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  • 特許-加工品の姿勢変換装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-06
(45)【発行日】2023-06-14
(54)【発明の名称】加工品の姿勢変換装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/24 20060101AFI20230607BHJP
   B65G 47/92 20060101ALI20230607BHJP
   B65G 47/91 20060101ALI20230607BHJP
   B21D 45/00 20060101ALI20230607BHJP
   B30B 15/32 20060101ALI20230607BHJP
   B21D 43/00 20060101ALN20230607BHJP
【FI】
B65G47/24 H
B65G47/92 A
B65G47/91 A
B21D45/00 C
B30B15/32
B21D43/00 P
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018006811
(22)【出願日】2018-01-18
(65)【公開番号】P2019123608
(43)【公開日】2019-07-25
【審査請求日】2021-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】515161261
【氏名又は名称】株式会社KHエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100124419
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 敬也
(74)【代理人】
【識別番号】100162293
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷 久生
(72)【発明者】
【氏名】木村 敏章
【審査官】寺川 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-113028(JP,A)
【文献】特開2011-105438(JP,A)
【文献】実開昭63-139231(JP,U)
【文献】実開平06-059333(JP,U)
【文献】特開2005-145651(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/24
B65G 47/92
B65G 47/91
B21D 45/00
B30B 15/32
B21D 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレス等で加工されて搬送コンベアにより搬送されてくる加工品の姿勢を変換して搬送コンベア上に載置する姿勢変換装置であって、
加工品の上面に対して吸着可能な加工品吸着機構を備えており、90°毎に回転、及び停止のステップを繰り返す回転盤部材が設けられており、
前記回転盤部材における前記加工品吸着機構は、前記回転盤部材の外周に沿って90°毎に、さらに、前記回転盤部材の中心部を取り囲むように90°毎に配列されているので、前記回転盤部材が90°毎に回転した際、同じ配列になるように配列されていることを特徴とする加工品の姿勢変換装置。
【請求項2】
前記加工品吸着機構が、電磁石の磁力によって加工品を吸着・脱着可能なものであることを特徴とする請求項1に記載の加工品の姿勢変換装置。
【請求項3】
前記加工品吸着機構が、真空吸引装置の吸引力によって加工品を吸着・脱着可能なものであることを特徴とする請求項1に記載の加工品の姿勢変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上流でプレス等により加工され、搬送コンベア上を連続的に下流に流れてくる加工品の姿勢を、搬送コンベアの搬送速度を減速させたり止めたりすることなく、スムーズに変換することができる姿勢変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プレス等で加工された加工品を次工程に流す手段として、搬送コンベア(ローラコンベア、ベルトコンベア)等が広く採用されている。近年ではプレス加工の自動化も進み、それに伴い、プレス加工工程後の搬送作業の自動化も進んでおり、生産性の向上や安全性の向上に貢献している。プレス加工品の形状やサイズは様々であり、例えば、プレス加工品の長手方向の長さが搬送コンベアの幅よりも大きくなってしまうことがある。かかる場合には、プレス加工品の長手方向を搬送コンベアの進行方向と平行になるようにプレス加工品を搬送コンベアに積載して搬送しなければならないが、そのためには、プレス加工品の姿勢をいちいち変換(回転)させなければならない。
