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特許7290706貯水器および使い捨てセットを用いる使用場所での透析流体調製を有する腹膜透析のためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-05
(45)【発行日】2023-06-13
(54)【発明の名称】貯水器および使い捨てセットを用いる使用場所での透析流体調製を有する腹膜透析のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/28 20060101AFI20230606BHJP
【FI】
A61M1/28 110
A61M1/28 100
A61M1/28 130
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021204104
(22)【出願日】2021-12-16
(62)【分割の表示】P 2020177084の分割
【原出願日】2017-05-05
(65)【公開番号】P2022042513
(43)【公開日】2022-03-14
【審査請求日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】62/332,617
(32)【優先日】2016-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/332,623
(32)【優先日】2016-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/332,630
(32)【優先日】2016-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500313950
【氏名又は名称】ガンブロ ルンディア アー・ベー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】シュパラ, エドワード
(72)【発明者】
【氏名】オロフ エクダール
(72)【発明者】
【氏名】オロフ ヤンソン
【審査官】沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-532217(JP,A)
【文献】特表2010-532234(JP,A)
【文献】特表2014-519345(JP,A)
【文献】特開2015-016380(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0009290(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2の濃縮物容器コネクタと流体連通する、第1および第2の濃縮物容器との動作のための使い捨てセットであって、前記使い捨てセットは、
患者ラインポート、ドレインラインポート、水入口ポート、加熱器/混合ポート、第1の濃縮物ポート、および第2の濃縮物ポートを含む、圧送カセットと、
前記患者ラインポートと流体連通する患者ラインと、
前記ドレインラインポートと流体連通するドレインラインと、
前記水入口ポートと流体連通する水ラインと、
前記加熱器/混合ポートと流体連通する加熱器/混合容器と、
前記第1の濃縮物ポートと流体連通する第1の濃縮物ラインであって、前記第1の濃縮物ラインは、前記第1の濃縮物容器コネクタと噛合する第1の構成を有する第1の濃縮物ラインコネクタで終端する、第1の濃縮物ラインと、
前記第2の濃縮物ポートと流体連通する第2の濃縮物ラインであって、前記第2の濃縮物ラインは、(i)前記第1の濃縮物ラインコネクタが前記第2の濃縮物容器コネクタと噛合することができず、(ii)第2の濃縮物ラインコネクタが前記第1の濃縮物容器コネクタと噛合することができないように、前記第2の濃縮物容器コネクタと噛合するための第2の構成を有する前記第2の濃縮物ラインコネクタで終端する、第2の濃縮物ラインと
を備え、前記第2の構成は、前記第1の構成と異なる、使い捨てセット。
【請求項2】
前記第1の構成および前記第2の構成は、異なるねじ山サイズを有する、請求項1に記載の使い捨てセット。
【請求項3】
前記第1の構成は、第1のシュラウドの端部と第1のオス型ルアーポートの端部との間の第1のシュラウド差を有する、前記第1の濃縮物ラインコネクタまたは前記第1の濃縮物容器コネクタのうちの1つを含み、前記第2の構成は、第2のシュラウドの端部と第2のオス型ルアーポートの端部との間の第2のシュラウド差を有する、前記第2の濃縮物ラインコネクタまたは前記第2の濃縮物容器コネクタのうちの1つを含み、前記第2のシュラウド差は、前記第1のシュラウド差と異なる、請求項1または2に記載の使い捨てセット。
【請求項4】
前記患者ラインの遠位端は、患者移送セットと噛合するための第3の構成を有する、患者ラインコネクタを含み、前記第3の構成は、前記第1および第2の構成と異なる、請求項1から3のいずれかに記載の使い捨てセット。
【請求項5】
前記ドレインラインの遠位端は、噛合コネクタと噛合するための第3の構成を有する、ドレインラインコネクタを含み、前記第3の構成は、前記第1および第2の構成と異なる、請求項1から4のいずれかに記載の使い捨てセット。
【請求項6】
前記水ラインの遠位端は、前記ドレインラインコネクタと噛合するように構成された水ラインコネクタを含む、請求項5に記載の使い捨てセット。
【請求項7】
前記水ラインの遠位端は、浄水器と噛合するための第3の構成を有する、水ラインコネクタを含み、前記第3の構成は、前記第1および第2の構成と異なる、請求項1から6のいずれかに記載の使い捨てセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、腎不全の治療のための流体を調製するための流体化合の分野に関する。より具体的には、本発明は、腎臓透析流体としての使用のための2つ以上の成分流体から完成流体を化合するために構成される、腎不全の治療のための装置に関する。
【0002】
特に、本発明は、腹膜透析のための流体を調製するために、特に、現場(例えば、患者の自宅)で流体を調製するために使用されてもよい。
【背景技術】
【0003】
(背景)
腎臓は、水分の除去、異化産物(または代謝からの廃棄物、例えば、尿素およびクレアチニン)の排泄、血液中の電解質(例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、炭酸水素塩、リン酸塩、塩化物)の濃度の調整、および特に弱酸性物(リン酸塩、一ナトリウム酸)の除去およびアンモニウム塩の生成によって取得される、体内の酸塩基平衡の調整を含む、多くの機能を果たす。
【0004】
これらの排泄および調整機構がもはや機能しない、その腎臓の用途を喪失した個人では、身体は、水分および代謝からの廃棄物を蓄積し、過剰な電解質だけではなく、一般に、血漿のpHが7.35を下回って下向きに偏移する(血液pHは、通常、7.35~7.45の狭限界内で変動する)アシドーシスを呈する。
【0005】
急性または慢性腎不全を患う患者の治療では、透析療法が、採用される。透析療法の2つの一般的カテゴリは、血液透析および腹膜透析である。
【0006】
血液透析では、患者の血液は、体外膜システム内の人工腎臓を通した通過によって清浄される。
【0007】
血液治療は、患者の血液が、膜の片側で循環され、健康な対象の血液中のものに近い濃度における血液の主要電解質から成る、透析液体が、他側で循環される、半浸透性膜(透析装置)を有する、交換器を通した体外循環を伴う。
【0008】
さらに、圧力差が、ある割合の血漿流体が限外濾過によって膜を通して透析液体を含有するコンパートメントの中に通過するように、半浸透性膜によって区切られる、透析装置の2つのコンパートメント間に生成される。
【0009】
腹膜透析では、透析流体が、患者の腹膜腔の中に注入される。本空洞は、非常に血管が発達した腹膜によって覆われている。代謝物は、腹膜を横断した拡散によって患者の血液から透析流体の中に除去される。過剰流体、すなわち、水分もまた、高張透析流体によって誘発される浸透作用によって除去される。
【0010】
水溶液が腹膜腔の中に滴下されると、溶質組成物は、電気化学濃度勾配に沿って受動拡散によって血漿水分のものと平衡する。加えて、浸透作用剤に応答した腹膜を横断した流束は、濃度勾配の不在下で溶質を移動させ、溶質移送が、部分的に、対流または「溶媒抗力」によって生じるという概念につながる。過剰流体の除去は、溶液に、種々の濃度の浸透作用剤(通常、デキストロース)を添加することによって達成される。限外濾過は、透析液が、事実上、等張となるまで継続し、その後、流体が循環の中に吸収される率は、経毛細管性流体静力学的圧力勾配単独によって誘発される限外濾過のものを超える。腹膜透析の間の正味溶質および水分除去は、透析液吸収によって低減されることが示されている。これらの2つのプロセス、すなわち、拡散および浸透性限外濾過を通して、適切な量の溶質代謝物および流体が、除去され、患者の身体流体体積および組成物を適切な限界内に維持する必要がある。
【0011】
持続的携帯型腹膜透析(「CAPD」)、タイダルフローAPDを含む自動腹膜透析(「APD」)、および連続流腹膜透析(「CFPD」)を含む、種々の種類の腹膜透析療法が存在する。
【0012】
CAPDは、手動の透析治療である。患者は、埋め込まれたカテーテルを排液管に手動で接続し、使用済み透析流体が腹膜腔から排液されることを可能にする。次いで、患者は、カテーテルを未使用透析液のバッグに接続し、カテーテルを通じて未使用透析流体を患者自身に注入する。患者は、未使用透析流体バッグからカテーテルを外し、透析流体が腹膜腔内に滞留することを可能にし、ここで、老廃物、毒素、および過剰な水分の輸送が生じる。滞留期間の後、患者は、例えば、1日あたり4回、手動の透析治療を繰り返し、各治療は約1時間続く。手動の腹膜透析は、患者からかなりの時間および努力を必要とし、改善のための十分な余地が残っている。
【0013】
自動腹膜透析(「APD」)は、透析治療が排液、充填、および滞留サイクルを含む点においてCAPDと類似している。しかしながら、APD機械は、典型的には、患者が眠っている間に自動でサイクルを行う。APD機械によって、患者は、手動で治療サイクルを行う必要がなく、かつ日中に供給品を運ぶ必要がない。APD機械は、埋め込まれたカテーテル、未使用透析流体源またはバッグ、および流体排液管に流体接続する。APD機械は、透析流体源からカテーテルを通じて患者の腹膜腔に未使用透析流体を圧送し、透析流体が腔内に滞留することを可能にし、老廃物、毒素および過剰な水分の輸送が生じることを可能にする。APD機械は、使用済み透析液を腹膜腔からカテーテルを通じて排液管に圧送する。手動プロセスと同様に、APD中にいくつかの排液、充填、および滞留サイクルが生じる。「最終充填」は、多くの場合、CAPDおよびAPDの最後に生じ、次回の治療まで患者の腹膜腔内に残る。
【0014】
CAPDおよびAPDは両方とも、使用済み透析流体を排液管に送るバッチタイプシステムである。タイダルフローシステムは、改良されたバッチシステムである。タイダルフローを用いて、長い期間にわたって患者から流体を全て除去する代わりに、わずかな時間増分の後、流体の一部が除去および交換される。
【0015】
連続流またはCFPDシステムは、使用済み透析液を廃棄する代わりに、それを浄化または再生し得る。システムは、ループを通じて流体を患者の内外に圧送する。透析流体は、1つのカテーテル管腔を通じて腹膜腔に流入し、別のカテーテル管腔に流出する。患者から退出する流体は、例えば、ウレアーゼを採用し、酵素的に尿素をアンモニアに変換する尿素除去カラムを介して、透析流体から老廃物を除去する再構成デバイスを通過する。次いで、アンモニアは、腹膜腔への透析流体の再導入の前に、吸収によって透析流体から除去される。アンモニアの除去を監視するために、添加のセンサが採用される。CFPDシステムは、典型的には、バッチシステムよりも複雑である。
【0016】
CAPD、APD(タイダルフローを含む)、およびCFPDシステムは、圧送カセットを採用することができる。圧送カセットは、典型的には、機械的に移動され、透析流体を、それぞれ、カセットからおよびその中に押動および引動させる、可撓性膜を含む。
【0017】
腹膜透析は、腹膜感染症の高リスクのため、接続のための無菌技法の保守を要求する。感染症のリスクは、特に、患者が暴露される透析流体の高交換回数に起因して高くなる。
【0018】
腹膜透析の1つの形態では、自動化された循環器が、透析流体を注入および排液するために使用される。本形態の治療は、患者が睡眠中の夜に自動的に行われてもよい。循環器は、流体注入の量および除去される量を測定し、正味流体除去量を算出する。治療シーケンスは、通常、初期排液サイクルから開始し、腹膜腔から消耗済み透析液を空にする。循環器が、次いで、一連の充填、滞留、および排液サイクルを実施し、典型的には、充填サイクルで終了する。
【0019】
腹膜透析は、概して、大量の透析流体を要求する。概して、各適用または交換時、所与の患者は、2~3リットルの透析流体を腹膜腔の中に注入するであろう。流体は、約1~3時間にわたって滞留させられ、その時点で、排液され、新しい流体と交換される。概して、4回のそのような交換が、毎日実施される。したがって、約8~20リットルの透析流体が、患者毎に、年365日、週7日、1日あたり要求される。
【0020】
透析流体は、従来、使用の準備ができた状態で、シールされ、熱殺菌された形態で提供される。腹膜透析は、典型的には、3つの異なる濃度のデキストロースを伴うバッグを使用して実施される。バッグは、異なるデキストロース濃度を伴う1リットル~6リットルのバッグとして患者の自宅に送達され、通常の毎日の消費は、約8~20リットルの流体である。
【0021】
上記に照らして、いくつかの問題が、明白となる。要求される膨大な量の流体の出荷および貯蔵は、空間を消費する。加えて、複数の事前充填されたバッグの使用は、空容器および包装の形態で廃棄物材料を生産する。
【0022】
改良された腹膜透析システムが、故に、必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
腹膜透析システムであって、
浄水器と、
循環器と、
前記循環器と動作可能な使い捨てセットであって、前記使い捨てセットは、
水入口ポートを含む圧送カセットと、
前記圧送カセットと流体連通する加熱器/混合容器と、
貯水器と、
前記水入口ポートおよび前記貯水器と流体連通する第1の水ライン区画と、
前記貯水器および前記浄水器と流体連通する第2の水ライン区画と
を含む、使い捨てセットと
を備える、腹膜透析システム。
(項目2)
前記第2の水ライン区画は、少なくとも1つの殺菌した滅菌グレードフィルタを提供される、項目1に記載の腹膜透析システム。
(項目3)
前記浄水器は、前記少なくとも1つの殺菌した滅菌グレードフィルタの破損に起因した動作圧力の変化を感知する際に、アラーム状態に入るように構成され、前記貯水器は、前記動作圧力の変化を吸収するように位置付けられ、配列されている、項目2に記載の腹膜透析システム。
(項目4)
前記アラーム状態は、前記浄水器から前記循環器への通知を含む、項目3に記載の腹膜透析システム。
(項目5)
前記浄水器は、限外濾過装置を含み、前記使い捨てセットは、殺菌した滅菌グレードフィルタを含む、項目1から4のいずれかに記載の腹膜透析システム。
(項目6)
前記浄水器は、複数の限外濾過装置を含む、項目1から5のいずれかに記載の腹膜透析システム。
(項目7)
前記第1の水ライン区画は、前記貯水器の出口と流体連通し、前記第2の水ライン区画は、前記貯水器の入口と流体連通する、項目1から6のいずれかに記載の腹膜透析システム。
(項目8)
前記加熱器/混合容器および前記貯水器は、マルチチャンババッグの異なるチャンバとして提供される、項目1から7のいずれかに記載の腹膜透析システム。
(項目9)
前記使い捨てセットはさらに、ドレインラインを含み、前記ドレインラインの遠位端は、前記浄水器から除去されると、前記浄水器に接続される前記第2の水ライン区画の端部に接続されるように構成されている、項目1から8のいずれかに記載の腹膜透析システム。
(項目10)
前記ドレインラインの遠位端は、前記浄水器に位置するコネクタに接続されるように構成されている、項目9に記載の腹膜透析システム。
(項目11)
腹膜透析システムであって、
浄水器と、
ポンプアクチュエータを含む循環器と、
前記循環器と動作可能な使い捨てセットであって、前記使い捨てセットは、
前記ポンプアクチュエータと動作可能に連通して設置可能なポンプチャンバを含む、圧送カセットと、
前記圧送カセットと流体連通する加熱器/混合容器と、
前記圧送カセットおよび前記浄水器と流体連通する貯水器と
を含む、使い捨てセットと
を備え、
前記腹膜透析システムは、前記浄水器に、前記浄水器によって浄化された水を前記貯水器に向かって圧送させるように構成されている一方、(i)前記ポンプアクチュエータは、充填相の間、前記ポンプチャンバを作動させ、新しい透析流体を前記加熱器/混合容器から圧送し、(ii)治療が滞留相において生じ、または(iii)前記ポンプアクチュエータは、排出相の間、前記ポンプチャンバを作動させ、使用済み透析流体を前記圧送カセットから圧送する、腹膜透析システム。
(項目12)
前記浄水器は、浄水器制御ユニットを含み、前記循環器は、循環器制御ユニットを含み、前記循環器制御ユニットは、(i)、(ii)、または(iii)の間、前記浄水器に、前記浄水器によって浄化された水を前記貯水器に向かって圧送させるように前記浄水器制御ユニットにコマンドするように構成されている、項目11に記載の腹膜透析システム。
(項目13)
前記循環器制御ユニットは、(i)、(ii)、および(iii)を制御するように構成されている、項目12に記載の腹膜透析システム。
(項目14)
前記循環器は、治療が前記滞留相で生じている間、前記ポンプアクチュエータに、前記ポンプチャンバを作動させ、前記浄水器によって浄化された水と少なくとも1つの濃縮物を混合させるように構成されている、項目11から13のいずれかに記載の腹膜透析システム。
(項目15)
前記循環器は、治療が前記滞留相で生じている間、前記ポンプアクチュエータに、前記ポンプチャンバを作動させ、前記浄水器によって浄化された水を前記貯水器から前記ポンプチャンバの中に引動させるように構成されている、項目11から14のいずれかに記載の腹膜透析システム。
(項目16)
前記循環器は、治療が前記滞留相で生じている間、前記ポンプアクチュエータに、前記ポンプチャンバを作動させ、前記浄水器によって浄化された水を前記加熱器/混合容器に押動させるように構成されている、項目11から15のいずれかに記載の腹膜透析システム。
(項目17)
腹膜透析システムであって、
水出口コネクタ、水再循環コネクタ、および前記水出口コネクタから前記水再循環コネクタまでの内部再循環ループを含む、浄水器と、
循環器と、
前記循環器と動作可能な使い捨てセットであって、前記使い捨てセットは、
水入口ポートを含む圧送カセットと、
前記水入口ポートおよび前記水出口コネクタと流体連通する水ラインであって、前記水ラインは、少なくとも1つの殺菌した滅菌グレードフィルタを含む、水ラインと、
前記殺菌した滅菌グレードフィルタおよび前記水再循環コネクタの下流の前記水ラインと流体連通する再循環ラインであって、前記再循環ラインおよび前記内部再循環ループは、前記少なくとも1つの殺菌した滅菌グレードフィルタの破損の際の圧力を吸収する、再循環ラインと
を含む、使い捨てセットと
を備える、腹膜透析システム。
(項目18)
前記使い捨てセットはさらに、前記圧送カセットと流体連通する加熱器/混合容器を含む、項目17に記載の腹膜透析システム。
(項目19)
前記浄水器は、前記少なくとも1つの殺菌した滅菌グレードフィルタの破損に起因した動作圧力の変化を感知する際に、アラーム状態に入るように構成され、前記再循環ラインおよび前記内部再循環ループは、前記浄水器が前記動作圧力の変化に反応する時間を提供する、項目17または18に記載の腹膜透析システム。
(項目20)
前記腹膜透析システムは、前記内部再循環ループと動作可能に連通するポンプを含む、項目17から19のいずれかに記載の腹膜透析システム。
(項目21)
第1および第2の濃縮物容器コネクタと流体連通する、第1および第2の濃縮物容器との動作のための使い捨てセットであって、前記使い捨てセットは、
患者ラインポート、ドレインラインポート、水入口ポート、加熱器/混合ポート、第1の濃縮物ポート、および第2の濃縮物ポートを含む、圧送カセットと、
前記患者ラインポートと流体連通する患者ラインと、
前記ドレインラインポートと流体連通するドレインラインと、
前記水ラインポートと流体連通する水ラインと、
前記加熱器/混合ポートと流体連通する加熱器/混合容器と、
前記第1の濃縮物ポートと流体連通する第1の濃縮物ラインであって、前記第1の濃縮物ラインは、前記第1の濃縮物容器コネクタと噛合する第1の構成を有する第1の濃縮物ラインコネクタで終端する、第1の濃縮物ラインと、
前記第2の濃縮物ポートと流体連通する第2の濃縮物ラインであって、前記第2の濃縮物ラインは、(i)前記第1の濃縮物ラインコネクタが前記第2の濃縮物容器コネクタと噛合することができず、(ii)第2の濃縮物ラインコネクタが前記第1の濃縮物容器コネクタと噛合することができないように、前記第2の濃縮物容器コネクタと噛合するための第2の異なる構成を有する前記第2の濃縮物ラインコネクタで終端する、第2の濃縮物ラインと
を備える、使い捨てセット。
(項目22)
前記第1の構成および前記第2の構成は、異なるねじ山サイズを有する、項目21に記載の使い捨てセット。
(項目23)
前記第1の構成は、第1のシュラウドの端部と第1のオス型ルアーポートの端部との間の第1のシュラウド差を有する、前記第1の濃縮物ラインコネクタまたは前記第1の濃縮物容器コネクタのうちの1つを含み、前記第2の構成は、第2のシュラウドの端部と第2のオス型ルアーポートの端部との間の第2のシュラウド差を有する、前記第2の濃縮物ラインコネクタまたは前記第2の濃縮物容器コネクタのうちの1つを含み、前記第2のシュラウド差は、前記第1のシュラウド差と異なる、項目21または22に記載の使い捨てセット。
(項目24)
前記患者ラインの遠位端は、患者移送セットと噛合するための第3の構成を有する、患者ラインコネクタを含み、前記第3の構成は、前記第1および第2の構成と異なる、項目21から23のいずれかに記載の使い捨てセット。
(項目25)
前記ドレインラインの遠位端は、噛合コネクタと噛合するための第3の構成を有する、ドレインラインコネクタを含み、前記第3の構成は、前記第1および第2の構成と異なる、項目21から24のいずれかに記載の使い捨てセット。
(項目26)
前記水ラインの遠位端は、前記ドレインラインコネクタと噛合するように構成された水ラインコネクタを含む、項目25に記載の使い捨てセット。
(項目27)
前記水ラインの遠位端は、浄水器と噛合するための第3の構成を有する、水ラインコネクタを含み、前記第3の構成は、前記第1および第2の構成と異なる、項目21から26のいずれかに記載の使い捨てセット。
(要約)
本開示は、使用時、例えば、PD機械において透析溶液を生成する、全体的腹膜透析(「PD」)システムのためのサブシステム、方法、および構造を記載する。PD流体は、直接、患者の腹膜腔に送達される。PD流体は、したがって、患者の腹膜の中に導入されるために好適な殺菌レベルを有する必要がある。PD透析流体は、故に、典型的には、使用場所、通常、患者の自宅への送達に先立って、事前混合および殺菌される。
【0024】
PD透析流体の典型的毎日の患者消費は、8~20リットルである。流体は、最大6リットルのサイズの殺菌されたバッグ内に提供され、これは、ボックスの中に梱包され、例えば、毎月、使用のために患者の自宅に送達される。流体のボックスは、PD患者にとって取扱が煩雑かつ重く、その自宅の部屋内の実質的面積を消費し得る。バッグおよびボックスはまた、毎週または毎月ベースで廃棄される比較的に大量の廃棄物を生産する。本PDシステムは、貯蔵され、PD患者によって取り扱われる透析溶液の量と、生産される廃棄物の量の両方を有意に低減させる。
【課題を解決するための手段】
【0025】
全体的システムは、ある実施形態では、3つの一次構成要素、すなわち、PD循環器と、浄水器と、循環器および浄水器の両方と動作する使い捨てセットとを含む。PD循環器は、例えば、Baxter International Inc.によって市販のAmia(登録商標)またはHomeChoice(登録商標)循環器であってもよい。使い捨てセットは、ある実施形態では、循環器によって動作される使い捨てカセットと、カセットに取り付けられる種々の管およびコネクタとを含む。以下に詳細に説明されるように、使い捨てセットはまた、ある実施形態では、加熱/混合容器と、腹膜透析用水(「WFPD」)蓄積容器とを含む。使い捨てセットは、加えて、治療のための新しい透析流体を調製するために必要とされる原料を保持する、少なくとも1つ、1つの好ましい実施形態では、2つの濃縮物容器を含む。ある実施形態では、濃縮物容器のうちの一方は、グルコース溶液を保持する一方、他方の濃縮物容器は、緩衝剤溶液を保持する。濃縮物ラインは、カセットおよび濃縮物容器から延在し、濃縮物コネクタを介して、ともに噛合される。一実施形態では、第1の濃縮物、例えば、グルコースのための濃縮物コネクタは、患者またはユーザが、第1の濃縮物のための濃縮物容器ラインを第2の濃縮物のためのカセットラインにおよびその逆に接続することができないように、第2の濃縮物、例えば、緩衝剤のための濃縮物コネクタと物理的に異なる。
【0026】
使い捨てセットはまた、種々の実施形態では、少なくとも1つ、一実施形態では、相互に直列に設置された2つの殺菌した滅菌グレードフィルタを含む。殺菌した滅菌グレードフィルタは、殺菌した流体を生産するために好適な平均直径、例えば、0.22ミクロンを有し、内毒素を除去する能力を含み、PDに好適な水質をもたらす、細孔を伴う、通過フィルタであってもよい。殺菌した滅菌グレードフィルタは、1つ以上の濃縮物を混合し、PDに好適な透析流体を提供するために使用される水のための殺菌の最終段階を提供する。
