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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-06
(45)【発行日】2023-06-14
(54)【発明の名称】シート供給方法及びシート供給システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 9/00 20060101AFI20230607BHJP
【FI】
B65H9/00 J
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019206370
(22)【出願日】2019-11-14
(65)【公開番号】P2021080036
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000135999
【氏名又は名称】株式会社ヒロテック
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松下 翼
(72)【発明者】
【氏名】井上 佑介
(72)【発明者】
【氏名】冨永 誠
(72)【発明者】
【氏名】岡田 一也
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 智雄
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-285671(JP,A)
【文献】特開平06-178884(JP,A)
【文献】特開昭53-96172(JP,A)
【文献】米国特許第5167406(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 9/00-9/20
B65H 13/00-15/02
D05B 1/00-97/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏方向が不揃いな長尺のシートを、表裏方向を揃えて次工程に供給するシート供給方法であって、
前記シートを長手方向に沿って巻き取り部で巻き取る工程(A)と、
前記巻き取り部で巻き取られた前記シートを巻き戻して、該シートを載置台に載置して、次工程に供給する工程(B)と、
を含み、
前記工程(B)は、前記巻き取り部を、前記載置台に対して、前記巻き取り部の回転軸に垂直な方向に相対的に移動させながら行われ、
前記工程(B)において、裏向きのシートは、前記巻き取り部を、表向きのシートを巻き戻す際の前記載置台に対する相対的な移動方向に対して、180°反転した方向に移動させながら、前記巻き取り部から巻き戻されて、前記載置台に載置される、シート供給方法。
【請求項2】
上下方向が不揃いな長尺のシートを、上下方向を揃えて次工程に供給するシート供給方法であって、
前記シートを長手方向に沿って巻き取り部で巻き取る工程(A)と、
前記巻き取り部で巻き取られた前記シートを巻き戻して、該シートを載置台に載置して、次工程に供給する工程(B)と、
を含み、
下向きのシートは、前記工程(A)において、前記巻き取り部で巻き取られた後、前記巻き取り部の回転軸を180°回転させ、然る後、前記工程(B)において、前記巻き取り部から巻き戻されて、前記載置台に載置される、シート供給方法。
【請求項3】
前記シートの長手方向端部を保持して、前記シートを前記巻き取り部に供給する工程をさらに含む、請求項1または2に記載のシート供給方法。
【請求項4】
前記巻き取り部は、前記シートの長手方向端部をクランプするクランプ部を有する、請求項1または2に記載のシート供給方法。
【請求項5】
表裏方向が不揃いな長尺のシートを、表裏方向を揃えて次工程に供給するシート供給システムであって、
前記シートを長手方向に沿って巻き取る巻き取り部と、
前記巻き取り部から巻き戻された前記シートを載置する載置台と
を備え、
前記巻き取り部は、前記載置台に対して、前記巻き取り部の回転軸に垂直な方向に相対的に移動するように制御され、
裏向きのシートは、該シートを前記巻き取り部から巻き戻す際、前記巻き取り部を、表向きのシートを巻き戻す際の前記載置台に対する相対的な移動方向に対して、180°反転した方向に移動させながら、前記巻き取り部から巻き戻されて、前記載置台に載置される、シート供給システム。
【請求項6】
上下方向が不揃いな長尺のシートを、上下方向を揃えて次工程に供給するシート供給システムであって、
前記シートを長手方向に沿って巻き取る巻き取り部と、
前記巻き取り部から巻き戻された前記シートを載置する載置台と
を備え、
前記巻き取り部は、前記巻き取り部の回転軸を180°回転するように制御され、