【0003】
特許文献1には、回転軸廻りに回転する駆動輪と、駆動輪と搬送部とを回転軸廻りに相対移動可能に連結する変速部と、搬送部の駆動輪に対する回転軸廻りの相対角速度が、ワーク受取領域において受取速度となり、ワーク引渡領域において引渡速度となるように変化させる変速用ガイドとを備えた搬送装置が開示されている。すなわち、加工品が速度の速い前工程のコンベア上を長手方向に沿って搬送され、この搬送装置によって減速されるとともに向き(要するに姿勢)を変更された後、速度の遅い後工程のコンベア上を短手方向に沿って搬送される搬送装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-44796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に係る搬送装置は、加工品の姿勢を90°回転させることにより変換させることはできるが、搬送ライン上を移動する加工品(素材を含む)を他の搬送ラインに受け渡す間に、加工品の搬送速度を変化させる搬送方法を用いているため、加工品の流れ速度を変えなければならず、加工品の搬送速度を変えずに加工品をスムーズに流すことができない。要するに、特許文献1に係る搬送装置においては、搬送速度の異なる搬送コンベアを2台必要とするので設備面においてコストが掛かるため好ましくない。
【0006】
本発明の目的は、プレス等で加工されて搬送されてくる加工品の姿勢を加工品の搬送速度を変えずに変換することができる、すなわち一定の搬送速度を有する(1台の)搬送コンベアで搬送することができる姿勢変換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、プレス等で加工されて搬送コンベアにより搬送されてくる加工品の姿勢を変換して搬送コンベア上に載置する姿勢変換装置であって、
加工品の上面に対して吸着可能な加工品吸着機構を備えており、90°毎に回転、及び停止のステップを繰り返す回転盤部材が設けられており、
前記回転盤部材における前記加工品吸着機構は、前記回転盤部材の外周に沿って90°毎に、さらに、前記回転盤部材の中心部を取り囲むように90°毎に配列されているので、前記回転盤部材が90°毎に回転した際、同じ配列になるように配列されていることを特徴とする加工品の姿勢変換装置であることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記加工品吸着機構が、電磁石の磁力によって加工品を吸着・脱着可能なものであることを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載された発明は、請求項1に記載された発明おいて、前記加工品吸着機構が、真空吸引装置の吸引力によって加工品を吸着・脱着可能なものであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の姿勢変換装置は、プレス等で加工されて搬送コンベアにより搬送されてくる加工品の姿勢を加工品の搬送速度を落とすことなく変換することができる搬送コンベア面と所定の間隔を有しつつ設置する姿勢変換装置である。所定の角度毎に回転、及び停止のステップを繰り返す回転盤部材と、回転盤部材に設置した加工品吸着機構を備えているので、プレス等で加工されて上流から搬送されてくる加工品の姿勢を加工品の搬送速度を落とすことなく変換することができる。
【0012】
請求項2に記載の姿勢変換装置は、加工品吸着機構は複数の電磁石を回転盤部材に設置することによるものであるので、電磁石を通電することによって一時的に磁力を発生させることができるため、所定の角度毎に回転、及び停止のステップを繰り返す回転盤部材に合わせて自由に磁力を発生させて、もしくは磁力を消滅させて加工品を吸着し、切り離すことができる。
【0013】
