制御ユニット106に設定された過剰温度閾値を超えると、光学センサ112からの過剰温度フィードバック信号に応答して、発熱体114への出力電力を減少させてもよい。従って、光学センサ112からの過剰温度フィードバック信号は、ヒータ内の過剰温度状態から保護する。
【0031】
有利には、光学センサ112は、連結器110の照準開口部124を介して、発熱体114から直接波長の出力を受取る。この構成により、過剰温度状態を回避するために、ヒータ制御ユニット106への温度フィードバック信号を、非常に迅速に確立することができる。また、光学センサ112が赤外線センサとして構成される場合、光学センサ112は、発熱体114から直接波長を受取るので、発熱体114から光学センサ112に与えられる波長が、赤外線範囲内にのみ存在し、色が見えにくい場合であっても、光学センサ112は、過剰温度フィードバック信号を提供する。これは、発熱体114が可視色に達する前に、過剰温度状態の検出を可能にし、それにより、過剰温度状態を検出する際の待ち時間を減らす。温度センサ122を含まない実施形態では、光学センサ112の出力は、発熱体114に対する温度出力を、ユーザ制御入力を使用して確立された所望の出力温度で維持し使用されてもよい。
【0032】
図2は、連結器110aと光学センサ112aとを含むセンサアセンブリ108aと、プレート202と、ブラケット204と、過剰温度フィードバック信号ワイヤ206と、冷却剤ホース208の一実施形態の側面図である。連結器110aは、延長部を有する第1端部128aと、段付き円錐形の第2端部130aとを有するほぼ円筒形の本体210を有する。段付き円錐形の第2端部130aは、ヒータ102のハウジング118の開口部132(図1)内に受入れられるように構成されている。図2に鎖線で示されている照準開口部124aは、連結器110aの第1端部128aから、連結器110aの第2端部130aまで延び、いくつかの実施形態では、光学センサ112aの汚染を防止するためにガラスで充填されてもよい。連結器の本体210及び照準グラスは、ヒータ102の熱に耐えることが可能な材料から構成される。
【0033】
光学センサ112aは、連結器110aの照準開口部124aと光学的に整列され、その結果、発熱体114(図1)から発せられた波長は、照準開口部124aを直接通過し、光学センサ112aに直接伝えられる。冷却剤ホース208は、光学センサ112a上の補強金具(フェルール)に連結され、冷却剤源から光学センサ112aの内部を通って、冷却剤、例えば空気を提供する。ワイヤ206は、熱電対ワイヤであってもよく、光学センサ112aの出力を、ヒータ制御ユニット106(図1)に連結するために使用してもよい。本開示に一致するシステムでは、様々な光学センサの構成を使用してもよい。光学センサ112aは、例えば、型番IRtc.10A-K-LoE赤外線センサ、又は型番IRt/c.2/15ACF赤外線センサであってもよく、これらはいずれも米国マサチューセッツ州ウォータータウンのエクサージェンコーポレーションから市販されている。
【0034】
光学センサ112aは、ブラケット204及びプレート202を介して、連結器110aに連結される。プレート202は金属で構成され、連結器110aのほぼ円筒形の本体210と、平坦なブラケット204との間に、接合部分を提供するように構成される。ブラケット202は、ファスナ、例えばファスナ212を使用して、光学センサ112aの頂部に連結され、ファスナ、例えばファスナ214を使用して、プレート202を介して連結器110aの側面に連結される。ブラケット204は、照準開口部124aの中心軸線Aと、光学センサ112aのセンサ表面との整列を提供し、光学センサ112aの連結器110aに対する所望の軸方向位置決めを可能にするように寸法決めされる。いくつかの実施形態では、例えば、光学センサ112a及び連結器110aは、ブラケット204に連結されて、光学センサ112aと連結器110aとの間に空隙Gを提供する。いくつかの実施形態では、例えば、空隙Gは、約1/16インチであってもよい。空隙Gは、光学センサ112aへの損傷を回避するために、連結器110aから光学センサ112aへの直接的な熱伝達を防止する。いくつかの実施形態では、空隙Gは必要でなくてもよく、光学センサ112a及び連結器110aは、直接接触して設けられてもよい。
【0035】
再び図1Aを参照して、センサアセンブリ108の出力は、ヒータ102内の過剰温度状態を回避するために、ヒータ制御ユニット106に連結される。ヒータ制御ユニット106は、様々な構成で設けてもよい。図3は、例えば、本開示に一致するシステムに関連して、有用なヒータ制御ユニット106aの一実施形態を示す。図3において、ヒータ制御部106aは、電力制御部302と、電力リミッタ304と、スイッチ306とを含む。図示の実施形態は、電力制御ユニット302、電力リミッタ304、及びスイッチ306を、別個の機能ブロックとして示しているが、ブロックのいずれか又は全ての機能を、1つの構成要素に組合わせてもよく、又は別個の構成要素に分離してもよいことを理解されたい。
【0036】
