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特許7290851情報処理方法、情報処理装置及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-06
(45)【発行日】2023-06-14
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20230607BHJP
【FI】
G06Q10/10
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018222311
(22)【出願日】2018-11-28
(65)【公開番号】P2020087105
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】518322643
【氏名又は名称】株式会社ひらめき
(74)【代理人】
【識別番号】100160314
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 公芳
(74)【代理人】
【識別番号】100087745
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 善廣
(74)【代理人】
【識別番号】100118094
【弁理士】
【氏名又は名称】殿元 基城
(74)【代理人】
【識別番号】100134038
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 薫央
(74)【代理人】
【識別番号】100150968
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 悠有子
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】三浦 一大
(72)【発明者】
【氏名】内山 靖隆
【審査官】池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-066794(JP,A)
【文献】特開2005-222246(JP,A)
【文献】特開2006-252519(JP,A)
【文献】特開2005-244524(JP,A)
【文献】特開2018-163435(JP,A)
【文献】特開2015-130176(JP,A)
【文献】特開2003-178081(JP,A)
【文献】特開2008-242798(JP,A)
【文献】特開2009-237786(JP,A)
【文献】米国特許第8489442(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
演算部が、
会議の最中に発生したイベントの内容を時系列的に記録した議事録データを作成し、
スケジュールデータに基づいて前記会議の参加予定者を識別し、
複数の人物に関する情報を記録した人物データに基づいて、前記参加予定者以外の人物であって前記会議の参加者に関連付けられた特定の人物を識別し、
前記スケジュールデータに記録された前記特定の人物のスケジュールに、前記議事録データにアクセスするためのアクセス情報を追加すること
を特徴とする情報処理方法。
【請求項2】
前記イベントは、撮影画像を取得することを含み、
前記議事録データは、前記撮影画像を表す画像データを含むこと
を特徴とする請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記演算部が、前記会議に関するキーワードに基づいて前記議事録データの検索を行うこと
を特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記イベントは、音声を取得することを含み、
前記演算部は、学習モデルにより、前記音声の発言者を識別し、
前記議事録データは、前記発言者を示す情報を含むこと
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記演算部が、
前記参加予定者の中から前記参加者を除くことにより、前記会議に参加していない欠席者を識別し、
前記議事録データにアクセスするためのアクセス情報を、前記スケジュールデータに記録された前記欠席者のスケジュールに追加すること
を特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記演算部が、
前記アクセス情報を含むスケジュールを記録した前記スケジュールデータに対してアクセスが行われている状態で、テキストを受け付け、
前記議事録データに関連付けて前記テキストを前記スケジュールに追加すること
を特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記演算部が、
前記イベントの内容に基づいて、学習モデルにより前記会議の内容を複数の種類の何れかに分類し、
前記会議の内容を分類した種類を示す情報を前記議事録データに付加すること
を特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記演算部が、
前記イベントの内容に基づいて、学習モデルにより、前記会議で扱われている事項の進捗状況を複数の状況の何れかに分類し、
前記事項の進捗状況を分類した状況を示す情報を前記議事録データに付加すること
を特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載の情報処理方法。
【請求項9】
演算部と記憶部とを備え、
前記記憶部は、複数の人物のスケジュールを記録したスケジュールデータ、及び前記複数の人物に関する情報を記録した人物データを記憶し、
前記演算部は、会議の最中に発生したイベントの内容を時系列的に記録した議事録データを作成し、
前記記憶部は、前記議事録データを記憶し、
前記演算部は、
前記スケジュールデータおよび前記人物データに基づいて、前記会議の参加予定者以外の人物であって前記会議の参加者に関連付けられた特定の人物を識別し、
前記議事録データにアクセスするためのアクセス情報を、前記スケジュールデータに記録された前記特定の人物のスケジュールに追加する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータに、
会議の最中に発生したイベントの内容を時系列的に記録した議事録データを作成するステップと、
スケジュールデータに基づいて前記会議の参加予定者を識別するステップと、
複数の人物に関する情報を記録した人物データに基づいて、前記参加予定者以外の人物であって前記会議の参加者に関連付けられた特定の人物を識別するステップと、
前記スケジュールデータに記録された前記特定の人物のスケジュールに、前記議事録データにアクセスするためのアクセス情報を追加するステップと
を含む処理を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記コンピュータに、