【0027】
全体的システムは、浄水器と、浄水器につながる複数の構成要素とを含む。複数の構成要素は、例えば、軟水器と、粒子前置フィルタと、炭素フィルタと、イオン交換樹脂カートリッジと、再生塩カートリッジとを含む。構成要素は、浄水器と飲料水または飲用水源との間に位置する。細菌繁殖阻害剤容器もまた、浄水器に流動的に接続されてもよい。浄水器自体は、1つ以上の逆浸透作用ユニット等の水精製機器と、電気再生式イオン交換ユニット(随意)と、水を浄水器内で移動させるための1つ以上のポンプと、浄水器内の水を加熱するための1つ以上の加熱器とを含む。浄水器はまた、浄化されるべき水の量を保持し、提供される場合、細菌繁殖防止剤と混合するための少なくとも1つのリザーバを含む。浄水器はまた、浄化されている水から空気を除去するための脱気器を含んでもよい。浄水器はさらに、前処理機器、例えば、患者の飲料水供給源に接続される軟水器モジュールを含む、またはそれと動作してもよい。
【0028】
浄水器は、代替実施形態では、1つ以上の限外濾過装置を含み、浄水器から退出する水をWFPDレベルにすることに役立ててもよい。例えば、複数の限外濾過装置が、浄水器から退出する水をWFPD品質レベルにするために提供されてもよく、使い捨てセットのための前述の殺菌した滅菌グレードフィルタは、必要とされず、故に、提供されない。別の実施形態では、浄水器は、単一限外濾過装置を含む一方、使い捨てセットは、単一滅菌フィルタを含み、組み合わせて、水を患者の腹膜腔に送達されるために好適な殺菌レベルにする。使い捨てセットが2つ以上の殺菌した滅菌グレードフィルタを含む、実施形態では、限外濾過装置は、浄水器内で必要とされない。しかしながら、冗長性のために、使い捨てセット内の1つ以上の殺菌した滅菌グレードフィルタと組み合わせて、1つ以上の限外濾過装置を浄水器内に提供することも検討される。
【0029】
また、循環器が、浄水器に、WFPDを加熱された温度で提供するようにコマンドすることも検討される。PDは、体温または35℃~37℃まで加熱された透析流体で実施される。故に、浄水器に、10℃~40℃、より具体的には、一実施形態では、20℃~25℃等の35℃~37℃を下回るある高温で水を送達させるように求め、循環器における加熱負担および加熱時間を低減させることが検討される。
【0030】
PD循環器は、一実施形態では、使い捨てセットのカセットを空気圧式に動作させるように構成される。ここでは、PD循環器は、1つ以上の陽圧タンクと、1つ以上の陰圧タンクとを含んでもよい。電気的に作動するソレノイド弁が、圧力タンクと使い捨てカセットとの間に位置する。PD循環器の制御ユニットは、ソレノイド弁を電気的に制御し、選択的に、正または負の空気圧が、使い捨てカセットの弁およびポンプチャンバに到達することを可能にする。陽圧は、カセットの弁を閉鎖する、またはカセットのポンプチャンバにおける送出または排出ストロークを実施するために印加される。一方は、陰圧は、カセットの弁を開放する、またはカセットのポンプチャンバにおける送込または充填ストロークを実施するために印加される。
【0031】
使い捨てカセットを動作させるために使用される圧力、例えば、最大48.3kPa(7psig)陽圧および-34.5kPa(-5psig)吸引圧力は、典型的には、約138.9~275.8kPa(20~40psig)陽圧であり得る、浄化された水を殺菌した滅菌グレードフィルタを通して押動させるために必要とされる圧力未満である。殺菌した滅菌グレードフィルタが、何らかの理由で損なわれ、その通常流動抵抗をもたらさず、使い捨てカセットが、浄化された水をフィルタを通して駆動するために、浄水器から、例えば、138.9~275.8kPa(20~40psig)陽圧を被ることにつながる場合、問題が、生じ得る。特に、例えば、48.3kPa(7psig)陽圧下で閉鎖されている使い捨てカセットの弁チャンバは、例えば、138.9~275.8kPa(20~40psig)の浄化された水の圧力によって開放されるであろう。例えば、20.7kPa(3psig)の陽圧下で送出ストロークにおいて閉鎖されている使い捨てカセットのポンプチャンバもまた、例えば、138.9~275.8kPa(20~40psig)の浄化された水の圧力によって、カセットの内側から開放されるであろう。使い捨てカセットの圧送膜は、循環器の動作表面に引っ掛かり、循環器は、状況を是正することが不可能となるであろう。
【0032】
本開示は、前述の問題を解決するための複数の解決策を記載する。1つの好ましい実施形態では、2つの殺菌したフィルタを直列に有し、浄水器に接続するように構成される、使い捨てセット水ラインは、貯水器、例えば、殺菌した滅菌グレードフィルタと使い捨てカセットとの間の水ラインに接続される、3リットルバッグを具備する。バッグは、別個のバッグである、または2つのコンパートメントバッグの単一コンパートメントとして提供され得、他のコンパートメントは、加熱器/混合容器を提供する。
【0033】
ある実施形態では、水ラインは、全てのWFPD(本明細書で使用されるように、殺菌した滅菌グレードフィルタの上流の水は、「浄化済み」と称されるであろう一方、殺菌した滅菌グレードフィルタから下流の水は、「WFPD」の腹膜透析用水と称されるであろう)が、貯水器を通して流動するように押進されるように、殺菌した滅菌グレードフィルタから入口における貯水器まで、次いで、貯水器の出口から使い捨てカセットまで延在する。圧力の観点から、貯水器は、浄水器を使い捨てカセットから分断する。浄水器は、循環器に影響を及ぼさずに、水を貯水器に供給することが可能である一方、循環器は、貯水器に影響を及ぼさずに、WFPDを使い捨てカセットの加熱器/混合バッグへまたはそこから押動または引動させることが可能である。
【0034】
したがって、殺菌した滅菌グレードフィルタが、何らかの理由から損なわれる場合、貯水器は、浄水器からの過圧を吸収し、使い捨てカセットおよび循環器を影響されないままにする。貯水器はまた、浄水器内に位置する1つ以上の圧力センサが、その出口ライン上の圧力降下を検出し、浄水器の制御ユニットが、圧力センサと動作し、そのポンプをシャットダウンさせ、滅菌フィルタ完全性の侵害の可能性を示すアラームを提供する(浄水器において、および/または循環器がアラームするための信号を送信する)ための時間を提供する。貯水器はさらに、PD循環器による全ての動作相の間、浄水器が貯水器をWFPDで充填することを可能にすることによって、付加的利点を提供する。PD循環器は、典型的には、充填相と、滞留相と、排液相とを含む、3相で動作する。貯水器は、全3相の間、すなわち、循環器(i)新しい透析流体を加熱器/混合バッグから使い捨てカセットの中に引動させ、新しい透析流体を患者に押動させる、(ii)滞留させ、かつ(iii)使用済み透析流体を患者から使い捨てカセットの中に引動させ、使用済み透析流体をドレインに押動させる間、再充填されてもよい。貯水器バッグは、したがって、一度に1回の充填体積に値するWFPD(通常、最大2リットル)を保持することのみ必要であるため、より小さくてもよい。
【0035】
ある実施形態では、循環器の制御ユニットは、有線または無線信号を浄水器に送信し、所望の量のWFPDを要求し、その受容に応じて、浄水器は、要求される量のWFPDを調製し、貯水器に供給する。ある実施形態では、浄水器は、要求される量のWFPDを貯水器に送達する一方、循環器は、使用済み透析流体を患者から排液する、および/または新しい透析流体を患者に送達する。次いで、滞留相の間、循環器は、使い捨てカセットが次の排液を自由に実施し得るように、WFPDを貯水器バッグから引動させ、新しい透析流体を混合し(以下に詳細に説明され、ワッフリング(waffling)シーケンスを含む)、ワッフリングシーケンスの終了時に、新しい透析流体を加熱器/混合バッグに送達する。
【0036】
貯水器バッグのさらなる利点は、貯水器バッグが、ある供給量のWFPDを貯蔵し、便宜的であるときそれを行うことができるため、浄化された水を殺菌した滅菌グレードフィルタを通して駆動するために必要とされる圧力および要求される量のWFPDを提供するために必要とされる流率が、両方ともより低くあり得、殺菌した滅菌グレードフィルタが、より低い定格圧力および流率様式となり、したがって、より経済的であり得ることである。浄水器内のより低い動作圧力はまた、より低い応力をその構成要素に生成し、貯水器によって提供される別の利点をもたらす。
【0037】
別の実施形態では、貯水器は、提供されない。代わりに、水再循環ループが、浄水器から使い捨てカセットまで延在する水ラインと、カセットに先立って、水ラインと融合し、浄水器に戻り、ループを生成する、ラインとを含むように生成される。ループは、一定流のWFPDが生成されることを可能にし、これは、循環器の動作圧力より低い圧力で維持される。使い捨てカセットを介した循環器は、必要に応じて、WFPDを再循環ループから引動させ得る。殺菌した滅菌グレードフィルタが故障する場合、過圧は、ループ全体を通して分散され、カセットに及ぼす圧力影響を減少させ、浄水器内の1つ以上の圧力センサが、殺菌した滅菌グレードフィルタの上流におけるその出口ライン内の圧力降下を検出し、圧力センサと動作させる浄水器の制御ユニットが、そのポンプをシャットダウンし、滅菌フィルタ完全性の侵害の可能性を示すアラームを提供する(浄水器において、および/または循環器がアラームするための信号を送信する)ための時間を提供する。
【0038】
前述のように、本全体的システムは、PD透析流体を使用時に調製する。そのために、制御ユニットは、循環器に、使い捨てカセットを動作させ、患者の腹膜腔に送達されるために好適な殺菌レベルを有する透析流体を混合および形成するために、精密な量のWFPDとグルコースおよび緩衝剤濃縮物等の少なくとも1つの濃縮物をともに圧送させる。混合を補助するための構造は、以下に議論される。しかし、結果として生じる流体が均質に混合されたと仮定しても、依然として、試験される必要がある。一実施形態では、混合された透析流体は、1つ以上のセンサ、例えば、伝導率センサを使用して試験される。PDに関して、医師は、典型的には、特定の患者を治療するために使用されるべき透析流体のタイプを処方する。異なるPD透析流体は、典型的には、デキストロースまたはグルコースレベルによって区別される。例えば、本開示の譲受人は、以下のデキストロースおよびグルコースレベルを有する、異なるPD透析流体を提供する。
1.5%デキストロース一水和物(またはグルコース一水和物)=1.36%無水デキストロース(または無水グルコース)、
2.5%デキストロース一水和物(またはグルコース一水和物)=2.27%無水デキストロース(または無水グルコース)、および
4.25%デキストロース一水和物(またはグルコース一水和物)=3.86%無水デキストロース(または無水グルコース)。本最後の透析流体(4.25%デキストロース)は、11.64mS/cmの対応し、かつ再現可能な伝導率測定を有し得る。11.64mS/cmは、本説明のために使用される実施例であり、実験を介して見出された。4.25%デキストロース透析流体のための伝導率設定点は、その化学物質等の要因に基づいて変動し得る。したがって、循環器の制御ユニットに記憶された結果として生じるルックアップテーブルは、デキストロース/グルコースレベルのみではなく、透析流体化学物質等の他の要因に関しても具体的である必要があるであろう。しかしながら、上記に列挙された他の2つの透析流体タイプ(1.5%デキストロースおよび2.5%デキストロース)は、異なる対応し、かつ再現可能な伝導率測定を生産するであろうことを理解されたい。
【0039】
したがって、1つ以上の伝導率セルまたはセンサを使用して、使用時透析溶液が、正しい割合に混合されていることを確認することが検討される。一実施形態では、伝導率セルは、浄水器内に位置し、再使用されてもよい。循環器が、その混合を完了すると、循環器は、混合物のサンプルをドレインラインを辿って、使い捨てカセットから、ドレインラインの遠位端に接続される、浄水器に送流する。サンプルは、サンプルの伝導率を読み取る、浄水器に位置する1つ以上の伝導率センサを越えて押動される。1つ以上の伝導率読取値が、浄水器の制御ユニットによって受信され、(i)浄水器の制御ユニットが、1つ以上の読取値を分析し、「溶液良好」または「溶液不良」結果を判定し、結果を有線または無線で循環器の制御ユニットに送信し、治療に進むか、または代替措置を講じるかのいずれかとなるか、(ii)浄水器の制御ユニットが、1つ以上の読取値を循環器に送信し、これが、1つ以上の読取値を分析し、「溶液良好」または「溶液不良」結果を判定し、治療に進むか、または代替措置を講じるかのいずれかとなるかのいずれかとなる。代替措置は、アラームすること、または不適切な比率の透析流体を除去し、次の充填サイクル前に所望の体積の適切に混合された透析溶液を生産する希望を持って再試行することのいずれか一方または両方であってもよい。
【0040】
上記から、本システムは、同一治療の異なる充填手技のために、異なるデキストロースまたはグルコースレベル透析流体を提供し得ることを理解されたい。また、本システムは、上記に列挙された標準的透析流体のうちの1つを使用しなければならない代わりに、患者のために最適化された特定のデキストロースまたはグルコースレベル透析流体を混成してもよい。
【0041】
ドレインラインは、例えば、10フィート長を上回る比較的に長いラインであってもよい。より長いドレインラインは、循環器から離れた場所における浄水器の設置を可能にし、それによって、患者が治療されている場所における浄水器からの任意の雑音を低減させる。より長いドレインラインは、1つには、ドレインラインの端部が非殺菌(但し、消毒されている)浄水器に接続されるため、有利である。なお、長いドレインラインは、長いサンプルが浄水器内の1つ以上の伝導率センサに到達するために必要とされることを意味する。したがって、混合された透析流体をドレインラインに沿って浄水器の内側の1つ以上の伝導率センサまで圧送せず、代わりに、適切な伝導率センサ読取値または複数の読取値が得られることを確実にするために必要な混合された透析流体の量のみを送流することが検討される。ラインの残りは、貯水器からのWFPDを使用して充填される。
【0042】
貯水器が使用される構成では、循環器が、透析流体調製を完了すると、透析流体は、加熱器/混合バッグ内に常駐する。循環器は、加熱器/混合バッグへのカセット弁を閉鎖し、貯水器へのカセット弁を開放し、十分なWFPDをドレインラインを辿って浄水器に圧送し、伝導率センサが水のみを被ることを確実にし、これは、センサ読取値を水のみに関して予期される伝導率読取値と比較することによってチェックされることができる。次に、循環器は、貯水器へのカセット弁を閉鎖し、加熱器/混合バッグへのカセット弁を開放し、必要量の混合された流体(伝導率センサにおける良好な読取値を生産する)を加熱器/混合バッグからドレインラインの中に圧送する。圧送される混合された流体の量は、浄水器内の伝導率センサに到達しない可能性が非常に高く、したがって、その読取値は、変化しないはずである。次いで、循環器は、加熱器/混合バッグへのカセット弁を閉鎖し、貯水器へのカセット弁を開放し、十分なWFPDを浄水器に圧送し、混合された透析流体の全量がセンサに圧送される、次いで、付加的量のWFPDが、センサ読取値において、混合された流体に対する明確な終了を示すことを確実にする。
【0043】
貯水器が使用されない構成では、ドレインラインは、使い捨てカセットと噛合する2つのラインの直前に水ラインと融合されてもよい。ドレインラインは、再び、浄水器の内側に位置する伝導率センサに延設される。ここでは、循環器が、混合された流体スラグの圧送に先立って、WFPDを圧送し、ドレインラインを一掃する代わりに、循環器が、組み合わせられた水およびドレインラインへのカセット弁を閉鎖し、浄水器が、十分なWFPDを水ラインを辿ってドレインラインの中に圧送し、ドレインラインを1つ以上の伝導率センサを越えてWFPDで完全にプライミングする。次に、循環器は、加熱器/混合バッグへのカセット弁を開放し、必要量の混合された流体(伝導率センサにおいて良好な読取値を生産する)を加熱器/混合バッグからドレインラインの中に圧送する。圧送される混合された流体の量は、再び、浄水器内の伝導率センサに到達しない可能性が非常に高く、したがって、その読取値は、変化しないはずである。次いで、循環器は、加熱器/混合バッグへのカセット弁を閉鎖し、組み合わせられる水およびドレインラインへのカセット弁が依然として閉鎖された状態で、浄水器は、十分なWFPDを水およびドレインラインを通して圧送し、混合された透析流体の全量がセンサに圧送され、次いで、付加的量のWFPDが、センサ読取値において、混合された流体に対する明確な終了を示すことを確実にする。
【0044】
上記の構成のいずれかでは、混合された流体は、ドレイン管内の両端において水と混ざり合うであろうが、端部間の混合された流体スラグの大部分は、純粋な混合された流体であり、真の読取値を提供するであろう。WFPDによって両端で境界された混合された流体スラグは、1つ以上の伝導率センサから経時的に読み取られる混合された流体の開始および終了をマークする良好な対比を提供する。読取は、混合された流体が本明細書に説明されるように正しい割合を有するかどうかを判定するために使用される。
【0045】
伝導率センサが真または完全読取値を生産するために被る必要がある、混合された流体の量を低減させるために、推定関数が、センサの伝導率値を推定するために使用されてもよい。推定関数は、感知される漸近値に実際に到達するために必要とされる混合された流体の量を使用する必要がある代わりに、伝導率信号の漸近値が推定されることを可能にする。推定関数は、例えば、必要とされる混合された流体の量を25パーセント低減させ得る。
【0046】
一代替実施形態では、伝導率センサは、浄水器の代わりに、循環器の内側に設置される。ここでは、一実装では、ドレインラインは、第1の区分において、カセットから、循環器まで、循環器の内側の1つ以上の伝導率センサを越えて、かつ第2の区分において、循環器から、筐体または容器ドレインまで延設される。別の実装では、付加的サンプルラインが、第1の区分において、使い捨てカセットのサンプルポートから、循環器まで、循環器の内側の1つ以上の伝導率センサを越えて、かつサンプルラインの第2の区分において、循環器から、例えば、2つのチャンババッグの別個のチャンバとして提供される、サンプル容器またはバッグ(他方のチャンバは、加熱器/混合チャンバである)まで延設される。別の代替実施形態では、1つ以上の伝導率プローブが、使い捨てカセット内に設置される。1つ以上のプローブは、カセットが循環器内に据え付けられるとき、循環器とともに提供される伝導率センサと噛合する。
【0047】
本明細書で議論される伝導率センサ実施形態のいずれかのための伝導率読取値は、温度補償されてもよく、したがって、温度センサ、例えば、サーミスタまたは熱電対が、本明細書に説明される伝導率センサ実施形態のいずれかとともに提供されてもよい。また、本明細書で議論される伝導率センサ実施形態のいずれかでは、伝導率センサにつながるライン、例えば、ドレインラインまたはサンプルラインは、汚染物質が使い捨てカセットの中まで逆流して移動しないように防止することに役立つ、一方向弁、例えば、ダックビル逆止弁を有してもよい。
【0048】
本明細書に議論されるように、混合は、少なくとも部分的に、使い捨てセットの一部として提供される加熱器/混合容器またはバッグの内側で実施される。循環器の加熱器は、一実施形態では、加熱器/混合バッグが、単に、治療のための循環器の上部に設置され得るように、循環器の上部に位置する。ある実施形態では、循環器は、加熱器/混合バッグにわたって閉鎖され、加熱効率を改良することに役立つ、蓋を含む。加熱器/混合容器が、流体で充填されると、加熱器/混合ラインをバッグ自体に遷移させる、バッグポートは、加熱器/混合バッグの遠縁に向かって直線の代わりに、ポートがバッグの上部に向かって上向きに向くように、上向きに屈曲または回転されることができる。ある実施形態では、混合は、以下のように生じる。すなわち、循環器が、10パーセント等のより小さいパーセンテージの処方されたWFPDをバッグに、グルコース濃縮物体積全体をバッグに、緩衝剤濃縮物体積全体をバッグに、次いで、残りの、例えば、90パーセントの処方されたWFPDをバッグに送達する。また、グルコースおよび緩衝剤濃縮物は、WFPDより重い。したがって、残りの90パーセントの処方されたWFPDを提供するとき、バッグポートが、上向きに回転される場合、水は、より重い濃縮物を通り越し、均質に混合しない傾向にあり得る。
【0049】
本問題を解決するために、バッグポートは、一実施形態では、ポートから、バッグポートの軸に対して横方向に延在する、第1および第2のフランジを具備する。ポートが、循環器の上部に位置する加熱器トレイの側壁内に形成されるスロットの中に適切に搭載されると、フランジは、バッグポートの上部の上方に半円状に延在する。フランジは、ポートが側壁スロットの中に適切に搭載されると、1つのフランジが加熱器トレイ側壁の外側に常駐する一方、第2のフランジが、加熱器トレイ側壁の内側上に常駐するように、加熱器トレイ側壁の壁厚に対応する距離だけ相互から離間される。フランジは、故に、側壁の両側に当接し、加熱器/混合バッグの上部に向かって上方にまたは加熱器/混合バッグの底部に向かって下方にのいずれにも、バッグポートが回転しないように防止する。ある実施形態では、加熱器/混合バッグが加熱器トレイ上に上下逆に装填されることができないように、楔が、フランジ間に提供され、フランジの中心に垂直に延在する。
【0050】
また、フランジの一方または両方および/またはバッグポートの管類部分のいずれかのバッグポートの一部を閉鎖し、バッグポートを定位置に咬持するように加熱器蓋を構成することが検討される。咬持は、バッグポートが、加熱器/混合バッグが充填される間、加熱器トレイ側壁のスロット内で上向きに平行移動しないように防止する。
【0051】
別の実施形態では、混合は、以下のように生じる。すなわち、第1の濃縮物のサンプルが、伝導率センサを越えて圧送され、正しい第1の濃縮物であることを検証する。該当する場合、所望の体積の第1の濃縮物が、加熱器/混合バッグに圧送される。第2の濃縮物のサンプルが、伝導率センサを越えて圧送され、正しい第2の濃縮物であることを検証する。該当する場合、所望の体積の第2の濃縮物が、加熱器/混合バッグに圧送される。次に、大パーセンテージの所望の体積、例えば、90~95%のWFPDが、加熱器/混合バッグに圧送され、第1および第2の濃縮物を混合する。いったん混合されると、混合物のサンプルは、伝導率センサを越えて圧送され、その伝導率の読取値が、得られる。読取値は、所望の伝導率レベルと比較され、所望の伝導率レベルに到達するために必要とされるWFPDの量を判定する。その量のWFPDが、次いで、加熱器/混合バッグに圧送される。結果として生じる混合物のサンプルが、次いで、伝導率センサを越えて圧送され、所望の伝導率レベルに到達したことを検証する。
【0052】
本明細書で議論される混合実施形態のいずれかに関して、透析流体の均質混合をさらに補助するために、循環器の制御ユニットは、一実施形態では、「ワッフリング」シーケンスを実施するようにプログラムされる。ワッフリングシーケンスは、例えば、残りの90パーセントの処方されたWFPDが、バッグに添加され、バッグ内にすでにある濃縮物と混合された後に実施される。使い捨てカセットは、一実施形態では、一方のポンプチャンバが流体で充填されている間、他方のポンプチャンバが、流体を排出し、カセットへまたはからの流体の比較的に連続流を提供し得るように、2つの圧送チャンバを具備する。ワッフリングシーケンスは、一実施形態では、循環器が、ポンプチャンバに、混合されるべき透析流体を加熱器/混合バッグからポンプチャンバの中に引動させ、次いで、混合されるべき透析流体を加熱器/混合バッグの中に戻るように押動させることを伴う。本手技は、例えば、200パーセントの加熱器/混合バッグ体積が往復して圧送されるまで何度も繰り返される。ポンプチャンバは、ともに充填および排出させられる、または一方のポンプチャンバを充填させる間、他方のポンプチャンバを排出させてもよい。一方のポンプチャンバを充填させる間、他方を排出させることは、単一加熱器/混合ラインを通して、同時に可能であり得るが、可能ではない場合、一方のポンプチャンバを充填させる間、他方を排出させることは、交互に実施され得る。
【0053】
ワッフリングシーケンスは、一実施形態では、混合流体が加熱器/混合バッグ内で加熱されている間に実施される。ある実施形態では、加熱器/混合バッグへの圧送は、約24.8kPa(3.6psig)で実施される。ポンプチャンバへの空気圧を制御する、電気作動式弁は、一実施形態では、可変空気圧弁である。故に、ワッフリングシーケンスの間、例えば、24.8kPa(3.6psig)圧送圧力から3.5kPa(0.5psig)上下する等、パルス、循環、または正弦波状様式において、可変空気圧弁への入力信号を変動させることが検討される。パルス圧力出力はさらに、乱流、したがって、混合を助長し得る。
【0054】
1つ以上の滅菌フィルタを含む、使い捨てセットは、一実施形態では、各使用後、廃棄される。代替実施形態では、カセットと、関連付けられたラインと、加熱器/混合バッグ、貯水器(提供される場合)と、1つ以上の滅菌フィルタとを含む、使い捨てセットは、1つ以上の付加的治療のために再使用される。そのために、使い捨てカセットを治療の終了時にWFPDで洗浄し、残留使用済み透析流体をカセットおよびドレインラインからドレインまで押動させることが検討される。患者は、患者ラインを患者の移送セット(患者の留置腹膜カテーテルにつながる)から接続解除し、移送セットおよび患者ラインをそれぞれ、キャップ、例えば、消毒剤を含有するキャップで冠着する。代替実施形態では、ドレインラインは、例えば、治療の合間に患者ラインの端部に接続し、より効果的に洗浄または消毒され得る、患者ラインループを生成するためのポートを具備する。カセットの濃縮物ラインは、濃縮物容器に接続されたままである。カセットからの水ラインは、浄水器に接続されたままである。カセットからのドレインラインは、例えば、本明細書に議論されるように少なくとも1つの伝導率センサを有する浄水器へのドレインライン接続を介して、ドレインに接続されたままである。
