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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-06
(45)【発行日】2023-06-14
(54)【発明の名称】渦電流式減速装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 49/02 20060101AFI20230607BHJP
【FI】
H02K49/02 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020002626
(22)【出願日】2020-01-10
(65)【公開番号】P2021112041
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2022-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001553
【氏名又は名称】アセンド弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】野口 泰隆
(72)【発明者】
【氏名】野上 裕
(72)【発明者】
【氏名】藤田 卓也
(72)【発明者】
【氏名】今西 憲治
(72)【発明者】
【氏名】佐野 薫平
【審査官】中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-032927(JP,A)
【文献】国際公開第2019/146608(WO,A1)
【文献】特開2004-328891(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 49/00-51/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
渦電流式減速装置であって、
回転軸に固定される円筒状の制動部材と、
前記制動部材の内側又は外側において前記制動部材と同軸に配置される円筒状の磁石保持部材と、
前記磁石保持部材の内周面及び外周面のうち前記制動部材側の面に保持され、前記制動部材の周方向に配列される複数の第1永久磁石であって、各々の磁極の向きが、前記制動部材の径方向に沿い、且つ両隣の第1永久磁石の磁極の向きと反転している前記第1永久磁石と、
前記制動部材と前記第1永久磁石との間において前記周方向に配列され、前記制動部材側に配置される天面と、前記第1永久磁石側に配置され前記天面よりも前記周方向に長い底面とを各々有する複数の第2永久磁石であって、各々の磁極の向きが、前記周方向に沿い、且つ両隣の第2永久磁石の磁極の向きと反転している前記第2永久磁石と、
前記周方向に隣り合う前記第2永久磁石の間に各々配置され、前記第2永久磁石に接触する複数のポールピースと、
前記第1永久磁石と前記第2永久磁石との間に配置され、前記第2永久磁石の前記底面に接触し、前記ポールピースとともに前記第2永久磁石を保持する円筒部材と、
前記ポールピース及び前記円筒部材が固定されるステータと、
を備え、
前記磁石保持部材を前記回転軸周りに回転させることにより、制動状態と非制動状態とが切り替えられる、渦電流式減速装置。
【請求項2】
請求項1に記載の渦電流式減速装置であって、
前記円筒部材は、非磁性材料で構成される、渦電流式減速装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の渦電流式減速装置であって、
前記第2永久磁石の前記底面は、前記円筒部材に固定される、渦電流式減速装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の渦電流式減速装置であって、
前記磁石保持部材は、前記制動部材の内側に配置される、渦電流式減速装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、渦電流式減速装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばトラックやバス等といった大型車両の補助ブレーキとして、従来、渦電流式減速装置が使用されている。渦電流式減速装置は、通常、車両の回転軸に固定された円筒状の制動部材と、制動部材の内側に配列された複数の永久磁石とを備える。制動部材と永久磁石との間には、複数のポールピースが配置されている。ポールピースに対する永久磁石の位置を変化させることにより、制動状態と非制動状態とが切り替えられる。
【0003】
渦電流式減速装置が制動状態にある場合、永久磁石からの磁束がポールピースを介して制動部材に到達し、制動部材の表面に渦電流が発生する。この渦電流と磁束との相互作用により、制動部材において回転方向と逆向きの制動トルクが発生する。一方、渦電流式減速装置が非制動状態にある場合には、永久磁石とポールピースとの間で磁気回路が形成され、永久磁石からの磁束は制動部材に到達しない。そのため、制動部材において制動トルクは発生しない。