前記特定の人物のスケジュールへのアクセスの認証を行うステップと、
正当に認証が行われた場合に、前記スケジュールデータに記録された前記特定の人物のスケジュールを取得して表示するステップと、
前記特定の人物のスケジュールに追加された前記議事録データへのアクセスの要求を行うステップと、
前記議事録データを取得して表示するステップと
を含む処理を実行させることを特徴とする請求項10に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータを利用して行った会議の議事録を作成する情報処理方法、情報処理装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータを用いた会議システムが利用されている。例えば、会議に参加する複数の参加者が互いに遠隔地にいる場合に、通信ネットワークを通じて音声等のデータを交換することにより、会議を実現する会議システムが利用されている。特許文献1には、コンピュータを用いて、仮想的な参加者を会議に参加させ、会議の進行を行い、音声等を含んだ議事録を作成する会議システムが開示されている。複数の参加者が同一の場所で会議を行う場合でも、議事録を作成するシステムは利用され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第9699409号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された会議システムでは、議事録は作成されるものの、会議の参加者以外の者には議事録の存在が分からない。このため、会議の参加者の上司等、会議の内容を知る必要のある者であっても、会議の参加者以外の者が会議の内容を把握することは困難である。
【0005】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、会議の参加者以外の者が会議の内容を把握することを可能にする情報処理方法、情報処理装置及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理方法は、会議の最中に発生したイベントの内容を時系列的に記録した議事録を作成し、前記会議の参加者を識別し、複数の人物に関する情報を記録した人物データに基づいて、前記参加者以外の人物で前記参加者に関連付けられた特定の人物を識別し、スケジュールデータに記録された前記特定の人物のスケジュールに、前記議事録にアクセスするためのアクセス情報を追加することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る情報処理方法は、前記イベントは、撮影画像を取得することを含み、
前記議事録は、前記撮影画像を表す画像データを含むことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る情報処理方法は、前記会議に関するキーワードを受け付け、前記キーワードに基づいて前記議事録の検索を行うことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る情報処理方法は、前記イベントは、音声を取得することを含み、学習モデルにより、前記音声の発言者を識別し、前記議事録は、前記発言者を示す情報を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る情報処理方法は、前記スケジュールデータには、前記会議の参加予定者が記録されており、前記参加予定者の中から前記参加者を除くことにより、前記会議に参加していない欠席者を識別し、前記議事録にアクセスするためのアクセス情報を前記欠席者のスケジュールに追加することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る情報処理方法は、前記アクセス情報を含んだスケジュールへのアクセスが行われている状態で、テキストを受け付け、前記議事録に関連付けて前記テキストを前記スケジュールに追加することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る情報処理方法は、前記イベントの内容に基づいて、学習モデルにより前記会議の内容を複数の種類の何れかに分類し、前記会議の内容を分類した種類を示す情報を前記議事録に付加することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る情報処理方法は、前記イベントの内容に基づいて、学習モデルにより、前記会議で扱われている事項の進捗状況を複数の状況の何れかに分類し、前記事項の進捗状況を分類した状況を示す情報を前記議事録に付加することを特徴とする。
【0014】
本発明に係る情報処理装置は、演算部と記憶部とを備え、前記記憶部は、複数の人物のスケジュールを記録したスケジュールデータ、及び前記複数の人物に関する情報を記録した人物データを記憶し、前記演算部は、会議の最中に発生したイベントの内容を時系列的に記録した議事録を作成し、前記記憶部は、前記議事録を表したデータを記憶し、前記演算部は、前記人物データに基づいて、前記会議の参加者以外の人物で前記参加者に関連付けられた特定の人物を識別し、前記議事録にアクセスするためのアクセス情報を前記特定の人物のスケジュールに追加することを特徴とする。
【0015】
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、会議の最中に発生したイベントの内容を時系列的に記録した議事録を作成するステップと、前記会議の参加者を識別するステップと、複数の人物に関する情報を記録した人物データに基づいて、前記参加者以外の人物で前記参加者に関連付けられた特定の人物を識別するステップと、スケジュールデータに記録された前記特定の人物のスケジュールに、前記議事録にアクセスするためのアクセス情報を追加するステップとを含む処理を実行させることを特徴とする。
【0016】
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、特定の人物のスケジュールへのアクセスの認証を行うステップと、正当に認証が行われた場合に、前記スケジュールを取得して表示するステップと、前記スケジュールに関連付けられた会議の議事録へのアクセスの要求を行うステップと、前記議事録を取得して表示するステップとを含む処理を実行させることを特徴とする。
【0017】
本発明においては、複数の人物のスケジュールをスケジュールデータに記録しており、会議の議事録を作成し、会議の参加者に関連付けられた特定の人物のスケジュールに、議事録にアクセスするためのアクセス情報を追加する。特定の人物は、会議に参加していなかったとしても、アクセス情報を利用して、議事録を閲覧することができる。
【0018】
また、本発明の一形態においては、撮影画像を取得し、議事録には画像データが含まれる。会議の参加者が記載した文字若しくは絵を撮影した画像等の撮影画像を、議事録に記録することができる。
【0019】
