(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-06
(45)【発行日】2023-06-14
(54)【発明の名称】データ採集方法、装置、デバイス、プログラム及びコンピュータ可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20230607BHJP
G07C 5/00 20060101ALI20230607BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G07C5/00 Z
(21)【出願番号】P 2020570040
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(86)【国際出願番号】 CN2019125955
(87)【国際公開番号】W WO2020147482
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2020-12-15
(31)【優先権主張番号】201910036974.8
(32)【優先日】2019-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】321009845
【氏名又は名称】アポロ インテリジェント ドライビング テクノロジー(ペキン)カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ニン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ファン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,チェンファ
(72)【発明者】
【氏名】リー,ガイファン
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-186822(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109857002(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G07C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータにより実行される、データ採集方法であって、
採集された車両の現在所在の運転シーンにおける運転シーンデータと運転行為データとに基づいて、所定の安定走行条件を満たしているか否かを確定し、
所定の安定走行条件を満たしている場合に、所定のサンプリング周波数よりも低い周波数で運転シーンデータと運転行為データとを採集することを含む、方法。
【請求項2】
所定の安定走行条件を満たしていない場合に、所定のサンプリング周波数で運転シーンデータと運転行為データとを採集することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記所定の安定走行条件を満たしていることは、
前記車両の現在走行速度が第1の所定の閾値以下であること、
前記車両の走行方向における加速度の大きさが第2の所定の閾値以下であること、
前記車両の横方向における加速度の大きさが第
3の所定の閾値以下であること、
前記車両の角速度の大きさが第
4の所定の閾値以下であること、
前記車両に発進と停車が発生していないこと、及び/又は、
前記車両の現在所在の位置が特定の道路状況の所定の範囲内ではないことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記特定の道路状況は、交差点、踏み切り、トンネル出入口、車線数変更点、交通事故点、ブリッジ、所定の停車/減速必要な地点における少なくとも一つを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記所定のサンプリング周波数で運転シーンデータと運転行為データとを採集することは、
第1のサンプリング周波数で運転シーンデータを採集し、第2のサンプリング周波数で運転行為データを採集することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のサンプリング周波数で運転シーンデータを採集し、第2のサンプリング周波数で運転行為データを採集することは、
所定の期間範囲内において、第1のサンプリング周波数で運転シーンデータを採集し、第2のサンプリング周波数で運転行為データを採集することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記所定のサンプリング周波数よりも低い周波数で運転シーンデータと運転行為データとを採集することは、
前記第1のサンプリング周波数よりも低い第3のサンプリング周波数で運転シーンデータを採集し、前記第2のサンプリング周波数よりも低い第4のサンプリング周波数で運転行為データを採集することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
採集された前記車両の現在所在の運転シーンにおける運転シーンデータと運転行為データとに基づいて、所定の安定走行条件を満たしているか否かを確定することの前に、
センサにより前記運転シーンデータを採集し、前記車両のコントローラエリアネットワークCANバスにより前記運転行為データを取得することをさらに含み、
前記運転シーンデータは、前記車両の周囲環境の画像データ、前記車両の位置データと車両姿勢データを含む、請求項1~7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記センサにより前記運転シーンデータを採集することは、
カメラにより前記車両の周囲環境の画像データを採集し、測位モジュールにより前記車両の位置データを採集し、慣性測定ユニットにより前記車両の車両姿勢データを採集することを含み、
前記車両姿勢データは、三次元座標系における三つの座標軸方向における前記車両の加速度と角速度を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
採集された前記車両の現在所在の運転シーンにおける運転シーンデータと運転行為データとに基づいて、所定の安定走行条件を満たしているか否かを確定することは、
第1の所定の周期に従って、採集された車両の現在所在の運転シーンにおける運転シーンデータと運転行為データとに基づいて、所定の安定走行条件を満たしているか否かを確定することを含む、請求項1~7の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記運転シーンデータと運転行為データとを採集することの後に、
採集された前記運転シーンデータと前記運転行為データをローカル記憶デバイスに記憶すること、及び/又は、
所定のサンプリング周波数よりも低い周波数で採集された運転シーンデータと運転行為データにおける画像データをサンプリングして第1の伝送周波数でクラウトサーバに伝送し、及び/又は、所定のサンプリング周波数よりも低い周波数で採集された運転シーンデータと運転行為データにおける画像データ以外の他のデータをサンプリングして第2の伝送周波数でクラウトサーバに伝送すること、及び/又は、
前記所定のサンプリング周波数で採集された運転シーンデータと運転行為データにおける画像データをサンプリングして第3の伝送周波数でクラウトサーバに伝送し、及び/又は、前記所定のサンプリング周波数で採集された運転シーンデータと運転行為データにおける画像データ以外の他のデータをサンプリングして第4の伝送周波数でクラウトサーバに伝送することをさらに含む、請求項1~7の何れか一項に記載の方法。
【請求項12】
採集された運転シーンデータと運転行為データとに基づいて、道路工事状況の構築、及び/又は運転シーンの再作成、及び/又は運転行為の解析と学習を行うことをさらに含む、請求項1~7の何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
データ採集装置であって、
車両の現在所在の運転シーンにおける運転シーンデータを採集する第1の採集ユニットと、
前記車両の運転行為データを採集する第2の採集ユニットと、
前記第1の採集ユニットにより採集された車両の現在所在の運転シーンにおける運転シーンデータと、前記第2の採集ユニットにより採集された運転行為データとに基づいて、所定の安定走行条件を満たしているか否かを確定し、所定の安定走行条件を満たしている場合に、所定のサンプリング周波数よりも低い周波数で運転シーンデータと運転行為データとを採集するように前記第1の採集ユニットと前記第2の採集ユニットに指示する確定ユニットと、を備える、装置。
【請求項14】
前記確定ユニットは、所定の安定走行条件を満たしていない場合に、所定のサンプリング周波数で運転シーンデータと運転行為データとを採集するように前記第一採集ユニットと前記第二採集ユニットにさらに指示する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記所定の安定走行条件を満たしていることは、
前記車両の現在の走行速度が第1の所定の閾値以下であること、
前記車両の走行方向における加速度の大きさが第2の所定の閾値以下であること、
前記車両の横方向における加速度の大きさが第3の所定の閾値以下であること、
