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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-05
(45)【発行日】2023-06-13
(54)【発明の名称】抗真菌性壁板
(51)【国際特許分類】
   B32B 13/04 20060101AFI20230606BHJP
   A01N 43/78 20060101ALI20230606BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20230606BHJP
   A01N 43/80 20060101ALI20230606BHJP
   A01N 25/18 20060101ALI20230606BHJP
【FI】
B32B13/04
A01N43/78 A
A01P3/00
A01N43/80 102
A01N25/18 102B
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021561768
(86)(22)【出願日】2020-04-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-17
(86)【国際出願番号】 EP2020060064
(87)【国際公開番号】W WO2020212233
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2021-10-15
(31)【優先権主張番号】19170070.7
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】505422707
【氏名又は名称】ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ペーター・ヴァッハトラー
(72)【発明者】
【氏名】オルガ・バベンコ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルマン・ウーア
【審査官】奥谷 暢子
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-523874(JP,A)
【文献】特開2017-081842(JP,A)
【文献】特表2008-546676(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N
A01N
B32B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺菌・殺カビ的に有効な量のチアベンダゾール(TBZ)及び2-ブチル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(BBIT)を含有する、石膏コアとフェーシング層とを含む壁板であって、
チアベンダゾール(TBZ)、2-ブチル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(BBIT)を、1種以上のさらなる活性物質なし又はありで含み、
TBZ及びBBITが、少なくとも前記壁板の前記石膏コアに5:1~1:5の重量比で含まれており、
前記石膏コア中の石膏/しっくい(CaSO ×0.5H O)をベースとする活性物質の総量は、150~1000ppmである、壁板
【請求項2】
前記フェーシング層は、紙又はガラス繊維マットである、請求項1に記載の壁板。
【請求項3】
前記壁板中の活性物質の総量が、150~1000ppmである、請求項1又は請求項2に記載の壁板。
【請求項4】
活性物質の総量を基準として、80重量%超が、TBZ及びBBITからなるか、又は、TBZと、BBITと、ジフェノコナゾール及びフルジオキソニルからなる群から選択される少なくとも1種のさらなる活性物質とからなる、請求項1~のいずれか一項に記載の壁板。
【請求項5】
活性物質の総量を基準として99重量%超が、TBZ及びBBITからなる、請求項1~のいずれか一項に記載の壁板。
【請求項6】
TBZとBBITとの重量比が、5:1~1:5である、請求項1~のいずれか一項に記載の壁板。
【請求項7】
TBZ及びBBITが、前記フェーシング層中に又は前記フェーシング層上にさらに含まれてる、請求項1~のいずれか一項に記載の壁板。
【請求項8】
前記殺菌・殺カビ的に有効な量のチアベンダゾール(TBZ)及び2-ブチル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(BBIT)が、前記石膏コア及び前記フェーシング層に含有されており、前記フェーシング層が紙である、請求項1~のいずれか一項に記載の壁板。
【請求項9】
前記壁板が、少なくとも前記壁板の製造プロセス中に、殺菌・殺カビ的に有効な量のチアベンダゾール(TBZ)及び2-ブチル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(BBIT)で、1種以上のさらなる活性物質なし又はありで処理される、請求項1~のいずれか一項に記載の壁板の製造プロセス。
【請求項10】
前記製造プロセス中に、殺菌・殺カビ的に有効な量のチアベンダゾール(TBZ)及び2-ブチル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(BBIT)が、1種以上のさらなる活性物質なし又はありで、
a)前記石膏コアが形成される前の、石膏スラリーに添加され、
任意選択で、
b)前記フェーシング層が適用される前の、前記壁板の前記石膏コアの表面に、及び/又は
c)前記フェーシング層製造プロセスに、及び/又は
d)前記フェーシング層の表面に
添加されるか又は添加されない、請求項に記載の製造プロセス。
【請求項11】
TBZ及びBBITを、ジフェノコナゾール及びフルジオキソニルからなる群から選択される1種以上のさらなる活性物質なし又はありで含む、殺菌・殺カビ的に有効な量の殺菌・殺カビ剤混合物で、前記壁板を処理することを含む、請求項又は10に記載の製造プロセス。
【請求項12】
TBZ及びBBITを、ジフェノコナゾール及びフルジオキソニルからなる群から選択される1種以上のさらなる活性物質あり又はなしで、活性物質として含む、石膏スラリーであって、
TBZ及びBBITが5:1~1:5の重量比で含まれており、
石膏/しっくい(CaSO ×0.5H O)をベースとする活性物質の総量は、150~1000ppmである、石膏スラリー
【請求項13】
請求項12に記載の石膏スラリーから製造された、石膏ボード
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺菌・殺カビ的に有効な量のチアベンダゾール(本明細書では以下、TBZとも称する)及び2-ブチル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(本明細書では以下、BBITとも称する)を含む壁板、そのような壁板及びある種の活性物質を含有する特定の組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連する真菌は、壁板などの建材上で増殖することができるものである。真菌は、万能の生物であり、それらがその上に増殖する基材としては、建材を挙げることができる。そのような建材は、真菌の増殖を支援する物質でできているか又はそれらの物質がそれらに適用されていることがあるからである。真菌の増殖は一般に湿気を必要とし、湿気は、例えば、内水漏れ若しくは外部漏れによって、又は高湿度若しくは高凝縮の地域によって建材上にもたらされ得る。真菌の増殖はまた、この場合には、建材それ自体であり得るか又は建材上に存在する汚れ若しくは他の栄養のある材料であり得る食物源を必要とする。