また、本発明の一形態においては、キーワードを用いて議事録の検索が行われる。検索により、キーワードに応じた目的の議事録の有無が容易に判明する。
【0020】
また、本発明の一形態においては、音声を取得し、学習モデルにより発言者を識別し、議事録には、発言者を示す情報とが含まれる。これにより、発言者を議事録に記録することができる。
【0021】
また、本発明の一形態においては、会議の参加予定者の中の欠席者を識別し、欠席者のスケジュールに、議事録にアクセスするためのアクセス情報を追加する。欠席者は、アクセス情報を利用して、議事録を閲覧することができる。
【0022】
また、本発明の一形態においては、スケジュールへのアクセスが行われている状態で、テキストが入力され、入力されたテキストが議事録に関連付けてスケジュールに追加される。議事録に関する情報をテキストにして議事録に付加することができる。
【0023】
また、本発明の一形態においては、参加者の発言等の会議中に発生したイベントの内容に基づいて、学習モデルにより会議の内容を複数の種類の何れかに分類し、分類結果を議事録に付加する。議事録を閲覧する者は、会議の内容を簡単に把握することができる。
【0024】
また、本発明の一形態においては、会議中に発生したイベントの内容に基づいて、学習モデルにより、会議で扱われている事項の進捗状況を複数の状況の何れかに分類し、分類結果を議事録に付加する。議事録を閲覧する者は、事項の進捗状況を簡単に把握することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明にあっては、会議に参加しておらずとも会議の内容を知る必要のある者が、会議の内容を把握することが可能となる等、優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】会議システムの構成例を示す模式図である。
図2】端末装置の機能構成例を示すブロック図である。
図3】議事録作成装置の機能構成例を示すブロック図である。
図4】記憶装置の機能構成例を示すブロック図である。
図5】通信装置の機能構成例を示すブロック図である。
図6】開示されるスケジュールの例を示す模式図である。
図7】開示されるスケジュールの例を示す模式図である。
図8】議事録作成装置が実行する会議の実現及び議事録の作成のための処理の手順を示すフローチャートである。
図9】会議を実行するためのウェブページの例を示す模式図である。
図10】人物データに記録された複数の人物の関係の例を示す概念図である。
図11】議事録の表示のために会議システムが実行する処理の手順を示すフローチャートである。
図12】アクセス情報を含むスケジュールの例を示す模式図である。
図13】アクセス情報を含むスケジュールの他の例を示す模式図である。
図14】アクセス情報を含むスケジュールの他の例を示す模式図である。
図15】表示される議事録の例を示す模式図である。
図16】入力されたテキストを含むスケジュールの例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
図1は、会議システム100の構成例を示す模式図である。会議システム100は、複数の参加者が参加する会議の内容を端末装置3を用いて記録するためのシステムである。端末装置3は、有線通信又は無線通信を用いて、インターネット等の通信ネットワーク5に接続されている。本実施形態においては、会議システム100全体によって情報処理装置を構成する例を示す。
【0028】
会議システム100は、会議の議事録を作成する議事録作成装置1と、記憶装置2とを備えている。記憶装置2は、複数の人物のスケジュールを記録したスケジュールデータを記憶する。議事録作成装置1及び記憶装置2は、通信ネットワーク5に接続されている。通信ネットワーク5には、有線通信又は無線通信を用いる通信装置4が接続されている。
【0029】
図2は、端末装置3の機能構成例を示すブロック図である。端末装置3は、PC(パーソナルコンピュータ)、スマートフォン、電話機、タブレット、又は電子黒板等のコンピュータである。端末装置3は、処理部31と、メモリ32と、記憶部23と、使用者からの操作を受け付ける操作部34と、画像を表示する表示部35とを備えている。処理部31は、プロセッサを含んで構成されており、例えばCPU(Central Processing Unit )である。メモリ32は、例えばRAM(Random Access Memory)である。記憶部33は、不揮発性であり、例えばハードディスク又は不揮発性半導体メモリである。操作部34は、使用者からの操作を受け付けることにより、テキスト等の情報の入力を受け付ける。操作部34は、例えばキーボード、タッチパネル又はタブレットである。表示部35は、例えば液晶ディスプレイ又はELディスプレイ(Electroluminescent Display)である。
【0030】
更に、端末装置3は、音声入力部36と、撮影部38と、通信部39とを備えている。音声入力部36は、マイクロホンを用いて構成されており、音声の入力を受け付ける。撮影部38は、撮像素子を用いて構成されており、端末装置3の外部を撮影する。通信部39は、有線通信又は無線通信により、通信ネットワーク5を介した通信を行う。端末装置3は、操作部34、表示部35、音声入力部36及び撮影部38の何れかが必要に応じて着脱される形態であってもよい。また、端末装置3は、音声入力部36及び撮影部38のいずれかを備えていない形態であってもよい。
【0031】
処理部31は、端末装置3の各部を制御する。記憶部33は、コンピュータプログラム331を記憶している。コンピュータプログラム331には、議事録作成装置1で議事録を作成するために必要な処理のためのモジュールが含まれている。コンピュータプログラム331には、ウェブブラウザ用のプログラムが含まれていてもよい。コンピュータプログラム331の一部又は全部は、予め記憶部33に記憶されていてもよく、通信部39を用いてダウンロードされてもよい。処理部31は、記憶部33が記憶するコンピュータプログラム331に従って、端末装置3に必要な処理を実行する。
【0032】
図3は、議事録作成装置1の機能構成例を示すブロック図である。議事録作成装置1は、サーバ装置等のコンピュータを用いて構成されている。議事録作成装置1は、演算を行うCPU11と、演算に伴って発生する一時的なデータを記憶するRAM12と、光ディスク等の記録媒体10から情報を読み取るドライブ部13と、ハードディスク等の不揮発性の記憶部14と、通信部16とを備えている。通信部16は、通信ネットワーク5を介した通信を行う。また、議事録作成装置1は、会議の実行及び議事録の作成に用いられる学習モデル15を備えている。
【0033】
CPU11は、記録媒体10に記録されたコンピュータプログラム141をドライブ部13に読み取らせ、読み取ったコンピュータプログラム141を記憶部14に記憶させる。CPU11は、必要に応じてコンピュータプログラム141を記憶部14からRAM12へロードし、ロードしたコンピュータプログラム141に従って、議事録作成装置1に必要な処理を実行する。CPU11は演算部に対応する。なお、コンピュータプログラム141は、通信部16により議事録作成装置1の外部からダウンロードされてもよい。この場合は、議事録作成装置1はドライブ部13を備えていなくてもよい。
