(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-06
(45)【発行日】2023-06-14
(54)【発明の名称】測定装置及び測定方法
(51)【国際特許分類】
G01S 13/34 20060101AFI20230607BHJP
G01B 15/02 20060101ALI20230607BHJP
G01S 7/02 20060101ALI20230607BHJP
【FI】
G01S13/34
G01B15/02 C
G01S7/02 210
(21)【出願番号】P 2019129080
(22)【出願日】2019-07-11
【審査請求日】2022-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002675
【氏名又は名称】弁理士法人ドライト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木下 貴博
(72)【発明者】
【氏名】杉橋 敦史
【審査官】東 治企
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-307420(JP,A)
【文献】特表2006-509212(JP,A)
【文献】特公昭49-028238(JP,B1)
【文献】特開2009-282022(JP,A)
【文献】特開2019-007743(JP,A)
【文献】国際公開第2018/235167(WO,A1)
【文献】特開昭56-168574(JP,A)
【文献】特表2011-520097(JP,A)
【文献】特開平08-036054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00-7/42
G01S 11/00-11/10
G01S 13/00-13/95
G01B 15/00-15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面を有する対象物を測定する測定装置であって、
それぞれの開口面が前記第1面を向き、且つ、同一平面上に位置するように所定の間隔をおいて配置された第1アンテナと第2アンテナとを有し、
前記第1アンテナによって、時間に対して周波数が規則的に変化するマイクロ波を
、前記第1面に向けて送信し、前記第1面で反射されたマイクロ波を第1反射波として受信し、
前記第2アンテナによって、
第1アンテナのマイクロ波から同じ位相で分岐され、時間に対して周波数が
前記第1アンテナのマイクロ波と同じように規則的に変化するマイクロ波を
、前記第1面に向けて送信し、前記第1面で反射されたマイクロ波を第2反射波として受信する送受信部と、
前記第1反射波と前記第2反射波との間の位相差を求め、前記周波数に対する前記位相差の変化率及び前記所定の間隔に基づいて、前記同一平面に対する前記対象物の傾きを求める測定部と、
を備え
、
前記測定部は、
前記第1反射波に基づき、前記第1アンテナと前記第1面との見掛けの距離である第1距離を測定し、
前記第2反射波に基づき、前記第2アンテナと前記第1面との見掛けの距離である第2距離を測定し、
前記対象物の傾きと、前記第1距離及び前記第2距離とに基づいて、前記第1アンテナと前記第2アンテナとの中間位置から、前記同一平面に直交する方向にある前記第1面上の点までの距離を算出する、測定装置。
【請求項2】
第1面を有する対象物を測定する測定方法であって、
それぞれの開口面が前記第1面を向き、且つ、同一平面上に位置するように所定の間隔をおいて配置された第1アンテナと第2アンテナとを用い、
前記第1アンテナによって、時間に対して周波数が規則的に変化するマイクロ波を
、前記第1面に向けて送信し、前記第1面で反射されたマイクロ波を第1反射波として受信し、
前記第2アンテナによって、
第1アンテナのマイクロ波から同じ位相で分岐され、時間に対して周波数が
前記第1アンテナのマイクロ波と同じように規則的に変化するマイクロ波を
、前記第1面に向けて送信し、前記第1面で反射されたマイクロ波を第2反射波として受信する送受信ステップと、
前記第1反射波と前記第2反射波との間の位相差を求め、前記周波数に対する前記位相差の変化率及び前記所定の間隔に基づいて、前記同一平面に対する前記対象物の傾きを求める測定ステップと、
を備え
、
前記測定ステップは、
前記第1反射波に基づき、前記第1アンテナと前記第1面との見掛けの距離である第1距離を測定し、
前記第2反射波に基づき、前記第2アンテナと前記第1面との見掛けの距離である第2距離を測定し、
前記対象物の傾きと、前記第1距離及び前記第2距離とに基づいて、前記第1アンテナと前記第2アンテナとの中間位置から、前記同一平面に直交する方向にある前記第1面上の点までの距離を算出する、測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波を用いて対象物を測定する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ波帯の電磁波は、粉塵透過性が高いという特徴を有しているため、例えば、高温粉塵環境である製鉄プロセスにおける距離計測に用いられている。マイクロ波は、レーザ変位計に一般に用いられる可視光に比べて、波長が長い。よって、アンテナから対象物に照射されたマイクロ波は、ビームの拡がりが大きく、例えば、一般的なホーンアンテナで発散角15°程度、レンズホーン等で指向性を上げても1°程度ある。