前記車両の角速度の大きさが第4の所定の閾値以下であること、前記車両に発進と停車が発生していないこと、及び/又は、
前記車両の現在所在の位置が特定の道路状況の所定の範囲内ではないことを含む、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記特定の道路状況は、交差点、踏み切り、トンネル出入口、車線数変更点、交通事故点、ブリッジ、所定の停車/減速必要な地点における少なくとも一つを含む、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第1の採集ユニットは、具体的に、所定の安定走行条件を満たしていない場合に、第1のサンプリング周波数で運転シーンデータを採集し、
前記第2の採集ユニットは、具体的に、所定の安定走行条件を満たしていない場合に、第2のサンプリング周波数で運転行為データを採集する、請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記第1の採集ユニットは、具体的に、所定の安定走行条件を満たしていない場合に、所定の期間範囲内において、第1のサンプリング周波数で運転シーンデータを採集し、
前記第2の採集ユニットは、具体的に、所定の安定走行条件を満たしていない場合に、所定の期間範囲内において、第2のサンプリング周波数で運転行為データを採集する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記第1の採集ユニットは、具体的に、所定の安定走行条件を満たしている場合に、前記第1のサンプリング周波数よりも低い第3のサンプリング周波数で運転シーンデータを採集し、
前記第2の採集ユニットは、具体的に、所定の安定走行条件を満たしている場合に、前記第2のサンプリング周波数よりも低い第4のサンプリング周波数で運転行為データを採集する、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記第1の採集ユニットはセンサを備え、前記運転シーンデータは、前記車両の周囲環境の画像データ、前記車両の位置データと車両姿勢データを含み、
前記第2の採集ユニットは、具体的に、前記車両のコントローラエリアネットワークCANバスにより前記運転行為データを取得する、請求項13~18の何れか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記第1の採集ユニットは、
前記車両の周囲環境の画像データを採集するカメラと、
前記車両の位置データを採集する測位モジュールと、
前記車両の車両姿勢データを採集する慣性測定ユニットと、を備え、
前記車両姿勢データは、三次元座標系における三つの座標軸方向における前記車両の加速度と角速度を含む、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記確定ユニットは、具体的に、第1の所定の周期に従って、採集された車両の現在所在の運転シーンにおける運転シーンデータと運転行為データとに基づいて、所定の安定走行条件を満たしているか否かを確定する、請求項13~19の何れか一項に記載の装置。
【請求項23】
採集された前記運転シーンデータと前記運転行為データとを記憶する記憶デバイスと、及び/又は、
所定のサンプリング周波数よりも低い周波数で採集された運転シーンデータと運転行為データにおける画像データをサンプリングして第1の伝送周波数でクラウトサーバに伝送し、及び/又は、所定のサンプリング周波数よりも低い周波数で採集された運転シーンデータと運転行為データにおける画像データ以外の他のデータをサンプリングして第2の伝送周波数でクラウトサーバに伝送し、及び/又は、前記所定のサンプリング周波数で採集された運転シーンデータと運転行為データにおける画像データをサンプリングして第3の伝送周波数でクラウトサーバに伝送し、及び/又は、前記所定のサンプリング周波数で採集された運転シーンデータと運転行為データにおける画像データ以外の他のデータをサンプリングして第4の伝送周波数でクラウトサーバに伝送する伝送処理ユニットと、をさらに備える、請求項13~19の何れか一項に記載の装置。
【請求項24】
採集された運転シーンデータと運転行為データとに基づいて、道路工事状況の構築、及び/又は運転シーンの再作成、及び/又は運転行為の解析と学習を行う応用ユニットをさらに備える、請求項13~19の何れか一項に記載の装置。
【請求項25】
請求項13~24の何れか一項に記載のデータ採集装置を備える車両。
【請求項26】
一つ又は複数のプロセッサと、
一つ又は複数のプログラムを記憶する記憶装置と、を備え、
前記一つ又は複数のプログラムが前記一つ又は複数のプロセッサにより実行されると、前記一つ又は複数のプロセッサに請求項1~12の何れか一項に記載のデータ採集方法を実現させるデバイス。
【請求項27】
コンピュータプログラムが記憶されており、当該プログラムがプロセッサにより実行されると、請求項1~12の何れか一項に記載のデータ採集方法を実現するコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項28】
プロセッサにより実行されると、請求項1~12の何れか一項に記載のデータ採集方法を実現するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願日が2019年01月15日、出願番号が201910036974.8、発明名称が「データ採集方法、装置、デバイス及びコンピュータ可読記憶媒体」である中国特許出願の優先権を要求した。
【0002】
本発明は、データ処理技術に関し、特にデータ採集方法、装置、デバイス、プログラム及びコンピュータ可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
リアルな運転シーンデータ及び各種の運転シーンにおける運転者の運転行為データは、道路工事状況の構築、運転シーンの再作成、運転者モデルの構築、運転行為解析及び学習、車両の動力学のモデリングとシミュレーション等において非常に重要な意義があり、実際の研究において各種の運転シーンにおける運転シーンデータ及び運転者の運転行為データの助けが必要である。
【0004】
ところが、リアルな運転シーンデータ及び各種の運転シーンにおける運転者の運転行為データは、採集、解析し難い。その一方、リアルな運転シーンが多く且つ複雑で、大量の運転者、大量の車両が長時間で採集する必要がある。また、固定の線路、類似の運転シーン、類似の運転モードにおける運転シーンデータと運転者の運転行為データとの類似性が高くなり、運転シーンデータ及び運転者の運転行為データのデータ量が非常に膨大であり、冗長なデータが多いため、後続で大量の記憶リソース、伝送リソースを占用する必要があり、且つ解析し難い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の複数の局面は、運転シーンデータ及び運転行為データのデータ冗長性を低減するデータ採集方法、装置、デバイス及びコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面は、採集された車両の現在所在の運転シーンにおける運転シーンデータと運転行為データに基づいて、所定の安定走行条件を満たしているか否かを確定し、所定の安定走行条件を満たしている場合に、所定のサンプリング周波数よりも低い周波数で運転シーンデータと運転行為データを採集することを含むデータ採集方法を提供する。
【0007】
前記のような局面と何れか一つの可能な実現方式において、さらに、所定の安定走行条件を満たしていない場合に、所定のサンプリング周波数で運転シーンデータと運転行為データを採集することをさらに含む実現方式を提供する。
【0008】
前記のような局面と何れか一つの可能な実現方式において、さらに、前記所定の安定走行条件を満たしていることは、前記車両の現在走行速度が第1の所定の閾値以下であること、前記車両の走行方向における加速度の大きさが第2の所定の閾値以下であること、前記車両の横方向における加速度の大きさが第3の所定の閾値以下であること、前記車両の角速度の大きさが第4の所定の閾値以下であること、前記車両に発進と停車が発生していないこと、及び/又は、前記車両の現在所在の位置が特定の道路状況の所定の範囲内ではないことを含む実現方式を提供する。
【0009】
前記のような局面と何れか一つの可能な実現方式において、さらに、前記特定の道路状況は、交差点、踏み切り、トンネル出入口、車線数変更点、交通事故点、ブリッジ、所定の停車/減速必要な地点における少なくとも一つを含む実現方式を提供する。
【0010】
前記のような局面と何れか一つの可能な実現方式において、さらに、前記所定のサンプリング周波数で運転シーンデータと運転行為データを採集することは、第1のサンプリング周波数で運転シーンデータを採集し、第2のサンプリング周波数で運転行為データを採集することを含む実現方式を提供する。
【0011】
前記のような局面と何れか一つの可能な実現方式において、さらに、前記第1のサンプリング周波数で運転シーンデータを採集し、第2のサンプリング周波数で運転行為データを採集することは、所定の期間範囲内、第1のサンプリング周波数で運転シーンデータを採集し、第2のサンプリング周波数で運転行為データを採集することを含む実現方式を提供する。
【0012】
