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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-06
(45)【発行日】2023-06-14
(54)【発明の名称】オブジェクト付与システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20230607BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20230607BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/79
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020157521
(22)【出願日】2020-09-18
(62)【分割の表示】P 2018043576の分割
【原出願日】2012-12-07
(65)【公開番号】P2021000494
(43)【公開日】2021-01-07
【審査請求日】2020-09-18
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】308033283
【氏名又は名称】株式会社スクウェア・エニックス
(74)【代理人】
【識別番号】110001782
【氏名又は名称】弁理士法人ライトハウス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 卓哉
(72)【発明者】
【氏名】大屋 正明
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特許第5036896(JP,B1)
【文献】特開2012-210398(JP,A)
【文献】特開2010-240222(JP,A)
【文献】特開2008-183310(JP,A)
【文献】特開2001-340656(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24,13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームのプレイが可能な端末と、該端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備え、該端末を操作するプレイヤがゲーム内で利用可能なオブジェクトを付与するためのオブジェクト付与システムであって、
プレイヤの所有する、ゲーム内で使用可能なポイントを記憶するポイント記憶手段と、
複数の候補オブジェクトの中から抽選を行うことで、プレイヤによる選択及び該プレイヤへの付与の対象となるオブジェクトを決定するオブジェクト決定手段と、
ポイント記憶手段に記憶されたポイントを減算したことに応じて、オブジェクト決定手段により決定されたオブジェクトのうち、プレイヤに選択されたオブジェクト、該プレイヤに付与するオブジェクト付与手段と
を備え、
オブジェクト決定手段が、所定の時間が経過する毎に、プレイヤの前記ゲームの進行状況によって異なる確率で抽選を行い、プレイヤによる選択及び該プレイヤへの付与の対象となるオブジェクトを決定する、オブジェクト付与システム。
【請求項2】
プレイヤのゲームの進行状況が、プレイヤのレベルである、請求項1に記載のオブジェクト付与システム。
【請求項3】
オブジェクトには、希少度を表すランクが設定されており、
プレイヤのレベルが高くなるにつれて、希少度の高いランクのオブジェクトが決定される確率が高くなる、請求項2に記載のオブジェクト付与システム。
【請求項4】
ゲームのプレイが可能な端末と、該端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備え、該端末を操作するプレイヤがゲーム内で利用可能なオブジェクトを付与するためのオブジェクト付与システムにおいて実行されるオブジェクト付与方法であって、
プレイヤの所有する、ゲーム内で使用可能なポイントを記憶するポイント記憶ステップと、
複数の候補オブジェクトの中から抽選を行うことで、プレイヤによる選択及び該プレイヤへの付与の対象となるオブジェクトを決定するオブジェクト決定ステップと、
ポイント記憶ステップにおいて記憶されたポイントを減算したことに応じて、オブジェクト決定ステップにより決定されたオブジェクトのうち、プレイヤに選択されたオブジェクト、該プレイヤに付与するオブジェクト付与ステップと
を有し、
オブジェクト決定ステップが、所定の時間が経過する毎に、プレイヤの前記ゲームの進行状況によって異なる確率で抽選を行い、プレイヤによる選択及び該プレイヤへの付与の対象となるオブジェクトを決定する、オブジェクト付与方法。
【請求項5】
ゲームのプレイが可能な端末と通信接続が可能であり、端末を操作するプレイヤに、ゲーム内で利用可能なオブジェクトを付与するためのオブジェクト付与装置であって、
プレイヤの所有する、ゲーム内で使用可能なポイントを記憶するポイント記憶手段と、
複数の候補オブジェクトの中から抽選を行うことで、プレイヤによる選択及び該プレイヤへの付与の対象となるオブジェクトを決定するオブジェクト決定手段と、
ポイント記憶手段に記憶されたポイントを減算したことに応じて、オブジェクト決定手段により決定されたオブジェクトのうち、プレイヤに選択されたオブジェクト、該プレイヤに付与するオブジェクト付与手段と
を備え、
オブジェクト決定手段が、所定の時間が経過する毎に、プレイヤの前記ゲームの進行状況によって異なる確率で抽選を行い、プレイヤによる選択及び該プレイヤへの付与の対象となるオブジェクトを決定する、オブジェクト付与装置。
