(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-05
(45)【発行日】2023-06-13
(54)【発明の名称】膜電極接合体および膜電極接合体の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 8/1004 20160101AFI20230606BHJP
H01M 8/00 20160101ALI20230606BHJP
H01M 8/0273 20160101ALI20230606BHJP
H01M 8/10 20160101ALN20230606BHJP
【FI】
H01M8/1004
H01M8/00 Z
H01M8/0273
H01M8/10 101
(21)【出願番号】P 2021036333
(22)【出願日】2021-03-08
【審査請求日】2022-04-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】山仲 巨剛
【審査官】山本 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-108468(JP,A)
【文献】国際公開第2009/113240(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00- 8/0297
H01M 8/08- 8/2495
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池に適用される膜電極接合体であって、
電解質膜と、
前記電解質膜の第1面に位置する第1触媒層と、
前記電解質膜の第2面に位置する第2触媒層と、
前記電解質膜に接合されて
おり、前記電解質膜の外縁部よりも外側にはみ出たはみ出し部分を有する第1サブガスケットと、
前記第1サブガスケットの表面に位置し、前記膜電極接合体の固有の情報を表す情報部と、
前記電解質膜に接合されているとともに、前記第1サブガスケットの前記はみ出し部分に接合されている第2サブガスケットと、
を備え
、
情報部が、前記はみ出し部分の表面に位置し、
前記情報部が、前記第1サブガスケットと前記第2サブガスケットとの間に位置する、膜電極接合体。
【請求項2】
燃料電池に適用される膜電極接合体であって、
第1触媒層が形成された電解質膜を含む電解質膜基材と、
前記電解質膜基材に位置し、前記膜電極接合体の固有の情報を表す情報部と、
を備え
、
電解質膜基材は、前記電解質膜を必要部分と不要部分とに分ける切断枠を有し、
前記不要部分は、前記切断枠の外側であり、
前記情報部は、前記不要部分に位置する、膜電極接合体。
【請求項3】
請求項
2に記載の膜電極接合体であって、
前記電解質膜基材が、前記電解質膜に接合されているシートを含み、
前記情報部が、前記シートに位置する、膜電極接合体。
【請求項4】
請求項1から請求項
3のいずれか1項に記載の膜電極接合体であって、
前記固有の情報が、識別情報を含む、膜電極接合体。
【請求項5】
燃料電池に適用される膜電極接合体の製造方法であって、
a)
第1面に第1触媒層が設けられ
、第2面に第2触媒層が設けられた電解質膜を準備する工程と、
b)第1サブガスケットを準備する工程と、
c)前記第1サブガスケットに前記膜電極接合体の固有の情報を表す情報部を記録する工程と、
d)前記電解質膜に、前記工程c)によって前記情報部が記録された前記第1サブガスケットを接合する工程と、
e)前記工程d)の後、第2サブガスケットを前記第1サブガスケットに接合する工程と、
を有
し、
前記第1サブガスケットは、前記電解質膜の外縁部よりも外側にはみ出たはみ出し部分を有し、
前記情報部は前記はみ出し部分の表面に位置し、
前記情報部は、前記第1サブガスケットと前記第2サブガスケットとの間に位置する、膜電極接合体の製造方法。
【請求項6】
燃料電池に適用される膜電極接合体の製造方法であって、
A)電解質膜に第1触媒層を形成する工程と、
B)前記工程A)によって前記第1触媒層が形成された電解質膜を含む電解質膜基材に、前記膜電極接合体の固有の情報を表す
第1情報部を記録する工程と、
を含
み、
前記電解質膜基材は、前記電解質膜を必要部分と不要部分とに分ける切断枠を有し、
前記工程B)において、前記第1情報部は、前記電解質膜における前記切断枠の外側である前記不要部分に位置する、膜電極接合体の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の膜電極接合体の製造方法であって、
C)前記工程B)によって前記第1情報部が記録された電解質膜に、シートを接合する工程と、
D)前記工程B)によって記録された前記第1情報部を読み取る工程と、
E)前記工程C)によって前記電解質膜に接合された前記シートに、前記第1情報部が示す情報と同じ情報を示す第2情報部を記録する工程と、
を含む、膜電極接合体の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の膜電極接合体の製造方法であって、
