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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-06
(45)【発行日】2023-06-14
(54)【発明の名称】停車支援装置および駐車装置
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/42 20060101AFI20230607BHJP
   E04H 6/18 20060101ALI20230607BHJP
   G01V 9/00 20060101ALI20230607BHJP
【FI】
E04H6/42 C
E04H6/18 601A
E04H6/42 Z
G01V9/00 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019213150
(22)【出願日】2019-11-26
(65)【公開番号】P2021085174
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-07-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000237835
【氏名又は名称】富士変速機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須田 浩史
(72)【発明者】
【氏名】長沼 大記
【審査官】沖原 有里奈
(56)【参考文献】
【文献】特公昭39-18596(JP,B1)
【文献】特開2002-327550(JP,A)
【文献】特開2006-29038(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/18-6/42
G01V 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーが車両を規定の停車領域に停車することを支援する停車支援装置であって、
車両が停車するための規定の停車領域と、
車両が前記停車領域に停車するときに、タイヤを検出可能であるタイヤ検出領域を定めるセンサ群と、
前記タイヤ検出領域に車両のタイヤが進入したときに前記センサ群からの情報に基づいてユーザーに車両の停止位置を通知する通知手段と、
前記センサ群および前記通知手段を制御する制御部と、を備え、
前記センサ群は、前後方向にそれぞれ異なる検出域を有する3以上のセンサを備え、前記3以上のセンサのうちの3以上のセンサが同時に反応しないように構成され、
前記制御部は、前記センサ群のうちの隣接する2つのセンサが同時にタイヤを検出したときに、車両が前記停車領域に位置することを決定し、前記通知手段を介して、車両の停止指示をユーザーに通知することを特徴とする停車支援装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記3以上のセンサのうち最も後方の検出域を有する後端センサのみがタイヤを検出したときに車両が前記停車領域に到達していないことを決定し、前記3以上のセンサのうち最も前方の検出域を有する前端センサのみがタイヤを検出したときに車両が停車領域から超過したことを決定することを特徴とする請求項1に記載の停車支援装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記後端センサおよび前記後端センサに隣接するセンサがタイヤを検出したときに車両が前記停車領域の後側領域に位置することを決定し、前記前端センサおよび前記前端センサに隣接するセンサがタイヤを検出したときに車両が前側領域に位置することを決定することを特徴とする請求項2に記載の停車支援装置。
【請求項4】
前記センサ群は、3つのセンサからなり、前記後端センサおよび前記前端センサの間に検出域を有する中間センサを含むことを特徴とする請求項3に記載の停車支援装置。
【請求項5】
前記センサ群は、4つのセンサからなり、前記後端センサおよび前記前端センサの間であって、後側に検出域を有する後部中間センサと、前側に検出域を有する前部中間センサとを含み、前記制御部は、前記後部中間センサおよび前記前部中間センサが同時にタイヤを検出したときに車両が前記停車領域の中間領域に位置することを決定することを特徴とする請求項3に記載の停車支援装置。
【請求項6】
前記停車領域の前側または後側の少なくとも一方に給電器を設置するための給電器設置領域をさらに備え、
前記制御部が、停車する車両が電気自動車であると決定した場合、前記通知手段を介して、ユーザーに対して前記後側領域または前記前側領域に車両を停止させることを指示することを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の停車支援装置。
【請求項7】
前記停車領域から前方への車両の車体前端のはみ出しを検知する車体前端検出センサと、
前記停車領域から後方への車両の車体後端のはみ出しを検知する車体後端検出センサと、をさらに備え、
前記通知手段は、前記車体前端検出センサおよび前記後端センサが同時に反応したときに、または、前記車体後端検出センサおよび前記前端センサが同時に反応したときに、ユーザーに停車不可能な車両であることを通知することを特徴とする請求項3から6のいずれか一項に記載の停車支援装置。
【請求項8】
前記3以上のセンサの各センサは、圧力センサからなり、前記停車領域は、車両の前後輪を支持可能に前後方向に所定間隔で並んで設けられた複数の櫛歯を備え、前記3以上のセンサがそれぞれ隣接する櫛歯に順に配置されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の停車支援装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項の停車支援装置を車両の乗降領域に備えたことを特徴とする駐車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を規定の停車領域に停車させる停車支援装置、および、該停車支援装置が備えられた駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザーに対して車両を規定の停車位置に停車させることを支援するために停車支援装置が用いられる。このような停車支援装置は、車両の移載のために正確な位置への駐車が求められる立体型の機械式駐車装置に採用され得る。
【0003】
例えば、特許文献1は、駐車塔に入庫する車両に、乗込場に車両が停車する最適な位置を検知して知らせる車両のタイヤ検出装置(停車支援装置)を開示する。当該段落において、()内に特許文献1の符号を示す。特許文献1の駐車装置(1)には、車両(C)を入出庫させる乗込場(S)と、該乗込場(S)を乗入床(7)と昇降リフト(2)により形成する平面状の乗込面と、該乗込面に停車する車両(C)の停車位置(11)と、該停車位置(11)に車両(C)のタイヤ(17)が収まる凹部(20)と、該凹部(20)にタイヤ(17)を検出する検出器(8,9)と、該検出器(8,9)が車両(C)のタイヤ(17)を検知する信号と、該信号を表示させる表示手段(15)とが設けられる。検出器(8,9)の位置は、乗込面の凹部(20)のタイヤ(17)の前方検出側と後方検出側との両方を検知可能に配置し、乗入床(7)に発光器と受光器を内蔵して、反射板(10)を昇降リフト(2)の内側に備え、発光器から光軸(23)を外方向に発光させ、反射板(10)で受光器に検知させて、前方検出側と後方検出側の少なくとも一方の検出器(8,9)がタイヤ(17)を検知できなければ、停車位置(11)にいない信号を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4341502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような従来の停車支援装置(タイヤ検出装置)では、前方検出側と後方検出側のいずれか一方の検出器がタイヤを検出することによって、車両の停車位置を検出することを特徴とする。