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特許7291066情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-06
(45)【発行日】2023-06-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/01 20060101AFI20230607BHJP
【FI】
G08G1/01 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019210417
(22)【出願日】2019-11-21
(65)【公開番号】P2021082117
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】501271479
【氏名又は名称】株式会社トヨタマップマスター
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】山下 由美子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 渉
(72)【発明者】
【氏名】津村 健二
(72)【発明者】
【氏名】刀根川 浩巳
(72)【発明者】
【氏名】樋口 英嗣
【審査官】西中村 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-003483(JP,A)
【文献】特開2014-241090(JP,A)
【文献】特開2018-014043(JP,A)
【文献】特開2014-229250(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路の所定の領域を通過する車両の複数のプローブ情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得される、複数の車両からなる第1車両群の第1プローブ情報に基づく車両の前記所定の領域の走行速度が、前記第1プローブ情報よりも時間的に前に生成された、複数の車両からなる第2車両群の第2プローブ情報に基づく車両の前記所定の領域の走行速度よりも速くなった場合、前記所定の領域に進入する進入路の交通規制が変更されたと判定する判定部と、
前記判定部による判定結果を出力する出力部と、
を備え、
前記判定部は、前記所定の領域を左折するプローブ情報と、前記所定の領域を直進するプローブ情報と、前記所定の領域を右折するプローブ情報それぞれについて、第1プローブ情報と第2プローブ情報と走行速度を比較して交通規制の変更を判定する
情報処理装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記第1プローブ情報に基づいた車両の走行速度と、前記第2プローブ情報に基づいた車両の走行速度との間の走行速度の変化の判断として、前記第1プローブ情報に基づく前記第1車両群の第1走行速度分布が、前記第2プローブ情報に基づく前記第2車両群の第2走行速度分布よりも速くなった場合に、前記進入路の交通規制が変更されたと判定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記所定の領域を通過する車両の数が閾値以上の時間帯を特定し、前記時間帯に前記所定の領域を通過した車両によって生成された複数のプローブ情報を取得する
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得部は、異なる日の同一時間帯に繰り返し前記所定の領域を通過する同一の車両で生成された複数のプローブ情報を取得する
請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記所定の領域に対して、いずれの方向の交通規制の変更があったのかを判定する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータが、
道路の所定の領域を通過する車両の複数のプローブ情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップによって取得される、複数の車両からなる第1車両群の第1プローブ情報に基づく車両の前記所定の領域の走行速度が、前記第1プローブ情報よりも時間的に前に生成された、複数の車両からなる第2車両群の第2プローブ情報に基づく車両の前記所定の領域の走行速度よりも速くなった場合、前記所定の領域に進入する進入路の交通規制が変更されたと判定する判定ステップと、
前記判定ステップによる判定結果を出力する出力ステップと、
を実行し、
前記判定ステップは、前記所定の領域を左折するプローブ情報と、前記所定の領域を直進するプローブ情報と、前記所定の領域を右折するプローブ情報それぞれについて、第1プローブ情報と第2プローブ情報と走行速度を比較して交通規制の変更を判定する
情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
道路の所定の領域を通過する車両の複数のプローブ情報を取得する取得機能と、
前記取得機能によって取得される、複数の車両からなる第1車両群の第1プローブ情報に基づく車両の前記所定の領域の走行速度が、前記第1プローブ情報よりも時間的に前に生成された、複数の車両からなる第2車両群の第2プローブ情報に基づく車両の前記所定の領域の走行速度よりも速くなった場合、前記所定の領域に進入する進入路の交通規制が変更されたと判定する判定機能と、
前記判定機能による判定結果を出力する出力機能と、
を実現させ
前記判定機能は、前記所定の領域を左折するプローブ情報と、前記所定の領域を直進するプローブ情報と、前記所定の領域を右折するプローブ情報それぞれについて、第1プローブ情報と第2プローブ情報と走行速度を比較して交通規制の変更を判定する
