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  • 特許-位相診断方法及び位相診断装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-05
(45)【発行日】2023-06-13
(54)【発明の名称】位相診断方法及び位相診断装置
(51)【国際特許分類】
   F02D 45/00 20060101AFI20230606BHJP
   G01M 99/00 20110101ALI20230606BHJP
   F01L 1/46 20060101ALI20230606BHJP
【FI】
F02D45/00 362
G01M99/00 A
F02D45/00 345
F01L1/46 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020573498
(86)(22)【出願日】2018-11-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-04
(86)【国際出願番号】 CN2018115645
(87)【国際公開番号】W WO2020097853
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2020-12-28
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520514724
【氏名又は名称】ウェイチャイ パワー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソン、 ダーウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、 シュエビン
(72)【発明者】
【氏名】ファン、 ペン
【審査官】家喜 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-096203(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0277776(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 13/00 - 45/00
F02B 77/08
G01M 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
4ストロークエンジンの位相診断方法であって、
クランクシャフト位置センサーのクランクシャフト信号とカムシャフト位置センサーのカムシャフト信号とを採集し、前記クランクシャフト信号及び前記カムシャフト信号に応じて、エンジンのピストンが圧縮上死点位置又は排気上死点位置にあるかどうかを検出し、前記エンジンのピストンが圧縮上死点位置にあると検出すると、燃料噴射器を噴射させるAステップと、
該Aステップの後に、クランクシャフトの正の加速度を検出したかどうかを判定するBステップと、
該Bステップの後に、前記クランクシャフトの正の加速度を検出していないと前記燃料噴射器は、前記エンジンのピストンが排気上死点位置にある時に噴射するCステップと、
該Cステップの後に、前記クランクシャフトの正の加速度を検出したかどうかを判定するDステップと、
該Dステップの後に、前記クランクシャフトの正の加速度を検出した場合、カムシャフトの位相が180°ずれたことを示すEステップとを順次実行することを特徴とする位相診断方法。
【請求項2】
前記カムシャフトの位相が180°ずれたと検出した場合、警報を出すステップを有していることを特徴とする請求項1に記載の位相診断方法。
【請求項3】
前記燃料噴射器は、前記エンジンのピストンが前記排気上死点位置にある時に噴射して前記クランクシャフトの正の加速度を検出したかどうかを判定することは、
前記燃料噴射器は、前記エンジンのピストンが前記排気上死点位置にある時に噴射するFステップと、
該Fステップの後に、前記クランクシャフトの正の加速度を検出したかどうかを判定するGステップと、
該Gステップの後に、前記クランクシャフトの正の加速度を検出していないと、所定の噴射回数に達したかどうかを判定するHステップと、
該Hステップの後に、所定の噴射回数に達していないと、前記燃料噴射器は前記エンジンのピストンが前記排気上死点位置にある時に噴射するFステップに戻るIステップと、