【0003】
壁板などの建材上で増殖することができる真菌は、しばらく前から問題になっている。そのような真菌の明らかな影響は、それらがその上に増殖する材料の変色であり、多くの場合不快な臭いを伴う。真菌はまた、材料の物理的な破壊に寄与する。最近、そのような真菌はまた、ヒト健康に関連した懸念の増加要因でもある。様々な健康問題がそのような真菌に帰せられており、アレルギー反応及びいくつかの場合には、ヒト感染が最も一般的である。そのような建材上で増殖することができる、ある種の真菌はまた、発がん性であると考えられている。明らかにこれらの真菌は、ヒトへの増え続ける脅威と見られている。
【0004】
真菌は、少なくとも一部は、建物のいわゆる「クロカビ」、真菌のまん延の原因となる。壁板は、特に、いくつかの地域で建物における重大な問題になっており、且つ、様々なヒト健康問題の原因とされている、クロガビの影響を受けやすい。真菌はまた、それらがその上で増殖する材料の変色を容易にする原因となり、住宅における特定の問題である。
【0005】
(特許文献1)において、活性物質アゾキシストロビン及びチアベンダゾールを含有する混合物が、そのような微生物の、特に真菌の攻撃又は増殖に抵抗するためのそれぞれの壁板を調製するために提案されている。しかしながら、そのような有益な処理でさえも、微生物に対するより高い抵抗を求める継続的な要求を満たさないであろうことが見出された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開第2006/134347号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これ故に、本発明の目的は、微生物によるそのような攻撃又は微生物の増殖に抵抗するさらに改善された能力を有する壁板を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
意外なことに、殺菌・殺カビ的に有効な量のチアベンダゾール(TBZ)及び2-ブチル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(BBIT)を含有する、石膏コアと、フェーシング層、特に紙層とを含む壁板が、そのような改善を示すことが見出された。
【発明を実施するための形態】
【0009】
壁板:
壁板は一般に、好ましくは0.5~5.5cm厚さの、及び通常は、石膏コアと、フェーシング層、特に紙又はガラス繊維マットとの複合材料である、フラットシートの形態にある。好ましくは、壁板は、フェーシング層として紙を有し、ここで、コアは両面を紙で被覆されている。紙は一般に、130~300g/m、好ましくは150~250g/mの重量を有する。
【0010】
壁板は、建物の内部隔壁を製造するために使用される建材として普通は使用される。建物としては、ハウスなどの住宅と、アパート並びに小売店、倉庫、ホテル及び工場等などの商業ビルと、また大学などの機関建物とが挙げられる。壁板には、内部天井用に使用される材料である天井板が含まれる。壁板は通常、木材枠又は金属枠に固定されて内壁を形成するか、又は天井スパーに固定されて内部天井を形成する。
【0011】
壁板は、比較的軽くて、カットするのが容易である、且つ、ペイント又は壁紙で容易に装飾を施される表面を有するなどの、多くの望ましい特性を有する。しかしながら、壁板は、それが水に曝される場合に特定の問題に悩まされ、当該理由でその使用は、建物の内部エリアに制限される。
【0012】
石膏コアは、非常に吸水性であり、いったん湿ると、完全に乾かすのに長時間を要し得る。湿った石膏コア、好ましくはコアに含有されるデンプンと、フェーシング層が紙である場合の、紙に含有されるセルロースとの組み合わせは、真菌が増殖するのに理想的な基材を提供する。本質的に、紙が栄養を提供しながら、湿った石膏は、好都合な持続水溜めを真菌に提供する。内部に使用される場合でさえも、壁板は、例えば漏れがある内部配管から若しくは建物の外側からの雨水漏れから、又は持続する高湿度若しくは凝縮からの水に曝され得る。そのような漏れは、不幸なことにむしろ一般的であり、だから壁板上の真菌の増殖は、継続的な、且つ広範囲に及ぶ問題である。湿潤になる壁板についての別の理由は、不十分な貯蔵及び輸送である。
【0013】
壁板は、従来、か焼石膏及び任意選択的に他の構成要素の水性スラリーのコアを、セルロースベースの紙又はガラスマットのような、1つ以上のフェーシング層の間に包み込むことによって製造されている。フェーシング層は、様々な材料を含み得る。一実施形態において、フェーシング層は、パルプ繊維を含有する。これに関連して、フェーシング層は、板紙などの、紙を含み得る。一実施形態において、例えば、フェーシング層は、リサイクルされた新聞用紙などの、リサイクルされたパルプ繊維から製造され得る。
【0014】
石膏コア
壁板のコアを製造するために使用されるスラリーは、好ましくは、単独で又は様々な他の材料と組み合わせて、か焼石膏を含む。一実施形態において、例えば、コアは、充填材材料、バインダー等をさらに含み得る。
【0015】
石膏は、典型的には、石膏石から天然に得られる。石膏石は、普通は、所望の細かさにすり潰され、次いでか焼を受ける。か焼は、水分を除去するために石膏石を加熱することによって行われ、硫酸カルシウム半水和物を生成する。硫酸カルシウム半水和物は、水と混合されると、硬化し、コア材料を形成する。
【0016】
石膏コア中に存在することができる他の構成要素は、そのような構成要素が、それから石膏コアが形成される石膏スラリーに普通は既に添加されるため、下記の製造の部において言及される。
【0017】
石膏コアは、典型的には、厚さが3.175mm超である。石膏コアは、厚さが好ましくは9.5~51mm、特に19~32mm、好ましくは13~25mmであることができる。
【0018】
フェーシング層としての紙
紙フェーシング層は、一般に130g/m以上、特に、170g/m以上などの、150g/m以上の坪量を有することができる。坪量は、一般に、例えば270g/m以下、250g/m以下などの、300g/m以下である。代わりの実施形態において、フェーシング層紙は、デンプン又はデンプン層を含み得る。別の実施形態において、デンプンは、パルプ含有フェーシング層をコア材料にくっつけるために使用され得る。
【0019】
紙がフェーシング層として使用される場合に、紙は、単一層又は多層フェーシングとして使用することができ、ここで、殺菌・殺カビ剤は、任意の紙層中に又は紙層上に含まれることができる。好ましくは、殺生物剤は、多層フェーシング紙の外側の1~3つの層内又は層上に含まれる。
【0020】
活性物質
活性物質チアベンダゾール(TBZ)は、以下の式で表され、CAS番号148-79-8で及び欧州特許第2499911号明細書から農業応用について既に公知である。
【0021】
チアベンダゾール(下記ではTBZとも言われる)の式:
【化1】
活性物質2-ブチル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(下記ではBBITとも言われる)は、以下の式で表され、CAS番号4299-07-4で既に公知である。