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両が走行する車線を特定する技術が存在する。特許文献1に記載された技術は、車両の位置情報に基づいてその車両が進入する交差点を特定し、その車両の走行速度に基づいて交差点への進入路に設定された車線(左折レーン、直進レーン及び右折レーン)を特定するようになっている。また、特許文献1に記載された技術は、車両が走行する車線を特定すると、その交差点の信号に関する信号情報に基づいて、例えば、信号が赤信号になるまでにその車両がその交差点を通過できるか等の運転支援を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-058774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、特許文献1は、車両に対する運転支援を行う技術である。
しかし、例えば、交差点へ進入するための進入路における渋滞を解消するために、車線数を増やす場合や、車線毎の進行方向を指定する「進行方向別通行区分」に代表される交通規制が変更される場合があり、その交差点での車両の走行を容易にするため等、道路地図の提供者及び車両のドライバにとっては、進入路の交通規制の変更を把握したいという要望がある。
特許文献1に記載された技術は、車線を特定して運転支援を行うのみであり、進入路の交通規制の変更を把握することができない。
【0005】
本発明は、道路の所定の領域の交通規制の変更を判定することができる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様の情報処理装置は、道路の所定の領域を通過する車両の複数のプローブ情報を取得する取得部と、取得部によって取得される、複数の車両からなる第1車両群の第1プローブ情報に基づく車両の所定の領域の走行速度が、第1プローブ情報よりも時間的に前に生成された、複数の車両からなる第2車両群の第2プローブ情報に基づく車両の所定の領域の走行速度よりも速くなった場合、所定の領域に進入する進入路の交通規制が変更されたと判定する判定部と、判定部による判定結果を出力する出力部と、を備える。
【0007】
一態様の情報処理装置では、判定部は、第1プローブ情報に基づいた車両の走行速度と、第2プローブ情報に基づいた車両の走行速度との間の走行速度の変化の判断として、第1プローブ情報に基づく第1車両群の第1走行速度分布が、第2プローブ情報に基づく第2車両群の第2走行速度分布よりも速くなった場合に、進入路の交通規制が変更されたと判定することとしてもよい。
【0008】
一態様の情報処理装置では、取得部は、所定の領域を通過する車両の数が閾値以上の時間帯を特定し、その時間帯に所定の領域を通過した車両によって生成された複数のプローブ情報を取得することとしてもよい。
【0009】
一態様の情報処理装置では、取得部は、異なる日の同一時間帯に繰り返し所定の領域を通過する同一の車両で生成された複数のプローブ情報を取得することとしてもよい。
【0010】
一態様の情報処理方法では、コンピュータが、道路の所定の領域を通過する車両の複数のプローブ情報を取得する取得ステップと、取得ステップによって取得される、複数の車両からなる第1車両群の第1プローブ情報に基づく車両の所定の領域の走行速度が、第1プローブ情報よりも時間的に前に生成された、複数の車両からなる第2車両群の第2プローブ情報に基づく車両の所定の領域の走行速度よりも速くなった場合、所定の領域に進入する進入路の交通規制が変更されたと判定する判定ステップと、判定ステップによる判定結果を出力する出力ステップと、を実行する。
【0011】
一態様の情報処理プログラムは、コンピュータに、道路の所定の領域を通過する車両の複数のプローブ情報を取得する取得機能と、取得機能によって取得される、複数の車両からなる第1車両群の第1プローブ情報に基づく車両の所定の領域の走行速度が、第1プローブ情報よりも時間的に前に生成された、複数の車両からなる第2車両群の第2プローブ情報に基づく車両の所定の領域の走行速度よりも速くなった場合、所定の領域に進入する進入路の交通規制が変更されたと判定する判定機能と、判定機能による判定結果を出力する出力機能と、を実現させる。
【発明の効果】
【0012】
一態様の情報処理装置は、第1プローブ情報に基づく車両の所定の領域の走行速度が、第1プローブ情報よりも時間的に前に生成された第2プローブ情報に基づく車両の所定の領域の走行速度よりも速くなった場合、所定の領域に進入する進入路における渋滞を解消するために「進行方向別通行区分」等の交通規制が変更されたと判定することができる。
また、一態様の情報処理方法及び情報処理プログラムは、一態様の情報処理装置と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施形態に係る情報処理システムについて説明するための図である。
図2】所定の領域における交通規制の変更の一例を説明するための遷移図である。(A)は交通規制の変更前を示し、(B)は交通規制の変更後を示す。
図3】一実施形態に係る情報処理装置について説明するための図である。
図4】交通量の一例について説明するための図である。
図5】所定の領域を通過する複数の車両の走行速度分布の変化を説明するための図である。
図6】所定の領域を通過する複数の車両の通過時間の変化を説明するための図である。
図7】一実施形態に係る情報処理方法について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る情報処理システムについて説明するための図である。