【0004】
特許文献1には、2種類の永久磁石を備える渦電流式減速装置が開示されている。この減速装置では、制動部材の内側又は外側において複数の第1永久磁石が制動部材の周方向に配列されるとともに、制動部材と第1永久磁石との間において複数の第2永久磁石が周方向に配列されている。第2永久磁石の各々は、概略台形状の横断面を有し、隣り合う第1永久磁石を跨ぐように配置されている。隣り合う第2永久磁石の間には、それぞれ、ポールピースが第2永久磁石に接触するように配置されている。
【0005】
特許文献1の渦電流式減速装置では、第1永久磁石の磁極の向きが制動部材の径方向に沿う一方、第2永久磁石の磁極の向きが制動部材の周方向に沿っている。第1永久磁石の磁極の向きは、互いに隣り合う第1永久磁石同士で交互に反転する。同様に、第2永久磁石の磁極の向きも、互いに隣り合う第2永久磁石同士で交互に反転する。第1永久磁石を保持する磁石保持部材の回転により、第2永久磁石及びポールピースに対する第1永久磁石の位置が変化して、制動状態と非制動状態とが切り替えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開第2019/146608号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の渦電流式減速装置において、横断面視で概略台形状の第2永久磁石は、それぞれ、隣り合う第1永久磁石に跨るように配置されている。すなわち、各第2永久磁石は、制動部材の周方向で見て、2つの第1永久磁石と部分的に重なり合う。制動状態において、各第2永久磁石のうち第1永久磁石と重なる部分の磁極は、この第1永久磁石の第2永久磁石側の磁極と等しい。そのため、制動状態では、各第2永久磁石に対して第1永久磁石から斥力が作用する。一方、非制動状態では、第2永久磁石のうち第1永久磁石と重なる部分の磁極は、当該第1永久磁石の第2永久磁石側の磁極と異なるため、各第2永久磁石に対して第1永久磁石から引力が作用する。また、各第2永久磁石には、両隣の第2永久磁石との間で斥力も作用する。これらの結果、各第2永久磁石には、制動部材の径方向の力が負荷される。
【0008】
特許文献1の渦電流式減速装置において、制動状態と非制動状態とが切り替わる際には、第1永久磁石が第2永久磁石に対して相対的に回転するため、第2永久磁石に作用する引力及び斥力の状態が変化する。そのため、制動部材の周方向に並ぶ第2永久磁石の各々には、当該第2永久磁石を周方向に移動させる力や自転させる力が負荷される。
【0009】
特許文献1の渦電流式減速装置では、回転軸方向における第2永久磁石の両側部がステータに固定されている。第2永久磁石は、例えば、ネオジム磁石、フェライト磁石、又はサマリウムコバルト磁石等であり、原料粉末を焼結して製造される。このような第2永久磁石は、靭性が低い。そのため、ステータに固定された状態の第2永久磁石に対して種々の力が負荷され、その力が過大である場合には、第2永久磁石に割れが生じる可能性がある。
【0010】
本開示は、渦電流式減速装置に設けられた永久磁石の割れを抑制することにより、渦電流式減速装置の耐久性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示に係る渦電流式減速装置は、円筒状の制動部材と、円筒状の磁石保持部材と、複数の第1永久磁石と、複数の第2永久磁石と、複数のポールピースと、円筒部材と、ステータと、を備える。制動部材は、回転軸に固定される。磁石保持部材は、制動部材の内側又は外側において制動部材と同軸に配置される。第1永久磁石は、磁石保持部材の内周面及び外周面のうち制動部材側の面に保持される。第1永久磁石は、制動部材の周方向に配列される。第1永久磁石の各々の磁極の向きは、制動部材の径方向に沿い、且つ両隣の第1永久磁石の磁極の向きと反転している。第2永久磁石は、制動部材と第1永久磁石との間において周方向に配列される。第2永久磁石の各々は、制動部材側に配置される天面と、第1永久磁石側に配置され天面よりも周方向に長い底面と、を有する。第2永久磁石の各々の磁極の向きは、周方向に沿い、且つ両隣の第2永久磁石の磁極の向きと反転している。ポールピースは、周方向に隣り合う第2永久磁石の間に各々配置され、第2永久磁石に接触する。円筒部材は、第1永久磁石と第2永久磁石との間に配置される。円筒部材は、第2永久磁石の底面に接触する。円筒部材は、ポールピースとともに第2永久磁石を保持する。ステータには、ポールピース及び円筒部材が固定される。磁石保持部材を回転軸周りに回転させることにより、渦電流式減速装置の制動状態と非制動状態とが切り替えられる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、渦電流式減速装置に設けられた永久磁石の割れを抑制することができるため、渦電流式減速装置の耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態に係る渦電流式減速装置の概略構成を示す縦断面図である。
