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  • 特許-分岐ユニット及び施工方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-06
(45)【発行日】2023-06-14
(54)【発明の名称】分岐ユニット及び施工方法
(51)【国際特許分類】
   H02G 15/10 20060101AFI20230607BHJP
   H02G 9/02 20060101ALI20230607BHJP
   H02G 1/14 20060101ALI20230607BHJP
【FI】
H02G15/10
H02G9/02
H02G1/14
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019173880
(22)【出願日】2019-09-25
(65)【公開番号】P2021052495
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-04-25
(73)【特許権者】
【識別番号】306013120
【氏名又は名称】昭和電線ケーブルシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福井 伸也
【審査官】北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-034137(JP,A)
【文献】実開昭63-093021(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 15/10
H02G 9/02
H02G 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中の分岐空間において複数の相電線を有する1組の幹線ケーブルに引込みケーブルを分岐接続するための分岐ユニットであって、
外装体と、
複数の幹線相リードからなり、前記外装体の2箇所から引き出されて前記幹線ケーブルに接続される幹線リード部と、
複数の前記幹線相リードのそれぞれに電気的に接続される複数の引込み相リードからなり、前記外装体から引き出されて前記引込みケーブルに接続される引込みリード部と、を備え、
複数の前記幹線相リードは、複数の前記相電線のそれぞれに接続され、
前記引込みリード部は、複数設けられ、
複数の前記引込みリード部は、前記外装体の複数箇所から多方向に引き出されている、分岐ユニット。
【請求項2】
前記外装体は、前記幹線リード部を引き出すための2つの幹線リード挿通口と、複数の前記引込みリード部を引き出すための複数の引込みリード挿通口と、を有し、
前記引込みリード挿通口は、前記分岐空間に当該分岐ユニットを設置したときに、前記幹線リード挿通口よりも上方に位置する、請求項1に記載の分岐ユニット。
【請求項3】
前記外装体は、水密で、かつ、絶縁された構造を有する、請求項1又は2に記載の分岐ユニット。
【請求項4】
前記外装体は、モールド樹脂で封止されている、請求項3に記載の分岐ユニット。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の分岐ユニットを用いて、地中の分岐空間において前記幹線ケーブルに前記引込みケーブルを分岐接続するための施工方法であって、
前記幹線ケーブルを前記分岐空間から地上に引き出し、
前記幹線ケーブルと前記分岐ユニットの前記幹線リード部とを接続し、
前記幹線ケーブルと接続した前記分岐ユニットを前記分岐空間に配置し、
前記引込みケーブルの引き出し場所に近い前記分岐ユニットの前記引込みリード部を選択して、前記引込みリード部に前記引込みケーブルを接続する、施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力ケーブルの分岐ユニット及び分岐ユニットを用いた施工方法に関し、特に、地中の分岐空間内で幹線ケーブルから引込みケーブルを分岐する場合に有用な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電力用低圧線路には、幹線ケーブルから引込みケーブルを分岐するため分岐接続部が設けられており、分岐接続部において分岐された引込みケーブルによって各需要家へ電力が供給されている。一般に、幹線ケーブルから引込みケーブルへの分岐接続作業は、例えば、共用溝や分岐桝等の狭い分岐空間において、T型コネクターや断面C字状コネクタ(いわゆるC形スリーブ)を用いて行われる。近年、電線地中化並びに無電柱化の拡大に伴い、分岐桝も数多く地中に埋設されるようになっている。
【0003】
特許文献1には、幹線側接続ケーブル(幹線リード部)及び分岐線側接続ケーブル(引込みリード部)を有する分岐ユニットを前もって準備しておき、共用溝から幹線ケーブルを切断して引き出し、幹線側接続ケーブルと幹線ケーブルを接続し、共用溝に引き戻す施工方法が開示されている。
また、特許文献2には、低圧幹線(幹線ケーブル)に複数本の分岐線(分岐ケーブル)を接続するための多分岐コネクターを有する分岐ユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平2-133015号公報