図2は、所定の領域における交通規制の変更の一例を説明するための遷移図である。(A)は交通規制の変更前を示し、(B)は交通規制の変更後を示す。
【0015】
図1に示すように、情報処理システム1は、車両10、外部サーバ20及び情報処理装置30を備える。
車両10は、走行に関する走行情報を記録したプローブ情報を取得する。プローブ情報(走行情報)には、種々の情報が記録されるが、例えば、識別情報、位置情報及び時刻情報等が記録される。また、プローブ情報には、例えば、走行速度情報が記録されてもよい。
【0016】
識別情報は、例えば、車両10を識別する情報である。位置情報は、例えば、車両10の走行した位置に関する情報である。時刻情報は、例えば、車両10が位置情報を取得した際の時刻に関する情報である。車両10は、例えば、GNSS(Global Navigation Satelite System)等の位置情報取得システムを利用して、一定期間毎に位置情報を取得する。また、車両10は、位置情報取得システムの位置情報信号に含まれる時刻情報、又は、車両10に搭載される時計部(図示せず)で計時される時刻等に基づいて、位置情報を取得した際の時刻を取得する。また、走行速度情報は、車両10の走行速度に関する情報である。車両10は、例えば、車軸の回転速度等に基づいて、車両の走行速度を取得する。
【0017】
車両10は、位置情報と時刻(時刻情報)を取得すると、又は、走行速度情報を取得すると、識別情報と共にプローブ情報として記憶し、所定のタイミングでプローブ情報を外部サーバ20に送信する。なお、図1に示す場合、車両10は1台のみ記載されるが、車両10は複数であってもよい。
【0018】
外部サーバ20は、車両10から送信された複数のプローブ情報を記憶する。外部サーバ20は、情報処理装置30の要求に応じて、プローブ情報を情報処理装置30に送信する。
【0019】
情報処理装置30は、例えば、サーバ又はコンピュータ端末等によって実現される。情報処理装置30は、例えば、道路の所定の領域を走行する車両10のプローブ情報に基づいて、所定の領域の交通規制を判定する。例えば、情報処理装置30は、時間的に異なる複数のプローブ情報に基づいて、所定の領域に進入する進入路の交通規制が変更されたことを判定する。所定の領域は、交通規制の変更を調査する領域であり、例えば、交差点、自動車専用道路の入口、自動車専用道路の出口、及び、自動車専用道路のインターチェンジ等を含む領域である。
【0020】
図2に例示する場合、所定の領域は交差点51である。
図2(A)に例示する場合、直線道路52と左折道路53とがあり、直線道路52は片側3車線である。片側3車線のうちの2車線は直進レーン52aであり、1車線は直進及び左折レーン52bである。直進及び左折レーン52bは、直進する車両10(直進車)と、左折する車両10(左折車)とが走行するため、車両10の交通量によっては渋滞することがあった。すなわち、左折車は交差点を左折するために減速する必要があるが、その左折車の減速に伴って直進車も減速することになり、交通量が多い場合には渋滞の原因となっていた。
【0021】
そこで、交差点51の交通規制が変更され、図2(B)に例示するように、直進及び左折レーン52b(図2(A)参照)が左折レーン52cに変更されたとする。左折車と直進車とが走行する車線が分離させるため、渋滞の発生が抑制される。この場合、図2(B)に例示する交差点51を通過する車両10の走行速度は、図2(A)に例示する交差点51を通過する車両10の走行速度に比べて速くなる。
【0022】
情報処理装置30は、図2(A)に例示する交差点51を通過した車両10のプローブ情報に記録されるその車両10の走行速度Aと、図2(B)に例示する交差点51を通過した車両10のプローブ情報に記録されるその車両10の走行速度Bとを比較し、走行速度Aと走行速度Bとの間に一定以上の差(変化)が有った場合、すなわち、走行速度Bが走行速度Aよりも速い場合(又は、遅い場合)には、交差点51の交通規制が変更されたと判定する。
【0023】
次に、情報処理装置30について詳細に説明する。
図3は、一実施形態に係る情報処理装置30について説明するための図である。
図4は、交通量の一例について説明するための図である。
本明細書では、「情報」の文言を使用しているが、「情報」の文言は「データ」と言い換えることができ、「データ」の文言は「情報」と言い換えることができる。
【0024】
図3に示すように、情報処理装置30は、通信部35、記憶部36、表示部37、取得部32、判定部33及び出力制御部34を備える。取得部32、判定部33及び出力制御部34は、情報処理装置30の制御部31(例えば、演算処理装置等)の一機能として実現することができる。
【0025】
通信部35は、外部サーバとの間で種々の情報の送受信を行う。例えば、通信部35は、外部サーバから送信されたプローブ情報を受信する。
【0026】
記憶部36は、例えば、種々の情報及びプログラム等を記憶する、メモリ又はハードディスク等の記憶装置である。
表示部37は、例えば、文字又は画像を表示するディスプレイである。
記憶部36及び表示部37は、本発明の「出力部」の一実施形態に対応する。
【0027】
取得部32は、道路の所定の領域を通過する車両10の複数のプローブ情報を取得する。例えば、取得部32は、交通規制の変更の有無を判定したい所定の領域がユーザ(情報処理装置30を操作するユーザ)によって特定されると、その所定の領域を通過した車両10のプローブ情報を外部サーバから取得する。具体的な一例として、取得部32は、所定の領域の位置を示す位置情報と、プローブ情報に記録される位置情報とに基づいて、所定の領域を通過した車両10のプローブ情報を取得する。
【0028】