前記のような局面と何れか一つの可能な実現方式において、さらに、前記所定のサンプリング周波数よりも低い周波数で運転シーンデータと運転行為データを採集することは、前記第1のサンプリング周波数よりも低い第3のサンプリング周波数で運転シーンデータを採集し、前記第2のサンプリング周波数よりも低い第4のサンプリング周波数で運転行為データを採集することを含む実現方式を提供する。
【0013】
前記のような局面と何れか一つの可能な実現方式において、さらに、採集された前記車両の現在所在の運転シーンにおける運転シーンデータと運転行為データに基づいて所定の安定走行条件を満たしているか否かを確定する前に、さらに、センサにより前記運転シーンデータを採集し、前記車両のコントローラエリアネットワークCANバスにより前記運転行為データを取得することを含み、前記運転シーンデータは、前記車両の周囲環境の画像データ、前記車両の位置データと車両姿勢データを含む実現方式を提供する。
【0014】
前記のような局面と何れか一つの可能な実現方式において、さらに、前記センサにより前記運転シーンデータを採集することは、カメラにより前記車両の周囲環境の画像データを採集し、測位モジュールにより前記車両の位置データを採集し、慣性測定ユニットにより前記車両の車両姿勢データを採集することを含み、前記車両姿勢データは、三次元座標系における三つの座標軸方向における前記車両の加速度と角速度を含む実現方式を提供する。
【0015】
前記のような局面と何れか一つの可能な実現方式において、さらに、採集された前記車両の現在所在の運転シーンにおける運転シーンデータと運転行為データに基づいて、所定の安定走行条件を満たしているか否かを確定することは、第1の所定の周期に従って、採集された車両の現在所在の運転シーンにおける運転シーンデータと運転行為データに基づいて、所定の安定走行条件を満たしているか否かを確定することを含む実現方式を提供する。
【0016】
前記のような局面と何れか一つの可能な実現方式において、さらに、前記運転シーンデータと運転行為データとを採集することの後に、さらに、採集された前記運転シーンデータと前記運転行為データをローカル記憶デバイスに記憶し、及び/又は、所定のサンプリング周波数よりも低い周波数で採集された運転シーンデータと運転行為データにおける画像データをサンプリングして第1の伝送周波数でクラウトサーバに伝送し、及び/又は、所定のサンプリング周波数よりも低い周波数で採集された運転シーンデータと運転行為データにおける画像データ以外の他のデータをサンプリングして第2の伝送周波数でクラウトサーバに伝送し、及び/又は、前記所定のサンプリング周波数で採集された運転シーンデータと運転行為データにおける画像データをサンプリングして第3の伝送周波数でクラウトサーバに伝送し、及び/又は、前記所定のサンプリング周波数で採集された運転シーンデータと運転行為データにおける画像データ以外の他のデータをサンプリングして第4の伝送周波数でクラウトサーバに伝送することを含む実現方式を提供する。
【0017】
前記のような局面と何れか一つの可能な実現方式において、さらに、採集された運転シーンデータと運転行為データに基づいて、道路工事状況の構築、及び/又は運転シーンの再作成、及び/又は運転行為の解析と学習を行うことをさらに含む実現方式を提供する。
【0018】
本発明の他の局面は、車両が所在する運転シーンにおける運転シーンデータを採集する第1の採集ユニットと、前記車両の運転行為データを採集する第2の採集ユニットと、前記第1の採集ユニットにより採集された車両の現在所在の運転シーンにおける運転シーンデータと、前記第2の採集ユニットにより採集された運転行為データに基づいて、所定の安定走行条件を満たしているか否かを確定し、所定の安定走行条件を満たしている場合に、所定のサンプリング周波数よりも低い周波数で運転シーンデータと運転行為データを採集するように前記第1の採集ユニットと前記第2の採集ユニットに指示する確定ユニットと、を備えるデータ採集装置を提供する。
【0019】
前記のような局面と何れか一つの可能な実現方式において、さらに、前記確定ユニットは、さらに、所定の安定走行条件を満たしていない場合に、所定のサンプリング周波数で運転シーンデータと運転行為データを採集するように前記第一採集ユニットと前記第二採集ユニットに指示する実現方式を提供する。
【0020】
前記のような局面と何れか一つの可能な実現方式において、さらに、前記所定の安定走行条件を満たしていることは、前記車両の現在の走行速度が第1の所定の閾値以下であること、前記車両の走行方向における加速度の大きさが第2の所定の閾値以下であること、前記車両の横方向における加速度の大きさが第3の所定の閾値以下であること、前記車両の角速度の大きさが第4の所定の閾値以下であること、前記車両に発進と停車が発生していないこと、及び/又は、前記車両の現在所在の位置が特定の道路状況の所定の範囲内ではないことを含む実現方式を提供する。
【0021】
前記のような局面と何れか一つの可能な実現方式において、さらに、前記特定の道路状況は、交差点、踏み切り、トンネル出入口、車線数の変更点、交通事故点、ブリッジ、所定の停車/減速必要な地点における少なくとも一つを含む実現方式を提供する。
【0022】
前記のような局面と何れか一つの可能な実現方式において、さらに、前記第1の採集ユニットは、具体的に、所定の安定走行条件を満たしていない場合に、第1のサンプリング周波数で運転シーンデータを採集し、前記第2の採集ユニットは、具体的に、所定の安定走行条件を満たしていない場合に、第2のサンプリング周波数で運転行為データを採集する実現方式を提供する。
【0023】
前記のような局面と何れか一つの可能な実現方式において、さらに、前記第1の採集ユニットは、具体的に、所定の安定走行条件を満たしていない場合に、所定の期間範囲内において、第1のサンプリング周波数で運転シーンデータを採集し、前記第2の採集ユニットは、具体的に、所定の安定走行条件を満たしていない場合に、所定の期間範囲内において、第2のサンプリング周波数で運転行為データを採集する実現方式を提供する。
【0024】
前記のような局面と何れか一つの可能な実現方式において、さらに、前記第1の採集ユニットは、具体的に、所定の安定走行条件を満たしている場合に、前記第1のサンプリング周波数よりも低い第3のサンプリング周波数で運転シーンデータを採集し、前記第2の採集ユニットは、具体的に、所定の安定走行条件を満たしている場合に、前記第2のサンプリング周波数よりも低い第4のサンプリング周波数で運転行為データを採集する実現方式を提供する。
【0025】
前記のような局面と何れか一つの可能な実現方式において、さらに、前記第1の採集ユニットはセンサを備え、前記運転シーンデータは、前記車両の周囲環境の画像データ、前記車両の位置データと車両姿勢データを含み、前記第2の採集ユニットは、具体的に、前記車両のコントローラエリアネットワークCANバスにより前記運転行為データを取得する実現方式を提供する。
【0026】
前記のような局面と何れか一つの可能な実現方式において、さらに、前記第1の採集ユニットは、前記車両の周囲環境の画像データを採集するカメラと、前記車両の位置データを採集する測位モジュールと、前記車両の車両姿勢データを採集する慣性測定ユニットと、を備え、前記車両姿勢データは、三次元座標系における三つの座標軸方向における前記車両の加速度と角速度を含む実現方式を提供する。
【0027】
前記のような局面と何れか一つの可能な実現方式において、さらに、前記確定ユニットは、具体的に、第1の所定の周期に従って、採集された車両の現在所在の運転シーンにおける運転シーンデータと運転行為データに基づいて、所定の安定走行条件を満たしているか否かを確定する実現方式を提供する。
【0028】
前記のような局面と何れか一つの可能な実現方式において、さらに、採集された前記運転シーンデータと前記運転行為データを記憶する記憶デバイスと、及び/又は、所定のサンプリング周波数よりも低い周波数で採集された運転シーンデータと運転行為データにおける画像データをサンプリングして第1の伝送周波数でクラウトサーバに伝送し、及び/又は、所定のサンプリング周波数よりも低い周波数で採集された運転シーンデータと運転行為データにおける画像データ以外の他のデータをサンプリングして第2の伝送周波数でクラウトサーバに伝送し、及び/又は、前記所定のサンプリング周波数で採集された運転シーンデータと運転行為データにおける画像データをサンプリングして第3の伝送周波数でクラウトサーバに伝送し、及び/又は、前記所定のサンプリング周波数で採集された運転シーンデータと運転行為データにおける画像データ以外の他のデータをサンプリングして第4の伝送周波数でクラウトサーバに伝送する伝送処理ユニットと、をさらに備える実現方式を提供する。
【0029】
前記のような局面と何れか一つの可能な実現方式において、さらに、採集された運転シーンデータと運転行為データに基づいて、道路工事状況の構築、及び/又は運転シーンの再作成、及び/又は運転行為の解析と学習を行う応用ユニットをさらに備える実現方式を提供する。
【0030】
本発明の他の局面は、前記の一局面により提供されるデータ採集装置を備える車両を提供する。
【0031】
本発明の他の局面は、一つ又は複数のプロセッサと、一つ又は複数のプログラムを記憶する記憶装置とを備え、前記一つ又は複数のプログラムが前記一つ又は複数のプロセッサにより実行されると、前記一つ又は複数のプロセッサに前記の一局面により提供されるデータ採集方法を実現させるデバイスを提供する。