しかしながら、従来の停車支援装置では、停車領域に余裕があるにもかかわらず、フロントオーバーハング(前輪の中心から車両前端までの距離)または、リアオーバーハング(後輪の中心から車両後端までの距離)が長い車両を停車する場合、車両が停車領域において前側または後側に寄せて停車すると、規定の駐車領域からはみ出して入庫エラーとなって停車領域を活用できないことがあった。このようなエラーを回避するには、停車領域内における停止位置をより適切に位置決めすることが重要となるが、従来の停車支援装置では、停車領域内における停止位置決めに対応しておらず、ユーザーへの停車支援が不十分であった。したがって、停車領域内における車両の停車位置の位置決めをより正確に支援することが本発明の課題である。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、停車領域を十分に活用できるように車両を所定の停車位置に停車することを支援する停車支援装置および駐車装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態の停車支援装置は、ユーザーが車両を規定の停車領域に停車することを支援する停車支援装置であって、
車両が停車するための規定の停車領域と、
車両が前記停車領域に停車するときに、タイヤを検出可能であるタイヤ検出領域を定めるセンサ群と、
前記タイヤ検出領域に車両のタイヤが進入したときに前記センサ群からの情報に基づいてユーザーに車両の停止位置を通知する通知手段と、
前記センサ群および前記通知手段を制御する制御部と、を備え、
前記センサ群は、前後方向にそれぞれ異なる検出域を有する3以上のセンサを備え、前記3以上のセンサのうちの3以上のセンサが同時に反応しないように構成され、
前記制御部は、前記センサ群のうちの隣接する2つのセンサが同時にタイヤを検出したときに、車両が前記停車領域に位置することを決定し、前記通知手段を介して、車両の停止指示をユーザーに通知することを特徴とする。
【0008】
本発明の停車支援装置によれば、3以上のセンサからなるセンサ群のうちの2つのセンサが同時にタイヤを検出したときに車両が停車領域に位置することがユーザーに通知される。すなわち、停車支援装置は、ユーザーがタイヤの中心位置を前後に並んだ2つのセンサの間に位置するように車両を停車することを支援する。これにより、ユーザーが停車領域内で車両またはタイヤをその前端側または後端側に極端に寄せて停車することが効果的に防止される。
【0009】
本発明のさらなる形態の停車支援装置は、上記形態の停車支援装置において、前記制御部は、前記3以上のセンサのうち最も後方の検出域を有する後端センサのみがタイヤを検出したときに車両が前記停車領域に到達していないことを決定し、前記3以上のセンサのうち最も前方の検出域を有する前端センサのみがタイヤを検出したときに車両が停車領域から超過したことを決定する。すなわち、停車支援装置は、車両の超過または未到達を決定し、通知手段を介して効果的にユーザーの停車を支援することができる。
【0010】
本発明のさらなる形態の停車支援装置は、上記形態の停車支援装置において、前記制御部は、前記後端センサおよび前記後端センサに隣接するセンサがタイヤを検出したときに車両が前記停車領域の後側領域に位置することを決定し、前記前端センサおよび前記前端センサに隣接するセンサがタイヤを検出したときに車両が前側領域に位置することを決定することを特徴とする。すなわち、停車領域内に少なくとも前側領域および後側領域を設定することによって、停車支援装置は、ユーザーが停車領域内で選択的に前側または後側に寄せて停車するように支援することが可能である。
【0011】
本発明のさらなる形態の停車支援装置は、上記形態の停車支援装置において、前記センサ群は、3つのセンサからなり、前記後端センサおよび前記前端センサの間に検出域を有する中間センサを含むことを特徴とする。
【0012】
本発明のさらなる形態の停車支援装置は、上記形態の停車支援装置において、前記センサ群は、4つのセンサからなり、前記後端センサおよび前記前端センサの間であって、後側に検出域を有する後部中間センサと、前側に検出域を有する前部中間センサとを含み、前記制御部は、前記後部中間センサおよび前記前部中間センサが同時にタイヤを検出したときに車両が前記停車領域の中間領域に位置することを決定することを特徴とする。
【0013】
本発明のさらなる形態の停車支援装置は、上記形態の停車支援装置において、前記停車領域から前方への車両の車体前端のはみ出しを検知する車体前端検出センサと、前記停車領域から後方への車両の車体後端のはみ出しを検知する車体後端検出センサとをさらに備え、前記通知手段は、前記車体前端検出センサおよび前記後端センサが同時に反応したときに、または、前記車体後端検出センサおよび前記前端センサが同時に反応したときに、ユーザーに停車不可能な車両であることを通知することを特徴とする。すなわち、車体前端検出センサおよび前記後端センサが同時に反応したときに、車両のフロントオーバーハングが停車領域を越えて物理的に駐車できないことをユーザーに通知し、または、車体後端検出センサおよび前記前端センサが同時に反応したときに、車両のリアオーバーハングが停車領域を越えて物理的に駐車できないことをユーザーに通知することによって、ユーザーに停車領域への停車を中止することを迅速に促し、無駄な時間を節約することができる。
【0014】
本発明のさらなる形態の停車支援装置は、上記形態の停車支援装置において、前記停車領域の前側または後側の少なくとも一方に給電器を設置するための給電器設置領域をさらに備え、前記制御部が、停車する車両が電気自動車であると決定した場合、前記通知手段を介して、ユーザーに対して前記後側領域または前記前側領域に車両を停止させることを指示することを特徴とする。すなわち、車両が電気自動車であって給電器による充電が実施される場合、給電器設置領域に設置された給電器に車両が干渉しないように、または、給電器の設置に空間的な余裕を持たせるように、車両の停車位置を前側領域または後側領域に適切に設定して、ユーザーの停車を支援することができる。
【0015】
本発明のさらなる形態の停車支援装置は、上記形態の停車支援装置において、前記3以上のセンサの各センサは、圧力センサからなり、前記停車領域は、車両の前後輪を支持可能に前後方向に所定間隔で並んで設けられた複数の櫛歯を備え、前記3以上のセンサがそれぞれ隣接する櫛歯に順に配置されていることを特徴とする。すなわち、タイヤの中心が隣接する櫛歯間に配置されたときに、隣接する圧力センサを同時に作動させることが可能となり、タイヤの中心を櫛歯間の中心に合わせて容易に位置決めすることが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、車両をより正確に所定の停車位置に停車することを支援する停車支援装置、および、当該停車支援装置を備えた駐車装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態の駐車装置(フォーク式立体駐車場)の機械的構造を示す斜視図。
図2図1の駐車装置を外部正面から見た模式図。
図3図1の駐車装置の内部構造を正面から見た模式図。
図4図1の駐車装置の乗降領域の平面図。
図5】本発明の一実施形態の駐車装置の回転床を示す(a)全体模式図、および(b)部分拡大図。
図6】本発明の一実施形態の駐車装置の昇降リフトを示す(a)全体模式図、および(b)部分拡大図。