図2図2は、図1に示す減速装置の部分横断面図である。
図3図3は、図1及び図2に示す減速装置が非制動状態にあるときに形成される磁気回路を示す模式図である。
図4図4は、図1及び図2に示す減速装置が制動状態にあるときに形成される磁気回路を示す模式図である。
図5図5は、実施形態に係る渦電流式減速装置の組立方法の例を説明するための模式図である。
図6図6は、実施形態に係る渦電流式減速装置による効果の1つを説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施形態に係る渦電流式減速装置は、円筒状の制動部材と、円筒状の磁石保持部材と、複数の第1永久磁石と、複数の第2永久磁石と、複数のポールピースと、円筒部材と、ステータと、を備える。制動部材は、回転軸に固定される。磁石保持部材は、制動部材の内側又は外側において制動部材と同軸に配置される。第1永久磁石は、磁石保持部材の内周面及び外周面のうち制動部材側の面に保持される。第1永久磁石は、制動部材の周方向に配列される。第1永久磁石の各々の磁極の向きは、制動部材の径方向に沿い、且つ両隣の第1永久磁石の磁極の向きと反転している。第2永久磁石は、制動部材と第1永久磁石との間において周方向に配列される。第2永久磁石の各々は、制動部材側に配置される天面と、第1永久磁石側に配置され天面よりも周方向に長い底面と、を有する。第2永久磁石の各々の磁極の向きは、周方向に沿い、且つ両隣の第2永久磁石の磁極の向きと反転している。ポールピースは、周方向に隣り合う第2永久磁石の間に各々配置され、第2永久磁石に接触する。円筒部材は、第1永久磁石と第2永久磁石との間に配置される。円筒部材は、第2永久磁石の底面に接触する。円筒部材は、ポールピースとともに第2永久磁石を保持する。ステータには、ポールピース及び円筒部材が固定される。磁石保持部材を回転軸周りに回転させることにより、渦電流式減速装置の制動状態と非制動状態とが切り替えられる(第1の構成)。
【0015】
第1の構成に係る渦電流式減速装置では、円筒状の制動部材と、当該制動部材の周方向に配列された複数の第1永久磁石との間に、複数の第2永久磁石が設けられている。第2永久磁石は、制動部材側のポールピース及び第1永久磁石側の円筒部材に接触し、ポールピース及び円筒部材によって保持されている。このポールピース及び円筒部材がステータに固定されているため、第2永久磁石をステータに直接固定する必要がない。そのため、第1永久磁石からの引力及び斥力や第2永久磁石同士の斥力に起因して第2永久磁石に力が負荷されたとき、第2永久磁石のその場での動きをある程度許容することができる。よって、第2永久磁石がステータに固定されている場合と比較して、第2永久磁石に発生する応力を低減することができる。その結果、第2永久磁石の割れを抑制することができ、渦電流式減速装置の耐久性を向上させることができる。
【0016】
円筒部材は、非磁性材料で構成されることが好ましい(第2の構成)。
【0017】
第2の構成によれば、第1永久磁石と、制動部材側の第2永久磁石との間の円筒部材が非磁性材料で構成されている。これにより、隣り合う第1永久磁石同士の間での短絡磁気回路の形成や、各第2永久磁石での自己短絡の発生を防止することができ、制動状態において第1永久磁石及び第2永久磁石からの磁束を確実に制動部材に誘導することができる。そのため、十分な制動トルクを確保することができる。
【0018】
第2永久磁石の底面は、円筒部材に固定されていてもよい(第3の構成)。
【0019】
第3の構成によれば、複数の第2永久磁石の各底面が円筒部材に固定されているため、第2永久磁石及び円筒部材が一体化され、全体としての剛性が向上する。これにより、第2永久磁石を径方向に確実に保持することができる。
【0020】
渦電流式減速装置が制動状態にあるとき、制動部材は、第1永久磁石及び第2永久磁石からの磁束によってその表面で渦電流を発生させ、それに伴って発熱する。これに対して、第3の構成では、第2永久磁石の底面を円筒部材に固定することで、第2永久磁石を円筒部材に密着させている。そのため、制動部材で発生した熱を、第2永久磁石と円筒部材との間に滞留させることなく、円筒部材に伝達させて逃がすことができる。よって、第2永久磁石の温度上昇を抑制することができる。
【0021】
磁石保持部材は、好ましくは制動部材の内側に配置される(第4の構成)。
【0022】
第4の構成では、制動部材の内側に磁石保持部材が配置されている。第1永久磁石、第2永久磁石、ポールピース、及び円筒部材は、制動部材と磁石保持部材の間に配置される。すなわち、第4の構成によれば、制動部材、磁石保持部材、第1永久磁石、第2永久磁石、ポールピース、及び円筒部材のうち、制動状態で発熱する制動部材が径方向において最も外側に位置することになる。これにより、制動部材が気流に晒されやすくなり、制動部材の高温化を抑制することができる。その結果、制動部材以外の構成部品の温度上昇も抑制することができる。
