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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-06
(45)【発行日】2023-06-14
(54)【発明の名称】ドレンホース継手
(51)【国際特許分類】
   F16L 33/22 20060101AFI20230607BHJP
   F16L 33/00 20060101ALI20230607BHJP
【FI】
F16L33/22
F16L33/00 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018186584
(22)【出願日】2018-10-01
(65)【公開番号】P2020056441
(43)【公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-06-01
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000119830
【氏名又は名称】因幡電機産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】松村 良太
【審査官】▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第207334046(CN,U)
【文献】特開2018-146003(JP,A)
【文献】特開平09-152080(JP,A)
【文献】特開平07-119877(JP,A)
【文献】特開2013-127302(JP,A)
【文献】特開2011-144913(JP,A)
【文献】特開2003-194278(JP,A)
【文献】特開2010-011618(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0273148(US,A1)
【文献】実開平05-074123(JP,U)
【文献】中国実用新案第204254079(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 33/22
F16L 33/00
F16L 33/32
F24F 13/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有するドレンホースと、該ドレンホースからの排水を案内する配管とを接続するためのドレンホース継手であって、
前記ドレンホースを挿入するための挿入口が形成される基端側に前記配管の内側に嵌合する筒状の嵌合部を備え、前記挿入口とは反対側となる先端側に前記挿入口を介して嵌合部内に挿入される前記ドレンホースの外面に係止して該挿入口からの該ドレンホースの抜けを防止するための係止爪を備え、前記配管へ挿入した時に該配管の挿入口側の端面に当接して挿入位置を規制する規制部を備え、
前記嵌合部は、その外面が前記配管の内面に対して固定されることを特徴とするドレンホース継手。
【請求項2】
前記係止爪は、径外方向に撓み可能な弾性爪であり、周方向に間隔をあけて複数配置されており、前記ドレンホースの外周形状が、凸部と凹部とが軸方向に交互に有する波型状に形成され、前記ドレンホースを前記挿入口から挿入して先端側に備えている前記複数の弾性爪に差し掛かり該ドレンホースの凸部が該複数の弾性爪を乗り越える時に、前記複数の弾性爪が凸部により径方向外側に撓み変形可能となるように、該複数の弾性爪の外面と前記配管の内面との間に撓み代を備えていることを特徴とする請求項1に記載のドレンホース継手。
【請求項3】
前記嵌合部の先端から先端側に延びる脚部を、周方向全域に所定間隔を置いて3つ以上備え、前記係止爪を、前記脚部のうちの2つ以上の脚部の先端に備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のドレンホース継手。
【請求項4】
前記各脚部の外面及び内面が、先端側ほど内側に位置する略同一傾斜角度を有する傾斜面に構成されていることを特徴とする請求項3に記載のドレンホース継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドレンホース継手に関する。