【0022】
BBITの式:
【化2】
【0023】
量/比率
好ましくは、本発明の壁板は、1種以上の他の活性物質、特にジフェノコナゾール及びフルジオキソニル(後者は、本明細書では以下FDLとも言われる)からなる群から選択される活性物質なし又はありのTBZ、BBITを含み、ここで、壁板中の抗菌性有効成分の総量は、10~2000ppm、好ましくは50~1000ppm、さらにいっそう好ましくは80~1000ppm、特に150~1000ppmである。壁板の石膏コアに適用されるにすぎない場合、壁板中の活性物質の総量は、10~1000ppm、好ましくは50~1000ppm、さらにいっそう好ましくは80~1000ppm、特に150~1000ppm、好ましくは25~500ppmである。紙フェーシングに適用されるにすぎない場合、活性物質の総量は、100~3000ppm、好ましくは200~2000ppmである。或いは、壁板の石膏コアに適用されるにすぎない場合、石膏/しっくい(CaSO×0.5HO)をベースとする壁板中の活性物質の総量は、10~1000ppm、好ましくは50~1000ppm、さらにいっそう好ましくは80~1000ppm、特に150~1000ppm、好ましくは25~500ppmである。
【0024】
活性物質は、石膏コア、フェーシング層、特に紙の中に、あるいは両方の複合材部分の中に含有され得る。
【0025】
好ましくは、TBZ、BBIT及び任意選択的な1種以上の他の活性物質は、石膏コア又は紙コーティングの中に含有される。
【0026】
壁板中の殺菌・殺カビ剤TBZとBBITとの重量比は、好ましくは20:1~1:20、特に10:1~1:5、好ましくは5:1~1:5である。本発明の壁板は、TBZ及びBBIT以外の他の活性物質を含有しなくてもよいか、又はさらなる活性物質を含有してもよい。好ましくは、そのような他の存在する活性物質は、ジフェノコナゾール及びフルジオキソニル、特にフルジオキソニル(本明細書では以下FDLと言われる)からなる群から選択される1種以上であり得る。
【0027】
本発明の壁板は、好ましくは、活性物質の総量を基準として、80重量%超、好ましくは90重量%超、特に95重量%超、さらにいっそう好ましくは99重量%超、特に100重量%のTBZ及びBBIT、又はTBZ、BBIT並びにジフェノコナゾール及びフルジオキソニル、特にフルジオキソニル(FDL)からなる群から特に選択される少なくとも1種のさらなる活性物質からなる。
【0028】
本発明の好ましい実施形態において、TBZ及びBBITの合計と他の活性物質、好ましくはFDLとの重量比は、100:1~2:1、特に50:1~5:1である。
【0029】
真菌/微生物
本発明に係る殺菌・殺カビ性混合物は一般に、ネオサルトリヤ(Neosatorya)、アスペルギルス(Aspergillus)、カエトミウム(Chaetomium)、ペニシリウム(Penicillium)、又はスタキボトリス(Stachybotris)のような壁板に関して一般的に公知の損傷生物などの全ての種類の真菌及び酵母に対して広範囲の効力を示す。
【0030】
本発明の壁板は、以下の真菌:アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、オーレオバシディウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)、カエトミウム・グロボスム(Chaetomium globosum)、グリオクラジウム・ビレンス(Gliocladium virens)及びペニシリウム・ピノフィラム(Penicillium pinophilium)がまとめて試験される2009年のASTM G21試験の被験真菌に関して特に良好な特性を示す。
【0031】
限定なしに、本発明の壁板は、特に関心のある他の真菌:黒斑病菌(Alternaria alternata)、アルタナリア・テヌイシマ(Alternaria tenuissima)、アスペルギルスバージカラー(Aspergillus versicolor)、クラドスポリウム・クラドスポリドイデス(Cladosporium cladosporioides)、コニオホラ・プテアナ(Coniophora puteana)、キチリメンタケ(Gloeophyllum trabeum)、メムニオネラ・エキナタ(Memnionella echinata)、ムコール・インディカス(Mucor indicus)、オリゴポルス・プラセンタ(Oligoporus placenta)、ペニシリウム・シトリナム(Penicillium citrinum)、ペニシリウムクリソゲナム(Penicillium chrysogenum)、ペニシリウム・フニクロサム(Penicillium funiculosum)、スクレロホマ・フィチオフィラ(Sclerophoma phytiophila)、クロカビ(Stachybotrys atra)、スタキボトリス・チャータラム(Stachybotrys chartarum)、及びウロクラジウム・チャータラム(Ulocladium chartarum)からさらに保護される。
【0032】
壁板の製造プロセス
本発明は、もっとさらに、本発明の壁板の製造方法であって、壁板が、他の活性物質あり又はなしのTBZとBBITとの混合物で処理される方法、好ましくは、TBZ、BBIT及び任意選択のさらなる活性物質が、前記壁板の製造プロセス中に、混合物中に含有される及び/又は当業者に公知の方法によって殺真菌・殺カビ剤を紙のようなフェーシング層中へ組み込むことによる方法を提供する。製造プロセス中に、活性物質、好ましくはさらなる活性物質あり又はなしのTBZ、BBITを含有する混合物は、
a)石膏コアが形成される前の石膏スラリーに、及び/又は
b)フェーシング層、特に紙が適用される前の壁板の石膏コアの表面に、及び/又は
c)フェーシング層製造プロセス、特に製紙プロセスに、好ましくは紙パルプに、及び/又は
d)フェーシング層、特に紙層の表面に
添加することができる。
【0033】
本発明の壁板を製造する場合に、か焼石膏及び他の構成要素のスラリー、好ましくは水性スラリーは、2つのフェーシング層、好ましくは紙の間に連続的に堆積させることができる。スラリーは、硫酸カルシウム半水和物、硫酸カルシウム無水石膏又は両方を含む、任意のか焼石膏を含有することができる。硫酸カルシウム半水和物は、少なくとも2つの結晶形、アルファ及びベータ形を生み出すことができる。ベータ又はアルファ硫酸カルシウム半水和物が使用され得る。
【0034】
スラリーは、30~55重量%、好ましくは35~45重量%の水を好ましくは含有する。
【0035】
いくつかの実施形態において、添加剤が、最終製品の1つ以上の特性を変更するために石膏スラリーに含まれる。そのような添加剤としては、デンプン、消泡剤、界面活性剤、分散剤等を挙げることができる。そのような添加剤としては、ナフタレンスルホネート及びワックスエマルジョンを挙げることができる。
【0036】
トリメタホスフェート化合物を、製品の強度を高めるために及び硬化石膏の垂れを減らすためにいくつかの実施形態において石膏スラリーに添加することができる。トリメタホスフェート化合物の濃度は、か焼石膏の重量を基準として約0.1パーセント~約2.0パーセントであることができる。例示的なトリメタホスフェート塩としては、トリメタホスフェートのナトリウム、カリウム又はリチウム塩が挙げられる。
【0037】