図3では、電力制御ユニット302は、電力リミッタ304を介してスイッチに連結され、スイッチ306を制御するために出力信号を提供して、発熱体114に対して所望の出力温度を確立するように構成される。所望の出力温度は、ヒータ制御ユニット106へのユーザの制御入力、例えば、ダイヤル、スイッチ、又は電気的閾値設定入力を使用して確立されてもよい。いくつかの実施形態では、ハウジング118内に配置された任意の温度センサ122は、発熱体114の温度出力を感知し、温度設定フィードバック信号を電力制御ユニット302に提供してもよい。様々な電力制御ユニット302の構成が、本開示に一致するシステムにおいて使用されてもよい。電力制御ユニット302は、例えば、米国イリノイ州ブリッジビューのフューチャーデザインコントロールズ社から市販されている、型番FDC-8300温度コントローラであってもよい。
【0037】
スイッチ306は(電力供給がAC出力を提供するときに)、電力供給の出力を整流し、電力制御ユニット302の出力に応答して、電力供給出力の一部を、発熱体114に連結するように構成されてもよい。様々なスイッチ306の構成が、本開示に一致するシステムにおいて使用されてもよい。スイッチ306は、例えば、電力制御ユニット302及び/又は電力リミッタ304から、整流器への入力信号によって決定される発熱体114への電源104の出力の一部を提供するシリコン制御整流器(SCR)として構成されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、スイッチ306は、米国デラウェア州レウスのアバターインスツルメンツから市販されているA1Pシリーズ単相SCR電力コントローラであってもよい。
【0038】
図示の実施形態では、電力リミッタ304は、電力制御ユニット306とスイッチ306との間に連結される。電力リミッタ304は、光学センサアセンブリ108から、過剰温度フィードバック信号を受信するように構成される。過剰温度フィードバック信号が、電力リミッタ304内に確立された所定の閾値より下である場合、電力リミッタ304は、電力制御ユニット302の出力をスイッチ306に渡す。過剰温度フィードバック信号が、電力リミッタ304において確立された所定の閾値を超えると、電力リミッタ304は、電力制御ユニット302の出力と比較して、スイッチ306に低減された出力を提供し、発熱体114を過剰温度状態から保護する。
【0039】
いくつかの実施形態では、例えば、電力制御ユニット302は、約4~20mAの間の出力を提供してもよく、それに応答して、スイッチは、電源104の出力の0~97%を発熱体114に提供してもよい。過剰温度フィードバック信号が所定の閾値を超えると、電力リミッタ304は、スイッチ306に出力を供給せず、それによって、発熱体114をオフにするか、又はスイッチ306に低減された出力を供給して、スイッチ306への電源出力を低減してもよい。有利なことに、光学センサアセンブリ108は、発熱体114を直接照準するため応答時間が速いので、電力リミッタ304は、スイッチ306への出力を制限して、発熱体114を、過剰温度状態を引き起こす温度に近いがそれを超えない温度で、動作させることが可能になる。これにより、システム100は、システム100の最大達成可能温度出力に近い温度出力を提供することが可能になる。
【0040】
電力リミッタ304は、様々な構成で設けてもよい。例えば、電力リミッタ304は、アナログ及び/又はデジタルの構成要素を使用して構成されてもよい。アナログの構成では、電力リミッタ304は、過剰温度フィードバック信号の閾値を設定するコンパレーター回路を含んでもよい。電力リミッタは、過剰温度フィードバック信号を受信し、プロセッサによって実行されるソフトウェア命令によって決定される出力信号をスイッチに提供するように構成されたプロセッサを使用して、さらに又は代替的に構成されてもよい。一実施形態では、例えば、電力リミッタ304は、米国デラウェア州レウスのアバターインスツルメンツから市販されている2-TCLimitカードであってもよい。
【0041】
本明細書で説明される方法及びシステムは、特定のハードウェア又はソフトウェア構成に限定されず、多くのコンピューティング環境又は処理環境において、適用可能性を見出してもよい。方法及びシステムは、ハードウェア又はソフトウェア、あるいはハードウェアとソフトウェアとの組合せで実行されてもよい。方法及びシステムは、1以上のコンピュータプログラムで実行されてもよく、コンピュータプログラムは、1以上のプロセッサ実行可能命令を含むと理解されてもよい。コンピュータプログラムは、1以上のプログラム可能プロセッサ上で実行されてもよく、プロセッサ(揮発性及び不揮発性メモリ及び/又は記憶素子を含む)、1以上の入力デバイス、及び/又は1以上の出力デバイスによって、1以上の読取り可能な記憶媒体上に記憶されてもよい。従って、プロセッサは、入力データを取得するために、1以上の入力デバイスにアクセスしてもよく、出力データと通信するために、1以上の出力デバイスにアクセスしてもよい。入力及び/又は出力デバイスは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、独立ディスク冗長アレイ(RAID)、フロッピー(登録商標)ドライブ、CD、DVD、磁気ディスク、内部ハードドライブ、外部ハードドライブ、メモリスティック、又は本明細書で提供されるプロセッサによってアクセス可能な他の記憶装置のうちの1以上を含んでもよく、そのような前述の例は、網羅的ではなく、例示であり、限定ではない。
【0042】
コンピュータプログラムは、コンピュータシステムと通信するために、1以上の高水準手続き型又はオブジェクト指向プログラミング言語を使用して実行されてもよい。しかしながら、プログラムは、必要に応じて、アセンブリ言語又は機械語で実行されてもよい。言語は、コンパイルされても、解釈されてもよい。