【0002】
従来、可撓性を有するドレンホースと、該ドレンホースからの排水を案内する配管とを接続するためにドレンホース継手が用いられる。このドレンホース継手は、ドレンホースの排水側端部を径方向両側から挟み込むように重ね合わせることによって、合わせ面のうちの一方の合わせ面に備える被係止部に他方の合わせ面に備える係止部が係止することで両者が係止固定される2つの半割部材を備えている(例えば非特許文献1参照)。
【0003】
図9図11(a),(b)に示すように、2つの半割部材13,13には、2種類のサイズ(例えば14mmと16mm)のドレンホース11,12を挟み込むことができるように、ドレンホース挿入方向手前側に大径のドレンホース11を挟み込むための大径内径部13Aを備えるとともに、ドレンホース挿入方向奥側に小径のドレンホース12を挟み込むための小径内径部13Bを備えている。なお、大径内径部13A及び小径内径部13Bのそれぞれには、内側に突出してドレンホース11又は12の谷部に食い込んでドレンホース11又は12の2つの半割部材13,13からの抜けを防止するための突条14を備えている。
【0004】
また、2つの半割部材13,13の外面のそれぞれには、2つの異なる内径(例えば26.45mmと32.55mm)を有する配管それぞれに内嵌することができるように、配管挿入方向手前側に大径外径部13Cを備えるとともに、配管挿入方向奥側に小径外径部13Dを備えている。なお、大径外径部13Cのドレンホース挿入側端には、配管への挿入位置を規制するための鍔部13Fを備えている。
【0005】
図10(a),(b)及び図11(b)に示すように、上記非特許文献1のドレンホース継手を用いて例えば大径(16mm)のドレンホース11を小径(26.45mm)の配管15に接続する場合には、ドレンホース11の排水側端部を径方向両側から挟み込むように2つの半割部材13,13を重ね合わせることによって、2つの半割部材13,13が係止固定されるとともに、半割部材13,13の大径内径部(図11(b)では上方に位置している)13A,13Aの突条14,14によりドレンホース11が固定される。この状態から2つの半割部材13,13の小径外径部13D,13Dに接着剤をハケ16を用いて塗布した後、配管15に小径外径部13D,13Dを内嵌することによって、ドレンホース11が挟み込まれた2つの半割部材13,13の小径外径部13D,13Dが配管15に接着固定される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】未来工業株式会社発行の「管材総合カタログ 2018-19 VOLUME20」p431
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図11(b)に示すように、ドレンホース継手によりドレンホース11を配管15に接続した状態では、ドレンホース11の下端11Aが、配管15の上端面15Uよりも高い位置にあるため、ドレンホース11下端11Aから排出される排水がドレンホース継手の半割部材13,13の合わせ面13F,13Fの隙間を通して外部に漏れてしまう恐れがあり(図11(b)の矢印で示している)、改善の余地があった。
【0008】
本発明は前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、ドレンホースからの排水が外部に漏れることがないドレンホース継手を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のドレンホース継手は、前述の課題解決のために、可撓性を有するドレンホースと、該ドレンホースからの排水を案内する配管とを接続するためのドレンホース継手であって、前記ドレンホースを挿入するための挿入口が形成される基端側に前記配管の内側に嵌合する筒状の嵌合部を備え、前記挿入口とは反対側となる先端側に前記挿入口を介して嵌合部内に挿入される前記ドレンホースの外面に係止で該挿入口からの該ドレンホースの抜けを防止するための係止爪を備えていることを特徴としている。
【0010】
