(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-06
(45)【発行日】2023-06-14
(54)【発明の名称】二次付着防止用油性化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/87 20060101AFI20230607BHJP
A61K 8/25 20060101ALI20230607BHJP
A61K 8/31 20060101ALI20230607BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20230607BHJP
A61K 8/39 20060101ALI20230607BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20230607BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20230607BHJP
A61K 8/89 20060101ALI20230607BHJP
A61K 8/895 20060101ALI20230607BHJP
A61Q 1/04 20060101ALI20230607BHJP
A61Q 1/06 20060101ALI20230607BHJP
A61Q 1/08 20060101ALI20230607BHJP
A61Q 1/10 20060101ALI20230607BHJP
A61Q 1/12 20060101ALI20230607BHJP
【FI】
A61K8/87
A61K8/25
A61K8/31
A61K8/37
A61K8/39
A61K8/44
A61K8/60
A61K8/89
A61K8/895
A61Q1/04
A61Q1/06
A61Q1/08
A61Q1/10
A61Q1/12
(21)【出願番号】P 2019150064
(22)【出願日】2019-08-20
【審査請求日】2022-04-04
(31)【優先権主張番号】P 2018157839
(32)【優先日】2018-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(74)【代理人】
【識別番号】100112874
【氏名又は名称】渡邊 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100147865
【氏名又は名称】井上 美和子
(72)【発明者】
【氏名】成 恵美
【審査官】▲高▼橋 明日香
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/090081(WO,A1)
【文献】特表2004-505137(JP,A)
【文献】特表2004-515466(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0194455(US,A1)
【文献】国際公開第2015/048228(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/135281(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)および成分(B);
前記成分(A)は、以下の(i)又は(ii)、
(i)
(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物との反応によって得られる(a)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO-R
3-OH(式中、R
3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタン、又は、
(ii)(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO-R
3-OH(式中R
3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタンから選択される1種または2種以上であり、
前記成分(B)は、25℃で屈折率1.45以上であり、1分子中にエステル結合が2つ以上ありヒドロキシ基が1未満であるエステル油、並びに25℃における比重が0.98~1.09g/ml及び25℃における動粘度が200mm
2/s以下のフェニル基含有シリコーン油から選択される1種または2種以上の液状油
を含有する油性化粧料。
【請求項2】
前記成分(A)と成分(B)含有質量の比(A):(B)が1:3~1:20である請求項1に記載の油性化粧料。
【請求項3】
前記成分(A)が油溶性であり、重量平均分子量(Mw)10000~100000である、請求項1又は2に記載の油性化粧料。
【請求項4】
さらに成分(C)として、無水ケイ酸、糖脂肪酸エステル、アミノ酸系ゲル化剤、有機変性粘土鉱物、または融点70℃以上のワックスから選ばれる1種または2種以上の油性ゲル化剤を含有する、請求項1~3の何れか1項記載の油性化粧料。
【請求項5】
さらに成分(D)揮発性油剤を含有する、請求項1~4の何れか1項記載の油性化粧料。
【請求項6】
さらに成分(E)として、成分(A)と成分(B)からなる油性ゲルと相溶しない25℃で不揮発性の液状油を含む、請求項1~5の何れか1項記載の油性化粧料。
【請求項7】
成分(B)の割合が、25℃の全液状油に対して30~100質量%であることを特徴とする、請求項1~
4の何れか1項記載の油性化粧料。
【請求項8】
成分(B)が、テトライソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、トリメリト酸トリトリデシル、トリフェニルジメチルビニルジシロキサン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコンから選ばれる1種または2種以上である、請求項1~7の何れか1項記載の油性化粧料。
【請求項9】
前記成分(A)の(i)前記(a)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンが、下記一般式(1)
(式中、R
1
、R
2
は各々独立したアルキレン基、nは整数、n
1
は0又は1、n
2
は1を表す)である請求項1~8の何れか1項記載の油性化粧料。
【請求項10】
口唇化粧料である、請求項1~
9の何れか1項記載の油性化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のポリウレタン、および特定の構造のエステル油および/または特定のシリコーン油を含有する油性化粧料に関し、より詳細には、ベタツキがなく、皮膚、髪、衣服、マスクやカップなどに色が移る二次付着を防止する二次付着レス効果に優れ、かつ、経時でのにじみがなく、化粧膜のツヤとエモリエント感が持続する油性化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
油性化粧料は油分を主成分として構成され、ツヤやエモリエント感といった仕上がりの品質を求められるが、塗布後の皮膚や唇のべたつきから、別の皮膚や髪、衣服やマスク、カップに色移りする二次付着が生じ、塗布膜が滲んで、膜の厚みがなくなることによる経時でのツヤやエモリエント感の喪失といった問題があった。そこで、近年のメイクアップトレンドや使用シーンの多様化により、従来の油性化粧料の特性である仕上がりのエモリエント感やツヤに加えて、塗布膜のべたつきの無さ、色移りしない二次付着レス効果をもちつつ、ツヤやエモリエント感を持続する品質が求められており、これまで種々の検討がなされてきた。
【0003】
例えば、特定のシリコーン処理粉体と油分を含む化粧料において、シリコーン被覆処理粉体に機能性基、特にはアルキル基を高密度で付加した処理粉体を用いることにより、化粧もち、二次付着防止効果に優れるとともに、きしみ感がない、のびが良好、べたつきがなく滑らかであるというような使用感に優れた化粧料(特許文献1参照)がある。