【0023】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。各図において同一又は相当の構成については同一符号を付し、同じ説明を繰り返さない。
【0024】
[渦電流式減速装置の構成]
図1は、実施形態に係る渦電流式減速装置100の概略構成を示す縦断面図である。減速装置100は、例えば、トラックやバス等といった車両の補助ブレーキとして使用される。縦断面とは、減速装置100が用いられる車両の回転軸200の軸心Xを含む平面で切断したときの断面をいう。回転軸200は、例えば、プロペラシャフトや、ドライブシャフトである。
【0025】
図1を参照して、減速装置100は、制動部材10と、ステータ20と、磁石保持部材30と、複数の永久磁石41,42と、複数のポールピース50と、円筒部材60とを備える。
【0026】
制動部材10は、円筒状であり、回転軸200の軸心Xと実質的に同一の軸心を有する。制動部材10は、回転軸200に固定されている。より詳細には、制動部材10は、支持部材70を介して回転軸200に固定されている。そのため、制動部材10は、回転軸200とともに軸心X周りに回転する。以下、軸心Xが延びる方向を軸方向といい、制動部材10の周方向及び径方向を単に周方向及び径方向という。
【0027】
制動部材10は、例えば、炭素鋼や鋳鉄等の強磁性材料で構成されている。制動部材10の内周面は、導電率が高い銅めっき層で被覆されてもよい。制動部材10の外周面には、放熱フィン11が複数設けられている。
【0028】
ステータ20は、径方向において制動部材10の内側に配置されている。ステータ20は、回転軸200とともに回転しないよう、例えばトランスミッションカバー等といった車両の非回転部300に固定されている。ステータ20は、ステータ本体21と、ステータ保持部材22とを含む。ステータ本体21は、軸心Xを中心とする概略円環板状に形成されている。ステータ本体21は、ステータ保持部材22によって保持される。ステータ保持部材22は、ステータ本体21に対向する側部221と、側部221とステータ本体21とを連結する底部222とを含む。底部222は、支持部223を介し、車両の非回転部300に取り付けられる。
【0029】
磁石保持部材30は、円筒状であり、制動部材10と同一の軸心Xを有する。すなわち、磁石保持部材30は、実質的に制動部材10と同軸に配置されている。本実施形態の例では、磁石保持部材30は、径方向において制動部材10の内側に配置されている。磁石保持部材30は、ステータ本体21と、ステータ保持部材22の側部221及び底部222とで形成される空間内に配置されている。
【0030】
磁石保持部材30は、回転軸200とともに回転しない。磁石保持部材30は、例えばリング状のスライドプレート(図示略)を介し、ステータ本体21及びステータ保持部材22に対して周方向に摺動可能に取り付けられる。磁石保持部材30は、リンク機構(図示略)により、エアシリンダや電動アクチュエータ等の駆動装置(図示略)に接続されている。この駆動装置が作動することにより、磁石保持部材30が回転軸200周りに回転し、ステータ20に対して周方向に移動する。磁石保持部材30を回転軸200周りに回転させることにより、減速装置100の制動状態と非制動状態とが切り替えられる。磁石保持部材30は、例えば、炭素鋼や鋳鉄等の強磁性材料で構成されている。
【0031】
磁石保持部材30は、その外周面において複数の永久磁石41を保持している。永久磁石41の各々は、例えば接着剤により、磁石保持部材30の外周面に取り付けられる。永久磁石41と制動部材10との間には、複数の永久磁石42及び複数のポールピース50が設けられている。永久磁石42の各々は、ステータ20に直接固定されていない。一方、ポールピース50の各々は、ステータ20に固定されている。より具体的には、各ポールピース50において、軸方向の一端がステータ本体21に固定され、軸方向の他端がステータ保持部材22の側部221に固定されている。特に限定されるものではないが、各ポールピース50は、例えば、ピンやボルト等の固定部材80により、ステータ本体21及びステータ保持部材22の側部221に固定される。永久磁石41,42は、例えば、ネオジム磁石、フェライト磁石、又はサマリウムコバルト磁石等である。各ポールピース50は、例えば、炭素鋼や鋳鉄等の強磁性材料で構成されている。
【0032】
円筒部材60は、永久磁石41と永久磁石42との間に配置されている。円筒部材60は、制動部材10及び磁石保持部材30と同一の軸心Xを有する。すなわち、円筒部材60は、実質的に制動部材10及び磁石保持部材30と同軸に配置されている。
【0033】