【請求項6】
ゲームのプレイが可能な端末と通信接続が可能であり、端末を操作するプレイヤに、ゲーム内で利用可能なオブジェクトを付与するためのコンピュータ装置において実行されるオブジェクト付与プログラムであって、
コンピュータ装置を、
プレイヤの所有する、ゲーム内で使用可能なポイントを記憶するポイント記憶手段と、
複数の候補オブジェクトの中から抽選を行うことで、プレイヤによる選択及び該プレイヤへの付与の対象となるオブジェクトを決定するオブジェクト決定手段と、
ポイント記憶手段に記憶されたポイントを減算したことに応じて、オブジェクト決定手段により決定されたオブジェクトのうち、プレイヤに選択されたオブジェクト、該プレイヤに付与するオブジェクト付与手段
として機能させ、
オブジェクト決定手段が、所定の時間が経過する毎に、プレイヤの前記ゲームの進行状況によって異なる確率で抽選を行い、プレイヤによる選択及び該プレイヤへの付与の対象となるオブジェクトを決定する、オブジェクト付与プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークゲームにおいて、プレイヤがゲーム内で利用できるアイテムを購入するためのオブジェクト交換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やスマートフォンなどの携帯型端末や、据え置き型のゲーム端末を用いてサーバにアクセスしてゲームを進める、いわゆるネットワークゲームが楽しまれている。従来は、これらのネットワークゲームを利用するために、定期的にその利用料の支払いを求めるといった方法がとられていたが、近年、ネットワークゲームの利用料そのものは無料とし、ゲーム内で利用できるアイテムやキャラクタを購入することで課金をしたり(例えば、特許文献1、特許文献2参照)、或いは、ゲームを有利に進めることができる特殊な機能を利用することで課金をするといった方法がとられるようになってきている。
【0003】
さらには、ゲーム内で利用できるアイテムやキャラクタを購入する際に、あらかじめ課金を行い、複数のアイテムやキャラクタの中から抽選を行うことで、プレイヤが取得できるアイテムやキャラクタが決定されるようなシステムも、多くのネットワークゲームで導入されるようになっている(例えば、特許文献3参照)。アイテムやキャラクタを取得するのに抽選を採用することで趣向性を向上させることができるが、射幸性が高くなるという問題がある。例えば、プレイヤが特定のアイテムやキャラクタを取得したいと希望しても、それらのアイテム等を自ら選択して購入することができないため、希望するアイテム等が取得できるまで、繰り返し抽選を行う必要がある。その結果、プレイヤの希望するアイテム等を取得するための課金額が高くなってしまう場合がある。
【0004】
また、希望するアイテム等が取得できるかできないかが分からないため、アイテム等の有料での購入をすることなくゲームを進めるプレイヤが大多数となり、アイテム等を有料で取得しようとするプレイヤは、プレイヤ全体のごく一部となる傾向にある。結果として、プレイヤの大多数は、抽選により取得できる特殊なアイテム等を利用することで得られるゲーム進行上の有効性や利便性を体験することなく、ゲームを進めているというのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001-327760号公報
【文献】特開2001-340656号公報
【文献】特開2010-240222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、ゲーム内で利用できるアイテムやキャラクタを購入する際に、抽選で何が得られるのか分からないといった楽しみを残すことで趣向性を維持しつつ、課金を行っても希望するアイテム等を取得できない、または、希望するアイテム等を取得するための課金額が大きくなる、といった問題を解消することができるオブジェクト交換システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ゲームのプレイが可能な端末と、該端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備え、該端末を操作するプレイヤがゲーム内で利用可能なオブジェクトを交換するためのオブジェクト交換システムであって、サーバ装置が、プレイヤの所有するポイントを記憶するポイント記憶手段と、複数の候補オブジェクトの中から抽選を行い、交換の対象となるオブジェクトを決定するオブジェクト決定手段と、オブジェクト決定手段により決定されたオブジェクトに関するオブジェクト情報を端末に送信するオブジェクト情報送信手段とを備え、端末が、サーバ装置からオブジェクト情報を受信するオブジェクト情報受信手段と、オブジェクト情報受信手段により受信したオブジェクト情報に対応する画像を表示画面に表示するオブジェクト情報表示手段と、オブジェクト情報表示手段により表示画面に表示された画像に対応するオブジェクトの交換要求をサーバ装置に送信する交換要求送信手段とを備え、サーバ装置が、さらに、端末からオブジェクトの交換要求を受信する交換要求受信手段と、交換要求受信手段により交換要求を受信すると、ポイント記憶手段に記憶されたポイントを減算し、交換要求受信手段により受信した交換要求に対応するオブジェクトをプレイヤに付与するオブジェクト付与手段とを備えることを特徴とするオブジェクト交換システムに関する。
【0008】