【0004】
一方、フェニル変性シリコーンを15~80質量%と、特定の構造を持つ多分岐型イソステアリン酸、または、多分岐型イソステアリルアルコールをエステル化して得られる液状エステル化合物と、油性ゲル化剤を1~10質量%を含有することで、二次付着を防止する口唇化粧料(特許文献2参照)がある。
【0005】
さらに、トリメチルシロキシケイ酸、揮発性炭化水素油、デキストリン脂肪酸エステルとマイクロクリスタリンワックスを含有することで、二次付着を防止するペースト状口唇化粧料(特許文献3参照)も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平11-60439号公報
【文献】特開2012-149041号公報
【文献】特開2015-101550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、二次付着レス効果を得るために特許文献1の技術を用いると、シリコーン処理粉体の特性である肌に塗布した際のパサつきによって、エモリエント感が損なわれ、シリコーン処理による肌への付着性が損なわれることによる経時のにじみやすさが生じるという課題があった。特許文献2の技術を用いると、塗布後にフェニル変性シリコーンが分離し色移りを防ぐ効果を発揮するものであるが、カップなどに接触するたびにフェニル変性シリコーン油が付着して、塗布膜のべたつきも生じやすく化粧膜が薄くなり、経時でツヤやエモリエント感が失われてしまうという課題があった。また、特許文献3の技術を用いると、揮発性炭化水素油が揮発することによる乾燥感やツッパリ感によってエモリエント感が不足し、経時でツヤがなくなるといった課題があった。
そこで本発明は、ベタツキがなく、肌、髪、衣服、マスクやカップに色が移る二次付着を防止する二次付着レス効果に優れ、かつ、経時でのにじみがなく、化粧膜のツヤとエモリエント感が持続する油性化粧料を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記実情に鑑み、鋭意検討した結果、特定の構造のポリウレタンと、特定のエステル油、および/または特定の構造のフェニル変性シリコーンを組み合わせることにより、ベタツキがなく、肌、髪、 衣服、マスクやカップなどに色が移る二次付着を防止する二次付着レス効果に優れ、かつ、経時でのにじみがなく、化粧膜のツヤとエモリエント感が持続する油性化粧料が得られることを見い出し、本発明を完成させるに至った。本発明は、以下の通りである。
【0009】
〔1〕
次の成分(A)および成分(B);
前記成分(A)は、以下の(i)又は(ii)、
(i)(a)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO-R3-OH(式中、R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタン、又は、
(ii)(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO-R3-OH(式中R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタンから選択される1種または2種以上であり、
前記成分(B)は、25℃で屈折率1.45以上であり、1分子中にエステル結合が2つ以上ありヒドロキシ基が1未満であるエステル油、並びに25℃における比重が0.98~1.09g/ml及び25℃における動粘度が200mm2/s以下のフェニル基含有シリコーン油から選択される1種または2種以上の液状油
を含有する油性化粧料。
〔2〕
前記成分(A)と成分(B)含有質量の比(A):(B)が1:3~1:20である前記[1]に記載の油性化粧料。
〔3〕
前記成分(A)が油溶性であり、重量平均分子量(Mw)10000~100000である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の油性化粧料。
〔4〕
さらに成分(C)油性ゲル化剤として、無水ケイ酸、糖脂肪酸エステル、アミノ酸系ゲル化剤、有機変性粘土鉱物、または融点70℃以上のワックスから選ばれる1種または2種以上を含有する、前記〔1〕~〔3〕の何れか1つに記載の油性化粧料。
〔5〕
さらに成分(D)揮発性油剤を含有する、前記〔1〕~〔4〕の何れか1つに記載の油性化粧料。
〔6〕
さらに成分(E)として、成分(A)と成分(B)からなる油性ゲルと相溶しない25℃で不揮発性の液状油を含む、前記〔1〕~〔5〕の何れか1つに記載の油性化粧料。
〔7〕
成分(B)の割合が、25℃の全液状油に対して30~100質量%であることを特徴とする、前記〔1〕~〔6〕の何れか1つに記載の油性化粧料。
〔8〕
成分(B)が、テトライソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、トリメリト酸トリトリデシル、トリフェニルジメチルビニルジシロキサン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコンから選ばれる1種または2種以上を含有する前記〔1〕~〔7〕の何れか1つに記載の油性化粧料。
〔9〕
本発明が口唇化粧料である、前記〔1〕~〔8〕の何れか1つに記載の油性化粧料。
【発明の効果】
【0010】
本発明の油性化粧料は、ベタツキがなく、肌、髪、衣服、マスクやカップなどに色が移る二次付着を防止する二次付着レス効果に優れ、かつ、経時でのにじみがなく、化粧膜のツヤとエモリエント感が持続するものである。
ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の好ましい実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。尚、本明細書において百分率は特に断りのない限り質量による表示である。なお、本明細書においては、「~」を用いて数値範囲を表す際は、その範囲は両端の数値を含むものとする。
【0012】
本発明における油性化粧料とは、固形、ゲル状、液状などの性状は特に限定されず、本発明において、油性とは、油を連続相としており、実質的に水を含有しないか、含有したとしても1質量%(以下、単に「%」と記載する場合がある)以下のものを意味するものとする。
【0013】
本発明で用いる成分(A)ポリウレタンは、発明者が、油剤のゲル化力に優れ、ツヤとエモリエント感が高い油溶性ゲルの化粧膜を得るためにゲル素材に関して鋭意研究開発を重ねた結果、見出されたものである。
【0014】
発明者は、エモリエント感に優れる素材として、シリコーンゴム、多糖類、水性のポリウレタンを用いて研究を重ねていた。しかし、これらの素材は利点とともに解決されるべき欠点を有していた。具体的には、シリコーンゴムは、ツヤが足りないという欠点;多糖類はべたつきが強いという欠点;水性のポリウレタンは水系のため色域に制限があり、ツヤが足りないという重大な欠点;を有していた。
しかしながら、鋭意検討を行った結果、発明者は、油剤存在下で、HO-R3-OH(式中、R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールを使用してポリウレタン合成を行ったところ、新規なゲル素材を得た。当該新規なゲル素材は、後記実施例に示すように、べたつきがなく、ツヤが高く、エモリエント感がある特殊な機能を有していた。このことは、発明者にとって予測し得ない効果であった。
なお、ポリウレタンは、ジイソシアネートとポリオールとを反応させて得られることが知られている。しかしながら、ポリウレタンを油溶性ゲル化剤として用いている例はなく、本発明のポリウレタンゲル組成物は油剤、溶剤存在下で製造するという新たな着想により見出されたものである。
【0015】