F)前記シートを貫通せずに、前記切断枠に沿って前記第2情報部を有する前記電解質膜
を切断する工程と、
G)前記工程F)の後、前記電解質膜の前記不要
部分を前記電解質膜基材から剥離する工
程と、
を含む、膜電極接合体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池に適用される膜電極接合体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車や携帯電話などの駆動電源として、燃料電池が注目されている。燃料電池は、燃料に含まれる水素(H2)と空気中の酸素(O2)との電気化学反応によって電力を作り出す発電システムである。燃料電池は、他の電池と比べて、発電効率が高く、環境への負荷が小さいという特長を有する。
【0003】
燃料電池には、使用する電解質によって幾つかの種類が存在する。そのうちの1つが、電解質としてイオン交換膜(電解質膜)を用いた固体高分子形燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)である。固体高分子形燃料電池は、常温での動作および小型軽量化が可能であるため、自動車や携帯機器への適用が期待されている。
【0004】
固体高分子形燃料電池は、一般的には複数のセルが積層された構造を有する。1つのセルは、膜電極接合体(MEA:Membrane-Electrode-Assembly)の両側を一対のセパレータで挟み込むことにより構成される。膜・電極接合体は、電解質膜と、電解質膜の両面に形成された一対の触媒層とを有する。一対の触媒層の一方はアノード電極となり、他方がカソード電極となる。アノード電極に水素を含む燃料ガスが接触するとともに、カソード電極に空気が接触すると、電気化学反応によって電力が発生する。このような膜電極接合体に関連する先行技術としては、例えば特許文献1に記載のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
膜電極接合体を大量生産する場合、膜電極接合体の情報がロット単位で管理されており、個々の膜電極接合体の情報を個別に管理することは行われていない。このため、特定の膜電極接合体に不良が発生した場合には、ロット単位で膜電極接合体を回収または廃棄しなければならなくなるおそれがあった。また、ロット単位で膜電極接合体の情報を管理しているため、特定の膜電極接合体に製品不良が発生した場合に、不良原因を追及することが困難な場合があった。
【0007】
本発明の目的は、個々の膜電極接合体の情報を容易に管理できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、第1態様は、燃料電池に適用される膜電極接合体であって、電解質膜と、前記電解質膜の第1面に位置する第1触媒層と、前記電解質膜の第2面に位置する第2触媒層と、前記電解質膜に接合されており、前記電解質膜の外縁部よりも外側にはみ出たはみ出し部分を有する第1サブガスケットと、前記第1サブガスケットの表面に位置し、前記膜電極接合体の固有の情報を表す情報部と、前記電解質膜に接合されているとともに、前記第1サブガスケットの前記はみ出し部分に接合されている第2サブガスケットと、を備え、情報部が、前記はみ出し部分の表面に位置し、前記情報部が、前記第1サブガスケットと前記第2サブガスケットとの間に位置する。
【0011】
第2態様は、燃料電池に適用される膜電極接合体であって、第1触媒層が形成された電解質膜を含む電解質膜基材と、前記電解質膜基材に位置し、前記膜電極接合体の固有の情報を表す情報部と、を備え、電解質膜基材は、前記電解質膜を必要部分と不要部分とに分ける切断枠を有し、前記不要部分は、前記切断枠の外側であり、前記情報部は、前記不要部分に位置する。
【0013】
第3態様は、第2態様の膜電極接合体であって、前記電解質膜基材が、前記電解質膜に接合されているシートを含み、前記情報部が、前記シートに位置する。
【0014】
第4態様は、第1態様から第3態様のいずれか1つの膜電極接合体であって、前記固有の情報が、識別情報を含む。
【0015】
第5態様は、燃料電池に適用される膜電極接合体の製造方法であって、a)第1面に第1触媒層が設けられ、第2面に第2触媒層が設けられた電解質膜を準備する工程と、b)第1サブガスケットを準備する工程と、c)前記第1サブガスケットに前記膜電極接合体の固有の情報を表す情報部を記録する工程と、d)前記電解質膜に、前記工程c)によって前記情報部が記録された前記第1サブガスケットを接合する工程と、e)前記工程d)の後、第2サブガスケットを前記第1サブガスケットに接合する工程と、を有し、前記工程d)により前記電解質膜に接合された前記第1サブガスケットは、前記電解質膜の外縁部よりも外側にはみ出たはみ出し部分を有し、前記情報部は前記はみ出し部分の表面に位置し、前記情報部は、前記第1サブガスケットと前記第2サブガスケットとの間に位置する。