【0034】
学習モデル15は、議事録の作成に必要な処理を行うための学習済みの学習モデルである。学習モデル15は、音声データから音声の発言者を識別するための学習モデルと、会議の内容及び会議で扱われている事項の進捗状況を分類するための学習モデルとを含んで構成されている。また、学習モデル15は、会議の内容を要約した上で議事録を作成するための学習モデルを含んでいてもよい。学習モデル15は、コンピュータプログラム141に従ってCPU11が情報処理を実行することにより実現される。また、学習モデル15は、プロセッサと、必要なプログラム及びデータを記憶するメモリとを含んで構成されていてもよい。また、学習モデル15は、CPU11以外に、GPU等の演算部が情報処理を実行することにより実現されてもよい。また、学習モデル15は、量子コンピュータを用いて実現されてもよい。
【0035】
図4は、記憶装置2の機能構成例を示すブロック図である。記憶装置2は、サーバ装置等のコンピュータを用いて構成されている。記憶装置2は、CPU21と、RAM22と、不揮発性の記憶部23と、通信部24とを備えている。通信部16は、通信ネットワーク5を介した通信を行う。記憶部23は、コンピュータプログラム231を記憶している。CPU21は、コンピュータプログラム231に従って、記憶装置2に必要な処理を実行する。
【0036】
記憶部23は、複数の人物のスケジュールを記録したスケジュールデータ232を記憶している。例えば、スケジュールデータ232には、夫々の人物の日毎の予定が順次的に記録されている。スケジュールデータ232にスケジュールが記録されている人物には、端末装置3を使用して会議に参加する参加者が含まれている。記憶部23は、スケジュールデータ232にスケジュールが記録されている複数の人物に関する情報を記録した人物データ233を記憶している。人物に関する情報には、人物を識別するための識別情報が含まれている。また、人物に関する情報には、上司等の、その人物に関連付けられた他の特定の人物を示す情報が含まれている。記憶部23は、議事録作成装置1が作成した議事録を表す議事録データ251を記録した議事録データベース25を記憶する。
【0037】
コンピュータプログラム231には、ウェブサーバプログラムが含まれている。記憶装置2は、スケジュールデータ232に記録されたスケジュールを開示するためのウェブページを、通信ネットワーク5を通じて通信装置4へ提供するウェブサーバとして機能する。CPU21は、コンピュータプログラム231に従って、ウェブサーバの機能を実現するための処理を実行する。また、CPU21は、コンピュータプログラム231に従って、スケジュールへのアクセスの認証、スケジュールの開示、及びスケジュールの更新等の処理をウェブページ上で実行するスケジューラを実現するための処理を実行する。
【0038】
図5は、通信装置4の機能構成例を示すブロック図である。通信装置4は、PC、スマートフォン、又はタブレット等のコンピュータである。通信装置4は、処理部41と、メモリ42と、記憶部43と、使用者からの操作を受け付ける操作部44と、画像を表示する表示部45と、音声出力部46と、通信部47とを備えている。処理部41は、プロセッサを含んで構成されており、例えばCPUである。メモリ42は、例えばRAMである。記憶部43は、不揮発性であり、例えばハードディスク又は不揮発性半導体メモリである。操作部44は、使用者からの操作を受け付けることにより、テキスト等の情報の入力を受け付ける。操作部44は、例えばキーボード又はタッチパネルである。表示部45は、例えば液晶ディスプレイ又はELディスプレイである。音声出力部46は、スピーカを用いて構成されており、音声を出力する。音声出力部46は着脱可能であってもよい。通信部47は、有線通信又は無線通信により、通信ネットワーク5を介した通信を行う。
【0039】
記憶部43は、コンピュータプログラム431を記憶している。処理部41は、コンピュータプログラム431に従って、通信装置4に必要な処理を実行する。コンピュータプログラム431には、記憶装置2と通信して情報を取得するブラウザを実現するためのプログラムが含まれている。なお、コンピュータプログラム431には、スケジュールデータ232に記録されたスケジュールへアクセスするための専用のプログラムが含まれていてもよい。
【0040】
議事録作成装置1及び記憶装置2は、夫々に、複数のコンピュータで構成されていてもよい。議事録作成装置1及び記憶装置2は、同一の装置であってもよい。また、端末装置3及び通信装置4は、同一の装置であってもよい。
【0041】
使用者は、通信装置4を用いて、スケジュールデータ232に記録された自己に関するスケジュールを閲覧することができる。通信装置4は、操作部44で使用者の操作を受け付け、操作に従って、通信ネットワーク5を通じて記憶装置2にアクセスする。このとき、通信装置4は、使用者を識別するためのパスワード等の識別情報を受け付け、記憶装置2へ送信する。記憶装置2のCPU21は、通信装置4から送信された識別情報に基づいて、アクセスの認証を行う。通信装置4から送信された識別情報が使用者を識別するための正当な識別情報である場合に、CPU21は、アクセスが正当なアクセスであると認証する。例えば、CPU21は、人物データ233に基づいて、識別情報が正当であるか否かを判定する。CPU21は、次に、コンピュータプログラム231に含まれるウェブサーバのためのプログラムを実行し、識別情報に基づいて、使用者に係るスケジュールを表すデータをスケジュールデータ232から抽出し、抽出したデータを、通信ネットワーク5を通じて通信装置4へ送信する。通信装置4の処理部41は、コンピュータプログラム431に従って、記憶装置2から送信されたデータに基づいて、スケジュールを開示するためのウェブページを表示部45に表示する。
【0042】
図6及び図7は、開示されるスケジュールの例を示す模式図である。図6には、使用者が「Aさん」である場合の例を示している。各曜日の各時間帯におけるスケジュールが表示されている。図6に示した例では、火曜日の10:00~12:00の時間帯に会議の予定があることが示されている。例えば、会議に参加すべき複数の参加予定者の夫々のスケジュールにおいて、同様の会議の予定が含まれている。スケジュールには、会議の開始予定日時が含まれている。図7には、使用者が「Bさん」である場合の例を示している。図7に示した例では、「Aさん」とは異なるスケジュールが示されている。例えば、「Bさん」会議の参加予定者ではないので、「Aさん」のスケジュールに含まれていた会議の予定は「Bさん」の予定には含まれていない。
【0043】