【0003】
例えば、
図1に示すように、板状又は直方体状の対象物10に対向して、マイクロ波を照射するアンテナA1が配置されているとする。
対象物10の第1面11に向けて、アンテナA1からマイクロ波を照射すると、当該マイクロ波は拡がって照射され、第1面11で反射する。そして、第1面11からの反射波を測定することで、アンテナA1と対象物10との距離を測定することができる。
【0004】
このようにマイクロ波で距離を測定しようとする場合、反射信号が最大ピークとなる値に対応する距離を、測定すべき距離であると見なして測定結果とすることが一般的であるため、対象物10上で反射波の強度が最大となる点、即ち、アンテナA1から対象物10までの距離が略最短となる点が測定点となる。
【0005】
例えば、
図1に示すように、対象部10がアンテナA1から照射されるマイクロ波に対して垂直に配置されている場合(傾いていない状態)においては、アンテナA1の正面にある対象物10上の点P1が測定点となる。
【0006】
一方で、
図2に示すように、対象部10がアンテナA1から照射されるマイクロ波に対して傾いて配置されている場合(傾いている状態)においては、アンテナA1から対象物10までの距離が略最短となる対象物10上の点P2が測定点となる。そのため、測定点P2は、マイクロ波が拡がって照射されることにより、アンテナA1の正面にあるP1からずれる。これにより、アンテナA1から対象物10までの距離が、実際に測定すべきアンテナA1から正面にあるP1までの距離より小さく測定されてしまい、誤差が生じるという課題がある。
【0007】
そこで、特許文献1及び特許文献2に示すように、上記誤差が生じるという課題を念頭に、複数のアンテナを用いて、距離又は変位に加えて対象物の傾き等の姿勢を求める方法が提案されている。
【0008】
特許文献1には、板状の対象物の片側に一方向に配置された複数のアンテナのそれぞれで測定された距離に基づいて対象物の傾斜角を求め、さらに、対象物の反対側に配置された別のアンテナでの測定値を用いて、対象物の厚みを算出する方法が開示されている。
【0009】
また、特許文献2には、板状の対象物の片側に配置された3つのアンテナのそれぞれで測定された距離から測定対象の姿勢を求め、距離を補正することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2019-7743号公報
【文献】国際公開第2018/235167号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1及び特許文献2には、対象物の片側に配置された複数のアンテナ間の距離が50mm~300mmの範囲であることが開示されている。しかしながら、対象物の厚みを高精度に測定するためには、対象物の傾きを高精度に測定して厚みを補正する必要があり、アンテナ間の距離をより一層広げる必要がある。
【0012】
また、一般にマイクロ波距離計には、Frequency Modulated Continuous Wave(FMCW)方式やパルス方式が用いられているが、距離分解能は周波数帯域幅によって決まるため、数GHzの帯域幅では分解能が数cmのオーダーとなる。しかしながら、対象物までの距離、厚み、傾き等を高精度に測定する場合には、これらの一般的な方式ではなく、μmオーダーの高い分解能を持った位相測定を用いることが望まれている。
【0013】
送受信したマイクロ波の位相差から対象物の傾きを求める場合、測定される位相差は0~2πの範囲に限られるため、対象物の傾きが大きくなると位相差が2πを超え、再び同じ値が現れるという「2πの不定性」が存在する。この不定性の影響を受けない条件として、特許文献1及び特許文献2のように対象物の片側に複数のアンテナを配置する場合には、対象物の片側に配置されたアンテナ間の距離をマイクロ波の波長の1/2以下とすればよいことが知られているが、これは、アンテナ間の距離を数mm~数十mm程度以下とすることに相当するため、これでは、アンテナ間の距離を長く取ることができず、傾き測定の感度が低くなってしまう。