図7】本発明の一実施形態の駐車装置の横行トレイおよび充電用駐車室を示す(a)全体模式図、および(b)部分拡大図。
図8図7の充電用駐車室の給電装置の部分拡大図であって、(a)横行トレイの受電端子と給電端子とが接触した状態を示し、(b)横行トレイの受電端子と給電端子とが切り離された状態を示す。
図9】本発明の一実施形態の駐車装置の給電ボックスの(a)正面図、(b)背面図および(c)底面図。
図10図9の給電ボックスの内部構造を示す図。
図11】本発明の一実施形態の駐車装置において、電気自動車を停車領域に配置し、給電ボックスを給電器設置領域に設置した状態を示す模式図。
図12図11の電気自動車の充電口付近の部分拡大図。
図13図11の給電ボックス付近の部分拡大模式図。
図14】本発明の一実施形態の駐車装置において、給電ボックスを保持体間で受け渡す形態を示す模式図。
図15図4の乗降領域(昇降リフトを省略)のA-A断面図。
図16図15の乗降領域のセンサ群を示す部分拡大図。
図17】タイヤがセンサ群のタイヤ検出領域の各位置に検出される形態を示す模式図。
図18】車体前端検出センサおよび後端センサが同時に反応した形態を示す模式図。
図19】車体後端検出センサおよび前端センサが同時に反応した形態を示す模式図。
図20】本発明の一実施形態の停車支援装置において、車両の停車を支援する一連の基本工程を示すフローチャートを示す。
図21】本発明の一実施形態の停車支援装置において、車両が電気自動車であって給電器設置領域を前側に設定した場合の車両の停車を支援する工程(フロント/リアオーバーハングエラー検出の工程は省略)を示すフローチャートを示す。
図22】本発明の一実施形態の停車支援装置において、車両が電気自動車であって給電器設置領域を後側に設定した場合の車両の停車を支援する工程(フロント/リアオーバーハングエラー検出の工程は省略)を示すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図または概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。
【0019】
本実施形態の停車支援装置1000は、電気自動車の充電駐車に対応した櫛歯(フォーク)式の立体駐車場である駐車装置100に例示的に組み込まれた。まず、本実施形態の駐車装置100の基本的な構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態の駐車装置100のフォーク式駐車場の概略を示す斜視図である。図2は該駐車装置100を外部正面から見た模式図である。図3は、該駐車装置100の内部構造を正面から見た模式図である。図4は、該駐車装置100の乗降領域の概略平面図である。
【0020】
本実施形態の駐車装置100は、複数の階層に車両を駐車可能である櫛歯式の機械式立体駐車場である。当該駐車装置100の動作は、制御部(図示せず)によって制御される。制御部は、記憶部を有し、各種情報を記憶または登録可能である。駐車装置100は、図1乃至図4に示すとおり、ユーザーが車両から乗り降りするための乗降領域101と、乗降領域101から電気自動車を他の階層に昇降させるように昇降方向に延びる昇降空間102と、昇降空間102から電気自動車を横行させて収容すべく昇降空間102に対して横行方向に隣接配置され、電気自動車を充電可能な設備を有する複数の駐車室103と、乗降領域101の下方に凹設された昇降リフト120の収容部104とを有する。そして、本実施形態の駐車装置100は、電気自動車に電力を供給するための給電装置140と、自立可能な形状を有し、給電装置140および電気自動車を電気的に接続し、電気自動車に給電を行うことを可能とする給電中継器としての給電ボックス150とを備える。すなわち、駐車装置100は、給電中継器としての給電ボックス150を介して電気自動車に給電を行うことを特徴とする。なお、駐車装置100は、車両一般を駐車するように動作するが、車両が電気自動車である場合に限って電気自動車を駐車時に充電するように作動する。よって、ここでいう「車両」は、電気自動車を含む車両一般を示す概念である。
【0021】
乗降領域101は、車両から乗り降りするように駐車装置100の屋内に配置されている。乗降領域101の外部には、車路に隣接した外部領域が配置されている。外部領域は、出入口扉106を介して乗降領域101に連通する領域である。乗降領域101は、車両が車路から乗り入れまたは車路に出庫可能であるように、車路と同じレベルの階層に配置されている。また、乗降領域101および外部領域は、出入口扉106によって仕切られている。図2に示すように、駐車装置100の外壁には、出入口扉106に隣接して操作盤107が設けられている。ユーザーは、入庫のために車両を外部領域に一旦車両を停車させて、操作盤107に必要な情報を入力することにより、出入口扉106を開閉し、車両を入庫処理することができる。あるいは、ユーザーは、出庫のために操作盤107に必要な情報を入力することにより、出入口扉106を開閉し、車両を出庫処理し、乗降領域101から外部領域へと車両を出庫させることができる。また、出入口扉106正面の壁面には、通知手段としてのモニタ108(図1参照)と、車両の入庫をガイドする案内鏡109(図1参照)が設置されている。
【0022】
この乗降領域101には、車両を停車するための規定の停車領域1001と、停車領域1001の前側および後側において給電器としての給電ボックス150を設置するための給電器設置領域1002が定められている。停車領域1001は、車両の前後輪を支持可能に前後方向に所定間隔で並んで設けられた(回転床110の)複数の櫛歯1003を備えており、おおよその車両停車位置で前後左右のタイヤが載置されるタイヤ載置部位を4箇所に設けている。このタイヤ載置部位は、前後に延びる複数の櫛歯1003の列の一部分である。そして、センサ群1010が、4箇所のタイヤ載置部位の少なくとも1つ(本実施形態では、片側前方の箇所)に設けられている。後述するように、センサ群1010は、対応するタイヤを検出するためのタイヤ検出領域を定めるように構成されている。また、乗降領域101には、停車領域1001から前方への車両の車体前端のはみ出しを検知する車体前端検出センサ1004と、停車領域1001から後方への車両の車体後端のはみ出しを検知する車体後端検出センサ1005が設けられている。車体前端検出センサ1004および車体後端検出センサ1005は、停車領域1001の前後の境界線に沿って車幅方向に延伸する光軸を有する赤外線レーザー等を用いたレーザーセンサである。なお、本明細書において、車体前端検出センサ1004および車体後端検出センサ1005は、センサそのものだけでなく、センサの光軸または検出域としても解釈され得る。そして、ユーザーの停車を支援する停車支援装置1000は、当該乗降領域101に備えられている。
【0023】
昇降空間102は、昇降リフト120が昇降するための空間であり、全階層に亘って延びている。昇降空間102の高さは、所望の駐車室103の数、すなわち、駐車塔の階層数によって設定される。当該昇降空間102において、昇降リフト120の櫛歯と、横行トレイ130の櫛歯とがすれ違うことにより、昇降リフト120および横行トレイ130間の車両の受け渡しが行われる。
【0024】
各駐車室103は、乗降領域101と異なる各階層で昇降空間102の横行方向の両側に対となるように配置されている。各駐車室103は、1台の車両を駐車可能であり、且つ、充電可能な空間である。各駐車室103には、車両が載置される横行トレイ130が配置される。
【0025】