また、使用者は、通信装置4を用いて、スケジュールデータ232に記録された自己に関するスケジュールを修正することができる。通信装置4は、操作部44で使用者の操作を受け付け、操作に従って、通信ネットワーク5を通じて修正指示を記憶装置2へ送信する。記憶装置2のCPU21は、必要に応じて認証の処理を実行し、通信装置4から送信された修正指示に従って使用者に係るスケジュールを修正して、スケジュールデータ232を更新する。例えば、予定の変更又は新たな予定の追加等が行われる。
【0044】
次に、本実施形態に係る情報処理方法を説明する。図8は、議事録作成装置1が実行する会議の実現及び議事録の作成のための処理の手順を示すフローチャートである。以下、ステップをSと略す。議事録作成装置1のCPU11は、コンピュータプログラム141に従って以下の処理を実行する。CPU11は、通信ネットワーク5を介して端末装置3が接続されることによって、会議を開始する(S1)。例えば、端末装置3から送信された会議開始の指示を議事録作成装置1が受け付け、CPU11は、指示に応じてS1の処理を実行する。また、例えば、CPU11は、日時を計測し、記憶装置2に記憶されているスケジュールデータ232に記録された会議の開始予定時刻になった場合に、端末装置3の接続の待ち受けを開始することにより、S1の処理を実行する。また、例えば、議事録作成装置1は、会議の開始予定時刻になった場合に、接続の要求を端末装置3へ送信してもよい。
【0045】
CPU11は、会議を実行するための会議データを、通信部16に、議事録作成装置1に接続した端末装置3へ通信ネットワーク5を介して送信させる(S2)。端末装置3は、会議データを通信部39で受信する。端末装置3の処理部31は、会議を実行するための処理を介しし、会議の実行のための画像を表示部35に表示する。図9は、会議の実行のための画像の例を示す模式図である。ホスト、即ち議事録作成装置1からのメッセージが表示される。メッセージはCPU11が作成し、会議データに含まれる。S2以降、議事録作成装置1は、会議データの送信を適宜行う。
【0046】
会議の参加者は、端末装置3の付近で、個別に発言を行う。参加者が発言した音声は、音声入力部36で入力される。処理部31は、入力された音声を表す音声データを作成する。また、参加者は、操作部34を操作して、テキストを入力してもよい。処理部31は、入力されたテキストを表すテキストデータを作成する。また、参加者は、操作部34を操作して、撮影の指示を入力し、処理部31は撮影部38に外部を撮影させてもよい。例えば、撮影部38は、会議の最中にホワイトボード又はノート等に記載された文字又は絵を撮影する。これにより、端末装置3は撮影画像を取得する。処理部31は、撮影画像を表す画像データを作成する。処理部31は、音声データ、テキストデータ又は画像データを、通信部39に、通信ネットワーク5を介して議事録作成装置1へ送信させる。議事録作成装置1は、通信部16で音声データ、テキストデータ又は画像データを受信する(S3)。
【0047】
CPU11は、次に、音声の発言者を識別する(S4)。S4では、CPU11は、学習モデル15により、音声データから発言者を識別する。学習モデル15は、音声データを入力され、音声データが表す音声の発言者が何れの人物であるのかを示すデータを出力する。例えば、学習モデル15は、複数の人物が発言した音声を表す音声データ、及び各音声の発言者が何れの人物であるかを示す情報を含む学習データを用いて、音声データから発言者を識別するように、予め学習がなされている。例えば、学習モデル15は、音声データが入力される入力層と、入力層からの入力に応じて出力を行う中間層と、発言者の識別結果を出力する出力層とを備えたニューラルネットワークを用いている。学習モデル15は、ニューラルネットワークとして、畳みこみニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)、又は再帰型ニューラルネットワーク(RNN:Recurrent Neural Network)を用いてもよい。また、学習モデル15は、ディープラーニングにより学習がなされていてもよく、教師無し学習により学習がなされていてもよい。学習モデル15は、発言者が識別できない場合に発言者が不明であることを示すデータを出力してもよい。S4では、CPU11は、学習モデル15により発言者が不明であるとされた場合に、発言者を不詳としてもよい。
【0048】
学習モデル15を用いて発言者を識別することにより、議事録作成装置1は、発言者がいずれの参加者であるのかを識別することができる。また、学習モデル15が発言者が不明であると判定することにより、顧客等、予め音声の学習をしておくことができない人物が会議に参加している場合であっても、議事録作成装置1は、発言者がこの人物であると識別することができる。
【0049】
CPU11は、次に、会議の最中に発生したイベントの内容を表したイベントデータを作成する(S5)。イベントには、端末装置3への音声若しくはテキストの入力、撮影部38による撮影、又はCPU11によるメッセージの作成等が含まれる。イベントデータは、S3で受信した音声データ、テキストデータ又は画像データを含んでなる。また、イベントデータには、S4で識別した発言者を示すデータが含まれている。CPU11は、音声をテキストへ変換し、変換後のテキストを表すテキストデータをイベントデータに含ませてもよい。CPU11は、イベントデータに音声データを含まないようにしてもよい。CPU11は、イベントデータをRAM12又は記憶部14に記憶させる。
【0050】
議事録作成装置1は、作成したイベントデータを含む会議データを端末装置3へ送信してもよい。端末装置3は、イベントデータを含む会議データに基づいて、表示部35に表示する画像を更新する。例えば、図9に示すように、音声を変換したテキストと識別された発言者とを含む画像が表示される。会議の参加者は、会議の内容が記録されていることを確認することができる。
【0051】
CPU11は、次に、会議を終了するか否かを判定する(S6)。例えば、時刻が予定された終了時刻を過ぎた場合、会議の継続時間が上限を超えた場合、又は接続された端末装置3から送信された会議終了の指示を通信部16で受信した場合に、CPU11は、会議を終了すると判定する。会議を終了しない場合は(S6:NO)、CPU11は、処理をS3へ戻し、S3~S6の処理を繰り返す。
【0052】
会議を終了すると判定した場合は(S6:YES)、CPU11は、会議データの送信を停止することによって、会議を終了する。CPU11は、次に、会議の議事録を作成する(S7)。S7では、CPU11は、イベントデータを時系列的に記録した議事録を作成する。議事録は複数のイベントデータを含み、イベントデータはイベントの発生した順に記録される。S7では、CPU11は、会議の内容を要約した上で議事録を作成してもよい。例えば、CPU11は、予め定められているキーワードを含んだイベントデータを記録するか、又はキーワードとキーワードの前後に存在する文言とを含むテキスト若しくは音声を抽出して記録することにより、会議の内容を要約した議事録を作成する。また、S7では、学習モデル15により、会議の内容を要約した議事録を作成してもよい。学習モデル15は、一又は複数のイベントデータを入力され、一又は複数のイベントデータの内容を要約したデータを出力する。例えば、学習モデル15は、イベントデータ、及びイベントデータの内容を要約した結果を含む学習データを用いて、イベントデータの内容を要約するように、予め学習がなされている。例えば、学習モデル15は、イベントデータが入力される入力層と、入力層からの入力に応じて出力を行う中間層と、要約結果を出力する出力層とを備えたニューラルネットワークを用いている。学習モデル15は、ニューラルネットワークとしてRNNを用いてもよい。