下向きのシートは、前記巻き取り部で巻き取られた後、前記巻き取り部の回転軸を180°回転させ、然る後、前記巻き取り部から巻き戻されて、前記載置台に載置される、シート供給システム。
【請求項7】
前記シートの長手方向端部を保持して、前記シートを前記巻き取り部に供給する供給部をさらに備える、請求項5または6に記載のシート供給システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表裏または上下方向が不揃いな長尺のシートを、向きを揃えて次工程に供給するシート供給方法及びシート供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ベース生地を裁断して複数のパターンピースを作製する際、ベース生地の切り屑を減らすために、裁断の際、ベース生地に対する各パターンピースの配置を調整することがある。
【0003】
例えば、図11は、ベース生地100を裁断して、複数のパターンピース110を作製する際の、各パターンピース110の配置を示した図である。ここで、パターンピース110は、同一形状からなり、図12(A)~(D)に示すように、表裏及び上下の方向が不揃いな状態で、パターンピース110以外の領域をできるだけ少なくして、ベース生地100に配置されている。
【0004】
裁断されたパターンピース110は、次工程に搬送されて、次の処理が行われるが、パターンピース110の搬送を自動化することによって、生産効率を向上させることができる。自動搬送は、例えば、パターンピース110を吸引機で吸引した状態で行うことができる(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平6-269586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
裁断されたパターンピース110を、次工程において、例えば、パターンピース110の特定の位置に、自動でラベルを貼る場合、パターンピース110は、表裏及び上下の方向が揃った状態(同じ姿勢)で、次工程に供給される必要がある。
【0007】
しかしながら、図11に示したような配置で、ベース生地100を裁断してパターンピース110を作製した場合、表裏及び上下の方向が不揃いであるため、パターンピース110を次工程に搬送する過程で、パターンピース110の表裏及び上下の方向を自動で揃える必要がある。
【0008】
例えば、パターンピース110を、図13(A)に示したような方向に揃えるためには、図13(B)に示したような裏向きのパターンピース110に対しては、表裏方向を反転させる必要がある。また、図13(C)に示したような上下方向が反転したパターンピース110に対しては、上下方向を反転させる必要がある。
【0009】
パターンピース110を吸引して搬送する場合、上記のような反転作業は、図13(B)及び図13(C)に示すように、複数の吸引機(不図示)でパターンピース110の両端部を吸引しながら、パターンピース110を矢印の方向に反転させる必要がある。
【0010】
しかしながら、複数の吸引機を用いて、上記のような反転作業を行う場合、吸引機の作動エリアが、パターンピース110の長手方向全域に及ぶため、広い作業スペースを確保しなければならない。また、パターンピース110が、フレキシブルな素材からなる場合、複数の吸引機で吸引されながら、反転作業が行われると、ターンピース110に余計なストレスが加わる畏れがある。
【0011】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、その主な目的は、コンパクトな方法で、表裏方向及び/又は上下方向が不揃いな長尺のシートを、表裏方向及び/又は上下方向を揃えて次工程に供給するシート供給方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るシート供給方法は、表裏方向が不揃いな長尺のシートを、表裏方向を揃えて次工程に供給するシート供給方法であって、シートを長手方向に沿って巻き取り部で巻き取る工程(A)と、巻き取り部で巻き取られたシートを巻き戻して、該シートを載置台に載置して、次工程に供給する工程(B)と、を含み、工程(B)は、巻き取り部を、載置台に対して、巻き取り部の回転軸に垂直な方向に相対的に移動させながら行われ、工程(B)において、裏向きのシートは、巻き取り部を、表向きのシートを巻き戻す際の載置台に対する相対的な移動方向に対して、180°反転した方向に移動させながら、巻き取り部から巻き戻されて、載置台に載置される。
【0013】