円筒部材60は、ステータ20に固定されている。より具体的には、円筒部材60の軸方向の両端のうち、一方がステータ本体21に固定され、他方がステータ保持部材22の側部221に固定されている。円筒部材60の固定方法は、特に限定されるものではない。円筒部材60の両端は、例えば、接着剤や、溶接、かしめ加工等によってステータ本体21及びステータ保持部材22の側部221に接合することができる。円筒部材60の両端は、ステータ本体21及びステータ保持部材22の側部221に埋め込まれていてもよい。円筒部材60は、ポールピース50とともに永久磁石42を保持している。
【0034】
円筒部材60は、好ましくは非磁性材料で構成される。円筒部材60の材質としては、例えば、フェライト系ステンレス鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、及びアルミニウム合金等を挙げることができる。ただし、円筒部材60は、磁性材料で構成されていてもよい。
【0035】
図2において、図1に示す減速装置100の横断面を部分的に示す。横断面とは、回転軸200の軸心Xと直交する平面で切断したときの断面をいう。図2では、ステータ20が省略されている。
【0036】
図2を参照して、複数の永久磁石41は、磁石保持部材30の外周面上において周方向に配列されている。複数の永久磁石41は、磁石保持部材30の全周にわたり、所定の間隔を空けて配置されている。
【0037】
永久磁石41の各々は、一対の磁極(N極,S極)を有する。各永久磁石41の磁極の向きは、径方向に沿うとともに、両隣の永久磁石41の磁極の向きと反転している。すなわち、各永久磁石41は、径方向の内側にN極又はS極を有し、径方向の外側にこれと反対のS極又はN極を有する。各永久磁石41は、概略四角形状の横断面を有する。
【0038】
複数の永久磁石42は、制動部材10と永久磁石41との間において、周方向に配列されている。複数の永久磁石42は、周方向に所定の間隔を空けて配置されている。回転軸200の軸心X(図1)周りの永久磁石42の配置角度は、軸心X周りの永久磁石41の配置角度と等しい。各永久磁石42は、周方向に隣り合う2つの永久磁石41に跨るように配置されている。
【0039】
永久磁石42の各々は、一対の磁極(N極,S極)を有する。各永久磁石42の磁極の向きは、周方向に沿うとともに、両隣の永久磁石42の磁極の向きと反転している。すなわち、各永久磁石42は、周方向の一方側にN極又はS極を有し、周方向の他方側にこれと反対のS極又はN極を有する。
【0040】
各永久磁石42は、天面421と、底面422とを含む。天面421は、制動部材10側に配置されている。底面422は、天面421よりも周方向に長く、永久磁石41側に配置されている。天面421及び底面422の周方向の一端同士は、斜面423によって接続されている。天面421及び底面422の周方向の他端同士は、斜面424によって接続されている。斜面423,424と底面422との角部は、削り落とされていてもよいし、丸められていてもよい。同様に、斜面423,424と天面421との角部も、削り落とされていてもよいし、丸められていてもよい。
【0041】
永久磁石42の各々は、周方向の両端部に向かうにつれて厚み(径方向における長さ)が小さくなっている。周方向に隣り合う永久磁石42の端部同士の間には、隙間G1が形成されている。隙間G1には、非磁性材料が充填されていてもよいし、充填されなくてもよい。
【0042】
周方向に隣り合う永久磁石42の間には、それぞれ、ポールピース50が配置されている。回転軸200の軸心X(図1)周りのポールピース50の配置角度は、軸心X周りの永久磁石41の配置角度と等しい。ポールピース50は、周方向において永久磁石41と対応する位置に配置されている。
【0043】
ポールピース50の各々は、例えば、概略ホームベース形状の横断面を有する。ポールピース50は、制動部材10に対向する底面51と、底面51から永久磁石42側に延びる側面52,53と、側面52,53から周方向中央側且つ永久磁石41側に向かう斜面54,55とを含む。ポールピース50は、斜面54,55で永久磁石42に接触する。すなわち、各ポールピース50において、一方の斜面54は、当該ポールピース50の両隣に位置する永久磁石42のうち、一方側の永久磁石42の斜面423と対向して接触し、他方の斜面55は、他方側の永久磁石42の斜面424と対向して接触する。ポールピース50の斜面54,55は、例えば接着剤等により、永久磁石42の斜面423,424に対して固定されていてもよい。永久磁石42の斜面423,424に対し、ポールピース50の斜面54,55を固定することなく密着させることもできる。
【0044】
ポールピース50の各々は、周方向の中央部に向かうにつれて厚み(径方向における長さ)が大きくなっている。永久磁石42の天面421側において、周方向に隣り合うポールピース50の間には、隙間G2が形成されている。隙間G2には、非磁性材料が充填されていてもよいし、充填されなくてもよい。