【0014】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、高感度及び高分解能で対象物を測定することができる装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の実施形態に係る測定装置は、第1面を有する対象物を測定する装置であって、それぞれの開口面が前記第1面を向き、且つ、同一平面上に位置するように所定の間隔をおいて配置された第1アンテナと第2アンテナとを有し、前記第1アンテナによって、時間に対して周波数が規則的に変化するマイクロ波を、前記第1面に向けて送信し、前記第1面で反射されたマイクロ波を第1反射波として受信し、前記第2アンテナによって、第1アンテナのマイクロ波から同じ位相で分岐され、時間に対して周波数が前記第1アンテナのマイクロ波と同じように規則的に変化するマイクロ波を、前記第1面に向けて送信し、前記第1面で反射されたマイクロ波を第2反射波として受信する送受信部と、前記第1反射波と前記第2反射波との間の位相差を求め、前記周波数に対する前記位相差の変化率及び前記所定の間隔に基づいて、前記同一平面に対する前記対象物の傾きを求める測定部と、を備え、前記測定部は、前記第1反射波に基づき、前記第1アンテナと前記第1面との見掛けの距離である第1距離を測定し、前記第2反射波に基づき、前記第2アンテナと前記第1面との見掛けの距離である第2距離を測定し、前記対象物の傾きと、前記第1距離及び前記第2距離とに基づいて、前記第1アンテナと前記第2アンテナとの中間位置から、前記同一平面に直交する方向にある前記第1面上の点までの距離を算出する。
【0016】
本発明の実施形態に係る測定方法は、第1面を有する対象物を測定する方法であって、それぞれの開口面が前記第1面を向き、且つ、同一平面上に位置するように所定の間隔をおいて配置された第1アンテナと第2アンテナとを用い、前記第1アンテナによって、時間に対して周波数が規則的に変化するマイクロ波を、前記第1面に向けて送信し、前記第1面で反射されたマイクロ波を第1反射波として受信し、前記第2アンテナによって、第1アンテナのマイクロ波から同じ位相で分岐され、時間に対して周波数が前記第1アンテナのマイクロ波と同じように規則的に変化するマイクロ波を、前記第1面に向けて送信し、前記第1面で反射されたマイクロ波を第2反射波として受信する送受信ステップと、前記第1反射波と前記第2反射波との間の位相差を求め、前記周波数に対する前記位相差の変化率及び前記所定の間隔に基づいて、前記同一平面に対する前記対象物の傾きを求める測定ステップと、を備え、前記測定ステップは、前記第1反射波に基づき、前記第1アンテナと前記第1面との見掛けの距離である第1距離を測定し、前記第2反射波に基づき、前記第2アンテナと前記第1面との見掛けの距離である第2距離を測定し、前記対象物の傾きと、前記第1距離及び前記第2距離とに基づいて、前記第1アンテナと前記第2アンテナとの中間位置から、前記同一平面に直交する方向にある前記第1面上の点までの距離を算出する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、対象物の第1面を向くように所定の間隔で配置された第1アンテナ及び第2アンテナから、時間に対して周波数が規則的に変化するマイクロ波を第1面に向けて送信し、それぞれが受信した第1反射波と第2反射波との位相差、周波数の変化、及び所定の間隔に基づいて、対象物の傾きを求めるようにした。これにより、高感度及び高分解能で対象物を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】対象物が傾いていない状態の場合に、マイクロ波を用いてアンテナと対象物との距離を測定する方法を説明する模式図である。
【
図2】対象物が傾いている状態の場合に、マイクロ波を用いてアンテナと対象物との距離を測定する方法を説明する模式図である。
【
図3】第1実施形態の測定装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】第1アンテナ及び第2アンテナの開口面に対して対象物が傾いていない状態のときの測定点を説明する模式図である。
【
図5】第1アンテナ及び第2アンテナの開口面に対して対象物が傾いている状態のときに、対象物の傾きを求める方法を説明する模式図である。
【
図6】対象物の傾きの測定結果を表すグラフである。
【
図7】対象物の傾きの測定誤差を表すグラフである。
【
図8】第1アンテナ及び第2アンテナと対象物との距離を算出する方法を説明する模式図である。
【
図9】第2実施形態の測定装置の構成を示すブロック図である。
【
図10】対象物の厚みを測定する方法を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図面全体において、同一又は同様の構成要素には同一の符号を付している。図面は模式的なものであり、平面寸法と厚さとの関係、及び各部材の厚さの比率は現実のものとは異なる。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0020】
<第1実施形態>
図3は、第1実施形態に係る測定装置1Aの構成を示すブロック図である。測定装置1Aは、対象物10の姿勢(傾き)及び対象物10との距離を測定する装置であり、送受信部201と、測定部401と、表示装置60と、を備える。
【0021】
対象物10は、第1面11と、第1面11と反対側にある第2面12とを有する。なお、第1実施形態及び後述の第2実施形態では、例として、対象物10が、第1面11と第2面12とが平行な、板状又は直方体状なものであるものとして説明する。
【0022】
送受信部201は、発振器21と、パワーデバイダ221と、サーキュレータ231及び232と、第1アンテナ241と、第2アンテナ242と、を有する。
【0023】