本発明の(A)ポリウレタンと油剤で形成する油性ゲルの概念について、未だ鋭意検討中であるが、しかし現時点において発明者は以下のように考えている。(1)ポリウレタン組成物中のポリウレタンは、分子内の親水部同士で会合することで複数のリング状のクラスター(房)を形成すると共に、分子内の疎水部で油剤に接触することで、親水基会合性増粘機構を有していると発明者は考えている。(2)当該ポリウレタンは、当該分子内の疎水性部が低結晶性の炭化水素であるため柔軟性と油溶性を付与している;当該分子内の親水部の極性基が相互作用することでゲル化力・復元力を付与していると、発明者は考えている。(3)親水基会合性増粘機構により、三次元立体構造体を微細に取ることで透明ゲル化されていると発明者は考えている。なお、当該ポリウレタンは油溶性ポリウレタンであることが好ましく、当該油溶性ポリウレタンはより好適には30℃にて2-エチルヘキサン酸セチルに少なくとも1質量%以上溶解できるものである。
【0016】
本技術の固形化粧料に用いる成分(A)ポリウレタンは、次の(i)及び(ii)を包含する。この成分(A)とさらに後述する成分(B)により、べたつきがなく、二次付着レス効果に優れ、ツヤが高く、エモリエント感が持続する。
【0017】
成分(A)ポリウレタンとして、(i)(a)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO-R3-OH(式中、R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタンが挙げられる。
また、成分(A)ポリウレタンとして、(ii)(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO-R3-OH(式中R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタンが挙げられる。
本技術において「末端」とは「両末端」を意味する。
【0018】
前記(a):成分(A)のポリウレタンにおいて用いられる(a)は、末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンであれば、特に限定されない。例えば、下記一般式(1)で示される化合物が示され、当該化合物を用いることは本発明の効果の観点から好適である。
【0019】
【0020】
(式中、R1、R2は各々独立してC1~C6アルキレン基、nは10~100の整数、n1、n2は各々独立して0又は1を表す)
【0021】
R1、R2は、各々独立して同一又は異なって、C1~C6アルキレン基を表し、当該アルキレンは直鎖であっても分岐鎖であってもよい。当該C1~C6アルキレン基として、例えば、メチレン、エチレン、n-プロピレン、n-ブチレン、n-ペンチレン、n-ヘキシレン等が挙げられる。R1のアルキレン基は、好ましくはC1~C2アルキレン基である。R2のアルキレン基は、好ましくはC5~C6アルキレン基である。当該アルキレン基は、好ましくは直鎖である。
nは、10~100の整数を表し、さらにnのより好ましい範囲は15~55である。
n1、n2は、各々独立して同一若しくは異なって、0又は1を表す。
【0022】
一般式(1)の水添ポリブタジエン部分(下記一般式(6))における繰り返し単位「C4H8」の構造は、例えば、下記一般式(7a)~(7d)に示すように、様々な種類が存在する。当該化合物を用いることは本発明の効果の観点から好適である。
【0023】
【0024】
【0025】
本発明において使用する末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンにおける水添ポリブタジエン部分は、上で例示したような繰り返し単位の1種のみからなるものであってもよい、又は、2種以上の繰り返し単位を規則的若しくはランダムに含むものであってもよい。
本発明において一般式(1)の水添ポリブタジエン部分(上記一般式(6))を構成する繰り返し単位「C4H8」の立体構造が同一であっても異なっていてもよく、水添ポリブタジエン部分が一般式(6)で表される構造はすべて本発明に包含される。
一般式(1)で表される末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンとして、例えば、下記一般式(2)で表される化合物が例示され、当該化合物を用いることは本発明の効果の観点から好適である。
【0026】
【0027】
(ここで、当該式(2)中、nは10~100の整数を表す)
一般式(2)の化合物は、一般式(1)の末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンにおいて、R1がエチレン基、R2がヘキサメチレン基、n1=n2=1である場合に相当する。
【0028】
前記(b):成分(A)のポリウレタンにおいて用いられる(b)HO-R3-OH(式中、R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールの例として、例えば、エチレングリコール(HOCH2CH2OH)、プロピレングリコール(HOCH2CH(OH)CH3)、1,3-ブチレングリコール(HOCH2CH2CH(OH)CH3)、及びジエチレングルコール(HOCH2CH2OCH2CH2OH)等が挙げられる。当該化合物を用いることは本発明の効果の観点から好適である。 前記(b)HO-R3-OHは、下記一般式(5)で示される化合物が示され、当該化合物は本発明の効果の観点から好適である。
【0029】
【0030】
前記(c):成分(A)のポリウレタンにおいて用いられる(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンは、特に限定されない。例えば、下記一般式(3)で示される化合物が示され、当該化合物は本発明の効果の観点から好適である。
【0031】
【0032】
(式中、nは10~100の整数を表す)
【0033】
一般式(3)において、水添ポリブタジエン部分(一般式(6))は、上記と同じ意味を有する。当該化合物を用いることは本発明の効果の観点から好適である。
【0034】
前記(d):成分(A)ポリウレタン(好適には組成物2)において用いられる(d)ジイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2,4-トルエンジイソシアネート、及び2,6-トルエンジイソシアネート等を挙げることができる。これらのうち、下記一般式(4)で示されるヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。
【0035】
【0036】
成分(A)のポリウレタンにおいて、(i):(a)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO-R3-OH(式中、R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールを重付加してポリウレタンを製造する場合、モル比(a):(b)=1:4~4:1で行うことが好ましく、モル比(a):(b)=2:3~3:2で行うことがより好ましく、さらに好ましくは4:5~4:3、よりさらに好ましくは9:10~10:9である。この場合、(a)の重量平均分子量(Mw)は1000~3000であることが好ましい。当該範囲にすることにより、本発明の効果が顕著に得られる点からより好ましい。
【0037】
成分(A)のポリウレタンにおいて、(ii):(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO-R3-OH(式中R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2~C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によってポリウレタンを製造する場合、モル比(c):(b)=1:4~4:1で行うことが好ましく、モル比(c):(b)=2:3~3:2で行うことがより好ましく、さらに好ましくは4:5~4:3、よりさらに好ましくは9:10~10:9である。当該範囲にすることにより、本発明の効果が顕著に得られる点からより好ましい。