本発明によれば、アイテムやキャラクタといったオブジェクトを交換する(購入する)前に抽選が行われるため、プレイヤはその抽選の結果を確認してからオブジェクトを購入するかどうかを選択することができる。したがって、プレイヤが特定のオブジェクトを取得したいと希望する場合に、そのオブジェクトが取得できるかどうか分からないのに課金をするといったことがなくなるため、抽選を行うことによる趣向性を維持しつつ、希望するオブジェクトを取得するための課金額が高くなりすぎるということも起こらなくなる。
【0009】
また、従来のシステムであれば、希望するオブジェクトが取得できるかできないかが分からないため、オブジェクトの有料での購入をすることなくゲームを進めていたプレイヤであっても、本発明のシステムであれば、事前に購入できるオブジェクトを確認できるため、抽選の結果、プレイヤが取得を希望するオブジェクトが購入可能となっていれば、有料でのオブジェクトの取得を希望するようになる。結果として、より多くのプレイヤに、抽選により取得できる特殊なオブジェクトを利用することで得られる、ゲーム進行上の有効性や利便性を体験してもらい、よりゲームを深く楽しんでもらうことができるようになる。
【0010】
なお、本発明は、現実社会で流通している通貨をもとに購入して得られる仮想通貨と、ゲームを進行することでのみ得られる仮想通貨のいずれの仮想通貨でオブジェクトを購入する場合にも、適用することが可能である。ゲームを進行することでのみ得られる仮想通貨でオブジェクトを購入する場合であっても、抽選の結果、事前に購入できるオブジェクトを確認できるため、安心してオブジェクトを購入することが可能となる。
【0011】
本発明では、オブジェクト決定手段は、交換の対象となるオブジェクトを決定した後に、所定の条件を満たすことで、再度、候補オブジェクトの中から抽選を行い、新たな交換の対象となるオブジェクトを決定することが好ましい。
【0012】
プレイヤが購入をしたいと考えるオブジェクトが抽選の結果として、選ばれないこともあるため、所定の条件を満たすことで再度、抽選が可能となる。何度も、抽選のチャンスが与えられることで、自らの希望するオブジェクトが抽選で選ばれるまで、抽選の結果を楽しみにすることができる。
【0013】
本発明では、所定の条件は、所定の時間が経過することであることが好ましい。
【0014】
24時間が経過する毎に次の抽選を行うことが可能となるような場合、例えば、1日1回、午前0時00分を過ぎると、次の抽選が行うことが可能となるような設定をすると、プレイヤは抽選の結果を確認するため、毎日、抽選を行うようになる。したがって、プレイヤに定期的に抽選を行うことを促すことになり、或いは、プレイヤが定期的にゲームにログインすることの動機づけとなる。
【0015】
本発明では、オブジェクト決定手段は、1つ以上のオブジェクトを決定するものであり、前記所定の条件は、オブジェクト決定手段により決定された、交換の対象となるオブジェクトの全てが、オブジェクト付与手段によりプレイヤに付与されることであることが好ましい。
【0016】
プレイヤによっては、少しでも多くのオブジェクトを購入してゲームを有利に進めたいという要望があるため、プレイヤが抽選により決定されたオブジェクトの全てを購入した場合に、追加で抽選を行い、新たなオブジェクトを購入できるようにしたものである。
【0017】
本発明では、プレイヤが所有するオブジェクトの種類に応じて、複数の候補オブジェクトから交換の対象となるオブジェクトを決定するための確率を変動させる確率変動手段とを備え、オブジェクト決定手段は、確率変動手段により変動した確率にしたがって、オブジェクトを決定することが好ましい。
【0018】
プレイヤが所有するオブジェクトの種類に応じて、抽選により決定されるオブジェクトの出現する確率を変動させることができる。例えば、プレイヤの所有しているオブジェクトのレア度(入手するための難易度を現したもので、レア度が高くなるにつれて、オブジェクトとしての効果も高くなる)よりも、レア度が少し高いオブジェクトの出現する確率を比較的高くすることで、プレイヤが購入を希望する可能性の高いオブジェクトを出現しやすくすることができる。
【0019】
また、例えば、プレイヤの所有しているオブジェクトがキャラクタであるような場合に、キャラクタの職業に応じて、出現するキャラクタの確率を変動させることができる。プレイヤが所有しているキャラクタの職業に偏りがあるような場合に、キャラクタの数が少ない職業を有するキャラクタの出現する確率を高くすることで、プレイヤが購入を希望する可能性の高いオブジェクトを出現しやすくすることができる。
【0020】
本発明では、プレイヤのゲームの進行状況に応じて、複数の候補オブジェクトから交換の対象となるオブジェクトを決定するための確率を変動させる確率変動手段とを備え、オブジェクト決定手段は、確率変動手段により変動した確率にしたがって、オブジェクトを決定することが好ましい。
【0021】
プレイヤのゲームの進行状況、例えば、プレイヤのレベルやクエストをクリアーした数などに応じて、抽選により決定されるオブジェクトの出現する確率を変動させることができる。プレイヤのレベルが低い時はレア度の低いオブジェクトの出現する確率を比較的高くし、プレイヤのレベルが高い時はレア度の高いオブジェクトの出現する確率を比較的高くすることで、プレイヤのレベルに合ったオブジェクトが出現しやすくなる。
【0022】
本発明では、プレイヤのオブジェクトの交換履歴に応じて、複数の候補オブジェクトから交換の対象となるオブジェクトを決定するための確率を変動させる確率変動手段とを備え、オブジェクト決定手段は、確率変動手段により変動した確率にしたがって、オブジェクトを決定することが好ましい。
【0023】
プレイヤのオブジェクトの購入履歴、例えば、購入額や購入頻度に応じて、抽選により決定されるオブジェクトの出現する確率を変動させることができる。例えば、プレイヤの一回あたりの平均購入額に近い購入額を有するオブジェクトの出現する確率を高くすることで、プレイヤが購入を希望する可能性の高いオブジェクトを出現しやすくすることができる。