該Gステップの後に前記クランクシャフトの正の加速度を検出した、または、該Hステップの後に前記燃料噴射器が所定の噴射回数に達した場合、噴射を終了させるJステップとを実行することを特徴とする請求項1に記載の位相診断方法。
【請求項4】
4ストロークエンジンの位相診断装置であって、
クランクシャフト位置センサーのクランクシャフト信号とカムシャフト位置センサーのカムシャフト信号とを採集するための採集手段と、
前記クランクシャフト信号及び前記カムシャフト信号に応じて、エンジンのピストンが圧縮上死点位置又は排気上死点位置にあるかどうかを検出するための第1判定サブ手段と、
前記エンジンのピストンが圧縮上死点位置にあると検出すると、燃料噴射器を噴射させるための第1噴射手段と、
前記第1噴射手段による噴射後、クランクシャフトの正の加速度を検出したかどうかを判定するための第1判定手段と、
前記第1判定手段による判定後、前記クランクシャフトの正の加速度を検出していないと前記燃料噴射器は前記エンジンのピストンが排気上死点位置にある時に噴射するとともに、前記クランクシャフトの正の加速度を検出したかどうかを判定するための第2噴射及び判定手段と、
前記第2噴射及び判定手段による判定後、前記クランクシャフトの正の加速度を検出した場合、カムシャフトの位相が180°ずれたことを示すためのずれ確定手段とを備えていることを特徴とする位相診断装置。
【請求項5】
前記カムシャフトの位相が180°ずれたと検出した場合、警報を出すための警報手段を備えていることを特徴とする請求項4に記載の位相診断装置。
【請求項6】
前記第2噴射及び判定手段が、
前記燃料噴射器は前記エンジンのピストンが前記排気上死点位置にある時に噴射するための第2噴射サブ手段と、
前記第2噴射サブ手段による噴射後、前記クランクシャフトの正の加速度を検出したかどうかを判定するための第2判定サブ手段と、
前記第2判定サブ手段による判定後、前記クランクシャフトの正の加速度を検出していないと所定の噴射回数に達したかどうかを判定するための第3判定サブ手段と、
前記第3判定サブ手段による判定後、所定の噴射回数に達していないと、前記燃料噴射器は前記エンジンのピストンが前記排気上死点位置にある時に噴射することに戻るための実行戻り手段と、
前記第2判定サブ手段による判定後、前記クランクシャフトの正の加速度を検出した、または、前記第3判定サブ手段による判定後、前記燃料噴射器が所定の噴射回数に達した場合、噴射を終了させるための噴射終了手段とを備えていることを特徴とする請求項4に記載の位相診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、故障診断分野、特に、位相診断方法及び位相診断装置に関わる。
【背景技術】
【0002】
カムシャフトは、ピストンエンジンのうちの1つの重要な部材であり、その作用は、バルブの開放及び閉塞に対する制御である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ただし、カムシャフトの位相が180°ずれた場合、例えば、カムシャフトのシグナルプレートが180°ずれるように装着され、または、カムシャフトのシグナルプレートが正常に装着されるが、カムシャフトの角度キャリブレーションが180°ずれたことは、いずれもカムシャフトの位相のずれを招致し、これは、エンジンの異常につながる。
【0004】
しかしながら、従来技術において、カムシャフトの位相が180°ずれることは、検出されることができない。
【0005】
これに鑑みると、本発明は、従来技術において、カムシャフトの位相が180°ずれた場合、位相のずれを検出できないという問題を解決するための位相診断方法及び位相診断装置を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、エンジンの位置が有効であると検出した場合に燃料噴射器が圧縮上死点位置で噴射するステップと、加速度を検出したかどうかを判定するステップと、加速度を検出していない場合に燃料噴射器が排気上死点位置に噴射するステップと、加速度を検出したかどうかを判定するステップと、加速度を検出した場合にカムシャフトの位相が180°ずれたことを示すステップと、を有していることを特徴とする位相診断方法である。
【0007】
さらに、エンジンの位置が有効であるかどうかを判定するステップを有しており、
