IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヨゼフ フェゲーレ アーゲーの特許一覧

<>
  • 特許-道路仕上げ機のチャネルプレート構成 図1
  • 特許-道路仕上げ機のチャネルプレート構成 図2
  • 特許-道路仕上げ機のチャネルプレート構成 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-06
(45)【発行日】2023-06-14
(54)【発明の名称】道路仕上げ機のチャネルプレート構成
(51)【国際特許分類】
   E01C 19/48 20060101AFI20230607BHJP
【FI】
E01C19/48 A
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021172310
(22)【出願日】2021-10-21
(65)【公開番号】P2022068865
(43)【公開日】2022-05-10
【審査請求日】2022-01-12
(31)【優先権主張番号】20203308
(32)【優先日】2020-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596068349
【氏名又は名称】ヨゼフ フェゲーレ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ブッシュマン
(72)【発明者】
【氏名】フランク グリム
(72)【発明者】
【氏名】ベルンハルト エルトマン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ザイター
(72)【発明者】
【氏名】アレッサンドロ デ サンティス
(72)【発明者】
【氏名】ニコール アンゲルマン
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン イェネヴァイン
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/009123(WO,A1)
【文献】特開2010-077799(JP,A)
【文献】特開2010-138559(JP,A)
【文献】実開昭59-121004(JP,U)
【文献】特開平10-088515(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 19/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路仕上げ機(100)のチャネルプレート構成(101)であって、前記チャネルプレート構成に伸長手段(115)が配置され、前記チャネルプレート構成(101)の有効幅を可変調整するために前記チャネルプレート構成(101)に対して水平方向に動くように取り付けられる第1のチャネルプレート(151)を備え、前記第1のチャネルプレート(151)には第2のチャネルプレート(152)が接続され、前記第2のチャネルプレートは、前記チャネルプレート構成(101)の有効幅を可変調整するために枢動可能に前記第1のチャネルプレートに配置される、チャネルプレート構成(101)。
【請求項2】
前記伸長手段(115)は、液圧、電気および/または空圧といった動的な駆動手段(154)を有し、前記駆動手段によって前記第1のチャネルプレート(151)は、水平方向に動くことができる、請求項1に記載のチャネルプレート構成(101)。
【請求項3】
前記伸長手段(115)は、前記チャネルプレート構成(101)に切り離せるように接続される、請求項1または2に記載のチャネルプレート構成(101)。
【請求項4】
前記伸長手段(115)は、案内手段(271、272)を用いて前記チャネルプレート構成(101)に配置され、前記案内手段(271、272)は、前記伸長手段(115)の位置を前記チャネルプレート構成(101)に対して調整するように構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載のチャネルプレート構成(101)。
【請求項5】
前記チャネルプレート構成(101)は、互いに離れて構成される少なくとも2つの懸架部(261、262、263)を有し、当該懸架部(261、262、263)を介して前記伸長手段(115)と切り離し可能なように接続され、前記伸長手段は、道路仕上げ機(100)の運転方向を横断する方向に、前記チャネルプレート構成(101)を設置した状態で前記道路仕上げ機に配置される、請求項1~4のいずれか一項に記載のチャネルプレート構成(101)。
【請求項6】
前記第2のチャネルプレート(152)は、液圧および/または空圧といった動的な枢動手段(153)を介して枢動するように前記第1のチャネルプレート(151)に配置される、請求項1~5のいずれか一項に記載のチャネルプレート構成(101)。
【請求項7】
前記第2のチャネルプレート(152)は、前記第2のチャネルプレートが前記第1のチャネルプレート(151)に平行に配置されている開始位置から、道路仕上げ機(100)に設置された状態で、前記道路仕上げ機の運転方向の方向におよび/または前記道路仕上げ機の運転方向の反対に枢動するように取り付けられる、請求項1~6のいずれか一項に記載のチャネルプレート構成(101)。
【請求項8】
前記チャネルプレート構成は、基本スクリードまたは基本スクリード本体(111)の作業幅に対応する有効基本幅を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のチャネルプレート構成(101)。
【請求項9】
前記伸長手段(115)は、前記伸長手段(115)に対する位置が固定されている第3のチャネルプレート(155)を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のチャネルプレート構成(101)。
【請求項10】
前記伸長手段(115)は、道路仕上げ機(100)のスクリード(110)と連結して動くように構成されており、前記チャネルプレート構成(101)の有効幅は、前記スクリード(110)の作業幅に応じて調整可能である、請求項1~9のいずれか一項に記載のチャネルプレート構成(101)。
【請求項11】
前記第1のチャネルプレート(151)の位置は、前記第2のチャネルプレート(152)の枢動とは無関係に調整可能である、請求項1~10のいずれか一項に記載のチャネルプレート構成(101)。
【請求項12】
牽引車(102)、材料容器(121)、拡散スクリュー(116)、およびスクリード(110)、ならびに請求項1~11のいずれか一項に記載のチャネルプレート構成(101)を備える、道路仕上げ機(100)。