収容部104は、乗降領域101の回転床110の下方で昇降リフト120を収容するために設けられた空間である。すなわち、収容部104は、乗降領域101に凹設された空間である。駐車装置100の動作において、回転床110の回転に干渉しないように、昇降リフト120が待避位置として収容部104に収容される。センサまたはリミットスイッチなどにより、昇降リフト120が収容部104に収容されたことが検知され得る。
【0026】
図3に示すように、駐車装置100は、車両の搬送機構として、乗降領域101に設置された回転床110と、昇降空間102を昇降する昇降リフト120と、対応する駐車室103に格納されるとともに、駐車室103と昇降空間102との間を略水平に横行レールに沿って横行する横行トレイ130とを備える。回転床110は、複数の櫛歯1003からなり、車両を載置可能な櫛歯状フレームを有し、車両の方向を所定の角度に変更可能に構成されている。一例として、回転床110は、中央フレームから左右外方に櫛歯が延びる櫛歯形状を有している。本実施形態では、回転床110は、車両の前部または後部のいずれかを出入口扉106に向けるように180度回転するように設定されている。回転床110は、回転時に上昇するように構成されている。昇降リフト120は、車両を載置可能な櫛歯状フレームを有し、該フレームは回転床110の未回転位置および回転済位置の両方で回転床110の櫛歯状フレームに対して昇降方向にすれ違い可能に形成されている。一例として、昇降リフト120は、左右一対に分割されたフレームからなり、外側フレームから内側へ櫛歯が延びている。本実施形態では、図4に示すように、昇降リフト120は、当初形態において、乗降領域101の回転床110と同じ高さに配置され、回転床110が回転駆動する場合に限り、回転床110との干渉を避けるべく収容部104に待避する。横行トレイ130は、電気自動車を載置可能な櫛歯状フレームを有し、該フレームは昇降リフト120の櫛歯状フレームに対して昇降方向にすれ違い可能に形成されている。一例として、横行トレイ130は、中央フレームから左右外方に櫛歯が延びる櫛歯形状を有する。横行トレイ130は、各駐車室103にそれぞれ格納されている。横行トレイ130は、駐車室103から昇降空間102に横行レールに沿って駆動されるが、該横行レールにリミットスイッチ(図示せず)を設けることにより、その位置をより正確に制御することができる。なお、搬送機構は、制御部の指令に基づいて、モータや滑車などの一般的な駆動機構によって駆動するが、ここでは駆動機構の説明を省略する。
【0027】
車両を所定の駐車室103に入庫する場合、車両で乗降領域101に乗り込み、回転床110上に車両が載置された状態で、回転の必要に応じて、昇降リフト120が収容部104に待避する(あるいは、昇降リフト120が予め収容部104に配置されてもよい)とともに回転床110が回転する。そして、昇降リフト120が上昇すると、回転床110および昇降リフト120の櫛歯状フレーム同士が互いにすれ違い、車両が回転床110から昇降リフト120へと移載される。車両を搭載した積載状態の昇降リフト120が所定の駐車室103の床面よりも上方に引き上げられ、横行トレイ130が昇降空間102内に横行して昇降リフト120の下方に配置される。そして、昇降リフト120が下降し、昇降リフト120および横行トレイ130の櫛歯状フレーム同士が互いにすれ違うことにより、昇降リフト120から横行トレイ130へと車両が移載される。移載後、車両を搭載した横行トレイ130が横行レールに沿って駐車室103に横行することにより、車両が駐車室103に収容される。
【0028】
他方、指定された車両を所定の駐車室103から出庫する場合、車両を搭載した横行トレイ130が駐車室103から昇降空間102に横行するとともに、空車状態の昇降リフト120が乗降領域101または収容部104から上昇する。そして、昇降リフト120および横行トレイ130の櫛歯状フレーム同士がすれ違うように昇降リフト120が上昇して横行トレイ130の上方で停止し、横行トレイ130から昇降リフト120に車両が移載される。次に、空の横行トレイ130が横行して元の駐車室103に収容される。続いて、積載状態の昇降リフト120が地上階まで下降して、車両が乗降領域101に配置され、昇降リフト120および回転床110の櫛歯状フレーム同士が互いに重なって、車両が昇降リフト120から回転床110に載置される。必要に応じて、回転床110が回転して車両が出庫可能な状態となる。なお、回転床110の回転が必要である場合、昇降リフト120が収容部104まで下降して回転床110に移載された上で、回転床110が回転する。
【0029】
図5を参照して、本実施形態の駐車装置100の回転床110について説明する。図5に示すように、回転床110は、第1位置から第2位置へと相互に回転して、搭載した車両の向きを変更可能に乗降領域101に設置されている。また、回転床110は、車両のタイヤを櫛歯1003上に載置した状態で回転可能な櫛歯状フレームとして構成されている。回転床110の初期位置において、一対の櫛歯の列の長手方向が出入口扉106を向いている。回転床110は、駐車時の車両の向きに合わせて180度回転するように制御される。つまり、回転床110は、第1位置(未回転位置)から第2位置(回転済位置)へと相互に回転して車両の方向を所定の角度に変更するものである。本実施形態では、回転床110が、第1位置および第2位置にあるときに回転床110の櫛歯の列と昇降リフト120の櫛歯列の向きが一致し、昇降リフト120が回転床110を通過可能となる。他方、回転床110の櫛歯の列と昇降リフト120の櫛歯の列とが交差すると、昇降リフト120が回転床110を通過することができない。回転床110の回転は、センサまたはリミットスイッチなどによって検知される。
【0030】
また、回転床110の横行方向両側の側縁部の前後2箇所(前後左右4隅)には、給電ボックス150(図9図10参照)を自立させた状態で回転床110上に保持するための回転床側保持体111が設置されている。図5(b)に示すように、回転床側保持体111は、給電ボックス150の底面を支持する回転床側支持片112と、給電ボックス150の一対のピン156,156の一方を内挿する回転床側受け孔113とを備える。回転床側支持片112は、横行方向の一端側の床材の端縁から他端側へと延在する長手片であり、給電ボックス150のピン156,156間の底壁を支持可能な長さで延在している。他方、回転床側受け孔113は横行方向の一端側の床部材に穿設されている。回転床側受け孔113から回転床側支持片112先端までの距離は、ピン156,156間の距離よりも短い。
【0031】
図6を参照して、本実施形態の駐車装置100の昇降リフト120について説明する。昇降リフト120は、車両のタイヤを櫛歯上に載置した状態で昇降可能な櫛歯状フレームとして構成されている。昇降リフト120の横行方向両側の側縁部の前後2箇所(前後左右4隅)には、給電ボックス150を自立させた状態で昇降リフト120上に保持するための昇降リフト側保持体121が設置されている。図6(b)に示すように、昇降リフト側保持体121は、給電ボックス150の底面を支持する昇降リフト側支持片122と、給電ボックス150の一対のピン156,156の他方を内挿する昇降リフト側受け孔123とを備える。昇降リフト側支持片122は、横行方向の他端側の床材の端縁から一端側へと延在するコ字片であり、給電ボックス150のピン156,156間の底壁を支持可能な長さで延在している。また、昇降リフト側支持片122は、回転床側支持片112と昇降方向にすれ違い可能な相補的形状を有している。他方、昇降リフト側受け孔123は横行方向の他端側の床部材に穿設されている。昇降リフト側受け孔123から昇降リフト側支持片122先端までの距離は、ピン156,156間の距離よりも短い。
【0032】
図7を参照して、本実施形態の駐車装置100の横行トレイ130および駐車室103について説明する。図7に示すように、駐車装置100は、各駐車室103に給電設備を提供する給電装置140を備える。