【0024】
本発明では、プレイヤのゲームの進行状況に応じて、複数の候補オブジェクトを決定する候補オブジェクト決定手段とを備え、オブジェクト決定手段は、候補オブジェクト決定手段により決定された複数の候補オブジェクトの中から抽選を行い、交換の対象となるオブジェクトを決定することが好ましい。
【0025】
プレイヤの購入の対象となるアイテムやキャラクタといったオブジェクトは、複数の候補オブジェクトの中から抽選で選ばれるが、プレイヤのゲームの進行状況に応じて、この候補オブジェクトを変えることが可能である。そのため、ゲームの進行状況に適したオブジェクトが購入の対象となる確率が高まり、プレイヤが購入を希望する可能性の高いオブジェクトを出現しやすくすることができる。
【0026】
本発明は、ゲームのプレイが可能な端末と、該端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備え、該端末を操作するプレイヤがゲーム内で利用可能なオブジェクトを交換するためのオブジェクト交換システムにおいて実行されるオブジェクト交換方法であって、サーバ装置において、複数の候補オブジェクトの中から抽選を行い、交換の対象となるオブジェクトを決定するステップと、決定されたオブジェクトに関するオブジェクト情報を端末に送信するステップとを実行し、端末において、サーバ装置からオブジェクト情報を受信するステップと、受信したオブジェクト情報に対応する画像を表示画面に表示するステップと、表示画面に表示された画像に対応するオブジェクトの交換要求をサーバ装置に送信するステップとを実行し、サーバ装置において、さらに、端末からオブジェクトの交換要求を受信するステップと、交換要求を受信すると、記憶手段に記憶されたプレイヤの所有するポイントを減算し、受信した交換要求に対応するオブジェクトをプレイヤに付与するステップと実行することを特徴とするオブジェクト交換方法に関する。
【0027】
本発明は、ゲームのプレイが可能な端末と通信接続が可能であり、端末を操作するプレイヤに、ゲーム内で利用可能なオブジェクトを交換させるためのサーバ装置であって、プレイヤの所有するポイントを記憶するポイント記憶手段と、複数の候補オブジェクトの中から抽選を行い、交換の対象となるオブジェクトを決定するオブジェクト決定手段と、オブジェクト決定手段により決定されたオブジェクトに関するオブジェクト情報を端末に送信するオブジェクト情報送信手段と、サーバ装置からオブジェクト情報を受信した端末から、該オブジェクト情報に対応するオブジェクトの交換要求を受信する交換要求受信手段と、交換要求受信手段により交換要求を受信すると、ポイント記憶手段に記憶されたポイントを減算し、交換要求受信手段により受信した交換要求に対応するオブジェクトをプレイヤに付与するオブジェクト付与手段とを備えることを特徴とするサーバ装置に関する。
【0028】
本発明は、ゲームのプレイが可能な端末と通信接続が可能であり、端末を操作するプレイヤに、ゲーム内で利用可能なオブジェクトを交換させるためのサーバ装置において実行されるプログラムであって、サーバ装置を、プレイヤの所有するポイントを記憶するポイント記憶手段と、複数の候補オブジェクトの中から抽選を行い、交換の対象となるオブジェクトを決定するオブジェクト決定手段と、オブジェクト決定手段により決定されたオブジェクトに関するオブジェクト情報を端末に送信するオブジェクト情報送信手段と、サーバ装置からオブジェクト情報を受信した端末から、該オブジェクト情報に対応するオブジェクトの交換要求を受信する交換要求受信手段と、交換要求受信手段により交換要求を受信すると、ポイント記憶手段に記憶されたポイントを減算し、交換要求受信手段により受信した交換要求に対応するオブジェクトをプレイヤに付与するオブジェクト付与手段として機能させることを特徴とするプログラムに関する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施の形態にかかるオブジェクト交換システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態にかかるゲーム装置の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施の形態にかかるサーバ装置の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施の形態にかかるゲーム装置の表示画面の一例を示す図である。
図5】本発明の実施の形態にかかるゲーム装置の表示画面の一例を示す図である。
図6】本発明の実施の形態にかかるゲーム装置の表示画面の一例を示す図である。
図7】本発明の実施の形態にかかるプレイヤ管理テーブルの一例を示す図である。
図8】本発明の実施の形態にかかるオブジェクト購入処理のフローチャートを示す図である。
図9】本発明の実施の形態にかかるオブジェクト決定処理のフローチャートを示す図である。
図10】プレイヤのレベルと、オブジェクトの各ランクの出現確率の関係を表す図である。
図11】プレイヤの所有しているオブジェクトのランクと、各ランクの出現確率の関係を表す図である。
図12】オブジェクトを決定する際の乱数とキャラクタとの対応関係を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の端末について説明する。本発明の端末としては、ゲームのプレイが可能であれば特に制限はないが、スマートフォンや携帯電話、携帯型ゲーム専用機などの携帯型の端末、又は、据え置き型のゲーム専用の端末などが利用できる。本実施の形態では、ゲームのプレイが可能な端末(ゲーム装置)としてスマートフォンを採用した場合について説明する。
