IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティドの特許一覧

特許7291147無線送電及び個別信号出力によるフィルタシステム、フィルタエレメント及び方法
<>
  • 特許-無線送電及び個別信号出力によるフィルタシステム、フィルタエレメント及び方法 図1
  • 特許-無線送電及び個別信号出力によるフィルタシステム、フィルタエレメント及び方法 図2
  • 特許-無線送電及び個別信号出力によるフィルタシステム、フィルタエレメント及び方法 図3
  • 特許-無線送電及び個別信号出力によるフィルタシステム、フィルタエレメント及び方法 図4
  • 特許-無線送電及び個別信号出力によるフィルタシステム、フィルタエレメント及び方法 図5
  • 特許-無線送電及び個別信号出力によるフィルタシステム、フィルタエレメント及び方法 図6
  • 特許-無線送電及び個別信号出力によるフィルタシステム、フィルタエレメント及び方法 図7
  • 特許-無線送電及び個別信号出力によるフィルタシステム、フィルタエレメント及び方法 図8
  • 特許-無線送電及び個別信号出力によるフィルタシステム、フィルタエレメント及び方法 図9
  • 特許-無線送電及び個別信号出力によるフィルタシステム、フィルタエレメント及び方法 図10
  • 特許-無線送電及び個別信号出力によるフィルタシステム、フィルタエレメント及び方法 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-06
(45)【発行日】2023-06-14
(54)【発明の名称】無線送電及び個別信号出力によるフィルタシステム、フィルタエレメント及び方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/42 20060101AFI20230607BHJP
   B01D 29/11 20060101ALI20230607BHJP
【FI】
B01D46/42 Z
B01D29/10 510C
B01D29/10 530B
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020538587
(86)(22)【出願日】2019-02-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 US2019017059
(87)【国際公開番号】W WO2019157187
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2021-12-28
(31)【優先権主張番号】62/627,425
(32)【優先日】2018-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591163214
【氏名又は名称】ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(72)【発明者】
【氏名】ミラー, ダニー ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】アダメク, ダニエル イー.
【審査官】谷本 怜美
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-055397(JP,A)
【文献】特表2007-537870(JP,A)
【文献】国際公開第2017/209684(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00-46/90
B01D 24/00-37/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタシステム(300、500、800、910、1060)のためのフィルタエレメント(302、520、521、820、821、914、1000)であって、
フィルタ本体;
前記フィルタ本体内に配置されたフィルタ媒体;
前記フィルタ本体上に又はその中に配置されると共に受信アンテナ(308、908、1092)を含む無線受電器(306);及び
前記無線受電器(306)と電気的に連通する制御回路(312);を含み、
前記フィルタエレメントは、前記制御回路(312)と連通するフィードバックチャンネル回路(316)を含み、前記フィードバックチャンネル回路(316)は光フィードバックチャンネル回路を含み、
前記フィードバックチャンネル回路(316)は、前記光フィードバックチャンネル回路を介し送信するように構成され、前記光フィードバックチャンネル回路は前記受信アンテナ(308、908、1092)から分離されていることを特徴とする、フィルタエレメント。
【請求項2】
前記無線受電器(306)の前記受信アンテナ(308、908、1092)は、インダクタ、LC回路、及びRF受電の間の少なくとも1つを含む、請求項1に記載のフィルタエレメント。
【請求項3】
前記フィルタエレメント(302、520、521、820、821、914、1000)は前記光フィードバックチャンネル回路と電気的に連通する発光器(318)をさらに含む、請求項1及び2のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項4】
前記発光器(318)はIR光を発射するダイオードを含む、請求項に記載のフィルタエレメント。
【請求項5】
前記制御回路(312)と電気的に連通するセンサ(314)をさらに含む請求項1乃至のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項6】
前記センサ(314)は圧力センサを含む、請求項に記載のフィルタエレメント。
【請求項7】
前記センサ(314)は温度センサを含む、請求項5至6のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項8】
前記センサ(314)は振動センサを含む、請求項5乃至7のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項9】
前記センサ(314)は粒子センサを含む、請求項5乃至8のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項10】
前記センサ(314)はガス濃度センサを含む、請求項5乃至9のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項11】