【0033】
横行トレイ130は、車両のタイヤを櫛歯上に載置した状態で横行可能な櫛歯状フレームとして構成されている。横行トレイ130は、駐車室103に格納され、電気自動車を給電端子141から充電可能な状態で駐車室103に載置する。横行トレイ130の側端部103a側の側縁部の前後2箇所には、給電ボックス150を自立させた状態で横行トレイ130上に保持するための横行トレイ側保持体131が設置されている。図7(b)に示すように、横行トレイ側保持体131は、給電ボックス150の底面を支持する横行トレイ側支持片132と、給電ボックス150の一対のピン156,156の一方を内挿する横行トレイ側受け孔133とを備える。横行トレイ側支持片132は、横行方向の一端側の床材の端縁から他端側へと延在する長手片であり、給電ボックス150のピン156,156間の底壁を支持可能な長さで延在している。また、横行トレイ側支持片132は、昇降リフト側支持片122と昇降方向にすれ違い可能な相補的形状を有している。さらに、横行トレイ側支持片132には、給電ボックス150の底面に形成された接続端子155に対して電気的に接続可能な給電部136が設けられている。他方、横行トレイ側受け孔133は横行方向の一端側の床部材に穿設されている。横行トレイ側受け孔133から横行トレイ側支持片132先端までの距離は、ピン156,156間の距離よりも短い。
【0034】
さらに、横行トレイ130には、当該横行トレイ130が対応する駐車室103に格納されたときに給電端子141に電気的に接触する受電端子134が設けられている。受電端子134は、側端部側の側縁部の前後2箇所に形成され、給電端子141の位置に対応している。受電端子134は、横行トレイ側保持体131に近接配置されることが好ましい。また、受電端子134は、横行トレイ130の内部において給電部136に電気的に接続されている。すなわち、横行トレイ側保持体131は、給電ボックス150を横行トレイ側支持片132上に保持したときに、受電端子134を給電ボックス150の接続端子155に電気的に接続するように構成されている。これにより、横行トレイ130が駐車室103に格納されたときに、給電端子141は、受電端子134および給電部136を介して給電ボックス150に電力を供給することが可能である。
【0035】
図8は、横行トレイ130の受電端子134と給電装置140の給電端子141との関係をより詳細に示している。図8(a)に示すように、横行トレイ130が駐車室103の所定位置に格納された状態では、受電端子134が給電端子141に接触し、両者が電気的に接続されている。他方、図8(b)に示すように、横行トレイ130が駐車室103から昇降空間102に横行すると、受電端子134が給電端子141から離隔し、両者の電気的接続が切断される。
【0036】
続いて、図9および図10を参照して、本実施形態の給電ボックス150について説明する。図9(a)~(c)は、給電ボックス150の正面図、背面図および底面図である。図10は、給電ボックス150の内部構造を示す正面図である。
【0037】
図9および図10に示すとおり、給電ボックス150は、自立可能な形状を有する筐体151、先端が筐体外部に任意の長さで引き出されるように筐体内部に少なくとも部分的に収容されたケーブル152、該ケーブル152の先端に取着され、電気自動車の充電口に接続される充電用コネクタ153、および、筐体内部でケーブル152に電気的に接続されているとともに、筐体外部に露出し、給電装置140の給電端子141に電気的に接続可能である接続端子155を備える。給電ボックス150は、ユーザーの電気自動車のトランクに携帯可能な大きさで構成されている。当該駐車装置100の駐車システムにおいて、給電ボックス150は、ユーザー間で共通で使用されるものでなく、各ユーザーによって個別に保管されることが好ましい。この場合、ケーブル152は、車両ごとに定められた専用ケーブルである。
【0038】
筐体151は、矩形状のボックスからなり、前面に開閉可能な扉151a、および、該扉151aを開閉するためのハンドル151bを有する。ユーザーは、ハンドル151bを把持して扉151aを開くことにより筐体内部にアクセスすることが可能である。筐体151は、平面視(上面および底面)において長手状に延在し、長さ方向および幅方向を有する。筐体151の長さ方向は、設置時に横行方向に合致する。筐体151底面は、回転床110、昇降リフト120および横行トレイ130上で自立可能であるように、各支持片112,122,132上に載置および支持可能な寸法形状を有している。また、筐体151の底面には、一対のピン156,156が突出形成されている。一対のピン156,156は、長さ方向に互いに離隔して配列し、底面の長さ方向両端側に位置されている。各ピン156は、テーパー状の先端部を有し、先端が尖っている。ピン156は、各受け孔113,123,133に挿通可能な形状を有している。すなわち、給電ボックス150は、一方のピン156が受け孔113,123,133に挿通された状態で底面が支持片112,122,132上に配置されることによって、各保持体111,121,131に保持される。さらに、筐体151の底面には、長さ方向における一対のピン156,156の間で底面から突出し、該底面の幅方向に配列する一対の突片157,157が設けられている。一対の突片157,157は、給電ボックス150が各保持体111,121,131に保持された状態で、支持片112,122,132の側端面に当接可能に構成されている。つまり、一対の突片157,157は、給電ボックス150のピン156を中心とする幅方向への回動を規制するように機能する。さらに、筐体151底面の一対のピン156の間には、外部に露出する接続端子155が設けられている。
【0039】
ケーブル152は、筐体内部で巻かれることによって保持されている。ケーブル152は、筐体151の上壁近傍の側面に形成された挿通孔を介して外部に引き出されている。この挿通孔は、ケーブル152の通過を許容するが、充電コネクタ153の通過を許容しない大きさを有する。ケーブル152の先端には、充電コネクタ153が形成され、基端にはプラグ154aが形成されている。プラグ154aは、筐体151内部のコンセント154bに接続されている。コンセント154bは、筐体内部において接続端子155に電気的に接続されるように配線される。このケーブル152は、一般的に電気自動車の種類に応じてユーザーによって準備され得る。
【0040】
次に、給電ボックス150とともに電気自動車を指定先の駐車室103に搬送する搬送機構の機械的な動作について説明する。図11は、電気自動車を停車領域1001に停車し、給電ボックス150を給電器設置領域1002に設置した乗降領域101全体の状態を示している。図12は、その電気自動車の充電口付近の部分拡大図である。図11および図12に示すように、電気自動車が停車領域1001に停車し、給電ボックス150が車両前方に選択された給電器設置領域1002に設置され、そして、給電ボックス150の充電コネクタ153が電気自動車に接続されている。
【0041】
図13は、給電ボックス150が回転床側保持体111に保持された形態を模式的に示している。図13に示すように、給電ボックス150の一方のピン156が、回転床側受け孔113に挿入され、筐体151の底面が回転床側支持片112によって支持される。他方のピン156は、回転床側支持片112先端側の空き空間に配置される。一方のピン156が、回転床側受け孔113に形成されたリミットスイッチ115に当接することで、回転床側保持体111による給電ボックス150の保持が検出される。制御部は、リミットスイッチ115からの信号に基づいて、4箇所に設置されたいずれの回転床側保持体111が給電ボックス150を保持しているかを決定することができる。なお、本実施形態では、図13に示すように、昇降リフト120の床面が、回転床110の床面と同じ高さに配置されているため、給電ボックス150は、回転床側保持体111とともに昇降リフト側保持体121に保持されている。具体的には、給電ボックス150の他方のピン156が、昇降リフト側受け孔123に挿入され、筐体151の底面が昇降リフト側支持片122によって支持される。しかしながら、昇降リフト120が収容部104に待避した場合には、給電ボックス150が回転床保持体111のみに保持される。
