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  • 特許-鉄筋コンクリート構造物の解体方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-06
(45)【発行日】2023-06-14
(54)【発明の名称】鉄筋コンクリート構造物の解体方法
(51)【国際特許分類】
   E04G 23/08 20060101AFI20230607BHJP
【FI】
E04G23/08 H
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019060290
(22)【出願日】2019-03-27
(65)【公開番号】P2020159080
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-11-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000166432
【氏名又は名称】戸田建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】392014715
【氏名又は名称】株式会社NF千代田エレクトロニクス
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】弁理士法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石丸 達朗
(72)【発明者】
【氏名】山崎 輝士
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 信也
(72)【発明者】
【氏名】下坂 賢二
(72)【発明者】
【氏名】松岡 明彦
(72)【発明者】
【氏名】成田 修英
(72)【発明者】
【氏名】井戸 康浩
(72)【発明者】
【氏名】右田 周平
(72)【発明者】
【氏名】小阪 宏之
(72)【発明者】
【氏名】馬場 朝之
(72)【発明者】
【氏名】田中 高広
(72)【発明者】
【氏名】工藤 真温
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 清久
(72)【発明者】
【氏名】力石 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 真弘
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-064963(JP,A)
【文献】特開昭53-005815(JP,A)
【文献】特開昭62-133256(JP,A)
【文献】特開昭63-014963(JP,A)
【文献】特開平03-257223(JP,A)
【文献】特開平09-165839(JP,A)
【文献】特開昭59-233072(JP,A)
【文献】実開昭49-118460(JP,U)
【文献】特開平11-200642(JP,A)
【文献】特開昭52-101835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 23/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄筋コンクリート構造物の鉄筋が配設されている位置に所要間隔をもって所要大きさの穴を開けて鉄筋を露出させ、
該露出させた鉄筋にそれぞれ端子を介して直流電源からの出力ケーブルを連結させ、
前記直流電源に対して制御装置において加熱温度となる電流値と電圧と設定して出力させ、
通電により前記鉄筋が加熱して膨張することでコンクリートにひび割れを生じさせると共にコンクリート強度の低下と、鉄筋とコンクリートとの付着力を低下させ、
圧砕による小さな力でコンクリートを破砕できるようにし、
前記制御装置は、通電のオン・オフと通電による温度設定とを行うと共に、通電による鉄筋の温度計測手段、及び迷走電流検知手段が装備されており、
前記制御装置において、前記温度計測手段からの鉄筋の加熱温度が入力されて適切に通電されているか否か監視すると共に、前記迷走電流検知手段からの迷走電流の検知信号が入力されると、直ちに運転停止信号を前記直流電源に送信して通電を停止させる構成であること
を特徴とする鉄筋コンクリート構造物の解体方法。
【請求項2】
鉄筋コンクリート構造物の上下方向にある複数段の鉄筋に対して所要間隔に穴を開けて内部の鉄筋をそれぞれ露出させ、
該複数段の露出した鉄筋に対してそれぞれ端子を介して直流電源からの出力ケーブルを連結させ、
前記直流電源に対して制御装置において加熱温度となる電流値と電圧とを設定して出力させ、
該各段の出力ケーブルに同時通電および同時オフまたは交互にオン・オフ通電によってコンクリートにひび割れを生じさせると共にコンクリート強度の低下と、鉄筋とコンクリートとの付着力を低下させ、
圧砕による小さな力でコンクリートを破砕できるようにし、
前記制御装置は、通電のオン・オフと通電による温度設定とを行うと共に、通電による鉄筋の温度計測手段、及び迷走電流検知手段が装備されており、