加えて、石膏スラリーは、任意選択的に、プレゼラチン化デンプン又は酸変性デンプンなどの、デンプンを含むことができる。プレゼラチン化デンプンの包含は、キャストされた硬化及び乾燥石膏の強度を高め、(例えば、水対か焼石膏の高められた比率に関して)増加した水分の条件下で紙層間剥離のリスクを最小限にする又は回避する。プレゼラチン化デンプンは、それが硬化石膏スラリーの0.5~10重量パーセントの量で存在するように、硬化石膏組成物を形成するために使用される混合物に添加することができる。
【0038】
本発明は、もっとさらに、殺菌・殺カビ剤が硬化前の石膏スラリーに適用される上記のような方法を提供する。
【0039】
本発明は、もっとさらに、殺菌・殺カビ剤が壁板の石膏コアの表面に適用される上記のような方法を提供する。
【0040】
本発明は、もっとさらに、殺菌・殺カビ剤が壁板の紙フェーシングに含まれる上記のような方法を提供する。殺菌・殺カビ剤は、「ウエットエンド」(例えば、厚いストック,薄いストック、マシンチェスト、ヘッドボックス)において、又はディッピング、噴霧、若しくは他の表面コーティング技術(例えば、サイズプレス、カレンダースタック、ウォーターボックス、スプレーバー、オフマシンコーター)によってなどで紙が形成された後の「ドライエンド」においてを含む、製紙プロセスの任意の段階中に添加され得る。
【0041】
本発明は、もっとさらに、殺菌・殺カビ剤が紙に製造された後で、前記紙がディッピング、噴霧、若しくは他の表面コーティング技術(例えば、サイズプレス、カレンダースタック、ウォーターボックス、スプレーバー、オフマシンコーター)などによって適用される上記のような方法を提供する。
【0042】
本発明は、もっとさらに、完成した又は実質的に完成した壁板が殺菌・殺カビ剤で処理される上記のような方法を提供する。
【0043】
本発明は、もっとさらに、壁板が、前記壁板の据え付けの前に殺菌・殺カビ剤で処理される上記のような方法を提供する。
【0044】
本発明は、もっとさらに、上記のようないずれかの方法によって得られる壁板を提供する。
【0045】
殺菌・殺カビ剤混合物:
上記のようなさらなる活性物質なし又はありのTBZ、BBITを含有する混合物であって、本発明に係る壁板を製造するために好ましくは使用される混合物は、有機溶剤系であることができる及び/又は水性であることができる。有機溶剤は、取り扱うのがより容易であるという利点を有することができるが、水性組成物が、それらのより低い大気汚染可能性、及び特に建物における室内適用にはより低い臭いのために、好ましい。好適な水性組成物の例は、懸濁液、特にSC剤である。
【0046】
組成物は、水和性顆粒剤(WG)、水和剤(WP)、粒剤(GR)(徐放又は速放)、可溶性コンセントレート(SL)、油混和性液体(OL)、超微量液体(UL)、乳剤(EC)、分散性コンセントレート(DC)、エマルジョン(水中油(EW)型及び油中水(EO)型の両方)、マイクロエマルション(ME)、SC剤(SC)、及び当業者に周知の他の適用可能な配合物などの、多数の配合物タイプから選択することができる。
【0047】
水和物(WP)は、殺菌・殺カビ剤を、1つ以上の固体希釈剤又はキャリア、1つ以上の湿潤剤及び、好ましくは、1つ以上の分散剤並びに、任意選択的に、液体中の分散を容易にするための1つ以上の懸濁剤と混合することによって調製され得る。次いで、混合物は細粉にすり潰される。類似の組成物はまた、粒状にされて水和性顆粒剤(WG)を形成する。
【0048】
粒剤(GR)は、本発明に係る殺菌・殺カビ剤の混合物と1種以上の粉末固体希釈剤若しくはキャリアとの混合物を粒状にすることによって、又は本発明に係る殺菌・殺カビ剤(若しくは好適な試剤中の、それの溶液)を多孔性の粒状材料(軽石、アタパルジャイドクレー、フラー土、キーゼルグール、珪藻土若しくは粉砕トウモロコシ穂軸などの)に吸収させることによって前もって形成されたブランク顆粒から、又は本発明に係る殺菌・殺カビ剤(若しくは好適な試剤中の、それの溶液)を、硬質のコア材料(砂、シリケート、無機炭酸塩、硫酸塩若しくはリン酸塩などの)上へ吸着させ、必要ならば乾燥させることによって、のいずれかによって形成され得る。吸収又は吸着を支援するために一般的に使用される試剤としては、溶剤(脂肪族及び芳香族石油溶剤、アルコール、エーテル、ケトン及びエステルなどの)並びに固着剤(ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、デキストリン、糖及び植物油などの)が挙げられる。1種以上の他の添加剤(例えば乳化剤、湿潤剤又は分散剤)がまた、粒剤中に含まれ得る。
【0049】
分散性コンセントレート(DC)は、本発明に係る殺菌・殺カビ剤を水又は、ケトン、アルコール若しくはグリコールエーテルなどの、有機溶剤に溶解させることによって調製され得る。これらの溶液は、界面活性剤(例えば水希釈を改善する又はスプレータンクにおける結晶化を防ぐための)を含有し得る。乳剤(EC)又は水中油型エマルジョン(EW)は、本発明に係る殺菌・殺カビ剤を有機溶剤(任意選択的に1種以上の湿潤剤、1種以上の乳化剤又は前記試剤の混合物を含有する)に溶解させることによって調製され得る。ECでの使用のための好適な有機溶媒としては、芳香族炭化水素(SOLVESSO 100、SOLVESSO 150及びSOLVESSO 200によって例示される、アルキルベンゼン又はアルキルナフタレンなどの;SOLVESSOは登録商標である)、ケトン(シクロヘキサノン又はメチルシクロヘキサノンなどの)、アルコール(ベンジルアルコール、フルフリルアルコール又はブタノールなどの)、N-アルキルピロリドン(N-メチルピロリドン又はN-オクチルピロリドンなどの)、脂肪酸のジメチルアミド(C~C10脂肪酸ジメチルアミドなどの)及び塩素化炭化水素が挙げられる。EC製品は、水に添加すると自発的に乳化して、十分な安定性を持ったエマルジョンを生成し、適切な装置による噴霧適用を可能にし得る。EWの調製は、本発明に係る殺菌・殺カビ剤を、液体(それが室温で液体ではない場合、それは妥当な温度、典型的には70度摂氏未満で溶融され得る)としてか溶液(それを適切な溶剤に溶解させることによって)でかのどちらかで得、次いで得られた液体又は溶液を、高いせん断下で、1種以上のSFAを含有する水中へ乳化させてエマルジョンを生成することを伴う。EWでの使用のための好適な溶剤としては、植物油、塩素化炭化水素(クロロベンゼンなどの)、芳香族溶剤(アルキルベンゼン又はアルキルナフタレンなどの)及び水への低い溶解度を有する他の適切な有機溶剤が挙げられる。
【0050】
マイクロエマルション(ME)は、水を、1種以上のSFAありの1種以上の溶剤のブレンドと混合して、熱力学的に安定した等方性液体配合物を自発的に生成することによって調製され得る。本発明に係る殺菌・殺カビ剤は、最初は、水か溶媒/SFAブレンドかのどちら中に存在する。MEでの使用のための好適な溶剤としては、ECでの又はEWでの使用について本明細書で前に記載されたものが挙げられる。MEは、水中油系か油中水系かのどちらかであり得(どちらの系が存在するかは、導電性測定によって決定され得)、水溶性殺虫剤と油溶性殺虫剤とを同じ配合物中で混合するのに好適であり得る。MEは、マイクロエマルションとしてとどまるか従来の水中油型エマルジョンを形成するかのどちらかで、水への希釈に好適である。
【0051】