【0042】
また、乗降領域101には、光学センサとして2対の光電センサ116が設置され、乗降領域101に給電ボックス150が存在するか否かが検知される。光電センサ116は、受光器および投光器からなり、その間の仮想線上に給電ボックス150が配置されたことにより、光量の変化を検知し、給電ボックス150の有無を検出する。
【0043】
制御部は、リミットスイッチ115(および/または光電センサ116)の信号によって特定された保持位置および指定先の駐車室103の給電装置140の位置に基づいて回転床110の回転が必要か否を判定し、必要に応じて、昇降リフト120を収容部104に待避させて回転床110を180度回転させるように動作させる。
【0044】
次に、回転床110とすれ違うように昇降リフト120が上昇し、回転床110から昇降リフト120へと電気自動車および給電ボックス150が完全に移載される。図14に示すように、当初、長手片状の回転床側支持片112およびコ字形状の昇降リフト側支持片122の両方に載置された給電ボックス150は、回転床側支持片112に対して相対的に上昇した昇降リフト側支持片122に受け渡される。昇降リフト120の上昇に伴い、他方のピン156が昇降リフト側受け孔123に挿入したまま、一方のピン156が回転床側受け孔113から離脱する。その結果、給電ボックス150は、底面がコ字状の昇降リフト側支持片122のみに支持されるとともに他方のピン156が昇降リフト側受け孔123に挿入された状態で、昇降リフト側保持体121のみに保持される。このとき、昇降リフト側受け孔123にリミットスイッチ(図示せず)が同様に配置されてもよい。制御部は、リミットスイッチからの信号によって給電ボックス150が正常に受け渡されたかを判定することができる。そして、昇降リフト120は、指定先の駐車室103がある階層まで上昇する。
【0045】
次いで、昇降リフト120が所定の高さで停止した後、指定先の駐車室103の横行トレイ130が昇降空間102に横行し、昇降リフト120の直下で停止する。次いで、昇降リフト120が下降し、横行トレイ130とすれ違うことによって、電気自動車および給電ボックス150が昇降リフト120から横行トレイ130へと移載される。コ字状の昇降リフト側支持片122に載置された給電ボックス150は、横行トレイ側支持片132に対してすれ違うように下降した昇降リフト側支持片122から横行トレイ側支持片132に受け渡される。昇降リフト120および横行トレイ130が同じ高さに相対移動したとき、給電ボックス150は昇降リフト側保持体12および横行トレイ側保持体13の両方に保持される。そして、さらなる昇降リフト120の下降に伴い、一方のピン156が横行トレイ側受け孔133に挿入したまま、他方のピン156が昇降リフト側受け孔123から離脱する。その結果、給電ボックス150は、底面が長手片状の横行トレイ側支持片132のみに支持されるとともに一方のピン156が横行トレイ側受け孔133に挿入された状態で、横行トレイ側保持体131のみに保持される。このとき、横行トレイ側受け孔133にリミットスイッチ(図示せず)が同様に配置されてもよい。制御部は、リミットスイッチからの信号によって給電ボックス150が正常に受け渡されたかを判定することができる。そして、横行トレイ130は、指定駐車室103へと横行し、指定駐車室103に格納される。駐車室103に格納された横行トレイ130は、給電装置140の給電端子141から給電可能な状態(図8参照)となり、且つ、給電ボックス150を給電端子141に対して電気接続して保持する。すなわち、電気自動車は、給電端子141から給電ボックス150を介して充電可能な状態で駐車室103に収容される。
【0046】
出庫工程は、入庫工程とは反対の工程を踏むようにして、横行トレイ130から昇降リフト120へと電気自動車および給電ボックス150を受け渡し、昇降リフト120から回転床110へと電気自動車および給電ボックス150を受け渡すことによって、電気自動車および給電ボックス150を出庫可能な状態で乗降領域101へと搬送することができる。
【0047】
続いて、上記駐車装置100の構成を踏まえて、図4図15図16を参照して、本実施形態の停車支援装置1000の構成を説明する。図15は、乗降領域101のA-A断面図である。図16は、乗降領域101のセンサ群1010を示す、その部分拡大図である。なお、説明の便宜上、図15では昇降リフトの描写を省略した。
【0048】
停車支援装置1000は、図4に示すように、車両が停車するための規定の停車領域1001と、該停車領域1001の前側および後側に給電ボックス150を設置するための前後の給電器設置領域1002とを乗降領域101に備え、駐車装置100の制御部によって制御される。停車領域1001は、車両サイズの多様性を踏まえて、車両の安全な搬送を担保するように事前に定められた領域である。具体的には、停車領域1001は、車体前端検出センサ1004および車体後端検出センサ1005の検出範囲(光軸)の間で前後方向に延在する領域である。前後2箇所の給電器設置領域1002は、車体前端検出センサ1004および車体後端検出センサ1005の前後方向内側に位置し、停車領域1001の前端部分および後端部分にそれぞれ重複するように定められた領域である。しかしながら、給電器設置領域1002は、停車領域1001の外側(つまり、車体前端検出センサ1004および車体後端検出センサ1005の前後方向外側)に定められてもよい。また、停車支援装置1000は、車両の停車領域1001の前後端を区画する車体前端検出センサ1004および車体後端検出センサ1005を備えている。さらに、停車支援装置1000は、車両が停車領域1001に停車するときに、タイヤを検出可能であるタイヤ検出領域を定めるセンサ群1010と、タイヤ検出領域に車両のタイヤが進入したときにセンサ群1010からの情報に基づいてユーザーに車両の停止位置を通知する通知手段とを備える。なお、通知手段は、乗降領域101内に設置され、ユーザーに視覚的に指示を通知するモニタ108に加えて、または、これに代えて、音声によってユーザーに指示を通知するスピーカであってもよい。
【0049】
図15および図16に示すように、センサ群1010は、4箇所のタイヤ載置部位のうちの前方片側のタイヤ載置部位にタイヤ検出領域を定めるように設置されている。タイヤ載置部位の複数の櫛歯1003は、列を構成する他の櫛歯1003よりも相対的に下方に位置し、タイヤを位置決めし易くなっている。また、タイヤ載置部位において、昇降リフト120の櫛歯が相対的に下方に位置することから、回転床110の櫛歯1003がタイヤを優先的に受けるように構成されている。センサ群1010は、前後方向にそれぞれ異なる検出域を有する4つのセンサとして、最も後方の検出域を有する後端センサ1011、最も前方の検出域を有する前端センサ1012、および、これらの間に位置する後部中間センサ1013、前部中間センサ1014とから構成される。
【0050】