【0031】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかるオブジェクト交換システムの構成を示すブロック図である。図示するように、オブジェクト交換システムは、複数のプレイヤ(プレイヤA、B・・・Z)によって操作される複数のゲーム装置1(ゲーム装置1a、1b・・・1z)と、サーバ装置3と、通信ネットワーク2とから構成される。ゲーム装置1は、通信ネットワーク2を介してインターネット上の所定のウェブサイトにログインすることで、サーバ装置3との接続が可能となる。なお、ゲーム装置1はサーバ装置3と常時接続されていなくてもよく、必要に応じて、接続が可能であればよい。
【0032】
図2は、本発明の実施の形態にかかるゲーム装置の構成を示すブロック図である。ゲーム装置1は、CPU(Centrl Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、ROM13、HDD14、サウンド処理部15、グラフィック処理部17、タッチ入力検出部19、通信インターフェイス21、及びインターフェイス部23からなり、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0033】
CPU11は、ROM13に格納されたゲームプログラムを実行し、ゲーム装置1の制御を行なう。また、CPU11は時間を計時する内部タイマを備えている。RAM12は、CPU11のワークエリアである。HDD14は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。
【0034】
CPU11は、ゲームの進行に必要なプログラム及びデータをRAM12から読み出して処理を行なう。CPU11は、RAM12にロードされたプログラム及びデータを処理することで、サウンド出力の指示をサウンド処理部15に出力し、描画命令をグラフィック処理部17に出力する。
【0035】
サウンド処理部15は、スピーカ16に接続されている。CPU11がサウンド出力の指示をサウンド処理部15に出力すると、サウンド処理部15はスピーカ16にサウンド信号を出力する。
【0036】
グラフィック処理部17は液晶モニタ20に接続されている。CPU11が描画命令をグラフィック処理部17に出力すると、グラフィック処理部17は、フレームメモリ(フレームバッファ)18に画像を展開し、液晶モニタ20上に画像を表示するためのビデオ信号を出力する。グラフィック処理部17は、フレーム単位で1枚の画像の描画を実行する。画像の1フレーム時間は、例えば30分の1秒である。
【0037】
インターフェイス部23には、入力部24が接続されている。プレイヤによる入力部24およびタッチ入力検出部19からの入力情報はRAM12に格納され、CPU11は入力情報をもとに各種の演算処理を実行する。
【0038】
通信インターフェイス21は無線により通信ネットワークに接続される。また、通信インターフェイス21は、アンテナ22を有する通信ユニットを介して、他のゲーム装置1と無線により通信を行ない、ゲーム情報等の送受信を行う。
【0039】
図3は、本発明の実施の形態にかかるサーバ装置の構成を示すブロック図である。サーバ装置3は、制御部31、RAM32、HDD33及び通信インターフェイス34を備え、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0040】
制御部31は、CPUやROMから構成され、HDD33に格納されたプログラムを実行し、サーバ装置3の制御を行なう。また、制御部31は時間を計時する内部タイマを備えている。RAM32は、制御部31のワークエリアである。HDD33は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。制御部31は、ゲームの進行に必要なプログラム及びデータをRAM32から読み出し、ゲーム装置1から受信した操作指示情報をもとに、ゲームの進行処理を行う。
【0041】
次に、本発明のオブジェクト交換システムの概要を説明する。本発明において、オブジェクトとは、プレイヤ又はプレイヤが操作するプレイヤキャラクタがゲーム内で使用できる道具や装備品、スキル、魔法だけでなく、ゲーム内で操作・指示をすることができるキャラクタをも含む概念である。これらのオブジェクトは、カード形式で表現されていてもよい。
【0042】
以下、本発明をRPG(ロール・プレイング・ゲーム)に適用した場合を例にあげて説明する。ここでは、オブジェクトとして、味方となるキャラクタをプレイヤが獲得する場合について説明をする。プレイヤは、フィールドマップ上に存在する複数の町や城などで、味方となるキャラクタ(以下、「味方キャラクタ」という)を雇用する(購入する)ことで、パーティを編成する。編成したパーティを敵キャラクタと戦闘させて経験値や仮想通貨ギルを獲得することで、味方キャラクタのレベルを上げたり、味方キャラクタの装備品を購入することができる。
【0043】
プレイヤが城や町へ移動し、雇用モードに移動すると、抽選が実行され、仮想通貨といったポイントで交換できる、つまり、購入できるキャラクタが決定される。ゲーム装置1の表示画面には、購入が可能なキャラクタの情報等が表示された、キャラクタの購入画面(雇用画面)が表示される。
【0044】