本発明に関わるシート供給方法は、上下方向が不揃いな長尺のシートを、上下方向を揃えて次工程に供給するシート供給方法であって、シートを長手方向に沿って巻き取り部で巻き取る工程(A)と、巻き取り部で巻き取られたシートを巻き戻して、該シートを載置台に載置して、次工程に供給する工程(B)と、を含み、下向きのシートは、工程(A)において、巻き取り部で巻き取られた後、巻き取り部の回転軸を180°回転させ、然る後、工程(B)において、巻き取り部から巻き戻されて、載置台に載置される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、コンパクトな方法で、表裏方向及び/又は上下方向が不揃いな長尺のシートを、表裏方向及び/又は上下方向を揃えて次工程に供給するシート供給方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明におけるシート供給システム10の構成を模式的に示した図である。
図2図2(A)、(B)は、本発明における巻き取り部の構成を模式的に示した斜視図である。
図3図3(A)~(E)は、表向きのシートを次工程に供給する方法を示した図である。
図4図4(A)~(E)は、表向きのシートを次工程に供給する他の方法を示した図である。
図5図5(A)~(E)は、裏向きのシートを次工程に供給する方法を示した図である。
図6図6(A)~(E)は、裏向きのシートを次工程に供給する他の方法を示した図である。
図7図7(A)~(F)は、下向きのシートを次工程に供給する方法を示した図である。
図8図8(A)~(F)は、下向きのシートを次工程に供給する他の方法を示した図である。
図9図9(A)~(F)は、裏向き、かつ下向きのシートを次工程に供給する方法を示した図である。
図10図10(A)~(F)は、裏向き、かつ下向きのシートを次工程に供給する他の方法を示した図である。
図11】ベース生地を裁断して、複数のパターンピースを作製する際の、各パターンピースの配置を示した図である。
図12図12(A)~(D)は、表裏及び上下の方向がそれぞれ異なるパターンピースを示した図である。
図13図13(A)~(C)は、表裏及び上下が反転したパターンシートを反転させる方法を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。また、本発明の効果を奏する範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。
【0017】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態におけるシート供給システム10の構成を模式的に示した図である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態におけるシート供給システム10は、長尺のシート40を長手方向に沿って巻き取る巻き取り部20、及び後述する巻き取り部20から巻き戻されたシート40を載置する載置台を備えている。
【0019】
本実施形態において、長尺なシート40は、フレキシブルな素材からなり、表裏及び上下の方向が定まるものであれば、その素材や形状等は特に限定されない。例えば、長尺なシート40として、図11及び図12に示したように、ベース生地を裁断して作製されたパターンピース等が挙げられる。
【0020】
図1に示すように、作業台60に載置されたシート40は、バキュームパッド31を有する供給部30によって、シート40の長手方向端部が保持されて、巻き取り部20に供給される。
【0021】
シート40は、表裏及び上位の方向が不揃いな状態で、作業台60に載置される。シート40の表裏及び上下の方向は、シート40の上方に配置された検出器50によって、自動的に検出される。検出器50は、例えば、カメラ等の画像センサからなり、シート40の形状を画像認識することによって、シート40の表裏及び上下の方向が検出される。また検出器50に替えて作業者の目視により表裏及び上下の方向を検出する構成も可能である。
【0022】
図2(A)、(B)は、本実施形態における巻き取り部20の構成を模式的に示した斜視図である。
【0023】
図2(A)に示すように、巻き取り部20は、シャフト(回転軸)22の周りを回転するローラからなる。シャフト22は、アーム24に支持され、アーム24は、ロボット23に連結されている。
【0024】
巻き取り部20は、ロボット23によって、シャフト22の周りを回転する回転方向、及び、シャフト22に垂直な方向に移動する移動方向が制御される。アーム24は、ロボット23によって、ロボット23との連結部23Aを起点に、180°回転するように制御される。これにより、巻き取り部20は、シャフト22を180°回転するように制御される。