【0016】
第6態様は、燃料電池に適用される膜電極接合体の製造方法であって、A)電解質膜に
第1触媒層を形成する工程と、B)前記工程A)によって前記第1触媒層が形成された電
解質膜を含む電解質膜基材に、前記膜電極接合体の固有の情報を表す第1情報部を記録す
る工程と、を含み、前記電解質膜基材は、前記電解質膜を必要部分と不要部分とに分ける
切断枠を有し、前記工程B)において、前記代1情報部は、前記電解質膜における前記切
断枠の外側である前記不要部分に位置する。
第7態様は、第6態様の膜電極接合体の製造方法であって、C)前記工程B)によって
前記第1情報部が記録された電解質膜に、シートを接合する工程と、D)前記工程B)に
よって記録された前記第1情報部を読み取る工程と、E)前記工程C)によって前記電解
質膜に接合された前記シートに、前記第1情報部が示す情報と同じ情報を示す第2情報部
を記録する工程と、を含む。
第8態様は、第7態様の膜電極接合体の製造方法であって、F)前記シートを貫通せず
に、前記切断枠に沿って前記第2情報部を有する前記電解質膜を切断する工程と、G)前
記工程F)の後、前記電解質膜の前記不要部分を前記電解質膜基材から剥離する工程と、
を含む。
【発明の効果】
【0017】
第1態様の膜電極接合体によると、各第1サブガスケットに膜電極接合体の固有の情報を表す情報部が付与される。これにより、情報部に基づいて、個々の膜電極接合体の情報を容易に管理できる。また、第1サブガスケットの表面に情報部を設けることによって、第1サブガスケットの表面のスペースを有効利用できる。
【0018】
また、第1態様の膜電極接合体によると、電解質膜の外縁部よりも外側にはみ出た部分に設けられているため、電解質膜によって情報部の読み取りが阻害されることを低減できる。
【0019】
また、第1態様の膜電極接合体によると、第1サブガスケットと第2サブガスケットとの間に情報部が位置するため、情報部を保護できる。
【0020】
第2態様の膜電極接合体によると、電解質膜基材に膜電極接合体の固有の情報を表す情報部が付与される。これにより、情報部に基づいて、個々の膜電極接合体の情報を容易に管理できる。
【0022】
第3態様の膜電極接合体によると、電解質膜基材のシートに膜電極接合体の固有の情報を表す情報部が付与される。これにより、情報部に基づいて、個々の膜電極接合体の情報を容易に管理できる。
【0023】
第4態様の膜電極接合体によると、識別情報に基づいて、個々の膜電極接合体の情報を容易に管理できる。
【0024】
第5態様の膜電極接合体の製造方法によると、第1サブガスケットに情報部を記録できる。これにより、情報部に基づいて、個々の膜電極接合体の情報を容易に管理できる。
【0025】
第6態様の膜電極接合体の製造方法によると、第1触媒層が形成された電解質膜基材に膜電極接合体の固有の情報を表す第1情報部を付与できる。これにより、第1情報部に基づいて、個々の膜電極接合体の情報を容易に管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】実施形態に係る膜電極接合体の平面図である。
【
図3】膜電極接合体製造装置の構成を示す図である。
【
図4】電解質膜に触媒層が形成される様子を示す平面図である。
【
図5】情報記録部が電解質膜基材に情報部を記録する様子を示す平面図である。
【
図6】第2供給部において処理されるサブガスケット基材の各状態を示す側断面図である。
【
図7】第1接合部が電解質膜基材にサブガスケット基材を接合する様子を示す平面図である。
【
図8】膜電極接合体ウエブの各状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数が誇張又は簡略化して図示されている場合がある。
【0028】
<1. 実施形態>
図1は、実施形態に係る膜電極接合体1の平面図である。
図2は、
図1に示す膜電極接合体1の断面図である。
図1および
図2に示す膜電極接合体1は、例えば、固体高分子燃料電池に適用される。
【0029】
膜電極接合体1は、電解質膜11と、一対の触媒層13a,13bとを有する。触媒層13aは、電解質膜11の一方側の第1面に位置し、触媒層13bは、電解質膜11の他方側の第2面に位置する。以下、電解質膜11に対して、触媒層13aまたは触媒層13bが積層されている方向を「厚さ方向」と称する。
【0030】
電解質膜11は、フッ素系または炭化水素性の高分子電解質膜が用いられる。電解質膜11の具体例としては、パーフルオロカーボンスルホン酸を含む高分子電解質膜(例えば、米国DuPont社製のNafion(登録商標)、旭硝子(株)製のFlemion(登録商標)、旭化成(株)製のAciplex(登録商標)、ゴア(Gore)社製のGoreselect(登録商標))を挙げることができる。電解質膜11の膜厚は、例えば、5μm~30μmである。電解質膜11は、大気中の湿気によって膨潤する一方、湿度が低くなると収縮する。すなわち、電解質膜11は、大気中の湿度に応じて変形しやすい性質を有する。
