(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-06
(45)【発行日】2023-06-14
(54)【発明の名称】抽出バッグ用シート製造方法および製造装置
(51)【国際特許分類】
B65B 29/04 20060101AFI20230607BHJP
【FI】
B65B29/04
(21)【出願番号】P 2019029772
(22)【出願日】2019-02-21
【審査請求日】2021-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】393027121
【氏名又は名称】シブヤパッケージングシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】今岡 範央
(72)【発明者】
【氏名】砂田 雅弘
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-064769(JP,A)
【文献】米国特許第5511359(US,A)
【文献】特開2013-018508(JP,A)
【文献】特開昭47-000314(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タグを保持するタグ保持部と糸をガイドする糸ガイド部とが設けられた作業プレートを間欠移動させつつ、タグに糸を取り付けた後に、糸が取り付けられたタグと糸をシートに取り付ける抽出バッグ用シート製造方法であって、
タグ供給位置において、前記タグ保持部にタグを供給する工程と、
糸取付位置において、前記タグ保持部に保持されるタグに糸を供給して取り付けるとともに、所定の長さで糸を切断する工程と、
糸巻き取り位置において、タグに取り付けられた糸を巻き取る工程と、
タグ/糸取付位置において、糸が接合されたタグと糸をシートに取り付ける工程と
を有することを特徴とする抽出バッグ用シート製造方法。
【請求項2】
シートにタグと糸を取り付ける抽出バッグ用シート製造装置であって、
タグを保持するタグ保持部と糸をガイドする糸ガイド部とを有する作業プレートと、
前記作業プレートを周囲に複数配置した回転体と、
前記作業プレートを少なくとも第1~第4停止位置で停止させながら前記回転体を間欠回転させる駆動手段と、
前記第1停止位置において、前記タグ保持部にタグを供給するタグ供給手段と、
前記第2停止位置において、前記タグ保持部により保持されるタグに糸を供給する糸供給手段と、
前記第2停止位置において、タグに糸を取り付ける第1取付手段と、
前記第2停止位置において、前記糸供給手段から供給された糸を切断する糸切断手段と、
前記第3停止位置において、糸が取り付けられたタグを回転させて糸を巻き取る糸巻取り手段と、
前記第4停止位置において、前記作業プレートの上方にシートを供給するシート供給手段と、
前記第4停止位置において、糸が取り付けられたタグと糸をシートに取り付ける第2取付手段と
を備えることを特徴とする抽出バッグ用シート製造装置。
【請求項3】
前記糸巻取り手段が、タグを吸着保持する吸着アームと、前記吸着アームを昇降するアーム昇降手段と、前記吸着アームを回転させるアーム回転手段と、糸を保持する糸保持手段とを備え、
前記アーム昇降手段が、前記糸保持手段により糸が保持される高さを基準として、前記吸着アームが90度回転する毎に前記吸着アームを上下に昇降する
ことを特徴とする請求項2に記載の抽出バッグ用シート製造装置。
【請求項4】
前記糸巻取り手段が、前記作業プレートに回転可能に取り付けられたタグ保持部と、前記タグ保持部の回転軸に設けられたギヤと、前記第3停止位置に停止した前記作業プレートのギヤと係合可能な駆動ギヤと、前記駆動ギヤを回転駆動する駆動手段と、前記駆動ギヤを、前記ギヤと係合する係合位置と前記ギヤと係合しない退避位置との間で移動するギヤ移動手段とを備え、
前記作業プレートが前記第3停止位置に停止すると、前記ギヤ移動手段が前記駆動ギヤを係合位置に移動し、前記駆動ギヤを所定量回転させる
ことを特徴とする請求項2に記載の抽出バッグ用シート製造装置。
【請求項5】
タグを保持するタグ保持部と糸をガイドする糸ガイド部とが設けられた作業プレートを間欠移動させつつ、タグに糸を取り付けた後に、糸が取り付けられたタグと糸をシートに取り付ける抽出バッグ用シート製造方法であって、
タグ供給位置において、前記タグ保持部にタグを供給する工程と、
糸取付位置において、前記タグ保持部に保持されるタグに糸を供給して取り付けるとともに所定の長さで糸を切断する工程と、
タグ/糸取付位置において、糸が取り付けられたタグと糸をシートに取り付ける工程とを有し、
前記作業プレートが、前記糸取付位置から前記
タグ/糸取付位置へ移動する過程にお て、前記タグ保持部が回転され、前記タグ保持部において糸が巻き取られる
ことを特徴とする抽出バッグ用シート製造方法。
【請求項6】
シートにタグと糸を取り付ける抽出バッグ用シート製造装置であって、
タグを保持するタグ保持部と糸をガイドする糸ガイド部とを有する作業プレートと、
前記作業プレートを周囲に複数配置した回転体と、