【0025】
図2(A)に示すように、巻き取り部20は、シャフト22の方向に沿って、一対のクランプ部21a、21bを有する。クランプ部21a、21bの何れか一方は、図2(B)に示すように、周方向に回転可能になっている。これにより、シート(不図示)の長手方向端部を、クランプ部21a、21bでクランプして、シートを巻き取ることができる。
【0026】
次に、図3図6を参照しながら、本実施形態におけるシート供給方法を説明する。本実施形態におけるシート供給方法は、表裏方向が不揃いな長尺なシートを、表裏方向を揃えて、次工程に供給するものである。なお、長尺なシートは、同一形状からなる。
【0027】
図3(A)~(E)は、表向きのシート40(図3(A))を次工程に供給する方法を示した図である。シート40の表裏方向は、例えば、図1に示した検出器50によって、自動で検出することができる。
【0028】
まず、図3(B)に示すように、表向きのシート40を、長手方向に沿って、巻き取り部20を反時計方向Aに回転させて、巻き取る。
【0029】
次に、図3(C)に示すように、巻き取り部20で巻き取られたシート40を、巻き戻して、載置台70に載置する。このとき、巻き取り部20は、時計方向Bに回転しながら、巻き取り部20の回転軸に垂直な方向Pに移動する。
【0030】
図3(D)、(E)は、巻き取り部20から巻き戻されて、載置台70に載置されたシート40の状態を示した図で、図3(E)に示すように、シート40の向きは、巻き取る前の状態と同じ向きになっている。
【0031】
図4(A)~(E)は、表向きのシート40(図4(A))を次工程に供給する他の方法を示した図である。ここで示す方法は、図4(B)に示すように、シート40の巻き取る方向を時計方向Bにした点が、図3(B)に示した方法と異なる。
【0032】
この場合、巻き取り部20で巻き取られたシート40は、図4(C)に示すように、巻き取り部20が、反時計方向Aに回転しながら、巻き取り部20の回転軸に垂直な方向Pに移動して、巻き戻される。
【0033】
図4(D)、(E)は、巻き取り部20から巻き戻されて、載置台70に載置されたシート40の状態を示した図で、図4(E)に示すように、シート40の向きは、巻き取る前の状態と同じ向きになっている。
【0034】
図5(A)~(E)は、裏向きのシート40(図5(A))を次工程に供給する方法を示した図である。
【0035】
まず、図5(B)に示すように、裏向きのシート40を、長手方向に沿って、巻き取り部20を反時計方向Aに回転させて巻き取る。
【0036】
次に、図5(C)に示すように、巻き取り部20で巻き取られたシート40を巻き戻して、載置台70に載置する。このとき、巻き取り部20は、時計方向Bに回転しながら、回転軸に垂直な方向Qに移動する。
【0037】
図5(D)、(E)は、巻き取り部20から巻き戻されて、載置台70に載置されたシート40の状態を示した図で、図5(E)に示すように、巻き取る前の裏向きのシート40は、表向きに反転している。
【0038】
図6(A)~(E)は、裏向きのシート40(図6(A))を次工程に供給する他の方法を示した図である。ここで示す方法は、図6(B)に示すように、シート40の巻き取る方向を時計方向Bにした点が、図5(B)に示した方法と異なる。
【0039】
この場合、巻き取り部20で巻き取られたシート40は、図6(C)に示すように、巻き取り部20が、反時計方向Aに回転しながら、回転軸に垂直な方向Qに移動して、巻き戻される。
【0040】
図6(D)、(E)は、巻き取り部20から巻き戻されて、載置台70に載置されたシート40の状態を示した図で、図6(E)に示すように、巻き取る前の裏向きのシート40は、表向きに反転している。
【0041】
このように、裏向きのシート40は、図5(C)及び図6(C)に示したように、巻き取り部20を、表向きのシート40を巻き戻す際の移動方向P(図3(C)及び図4(C))に対して、180°反転した方向Qに移動させて巻き戻すことによって、表向きに反転させることができる。この場合、裏向きのシート40を巻き取る際の巻き取り部20の回転方向(反時計方向A、時計方向B)は問わない。
【0042】
図5(B)及び図6(B)に示した巻き取り工程では、静止した状態の巻き取り部20を回転させて、裏向きのシート40を巻き取ったが、巻き取り部20を、回転軸に垂直な方向に移動させながら、裏向きのシート40を巻き取ることもできる。この場合、巻き取り工程における巻き取り部20の移動方向は、図5(D)及び図6(D)に示した巻き戻し工程における巻き取り部20の移動方向Qと同じ方向になる。