前記センサ(314)から導出されるデータは前記フィードバックチャンネル回路(316)を介し外部受信器へ送信される、請求項5乃至10のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項12】
前記無線受電器(306)は前記フィルタ本体内へ恒久的に一体化される、又は前記フィルタ本体へ着脱可能に取り付けられる、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項13】
フィルタシステム(300、500、800、910、1060)であって、
請求項1乃至12のいずれか一項に記載のフィルタエレメント(302、520、521、820、821、914、1000);
内容積を画定するフィルタ筐体(304、502、802、912、1061、1150)であって、前記フィルタエレメント(302、520、521、820、821、914、1000)は前記フィルタ筐体(304、502、802、912、1061、1150)の前記内容積内に収まるように構成される、フィルタ筐体;
前記フィルタ筐体(304、502、802、912、1061、1150)上に又はその中に配置される無線電力発射器(326);及び
前記筐体(304、502、802、912、1061、1150)上に又はその中に配置され、前記フィードバックチャンネル回路(316)からの信号を受信するように構成される信号受信器(336、524、624、724、1097)、を含むフィルタシステム。
【請求項14】
前記フィルタ筐体は前記フィルタ筐体(304、502、802、912、1061、1150)と前記フィルタエレメント(302、520、521、820、821、914、1000)との間の流体流路(402)を画定し、
記フィルタエレメント(302、520、521、820、821、914、1000)は前記光フィードバックチャンネル回路と電気的に連通する発光器(318)をさらに含み、
前記流体流路(402)は前記発光器(318)と前記信号受信器(336、524、624、724、1097)との間を通り、
前記信号受信器(336、524、624、724、1097)は光検出器(338)を含む、請求項13に記載のフィルタシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、すべての国の指定のための出願人である米国の国内企業DONALDSON COMPANY,INC.並びにすべての国の指定のための発明者である米国市民Danny William Miller及び米国市民Daniel E.Adamekの名のもとに2019年2月7日にPCT国際特許出願として出願されており、参照のためその全体を本明細書に援用する及び2018年2月7日出願の米国仮特許出願第62/627,425号明細書の利益及び優先権を主張する。
【0002】
本明細書における実施形態はフィルタエレメント及びフィルタシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
流体流はしばしばその中に粒子材料を運ぶ。多くの場合、流体流から粒子材料の一部又はすべてを除去することが望ましい。例えば、電動車両又は動力生成装置のエンジンへの吸気流、ガスタービンへ向けられたガス流、及び様々な燃焼炉への気流はしばしば粒子材料をその中に含む。粒子材料は、関与する様々な機構の内部仕組みに到達すれば、それに対し相当な損傷を引き起こし得る。従って、このようなシステムはエンジン、タービン、燃焼炉又は他の関与する機器の上流の流体流から粒子材料を除去することが望ましい。多様な空気フィルタ又はガスフィルタ配置が粒子除去のために開発されてきた。粒子除去を越えて、フィルタシステムはまた、気相又は液相汚染物質除去システムとして使用され得る。
【0004】
多くのフィルタシステムは、適切な動作を保証するために時々交換及び/又はサービスされなければならないフィルタエレメントを含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態はフィルタエレメント及びフィルタシステムを含む。一実施形態では、フィルタシステムのためのフィルタエレメントが含まれる。フィルタエレメントはフィルタ本体とフィルタ本体内に配置されたフィルタ媒体とを含み得る。無線受電器がフィルタ本体に関連付けられ得る。無線受電器は、受信アンテナ、無線受電器と電気的に連通する制御回路、及び制御回路と連通するフィードバックチャンネル回路であって受信アンテナから分離されたチャネルを介し送信するように構成されたフィードバックチャンネル回路を含み得る。
【0006】
一実施形態では、フィルタエレメントを有するフィルタシステムが含まれる。フィルタエレメントは、フィルタ本体、フィルタ本体内に配置されたフィルタ媒体、フィルタ本体に関連付けられた無線受電器、無線受電器と電気的に連通する制御回路、及び制御回路と連通するフィードバックチャンネル回路を含み得る。内容積を含むフィルタ筐体が含まれ得る。フィルタエレメントはフィルタ筐体の内容積内に収まるように構成され得る。無線電力発射器がフィルタ筐体に関連付けられ得る。信号受信器もまた筐体に関連付けられ得る。
【0007】
一実施形態では、フィルタシステムが含まれる。フィルタシステムは、スピンオンキャニスタフィルタ、スピンオンキャニスタフィルタに関連付けられた無線受電器、無線受電器と電気的に連通する制御回路、及び制御回路と連通するフィードバックチャンネル回路を含み得る。フィルタヘッドはスピンオンキャニスタフィルタを収容するように構成され得る。無線電力発射器がフィルタヘッドに関連付けられ、信号受信器が筐体に関連付けられる。
【0008】
この概要は、本出願の教示のうちのいくつかの教示の概観であり、本主題の排他的又は網羅的処理となるようには意図されていない。さらなる詳細は詳細説明及び添付の特許請求の範囲に見出される。他の態様は、以下の詳細説明を読み、理解し、そしてその一部を形成する添付図面(それぞれは限定的な意味で採用されるべきでない)を見ると、当業者にとって明らかになる。本明細書における範囲は添付の特許請求の範囲及びそれらの法的等価物により定義される。
【0009】
態様は以下の添付図面に関連してより完全に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】フィルタシステムデータ通信環境100の概略図である。