前記作業プレートを少なくとも第1~第3停止位置で停止させながら前記回転体を間欠回転させる駆動手段と、
前記第1停止位置において、前記タグ保持部にタグを供給するタグ供給手段と、
前記第2停止位置において、前記タグ保持部により保持されるタグに糸を供給する糸供給手段と、
前記第2停止位置において、タグに糸を取り付ける第1取付手段と、
前記第2停止位置において、前記糸供給手段から供給された糸を切断する糸切断手段と、
前記第2停止位置から前記第3停止位置への移動において、糸が取り付けられたタグを回転させて糸を巻き取る糸巻取り手段と、
前記第3停止位置において、前記作業プレートの上方にシートを供給するシート供給手段と、
前記第3停止位置において、糸が取り付けられたタグと糸をシートに取り付ける第2取付手段と
を備えることを特徴とする抽出バッグ用シート製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抽出バッグ用シート製造方法および抽出バッグ用シート製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タグ付きの糸が取り付けられた通水ろ過性シートから形成されたバッグに、お茶やハーブなどの茶葉を封入したものが知られている。抽出バッグの製造では、先に通水ろ過性シートの原反にタグ付きの糸が取り付けられ、その後、同原反から抽出バッグが成形される。タグ付きの糸を原反に取り付ける際には、タグに取り付けられた糸を糸掛装置により複数のピンに掛け回して糸の回旋パターンを形成し、これをタグとシートの間に挟んだ状態で接着している(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1等の構成では、糸掛装置の構成が複雑で大型化するためコスト高となる。
【0005】
本発明は、簡素かつコンパクトな構成で抽出バッグ用シートを製造する方法および装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の発明である抽出バッグ用シート製造方法は、タグを保持するタグ保持部と糸をガイドする糸ガイド部とが設けられた作業プレートを間欠移動させつつ、タグに糸を取り付けた後に、糸が取り付けられたタグと糸をシートに取り付ける抽出バッグ用シート製造方法であって、タグ供給位置において、前記タグ保持部にタグを供給する工程と、糸取付位置において、前記タグ保持部に保持されるタグに糸を供給して取り付けるとともに、所定の長さで糸を切断する工程と、糸巻き取り位置において、タグに取り付けられた糸を巻き取る工程と、タグ/糸取付位置において、糸が接合されたタグと糸をシートに取り付ける工程とを有することを特徴としている。
【0007】
本発明の第2の発明である抽出バッグ用シート製造装置は、シートにタグと糸を取り付ける抽出バッグ用シート製造装置であって、タグを保持するタグ保持部と糸をガイドする糸ガイド部とを有する作業プレートと、前記作業プレートを周囲に複数配置した回転体と、前記作業プレートを少なくとも第1~第4停止位置で停止させながら前記回転体を間欠回転させる駆動手段と、前記第1停止位置において、前記タグ保持部にタグを供給するタグ供給手段と、前記第2停止位置において、前記タグ保持部により保持されるタグに糸を供給する糸供給手段と、
前記第2停止位置において、タグに糸を取り付ける第1取付手段と、前記第2停止位置において、前記糸供給手段から供給された糸を切断する糸切断手段と、前記第3停止位置において、糸が取り付けられたタグを回転させて糸を巻き取る糸巻取り手段と、前記第4停止位置において、前記作業プレートの上方にシートを供給するシート供給手段と、前記第4停止位置において、糸が取り付けられたタグと糸をシートに取り付ける第2取付手段とを備えることを特徴としている。
【0008】
本発明の第3の発明である抽出バッグ用シート製造装置は、第2の発明において、前記糸巻取り手段が、タグを吸着保持する吸着アームと、前記吸着アームを昇降するアーム昇降手段と、前記吸着アームを回転させるアーム回転手段と、糸を保持する糸保持手段とを備え、前記アーム昇降手段が、前記糸保持手段により糸が保持される高さを基準として、前記吸着アームが90度回転する毎に前記吸着アームを上下に昇降することを特徴としている。
【0009】
本発明の第4の発明である抽出バッグ用シート製造装置は、第2の発明において、前記糸巻取り手段が、前記作業プレートに回転可能に取り付けられたタグ保持部と、前記タグ保持部の回転軸に設けられたギヤと、前記第3停止位置に停止した前記作業プレートのギヤと係合可能な駆動ギヤと、前記駆動ギヤを回転駆動する駆動手段と、前記駆動ギヤを、前記ギヤと係合する係合位置と前記ギヤと係合しない退避位置との間で移動するギヤ移動手段とを備え、前記作業プレートが前記第3停止位置に停止すると、前記ギヤ移動手段が前記駆動ギヤを係合位置に移動し、前記駆動ギヤを所定量回転させることを特徴としている。
【0010】