【0031】
触媒層13a,13bの材料には、高分子形燃料電池のアノードまたはカソードにおいて燃料電池反応を起こす材料が用いられる。触媒層13a,13bの材料として、具体的には、白金(Pt)、白金合金、白金化合物等の触媒粒子が用いられる。白金合金の例としては、例えば、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、イリジウム(Ir)、鉄(Fe)等からなる群から選択される少なくとも1種の金属と白金との合金を挙げることができる。一般的には、カソード用の触媒層の材料には白金が用いられ、アノード用の触媒層の材料には白金合金が用いられる。触媒層13a,13bは、触媒層形成用のペースト状組成物を電解質膜11の表面に塗工した後、ペースト状組成物を乾燥させることによって形成される。
【0032】
図1および
図2に示す、膜電極接合体1は、一対のサブガスケット15を有する。一対のサブガスケット15は、電解質膜11の両面に対して、それぞれ接着剤を介して接合されている。
【0033】
サブガスケット15は、中央に開口15Pを有する枠状である。触媒層13a,13bは、それぞれサブガスケット15の開口15P内に配置されている。各サブガスケット15の外縁部は、電解質膜11の外縁部よりも外側にはみ出ている。各サブガスケット15のはみ出た部分は、接着剤を介して互いに接合されている。
【0034】
サブガスケット15は、供給ガスおよび生成水のリークを防止する機能を有するとともに、膜電極接合体1のハンドリングを容易にするために設けられている。サブガスケット15は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)またはPS(ポリスチレン)のフィルムである。サブガスケット15は、触媒層13aまたは触媒層13bよりも大きい厚さ(例えば、25~100μm)を有していてもよい。
【0035】
膜電極接合体1は、情報部17を有する。情報部17は、膜電極接合体1の固有の情報を表す。具体的に、情報部17は、個々の膜電極接合体1を識別するための識別情報を表す。情報部17は、光学的に読み取り可能であって、識別情報を符号化した文字列または図柄である。情報部17は、好ましくは、2次元コードである。情報部17を2次元コードとすることにより、膜電極接合体1に対して、限られたスペースにより多くの情報を記録することができる。ただし、情報部17は、1次元バーコードであってもよい。また、情報部17は、文字列や1次元/2次元コード以外の図柄であってもよい。また、サブガスケット15の間に隙間を設けない限りにおいて、3次元コードでもよい。
【0036】
情報部17は、一対のサブガスケット15のうち、一方のサブガスケット15の外表面に設けられている。このように、情報部17をサブガスケット15の外表面に設けることによって、サブガスケット15の外表面のスペースを有効利用できる。
【0037】
また、情報部17は、サブガスケット15における電解質膜11の外縁部からはみ出た部分に設けられている。すなわち、情報部17は、厚さ方向において電解質膜11とは重ならない位置に設けられている。この場合、情報部17が電解質膜11と重なる場合と比べて、情報部17の読み取りが容易である。
【0038】
また、情報部17は、一方のサブガスケット15の外表面のうち、他方のサブガスケット15側を向く面に配されている。したがって、情報部17は、一対のサブガスケット15の間に配される。このため、情報部17を、情報部17の両側にある一対のサブガスケット15で保護できる。なお、サブガスケット15は、透光性を有する部材である。このため、情報部17は、サブガスケット15を介して、外部から容易に読み取り可能である。
【0039】
膜電極接合体1に付与された情報部17が表す識別情報は、不図示のデータベース上で、膜電極接合体1に関する情報に対応づけされて管理される。これにより、各膜電極接合体1に付与されている情報部17を読み取ることによって、各膜電極接合体1の情報を容易に得ることができる。したがって、情報部17に基づいて、個々の膜電極接合体1の情報を容易に管理できる。
【0040】
図1および
図2に示すように、膜電極接合体1は、一対のガス拡散層19を有していてもよい。一対のガス拡散層19は、一対のサブガスケット15の各開口15P内にそれぞれ1つずつ配される。ガス拡散層19は、触媒層13a,13bの各外表面に接合される。ガス拡散層19は、例えば、触媒層13a外表面にそれぞれ接合される。
【0041】
<膜電極接合体の生産>
図3は、膜電極接合体製造装置100の構成を示す図である。膜電極接合体製造装置100は、電解質膜11の両面に触媒層13a,13bを形成し、さらに、触媒層13a,13bが形成された電解質膜11の両面に、サブガスケット15を含むサブガスケット基材151を接合することにより、複数の膜電極接合体1を有する長尺帯状の膜電極接合体ウエブ1Wを製造する。