【文献】特開2004-303537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、2等に開示の分岐ユニットは、幹線ケーブルの相電線ごとの接続に用いるものであり、複数の相電線を有する多相ケーブル(例えば、三相4線式ケーブル)から分岐する場合には、相電線ごとの分岐接続部分に配置されることになる。そのため、需要家が集合しているところでは、幹線ケーブルからの分岐箇所が多くなり、狭い分岐空間に幹線ケーブルと引込みケーブルが入り組んで収容されることとなる(特許文献2の図7参照)。また、分岐桝等の狭い分岐空間では曲げ半径に対する十分なスペースを確保できず、取り回しが困難となる虞がある。
さらに、地中の分岐空間においては、地下水が溜まっている場合もあり、地上に比較して作業環境が悪く、このような環境での煩雑な分岐作業(特に引込みケーブルの増設)に適しているとはいえない。
【0006】
本発明の目的は、地中の分岐空間において幹線ケーブルから引込みケーブルを分岐するための分岐ユニット及び施工方法であって、分岐作業の容易化を図ることができる分岐ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る分岐ユニットは、
地中の分岐空間において複数の相電線を有する1本の幹線ケーブルに引込みケーブルを分岐接続するための分岐ユニットであって、
外装体と、
複数の幹線相リードからなり、前記外装体の2箇所から引き出されて前記幹線ケーブルに接続される幹線リード部と、
複数の前記幹線相リードのそれぞれに電気的に接続される複数の引込み相リードからなり、前記外装体から引き出されて前記引込みケーブルに接続される引込みリード部と、を備え、
複数の前記幹線相リードは、複数の前記相電線のそれぞれに接続され、
前記引込みリード部は、複数設けられ、
複数の前記引込みリード部は、前記外装体の複数箇所から多方向に引き出されている。
【0008】
本発明に係る施工方法は、
上記の分岐ユニットを用いて、地中の分岐空間において前記幹線ケーブルに前記引込みケーブルを分岐接続するための施工方法であって、
前記幹線ケーブルを前記分岐空間から地上に引き出し、
前記幹線ケーブルと前記分岐ユニットの前記幹線リード部とを接続し、
前記幹線ケーブルと接続した前記分岐ユニットを前記分岐空間に配置し、
前記引込みケーブルの引き出し場所に近い前記分岐ユニットの前記引込みリード部を選択して、前記引込みリード部に前記引込みケーブルを接続する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、地中の分岐空間において幹線ケーブルから引込みケーブルを分岐する際の分岐作業の容易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係る分岐ユニットを適用した分岐接続部の構成を示す図である。
図2図2は、分岐ユニットの外観斜視図である。
図3図3は、分岐ユニットの内部の配線構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、実施の形態に係る分岐ユニット10を適用した分岐接続部1の構成を示す図である。
分岐接続部1は、例えば、地中に直接埋設される幹線ケーブル20から引込みケーブル30を分岐するために電力用低圧線路に設けられる。分岐接続部1は、例えば、幹線ケーブル20及び引込みケーブル30とともに地中に直接埋設される。分岐接続部1の上方は、例えば、金属製の蓋材で覆われ、道路の一部を形成する。
【0012】
図1に示すように、分岐接続部1は、分岐ユニット10、幹線ケーブル20、引込みケーブル30及び分岐桝40を備える。
幹線ケーブル20は、例えば、3相4線式の低圧ケーブルであり、相電線として、U相、V相、W相の電圧線及びN相の中性線とを有する。引込みケーブル30は、幹線ケーブル20の各相電線に対応する相電線を有する。
以下において、幹線ケーブル20の相電線を「幹線相ケーブル」と称し、引込みケーブルの相電線を「引込み相ケーブル」と称する。
【0013】
分岐桝40は、分岐ユニット10、幹線ケーブル20及び引込みケーブル30の接続部分を収容するもので、例えば、コンクリート製の箱体で構成される。分岐桝40の側壁には、複数のケーブル挿通口41、42が設けられる。
幹線ケーブル20は、分岐桝40の幹線ケーブル挿通口41を介して分岐桝40内に挿入され、引込みケーブル30は、引込みケーブル挿通口42を介して分岐桝40内に挿入される。
【0014】
幹線ケーブル挿通口41及び引込みケーブル挿通口42には、防水処理が施される。防水処理には公知の技術を適用でき、例えば、防水パテや防水テープ等を巻回することで行われる。これにより、分岐桝40内に土や水が浸入するのを防止することができる。
【0015】
分岐ユニット10は、幹線リード部11、引込みリード部12及び筐体13(外装体)を有し、例えば、全体として直方体形状を呈する。分岐ユニット10の外観を図2に示す。また、分岐ユニット10の内部の配線構造を図3に示す。
【0016】
筐体13は、幹線リード部11と引込みリード部12の接続部分を覆う箱状の外装体であり、例えば、樹脂材料(例えば、ポリエチレンや繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics))で形成される。本実施の形態では、筐体13の内部は、モールド樹脂で封止されており、筐体13の内部の水密性及び絶縁性が確保されている。