図2】本開示によるフィルタシステムが使用されるシステムの実施形態の概略図である。
図3】本明細書における様々な実施形態によるフィルタシステムの一部分の概略図である。
図4】本明細書における様々な実施形態によるフィルタシステムの一部分の概略図である。
図5】本明細書における様々な実施形態によるその中に設置された一次フィルタエレメントを有するフィルタシステムの概略断面図である。
図6】本明細書における様々な実施形態によるその中に設置された一次フィルタエレメントを有するフィルタシステムの概略断面図である。
図7】本明細書における様々な実施形態に従ってその中に設置された一次フィルタエレメント及び二次フィルタエレメントを有するフィルタシステムの概略断面図である。
図8】本明細書における様々な実施形態に従ってその中に設置された一次フィルタエレメント及び二次フィルタエレメントを有するフィルタシステムの概略断面図が示される。
図9】本開示の原理に従って構築された筐体及びフィルタエレメントを含むフィルタシステムの分解斜視図が示される。
図10】本明細書における様々な実施形態によるその中にフィルタエレメントを有するフィルタシステムの概略分解透視図である。
図11】本明細書における様々な実施形態によるフィルタヘッド及びスピンオンキャニスタフィルタを含むフィルタアセンブリの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施形態は様々な修正及び代替形式に服するが、その各論は、添付図面に一例として示されており、詳細に説明されることになる。しかし、本明細書の範囲は説明される特定実施形態へ限定されるものではないということを理解すべきである。逆に、本発明は本明細書の精神及び範囲に入る修正、等価及び代替実施形態をカバーする。
【0012】
本明細書における実施形態はフィルタエレメント及びフィルタシステムを含み得、電力が、その上に含まれる回路/ハードウェア(限定しないが制御回路、センサ及び/又は他のハードウェアを含む)を動作させるためにフィルタエレメントへ無線で供給され得る。電力は様々な無線送電技術を使用(限定しないが時変電場、磁場又は電磁場の使用を含む)して無線で転送され得る。本明細書において使用される無線送電手法は非放射技術及び放射技術を含み得る。近接場技術又は非放射技術では、電力はワイヤのコイル間の誘導結合を使用して磁場により又は金属電極間の容量結合を使用して電界により転送される。本明細書における様々な実施形態では、誘導結合は電力をタグ部品へ無線で供給するために使用され得る。
【0013】
いくつかの特定実施形態では、2つのループアンテナ間の電磁誘導が採用される。一手法では、無線受電器が無線電力発射器の範囲内に置かれると、同調回路を形成するアンテナコイル及びキャパシタが、この場からエネルギーを吸収して蓄積し、音叉の電気的版のように共振する。このエネルギーは、電力をフィルタエレメントの部品へ次に供給する直流へ整流され得る。
【0014】
頻繁に、フィルタエレメントはフィルタシステムの別の部品(フィルタ筐体など)により受信される信号及び/又はフィードバックを提供することが望ましい可能性がある。一例として、信号は、フィルタエレメントに関連付けられたセンサの出力に関係する可能性がある。信号は、フィルタ条件、フィルタエレメントの予測耐用寿命、濾過される流体の条件、濾過される流体内の粒子又は他の汚染物質に関係する態様などの様々な因子に関係し得る。
【0015】
いくつかのケースでは、信号は、電力を無線で受信するために使用される同じハードウェアの一部を使用することによりフィルタエレメントから報告され得る。例えば、誘導技術を介し電力を受信するために使用される同じアンテナ又はコイルがフィルタエレメントからの情報出力を転送するために使用される可能性がある。しかし、フィルタエレメントが他のハードウェアを使用して信号を生成することができるようにされることが望ましい可能性がある。本明細書における様々な実施形態では、フィルタエレメントは、電力を無線で受信し、次に、無線受電ハードウェアから分離したフィードバックチャンネルを使用することにより信号出力をフィルタシステムの別の部品(フィルタ筐体などの)へ送信し得る。一例として、フィードバックチャンネルは光フィードバックチャンネルであり得る。しかし、他のタイプのフィードバックチャンネルもまた本明細書において企図される。様々な実施形態では、別個のフィードバックチャンネルの使用は、信号生成及び/又は受信をより信頼できるようにし、より高いエネルギー効率にし、及び/又は実現することをより容易にし得る。
【0016】
次に図1を参照すると、フィルタシステムデータ通信環境100の概略図が示される。車両などの機械102はエンジン制御ユニット(ECU:engine control unit)104及びフィルタシステム106を含み得る。フィルタシステム106は、限定しないが、入ってくる空気、燃料、潤滑油又は排気ガスなどの流体を濾過することを含む様々な目的のためのものであり得る。いくつかの実施形態では、機械102は複数のフィルタシステムを含む。例示的フィルタシステムが以下にさらに詳細に説明される。
【0017】
いくつかの実施形態では、フィルタシステム106はECU104と有線的やり方又は無線的やり方のいずれかで電子的通信状態にあり得る。いくつかの実施形態では、フィルタシステム106は、ECU104をバイパスすることにより、又はECU104と交換される有線又は無線信号と並列に、のいずれかにより無線信号を機械102又は車両の外に在る部品へ又はそれから発射及び/又は受信し得る。しかし、他の実施形態では、フィルタシステム106は機械102の外に在る部品と通信しないかもしれない。
【0018】
機械102は作業環境116内に存在し得る。作業環境116は、機械102が主として働く地理的エリアを表し得る。機械102の性質に依存して、作業環境116は極めて大きい(1平方マイル当たり10~1000)又は比較的小さい(1平方マイル当たり10未満又はさらには1に満たない)可能性がある。作業環境116は例えば採鉱施設、建設現場、出荷又は配送センター、生産施設などであり得る。いくつかの実施形態では、ゲートウェイ又は中継器ユニット110が作業環境116内に配置され得る。ゲートウェイ又は中継器ユニット110は、いくつかの実施形態では、機械102及び/又はフィルタシステム106及び/又はECU104などのその部品と無線で通信する。いくつかの実施形態では、ゲートウェイ又は中継器ユニット110はインターネット又は様々な私設ネットワークなどの外部データネットワーク122と接続され得る。いくつかの実施形態では、データネットワーク122はパケット交換網であり得る。いくつかの実施形態では、ゲートウェイ又は中継器110はまたデータネットワークルータ機能を含み得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、サーバ112もまた作業環境116内に配置され得る。サーバ112はゲートウェイ又は中継器ユニット110からデータを受信し得る。しかし、多くの実施形態ではサーバ112は作業環境116内に無くてもよいということが理解されるようになる。