【0043】
従って、本明細書で提供されるように、プロセッサは、ネットワーク環境において、独立して又は一緒に動作されてもよい1以上のデバイスに埋込まれもよく、ネットワークは、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)を含んでもよく、及び/又はイントラネット及び/又はインターネット及び/又は別のネットワークを含んでもよい。ネットワークは、有線又は無線、あるいはそれらの組合わせであってもよく、異なるプロセッサ間の通信を容易にするために、1以上の通信プロトコルを使用してもよい。プロセッサは、分散処理のために構成されてもよく、いくつかの実施形態では、必要に応じて、クライアント-サーバモデルを利用してもよい。従って、方法及びシステムは、複数のプロセッサ及び/又はプロセッサ装置を利用してもよく、プロセッサ命令は、そのような単一又は複数のプロセッサ/装置の間で分割されてもよい。
【0044】
プロセッサと統合するデバイス又はコンピュータシステムは、例えば、パーソナルコンピュータ、ワークステーション(例えば、Sun,HP)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話又はスマートセルフォンなどの携帯端末、ラップトップ、携帯用コンピュータ、又は本明細書で提供されるように動作可能なプロセッサと統合可能な別の装置を含んでもよい。従って、本明細書で提供されるデバイスは、網羅的ではなく、例示のために提供され、限定ではない。
【0045】
「マイクロプロセッサ」及び「プロセッサ」、又は「前記マイクロプロセッサ」及び「前記プロセッサ」への言及は、独立型及び/又は分散環境において通信してもよく、従って、有線又は無線通信を介して、他のプロセッサと通信するように構成されてもよい1以上のマイクロプロセッサを含むと理解されてもよい。そのような1以上のプロセッサは、類似又は異なるデバイスであってもよい1以上のプロセッサ制御デバイス上で動作するように構成されてもよい。従って、このような「マイクロプロセッサ」又は「プロセッサ」の用語の使用は、中央処理装置、算術論理ユニット、特定用途向け集積回路(IC)、及び/又はタスクエンジンを含むと理解されてもよく、このような例は、限定ではなく例示のために提供される。
【0046】
さらに、メモリへの言及は、別段の指定がない限り、プロセッサ制御装置の内部、プロセッサ制御装置の外部にあり、及び/又は様々な通信プロトコルを使用して、有線又は無線ネットワークを介してアクセスされてもよい、1以上のプロセッサ読取可能及びアクセス可能なメモリ要素及び/又は構成要素を含んでもよく、別段の指定がない限り、外部メモリ装置と内部メモリ装置との組合せを含むように構成されてもよい。そのようなメモリは、用途に基づいて、連続して、及び/又は区分されてもよい。従って、データベースへの参照は、1以上のメモリ関連付けを含むと理解されてもよい。そのような参照は、市販のデータベース製品(例えば、SQL、Informix、Oracle)及び専用データベースを含んでもよく、リンク、キュー、グラフ、ツリーなどのメモリを、限定ではなく例示のために提供されるそのような構造に関連付けるための他の構造を含んでもよい。
【0047】
ネットワークへの言及は、別段の指定がない限り、1以上のイントラネット及び/又はインターネットを含んでもよい。上記によるマイクロプロセッサ命令、又はマイクロプロセッサ実行可能命令への本明細書の言及は、プログラマブルハードウェアを含むものと理解されてもよい。
【0048】
別段の記載がない限り、「実質的に」という語の使用は、開示された方法及びシステムに実質的に影響を及ぼさない範囲で、当業者によって理解されるように、正確な関係、条件、配置、向き、及び/又は他の特性、ならびにそれらの逸脱を含むと解釈されてもよい。
【0049】
本開示の全体を通して、名詞を修正するための冠詞「a」及び/又は「an」及び/又は「the」の使用は、別段の記載がない限り、便宜上使用され、修正された名詞のうちの1以上を含むものと理解されてもよい。用語「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」は、包括的であることを意図し、列挙された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味する。
【0050】
他の何かと通信するために、関連付けられるために、及び/又はそれに基づくために、図面を通して説明され、及び/又はそうでなければ描写される要素、構成要素、モジュール、及び/又はそれらの部分は、本明細書で別段の規定がない限り、そのように通信すること、関連付けられること、及び/又は直接的及び/又は間接的な方式に基づくことが理解され得る。
【0051】
方法及びシステムは、その特定の実施形態に関して説明されてきたが、それらはそのように限定されない。明らかに、上記の教示に照らして、多くの修正及び変形が明らかになり得る。本明細書に記載され、図示される、詳細、材料、及び部品の配置における多くの追加の変更が、当業者によってなされてもよい。
【符号の説明】
【0052】
102 ヒータ、108 センサアセンブリ、110 連結器、112 光学センサ、114 発熱体。
図1A
図1B
図2
図3