本発明の第5の発明である抽出バッグ用シート製造方法は、タグを保持するタグ保持部と糸をガイドする糸ガイド部とが設けられた作業プレートを間欠移動させつつ、タグに糸を取り付けた後に、糸が取り付けられたタグと糸をシートに取り付ける抽出バッグ用シート製造方法であって、タグ供給位置において、前記タグ保持部にタグを供給する工程と、糸取付位置において、前記タグ保持部に保持されるタグに糸を供給して取り付けるとともに所定の長さで糸を切断する工程と、タグ/糸取付位置において、糸が取り付けられたタグと糸をシートに取り付ける工程とを有し、前記作業プレートが、前記糸取付位置から前記タグ/糸取付位置へ移動する過程において、前記タグ保持部が回転され、前記タグ保持部において糸が巻き取られることを特徴としている。
【0011】
本発明の第6の発明である抽出バッグ用シート製造装置は、シートにタグと糸を取り付ける抽出バッグ用シート製造装置であって、タグを保持するタグ保持部と糸をガイドする糸ガイド部とを有する作業プレートと、前記作業プレートを周囲に複数配置した回転体と、前記作業プレートを少なくとも第1~第3停止位置で停止させながら前記回転体を間欠回転させる駆動手段と、前記第1停止位置において、前記タグ保持部にタグを供給するタグ供給手段と、前記第2停止位置において、前記タグ保持部により保持されるタグに糸を供給する糸供給手段と、前記第2停止位置において、タグに糸を取り付ける第1取付手段と、前記第2停止位置において、前記糸供給手段から供給された糸を切断する糸切断手段と、前記第2停止位置から前記第3停止位置への移動において、糸が取り付けられたタグを回転させて糸を巻き取る糸巻取り手段と、前記第3停止位置において、前記作業プレートの上方にシートを供給するシート供給手段と、前記第3停止位置において、糸が取り付けられたタグと糸をシートに取り付ける第2取付手段とを備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡素かつコンパクトな構成で抽出バッグ用シートを製造する方法および装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態である抽出バッグ用シート製造装置の一部の平面図である。
【
図2】
図1の抽出バッグ用シート製造装置をA方向から見た縦断面図である。
【
図3】タグ供給ステージおよび糸巻取りステージに沿った抽出バッグ用シート製造装置の模式的側面図である。
【
図4】糸供給ステージおよびタグ/糸取付ステージに沿った抽出バッグ用シート製造装置の模式的側面図である。
【
図5】作業プレートの糸ガイド部に沿った縦断面図である。
【
図6】作業プレートを回転部の径方向外側からの見た図である。
【
図8】糸供給ステージにおける糸巻取り前の作業プレート上の糸の状態、および糸がタグの周りに巻き取られた状態を示す平面図である。
【
図9】タグ/糸取付ステージにある作業プレートのタグ保持部での横断面図である。
【
図10】所定ピッチで糸の端部と糸が付けられたタグとが取り付けられたシートの平面図である。
【
図11】第2実施形態のタグ供給ステージ、糸供給ステージ、糸巻取りステージ、タグ/糸取付ステージにおける作業プレートの斜視図である。
【
図12】第3実施形態の抽出バッグ用シート製造装置の一部の平面図である。
【
図13】第3実施形態のタグ供給ステージ、糸供給ステージ、タグ/糸取付ステージにおける作業プレートの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態である抽出バッグ用シート製造装置の一部の平面図である。
図2は、
図1の抽出バッグ用シート製造装置をA方向から見た縦断面図である。
【0015】
本実施形態の抽出バッグ用シート製造装置10では、タグTに糸Sを取り付けた後、糸Sを巻取り、巻き取られた糸SとタグTを抽出バッグのシートFに取り付ける。本実施形態の抽出バッグ用シート製造装置10は、回転部(回転体)12の外周に放射状に設けられた複数の作業プレート14を備え、各作業プレート14は、回転部12に一体的に設けられる。本実施形態では、回転部12に例えば4つの作業プレート14が90度毎に設けられる。回転部12は、駆動モータ16により間欠的に回転駆動され、作業プレート14は回転部12の外周に沿って所定位置に所定時間停止されながら回転移動される。
【0016】
各作業プレート14では、各停止位置において異なる工程の作業が行われる。本実施形態では、作業プレート14が90度回転されるごとに停止され、4つの作業プレート14では、異なる工程の作業が同時に実施される。すなわち、1つの作業プレート14が回転部12の周りを一周する間に、4つのステージの作業工程が順次実施される。
【0017】
4つのステージは、例えば順に、タグ供給ステージST1、糸供給ステージST2、糸巻取りステージST3、タグ/糸取付ステージST4である。
図1では、回転部12の左側が第1ステージであるタグ供給ステージST1として利用され、そこから時計回りに90度回転した回転部12の上側が第2ステージである糸供給ステージST2、更に90度(第1ステージから180度)回転した回転部12の右側が第3ステージである糸巻取りステージST3、更に90度(第1ステージから270度)回転した回転部12の下側が第4ステージのタグ/糸取付ステージST4として利用される。