請求項3に記載の姿勢変換装置は、加工品吸着機構は複数の吸引口を有する真空吸引装置を回転盤部材に設置することによるものであるので、真空吸引装置を作動させることによって、一時的に吸引力を発生させ、消滅させることができるため、所定の角度毎に回転、及び停止のステップを繰り返す回転盤部材に合わせて自由に吸引力を発生させて、もしくは吸引力を消滅させて加工品を吸着し、切り離すことができる。
【0014】
請求項4に記載の姿勢変換装置は、回転盤部材の回転、及び停止のステップ毎の搬送されてくる加工品に対する加工品吸着機構の姿勢が同じであるので、回転盤部材の回転、及び停止のステップ毎に繰り返した際であっても、搬送されてくる加工品に対して全く同じ吸引力を連続的に発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施例に係る姿勢変換装置の全体図である。
図2】姿勢変換装置の使用方法を説明するための図である。
図3】姿勢変換装置の搬送状態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<姿勢変換装置の構造>
以下、本発明に係る姿勢変換装置1の一実施形態について、図1図3に基づいて詳細に説明する。図1は、本実施例に係る姿勢変換装置1の全体図である。図1(a)は全体正面図であり、図1(b)は、全体下面図である。
【0017】
本発明に係る姿勢変換装置1は、プレス加工品等を搬送する搬送コンベアの途中に搬送面と隙間を設けて設置することで、プレス加工品等を吸収するとともに回転させることにより、プレス加工品等の姿勢を変換する姿勢変換装置1である。本実施例に係る姿勢変換装置1は、略円盤形状の回転盤部材2と、加工品吸着機構3(加工品吸収機構の吸着口)を備えている(図1参照)。加工品吸着機構3は搬送コンベアの上流から搬送されてくるプレス加工品を加工品吸着機構3(加工品吸収機構の吸着口)にて吸着し、一時的に搬送コンベアの搬送面から浮かすことができるようになっている。
【0018】
略円盤形状の回転盤部材2のサイズはφ250mm~φ350mm程度であり、加工品吸着機構3(加工品吸収機構3の吸着口)のサイズは、φ50mm~φ80mm程度である。回転盤部材2における加工品吸着機構3(加工品吸収機構3の吸着口)の配置は、図1(b)に記載したように、回転盤部材2の中心を取り囲むように配置された複数の加工品吸着機構3(加工品吸収機構3の吸着口:図1においては4カ所)、及び、それを取り囲むように円周上を一定の間隔を空けて配置された複数の加工品吸着機構3(加工品吸収機構3の吸着口:図1においては4カ所)が配置されている。
【0019】
回転盤部材2は回転中心(回転盤部材2の中心)において所定の角度(本実施例においては90°であるが、他の実施例においては180°姿勢を変換させるような場合もあり得る)毎に回転、及び停止のステップを繰り返すことができるようになっている。この際、ステップ毎における加工品吸着機構3(加工品吸収機構3の吸着口)の回転盤部材2における配置が全く同じになるようになっている。なお、加工品吸着機構3(加工品吸収機構3の吸着口)の回転盤部材2における配置は、図1に記載された配置に限定されることはなく、回転、及び停止のステップを繰り返した際、全く同じになるような配置であれば、如何なる配置も採用することができることは言うまでもない。
【0020】
加工品吸着機構3は、複数の電磁石4を回転盤部材2に設置(図1(b)参照)することによるもの、及び真空吸引装置の複数の吸引口5を回転盤部材2に設置することによる(なお、真空吸引装置については図示しない。)。電磁石は磁性材料の芯のまわりに、コイルを巻き、通電することによって一時的に磁力を発生させる磁石である。電流を止めると磁力は失われるので、スイッチのオンとオフを繰り返すことにより吸着状態と非吸着状態を繰り返すことができる。真空吸引装置は、ある空間を真空状態にすることで生じる大気圧との圧力差を利用して加工品を吸着するものである。スイッチのオンとオフを繰り返すことにより吸着状態と非吸着状態を繰り返すことができる。複数の電磁石4を回転盤部材2に設置することによるもの、及び真空吸引装置の複数の吸引口5を回転盤部材2に設置することによるもののいずれであっても作動状態は同じであるので、本明細書においては主に複数の電磁石4を回転盤部材2に設置することによるものについて加工品吸着機構3を説明することにする。
【0021】