取得部32は、所定の領域を通過する車両10の数が閾値以上の時間帯を特定し、時間帯に所定の領域を通過した車両10によって生成された複数のプローブ情報を取得することとしてもよい。取得部32は、例えば、ユーザによって所定の領域が特定されると、プローブ情報に記録される位置情報に基づいて所定の領域を通過した車両10のプローブ情報を外部サーバから取得する。この場合、取得部32は、プローブ情報に記録される位置情報及び時刻情報に基づいて、所定の領域を車両10が通過する際の通過時刻を特定し、所定の領域を通過する車両10の数が閾値以上の時間帯(所定の領域の通過時間帯)を特定することとしてもよい。
交通量が相対的に多い場合には、所定の領域を走行する車両10の走行速度は安定すると考えられる。このため、閾値は、車両の走行速度が安定すると考えられる値が適宜設定される。
【0029】
取得部32は、例えば、所定の領域を通過する車両10の複数のプローブ情報を外部サーバから取得した後、さらに、取得した複数のプローブ情報に基づいて上述した通過時間帯(所定の領域を通過する車両10の数が閾値以上の時間帯)を特定し、その通過時間帯に所定の領域を通過した車両10のプローブ情報を特定(取得)することとしてもよい。
又は、取得部32は、例えば、所定の領域を通過する車両10の複数のプローブ情報を外部サーバ上で特定した後、その特定した複数のプローブ情報に基づいて上述した通過時間帯をさらに特定し、その通過時間帯に所定の領域を通過した車両10のプローブ情報を外部サーバから取得することとしてもよい。
通過時間帯は、1つの時間帯であってもよく、複数の時間帯であってもよい。
【0030】
図4は、プローブ情報に基づいて、所定の領域を通過した車両について集計した表である。
図4に例示する場合、取得部32は、10月15日に所定の領域を通過した複数の車両10のプローブ情報を参照する。取得部32は、参照した複数のプローブ情報に基づいて、所定の領域を車両10が通過した時間帯と、その時間帯の交通量とを取得する。図4(A)に例示するように、取得部32は、10月15日において、1時台の交通量(所定の領域を通過した車両数)が0台、2時台の交通量が5台、…6時台の交通量が40台、7時台の交通量が88台、8時台の交通量が75台、9時台の交通量が34台、…の情報が得られたとする。この場合、取得部32は、閾値として、例えば、50台が予め設定されていると、時間帯として7時台及び8時台を特定する。そして、取得部32は、10月15日の7時台及び8時台に所定の領域を通過した車両10のプローブ情報を取得する。
なお、閾値は、例えば、所定の領域の交通量等に応じて、適宜設定されることとしてもよい。
【0031】
取得部32は、異なる日の同一時間帯に繰り返し所定の領域を通過する同一の車両10で生成された複数のプローブ情報を取得することとしてもよい。取得部32は、例えば、プローブ情報に記録される識別情報、位置情報及び時刻情報に基づいて、異なる日それぞれの同一時間帯に所定の領域を通過する同一の車両10を特定し、その車両10で生成された、異なる日それぞれで所定の領域を通過したプローブ情報を取得する。
【0032】
取得部32は、例えば、所定の領域を通過する車両10の複数のプローブ情報を外部サーバから取得した後、さらに、取得した複数のプローブ情報に基づいて、異なる日の同一時間帯に所定の領域を繰り返し通過する同一の車両10を特定し、その車両10で生成された、異なる日それぞれの同一時間帯に所定の領域を通過したプローブ情報を特定(取得)することとしてもよい。
又は、取得部32は、例えば、所定の領域を通過する車両10の複数のプローブ情報を外部サーバ上で特定した後、その特定した複数のプローブ情報に基づいて、異なる日の同一時間帯に所定の領域を繰り返し通過する同一の車両10を特定し、その車両10で生成された、異なる日それぞれの同一時間帯に所定の領域を通過したプローブ情報を外部サーバから取得することとしてもよい。
【0033】
取得部32は、異なる日に所定の領域を通過した複数の車両10のプローブ情報を参照し、所定の領域を繰り返し通過する1又は複数の車両10を特定する。図4(B)に例示する場合、取得部32は、異なる日に所定の領域を繰り返し走行する車両10として、車両A,Bが異なる日の7時台に走行し、車両Cが異なる日の9時台に走行し、車両Dが異なる日の8時台に走行すると特定する。取得部32は、異なる日に所定の領域を車両A~Dが通過した際のそれぞれのプローブ情報を取得する。
【0034】
取得部32は、プローブ情報を取得する際、所定の領域で所定時間以上停止している車両10のプローブ情報を除外することとしてもよい。例えば、取得部32は、所定の領域(例えば、交差点)で信号待ちをしている車両10のプローブ情報を除外することとしてもよい。具体的な一例として、取得部32は、プローブ情報に記録される位置情報と時刻情報に基づいて、所定の領域(所定の領域から所定距離内を含む)の同一の位置に所定時間以上停止している車両10のプローブ情報を除外する。所定時間は、信号が変わる時間を考慮して、適宜設定される。所定距離は、所定の領域への進入路において信号待ちをする車両数等を予測すること等に基づいて、適宜設定される。
【0035】
判定部33は、第1プローブ情報に基づく車両10の所定の領域の走行速度と、第2プローブ情報に基づく車両10の所定の領域の走行速度とに基づいて、判定を行う。
第1プローブ情報は、取得部32によって取得される、複数の車両10からなる第1車両群のプローブ情報である。第2プローブ情報は、取得部32によって取得され、第1プローブ情報よりも時間的に前に生成された、複数の車両10からなる第2車両群のプローブ情報である。判定部33は、第1プローブ情報に基づく車両10の所定の領域の走行速度が、第2プローブ情報に基づく車両10の所定の領域の走行速度よりも速くなった場合、所定の領域に進入する進入路の交通規制が変更されたと判定する。
【0036】