【0018】
作業プレート14は、回転部12側に配置されるタグ保持部14Aと、タグ保持部14Aよりも径方向外側に配置される糸ガイド部14Bとを備える。タグ保持部14Aの周囲には、タグ保持部14Aに載せられたタグTの外周に係合し、その回転を防止する部材として、複数のピン18が設けられる。ピン18はタグTの外周の少なくとも3辺に係合するように配置され、本実施形態において、タグTは例えば正方形であり、5本のピン18がタグ保持部14Aの周囲に配置される。
【0019】
一方、糸ガイド部14Bは、径方向に向けて直線的に配置される。後述するように、糸Sは、糸供給ステージST2において糸ガイド部14Bに沿って径方向外側から繰り出され、その先端がタグTに取り付けられる。
【0020】
本実施形態の回転部12の上部中央には、タグ保持部14Aに載せられたタグTの移動中の位置ずれを防止するための支持アーム機構12Aが、4つの作業プレート14の各々に対応して1台ずつ設けられる。支持アーム機構12Aは、各作業プレート14に対面して回転部12に設けられ、回転部12が回転されると、作業プレート14とともに一体的に回転される。
【0021】
各作業プレート14は、エアシリンダ12Bなどのアクチュエータにより往復動される四節リンク機構で構成され、回転部12が回転する際には、径方向外側へと延出して各作業プレート14に載置されたタグTをタグ保持部14Aとの間にクランプし、停止中(作業中)は径方向内側に引っ込められてクランプ状態を解除する。なお、
図2には、径方向内側に引っ込められ、クランプ状態が解除された状態の支持アーム機構12Aが実線で描かれ、径方向外側に延出されタグTをクランプした状態の支持アーム機構12Aの一部が破線で描かれる。
【0022】
図3(a)は、タグ供給ステージST1および糸巻取りステージST3に沿った模式的側面図であり、
図4は、糸供給ステージST2およびタグ/糸取付ステージST4に沿った模式的側面図である。
図3(a)には、左側にタグ供給ステージST1、右側に糸巻取りステージST3が示され、
図4には、左側にタグ/糸取付ステージST4、右側に糸供給ステージST2が示される。なお、
図3(b)には、糸巻取りステージST3の作業プレート14を径方向内側に見た断面図が示される(後述)。
【0023】
図3(a)の左側に示されるように、タグTは、タグ供給ステージST1にテープTPの状態で供給される。タグ供給ステージST1において、作業プレート14のタグ保持部14Aの上方には吸着ヘッド22Aが昇降可能に配置される。テープTPの先端は、タグ保持部14Aの上方において吸着ヘッド22Aにより吸着保持され、カッタ22BによりテープTPの先端部がタグTの大きさに裁断される。吸着ヘッド22Aは、裁断されたタグTを保持したまま下降され、タグ保持部14AにタグTを載置した後、吸着を解除して上昇され、新たに繰り出されるテープTPの先端を吸着保持する。その後、回転部12が回転され、次の作業プレート14がタグ供給ステージST1に停止すると同様の処理が繰り返される。
【0024】
第1ステージであるタグ供給ステージST1において、タグTがタグ保持部14Aに供給された作業プレート14は、回転部12の回転により、第2ステージである糸供給ステージST2へと移動される。
図4の右側に示されるように、糸供給ステージST2において、作業プレート14の径方向外側に設けられた糸供給部から繰り出される糸Sの先端をクランプしてタグ保持部14A上のタグTの上にまで糸Sを引き出す、糸クランプ装置(糸供給手段)24が配置される。
【0025】
糸クランプ装置24は、糸Sの先端近くを把持する糸クランプ24Aを備え、糸クランプ24Aは、作業プレート14の糸ガイド部14Bに沿って、その上方を回転部12の径方向に往復動可能であるとともに昇降可能である。作業プレート14の径方向外側には、糸Sを切断し、切断された糸Sの先端を保持する台座24Bが配置される。台座24Bの上方には、径方向外側から押さえ部材24Cとカッタ(切断手段)24Dが配置される。
【0026】
糸クランプ24Aにより、作業プレート14上のタグTの上にまでその先端部が引き出された糸Sは、径方向に沿って水平に張られ、作業プレート14上では、糸ガイド部14Bに沿って配置される。このとき糸Sは、台座24Bの上で押さえ部材24Cにより台座24Bとの間にクランプされ、カッタ24Dにより、押さえ部材24Cよりも作業プレート14側が切断される。なお、作業プレート14の糸ガイド部14Bには、切断された糸Sを作業プレート14に保持するための機構が設けられるが、同機構に関しては
図1、
図5、
図6を参照して後述する。
【0027】
供給ステージST2において、タグ保持部14Aの上方には糸SをタグTに取り付けるため手段として、例えばホーン(第1取付手段)26が昇降自在に設けられる。糸クランプ24Aにより、その先端部がタグ保持部14A上のタグTの上に載せられた状態において、ホーン26がタグTに当接するまで下降され、例えば超音波により糸Sの先端部がタグTに溶着される。