本発明によれば、嵌合部を配管の内側に嵌合させることによって、ドレンホース継手を配管に装着できる。また、嵌合部内に挿入されるドレンホースの先端部の外面に挿入口とは反対側となる先端側に備えた係止爪が係止することによって、挿入口からのドレンホースの抜けを防止することができ、しかも、ドレンホースの先端の排出口を嵌合部よりも先端側(配管内部の奥側)に位置させることができるので、ドレンホースの先端から排出される排水が嵌合部の外面と配管の内面との間から漏れることがない。
【0011】
又、本発明のドレンホース継手は、前記係止爪が、径外方向に撓み可能な弾性爪であり、周方向に間隔をあけて複数配置されており、前記ドレンホースの外周形状が、凸部と凹部とが軸方向に交互に有する波型状に形成され、前記ドレンホースを前記挿入口から挿入して先端側に備えている前記複数の弾性爪に差し掛かり該ドレンホースの凸部が該複数の弾性爪を乗り越える時に、前記複数の弾性爪が凸部により径方向外側に撓み変形可能となるように、該複数の弾性爪の外面と前記配管の内面との間に撓み代を備えていることが好ましい。
【0012】
上記のように、ドレンホースを挿入口から挿入して先端側に備えている複数の弾性爪に差し掛かりドレンホースの凸部が複数の弾性爪を乗り越える時に、複数の弾性爪が凸部に押されて径方向外側に撓み変形することが、複数の弾性爪の外面と配管の内面との間に備えた撓み代によって許容される。そして、複数の弾性爪が凹部に差し掛かると、径方向外側に撓んだ複数の弾性爪が径方向内側に戻ることで凹部に係止し、ドレンホース継手からのドレンホースの抜けを確実に防止できる。
【0013】
又、本発明のドレンホース継手は、前記嵌合部の先端から先端側に延びる脚部を、周方向全域に所定間隔を置いて3つ以上備え、前記係止爪が、前記脚部のうちの2つ以上の脚部の先端に備えていることが好ましい。
【0014】
上記のように、嵌合部の先端から先端側に延びる脚部を、周方向全域に所定間隔を置いて3つ以上備えることによって、ドレンホースを嵌合部に挿入する際に、脚部がドレンホースの案内部材として機能することで、ドレンホースの直進性を維持することができ、係止爪をドレンホースの外面に確実に係止させることができる。また、係止爪を脚部の先端に備えることによって、例えばドレンホースが嵌合部に対して斜めに傾いた姿勢になったときに、係止爪を脚部の基端に備えた場合に比べてドレンホースから係止爪に作用する負荷(力)を小さくすることができ、係止爪が破損しにくくなる。
【0015】
又、本発明のドレンホース継手は、前記各脚部の外面及び内面が、先端側ほど内側に位置する略同一傾斜角度を有する傾斜面に構成されていることが好ましい。
【0016】
上記のように、各脚部の外面及び内面が、先端側ほど内側に位置する略同一傾斜角度を有する傾斜面に構成されているので、外面の傾斜面の案内作用により、配管に対してドレンホース継手をスムーズに挿入することができるだけでなく、内面の傾斜面の案内作用によりドレンホース継手に対してドレンホースをスムーズに挿入することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、挿入口とは反対側となる先端側に嵌合部内に挿入されるドレンホースの外面に係止で挿入口からのドレンホースの抜けを防止するための係止爪を周方向に間隔を置いて備えることによって、ドレンホースからの排水が外部に漏れることがないドレンホース継手を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】ドレンホース継手を上から見た斜視図である。
図2】ドレンホース継手を下から見た斜視図である。
図3】同ドレンホース継手の正面図である。
図4図3におけるIV-IV線断面図である。
図5】同ドレンホース継手の平面図である。
図6】同ドレンホース継手の底面図である。
図7】26.45mmのエルボ配管に同ドレンホース継手を嵌合した状態を示す断面図である。
図8】32.55mmのエルボ配管に同ドレンホース継手を嵌合した状態を示す断面図である。
図9】従来のドレンホース継手の分解斜視図である。
図10】従来のドレンホース継手を用いてドレンホースと配管とを接続する過程を示し、(a)は接続直前の分解斜視図、(b)はドレンホースをドレンホース継手に接続した状態を示す斜視図である。