前記制御装置において、前記温度計測手段からの鉄筋の加熱温度が入力されて適切に通電されているか否か監視すると共に、前記迷走電流検知手段からの迷走電流の検知信号が入力されると、直ちに運転停止信号を前記直流電源に送信して通電を停止させる構成であること
を特徴とする鉄筋コンクリート構造物の解体方法
【請求項3】
前記圧砕は、両側から掴むように作動するアタッチメントで圧縮することで、コンクリートを圧砕して鉄筋と分離させること
を特徴とする請求項1又は2に記載の鉄筋コンクリート構造物の解体方法。
【請求項4】
前記端子は、一部を鉄筋に溶接して取り付けること
を特徴とする請求項1又は2に記載の鉄筋コンクリート構造物の解体方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄筋コンクリート構造物の鉄筋に通電加熱して構造物を解体する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の通電加熱による解体できる建造物及び解体方法として、複数の技術が公知技術として知られている。例えば、第1の公知技術としては、ほゞ平行な向きでコンクリート中に埋設されている溶断用鉄筋と、前記溶断用鉄筋と交叉する向きで前記コンクリート中に埋設されている通電用鉄筋と、前記各溶断用鉄筋と交叉する向きで且つ前記通電用鉄筋に対して間隔をおいて前記コンクリート中に埋設されている帰路用鉄筋と、前記溶断用鉄筋と前記通電用鉄筋との各交叉部分でそれぞれ前記通電用鉄筋に熔接されて前記コンクリート中に埋設されており前記各溶断用鉄筋はそれぞれのU字溝にそれぞれ嵌合されているU字溝付鉄片と、前記各鉄片に隣接してその下の前記コンクリート中に設けられている湯溜り部とを有する鉄筋コンクリート構造物、である(特許文献1)。
【0003】
この第1の公知技術に係る鉄筋コンクリート構造物によれば、用済後殆んど無騒音、無振動で解体することができる。特にU字溝を有する鉄片をアーク電極としているので、一般に金属のアーク溶断作業に際して使用されるタングステン、カーボン等の電極に比べて非常に安価に実施することができる、というものである。
【0004】
第2の公知技術としては、鉄筋コンクリート構造物の解体範囲の周辺に低騒音型削孔機によって内部の鉄筋に向かって穴を開け、鉄筋を露出すると共に切断し、この露出鉄筋に通電して加熱し、前記解体範囲内における鉄筋周囲のコンクリートを脆弱化した後、前記切断した露出鉄筋の端部を引張装置に連結して引張り、前記解体範囲のコンクリートを剥離破壊することを特徴とする鉄筋コンクリート構造物の解体工法、である(特許文献2)。
【0005】
この第2の公知技術に係る鉄筋コンクリート構造物の解体工法によれば、解体範囲のコンクリートを部分的に確実に脆弱化させて容易かつ低騒音で剥離破壊することができると共に、削孔時の騒音を低く抑え、近隣住民に騒音、振動、粉塵などの公害を及ぼすことなく円滑に解体することができ、解体物の廃棄、運搬等の処理も容易である、というものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開昭53-5815号の公開公報
【文献】特開昭63-14963号の公開公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記第1の公知技術の発明においては、コンクリート構造物を建造する際に、予め縦方向に配設する溶断用鉄筋と交叉する横方向に埋設されている通電用鉄筋とを、通電用鉄筋に熔接されたU字溝付鉄片のU字溝に溶断用鉄筋を嵌合させてコンクリート内に配設させることが必須要件になっており、そうでない一般的な鉄筋コンクリート構造物には適用されないのである。
【0008】
また、前記第2の公知技術の発明においては、鉄筋コンクリート構造物に穴を開け、鉄筋を露出すると共に切断することが要件になっており、しかも実施例では(同文献図1参照)横筋の一段毎に穴を設けることが明確に示されており、実質的に作業性が悪く解体のコストも高くなるという問題点(課題)を有している。
【0009】
本発明は、前記課題を解決するために、所要の間隔範囲内において一気にコンクリートを脆弱化して解体できるようにし、解体作業の効率を高めた解体方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は前述の課題を解決する具体的手段として、鉄筋コンクリート構造物の鉄筋が配設されている位置に所要間隔をもって所要大きさの穴を開けて鉄筋を露出させ、該露出させた鉄筋にそれぞれ端子を介して直流電源からの出力ケーブルを連結させ、前記直流電源に対して制御装置において加熱温度となる電流値と電圧と設定して出力させ、通電により前記鉄筋が加熱して膨張することでコンクリートにひび割れを生じさせると共にコンクリート強度の低下と、鉄筋とコンクリートとの付着力を低下させ、圧砕による小さな力でコンクリートを破砕できるようにし、前記制御装置は、通電のオン・オフと通電による温度設定とを行うと共に、通電による鉄筋の温度計測手段、及び迷走電流検知手段が装備されており、前記制御装置において、前記温度計測手段からの鉄筋の加熱温度が入力されて適切に通電されているか否か監視すると共に、前記迷走電流検知手段からの迷走電流の検知信号が入力されると、直ちに運転停止信号を前記直流電源に送信して通電を停止させる構成であることを特徴とする鉄筋コンクリート構造物の解体方法を提供するものである。