【0038】
また、前記(i)又は(ii)で得られるポリウレタンの重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)で測定され、標準品としてポリスチレンで換算した値である。好ましくは10000~100000、より好ましくは20000~80000、さらに好ましくは30000~70000である。当該範囲にすることにより、本発明の効果が顕著に得られる点からより好ましい。
【0039】
本発明の油性化粧料中の成分(A)ポリウレタンの含有質量は、下限としては、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であり、上限としては、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下である。当該範囲にすることにより、本発明の効果が顕著に得られる点からより好ましい。特に皮膚に付着しやすくべたつきの無い膜を形成し、二次付着レス効果と塗布のしやすさが高まるため好ましい。
【0040】
本発明の油性化粧料の成分(B)液状油は、成分(A)と組み合わせることにより、相溶性に優れ成分(A)の疎水部と親和性が高いために三次元立体構造体の一部となりネットワークを形成すると想定される。相溶性に優れることからベタツキがなく、分離や排液することなくポリウレタンのゲルネットワーク形成を担い、皮膚に付着しやすいことから、皮膚、髪、衣服、マスクやカップなどに色が移る二次付着を防止する二次付着レス効果に優れ、かつ、経時でのにじみがなく、化粧膜のツヤとエモリエント感が持続するものである。
また、本発明の成分(A)のポリウレタンを製造する際に、成分(B)を(A)の反応溶剤として使用することができる。また、製造された成分(A)ポリウレタンと前記(B)成分以外の25℃で液状の油剤とのゲル、または製造・乾燥された成分(A)ポリウレタンに適宜成分(B)の油剤を混合することで油性ゲル組成物硬度を調整することもできる。
【0041】
成分(B)液状油としては、具体的には、25℃で液状であり、かつ25℃の屈折率が1.45以上である。1分子中に2つ以上のエステル結合を有するエステル油において、ヒドロキシ基が1未満というエステル化度が高いエステル油、並びに25℃における比重が0.98~1.09g/ml及び25℃における動粘度が200mm2/s以下のフェニル変性シリコーン油から選択される1種または2種以上である。なお、本発明における比重は、自動比重計 DMA-220(新光電子株式会社製)を用いて、25℃にて測定したものである。さらに、本発明における動粘度は、日本工業規格に規定される原油及び石油製品動粘度試験方法および粘度指数算出方法(JIS K2283)に準拠して測定を行う。
これらの成分(B)液状油は、本発明の油性化粧料に、好ましくは下限として、5質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上、上限としては、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下含ませることが好適である。
【0042】
成分(B)液状油として、具体的に好ましい油剤としては、特に限定されるものではないが、1分子中に2つ以上のエステル結合を有するエステル油においてヒドロキシ基が1未満というエステル化度が高いエステル油は、例えば、多価カルボン酸とアルコールのエステル、カルボン酸と多価アルコールのエステル、カルボン酸とポリエチレングリコールやポリグリセリンのエステル等が挙げられる。更に例えば、グリセリン骨格、ポリグリセリン骨格、トリメチロールプロパン骨格、プロパンジオール骨格、ペンタエリスリチル骨格、ネオペンチルグリコール骨格、トリメリト酸骨格等のエステルが挙げられる。具体的には、テトライソステアリン酸ジグリセリル、テトライソオクタン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル、デカイソオクタン酸デカグリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリイソオクタン酸トリメチロールプロパン、ジイソステアリン酸プロパンジオール、ジ(カプリル/カプリン酸)プロパンジオール、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、テトライソオクタン酸ペンタエリスリチル、ヘキサイソステアリン酸ジペンタエリスリチル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリメリト酸トリトリデシル、トリメリト酸トリデシル等のエステル油が挙げられる。
また、25℃における比重が0.98~1.09g/ml及び25℃における動粘度が200mm2/s以下のフェニル変性シリコーン油の好ましい油剤としては、例えば、トリフェニルジメチルビニルジシロキサン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、トリメチルペンタフェニルトリシロキサン等が挙げられる。
これらを1種又は2種以上用いることができる。
【0043】
さらに、成分(B)液状油として、具体的により好ましいエステル油剤としては、テトライソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル、トリメリト酸トリトリデシル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、が挙げられ、なお、エステル化度が高いエステル油剤は、水酸基価が低いものがより好ましく、10以下のものがさらに好ましい。
また、具体的により好ましいフェニル変性シリコーン油としては、トリフェニルジメチルビニルジシロキサン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコンが挙げられる。
これらの油剤を配合すると、ベタツキのなさ、二次付着レス効果、経時でのにじみのなさ、化粧膜のツヤの持続点でより好ましい。なお、これらの油剤を含む混合物でも同様の効果を発揮する。
【0044】
本発明においては、前記成分(A)と成分(B)を適宜含有することで得られるものではあるものの、含有する量比を特定することにより、より高い効果が得られる。成分(A)と成分(B)の含有質量の比(A):(B)が1:3~1:20である場合には、特に二次付着レス効果と化粧膜の持続に優れる油性化粧料が得られ、好ましい。より好ましくは、1:3~1:15、さらに好ましくは、1:3~1:13がベタツキがなく、二次付着レス効果に優れる。
【0045】
本発明の油性化粧料に用いられる成分(C)油性ゲル化剤の役割は、特に限定されるものではないが、特にべたつきがなく、経時でのにじみのなさ、化粧膜のツヤとエモリエント感の持続を高めるものである。成分(A)と(B)からなる油ゲルに対して溶解性または分散性が良好で本発明品のツヤを損なわず、さらに長時間ツヤを持続させるものがより好ましい。
これらの成分(C)油性ゲル化剤は、本発明の油性化粧料に、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下を含有する。以下に記載の成分(C)は、1種または2種以上を組み合わせてもよく、特に限定しない。
【0046】
成分(C)の無水ケイ酸は、比表面積が100m2/g以上であり、平均粒子径、多孔性、形状は特に限定はしない。表面は未処理でもジメチルジクロロシラン、トリメチルシリルクロライド、ヘキサメチルジシラザンなどのシリル化処理やメチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン処理などの親油化処理が施されていても良い。好ましくは、比表面積が100~300m2/gで、未処理及び/またはジメチルジクロロシラン処理されたものが挙げられる。例えば市販品としては、例えば、AEROSIL 300、AEROSIL 380S、AEROSIL R972、AEROSIL R976S、RX300 RY300(以上、日本AEROSIL社製)などが挙げられる。ツヤを持続する観点から、無水ケイ酸の使用はより好ましい。