本発明の特徴として回転盤部材2の回転、及び停止のステップ毎における加工品吸着機構3(より正確に言うと、加工品吸着機構の加工品吸着口)の回転盤部材2における配列が同じであるということが挙げられる。複数の電磁石4を回転盤部材2に設置することによるものとして、具体的に説明すると、図1(b)は、本実施例に係る加工品吸着機構3(電磁石)の回転盤部材2における配列を示しているが、回転盤部材2が90°のステップで回転及び停止を繰り返す際、90°回転した際の加工品吸着機構3(電磁石)の回転盤部材2における配列、さらに90°回転した際(要するに180°回転)の加工品吸着機構3(電磁石)の回転盤部材2における配列、さらに90°回転した際(要するに270°回転)の加工品吸着機構3(電磁石)の回転盤部材2における配列は同じである(図1(b)参照)。
【0022】
<姿勢変換装置の使用方法>
図2は、本実施例に係る姿勢変換装置1の使用方法を説明するための図である。本実施例に係る姿勢変換装置1を使用する際は、門型フレームに姿勢変換装置1を吊り下げるようにして設置(図1参照)することで、搬送コンベア(ベルトコンベア6)上に搬送コンベア面と所定の間隔を有しつつ(要するに浮かせて)姿勢変換装置1を設置する。
【0023】
図2に記載したように、プレス加工品Pの形状やサイズによっては、プレス加工品の長手方向の長さが、次工程に搬送するための搬送コンベア(ロールコンベア7)の幅よりも大きくなってしまうことがある。かかる場合には、プレス加工品Pが搬送コンベア(ロールコンベア7)からはみ出てしまうので、プレス加工品Pの長手方向を搬送コンベアの進行方向と平行になるように、プレス加工品Pの姿勢を変換(要するに回転)する必要がある。本実施例に係る姿勢変換装置1により、プレス加工品Pの姿勢を変換(90°回転)させた後、プレス加工品Pを搬送コンベア(ロールコンベア7)にて次工程に搬送することができる。
【0024】
<姿勢変換装置の作動状態>
図3は、本発明に係る姿勢変換装置1の作動状態を説明するための図である。本発明に係る姿勢変換装置1が、どのような作動状態になることで、プレス加工品Pの搬送速度を変えることなく一定の速度(搬送コンベアの搬送速度一定)を保ったままでプレス加工品Pの姿勢を変えることができるのかについて以下で説明する。なお、図3において、姿勢変換前のプレス加工品Pは斜線なしで表し、姿勢変換後のプレス加工品Pは斜線ありで表している。
【0025】
図3は、プレス機でプレスされたプレス加工品P1,P2,P3が搬送コンベア(ベルトコンベア6を想定している)上を流れてきて、姿勢変換装置1の加工品吸着機構3により吸着された瞬間(時間T)の加工品の状態(位置、及び姿勢)、ΔT時間経過後の加工品の状態(位置、及び姿勢)、ΔT1時間経過後の加工品の状態(位置、及び姿勢)、ΔT2時間経過後の加工品の状態(位置、及び姿勢)、ΔT3時間経過後(プレス加工品P1がロールコンベア7上に積載)の加工品の状態(位置、及び姿勢)を示している。
【0026】
姿勢変換装置1の加工品吸着機構3により吸着される直前(時間T)において、図3に記載したように、プレス加工品P(P1、P2、P3)の姿勢は縦向き(尖った一対の部分を搬送コンベアの長手方向に配置させた状態)になっている。ΔT時間経過後において、搬送されたプレス加工品P(P1)は、姿勢変換装置1により、加工品吸着機構3である電磁石4に吸着されて、一旦搬送コンベア面から離れ、90°回転して横向き(尖った一対の部分を搬送コンベアの長手方向に対して垂直な方向に配置させた状態)になり、その後、加工品吸着機構3である電磁石4から離れて(重力で落下して)搬送コンベア上に再び載せられることになる。これら一連の動作はΔT時間以内に行われる。ΔT時間経過後において、横向きになったプレス加工品P(P1)とプレス加工品P(P2)は、間隔が縮まるが重なることなく搬送コンベア上を流れている。
【0027】
引き続きΔT1時間経過後において、90°姿勢が変換された(回転した)プレス加工品P(P1)とプレス加工品P(P2,P3)が搬送コンベア上を流れている。ΔT2時間経過後(加工品吸着機構3によりプレス加工品P(P2)が吸着される直前)において、プレス加工品P(P2)の姿勢は縦向きになっている。
【0028】
ΔT3時間経過時において、加工品P(P2)が姿勢変換装置1により、吸着されて搬送コンベアから離れると同時に90°回転し、その後搬送コンベア上に置かれ、引き続き加工品P(P3)も姿勢変換装置1により、吸着されて搬送コンベアから離れると同時に90°回転し、その後搬送コンベア上に置かれる。これら一連の動作は(ΔT3-ΔT2)時間以内に行われる。ΔT3時間経過後において、横向きになったプレス加工品P(P3)とプレス加工品P(P2)は、間隔が縮まるが重なることなく搬送コンベア上を流れている。それと同時に横向きになったプレス加工品P(P2)と既に横向きになっているプレス加工品P(P1)においても、互いに重なることなく適度な間隔を置いて搬送コンベア上を流れている。