SC剤(SC)は、本発明に係る殺菌・殺カビ剤の微粉化された不溶性固体粒子の水性又は非水性懸濁液を含み得る。SCは、任意選択的に1種以上の分散剤と共に、好適な媒体中で本発明に係る殺菌・殺カビ剤をボールミル又はビーズミルにかけて、コンパウンドの微細粒子懸濁液を生成することによって調製され得る。そのようなSC剤の固形分は、好ましくは、20~60重量%の範囲にある。1種以上の湿潤剤が、組成物中に含まれ得、粒子が沈降する速度を下げるために懸濁剤が含まれ得る。或いは、本発明に係る殺菌・殺カビ剤は、乾式粉砕され、本明細書で前に記載された試剤を含有する水に添加されて、所望の最終製品を生成し得る。
【0052】
最も好ましい、殺菌・殺カビ剤混合物は、水性SC剤である。
【0053】
殺菌・殺カビ剤混合物は、(例えば湿潤、表面上の保持若しくは分配;又は表面中への吸収を改善することによって)組成物の特性を改善するための1種以上の添加剤を含み得る。以下に明記される添加物について、各場合に互いに独立して、それらが存在しない可能性もある。
【0054】
例えば、界面活性剤などの、界面活性物質。界面活性剤は、例えば、非イオン、アニオン、カチオン及び両性界面活性剤であり得る。
【0055】
アニオン界面活性剤は、例えば、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルアリールスルホネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、N-アルコイルサルコシネート、アシルタウレート、アシルイソチオネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、アルファ-オレフィンスルホネート、特にアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、並びにまたアンモニウム及びトリエタノールアミン塩である。アルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルホスフェート及びアルキルエーテルカルボキシレートは、各場合に、例えば1~10個のエチレンオキシド又はプロピレンオキシド単位、好ましくは1~3個のエチレンオキシド単位を有することができる。ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ラウリルサルコシンナトリウム、オレイルサルコシンナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリエタノールアミンドデシルベンゼンスルホネートが、例えば、好適である。
【0056】
非イオン性乳化剤は、例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル、例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、エトキシル化イソオクチル-、オクチル-又はノニルフェノール、アルキルフェノー若しくはトリブチルフェノールポリグリコールエーテル、トリスステリル(trissteryl)フェニルエーテルエトキシレート、アルキルアリールポリエーテルアルコールなど、イソトリデシルアルコール、ポリオキシエチレン-脂肪アルコールエーテル、ポリオキシエチレン-脂肪酸エステル、例えば、エトキシル化ヒマシ油など、ポリオキシエチレンアルキルエーテル若しくはポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセテート、ソルビトールエステル又はエチレンオキシド及び/若しくはプロピレンオキシドをベースとするブロックコポリマーである。
【0057】
使用される消泡剤は、一般に、界面活性溶液にわずかに可溶である界面活性物質である。好ましい消泡剤は、天然の油脂から誘導されるもの、石油誘導体又はシリコーンオイルである。
【0058】
例えば、芳香族スルホン酸、例えばリグニン-、フェノール-、ナフタレン-及びジブチルナフタレンスルホン酸の、並びにまた脂肪酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム塩、アルキル-及びアルキルアリールスルホネート、アルキル、ラウリルエーテル及び脂肪アルコールスルフェート、並びに硫酸化ヘキサ-、ヘプタ-及びオクタデカノール又は脂肪アルコールグリコールエーテルの塩、硫酸化ナフタレン及びその誘導体とフェノール及びホルムアルデヒドとの縮合生成物、ナフタレンと又はナフタレンスルホン酸とフェノール及びホルムアルデヒドとの縮合生成物の塩、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、エトキシル化イソオクチル-、オクチル-又はノニルフェノール、アルキルフェノール若しくはトリブチルフェノールポリグリコールエーテル、トリスステリル(trissteryl)フェニルエーテルエトキシレート、アルキルアリールポリエーテルアルコール、イソトリデシルアルコール、脂肪アルコールエチレンオキシド縮合物、エトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセテート、ソルビタンエステル、リグノサルファイト廃液又はメチルセルロースなどの、湿潤剤。
【0059】
例えば、鎖長C10~C20の直鎖脂肪族カルボン酸のナトリウム、カリウム及びアンモニウム塩などの、乳化剤。ヒドロキシオクタデカンスルホン酸ナトリウム、鎖長C10~C20のヒドロキシ脂肪酸及びそれらの硫酸化又はアセチル化生成物のナトリウム、カリウム及びアンモニウム塩、またトリエタノールアミン塩としての、アルキルスルフェート、アルキル-(C10~C20)スルホネート、アルキル-(C10~C20)アリールスルホネート、ジメチルジアルキル-(C~C18)アンモニウムクロリド、アシル、アルキル、オレイル及びアルキルアリールオキシエチレート(oxethylate)及びそれらの硫酸化生成物、鎖長C~C18の脂肪族飽和一価アルコールとのスルホコハク酸エステルのアルカリ金属塩、鎖長C10~C12の一価脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテルとのスルホコハク酸4-エステル(二ナトリウム塩)、ポリエチレングリコールノニルフェノールエーテルとのスルホコハク酸4-エステル(二ナトリウム塩)、スルホコハク酸ビス-シクロヘキシルエステル(ナトリウム塩)、リグノスルホン酸、並びにそれのカルシウム、マグネシウム、ナトリウム及びアンモニウム塩、20個のエチレンオキシド基を持ったポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、樹脂酸、水素化及び脱水素化樹脂酸、並びにそれらのアルカリ金属塩、ドデシル化ジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、並びに10重量%の最小含有量のエチレンオキシドを持ったエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー。好ましくは、使用される乳化剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、エトキシル化された(3エチレンオキシド基)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム;オレイルアルコールのポリエチレングリコール(4~20)エーテル、及びノニルフェノールのポリエチレンオキシド(4~14)エーテルである。