エンジンの位置が有効であるかどうかを判定するステップは、クランクシャフト位置センサーのクランクシャフト信号とカムシャフト位置センサーのカムシャフト信号とを採集するステップと、前記クランクシャフト信号及びカムシャフト信号に応じてエンジンの位置が有効であるかどうかを判定するステップとを有している。
【0008】
さらに、カムシャフトの位相が180°ずれたと検出した場合に警報を出すステップを有している。
【0009】
好ましくは、前記燃料噴射器が排気上死点位置に噴射し、加速度を検出したかどうかを判定するために、燃料噴射器が排気上死点位置に噴射するステップと、加速度を検出したかどうかを判定するステップと、加速度を検出していない場合に所定の噴射回数に達したかどうかを判定するステップと、所定の噴射回数に達していない場合に燃料噴射器が排気上死点位置に噴射するステップに戻るステップと、加速度を検出した、または、燃料噴射器が所定の噴射回数に達した場合に噴射を終了させるステップと、を有している。
【0010】
所定の検出条件は、水温が所定の水温条件に合うかどうか、吸気圧力が所定の吸気圧力条件に合うかどうかということを有している。
【0011】
さらに、本発明の実施例は、位相診断装置を開示し、エンジンの位置が有効であると検出した場合に燃料噴射器が圧縮上死点位置で噴射するための第1噴射手段と、加速度を検出したかどうかを判定するための第1判定手段と、加速度を検出していない場合に燃料噴射器が排気上死点位置に噴射するとともに加速度を検出したかどうかを判定するための第2噴射及判定手段と、加速度を検出した場合にカムシャフトの位相が180°ずれたことを示すためのずれ確定手段とを備えている。
【0012】
さらに、クランクシャフト位置センサーのクランクシャフト信号とカムシャフト位置センサーのカムシャフト信号とを採集するための採集手段と、前記クランクシャフト信号及びカムシャフト信号に応じてエンジン位置が有効であるかどうかを判定するための第1判定サブ手段とを備えている。
【0013】
さらに、カムシャフトの位相が180°ずれたと検出した場合に警報を出すための警報手段を備している。
【0014】
前記第2噴射及判定手段は、燃料噴射器が排気上死点位置に噴射するための第2噴射サブ手段と、加速度を検出したかどうかを判定するための第2判定サブ手段と、加速度を検出していない場合に所定の噴射回数に達したかどうかを判定するための第3判定サブ手段と、所定の噴射回数に達していないと燃料噴射器が排気上死点位置に噴射するステップに戻るための実行戻り手段と、加速度を検出した、または、燃料噴射器が所定の噴射回数に達した場合、噴射を終了させるための噴射終了手段と、を備している。
【0015】
前記所定の検出条件は、水温が所定の水温条件に合うかどうか、及び、吸気圧力が所定の吸気圧力条件に合うかどうかということを有している。
【0016】
本発明の実施例は、位相診断方法及び位相診断装置を開示し、エンジン位置が有効であるとチェックした場合、燃料噴射器が圧縮上死点位置で噴射し、噴射した後、加速度を検出していないと、故障が出現したことを示し、カムシャフトの位相が180°ずれたことによる故障であるかどうかを検査するために、燃料噴射器が排気上死点位置に噴射するとともに、加速度があるかどうかを検出し、加速度を検出した場合、カムシャフトの位相が180°ずれたという状況が存在することを示す。
このように、従来技術において、カムシャフトの位相が180°ずれた場合に位相のずれを検出できないという問題を解決する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の実施例または従来技術を説明するために、実施例または従来技術の図面を紹介し、以下の図面は、本発明の実施例のみであり、当業者にとって、進歩性に値する労働をしない前提で他の図面を取得することができる。
図1】本発明の実施例である位相診断方法を示すフロー模式図。
図2】本発明の実施例である位相診断方法の他を示すフロー模式図。
図3】本発明の実施例である位相診断装置を示す構成模式図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の本発明を記載した実施例は、本発明の一部の実施例のみである。
本発明の実施例に基づき、当業者は進歩性に値する労働をしない前提で、取得した他の全ての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属している。
【0019】
図1は、本発明の実施例である位相診断方法のフロー模式図を示し、この位相診断方法は、以下のステップを有し、