【0043】
一方、図3(B)及び図4(B)に示した巻き取り工程で、巻き取り部20を回転軸に垂直な方向に移動させて、表向きのシート40を巻き取る場合、巻き取り工程における巻き取り部20の移動方向は、図3(D)及び図4(D)に示した巻き戻し工程における巻き取り部20の移動方向Pと反対方向になる。
【0044】
このように、巻き取り工程において、裏向きのシート40を、巻き取り部20を回転軸に垂直な方向に移動させながら巻き取る場合、巻き戻し工程において、裏向きのシート40を、巻き取り工程における巻き取り部20の移動方向と同じ方向に巻き取り部20を移動することによって、裏向きのシート40を、表向きに反転させることができる。
【0045】
なお、いずれの場合においても、裏向きのシート40を巻き戻す際、巻き取り部20を、表向きのシート40を巻き戻す際の移動方向に対して、180°反転した方向に移動させながら、裏向きのシート20巻き戻すことによって、裏向きのシート40を、表向きに反転させることができる。
【0046】
以上、説明したように、本実施形態によれば、裏向きのシート40を巻き取り部20で巻き取った後、巻き取り部20を所定方向に移動させながら、裏向きのシート40を巻き戻すことによって、裏向きのシート40を表向きに反転させることができる。これにより、表裏方向が不揃いなシート40を、表裏方向を揃えて次工程に供給することができる。その結果、例えば、次工程において、シート40に自動でラベルを貼る場合、所定の位置にラベルを貼ることができる。
【0047】
また、本実施形態では、長尺のシート40を巻き取り部20で巻き取る工程と、巻き取り部20で巻き取られたシート40を巻き戻す工程とを組み合わすことによって、シート40の表裏方向を揃えることができる。これにより、反転作業に必要な作業スペースを狭くできるため、コンパクトな方法で、表裏方向が不揃いなシート40を、表裏方向を揃えて次工程に供給することができる。
【0048】
また、長尺のシート40を巻き取る工程と、巻き戻す工程とを組み合わすだけで、反転作業を行うことができるため、長尺のシート40に余計なストレスを加えることなく、反転作業を行うことができる。加えて、長尺のシート40を巻き取り部20で巻き取った状態で、次工程まで搬送できるため、搬送作業を容易にすることができる。
【0049】
なお、本実施形態において、図5(C)及び図6(C)に示したように、巻き取り部20を、載置台70に対して、巻き取り部20の回転軸に垂直な方向に移動させながら、シート40を巻き取り部20から巻き戻したが、巻き取り部20を静止して、載置台70を、巻き取り部20に対して、巻き取り部20の回転軸に垂直な方向に移動させてもよい。この場合、載置台70は、例えば、コンベアで構成することができる。
【0050】
以上、説明したように、本実施形態におけるシート供給方法は、シート40を長手方向に沿って巻き取り部20で巻き取る工程(A)と、巻き取り部20で巻き取られたシート40を巻き戻して、シート40を載置台70に載置して、次工程に供給する工程(B)とを含み、工程(B)は、巻き取り部20を、載置台70に対して、巻き取り部20の回転軸に垂直な方向に相対的に移動させながら行われる。
【0051】
そして、工程(B)において、裏向きのシート40は、巻き取り部20を、表向きのシート40を巻き戻す際の載置台70に対する相対的な移動方向に対して、180°反転した方向に移動させながら、巻き取り部20から巻き戻されて、載置台70に載置される。これにより、表裏方向が不揃いな長尺のシート40を、表裏方向を揃えて次工程に供給することができる。
【0052】
また、本実施形態におけるシート供給システムは、シート40を長手方向に沿って巻き取る巻き取り部20と、巻き取り部20から巻き戻されたシート40を載置する載置台70とを備えている。ここで、巻き取り部20は、載置台70に対して、巻き取り部20の回転軸Jに垂直な方向に相対的に移動するように制御される。
【0053】
そして、裏向きのシート40は、シート40を巻き取り部20から巻き戻す際、巻き取り部20を、表向きのシート40を巻き戻す際の載置台70に対する相対的な移動方向に対して、180°反転した方向に移動させながら、巻き取り部20から巻き戻されて、載置台70に載置される。
【0054】

(第2の実施形態)
図7及び図8を参照しながら、本発明の第2の実施形態におけるシート供給方法を説明する。本実施形態におけるシート供給方法は、上下方向が不揃いな長尺シートを、上下方向を揃えて、次工程に供給するものである。なお、シート40を長手方向に沿って巻き取る巻き取り部20や、シート40を巻き取り部20に供給する供給部30は、第1の実施形態と同じものを用いることができる。