【0060】
例えば、カルボキシメチルセルロース、天然及び合成の粉状の、粒状の又はテラテックス様のポリマー、例えばアラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、並びにセファリン及びレシチンなどの、天然リン脂質並びに合成リン脂質、並びにパラフィンオイルなどの、接着剤又は保護コロイド。
【0061】
例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル及びポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテルなどの、展着剤。
【0062】
例えば、無機顔料、例えば酸化鉄、酸化チタン、プルシアンブルー並びに有機染料、例えばアリザリン、アゾ染料及びメタロフタロシアニン染料などの、染料。例えば天然石粉、例えばカオリン、クレイアース、タルク、大理石、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト若しくは珪藻土など、又は合成無機物質、例えば高分散シリカ、酸化アルミニウム及びシリケート、又はそれらの混合物などの固体助剤。緩衝物質、緩衝系又はpH調整剤。
【0063】
例えば、多糖類、キサンタンゴム、ケイ酸ナトリウム若しくはケイ酸マグネシウム、ヘテロ多糖類、アルギネート、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム又はポリアクリル酸、好ましくはキサンタンゴムなどの、増粘剤。
【0064】
パック防腐剤は、例えば、殺生物剤及び殺菌剤である。しかしながら、好ましくは、殺菌・殺カビ剤、特にTBZ及びBBIT以外の他の活性物質は全く使用されない。
【0065】
本発明の組成物は、生物学的活性を有する他の化合物、例えば、類似の若しくは補完的殺菌・殺カビ活性性を有する化合物又は殺虫及び/若しくは殺ダニ及び/若しくは殺藻活性を有する化合物を含有し得る。殺菌・殺カビ剤は、他の殺菌・殺カビ剤と組み合わせることができる。より幅広い範囲の真菌を防除するために他の殺菌・殺カビ剤との組み合わせを使用することができ、それは、多数の種の真菌が存在する場合に、又は種が既知でない場合に特に有用である。
【0066】
別の有効成分の添加は、より広範囲の活性又は生息地における増加した持続性を有する殺菌・殺カビ剤混合物を提供し、活性の相乗作用を与えるか又は本発明に係る殺菌・殺カビ剤の(例えば効果の速度を上げる若しくは撥性を克服することによって)活性を補完し得るか、或いは個々の構成要素への耐性の発現を克服又は防止するのに役立ち得る。
【0067】
本発明の殺菌・殺カビ剤混合物に含められ得る殺菌・殺ガビ性化合物の例は、アザコナゾール、アゾシクロチン、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジクロブトラゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェンブコナゾール、フェンクロラゾール、フェネタニル(fenethanil)、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアフホール、フルコナゾール、ヘキサコナゾール、イプコナゾール、イソゾホス、ミクロブタニル、メトコナゾール、パクロブトラゾール、ペンコナゾール、プロピオコナゾール、プロチオコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアペンテノール、トリフルミゾール、トリチコナゾール、ウニコナゾール並びにそれらの金属塩及び酸付加体などのトリアゾール類;クロトリマゾール、ビホナゾール、クリンバゾール、エコナゾール、フェナパミル、イマザリル、イソコナゾール、ケトコナゾール、ロンバゾール、ミコナゾール、オキスポコナゾール、ペルフラゾエート、プロクロラズ、トリフルミゾール、チアゾールカル、並びにそれらの金属塩及び酸付加体などのイミダゾール類;ベノダニル、ベンゾビンジフルピル、ボスカリド、カルボキシム、カルボキシムスルホキシド、シクラフルラミド、フェンフラム、フルトラニル、フルキサピロキサド、フラメトピル、フルカルバニル、フルメシクロックス、イソフェタミド、イソピラザム、メベニル、メプロニル、メトフロキサム、メトスルフォバックス、ニコビフェン、オキシカルボキシン、ペンチオピラド、ピロカルボリド、オキシカルボキシン、ピジフルメトフェン、シードバックス、チフルザミドなどのコハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤、例えば、アルジモルフ、ジメトモルフ、ドデモルフ、ファリモルフ、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フルモルフ、ピリモルフ、トリデモルフ、トリモルファミド並びに、p-トルエンスルホン酸及びp-ドデシルフェニルスルホン酸のような、それらのアリールスルホン酸塩などのカルベンダジムモルホリン誘導体などのベンズイミダゾール類及びカルバメート;2,6-ジクロロ-N-(4-トリフルオロメチルベンジル)-ベンズアミド、テクロフタラム、ゾキサミドなどのベンズアミド;ホウ酸、ホウ酸エステル、ホウ砂などのホウ素化合物;クロゾリネート、ジメタクロン、イプロジオン、プロシミドン、ビンクロゾリンなどのジカルボキシミド;4,5-ジクロロ-N-オクチルイソチアゾリン-3-オン、N-オクチル-イソチアゾリン-3-オンなどのイソチアゾリノン類;ジヨードメチル-p-トリルスルホン、3-ヨード-2-プロピニルアルコール、4-クロロフェニル-3-ヨードプロパルギルホルマール、3-ブロモ-2,3-ジヨード-2-プロペニルエチルカルバメート、2,3,3-トリヨードアリルアルコール、3-ブロモ-2,3-ジヨード-2-プロペニルアルコール、3-ヨード-2-プロピニル-n-ブチルカルバメート、3-ヨード-2-プロピニル-n-ヘキシルカルバメート、3-ヨード-2-プロピニルシクロヘキシルカルバメート、3-ヨード-2-プロピニルフェニルカルバメートなどのヨード誘導体;トリクロサン、ジクロサン、ヘキサクロロフェン、p-ヒドロキシ安息香酸エステル、o-フェニルフェノール、m-フェニルフェノール、p-フェニルフェノール、4-(2-tert.-ブチル-4-メチルフェノキシ)-フェノール、4-(2-イソプロピル-4-メチル-フェノキシ)-フェノール、4-(2,4-ジメチル-フェノキシ)-フェノール、4-tert.