【0042】
なお、膜電極接合体製造装置100は、電解質膜11の片面だけに触媒層13aを形成するように構成されていてもよい。また、膜電極接合体製造装置100は、電解質膜11の片面だけにサブガスケット基材151を接合するように構成されていてもよい。さらに、膜電極接合体製造装置100は、膜電極接合体1にガス拡散層19を接合する構成を備えていてもよい。
【0043】
膜電極接合体製造装置100は、第1供給部20と、第2供給部30と、第1接合部40と、第2接合部50と、制御部60と、管理部62とを有する。第1供給部20は、両面に触媒層13a,13bが形成された電解質膜11を第1接合部40に供給する。第2供給部30は、サブガスケット15を第1接合部40に供給する。第1接合部40は、電解質膜11の一方の面にサブガスケット15を接合する。第2接合部50は、電解質膜11の他方の面にサブガスケット15を接合する。
【0044】
制御部60は、CPU、RAM等のコンピュータとしての構成を有しており、膜電極接合体製造装置100の動作を制御する。管理部62は、膜電極接合体製造装置100が製造する膜電極接合体ウエブ1Wに含まれる個々の膜電極接合体1の情報を記憶するデータベースであって、個々の膜電極接合体1の情報を管理するための装置である。
【0045】
制御部60は、各膜電極接合体1の識別情報と、各膜電極接合体1が有する触媒層13a,13bおよびサブガスケット15の製造に関連する製造関連情報とを、管理部62に記憶させる。製造関連情報は、製造日時、製造場所を含んでいてもよい。また、製造関連情報は、触媒層13a,13bを形成するためのペースト組成物の塗工条件(ペースト組成物の成分、量、温度、電解質膜11の搬送速度など)を含んでいてもよい。また、管理部62は、触媒層13a,13bについて行われる検査の結果を表す検査関連情報を記憶するようにしてもよい。
【0046】
膜電極接合体製造装置100は、情報記録部71a,71b,71c、および、情報読取部73a,73bを備える。情報記録部71a,71b,71cは、制御部60からの制御信号に基づいて、情報部17a,17b,17cをそれぞれ記録する。情報記録部71a,71b,71cは、例えば、インクの液滴を吐出するインクジェットにより構成される。なお、情報記録部は、レーザ光で記録面を変色させることにより、情報部を記録するようにしてもよい。ただし、レーザ光の場合、記録面に形成される情報部の色が記録面の材質に依存する。このため、記録面の材質によって、情報部の読み取りが困難になる場合がある。このため、情報記録部は、インクジェット方式で情報部を記録する方が好ましい。
【0047】
情報読取部73a,73bは、情報部17a,17bをそれぞれ読み取る。情報読取部73a,73bは、イメージセンサまたはラインセンサを有する。情報読取部73a,73bは、読み取った情報部17a,17bを、それぞれ制御部60へ送信する。
【0048】
<第1供給部>
第1供給部20は、第1供給ローラ21、塗工部23a,23b、情報記録部71a,71bを有する。また、第1供給部20は、第1シート剥離部23および第2シート接合部25を有する。
【0049】
第1供給ローラ21は、ロール状に巻かれた長尺帯状の電解質膜基材110を巻き出す装置である。電解質膜基材110は、長尺帯状の第1シート111と、長尺帯状の電解質膜11とを有する。電解質膜11は、第1シート111の表面に接合されている。なお、電解質膜11は、第1シート111から容易に剥離可能な程度の接着力で、第1シート111に接合されている。第1シート111は、第1シート111よりも幅が大きい(
図4参照)。第1供給ローラ21から巻き出された電解質膜基材110は、搬送ローラの駆動によって、塗工部23aに搬送される。
【0050】
図4は、電解質膜11に触媒層13aが形成される様子を示す平面図である。
図4に示すように、塗工部23aは、触媒層13aを形成するためのペースト状組成物を吐出する吐出口を有する。塗工部23aは、制御部60からの制御信号に基づいて、所定の方向に搬送される電解質膜11の表面に対して、吐出口からペースト状組成物を間欠的に吐出する。これにより、電解質膜11の表面(第1面)に、所定のピッチで触媒層13aが形成される。塗工部23aは、触媒層形成部の一例である。なお、塗工部23aの下流に、触媒層13aを乾燥させる乾燥部が設けられていてもよい。
【0051】
情報記録部71aは、制御部60からの制御信号に基づいて、長尺帯状の電解質膜11の表面に、情報部17aを記録する。情報部17aは、触媒層13aが形成された電解質膜11で構成される膜電極接合体の固有の識別情報を含む。このように触媒層13aが形成された時点で、固有の識別情報を付与することにより、製造途中の膜電極接合体を、識別情報に基づいて管理できる。
【0052】
制御部60は、情報記録部71aが記録した情報部17aが表す識別情報を、管理部62に記憶させる。また、制御部60は、触媒層13aに対応する製造関連情報を、触媒層13aに対応する識別情報に対応づけて管理部62に記憶させる。