【0047】
成分(C)の糖脂肪酸エステルは、一般的に油剤のゲル化剤として用いられるものである。前記脂肪酸とは、炭素数や飽和、不飽和、分岐等の構造は特に限定はしないが、例えば、パルミチン酸デキストリン、(パルミチン酸/イソオクタン酸)デキストリン、(パルミチン酸/ヘキスルデカン酸)デキストリン、ステアリン酸イヌリン、ステアリン酸スクロースなどが挙げられる。ツヤを持続する観点から、糖脂肪酸エステルの使用はより好ましい。
【0048】
成分(C)のアミノ酸系ゲル化剤は、アミノ酸を主骨格とする油ゲル化剤で、例えば、ジブチルラウロイルグルタミド、ジブチルエチルヘキサノイルグルタミドが挙げられる。
【0049】
成分(C)の有機変性粘土鉱物は、モンモリロナイトの層間の陽イオンを第4級アンモニウム塩とイオン交換して有機変性した油性ゲル化剤である。好ましくはジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライトなどが挙げられる。
【0050】
成分(C)の融点70℃以上のワックスは、通常化粧品に使用されるものであれば特に限定されずに用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、(エチレン/プロピレン)共重合体、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックス、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、水添ホホバワックスなどの植物性ワックスなどが挙げられ、特に高温安定性に優れる融点75℃以上の合成炭化水素ワックスが好ましい。
本発明における融点の測定は、示差走査型熱量計(DSC)(TA7000シリーズDSC7020:日立ハイテクサイエンス社製)を用い、試料を窒素雰囲気下-10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップとして定義される融点(Tm)とする。
【0051】
本発明の油性化粧料に用いられる成分(D)揮発性油剤は、常温で揮発性を有する液状油剤であり、概ね沸点は165~250℃のものであり、具体的には例えば、イソドデカン、軽質イソパラフィン、25℃における動粘度2mm2/s以下のジメチルポリシロキサンなどが挙げられる。本発明において成分(D)は、色移りを防ぐ二次付着レス効果を高める役割を担うものであり、特に炭化水素油である場合に、塗布膜の均一性に優れツヤのある仕上がりが得られる点で好ましい。本発明の油性化粧料における含有質量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であり、好ましくは15質量%以下、より好ましくは12質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
【0052】
本発明の油性化粧料に用いられる成分(E)の25℃で不揮発性の液状油は、成分(A)と成分(B)からなる油性ゲルと相溶しないものである。相溶しないとは、25℃で均一に混合、または80℃に加熱して混合溶解したのち、25℃まで放冷、静置して一昼夜以上経過後に明らかに分離した状態を指す。このような成分(E)に該当するものとしては、例えば、100CS以上のジメチルポリシロキサン、25℃における動粘度が250mm2/s以上のフェニル変性シリコーン、例えば、ジメチルポリシロキサンのシリコンKF-100CS(信越化学工業社製)(動粘度100mm2/s)、ジフェニルジメチコンのシリコンKF-54(動粘度400mm2/s)が挙げられる。本発明の油性化粧料において成分(E)は、二次付着レス効果をさらに高め、ツヤに優れる仕上がりが得られる点において、含有質量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10%以上であり、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。
【0053】
本発明の油性化粧料は、例えば化粧油、日焼け止めなどの基礎化粧料、ヘアオイルなどの頭髪用化粧料、アイカラー、チーク、アイライナー、アイブロウ、口紅などのメイクアップ化粧料などが挙げられるが、二次付着レス効果が求められる化粧料の上に塗布するオーバーコートや口紅などの口唇化粧料である場合が最も有用である。
【0054】
本発明の油性化粧料は、前記成分(A)~(E)以外にも本発明の効果を損なわない範囲で、油性成分、水性成分、水溶性高分子、界面活性剤、粉体、紫外線吸収剤、保湿剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料等、各種の効果を付与するために通常用いられる他の成分を適宜用いることができる。
【0055】
油性成分としては、成分(A)~(E)以外に、通常化粧料に用いられるものであれば特に限定されず、動物油、植物油、合成油等の起源や固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、類等が挙げられる。具体的には、例えば、流動パラフィン、スクワラン、ポリブテン、ポリイソブチレン等の炭化水素類;オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類;ホホバ油、イソオクタン酸セチル(2-エチルヘキサン酸セチル)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシルなどのモノエステル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、イソステアリン酸ジグリセリル、リンゴ酸ジイソステアリルなどの水酸基価が10より大きいエステル油、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ワセリン、ビーズワックス、ライスワックス、シリコーンワックス、ヒマワリワックス、ミツロウ、モクロウ、ゲイロウ、ジロウ、モンタンワックス、コレステロール脂肪酸エステル、フィトステロール脂肪酸エステルなどの融点70℃未満の半固形および固形油、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、12-ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、トリメチルシロキシケイ酸、架橋型メチルポリシロキサン、ポリオキシ変性オルガノポリシロキサン、架橋型ポリエーテル変性メチルポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、ステアリル変性メチルポリシロキサン、オレイル変性メチルポリシロキサン、ベヘニル変性メチルポリシロキサン、ポリビニルピロリドン変性メチルポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体等が挙げられ、これらを1種または2種以上用いることができる。
【0056】