【0053】
S7では、議事録中のイベントデータ、又はイベントデータの要約内容には、イベントの発生した日時を示す情報が付加される。結果として、議事録には、音声データ、テキストデータ又は画像データ等のデータが会議の進行に応じて記録される。議事録には、会議の日時、会議室名、会議が行われた場所名、又は顧客名等、会議に関する情報が記録されてもよい。また、S7では、CPU11は、議事録に名称を付加してもよい。例えば、議事録の名称は、会議が開催された日時、議事録が作成された日時又は議事録から抽出されたキーワード等を用いて作製される。議事録の名称は、複数の議事録の中から特定の議事録を識別するために用いられる。
【0054】
CPU11は、次に、議事録に基づいて、会議の内容を分類する(S8)。S8では、CPU11は、学習モデル15により、議事録の内容に基づいて、会議の内容を、商談開始、商談中、商談成功、又は商談失敗等の複数の種類のいずれかに分類する。学習モデル15は、議事録を入力され、会議の内容を分類した種類を示す情報を出力する。CPU11は、議事録に含まれるイベントデータの一部を学習モデル15へ入力してもよい。例えば、CPU11は、イベントデータに含まれる音声データを学習モデル15へ入力してもよい。学習モデル15は、内容の種類が判明している会議の議事録と会議の内容の種類を示す情報とを含む学習データを用いて、議事録から会議の内容をいずれかの種類に分類するように、予め学習がなされている。例えば、学習モデル15は、議事録が入力される入力層と、入力層からの入力に応じて出力を行う中間層と、会議の内容を分類した種類を示す情報を出力する出力層とを備えたニューラルネットワークを用いている。CPU11は、会議の内容を分類した種類を示す情報を、議事録に追加する。
【0055】
CPU11は、次に、議事録に基づいて、会議で扱われている事項の進捗状況を分類する(S9)。S9では、CPU11は、学習モデル15により、議事録の内容に基づいて、会議で扱われている事項の進捗状況を、開発初期段階、実装段階、又は販売開始段階等の複数の状況の何れかに分類する。学習モデル15は、議事録を入力され、進捗状況を分類した状況を示す情報を出力する。CPU11は、議事録に含まれるイベントデータの一部を学習モデル15へ入力してもよい。例えば、CPU11は、イベントデータに含まれる音声データを学習モデル15へ入力してもよい。学習モデル15は、進捗状況が判明している会議の議事録と進捗状況を示す情報とを含む学習データを用いて、議事録から進捗状況を分類するように、予め学習がなされている。例えば、学習モデル15は、議事録が入力される入力層と、入力層からの入力に応じて出力を行う中間層と、進捗状況を示す情報を出力する出力層とを備えたニューラルネットワークを用いている。CPU11は、会議で扱われている事項の進捗状況を分類した状況を示す情報を、議事録に追加する。なお、CPU11は、S8及びS9の内のいずれか一方のみを実行してもよい。
【0056】
CPU11は、議事録を表した議事録データ251を議事録データベース25に記録させる(S10)。S10では、CPU11は、議事録データ251を、通信部24に、通信ネットワーク5を介して記憶装置2へ送信させる。記憶装置2は、通信部24で議事録データ251を受信し、CPU21は、記憶部23に記憶している議事録データベース25に議事録データ251を記録する。議事録データベース25には、複数の議事録データ251が記録されている。夫々の議事録データ251は、過去に行われた夫々の会議の議事録を表す。議事録データ251には、音声データ、テキストデータ、画像データ等のデータ、会議の日時、会議室名、会議が行われた場所名、若しくは顧客名等の情報、議事録の名称を示すデータ、会議の内容の種類を示す情報、又は進捗状況を示す情報が含まれる。
【0057】
CPU11は、次に、会議の欠席者を識別する(S11)。S11では、CPU11は、通信ネットワーク5を介して記憶装置2からスケジュールデータ232を読み出し、スケジュールデータ232から会議の参加予定者を特定し、参加予定者の中で会議に参加しなかった人物を、欠席者として識別する。
【0058】
CPU11は、次に、会議の参加者に関連付けられた上司等の特定の人物を識別する(S12)。S12では、CPU11は、通信ネットワーク5を介して記憶装置2から人物データ233を読み出し、人物データ233に記録されている参加者に関する情報から、参加者に関連付けられている特定の人物の情報を抽出する。特定の人物は、会議の参加者には含まれていない人物である。例えば、人物データ233には、複数の人物の関係が記録されている。図10は、人物データ233に記録された複数の人物の関係の例を示す概念図である。部門UにAさん、Bさん、Cさんが所属しており、Bさんがリーダーとなっている。この例では、Bさんは、Aさんの上司である。例えば、Aさんが会議の参加者である場合に、Bさんが特定の人物となる。図10に示す例では、また、部門VにDさん及びEさんが所属しており、DさんはEさんの上司である。例えば、Aさん及びEさんが会議の参加者である場合は、Bさん及びDさんが特定の人物となる。このようにして、S12では、CPU11は、特定の人物を識別する。また、図10に示すように、人物データ233には、夫々の人物を特定するための人物画像が記録されていてもよい。人物画像は、写真、イラスト、又は文字等を用いて予め作成されている。例えば、人物画像はアイコン、アバター、又は加工された写真等である。
【0059】
CPU11は、次に、会議の議事録にアクセスするためのアクセス情報を、会議の欠席者及び特定の人物のスケジュールに追加することにより、スケジュールデータ232を更新する(S13)。S13では、CPU11は、スケジュールの更新指示を通信部24記憶装置2へ送信させる。記憶装置2は、更新指示を通信部24で受信する。CPU21は、更新指示に従って、記憶部23で記憶するスケジュールデータ232を更新する。より詳しくは、CPU21は、アクセス情報を、会議の欠席者及び特定の人物のスケジュールに追加する更新を行う。CPU11は、同様に、会議の参加者のスケジュールにアクセス情報を追加するための処理を行ってもよい。議事録作成装置1は、以上で、会議の実現及び議事録の作成のための処理を終了する。
【0060】