【0032】
本発明の他の局面は、コンピュータプログラムが記憶されており、当該プログラムがプロセッサにより実行されると、前記の一局面により提供されるデータ採集方法を実現させるコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0033】
前記の技術案によれば、本発明の実施例は、採集された車両の現在所在の運転シーンにおける運転シーンデータと運転行為データに基づいて、所定の安定走行条件を満たしているか否かを確定し、所定の安定走行条件を満たしている場合に、所定のサンプリング周波数よりも低い周波数で運転シーンデータと運転行為データを採集することにより、類似のシーン、類似の運転モードにおけるデータの冗長を低減し、データ量を低減することができるため、記憶リソースと伝送リソースの占用を低減して後続の解析に寄与することができる。
【0034】
また、本発明により提供される技術案を採用すれば、所定の安定走行条件を満たしていない場合に、所定のサンプリング周波数で運転シーンデータと運転行為データを採集することにより、運転シーンデータと運転行為データに対する、道路の工事状況の構築、運転シーンの再作成、運転者のモデルの構築、運転行為の解析と学習、車両の動力学のモデリングとシミュレーション等の応用のニーズに応じることができる。
【0035】
また、本発明により提供される技術案を採用すれば、運転シーンデータと運転行為データに対するシーン、モード別の動的な採集を実現し、データ採集の柔軟性及び便利性を実現した。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本願実施例における技術案をより明確に説明するために、以下に実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下に説明される図面は、本願の一部の実施例である。当業者にとっては、創造的な労働がなされていない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ても良い。
【
図1】本発明の一実施例により提供されるデータ採集方法のフローチャートである。
【
図2】本発明の他の実施例により提供されるデータ採集方法のフローチャートである。
【
図3】本発明の一実施例により提供されるデータ採集装置の構成モード図である。
【
図4】本発明の他の実施例により提供されるデータ採集装置の構成モード図である。
【
図5】本発明の実施方式を実現可能な例示的なコンピュータシステム/サーバのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本願実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下に本願実施例における図面と合わせて本願実施例における技術案を明確で完全的に説明する。明らかに、説明された実施例は、全ての実施例ではなく、本願の一部の実施例である。当業者は、本願における実施例に基づいて、創造的な労働がなされていない前提で得られた全ての他の実施例は、本願の保護範囲に入る。
【0038】
本願中の専門語である「及び/又は」は、関連対象を描画する関連関係に過ぎず、三つの関係がある可能性を示す。例えば、A及び/又はBは、Aだけが存在すること、AとBが同時に存在すること、Bだけが存在する、という三つの状況を示すことができる。また、本願中の文字である“/”は、一般的に、前後の関連対象が「又は」の関係を有すると示す。
【0039】
本発明の主な構想は、採集された車両の現在所在の運転シーンにおける運転シーンデータと運転行為データに基づいて、現在の運転シーンを確定し、運転シーンによっては、異なるサンプリング周波数で運転シーンデータと運転行為データを採集する。
【0040】
図1は、本発明の一実施例により提供されるデータ採集方法のフローチャートである。
図1に示されたように、101において、採集された車両の現在所在の運転シーンにおける運転シーンデータと運転行為データに基づいて、所定の安定走行条件を満たしているか否かを確定する。
【0041】
102において、所定の安定走行条件を満たしている場合に、所定のサンプリング周波数よりも低い周波数で運転シーンデータと運転行為データを採集する。なお、所定のサンプリング周波数は、予め設置可能であり、各種の運転シーンと運転行為モードにおける運転シーンデータと運転行為データに対する採集の必要な周波数を満たすことができる。当該所定のサンプリング周波数の数値の大きさは、経験値に基づいて設置しても良く、実際の必要に応じて合わせて調整しても良い。
【0042】
説明すべきなのは、101~102の実行主体の一部又は全ては、車両中に結合で設置されるデバイス又はアプリであっても良く、外部から車両と接続されるデバイス又はアプリであっても良く、単独のデバイス又はアプリであっても良い。本実施例は特に限定されない。
【0043】
理解すべきなのは、前記アプリは、端末にインストールされるローカルプログラム(nAtiveApp)であっても良く、端末上のブラウザにおける一つのウェブプログラム(weBApp)であっても良く、本実施例に特に限定されない。
【0044】
このように、採集された車両の現在所在の運転シーンにおける運転シーンデータと運転行為データに基づいて、所定の安定走行条件を満たしているか否かを確定し、所定の安定走行条件を満たしている場合に、通常の所定のサンプリング周波数よりも低い周波数で運転シーンデータと運転行為データを採集することにより、類似のシーン、類似の運転モードにおけるデータの冗長を低減し、データ量を低減することができるため、記憶リソースと伝送リソースの占用を低減して後続の解析に寄与することができる。
【0045】
好ましくは、本実施例の可能な実現方式は、101において、所定の安定走行条件を満たしていることは、車両の現在の走行速度が第1の所定の閾値(例えば70KM/h)以下であること、車両の走行方向における加速度の大きさが第2の所定の閾値(例えば4m/s2)以下であること、車両の横方向における加速度の大きさが第3の所定の閾値(例えば5m/s2)以下であること、車両の角速度の大きさが第4の所定の閾値(例えば45o/s)以下であること、車両に発進と停車が発生していないこと、及び/又は、車両の現在所在の位置が特定の道路状況の所定の範囲内ではないこと(例えば、車両の現在所在の位置が特定の道路状況から50mの範囲内ではない)を含むが、これらに限定されない。
【0046】
なお、前記特定の道路状況は、交差点、踏み切り、トンネル出入口、車線数変更点、交通事故点、ブリッジ、所定の停車/減速必要な地点における少なくとも一つを含むが、これらに限定されない。
【0047】
なお、車両の走行方向における加速度の大きさが第2の所定の閾値を超えた場合に、例えば車両の走行方向における加速度が4m/s2よりも大きい場合に、車両に急加速の動作が発生したとみなし、車両の走行方向における加速度が-4m/s2よりも小さい場合に、車両に急減速の動作が発生したとみなす。車両の横方向における加速度の大きさが第3の所定の閾値よりも大きく且つ継続時間が所定の期間(例えば500ms)に達した場合に、例えば車両の三次元座標系O-XYZにおけるx座標軸の方向が車両の幅方向に沿う場合に、車両の横方向における加速度が5m/s2よりも大きいであれば、車両は左への車線変更が発生したとみなし、車両の横方向における加速度が-4m/s2よりも小さいであれば、車両は右への車線変更が発生したとみなす。車両の角速度の大きさが第4の所定の閾値よりも大きい場合に、例えば反時計回りの方向が正方体とする場合に、車両の角速度が45o/sよりも大きいであれば、車両は急速な左折が発生したとみなし、車両の横方向における加速度が-50o/sよりも小さいであれば、車両は急速な右折が発生したとみなす。
【0048】
前記所定の安定走行条件を満たしている場合に、車両が低いスピードで平坦でまっすぐな道路を安定に走行し、スピードに明らかな変動がなく、運転シーンがシンプルであると確定できるため、所定のサンプリング周波数よりも低い周波数で運転シーンデータと運転行為データを採集することができる。これにより、類似のシーン、類似の運転モードにおけるデータの冗長を低減し、データ量を低減することができるため、記憶リソースと伝送リソースの占用を低減して後続の解析に寄与することができる。
【0049】
さもなければ、前記所定の安定走行条件は何れも満たされていない場合に、車両の走行状態が不安定であり、例えば車両の発進、車両の停車、車両がカーブを通過すること、車両が交差点を通過すること、車両の急加速、車両の急減速、車両の急回転、車両の車線変更等の状況が発生したとみなす。特定の道路状況、運転モードにおけるデータを全て記録するために、所定のサンプリング周波数で運転シーンデータと運転行為データを採集することにより、運転シーンデータと運転行為データに対する道路工事状況の構築、運転シーンの再作成、運転者モデルの構築、運転行為の解析と学習、車両の動力学のモデリングとシミュレーション等の応用のニーズに応じることができる。
【0050】
好ましくは、
図2に示されたように、本発明の他の実施例により提供されるデータ採集方法において、さらに、所定の安定走行条件を満たしていない場合に、前記所定のサンプリング周波数で運転シーンデータと運転行為データを採集する103を含んでも良い。