各センサ1011~1014は、タイヤがその上に載ることによって反応する圧力センサからなり、それぞれ隣接する櫛歯1003に順に配置されている。ここで、タイヤは、隣接する2つの櫛歯1003によって支持されるので、最大で2つのセンサが同時に反応し、3つ以上のセンサが同時に反応することはない。制御部は、センサ群1010のうちの隣接する2つのセンサが同時にタイヤを検出したときに、車両が停車領域1001に位置することを決定し、通知手段を介して、車両の停止指示をユーザーに通知することによって、ユーザーの停車領域1001への停車を支援する。
【0051】
図17(a)~(e)は、タイヤがセンサ群1010のタイヤ検出領域の各位置に検出される形態を示している。図17(a)に示すように、制御部は、後端センサ1011のみがタイヤを検出したときに車両が停車領域1001に到達していないことを決定する。図17(b)に示すように、後端センサ1011およびこれに隣接する後部中間センサ1013が同時にタイヤを検出したときに車両が停車領域1001の後側領域に位置することを決定する。図17(c)に示すように、後部中間センサ1013および前部中間センサ1014が同時にタイヤを検出したときに車両が停車領域1001の中間領域に位置することを決定する。図17(d)に示すように、前端センサ1012およびこれに隣接する前部中間センサ1014が同時にタイヤを検出したときに車両が停車領域1001の前側領域に位置することを決定する。そして、図17(e)に示すように、制御部は、前端センサ1012のみがタイヤを検出したときに車両が停車領域1001から超過したことを決定する。
【0052】
図18は、車体前端検出センサ1004が車両の車体前端(前方バンパー)を検出し、且つ、少なくとも後端センサ1011が反応した形態を示している。このように、車体前端検出センサ1004が反応した場合、たとえ後端センサ1011および後部中間センサ1013の2つが反応したとしても、車両の車体前端が停車領域1001から前方にはみ出してしまうことから、車両のフロントオーバーハングのサイズが規格外である。そして、制御部は車両を停車することが不可能であると決定する。このような場合、車両が駐車車両に物理的に適合しないとして、通知手段を介してユーザーに停車の中止(フロントオーバーハングエラー)が通知され、ユーザーに出庫が要求される。
【0053】
図19は、車体後端検出センサ1005が車両の車体後端(後方バンパー)を検出し、且つ、少なくとも前端センサ1012が反応した形態を示している。このように、車体後端検出センサ1005が反応した場合、たとえ前端センサ1012および前部中間センサ1014の2つが反応したとしても、車両の車体後端が停車領域1001から後方にはみ出してしまうことから、車両のリアオーバーハングのサイズが規格外である。そして、制御部は、車両を停車することが不可能であると決定する。このような場合、車両が駐車車両に物理的に適合しないとして、通知手段を介してユーザーに停車の中止(リアオーバーハングエラー)が通知され、ユーザーに出庫が要求される。
【0054】
次に、図20のフローチャートに基づいて、車両の停車を支援する基本的な工程について説明する。この工程は、車両が電気自動車であるか否かによらず停車支援装置1000によって実行される。まず、ユーザーが操作盤107を操作して出入口扉106を開放し、乗降領域101への乗り入れを開始したら、停車支援装置1000はユーザーの停車支援を開始する。停車支援装置1000(または制御部)は、通知手段を介して車両の前進指示を発行する。指示に従って車両が前進すると、車体後端検出センサ1005が車体前端を検出するが、前進指示が維持される。さらに指示に従って車両が前進すると、後端センサ1011の1つのみがタイヤを検出するが、前進指示が維持される。このとき、制御部によって、後端センサ1011のタイヤの検出と同時に車体前端検出センサ1004が車体を検出しているか否かが判断される。図18に示すように、後端センサ1011および車体前端検出センサ1004が同時に反応する場合、制御部は停車中止指示(フロントオーバーハングエラー)を発行し、通知手段がユーザーに停車を中止して出庫するように通知する。
【0055】
車体前端検出センサ1004が反応しない場合、前進指示が維持される。車両の前進によって、センサ群1010の2つのセンサが同時に反応したが、車体後端検出センサ1005による車体検出が解除されず、最終的に、図19に示すように、車体後端検出センサ1005および前端センサ1012が同時に反応する場合、制御部は停車中止指示(リアオーバーハングエラー)を発行し、通知手段がユーザーに停車を中止して出庫するように通知する。センサ群1010の2つのセンサが同時に反応し(図17(b),(c),(d)参照)、且つ、車体前端検出センサ1004および車体後端検出センサ1005が車体を検出しない場合、制御部が車両の停止指示を発行し、そして、通知手段がユーザーに車両を停止することを通知する。ユーザーによる車両の停止を確認した後、停車支援を完了する。
【0056】
停車指示にかかわらず、ユーザーが停車せずに車両を前進させ、前端センサ1012の1つのみがタイヤを検出し、または、車体前端検出センサ1004が車体を検出した場合、制御部は車両の後退指示を発行し、通知手段は車両を後退するように指示する。車両の後退によって、再度、センサ群1010の2つのセンサが同時に反応し(図17(b),(c),(d)参照)、且つ、車体前端検出センサ1004および車体後端検出センサ1005が車体を検出しない場合、制御部が車両の停止指示を発行し、通知手段がユーザーに車両を停止することを通知する。
【0057】
駐車する車両が電気自動車であり、且つ、充電が必要である場合に限り、停車支援装置1000は、車両の停車領域1001をさらに前後に区分けし、車両を停車領域1001の前側領域または後側領域に停車させる。
【0058】
電気自動車の充電口が車体前部にある場合、停車領域1001前側の給電器設置領域1002に給電ボックス150を車体前部に干渉させずに設置可能または設置容易とすべく、停車支援装置1000は、車両をより後寄りに停車するようにユーザーに指示する。より具体的な工程は、図21のフローチャートに示されている。フローチャートにおいて、説明の便宜上、フロント/リアオーバーハングエラーの検出工程は省略されている。まず、ユーザーが、操作盤107においてEV(電気自動車)入庫ボタンを押し、電気自動車の充電口が車体前部にある場合、制御部は、給電ボックス150の設置位置を車両の前方に決定する。なお、充電口の位置は、ユーザーの入力によって判定されてもよく、あるいは、事前に登録されたユーザー情報や車種情報に基づいて判定されてもよい。停車支援装置1000は、車両の停車支援を開始し、車両の前進指示を発行し、通知手段を介してユーザーに車両の前進を通知する。指示に従って車両が前進すると、車体後端検出センサ1005が車体前端を検出するが、前進指示が維持される。さらに指示に従って車両が前進すると、後端センサ1011の1つのみがタイヤを検出するが、前進指示が維持される。さらに指示に従って車両が前進し、後端センサ1011および後部中間センサ1013がタイヤを検出したときに、制御部は、車両の停止指示を発行し、通知手段はユーザーに車両を停止することを通知する。ユーザーによる車両の停止を確認した後、停車支援を完了する。停車指示にかかわらず、ユーザーが停車せずに車両を前進させた場合、前部中間センサ1014がタイヤを検出したとき、制御部は車両の後退指示を発行し、通知手段は車両を後退するように指示する。後端センサ1011および後部中間センサ1013が同時に反応するまで、後退指示は維持される。
【0059】