また、本発明は前述の課題を解決する具体的手段として、鉄筋コンクリート構造物の上下方向にある複数段の鉄筋に対して所要間隔に穴を開けて内部の鉄筋をそれぞれ露出させ、該複数段の露出した鉄筋に対してそれぞれ端子を介して直流電源からの出力ケーブルを連結させ、前記直流電源に対して制御装置において加熱温度となる電流値と電圧とを設定して出力させ、該各段の出力ケーブルに同時通電および同時オフまたは交互にオン・オフ通電によってコンクリートにひび割れを生じさせると共にコンクリート強度の低下と、鉄筋とコンクリートとの付着力を低下させ、圧砕による小さな力でコンクリートを破砕できるようにし、前記制御装置は、通電のオン・オフと通電による温度設定とを行うと共に、通電による鉄筋の温度計測手段、及び迷走電流検知手段が装備されており、前記制御装置において、前記温度計測手段からの鉄筋の加熱温度が入力されて適切に通電されているか否か監視すると共に、前記迷走電流検知手段からの迷走電流の検知信号が入力されると、直ちに運転停止信号を前記直流電源に送信して通電を停止させる構成であることを特徴とする鉄筋コンクリート構造物の解体方法を提供するものである。
【0011】
上記発明において、前記圧砕は、両側から掴むように作動するアタッチメントで圧縮することで、コンクリートを圧砕して鉄筋と分離させること;および、前記端子は、一部を鉄筋に溶接して取り付けること;を付加的要件として含むものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る鉄筋コンクリート構造物の解体方法によれば、鉄筋に通電加熱して膨張させることによりコンクリートにひび割れを生じさせると共に、熱によりコンクリートを脆弱化させ、且つ鉄筋との付着力も低下させることで、コンクリートを両側から掴むように作動するアタッチメントで圧砕して鉄筋から分離でき、小さい力で解体効率を高めることができるのである。
さらに、通電加熱によれば、ほゞ無騒音、無振動、少粉塵で実施できるため、周辺環境を悪化させることなく大型構築物の解体を行うことができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態に係る解体しようとする鉄筋コンクリート構造物の一部に穴を開けて鉄筋を露出させた状態を示す正面図である。
図2】本発明に係る解体方法の模式を略示的に示した模式図である。
図3】同解体方法に使用される通電加熱の出力ケーブルを鉄筋に連結する状態の三種類の端子を示した斜視図である。
図4】同解体方法において、ユニット化した作業車で通電を行っている状況を示した斜視図である。
図5】同解体方法において、通電加熱後の鉄筋によるコンクリートにひび割れ状況と、加熱していない鉄筋とを略示的を示した断面図である。
図6】同解体方法において、ひび割れしたコンクリートをアタッチメントで両側から掴むように順次圧砕する状況を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を図示の実施の形態に基づいて詳しく説明する。
本発明の好ましい実施例を示した図1~5について説明すると、まず、図1に示したように、解体しようとする鉄筋コンクリート構造体1の一部に所要間隔(7±3m程度)をもって穴2、3を開けて内部の鉄筋4を露出させる。この場合に、鉄筋コンクリート構造体1のどの位置に鉄筋4が入っているかを検出して、その位置に適宜の削孔機により適宜の大きさの穴を開けるのであるが、この穴開け技術自体は従来技術と同じである。
【0015】
また、図2に示したように、所要間隔をもって露出させた2箇所の鉄筋4に夫々端子5、6を介して直流電源7のプラス側出力ケーブル8(+)及びマイナス側出力ケーブル9(-)を取り付ける。そして、直流電源7は制御装置10により、通電のオン・オフと通電による温度設定とを行うと共に、その他に通電による鉄筋4の温度計測手段11、及び迷走電流検知手段12等が装備されており、これらの装置は特殊な作業車13に搭載されてユニット化されている。なお、直流電源7用の発電機14については、作業車13に積み込んでも良いが、容量の大きい直流電源7を使用すれば、発電機14は別の場所に設置して置いても良いのである。
【0016】
さらに、端子5、6としては、図3(a)、(b)、(c)に示したように、少なくとも3種類の端子が使用可能である。まず、図(a)は専用の端子5(6)であって、複数のボルト15により合体分離可能なプレート(端子)16a、16bの中央部に丸鋼17を介在させ、一方のプレート(端子)16aに出力ケーブル8(9)が取り付けられ、前記丸鋼17の先端側は他方のプレート(端子)16b側に曲げられ一部が鉄筋4に添うように直線状を維持しており、該直線状部を鉄筋4に溶接して取り付けられ、端子5(6)を外すときは、ボルト15を緩めて溶接した丸鋼17をそのまま残してプレート16a、16bを図において右側に引き出せば良いのである。従って、丸鋼17だけを新たに付加すれば端子5(6)は繰り返し使用できるのである。また、図(b)については、出力ケーブル8(9)の端部を鉄筋4に密に接触させ、その上に所要幅の平編線18を強く巻き締めて取り付けるものであり、取り外す場合には、平編線18を巻き戻して出力ケーブル8(9)を外せば良いのである。図(c)については、円筒を二つ割りにしたような半円筒状の端子版19に出力ケーブル8(9)の端部を溶接し、その端子版19で鉄筋4を抱え込むようにし、複数のビス20で鉄筋4にビス止めして取り付けるものであるが、取り外す場合には、ビス20を緩めて端子版19を取り外すことができるものである。