【0051】
説明すべきなのは、103の実行主体は、車両中に結合で設置されるデバイス又はアプリであっても良く、外部から車両と接続されるデバイス又はアプリであっても良く、単独のデバイス又はアプリであっても良い。本実施例は特に限定されない。
【0052】
理解すべきなのは、前記アプリは、端末にインストールされるローカルプログラム(nAtiveApp)であっても良く、端末上のブラウザにおける一つのウェブプログラム(weBApp)であっても良く、本実施例に特に限定されない。
【0053】
本実施例において、所定の安定走行条件を満たしていない場合に、通常の所定のサンプリング周波数で運転シーンデータと運転行為データを採集することにより、運転シーンデータと運転行為データに対する道路工事状況の構築、運転シーンの再作成、運転者モデルの構築、運転行為の解析と学習、車両の動力学のモデリングとシミュレーション等の応用のニーズに応じることができる。
【0054】
好ましくは、本実施例の可能な実現方式において、103において、所定のサンプリング周波数で運転シーンデータと運転行為データを採集する場合に、具体的に、第1のサンプリング周波数で運転シーンデータを採集し、第2のサンプリング周波数で運転行為データを採集することができる。なお、第1のサンプリング周波数は第1のサンプリング周波数よりも大きく、第2のサンプリング周波数は第2のサンプリング周波数よりも大きい。第1のサンプリング周波数と第2のサンプリング周波数の大きさは、同じであっても良く、異なっても良い。
【0055】
好ましくは、本実施例の可能な実現方式において、第1のサンプリング周波数で運転シーンデータを採集し、第2のサンプリング周波数で運転行為データを採集する場合に、所定の期間範囲内、例えば10s内に第1のサンプリング周波数で運転シーンデータを採集し、第2のサンプリング周波数で運転行為データを採集することができる。
【0056】
このように、車両の走行状態が不安定の場合に、所定の期間範囲内に継続して高サンプリング周波数で運転シーンデータと運転行為データを採集して特定の道路状況又は運転行為データに対する完備な採集を実現することができる。
【0057】
好ましくは、本実施例の可能な実現方式は、102において、所定のサンプリング周波数よりも低い周波数で運転シーンデータと運転行為データを採集する場合に、具体的に、第3のサンプリング周波数で運転シーンデータを採集し、第4のサンプリング周波数で運転行為データを採集することができる。なお、第3のサンプリング周波数は第1のサンプリング周波数よりも小さく、第4のサンプリング周波数は第2のサンプリング周波数よりも小さい。第3のサンプリング周波数と第4のサンプリング周波数の大きさは、同じであっても良く、異なっても良い。
【0058】
好ましくは、本実施例の可能な実現方式は、101の前に、さらに、センサにより運転シーンデータを採集し、車両のコントローラエリアネットワーク(Controller AreA Network、CAN)バスにより運転行為データを取得し、例えば、CANバスにより車両の制御システム、例えばVCU又はECUから運転行為データを取得することができる。なお、運転シーンデータには、車両の周囲環境の画像データ、車両の位置データと車両姿勢データが含まれる。なお、運転行為データには、ギア、運転モード(自動運転又は人工運転)、ブレーキペダルの開度、スピード、加速度、ウインカー状態、電池の電量、ハンドルの回転角、アクセルペダルの開度等が含まれても良いが、それらに限定されない。
【0059】
なお、前記センサにより運転シーンデータを採集することは、カメラにより車両の周囲環境の画像データを採集し、測位モジュールにより車両の位置データを採集し、慣性測定ユニット(InertiAl MeAsurement Unit、IMU)により車両の車両姿勢データを採集することを含んでも良い。なお、車両姿勢データには、三次元座標系における三つの座標軸方向における車両の加速度と角速度が含まれる。なお、測位モジュールは、例えば全地球測位システム(GloBAl Position System、GPS)であり、そのカメラに車両の周囲に設置される複数のテレフォトカメラ及び/又はショートフォーカスカメラが含まれても良い。
【0060】
なお、車両の三次元座標系O-XYZにおける三つの座標軸の方向は、それぞれ車両の幅、長さ、高さに沿う方向であっても良く、他の方法により設置される三つの方向であっても良い。本実施例は特に限定されない。
【0061】
なお、カメラ、測位モジュールと慣性測定ユニットは、同じ又は異なるサンプリング周波数でデータの採集を行うことができる。例えば、所定の安定走行条件を満たしている場合に、測位モジュールと慣性測定ユニットは、所定の第3のサンプリング周波数で位置データと車両姿勢データを採集し、カメラは、より低い第3のサンプリング周波数(前記所定の第3のサンプリング周波数よりも低い)で画像データを採集することができる。所定の安定走行条件を満たしていない場合に、測位モジュールと慣性測定ユニットは、所定の第1のサンプリング周波数で位置データと車両姿勢データを採集し、カメラは、より低い第1のサンプリング周波数(前記所定の第1のサンプリング周波数よりも低い)で画像データを採集することができる。
【0062】
なお、車両の現在の走行速度は、CANバスにより取得されても良く、位置データから取得されても良い。車両の加速度は、車両姿勢データから取得されても良く、車両の角速度は、位置データと車両姿勢データから取得されても良い。車両に発進と停車が発生したかは、CANバスにより取得されても良い。車両の現在所在の位置が特定の道路状況の所定の範囲内であるかは、位置のポジション数と予め設置された地図データにより取得されても良い。
【0063】
このように、採集された車両の運転環境における画像データ、位置データ、車両姿勢データ等に基づいて車両の現在の運転シーンを確定することができ、例えば、車両が平坦でまっすぐな道路を一定速度で走行する場合に、低いサンプリング周波数でデータを採集すれば良く、曲がる山道又はブリッジを走行する場合に、高いサンプリング周波数でデータを採集することにより、運転シーンデータと運転行為データに対するシーン、モード別の動的な採集を実現し、データの採集の柔軟性と便利性を実現した。
【0064】
好ましくは、本実施例の可能な実現方式は、101において、第1の所定の周期(例えば0.5s)に従って、採集された車両の現在所在の運転シーンにおける運転シーンデータと運転行為データに基づいて、所定の安定走行条件を満たしているか否かを確定することができる。
【0065】
このように、運転シーンデータと運転行為データに対するシーン、モード別の動的な採集を即時に調整するように、車両に対して安定走行条件が予め設定されたかについての周期的な判断を実現した。
【0066】
好ましくは、本実施例の可能な実現方式は、102及び/又は103の後に、採集された運転シーンデータと運転行為データをローカル記憶デバイスに記憶しても良い。なお、ローカル記憶デバイスは、例えばメモリカード、大容量のSDカード、磁気ディスク等であっても良い。
【0067】
好ましくは、本実施例の可能な実現方式は、102の後に、さらに、所定のサンプリング周波数よりも低い周波数で採集された運転シーンデータと運転行為データにおける画像データをサンプリングして第1の伝送周波数でクラウトサーバに伝送し、及び/又は、所定のサンプリング周波数よりも低い周波数で採集された運転シーンデータと運転行為データにおける画像データ以外の他のデータをサンプリングして第2の伝送周波数でクラウトサーバに伝送することができる。
【0068】
好ましくは、本実施例の可能な実現方式は、103の後に、前記所定のサンプリング周波数で採集された運転シーンデータと運転行為データにおける画像データをサンプリングして第3の伝送周波数でクラウトサーバに伝送し、及び/又は、前記所定のサンプリング周波数で採集された運転シーンデータと運転行為データにおける画像データ以外の他のデータをサンプリングして第4の伝送周波数でクラウトサーバに伝送する。
【0069】
このように、採集された運転シーンデータと運転行為データにおける全て又は一部をローカル記憶デバイスに記憶することができ、後続で使用できるように採集された運転シーンデータと運転行為データにおける全て又は一部を即時にクラウトサーバにアップロードすることもできる。
【0070】
例えば、運転行為データ、位置データ、車両姿勢データをクラウトサーバにアップロードすることができる。画像データのデータ量が大きいため、画像データをローカル記憶デバイスに記憶しても良く、定期(例えば一ヶ月)で記憶された画像データをクラウトサーバに転送しても良い。
【0071】
好ましくは、本実施例の可能な実現方式は、102及び/又は103の後に、さらに採集された運転シーンデータと運転行為データに基づいて、道路工事状況の構築、及び/又は運転シーンの再作成、及び/又は運転行為の解析と学習を行うことができる。
【0072】
説明すべきなのは、前記の各方法実施例について、説明を簡単にするために、一連の動作の組合せとして記述された。しかし、当業者であればわかるように、本願により幾つかのステップが他の順番を採用し、或いは同時に実行可能であるため、本願は説明された動作の順番に限定されない。次に、当業者であればわかるように、明細書に説明された実施例は何れも好適な実施例であり、関わる動作とモジュールが必ずしも本願に必要なものではない。