【0055】
ある実施形態では、使い捨てセットが再使用され得る回数は、濃縮物容器内の濃縮物のレベルから特定される。例えば、濃縮物容器は、3回の治療に値する濃縮物(加えて、3回の完全治療を確実にするためにある程度の余剰量)を保持および提供するように構成されてもよい。したがって、使い捨てセットは、3回の治療の終了時、患者が、単に、濃縮物容器が廃棄のために循環器から接続された状態で、使い捨てセットを除去し、新しい使い捨てセットを2つの新しい濃縮物容器とともに再接続し得るように、2回再使用されることが意図される。しかしながら、本明細書に議論されるように、循環器は、その伝導率読取値が処方されたデキストロースまたはグルコースレベル濃縮物に関する指定された伝導率を満たさない(または伝導率の指定された範囲を下回る)、混合された透析流体のバッチを調製し得、バッチは、その後、廃棄されることが可能性として考えられる。ここでは、濃縮物の量は、3回の完全治療がもはや不可能であるほど消費され得る。したがって、制御ユニットが、(i)いずれかの濃縮物が治療を完了するために十分ではないとき、ユーザが治療を開始しないように防止し、および/または(ii)ユーザが1回以上の少ないサイクルで治療を実施するためのオプションを提供し得るように、循環器の制御ユニットが、3回の治療周期にわたって消費された各濃縮物の量を追跡することが検討される。
【0056】
ある実施形態では、ユーザが、新しい濃縮物容器を伴う新しいセットを据え付けると、制御ユニットは、(i)患者またはユーザからの新しいことを示す入力、(ii)新しい濃縮物容器とともに提供される、例えば、容器から延在するコネクタ上に提供される、新しいバーコード、3Dバーコード、無線周波数識別子(「RFID」)タグ、または他の感知される識別子を感知する/読み取ること、または(iii)(i)と(ii)の組み合わせによって、濃縮物容器が新しいことを把握し得る。循環器の制御ユニットが、新しい容器を感知すると、制御ユニットは、消費された各濃縮物の量をゼロにリセットする。
【0057】
使い捨てセットの再使用を補助するために、クエン酸、クエン酸塩、またはその誘導体等の細菌繁殖防止剤の供給源を使用することが検討される。ある実施形態では、細菌繁殖防止剤の供給源は、浄水器への入力として接続される。浄水器は、治療の終了時、最後のステップとして、所望の量の細菌繁殖防止剤を浄化された水の中に混合し、これは、次いで、一実施形態では、殺菌した滅菌グレードフィルタを介して、患者の腹膜腔に送達されるために好適な殺菌したレベルにされ、貯水器に送達される。循環器は、治療終了時のその最後のステップにおいて、繁殖阻害剤を含むWFPDを貯水器から引動させ、水および阻害剤を、カセット、ドレインライン、および可能性としてさらに加熱器/混合容器の中に、かつそれ通して圧送する。さらなる代替実施形態では、浄水器において、例えば、70℃まで加熱された温水が、治療の合間に使い捨てセットを消毒するために使用されてもよい。
【0058】
本開示に照らして、本開示をいかようにも限定するわけではないが、別様に規定されない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせられ得る、第1の側面では、腹膜透析システムは、浄水器と、循環器と、循環器と動作可能な使い捨てセットであって、水入口ポートを含む圧送カセットと、圧送カセットと流体連通する加熱器/混合容器、貯水器、水入口ポートおよび貯水器と流体連通する第1の水ライン区画と、貯水器および浄水器と流体連通する第2の水ライン区画とを含む、使い捨てセットとを含む。
【0059】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第2の側面では、第2の水ライン区画は、少なくとも1つの殺菌した滅菌グレードフィルタを提供される。
【0060】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第3の側面では、浄水器は、少なくとも1つの殺菌した滅菌グレードフィルタの破損に起因した動作圧力の変化を感知する際に、アラーム状態に入るように構成され、貯水器は、動作圧力の変化を吸収するように位置付けられ、配列される。
【0061】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第4の側面では、アラーム状態は、浄水器から循環器への通知を含む。
【0062】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第5の側面では、浄水器は、限外濾過装置を含み、使い捨てセットは、殺菌した滅菌グレードフィルタを含む。
【0063】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第6の側面では、浄水器は、複数の限外濾過装置を含む。
【0064】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第7の側面では、第1の水ライン区画は、貯水器の出口と流体連通し、第2の水ライン区画は、貯水器の入口と流体連通する。
【0065】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第8の側面では、加熱器/混合容器および貯水器は、マルチチャンババッグの異なるチャンバとして提供される。
【0066】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第9の側面では、使い捨てセットはさらに、ドレインラインを含み、ドレインラインの遠位端は、浄水器から除去されると、浄水器に接続される第2の水ライン区画の端部に接続されるように構成される。
【0067】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第10の側面では、ドレインラインの遠位端は、浄水器に位置するコネクタに接続されるように構成される。
【0068】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第11の側面では、腹膜透析システムは、浄水器と、ポンプアクチュエータを含む循環器と、循環器と動作可能な使い捨てセットであって、ポンプアクチュエータと動作可能に連通して設置可能なポンプチャンバを含む、圧送カセットと、圧送カセットと流体連通する加熱器/混合容器と、圧送カセットおよび浄水器と流体連通する貯水器とを含む、使い捨てセットとを含み、システムは、浄水器に、浄水器によって浄化された水を貯水器に向かって圧送させるように構成される一方、(i)ポンプアクチュエータは、充填相の間、ポンプチャンバを作動させ、新しい透析流体を加熱器/混合容器から圧送し、(ii)治療が滞留相において生じ、または(iii)ポンプアクチュエータは、排出相の間、ポンプチャンバを作動させ、使用済み透析流体を圧送カセットから圧送する。
【0069】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第12の側面では、浄水器は、浄水器制御ユニットを含み、循環器は、循環器制御ユニットを含み、循環器制御ユニットは、第11の側面に記載される(i)、(ii)、または(iii)の間、浄水器に、浄水器によって浄化された水を貯水器に向かって圧送させるように浄水器制御ユニットにコマンドするように構成される。
【0070】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第13の側面では、循環器制御ユニットは、第11の側面に記載される(i)、(ii)、および(iii)を制御するように構成される。
【0071】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第14の側面では、循環器は、治療が滞留相で生じている間、ポンプアクチュエータに、ポンプチャンバを作動させ、浄水器によって浄化された水と少なくとも1つの濃縮物を混合させるように構成される。
【0072】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第15の側面では、循環器は、治療が滞留相で生じている間、ポンプアクチュエータに、ポンプチャンバを作動させ、浄水器によって浄化された水を貯水器からポンプチャンバの中に引動させるように構成される。
【0073】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第16の側面では、循環器は、治療が滞留相で生じている間、ポンプアクチュエータに、ポンプチャンバを作動させ、浄水器によって浄化された水を加熱器/混合容器に押動させるように構成される。
【0074】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第17の側面では、腹膜透析システムは、水出口コネクタ、水再循環コネクタ、および水出口コネクタから水再循環コネクタまでの内部再循環ループを含む、浄水器と、循環器と、循環器と動作可能な使い捨てセットであって、(i)水入口ポートを含む圧送カセットと、(ii)水入口ポートおよび水出口コネクタと流体連通する水ラインであって、水ラインは、少なくとも1つの殺菌した滅菌グレードフィルタを含む、水ラインと、(iii)殺菌した滅菌グレードフィルタおよび水再循環コネクタの下流の水ラインと流体連通する再循環ラインであって、再循環ラインおよび内部再循環ループは、少なくとも1つの殺菌した滅菌グレードフィルタの破損の際の圧力を吸収する、再循環ラインとを含む、使い捨てセットとを含む。
【0075】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第18の側面では、第17の側面の使い捨てのセットはさらに、圧送カセットと流体連通する加熱器/混合容器を含む。
【0076】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第19の側面では、浄水器は、少なくとも1つの殺菌した滅菌グレードフィルタの破損に起因した動作圧力の変化を感知する際に、アラーム状態に入るように構成され、再循環ラインおよび内部再循環ループは、浄水器が動作圧力の変化に反応する時間を提供する。
【0077】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第20の側面では、腹膜透析システムは、内部再循環ループと動作可能に連通するポンプを含む。
【0078】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第21の側面では、第1および第2の濃縮物容器コネクタと流体連通する、第1および第2の濃縮物容器との動作のための使い捨てセットが、提供され、使い捨てセットは、患者ラインポート、ドレインラインポート、水入口ポート、加熱器/混合ポート、第1の濃縮物ポート、および第2の濃縮物ポートを含む、圧送カセットと、患者ラインポートと流体連通する患者ラインと、ドレインラインポートと流体連通するドレインラインと、水ラインポートと流体連通する水ラインと、加熱器/混合ポートと流体連通する加熱器/混合容器と、第1の濃縮物ポートと流体連通する第1の濃縮物ラインであって、第1の濃縮物ラインは、第1の濃縮物容器コネクタと噛合する第1の構成を有する第1の濃縮物ラインコネクタで終端する、第1の濃縮物ラインと、第2の濃縮物ポートと流体連通する第2の濃縮物ラインであって、第2の濃縮物ラインは、(i)第1の濃縮物ラインコネクタが第2の濃縮物容器コネクタと噛合することができず、(ii)第2の濃縮物ラインコネクタが第1の濃縮物容器コネクタと噛合することができないように、第2の濃縮物容器コネクタと噛合するための第2の異なる構成を有する第2の濃縮物ラインコネクタで終端する、第2の濃縮物ラインとを含む。
【0079】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第22の側面では、第1の構成および第2の構成は、異なるねじ山サイズを有する。
【0080】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第23の側面では、第1の構成は、第1のシュラウドの端部と第1のオス型ルアーポートの端部との間の第1のシュラウド差を有する、第1の濃縮物ラインコネクタまたは第1の濃縮物容器コネクタのうちの1つを含み、第2の構成は、第2のシュラウドの端部と第2のオス型ルアーポートの端部との間の第2のシュラウド差を有する、第2の濃縮物ラインコネクタまたは第2の濃縮物容器コネクタのうちの1つを含み、第2のシュラウド差は、第1のシュラウド差と異なる。
【0081】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第24の側面では、患者ラインの遠位端は、患者移送セットと噛合するための第3の構成を有する、患者ラインコネクタを含み、第3の構成は、第1および第2の構成と異なる。
【0082】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第25の側面では、ドレインラインの遠位端は、噛合コネクタと噛合するための第3の構成を有する、ドレインラインコネクタを含み、第3の構成は、第1および第2の構成と異なる。
【0083】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第26の側面では、水ラインの遠位端は、ドレインラインコネクタと噛合するように構成される水ラインコネクタを含む。
【0084】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙された任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第27の側面では、水ラインの遠位端は、浄水器と噛合するための第3の構成を有する、水ラインコネクタを含み、第3の構成は、第1および第2の構成と異なる。
【0085】
本開示の第28の側面では、図1から20のうちの任意の1つに関連して説明される構造、機能性、および代替のいずれかは、図1から20の任意の他のものに関連して説明される構造、機能性、および代替のいずれかと組み合わせて使用されてもよい。
【0086】
故に、本開示の利点は、改良された腹膜透析システムを提供することである。
【0087】
本開示の別の利点は、使用時点で患者の腹膜腔に送達されるために好適な殺菌レベルを有する透析流体を調製する、腹膜透析システムを提供することである。
【0088】
本開示のさらなる利点は、使用時点で患者の腹膜腔に安全に送達されるために好適な殺菌レベルを有する透析流体を調製する、腹膜透析システムを提供することである。
【0089】
本開示のなおもさらなる利点は、使用時点で患者の腹膜腔に効果的に送達されるために好適な殺菌レベルを有する透析流体を混合する、腹膜透析システムを提供することである。
【0090】
本開示のなおも別の利点は、使用時点で作製される透析流体の比例正確度を効果的に試験する、腹膜透析システムを提供することである。
【0091】
本開示のなおもさらなる利点は、使い捨て構成要素の再使用を可能にする、腹膜透析システムを提供することである。
【0092】
さらになお、本開示の利点は、患者のために最適化されたデキストロースまたはグルコースレベルを有する、透析流体を提供することである。
【0093】
なおもさらに、本開示の利点は、同一治療の異なる充填手技のために、異なるデキストロースまたはグルコースレベル透析流体を最適に提供する、透析流体治療を提供することである。
【0094】
さらに、本開示の利点は、治療の合間に浄水器においてルーチンとして実施される消毒手技を使用して、治療時に腹膜透析のために好適な水の形成を補助することである。
【0095】
本明細書で議論される利点は、おそらく、本明細書に開示される実施形態の全てではないが、そのうちの1つまたはいくつかにおいて見出され得る。付加的特徴および利点が、本明細書に説明され、以下の発明を実施するための形態および図から明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0096】
図1図1は、本開示の使用時透析流体生成物を有する、腹膜透析システムの一実施形態の正面立面図である。
図2図2は、図1に図示されるシステムと併用される、使い捨てセットの一実施形態の立面図である。
図3A図3A-3Dは、図2の使い捨てセットを含む、本開示の使い捨てセットのいずれかと併用される、濃縮物コネクタのための一実施形態の種々の図である。
図3B図3A-3Dは、図2の使い捨てセットを含む、本開示の使い捨てセットのいずれかと併用される、濃縮物コネクタのための一実施形態の種々の図である。
図3C図3A-3Dは、図2の使い捨てセットを含む、本開示の使い捨てセットのいずれかと併用される、濃縮物コネクタのための一実施形態の種々の図である。
図3D図3A-3Dは、図2の使い捨てセットを含む、本開示の使い捨てセットのいずれかと併用される、濃縮物コネクタのための一実施形態の種々の図である。
図4A図4A-4Gは、本開示の加熱器/混合バッグポートおよび関連付けられた加熱器/混合パン側壁の一実施形態の種々の図を図示する。
図4B図4A-4Gは、本開示の加熱器/混合バッグポートおよび関連付けられた加熱器/混合パン側壁の一実施形態の種々の図を図示する。
図4C図4A-4Gは、本開示の加熱器/混合バッグポートおよび関連付けられた加熱器/混合パン側壁の一実施形態の種々の図を図示する。
図4D図4A-4Gは、本開示の加熱器/混合バッグポートおよび関連付けられた加熱器/混合パン側壁の一実施形態の種々の図を図示する。
図4E図4A-4Gは、本開示の加熱器/混合バッグポートおよび関連付けられた加熱器/混合パン側壁の一実施形態の種々の図を図示する。
図4F図4A-4Gは、本開示の加熱器/混合バッグポートおよび関連付けられた加熱器/混合パン側壁の一実施形態の種々の図を図示する。
図4G図4A-4Gは、本開示の加熱器/混合バッグポートおよび関連付けられた加熱器/混合パン側壁の一実施形態の種々の図を図示する。
図5図5は、図1に図示されるシステムと併用するために好適な1つの透析流体混合、透析流体試験、および治療方法を図示する、プロセスフロー図である。
図6図6は、本開示の使用時透析流体生成物を有する、腹膜透析システムの別の実施形態の正面立面図である。
図7図7は、本開示の使用時透析流体生成物を有する、腹膜透析システムの別の実施形態の正面立面図である。
図8図8は、本開示の使用時透析流体生成物を有する、腹膜透析システムのさらなる実施形態の正面立面図である。
図9図9Aは、図8に図示されるシステムと併用される、使い捨てセットの一実施形態の立面図である。図9Bは、図9Aに図示される使い捨てセットの使い捨てカセットを図示する、立面図である。
図10図10は、濃縮物容器接続に先立った図8のシステムの正面立面図である。
図11図11は、浄水器接続に先立った図8のシステムの正面立面図である。
図12図12は、付加的濃縮物および使い捨てセットに沿った別個の場所に設置された殺菌した滅菌グレードフィルタを有する、図8のシステムの正面立面図である。
図13図13は、図8のシステムの正面立面図であるが、殺菌した滅菌グレードフィルタの代わりに、限外濾過装置を使用して、腹膜透析用水(「WFPD」)を生産する。
図14図14は、図8のシステムの正面立面図であるが、限外濾過装置と第1の場所における滅菌フィルタを組み合わせて使用し、WFPDを生産する。
図15図15は、図8のシステムの正面立面図であるが、限外濾過装置と第2の場所における滅菌フィルタを組み合わせて使用し、WFPDを生産する。
図16図16は、本明細書で議論される使用時透析流体生成物を有する腹膜透析システムのいずれかと併用され得る、浄水器の一実施形態の概略図である。
図17図17-19は、本明細書で議論される使用時透析流体生成物を有する腹膜透析システムのいずれかと併用され得る、本開示の推定アルゴリズムの一実施形態と関連付けられた種々のプロットを図示し、推定アルゴリズムは、好適な伝導率読取値を取得するために必要とされる混合された透析流体の量が減少されることを可能にする。
図18図17-19は、本明細書で議論される使用時透析流体生成物を有する腹膜透析システムのいずれかと併用され得る、本開示の推定アルゴリズムの一実施形態と関連付けられた種々のプロットを図示し、推定アルゴリズムは、好適な伝導率読取値を取得するために必要とされる混合された透析流体の量が減少されることを可能にする。
図19図17-19は、本明細書で議論される使用時透析流体生成物を有する腹膜透析システムのいずれかと併用され得る、本開示の推定アルゴリズムの一実施形態と関連付けられた種々のプロットを図示し、推定アルゴリズムは、好適な伝導率読取値を取得するために必要とされる混合された透析流体の量が減少されることを可能にする。
図20図20は、ここでは、本明細書で議論される使用時透析流体生成物を有する腹膜透析システムのいずれかと併用され得る、試験される、例えば、透析用の流体温度を経時的に示す、本開示の推定アルゴリズムの別の実施形態と関連付けられたプロットを図示し、推定アルゴリズムは、好適な伝導率読取値を取得するために必要とされる混合された透析流体の量が減少されることを可能にする。
【発明を実施するための形態】
【0097】
(詳細な説明)
(循環器および使い捨てセット)
ここで図面、特に、図1を参照すると、本開示の使用時透析流体生成物を有する、腹膜透析システムの一実施形態が、システム10aによって図示される。システム10aは、循環器20と、浄水器110とを含む。循環器20のための好適な循環器は、例えば、Baxter International Inc.によって市販のAmia(登録商標)またはHomeChoice(登録商標)循環器を含み、それらの循環器は、システム10aに従って生産された使用時透析流体を実施および使用するために、更新されたプログラミングを必要とすることを理解されたい。この目的を達成するために、循環器20は、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのメモリとを有する、制御ユニット22を含む。制御ユニット22はさらに、情報を浄水器110に送信し、情報をそこから受信するための有線または無線送受信機を含む。浄水器110もまた、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのメモリとを有する、制御ユニット112を含む。制御ユニット112はさらに、情報を循環器20の制御ユニット22に送信し、情報をそこから受信するための有線または無線送受信機を含む。有線通信は、例えば、Ethernet(登録商標)接続を介して行われてもよい。無線通信は、Bluetooth(登録商標)、WiFiTM、Zigbee(登録商標)、Z-Wave(登録商標)、無線ユニバーサルシリアルバス(「USB」)、または赤外線プロトコルのいずれかを介して、もしくは任意の他の好適な無線通信技術を介して、実施されてもよい。
【0098】
循環器20は、制御ユニット22を介して、新しい透析溶液を使用時点で調製し、新しく調製された透析流体を患者Pに圧送し、透析流体が患者P内で滞留することを可能にし、次いで、使用済み透析流体をドレインに圧送するようにプログラムされる、機器を保持する、筐体24を含む。図示される実施形態では、浄水器は、筐体ドレインまたはドレイン容器であり得る、ドレイン116につながる、ドレインライン114を含む。制御ユニット22を介して、新しい透析溶液を使用時点で調製するようにプログラムされる機器は、ある実施形態では、限定ではないが、(i)1つ以上の陽圧リザーバ、(ii)1つ以上の陰圧リザーバ、(iii)それぞれ制御ユニット22の制御下のコンプレッサおよび真空ポンプ、または1つ以上の陽および陰圧リザーバに貯蔵されるための陽および陰圧を提供するための制御ユニット22の制御下で陽および陰圧の両方を生成する単一ポンプ、(iv)陽および陰圧を複数の流体弁チャンバに送達するための複数の空気圧弁チャンバ、(v)陽および陰圧を複数の流体ポンプチャンバに送達するための複数の空気圧ポンプチャンバ、(vi)複数の空気圧弁チャンバと複数の流体弁チャンバとの間に位置する制御ユニット22の制御下の複数の電気作動式オン/オフソレノイド空気圧弁、(vii)複数の空気圧ポンプチャンバと複数の流体ポンプチャンバとの間に位置する制御ユニット22の制御下の複数の電気作動式可変オリフィス空気圧弁、(viii)一実施形態では、混合されるにつれて透析流体を加熱するための制御ユニット22の制御下の加熱器、ならびに(viii)アラームおよび他の状況において患者およびドレインラインを閉鎖する制御ユニット22の制御下の閉塞器26を含む、空気圧圧送システムのための機器を含む。
【0099】
一実施形態では、複数の空気圧弁チャンバおよび複数の空気圧ポンプチャンバは、循環器20の筐体24の正面または表面上に位置する。加熱器は、筐体24の内側に位置し、ある実施形態では、加熱蓋(図1では図示せず)の真下で筐体24の上部に位置する、加熱パンに接触する、加熱コイルを含む。
【0100】
循環器20は、図示される実施形態では、ユーザインターフェース30を含む。制御ユニット22は、ある実施形態では、ビデオコントローラを含み、これは、制御ユニット22の一次制御処理およびメモリと相互作用するためのその独自の処理およびメモリを有し得る。ユーザインターフェース30は、ビデオモニタ32を含み、これは、コマンドをユーザインターフェース30を介して制御ユニット22の中に入力するためにビデオモニタ32上に設置されたタッチスクリーンオーバーレイと動作し得る。ユーザインターフェース30はまた、膜スイッチまたは他のボタン等の1つ以上の電気機械的入力デバイスを含んでもよい。制御ユニット22はさらに、1つ以上のスピーカ34において、音声アクティブ化コマンド等の音ファイルを再生するためのオーディオコントローラを含んでもよい。