【0020】
いくつかの実施形態では、機械102、ECU104、フィルタシステム106、ゲートウェイ又は中継器ユニット110などの部品のうちの1つ又は複数からの無線信号が、セルラ塔又は他の無線通信塔である可能性がある無線通信塔120(又はアンテナアレイ)と交換され得る。無線通信塔120は、インターネット又は別のタイプの公設又は私設データネットワークなどのデータネットワーク122へ接続され得る(パケット交換又は別の方法で)。
【0021】
データネットワークは作業環境116の外に在る他の部品との一方向又は双方向通信を提供し得る。例えば、サーバ124又は他の処理デバイスが、機械102、ECU104、フィルタシステム106、ゲートウェイ又は中継器ユニット110などの1つ又は複数の部品からデータを含む電子的信号を受信し得る。サーバ124はデータを格納するためにデータベース126とインターフェースし得る。いくつかの実施形態では、サーバ124(又はサーバシステムの一部分である特定デバイス)は、データベース126内に格納されたデータをユーザが照会することを可能にし得るユーザデバイス128とインターフェースし得る。
【0022】
フィルタシステム106により生成されるデータは様々なタイプのものであり得る。いくつかの実施形態では、フィルタシステム106により生成されるデータは、圧力降下、経時的な圧力降下変化に関するデータ、一次フィルタ除去事象及び/又はその数、二次フィルタ除去事象及び/又はその数、一次フィルタ使用時間、二次フィルタ使用時間、一次フィルタ設置日時及び/又は設置事象の数、二次フィルタ設置日時及び/又は設置事象の数などを含み得る。
【0023】
ここで図2を参照すると、本開示によるフィルタシステムが使用されるシステムの実施形態の概略図が示される。図2では、規程定格気流需要(例えば少なくとも1,400リットル/分(50立方フート/分)~最大51,000リットル/分(1800立方フート/分)を有するエンジン233を有する機器232(車両など)が概略的に示される。機器232は、バス、高速道路トラック、オフロード車両、トラクタ、軽量又は中量トラック又はモータボートなどの海洋アプリケーションであり得る。エンジン233は空気/燃料混合物の使用を通じて動力を機器232に供給する。図2では、吸気領域235においてエンジン233内に引き込まれる気流が示される。任意選択的ターボ236が、エンジン233中への吸気を任意選択的に増強するものとして仮想線で示される。フィルタ構築物242を有するフィルタシステム240がエンジン233及びターボ236の上流に在る。一般的に、動作中、空気は、矢印244で示すように、フィルタシステム240中へ引き込まれそしてフィルタ構築物242を通る。そこでは、粒子及び汚染物質が空気から除去される。浄化された空気は矢印246で示すように下流へ流れ吸気領域235内に入る。そこから、空気はエンジン233内へ流れて機器232の動力を供給する。
【0024】
次に図3を参照すると、本明細書における様々な実施形態によるフィルタシステム300の一部分の概略図が示される。フィルタシステム300はフィルタエレメント302及びフィルタ筐体304を含み得る。概略図を簡単にするために、フィルタエレメント302とフィルタ筐体304は互いに隣接して配置され単純に示される。しかし、多くの実施形態ではフィルタエレメント302はフィルタ筐体304の少なくとも一部分内に収まるように構成され得るということが理解されることになる。フィルタエレメント302はフィルタ本体(図3に示さず)及びフィルタ媒体(図3に示さず)を含み得る。フィルタエレメント302はフィルタ本体に関連付けられた無線受電器306をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、無線受電器306はフィルタ本体内に恒久的に一体化され得る。他の実施形態では、無線受電器306はフィルタ本体へ着脱可能に取り付けられ得る。無線受電器306はまた、受信アンテナ308及びキャパシタ310などの部品を含み得る。フィルタエレメント302はまた、無線受電器306と電気的に連通する制御回路312を含み得る。フィルタエレメント302はまた、制御回路312と連通するフィードバックチャンネル回路316であって受信アンテナ308から分離されたチャネルを介し送信するように構成されたフィードバックチャンネル回路316を含み得る。
【0025】
この例では、受信アンテナ308はインダクタである。しかし、受信アンテナ308はまた他の形式を取り得る。様々な実施形態では、無線受電器306はLC回路を含み得る。様々な実施形態では、無線受電器306はRF受電器を含み得る。無線受電器306はフィルタ本体上に又はその中に配置され得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、フィードバックチャンネル回路は光フィードバックチャンネル回路を含み得る。いくつかの実施形態では、フィルタエレメント302は光フィードバックチャンネル回路と電気的に連通する発光器318及び/又は他の電気部品320をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、発光器は発光ダイオードを含み得る。いくつかの実施形態では、発光器は赤外線発光ダイオードを含み得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、信号発射器はデータを運び得る。例えば、光信号発射器は2値データ形式の「0」と「1」とに対応し得るオンとオフとを循環させることによりデジタル情報を運び得る。他の実施形態では、信号発射器のオン及びオフ期間は非2進データ形式に対応し得る。
【0028】
データ自体は、限定しないがセンサ(以下に説明される)から導出されるデータを含む様々なタイプのデータを表し得る。