発振器21は、パワーデバイダ221に接続され、周波数が時間に対して規則的に変化するマイクロ波をパワーデバイダ221に送出する。発振器21から送出されるマイクロ波は、周波数が一定の割合で連続的に変化するものであってもよいし、周波数が離散的に変化するものであってもよい。
【0024】
パワーデバイダ221は、発振器21と、サーキュレータ231及び232と、測定部401の直交ミキサ411及び412(後述)とに接続されている。パワーデバイダ221は、発振器21から送出されたマイクロ波を4つに分岐し、それぞれ、サーキュレータ231及び232と直交ミキサ411及び412とに出力する。
【0025】
サーキュレータ231は、第1アンテナ241に接続され、発振器21からパワーデバイダ221を介して入力されたマイクロ波である送信波S1を第1アンテナ241に出力する。サーキュレータ232は、第2アンテナ242に接続され、発振器21からパワーデバイダ221を介して入力されたマイクロ波である送信波S2を第2アンテナ242に出力する。
【0026】
第1アンテナ241及び第2アンテナ242は、
図3に示すように、それぞれの開口面が対象物10の第1面11を向き、且つ、対象物10に対向する同一平面F上に位置するように、互いに、対象物10表面に沿った方向に所定のアンテナ間隔Dをおいて配置されている。
【0027】
第1アンテナ241は、発振器21からパワーデバイダ221及びサーキュレータ231を介して入力された送信波S1を第1面11に向けて送信し、第1面11から反射されたマイクロ波である第1反射波R1を受信し、サーキュレータ231に出力する。サーキュレータ231は、測定部401のパワーデバイダ223にも接続されている。パワーデバイダ223は、直交ミキサ411及び414(後述)に接続されており、第1アンテナ241から出力された第1反射波R1を直交ミキサ411及び414に出力する。
【0028】
第2アンテナ242は、発振器21からパワーデバイダ221及びサーキュレータ232を介して入力された送信波S2を第1面11に向けて送信し、第1面11から反射されたマイクロ波である第2反射波R2を受信し、サーキュレータ232に出力する。サーキュレータ232は、測定部401のパワーデバイダ224にも接続されている。パワーデバイダ224は、直交ミキサ412及び414(後述)にも接続されており、第2アンテナ242から出力された第2反射波R2を直交ミキサ412及び414に出力する。
【0029】
測定部401は、パワーデバイダ223及び224と、直交ミキサ411、412及び414と、ローパスフィルタ(LPF)421、422、423、424、427及び428と、A/D変換機431と、計算機451と、記憶装置461と、を有する。
【0030】
直交ミキサ411は、パワーデバイダ221及び223と、LPF421及び422とに接続されている。直交ミキサ411は、パワーデバイダ221から出力された送信波とパワーデバイダ223から出力された第1反射波R1とをミキシングしたI信号をLPF421に出力する。また、直交ミキサ411は、入力された送信波及び第1反射波R1の一方に90°の位相遅延を与えた後でミキシングしたQ信号をLPF422に出力する。
【0031】
直交ミキサ412は、パワーデバイダ221及び224とLPF423及び424とに接続されている。直交ミキサ412は、パワーデバイダ221から出力された送信波とパワーデバイダ224から出力された第2反射波R2とをミキシングしたI信号をLPF423に出力する。また、直交ミキサ412は、入力された送信波及び第2反射波R2の一方に90°の位相遅延を与えた後でミキシングしたQ信号をLPF424に出力する。
【0032】
直交ミキサ414は、パワーデバイダ223及び224と、LPF427及び428とに接続されている。直交ミキサ414は、パワーデバイダ223から出力された第1反射波R1とパワーデバイダ224から出力された第2反射波R2とをミキシングしたI信号をLPF427に出力する。また、直交ミキサ414は、入力された第1反射波R1及び第2反射波R2の一方に90°の位相遅延を与えた後でミキシングしたQ信号をLPF428に出力する。
【0033】
LPF421及び422は、直交ミキサ411とA/D変換機431とに接続されている。LPF421は、直交ミキサ411から出力されたI信号(アナログ信号)のうち、カットオフ周波数以下の周波数を通し、A/D変換機431に出力する。LPF422は、直交ミキサ411から出力されたQ信号(アナログ信号)のうち、カットオフ周波数以下の周波数を通し、A/D変換機431に出力する。
【0034】
LPF423及び424は、直交ミキサ412とA/D変換機431とに接続されている。LPF423は、直交ミキサ412から出力されたI信号(アナログ信号)のうち、カットオフ周波数以下の周波数を通し、A/D変換機431に出力する。LPF424は、直交ミキサ412から出力されたQ信号(アナログ信号)のうち、カットオフ周波数以下の周波数を通し、A/D変換機431に出力する。
【0035】