【0101】
浄水器110もまた、図示される実施形態では、ユーザインターフェース120を含む。浄水器110の制御ユニット112は、ある実施形態では、ビデオコントローラを含み、これは、制御ユニット112の一次制御処理およびメモリと相互作用するためのその独自の処理およびメモリを有し得る。ユーザインターフェース120は、ビデオモニタ122を含み、これも同様に、コマンドを制御ユニット112の中に入力するためにビデオモニタ122上に設置されたタッチスクリーンオーバーレイと動作し得る。ユーザインターフェース120はまた、膜スイッチまたは他のボタン等の1つ以上の電気機械的入力デバイスを含んでもよい。制御ユニット112はさらに、浄水器110の1つ以上のスピーカ124において、アラームまたはアラート音等の音ファイルを再生するためのオーディオコントローラを含んでもよい。
【0102】
加えて、図2を参照すると、使い捨てセット40の一実施形態が、図示される。使い捨てセット40は、図1にもまた図示され、循環器20に噛合され、使い捨てセット40内の流体を移動させ、例えば、本明細書に議論されるように、透析流体を混合する。使い捨てセット40は、図示される実施形態では、使い捨てカセット42を含み、これは、可撓性膜によって片側または両側で被覆される平面剛性プラスチック部品を含んでもよい。循環器20の筐体24に対して圧接される膜は、圧送および弁膜を形成する。図2は、使い捨てカセット42が、循環器20の筐体24に位置する空気圧ポンプチャンバと動作する、流体ポンプチャンバ44と、循環器20の筐体24に位置する空気圧弁チャンバと動作する、流体弁チャンバ46とを含むことを図示する。
【0103】
図1および2は、使い捨てセット40が、カセット42の患者ラインポートから延在し、患者ラインコネクタ52で終端する、患者ライン50を含むことを図示する。図1は、患者ラインコネクタ52が、患者移送セット54に接続し、順に、患者Pの腹膜腔内に位置する留置カテーテルに接続することを図示する。使い捨てセット40は、カセット42のドレインラインポートから延在し、ドレインラインコネクタ58で終端する、ドレインライン56を含む。図1は、ドレインラインコネクタ58が、浄水器110のドレインコネクタ118に除去可能に接続することを図示する。
【0104】
図1および2はさらに、使い捨てセット40が、以下により詳細に議論される、カセット42の加熱器/混合ラインポートから延在し、加熱器/混合バッグ62で終端する、加熱器/混合ライン60を含むことを図示する。使い捨てセット40は、貯水器66の水入口66aまで延在する、上流水ライン区画64aを含む。下流水ライン区画64bは、貯水器66の水出口66bからカセット42まで延在する。図示される実施形態では、上流水ライン区画64aは、水ラインコネクタ68から開始し、貯水器66の上流に位置する。図1は、水ラインコネクタ68が、浄水器110の水出口コネクタ128に除去可能に接続されることを図示する。
【0105】
浄水器110は、水、可能性として、腹膜透析に好適な水(「WFPD」)を出力する。しかしながら、WFPDを確実にするために、それぞれ、殺菌した滅菌グレードフィルタ70aが、下流の殺菌した滅菌グレードフィルタ70bの上流に設置される。フィルタ70aおよび70bは、貯水器66の上流の水ライン区画64a内に設置されてもよい。殺菌した滅菌グレードフィルタ70aおよび70bは、除外ラインを有していない、通過フィルタであってもよい。滅菌フィルタのための細孔サイズは、例えば、0.1または0.2ミクロン等のミクロン未満であってもよい。好適な殺菌した滅菌グレードフィルタ70aおよび70bは、例えば、Pall IV-5またはGVS Speedflowフィルタである、または本開示の譲受人によって提供されるフィルタであってもよい。ある実施形態では、1つのみの上流または下流滅菌フィルタ70aおよび70bが、WFPD、すなわち、患者Pの腹膜腔への送達のための透析流体を作製するために好適な水を生産するために必要とされ、なお、2つの殺菌した滅菌グレードフィルタ70aおよび70bは、1つが故障した場合の冗長性のために提供される。
【0106】
図2はさらに、最後のバッグまたはサンプルライン72が、カセット42の最後のバッグまたはサンプルポートから延在するように提供されてもよいことを図示する。最後のバッグまたはサンプルライン72は、コネクタ74で終端し、これは、透析流体の事前混合された最後の充填バッグの噛合コネクタに、またはサンプルバッグまたは他のサンプル収集容器に接続されてもよい。最後のバッグまたはサンプルライン72およびコネクタ74は、代替として、所望に応じて、第3のタイプの濃縮物のために使用されてもよい。
【0107】
図1および2は、使い捨てセット40が、カセット42の第1の濃縮物ポートから延在し、第1の、例えば、グルコースのカセット濃縮物コネクタ80aで終端する、第1の、例えば、グルコースの濃縮物ライン76を含むことを図示する。第2の、例えば、緩衝剤の濃縮物ライン78は、カセット42の第2の濃縮物ポートから延在し、第2の、例えば、緩衝剤のカセット濃縮物コネクタ82aで終端する。
【0108】
図1は、第1の濃縮物容器84aが、第1の、例えば、グルコースの濃縮物を保持し、これが、容器84aから、容器ライン86を通して、第1のカセット濃縮物コネクタ80aと噛合する、第1の容器濃縮物コネクタ80bに圧送されることを図示する。第2の濃縮物容器84bは、第2の、例えば、緩衝剤の濃縮物を保持し、これは、容器84bから、容器ライン88を通して、第2のカセット濃縮物コネクタ82aと噛合する、第2の容器濃縮物コネクタ82bに圧送される。
【0109】
ある実施形態では、治療を開始するために、患者Pは、カセット42を循環器の中に装填し、ランダムまたは指定された順序で、(i)加熱器/混合バッグ62を循環器20上に設置し、(ii)上流水ライン区画64aを浄水器110の水出口コネクタ128に接続し、(iii)ドレインライン56を浄水器110のドレインコネクタ118に接続し、(iv)第1のカセット濃縮物コネクタ80aを第1の容器濃縮物コネクタ80bに接続し、(v)第2のカセット濃縮物コネクタ82aを第2の容器濃縮物コネクタ82bに接続する。本時点で、患者コネクタ52は、依然として、冠着されている。いったん新しい透析流体が、以下に詳細に説明されるように調製および検証されると、患者ライン50は、新しい透析流体でプライミングされ、その後、患者Pは、治療のために、患者ラインコネクタ52を移送セット54に接続し得る。前述のステップはそれぞれ、ビデオモニタ32に図式的に図示される、および/またはスピーカ34からの音声ガイダンスを介して提供されてもよい。
【0110】
使い捨てセット40に関して、カセット42の剛性部分は、例えば、非晶質構造の熱オレフィンポリマー(「TOPAS」)と環状オレフィンのコポリマー(「coc」)から作製されてもよい。カセット42の可撓性膜は、例えば、コポリエステルエーテル(「PCCE」)から作製されてもよく、1つ以上の層から成ってもよい。管類またはラインのいずれかは、例えば、ポリ塩化ビニル(「PVC」)から作製されてもよい。コネクタのいずれかは、例えば、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(「ABS」、例えば、以下に議論される、濃縮物コネクタ80a、80b、82a、82bおよび加熱器/混合バッグコネクタ100のため)、アクリル(例えば、ドレインラインコネクタ58のため)、またはPVC(例えば、水ラインコネクタ水ラインコネクタ68のため)から作製されてもよい。バッグまたは容器のいずれかは、PVCから作製されてもよい。前述の構成要素のいずれかのための材料は、経時的に変更され得る。
【0111】
(濃縮物コネクタおよび浄水器コネクタのフェールセーフ接続)
ここで図3Aから3Dを参照すると、第1のカセット濃縮物コネクタ80a、第1の容器濃縮物コネクタ80b、第2のカセット濃縮物コネクタ82a、および第2の容器濃縮物コネクタ82bのための例示的実施形態が、図示される。一般に、コネクタの内側作業は、(i)第1のカセット濃縮物コネクタ80aが、第2の容器濃縮物コネクタ82bに接続されることができず、(ii)第2のカセット濃縮物コネクタ82aが、第1の容器濃縮物コネクタ80bに接続されることができないように、異なるように定寸される。また、(i)第1のカセット濃縮物コネクタ80aおよび第2のカセット濃縮物コネクタ82aが、その個別のライン76、78を介して、カセット42に恒久的に取り付けられ、(ii)第1の容器濃縮物コネクタ80bおよび第2の容器濃縮物コネクタ82bが、その個別のライン86、88を介して、その個別の濃縮物容器84a、84bに恒久的に取り付けられるため、患者Pは、濃縮物容器84a、84bをカセット42に不適切に接続することができない。
【0112】
図3Aから3Dは、一般に、グルコースコネクタ80a/80bが、複数の点において、緩衝剤コネクタ82a/82bより大きいことを図示する。代替実施形態では、緩衝剤コネクタは、複数の点において、グルコースコネクタより大きい。いずれの場合も、図3Aは、オス型ルアーコネクタ80bのオス型ルアーポート80cが、オス型ルアーコネクタ82bのオス型ルアーポート82cより大きい外径を有することを図示する。図3Aはまた、オス型ルアーコネクタ80bのメス型ねじ山80dが、オス型ルアーコネクタ82bのメス型ねじ山82dの内径より大きい内径を有することを図示する。図3Aから3Dはさらに、オス型ルアーコネクタ80bの外側環状壁80eが、オス型ルアーコネクタ82bの外側環状壁82eの内径より大きい内径を有する一方、メス型ルアーコネクタ80aの外側環状壁80fが、メス型ルアーコネクタ82aの外側環状壁82fの内径より大きい内径を有することを図示する。
【0113】
図3Bはさらに、メス型ルアーコネクタ80aのオス型ねじ山80gは、メス型ルアーコネクタ82aのオス型ねじ山82gの外径より外径が大きいことを図示する。図3Dの断面は、(i)オス型ルアーコネクタ80bのメス型ねじ山80dが、オス型ルアーコネクタ82bのメス型ねじ山82dの内径より大きい内径を有し、(ii)メス型ルアーコネクタ80aのオス型ねじ山80gが、メス型ルアーコネクタ82aのオス型ねじ山82gの外径より大きい外径を有することを含む、上記の全てを確認する。図3Dはまた、オス型ルアーコネクタ82bの外側環状壁82eによって提供されるシュラウド差「D」が、オス型ルアーコネクタ80bの外側環状壁80eによって提供されるシュラウド差「d」より長いことを図示する。異なるように定寸されるねじ山および異なるシュラウド差Dおよびdは、特に、患者Pが濃縮物容器84a、84bをカセット42に不適切に接続しないように防止する。
【0114】
異なるように定寸されるルアー噛合コネクタ80a/80b対82a/82b等の異なるように定寸される噛合コネクタはまた、浄水器110への接続における水ラインコネクタ68/水出口コネクタ128およびドレインラインコネクタ58/ドレインコネクタ118を含む、他のコネクタ対のためにも使用されてもよいことを理解されたい。ここでは、異なるように定寸されるコネクタ対は、患者Pまたは他のユーザが、(i)上流水ライン区画64aをドレインコネクタ118に、および/または(ii)ドレインライン56を水出口コネクタ128に接続しないように防止する。
【0115】
1つの好ましい実施形態では、ドレインラインコネクタ58および水ラインコネクタ68は、ねじ山付きであるが、真のルアーコネクタではなく、したがって、それらは、異なるように定寸されるルアー噛合コネクタ80a/80bおよび82a/82bのいずれかと噛合することができない。コネクタ58および68はまた、移送セット54と噛合することができず、したがって、コネクタは、浄水器110にのみ接続され得る。ある実施形態では、ドレインラインコネクタ58および水ラインコネクタ68は、治療後、患者Pまたは他のユーザが、使い捨てセット40を循環器20および浄水器110から除去し、上流水ライン区画64aおよびドレインライン56をともに、水ラインコネクタ68の接続を介して、ドレインラインコネクタ58に接続し得るように、ともに接続されるように構成される。そうすることによって、上流水ライン区画64a内のWFPDおよびドレインライン56内の廃物透析流体は、治療後の接続解除に応じて、それらのラインから溢流することができない。ドレインラインコネクタ58および水ラインコネクタ68がともに接続されるように構成することはまた、患者Pまたは他のユーザが、(i)同一(オス型またはメス型)コネクタであるため、ドレインラインコネクタ58を水出口コネクタ128に接続しないように、かつ(ii)同様に同一(メス型またはオス型)コネクタであるため、水ラインコネクタ68をドレインコネクタ118に接続しないように防止する。
【0116】
異なる濃縮物コネクタ80a/80bおよび82a/82bならびに/もしくはドレインラインコネクタ58および水ラインコネクタ68がともに接続されるような構成は、図3Aから3Dに関連して説明される任意の代替実施形態を含め、本明細書に説明される使用時透析流体調製を有する、異なる腹膜透析システム10aから10dのいずれかのために使用されてもよい。
【0117】
(加熱器/混合バッグコネクタ)
ここで図1に照らして、図4Aから4Gを参照すると、動作のための加熱器/混合バッグ62の設置が、詳細に図示される。図4Aは、循環器20の筐体24の加熱/混合部分を図示する。筐体24は、加熱器/混合バッグ62を受容するために筐体24の上部に位置する、加熱器/混合トレイ90を含む。循環器20の加熱器は、制御ユニット22の制御下で、加熱器/混合トレイ90の真下に位置し、一実施形態では、加熱器/混合トレイ90に接触する、加熱要素を含む。加熱器/混合トレイ90は、以下に詳細に説明される加熱器/混合バッグコネクタ100を受容するためのスロット94を画定する側壁92を含む、複数の側壁を含む。筐体24はまた、加熱器加熱器/混合トレイ90の上部において筐体24の後面にヒンジ接続される、蓋96を画定する。蓋96は、加熱器/混合バッグ62を位置付け、除去するためにヒンジ開放され、加熱の間、据付のために、筐体24上にヒンジ閉鎖されてもよい。蓋96は、以下により詳細に説明されるように、側壁92と噛合する、側壁98を含む。筐体24の蓋96および側壁92は、金属またはプラスチックから作製されてもよい一方、加熱器/混合トレイ90は、熱を伝導し、それに耐えるために、アルミニウム等の金属から作製される。
【0118】
図4Bは、スロット94を含む、側壁92の付属区分をより詳細に図示する。断面半円形フランジ92aが、側壁92から延在する。半円形フランジ92aは、側壁92とともに形成される、またはそこに溶接されてもよい。半円形フランジ92aは、ポートが、側壁92を通して水平に、かつ加熱器/混合トレイ90の底部と略平行に延在するように、加熱器/混合バッグコネクタ100を整合させるために役立つ。スロット94は、図示される実施形態では、導入用V形状の区分94aを含み、これは、静置円形区分94bまで延在する。ピンチ点94cは、V形状の区分94aを分離し、円形区分94bは、一実施形態では、加熱器/混合バッグコネクタ100の接触直径より小さい。患者Pまたは他のユーザは、故に、加熱器/混合バッグコネクタ100を静置円形区分94bの中に据え付けるとき、触知「スナップ」を感じ、適切かつ最終据付を示す。ピンチ点94cはまた、加熱器/混合バッグコネクタ100を定位置に保持し、例えば、加熱器/混合バッグ62が充填されている間、ポートがスロット94内で上向きに平行移動しないように防止する傾向にある。
【0119】
図4Cは、加熱器/混合バッグコネクタ100のための一実施形態を図示する。加熱器/混合バッグコネクタ100は、患者流体、それによって、患者Pに十分に低い生理学的影響を及ぼす、材料から作製されてもよい。加熱器/混合バッグコネクタ100は、単一部品またはともにシール嵌合された複数の部品として成型されてもよい。加熱器/混合バッグコネクタ100は、加熱器/混合ライン60(図1)にシールして取り付けるための管接続ポート102aを含む。管接続ポート102aは、外側フランジ104まで延在する。外側フランジ104は、回転防止楔108を介して、内側フランジ106からオフセットされる。バッグ導入ポート102bは、内側フランジ106から加熱器/混合バッグ62の中に延在する。ある実施形態では、加熱器/混合バッグ62は、熱シール、超音波溶接、または溶媒接合を介して、バッグ導入ポート102bにシールされる。
【0120】
バッグ導入ポート102bの内部管腔は、一定直径円筒形形状を有する、またはノズル付きであってもよい。ノズル付きである場合、ノズルの軸または中心線は、水平に向く、または加熱器/混合トレイ90の底部に向かって下向きに向いてもよい。グルコースおよび緩衝剤等の濃縮物は、概して、濃縮物が混合されるWFPDより重い。故に、濃縮物および水が、より軽い水がより重い濃縮物から上向きに分離する前に、より多くの混合時間を有するように、加熱器/混合バッグ62に進入する濃縮物および水の方向を下向きに向けることが望ましくあり得る。
【0121】
ある実施形態では、濃縮物および水が導入ポート102bから自由に加熱器/混合バッグ62の中に退出するように、導入ポート102bの遠位端から延在する管は、存在しない。代替実施形態では、拡散マニホールド(図示せず)が、導入ポート102bの遠位端にシールして取り付けられてもよい。拡散マニホールドは、例えば、その遠位端において冠着される、剛性または可撓性管であってもよい。管は、その長さに沿って離間される複数の開口部または開口を含み、これは、濃縮物および水が、加熱器/混合バッグ62の中に退出することを可能にする。拡散マニホールドは、このように、加熱器/混合バッグ62の全長を横断して濃縮物をより均一に分散させ、拡散マニホールドの長さに沿って離間される開口部または開口から退出するにつれて、濃縮物およびWFPDを混合させる。
【0122】
図4Dおよび4Eは、側壁92のスロット94の中に挿入される、加熱器/混合バッグコネクタ100を図示する。図4Dは、加熱パン90の外側から加熱器/混合バッグコネクタ100を示し、外側フランジ104をハイライトする一方、図4Eは、加熱パン90の内側からの加熱器/混合バッグコネクタ100を示し、内側フランジ106をハイライトする。図4Dでは、加熱器/混合バッグコネクタ100の外側フランジ104の底部104a(図4C)は、側壁92から延在する半円形フランジ92aに対して底に達する。図4Dおよび4Eは、加熱器/混合バッグコネクタ100の外側フランジ104および内側フランジ106が、それぞれ、側壁92の外側および内側表面に当接されることを示す。回転防止楔108は、以下により詳細に図示されるように、スロット94内に常駐する。加熱器/混合バッグコネクタ100の導入ポート102bは、加熱器/混合バッグ62のある区分にシールされるように図示される。加熱器/混合バッグコネクタ100の管接続ポート102aは、加熱器/混合ライン60によって被覆され、そこにシールされているため、図4Dでは視認不可能である。
【0123】
外側フランジ104および内側フランジ106は、加熱器/混合バッグ62が、加熱および混合のために、濃縮物およびWFPDで充填されているとき、加熱器/混合バッグコネクタ100が、管接続ポート102aを通して、中心軸A(図4E)と垂直な軸を中心として回転しないように防止する。前述のように、濃縮物は、WFPDより重い。したがって、導入ポート102bの遠位端が、充填の間、加熱器/混合バッグ62の上部に向かって上向きになるように、加熱器/混合バッグコネクタ100が、回転される場合、より軽い水は、より重く、かつ落下する濃縮物にわたって流動し、適切な混合を防止する傾向にあり得る。外側フランジ104および内側フランジ106は、そのような回転および傾斜が生じないように防止し、濃縮物およびWFPDが、加熱器/混合バッグ62の内側を横断して、バッグ62の遠側に向かって、直線に注入されることを確実にすることに役立つ。
【0124】
図4Fでは、図4Dに示される外側フランジ104は、回転防止楔108が完全に見えるように除去されている。図4Fは、加熱器/混合バッグコネクタ100の内部区分を図示し、加熱器/混合バッグ62が加熱器/混合トレイ90の中に装填されるとき、スロット94のV形状の区分94a内に常駐する、回転防止楔108をハイライトする。図示されるように、回転防止楔108は、上側水平部材108aと、垂直の中心に位置する部材108bとを含み、「T」形状を形成する。上側水平部材108aは、V形状の区分94aの各縁まで延在し、管接続ポート102aを通して中心軸A(図4F)を中心として時計回りまたは反時計回り方向のいずれかにおける加熱器/混合バッグコネクタ100の回転を防止する。中心に位置する垂直部材108bは、剛性を加熱器/混合バッグコネクタ100に追加する。回転防止楔108は、加熱器/混合バッグ62が加熱器/混合トレイ90の中に上下逆に装填されないように防止する付加的目的を果たす。患者Pまたは別のユーザが、加熱器/混合バッグ62を加熱器/混合トレイ90の中に上下逆に装填しようとする場合、上側水平部材108aは、管接続ポート102aがスロット94の円形区分94bの中にスナップ嵌合することができないように、スロット94のV形状の区分94a内に楔着される。患者Pまたは他のユーザは、不適切な嵌合を感知し、加熱器/混合バッグ62を加熱器/混合トレイ90内の適切な配向に再装填する。
【0125】
図4Gは、いったん患者Pまたは他のユーザが、加熱器/混合バッグ62を加熱器/混合トレイ90の中に適切に装填すると、蓋96の側壁98が加熱器/混合トレイ90の側壁92に衝合するように、患者Pまたは他のユーザが、蓋96を閉鎖する(例えば、ヒンジ閉鎖する)ことを図示する。図示される実施形態では、蓋96は、蓋が閉鎖されると、側壁98の底部縁98aが、加熱器/混合バッグコネクタ100の外側フランジ104上に閉鎖するように、定寸され、位置付けられる。本閉鎖は、スロット94の円形区分94bの中への管接続ポート102aのスナップ嵌合とともに、例えば、濃縮物およびWFPDでの加熱器/混合バッグ62の充填に起因する、スロット94内の加熱器/混合バッグコネクタ100の上向き垂直平行移動または変位を防止する。
【0126】
代替実施形態では(図示せず)、加熱器/混合バッグコネクタは、患者Pまたは他のユーザが、前述のように、ポートをスロット94の中に装填するように構成される。患者Pまたは他のユーザは、次いで、ポートによって提供されるハンドルが略水平になるまで、ポートを、例えば、45°時計回り回転させ、これは、順に、リブが静置円形区分94bの壁に当接し、加熱器/混合バッグ62の充填の間、スロット94内の代替ポートの垂直変位に抵抗するように、代替コネクタの内径リブがスロット94の円形区分94b内に常駐するように配向する。
【0127】
加熱器/混合バッグコネクタ100またはすぐ上で説明される代替加熱器/混合バッグコネクタは、図4Aから4Gに関連して説明される任意の代替実施形態を含め、本明細書に説明される使用時透析流体調製を有する、異なる透析システム10aから10dのいずれかのために使用されてもよい。
【0128】
(混合レジメ、透析流体試験、および治療)
ここで図5を参照すると、複数の濃縮物およびWFPDを使用して透析流体を使用時点で混合するための一実施形態が、方法210によって図示される。卵形212において、方法210が、開始する。ブロック214では、患者Pまたは他のユーザは、前述のように、(i)循環器20をオンにし、(ii)加熱器/混合バッグ62を循環器20上に設置し、(iii)上流水ライン区画64aを浄水器110に接続し、(iv)ドレインライン56を浄水器110に接続し、(v)第1のカセット濃縮物コネクタ80aを第1の容器濃縮物コネクタ80bに接続し、(vi)第2のカセット濃縮物コネクタ82aを第2の容器濃縮物コネクタ82bに接続することを含む、システム10のための設定を実施する。
【0129】
ブロック216では、循環器20は、例えば、カセット42、貯水器66、および加熱器/混合バッグ62の圧力をチェックする、乾燥完全性試験を実施する。ブロック222では、使い捨てセット40が完全性試験に合格したことの判定後、制御ユニット22は、浄水器110を自動的にオンにし、その制御ユニット112と無線同期し、制御ユニットに、WFPDを調製する、例えば、体積および温度を規定するように指示してもよい。WFPDを調製するために、図1に見られる一実施形態では、浄水器110の制御ユニット112は、浄水器に、浄化された水を、圧力調整器130によって設定された所望の圧力で、所望の温度、例えば、20℃~30℃において、殺菌した滅菌グレードフィルタ70aおよび70bを通して、かつ上流水ライン区画64aを通して、水入口66aを介して貯水器66の中に圧送させる。圧力調整器130は、水出口圧力を約137.9~275.8kPa(20~40psig)に設定し、浄化された水を殺菌した滅菌グレードフィルタ70aおよび70bを通して押進させ、貯水器66内に常駐するWFPDを生産してもよい。浄水器110は、例えば、2~3リットルの浄化された水を20℃~30℃で殺菌した滅菌グレードフィルタ70aおよび70bを通して貯水器66に圧送してもよい。ブロック216まで、循環器20は、貯水器66が、流体圧力および流率の観点から使い捨てセット40から、浄水器110を分断または隔離するため、下流水ライン区画64bへのカセット42において流体弁チャンバ46を閉鎖し、および/または患者ライン50およびドレインライン56において閉塞器26を閉鎖する以外、流体制御のために必要とされない。しかしながら、循環器20の制御ユニット22は、コマンドを有線または無線で浄水器110の制御ユニット112に送信し、所望の量のWFPDをある温度で調製することによって、WFPDの調製を開始してもよいことを理解されたい。高温のWFPDは、循環器20上の加熱負担を低下させる。