粉体としては、化粧料に通常使用される粉体であれば、球状、板状、不定形などの形状、多孔質、無孔質、中空、多層等の粒子構造や粒子径等により特に限定されず、有機粉体、無機粉体、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等いずれのものも使用できる。具体的には、ポリメチルシルセスキオキサン、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー、ナイロン、(スチレン/DVB)コポリマー、(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマー、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチルクロスポリマー、ポリエチレン、ポリスチレン等の有機粉体、成分(C)以外のシリカ、炭酸カルシウム等の無機粉体、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、チタン・酸化チタン焼結物、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等の光輝性粉体、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂等のコポリマー樹脂、ステアリン酸亜鉛、N-アシルリジン等の有機低分子性粉体、シルク粉末、セルロース粉末、結晶セルロース末、デキストリン粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等や、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、ポリエステル、レーヨン、セルロース等の維等が挙げられる。これらはフッ素化合物、シリコ-ン油、粉体、油剤、ゲル化剤、エマルションポリマー、界面活性剤等で表面処理されていてもよい。これらを1種又は2種以上を用いることができ、更に複合化したものを用いても良い。
【0057】
水性成分としては、水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ水等の植物抽出液が挙げられる。
【0058】
界面活性剤としては、化粧料に通常使用される界面活性剤であればいずれのものも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
【0059】
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系等、例えば、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン、2,4,6-トリス[4-(2-エチルへキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン等をあげることができる。
【0060】
酸化防止剤としては、例えばトコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、1,2-ペンタジオール等が挙げられる。
【0061】
本発明の油性化粧料の製造方法は特に限定されるものではなく、一般的な製法で得ることができる。例えば成分(A)および成分(B)及びその他の油性成分等を加熱溶融したのち、任意の粉体や水性成分などを均一に混合分散し、加熱溶解後、または、加熱せずに容器または型に流し込み充填し、得ることができる。形状としては、液状であれば、塗布体付き容器やチューブに充填されたもの、固形であれば、皿状容器やジャー容器、スポンジ等の保持体内蔵容器に充填されたもの、スティック状に成形されたもの等いずれのものにも使用されるが、本発明の効果が特に発揮される点において、塗布体付き容器に充填されたものやジャー容器に充填されたものであることが好ましい。
【実施例】
【0062】
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0063】
[成分(A)のポリウレタンの製造実施例1]
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(重量平均分子量(Mw)2200)と、トルエン1200部、ヘキサメチレンジイソシアネート128部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながらジブチル錫ジラウレート0.9部を投入し、3時間攪拌後、エチレングリコールを24部投入した。
投入終了後、80℃で5時間攪拌後、エタノールを18部添加して反応を完結させ、減圧により溶媒を除去し、ポリウレタンを得た。
得られたポリウレタンの重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定(ポリスチレン換算)にて40000であった。また、得られたポリウレタン10部を、流動パラフィン90部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、5.4Nであった。
【0064】
[成分(A)のポリウレタンの製造実施例2]
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(重量平均分子量(Mw)2200)と、ジメチルスルホキシド1200部、ヘキサメチレンジイソシアネート128部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながらジブチル錫ジラウレート0.9部を投入し、3時間攪拌後、エチレングリコールを24部投入した。
投入終了後、80℃で10時間攪拌後、エタノールを18部添加して反応を完結させ減圧により溶媒を除去し、ポリウレタンを得た。
得られたポリウレタンの重量平均分子量(Mw)は、GPC測定(ポリスチレン換算)にて20000であった。また、得られたポリウレタン10部を、流動パラフィン90部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、3.4Nであった。
【0065】
[成分(A)のポリウレタンの製造実施例3]
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(重量平均分子量(Mw)2200)、エチレングリコール24部、ジブチル錫ジラウレート0.9部、トルエン1200部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながらヘキサエチレンジイソシアネート128部を投入し、投入終了後80℃で10時間攪拌し、その後、エタノールを18部添加して反応を完結させ減圧により溶媒を除去し、ポリウレタンを得た。
得られたポリウレタンの重量平均分子量(Mw)は、GPC測定(ポリスチレン換算)にて50000であった。また、得られたポリウレタン10部を、流動パラフィン90部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、2.7Nであった。
【0066】
[成分(A)のポリウレタンの製造実施例4]
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(重量平均分子量(Mw)2200)と、2-エチルヘキサン酸セチル2450部、ヘキサメチレンジイソシアネート128部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながらジブチル錫ジラウレート0.9部を投入し、3時間攪拌後、2-エチルヘキサン酸セチルで希釈しながら、エチレングリコールを24部投入した。
投入終了後、80℃で15時間攪拌後、エタノールを18部添加して反応を完結させた。
本実施例では、溶媒の2-エチルヘキサン酸セチルは除去せず、そのままポリウレタンと2-エチルヘキサン酸セチルからなる油性ゲルとして取り出した。
得られたポリウレタンゲル中のポリウレタンの重量平均分子量(Mw)は、GPC測定(ポリスチレン換算)にて60000であった。また、得られたゲル30部を、流動パラフィン70部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、4.5Nであった。
【0067】
[成分(A)のポリウレタンの製造実施例5]