【0028】
糸Sの先端がタグTに取り付けられると、糸クランプ24Aは、糸Sを解放し、回動部12の径方向外側に向けて移動し、台座24Bと押さえ部材24Cの間に保持された糸Sの先端部近くを把持する。その後、回転部12が回転され、次の作業プレート14がタグ供給ステージST2に停止すると糸Sを把持した糸クランプ24Aは、作業プレート14に向けて回転部12の径方向に沿って移動され、糸Sの先端部をタグ保持部14Aの上に配置し、同様の処理が繰り返される。
【0029】
なお、糸クランプ装置24が径方向に沿って移動する際、糸クランプ24Aは上方に持ち上げられており、最も外側に位置する、台座24Bの糸供給部側で糸Sをクランプするクランプ位置と、最も内側に位置する、糸Sの先端部をタグTの上に保持する保持位置とにおいて、糸クランプ24Aは作業プレート14の上面の高さまで下降される。
図4には、クランプ位置および保持位置にある糸クランプ装置24と、その間を移動する糸クランプ装置24が描かれている。
【0030】
図5は、作業プレート14の糸ガイド部14Bに沿った縦断面図であり、
図6は、作業プレート14を回転部12の径方向外側からの見た図である。
【0031】
作業プレート14の中央には、回転部12の径方向に沿って糸Sを通すための直線的に溝が設けられており、糸ガイド部14Bのタグ保持部14Aに隣接する位置には、保持位置にある糸クランプ24Aの先端が挿入される凹部140が設けられる。糸ガイド部14Bの溝には、凹部140側から径方向外側に向けて、順に3つの孔142、144、146が設けられる。孔142、144、146は、次の第3ステージである糸巻取りステージST3において利用される。
【0032】
孔146と径方向外側の端部を連絡する溝端部148は、上下に連通され、下方から糸ストッパ28が挿入される。糸ストッパ28の下端部は軸28A周りに回転自在であり、軸28Aの周囲に巻回されるねじりバネ28Bにより一方に回転付勢される。これにより糸ストッパ28の先端は、溝端部148の一方の壁面に向けて押接され、糸ストッパ28は、ねじりバネ28Bの付勢力により、溝端部148を通る糸Sを溝端部148の壁面との間にクランプできる。軸28Aは、支持部材14Cを通して作業プレート14に固定され、ねじりバネ28Bの一端は糸ストッパ28に、他端は支持部材14Cに取り付けられる。なお、糸ストッパ28と支持部材14Cの構成は、全ての作業プレート14に設けられるが、
図1では、糸供給ステージST2にのみ図示される。
【0033】
糸ストッパ28の下方には操作レバー28Cが設けられ、糸ストッパ28のクランプ状態からの解放は、糸供給ステージS2に設けられたリリース用エアシリンダ30などのアクチュエータにより、操作レバー28Cを操作することにより行われる。すなわち、糸供給ステージS2には、操作レバー28Cをねじりバネ28Bの付勢力に抗して軸28A周りに回動するエアシリンダ30が設けられ、リリース用エアシリンダ30が操作レバー28Cを押すと糸ストッパ28は解放され、エアシリンダ30が操作レバー28Cから離れると糸ストッパ28はねじりバネ28Bの付勢力により閉じられる。
【0034】
なお、リリース用エアシリンダ30が操作レバー28Cを操作可能な位置にあると、作業プレート14が回転移動する際、操作レバー28Cがリリース用エアシリンダ30に干渉する。そのため本実施形態では、リリース用エアシリンダ30は、退避用エアシリンダ32などのアクチュエータに取り付けられており、糸ストッパ28のリリース操作が不要になると、退避用エアシリンダ32は、操作レバー28Cと干渉しない位置まで、リリース用エアシリンダ30を退避させる。
図1の例では、リリース用エアシリンダ30は退避用エアシリンダ32により回転部12の径方向に往復移動される。
【0035】
糸ストッパ28は、タグT上にまで引き出された糸Sが台座24Bで切断される前に糸Sをクリップし、切断された糸Sが作業プレート14が回転移動される際、糸ガイド部14Bの溝から外れることが防止される。
【0036】
糸供給ステージST2において、糸SがタグTに取り付けられるとともに糸Sが所定の長さに切断されると、退避用エアシリンダ32によりリリース用エアシリンダ30が退避位置に移動され、作業プレート14は回転部12の回転により糸巻取りステージST3に移動される。
【0037】
図3(a)の右側に示されるように、第1実施形態の糸巻取りステージST3では、タグ保持部14Aの上方に昇降および回転可能な吸着/回転ヘッド(糸巻取り手段)34が配置される。吸着/回転ヘッド34は、作業プレート14が糸巻取りステージST3に停止すると下降され、タグ保持部14Aに保持されるタグTを吸着・保持する。なお、吸着/回転ヘッド34は、
図7の側面図を示されるように、タグTを吸着・保持するための吸着ヘッド34Aと、回転軸に吸着ヘッド34Aが取り付けられ、吸着ヘッド34Aを垂直軸周りに回転するためのモータ34Bと、モータ34Bを昇降するための昇降機構34Cとを備える。
【0038】