【0130】
ブロック224では、制御ユニット22は、循環器20に、カセット42プライミングシーケンスを実施させる。カセット42をプライミングするために、制御ユニット22は、循環器20に、カセット42において、(i)第1の濃縮物容器ライン86および(ii)ドレインライン56への流体弁46を開放させ、ポンプチャンバ44が、第1の濃縮物ライン76/86を第1の濃縮物容器84aからの第1の濃縮物でプライミング(例えば、代替として、略連続流を達成)し、それらのライン内の空気をドレイン116に押動させることを可能にする。制御ユニット22は、次いで、循環器20に、(i)第1の濃縮物ライン76/86へのカセット流体弁46を閉鎖させ、(ii)ドレインライン56へのカセット流体弁46を開放したまま維持させ、(iii)第2の濃縮物ライン78/88へのカセット42における流体弁46を開放させ、ポンプチャンバ44が、第2の濃縮物ライン78/88を第2の濃縮物容器84bからの第2の濃縮物でプライミング(例えば、代替として、略連続流を達成)し、空気をそれらのラインからドレイン116に押動させることを可能にする。制御ユニット22は、次いで、循環器20に、(i)第2の濃縮物ライン78/88へのカセット流体弁46を閉鎖させ、(ii)ドレインライン56へのカセット流体弁46を開放したまま維持させ、(iii)下流水ライン区画64bへの流体弁チャンバ46を開放させ、流体ポンプチャンバ44が、ライン区画64bおよびドレインライン56を貯水器66からのWFPDでプライミング(例えば、代替として、略連続流を達成)ことを可能にし、空気をそれらのラインからドレイン116に押動させる。
【0131】
最初に、ドレインライン56は、濃縮物での濃縮物ライン76/86および78/88のプライミングに起因して、WFPDおよび濃縮物の組み合わせで充填されるであろう。プライミングブロック224では、または混合された透析流体の試験に先立ったある他のステップでは、制御ユニット22は、循環器20に、ドレインラインがWFPDで完全にプライミングされるように、かつWFPDが伝導率センサ132に流動されるように、十分なWFPDを貯水器66から圧送させる。WFPDが、伝導率センサ132にあるとき、浄水器110の制御ユニット112は、WFPDに関する1つ以上の伝導率読取値を伝導率センサ132から得て、(i)読取値をWFPDに関して予期される読取値と比較し、有線または無線で、「伝導率センサ読取良好」または「伝導率センサ読取失敗」出力を適切な措置を講じる循環器20の制御ユニット22に送信するか、または(ii)制御ユニット22が、伝導率センサ読取が良好であるかどうかを判定する、例えば、読取値をルックアップテーブルと比較する、または適切な作用を講じ得るように、伝導率読取値を有線または無線で循環器20の制御ユニット22に送信するかのいずれかであってもよい。前述の較正手技は、既知の伝導率を有する任意の1つ以上の流体を使用して実施されてもよい。
【0132】
ブロック226では、混合が、開始し、制御ユニット22は、循環器20に、(i)ドレインライン56につながるカセット42の流体弁46を閉鎖させ、(ii)下流水ライン区画64bにつながるカセット42の流体弁46を開放させ、(iii)加熱器/混合バッグ62につながるカセット42の流体弁46を開放させ、流体ポンプチャンバ44が、所望の量のWFPDを、貯水器66から、下流水ライン区画64bを通して、カセット42を通して、加熱器/混合ライン60を通して、加熱器/混合バッグコネクタ100を介して加熱器/混合バッグ62の中に圧送(例えば、代替として、略連続流を達成)することを可能にする。一実施形態では、初期所望の量のWFPDは、総所望の量のWFPDのあるパーセンテージであり、これは、処方された患者充填体積+付加的体積、例えば、処方された充填体積に加えて300~500ミリリットルに基づく。1つの好適なパーセンテージは、10パーセントである。
【0133】
ブロック228では、制御ユニット22は、循環器20に、(i)下流水ライン区画64bへのカセット42における流体弁チャンバ46を閉鎖させ、(ii)加熱器/混合バッグ62へのカセット42における流体弁チャンバ46を開放したまま維持させ、(iii)第1の、例えば、グルコースの濃縮物ライン76/86へのカセット42における流体弁チャンバ46を開放させ、所望の量の第1の濃縮物、例えば、グルコースを、第1の濃縮物容器84aから、第1の濃縮物ライン76/86を通して、カセット42を通して、加熱器/混合ライン60を通して、加熱器/混合バッグコネクタ100を介して加熱器/混合バッグ62の中に流体ポンプチャンバ44が、圧送(例えば、代替として、略連続流を達成)することを可能にする。一実施形態では、所望の量の第1の濃縮物、例えば、グルコースは、総所望の量の第1の濃縮物であり、これは、処方された患者充填体積(+余剰300~500ミリリットルの割増量)および処方された透析流体化学物質に基づく。例示的承認された透析流体化学物質は、(i)1.5%デキストロース一水和物(またはグルコース一水和物)=1.36%無水デキストロース(または無水グルコース)、(ii)2.5%デキストロース一水和物(またはグルコース一水和物)=2.27%無水デキストロース(または無水グルコース)、および(iii)4.25%デキストロース一水和物(またはグルコース一水和物)=3.86%無水デキストロース(または無水グルコース)を含む。
【0134】
ブロック230では、制御ユニット22は、循環器20に、(i)第1の濃縮物ライン76/86へのカセット42における流体弁チャンバ46を閉鎖させ、(ii)加熱器/混合バッグ62へのカセット42における流体弁チャンバ46を開放したまま維持させ、(iii)第2の、例えば、緩衝剤、濃縮物ライン78/88へのカセット42における流体弁チャンバ46を開放させ、流体ポンプチャンバ44が、所望の量の第2の濃縮物、例えば、緩衝剤を、第2の濃縮物容器84bから、第2の濃縮物ライン78/88を通して、カセット42を通して、加熱器/混合ライン60を通して、加熱器/混合バッグコネクタ100を介して加熱器/混合バッグ62の中に圧送(例えば、代替として、略連続流を達成)することを可能にする。一実施形態では、所望の量の第2の濃縮物、例えば、緩衝剤は、総所望の量の第2の濃縮物であり、これは、再び、処方された患者充填体積(+余剰300~500ミリリットルの割増量)および処方された透析流体化学物質に基づく。
【0135】
ブロック232では、制御ユニット22は、循環器20に、(i)第2の濃縮物ライン78へのカセット42における流体弁チャンバ46を閉鎖させ、(ii)加熱器/混合バッグ62へのカセット42における流体弁チャンバ46を開放したまま維持させ、(iii)水ライン区画64bへのカセット42における下流流体弁チャンバ46を開放させ、流体ポンプチャンバ44が、残りの量、例えば、90パーセントのWFPDを、貯水器66から、下流水ライン区画64bを通して、カセット42を通して、加熱器/混合ライン60を通して、加熱器/混合バッグコネクタ100を介して加熱器/混合バッグ62の中に圧送(例えば、代替として、略連続流を達成)することを可能にする。本時点で、正しい量のWFPD、第1の濃縮物、例えば、グルコース、第2の濃縮物、例えば、緩衝剤、およびn番目の濃縮物(方法210は、単一濃縮物のみを含め、任意の所望の数の濃縮物のためにスケーラブルである)が、処方された量の処方された腹膜透析溶液を調製する。処方された量は、加熱器/混合バッグ62およびカセット42内に常駐するであろう。すなわち、一実施形態では、残りのパーセンテージのWFPDの圧送は、最終圧送ストロークの水が流体ポンプチャンバ44のうちの1つに到達すると終了する。
【0136】
ブロック234では、制御ユニット22は、循環器20に、(i)筐体24内の流体加熱器をオンにし、加熱器/混合バッグ62内のWFPDおよび濃縮物を加熱させ(但し、加熱は、加熱器/混合バッグ62内にあるタイプの流体が存在する限り、より早期に開始してもよい)、(ii)「ワッフリング」シーケンスを実施させる。ワッフリングシーケンスを実施するために、制御ユニット22は、ある実施形態では、循環器20に、加熱器/混合ライン60および加熱器/混合バッグ62への流体弁チャンバ46を除き、カセット42における全ての流体弁チャンバ46を閉鎖させる。流体ポンプチャンバ44は、連続して、かつ繰り返しストロークされ、(i)WFPDおよび濃縮物を加熱器/混合バッグ62からポンプチャンバの中に引動させ、(ii)WFPDおよび濃縮物をポンプチャンバから加熱器/混合バッグ62に押動させる。制御ユニット22は、それら両方が同時または交互に引動および押動し、一方のポンプチャンバ44が、加熱器/混合バッグ62から引動させ、他方のポンプチャンバ44が加熱器/混合バッグ62に押動させ、乱流を加熱器/混合ライン60内に生成するように、流体ポンプチャンバ44をともにストロークするようにプログラムされてもよい。
【0137】
代替ワッフリング実施形態では、制御ユニット22は、第1および第2のポンプチャンバ44に、流体を加熱器/混合バッグ62に戻るように押動させる前に、1回以上の回数、相互に圧送させるようにプログラムされる。加えて、乱流をさらに生成するために、ワッフリング実施形態のいずれかにおいて、ポンプチャンバ44のための1つ以上の可変オリフィス空気圧弁への電気入力信号を、ワッフリングシーケンスの間、例えば、24.8kPa(3.6psig)等の平均圧送圧力から3.5kPa(0.5psig)上下等、パルス、循環、または正弦波状様式において、変動させるように制御ユニット22をプログラムすることが検討される。さらに、ワッフリング実施形態のいずれかに関して、例えば、加熱器/混合バッグ体積の200パーセントが報復して圧送されるまで、加熱器/混合バッグ62からおよびそこに圧送することが検討される。200パーセントまたは他の所望のパーセンテージが、混合された透析流体を、例えば、35℃~37℃まで適切に加熱するために必要とされる時間内に達成されてもよい。
【0138】
菱形236では、ワッフリング後、ドレインライン56がWFPDでプライミングされていることを念頭において、制御ユニット22は、循環器20に、ドレインライン56への流体弁チャンバ46を除き、全てのカセット42における流体弁チャンバ46を閉鎖させ、流体ポンプチャンバ44が、所望のサンプル量、例えば、80~100ミリリットルの新しい混合された透析流体を、ドレインライン56を辿って、伝導率センサ132に圧送(例えば、代替として、略連続流を達成)し、新しい混合された透析流体の1つ以上の伝導率読取値を得ることを可能にする。ある実施形態では、制御ユニット22は、循環器20に、次いで、例えば、80~100ミリリットルのスラグの混合された透析溶液の後、WFPDを、ドレインライン56を辿って、伝導率センサ132に圧送させ、スラグ前後の両方の差異を感知する明確な伝導率を提供するようにプログラムされる。スラグ後WFPDを提供するために、制御ユニット22は、一実施形態では、(i)加熱器/混合ライン60につながるカセット流体弁46を閉鎖させ、下流水ライン区画64bおよび貯水器66につながるカセット流体弁46を開放させ、ドレインライン56につながるカセット流体弁46を開放させ、流体ポンプチャンバ44が、所望の量のWFPDを、貯水器66から、下流水ライン区画64bを通して、カセット42を通して、ドレインライン56を辿って、伝導率センサ132に圧送(例えば、代替として、略連続流を達成)することを可能にするようにプログラムされる。
【0139】
異なるPD透析流体は、典型的には、デキストロースまたはグルコースレベルによって区別される。例えば、4.25%デキストロース一水和物(またはグルコース一水和物)=3.86%無水デキストロース(または無水グルコース)PD透析流体が、存在する。4.25%デキストロースは、その化学調合に応じて、11.64mS/cmの対応し、再現可能な伝導率測定を有し得る。他の2つの共通透析流体タイプ(1.5%デキストロースおよび2.5%デキストロース)は、異なる対応し、再現可能な伝導率測定を生産する。制御ユニット22は、したがって、その測定された伝導率をルックアップテーブル内に記憶される予期される伝導率と比較することによって、透析流体が適切に混合されたかどうかを検証することができる。
【0140】
ブロック234の一部として、ブロック224でも同様に説明されるように、伝導率センサ132が、新しく混合された透析流体のスラグを読み取ると、浄水器110の制御ユニット112は、混合された透析流体スラグに関して1つ以上の伝導率読取値を伝導率センサ132から得て、(i)読取値をWFPDに関する予期される読取値と比較し、有線または無線で、「混合された透析流体読取良好」または「混合された透析流体読取失敗」出力を適切な措置を講じる循環器20の制御ユニット22に送信するか、または(ii)制御ユニット22が、混合された透析流体読取値が良好であるかどうかを判定する、例えば、読取値をルックアップテーブルと比較し得るように、伝導率読取値を有線または無線で循環器20の制御ユニット22に送信するかのいずれかを行う。比較は、ある範囲、例えば、設定点伝導率の5パーセント以内であってもよい。
【0141】
菱形236における結果が、測定された透析流体が設定点伝導率の範囲外にあるというものである場合、方法210は、菱形238において、付加的量のワッフリングがすでに実施されているかどうかを尋ねる。付加的量のワッフリングが、菱形238において判定されるように、すでに実施されている場合、循環器20の制御ユニット22は、ブロック240において、混合された透析流体の現在のバッチをドレイン116に送流させ、ブロック226において開始する混合プロセスを再び実施する。付加的量のワッフリングが、菱形238において判定されるように、まだ実施されていない場合、循環器20の制御ユニット22は、ブロック242において、例えば、別の50パーセントの加熱器/混合バッグ体積が、往復して圧送される、付加的量のワッフリングを生じさせ、その後、方法210は、菱形236に戻り、加えて、ワッフリングされた透析流体を再び試験する。一実施形態では、ブロック238における付加的ワッフリングに先行して、制御ユニット22は、再測定のために、混合された透析流体の第2のサンプルを伝導率センサ132に送流させてもよい(例えば、空気に起因して、第1のサンプルにおける誤った測定の場合)。
【0142】
伝導率センサ132が、サンプリングのために使用されないとき、センサは、バイパスされてもよく、したがって、全く使用されない、または、例えば、浄化されている水の伝導率をサンプリングするために、浄水器110内で異なる目的のために使用されることを理解されたい。図16は、本機能性を提供するための種々の実施形態を図示する。図16は、制御ユニット112の制御下の電気作動式ソレノイド弁(例えば、通常閉鎖され、励起されて開放される)であり得る、6つの弁286a-286eによって囲繞される伝導率センサを図示する。通常排液動作では、混合された流体サンプル試験が、所望されないとき、制御ユニット112は、使用済み透析流体、WFPD、未使用濃縮物、またはそれらの組み合わせが、フロードレインライン56、弁286fを通して、浄水器110におけるドレイン116に流動し得るように、並列流路またはライン292aおよび292b内に提供される弁286b、286c、286d、および286eを閉鎖させ、弁286fを開放させる。ここでは、伝導率センサ132は、完全にバイパスされ、弁286aは、開放または閉鎖され、浄化された水が、所望に応じて、水ライン64から流動することを可能または不可能にしてもよい。代替として、排液動作の間、混合された流体サンプル試験が、所望されないとき、制御ユニット112は、(i)使用済み透析流体、WFPD、未使用濃縮物、またはそれらの組み合わせが、ドレインライン56、弁286fを通して、浄水器110におけるドレイン116に流動し得るように、弁286dおよび286eを閉鎖させ、弁286fを開放させ、(ii)浄化された水が感知するための伝導率センサ132越えて流動するように、弁286aを閉鎖させ、弁286bおよび286cを開放させる。制御ユニット112は、制御弁286aを閉鎖させ、弁286bおよび286cを開放させ、廃物がドレインライン56を通してドレイン116に流動するかどうかにかかわらず、浄化された水出力を試験するように制御してもよいことを理解されたい。混合された流体サンプリングが、所望されるとき、制御ユニット112は、混合された流体サンプルが伝導率センサ132を越えてドレインに流動するように、弁286b、286c、および286fを閉鎖させ、弁286dおよび286eを開放させる。ここでは、弁286aは、開放または閉鎖され、浄化された水が主要水ライン292cを通して流動することを可能または不可能にしてもよい。
【0143】
代替実施形態では、弁286aは、提供されず、伝導率センサ132は、伝導率センサ132が下流伝導率センサ170bに取って代わり得るように、図16では、弁286aが位置する場所に移動されている。弁286bおよび286cは、制御ユニット112が、選択的に、伝導率センサ132が主要水ライン292cを通して流動する浄化された水を感知することを可能にし得るように、主要水ライン292cとの並列ライン292aおよび292bの接続の外側に移動されている。弁286bおよび286cが、閉鎖されると、制御ユニット112は、サンプルの混合された流体が伝導率センサ132を越えてドレインに流動し得るように、弁286fを閉鎖し、弁286dおよび286eを開放してもよい。本代替実施形態では、サンプルの混合された流体は、浄化された水が主要水ライン292cを通して流動するとき、伝導率センサ132を越えてドレインに流動し得ない。また、主要水ライン292cを通して流動する浄化された水の選択的サンプリングが不可能であり得るように、主要水ライン292cを通して流動する全ての浄化された水は、伝導率センサ132を経る。
【0144】
方法210に戻ると、菱形236における結果が、測定された透析流体が設定点伝導率の範囲内であるというものである場合、方法210は、治療に進む。ここでは、菱形244において、循環器20の制御ユニット22は、患者Pのための次の充填手技が現在の治療のための第1の充填手技であるかどうかを判定する。該当する場合、ブロック246において、制御ユニット22は、循環器20に、患者ライン50へのカセット42の流体弁46を開放させ、患者コネクタ52までの患者ライン50を適切に混合された透析流体でプライミングさせる。患者コネクタ52は、例えば、患者ライン50を充填する適切に混合された透析流体によって空気が膜を通して押動されることを可能にする、疎水性膜を有する先端プロテクタと嵌合されてもよい。いったん患者ライン50が、プライミングされると、ユーザインターフェース30は、患者Pに、患者コネクタ52を患者Pの留置カテーテルにつながる患者Pの移送セット54に接続するように促す。
【0145】
菱形248では、制御ユニット22は、患者Pが使用済み透析流体ですでに一杯であるかどうかを判定する。循環器20の制御ユニット22およびユーザインターフェース30は、例えば、患者Pに、治療設定の間、初期ドレインが必要とされるかどうかをクエリしてもよい。該当する場合、または菱形244において判定されるように、次の充填手技が第1の充填手技ではない場合(患者Pがすでに充填体積+除去される限外濾過量を有することを意味する)、方法210は、ブロック250において、患者Pのためにドレイン手技を実施する。ブロック250では、制御ユニット22は、循環器20に、(i)患者ライン50へのカセット42の流体弁46を開放したまま維持させ、(ii)ドレインライン56へのカセット42の流体弁46を開放させ、流体ポンプチャンバ44が、使用済み透析を患者の腹膜からドレイン116に圧送(例えば、代替として、略連続流を達成)し(処方に応じて、連続循環腹膜透析(「CCPD」)のための完全ドレインまたはタイダルPD治療のための部分的ドレインのいずれか)、除去される限外濾過を判定する目的のために、前の24時間にわたって(連続治療が夜の同時刻に開始したと仮定して)排液された量を記録することを可能にする。
【0146】
菱形248では、患者Pが、最初に排液するための使用済み透析流体を有していない場合、またはブロック250における排液が完了しているとき、方法210は、ブロック252において、患者Pのために充填手技を実施する。ブロック252では、制御ユニット22は、循環器20に、(i)患者ライン50へのカセット42の流体弁46を開放したまま維持させ、(ii)加熱器/混合ライン60へのカセット42の流体弁46を開放させ、流体ポンプチャンバ44が、適切に混合された新しい透析流体を加熱器/混合バッグ62から患者Pに圧送(例えば、代替として、略連続流を達成)することを可能にする。圧送される適切に混合された新しい透析流体の量は、医師または臨床医によって処方される。前述のように、制御ユニット22は、一実施形態では、例えば、2リットルのみが患者に圧送されるとき、2.5リットル等、加熱器/混合バッグ62内への貯蔵のために、充填手技の間に患者Pに送達されるものより多い量の新しい透析流体を調製するようにプログラムされる。故に、ある量の新しい透析流体、例えば、500ミリリットルが、充填手技後、加熱器/混合バッグ62内に常駐する可能性が高い。
【0147】
ブロック254では、方法210は、患者滞留手技を実施する。滞留手技の間、制御ユニット22は、循環器20に、患者ライン50へのカセット42の流体弁46を閉鎖させる。新しく混合された新しい透析流体の療法効果は、滞留相の間に生じる。廃棄物および毒素は、患者Pの血液から、患者Pの腹膜を通して、透析流体の中に浸透圧的に移動する。患者Pからの過剰流体もまた、透析流体の中に、限外濾過(「UF」)として除去される(典型的には、充填体積の7パーセントであり、したがって、2リットル充填体積に関して約140ミリリットル)。ブロック254における停留期間は、例えば、1~2時間持続してもよい。
【0148】
菱形256では、制御ユニット22は、現在の治療のための別の使用時調製サイクルが存在するかどうかを判定する。該当する場合、ブロック258では、制御ユニット22は、循環器20に、停留期間の間、別のバッチ、例えば、2~3リットルのWFPDを調製し、バッチを所望の温度で貯水器66に送達するように、浄水器110に命令させる。ブロック258におけるWFPDの調製は、ブロック222に関連して説明される弁手技に従って行われてもよい。また、貯水器66は、流体流動および圧力の観点から循環器20を浄水器110から分断するため、ブロック258の手技は、停留期間まで待機する必要はなく、代替実施形態では、ブロック252における患者充填手技の間、またはさらにブロック250における患者ドレイン手技において開始し、次のバッチの透析流体を調製するための付加的時間を提供してもよく、これは、ブロック226において開始する滞留手技の間に生じ、ブロック234までの混合ステップを経る。
【0149】
また、制御ユニット22は、浄水器110に貯水器66に送流するように指示した量と、循環器20に貯水器66から圧送させた量とを把握しているため、任意の所与の時間において貯水器66内に常駐するWFPDの量を把握することを理解されたい。貯水器66を過充填しないために、制御ユニット22は、故に、ブロック258において付加的WFPDが必要とされる量を計算するようにプログラムされ、これは、貯水器66内に常駐する任意の残留WFPDと組み合わせて、貯水器内の所望の全体的量のWFPDに加算される。
【0150】
同様に、前述のように、第2、第3、第4等のバッチの透析流体が混合ステップ226-234において作製されるとき、加熱器/混合バッグ62内に残留する新しい透析流体が存在する可能性が高い。制御ユニット22は、前の混合および加熱手技において透析流体が加熱器/混合バッグ62に送達された量と、ブロック252における前の充填手技においてその透析流体が患者Pに送達された量とを把握している。制御ユニット22は、したがって、残留している適切に混合された透析流体が加熱器/混合バッグ62内に残っている量を把握し、残留流体と混合され、同一の所望の余剰量、例えば、300~500ミリリットルを達成するための新しい透析流体の量を計算する。したがって、例えば、2.5リットルの新しい透析流体が最初に加熱器/混合バッグ62内で調製され、2リットルが前の充填で患者Pに送達された場合、制御ユニット22は、次回、次の患者充填手技に先立って、加熱器/混合バッグ62内で同一の所望の2.5リットルに到達するために2リットルのみの新しい透析流体を調製する(所望の500ミリリットル割増量を含む)。
【0151】
医師または臨床医は、同一治療の異なる患者充填手技のために異なるデキストロースまたはグルコースレベルを処方し得ることが検討される。例えば、第1の充填は、1.5%デキストロース一水和物透析流体を使用するように処方されてもよい一方、第2の充填は、2.5%デキストロース一水和物透析流体を使用し、第3の充填は、4.25%デキストロース一水和物透析流体を使用する。これが、行われるとき、かつ透析流体の現在のバッチのために処方されたものと異なるデキストロースレベルにおいて、透析流体の残留体積が加熱器/混合バッグ62内に存在するとき、制御ユニット22は、循環器20に、(i)残留透析流体をドレイン116に圧送し、新しいバッチの透析流体+任意の所望の余剰量を処方されたデキストロースまたはグルコースレベルで調製する、(ii)結果として生じる混合物が残留透析流体が異なるデキストロースまたはグルコースレベルを有することに起因して、処方されたデキストロースまたはグルコースレベルと異なるであろうことを把握して、残留透析流体を保ち、所望の余剰量を維持する量で、かつ処方されたデキストロースまたはグルコースレベルで新しいバッチの透析流体を調製する、または(iii)残留透析流体を保ち、所望の余剰量を維持する量で、かつ異なるデキストロースまたはグルコースレベルを有する残留透析流体と組み合わせて、処方されたデキストロースまたはグルコースレベルを満たすであろうデキストロースまたはグルコースレベルで、新しいバッチの透析流体を調製することのうちの任意の1つを実施させるようにプログラムされてもよい。オプション(ii)は、結果として生じるデキストロースまたはグルコースレベルが、患者Pにとって、例えば、規制上承認された1.5%~4.25%デキストロース一水和物透析流体レベルまたはその間の生理学的に安全範囲内であろうため、容認可能である。ある実施形態では、制御ユニット22または制御ユニット112内のルックアップテーブルは、予期される組み合わせのための設定点伝導率値を記憶するようにプログラムされ、例えば、(ii)における状況に関して、500ミリリットルの1.5%デキストロース一水和物透析流体は、2リットルの2.5%デキストロース一水和物透析流体と組み合わせられる。予期される組み合わせのための設定点伝導率値はまた、医師または臨床医が、例えば、規制上承認された1.5%~4.25%デキストロース一水和物透析流体レベルまたはその間の患者Pのための最適化された生理学的に安全デキストロースまたはグルコースレベルを処方するときに生じる組み合わせを含む。