【0017】
筐体13は、幹線リード部11を引き出すための幹線リード挿通口131及び引込みリード部12を引き出すための引込みリード挿通口132を有する。本実施の形態では、引込みリード部12を容易に引き回せるように、引込みリード挿通口132は、幹線リード挿通口131よりも上方、すなわち、分岐接続部1を設置した場合に地上に近い部位に配置されている。引込みリード部12は、幹線リード部11よりも上方に延在することとなる。
【0018】
幹線リード部11は、複数の幹線相リード111~114からなり、筐体13の2箇所から引き出される。幹線リード部11は、例えば、筐体13から直線的に引き出される。
引込みリード部12は、幹線相リード111~114に対応して設けられる引込み相リード121~124を有する。引込みリード部12は、複数設けられ、筐体13から多方向に引き出される。引込みリード部12は、引込みケーブル30との接続作業を地上で行うために、分岐桝40から地上に引出し可能な長さを有してもよい。ただし、過度に長すぎると、分岐桝40内のスペースが逼迫されるので、適度に調整される。また、引込みリード部12と引込みケーブル30の接続作業にジョイントを用いてもよい。これにより、引込みリード部12と引込みケーブル30を地上で分岐接続することができ、絶縁処理及び防水処理を容易かつ確実に行うことができる。
幹線相リード111~114及び引込み相リード121~124は、例えば、導体を絶縁体で被覆した絶縁ケーブルで構成される。
【0019】
幹線相リード111~114と引込み相リード121~124は、筐体13の内部において、立体的に引き回され、例えば、断面C字状コネクタを用いた圧縮接続や半田付け等により、電気的に接続される(図3参照)。本実施の形態では、幹線相リード111~114のそれぞれに対して、5箇所で8本の引込み相リード121~124が分岐接続されている。そして、一組の引込み相リード121~124により一つの引込みリード部12が形成され、筐体13の側面の8箇所から引込みリード部12が引き出されている。幹線リード部11及び引込みリード部12の筐体13からの引出し箇所には、防水処理が施される。防水処理には公知の技術を適用でき、例えば、防水パテや防水テープ等を巻回することで行われる。
なお、筐体13の内部における複雑な配線構造を容易に形成するために、特別な立体形状を有する電極を利用してもよい。
【0020】
分岐接続部1において、幹線相リード111~114は、それぞれ、幹線ケーブル20の幹線相ケーブル(図示略)に接続される。引込み相リード121~124は、それぞれ、引込みケーブル30の引込み相ケーブル(図示略)に接続される。引込みケーブル30に接続される引込みリード部12は、需要家の場所に応じて適宜選択される。図1では、8本の引込みリード部12のうち、需要家に近い3本の引込みリード部12が選択され、それぞれ引込みケーブル30に接続されている。
幹線相リード111~114と幹線相ケーブルとの接続、及び引込み相リード121~124と引込み相ケーブルとの接続には、例えば、断面C字状コネクタ等の公知技術を適用することができる。それぞれの接続部分には、絶縁処理及び防水処理が施される。また、複数の引込みリード部12のうち、引込みケーブル30との接続に用いられないものは、筐体13から露出している端部に、絶縁処理及び防水処理が施される。
【0021】
幹線ケーブル20に幹線リード部11を接続する場合、例えば、幹線ケーブル20を切断して、幹線ケーブル20の切断端部のそれぞれに、幹線リード部11を接続してもよいし、幹線ケーブル20を切断せずに幹線ケーブル20にそのまま幹線リード部11を接続してもよい。
幹線ケーブル20を切断して幹線リード部11を接続する場合、幹線ケーブル20と幹線リード部11との接続箇所が直線的になるため、容易に絶縁処理及び防水処理を行うことができる。また、幹線ケーブル20を地上に引き出して作業することもでき、確実に絶縁処理及び防水処理を行うことができる。一方、幹線ケーブル20を切断せずに幹線リード部11を接続する場合、幹線ケーブル20のロスが生じず、切断作業も不要となる。
【0022】
なお、図示を省略するが、引込みリード部12において、U相、V相、W相の電圧線に相当する引込み相リード121~123には、ヒューズが設けられる。ヒューズは、溶断表示を視認できればよく、筐体13の内部に配置されてもよいし、外部に配置されてもよい。筐体13の内部に配置する場合は、筐体13に透明なのぞき窓を設けるなどして、外部から視認できるようにする。また、引込みリード部12にヒューズを設けずに、引込みリード部12と引込みケーブル3とを、ヒューズを介して接続するようにしてもよい。
【0023】
分岐ユニット10は、予め工場において製造される。例えば、幹線リード部11と引込みリード部12を電気的に接続した状態で筐体13に収容し、モールド樹脂を封入することにより、製造される。これにより、幹線リード部11と引込みリード部12との分岐接続部分に対して、容易かつ確実に、絶縁性及び水密性を付与することができる。また、幹線リード部11と引込みリード部12とが入り組んで引き回される複雑な配線構造を容易に形成することができる。