【0045】
円筒部材60は、各永久磁石42の底面422に接触し、複数のポールピース50とともに永久磁石42を保持している。より詳細には、円筒部材60の外周面と、ポールピース50の斜面54,55とによって、各永久磁石42が挟持されている。
【0046】
円筒部材60の外周面は、各永久磁石42の底面422との間に隙間が生じないように永久磁石42に密着していることが好ましい。各永久磁石42の底面422は、例えば、接着剤によって円筒部材60の外周面に固定することができる。ただし、各永久磁石42の底面422は、円筒部材60に固定されていなくてもよい。円筒部材60の内周面は、永久磁石41とわずかに隙間を空けて対向する。
【0047】
[渦電流式減速装置の動作]
次に、図3及び図4を参照しつつ、減速装置100の動作を説明する。図3は、減速装置100が非制動状態にあるときに形成される磁気回路を示す模式図である。図4は、減速装置100が制動状態にあるときに形成される磁気回路を示す模式図である。
【0048】
(非制動状態)
図3を参照して、永久磁石42の各々は、当該永久磁石42よりも径方向の内側で周方向に隣り合う2つの永久磁石41に跨るように配置されている。すなわち、各永久磁石42は、周方向視で2つの永久磁石41と部分的に重なるように配置されている。非制動状態では、各永久磁石42において、2つの永久磁石41の一方と重なる部分の磁極は、当該永久磁石41の永久磁石42側の磁極と異なる。同様に、各永久磁石42において、2つの永久磁石41の他方と重なる部分の磁極も、当該永久磁石41の永久磁石42側の磁極と異なる。そのため、非制動状態では、周方向に隣り合う2つの永久磁石41と、これらに跨る永久磁石42と、磁石保持部材30との間に磁気回路が形成される。
【0049】
具体的に説明すると、周方向に隣り合う2つの永久磁石41のうち、一方の永久磁石41が永久磁石42側にN極を有し、他方の永久磁石41が永久磁石42側にS極を有する場合、一方の永久磁石41のN極から出た磁束は、円筒部材60を通過し、永久磁石42のS極に到達する。永久磁石41のN極から出た磁束は、ポールピース50ではなく、永久磁石42のS極へと案内される。永久磁石41とポールピース50との間には隙間G1が存在し、この隙間G1内の空気又は非磁性材料が磁気抵抗となるためである。
【0050】
永久磁石42のN極から出た磁束は、円筒部材60を通過して他方の永久磁石41のS極に到達する。他方の永久磁石41のN極から出た磁束は、磁石保持部材30を通って一方の永久磁石41のS極に到達する。永久磁石41,42からの磁束は、制動部材10には到達しない。
【0051】
非制動状態では、減速装置100の全周にわたり、このような磁気回路が複数形成される。これらの磁気回路の磁束の向きは、周方向に隣り合う磁気回路同士で逆向きとなる。
【0052】
(制動状態)
図4を参照して、減速装置100は、駆動装置(図示略)によって磁石保持部材30を回転させることにより、非制動状態から制動状態へと切り替えられる。磁石保持部材30は、回転軸200の軸心X(図1)周りにおける永久磁石41の配置角度の分だけ、回転軸200周りに回転する。磁石保持部材30の回転により、永久磁石42及びポールピース50に対する永久磁石41の周方向の位置が変化する。
【0053】
制動状態においても、各永久磁石42は、周方向視で2つの永久磁石41と部分的に重なるように配置される。ただし、制動状態では、各永久磁石42において、2つの永久磁石41の一方と重なる部分の磁極は、当該永久磁石41の永久磁石42側の磁極と等しい。同様に、各永久磁石42において、2つの永久磁石41の他方と重なる部分の磁極も、当該永久磁石41の永久磁石42側の磁極と等しい。そのため、制動状態では、周方向に隣り合う2つの永久磁石41と、これらに対応するポールピース50と、制動部材10と、磁石保持部材30との間に磁気回路が形成される。また、制動状態では、周方向に隣り合う2つのポールピース50と、これらの間の永久磁石42と、制動部材10との間にも磁気回路が形成される。
【0054】
具体的に説明すると、周方向に隣り合う2つの永久磁石41のうち、一方の永久磁石41が永久磁石42側にN極を有し、他方の永久磁石41が永久磁石42側にS極を有する場合、一方の永久磁石41から出た磁束は、円筒部材60及び隙間G1を通過し、当該永久磁石41に対応するポールピース50に導入される。この磁束は、制動部材10を通り、他方の永久磁石41に対応するポールピース50に導入される。磁束は、さらに隙間G1及び円筒部材60を通過し、他方の永久磁石41のS極に到達する。他方の永久磁石41のN極から出た磁束は、磁石保持部材30を通って一方の永久磁石41のS極に到達する。
【0055】