【0029】
他の実施形態では、信号発射器はセンサの一部として働き得る。例えば、流体中吸収度(fluid through absorbance)、透過率、又は他の光学的又は非光学的現象の特性を感知する文脈では、信号発射器は信号を生成する役目を果たし得、検出器(フィルタ筐体に関連付けられた)は信号発射器から信号を受信し得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、フィルタエレメント302は制御回路312と電気的に連通するセンサ314をさらに含み得る。多くの異なるタイプのセンサが本明細書において企図される。一例として、センサ314は、圧力センサ、温度センサ、振動センサ、粒子センサ、ガス濃度センサなどであり得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、センサ314から導出されたデータはフィードバックチャンネル回路316を介し外部受信器(フィルタ筐体304に関連付けられた受信器など)へ送信される。
【0032】
フィルタ筐体304は内容積を画定し得、フィルタエレメント302はフィルタ筐体304の内容積内に収まるように構成され得る。無線電力発射器326はフィルタ筐体304に関連付けられ得る。無線電力発射器326はまた、発射アンテナ328及びキャパシタ330などの部品を含み得る。フィルタ筐体304はまた、無線電力発射器326と電気的に連通する制御回路332を含み得る。信号受信器336は、フィルタ筐体304に関連付けられ得、フィードバックチャンネル回路316から信号を受信するように構成され得る。いくつかの実施形態では、信号受信器336は光検出器338を含み得る。電源340などの様々な回路系が制御回路332に関連付けられ得る。
【0033】
この例では、発射アンテナ328はインダクタである。しかし、発射アンテナ328はまた他の形式を取り得る。様々な実施形態では、無線電力発射器326はLC回路を含み得る。図3に示す図では、発射アンテナ328は電磁場342を生成し、電磁場342は次に受信アンテナ308を介し受信される。
【0034】
様々な実施形態によると、制御回路332は、データ蓄積器(読み出され得そしていくつかの状況下では書き込まれ得るデータ蓄積のための記憶回路を含む)を含み得る及び/又はそれと電気的に連通し得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、フィルタ筐体はフィルタ筐体間の流体流路を画定し得、フィルタエレメント及び流体流路は発光器と信号受信器との間を(少なくとも部分的に)通り得る。
【0036】
次に図4を参照すると、本明細書における様々な実施形態によるフィルタシステム300の一部分の概略図が示される。この実施形態では、フィルタ筐体304は、フィルタシステム300が動作中に流体がこの中を流れる(404)流体流路402を画定する。流体流路402は発光器318と光検出器338との間を通り得る。このようにして、流体流路402を通る流体に関する態様が、光検出器338により受信される信号を評価することにより確定され得る。光学的に判断され得る流体の態様は濁度、色、吸収度などを含み得る。しかし光検出器以外の検出器も使用され得るということが理解されるようになる。一例として、発光器318及び光検出器338の代わりに、第1の電極及び第2の電極が使用される可能性がある。さらに他の実施形態では、発光器318及び光検出器338の代わりに、音発射器又は振動発射器及び振動検出器が使用される可能性がある。多くのタイプの発射器及び検出器が企図される。
【0037】
ここで図5を参照すると、本明細書における様々な実施形態によるその中に設置された一次フィルタエレメント520を有するフィルタシステム500の概略断面図が示される。フィルタシステム500は、流体入口510及び流体出口512を含むと共に内容積514を画定する筐体502を含み得る。一次フィルタエレメント520は、筐体502の内容積514内に配置され得、その中に着脱可能に配置されるように構成され得る。図5に示す図では、一次フィルタエレメント520は、一次フィルタエレメント520が内容積514の遠端部528に近い又はそれに接触する位置に在るように筐体502内へ十分挿入される。内容積514の反対側には、内容積514の近端部530が在る。内容積514の近端部530は、筐体の近端部をそれを通る流体の流れから密閉するために近端部530と隣接して嵌合する着脱可能カバー504と係合するように構成される。着脱可能カバー504は、近端部530と係合し得、ねじ、摩擦嵌合機構、掛け金、バックル、スナップ式機構などを含む様々なデバイス又は構造を介しそれへ取り付けられた状態のままであり得る。
【0038】
受電及び信号伝達エレメント522がフィルタエレメント520に関連付けられ得る。受電及び信号伝達エレメント522は、上記図3を参照して説明したフィルタエレメント302に関連付けられた特徴を含み得る。送電及び信号受信エレメント524は筐体502内に又はその上に配置され得る。送電及び信号受信エレメント524は、上記図3を参照して説明したフィルタ筐体304に関連付けられた特徴を含み得る。送電及び信号受信エレメント524は、電力を受電及び信号伝達エレメント522へ無線で送信しそしてそれから戻る信号を無線で受信するように構成され得る。
【0039】
フィルタエレメントの他の部品とフィルタ筐体とに対する受電及び信号伝達エレメント522並びに送電及び信号受信エレメント524の位置は変化し得る。図5の例では、受電及び信号伝達エレメント522並びに送電及び信号受信エレメント524は互いに直隣に位置決めされる。しかし、図6を参照すると、受電及び信号伝達エレメント522並びに送電及び信号受信エレメント524は流体流路602を挟んで互いに分離される。
【0040】
加えて、図6は、2つ以上の受電及び信号伝達エレメント522並びに2つ以上の送電及び信号受信エレメント524を示す。この例では、第2の受電及び信号伝達エレメント622並びに第2の送電及び信号受信エレメント624が示される。第2の受電及び信号伝達エレメント622並びに第2の送電及び信号受信エレメント624は流体流路602を挟んで互いに分離されるが、この場合、これらは、他の受電及び信号伝達エレメント522並びに送電及び信号受信エレメント524より流体入口510から遠く離れて配置される。
【0041】