【0073】
前記実施例において、各実施例に対する説明にそれぞれ偏重する箇所がある。ある実施例に詳しく説明されていない部分は、他の実施例における関連の説明を参照可能である。
【0074】
図3は、本発明の一実施例により提供されるデータ採集装置の構成模式図である。
図3に示されたように、本実施例のデータ採集装置は、第1の採集ユニット21と、第2の採集ユニット22と、確定ユニット23とを備えてよい。なお、第1の採集ユニット21は、車両の現在所在の運転シーンにおける運転シーンデータを採集する。第2の採集ユニット22は、車両上の運転行為データを採集する。確定ユニット23は、第1の採集ユニット21により採集された車両の現在所在の運転シーンにおける運転シーンデータと第2の採集ユニット22により採集された運転行為データに基づいて、所定の安定走行条件を満たしているか否かを確定し、所定の安定走行条件を満たしている場合に、所定のサンプリング周波数よりも低い周波数で運転シーンデータと運転行為データを採集するように第1の採集ユニット21と第2の採集ユニット22に指示する。
【0075】
説明すべきなのは、本実施例により提供されたデータ採集装置の一部又は全ては、車両中に結合で設置されるデバイス又はアプリであっても良く、外部から車両と接続されるデバイス又はアプリであっても良く、単独のデバイス又はアプリであっても良い。本実施例は特に限定されない。
【0076】
理解すべきなのは、前記アプリは、端末にインストールされるローカルプログラム(nAtiveApp)であっても良く、端末上のブラウザにおける一つのウェブプログラム(weBApp)であっても良く、本実施例に特に限定されない。
【0077】
このように、採集された車両の現在所在の運転シーンにおける運転シーンデータと運転行為データに基づいて、所定の安定走行条件を満たしているか否かを確定し、所定の安定走行条件を満たしている場合に、所定のサンプリング周波数よりも低い周波数で運転シーンデータと運転行為データを採集することにより、類似のシーン、類似の運転モードにおけるデータの冗長を低減し、データ量を低減することができるため、記憶リソースと伝送リソースの占用を低減して後続の解析に寄与することができる。
【0078】
好ましくは、本実施例の可能な実現方式において、確定ユニット23は、さらに、所定の安定走行条件を満たしていない場合に、所定のサンプリング周波数で運転シーンデータと運転行為データを採集するように第1の採集ユニット21と第2の採集ユニット22に指示することができる。
【0079】
このように、所定の安定走行条件を満たしていない場合に、所定のサンプリング周波数で運転シーンデータと運転行為データを採集することにより、運転シーンデータと運転行為データに対する道路工事状況の構築、運転シーンの再作成、運転者モデルの構築、運転行為の解析と学習、車両の動力学のモデリングとシミュレーション等の応用のニーズに応じることができる。
【0080】
好ましくは、本実施例の可能な実現方式は、所定の安定走行条件を満たしていることは、車両の現在の走行速度が第1の所定の閾値(例えば70KM/h)以下であること、車両の走行方向における加速度の大きさが第2の所定の閾値(例えば4m/s2)以下であること、車両の横方向における加速度の大きさが第3の所定の閾値(例えば5m/s2)以下であること、車両の角速度の大きさが第4の所定の閾値(例えば45o/s)以下であること、車両に発進と停車が発生していないこと、及び/又は、車両の現在所在の位置が特定の道路状況の所定の範囲内ではないこと(例えば、車両の現在所在の位置が特定の道路状況から50mの範囲内ではない)を含むが、これらに限定されない。
【0081】
なお、前記特定の道路状況は、交差点、踏み切り、トンネル出入口、車線数変更点、交通事故点、ブリッジ、所定の停車/減速必要な地点における少なくとも一つを含むが、これらに限定されない。
【0082】
なお、車両の走行方向における加速度の大きさが第2の所定の閾値を超えた場合に、例えば車両の走行方向における加速度が4m/s2よりも大きい場合に、車両に急加速の動作が発生したとみなし、車両の走行方向における加速度が-4m/s2よりも小さい場合に、車両に急減速の動作が発生したとみなす。車両の横方向における加速度の大きさが第3の所定の閾値よりも大きく且つ継続時間が所定の期間(例えば500ms)に達した場合に、例えば車両の三次元座標系O-XYZにおけるX座標軸の方向が車両の幅方向に沿う場合に、車両の横方向における加速度が5m/s2よりも大きいであれば、車両は左への車線変更が発生したとみなし、車両の横方向における加速度が-4m/s2よりも小さいであれば、車両は右への車線変更が発生したとみなす。車両の角速度の大きさが第4の所定の閾値よりも大きい場合に、例えば反時計回りの方向が正方体とする場合に、車両の角速度が45o/sよりも大きいであれば、車両は急速な左折が発生したとみなし、車両の横方向における加速度が-50o/sよりも小さいであれば、車両は急速な右折が発生したとみなす。
【0083】
前記所定の安定走行条件を満たしている場合に、車両が低いスピードで平坦でまっすぐな道路を安定に走行し、スピードに明らかな変動がなく、運転シーンがシンプルであると確定できるため、所定のサンプリング周波数よりも低い周波数で運転シーンデータと運転行為データを採集することができる。これにより、類似のシーン、類似の運転モードにおけるデータの冗長を低減し、データ量を低減することができるため、記憶リソースと伝送リソースの占用を低減して後続の解析に寄与することができる。
【0084】
さもなければ、前記所定の安定走行条件は何れも満たされていない場合に、車両の走行状態が不安定であり、例えば車両の発進、車両の停車、車両がカーブを通過すること、車両が交差点を通過すること、車両の急加速、車両の急減速、車両の急回転、車両の車線変更等の状況が発生したとみなす。特定の道路状況、運転モードにおけるデータを全て記録するために、所定のサンプリング周波数で運転シーンデータと運転行為データを採集することにより、運転シーンデータと運転行為データに対する道路工事状況の構築、運転シーンの再作成、運転者モデルの構築、運転行為の解析と学習、車両の動力学のモデリングとシミュレーション等の応用のニーズに応じることができる。
【0085】
好ましくは、本実施例の可能な実現方式において、第1の採集ユニット21は、具体的に、所定の安定走行条件を満たしていない場合に、第1のサンプリング周波数で運転シーンデータを採集し、第2の採集ユニット22は、具体的に、所定の安定走行条件を満たしていない場合に、第2のサンプリング周波数で運転行為データを採集する。なお、第1のサンプリング周波数と第2のサンプリング周波数の大きさは、同じであっても良く、異なっても良い。
【0086】
好ましくは、本実施例の可能な実現方式において、第1の採集ユニット21は、具体的に、所定の安定走行条件を満たしていない場合に、所定の期間範囲内、例えば10s内に、第1のサンプリング周波数で運転シーンデータを採集し、第2の採集ユニット22は、具体的に、所定の安定走行条件を満たしていない場合に、所定の期間範囲内に、第2のサンプリング周波数で運転行為データを採集することができる。
【0087】
このように、車両の走行状態が不安定の場合に、所定の期間範囲内に継続して高サンプリング周波数で運転シーンデータと運転行為データを採集して特定の道路状況又は運転行為データに対する完備な採集を実現することができる。
【0088】
好ましくは、本実施例の可能な実現方式において、第1の採集ユニット21は、具体的に、所定の安定走行条件を満たしている場合に、第1のサンプリング周波数よりも小さい第3のサンプリング周波数で運転シーンデータを採集し、第2の採集ユニット22は、具体的に、所定の安定走行条件を満たしている場合に、第2のサンプリング周波数よりも小さい第4のサンプリング周波数で運転行為データを採集する。第3のサンプリング周波数と第4のサンプリング周波数の大きさは、同じであっても良く、異なっても良い。
【0089】
好ましくは、本実施例の可能な実現方式において、第1の採集ユニット21はセンサを備えても良い。なお、運転シーンデータは、車両の周囲環境の画像データ、車両の位置データと車両姿勢データを含んでも良い。第2の採集ユニット22は、具体的に、車両のCANバスにより運転行為データを取得し、例えばCANバスにより車両の制御システム、例えばVCU又はECUから運転行為データを取得する。なお、運転行為データには、ギア、運転モード(自動運転又は人工運転)、ブレーキペダルの開度、スピード、加速度、ウインカー状態、電池の電量、ハンドルの回転角、アクセルペダルの開度等が含まれても良いが、それらに限定されない。
【0090】
好ましくは、本実施例の可能な実現方式において、第1の採集ユニット21は、車両の周囲に設置される複数のテレフォトカメラ及び/又はショートフォーカスカメラを含む、車両の周囲環境の画像データを採集するカメラと、車両の位置データを採集する、例えば全地球測位システム(GloBAl Position System、GPS)である測位モジュールと、車両の車両姿勢データを採集する慣性測定ユニットと、を備えても良い。なお、前記車両姿勢データには、三次元座標系における三つの座標軸方向における前記車両の加速度と角速度が含まれる。なお、カメラ、測位モジュールと慣性測定ユニットは、同じ又は異なるサンプリング周波数でデータの採集を行うことができる。例えば、所定の安定走行条件を満たしている場合に、測位モジュールと慣性測定ユニットは、所定の第3のサンプリング周波数で位置データと車両姿勢データを採集し、カメラは、より低い第3のサンプリング周波数(前記所定の第3のサンプリング周波数よりも低い)で画像データを採集することができる。所定の安定走行条件を満たしていない場合に、測位モジュールと慣性測定ユニットは、所定の第1のサンプリング周波数で位置データと車両姿勢データを採集し、カメラは、より低い第1のサンプリング周波数(前記所定の第1のサンプリング周波数よりも低い)で画像データを採集することができる。