所定の領域の走行速度は、例えば、所定の領域を走行する複数の車両10の走行速度分布、所定の領域を走行する複数の車両10の走行速度を相加平均した平均走行速度、所定の領域を走行する複数の車両10の最高走行速度、又は、所定の領域を走行する複数の車両10の走行速度の中央値等であってよい。
また、所定の領域の走行速度は、例えば、所定の領域を通過する際の走行速度、所定の領域に進入して所定の領域から退出するまで走行速度(所定の領域に進入する進入路、所定の領域、及び、所定の領域から退出する退出路を走行する際の走行速度)、所定の領域に進入する際の走行速度(所定の領域への進入路の走行速度)等であってもよい。
【0037】
判定部33は、プローブ情報に記録される位置情報及び時刻情報に基づいて、所定の領域の走行速度を取得することが可能である。又は、判定部33は、プローブ情報に走行速度情報が記録されている場合には、その走行速度情報に基づいて、所定の領域の走行速度を取得することが可能である。
【0038】
所定の領域(例えば、交差点等)において、車両10による渋滞が発生していた場合には、車両10の走行速度は相対的に遅くなる。一方、所定の領域において、車両10による渋滞が発生していない場合には、車両10の走行速度は相対的に速くなる。
【0039】
例えば、所定の領域に進入する進入路において渋滞の発生頻度が相対的に高かった場合、その所定の領域に進入する進入路の交通規制が変更され、進入路における渋滞の発生が相対的に低くなると、交通規制が変更される前後において車両10の走行速度が変化する。すなわち、車両10による渋滞が頻繁に発生する所定の領域において、その後、渋滞の発生頻度が相対的に少なくなった場合、所定の領域を通過する車両10の走行速度は、相対的に速くなると考えられる。交通規制の変更の一例は、道路標識(進行方向別通行区分)、路面に付される道路標示(例えば、直進、左折及び右折などの進行方向を規制する路面の矢印表示)の変更・追加・削除(具体的な一例として、直進及び左折レーンから左折レーンへの変更(図2参照)))、車線数の変更(変化)、並びに、左折専用レーン又は右折専用レーンの追加等である。
【0040】
判定部33は、第1プローブ情報に基づく車両10の所定の領域の走行速度が、第2プローブ情報に基づく車両10の所定の領域の走行速度よりも速くなった場合、所定の領域の交通規制が変更されたと判定する。
具体的な一例として、判定部33は、第1プローブ情報に基づいた車両10の走行速度と、第2プローブ情報に基づいた車両10の走行速度との間の走行速度の変化の判断として、第1プローブ情報に基づく第1車両群の第1走行速度分布が、第2プローブ情報に基づく第2車両群の第2走行速度分布よりも速くなった場合に、進入路の交通規制が変更されたと判定することとしてもよい。
【0041】
図5は、所定の領域を通過する複数の車両10の走行速度分布の変化を説明するための図である。
図5に例示するように、判定部33は、プローブ情報に基づいて、所定の領域を通過する車両10の走行速度(走行速度分布)を取得したとする。図5に例示する場合、6月~8月の走行速度分布では、20km/h未満及び40km/h未満の車両数が50km/h未満及び60km/h以上の車両数よりも多い。一方、9月~10月の走行速度分布では、50km/h未満及び60km以上の車両数が20km/h未満及び40km/h未満の車両数よりも多い。判定部33は、9月以降のプローブ情報(第1プローブ情報)に基づく第1走行速度分布が8月以前のプローブ情報(第2プローブ情報)に基づく第2走行速度分布よりも速くなっているため、所定の領域へ進入する進入路の交通規制が変更されたと判定する。
【0042】
なお、第1プローブ情報に基づく車両10の所定の領域の走行速度が、第2プローブ情報に基づく車両10の所定の領域の走行速度よりも速くなった場合には、車両10が所定の領域を通過する通過時間が短く(早く)なった場合も含まれる。すなわち、判定部33は、第1プローブ情報に基づいた第1車両群の車両10が所定の領域を通過する第1通過時間が、第2プローブ情報に基づいた第2車両群の車両10が所定の領域を通過する第2通過時間よりも短く(早く)なった場合、所定の領域に進入する進入路の交通規制が変更されたと判定することとしてもよい。
【0043】
判定部33が判定に利用する通過時間は、例えば、複数の車両10の通過時間を相加平均した平均通過時間、複数の車両10の通過時間の最短通過時間又は最長通過時間、又は、複数の車両10の通過時間の中央値等であってよい。
また、所定の領域を通過する際の通過時間は、例えば、所定の領域に進入してから退出するまでの時間、すなわち、所定の領域への進入路における、所定の領域から第1距離にある位置Aと、所定の領域からの退出路における、所定の領域から第2距離にある位置Bとを通過する時間であってもよい。第1距離と第2距離とは同じであってもよく、異なっていてもよい。又は、所定の領域を通過する際の通過時間は、例えば、所定の領域に進入する際の時間、すなわち、所定の領域への進入路における所定の領域から第3距離にある位置Cと、所定の領域を示す位置Dとを通過する時間であってもよい。
【0044】
図6は、所定の領域を通過する複数の車両の通過時間の変化を説明するための図である。
図6に例示するように、判定部33は、プローブ情報に基づいて、所定の領域を通過する車両10の通過時間を取得したとする。図6に例示する場合、6月~8月の通過時間は相対的に長く(遅く)、9月~10月の通過時間は相対的に短く(早く)なっている。判定部33は、9月以降のプローブ情報(第1プローブ情報)に基づく通過時間が8月以前のプローブ情報(第2プローブ情報)に基づく通過時間よりも短く(早く)なっているため、所定の領域へ進入する進入路の交通規制が変更されたと判定する。
【0045】