糸巻取りステージST3において、作業プレート14の孔142、144の下方には、孔142、144の下方から上方へと各々挿通される糸ガイド部材36が設けられ、孔146の下方には、孔146の下方から上方へと各々挿通される糸押さえ部材38が設けられる。一方、孔142、144の上方の所定の高さには、各孔142、144を通して上昇された糸ガイド部材36の頂部がその底面と当接する固定ガイド部材40が配置され、孔146の上方の所定の高さには、孔146を通して上昇された糸押さえ部材38の頂部が当接する固定ガイド部材42が設けられる。固定ガイド部材40、42の底面高さは同じ高さに設定され、糸ガイド部材36および糸押さえ部材38の昇降は図示しない昇降機構により同時に行われる。
【0039】
糸ガイド部材36および糸押さえ部材38の頂面には、タグTに取り付けられ、糸ガイド部14Bの溝に配置された糸Sを収容する溝が、糸ガイド部14Bに沿って設けられる。すなわち、糸ガイド部材36および糸押さえ部材38が、孔142、144、146に挿通されると、糸ガイド部14Bの溝に収容されていた糸Sは、糸ガイド部材36および糸押さえ部材38の頂面の溝に収容される。
【0040】
糸ガイド部材36および糸押さえ部材38の上昇は、タグTを吸着・保持した吸着/回転ヘッド34の上昇に同期して行われる。糸ガイド部14Bの溝に収容されていた糸Sは、吸着/回転ヘッド34、糸ガイド部材36、糸押さえ部材38の上昇により、固定ガイド40、42により規定される所定の高さまで持ち上げれる。このとき、糸ストッパ28により溝端部148にクランプされている糸Sは、糸Sの上昇に合わせてクランプされた状態を維持しながら引き出される。
【0041】
糸ガイド部材36および糸押さえ部材38の頂面が固定ガイド40、42に当接する位置に達すると、吸着/回転ヘッド34および糸ガイド部材36、糸押さえ部材38の上昇は停止される。固定ガイド40の底面は平面として構成され、糸ガイド部材36の頂面の溝と固定ガイド40の底面との間に収容された糸Sは、溝内において自由に移動可能とされる。一方、固定ガイド42の底面には、糸押さえ部材38の頂面の溝に嵌合する凸部が設けられる。すなわち、糸押さえ部材38の頂面が固定ガイド42の底面に当接すると、糸Sは、糸押さえ部材38の頂面の溝と固定ガイド42の底面の凸部に挟まれ、一定の力で保持される。
【0042】
固定ガイド40、42により規定される上記所定の高さは、吸着/回転ヘッド34による糸Sの巻取り高さに対応する。吸着/回転ヘッド34は、同高さに達すると巻取り高さを中心に上下動しながら所定方向への回転(
図1では時計回りの回転)を開始し、糸Sの巻取り作業を開始する。巻取り作業において、吸着/回転ヘッド34は、巻取り高さから数ミリ上昇して90度回転し、その後、巻取り高さから数ミリ下降して90度回転する動作を繰り返し、タグTの4隅に糸Sを引掛けてその周囲に糸Sを巻き付ける。このとき糸Sは、溝端部148および糸押さえ部材38においてその縦横方向の位置が保持されながらも、糸Sの長手方向に沿って移動し、タグTに巻き取られる。なお、
図3には、上記3つの高さにあるタグTが描かれている。
【0043】
図8(a)は、糸供給ステージST2における糸巻取り前の作業プレート14上の糸Sの状態を示す平面図であり、
図8(b)は、糸巻取りステージST3において、糸SがタグTの周りに巻き取られ、タグ保持部14Aに戻された状態を示す平面図である。
【0044】
図8(b)に示されるように、糸Sの巻取りは、糸Sの端部が溝端部148に達し保持された状態で終了し、吸着/回転ヘッド34の回転は停止される。回転が停止されると、吸着/回転ヘッド34は、糸ガイド部材36および糸押さえ部材38とともに下降され、糸Sが巻き付けられたタグTをタグ保持部14Aに載置し、吸着を解除する。なお、図示例において、糸が巻き付けられたタグTは、巻き付け作業前に対して45度傾いた配置でタグ保持部14Aに戻され、タグTの4辺がタグ保持部14Aの周囲に設けられた5つのピン18によって係止される。
【0045】
糸巻取りステージST3において、糸Sの巻取りが終了すると、作業ステージ14は、90度回転されて、タグ/糸取付ステージST4へ移動される。
図1、
図4、
図9に示されるように、タグ/糸取付ステージST4においては、作業プレート14の頂面の僅か上方には、シートFが回転部12の接線方向に水平に走行される。シートFは、例えば上方から繰り出され、ローラ40などにより、前述の位置および方向でシートFが走行するように構成される。なお、
図9は、タグ/糸取付ステージST4にある作業プレート14のタグ保持部14Aでの横断面図である。
【0046】
作業プレート14の下方には、孔146およびタグ保持部14Aの中央に設けられた孔149に対応する位置に、シートFにタグTおよび糸Sの端部を取り付けるため手段として、ホーン(第2取付手段)46A、46Bが昇降自在に配置され、作業プレート14上を走行するシートFの僅かに上方には、ホーン46A、46Bを押し当てるためのアンビル48が配置される。
【0047】