【0091】
なお、車両の三次元座標系O-XYZにおける三つの座標軸の方向は、それぞれ車両の幅、長さ、高さに沿う方向であっても良く、他の方法により設置される三つの方向であっても良い。本実施例は特に限定されない。
【0092】
なお、車両の現在の走行速度は、CANバスにより取得されても良く、位置データから取得されても良い。車両の加速度は、車両姿勢データから取得されても良く、車両の角速度は、位置データと車両姿勢データから取得されても良い。車両に発進と停車が発生したかは、CANバスにより取得されても良い。車両の現在所在の位置が特定の道路状況の所定の範囲内であるかは、位置のポジション数と予め設置された地図データにより取得されても良い。
【0093】
このように、採集された車両の運転環境における画像データ、位置データ、車両姿勢データ等に基づいて車両の現在の運転シーンを確定することができ、例えば、車両が平坦でまっすぐな道路を一定速度で走行する場合に、低いサンプリング周波数でデータを採集すれば良く、曲がる山道又はブリッジを走行する場合に、高いサンプリング周波数でデータを採集することにより、運転シーンデータと運転行為データに対するシーン、モード別の動的な採集を実現し、データの採集の柔軟性と便利性を実現した。
【0094】
好ましくは、本実施例の可能な実現方式において、確定ユニット23は、具体的に、第1の所定の周期に従って、採集された車両の現在所在の運転シーンにおける運転シーンデータと運転行為データに基づいて、所定の安定走行条件を満たしているか否かを確定する。
【0095】
このように、運転シーンデータと運転行為データに対するシーン、モード別の動的な採集を即時に調整するように、車両に対して安定走行条件が予め設定されたかについての周期的な判断を実現した。
【0096】
好ましくは、本実施例の可能な実現方式において、
図4に示されたように、本実施例により提供されたデータ採集装置は、さらに記憶デバイス31及び/又は伝送処理ユニット32を備えても良い。なお、記憶デバイス31は、採集された運転シーンデータと運転行為データを記憶する。当該記憶デバイス31は、例えばメモリカード、大容量のSDカード、磁気ディスク等であっても良い。伝送処理ユニット32は、所定のサンプリング周波数よりも低い周波数で採集された運転シーンデータと運転行為データにおける画像データをサンプリングして第1の伝送周波数でクラウトサーバに伝送し、及び/又は、所定のサンプリング周波数よりも低い周波数で採集された運転シーンデータと運転行為データにおける画像データ以外の他のデータをサンプリングして第2の伝送周波数でクラウトサーバに伝送し、及び/又は、所定のサンプリング周波数で採集された運転シーンデータと運転行為データにおける画像データをサンプリングして第3の伝送周波数でクラウトサーバに伝送し、及び/又は、所定のサンプリング周波数で採集された運転シーンデータと運転行為データにおける画像データ以外の他のデータをサンプリングして第4の伝送周波数でクラウトサーバに伝送する。
【0097】
このように、採集された運転シーンデータと運転行為データにおける全て又は一部をローカル記憶デバイス31に記憶することができ、後続で使用できるように採集された運転シーンデータと運転行為データにおける全て又は一部を即時にクラウトサーバにアップロードすることもできる。
【0098】
例えば、運転行為データ、位置データ、車両姿勢データをクラウトサーバにアップロードすることができる。画像データのデータ量が大きいため、画像データをローカル記憶デバイスに記憶しても良く、定期(例えば一ヶ月)で記憶された画像データをクラウトサーバに転送しても良い。
【0099】
好ましくは、本実施例の可能な実現方式において、
図4に示されたように、本実施例により提供されたデータ採集装置は、さらに、採集された運転シーンデータと運転行為データに基づいて道路の工事状況の構築、及び/又は運転シーンの再作成、及び/又は運転行為の解析と学習を行う応用ユニット33を備えても良い。
【0100】
説明すべきなのは、
図1~
図2に対応する実施例におけるデータ採集方法は、本実施例により提供されたデータ採集装置で実現可能である。詳しい説明は、
図1~
図2に対応する実施例における関連の内容を参照でき、ここでは詳しく説明しない。
【0101】
本実施例において、採集された車両の現在所在の運転シーンにおける運転シーンデータと運転行為データに基づいて、所定の安定走行条件を満たしているか否かを確定し、所定の安定走行条件を満たしている場合に、所定のサンプリング周波数よりも低い周波数で運転シーンデータと運転行為データを採集することにより、類似のシーン、類似の運転モードにおけるデータの冗長を低減し、データ量を低減することができるため、記憶リソースと伝送リソースへの占用を低減して後続の解析に寄与することができる。所定の安定走行条件を満たしていない場合に、所定のサンプリング周波数で運転シーンデータと運転行為データを採集することにより、運転シーンデータと運転行為データに対する道路の工事状況の構築、運転シーンの再作成、運転者モデルの構築、運転行為の解析と学習、車両の動力学のモデリングとシミュレーション等の応用のニーズに応じることができる。
【0102】
また、本発明により提供された技術案を採用すれば、運転シーンデータと運転行為データに対する、シーン、モード別の動的な採集を実現し、データ採集の柔軟性と便利性を実現した。
【0103】
また、本発明の実施例はさらに車両を提供した。前記車両は、前記
図3~
図4の何れか一つの実施例のデータ採集装置を備えても良い。
【0104】
また、本発明の実施例はさらにデバイスを提供した。前記デバイスは、一つ又は複数のプロセッサと、一つ又は複数のプログラムを記憶する記憶装置とを備え、前記一つ又は複数のプログラムが一つ又は複数のプロセッサにより実行されると、一つ又は複数のプロセッサに前記
図1~
図2の何れか一つの実施例のデータ採集方法を実現させる。
【0105】
また、本発明の実施例はさらに、コンピュータプログラムが記憶されており、当該プログラムがプロセッサにより実行されると、前記
図1~
図2の何れか一つの実施例のデータ採集方法を実現するコンピュータ可読記憶媒体を提供した。
【0106】
図5は、本発明の実施方式を実現可能な例示的なコンピュータシステム/サーバのブロック図である。
図5に示されたコンピュータシステム/サーバは、例示に過ぎず、本発明の実施例の機能及び使用範囲に制限しない。
【0107】
図5に示されたように、コンピュータシステム/サーバは、汎用コンピューティングデバイスの形で表現される。コンピュータシステム/サーバのコンポーネントは、一つ又は複数のプロセッサ又は処理ユニット16と、記憶装置又はシステムメモリ28と、異なるシステムコンポーネント(システムメモリ28と処理ユニット16を含む)を接続するバス18を含むが、それらに限定されない。
【0108】
バス18は、幾つかの種類のバス構造における一つ又は複数を示し、メモリバス又はメモリコントローラ、周辺バス、グラフィックスアクセラレーションポート、プロセッサ或いは複数のバス構造における何れか一つのバス構造を使用するローカルエリアバスを含む。例えば、これらのアーキテクチャは、工業標準アーキテクチャ(ISA)バス、マイクロチャンネルアーキテクチャ(MAC)バス、強化型ISAバス、ビデオ電子標準協会(VESA)ローカルエリアバス及びペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI)バスを含むが、それらに限定されない。
【0109】
コンピュータシステム/サーバは、一般的に複数種のコンピュータシステム可読媒体を含む。これらの媒体は、コンピュータシステム/サーバからアクセス可能な任意の使用可能な媒体であっても良く、揮発性及び不揮発性媒体、リムーバブル媒体及び固定媒体を含む。
【0110】
システムメモリ28には、揮発性メモリの形のコンピュータシステム可読媒体、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)30及び/又は高速キャッシュメモリ32が含まれても良い。コンピュータシステム/サーバはさらに、他のリムーバブル/固定的、揮発的/不揮発的なコンピュータシステム記憶媒体を含んでも良い。例として、記憶システム34は、固定な不揮発性磁気媒体(
図5に示されていないが、一般的に「ハードディスクドライバ」と呼ばれる)を読み書きすることができる。
図5に示されていないが、リムーバブルな不揮発性磁気ディスク(例えば「フロッピーディスク」)を読み書きする磁気ディスクドライバ、及びリムーバブルな不揮発性光ディスク(例えばCD-ROM、DVD-ROM又は他の光メディア)を読み書きする光ディスクドライバを提供可能である。この場合に、各ドライバは、一つ又は複数のデータメディアインターフェースを介してバス18と接続可能である。メモリ28は、本発明の各実施例の機能を実行するように配置される1セット(例えば少なくとも一つ)のプログラムモジュールを具備する少なくとも一つのプログラム製品を含んでも良い。