ここで、判定部33は、所定の領域(例えば、交差点)の車両10の走行速度(所定の領域の車両10の通過時間)に基づいて、進入路の交通規制の変更を判定する場合、所定の領域(交差点)を直進する複数の車両10、所定の領域(交差点)を左折する複数の車両10、及び、所定の領域(交差点)を右折する複数の車両10それぞれ毎に、走行速度(通過時間)に基づいて判定することとしてもよい。この場合、判定部33は、例えば、プローブ情報に記録される操舵角情報に基づいて、車両10の直進、左折又は右折を判定することとしてもよい。
【0046】
操舵角情報は、例えば、車両10の進行方向を規定するためのハンドルの角度(操舵角)に関する情報である。一例として、操舵角は、車両10が直進する場合には、-150°~150°の範囲となる。一例として、操舵角は、車両10が右折する場合には、-150°~525°の範囲となる。一例として、操舵角は、車両10が左折する場合には、-525°~150°の範囲となる。
【0047】
例えば、判定部33は、プローブ情報(操舵角情報)に基づいた、所定の領域を通過する車両10の操舵角が-150°~150°の範囲内の場合には、所定の領域を車両10が直進していると判定する。同様に、例えば、判定部33は、プローブ情報(操舵角情報)に基づいた、所定の領域を通過する車両10の操舵角が-150°~525°の範囲内の場合には、所定の領域を車両10が右折していると判定する。同様に、例えば、判定部33は、プローブ情報(操舵角情報)に基づいた、所定の領域を通過する車両10の操舵角が-525°~150°の範囲内の場合には、所定の領域を車両10が左折していると判定する。
なお、判定部33は、操作角情報に基づいて判定を行うことにより、交通規制がどのように変更されたかを推定することもできる。具体的な一例として、判定部33は、所定の領域(例えば、交差点)を左折する車両10の走行速度(通過時間)に変化があった場合には、交差点の左折に関する交通規制が変更されと推定することができる。
【0048】
出力部は、判定部33による判定結果を出力する。出力部は、上述したように、記憶部36及び表示部37である。
出力制御部34は、記憶部36及び表示部37への判定結果の出力を制御する。すなわち、出力制御部34は、判定部33による判定結果(判定結果情報)を記憶部36に記憶する。出力制御部34は、判定部33による判定結果を表示部37に表示する。具体的な一例として、出力制御部34は、判定結果として、交通規制が変更されたと判定された所定の領域に関する情報を記憶部36に記憶する。また、具体的な一例として、出力制御部34は、判定結果として、交通規制が変更された所定の領域を示した道路地図を表示部37に表示することとしてもよい。
【0049】
次に、一実施形態に係る情報処理方法について説明する。
図7は、一実施形態に係る情報処理方法について説明するためのフローチャートである。
【0050】
ステップST101において、取得部32は、道路の所定の領域を通過する車両10の複数のプローブ情報を取得する。例えば、取得部32は、交通規制の変更を判定したい所定の領域がユーザによって特定されると、その所定の領域を通過した車両10のプローブ情報を外部サーバから取得する。
また、取得部32は、所定の領域を通過する車両10の数が閾値以上の時間帯を特定し、時間帯に所定の領域を通過した車両10によって生成された複数のプローブ情報を取得することとしてもよい。また、取得部32は、異なる日の同一時間帯に繰り返し所定の領域を通過する同一の車両10で生成された複数のプローブ情報を取得することとしてもよい。
【0051】
ステップST102において、取得部32は、ステップST101で取得した複数のプローブ情報のうち、所定の日時以降のプローブ情報(第1プローブ情報)に基づいて、所定の領域の車両10の走行速度1を取得する。取得部32は、走行速度1に基づいて、所定の領域を走行する複数の車両10の走行速度分布(第1走行速度分布)を取得することとしてもよい。
所定の領域の走行速度は、例えば、所定の領域を通過する際の走行速度、所定の領域に進入して所定の領域から退出するまで走行速度(所定の領域に進入する進入路、所定の領域、及び、所定の領域から退出する退出路を走行する際の走行速度)、所定の領域に進入する際の走行速度(所定の領域への進入路の走行速度)等であってもよい。
【0052】
ステップST103において、取得部32は、ステップST101で取得した複数のプローブ情報のうち、所定の日時前のプローブ情報(第2プローブ情報)に基づいて、所定の領域の車両10の走行速度2を取得する。取得部32は、走行速度2に基づいて、所定の領域を走行する複数の車両10の走行速度分布(第2走行速度分布)を取得することとしてもよい。
所定の領域の走行速度は、例えば、所定の領域を通過する際の走行速度、所定の領域に進入して所定の領域から退出するまで走行速度(所定の領域に進入する進入路、所定の領域、及び、所定の領域から退出する退出路を走行する際の走行速度)、所定の領域に進入する際の走行速度(所定の領域への進入路の走行速度)等であってもよい。
【0053】
ステップST104において、判定部33は、ステップST102で取得された車両10の走行速度1が、ステップST103で取得された車両10の走行速度2よりも速いかを判定する。例えば、判定部33は、第1走行速度分布が第2走行速度分布よりも速くなったかを判定する。
具体的な一例として図5に示す場合では、判定部33は、9月以降のプローブ情報(第1プローブ情報)に基づく第1走行速度分布が8月以前のプローブ情報(第2プローブ情報)に基づく第2走行速度分布よりも速くなっているかを判定する。
ここで、判定部33は、第1走行速度分布が第2走行速度分布よりも閾値以上速くなったかを判定することとしてもよい。