2つ以上の送電及び信号受信エレメント524及び/又は2つ以上の受電及び信号伝達エレメント522が存在するいくつかのケースでは、これらのいくつかの部品(図3に示すものなど)は共有され得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1の受電及び信号伝達エレメント522は、電力を無線で受信し、次に、受信された電力を、フィルタエレメントを通る有線接続を介し第2の受電及び信号伝達エレメント622と共有するためにアンテナなどのハードウェアを含み得る。
【0042】
本明細書におけるフィルタシステムの実施形態は2つ以上のフィルタエレメントを含み得るということが理解されることになる。例えば、本明細書におけるいくつかの実施形態では、フィルタシステムは一次フィルタエレメント及び二次フィルタエレメントを含むように構成され得る。一次フィルタエレメントは、濾過活動のほとんど又はすべてを通常動作中に行い得る。しかし、一次フィルタが故障すれば、二次フィルタエレメント(又はバックアップフィルタエレメント)が、流体を一定期間の間濾過することにより、フィルタシステムが配置される機械を保護し得る。いくつかの実施形態では、一次及び二次フィルタは同じ頻度で取り替えられる。しかし、他の実施形態では、一次フィルタは二次フィルタを変更する頻度より高い頻度で取り替えられる。
【0043】
ここで図7を参照すると、本明細書における様々な実施形態によるその中に設置された一次フィルタエレメント520及び二次フィルタエレメント521を有するフィルタシステム500の概略断面図が示される。フィルタシステム500は、流体入口510及び流体出口512を含むと共に内容積514を画定する筐体502を含み得る。一次フィルタエレメント520は、筐体502の内容積514内に配置され得、その中に着脱可能に配置されるように構成され得る。二次フィルタエレメント521は、筐体502の内容積514内に配置され得、又、一次フィルタエレメント520を同時に除去するしないにかかわらずその中に着脱可能に配置されるように構成され得る。
【0044】
図7に示す図では、一次フィルタエレメント520及び二次フィルタエレメント521は、一次及び二次フィルタエレメント520、521が内容積514の遠端部528に近い又はそれに接触する位置に在るように筐体502内へ十分挿入される。内容積514の反対側には、内容積514の近端部530が在る。内容積514の近端部530は、筐体の近端部をそれを通る流体の流れから密閉するために近端部530と隣接して嵌合するカバー504と係合するように構成される。
【0045】
第1の受電及び信号伝達エレメント522は一次フィルタエレメント520に関連付けられ(例えばその上に又はその中に配置され)得、第2の受電及び信号伝達エレメント722は二次フィルタエレメント521に関連付けられ(例えばその上に又はその中に配置され)得る。第1の送電及び信号受信エレメント524は筐体502内に又はその上に配置され得、第2の送電及び信号受信エレメント724もまた筐体502内に又はその上に配置され得る。第1の送電及び信号受信エレメント524は、電力を第1の受電及び信号伝達エレメント522へ無線で送信するようにそしてそれから信号を無線で受信するように構成され得る。第2の送電及び信号受信エレメント724は電力を第2の受電及び信号伝達エレメント722へ無線で送信するようにそしてそれから信号を無線で受信するように構成され得る。
【0046】
本明細書におけるフィルタシステムは多くの異なる形状及び構成を採り得るということが理解されることになる。ここで図8を参照すると、本明細書における様々な実施形態によるその中に設置された一次フィルタエレメント820及び二次フィルタエレメント821を有するフィルタシステム800の概略断面図が示される。フィルタシステム800は流体入口810及び流体出口812を含む筐体802を含み得る。筐体は内容積814を画定し得る。一次フィルタエレメント820は、筐体802の内容積814内に配置され得、その中に着脱可能に配置されるように構成され得る。二次フィルタエレメント821は、筐体802の内容積814内に配置され得、また、その中に着脱可能に配置されるように構成され得る。この実施形態では、一次フィルタエレメント820は二次フィルタエレメント821を除去するしないにかかわらず除去され得る。
【0047】
内容積814の反対側に在るのは、内容積814の近端部830である。内容積814の近端部830は、その中の流体の流れから筐体の近端部を密封するために近端部830と隣接して嵌合するカバー804と結合するように構成される。
【0048】
第1の受電及び信号伝達エレメント522は一次フィルタエレメント820に関連付けられ(例えばその上に又はその中に配置され)得、第2の受電及び信号伝達エレメント722は第2のフィルタエレメント821に関連付けられ(例えばその上に又はその中に配置され)得る。第1の送電及び信号受信エレメント524は筐体802内に又はその上に配置され得、第2の送電及び信号受信エレメント724も筐体802内に又はその上に配置され得る。第1の送電及び信号受信エレメント524は電力を第1の受電及び信号伝達エレメント522へ無線で送信するようにそしてそれから信号を受信するように構成され得る。第2の送電及び信号受信エレメント724は電力を第2の受電及び信号伝達エレメント722へ無線で送信するようにそしてそれから信号を無線で受信するように構成され得る。
【0049】
上記を参照すると、フィルタシステムの多くの異なる形状及び構成が本明細書において企図される。ここで図9を参照すると、筐体912及び着脱可能且つ交換可能一次フィルタエレメント914を含むフィルタシステム910の分解斜視図が示される。示された例では、筐体912は筐体本体916と着脱可能サービス用カバー918とを含む。カバー918は、サービスのための筐体本体916の内部へのサービスアクセスを提供する。図9に描写する一般型のフィルタシステム910に関して、サービスは通常、改装又は交換のいずれかのために少なくとも1つのフィルタエレメント(描写されたフィルタエレメント914など)を筐体912から取り外し除去することに関わる。
【0050】
描写された筐体912は、端921、空気入口922、及び空気出口924を有する外壁920を含む。描写された実施形態に関し、入口922及び出口924は両方とも筐体本体916内に在る。他の実施形態では、入口922又は出口924の少なくとも一方はカバー918の一部分であり得る。典型的使用では、周囲又は未濾過空気が入口922を通ってフィルタシステム910に入る。フィルタシステム910内では、この空気は所望レベルの粒子除去を得るためにフィルタエレメント914を通過される。次に、この濾過された空気は、出口924を通ってフィルタシステム910から外方向に通過し、適切な導管作業又は導管により関連エンジン又はコンプレッサ又は他のシステムの吸気の入口へ向けられる。