-アミル-フェノール並びにそれらのアルカリ及びアルカリ土類塩などのフェノール類;ブチオベート、フェナリモル、1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオン(及びそれらのCu-、Na-、Fe-、Mn-、Zn塩)、メパニピリン、ヌアリモル、テトラクロロ-4-メチルスルホニルピリジン、メパニピリム、ジピリチオン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2(1H)-ピリジン、ピロキシフル、ピリフェノックス、ピリソキサゾールなどのピリジン類及びピリミジン類;コウモキシストロビン、ジモキシストロビン、エノキサストロビン、ファモキサドン、フェナミンストロビン、フルフェノキシストロビン、クレソキシム-メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコキシストロビン(praoxystrobin)、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピリベンカルブ、トリクロピリカルブ、2,4-ジヒドロ-5-メトキシ-2-メチル-4-[2-[[[[1-[3-(トリフルオロメチル)フェニルエチリデン]アミノ]オキシ]メチル]フェニル]-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オン(CAS-Nr.185336-79-2)などの、メトキシアクリレート又は類似の化合物;金属スズ、銅及び亜鉛と高級脂肪酸、樹脂酸、ナフテン酸及びリン酸との塩などの金属石鹸、例えば、スズ-、銅-、亜鉛ナフテネート、-オクタノエート、2-エチルヘキサノエート、-オレエート、ホスフェート、-ベンゾエート;例えば、酸化トリブチルスズ、CuO、CuO、ZnOなどの、金属スズ、銅及び亜鉛の酸化物などの酸化物;クフラネブ、フェルバン、ナトリウム-N-ヒドロキシメチル-N’-メチルジチオカルバメート、Na-若しくはK-ジメチルジチオカルバメート、マンコゼブ、マンネブ、メタム、メチラム、チラム、ジネブ、ジラムなどのジチオカルバメート;フェンピクロニルなどのピロール類、2,4,5,6-テトラクロロイソフタロジニトリルなどのニトリル;アメトクトラジン、アミスルブロム、アエトザキシン(aethozaxin)、ベンチアバリカルブ、ブピリメート、ジメチリモール、エチリモル、エトリジアゾール、シアゾファミド、エタボキサム、イプロバリカルブ、フェンピラザミン、フルアジナム、スピロキサミン、カルプロパミド、ジフルメトリン、キノキシフェン、オキサジキシル、オフレース、ポリオキソリム、ポリオキシン、ピペラリン、プロパモカルブ、プロチオカルブ、アシベンゾラル-S-メチル、ペンシクロン、フェナマクリルチフルザミド、メタラキシル-M、ベナラキシル-M、フララキシル、ベンチアバリカルブ、メトラフェノン、シフルフェンアミド、チアジニル、ティーツリー油、シルチオファム、トルフェンピラド、トリホリン、フェナリモル、ヌアリモル、ピリブチカルブ、バリフェナレートなどの他の殺菌・殺カビ剤であり、アザコナゾール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジクロブトラゾール、ジニコナゾール、ヘキサコナゾール、メトコナゾール、ペンコナゾール、プロピコナゾール、テブコナゾール、トリアジメホン、フェンピクロニル、ブテナフィン、イマザリル、N-オクチルイソチアゾリン-3-オン、ピリチオン亜鉛、チリチオンナトリウム、カルベンダジム、及び/又は3-ヨード-2-プロピニル-n-ブチルカルバメートなどの殺菌・殺カビ剤が最も好ましい。
【0068】
新混合物
本発明のもっとさらなる態様において、ジフェノコナゾール及びフルジオキソニルからなる群から選択される1種以上の活性物なし又はありのTBZ、BBITを含む殺菌・殺カビ剤混合物が提供される。
【0069】
本発明の混合物の好ましい実施形態に関して、壁板中の活性物質についての及び殺菌・殺カビ剤混合物に関しての上述の特徴はまた、ここでも当てはまるものとする。
【0070】
特に、TBZ及びBBITの合計の殺菌・殺カビ剤重量と、別の殺菌・殺カビ剤、特にフルジオキソニルの重量との重量比は、100:1~2:1、特に50:1~5:1である。
【0071】
好ましくは、TBZ、BBIT、及び、任意選択的な、ジフェノコナゾール及びフルジオキソニルからなる群から好ましくは選択される別の活性物質の量は、殺菌・殺カビ剤混合物中の活性物質の総量を基準として、80重量%超、好ましくは90重量%超、特に95重量%超、より好ましくは98重量%超、特に100重量%からなる。好ましくは本発明の殺菌・殺カビ剤混合物は、ただ1つの殺菌・殺カビ剤として、好ましくはただ1つの活性物質としてTBZ及びBBITを含有する。
【0072】
殺菌・殺カビ剤TBZ:BBITの重量比は、20:1~1:20、特に10:1~1:5、より好ましくは5:1~1:5である。新混合物はまた、上記のようなさらなる成分を含有し得る。
【0073】
本発明はまた、微生物の攻撃及び増殖から壁板を保護するための前記混合物の使用に関する。保護は、上記のような方法で行われ得る。
【0074】
好適なキャリア及び助剤は、固体又は液体であり得、例えば、天然又は再生ミネラル物質、溶剤、分散剤、湿潤剤、粘着性付与剤、増粘剤、バインダー又は肥料である。それらは、公知の方法で便利に配合されて、例えば、乳剤、コート可能なペースト、直接噴霧可能は又は希釈可能な溶液、希釈エマルジョン、水和剤、可溶性粉末、粉剤、粒剤又は、例えばポリマー物質へのカプセル化による、カプセル剤を形成する。殺菌・殺カビ剤混合物の種類と同様に、噴霧、噴霧、ダスティング、スキャッタリング、コーティング又は流し込みなどの、適用の方法は、その場の状況に応じて選択される。
【0075】
殺菌・殺カビ剤混合物は、公知の方法で、典型的には、本発明に係る殺菌・殺カビ剤を、増量剤、例えば、溶剤又は固体若しくは液体キャリア及び、適切な場合、1種以上の界面活性化合物(界面活性剤)と密に混合する、すり潰す及び/又は押し出すことによって調製され得る。
【0076】
本発明のもっとさらなる態様において、紙上の真菌の増殖/まん延の予防及び/又は処置方法であって、ジフェノコナゾール及びフルジオキソニルからなる群から選択される1種以上の活性物質なし又はありのTBZ及びBBITを有効成分として含む殺菌・殺カビ剤混合物で前記紙を処理することを含む方法が提供される。
【0077】
本発明のもっとさらなる態様において、ジフェノコナゾール及びフルジオキソニルからなる群から選択される1種以上の活性物質なし又はありのTBZ及びBBITを有効成分として含む殺菌・殺カビ剤混合物を含む紙製品が提供される。混合物は、上記のような方法で上記に言及された材料に適用され得、殺菌・殺カビ剤は、実施例において規定されるような比率で適用され得る。本発明のもっとさらなる態様において、建材上の真菌の増殖/まん延の予防及び/又は処置方法であって、ジフェノコナゾール及びフルジオキソニルからなる群から選択される1種以上の活性物質なし又はありの殺菌・殺カビ的に有効な量のTBZ及びBBITで前記材料を処理することを含む方法が提供される。
【0078】
本発明のもっとさらなる態様において、建材上での真菌の増殖/まん延の予防及び/又は処置方法であって、ジフェノコナゾール及びフルジオキソニルからなる群から選択される1種以上の活性物質なし又はありの殺菌・殺カビ的に有効な量のTBZ及びBBITで前記材料を処理することを含む方法が提供される。殺菌・殺カビ剤混合物は、上記のような方法で建材に適用され得るし、殺菌・殺カビ剤は、実施例において規定されるような比率で適用され得る。
【0079】
本発明はまた、本発明のような殺菌・殺カビ剤混合物を含む紙製品に関する。
【0080】
本発明は、これから、以下の実施例に関連して説明される。
【実施例
【0081】
実施例1:チアベンダゾール(TBZ)とブチルベンゾチアゾール(BBIT)との混合物の相乗効果
相乗効果という用語は、抗菌性物質の組み合わせの影響が評価される場合に用いられる。2つの異なる活性物質を組み合わせる場合に、通常予測することができないが、適正な試験によって測定されなければならない、幾つかの異なる効果が現れ得る:
- 相加効果
抗菌性物質の組み合わせの相加効果は、組み合わせの効果が個々の構成要素の効果の合計のものに等しいものである。
- 相乗効果