走行速度1(第1走行速度分布)が走行速度2(第2走行速度分布)よりも速い場合(Yes)には、処理は、ステップST105に進む。走行速度1(第1走行速度分布)が走行速度2(第2走行速度分布)よりも速くなっていない場合(No)、処理は、終了する。
【0054】
ステップST105において、判定部33は、所定の領域へ進入する進入路の交通規制が変更されたと判定する。交通規制の変更の一例は、道路標識(進行方向別通行区分)、路面に付される道路標示(例えば、直進、左折及び右折などの進行方向を規制する路面の矢印表示)の変更、並びに、左折専用レーン又は右折専用レーンの追加等である。
【0055】
ステップST106において、出力制御部34は、ステップST105の判定結果を出力する。すなわち、出力制御部34は、ステップST105の判定結果を記憶部36に記憶することとしてもよい。また、出力制御部34は、ステップST105の判定結果を表示部37に表示することとしてもよい。
具体的な一例として、出力制御部34は、判定結果として、交通規制が変更されたと判定された所定の領域に関する情報を記憶部36に記憶する。また、具体的な一例として、出力制御部34は、判定結果として、交通規制が変更された所定の領域を示した道路地図を表示部37に表示することとしてもよい。
【0056】
次に、本実施形態の効果について説明する。
情報処理装置30は、道路の所定の領域を通過する車両10の複数のプローブ情報を取得する取得部32と、取得部32によって取得される、複数の車両10からなる第1車両群の第1プローブ情報に基づく車両10の所定の領域の走行速度が、第1プローブ情報よりも時間的に前に生成された、複数の車両10からなる第2車両群の第2プローブ情報に基づく車両10の所定の領域の走行速度よりも速くなった場合、所定の領域に進入する進入路の交通規制が変更されたと判定する判定部33と、判定部33による判定結果を出力する記憶部36及び表示部37(出力部)と、を備える。
これにより、情報処理装置30は、所定の領域への進入路の交通規制が変更されたことを判定することができる。
また、情報処理装置30は、交通規制の変更の判定結果を出力する。例えば、情報処理装置30は、交通規制が変更された所定の領域の位置を記憶部36に記憶し、またその位置を表示部37に表示することにより、情報処理装置30のユーザは、交通規制が変更された所定の領域を把握することができる。また、情報処理装置30は、交通規制が変更された所定の領域を、道路地図に関する地図情報に登録することにより、車両10を運転するドライバ等に対して、交通規制が変更された所定の領域の位置を提供することができる。これにより、ドライバは、自身(車両10)の進行方向に応じた車線を予め知ることができ、その車線を選んで車両10を運転することができる。また、ドライバは、渋滞が発生する可能性の少ない道路を選んで車両10を運転することができるため、情報処理装置30は、渋滞発生による目的地への到着が遅れる等の車両10の運転に関するドライバの負担を軽減することができる。
また、情報処理装置30は、複数のプローブ情報(例えば、複数の車両10で生成された複数のプローブ情報)に基づいて判定を行うことにより、交通規制が変更されたことを判定する判定の信頼性を高めることができる。
【0057】
情報処理装置30では、判定部33は、第1プローブ情報に基づいた車両10の走行速度と、第2プローブ情報に基づいた車両10の走行速度との間の走行速度の変化の判断として、第1プローブ情報に基づく第1車両群の第1走行速度分布が、第2プローブ情報に基づく第2車両群の第2走行速度分布よりも速くなった場合に、進入路の交通規制が変更されたと判定することとしてもよい。
走行速度分布は、平均走行速度、最高走行速度及び複数の走行速度の中央値等に比べて、所定の領域の交通状況(渋滞が発生しているか否か)を把握し易い場合がる。このため、情報処理装置30は、複数の車両10の交通速度分布を利用することにより、進入路の交通規制が変更されたことをより正確に判定することができる。
【0058】
情報処理装置30では、取得部32は、所定の領域を通過する車両10の数が閾値以上の時間帯を特定し、時間帯に所定の領域を通過した車両10によって生成された複数のプローブ情報を取得することとしてもよい。
情報処理装置30は、所定量の領域の交通量が相対的に多い時間帯にその所定の領域を通過する車両10の走行速度に基づいて、進入路の交通規制が変更されたと判定する。交通量が相対的に多い場合には、所定の領域を走行する車両10の走行速度は安定すると考えられる。また、交通量が相対的に多い場合には、所定の領域において渋滞が発生する可能性がある。このため、所定の領域の交通量が相対的に多い場合には、所定の領域の交通状況(渋滞が発生しているか否か)を反映されやすいと考えられる。
したがって、情報処理装置30は、進入路の交通規制に変更されたことをより正確に判定することができる。
【0059】
情報処理装置30では、取得部32は、異なる日の同一時間帯に繰り返し所定の領域を通過する同一の車両10で生成された複数のプローブ情報を取得することとしてもよい。
これにより、情報処理装置30は、同一の車両10には同じドライバが運転している可能性が高い。同一のドライバが車両10を運転する場合、車両10を運転する際の傾向(例えば、相対的に速い走行速度で運転する等の走り方)は常に同様になると考えられる。すなわち、同一の車両10のプローブ情報は、走行履歴の信頼性が高く、安定している。このため、情報処理装置30は、同一の車両10が異なる日の同一時間帯に走行する場合、その同一の車両10の走行速度に基づいて、進入路の交通規制が変更されたこと判定することにより、その交通規制の変更をより正確に判定することができる。
【0060】