以上のS1~S13の処理では、議事録作成装置1は、イベントが発生する都度、イベントデータを作成し、イベントデータを時系列的に記録することによって議事録を作成する。代替的に、議事録作成装置1は、個別のイベントデータを作成せず、会議の開始時に議事録を作成し、イベントが発生する都度、イベントの内容を議事録に追加することによって、議事録を作成してもよい。
【0061】
使用者は、通信装置4を用いて、議事録を確認することができる。図11は、議事録の表示のために会議システム100が実行する処理の手順を示すフローチャートである。通信装置4は、操作部44で使用者の操作を受け付け、通信ネットワーク5を通じて記憶装置2にアクセスし、使用者の識別情報を記憶装置2へ送信する。記憶装置2のCPU21は、識別情報に基づいて、アクセスの認証を行う(S21)。正当に認証が行われた場合、CPU21は、使用者に係るスケジュールを表すデータをスケジュールデータ232から抽出し、抽出したデータを通信部24に通信装置4へ送信させる。通信装置4の処理部41は、記憶装置2から送信されたデータに基づいて、スケジュールを表示部45に表示する(S22)。
【0062】
図12は、アクセス情報を含むスケジュールの例を示す模式図である。前述したように、表示部45は、スケジュールを開示するウェブページを表示する。図12には、使用者が「Bさん」である場合の例を示している。図7に示したスケジュールに比べて、「議事録」と記載されたリンカ451が追加されている。このリンカ451は、会議の議事録にアクセスするためのアクセス情報である。例えば、アクセス情報は、議事録データベース25中で特定の議事録データ251が記録されている場所を示すURL(Uniform Resource Locator)である。議事録にアクセスするためのアクセス情報が追加されていることによって、使用者は、会議が行われ、議事録が作成されていることを知ることができる。また、リンカ451には、「(内容:****)」という記載が含まれており、分類した会議の内容の種類が示されている。CPU11は、S13でアクセス情報をスケジュールに追加する際に、分類した会議の内容の種類を示す記載が含まれるアクセス情報を追加する。使用者は、スケジュールを確認することにより、会議の内容の種類を容易に知ることができる。なお、リンカ451には、分類した進捗状況を示す記載が含まれていてもよい。この場合は、使用者は、スケジュールを確認することにより、進捗状況を容易に知ることができる。また、リンカ451には、会議の内容の種類及び進捗状況の両方を示す記載が含まれていてもよい。また、議事録の名称が表示されてもよい。
【0063】
図13及び図14は、アクセス情報を含むスケジュールの他の例を示す模式図である。図13に示した例では、「議事録」と記載されたリンカ451に付随して、画像のサムネイル452が表示されている。S22では、CPU21は、リンカ451が示す議事録データ251に含まれる画像データに基づいて、画像のサムネイル452を作成し、表示部45に表示する。なお、議事録作成装置1が議事録を作成する際に画像データに基づいて画像のサムネイル452を作成し、CPU21は、議事録データ251に含まれる画像のサムネイル452を表示部45に表示してもよい。前述したように、画像データは、例えば、会議の最中にホワイトボードに記載した文字を撮影した画像を表している。使用者は、画像のサムネイル452を見ることで、会議の内容の一部を知ることができる。
【0064】
図14に示した例では、「議事録」と記載されたリンカ451に付随して、会議の参加者を特定するための人物画像453が表示されている。図14に示した例では、Aさん及びEさんが会議に参加しており、Aさん及びEさんを特定する人物画像453が表示されている。S22では、CPU21は、リンカ451が示す議事録データ251に基づいて、会議の参加者を特定し、人物データ233に含まれる参加者の人物画像453を取得し、表示部45に表示する。なお、議事録データ251に人物画像453が含まれており、CPU21は、議事録データ251に含まれる人物画像453を表示部45に表示してもよい。使用者は、人物画像453を見ることで、会議の参加者を容易に知ることができる。なお、「議事録」と記載されたリンカ451に付随して、画像のサムネイル452及び人物画像453の両方が表示されてもよい。
【0065】
処理部41は、次に、議事録を検索するためのキーワードの受付を待ち受ける(S23)。例えば、使用者が操作部44を操作してキーワードを入力することにより、操作部44は検索用のキーワードを受け付ける。キーワードは、議事録に含まれ得る用語である。例えば、キーワードは、議事録の名称、会議の参加者名、会議室名、会議が行われた場所名、又は顧客名である。キーワードを受け付けた場合は(S23:YES)、通信装置4及び記憶装置2は議事録の検索を行う(S24)。S24では、処理部41は、キーワードを含む検索指示を通信部47に記憶装置2へ送信させる。記憶装置2は、検索指示を通信部24で受信する。CPU21は、キーワードを含む議事録データ251を議事録データベース25から検索し、検索結果を通信部24に通信装置4へ送信させる。通信装置4は、通信部47で検索結果を受信し、処理部41は、検索結果を表示部45に表示する。
【0066】
S24では、例えば、該当する議事録がある場合に、該当する議事録のリンカ451がスケジュール上でハイライトされる。例えば、該当する議事録のリンカ451のリストが表示される。このとき、議事録のリンカ451に付随して画像のサムネイル452又は人物画像453が表示されてもよい。例えば、該当する議事録が無い場合は、該当する議事録が無いことを示すメッセージが表示部45に表示される。議事録の検索が可能となることにより、通信装置4の使用者は、議事録の有無を容易に知ることができる。また、使用者は、目的の内容が含まれる議事録を容易に見つけることができる。
【0067】
S24が終了した後、又はS23でキーワードの受付が無い場合は(S23:NO)、処理部41は、使用者からの議事録へのアクセスの要求を待ち受ける(S25)。例えば、使用者が操作部44を操作し、ウェブページ上で「議事録」と記載されたリンカ451をクリック又はタップ等の方法で指定することにより、操作部44は議事録へのアクセスの要求を受け付ける。アクセスの要求があった場合は(S25:YES)、処理部41は、議事録へのアクセス指示を通信部47に記憶装置2へ送信させる。記憶装置2は、議事録へのアクセス指示を通信部24で受信し、CPU21は、アクセス指示に示される特定の議事録データ251を議事録データベース25から読み出し、議事録データ251を通信部24に通信装置4へ送信させる。通信装置4は、通信部47で議事録データ251を受信することにより、議事録を取得する。処理部41は、受信した議事録データ251に基づいて、会議の議事録を表示部45に表示する(S26)。S26では、表示部45は、議事録を開示するウェブページを表示する。
【0068】