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(重量平均分子量(Mw)2200)、エチレングリコール24部、ジブチル錫ジラウレート0.9部、トリメリト酸トリトリデシル2450部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながら、ヘキサエチレンジイソシアネート128部を投入し、投入終了後80℃で15時間攪拌し、その後、エタノールを18部添加して反応を完結させた。本実施例では、溶媒のトリメリト酸トリトリデシルは除去せず、そのままポリウレタンとトリメリト酸トリトリデシルからなる油性ゲルとして取り出した。
得られたポリウレタンゲル中のポリウレタンの重量平均分子量(Mw)は、GPC測定(ポリスチレン換算)にて100000であった。また、得られたゲル30部を、流動パラフィン70部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、4.5Nであった。
【0068】
[実施例]実施例1~15、比較例1~5:口紅
【表1】
【0069】
※1:AEROSIL R976S (日本アエロジル社製)
※2:レオパールKL-2(千葉製粉社製)
※3:レオパールISK2(千葉製粉社製)
※4:KF-54(信越化学工業社製)
※5:KLEAROL WHITE MINERAL OIL(SONNEBORN社製)
※6:PARACERA 256(PARAMELT社製)融点55℃
【0070】
〔製造方法〕
下記表1に示す処方の口紅を、以下の製造方法により製造した。
A.成分(1)~(8)、(10)~(22)を100℃まで混合しながら加熱し、均一溶解する。
B.成分(9)、(23)~(25)をAに加え、均一に混合、分散する。
C.Bを100℃にて塗布体付き容器に充填し、室温まで冷却してリキッド状口紅を得た。
【0071】
〔評価方法〕
(イ)ベタツキのなさ、(ロ)二次付着レス効果、(ハ)経時でのにじみのなさ、(ニ)ツヤの持続、(ホ)エモリエント感の持続について以下の評価方法で評価を実施した。
各試料について、化粧品評価専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が其々の項目について、以下の評価基準に従って7段階評価し、更に全パネルの評点の平均点を用いて、以下の判定基準に従って判定した。
【0072】
[評価基準]
(イ)塗布直後および時間が経過してもベタツキを感じないかどうか
(ロ)塗布して1分後以降に、肌、髪、衣服、マスクやカップ(例えば、陶器、プラスティックや紙製のカップなど)に化粧料の色が移らないかどうか
(ハ)塗布直後から時間経過しても化粧料のにじみがないかどうか
(ニ)塗布直後から時間経過してもツヤが持続しているかどうか
(ホ)塗布直後から時間経過してもエモリエント感が持続しているかどうか
各々全パネル毎に、以下の評価を実施した。
(評価結果) :(評点)
非常に良好 : 6点
良好 : 5点
やや良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
非常に不良 : 0点
[判定基準]
(評点の平均点) :(判定)
5.0以上 : ◎
3.5以上~5.0未満 : 〇
1.5以上~3.5未満 : △
1.5未満 : ×
【0073】
【0074】
表1、表2より、実施例1~15は比較例1~5に比べ、全ての評価項目において良好な結果が得られた。
成分(A)ポリウレタンの代わりに別の油ゲル化剤を用いた比較例1~3は、成分(B)との組み合わせでベタツキのないゲルを形成できないために、二次付着レス効果が得られず、さらに経時でのにじみやツヤの喪失が顕著であった。また、成分(B)を含有しない比較例4、5は、ポリウレタンが油剤を安定的にゲル化することができないため、経時でにじみが生じたりツヤが損なわれエモリエント感も持続しないものであった。
【0075】
実施例16:紫外線防御用口紅(スティック状)
成分 (%)
1.ポリエチレンワックス※7 7
2.マイクロクリスタリンワックス 1.5
3.ジブチルラウロイルグルタミド 0.5
4.テトライソステアリン酸ポリグリセリル-2 残量
5.t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン 1
6.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 3
7.トリフェニルジメチルビニルジシロキサン 10
8.オクチルドデカノール 3
9.製造実施例2のポリウレタン 5
10.ジフェニルジメチコン※4 20
11.イソオクタン酸セチル 10
12.イソノナン酸イソトリデシル 10
13.ジブチルヒドロキシトルエン 0.1
14.無水ケイ酸※8 1
15.多孔質無水ケイ酸(平均粒子径12μm) 1.5
16.パーフルオロオクチルトリエトキシシラン2%処理
球状セルロースパウダー※9 5
17.赤色202号 0.3
18.パーフルオロオクチルトリエトキシシラン2%処理ガラス末 5
19.トコトリエノール 0.1
20.1,2-ペンタンジオール 0.1
21.香料 0.05
22.水添レシチン 0.1
23.セラミド3 0.01
24.アスタキサンチン 0.0001
25.オレイン酸フィトステリル 0.02
※7:LIPWAX A-4(日本ナチュラルプロダクツ社製)
※8:AEROSIL 380S(日本アエロジル社製)
※9:平均粒子径30μm球状セルロース
【0076】
(製造方法)
A.成分(1)~(13)を100~110℃にて均一に溶解する。
B.Aに成分(14)~(25)を加え、均一に混合分散する。
C.Bを脱泡後、100℃に加熱してスティック状口紅容器に直接流し込む。
D.Cを室温に冷却後、口紅を得た。
【0077】
以上のようにして得られたスティック状の紫外線防御用口紅は、ベタツキがなく、肌、髪、衣服、マスクやカップなどに色が移る二次付着を防止する二次付着レス効果に優れ、かつ、経時でのにじみがなく、化粧膜のツヤとエモリエント感が持続するすべて点で満足のいくものであった。
【0078】
実施例17:コンシーラー
(成分) (%)
1.カルナウバワックス(融点83℃) 1
2.キャンデリラワックス(融点73℃) 4
3.ワセリン(融点58℃) 2
4.ジオクタン酸ネオペンチルグリコール 残量
5.製造実施例3のポリウレタン 3
6.セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン 0.5
7.ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン 3
8.パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル 7
9.(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー 1
10.イソドデカン 5
11.トリメチルペンタフェニルトリシロキサン 2
12.球状ポリエチレン末(平均粒子径10μm) 2
13.球状シリカ末(平均粒子径15μm) 5
14.ポリメチルシルセスキオキサン(平均粒子径0.5μm) 3
15.ジメチコン2%処理酸化亜鉛(六角板状、平均粒子径1μm)
10
16.トリエトキシカプリリルシラン2%処理酸化チタン※10 15
17.メチルハイドロゲンジメチコン2%処理ベンガラ 1
18.ジメチルポリシロキサン3%処理黒色酸化鉄 0.3
19.ジラウロイルグルタミン酸リシンNa2%処理黄色酸化鉄 4
20.板状タルク(平均粒子径13μm) 5
21.ベンガラ被覆雲母チタン 3
22.メドウフォーム油 2
23.レシチン処理扁平セルロース 3
24.カルボマー 0.01
25.ローズ水 0.05
※10:平均粒子径0.7μm
【0079】
(製造方法)
A. 成分(1)~(11)を90~100℃にて均一に溶解する。
B. Aに成分(12)~(25)を加え、均一に混合する。
C. Bを容器に90℃にて溶解して、金型に流し込む。
D. Cを室温に冷却後、金型を取り除き、気密容器に装填し、コンシーラーを得た。
【0080】