【0152】
菱形256において判定されるように、現在の治療のための付加的使用時調製サイクルが存在しない場合、制御ユニットは、菱形260において、患者Pの治療処方箋が患者Pのための最後のバッグ充填を要求するかどうかを判定する。最後のバッグは、一実施形態では、最後のバッグまたはサンプルライン72のために、コネクタ74に接続される。最後のバッグは、典型的には、より高いデキストロースまたはグルコースレベルと、第1および第2の濃縮物容器84aおよび84b内の第1および第2の濃縮物を使用して調製されることができない化学調合物とを有する、事前混合および殺菌された透析流体を含む。
【0153】
菱形260において判定されるように、患者Pのための最後のバッグ充填が、存在する場合、制御ユニット22は、ブロック262において、循環器20に、例えば、ブロック250において議論されるドレイン弁シーケンスに従って、患者ドレインを実施させる。ブロック264における制御ユニット22は、次いで、一実施形態では、循環器20に、コネクタ74に接続される最後のバッグからの最後のバッグ透析流体およびブロック252において説明される充填弁手技を使用して、患者充填を実施させる。最後のバッグ充填後、方法210は、卵形270において終了する。
【0154】
菱形260において判定されるように、患者Pのための最後のバッグ充填が存在しない場合、菱形266における制御ユニット22は、患者Pの処方箋が、乾燥または最後の充填体積を患者Pの腹膜腔内に残した状態で患者Pが治療を終了させることを要求するかどうかを判定する。すなわち、制御ユニット22は、最終患者ドレイン手技が存在するかどうかを判定する。該当しない場合、治療は、卵形270において終了する。該当する場合、制御ユニット22は、ブロック262において、循環器20に、例えば、ブロック250において議論されるドレイン弁シーケンスに従って、患者ドレインを実施させる。最終ドレイン後、方法210は、卵形270において終了する。
【0155】
卵形270における治療の終了時、制御ユニット22は、一実施形態では、循環器20に、可能な限り残りの新しい透析流体、使用済み透析流体、WFPD、および濃縮物をドレイン116に圧送させるようにプログラムされる。それでもなお、一部の流体が使い捨てセット40内に残る可能性が高い。上記に説明されるように、水ラインコネクタ68およびドレインラインコネクタ58は、使い捨てセット40が循環器20および浄水器110から除去されるとき、流体がそれらのラインから溢流し得ないように、治療の終了時、ともに接続されてもよい。
【0156】
方法210の一代替実施形態では、患者Pが、例えば、小児科治療のために、比較的に低充填体積を処方されるとき、制御ユニット22は、循環器20に、1回に複数の充填体積に値する透析流体を調製させ、複数の充填体積+おそらく余剰量を加熱器/混合バッグ62内に貯蔵するようにプログラムされてもよい。そのような状況では、ブロック244までの方法210のステップは、同一である。しかしながら、その後、制御ユニットは、循環器20に、ブロック226からブロック234に記載される中間混合ステップを伴わずに、少なくとも1つの付加的充填を実施させるようにプログラムされる。
【0157】
(貯水器の利点)
貯水器66は、多くの利点、例えば、前述の循環器20および浄水器110の流体流動および圧力分断を提供する。循環器20が治療を実施する間にWFPDが作製されることを可能にすることに加え、圧力分断はまた、一方または両方の殺菌した滅菌グレードフィルタ70aおよび70bが破損する状況において、循環器20およびカセット42を保護し、これは、殺菌した滅菌グレードフィルタ70aおよび70bを駆動させる浄水器110の調整された動作圧力がフィルタの下流で被られることを可能にし得る。そのような圧力、例えば、137.9~275.8kPa(20~40psig)が、カセット42に到達することになる場合、循環器20が、種々の実施形態では、最大でもわずか48.3kPa(7psig)陽圧および-34.5kPa(-5psig)吸引圧力の圧力で動作するが、閉鎖されたカセット弁46は、強制的に開放され、ポンプチャンバチャンバ44は、開放されたストローク終了位置に強制的に開放されるであろう。循環器20は、それによって、動作不能となるであろう。貯水器66は、過圧を吸収する場所を提供し、浄水器110が対応する圧力降下を感知し、そのポンプがシャットダウンされ、アラートが有線または無線で循環器20に送信され、順に、ユーザインターフェース30において聴覚的に、視覚的に、または視聴覚的にアラームする、安全モードに入る等、適切な措置を講じるために十分な時間を提供することによって、本状況を防止する。
【0158】
貯水器66によって提供される他の利点は、殺菌した滅菌グレードフィルタ70aおよび70bが、より低い圧力で動作され、したがって、より経済的になることを可能にすることを含む。浄水器110内のより低い動作圧力はまた、その構成要素上で摩耗を殆ど生産しない。
【0159】
(貯水器の代替)
ここで図6を参照すると、使用時透析流体調製を有する、代替透析システム10bの一実施形態が、図示される。システム10bは、システム10aと同一構成要素の多くを有し、同様の要素は、そのような要素に関して議論される全ての代替実施形態を含め、同一番号が付与される。例証の容易性のために、循環器20および浄水器110の一部のみが、図示される。システム10aと10bとの間の主な差異は、貯水器66がシステム10b内に提供されないことである。代わりに、システム10bは、使い捨て再循環ライン202aおよび使い捨て再循環コネクタ202bを含む、使い捨て部分と、浄水器再循環ライン204aおよび水再循環コネクタ204bを含む、浄水器部分とを有する、再循環ループ200を提供する。
【0160】
再循環ループ200はまた、ポンプ140を具備し、これは、制御ユニット112によって制御され、殺菌した滅菌グレードフィルタ70aおよび70bから退出するあるパーセンテージのWFPDを再循環させる。図示される実施例では、ポンプ140は、殺菌した滅菌グレードフィルタ70aおよび70bから退出する300ミリリットル/分から70ミリリットル/分を引動させる。循環器20におけるカセット42への結果として生じる230ミリリットル/分の流動は、十分である。使い捨て再循環ライン202aおよび水循環コネクタ204bからポンプ140の入口につながる浄水器再循環ライン204aの一部内の圧力は、ラインが殺菌した滅菌グレードフィルタ70aおよび70bの下流から開始するため、通常、低く、これは、大圧力降下を生じさせる。殺菌した滅菌グレードフィルタ70aおよび70bのうちの1つ以上に侵害が存在する場合、再循環ループ200の低圧部分は、下流圧力の増加を吸収し、浄水器110が、対応する圧力降下を感知し、そのポンプが、シャットダウンされ、アラートが有線または無線で循環器20に送信され、順に、ユーザインターフェース30において聴覚的に、視覚的に、または視聴覚的にアラームする、安全モードに入る等、適切な措置を講じるために十分な時間を提供する。
【0161】
(ドレインライン感知の代替)
ここで図7を参照すると、使用時透析流体調製を有する、代替透析システム10cの一実施形態が、図示される。システム10cは、システム10aと同一構成要素の多くを有し、同様の要素は、そのような要素に関して議論される全ての代替実施形態を含め、同一番号が付与される。使用時透析流体調製システム10a、10b、および10dはそれぞれ、浄水器110におけるドレインライン56内に位置する伝導率センサ132を示す。システム10cは、伝導率センサ132を、ドレインライン56ではなく、代わりに、循環器20の内側と、別個のサンプルライン206a、206b、206cおよび206d内とに位置させる。図示される実施形態では、サンプルライン部分206aおよび206dは、使い捨てセット40の一部である一方、サンプルライン部分206bおよび206cは、それぞれ、使い捨てサンプルライン部分206aおよび206dと流体連通するように設置され、伝導率センサ132に接続され、循環器20の筐体24内に恒久的にある。
【0162】
使い捨てサンプルライン部分206dは、サンプルバッグ208につながる。使い捨てセット40をシステム10cに装填するとき、患者Pまたは他のユーザは、使い捨てサンプルライン部分206aおよび206dを循環器20の筐体24に位置する適切なコネクタに接続する。サンプルライン部分206aおよび206dの端部は、使い捨てセット40が、溢流を伴わずに、容易に破棄され得るように、治療後、上記に説明される水ラインコネクタ68およびドレインコネクタ58のように、ともに接続するように構成されてもよい。
【0163】
図5の方法210は、システム10cと同様に動作するが、菱形236における混合されたサンプルをチェックするとき、循環器20の制御ユニット22は、(i)加熱器/混合ライン60および加熱器/混合バッグ62と、(ii)サンプルライン206a、206b、206c、および206dにつながるカセット流体弁46を開放させ(ドレインライン56の代わりに)、カセット42の流体ポンプチャンバ44が、所望のサンプル量の混合された透析流体、例えば、80~100ミリリットルを、加熱器/混合バッグ62から伝導率センサ132に圧送することを可能にする。前述のように、サンプリングは、WFPDのカセット42を介して貯水器66から伝導率センサ132への圧送の前後に生じる。WFPDおよび混合された透析流体サンプルは、サンプルバッグ208内に収集される。
【0164】
(代替混合レジメおよび透析流体試験)
図8は、本開示のある実施形態における、WFPDからの流体と少なくとも第1の濃縮物を配合させるためのさらなる代替システム10dを図示する。システム10dは、概して、治療流体の現場調製と、調製された流体での患者の治療とのために意図される。ある実施形態では、システム10dは、特に、腹膜透析循環器20を使用して、腎不全を患う患者を治療するように構成される。システム10dはまた、浄化された水(現場で調製された)と濃縮物を混合することによって、腹膜透析治療において患者を治療するために、腹膜透析流体を調製するように構成される。
【0165】
システム10dは、前述のように、浄水器110と、循環器20とを含む。配合デバイスは、治療流体を受容するように構成される加熱器/混合バッグ62等の複数のラインおよび容器が接続される、カセット42を含む、使い捨てセット40の回路を動作させる、腹膜透析(「PD」)循環器20から作製されると言える。
【0166】
図8の図示される実施形態では、浄水器110は、患者の自宅からの飲料または飲用水の連続源等、家庭用水源150から水を受容する。種々の実施形態では、浄水器110は、本明細書に議論されるように、水源150へのアクセスを有する部屋内に据え付けられ、WFPDを循環器20に提供してもよい。
【0167】
軟水器モジュール152が、水硬度を低減/制御するために提供されてもよい。軟水器モジュールは、図示される実施形態では、泥および沈殿物を除去するための前置フィルタ154と、汚染物質および不純物をさらに除去するための炭素フィルタ156とを含む。水軟化は、代替として、または加えて、当技術分野において公知のような石灰軟化またはイオン交換樹脂を使用して達成されてもよい。図8は、イオン交換樹脂カートリッジ158およびNaCl塩等の再生塩160を図式的に示す。
【0168】
軟水器モジュール152は、随意であり、存在しなくてもよいことを理解されたい。また、本明細書で議論されるシステム10a-10dのいずれかの浄水器110、および実際には、本明細書で議論される代替実施形態のいずれも、モジュールがそれらのシステムまたは実施形態とともに図示または説明されなくても、軟水器モジュール152を具備してもよいことを理解されたい。
【0169】
浄水器110の例示的実施形態は、図16に関連して議論される。軟化された(または軟化されていない)水は、水取込口162を介して、浄水器110に進入する。図16は、浄水器110が、水取込口162からの水を受け取り、逆浸透作用モジュール166を含み、取込口162からの水を浄化する、浄化回路164を含むことを図示する。特に、給水は、浄水器110の制御ユニット112の制御下で、入口弁168(例えば、ソレノイド弁)によって制御される水取込口162を介して、浄水器110に進入する。流路に沿って入口弁168の下流に位置する、伝導率セル170aが、流入水伝導率を監視する。流入水は、次いで、一定流動弁172を通過し、これは、水の定常流動をリザーバまたはタンク174の中に生産し、水圧力が一定流動弁172に関する最小圧力を上回ることをもたらす。
【0170】
リザーバまたはタンク174内に提供される低および高レベルスイッチ178aおよび178bは、その水レベルを検出する一方、浄水器110の制御ユニット112上で起動されるコンピュータプログラムは、入口弁168の開閉を制御し、これは、タンク174の充填の間は開放され、リザーバ174内の水レベルが制御ユニット112に接続されるその高レベルスイッチ178bをアクティブ化するときは閉鎖される。入口弁168は、水レベルがリザーバ174の低レベルスイッチ178aを下回ると、再び開放し、制御ユニット112に接続される低レベルスイッチをトリップさせる。リザーバ174内の水レベルが、非常に高く上昇する場合、過剰水は、タンク空気通気口176(過流接続)を介して、ドレイン116に排液される。
【0171】
浄水器110は、逆浸透作用(「RO」)ポンプ140を含む。制御ユニット112は、リザーバ174内の低レベルスイッチ178aが空気または臨界低水レベルを検出する場合、ポンプ140を停止させる。ROポンプ140は、逆浸透作用プロセスが逆浸透作用モジュール166で生じるために必要な水流および圧力を提供する。逆浸透作用モジュール166は、浄化された水をその浄化された水退出口180aに提供することが既知であるため、水を濾過する。第2の退出口180bにおいて逆浸透作用モジュール166から出る除外水は、ROポンプ140の中に逆給送され、水消費を節約する、または代替として、ドレイン116に圧送されてもよい。
【0172】
ROモジュール166から出る浄化された水は、流量計182、加熱器184a、および第1の温度センサ186aのうちの任意の1つ以上を通過する。付加的伝導率セル170bは、逆浸透作用モジュール166から出る浄化された水の伝導率を監視する。浄化された水は、図8にも示されるように、浄化された水出口を通して、浄水器110から出て、(浄化された)水ライン64を介して、PD循環器20に流動する。圧力調整器130は、前述のように、圧力調整器130の下流の水ライン64内の流体圧力を調整するために、水ライン64の上流の浄化された水出口に位置付けられる。
【0173】
過剰浄化水は、循環器20において使用されず、リザーバ174内の水が再循環ライン188を通して水ライン64の中に流動しないように防止する一方向または逆止弁280を具備する、再循環ライン188を介して、リザーバ174に戻る。再循環ライン188では、浄化された水はまた、リザーバ174に再進入する前に、第2の温度センサ186bを通過してもよい。
【0174】
ライン180bを介してROモジュール166から出る除外された水の一部は、補助一定流動弁190を通過し、これは、除外された水の定常流動を制御ユニット112の制御下で3方向弁192a(例えば、3方向ソレノイド弁)に提供する。除外された水の残りの部分は、弁194(例えば、手動ニードル弁)を介して、ROポンプ140に戻る。3方向弁192aは、除外された水をドレイン116またはリザーバ174のいずれかに選択的に迂回させる。リザーバ174に到達する前に、除外された水はまた、流量インジケータ196、付加的加熱器184b、および第3の温度センサ186cのうちの1つ以上を通過してもよい。図16において浄水器110に関連して説明される全てのメータおよびセンサは、一実施形態では、その対応する信号を制御ユニット112に送信する。
【0175】
再び、図8を参照すると、システム10dは、一実施形態では、微生物繁殖阻害剤を含有する、容器198を含む。図示されるように、容器198は、浄水器110および/または循環器20と流体連通する。図8では、ライン272は、容器198に接続し、浄水器110の回路164(図16)を浄化する。代替として、容器198は、循環器20と動作する使い捨てカセット42に直接つながるライン(図示せず)を介して接続される、または水ライン64に接続される、またはドレインライン56に接続されてもよい。
【0176】
容器198内の微生物繁殖を阻害する作用剤は、クエン酸、クエン酸塩、乳酸、酢酸、または塩酸(またはそれらの組み合わせ)等の好適な生理学的に安全な酸であってもよい。1つの好ましい実施形態では、容器198は、クエン酸、クエン酸塩、またはその誘導体を含有する。容器198はまた、酸とともに提供される添加剤を含んでもよいことに留意されたい(クエン酸等を用いて)。
【0177】
図16に示される浄水器110は、故にまた、消毒回路を含んでもよい。ここでは、浄水器110は、例えば、浄水器110の正面に位置する、化学物質取込口274を提示する。清掃または消毒溶液の外部源(例えば、容器198)が、化学物質取込口274に接続されると、存在センサ276(例えば、光学センサ)が、外部源接続を感知する。化学物質取込口274における制御ユニット112の制御下の3方向弁192bは、化学物質取込ポンプ274aおよびリザーバ174に向かって開放する。化学物質取込ポンプ274aは、消毒溶液をリザーバ174の中に給送する。光学センサ276は、清掃または消毒溶液源が接続または接続解除されているかどうかを検出する。源が、除去されている、またはセンサ276によって検出されない場合/とき、化学物質取込ポンプ274aは、停止される、またはアクティブ化されず、3方向弁192bは、化学物質取込口274に向かって閉鎖され、代わりに、リザーバ174から、弁192bを通して、リザーバ174に戻る再循環を可能にする。制御ユニット112の制御下の3方向弁192aもまた、化学消毒、清掃、および/または濯ぎ相の間、水および消毒剤をリザーバ174からおよびへ再循環させるために使用されてもよい。
【0178】
より詳細な消毒相実施例では、化学消毒が開始されると、リザーバ174内のレベルが、低レベルスイッチ178aの直上のレベルまで調節される。制御ユニット112は、空レベルスイッチ178aが空気の存在を示すまで、ROポンプ140を開始および起動させる。ROポンプ140は、次いで、停止され、入口弁168は、開放される。弁168は、空レベルスイッチ178aが水を示すまで、開放されたまま維持される。化学物質取込ポンプ274aは、次いで、事前に設定された量の化学溶液がリザーバ174の中に計測されるまで起動される。リザーバ174内のレベルが、消毒剤の取込口を介して、高レベルスイッチ178bに到達すると、3方向弁192aは、ドレイン116に開放される。ROポンプ140は、化学物質取込相の間、流体を流路内で循環させ、2つの方向に動作し、乱流を生成し、消毒時間および接触を増加させてもよい。取込相の終了時、バイパス弁278は、開放され、3方向弁192aは、開放ライン114をドレイン116に開放し、リザーバ174内の水レベルをスイッチ178aにおけるその低レベルまで排液するように作動される。
【0179】
消毒源(例えば、図8では容器198)が、除去されると、リザーバ174は、高レベルスイッチ178bまで水で充填され、バイパス弁278は、閉鎖され、3方向弁192aは、各方向において閉鎖される。制御ユニット112は、次いで、ROポンプ140に、ROモジュール166を通して循環を開始させる一方、化学物質取込ポンプ274aは、戻り過流弁280が開放される間、化学物質取込ユニット274を通して循環を開始させる。制御ユニット112は、流路内に循環を生じさせ、事前に設定された時間の間、継続させる。ROポンプ140の速度は、次いで、低減され、バイパス弁278は、開放され、3方向弁192aは、ドレイン116に開放される。制御ユニット112は、流体レベルが低レベルスイッチ178aを下回ると、両弁192aおよび278を非アクティブ化させ、両ポンプ140および274aを停止させる。
【0180】
すぐ上で説明された消毒構成要素を含む、図16における浄化回路164は、単一水精製キャビネット110aの内側に封入されてもよい。前述のように、浄化された水は、浄水器110から使い捨てセット40(図8)に水ライン64を介して送流される。再び、図8を参照すると、水ライン64は、浄化された水を使い捨てセット40のカセット42の水ポート282に給送する。水ライン64は、一実施形態では、浄水器110(図16)の浄化回路164の退出口に接続される第1の端部64cと、循環器20の水ポート282に接続される第2の端部64dとを有する、可撓性管である。水ライン64は、少なくとも2メートル長であり、一実施形態では、4メートルより長くてもよい。水ライン64は、浄水器110が、利用可能な水源を有する部屋内に据え付けられる一方、循環器20が、患者が常駐する、例えば、睡眠する異なる部屋に常駐することを可能にする。水管64は、故に、浄水器110を循環器20に接続するために必要な長さであってもよい。
【0181】
図8はまた、システム10dを図示し、使用済み透析流体等の流体を、ドレイン、例えば、浄水器110のドレイン116に伝送するためのドレインライン56構成を含む。ドレインライン56は、循環器20のカセット42に接続される第1の端部56aと、浄水器110の浄化回路164に接続される第2の端部56bとを有する、管であってもよい。ドレインライン56はまた、可撓性管であってもよく、これは、2メートル長を上回り、一実施形態では、4メートルより長くてもよい。ドレインライン56は、浄水器110と循環器20との間を接続するために必要な長さであってもよい。水ライン64およびドレインライン56は、図示される実施形態では、平行二重管腔管類を使用して、平行に延設される。また、浄水器110およびPD循環器20は、水ライン64およびドレインライン56を含む同一2ライン流体路が、例えば、0.5メートル未満であり得るように、ともに近接することが可能性として考えられる。さらに、二重管腔水ライン64およびドレインライン56が、図示されるが、水ライン64およびドレインライン56は別個であることも可能性として考えられる。
【0182】
図8の図示される実施形態では、水ライン64およびドレインライン56は、相互に直接流体連通する。特に、その個別の端部64dおよび56aは、カセット42の水ポート282に接続される。ドレインライン56および水ライン64は、故に両方とも、水ポート282を介して、循環器20と流動的に連通する。ドレインライン56は、図示される実施形態では、水ライン64の端部64dに接続される一端56aを有する、管である。再び、水ライン64およびドレインライン56は、単一二重管腔部品から作製されてもよい。
【0183】
図8、11、および12を参照すると、水ライン64(図11)は、第1の管路65aと、コネクタ284を介して第1の管路に接続される、第2の管路65bとを含む。第2の管路65bは、該水ポート282に接続され、第1の殺菌した滅菌グレードフィルタ70aを提示してもよい。図示される実施形態では、第2の管路65bは、カセット42、したがって、使い捨て部分に恒久的または除去可能に接続される。図示される実施形態では、水ライン64は、第1の殺菌した滅菌グレードフィルタ70aと直列に設置される、例えば、カセット42に接続される同一の使い捨て第2の管路65b内に位置付けられる、第2の冗長の殺菌した滅菌グレードフィルタ70bを含んでもよい。
【0184】
殺菌した滅菌グレードフィルタ70aおよび70bは、一実施形態では、使い捨てである。殺菌した滅菌グレードフィルタ70aおよび70bは、WFPDを浄水器110から退出するすでに高度に浄化された水を生成する、0.1ミクロンフィルタ未満であってもよい。好適な殺菌した滅菌グレードフィルタ70aおよび70bは、本明細書に規定される。
【0185】
図11に図示されるように、ドレインライン56は、第1のドレイン管路57aと、コネクタ284を介して第1のドレイン管路に接続される、第2のドレイン管路57bとを含んでもよい。第1のドレイン管路57aは、カセット42の水ポート282に恒久的または除去可能に接続され、水ライン64の一部を形成する。一実施形態では、ドレインライン56の第1のドレイン管路57aは、水ライン64の第2の水管路65bに接続される。ドレインライン56の第1のドレイン管路57aおよび水ライン64の第2の水管路65bは、図11に図示されるように、コネクタ284へのループを形成する。図11は、ループが、コネクタ284において開始し、水ライン64の管部分まで延設され、ドレインライン56の管部分まで延設され、コネクタ284において終了することを図示する。
【0186】