図4~6は、キャラクタの購入画面の一例である。図4に示すように、雇用画面40の上部には、プレイヤの所持金41が表示されている。所持金41の下側には、ギル雇用ボタン42とコイン雇用ボタン43が設けられている。キャラクタの雇用にあたっては、ゲームを進行することで獲得できる仮想通貨ギルと、現実社会で流通している通貨をもとに購入できる仮想通貨コインのいずれで購入するかを選択することができる。なお、所持金41は、ギル雇用モードの場合は仮想通貨ギルの所持金が表示され、コイン雇用モードの場合は仮想通貨コインの所持金が表示される。
【0045】
コイン雇用による購入画面となっている場合に、ギル雇用ボタン42を選択すると、仮想通貨ギルで購入可能なキャラクタが抽選により決定され、決定されたキャラクタが購入対象として表示される。一方、ギル雇用による購入画面となっている場合に、コイン雇用ボタン43を選択すると、仮想通貨コインで購入可能なキャラクタが抽選により決定され、決定されたキャラクタが購入対象として表示される。この場合、ギル雇用よりもコイン雇用により購入できるキャラクタの方が、レア度の高いキャラクタとなる可能性が高くなるように設定することができる。
【0046】
ギル雇用ボタン42及びコイン雇用ボタン43の下側には、抽選により購入可能として決定されたキャラクタのアイコン44a~cが表示されている。一度の抽選で決定されるキャラクタの数は、1体以上であればよく、例えば、3体のキャラクタが抽選により決定される。図4の場合であれば、3体のキャラクタが抽選により決定され、3体のそれぞれについて、キャラクタの画像が描かれたアイコン44が表示されている。なお、一度の抽選で決定されるキャラクタの数を、ギル雇用の場合は3体とし、コイン雇用の場合は5体とするなど、ギル雇用とコイン雇用の場合で、抽選で決定されるキャラクタの数を変えることも可能である。
【0047】
図4のキャラクタの購入画面を下側にスクロールさせると、図5に示すような購入画面が表示される。図5では、購入画面40には、キャラクタの名称51、キャラクタの種族52、キャラクタの職業53が表示されている。その下側には、キャラクタの画像54が表示されており、その右側には、キャラクタのステータス55が表示されている。キャラクタのステータス55には、HP、攻撃力、防御力、素早さ等が含まれる。表示画面の最下部左側には、このキャラクタを購入するための費用56が表示されている。その右側には、雇用ボタン57が設けられており、雇用ボタン57を選択することで、このキャラクタを購入(雇用)することができる。このキャラクタを雇用すると、プレイヤの所有している仮想通貨コイン(或いは、仮想通貨ギル)から、費用56に表示されている値が減算される。プレイヤは、キャラクタを雇用することで、このキャラクタをゲーム内で使用することができるようになる。
【0048】
例えば、抽選の結果、3体のキャラクタが購入の対象として表示される場合であって、全てのキャラクタを購入した場合、仮想通貨ギルを消費することで、再度、抽選を行うことが可能となる。全てのキャラクタを購入することで、図6に示すように、再度、募集をかけるか否かを問う、募集確認ウィンドウ58が表示される。募集確認ウィンドウ58には、募集の残り回数と募集に必要な費用が表示されている。募集をかけるには、仮想通貨ギルの消費が必要である。また、募集確認ウィンドウ58には、「募集をかける」と表示された募集ボタン59が設けられている。この募集ボタン59を選択することで、再度、抽選を行うことができ、新たに3体のキャラクタが購入の対象として決定される。
【0049】
募集ボタン59を選択して、再抽選を行うことのできる回数も、無制限に認めるのではなく、所定時間当たりに数回までといったように定めておくことが好ましい。たとえば、1日5回までといったように、1日所定の回数だけ抽選を行うことができるようにし、午前0時00分ごとに抽選の回数がリセットできるような構成とすることができる。最初の抽選で多人数のキャラクタを購入可能な対象として表示するよりも、複数回、抽選を行うことができるようにすることで、より多くの回数の抽選をプレイヤに体験してもらうことにつながる。
【0050】
次に、プレイヤ管理テーブルについて説明する。図7は、本発明の実施の形態にかかるプレイヤ管理テーブルを示す図の一例である。プレイヤ管理テーブル60は、サーバ装置3のRAM32に設定され、ネットワークゲームに参加している各プレイヤのステータスや所持金などを管理するものである。プレイヤ管理テーブル60には、プレイヤのアカウントID61と関連付けて、プレイヤ名62、レベル63、経験値64、所持ギル65、所持コイン66などが記憶されている。
【0051】
ゲームの進行により敵キャラクタとの戦闘に勝利したり、所定のクエストをクリアーするなどにより経験値を獲得することができ、プレイヤ管理テーブル60の経験値64が更新される。経験値64が所定の値を超えると、プレイヤのレベル63も上昇する。また、敵キャラクタとの戦闘に勝利したり、フィールドマップ中の宝箱を調べることで、仮想通貨ギルを獲得することがある。このような場合に、所持ギル65に加算される。また、現実社会での通貨により仮想通貨コインを購入することで、購入分が所持コイン66に加算される。ギル雇用によるキャラクタの購入を行うと、所持ギル65が減算され、コイン雇用によるキャラクタの購入を行うと、所持コイン66が減算される。
【0052】
次に、本発明の実施の形態にかかるオブジェクト購入処理について説明する。図8は、オブジェクト購入処理のフローチャートの一例である。まず、サーバ装置3において、複数の候補オブジェクトから抽選を行い、購入の対象となるオブジェクトを決定する(ステップS1)。一度の抽選で決定されるオブジェクトの数は、1つ以上であればよく、例えば、3つのオブジェクトが抽選により決定されるような構成とすることができる。なお、オブジェクト決定処理の詳細については、後述する。
【0053】