【0051】
図9は粒子除去のためのフィルタエレメントを説明するが、本明細書における実施形態がまた気相及び/又は液相汚染物質の除去のためのフィルタシステム及び/又はフィルタエレメントを含むということが理解されることになる。
【0052】
描写された特定フィルタシステム910は樽形状又は概して円筒状構成を画定する外壁920を有する。この特定構成では、出口924は通常、フィルタエレメント914により規定された長手方向中心軸の方向に延びそれを囲むので軸方向出口として説明され得る。サービス用カバー918は通常、筐体本体916の開放端926にぴったり嵌る。示された特定配置では、カバー918は、掛け金928により端926の上に適所に固定される。
【0053】
図9はまた、フィルタエレメント914の第1のエンドキャップ954上に配置された受信アンテナ908(無線受電器の一部分であり得る)及び信号発射器962(フィードバックチャンネル回路の一部分であり得る)を示す。発射アンテナ964は筐体912の端部921上に又はその中に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、発射アンテナ964は無線電力発射器の一部分であり得、システムコントローラ965と電気的に連通し得る。信号受信器(この図に示さない)は、筐体912に関連付けられ得、信号発射器962から信号を受信し得る。システムコントローラ965は、データのテレメトリ、格納及び/又は処理、電力貯蔵及び/又は変調などのための様々な回路系(RAM/ROMを及び/又はデータレジスタを含む)を含み得る。いくつかの実施形態では、システムコントローラ965はマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)などを含み得る。
【0054】
本明細書で使用される、用語「フィルタエレメント」又は「エレメント」は、流体が入口922から内部を通って出口924へ導かれると濾過される流体が通過するフィルタ媒体を含む着脱可能且つ交換可能な部品を指す。フィルタエレメント914は濾過機能を行う。別途明記しない限り、用語「エレメント」、「フィルタエレメント」、及び「フィルタ」はフィルタシステム910内の着脱可能且つ交換可能な部品を指すように意図される。好適には、フィルタエレメントは、適切なサービス間隔で手動で除去及び交換され得るように構成される。
【0055】
本明細書では、用語「一次エレメント」又は「一次フィルタエレメント」は通常、塵、粒子又は他の汚染物質負荷の大部分がフィルタシステム使用中に発生するフィルタエレメントを指す。2つのエレメントを有する典型的システムでは、一次エレメントは、典型的組み立て中は安全エレメントの上流側に位置する。この文脈における「上流」により意味するのは「使用中のフィルタエレメント位置、フィルタシステム構成、及びシールの位置に起因して、空気又は別の流体が通常、空気又は他の流体が入口922から出口924へ移動する際に空気又は他の流体が安全エレメントを通過する前に一次エレメントを通過しなければならない」ということである。
【0056】
本明細書では、用語「二次エレメント」又は「安全エレメント」は一次エレメントの下流側エレメントを指す。通常、極僅かの塵、粒子又は他の汚染物質負荷が安全エレメントに対し発生する。極僅かの塵、粒子又は他の汚染物質負荷は通常、一次エレメントの一部分の故障又はシールの故障、又は一次エレメントのサービス中の不慮の塵移動、又はいくつかの他の災難のいずれかの結果としてだけ発生する。
【0057】
本明細書においてこれまで示されたフィルタエレメント及び筐体の多くは、円筒形状フィルタエレメントとこれらを嵌め込むように構成された筐体とを描写するが、多くの異なる形状を有するフィルタエレメントが本明細書において企図されるということが理解されることになる。加えて、二次又は安全フィルタエレメントを含む上に参照された実施形態は一次フィルタエレメント内にちょうど収まるこのような二次又は安全フィルタエレメントを示すが、一次及び二次フィルタエレメントを含む他の多くの構成のフィルタシステムが本明細書において企図される。「第1のフィルタエレメント」への参照は、本明細書で述べた一次フィルタエレメント又は二次フィルタエレメントのいずれかを文脈に依存して指し得る。同様に、「第2のフィルタエレメント」への参照は、本明細書で述べた一次フィルタエレメント又は二次フィルタエレメントのいずれかを文脈に依存して指し得る。
【0058】
ここで図10を参照すると、フィルタエレメント1000を有するフィルタシステム1060の概略分解透視図が描写される。フィルタシステム1060は筐体部1062、1063を有する筐体1061を含み得る。筐体部1062、1063間には、設置中に、軸方向筐体シール装置1002が配置され、締めつけられるだろう。筐体部の一方1063は通常、フィルタエレメント収容器となり、収容溝1065をその中に含むことになる。設置中に、シール装置1002は収容溝1065へ嵌められる。第2の筐体部1063は通常、設置中に表面へ圧力を印加するように配向された圧力フランジ1064を含むだろう。圧力フランジ1064は、密閉のためにシール部材1012を溝1065の棚面部分又はシール面部分に対して適切に締めつけるためにシール面が加圧されるということを保証するのを助ける。ボルト又はオーバセンタ(over center)掛け金などの様々な保持機構が力を印加し保持するために使用され得る。
【0059】
図10を依然として参照すると、筐体部1063は、設置中にシール装置1002を取り囲み、それから任意選択的ハンドル部材1030、1031と同じ方向に突出し得るシール領域外周リム1070を含む。フィルタエレメント1000はリム1070内に凹設され得る。
【0060】
図10を依然として参照すると、筐体部1063はまた、リム1070により取り囲まれたシール領域内周リム1071であってシール係合面を含む溝1072によりリム1070から離間されたシール領域内周リム1071を含む。リム1071は任意選択的であるが、リム1071は好ましい。リム1071は通常、フィルタエレメント1000が適切に設置されると、シール装置又は部材1012の一部分がリム1071とリム1070との間に位置するように配置されることになる。