情報処理方法では、コンピュータが、道路の所定の領域を通過する車両10の複数のプローブ情報を取得する取得ステップと、取得ステップによって取得される、複数の車両10からなる第1車両群の第1プローブ情報に基づく車両10の所定の領域の走行速度が、第1プローブ情報よりも時間的に前に生成された、複数の車両10からなる第2車両群の第2プローブ情報に基づく車両10の所定の領域の走行速度よりも速くなった場合、所定の領域に進入する進入路の交通規制が変更されたと判定する判定ステップと、判定ステップによる判定結果を出力する出力ステップと、を実行する。
これにより、情報処理方法は、所定の領域への進入路の交通規制が変更されたことを判定することができる。
また、情報処理方法は、交通規制の変更の判定結果を出力する。例えば、情報処理方法は、交通規制が変更された所定の領域の位置を記憶部36に記憶し、またその位置を表示部37に表示することにより、情報処理方法を利用するユーザは、交通規制が変更された所定の領域を把握することができる。また、情報処理方法は、交通規制が変更された所定の領域を、道路地図に関する地図情報に登録することにより、車両10を運転するドライバ等に対して、交通規制が変更された所定の領域の位置を提供することができる。これにより、ドライバは、自身(車両10)の進行方向に応じた車線を予め知ることができ、その車線を選んで車両10を運転することができる。また、ドライバは、渋滞が発生する可能性の少ない道路を選んで車両10を運転することができるため、情報処理方法は、渋滞発生による目的地への到着が遅れる等の車両10の運転に関するドライバの負担を軽減することができる。
また、情報処理方法は、複数のプローブ情報(例えば、複数の車両10で生成された複数のプローブ情報)に基づいて判定を行うことにより、交通規制が変更されたことを判定する判定の信頼性を高めることができる。
【0061】
情報処理プログラムは、コンピュータに、道路の所定の領域を通過する車両10の複数のプローブ情報を取得する取得機能と、取得機能によって取得される、複数の車両10からなる第1車両群の第1プローブ情報に基づく車両10の所定の領域の走行速度が、第1プローブ情報よりも時間的に前に生成された、複数の車両10からなる第2車両群の第2プローブ情報に基づく車両10の所定の領域の走行速度よりも速くなった場合、所定の領域に進入する進入路の交通規制が変更されたと判定する判定機能と、判定機能による判定結果を出力する記憶機能及び表示機能(出力機能)と、を実現させる。
これにより、情報処理プログラムは、所定の領域への進入路の交通規制が変更されたことを判定することができる。
また、情報処理プログラムは、交通規制の変更の判定結果を出力する。例えば、情報処理プログラムは、交通規制が変更された所定の領域の位置を記憶部36に記憶し、またその位置を表示部37に表示することにより、情報処理プログラムが実行されるコンピュータのユーザは、交通規制が変更された所定の領域を把握することができる。また、情報処理プログラムは、交通規制が変更された所定の領域を、道路地図に関する地図情報に登録することにより、車両10を運転するドライバ等に対して、交通規制が変更された所定の領域の位置を提供することができる。これにより、ドライバは、自身(車両10)の進行方向に応じた車線を予め知ることができ、その車線を選んで車両10を運転することができる。また、ドライバは、渋滞が発生する可能性の少ない道路を選んで車両10を運転することができるため、情報処理プログラムは、渋滞発生による目的地への到着が遅れる等の車両10の運転に関するドライバの負担を軽減することができる。
また、情報処理プログラムは、複数のプローブ情報(例えば、複数の車両10で生成された複数のプローブ情報)に基づいて判定を行うことにより、交通規制が変更されたことを判定する判定の信頼性を高めることができる。
【0062】
上述した情報処理装置30の各部は、コンピュータの演算処理装置等の機能として実現されてもよい。すなわち、情報処理装置30の制御部31、取得部32、判定部33及び出力制御部34は、コンピュータの演算処理装置等による、制御機能、取得機能、判定機能及び出力制御機能としてそれぞれ実現されてもよい。
情報処理プログラムは、上述した各機能をコンピュータに実現させることができる。衛生管理プログラムは、外部メモリ又は光ディスク等の、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体に記録されていてもよい。
また、上述したように、情報処理装置30の各部は、コンピュータの演算処理装置等で実現されてもよい。その演算処理装置等は、例えば、集積回路等によって構成される。このため、情報処理装置30の各部は、演算処理装置等を構成する回路として実現されてもよい。すなわち、情報処理装置30の制御部31、取得部32、判定部33及び出力制御部34は、コンピュータの演算処理装置等を構成する、制御回路、取得回路、判定回路及び出力制御回路として実現されてもよい。
また、情報処理装置30の通信部35、記憶部36及び表示部37は、例えば、演算処理装置等の機能を含む、通信機能、記憶機能及び表示機能として実現されもよい。また、情報処理装置30の通信部35、記憶部36及び表示部37は、例えば、集積回路等によって構成されることにより、通信回路、記憶回路及び表示回路として実現されてもよい。また、情報処理装置30の通信部35、記憶部36及び表示部37は、例えば、複数のデバイスによって構成されることにより、通信装置、記憶装置及び表示装置として構成されてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 情報処理システム
10 車両
20 外部サーバ
30 情報処理装置
31 制御部
32 取得部
33 判定部
34 出力制御部
35 通信部
36 記憶部
37表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7