一方、各永久磁石42のN極から出た磁束は、この永久磁石42に隣接する2つのポールピース50の一方を通り、制動部材10に導入される。ここで、永久磁石42の天面421は隙間G2に対して露出しており、強磁性材料で覆われていない。そのため、永久磁石41のN極から出た磁束は、自己短絡することなく、ポールピース50を介して制動部材10に到達する。各永久磁石42のN極から制動部材10に向かう磁束は、永久磁石41のN極から制動部材10に向かう磁束と重畳する。制動部材10に達した磁束は、永久磁石42に隣接する2つのポールピース50の他方を通り、永久磁石42のS極に到達する。
【0056】
制動状態では、減速装置100の全周にわたり、このような磁気回路が複数形成される。これらの磁気回路の磁束の向きは、周方向に隣り合う磁気回路同士で逆向きとなる。
【0057】
永久磁石41,42が静止している一方、制動部材10は回転軸200(図1)とともに回転していることにより、永久磁石41,42からの磁束が到達した制動部材10の内周面では渦電流が発生する。この渦電流と永久磁石41,42からの磁束との相互作用により、回転軸200とともに回転する制動部材10に対し、その回転方向と逆向きの制動トルクが発生する。
【0058】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る渦電流式減速装置100において、各永久磁石42は、ポールピース50及び円筒部材60によって保持されており、ステータ20に直接固定されていない。そのため、永久磁石41からの引力又は斥力や永久磁石42同士の斥力によって永久磁石42に径方向の力が負荷されたり、非制動状態と制動状態との切り替えを行う際に、永久磁石42に対する永久磁石41の位置の変化に応じて永久磁石42に周方向の力及び自転させる力(回転モーメント)が負荷されたりした場合に、永久磁石42のその場での動きを許容することができる。すなわち、永久磁石42は、ステータ20に固定されていないため、負荷された力に任せて円筒部材60の外周面上である程度動くことができる。そのため、永久磁石42に発生する応力を低減することができ、永久磁石42の割れを抑制することができる。よって、減速装置100の耐久性を向上させることができる。
【0059】
本実施形態において、円筒部材60は、内周側の永久磁石41と外周側の永久磁石42との間に配置されている。そのため、永久磁石42が径方向内側への力を受けた場合や、永久磁石42に回転モーメントが負荷された場合であっても、円筒部材60により、永久磁石42を所定の位置に保持することができる。
【0060】
本実施形態のように、円筒部材60を永久磁石42の内周側に設けている場合、減速装置100の組立性を向上させることができる。すなわち、図5に示すように、円筒部材60をステータ20に予め取り付けておけば、円筒部材60の外周面に沿って各永久磁石42を軸方向に挿入することができる。これにより、各永久磁石42の径方向の位置決めを容易に行うことができる。よって、減速装置100の組立性を向上させることができる。
【0061】
例えば、図6に示すように、減速装置100に円筒部材60が存在しない場合、各永久磁石42が径方向内側への力や回転モーメントに耐え得るよう、ステータ20に設けられた鍔部23によって各永久磁石42を支持することが考えられる。この場合、各永久磁石42に対し、ステータ20の鍔部23に対応して段付き加工を施す必要がある。一方、本実施形態において、各永久磁石42は、径方向内側への力や回転モーメントが負荷されても移動しないよう、円筒部材60によって径方向内側から保持されている。そのため、各永久磁石42に段付き加工を施す必要がない。これにより、永久磁石42の加工コストを低減することができ、且つ永久磁石42の磁気効率の低下を回避することができる。
【0062】
本実施形態において、円筒部材60は、好ましくは非磁性材料で構成されている。円筒部材60の材質が非磁性材料である場合、周方向に隣り合う永久磁石41同士の間での短絡磁気回路の形成や、各永久磁石42での自己短絡の発生を防止することができる。よって、制動状態において各永久磁石41,42から制動部材10に向かう磁束を確実に通過させることができ、十分な制動トルクを確保することができる。
【0063】
ただし、円筒部材60は、磁性材料で構成されていてもよい。円筒部材60の材質が磁性材料である場合、周方向に隣り合う永久磁石41間や、個々の永久磁石42のN極とS極との間に短絡磁気回路が形成されないように、円筒部材60の肉厚を極力小さくすることが好ましい。円筒部材60の材質が非磁性材料である場合も、円筒部材60を挟んで配置される永久磁石41,42の径方向の距離が増大し、磁気効率が低下するのを回避するため、円筒部材60の肉厚を極力小さくすることが好ましい。円筒部材60の肉厚は、例えば、0.3mm~2.0mmに設定することができる。
【0064】