LPF427及び428は、直交ミキサ414とA/D変換機431とに接続されている。LPF427は、直交ミキサ414から出力されたI信号(アナログ信号)のうち、カットオフ周波数以下の周波数を通し、A/D変換機431に出力する。LPF428は、直交ミキサ414から出力されたQ信号(アナログ信号)のうち、カットオフ周波数以下の周波数を通し、A/D変換機431に出力する。
【0036】
A/D変換機431は、LPF421、422、423、424、427及び428のそれぞれから出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、これらのデジタル信号を計算機451に出力する。
【0037】
計算機451は、Central Processing Unit(CPU)を有し、記憶装置461に記憶されたプログラムに従って演算を行う。計算機451は、第1距離測定部441、第2距離測定部442及び位相差測定部444を有しており、第1距離測定部441及び第2距離測定部442を用いて、第1アンテナ241の開口面の中心位置C1から第1面11までの見掛けの距離である第1距離、及び第2アンテナ242の開口面の中心位置C2から第1面11までの見掛けの距離である第2距離をそれぞれ測定する。ここで、見掛けの距離とは、各アンテナの開口面の中心位置と対象物10上の測定点との距離である。測定点とは、対象物10上の点であって、各アンテナから対象物10に向けて送信されたマイクロ波が対象物10上で反射された場合において、反射波の強度が最大となる点である。
【0038】
また、計算機451は、位相差測定部444を用いて、対象物10の傾き等の姿勢を測定する。例えば、対象物10が搬送される場合に、搬送方向に対して対象物10がどの程度傾いて搬送されているかといった状態を測定する。
【0039】
第1距離測定部441は、直交ミキサ411からLPF421及び422を経由してA/D変換機431に送られ、A/D変換機431から出力された、デジタル化されたI信号(I)及びQ信号(Q)を取り込み、atan(Q/I)を計算することで、第1距離に対応する位相差Δφ1を求める。そして、位相差Δφ1と発振器21における周波数の変化率とから、見掛けの距離である第1距離を求めることができる。
【0040】
第2距離測定部442は、直交ミキサ412からLPF423及び424を経由してA/D変換機431に送られ、A/D変換機431から出力された、デジタル化されたI信号(I)及びQ信号(Q)を取り込み、atan(Q/I)を計算することで、第2距離に対応する位相差Δφ2を求める。そして、位相差Δφ2と発振器21における周波数の変化率とから、見掛けの距離である第2距離を求めることができる。
【0041】
位相差測定部444は、直交ミキサ414からLPF427及び428を経由してA/D変換機431に送られ、A/D変換機431から出力された、デジタル化されたI信号(I)及びQ信号(Q)を取り込み、atan(Q/I)を計算することで、対象物10の平面Fに対する傾き(傾斜角)に対応する位相差ΔΨを求める。
【0042】
計算機451は、位相差測定部444で求められた位相差ΔΨに基づき、平面Fに対する対象物10の傾き(傾斜角)を算出する、また、計算機451は、対象物10の傾きと、第1距離測定部441及び第2距離測定部442から出力されたデータとに基づき、平面Fに直交する方向において、第1アンテナ241及び第2アンテナ242と対象物10との実距離(測定すべき、第1アンテナ241及び第2アンテナ242から正面にある、対象物10上の点までの距離)を算出する。計算機451による対象物10の傾きの算出については、後に詳細に説明する。
【0043】
記憶装置461は、Read Only Memory(ROM)及びRandom Access Memory(RAM)を有する。ROMは、計算機451のCPUによって実行されるプログラム及びこれらのプログラムの実行時に必要なデータを格納する。ROMに格納されたプログラムやデータはRAMにロードされて実行される。
【0044】
なお、記憶装置461は、ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気メモリ、又は光ディスク等の光メモリを有するようにしてもよい。あるいは、測定部401に着脱可能で、コンピュータ読み取り可能な記録媒体にプログラムやデータを格納するようにしてもよい。または、計算機451で実行されるプログラムを、通信ネットワークを介して受信するようにしてもよい。
【0045】
なお、計算機451は、CPU等の汎用ハードウェアの代わりに、対象物10の傾きの算出及び対象物10との距離の算出等に特化した、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)又はField Programmable Gate Array(FPGA)等の専用ハードウェアにより構成されていてもよい。
【0046】
表示装置60は、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、又は有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)ディスプレイ等のディスプレイを有し、計算機451による演算結果を表示する。