ステップS1における抽選によるオブジェクトの決定は、ゲーム装置1において、購入対象となるオブジェクトを表示する購入画面への移動指示をした際に、所定の時間を経過していることを条件として実行することができる。例えば、24時間が経過する毎に次の抽選を行うことが可能となるような場合、つまり、1日1回、午前0時00分を過ぎると、次の抽選が行うことが可能となるような設定をすることができる。したがって、一度、購入画面を表示させた後に、午前0時00分を過ぎる前に、再度、購入画面へ移動したとしても、再抽選は行われず、その前に行われた抽選結果のまま、購入対象のオブジェクトが表示されることになる。
【0054】
また、ステップS1における抽選によるオブジェクトの決定は、購入対象となるオブジェクトが抽選により決定された後に、これらのオブジェクトを全て購入することで、再度、抽選によりオブジェクトを決定することが可能となる。オブジェクトを全て購入した後、購入画面にて、再度、抽選の実行を要求するボタンを選択することで、再抽選が可能となる。図6の募集をかける募集ボタン59がこれに相当する。
【0055】
次いで、ステップS1にて決定されたオブジェクトに関するオブジェクト情報がゲーム装置1へ送信される(ステップS2)。オブジェクト情報としては、キャラクタの名称、キャラクタの種族・職業、キャラクタの画像データ、キャラクタのレベル・HP・MP・攻撃力などのステータスや、キャラクタを購入するために必要な費用である。
【0056】
ゲーム装置1において、サーバ装置3からオブジェクト情報を受信すると(ステップS3)、図5のように、ゲーム装置1の表示画面にオブジェクト情報に対応する画像が表示される(ステップS4)。表示画面には、キャラクタの名称・種族・職業、キャラクタ画像が表示されている他に、購入ボタン(雇用ボタン57)が設けられている。プレイヤが表示画面上の購入ボタンを選択すると、ゲーム装置1にて、アイテムの購入操作が受け付けられ(ステップS5)、表示画面に表示されたキャラクタ(オブジェクト)の購入要求がサーバ装置3へ送信される(ステップS6)。
【0057】
サーバ装置3にて、ゲーム装置1からオブジェクトの購入要求を受信すると(ステップS7)、プレイヤ管理テーブル60の所持ギル65又は所持コイン66が減算され(ステップS8)、プレイヤにオブジェクトが付与される(ステップS9)。プレイヤは付与されたキャラクタを、ゲーム内で使用することが可能となる。
【0058】
次に、ステップS1のオブジェクト決定処理について、詳細に説明する。図9は、オブジェクト決定処理のフローチャートの一例である。まず、抽選の結果、購入の対象となるオブジェクトのランクを決定するための確率の特定が行われる(ステップS11)。オブジェクトのランクを決定する処理は、乱数を発生することにより行われる。ランク毎に対応する乱数の値を予め設定しておくことで確率を特定することができるが、ランクと乱数の対応関係の設定を変更することで、購入対象となるオブジェクトがいずれのランクのものであるかの確率も変動することになる。
【0059】
ステップS11では、例えば、プレイヤのレベル、プレイヤの所有しているオブジェクトのランク等に応じて、適宜、各ランクのオブジェクトが選ばれる確率を変動させることができる。どのように確率を変動させるかについては、ゲームコンセプトやネットワークゲームの運営方針などにあわせて、適宜、設定すればよい。
【0060】
例えば、プレイヤのレベルに応じて、適宜、各ランクのオブジェクトが選ばれる確率を変動させる場合について、説明をする。図10は、プレイヤのレベルと、オブジェクトの各ランクの発生確率の関係を表す図である。プレイヤのレベルに応じて確率を変動させる場合は、プレイヤのレベルが変化するに応じて、乱数とオブジェクトのランクとの対応関係を変化させることができる。
【0061】
図10のように、乱数が0~99の値をとり得る場合に、プレイヤのレベルがレベル1の場合を基準の設定として、乱数が98~99の場合はSランク(最もレア度が高い)、乱数が85~97の場合はAランク、乱数が65~84の場合はBランク、乱数が0~64の場合はCランク(最もレア度が低い)と設定されていたとする。この場合、それぞれのランクとなる確率は、Sランクは2%、Aランクは13%、Bランクは20%、Cランクは65%である。プレイヤのレベルがレベル10の場合は、乱数が95~99の場合はSランク、乱数が75~94の場合はAランク、乱数が45~74の場合はBランク、乱数が0~44の場合はCランクという設定に変更したとすると、それぞれのランクとなる確率は、Sランクは5%、Aランクは20%、Bランクは30%、Cランクは45%に変動する。
【0062】
図10では、プレイヤのレベルが高くなるにつれて、高いランクのオブジェクトが購入対象として決定される確率が高くなっている。このようにすることで、プレイヤのレベルが高くなるにつれて、より必要性が高まる高いランクのオブジェクトが購入対象として選ばれることになり、プレイヤにとってオブジェクトの購入がしやすいものとなる。
【0063】
また、プレイヤの所有しているオブジェクトのランク等に応じて、確率を変動させる場合は、最もオブジェクトの数の多いランク(以下、「最多所有ランク」という)よりも高いランクのオブジェクトが選ばれる確率を高くするなどの方法が考えられる。この場合、図11のように、最多所有ランクよりも高いランクのうち、最多所有ランクに最も近いランクが選ばれる確率を、最も高くするなどの方法が考えられる。このようにすることで、プレイヤの所有しているオブジェクトのランクが高くなるにつれて、よりランクの高いオブジェクトが購入対象として選ばれる確率が高くなり、プレイヤがより欲しいと感じるオブジェクトが抽選で選ばれやすくなる。
【0064】