作業プレート14がタグ/糸取付ステージST4に停止すると、シートFの走行も停止され、ホーン46A、46Bが上昇される。これによりホーン46A、46Bの先端は、作業プレート14の下方から孔149、146にそれぞれ挿通し、ホーン46Aは、タグTをシートFを挟んでアンビル48に押し当て、ホーン46Bは、糸Sの端部をシートFを挟んでアンビル48に押し当てる。これにより、タグTおよび糸Sの端部がシートFに溶着される。
【0048】
この後、シートFは所定ピッチ分送り出され、シートFに取り付けられたタグTおよび糸SはシートFとともに下流側へと移動される。また、タグTおよび糸SをシートFに受け渡した作業プレート14は、タグ供給ステージST1へと移動されるとともに、糸巻取りステージST3において糸Sが巻き取られた糸付きタグが、次の作業プレート14に載せられた状態でタグ/糸取付ステージST4へと移動され、同様の作業が繰り返される。
【0049】
これにより、
図10のシートFの平面図に示されるように、シートFには、所定ピッチで糸Sの端部と糸Sが取り付けられたタグTが取り付けられる。糸付きタグが取り付けられたシートFは下流側へと搬送され、袋状にされて茶葉等の充填物を投入後、個別のティーバッグに裁断される。
【0050】
以上のように、第1実施形態によれば、複雑な糸掛装置などを設けることなく、簡素かつコンパクトな構成で抽出バッグ用シートを製造することができる。
【0051】
次に
図11を参照して、第2実施形態の抽出バッグ用シート製造装置について説明する。
【0052】
第1実施形態では、吸着/回転ヘッド34で吸着するタグTを回転して、タグTの4隅に糸Sを掛け回して、糸Sを巻き取ったが、第2実施形態の抽出バッグ用シート製造装置では、作業プレートのタグ保持部を回転させて糸の巻取りを行う。すなわち、作業プレートと糸を巻き取るための構成が第1実施形態と異なるが、その他の構成に関しては、第1実施形態と同様である。以下の説明では、第1実施形態と異なる構成についてのみ説明し、同一の構成に関しては同一参照符号を用い、その説明を省略する。
【0053】
図11(a)~(d)の斜視図には、タグ供給ステージST1、糸供給ステージST2、糸巻取りステージST3、タグ/糸取付ステージST4の各位置における第2実施形態の作業プレート50の作業工程が模式的に示される。
【0054】
図11(a)~(d)に示されるように、作業プレート50のタグ保持部50Aは、作業プレート50の回転部12側に回転可能に設けられ、タグ保持部50Aは、例えば作業プレート50の下方に配置されるギヤ52を回転することにより、作業プレート50上において回転される。また、タグ保持部50Aの周囲には、バネ等の付勢手段により上向に付勢され、タグ保持部50Aに載置されたタグTの4辺に係合する4本のピン54が設けられる。
【0055】
作業プレート50のタグ保持部50Aよりも径方向外側には、糸ガイド部50Bが設けられる。糸ガイド部50Bは、径方向外側に糸Sが挿入される溝56Aを備える固定糸ガイド部56と、タグ保持部50Aと固定糸ガイド部56との間にあって、3対のピンの間に糸Sと通して固定糸ガイド部56からタグ保持部50Aへと糸Sを案内する6本の昇降ピン58とを備える。昇降ピン58は、バネ等の付勢手段により上向に付勢されている。
【0056】
図11(a)に示されるタグ供給ステージST1では、カッタ22BによりテープTPから切り出されたタグTが吸着ヘッドなどの保持手段を通してタグ保持部50Aに供給される。タグ保持部50AにタグTが供給されると、第1実施形態と同様に、作業プレート50は回転部12により、
図11(b)に示される糸供給ステージST2まで回転移動される。
【0057】
糸供給ステージST2では、
図4の糸クランプ25などを用いて、糸Sの先端がタグ保持部50Aに保持されるタグTの上にまで引き出され、ホーン26により糸Sの先端部がタグTに溶着される。また、このとき糸Sは、溝56Aと3対の昇降ピン58の間に通され、その位置が保持される。糸Sは、台座24Bの上で押さえ部材24Cにより台座24Bとの間にクランプされ、カッタ24Dにより、押さえ部材24Cよりも作業プレート50側が切断される。
【0058】
その後、作業プレート50は、90度回転されて、
図11(c)に示される糸巻取りステージST3へと移動される。糸巻取りステージST3には、モータ60Aに接続され、タグ保持部50Aに接続されるギヤ52に向けて移動可能なギヤ60Bが設けられる。ギヤ60Bは、作業プレート50が巻取りステージST3に停止すると、ギヤ52に向けて例えば水平移動される。これにより、ギヤ60Bはギヤ52と係合され、モータ60Aが回転されるとタグ保持部50Aが回転される。タグ保持部50Aが回転すると、タグTに取り付けられた糸Sは、タグ保持部50Aの周囲に配置された4本のピン54に絡めとられる。
【0059】
糸Sの巻取りは、糸Sの端部がタグ保持部50Aよりの昇降ピン58の間に挟まれた状態で終了される。糸Sの巻取りが終了すると、ギヤ52と係合するギヤ60Bが退避位置にまで戻され、作業プレート50が回転部12の周りに90度回転されて、
図11(d)に示されるタグ/糸取付ステージST4へと移動される。
【0060】