【0061】
無線受電器の一部分であり得る受信アンテナ1092及びフィードバックチャンネル回路の一部分であり得る信号発射器1093はフィルタエレメント1000に関連付けられ(例えばその上に又はその中に配置され)得る。特に、受信アンテナ1092はフィルタエレメント1000の側壁1003上に若しくはその中に又はフィルタエレメント1000の別の部品上に又はその中に配置され得る。発射アンテナ1094は筐体1061上に又はその中に取り付けられ得る。発射アンテナ1094は無線電力発射器の一部分であり得る。信号受信器1097は、筐体1061に関連付けられ得、信号発射器1093から信号を受信し得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、発射アンテナ1094は、電気的コンタクト1096を含むコンタクトパッド1095と電気的に連通し得る。コンタクトパッド1095は、発射アンテナ1094と他の機器とを接続して電力を運ぶことを容易にし得る。
【0063】
図10の筐体1062は概略であるということに注意すべきである。筐体はまた、その設置、気流入口、気流出口などに関係する追加特徴を有し得る。また、受信アンテナ1092及び信号発射器1093は、多くの異なる特定位置に(例えば、フィルタエレメント1000の内部上に、又はフィルタエレメント1000若しくはフィルタシステムの他の部品内に若しくはその間に)在り得る。
【0064】
ここで図11を参照すると、フィルタヘッド1144及びスピンオンキャニスタフィルタ1146を含むフィルタアセンブリ1140の分解斜視図が示される。フィルタヘッド1144はスピンオンキャニスタフィルタ1146とボウルカートリッジフィルタ(図示せず)との両方を動作可能に収容することができる。「動作可能に収容する」により意味するのは「フィルタヘッド1144は、浄化されるべき流体が適切なチャネルを介し導かれて目的どおり流体を浄化するようにスピンオンキャニスタフィルタ1146と係合するのに適切な構造を含む」ということである。図11を参照すると、スピンオンキャニスタフィルタ1146は使い捨て筐体1150及びバッフル板1152を含む。筐体1150は交換不能カートリッジフィルタ(フィルタエレメント)を恒久的に保持するフィルタ内部を画定する。いくつかの実施形態では、フィルタヘッド1144は端面1145を含む。
【0065】
バッフル板1152は、フィルタヘッド1144からスピンオンキャニスタフィルタ1146の内容積内への流体流れを許容するための複数の開口1142を含む。
【0066】
フィルタヘッド1144は、内容積を取り囲む外側管を形成する連続的外壁部材1160を含むブロック1158を含む。フィルタヘッドブロック1158は、前方流システムでは入口である第1のポート、前方流システムでは出口ポートである第2のポート、及び内容積内に在り外側管により囲まれる内部又は中心管を画定し得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、外面1172は第1の機械的接続構造1174を有し得る。第1の機械的接続構造1174は多くのタイプの配置を含む。それらの可能な配置のうちの中でも、一例は、ねじ、バイオネット接続、ビード及び溝接続などを含む。示された特定の実施形態では、第1の接続構造1174は第1の複数のネジ山1176を含む。この特定の実施形態では、第1の複数のネジ山1176は壁部材1160の外面1172上に配置される。しかし、他の実施形態では、第1の複数のねじ山は壁部材1160の内面に沿って配置され得る。
【0068】
スピンオンキャニスタフィルタ1146は第2の機械的接続構造1125(この場合、ネジ山1126として描写される)を含み得る。ネジ山1126は第1の接続構造1174の第1の複数のネジ山1176と係合する。
【0069】
無線受電器、制御回路及びフィードバックチャンネル回路(この図に示さず)はスピンオンキャニスタフィルタ1146に関連付けられ(例えばその上に又はその中に配置され)得る。無線電力発射器及び信号受信器はフィルタヘッド1144又はその部品(例えば壁部材1160)に関連付けられ(例えばその上に又はその中に配置され)得る。無線受電器及び/又はフィードバックチャンネル回路は単独使用筐体1150若しくはその一部分内に又はその上に関連付けられ得る及び/又は配置され得る。例えば、いくつかの実施形態では、無線受電器及び/又はフィードバックチャンネル回路は、単独使用筐体1150に関連付けられたドレイン及び/又は燃料中水(water-in-fuel)センサ内に又はその上に関連付けられ得る及び/又は配置され得る。
【0070】
態様は様々な特定且つ好ましい実施形態及び技術を参照して表現された。しかし、多くの変形及び修正が本明細書における精神及び範囲内に留まる一方でなされ得るということを理解すべきである。従って、本明細書で説明された実施形態は、網羅的であるように、又は本発明を以下の詳細説明に記載される正確な形式へ制限するように意図されていない。むしろ、実施形態は、当業者が本原理及び実施を認識及び理解し得るように選択され説明された。
【0071】
本明細書と添付特許請求の範囲において使用されるように、単数形式の冠詞と不定冠詞は、その内容が明記しない限り、複数の参照物を含むということに留意されたい。従って、例えば、「化合物」を含む組成への参照は2つ以上の化合物の混合物を含む。用語「又は」は通常、その内容が別途明確に規定しない限り「及び/又は」を含む意味で使用されるということにも留意すべきである。
【0072】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるように、語句「構成される」は、特定タスクを行う又は特定構成を採用するように構築又は構成されるシステム、装置又は他の構造を記述するということにも注意すべきである。語句「構成される」は、配置され構成された、構築され配置された、構築された、製造され配置されたなどの他の同様な語句と交換可能に使用され得る。
【0073】
本明細書内のすべての刊行物及び特許出願は本発明が関係する当業者のレベルを示す。すべての刊行物及び特許出願は、各刊行物又は特許出願が参照により具体的且つ個々に示されたと同程度に、参照により本明細書に援用される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11