【0053】
図4に示すように、情報記録部71aは、情報部17aを、例えば、その触媒層13aと幅方向に隣接する位置に記録する。このように、情報部17aが記録される位置は、対応する触媒層13aの近傍に形成されることが好ましい。つまり、情報部17aは、対応しない他の触媒層13aよりも、対応する触媒層13aに近くに位置することが好ましい。
【0054】
情報記録部71aは、好ましくは、塗工部23aの下流側に隣接して位置する。そして、情報記録部71aは、塗工部23aが触媒層13aを形成した直後に、その触媒層13aに対応する情報部17aを記録する。このようにすることで、触媒層13aが形成される時刻と、情報部17aが記録される時刻とのタイムラグを小さくすることができるため、情報部17aの記録ミスを抑制できる。
【0055】
図3に示すように、触媒層13aが形成された電解質膜基材110の部分は、第1シート剥離部23に搬送される。第1シート剥離部23は、電解質膜基材110から第1シート111を剥離して回収する。電解質膜基材110における、第1シート剥離部23よりも下流側の部分は、電解質膜11と触媒層13aとの2層構造となっている。
【0056】
第1シート111が剥離された電解質膜基材110の部分は、第2シート接合部25に搬送される。第2シート接合部25は、長尺帯状の第2シート113を、電解質膜11の第1面(触媒層13aが形成されている面)に接合する。すなわち、電解質膜基材110における、第2シート接合部25よりも下流側の部分は、電解質膜11と、第2シート113と、電解質膜11と第2シート113との間に形成された触媒層13aとの3層構造となる。
【0057】
第2シート113が接合された電解質膜基材110は、塗工部23bに搬送される。塗工部23bは、塗工部23aと同様に、触媒層13bを形成するためのペースト状組成物を吐出する吐出口を有する。塗工部23bは、電解質膜基材110の長手方向に沿って搬送される電解質膜11の表面に、吐出口からペースト状組成物を間欠的に吐出する。これにより、電解質膜11の表面(第2面)に、所定のピッチで触媒層13bが形成される。触媒層13bは、触媒層13aの真裏に形成される。なお、塗工部23bの下流に、触媒層13bを乾燥させる乾燥部が設けられていてもよい。
【0058】
図5は、情報記録部71bが電解質膜基材110に情報部17を記録する様子を示す平面図である。
図3および
図5に示すように、第1供給部20は、情報読取部73aを有する。情報読取部73aは、情報記録部71aの下流に配されている。本例では、情報読取部73aは、塗工部23bの下流に配されている。情報読取部73aは、電解質膜11に記録されている情報部17aを読み取る。
【0059】
図5に示すように、情報読取部73aは、電解質膜11に対して、情報部17aが形成されている第1面側とは反対側の第2面側に配置されている。しかしながら、電解質膜11は透明性を有するため、情報読取部73aは、電解質膜11に対して、第2面側からでも情報部17aを読み取ることが可能である。なお、情報読取部73aは、電解質膜11に対して、第1面側に配置されていてもよい。
【0060】
情報記録部71bは、情報読取部73aの下流に配置されている。情報記録部71bは、電解質膜基材110に情報部17bを記録する。情報記録部71bが記録する情報部17bは、情報読取部73aが読み取った情報部17aが表す情報と同じ識別情報を表す。
【0061】
制御部60は、情報記録部71bが情報部17bを記録した場合に、情報部17bに対応する触媒層13bの製造関連情報を、情報部17bが表す識別情報に対応づけて管理部62に記憶させてもよい。これにより、管理部62において、個々の触媒層13bの製造関連情報を管理できる。
【0062】
情報記録部71bは、情報部17bを、情報部17aが付されていた触媒層13aの真裏にある触媒層13bの近傍に記録する。
図5に示す例では、情報記録部71bは、触媒層13bに対応する情報部17bを、その触媒層13bの幅方向に隣接する位置に記録する。また、第2シート113は、電解質膜11よりも幅が大きく、電解質膜11の外縁部よりも外側にはみ出す部分を有する。情報記録部71bは、電解質膜11からはみ出た第2シート113の部分に、情報部17bを記録する。
【0063】
情報部17bが記録された電解質膜基材110の部分は、第1ハーフカット部26に搬送される。第1ハーフカット部26は、例えば、外周面に刃(ピナクル刃)が取り付けられたローラを有する。第1ハーフカット部26は、電解質膜基材110に対して、第1ハーフカット加工を行う。第1ハーフカット加工は、第2シート113を貫通せずに、帯状の電解質膜11を、必要部分と不要部分とに切り分ける加工である。具体的には、第1ハーフカット部26は、
図5に示すように、触媒層13bの周りに設定される矩形状の切断枠115に沿って電解質膜11を切断する。
【0064】