【0055】
図7(A)~(F)は、上下方向が反転したシート(以下、「下向きのシート」という)40を次工程に供給する方法を示す。図7(A)は、下向きのシート40を示す。
【0056】
まず、図7(B)に示すように、下向きのシート40を、長手方向に沿って、巻き取り部20を反時計方向Aに回転させて巻き取る。
【0057】
次に、図7(C)に示すように、シート40が巻き取られた巻き取り部20の回転軸Jを180°回転させる。回転軸Jは、例えば、図2(A)、(B)に示したシャフト22からなり、アーム24を、起点23Aを中心に180°回転することによって行うことができる。
【0058】
次に、図7(D)に示すように、巻き取り部20で巻き取られたシート40を巻き戻して、載置台70に載置する。このとき、巻き取り部20は、反時計方向Aに回転しながら、回転軸に垂直な方向Qに移動する。
【0059】
図7(E)、(F)は、巻き取り部20から巻き戻されて、載置台70に載置されたシート40の状態を示した図で、図7(F)に示すように、巻き取る前の下向きのシート40は、上下方向が反転し、上向きのシート40になっている。
【0060】
図8(A)~(F)は、上下方向が反転したシート40(図8(A))を次工程に供給する他の方法を示した図である。ここで示す方法は、図8(B)に示すように、シート40の巻き取る方向を時計方向Bにした点が、図7(B)に示した方法と異なる。
【0061】
この場合、シート40が巻き取られた巻き取り部20は、図8(C)に示すように、回転軸Jが180°回転される。
【0062】
次に、図8(D)に示すように、巻き取り部20で巻き取られたシート40を巻き戻して、載置台70に載置する。このとき、巻き取り部20は、時計方向Bに回転しながら、回転軸に垂直な方向Qに移動する。
【0063】
図8(E)、(F)は、巻き取り部20から巻き戻されて、載置台70に載置されたシート40の状態を示した図で、図8(F)に示すように、巻き取る前の下向きのシート40は、上下方向が反転し、上向きのシート40になっている。
【0064】
すなわち、下向きのシート40は、巻き取り部20で巻き取られた後、図7(C)及び図8(C)に示すように、巻き取り部20の回転軸Jを180°回転させ、然る後、巻き取り部20から巻き戻すことによって、上向きに反転させることができる。この場合、下向きのシート40を巻き取る際の巻き取り部20の回転方向(反時計方向A、時計方向B)は問わない。
【0065】
なお、図7(D)及び図8(D)に示すように、下向きのシート40は、巻き取り部20を、上向きのシート40を巻き戻す際の移動方向P(図3(C)及び図3(D))に対して、180°反転した方向Qに移動させながら、巻き取り部20から巻き戻される。
【0066】
以上、説明したように、本実施形態によれば、下向きのシート40を巻き取り部20で巻き取った後、巻き取り部20の回転軸Jを180°回転させ、然る後、下向きのシート40を巻き戻すことによって、下向きのシート40を上向きに反転させることができる。これにより、上下方向が不揃いな長尺のシート40を、上下方向を揃えて次工程に供給することができる。その結果、例えば、次工程において、シート40に自動でラベルを貼る場合、所定の位置にラベルを貼ることができる。
【0067】
また、本実施形態では、長尺のシート40を巻き取り部20で巻き取る工程、シート40が巻き取られた巻き取り部20の回転軸Jを180°回転する工程、及び巻き取り部20で巻き取られたシート40を巻き戻す工程を組み合わすことによって、シート40の上下方向を揃えることができる。これにより、反転作業に必要な作業スペースを小さくできるため、コンパクトな方法で、上下方向が不揃いなシート40を、上下方向を揃えて次工程に供給することができる。
【0068】
以上、説明したように、本実施形態におけるシート供給方法は、シート40を長手方向に沿って巻き取り部20で巻き取る工程(A)と、巻き取り部20で巻き取られたシート40を巻き戻して、シート40を載置台70に載置して、次工程に供給する工程(B)とを含む。
【0069】
そして、下向きのシート40は、工程(A)において、巻き取り部20で巻き取られた後、巻き取り部20の回転軸Jを180°回転させ、然る後、工程(B)において、巻き取り部20から巻き戻されて、載置台70に載置される。これにより、上下方向が不揃いな長尺のシート40を、上下方向を揃えて次工程に供給することができる。
【0070】
また、本実施形態におけるシート供給システムは、シート40を長手方向に沿って巻き取る巻き取り部20と、巻き取り部20から巻き戻されたシート40を載置する載置台70とを備えている。ここで、巻き取り部20は、巻き取り部20の回転軸Jを180°回転するように制御される。