【0047】
次に、
図4及び
図5を参照して、対象物10の傾きの算出方法について説明する。以下では、直交座標系において、平面Fがy-z平面にあるものとし、第1アンテナ241と第2アンテナ242の配列方向がy軸に平行であるものとする。また、対象物10の傾きは、x-y平面内で定義されるものとする。
【0048】
図4に示すように、第1アンテナ241及び第2アンテナ242の開口面(平面F)と、対象物10の第1面11が平行であるとき、すなわち、対象物10が平面Fに対して傾いていない状態のとき、第1アンテナ241による測定点及び第2アンテナ242による測定点は、それぞれ、第1アンテナ241の正面及び第2アンテナ242の正面に位置する(この点をそれぞれ、P01及びP02とする)。このとき、第1アンテナ241によるマイクロ波の経路と第2アンテナ242によるマイクロ波の経路との間には、マイクロ波の経路差が生じない。
【0049】
一方、
図5に示すように、対象物10が平面Fに対して傾いている状態のとき、第1アンテナ241及び第2アンテナ242による測定点は、本来測定すべき点である正面のP01及びP02からずれた、第1アンテナ241及び第2アンテナ242から対象物10までの距離が略最短となる位置(この点をそれぞれ、P10及びP20とする)となる。そのため、第1アンテナ241と第2アンテナ242との間には、マイクロ波の経路差が生じる。
【0050】
平面Fに対する対象物10の傾きをθとすると、この経路差は2Dsinθとなる。発振器21から送出されるマイクロ波の波長をλとすると、第1アンテナ241で受信した第1反射波R1と、第2アンテナ242で受信した第2反射波R2との間の位相差ΔΨは、式(1)のように表される。
【数1】
ここで、第1反射波R1及び第2反射波R2が平面波とみなせるほど、対象物10と第1アンテナ241及び第2アンテナ242とが十分離れていると仮定している。
【0051】
通常、反射波が平面波とみなせる距離の下限R
pは、アンテナ開口長をLとすると、式(2)のように表される。
【数2】
例えば、発振器21から送出されるマイクロ波の周波数を24GHz、アンテナ開口長を50mmとすれば、R
pは400mmとなる。
【0052】
式(1)より、対象物10の傾きθは、式(3)のように表される。
【数3】
ここで、位相差ΔΨの算出には、ΔΨ+2πnとΔΨ+2πm(n、mは整数)との間で区別がつかないという2πの不定性が生じる。このため、特に、対象物10の傾きθが大きいときには、傾きθを正しく決定することができない。
【0053】
そこで、第1実施形態及び後述の第2実施形態では、マイクロ波の周波数が時間に対して規則的に変化する周波数掃引を用いる。式(1)を、マイクロ波の周波数f、光速cを用いて書き直すと、式(4)のように表される。
【数4】
式(4)の両辺を周波数fで微分すると、式(5)のようになる。
【数5】
よって、式(5)より、対象物10の傾きθは、式(6)のように与えられる。
【数6】
【0054】
計算機451は、位相差測定部444において、直交ミキサ414からLPF427及び428とA/D変換機431とを介して入力されたI信号及びQ信号から、位相差ΔΨを算出する。計算機451は、このような演算を連続的に行うことで、位相差ΔΨ
iを連続的に取得している、また、ΔΨ
iを取得したタイミングに対応した周波数f
iを、発振器21からパワーデバイダ221やA/D変換機431を介して連続的に取得している。そこで、取得したΔΨ
iやf
iを用い、以下の式(7)のように、周波数fに対する位相差ΔΨの変化率である(dΔΨ/df)を求める。式(7)において、i、jは取得したデータに対応する整数であり、i≠jである。
【数7】
【0055】
なお、連続的に取得したデータをΔΨ-f座標系で見て、最小二乗法を用いて近似し、ΔΨ-f座標系において得られた近似式の傾きから、(dΔΨ/df)を求めるようにすることもでき、そうすることで、誤差を小さくすることもできる。
【0056】
そして、計算機451は、得られた周波数fに対する位相差ΔΨの変化率(dΔΨ/df)と、アンテナ間隔Dとに基づいて、式(6)により対象物10の傾きθを求めることができる。
【0057】
以上に説明したように、位相差ΔΨを周波数fで微分することにより、2πの不定性を解消することができ、対象物10の傾きθを正しく求めることができる。
【0058】
また、式(4)から明らかなように、アンテナ間隔Dを大きくすればするほど、同じ傾きθであっても位相差ΔΨが大きくなるため、アンテナ間隔Dを広げることによって傾き測定の感度を容易に向上させることができる。例えば、中心周波数を79GHz、アンテナ間隔Dをこの波長の1/2である1.9mmとし、位相測定の分解能を0.1°と仮定すれば、傾き測定の分解能は0.03°である。一方、アンテナ間隔Dを1mとすれば、分解能は6×10-5°となり、傾き測定の感度が著しく向上する。
【0059】
次に、
図6及び
図7を参照し、対象物10の傾きを測定した結果について説明する。
この測定では、マイクロ波の周波数fを24GHz±2GHzとし、アンテナ間隔Dを55mmとした。このとき、反射波が平面波と見なせる距離の下限R