S101:エンジンの位置が有効であると検出した場合、燃料噴射器は、圧縮上死点位置で噴射する;
エンジンに対する制御について、エンジンの機械位置を見つけることで、ピストンの上死点位置を確定し、正確な燃料噴射を行うことを重点とする。
本実施例において、クランクシャフト位置センサー及びカムシャフト位置センサーにより採集されたクランクシャフト信号とカムシャフト信号を介して、エンジンの位置を確定する。
【0020】
クランクシャフト位置センサーにより検出されたクランクシャフト信号を介して、エンジンの回動位置を確定し、カムシャフト位置センサーにより検出されたカムシャフト位置信号を介して、エンジンの圧縮上死点位置及び排気上死点位置を確定する。
これらの位置は、いずれも有効になった後、エンジンの位置が有効であることを示し、そうすれば、圧縮上死点位置で燃料噴射を行うことができる。
【0021】
S102:加速度を検出したかどうかを判定する;
本実施例において、燃料噴射器が噴射した後、正常の場合、エンジンに加速度が生じる。
加速度が生じていないと、エンジンに故障が出現したことを示す。
ただし、燃料噴射器が噴射した後、加速度が生じていないことを招致する故障が多いが、一般的に、当業者は、カムシャフトの位相が180°ずれたという状況を見逃す(即ち、検出されたカムシャフトの位相が180°ずれた)。
【0022】
従来技術においても、検出されたカムシャフトの位相が180°ずれたという状況を検証できない。
【0023】
前記問題を解決するために、以下のステップは、カムシャフトの位相が180ずれたことによる問題であるかどうかを検証する。
【0024】
S103:加速度を検出していないと、燃料噴射器は、排気上死点位置に噴射する;
検出されたカムシャフトの位相が180°ずれたと、確定されたエンジンの圧縮上死点位置と排気上死点位置とが反対になり、つまり、検出された圧縮上死点位置は、実際に、排気上死点位置であり、検出された排気上死点位置は、圧縮上死点位置である。
【0025】
ただし、従来技術において、エンジンの位置が有効であるかどうかを検出する場合、つまり、クランクシャフトの位相とカムシャフトの位相とを検出する場合、カムシャフトシグナルプレートが180°間違って装着されると、クランクシャフトに対してカムシャフトの位相が360°偏向する。
シグナルプレートが逆に装着されていない場合、取得した、クランクシャフトの検出点での位相角度がaであれば、カムシャフトの検出点での位相角度がbであり、カムシャフトのシグナルプレートが180°逆に装着された場合、クランクシャフトが360°の角度だけ回動し、カムシャフトが180°の角度だけ回動し、検出点に達した場合、検出されたクランクシャフトの位相が相変わらずaであり、カムシャフトの位相が相変わらずbである。
つまり、従来技術において、カムシャフトシグナルプレートが180°逆に装着され、または、位相が180°較正される場合である。
【0026】
本実施例において、カムシャフトが180°ずれたという問題のためであるかどうかを検出するために、燃料噴射器が圧縮上死点位置に噴射した後、加速度が生じることができないと、圧縮上死点位置の逆位置である排気上死点位置に噴射する。
【0027】
S104:加速度を検出したかどうかを判定する;
S105:加速度を検出した場合、カムシャフトの位相が180°ずれたことを示す。
【0028】
本実施例において、燃料噴射器は、排気上死点位置に噴射した後、加速度を検出していないと、カムシャフトの位相が180°ずれたことによる故障ではなく、加速度を検出した場合、カムシャフトの位相が180°ずれたことを示す。
【0029】
本実施例において、エンジンの位置が有効であるとチェックした場合、燃料噴射器は、圧縮上死点位置で噴射し、噴射した後、加速度を検出していないと、故障が出現したことを示し、カムシャフトの位相が180°ずれたことによる故障であるかどうかを検査するために、燃料噴射器は、排気上死点位置に噴射するとともに、加速度があるかどうかを検出し、加速度を検出した場合、カムシャフトの位相が180°ずれたという状況が存在することを示す。
このように、従来技術において、カムシャフトの位相が180°ずれた場合、位相のずれを検出することができないという問題を解決する。
【0030】
図2は、本発明の実施例である位相診断方法の他のフロー模式図であり、この位相診断方法は、
カムシャフトの位相が180°ずれたかどうかを検出する場合、検出の有効性を向上するために、噴射回数を設定してもよく、例えば、回数は少なくとも1回であってもよく、具体的に、当業者が実際状況に応じて設定すればよい。