タグ/糸取付ステージST4では、第1実施形態と同様に、作業プレート50の直ぐ上をシートFが水平に走行する。また、第2実施形態では、シートFの上方であって、タグ保持部50Aの上方と、糸Sの端部を保持する昇降ピン58の上方に、タグTと糸Sの端部をシートFにそれぞれ取り付けるためのホーン46Aとホーン46Bが配置される。
【0061】
ホーン46Aおよびホーン46Bは、昇降可能に構成され、作業プレート50がタグ/糸取付ステージST4に移動されると下降され、シートFをタグTおよび糸Sの端部に向けて押し当てる。このときピン54および昇降ピン58は、それぞれタグ保持部50Aと糸ガイド部50B内に押し下げられ、シートFとタグTおよび糸Sの端部は、それぞれホーン46Aとタグ保持部50Aの間、およびホーン46Bと糸ガイド部50Bの間に挟まれる。これにより、タグTおよび糸Sの端部はシートFに溶着される。
【0062】
上記一連の作業は、シートFを所定ピッチ移動する毎に行われ、シートFには、第1実施形態と同様に、糸Sが取り付けられたタグTと糸Sの端部とが所定ピッチで取り付けられる。
【0063】
以上のように、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0064】
次に
図12、
図13を参照して、第3実施形態の抽出バッグ用シート製造装置61について説明する。
図12は、第3実施形態の抽出バッグ用シート製造装置61の平面図である。また、
図13(a)~(d)の斜視図には、タグ供給ステージST1からタグ/糸取付ステージST4に至るまでの間において実施される各ステージST1~ST4に対応する各作業工程が模式的に示される。
【0065】
第1、第2実施形態では、回転体12の周りに4つの作業プレート14、50が設けられ、作業プレート14、50は、90度毎に4ヶ所で停止され、各停止位置において、タグ供給ステージST1、糸供給ステージST2、糸巻取りステージST3、タグ/糸取付ステージST4の作業が順次実施された。しかし、第3実施形態の抽出バッグ用シート製造装置61では、回転体12の周りに、第2実施形態と同様の作業プレート50を120毎に3つ設け、各作業プレート50を120度毎の3ヶ所で停止させる。第3実施形態では、3ケ所の停止位置において、順番にタグ供給ステージST1、糸供給ステージST2、タグ/糸取付ステージST4の作業が実施される一方、糸供給ステージST2からタグ/糸取付ステージST4への移動の間に糸巻取りステージST3に対応する糸の巻取り作業が作業実施される。
【0066】
例えば、第3実施形態の抽出バッグ用シート製造装置61には、糸供給ステージST2からタグ/糸取付ステージST4に掛けた作業プレート50の経路に、タグ保持部50Aに連結されたギヤ52と係合する円弧状のラックギヤ62が設けられる。ラックギヤ62は、回転体12の回転軸を中心とする円弧状を呈し、その内周側がギヤ52と係合し、作業プレート50が糸供給ステージST2からタグ/糸取付ステージST4に移動する間に、ギヤ52がラックギヤ62により回転され、タグ保持部50Aが所定量回転される。これにより、糸Sは、作業プレート50が糸供給ステージST2からタグ/糸取付ステージST4に移動する間にピン54の周りに巻き取られる。なお、ラックギヤ62の長さは、糸Sの巻取り長さに合わせて設定される。
【0067】
以上のように、第3実施形態においても、第1、第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0068】
なお、第3実施形態では、ラックギヤ62を用いてタグ保持部50Aの回転を行ったが、各作業プレート50にタグ保持部50Aを回転させる駆動モータを設け、糸供給ステージST2からタグ/糸取付ステージST4へ移動する間に、各タグ保持部50Aを所定量回転させて糸Sの巻取りを行う構成としてもよい。
【0069】
また、第3実施形態では、回転体12の周りに作業プレート50を3つ設けたが、例えば、第2実施形態と同様に作業プレートを90度毎に4つ設け、糸供給ステージST2からタグ/糸取付ステージST4に移動する間に、タグ保持部50Aをラックギヤ62、あるいは駆動モータを用いて回転させて糸Sの巻取りを行ってもよい。このような構成とすると、作業プレート50を180度回転する間、糸巻取り動作を継続できるので、より多くの糸を巻き取ることが可能となる。なお、ラックギヤ62を用いた同構成においては、糸Sの巻取り動作は、作業プレート50の移動中のみ行われる。すなわち、糸巻取りステージST3に対応する位置で作業プレート50が停止すると、タグ保持部50Aの回転も停止され、この間において糸Sの巻取りは行われない。
【符号の説明】
【0070】
10、61 抽出バッグ用シート製造装置
12 回転部(回転体)
14、50 作業プレート
14A、50A タグ保持部
22A 吸着ヘッド
22B カッタ
24 糸クランプ装置(糸供給手段)
24B 台座
24D カッタ(切断手段)
26 ホーン(第1取付手段)
34 吸着/回転ヘッド(糸巻取り手段)
46A、46B ホーン(第2取付手段)
62 ラックギヤ
F シート
S 糸
T タグ