図11】(a)は、14mmのドレンホースを従来のドレンホース継手に装着した状態を示す断面図、(b)16mmのドレンホースを装着した従来のドレンホース継手を配管に接続した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
本発明のドレンホース継手について説明する。図1図6に、ドレンホース継手1を示し、このドレンホース継手1は、ドレンホース2を挿入するための挿入口1Kが形成される基端側に配管の内側に嵌合する筒状の嵌合部3と、挿入口1Kとは反対側となる先端側に嵌合部3内に挿入されるドレンホース2(図7参照)の外面に係止して挿入口1Kからのドレンホース2の抜けを防止するための複数の係止爪4と、を備えている。なお、ドレンホース継手1は、各種の合成樹脂材料で一体形成されるが、合成ゴムあるいは金属材料等で構成してもよい。
【0021】
嵌合部3は、2種類の内径(実際には26.45mmと32.55mmの径)を有する配管(図7及び図8に示す90度屈曲したエルボ配管5,6)に内嵌することができるように、大きな外径寸法を有する円筒状の大径嵌合部3Aと小さな外径を有する円筒状の小径嵌合部3Bと、を備えている。なお、大径嵌合部3Aの軸方向(嵌合方向)の長さと小径嵌合部3Bの軸方向(嵌合方向)の長さとが略同一に構成されている。また、大径嵌合部3Aの肉厚と小径嵌合部3Bの肉厚とが略同一に構成されている(図4参照)。
【0022】
配管としては、前記エルボ配管の他、円弧状に湾曲した配管や、直線状に延びる配管等であってもよい。
【0023】
大径嵌合部3Aは、基端の内側に前記挿入口1Kが形成されるとともに、配管へ挿入した時に配管の挿入口側の端面に当接して挿入位置を規制する規制部を構成するフランジ部3Fが形成されている。
【0024】
小径嵌合部3Bは、大径嵌合部3Aの外径よりも小さな外径を有し、小径嵌合部3Bと大径嵌合部3Aとの接合部には、段差部3Dが形成されている。この段差部3Dが、小径嵌合部3Bを配管へ挿入した時に配管の挿入口側の端面に当接して挿入位置を規制する規制部を構成する。
【0025】
ドレンホース2は、可撓性を有する合成樹脂材料で構成され、図7に示すように、ドレンホース2の外周形状が円環状の凸部2Aと円環状の凹部2Bとが軸方向に交互に有する波型状に形成されている。
【0026】
図2に示すように、小径嵌合部3Bの先端から先端側に延びる脚部7の8つを、周方向に同一間隔を置いて備えている。いずれの脚部7も、同一幅で、かつ、同一長さに構成されている。また、脚部7の長さは、小径嵌合部3Bの長さよりも短く構成されている。
【0027】
図2及び図4に示すように、各脚部7の先端には、径方向内側に突出する前記係止爪4が形成されている。係止爪4は、径外方向に撓み可能な弾性爪であり、周方向に間隔をあけて複数配置されている。各係止爪(弾性爪)4は、脚部7の内面から内側に向かうほど軸方向先端に位置する平面状の傾斜面となる上面4Aと、上面4Aの内側端から下方に略真っ直ぐ延びる内面4Bと、内面4Bの下端から脚部7の外面に向かって水平に延びる水平面からなる下面4Cとを備えている。図1図4において、係止爪4は、側面から見た状態で略三角形状に構成されている。なお、図3にドレンホース継手1の正面図を示しているが、ドレンホース継手1の左側面図及び右側面図は、正面図と同一図面であるため、省略している。
【0028】
したがって、ドレンホース2をドレンホース継手1に挿入したときにドレンホース2の凸部2Aが傾斜した上面4Aに沿って案内されることで弾性爪4が凸部2Aを乗り越えやすい。また、ドレンホース2の凸部2Aを乗り越えて凹部2Bに弾性爪4が入り込んで係止すると、弾性爪4の下面4Cが凸部2Aに広い面積で当接するため、弾性爪4が凹部2Bから外れ難くなる。
【0029】
また、図7の拡大図に示すように、弾性爪4の外面4Dが小径嵌合部3Bの外面3bよりも内側に位置するように、弾性爪4の肉厚を小径嵌合部3Bの肉厚よりも薄く構成している。このように構成することで、ドレンホース2を挿入口1Kから挿入して先端側に備えている複数(ここでは8つ)の弾性爪4に差し掛かりドレンホース2の凸部2Aが複数の弾性爪4を乗り越える時に、複数の弾性爪4が凸部2Aに押されて径方向外側に撓み変形可能となるように、複数の弾性爪4の外面4Dと配管(エルボ配管5)の内面5Aとの間に撓み代(空間)Hを形成することができる。