以上のようにして得られたコンシーラーは、ベタツキがなく、肌、髪、衣服、マスクなどに色が移る二次付着を防止する二次付着レス効果に優れ、かつ、経時でのにじみがなく、化粧膜のツヤとエモリエント感が持続するすべて点で満足のいくものであった。
【0081】
実施例18:アイブロウ(パレットタイプ)
成分 (%)
1.フィッシャートロプシュワックス 8
2.ステアリルジメチコン(融点38℃) 1
3.ミツロウ(融点65℃) 3
4.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 10
5.デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10 5
6.製造実施例5のポリウレタンゲル(固形純分30%) 5
7.製造実施例2のポリウレタン 20
8.ミリスチン酸イソプロピル 3
9.トリイソステアリン酸グリセリル 残量
10.ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル
/セチル/ステアリル/ベヘニル) 5
11.ラウロイルリジン 2
12.(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマー 7
13.(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン
/シルセスキオキサン)クロスポリマー 1.5
14.ジプロピレングリコール 0.5
15.グリセリン 1
16.シア脂 0.03
17.ジメチルポリシロキサン2%処理黒色酸化鉄 0.3
18.トリイソステアリン酸イソプロピルチタン処理酸化チタン※11
1
19.レシチン3%処理黄色酸化鉄 2
20.ハイドロゲンジメチコン1%処理ベンガラ 0.5
21.窒化ホウ素 2
22.オキシ塩化ビスマス 0.5
23.パルミチン酸レチノール 0.005
24.ラベンダー油 0.02
25.アスコルビン酸 0.005
※11:表面処理剤2%で処理した平均粒子径0.4μm酸化チタン
【0082】
(製造方法)
A. 成分(1)~(10)を100℃~110℃にて加熱溶解する。
B. Aに成分(11)~(25)を加えて均一に混合する。
C. Bを脱泡後、100℃に加熱し金皿に流し込み充填する。
D. Cを室温に冷却してアイブロウを得た。
【0083】
以上のようにして得られたアイブロウは、ベタツキがなく、肌、髪、衣服、マスクなどに色が移る二次付着を防止する二次付着レス効果に優れ、かつ、経時でのにじみがなく、化粧膜のツヤとエモリエント感が持続するすべて点で満足のいくものであった。
【0084】
実施例19:頬紅
(成分) (%)
1.パルミチン酸デキストリン 0.5
2.(パルミチン酸/2-エチルヘキサン酸)デキストリン 1
3.トリメリト酸トリトリデシル 20
4.トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 残量
5.イソステアリン酸デキストリン※12 2
6.(ビニルピロリドン/ヘキサデセン)コポリマー 10
7.製造実施例4のポリウレタンゲル(固形純分30%) 5
8.製造実施例2のポリウレタン 5
9.ホホバ油 0.1
10.トリベヘニン 0.5
11.PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 1
12.ラウリルポリグリセリン-3
ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 0.4
13.(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー 4
14.ジメチルポリシロキサン※13 5
15.セスキオレイン酸ソルビタン 0.3
16.球状セルロースビーズ(平均粒子径10μm) 2
17.ラウロイルリジン2%処理球状炭酸カルシウム(平均粒子径5μm)
3
18.(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)
クロスポリマー 5
19.ポリメチルシルセスキオキサン 8
20.赤色226号 0.2
21.ハイドロゲンジメチコン8%処理黄色4号 0.1
22.ジメチルポリシロキサンン2%処理合成金雲母 3
23.PET(平均粒子径200μm) 1
24.(PET/AL)ラミネート 1
25.ピーチエキス 0.03
※12:ユニフェイルマHVY(千葉製粉社製)
※13:KF-96-2CS(信越化学工業社製)
【0085】
(製造方法)
A. 成分(1)~(13)を均一に80~90℃にて溶解する。
B. Aに成分(14)~(25)を加え、均一に混合する。
C. Bを塗布体付き容器に90℃にて溶解充填する。
D. Cを室温に冷却し頬紅を得た。
【0086】
以上のようにして得られた頬紅は、ベタツキがなく、肌、髪、衣服、マスクなどに色が移る二次付着を防止する二次付着レス効果に優れ、かつ、経時でのにじみがなく、化粧膜のツヤとエモリエント感が持続するすべて点で満足のいくものであった。
【0087】
実施例20:ファンデーション
(成分) (%)
1.ポリエチレンワックス 1.5
2.キャンデリラワックス(融点73℃) 1
3.ワセリン(融点58℃) 10
4.ジカプリン酸プロピレングリコール 14
5.製造実施例3のポリウレタン 1
6.パラメトキシケイ皮酸2-エチルへキシル 2
7.トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2 10
8.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 10
9.オリーブ油 0.1
10.ジメチルポリシロキサン2処理無水ケイ酸※5 0.05
11.軽質イソパラフィン 残量
12.ポリメチルシルセスキオキサン(平均粒子径0.5μm) 10
13.トリエトキシカプリリルシラン2%処理球状セルロース末
(平均粒子径10μm) 3
14.トリエトキシカプリリルシラン2%処理酸化チタン※14 19
15.トリエトキシカプリリルシラン2%処理ベンガラ 0.5
16.トリエトキシカプリリルシラン2%処理黄色酸化鉄 2
17.トリエトキシカプリリルシラン2%処理黒色酸化鉄 0.2
18.トリエトキシカプリリルシラン2%処理セリサイト 3
19.香料 0.1
20.ジプロピレングリコール 0.3
21.ローズヒップ油 0.01
22.バラエキス 0.05
23.トリプロピレングリコール 0.2
※14:平均粒子径0.035μm
【0088】
(製造方法)
A. 成分(1)~(8)を均一に100~110℃にて溶解する。
B. Aに成分(9)~(23)を加え、冷却しつつ均一に混合分散する。
C. Bを発泡スポンジ内蔵容器に50℃にて充填する。
D. Cを冷却しコンパクトファンデーションを得た。
【0089】
以上のようにして得られたファンデーションは、ベタツキがなく、肌、髪、衣服、マスクやカップなどに色が移る二次付着を防止する二次付着レス効果に優れ、かつ、経時でのにじみがなく、化粧膜のツヤとエモリエント感が持続するすべて点満足のいくものであった。
【0090】
実施例21:二次付着防止化粧料
(成分) (%)
1.製造実施例4のポリウレタゲル(固形純分30%) 30
2.トリフェニルジメチルビニルジシロキサン 20
3.トリメリト酸トリトリデシル 30
4.イソドデカン 10
5.ジメチコン(100CS) 10
【0091】
(製造方法)
A. 成分(1)~(5)を均一に混合する。
B. Aをスポンジ付きアプリケーター容器に充填し、二次付着防止化粧料を得た。
【0092】
以上のようにして得られた二次付着防止化粧料は、メイクアップ化粧料の上から重ねて塗布することもでき、ベタツキがなく、肌、髪、衣服、マスクやカップなどに色が移る二次付着を防止する二次付着レス効果に優れ、かつ、経時でのにじみがなく、化粧膜のツヤとエモリエント感が持続するすべて点満足のいくものであった。