電気自動車の充電口が車体後部にある場合、停車領域1001後方の給電器設置領域1002に給電ボックス150を車体後部に干渉させずに設置可能または設置容易とすべく、停車支援装置1000は、車両をより前寄りに停車するようにユーザーに指示する。より具体的な工程は、図22のフローチャートに示されている。フローチャートにおいて、説明の便宜上、フロント/リアオーバーハングエラーの検出工程は省略されている。まず、ユーザーが、操作盤107においてEV(電気自動車)入庫ボタンを押し、電気自動車の充電口が車体後部にある場合、制御部は、給電ボックス150の設置位置を車両の後方に決定する。なお、充電口の位置は、ユーザーの入力によって判定されてもよく、あるいは、事前に登録されたユーザー情報や車種情報に基づいて判定されてもよい。停車支援装置1000は、車両の停車支援を開始し、車両の前進指示を発行し、通知手段を介してユーザーに車両の前進を通知する。指示に従って車両が前進すると、車体後端検出センサ1005が車体前端を検出するが、前進指示が維持される。さらに指示に従って車両が前進すると、後端センサ1011の1つのみがタイヤを検出するが、前進指示が維持される。さらに指示に従って車両が前進すると、後部中間センサ1013および前部中間センサ1014がタイヤを検出するが、前進指示が維持される。さらに指示に従って車両が前進し、前部中間センサ1014および前端センサ1012がタイヤを検出したときに、制御部は、車両の停止指示を発行し、通知手段はユーザーに車両を停止することを通知する。ユーザーによる車両の停止を確認した後、停車支援を完了する。停車指示にかかわらず、ユーザーが停車せずに車両を前進させた場合、前端センサ1012の1つのみがタイヤを検出したとき、制御部は車両の後退指示を発行し、通知手段は車両を後退するように指示する。前部中間センサ1014および前端センサ1012が同時に反応するまで、後退指示は維持される。
【0060】
また、本実施形態の停車支援装置1000は、ユーザーが車両の運転して乗降領域101に停車させた後、ユーザーの停車位置を指示するように制御されてもよい。すなわち、制御部は、車両の停止後、車体前端検出センサ1004または車体後端検出センサ1005のいずれか一方が反応しているかを判定し、車両のはみ出しを判断する。車体前端検出センサ1004または車体後端検出センサ1005のいずれか一方が反応している場合、通知手段を介して、ユーザーに後退または前進を案内する。車体前端検出センサ1004および車体後端検出センサ1005の両方が反応しない場合、後端センサ1011だけ、または、前端センサ1012だけが反応しているか否かを判定する。後端センサ1011だけが反応している場合、通知手段を介して、ユーザーに前進を案内する。他方、前端センサ1012だけが反応している場合、通知手段を介して、ユーザーに後退を案内する。そして、センサ群1010のうちの2つのセンサが反応している場合、通知手段を介して、ユーザーに車両が規定の停車領域に停車されたことを通知する。
【0061】
本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の実施形態や変形例を取り得る。以下、本発明の別実施形態を説明する。
【0062】
[変形例]
(1)上記実施形態の駐車装置は、電気自動車を充填可能に駐車する機械式立体駐車場であるが、電気自動車に非対応であってもよい。この場合、乗降領域には、給電器設置領域は設定されず、図21および図22で示したフローチャートの工程は省略される。さらには、本発明の停車支援装置は、パレット式駐車装置や平面式駐車装置に導入されてもよく、同様に、ユーザーに停車の支援を実行することが可能である。
【0063】
(2)上記実施形態では、給電中継器は、給電ボックス、すなわち筐体状の給電中継器でなくてもよい。例えば、給電中継器は、スタンド状であってもよい。あるいは、駐車装置から給電中継器および保持体が省略されてもよい。
【0064】
(3)本発明は、横行トレイ側保持体に給電ボックスが保持された状態で横行トレイが対応する駐車室に格納されたときに、給電ボックスの接続端子が給電端子に電気的に接触するように構成されてもよい。この場合、給電ボックスの接続端子が、横行トレイを介することなく、駐車室において横行トレイ側保持体に保持された状態で駐車室の給電端子に電気的に接触(接触式、非接触式を含む)するように、その配置関係が設計される。例えば、一例として、接続端子は、給電ボックスの底面でなく、駐車室の側端部側を向く筐体側面に露出して配置され、尚且つ、横行トレイ側保持体に保持された状態で駐車室の給電端子に対向配置される。
【0065】
(4)上記実施形態の駐車装置は、複数の階層を有し、同階層に2以上の駐車室が設置された駐車塔であるが、本発明は、例えば、回転床が省略されて駐車室が一方にしかない構成の駐車場においても同様に適用され得る。
【0066】
(5)上記実施形態の駐車装置では、収容部に昇降リフトが待避して回転床が回転可能となるが、本発明は当該構成に限定されない。すなわち、本発明の駐車装置では、収容部が省略されてもよい。この場合、昇降リフトが乗降領域の床面に初期配置され、(昇降リフトが収容部に待避する代わりに)回転床が昇降リフトの上方に持ち上げられ、回転床が昇降リフトに干渉しないように回転可能となる。この変形例では、収容部を設けることを省略でき、櫛歯のすぐ下に床面が位置するので、車椅子利用者にも対応している。
【0067】
(6)上記実施形態の停車支援装置は、4つのセンサからなるセンサ群を備えるが、本発明は当該構成に限定されない。すなわち、センサ群は、後端センサ、中間センサおよび前端センサから構成された3つのセンサから構成されてもよい。この場合であっても、停車領域において前側領域および後側領域の2つの領域で車両の停止位置を検出可能であることから、上記実施形態と同様に、停車支援装置は、給電器の設置の有無等に応じて、車両を前側または後側に寄せて停車させるようにユーザーに指示することができる。また、センサ群は、必要に応じて5以上のセンサから構成されてよく、停車領域内においてより細かく停車位置の位置決めすることが可能となる。さらには、本発明のセンサ群は、1箇所のみならず、車両の両側の前輪および後輪の4つのタイヤに対応する位置の4箇所にそれぞれ設けられてよい。
【0068】
(7)上記実施形態の停車支援装置では、センサ群のセンサは圧力センサからなるが、各センサは光学センサであってもよい。
【0069】
本発明は上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限りにおいて種々の態様で実施しうるものである。すなわち、本発明の技術的範囲の下で、本実施形態の一部の構成が省略または修正されてもよく、あるいは、他の構成が追加されてもよい。
【符号の説明】
【0070】
100 駐車装置
101 乗降領域
102 昇降空間
103 駐車室
104 収容部
106 出入口扉
107 操作盤
108 モニタ
109 案内鏡
110 回転床
111 回転床側保持体
112 回転床側支持片
113 回転床側受け孔
115 リミットスイッチ
116 光電センサ
120 昇降リフト
121 昇降リフト側保持体
122 昇降リフト側支持片
123 昇降リフト側受け孔
130 横行トレイ
131 横行トレイ側保持体
132 横行トレイ側支持片
133 横行トレイ側受け孔
134 受電端子
136 給電部
140 給電装置
141 給電端子
150 給電ボックス(給電器)
151 筐体
151a 扉
151b ハンドル
151c ケーブルフック
152 ケーブル
153 充電コネクタ
154a プラグ
154b コンセント
155 接続端子
156 ピン
157 突片
1000 停車支援装置
1001 停車領域
1002 給電器設置領域
1003 櫛歯
1004 車体前端検出センサ
1005 車体後端検出センサ
1010 センサ群
1011 後端センサ
1012 前端センサ
1013 後部中間センサ
1014 前部中間センサ
図1
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