【0111】
1セット(少なくとも一つ)のプログラムモジュール42を具備するプログラム/実用ツール40は、例えばメモリ28に記憶されてもよい。このようなプログラムモジュール42は、オペレーティングシステム、一つ又は複数のアプリプログラム、他のプログラムモジュール及びプログラムデータを含むが、それらに限定されない。これらの例示における何れか一つ、或いはある組合わせは、ネットワーク環境の実現を含むことが可能である。プログラムモジュール42は、一般的に本発明に説明されている実施例における機能及び/又は方法を実行する。
【0112】
コンピュータシステム/サーバは、一つ又は複数の外部デバイス14(例えばキーボード、ポインティングデバイス、ディスプレー24等)と通信しても良く、ユーザと当該コンピュータシステム/サーバとのインタラクションを可能にする一つ又は複数のデバイスと通信しても良く、及び/又は当該コンピュータシステム/サーバと一つ又は複数の他のコンピューティングデバイスとを通信可能にする任意のデバイス(例えばネットワークカード、モデム等)と通信しても良い。このような通信は、入力/出力(I/O)インターフェース44により実行可能である。さらに、コンピュータシステム/サーバは、ネットワークアダプタ20を介して一つ又は複数のネットワーク(例えばローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)及び/又は公衆ネットワーク、例えばインターネット)と通信しても良い。図面に示されたように、ネットワークアダプタ20は、バス18によりコンピュータシステム/サーバにおける他のモジュールと通信する。理解すべきなのは、未図示であるが、コンピュータシステム/サーバと合わせて他のハードウェア及び/又はソフトウェアモジュールを使用しても良い。他のハードウェア及び/又はソフトウェアモジュールは、マイクロコード、デバイスドライバ、冗長プロセッサ、外部磁気ディスク駆動アレー、RAIDシステム、磁気テープドライバ及びデータバックアップ記憶システム等を含むが、それらに限定されない。
【0113】
処理ユニット16は、システムメモリ28に記憶されているプログラムを運行することにより、各種の機能アプリ及びデータ処理を実行し、例えば
図1に対応する実施例により提供された画像処理方法を実現した。
【0114】
本発明の他の実施例は、さらにコンピュータプログラムが記憶されており、当該プログラムがプロセッサにより実行されると、
図1に対応する実施例により提供された画像処理方法を実現するコンピュータ可読記憶媒体を提供した。
【0115】
具体的に、一つ又は複数のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせを採用可能である。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であっても良い。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば電気、磁気、光、電磁気、赤外線、半導体のシステム、装置又は素子、或いは任意の組み合わせであっても良く、それらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体の更なる具体的な例(網羅的ではない列挙)は、一つ又は複数の導線を備える電気的な接続、リムーバブルコンピュータ磁気ディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラミング読取専用メモリ(EPROM又はフラッシュ)、光ファイバ、携帯可能なコンパクト磁気ディスク読取専用メモリ(CD-ROM)、光学記憶素子、磁気記憶素子、或いは前記の任意の組合わせを含む。本願において、コンピュータ可読記憶媒体は、プログラムを含むか記憶する任意の有形の媒体であっても良い。当該プログラムは、コマンド実行システム、装置又は素子に使用され、或いはそれらと組合わせて使用されても良い。
【0116】
コンピュータ可読信号媒体は、ベースバンドに伝送され或いはキャリアの一部として伝送され、コンピュータ可読プログラムコードがロードされるデータ信号を含んでも良い。このような伝送されるデータ信号は、各種の形式を採用しても良く、電磁気信号、光信号又は前記の任意の適当の組合わせを含むが、それらに限定されない。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体以外の任意のコンピュータ可読媒体であっても良い。当該コンピュータ可読媒体は、コマンド実行システム、装置又は素子に使用され又はそれらと組合わせて使用されるプログラムを送信し、伝播し又は伝送することができる。
【0117】
コンピュータ可読媒体に含まれるプログラムコードは、任意の適当の媒体で伝送されても良く、無線、電線、光ケーブル、RF等、或いは前記の任意の適当の組み合わせを含むが、それらに限定されない。
【0118】
一つ又は複数種のプログラミング言語又はそれらの組み合わせで本出願の操作を実行するためのコンピュータプログラムコードをプログラミングすることができる。前記プログラミング言語には、JAvA、SmAlltAlk、C++のようなオブジェクト指向プログラミング言語が含まれ、さらにC言語又は類似のプログラミング言語のような通常の手続き型プログラミング言語が含まれる。プログラムコードは、全体がユーザコンピュータに実行されても良く、一部がユーザコンピュータに実行されても良く、一つの独立なパッケージとして実行されても良く、一部がユーザコンピュータに実行され且つ一部がリモートコンピュータに実行されても良く、或いは全体がリモートコンピュータ又はサーバに実行されても良い。リモートコンピュータに関する場合に、リモートコンピュータはローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークによりユーザコンピュータに接続されても良く、或いは外部のコンピュータ(例えばインターネットサービスプロバイダを利用してインターネットにより接続する)に接続されても良い。
【0119】
当業者であればわかるように、前記のシステム、装置とユニットの具体的な作動過程は、説明の便利及び簡潔のために、前記方法実施例における対応の過程を参照でき、ここでは詳しく説明しない。
【0120】
理解すべきなのは、本発明により提供された幾つかの実施例に開示されたシステム、方法及び装置は、他の方式で実現可能である。例えば、前述された装置実施例は例示的なものに過ぎない。例えば、前記ユニットの分割は、ロジック機能の分割に過ぎず、実際の実現において他の分割手段もある。例えば、複数のユニット又はコンポーネントは、組み合わせても良く、他のシステムに集積されても良い。或いは、幾つかの特徴が省略されても良く、実行されなくても良い。また、表示され又は討論された部品間の結合又は直接結合又は通信接続は、幾つかのインターフェース、装置又はユニットによる間接結合又は通信接続であっても良く、電気的、機械的又は他の手段であっても良い。
【0121】
前記分離部品として説明されたユニットは、物理的な分離であってもなくても良い。ユニットとして表示された部品は、物理ユニットであってもなくても良い。つまり、一箇所に位置されても良く、複数のネットワークユニットに分散されても良い。実際の必要に応じて一部又は全てのユニットを選択して本実施例の技術案の目的を実現可能である。
【0122】
また、本発明の各実施例における各機能ユニットは、一つの処理ユニットに集積されても良く、各ユニットが独自で物理的に存在しても良く、二つ又はそれ以上のユニットが一つのユニットに集積されても良い。前記集積されたユニットは、ハードウェアで実現されても良く、ハードウェアと共にソフトウェア機能ユニットで実現されても良い。
【0123】
前記ソフトウェア機能ユニットで実現される集積ユニットは、一つのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されても良い。前記ソフトウェア機能ユニットは、一つの記憶媒体に記憶されており、一つのコンピュータデバイス(個人コンピュータ、サーバ、又はネットワークデバイス等であっても良い)又はプロセッサ(processor)に本発明の各実施例における前記方法の一部のステップを実行させるための複数のコマンドを備える。前記の記憶媒体は、メモリカード、モバイルハードディスク、読取専用メモリ(ReAd-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAndom Access Memory、RAM)、フロッピー又は光ディスク等の各種のプログラムコード記憶可能な媒体を含む。
【0124】
最後に説明すべきなのは、前記実施例は、制限的なものではなく、本願の技術案を説明するために過ぎない。前記実施例を参照して本願を詳しく説明したが、当業者であればわかるように、依然として前記の各実施例に記載の技術案を補正し、或いはそれらのうちの一部の技術特徴に対して等価的な置換を行うことができる。これらの補正又は置換により、対応する技術案の主旨が本願の各実施例の技術案の精神及び範囲から逸脱することがない。