pは484mmであることから、第1アンテナ241及び第2アンテナ242と対象物10との距離を、R
pよりも大きい854mmとした。測定された位相に対して、周波数が22GHzを基準点としてアンラッピング処理を行い、周波数fに対する位相差ΔΨの変化率(dΔΨ/df)を求めた後、式(6)により、対象物10の傾きθを算出した。
【0060】
傾きθの算出結果を
図6に示す。
図6では、第1アンテナ241及び第2アンテナ242の開口面(平面F)と、対象物10の第1面11が平行であるときをθ=0°とし、対象物10が第1アンテナ241に近づくように傾いた場合をマイナス、第2アンテナ242に近づくように傾いた場合をプラスとして、対象物10に与えた傾き(横軸)に対して、実際に測定された傾きθ(縦軸)をプロットしている。
図7には、対象物10に与えた傾き(横軸)と実際に測定された傾きθとの差分の絶対値を測定誤差(縦軸)として示す。
図6によると、±5°の範囲で対象物10の傾きが正しく測定されていることがわかる。また、
図7によれば、傾き測定の誤差は平均0.26°であり、距離測定又は変位測定に及ぼす誤差は40μm程度である。
【0061】
式(6)により、対象物10の傾きθが求められると、計算機451は、第1アンテナ241及び第2アンテナ242と対象物10との実距離(測定すべき、第1アンテナ241及び第2アンテナ242から正面にある、対象物10上の点までの距離)を算出することができる。
図8に示すように、第1距離測定部441で測定された第1距離をd1、第2距離測定部442で測定された第2距離をd2とすると、平面Fに直交する方向(x軸方向)における実距離d10は、式(8)のように定義される。
【数8】
図8に示すように、実距離d10は、具体的には、第1アンテナ241の開口面の中心位置C1と第2アンテナ242の開口面の中心位置C2との中間位置C0から、平面Fに直交する方向(x軸方向)における第1面11上の点P11までの距離として定義される。
【0062】
以上に説明したように、本発明の第1実施形態に係る測定装置1Aによれば、対象物10の傾きを測定することができる。また、第1アンテナ241及び第2アンテナ242の正面にある対象物10上の点までの距離を正確に測定することができる。
【0063】
<第2実施形態>
対象物10の第1面11と第2面12との間の長さである厚みを測定するためには、第2面12側にもアンテナを設置する必要がある。
図9に、対象物10の厚みが測定可能な装置として、第2実施形態に係る測定装置2Aの構成を示す。測定装置2Aは、送受信部202と、測定部402と、表示装置60と、を備える。以下では、主に第1実施形態の測定装置1A(
図3)と異なる点を説明する。
【0064】
送受信部202は、発振器21と、パワーデバイダ222と、サーキュレータ231、232及び233と、第1アンテナ241と、第2アンテナ242と、第3アンテナ243とを有する。
【0065】
パワーデバイダ222は、発振器21と、サーキュレータ231、232及び233と、測定部402の直交ミキサ411、412及び413とに接続されている。パワーデバイダ222は、発振器21から送出されたマイクロ波を6つに分岐し、サーキュレータ231、232及び233と直交ミキサ411、412及び413とにそれぞれ出力する。
【0066】
サーキュレータ233は、パワーデバイダ222及び第3アンテナ243に接続され、発振器21からパワーデバイダ222を介して入力されたマイクロ波である送信波S3を第3アンテナ243に出力する。
【0067】
図9に示すように、第3アンテナ243は、その開口面が対象物10の第1面11とは異なる反対側の面である第2面12を向き、且つ、その開口面が第1アンテナ241及び第2アンテナ242の開口面(平面F)と平行になるように配置されている。第3アンテナ243の開口面の中心位置C3と、第1アンテナ241と第2アンテナ242との中間位置C0とを結ぶ直線は、平面Fに直交する。
【0068】
第3アンテナ243は、サーキュレータ233に接続され、発振器21からパワーデバイダ222及びサーキュレータ233を介して入力された送信波S3を第2面12に向けて送信し、第2面12から反射されたマイクロ波である第3反射波R3を受信し、サーキュレータ233に出力する。サーキュレータ233は、直交ミキサ413にも接続されており、第3アンテナ243から出力された第3反射波R3を直交ミキサ413に出力する。
【0069】
直交ミキサ413は、パワーデバイダ222と、サーキュレータ233と、LPF425及び426とに接続されている。直交ミキサ413は、パワーデバイダ222から出力された送信波とサーキュレータ233から出力された第3反射波R3とをミキシングしたI信号をLPF425に出力する。また、直交ミキサ413は、入力された送信波及び第3反射波R3の一方に90°の位相遅延を与えた後でミキシングしたQ信号をLPF426に出力する。
【0070】