図15は、表示される議事録の例を示す模式図である。表示される議事録には、会議の開催された日時が含まれており、分類した会議の内容の種類、及び分類した進捗状況が含まれている。また、表示される議事録には、会議の最中に発生したイベントの内容が時系列的に含まれている。図15には、会議において取得された音声を変換したテキストが順に表示された例を示す。テキストには、音声の発言者を示す情報が付随している。会議における発言内容と発言者とが時系列順に並べられている。議事録を閲覧することで、会議の詳細を確認することができるようになっている。
【0069】
議事録には音声が含まれていてもよい。例えば、表示される議事録には音声再生のためのボタンが表示されており、使用者の操作により操作部44が音声再生の指示を受け付け、処理部41は、議事録データ251に含まれる音声データに基づいて、音声出力部46に音声を出力させる。また、表示される議事録には、撮影画像又はファイルが含まれていてもよい。
【0070】
このように、会議の参加者の上司等、参加者に関連付けられた特定の人物は、スケジュールに追加されたアクセス情報を利用して、会議の議事録を閲覧することができる。会議の欠席者も、同様に、会議の議事録を閲覧することができる。これにより、会議に参加していない人物であっても、会議の内容を把握することができる。また、会議の内容の種類、又は会議で扱われている事項の進捗状況が分類され、議事録に付加されていることにより、議事録を閲覧する者は、会議の内容及び進捗状況を簡単に把握することができる。
【0071】
S26が終了した後、又はS25でアクセスの要求が無い場合は(S25:NO)、処理部41は、テキストの入力を待ち受ける(S27)。例えば、議事録又はスケジュールが表示されている状態で、使用者の操作により、操作部44はテキストの入力を受け付ける。テキストの入力を受け付けた場合は(S27:YES)、通信装置4及び記憶装置2は、入力されたテキストをスケジュールに追加する(S28)。S28では、処理部41は、入力されたテキストを表すテキストデータを、通信部47に記憶装置2へ送信させる。記憶装置2は、テキストデータを通信部24で受信し、CPU21は、テキストデータが表すテキストを議事録に関連付けて使用者のスケジュールに追加することによって、スケジュールデータ232を更新する。CPU21は、使用者に係るスケジュールを表すデータを更新後のスケジュールデータ232から抽出し、抽出したデータを通信部24に通信装置4へ送信させる。処理部41は、記憶装置2から送信されたデータに基づいて、更新されたスケジュールを表示部45に表示する。
【0072】
図16は、入力されたテキストを含むスケジュールの例を示す模式図である。図12に示したスケジュールに比べて、「コメント」と記載されたリンカ454が追加されている。このリンカ454は、入力されたテキストにアクセスするためのアクセス情報である。テキストにアクセスするためのアクセス情報は、議事録に関連付けて表示される。例えば、図12に示すように、テキストにアクセスするためのアクセス情報は、議事録にアクセスするためのアクセス情報に隣接して表示される。
【0073】
S28が終了した後、又はS27でテキストの入力が無い場合は(S27:NO)、処理部41は、議事録に関連付けられたテキストを表示する指示の受付を待ち受ける(S29)。例えば、使用者が操作部44を操作し、ウェブページ上で「コメント」と記載されたリンカ454をクリック又はタップ等の方法で指定することにより、操作部44はテキスト表示の指示を受け付ける。テキスト表示の指示を受け付けた場合は(S29:YES)、処理部41は、スケジュールデータ232に基づいて、議事録に関連付けられたテキストを表示部45に表示する(S30)。
【0074】
このようにして、使用者は、議事録に関連づけてテキストをスケジュールに追加し、閲覧することができる。例えば、使用者は、議事録に関するコメント又はメモを作成し、議事録に付加することができる。使用者は、後でテキストの内容を閲覧することにより、議事録に関する情報を確認することができる。
【0075】
S30が終了した後、又はS29でテキスト表示の指示の受付が無い場合は(S29:NO)、処理部41は、議事録の表示のための処理を終了するか否かを判定する(S31)。例えば、使用者の操作により終了の指示を操作部44で受け付けた場合に、処理を終了すると判定する。処理を終了しない場合は(S31:NO)、処理部41は、処理をS23へ戻す。処理を終了する場合は(S31:YES)、処理部41は、表示部45でのスケジュールの表示を終了し、処理を終了する。
【0076】
以上詳述した如く、本実施形態においては、議事録作成装置1は、会議の議事録を作成し、会議の参加者の上司等、参加者に関連付けられた特定の人物のスケジュールに、議事録にアクセスするためのアクセス情報を追加する。特定の人物は、アクセス情報を利用して会議の議事録を閲覧することができる。会議に参加しておらずとも会議の内容を知る必要のある者が、会議の内容を把握することができる。
【0077】
なお、会議システム100は、本実施形態で説明した議事録作成装置1の機能の一部又は全部を端末装置3で実行してもよい。例えば、端末装置3は、学習モデルを備え、発言者を識別する処理を行ってもよく、議事録を作成する処理を行ってもよい。端末装置3は、議事録作成装置1の機能の一部又は全部を実行するためのプログラムをダウンロードし、ダウンロードしたプログラムを含むコンピュータプログラム331を記憶部33に記憶する。処理部31は、ダウンロードしたプログラムを含むコンピュータプログラム331に従って、必要な処理を実行する。例えば、処理部31は、コンピュータプログラム331に従った処理を実行することにより、学習モデルを実現してもよい。
【0078】
本実施形態においては、端末装置3が単数である形態を示したが、会議システム100は、複数の端末装置3を備えていてもよい。複数の参加者が使用する複数の端末装置3の間でデータを交換することにより、会議を実行してもよい。会議に参加する複数の参加者が互いに遠隔地にいる場合であっても、会議を実行し、議事録を作成することができる。また、本実施形態においては、会議システム100全体によって情報処理装置を構成する形態を示したが、情報処理装置は単一の装置で構成されていてもよい。会議システム100は、議事録作成装置1、記憶装置2及び端末装置3を代替する情報処理装置と、通信装置4とで構成されていてもよい。
【0079】
本発明は上述した実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。即ち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
1 議事録作成装置
10 記録媒体
141 コンピュータプログラム
15 学習モデル
100 会議システム
2 記憶装置
23 記憶部
232 スケジュールデータ
233 人物データ
251 議事録データ
3 端末装置
4 通信装置
431 コンピュータプログラム
5 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16