本実施形態において、各永久磁石42の底面422は、好ましくは円筒部材60に固定されている。この場合、各永久磁石42の底面422が円筒部材60に密着し、各永久磁石42と円筒部材60との間に実質的に隙間が生じない。よって、制動時において制動部材10で発生した熱を、永久磁石42と円筒部材60との間で滞留させることなく、円筒部材60に伝達させて逃がすことができる。これにより、永久磁石42の温度上昇を抑制することができる。
【0065】
各永久磁石42の底面422が円筒部材60に固定され、複数の永久磁石42と円筒部材60とが一体化されている場合、永久磁石42及び円筒部材60の全体としての剛性が向上する。そのため、永久磁石42を径方向に確実に保持することができる。
【0066】
各永久磁石42の底面422が円筒部材60に固定されていたとしても、永久磁石42がステータ20に固定される場合と異なり、各永久磁石42の動きはある程度許容される。すなわち、永久磁石41からの引力又は斥力や、永久磁石42同士の斥力に起因して永久磁石42に力が負荷された場合、永久磁石42は、薄肉の円筒部材60とともに動くことができる。よって、永久磁石42に発生する応力を低減することができ、永久磁石42の割れを抑制することができる。
【0067】
本実施形態に係る減速装置100において、磁石保持部材30は、制動部材10の内側に配置されている。すなわち、制動部材10、磁石保持部材30、永久磁石41,42、ポールピース50、及び円筒部材60のうち、制動部材10が径方向において最も外側に配置されている。これにより、制動時に発熱する制動部材10が気流に晒されやすくなり、制動部材10の高温化を抑制することができる。その結果、制動部材10以外の構成部品の温度上昇も抑制することができる。
【0068】
本実施形態において、周方向に隣り合う永久磁石42の間には、隙間G1が形成されている。この隙間G1は、非制動状態において永久磁石41からポールピース50への磁束漏れを抑制する機能を有する。一方、隙間G1は、制動状態における磁気回路の形成を実質的に阻害しない。制動状態では、永久磁石41のN極からの磁束に永久磁石42のN極からの磁束が重畳する。そのため、永久磁石41のN極からの磁束は、永久磁石42のN極からの磁束と強め合いながら、隙間G1を通じ、ポールピース50に有効に導入される。ポールピース50に導入された磁束は、制動部材10を通って周方向に隣接するポールピース50に導入された後、永久磁石42のS極に引き寄せられることにより、隙間G1を通じて永久磁石41のS極まで有効に到達することができる。よって、制動状態では、永久磁石41,42とポールピース50との間で授受される磁束の量を十分に確保することができ、制動トルクを発生させるための磁気回路を形成することができる。
【0069】
本実施形態において、各永久磁石42の厚みは、周方向の両端部に向かうにつれて小さくなっている。そのため、各永久磁石42の周方向の両端部から出る磁束は比較的少ない。また、永久磁石42間に配置されるポールピース50の厚みは、周方向の中央部に向かうにつれて大きくなっている。これらの構成により、制動状態において、周方向に隣り合う永久磁石42間で磁束漏れが生じるのを抑制することができる。よって、制動時において各永久磁石42からの磁束を制動部材10側に確実に導くことができ、制動トルクを効果的に発生させることができる。
【0070】
以上、本開示に係る実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0071】
上記実施形態では、磁石保持部材30が制動部材10の内側に配置されている。しかしながら、磁石保持部材30が制動部材10の外側に配置されていてもよい。この場合、永久磁石41,42、ポールピース50、及び円筒部材60も制動部材10の外側に配置される。円筒部材60は、その内周面によってポールピース50とともに永久磁石42を保持することになる。
【0072】
上記実施形態に係る減速装置100は、永久磁石41と永久磁石42との間に円筒部材60を備える。減速装置100は、円筒部材60とは別の円筒部材をさらに備えていてもよい。この円筒部材は、例えば、制動部材10と、永久磁石42及びポールピース50との間に配置される。この場合、ポールピース50は、当該円筒部材を介してステータ20に間接的に固定されていてもよい。
【0073】
上記実施形態では、周方向に隣り合うポールピース50の間に隙間G2が形成されている。しかしながら、周方向に隣り合うポールピース50の間には、隙間G2が形成されなくてもよい。すなわち、隙間G2が存在しないように複数のポールピース50が一体化されていてもよいし、周方向に隣り合うポールピース50の間を各永久磁石42の一部が埋めていてもよい。
【符号の説明】
【0074】
100:渦電流式減速装置
10:制動部材
20:ステータ
30:磁石保持部材
41,42:永久磁石
421:天面
422:底面
50:ポールピース
60:円筒部材
200:回転軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6