【0024】
分岐ユニット10を用いて、分岐桝40において幹線ケーブル20に引込みケーブルを分岐接続する場合、まず、幹線ケーブル20を分岐空間から地上に引き出す。そして、地上において、幹線ケーブル20と分岐ユニット10の幹線リード部11とを接続する。開けた空間で接続作業を行うことで、確実に絶縁処理及び防水処理を行うことができる。
【0025】
次に、幹線ケーブル20と接続した分岐ユニット10を分岐空間に配置し、分岐ユニット10の引込みリード部12に引込みケーブル30を接続する。このとき、引込みケーブル30の引き出し場所に近い引込みリード部12を選択する。これにより、引込みリード部12及び引込みケーブル30の取り回しを最小限に抑えることができ、分岐桝40等の狭い分岐空間でも容易に分岐作業を行うことができる。また、引込みケーブル30を増設する場合、引込みケーブル30と使用されていない引込みリード部12とを接続すればよいので、引込みケーブル30を幹線ケーブル20に直接接続して分岐する場合に比較して、容易に分岐作業を行うことができる。
【0026】
このように、分岐ユニット10は、地中に埋設される分岐桝40(地中の分岐空間)において幹線ケーブル20に引込みケーブル30を分岐接続するための分岐ユニットであって、筐体13(外装体)と、複数の幹線相リード111~114からなり筐体13の2箇所から引き出されて幹線ケーブル20に接続される幹線リード部11と、対応する幹線相リード111~114に電気的に接続される複数の引込み相リード121~124からなり筐体13から引き出されて引込みケーブル30に接続される引込みリード部12と、を備え、引込みリード部12は、筐体13の複数箇所から多方向に引き出されている。
実施の形態では、引込みリード部12は、筐体13の8箇所から、幹線ケーブル20の延在方向に沿う2方向と、幹線ケーブル20の延在方向に直交する2方向の計4方向に引き出されている。
【0027】
また、実施の形態に係る施工方法は、分岐ユニット10を用いて、分岐桝40(地中の分岐空間)において幹線ケーブル20に引込みケーブル30を分岐接続するための施工方法であって、幹線ケーブル20を分岐桝40から地上に引き出し、幹線ケーブル20と分岐ユニット10の幹線リード部11とを接続し、幹線ケーブル20と接続した分岐ユニット10を分岐桝40に配置し、引込みケーブル30の引き出し場所に近い分岐ユニット10の引込みリード部12を選択して、引込みリード部12に引込みケーブル30を接続する。
【0028】
実施の形態に係る分岐ユニット10及び施行法法によれば、需要家の場所、すなわち引込みケーブル30の引き出し場所に近い引込みリード部12を選択して、当該引込みリード部12に引込みケーブル30を接続することで、引込みリード部12及び引込みケーブル30の取り回しを最小限に抑えることができ、分岐桝40等の狭い分岐空間でも容易に分岐作業を行うことができる。また、引込みケーブル30を増設する場合、引込みケーブル30と使用されていない引込みリード部12とを接続すればよいので、引込みケーブル30を幹線ケーブル20に直接接続して分岐する場合に比較して、容易に分岐作業を行うことができる。
【0029】
また、分岐ユニット10において、引込みリード挿通口132(引込みリード部12の引出し箇所)は、幹線リード挿通口131(幹線リード部11の引出し箇所)よりも上方に位置する。
これにより、引込みリード部12は、幹線ケーブル20及び幹線リード部11よりも上方に延在するので、引込みケーブル30と接続する際に、幹線ケーブル20等が邪魔になることはなく、容易に分岐作業を行うことができる。
【0030】
また、分岐ユニット10において、筐体13(外装体)は、水密で、かつ、絶縁された構造を有する。具体的には、筐体13は、モールド樹脂で封止されている。これにより、分岐ユニット10内には複数の分岐接続部分が存在するが、絶縁性及び防水性が確保されるので、幹線ケーブル20の複数箇所において引込みケーブル30を直接分岐接続する場合に比較して、分岐接続部1の信頼性が向上する。
【0031】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0032】
実施の形態では、8本の引込みリード部12を有する分岐ユニット10について例示しているが、分岐ユニット10に設けられる引込みリード部12は、多方向に引き出されていればよく、その数及び引き出し方向は適宜変更することができる。
【0033】
また例えば、実施の形態では、幹線ケーブル20が3相4線式の低圧ケーブルである場合について例示しているが、幹線ケーブル20は3相3線式の低圧ケーブルであってもよい。
また、実施の形態では、モールド樹脂を封止した筐体13で外装体を構成する場合について例示しているが、モールド成形体だけで外装体を構成するようにしてもよい。
【0034】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0035】
1 分岐接続部
10 分岐ユニット
11 幹線リード部
111~114 幹線相リード
12 引込みリード部
121~124 引込み相リード
13 筐体(外装体)
20 幹線ケーブル
30 引込みケーブル
40 分岐桝(分岐空間)
図1
図2
図3