【0017】
次に、図4に示したように、特殊な作業車13としてキャタピラー21式の作業車であって、解体しようとする鉄筋コンクリート構造体1に近接した位置に停車させ、作業車13に積み込んである直流電源7から、前記したように穴2、3を開けて露出させた鉄筋4に端子5を介してプラス側出力ケーブル8(+)と端子6を介してマイナス側出力ケーブル9とを接続し、制御部10から直流電源7に対して加熱温度の決め手となる100~10、000A程度の電流値または電圧を出力設定することにより、鉄筋4が加熱されると共に、出力状況の出力モニターを受けて加熱状況をリアルタイムで常に監視し、迷走電流の有無も監視する。
【0018】
この場合に、解体しようとする鉄筋コンクリート構造体1の状態及び鉄筋4の太さや配設等諸々を考慮して電流値が設定され、通電により鉄筋4を概ね1、000℃に加熱して、図5に示したように、鉄筋4の熱膨張によりコンクリート構造体1にひび割れ22を生じさせると共に、高温で加熱することによりコンクリート構造体1の強度の低下と、鉄筋4とコンクリートとの付着力を低下させることができるのである。制御部10においては、温度計測手段11からの鉄筋4の加熱温度が入力されて適切に通電されているか否かを監視すると共に、迷走電流検知手段12からの迷走電流の検知信号が入力されると、直ちに運転停止信号を直流電源7に送信して通電を停止させるのである。いずれにしても、設定した電流値と電圧とをリアルタイムで計測し監視して、適正な通電によって加熱されることを常に監視しながら解体作業が続けられるのである。
【0019】
また、他の実施例として、鉄筋コンクリート構造物1の上下方向にある複数段の鉄筋4に対して、前記同様に穴2、3を開けて内部の鉄筋4をそれぞれ露出させておき、複数段の鉄筋4に対してそれぞれケーブル8、9を接続し同時に通電してひび割れ22を生じさせることができるのである。この場合に、同時通電および同時オフまたは交互にオン・オフを繰り返して行い、鉄筋4の膨張・収縮の脈動制御(パルス制御)によってひび割れを効率よく行わせることもできる。この他の実施例と、パルス制御の適用については、コンクリート建造物1の状態によって選択的に採択できるのである。
【0020】
いずれにしても、ひび割れ22が形成されたコンクリート構造体1に対して、図6に示したように、専用のアタッチメント23を搭載した作業車24により、コンクリート構造体1のコンクリートをアタッチメント23で両側から掴むように作動して圧縮することで、小さな力で順次圧砕(破砕)することができ、騒音もなくコンクリートを効率的に小径に破砕して、鉄筋4と圧砕(破砕)したコンクリートとを効率よく分離させ、破砕コンクリートは適宜にスコップ等で掬って搬送ベルト等を介してトラック等に積み込んで所定の場所に搬送するのである。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明に係る鉄筋コンクリート構造物の解体方法は、鉄筋コンクリート構造物1の鉄筋4が配設されている位置に所要間隔をもって所要大きさの穴2、3を開けて鉄筋4を露出させ、該露出させた鉄筋4にそれぞれ端子5、6を介して直流電源7からの出力ケーブル8、9を連結させ、前記直流電源7に対して制御部10において加熱温度となる電流値と電圧と設定して出力させ、通電により前記鉄筋4が加熱して膨張することでコンクリートにひび割れ22を生じさせると共にコンクリート強度の低下と、鉄筋4とコンクリートとの付着力を低下させ、圧砕による小さな力でコンクリートを破砕できるようにした構成であることから、鉄筋に通電加熱して膨張させることによりコンクリートにひび割れを生じさせると共に、熱によりコンクリートを脆弱化させ、且つ鉄筋4との付着力も低下させることで、コンクリートを両側から掴むように作動するアタッチメント23で圧砕して鉄筋から分離でき、小さい力で解体効率を高めることができるのであり、さらに、通電加熱によれば、ほゞ無騒音、無振動、少粉塵で実施できるため、周辺環境を悪化させることなく大型構築物の解体を行うことができるので、作業性が良く大幅なコストダウンが図れるので、この種の業界における鉄筋コンクリート構造物の解体に広く使用可能である。
【符号の説明】
【0022】
1 鉄筋コンクリート構造物
2、3 穴
4 鉄筋
5、6 端子
7 直流電源
8、9 出力ケーブル
10 制御装置
11 温度計測手段
12 迷走電流検知手段
13,24 作業車
14 発電機
15 ボルト
16a、16b プレート(端子)
17 丸鋼
18 平編線
19 端子版
20 ビス
21 キャタピラー
22 ひび割れ
23 アタッチメント
図1
図2
図3
図4
図5
図6