図3に示すように、第1ハーフカット部26によって切断された電解質膜基材110の部分は、電解質膜剥離部27へ搬送される。電解質膜剥離部27は、電解質膜基材110から、不要な電解質膜11を剥離する。これにより、電解質膜基材110には、両面に触媒層13a,13bが形成されている矩形状の切断枠115内の電解質膜11のみが、第2シート113上に残される。すなわち、第2シート113上に、矩形状の電解質膜11と、一対の触媒層13a,13bとからなる膜電極接合体1が、所定のピッチで形成される(
図7参照)。第2シート113上に残った膜電極接合体1は、第1接合部40に搬送される。
【0065】
図5に示すように、情報部17aは、電解質膜11のうち、切断枠115の外側の不要部分に位置する。このため、電解質膜11が剥離されることによって、情報部17aが除去されることとなる。一方、情報部17bは、第2シート113に残される。したがって、情報部17aと同じ識別情報を表す情報部17bは、電解質膜基材110上に残ったまま、第1接合部40へ搬送される。
【0066】
<第2供給部>
次に、第2供給部30について、
図6を参照しつつ説明する。
図6は、第2供給部30において処理されるサブガスケット基材151の各状態を示す側断面図である。
【0067】
図3に示すように、第2供給部30は、第2供給ローラ31と、第2ハーフカット部33と、トップシート剥離部35とを有する。第2供給ローラ31は、ロール状に巻かれた長尺帯状のサブガスケット基材151を巻き出す装置である。第2供給ローラ31から巻き出されるサブガスケット基材151は、
図6中の上段に示すように、長尺帯状である、サブガスケット15、トップシート153、およびバックシート155を有する。トップシート153は、サブガスケット15の一方の面に接合されており、バックシート155は、サブガスケット15の他方の面に接合されている。このように、第2供給ローラ31が巻き出すサブガスケット基材151は、三層構造を有する。第2供給ローラ31から巻き出されたサブガスケット基材151の部分は、第2ハーフカット部33へ搬送される。
【0068】
第2ハーフカット部33は、例えば、第1ハーフカット部26と同様に、外周面に刃(ピナクル刃)が取り付けられたローラを有する。第2ハーフカット部33は、サブガスケット基材151に対して、第2ハーフカット加工を行う。
図6中の中段に示すように、第2ハーフカット加工は、サブガスケット基材151に切断部157を形成する加工であって、バックシート155を貫通せずに、トップシート153と、サブガスケット15とを切断する加工である。
【0069】
第2ハーフカット部33は、膜電極接合体1におけるサブガスケット15の開口15P(
図2参照)に対応する矩形状の切断部157を形成する。サブガスケット基材151が第2ハーフカット部33を通過することによって、サブガスケット基材151に切断部157が所定の間隔で順次形成される。切断部157が形成されたサブガスケット基材151の部分は、トップシート剥離部35へ搬送される。
【0070】
図3に示すように、トップシート剥離部35は、サブガスケット基材151から、トップシート153の不要部分を剥離する。トップシート153の不要部分は、トップシート153のうち、矩形状の切断部157よりも外側の部分である。
図6中の下段に示すように、トップシート153の不要部分が剥離されることによって、トップシート153のうち、切断部157よりも内側の部分が、サブガスケット基材151に残される。
図3に示すように、トップシート153が剥離されたサブガスケット基材151の部分は、第1接合部40へ搬送される。
【0071】
<第1接合部>
図3に示すように、第1接合部40は、一対のローラを有する。一対のローラのうち、一方のローラには、電解質膜基材110がかけられ、他方のローラにはサブガスケット基材151がかけられる。第1接合部40は、一対のローラを互いに押し当てることによって、一対のローラの間で電解質膜基材110にサブガスケット基材151を押し当てる。これにより、電解質膜基材110にサブガスケット基材151が接合される。
【0072】
図3に示すように、第1接合部40で膜電極接合体ウエブ1Wが形成された直後、膜電極接合体ウエブ1Wから、第2シート113が剥離される。第2シート113が剥離された膜電極接合体ウエブ1Wは、その後、第2接合部50へ搬送される。
【0073】
図7は、第1接合部40が電解質膜基材110にサブガスケット基材151を接合する様子を示す平面図である。第1接合部40は、電解質膜基材110の触媒層13bに、サブガスケット基材151のトップシート153を接合させる。これにより、電解質膜基材110の一方の面(触媒層13b側の面)にサブガスケット基材151が接合された膜電極接合体ウエブ1Wが形成される。
【0074】