図10は、水ライン64およびドレインライン56が、個別のライン64および56の遊離端を水およびドレインラインの消毒のために浄水器110の浄化回路164の取込口288に接続するために構成される、末端コネクタ284を含むことを図示する。
【0187】
図9Aは、水ライン64およびドレインライン56のそれぞれが、相互に分離される別個の個別のコネクタ284a、284bを有する、異なる実施形態を図示する。図9Bは、単一コネクタ284が使用される(図11)または別個のコネクタ284a、284bが使用される(図9A)かどうかにかかわらず、水ライン64およびドレインライン56の個別の端部の両方が、カセット42の水ポート282に接続する、またはそこまで延設されることを図示する。カセット42は、ポート282と連通する内部流体通路を画定し、使い捨てセット40のカセット42内の流体を指向する。
【0188】
図8は、浄水器110がさらに、水ライン64および/またはドレインライン56内で流動する流体の性質を検出するための少なくとも1つのセンサ132を含むことを図示する。センサ132は、ドレインライン56内、一実施形態では、ドレインライン56の第2のドレイン管路57b内に位置する、伝導率センサまたは濃度センサであってもよい。図示される実施形態では、センサ132は、浄水器110のキャビネット110a(図16)の内側の回路内に含まれる。代替実施形態では(図示せず)、センサ132は、ドレインライン56の第1の端部56a、例えば、第1のドレイン管路57aに位置してもよい。
【0189】
加えて、水ライン64および/またはドレインライン56内を流動する流体の性質(例えば、第1のセンサ132によって検出された同一性質、例えば、伝導率)を検出するための第2のセンサ(図示せず)が、提供されてもよい。第2のセンサは、伝導率センサまたは濃度センサであってもよく、第1のセンサ132と直列に位置してもよい、またはそうではなくてもよい。第2のセンサは、浄水器110の浄化回路164の異なる部分内に位置付けられてもよい。排液される流体は、例えば、随時、第2のセンサに指向され、第1のセンサ132の適切な作業動作をチェックしてもよい。
【0190】
前述のように、システム10dは、一実施形態では、浄化ユニット110の下流に流動する浄化された水のための2つの付加的濾過段階を含む。一実施形態では、水ライン64上の2つの使い捨ての殺菌した滅菌グレードフィルタ70aおよび70bが、使用されてもよい。しかしながら、代替構成が、採用されてもよい。図12は、第1の使い捨ての殺菌した滅菌グレードフィルタ70aが、依然として、水ライン64に沿って位置する一方、第2の使い捨ての殺菌した滅菌グレードフィルタ70bが、カセット42から患者Pに延在する患者ライン50に沿って位置する、1つの可能性として考えられる代替構成を図示する。
【0191】
図13は、浄水器110が、当業者に公知である、少なくとも第1の限外濾過装置290aと、第2の限外濾過装置290bとを含む、浄水器110のための代替構成を図示する。浄化されるべき水は、浄水器110自体がWFPDを提供するように、浄化回路164の端部に位置する2つの限外濾過装置290a、290bを通して通過する。限外濾過装置290a、290bは、使い捨ての殺菌した滅菌グレードフィルタ70a、70bのように毎日使用する消耗品ではないが、所与の回数の治療または故障後、置換される必要がある。
【0192】
図14は、患者ライン50に沿って位置する使い捨ての殺菌した滅菌グレードフィルタ70aと組み合わせて、浄水器110内に位置する前述の限外濾過装置290aおよび/または290bのうちの少なくとも1つを含む、付加的代替実施形態を示す。図14は、患者ライン50に沿って位置する使い捨ての殺菌した滅菌グレードフィルタ70aと組み合わせて提供される、浄水器110内に位置する1つのみの限外濾過装置290aを含む、実施形態を示す。限外濾過装置290aおよび290bは両方とも、代わりに、患者ライン50(または水ライン64)に沿って位置する使い捨ての殺菌した滅菌グレードフィルタ70aと組み合わせて使用されてもよいことを理解されたい。図15は、水ライン64に沿って位置する使い捨ての殺菌した滅菌グレードフィルタ70aと組み合わせて提供される浄水器110内に位置する1つのみの限外濾過装置290aを含む、さらに別の代替実施形態を示す。他の組み合わせは、2つの殺菌した滅菌グレードフィルタを伴う1つの限外濾過装置、1つの殺菌した滅菌グレードフィルタを伴う2つの限外濾過装置、および2つの殺菌した滅菌グレードフィルタを伴う2つの限外濾過装置を含む。
【0193】
図8に図示されるように、システム10dはさらに、使い捨てカセット42の第1の入口濃縮物ポート294aと流体連通するように設置された(例えば、濃縮物ライン76/86を介して)第1の濃縮物の少なくとも1つの源84aを含む。第1の濃縮物の源84aは、第1の容器として提供され、第1の容器84aは、その中に含有される濃縮物の全てが使用されるまで、いくつかのPD流体調製サイクルのために使用されてもよい。一実施形態では、容器84aの第1の濃縮物は、デキストロース等の適切な浸透作用剤を含有する。非限定的実施例では、第1の濃縮物は、50%デキストロースをpH2~3で含む。第1の濃縮物の体積は、1~4リットルであってもよい。
【0194】
システム10dはさらに、使い捨てカセット42の第2の入口濃縮物ポート294b(例えば、濃縮物ライン78/88)と流体連通するように設置された第2の濃縮物の少なくとも1つの源84bを含む。第2の濃縮物の源84bは、第2の容器内に提供されてもよく、第2の容器84bは、その中に含有される濃縮物の全てが使用されるまで、いくつかのPD流体調製サイクルのために使用されてもよい。一実施形態では、第2の濃縮物は、電解質および緩衝剤、例えば、乳酸塩を含有する。非限定的実施例では、第2の濃縮物は、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、および乳酸ナトリウムを6より高いpHで含む。第2の濃縮物の体積は、0.5~4リットルであってもよい。
【0195】
2つの濃縮物容器84a、84bが使用されるであろうが、しかしながら、3つ以上の濃縮物が、代替として使用されてもよいことが検討される。例えば、図12は、循環器20の第3の入口濃縮物ポート294cと流体連通するように設置された第3の濃縮物の源84cを示す。第3の濃縮物の源84cは、第3の容器内に提供されてもよく、第3の容器84cは、その中に含有される濃縮物の全てが使用されるまで、いくつかのPD流体調製サイクルのために使用されてもよい。
【0196】
3つの濃縮物が使用される、図12の場合、第2の濃縮物は、実施例として、塩化ナトリウム、乳酸ナトリウム、および炭酸水素ナトリウムを含んでもよい一方、第3の濃縮物は、実施例として、カルシウムおよび塩化マグネシウム等の他の電解質を含んでもよい。代替実施形態では、第3の容器84c内の流体は、薬物、栄養補給剤、またはそれらの組み合わせであってもよい。当然ながら、濃縮物のための異なる内容物が、患者Pの必要性およびその具体的状況に応じて採用されてもよい。
【0197】
第1、第2、および第3の濃縮物84a-84cは、一実施形態では、事前に作製および事前に殺菌される。しかしながら、1つ以上または全ての容器84a-84cは、治療に先立って、浄水器110を介してカセット42を通して濃縮物84a-84cの中に圧送される、精密な量のWFPDを受容する、乾燥濃縮物を含んでもよいことが検討される。
【0198】
前述のように、使い捨てセット40は、使い捨てカセット42を含み、その一実施形態は、図9Aに図示される。ここでは、使い捨てセット40は、複数の管と組み合わせて、使い捨てカセット42を含む。管類セット40は、カセット42の加熱器/混合ポート296aから生じ、加熱器/混合容器62で終端する、加熱器/混合ライン60を含み、これは、WFPDを受容し、それを混合し、透析流体を形成するために構成される。加熱器/混合容器62は、一実施形態では、循環器20の上部に位置する専用トレイ上に位置付けられるように定寸される、圧潰可能バッグである。
【0199】
使い捨てセット40はまた、両方とも、図9Aおよび9Bでは、水ポート282から生じる、水ライン64の一部およびドレインライン56の一部と、第1、第2、および第3の濃縮物ポート294a-294cから生じる、3つの(またはそれを上回る)ライン部分とを含む。ポート294a-294cは、個別の濃縮物バッグへの接続のために構成される。図9Aは、濃縮物への接続のための3つのライン部分を示す一方、図8および9Bは、(カセット42の右側の)水ポート282と、カセット内の4つの付加的ポートとを図示し、4つの部分のうちの少なくとも2つは、濃縮物への接続のために使用されてもよい。
【0200】
患者ライン50は、図9Aおよび9Bでは、カセット42の患者ポート296bから生じる。患者ライン50の一端は、患者Pによって装着される移送セットへの接続のために構成される。付加的ライン298は、図9Aおよび9Bでは、カセット42のポート296cから延在する。付加的ライン298は、付加的ドレインラインとして、サンプルラインとして使用されてもよい、または(図9Aに示されるように)患者ライン50に接続される一端を有し、透析流体ループを生成してもよい。カセット42は、必要に応じて、付加的流体ラインを具備してもよい。
【0201】
図9Bにおけるカセット42は、第1および第2の流体ポンプチャンバ44a、44bを具備する。ポンプチャンバ44aおよび44bは、流体弁46を介して、ポート282、294a-294c、および296a-296cと選択的に流体連通する。流体ポンプチャンバ44aおよび44bならびに流体弁チャンバ46は、一実施形態では、空気圧式に作動される。
【0202】
図9Bに図示されるように、水ポート282(それによって、水ライン64およびドレインライン56)、ならびに第1、第2、および第3のポート294a-294c(それによって、前述の濃縮物)は、カセット42の剛性プラスチック部分内に形成される共通流体通路300aおよび300bに選択的に流動的に接続される。流体通路300aおよび300bもまた、流体ポンプチャンバ44aおよび44bの入口または出口ポート側に選択的に流動的に接続される。患者ポート296bはまた、第1の共通流体通路300aに接続される。
【0203】
加熱器/混合ポート296a(したがって、加熱器/混合容器62)および付加的ポート296cは、図示される実施形態では、剛性カセット42内に形成される第2の共通流体通路300bに流動的に接続される。第2の共通流体通路300bは、順に、流体ポンプチャンバ44aおよび44bの反対入口または出口ポートと流体連通する。
【0204】
第1の共通流体通路300aおよび第2の共通通路300bは、流体ポンプチャンバ44aおよび44bを介して、相互に連通する。主要患者ライン50および付加的患者または再循環ライン298が、相互に接続される場合、さらなる連通経路が、流体通路300aと300bとの間に生成される。
【0205】
図9Bは、流体弁チャンバ46が、述べられたポートにおいて、また、流体通路300aおよび300b内にも提供され、透析流体を流体ポンプチャンバ44aおよび44bへまたはそこから指向することを図示する。流体弁チャンバ46はまた、カセット42の流体ポートのそれぞれに提供される。一般に、ポート弁チャンバ46は、カセット42へまたはそこから流動する流体を決定する一方、通路300aおよび300b内の流体弁チャンバ46は、流体が流動する方向を決定する。流体弁チャンバ46は、一実施形態では、空気圧式に作動される。ここでは、弁チャンバ46に作用する陽および陰圧(それぞれ、通路を開閉する)は、使い捨てセット40のカセット42の内側を流動する流体の選択的変更を可能にする。
【0206】
図8では、循環器20は、カセット42およびその管類のセットを受容する。循環器20は、個別の空気圧弁アクチュエータ(例えば、電気的にアクティブ化される空気圧ソレノイド弁)を駆動し、流体弁チャンバ46のそれぞれを開閉し、所望の流路を使い捨てセット40のカセット42の内側に生成するようにプログラムされる、1つ以上のプロセッサおよびメモリを含む、制御ユニット22を具備する。
【0207】
制御ユニット22はまた、空気圧ポンプアクチュエータ、例えば、電気的にアクティブ化される空気圧可変オリフィス弁を制御するようにプログラムされ、これは、陽または陰空気圧を流体ポンプチャンバ44aおよび44bに選択的にもたらす。弁およびポンプチャンバは、一実施形態では、それぞれ、陽および陰圧下にある膜によって被覆される。陽圧は、膜を閉鎖し、流体弁チャンバ46のための流動を閉塞させ、膜を押動させ、流体ポンプチャンバ44aおよび44bのための流体(WFPD、濃縮物、または透析流体)を排出する。陰圧は、膜を開放し、流体弁チャンバ46を通して流動することを可能にし、膜を引動させ、流体ポンプチャンバ44aおよび44bのための流体(WFPD、濃縮物、または透析流体)を引き出す。
【0208】
制御ユニット22は、流体ポンプチャンバ44aおよび44bのいずれかが任意の流体を任意の所望の目的地に圧送するために使用され得るようにプログラムされてもよいことを理解されたい。流体ポンプチャンバ44aおよび44bは、WFPDをカセット42の中に、個々に、またはともに、および/または浄水器110に戻るように、圧送するために使用されてもよい。流体ポンプチャンバ44aおよび44bは、単独で、またはともに、濃縮物を容器84aおよび84bからカセット42の中に圧送するために使用されてもよい。流体ポンプチャンバ44aおよび44bは、単独で、またはともに、混合された透析流体を浄水器110、加熱/混合容器62、患者P、またはドレイン116のうちの任意の1つ以上に圧送するために使用されてもよい。流体ポンプチャンバ44aおよび44bはさらに、混合された透析流体を加熱/混合容器62からカセット42に圧送するために使用されてもよい。前述の動作はそれぞれ、一実施形態では、制御ユニット22の制御下で実施される。
【0209】
本開示のシステム10dのための一例示的治療設定は、図10から12のシーケンスに図示される。図10は、治療の合間のシステム10dを示し、浄水器110は、循環器20から接続解除される一方、水ライン64およびドレインライン56は、浄水器110との接続するように巻回される。一実施形態では、水ライン64およびドレインライン56は、浄化回路164の取込口288に接続され、消毒剤または温水が、治療に先立って、浄水器110の消毒の間、循環され得る、適切に閉鎖された流体回路を生成する。
【0210】
図11は、循環器20がカセットのポンプおよび弁膜を作動させ得るように、循環器20が、カセット42を含む、使い捨てセット40を受容する、初期設定ステップを図示する。カセット42およびその関連付けられたラインのセットは、循環器20の中に据え付けられる。カセット42は、患者Pが、次いで、制御ユニット22と連通する循環器20のユーザインターフェース30によって、濃縮物容器84aおよび84bを適切にカセット42に接続するように促され得るように、循環器20の中に装填される。本明細書に図示されるように、濃縮物容器84aおよび84bのコネクタは、コネクタがカセット42の適切なポートに接続されることを確実にするように、異なるように作製されてもよい。
【0211】
図12は、次の設定ステップを図示し、循環器20のインターフェース30は、患者Pに、水およびドレインライン64、56を浄水器110から接続解除し、水およびドレインラインを巻回解除し、例えば、共通コネクタ284を用いて、ラインをカセット42に接続するように促す。再び、水およびドレインライン64、56は、2つの別個のラインであるが、単一の二重管腔の管の一部として提供されてもよい。
【0212】
いったん透析流体が、適切に調製され、使い捨てセット40が、適切にプライミングされると、循環器20のユーザインターフェース30は、患者Pに、それを通知し、患者Pに、患者ライン50に接続し、治療を開始するように促す。カセット42を含む、使い捨てセット40によって形成される流体回路は、複数の治療のために再使用されてもよい。そのような場合では、日中または使い捨てセット40の回路が再使用される治療のために、患者Pは、患者ライン50への再接続および新しい治療の開始前に、透析流体が適切に調製され、使い捨てセット40の回路が適切にプライミングされるまでのみ、待機する必要がある。すなわち、循環器20と浄水器110との間の前述の接続ステップは、再使用治療のために必要とされない。次に議論されるのは、透析流体のオンライン調製のための一実施形態である。
【0213】
(代替システム10dのための流体調製)
再び、図8を参照すると、流体調製は、浄水器110が浄化された水を水ライン64に給送すると開始する。ここでは、水ポート282は、カセット42における適切な流体弁/アクチュエータを介して閉鎖され、浄化された水を、殺菌した滅菌グレードフィルタ70a、70bを通して、ドレインライン56を通して戻り、ドレイン116に流動させる。本ステップは、水ライン64の第2の管路65b(図11)と、ドレインライン56の第1のドレイン管路57aとを含む、カセット42に接続される二重管腔管64、56を充填する。
【0214】
第2のステップでは、カセット42における水ポート282は、カセット42における適切な流体弁46を介して開放され、WFPDが、流体ポンプチャンバ44aおよび44bを介して、カセット42および加熱器/混合バッグ62の中に圧送され、それをプライミングすることを可能にする。
【0215】
次に、濃縮物チェックが、実施される。濃縮物84aは、一実施形態では、最初に、チェックされる。水ポート282は、閉鎖され、濃縮物84aのための第1の入口ポート294aは、カセット42において開放される。制御ユニット22は、使い捨てカセット42のポンプチャンバ44aおよび44bおよび関連付けられた流体弁チャンバ46に、処方された量の第1の濃縮物を濃縮物容器84aから引き出させ、該量の濃縮物をカセット42の中に圧送させ、(少なくとも部分的に)流体ポンプチャンバ44aまたは44bのうちの1つを充填する。
【0216】
制御ユニット22は、第1の入口ポート294aを閉鎖させ、水ポート282を開放させる。第1の量の濃縮物84aを含有する、流体ポンプチャンバ44aまたは44bは、第1の濃縮物84aが水ポート282を通してドレインライン56に向かって、その中に押進されるように作動される。十分な量の第1の濃縮物が、故に、第1のドレイン管路57aに到達する。
【0217】
後続ステップでは、制御ユニット22(全ての循環器20ステップを制御する)は、循環器20を駆動し、浄化された水を加熱器/混合バッグ62から引き出し、加熱器/混合バッグ62からのWFPDを圧送させ、第1または第2の流体ポンプチャンバ44aまたは44bを充填および洗浄し、次いで、WFPDを流体ポンプチャンバから前方に押動され、それによって、第1の濃縮物84aをドレインライン56の中に押動させ、微量の第1の濃縮物をポンプチャンバから44aまたは44bから除去する。第1の濃縮物84aは、それによって、ドレインライン56を通して、伝導率センサ132に向かって、かつそれを越えて押進される。
【0218】
より詳細には、制御ユニット22は、一実施形態では、循環器20に、第1の濃縮物84aをドレインライン56の第1の管路57aの中に圧送させるようにプログラムされ、第1の管路は、水ポート282のすぐ下流に位置付けられる。制御ユニット22は、循環器20に、第1の濃縮物84aを、ドレインライン56に沿って、WFPDを介して、加熱器/混合バッグ62から押動させ、同時に、流体ポンプチャンバ44aまたは44bを洗浄させる。水ポート282は、次いで、閉鎖される。浄水器110の制御ユニット112(1つ以上のプロセッサまたはメモリを含む)が、浄水器に、浄化された水を水ライン64の中に圧送させるにつれて、浄水器110からの浄化された水は、第1の濃縮物84aを、ドレインライン56に沿って、センサ132へ、かつそれを越えて押動させる。第1の濃縮物84aの性質(例えば、伝導率)が、次いで、制御ユニット112において測定および記憶される。制御ユニット112は、測定性質を、例えば、無線で、循環器20の制御ユニット22に転送し、これは、測定を分析し、濃縮物84aを識別および検証する。
【0219】
第1の濃縮物84aの識別および検証に続いて、類似手技が、第2の濃縮物84bのために採用されてもよい。ここでは、第2の入口ポート294bは、開放され、ポンプチャンバ44aおよび44bのうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的に、第2の濃縮物84bで充填される。制御ユニット22は、膜流体ポンプチャンバ44aまたは44bに、第2の濃縮物84bをドレインライン56に向かって押動させ、加熱器/混合バッグ62からのWFPDにポンプチャンバ44aまたは44bを洗浄させ、第2の濃縮物84bをさらにドレインライン56に沿って押動させる。水ポート282は、閉鎖され、浄水器110からの浄化された水は、第2の濃縮物84bを、センサ132へ、かつそれを越えて押動させる。第2の濃縮物84bは、センサ132によって測定され、浄水器110の制御ユニット112に記憶され、循環器20の制御ユニット22に送信され、第2の濃縮物84bを識別および確認する。
【0220】
識別ステップは、ユーザによって実施され、および/または本明細書に議論されるように専用機械的コネクタを通して達成される個人容器識別に対して随意または付加的であってもよく、これは、濃縮物容器84aおよび84bとカセット42の正しくない接続を防止する。システム10dは、故に、ここで、濃縮物と水を混合し、PD流体を生産する準備ができる。
【0221】
透析流体を調製するために、一実施形態では、WFPDは、浄水器110から、殺菌した滅菌グレードフィルタ70aおよび70bを通して、水ポート282を通して、流体ポンプチャンバ44aおよび44bおよび加熱器/混合ライン60を介して、加熱器/混合バッグ62に圧送される。第1の充填作用は、使い捨てセット40内に存在する可能性として考えられる残留空気を加熱器/混合バッグ62(またはドレイン116)に圧送する。制御ユニット22は、次いで、循環器20に、第1の濃縮物を、加熱器/混合バッグ62の中に第1の入口ポート294aを介して圧送させる。
【0222】
制御ユニット22は、循環器20に、1つ以上の付加的混合作用を実施させるようにプログラムされてもよい。例えば、流体ポンプチャンバ44aまたは44bのいずれかは、ポンプチャンバの中に、ある量の混合された流体(例えば、第1および第2の濃縮物84a、84bの一方または両方とWFPDから作製される)を加熱器/混合バッグ62から引き出させ、そのような混合物を加熱器/混合バッグ62に戻るように送流させ、本手技を複数回繰り返してもよい(本明細書では「ワッフリング」として説明される)。
【0223】
付加的WFPDが、次いで、流体ポンプチャンバ44aおよび44bが、WFPDで濯がれるように、かつポンプチャンバ44aおよび44b内の第1の混合された流体が、加熱器/混合バッグ62に圧送されるように、水ライン64を介して、加熱器/混合バッグ62に供給される。制御ユニット22は、次いで、循環器20に、第2の濃縮物84bを、加熱器/混合バッグ62に、第2の入口ポート294b、流体ポンプチャンバ44aおよび44b、および加熱器/混合ライン60を介して、圧送させる。
【0224】
再び、制御ユニット22は、循環器20に、1つ以上の付加的混合作用を実施させるようにプログラムされてもよい。例えば、流体ポンプチャンバ44aまたは44bのいずれかは、ポンプチャンバの中に、ある量の混合された流体(例えば、第1および第2の濃縮物容器84a、84bからの第1および第2の濃縮物とWFPDとから成る流体)を、加熱器/混合バッグ62から引き出させ、混合物を加熱器/混合バッグ62に戻るように圧送し、次いで、本手技を複数回繰り返し、第1および第2の混合された流体の混合を改良してもよい(第2の「ワッフリング」手技)。
【0225】
いったん要求される量の第1および第2の濃縮物84aおよび84bが、加熱器/混合バッグ62に供給されると、制御ユニット22は、一実施形態では、第1の希釈相を開始する。ここでは、WFPDが、加熱器/混合バッグ62に、浄水器110を介して添加され、最終所望の流体体積の混合された透析溶液の約90~95%(例えば)に到達させる。
【0226】
再び、制御ユニット22は、循環器20に、付加的混合作用を実施させるようにプログラムされてもよい。例えば、流体ポンプチャンバ44aまたは44bのいずれかは、チャンバの中に、ある量の希釈された第2の混合された流体(例えば、第1および第2の濃縮物84aおよび84bと加熱器/混合バッグ62からのWFPDとから成る希釈された流体)を引き出し、混合物を加熱器/混合バッグ62に戻るように圧送し、次いで、本手技を複数回繰り返し、希釈された第2の混合された流体をさらに混合してもよい(第3の「ワッフリング」)手技。
【0227】
制御ユニット22は、次いで、循環器20に、希釈された第2の混合された流体が適切に混合されていることを検証させる。適切な混合をチェックするために、一実施形態では、加熱器/混合バッグ62内の混合された流体の伝導率が、検証される。制御ユニット22は、循環器20に、流体ポンプチャンバ44aまたは44bの一方または両方を作動させ、所望の量の希釈された第2の混合された流体を加熱器/混合バッグ62から引き出させ、流体を、第1のドレイン管路57aの中に、水ポート282を介して指向させる。
【0228】
一実施形態では、混合された治療流体を無駄にしないために、希釈された第2の混合された流体が、ドレインライン56に到達すると、制御ユニット22は、水ポート282を閉鎖させ、WFPDを浄水器110によって水ライン64内でドレインライン56に向かって押動させ、それによって、希釈された第2の混合された流体を流体性質チェックのためにセンサ132を越えて流動させる。センサ132において測定された感知される性質は、浄水器110の制御ユニット112によって受信され、次いで、循環器20の制御ユニット22に、例えば、無線で送信され、本明細書に説明されたように、設定点値に対して分析される。