【0030】
したがって、挿入口1Kから挿入して先端側に備えている複数の弾性爪4に差し掛かりドレンホース2の凸部2Aが複数の弾性爪4を乗り越える時に、複数の弾性爪4が凸部2Aに押されて径方向外側に撓み変形することが、複数の弾性爪4の外面4Dと配管(エルボ配管5)の内面5Aとの間に備えた撓み代Hによって許容される。そして、複数の弾性爪4が凹部2Bに差し掛かると、径方向外側に撓んだ複数の弾性爪4が径方向内側に戻ることで凹部2Bに係止し、ドレンホース継手1からのドレンホース2の抜けを確実に防止できる。
【0031】
また、各脚部7の外面7A及び内面7Bが、先端側ほど内側に位置する略同一傾斜角度(僅かな傾斜角度)を有する傾斜面に構成されている。したがって、外面7Aの傾斜面の案内作用により、配管(エルボ配管5,6)に対してドレンホース継手1をスムーズに挿入することができるだけでなく、上面4Aの傾斜面の案内作用によりドレンホース継手1に対してドレンホース2をスムーズに挿入することができる。
【0032】
図7の拡大図に示すように、脚部7の内面7Bから各弾性爪4の内側への突出長さLが、弾性爪4の外面4Dと配管(エルボ配管5)の内面5Aとの間の距離である撓み代Hよりも長くなるように構成されている。このように設定することによって、何らかの原因で弾性爪4が径方向外側に撓み変形した場合でも、弾性爪4が凹部2Bから外れることを防止でき、弾性爪4を凹部2Bに確実に係止させておくことができる。
【0033】
ドレンホース2を2つの配管(エルボ配管5,6)にドレンホース継手1を用いてそれぞれ接続する手順について説明する。図7に示す内径が26.45mmのエルボ配管5の内面5A又はドレンホース継手1の小径嵌合部3Bの外面3bに接着剤を塗布する。塗布した後、26.45mmのエルボ配管5内にドレンホース継手1を挿入して嵌合させる。このとき、小径嵌合部3Bと大径嵌合部3Aとの間の段差部3Dがエルボ配管5の上端面5Uに当接するまでドレンホース継手1を挿入する。
【0034】
続いて、ドレンホース2をドレンホース継手1内に挿入する。このとき、ドレンホース2の先端部の凸部2Aが弾性爪4を外側に撓み変形させながら乗り越えるときに当接音が発生し、その当接音を確認することで、ドレンホース2の先端がドレンホース継手1の先端よりも下方に飛び出したことを確認することができる。なお、図7では、先端から2番目の凹部2Bに弾性爪4が係止しているが、1番目又は3番目以降であってもよい。
【0035】
また、図8に示す内径が32.55mmのエルボ配管6の内面6A又はドレンホース継手1の大径嵌合部3Aの外面に接着剤を塗布する。塗布した後、32.55mmのエルボ配管6内にドレンホース継手1を挿入して嵌合させる。このとき、大径嵌合部3Aの上端のフランジ部3Fがエルボ配管6の上端面6Uに当接するまでドレンホース継手1を挿入する。
【0036】
続いて、ドレンホース2をドレンホース継手1内に挿入する。このとき、ドレンホース2の先端部の凸部2Aが弾性爪4を外側に撓み変形させながら乗り越えるときに当接音が発生し、その当接音を確認することで、ドレンホース2の先端がドレンホース継手1の先端よりも下方に飛び出したことを確認できる。なお、図8では、先端から2番目の凹部2Bに弾性爪4が係止しているが、1番目又は3番目以降であってもよい。
【0037】
図7及び図8のいずれの場合も、接着剤を用いてエルボ配管5,6とドレンホース継手1とを固定しているが、嵌合によりエルボ配管5,6とドレンホース継手1とを固定してもよい。この嵌合で固定する場合には、ドレンホース継手1の外面にシールテープ(図示せず)を巻き付けておくことが好ましい。また、エルボ配管5,6に固定したドレンホース継手1に、ドレンホース2を挿入してもよいし、ドレンホース2の先端部が挿入されたドレンホース継手1を、エルボ配管5,6に固定してもよい。
【0038】