抗菌性物質の組み合わせの相乗作用は、組み合わせの効果が個々の構成要素の相加効果を超える場合に存在する。
- 拮抗効果
拮抗作用は、最も有効な個々の物質の効果と比べて抗菌性物質の組み合わせの減少した効果が観察される場合に存在する。
【0082】
本発明に係る混合物について見出される相乗効果は、以下の数学的数式によって測定することができる(F.C.Kull,P.C.Elisman,H.D.Sylwestrowicz及びP.K.Mayer,Appl.Microbiol.9,538(1961))を参照されたい:
【数1】
式中、
Qa=所望の効果、すなわち、微生物の増殖なしを達成する活性物質混合物中の構成要素Aの量、
=単独で使用される場合に、微生物の増殖を抑える構成要素Aの量、
Qb=微生物の増殖を抑える活性物質混合物中の構成要素Bの量、
=単独で使用される場合に、微生物の増殖を抑える構成要素Bの量。
【0083】
混合物についての比の合計がQa/Q+Q/Q=1の場合、相加性が示され;それが1未満である場合、相乗効果が現れており;1超の値は、拮抗作用を示す。チアベンダゾールとブチルベンゾイソチアゾリノンとの相乗効果。
【0084】
組み合わせの抗微生物効果及び相乗効果を測定するために、活性物質及びそれらのそれぞれの組み合わせの最小阻止濃度(MIC)を測定した。所与の抗菌性化合物の最小阻止濃度は、規定のインビトロ条件下で所与の微生物(例えばバクテリア、カビ真菌、酵母)の増殖を防ぐmg/L(ppm)単位で表される最低濃度である。微生物の増殖は、規定の栄養寒天培地を含有するペトリ皿で観察される。真菌の場合に、この試験設計に係る典型的な菌株は例えば、表1に示されるようなものに似た種となる。
【0085】
【表1】
【0086】
表1において理解できるように、TBZとBBITとの組み合わせによって、真菌種及び比率に応じて、1未満のSI値によって示される、注目に値する相乗的な性能効果を達成することができる。
【0087】
実施例2:石膏ボードハンドシート効力試験(コア保護)
TBZ/BBIT組み合わせの抗真菌性能の検査について、石膏ボードにおける直接試験は、評価のための現実的な及び実際に関連したデータを提供する。これらのデータを得るために、石膏ボードを実験室において製造した。この目的のために、以下に示されるような典型的なスラリーレシピを用いる。
【0088】
石膏ボードレシピ:
スラリー構成要素:
石膏/しっくい(CaSO×0.5HO) 9500g
水道水 5700g
デンプン 285g
【0089】
スラリーは、乾燥した構成要素と湿った構成要素とを一緒に混合することによって形成する。次いでスラリーを混合して均質な稠度を達成する。殺菌・殺カビ性混合物を添加し、混合することによって石膏スラリーの調製中に殺菌・殺カビ剤を組み入れる。石膏コアを挟むために、およそ180g/mの坪量の未処理厚紙(殺菌・殺カビ剤なし)を使用し、プレートの組み立て後にハンドシートを乾燥させる。以下の抗真菌性化合物及びそれぞれの配合物を使用した:
- チアベンダゾール
- ブチルベンゾチアゾール。
【0090】
効力試験のために、2009年のASTM G 21の試験方法を適用した。ただ1つの変更として、ASTM G 21 09によって必要とされるような真菌ミックスに追加して、フザリウムソラニ(Fusarium solani)及びアスペルギルス・ヒラツカエ(Aspergillus hiratsukae)を混合接種剤のさらなる構成要素として含めた。この方法によれば、上記のような製造された及び適正なサイズにカットされた後の石膏ボードを寒天プレート上に置き、最大4週間の決められた期間の間、真菌胞子で表面スポイルする。石膏/しっくい(CaSO×0.5HO)を基準とするppm単位での活性物質のそれぞれの総量は、表に見ることができる。
【0091】
胞子懸濁液を各真菌について生み出す(およそ10/mlの胞子濃度)。ASTM G 21に含まれる生物は、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)(ATCC 9642)、オーレオバシディウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)(ATCC 15233)、カエトミウム・グロボスム(Chaetomium globosum)(ATCC 6205)、グリオクラジウム・ビレンス(Gliocladium virens)(ATCC 6459)及びペニシリウム・ピノフィラム(Penicillium pinophilium)(ATCC 11797)を(純粋培養物として、しかしまた混合接種剤として)含むが、石膏ボードにおいて増殖できることが知られる任意の他の真菌種を、加えて又は代わりに使用し得る。ミネラル寒天(2009年のASTM G21に従った)を、寒天プレートの培養基として使用した。接種前に、石膏ボードハンドシートを及び5×5cmの試験片へカットする。
【0092】
あらゆる濃度レベルについて、3つの試験片を試験に使用する。各サンプルを別個のペトリ皿に入れ、次いで真菌を接種する。次いで、サンプルを28~30℃で28日間培養する。サンプルの事前読み取りを接種のおよそ10日後に行い得る。処理の活性は、真菌の増殖の成長阻害について0~4の格付け系を用いて、目視により評価し得る。
【0093】
観察される増殖 格付け
なし 0
増殖の痕跡(10%未満) 1
軽い増殖(10~30%) 2
中位の増殖(30~60%) 3
重い増殖(60%~完全被覆率) 4
【0094】
結果:
報告される結果は、試験方法ASTM G 21の要件に従って28~30℃での4週間試験後に記録し、表2から理解することができる:
【0095】
【表2】
【0096】
表2の解釈:
対照サンプル(石膏コア中に殺菌・殺カビ剤なし)は、真菌の重い増殖を示す。被験濃度範囲でのTBZ単独は、真菌増殖の防除のために十分に良好ではない。より高い用量でのBBIT単独は、TBZよりも良好であるが、依然として十分に満足できるものではない。意外なことに、示された比率でのTBZとBBITとの混合物は、それぞれの有効成分そのままよりもはるかに良好な効力を示す。石膏/しっくい(CaSO×0.5HO)を基準としている表に示されるppmデータは、壁板を基準とするppm値のおよそ0.8倍に相当することが指摘されるものとする。
【0097】
実施例3:石膏ボードハンドシート効力試験(コア保護)
国際公開第2006/134347号パンフレットによれば、TBZとアゾキシストロビン(AZO)との混合物が、真菌崩壊から壁板を保護するのに高い好適性ありと開示されている。本発明の混合物との比較のために、実施例2に記載されたものと同じ原理に従って比較試行を実施した。この試験で得られた結果を表3にまとめる。
【0098】
【表3】
【0099】
表3の解釈
国際公開第2006/134347号パンフレットは、TBZ及びAZOに基づく混合物を石膏壁板における有効な抗菌剤として記載している。試験結果によれば、TBZ単独もAZO単独も、この試験に使用されるような増量した真菌ミックスに対してASTM G 21試験に合格するのに十分に良好ではない。表3に示されるようにTBZをAZOと組み合わせることによって、それらは、300ppm混合物(乾燥化粧しっくい基準)の試験用量で効力をすでに示している。しかしながら、直接比較において、TBZとBBITとの新しい本発明の組み合わせは、ある種の真菌について100ppmに始まるより低い用量でさえも非常に良好な効果を示す。これは、先行技術混合物よりも明らかに優れている。