【0229】
循環器20の制御ユニット22は、ある実施形態では、次いで、第2の希釈ステップを起動し、治療溶液組成物を微調整する。ここでは、付加的WFPDが、加熱器/混合バッグ62に添加され、混合物をさらに希釈する。添加されるWFPDの量は、一実施形態では、希釈された第2の混合された流体の測定された性質(例えば、伝導率)の関数として計算される。特に、制御ユニット22は、混合された透析流体(水と第1および第2の濃縮物84aおよび84b)の以前に充填された量と組み合わせて、測定された性質の関数として、付加的WFPDの量を判定するようにプログラムされてもよい。
【0230】
再び、制御ユニット22は、循環器20に、付加的混合作用を実施させるようにプログラムされてもよい。例えば、流体ポンプチャンバ44aまたは44bのいずれかは、チャンバの中に、一部の加えて希釈された第2の混合された流体(例えば、第1および第2の濃縮物容器84a、84bからの第1および第2の濃縮物84a、84bとWFPDとから成る希釈された流体)を加熱器/混合バッグ62から引き出し、混合物を加熱器/混合バッグ62に戻るように押動させ、次いで、本手技複数回を繰り返し、加えて希釈された第2の混合された流体の混合を改良してもよい(第4の「ワッフリング」手技)。
【0231】
制御ユニット22は、一実施形態では、加えて希釈された第2の混合された流体の伝導率をチェックし、治療流体の正しい調製を確認するようにプログラムされる。ここでは、一部の加えて希釈された第2の混合された流体が、循環器20圧送作用を介して、加熱器/混合バッグ62から引き出され、ドレインライン56に給送される。浄水器110は、次いで、WFPDを水ライン64を通して押動させ、順に、最終(例えば、伝導率または濃度)チェックのために、加えて希釈された第2の混合された流体をセンサ132を越えて押動させる。センサ読取値が、例えば、無線で、制御ユニット112から制御ユニット22に送信され、本明細書に議論されるように、循環器20において分析され、治療のために、透析流体の適切な混合を検証する。
【0232】
システム10dは、ここで、ユーザインターフェース30を介して制御ユニット22の中にプログラムされる医師または臨床医処方手技に従って、患者を治療するための準備ができる。一実施形態では、患者Pは、カセット42に接続され、前の治療からの使用済み透析流体は、存在する場合、患者の腹膜腔から除去され、ドレインライン56を介して、ドレイン116に送達される。循環器20は、処方された充填体積量の現場で調製された透析流体を患者の腹膜腔に圧送し、これは、事前に設定または可変持続時間にわたって、患者P内に滞留することを可能にされ、その後、循環器20は、流体ポンプチャンバ44aおよび44bに、患者Pから除去される限外濾過の量を含む、使用済み透析流体をドレイン116に圧送させる。前述の排液、充填、および滞留ステップは、1回以上の回数繰り返され、処方された治療を完了する。いったん全ての治療ステップが完了されると、患者Pは、一実施形態では、使い捨てセット40から接続解除され、セット40は、循環器20および浄水器110から除去され、廃棄される。
【0233】
(繁殖阻害剤を使用した消毒)
代替実施形態では、使い捨てセット40の長期寿命のための手技が、実施され、システム10a-10dのいずれかおよび本明細書に説明されるその代替実施形態のいずれかと併用されてもよい。ここでは、半使い捨てセット40が、1回を上回る治療のために循環器20と併用される。治療後、使い捨てセット40を循環器20および浄水器110から除去する代わりに、微生物繁殖を阻害するように調合された作用剤が、容器198(図8)から圧送され、浄水器110において希釈される。希釈された作用剤は、浄水器110および/または循環器20によって、カセット42およびカセット42に接続される関連付けられたライン部分および加熱器/混合バッグ62を含む、半使い捨てセット40の中に圧送される。
【0234】
繁殖阻害剤は、一実施形態では、クエン酸、クエン酸塩、またはその誘導体である、またはそれを含んでもよく、容器198から圧送され、浄水器110の浄化回路の一部内で希釈され、次いで、例えば、水ライン64を介して、半使い捨てセット40の中に押動されてもよい。代替実施形態では、患者ライン50は、浄水器110のポートに接続され、半使い捨てセット40内の循環のために、希釈された繁殖阻害剤を受容してもよい。
【0235】
さらなる代替として、繁殖阻害剤容器198は、例えば、容器198から患者ライン50への接続を介して、半使い捨てセット40と直接流体連通してもよい。制御ユニット22は、ここで、クエン酸またはクエン酸塩(または添加剤の有無を問わない他の好適な酸)を容器198から引き出させ、カセット42、そこに接続されるライン、および加熱器/混合バッグ62の中に圧送させる。
【0236】
制御ユニット22は、一実施形態では、微生物繁殖を阻害する作用剤が、WFPDであり得る、回路内にすでに含有される流体で希釈されるように、1つ以上の混合ステップ、例えば、本明細書に説明されるようなワッフリングを実施するようにプログラムされる。このように、半使い捨てセット40は、単回使用後、廃棄される代わりに、1回を上回る治療のために使用されることが可能である。
【0237】
一実施形態では、希釈された作用剤は、次の治療のための調製の開始まで、半使い捨てセット40内に常駐されたままである。次の治療の開始時、制御ユニット22は、濯ぎステップを実施し、希釈された繁殖阻害剤を半使い捨てセット40から除去し、濯ぎは、浄水器110および殺菌した滅菌グレードフィルタ70aおよび70bからのWFPDを使用して実施されてもよい。
【0238】
前述の手技は、消毒手技ではなく、むしろ、クエン酸、クエン酸塩等は、治療の合間に、細菌繁殖を回避するために静菌溶液として作用し、カセット42、関連付けられたライン、および加熱器/混合バッグ62の使用を延長させることを理解されたい。また、微量のクエン酸またはクエン酸塩が、濯ぎ後でも、半使い捨てセット40内に残る場合、ヒトが、例えば、クエン酸およびクエン酸塩を一般的かつ安全に代謝することを考慮して、少量であれば、患者に有害とならないであろうことを理解されたい。
【0239】
(温水消毒)
システム10a-10dのいずれかおよび本明細書に説明されるその代替実施形態のいずれかと併用され得る、代替の複数回使用使い捨てセット40実施形態では、すぐ上で説明された繁殖防止阻害剤は、温水消毒と置換される、またはそれを使用して向上される。浄水器110の加熱器184aおよび184b(図16)は、制御ユニット112の制御下で、その水を、例えば、70℃まで加熱し、浄水器110を加熱消毒する。これは、定期的、例えば、毎日または治療の合間ベースで行われ、半使い捨てセット40を消毒する。
【0240】
ある実施形態では、循環器20の制御ユニット22は、循環器に、上記に説明されるワッフリングシーケンスを実施させ、加熱された水(可能性として、微生物繁殖を阻止するように構成される作用剤を含む)を、繰り返し、カセット42および加熱器/混合バッグ62全体を通して、かつ繰り返し、水ライン区画64aおよび64bを通して、押動および引動させるようにプログラムされる。温水はまた、ドレインライン56および患者ライン50を通して、例えば、患者ラインコネクタ52内に位置する疎水性膜まで循環される。半使い捨てセット40の温水消毒が、完了されると、温水は、浄水器110において、ドレイン116に送流される。再び、半使い捨てセット40の温水消毒は、上記に説明される繁殖阻害剤の有無を問わず、実施されてもよい。
【0241】
(空気圧圧送の代替)
システム10a-10dはそれぞれ、空気圧圧送を使用して上記に図示される。代替実施形態では、循環器は、代わりに、1つ以上の蠕動ポンプを使用してもよい。蠕動圧送は、単独では、WFPDと濃縮物を混合し、混合された透析流体を適切に生産するために十分に正確ではない場合がある。故に、平衡チャンバタイプ構造を各蠕動ポンプの下流に追加し、正確度を大幅に改良することが検討される。平衡チャンバは、流体圧力に起因して往復して撓曲する、内部膜またはシートを含む。各蠕動ポンプからの管は、膜またはシートの両側に位置する平衡チャンバの第1および第2の入口のそれぞれに1つずつ、2つの管区画に分割される。2つの対応する出口管区画は、膜またはシートの両側に位置する平衡チャンバの第1および第2の出口に接続される。
【0242】
4つの管区画はそれぞれ、別個のピンチ弁に動作時可能に接続する、循環器内に位置付けられる。ピンチ弁は、交互かつ繰り返し、シーケンス化され、WFPDまたは濃縮物が、蠕動ポンプから平衡チャンバの膜またはシートの両側に交互に流動することを可能にし、毎回、平衡チャンバからの同様の体積のWFPDまたは濃縮物を膜またはシートの他側から排出する。各平衡チャンバストロークの堆積を把握し、ストロークをカウントすることは、正確な量のWFPDおよび1つ以上の濃縮物が加熱器/混合チャンバに送達されることをもたらす。
【0243】
(i)WFPDおよび濃縮物を加熱器/混合バッグ62に押動させるための蠕動WFPDおよび濃縮物ポンプ、(ii)混合された透析流体を加熱器/混合バッグ62から患者Pに押動させるための蠕動混合透析流体ポンプ、および(iii)使用済み透析流体を患者Pからドレイン116に押動させるための蠕動使用済み透析流体ポンプを含む、3つの蠕動ポンプを提供することが検討される。3つのポンプはそれぞれ、説明されるように、対応する下流平衡チャンバと動作し、正確な混合、患者Pへの正確な新しい透析流体送達、および患者Pからの正確な使用済み透析流体除去を提供し、正確なUFをもたらす。
【0244】
空気圧システムに関して上記に説明されるような混合レジメ(加熱器/混合バッグ62と患者Pとの間の蠕動ポンプを使用したワッフリングを含む)および伝導率感知を使用した透析流体試験は、代替蠕動ポンプバージョンの使用時透析システムにも等しく適用可能である。上記の図3Aから3Dに関連して図示および説明される濃縮物コネクタ80a/80bおよび82a/82bは、蠕動ポンプシステムと併用されてもよい。上記の図4Aから4Gに関連して図示および説明される加熱器/混合バッグコネクタ100はまた、蠕動ポンプシステムと併用されてもよい。
【0245】
(循環器/浄水器通信)
前述のように、図5の方法210では、ブロック222は、循環器20が、浄水器110とペアリングまたは同期することを説明する。いったん無線でペアリングされると、循環器20は、WFPDを、必要に応じて、浄水器110から求めてもよい。前述のように、循環器20は、WFPDのための量および温度を規定してもよい。加えて、循環器20は、最大WFPD供給圧力を規定してもよい。必要とされる場合、循環器20はまた、例えば、循環器20が現在対処されているアラームを被っている場合、または患者Pが何らかの理由から治療を終了している場合、浄水器110に、事前に求められた送達を中止するように指示してもよい。
【0246】
前述のように、透析流体が適切に混合されたことを検証するために、サンプルまたはスラグが、ドレインライン56を介して、浄水器110に位置する伝導率センサ132に送達されてもよい。ある実施形態では、サンプルまたはスラグが、浄水器110に送達された後、循環器20は、浄水器110から、伝導率センサ132からの伝導率読取値が循環器20に送信されるように要求してもよい。浄水器110は、それに応答して、伝導率読取値を循環器に送信する。別の実施形態では、サンプルまたはスラグが、浄水器110に送達された後、循環器20は、自動的に待機モードに入り、浄水器110からの伝導率読取値を待ち受け、これは、自動的に循環器20に送信される。ここでは、伝導率読取値が循環器20に送達されず、待機モードがタイムアウトする場合、循環器は、次いで、伝導率読取値が送達されることを要求してもよい。
【0247】
前述のように、1つの再使用実施形態では、加熱された水が、消毒のために、浄水器110から循環器20によって動作される使い捨てセット40に送達される。一実施形態では、浄水器110は、「温水消毒準備完了」通知を循環器20から受信するまで、加熱された水を使い捨てセット40に送達しないであろう。例えば、循環器20は、「温水消毒準備完了」通知を浄水器110に送信する前に、例えば、圧力チェックおよび/または患者Pによるユーザインターフェース30を介した手動確認を介して、患者Pが患者ライン50から接続解除されたことを確認することを所望してもよい。別の実施例では、循環器20は、全ての流体、例えば、残留新しい透析流体、使用済み透析流体、濃縮物、および/またはWFPDが、「温水消毒準備完了通知」を浄水器110に送信する前に、ドレイン116に送達されたことを確認することを所望してもよい。
【0248】
(伝導率推定アルゴリズム)
前述のように、PD流体が循環器20によって調製された後、流体のサンプル(例えば、新しく混合された透析流体のスラグ)が、循環器20から、浄水器110内の伝導率センサ132へ、かつそれを越えて押動される。廃棄物の量を低減させるために、PD流体サンプル(例えば、スラグ)は、好ましくは、純水を使用して、伝導率センサ132に押動される。例えば、PD流体スラグは、10~20メートルの長さのドレインライン56を通して押動されてもよく、これは、約125~250mLの流体がスラグを伝導率センサ132を越えて押動させることを要求し得る。また、PD流体スラグの前に、好ましくは、浄水器110からの純水が先行し、調製されたPD流体スラグが、伝導率センサ132を通過するとき、純RO水とのみ混合することを確実にする。PD流体スラグの前にRO水を先行させることによって、RO水は、有利には、ドレインライン56内にあり得る任意の残留廃棄物流体を洗浄し、それによって、廃棄物流体が伝導率センサ132において伝導率測定を歪曲させないように防止し得る。スラグの前に、所定の体積のWFPDが先行することで、スラグがサンプルに先立って廃棄物流体と混合しないことを確実にするために十分となり得る。上記に説明されるように、浄水器110は、WFPDを水ライン64を辿ってドレインライン56の中に圧送し、ドレインライン56を完全にプライミングしてもよい。次いで、循環器20は、調製されたPD流体のスラグを加熱器/混合バッグ62からドレインライン56の中に圧送してもよい。十分なスラグ体積が圧送された後、浄水器110は、次いで、十分なWFPDをドレインラインに圧送し、伝導率パルス最大値に到達し、それを超えるために十分な量が、伝導率センサ132を通して圧送されることを確実にし得る。
【0249】
水が新しく混合された透析流体のスラグに先行することに起因して、スラグの一部(例えば、スラグの前縁または頭部)が、それに先立って水と混合され、したがって、十分な量のサンプル流体(例えば、スラグ)が、伝導率センサ132に押動され、スラグの伝導率読取値が混合されたPD流体の伝導率を反映することを確実にする。伝導率センサ132に送流されるサンプルの量に応じて、伝導率信号は、漸近値402に到達する場合がある、またはそうではない場合がある。例えば、より小さいサンプルは、漸近値402に到達する伝導率信号を生成する可能性が低い。
【0250】
ある実施例では、調製されたPD流体が適切に混合されることを確実にするための伝導率測定または他の測定は、スラグパルス(スラグパルス410が図18に図示される)の終了からのデータを使用して行われてもよい。例えば、伝導率測定404は、伝導率パルス410の頂上の最後の数秒を使用して、漸近伝導率値402に最も近い読取値が使用されることを確実にしてもよい。しかしながら、伝導率読取値は、空気(例えば、気泡)に敏感であり、これは、突然のスパイク(例えば、下落)を伝導率読取値にもたらし、それによって、偽陽性等の不適切な読取値につながり得る。不正確な読取値は、付加的測定またはそうでなければ良好な流体の廃棄を要求し、これは、時間および濃縮物を無駄にし得る。
【0251】
以下に議論されるような伝導率関数を適用することによって、はるかに多くの伝導率データが、使用され、気泡は、測定に殆ど影響を及ぼさず、それによって、有利には、偽陽性を最小限にするであろう。加えて、さらに以下に議論されるように、未知の漸近値402と測定との間の差異を使用して、差異の自然対数値を求めることは、伝導率測定および漸近線推定に及ぼす気泡の影響をさらに低減させる。さらに、最小2乗平均適合を使用することによって、気泡に起因するデータ内の「スイング」またはスパイクは、さらに低減され、それによって、偽陽性の尤度をさらに低減させるであろう。
【0252】
測定された伝導率データは、実際には、サンプル流体からの伝導率信号の漸近値に到達せずに、漸近値を予測し、それによって、有利には、調製されたPD流体の伝導率を判定するために使用されるPD流体の量を最小限にし、したがって、PD濃縮物の廃棄物を低減させるように操作されてもよい。例示的実施形態では、伝導率の予測は、伝導率読取のために使用される調製されたPD流体の量に25%低減をもたらし得る。例えば、伝導率を予測することによって、より小さいサンプル(例えば、60~70ミリリットル)が、使用されてもよい。逆に言えば、伝導率を予測しない場合、より大きいサンプル(例えば、80~100ミリリットル)が、伝導率信号が漸近値402に到達するために要求され得る。例えば、調製されたPD流体の十分に大きいサンプルは、伝導率信号が十分な時間周期にわたって漸近値402に到達することを確実にし、それによって、読取値が、漸近値402またはその近傍の一連の読取値に基づくことを確実にし、これは、ライン内の可能性として考えられる気泡が結果を損なわせるリスクを最小限にし得る。加えて、伝導率データは、伝導率読取値またはより大きいPD流体サンプルを向上させるように操作されてもよい。他の実施例では、ドレイン管56の内径は、サンプル流体の伝導率を試験するために必要とされる体積を低減させるように減少されてもよい。
【0253】
伝導率信号が安定するような十分なサンプル流体が存在する場合、伝導率信号は、以下の(A-1)に類似し、図17に図示されるような関数を表し得、式中、Aは、漸近値402であり、τは、時間定数である。
【数1】
【0254】
しかしながら、サンプルが、より小さく、完全に安定化しない場合、信号は、図18に図示される信号を表し得る。(A-1)内の関数y(t)を漸近値Aから減算し、さらに、差異の自然対数を求めることによって、以下が与えられる。
【数2】
【0255】
したがって、(A-2)は、-1/τによって表される傾きを伴う、線形式である。漸近値Aが、未知であっても、値は、パルス410の視覚的表現に基づいて、または他の情報から、推測されることができる(Aと呼ばれる)。例えば、推測は、(例えば、ルックアップテーブルからの)予期される伝導率値のものであってもよい。推測を使用することによって、結果として生じる式は、以下となる。
【数3】
【0256】
=Aであるとき、(A-3)における結果として生じる式は、線形となるであろう。しかしながら、Aに関する推測がAに等しくない、したがって、真の漸近値402に等しくないとき、(A-3)の結果として生じる式は、もはや線形ではない。例えば、Aに関する推測が漸近値を上回るまたはそれ未満である、プロットされた値は、図19に表される。
【0257】
漸近値402を推定するために、いくつかの推測が、直線または最も直線の線を与える推測された漸近値を判定するために使用されてもよい。いったん推測値(A)が選択されると、測定された伝導率データは、推測値(A)から減算され、差異の自然対数が、計算される。次いで、取得された結果の「直線」度を判定するために、時間に対してプロットされるとき、データに対する最小2乗平均適合が、行われてもよい。最小2乗平均線と試験関数との間の絶対差が、生成されてもよく、絶対差の和が、計算されてもよい。最低和値をもたらす推測値(A)は、最も直線の線、したがって、最良予測伝導率値である(例えば、漸近値を最も近似して表す予測される漸近値は、より多くのサンプル流体を伝導率センサ132を越えて押動させている)。
【0258】
推測は、いくつかの異なる技法を使用して選定されてもよい。加えて、推測は、スラグから測定された伝導率データ(例えば、伝導率測定404)に基づく、または予期される伝導率データ(例えば、ルックアップテーブルから)に基づいてもよい。一実施形態では、初期推測(A)は、予期される伝導率からのものから選択されてもよい。次いで、後続推測が、最良推測が適合する、1つ以上の異なる間隔または「谷」を与える、最小2乗平均適合からの和値が初期推測の両側により大きい数を生産する(例えば、それによって、推測前の推測より悪化することを示す)まで、初期推測の両側で交互に行われてもよい。例えば、予期される伝導率が、11.64mS/cmである場合、初期推測(A=11.64)が、使用されてもよく、最小2乗平均適合からの和値が、計算されてもよい。次いで、初期推測の両側における推測(例えば、A>11.64およびA<11.64)が、最小2乗平均適合からの和値がより小さい和の生産を停止するまで使用されてもよい。例えば、11.65、11.63、11.66、11.62、11.67等の推測が、最小2乗平均適合からの和の最小値が判定されるまで使用されてもよい。例えば、初期推測からの最小和は、11.67であってもよく、A=11.66およびA=11.68を使用した推測は両方とも、より大きい和を生産した。次いで、漸近値は、11.66と11.68との間のいずれかの値であり、以下により詳細に議論されるように、推測は、より小さいステップサイズを使用して、その範囲内で精緻化されてもよい。
【0259】
推測は、種々の所定のインクリメントを使用して行われてもよい。例えば、各反復推測は、0.1、0.01、0.001等ずつステップ化されてもよい。他の実施例では、より大きいインクリメントが、2つまたは3つの最良推測が判定されるまで使用されてもよい。次いで、より小さいインクリメント推測が、それらの推測間で使用されてもよい。例えば、11.66、11.67、および11.68のインクリメント推測(例えば、ステップとして0.01を使用する)が、上記に説明される最小2乗平均適合から3つの最低和を生産する場合、11.66と11.68との間の推測が、0.001のステップを使用して、推測を精緻化するために使用されてもよく、これは、有利には、浄水器110の制御ユニット112による計算の量を低減させることによって、処理時間を削減し得る。例えば、制御ユニット112が、0.001の初期ステップサイズを使用して全ての計算を実行する場合、より多くの反復が、最良漸近値を推定する前に要求され得る。
【0260】
別の実施例では、測定されたパルスの最大値408が、初期推測のための開始点として使用されてもよい。例えば、パルスの最大値408が、11.612mS/cmとして測定される場合、11.612は、初期推測として使用されてもよい。前述のように、虚数を回避するために、最大値を上回る初期推測が、使用されてもよい。例えば、推測の範囲は、下端推測(例えば、最大測定伝導率値)と、流体が正しくなく混合され得ることを考慮して、上端推測(例えば、伝導率の予期される値+安全係数)との間として使用されてもよい。例えば、予期される伝導率値が、11.64mS/cmである場合、上端および下端推測は、以下となり得る。
11.612+0.001<A<11.612+2・(11.64-(11.612+0.001))
【0261】
次いで、推測は、11.613の下端推測から12.613の上端推測まで、0.001等の所定のステップ間隔でステップ化されてもよい。その個別の最小2乗平均適合に対する曲線の絶対差の和後、絶対差の最低和は、伝導率の推定漸近値をもたらす。
【0262】
(温度推定アルゴリズム)
伝導率測定と同様に、流体サンプルの温度もまた、推定されてもよい。伝導率は、温度に依存し、伝導率読取値は、他の伝導率読取値に匹敵するように温度補償される必要があり得る。例えば、伝導率読取値は、複数の読取値が、相互に正確に比較され、また、ルックアップテーブル内の適切な値と比較され得るように、25℃に正規化されてもよい。
【0263】
調製されたPD流体を測定するために使用される伝導率センサ132aにおける温度は、一定ではなくてもよい。例えば、貯水器バッグ66からドレインに送流される水および調製されたPD流体は、それぞれ、18℃~25℃および37℃等、異なる温度を有してもよい。貯水器バッグ66からの水は、システムが位置付けられる室温および/または環境によって影響され得る。
【0264】
伝導率を参照して前述のような類似技法が、調製されたPD流体の流体サンプルに関する温度の漸近値412を推定するために使用されてもよい。図20に図示される温度パルス420は、温度が漸近値412に到達するように、貯水器バッグ66からの水の後に十分に大量の調製されたPD流体が続く、温度測定を表す。
【0265】
温度パルス420は、以下の関数によって説明され得る。
【数4】
【0266】
式(B-1)では、Tは、初期温度であり、Tは、漸近温度であり、τは、時間定数である。(B-1)における関数T(t)を漸近値Tから減算することによって、以下が与えられる。
【数5】
【0267】
(B-2)における差異の自然対数を求めることによって、以下が与えられる。
【数6】
【0268】
結果として生じる式(B-3)は、-1/τによって表される傾きを伴う、線形式である。伝導率値に関して前述の技法と同様に、温度値Tは、最小2乗平均線の最低和値が取得されるまで、いくつかの異なる推測温度値を使用することによって推定されてもよい。
【0269】
本明細書に説明される現在好ましい実施形態への種々の変更および修正が、当業者に明白となるであろうことを理解されたい。そのような変更および修正は、本主題の精神および範囲から逸脱することなく、かつその意図される利点を減少させることなく、行われることができる。したがって、そのような変更および修正は、添付の請求項によって網羅されることが意図される。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20