上記のように、嵌合部(小径嵌合部3B又は大径嵌合部3A)を配管(エルボ配管5,6)の内側に嵌合させることによって、ドレンホース継手1を装着できる。また、嵌合部(小径嵌合部3B又は大径嵌合部3A)内に挿入されるドレンホース2の先端部の外面に挿入口とは反対側となる先端側に備えた複数の弾性爪4が係止することによって、挿入口1Kからのドレンホース2の抜けを防止することができ、しかも、ドレンホース2の先端の排出口2Hを嵌合部(小径嵌合部3B又は大径嵌合部3A)よりも先端側に位置させることができるので、ドレンホース2の先端から排出される排水が嵌合部(例えば小径嵌合部3B)の外面3bとエルボ配管5の内面5Aとの間から漏れることがない。
【0039】
ドレンホース2には、2種類のサイズ(例えば14mmと16mm)が存在するため、本発明のドレンホース継手1の内径をドレンホース2のサイズに合わせた2種類のドレンホース継手1を用意しておくことになる。
【0040】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0041】
前記実施形態では、内径が異なる2つの配管(実施形態では、エルボ配管5,6)にドレンホース継手1を装着できるように、ドレンホース継手1に大径嵌合部3Aと小径嵌合部3Bとを備えたが、2つの配管の内径にそれぞれ合致した1つの嵌合部を有する専用のドレンホース継手であってもよい。
【0042】
また、前記実施形態では、係止爪4を8つ備えたが、螺旋状(螺子状)に連続する又は途切れ途切れに存在する1つ係止爪であってもよいが、2つ以上が好ましい。複数の係止爪の場合、全ての係止爪の幅を同一にしてもよいし、異なる幅を有する少なくとも1つの係止爪を有する構成であってもよい。また周方向で隣り合う係止爪同士の間隔は、均等であってもよいし、少なくとも一部の間隔が他の間隔と異なる構成であってもよい。
【0043】
また、前記実施形態では、脚部7を8つ備えたが、3つ以上であれば、数は自由に変更可能である。この場合、全ての脚部の幅を同一にしてもよいし、異なる幅を有する少なくとも1つの脚部を有する構成であってもよい。また周方向で隣り合う脚部同士の間隔は、均等であってもよいし、少なくとも一部の間隔が他の間隔と異なる構成であってもよい。また、脚部7の数と係止爪4の数とを同一にしたが、係止爪4の数を脚部7の数よりも少なくしてもよい。また、脚部7の幅と係止爪4の幅とを同一にしたが、脚部7の幅を係止爪4の幅よりも大きくしてもよいし、脚部7の幅を係止爪4の幅よりも小さくしてもよい。
【0044】
また、前記実施形態では、係止爪4を脚部7の先端に備えているが、脚部7の長手方向途中部分の先端寄りに係止爪4を備えていてもよい。
【0045】
また、前記実施形態では、大径嵌合部3Aの軸方向(嵌合方向)の長さと小径嵌合部3Bの軸方向(嵌合方向)の長さとを略同一に構成したが、異なる長さに構成してもよい。また、大径嵌合部3A及び小径嵌合部3Bの外面を平坦面に形成したが、少なくとも一方の嵌合部3A又は3Bの外面に凹凸状となる構造物が設けられていてもよい。
【0046】
また、前記実施形態では、ドレンホース2が、凸部2Aと凹部2Bとが軸方向に交互に有する波型状に構成したが、表面が凹凸のないフラットな外面を有するドレンホースであってもよい。この場合、ドレンホースのフラットな外面にドレンホース継手の係止爪が食い込む(又はめり込む)ことによって、挿入口からのドレンホースの抜けを防止することになる。
【符号の説明】
【0047】
1…ドレンホース継手、1K…挿入口、2…ドレンホース、2A…凸部、2B…凹部、2H…排出口、3…嵌合部、3A…大径嵌合部、3B…小径嵌合部、3D…段差部、3F…フランジ部、3b…外面、4…係止爪(弾性爪)、4A…上面、4B…内面、4C…下面、4D…外面、5,6…エルボ配管(配管)、5A,6A…内面、5U,6U…上端面、7…脚部、7A…外面、7B…内面、11,12…ドレンホース、11A…下端、13…半割部材、13A…大径内径部、13B…小径内径部、13C…大径外径部、13D…小径外径部、13F…鍔部、13F…合わせ面、14…突条、15…配管、15U…上端面、16…ハケ、H…撓み代
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11