具体的に、以下のステップを有し、
S201:エンジンの位置が有効であると検出した場合、燃料噴射器は、圧縮上死点位置で噴射する;
S202:加速度を検出したかどうかを判定する;
S203:加速度を検出していないと、燃料噴射器は、排気上死点位置に噴射する;
S204:加速度を検出したかどうかを判定する;
S205:加速度を検出していないと、所定の噴射回数に達したかどうかを判定する;
S206:所定の噴射回数に達していないと、燃料噴射器が再び前記排気上死点位置に噴射するとともに、加速度を検出したかどうかを判定するステップに戻る;
S206:加速度を検出した、または、燃料噴射器が所定の噴射回数に達した場合、噴射を終了させる。
【0031】
本実施例において、エンジンの位置が有効であるとチェックした場合、燃料噴射器は、圧縮上死点位置で噴射し、噴射した後、加速度を検出していないと、故障が出現したことを示し、カムシャフトの位相が180°ずれたことによる故障であるかどうかを検査するために、燃料噴射器は、排気上死点位置に噴射するとともに、加速度があるかどうかを検出し、加速度を検出した場合、カムシャフトの位相が180°ずれたという状況が存在することを示す。
このように、従来技術において、カムシャフトの位相が180°ずれた場合、位相のずれを検出できないという問題を解決する。
【0032】
図3は、本発明の実施例である位相診断装置の構成模式図を示し、この位相診断装置は、エンジンの位置が有効であると検出した場合に燃料噴射器が圧縮上死点位置で噴射するための第1噴射手段301と、加速度を検出したかどうかを判定するための第1判定手段302と、加速度を検出していない場合に燃料噴射器が排気上死点位置に噴射するための第2噴射手段303と、加速度を検出したかどうかを判定するための第2判定手段304と、加速度を検出した場合にカムシャフトの位相が180°ずれたことを示すためのずれ確定手段305とを備えている。
【0033】
さらに、クランクシャフト位置センサーのクランクシャフト信号とカムシャフト位置センサーのカムシャフト信号とを採集するための採集手段と、前記クランクシャフト信号及びカムシャフト信号に応じてエンジンの位置が有効であるかどうかを判定するための第1判定サブ手段と、を備えている。
【0034】
さらに、カムシャフトの位相が180°ずれたと検出した場合、警報を出すための警報手段を備えている。
【0035】
前記第2判定手段は、燃料噴射器が初めて排気上死点位置に噴射した後に加速度を検出したかどうかを判定するための第2判定サブ手段と、加速度を検出していない場合に所定の噴射回数に達したかどうかを判定するための第3判定サブ手段と、所定の噴射回数に達していない場合に燃料噴射器が再び前記排気上死点位置に噴射するとともに加速度を検出したかどうかを判定するステップに戻るための実行戻り手段と、加速度を検出した、または、燃料噴射器が所定の噴射回数に達した場合、噴射を終了させるための噴射終了手段とを備えている。
【0036】
前記所定の検出条件は、水温が所定の水温条件に合うかどうか、及び、吸気圧力が所定の吸気圧力条件に合うかどうかということを有している。
【0037】
本実施例の位相診断装置によれば、エンジンの位置が有効であるとチェックした場合、燃料噴射器は、圧縮上死点位置で噴射し、噴射した後、加速度を検出していないと、故障が出現したことを示し、カムシャフトの位相が180°ずれたことによる故障であるかどうかを検査するために、燃料噴射器が排気上死点位置に噴射するとともに、加速度があるかどうかを検出し、加速度を検出した場合、カムシャフトの位相が180°ずれたという状況が存在することを示す。
このように、従来技術においてカムシャフトの位相が180°ずれた場合に位相のずれを検出できないという問題を解決する。
【0038】
各実施例は、他の実施例との相違点を主に説明し、各実施例の同様または類似の部分について、互いに参照すればよい。
【0039】
開示した実施例の説明により、当業者は、本発明を利用または実現することができる。
これらの実施例に対する多種の補正は、当業者にとって自明であり、本明細書により定義された一般的な原理は、本発明の精神または範囲から逸脱しない場合、他の実施例で実現することができる。
従って、本発明は、本明細書の実施例に限定されず、本明細書が開示した原理及び新規特点と一致する、最も広い範囲に合う。
図1
図2
図3