【0029】
本発明に係る姿勢変換装置1により、搬送コンベア上を搬送されてくるプレス加工品Pは、このような動作が繰り返されることになる。姿勢変換装置1の回転と停止のサイクルに要する時間をできるだけ短縮するような制御を行うことで、さらに、プレス加工品Pの搬送速度、プレス加工品Pの搬送間隔等を制御することで、搬送コンベア上を搬送されてくるプレス加工品P(P1、P2、P3)が互いに重なることや衝突することはない。
【0030】
<姿勢変換装置の効果>
本発明に係る姿勢変換装置1は、搬送コンベア面と所定の間隔を有しつつ設置することで、プレス等で加工されて搬送コンベアにより連続的に搬送されてくるプレス加工品Pの姿勢を加工品の搬送速度を落とすことなく変換(回転)することができるというのが最大の特徴である。所定の角度毎に回転、及び停止のステップを繰り返す回転盤部材2と、回転盤部材2に設置した加工品吸着機構3を備えているので、プレス等で加工されて上流から搬送されてくるプレス加工品Pの姿勢を加工品の搬送速度を落とすことなく変換することができる。
【0031】
加工品吸着機構3は、電磁石を通電することによって一時的に磁力を発生させることができるため、所定の角度毎に回転、及び停止のステップを繰り返す回転盤部材に合わせて自由に磁力を発生させて、もしくは磁力を消滅させて加工品を吸着し、切り離すことができる。さらに、加工品吸着機構3は、真空吸引装置を作動させることによって、一時的に吸引力を発生させ、消滅させる機構も採用することができるため、所定の角度毎に回転、及び停止のステップを繰り返す回転盤部材2に合わせて自由に吸引力を発生させて、もしくは吸引力を消滅させて加工品を吸着し、切り離すことができる。
【0032】
さらには、回転盤部材2の回転、及び停止のステップ毎の搬送されてくる加工品に対する加工品吸着機構3の姿勢が同じである(すなわち、加工品吸着機構3が回転盤部材3の中心に対して45°毎の点対称となるように配置されている)ので、回転盤部材2の回転、及び停止のステップ毎に繰り返し全く同じ吸引力を繰り返し発生させることができるという特徴もある。
【0033】
<姿勢変換装置の変更例>
本発明に係る姿勢変換装置は、上記した各実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、回転盤部材、加工品吸着機構、電磁石、真空吸引装置の吸引口等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。例えば、加工品吸着機構は複数の永久磁石によるものにすることができる。
【0034】
かかる場合においても、回転盤の回転、及び停止のステップ毎の該マグネットの回転盤における配列が同じであり、さらに、回転盤が所定の角度毎の回転し、及び停止した瞬間に下方向に向かってプレス加工品を押し出すようにして永久磁石から取り外すように制御されている加工品取り外し部材を備えることにより、所定の角度毎に回転、及び停止のステップを繰り返す回転盤部材に合わせて、プレス加工品を吸着し、切り離すことができるし、停止した瞬間に下方向に向かってプレス加工品を下方向に押し出すようにして永久磁石から取り外すことができる。
【0035】
本発明に係る姿勢変換装置は、回転と停止のステップを繰り返す際の回転角度は、90°以外にも180°であっても良いし、それ以外のあらゆる角度(360°以内)で回転と停止のステップを繰り返しても良い。さらに、回転盤部材を同じ方向に回転させ続ける方式を採用しているが、回転盤部材において右回りと左回りを繰り返すように回転させる機構であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明に係る姿勢変換装置は、上記の如く優れた効果を奏するものであるので、上流でプレス等により加工されて下流に流れてくる加工品の姿勢をスムーズに変換することができる姿勢変換装置として好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0037】
1・・姿勢変換装置
2・・回転盤部材
3・・加工品吸着機構
4・・電磁石
5・・真空吸引装置の吸引口
6・・ベルトコンベア
7・・ロールコンベア
P・・プレス加工品
図1
図2
図3