図7に示すように、第1供給部20は、情報読取部73cを有する。情報読取部73cは、電解質膜基材110の第2シート113に記録された情報部17bを読み取り、制御部60へ送信する。制御部60は、情報読取部73cから送信された情報部17bを情報記録部71cに送信する。そして、情報記録部71cは、情報部17cを、サブガスケット基材151に記録する。情報部17cが表す情報は、情報部17bが表す識別情報を含む。
【0075】
情報記録部71cは、情報部17bに対応する触媒層13bに接合されるトップシート153の近傍に、情報部17cを記録する。
図7に示す例では、情報記録部71cは、情報部17cを、トップシート153と幅方向に隣接する位置に記録する。情報部17cは、その情報部17cと同じ識別情報を表す情報部17bが付与されていた膜電極接合体1に接合されるトップシート153に隣接する位置に記録される。
【0076】
制御部60は、情報読取部73bが情報部17cを記録した場合に、情報部17cが記録されたサブガスケット15の情報を、情報部17cが表す識別情報に対応づけて管理部62に記憶させてもよい。これにより、管理部62において、個々の膜電極接合体1について、サブガスケット15の情報を管理できる。
【0077】
<第2接合部>
第2接合部50は、膜電極接合体ウエブ1Wの他方の面(触媒層13a側の面)に、サブガスケット基材151を接合する。第2接合部50が膜電極接合体ウエブ1Wに接合するサブガスケット基材151は、第2供給部30が供給するサブガスケット基材151と同様の構造を有する。なお、第2接合部50にサブガスケット基材151を供給するため、膜電極接合体製造装置100は、第2供給部30と同様の構造の供給部(不図示)を備えていてもよい。第2接合部50は、サブガスケット基材151のトップシート153が、膜電極接合体ウエブ1Wの触媒層13aに接合されるように、膜電極接合体ウエブ1Wにサブガスケット基材151を接合させる。
【0078】
図8は、膜電極接合体ウエブ1Wの各状態を示す断面図である。
図8中の上段は、第1接合部40によって片面にサブガスケット基材151が接合された状態の膜電極接合体ウエブ1Wを示す図である。
図8中の中段は、第2接合部50によって両面にサブガスケット基材151が接合された状態の膜電極接合体ウエブ1Wを示す図である。また、
図8中の下段は、両側のバックシート155,155が剥離された状態の膜電極接合体ウエブ1Wを示す図である。
【0079】
膜電極接合体ウエブ1Wからバックシート155を剥離すると、バックシート155とともに、切断部157よりも内側にある、サブガスケット15の部分およびトップシート153の部分も、膜電極接合体ウエブ1Wから剥離される。これにより、
図8中の下段に示すように、開口15Pを有するサブガスケット15が両面に取り付けられた膜電極接合体ウエブ1Wが取得される。また、
図8中の下段に示す膜電極接合体ウエブ1Wが、電解質膜11を1つずつ含むように幅方向に切断されることによって、サブガスケット15を有する膜電極接合体1が取得される。さらに、その分割された膜電極接合体1の両面にガス拡散層19が取り付けられることによって、
図1および
図2に示すガス拡散層19を有する膜電極接合体1が取得される。
【0080】
以上のように、膜電極接合体製造装置100によれば、膜電極接合体1に固有の情報(ここでは、識別情報)を表す情報部17cが設けられた膜電極接合体1が製造される。これにより、情報部17cに基づいて、個々の膜電極接合体1の情報を容易に管理することが可能となる。また、膜電極接合体製造装置100によれば、製造途中の各基材に情報部17a,17bが記録される。これにより、製造途中の膜電極接合体についても、情報部17a,17bに基づいて管理することができる。
【0081】
<2.変形例>
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は上記のようなものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0082】
上記実施形態では、情報部17,17a~17cが識別情報を表すものとしているが、識別情報以外の情報を表すようにしてもよい。例えば、情報部17,17a~17cが表す情報が、膜電極接合体1を構成する各要素の情報を含むようにしてもよい。具体的には、情報部17aが表す情報が、触媒層13aの情報(製造関連情報、検査関連情報など)を含むようにしてもよい。また、情報部17aが表す情報が、電解質膜11の情報を含むようにしてもよい。また、情報部17bが表す情報が、触媒層13bの情報を含むようにしてもよい。さらに、情報部17cが表す情報が、サブガスケット15に関する情報を含むようにしてもよい。
【0083】
この発明は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
【符号の説明】
【0084】
1 膜電極接合体
11 電解質膜
13a,13b 触媒層
15 サブガスケット
17,17a 情報部
17b,17c 情報部
23a,23b 塗工部
40 第1接合部
71a,71b,71c 情報記録部
100 膜電極接合体製造装置
110 電解質膜基材