また、ステップS11では、プレイヤのオブジェクトの購入履歴に応じて、購入の対象となるオブジェクトのランクを決定するための確率を変動させることができる。例えば、月初に購入頻度が高くなるプレイヤの場合は、月初にランクの高いオブジェクトが出現する確率を高めることができる。また、購入頻度が多かったり、1回あたりの購入額が高いプレイヤに対しては、ランクの高いオブジェクトが出現する確率を高めることができる。
【0065】
ステップS11にて、購入の対象となるオブジェクトのランクを決定するための確率が特定されると、乱数を発生させることで、オブジェクトのランクが特定される(ステップS12)。オブジェクトのランクが特定されると、特定されたランクを有する複数の候補オブジェクトの中から抽選を行う際の、各オブジェクトを決定するための確率が特定される(ステップS13)。
【0066】
ステップS13では、例えば、プレイヤがゲーム内で所属している国や同盟、あるいは、オブジェクトの購入を行おうとする城や町がどの地域に属するかに応じて、各オブジェクトが選ばれる確率を変動させることができる。ゲーム内の国や同盟、地域によって、住んでいる種族が異なるような世界観をもつゲームにおいて、例えば、A国でキャラクタを購入する場合は種族1のキャラクタが抽選で選ばれやすく、B国でキャラクタを購入する場合は種族2のキャラクタが抽選で選ばれやすい、といった設定を行うことができる。例えば、図12に示すように、種族している地域に応じて、異なる確率で各種族に属するキャラクタが抽選でえらばれるような設定とすることができる。このようにすることで、ゲームの世界観をよりリアルにプレイヤに感じさせることが可能となる。
【0067】
また、ステップS13では、プレイヤの所有しているオブジェクトの種類(例えば、キャラクタの職業や種族)に応じて、各オブジェクトが選ばれる確率を変動させることができる。キャラクタの職業や種族ごとに、敵キャラクタとの戦闘において、前衛、中衛、後衛のいずれに配置するのが適しているかの設定がなされているようなゲームにおいて、前衛に適したキャラクタの職業や種族の数が少なければ、これらの職業や種族のオブジェクトが抽選で選ばれやすい、といった設定を行うことができる。また、前衛、中衛、後衛のそれぞれに適しているキャラクタでグループを形成し、キャラクタの平均レベルや平均ランクが最も低いグループに属することになるキャラクタが抽選で選ばれやすいといった設定を行うこともできる。このようにすることで、プレイヤの所有しているオブジェクトにおいて手薄な種類のオブジェクトが購入対象として選ばれる確率が高くなり、プレイヤがより欲しいと感じるオブジェクトが抽選で選ばれやすくなる。
【0068】
また、ステップS13では、プレイヤのオブジェクトの購入履歴に応じて、候補オブジェクトから購入の対象となるオブジェクトを決定するための確率を変動させることができる。例えば、月初に購入頻度が高くなるプレイヤの場合は、月初に費用の高いオブジェクトの出現する確率を高めることができる。また、購入頻度が多かったり、1回あたりの購入額が高いプレイヤに対しては、費用の高いオブジェクトが出現する確率を高めることができる。
【0069】
ステップS13にて、各オブジェクトが選ばれる確率が決定されると、抽選により、購入対象となるオブジェクトの決定がされる(ステップS14)。図12は、オブジェクトを決定する際の乱数とキャラクタとの対応関係を表す図である。ステップS13により各オブジェクトが選ばれる確率が特定されると、特定された確率に応じて、図12のようなテーブルが生成され、このテーブルに従って、オブジェクトの決定がされる。
【0070】
複数のオブジェクトを購入対象として決定するように設定されている場合は、所定の数のオブジェクトの抽選が終了したか否かが判定され(ステップS15)、まだ、オブジェクトの抽選が残っている場合は(ステップS15にてNO)は、ステップS11へ戻り、ステップS11~S15までの処理が繰り返し実行される。一方、所定の数のオブジェクトの抽選が終了した場合は(ステップS15にてYES)、オブジェクト決定処理が終了する。
【0071】
ステップS1やステップS14にて、複数の候補オブジェクトの中から購入対象のオブジェクトを決定するに先立って、ゲームの進行状況に応じて、候補オブジェクトを変更させることも可能である。例えば、複数の異なる候補オブジェクトに関する情報が記憶されたテーブルが複数種類、用意されており、プレイヤのレベルが上がったり、ゲームのステージが変化したり、あるいは、ゲーム中のクエストをクリアーするなどのゲームの進行状況に応じて、よりランクの高い候補オブジェクトが登録されたテーブルをもとに、候補オブジェクトが特定される。
【0072】
上の実施の形態では、主に、本発明をRPGに適用する場合について述べたが、ゲーム内で使用できる道具や装備品、スキル、魔法、キャラクタなどを購入できるものであれば、そのジャンルは特に限定されない。たとえば、アクションゲーム、シューティングゲーム、シミュレーションゲーム、レースゲームなどにも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 ゲーム装置
2 通信ネットワーク
3 サーバ装置
11 CPU
12 RAM
13 ROM
14 HDD
15 サウンド処理部
16 スピーカ
17 グラフィック処理部
18 フレームメモリ
19 タッチ入力検出部
20 液晶モニタ
21 通信インターフェイス
22 アンテナ
23 インターフェイス部
24 入力部
31 制御部
32 RAM
33 HDD
34 通信インターフェイス
40 購入画面
60 プレイヤ管理テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12