LPF425及び426は、直交ミキサ413とA/D変換機432とに接続されている。LPF425は、直交ミキサ413から出力されたI信号(アナログ信号)のうち、カットオフ周波数以下の周波数を通し、A/D変換機432に出力する。LPF426は、直交ミキサ413から出力されたQ信号(アナログ信号)のうち、カットオフ周波数以下の周波数を通し、A/D変換機432に出力する。
【0071】
A/D変換機432は、LPF421、422、423、424、425、426、427及び428のそれぞれから出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、これらのデジタル信号を計算機452に出力する。
【0072】
計算機452は、
図3の計算機451に、第3距離測定部443を追加した構成である。
【0073】
第3距離測定部443は、A/D変換機432に接続されている。第3距離測定部443は、第1距離測定部441及び第2距離測定部442と同様の方式で、A/D変換機432から出力された第3反射波R3に関する位相差Δφ
3に基づき、第3アンテナ243の開口面の中心位置C3から対象物10の第2面12までの見掛けの距離である第3距離d3を測定する。第3距離d3は、
図10に示すように、第3アンテナ243の開口面の中心位置C3と、第2面12上の測定点P30との距離である。
【0074】
計算機452は、対象物10の傾きθ(式(6))と、第3距離測定部443から出力された第3距離d3のデータとに基づき、第3アンテナ243の開口面に直交する方向(x軸方向)において、第3アンテナ243と第2面12との実距離d20(測定すべき、第3アンテナ243から正面にある対象物10上の点までの距離)を算出する。さらに、計算機452は、対象物10の傾きθと、実距離d10(測定すべき、第1アンテナ241及び第2アンテナ242から正面にある対象物10上の点までの距離)(式(8))と、実距離d20とから、対象物10の厚みT1を算出する。
【0075】
実距離d20は、具体的には、
図10に示すように、第3アンテナ243の開口面の中心位置C3から、当該開口面に直交する方向(x軸方向)における第2面12上の点P12までの距離として式(9)のように定義される。
【数9】
【0076】
第1アンテナ241及び第2アンテナ242の開口面(平面F)と、第3アンテナ243の開口面との距離(すなわち、中間位置C0と中心位置C3との距離)をL0とすると、これらの3つのアンテナの開口面に直交する方向(x軸方向)において、対象物10の第1面11と第2面12との間の長さT0は、式(8)の実距離d10及び式(9)の実距離d20から、式(10)のように表される。
T0=L0-(d10+d20) …(10)
よって、対象物10の厚みT1は、式(11)のように表される。
T1=T0cosθ …(11)
【0077】
以上に説明したように、本発明の第2実施形態に係る測定装置2Aによれば、対象物10の傾きを測定することができる。また、第1アンテナ241及び第2アンテナ242の正面にある対象物10上の点までの距離を正確に測定することができる。また、対象物10の厚みを測定することができる。
【0078】
なお、上述の各実施形態における記述内容は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0079】
例えば、第1実施形態の送受信部201及び第2実施形態の送受信部202の各々において、対象物10の第1面11側にy軸に平行に配置されるアンテナの数は2以上であればよく、特に限定されない。第1面11側に3以上のアンテナを配置することで、傾きθの算出及び実距離d10の算出の精度の向上を期待することができる。
【0080】
また、第2実施形態において、対象物10の第2面12側に配置される第3アンテナ243の数は特に限定されず、2以上の第3アンテナ243をy軸に平行に配置させてもよい。この場合、2以上の第3アンテナ243がそれぞれ受信した第3反射波R3から、対象物10の傾きθを求め、さらに第3距離d3を求めるようにしてもよい。
【0081】
また、第1実施形態の測定装置1A及び第2実施形態の測定装置2Aにおいて、発振器21とパワーデバイダ221(222)がそれぞれ1つずつしか設けられていないが、アンテナの数に合わせて、適宜、アンテナの数を越えない複数の発振器やパワーデバイダを用いるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1A、2A 測定装置
10 対象物
11 第1面
12 第2面
201、202 送受信部
21 発振器
221、222、223、224 パワーデバイダ
231、232、233 サーキュレータ
241 第1アンテナ
242 第2アンテナ
243 第3アンテナ
401、402 測定部
411、412、413、414 直交ミキサ
421、422、423、424、425、426、427、428 ローパスフィルタ
431、432 A/D変換機
441 第1距離測定部
442 第2距離測定部
443 第3距離測定部
444 位相差測定部
451、452 計算機
461 記憶装置
60 表示装置
d1 第1距離
d2 第2距離
d3 第3距離
R1 第1反射波
R2 第2反射波
R3 第3反射波