【0071】
そして、下向きのシート40は、巻き取り部20で巻き取られた後、巻き取り部20の回転軸Jを180°回転させて、巻き取り部20から巻き戻されて、載置台70に載置される。
【0072】

(第3の実施形態)
本発明は、表裏及び上下の方向が不揃いなシートにも適用することができる。
【0073】
図9(A)~(F)は、裏向き、かつ下向きのシート40(図9(A))を次工程に供給する方法を示した図である。
【0074】
まず、図9(B)に示すように、裏向き、かつ下向きのシート40を、長手方向に沿って、巻き取り部20を反時計方向Aに回転させて巻き取る。
【0075】
次に、図9(C)に示すように、シート40が巻き取られた巻き取り部20の回転軸Jを180°回転させる。
【0076】
次に、図9(D)に示すように、巻き取り部20で巻き取られたシート40を巻き戻して、載置台70に載置する。このとき、巻き取り部20は、反時計方向Aに回転しながら、回転軸に垂直な方向Pに移動する。
【0077】
図9(E)、(F)は、巻き取り部20から巻き戻されて、載置台70に載置されたシート40の状態を示した図で、図9(F)に示すように、巻き取る前の裏向き、かつ下向きのシート40は、表裏及び上下方向が反転し、表向き、かつ上向きのシート40になっている。
【0078】
図10(A)~(F)は、裏向き、かつ下向きのシート40(図10(A))を次工程に供給する他の方法を示した図である。ここで示す方法は、図10(B)に示すように、シート40の巻き取る方向を時計方向Bにした点が、図9(B)に示した方法と異なる。
【0079】
この場合においても、シート40を巻き取り部20で巻き取った後、図10(C)に示すように、シート40が巻き取られた巻き取り部20の回転軸Jを180°回転させる。
【0080】
次に、図10(D)に示すように、巻き取り部20で巻き取られたシート40を巻き戻して、載置台70に載置する。このとき、巻き取り部20は、時計方向Bに回転しながら、回転軸に垂直な方向Pに移動する。
【0081】
図10(E)、(F)は、巻き取り部20から巻き戻されて、載置台70に載置されたシート40の状態を示した図で、図10(F)に示すように、巻き取る前の裏向き、かつ下向きのシート40は、表裏及び上下方向が反転し、表向き、かつ上向きのシート40になっている。
【0082】
本実施形態においても、長尺のシート40を巻き取り部20で巻き取る工程、シート40が巻き取られた巻き取り部20の回転軸Jを180°回転する工程、及び巻き取り部20に巻き取られたシート40を巻き戻す工程を組み合わすことによって、シート40の表裏及び上下方向を揃えることができる。これにより、反転作業に必要な作業スペースを小さくできるため、コンパクトな方法で、表裏及び上下方向が不揃いなシート40を、表裏及び上下方向を揃えて次工程に供給することができる。
【0083】

以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、もちろん、種々の改変が可能である。
【0084】
例えば、上記実施形態において、裏向きのシート40を巻き取る際、図5(B)及び図6(B)に示したように、巻き取り部20の回転方向は、時計方向Aまたは反時計方向Bの何れであってもよい。同様に、下向きのシート40を巻き取る際、図7(B)及び図8(B)に示したように、巻き取り部20の回転方向は、時計方向Aまたは反時計方向Bの何れであってもよい。
【0085】
例えば、裁断されたシート40は、切り込み等が入った不安定な形状の場合もある。この場合、巻き取り部20で巻き取られたシート40を巻き戻して、シート40を載置台70に載置する際、シート40の一部が折り重なることがある。このような場合、シート40の形状に応じて、巻き取り部20の回転方向を、時計方向Aまたは反時計方向Bの何れかを選択することによって、シート40の折り重なりを防止することができる。
【0086】
また、上記実施形態では、長尺なシート40として、同一形状のシートを例に説明したが、表裏及び上下の方向が揃ったシートが次工程に供給されて、次の処理ができるものであれば、形状が異なるものであってもよい。
【符号の説明】
【0087】
10 シート供給システム
20 巻き取り部
21a、21b クランプ部
22 シャフト(回転軸)
23 ロボット
23A 連結部
24 アーム
30 供給部
31 バキュームパッド
50 検出器
60 作業台
70 載置台
図1
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