【請求項13】
前記スクリード(110)の作業幅に応じて前記チャネルプレート構成(101)の有効幅を制御するための制御ユニット(130)をさらに備える、請求項12に記載の道路仕上げ機(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の道路仕上げ機のチャネルプレート構成、および請求項12に記載の道路仕上げ機に関する。
【背景技術】
【0002】
道路仕上げ機は、先行技術から十分に知られている。道路仕上げ機の適用性を高めるために、作業幅を変更できるスクリードが設計されている。作業幅は、スクリードが材料を下層土の上に広げる幅である。
【0003】
例えば欧州特許第2169117A1号には、作業幅を継続的に変更できるスクリードが開示されている。
【0004】
スクリードの作業幅を調整すると、敷設される材料の幅も変化するため、スクリードを使用している道路仕上げ機の進行方向で拡散スクリューの前方に材料が過剰に敷設されることが起こる可能性がある。
【0005】
これを回避するため、欧州特許第2169117A1号は、例えば拡散スクリューの懸架部の一部として具備できるか拡散スクリューに接続できる、設置可能なチャネルプレートを提案している。チャネルプレートの有効幅を調整できる可能性が生じることによって、拡散スクリューの前方で道路仕上げ機の進行方向に材料が不要に敷設されるのが防止されるが、このような設計は時間がかかり、設置するチャネルプレート部分が原因であまり融通が利かない。
【0006】
さらに、国際特許第2020/009123A3号は、道路仕上げ機の進行方向に材料を敷設することを、枢動する外側の取り付けプレートによって制御できる道路仕上げ機を提示している。取り付けプレートは、同じくらい複雑な機械的連結によって牽引車両に接続される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
公知の先行技術から始まり、達成すべき技術的目的は、スクリードの作業幅に適応できるチャネルプレート構成の有効幅をオペレータにとって容易な方法で設計することであり、本発明は、既存の道路仕上げ機に組み入れることも可能とすることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載の道路仕上げ機のチャネルプレート構成、または請求項12に記載の材料容器、拡散スクリュー、スクリード、チャネルプレート構成を含む道路仕上げ機によって達成される。本発明のさらなる好ましい構成は、下位請求項に記載されている。
【0009】
本発明によるチャネルプレート構成は、第1のチャネルプレートを備える伸長手段を備え、第1のチャネルプレートは、チャネルプレート構成の有効幅を可変調整するためにチャネルプレート構成に対して水平方向に動くように取り付けられ、第1のチャネルプレートには第2のチャネルプレートが接続され、第2のチャネルプレートは、チャネルプレート構成の有効幅を可変調整するために枢動手段の第1のチャネルプレートに配置される。
【0010】
第1のチャネルプレートは、特に、道路仕上げ機の進行方向を横断して動くように取り付けることができる。
【0011】
第2のチャネルプレートは、特に、軸周りに枢動するように第1のチャネルプレートに配置でき、軸は、例えば垂直軸または水平軸とすることができる。
【0012】
チャネルプレート構成の有効幅、すなわち材料の進行方向への流れを制限できる幅に関して、チャネルプレート構成は、スクリードの作業幅、特にオペレータのわずかな労力で作業幅を変更できるスクリードに対して調整できる。
【0013】
スクリードの作業幅は、スクリードが材料を下層土の上または基礎それぞれの上に敷設する幅であると理解すべきである。
【0014】
チャネルプレート構成の有効幅は、チャネルプレート構成が材料の進行方向への流れを制限する幅であると理解される。この制限は通常、チャネルプレート構成が延在する両側にあるスクリードの側部制限プレートと相互作用することでも起こり得る。ここで、この制限は、道路仕上げ機の運転方向に垂直である必要はなく、特に、部分的に斜めに、または垂直ではない角度で、第2のチャネルプレートに影響され得る。
【0015】
スクリードの作業幅を可変に調整可能であるとは、継続的に様々に調整できる、あるいは段階的に変更可能な作業幅に調整できることも意味し得る。
【0016】
基本的に、ここでは2種類のスクリードを公開しており、本発明の範囲内のスクリードとして使用できる。
【0017】
一方では、伸長式スクリードは、基本スクリード(基本スクリード本体ともいう)および基本スクリードに構成された伸長式スクリード部分を備えることが知られている。伸長式スクリード部分は通常、基本スクリード本体に対して液圧により(かつ継続的に)動くことができる。伸長式スクリード部分の外側端部には、必要に応じて(剛性)拡張部分を装着できる。1つ以上のこのような拡張部分を伸長式スクリード部分に装着して伸長式スクリードの作業幅を広げることができる。
【0018】
他方では、剛性スクリードは、剛性基本スクリードおよび基本スクリードに装着できる拡張部分を備えることが知られている。拡張部分は通常、それ自体が剛性である。ただし、剛性スクリードの外側端部には、液圧により調整可能な伸長式の付加部分を拡張部分の特別な実施形態として配置でき、それによって少なくとも外側端部で剛性スクリードの作業幅を継続的に様々に調整することができる。伸張式の付加部分は通常、常に(剛性スクリードの中心から見える)最も外側の位置に構成した拡張部分として備わっている。
【0019】
本発明によるチャネルプレート構成により、一方では、チャネルプレート構成の有効幅を本質的に継続的に可変に調整することが可能で、他方では、第1のチャネルプレートが水平に動く方向と第2のチャネルプレートが枢動する動きの両方により、チャネルプレート構成の特性の可変調整が可能になり、これは特に、変更可能なチャネルプレート構成の幅を広げることに好ましくなることを実証するものである。
【0020】
1つの実施形態では、伸長手段は、動的な、特に液圧および/または空圧駆動手段を備え、この手段によって第1のチャネルプレートは水平方向に動く。液圧駆動手段により、自動で、よってオペレータにとって好ましくは簡単に、第1のチャネルプレートを水平方向に動かすことが可能になる。動的な駆動手段は、特にアクチュエータとして設計され得る。動的な駆動手段は、特に、例えばスクリードの作業幅に応じて、第1のチャネルプレートを一切の手動による行為なしに水平に動かすように設計され得る。
【0021】
さらに、伸長手段は、チャネルプレート構成に切り離せるように接続できる。
【0022】
これはつまり、特にこれまでの一般的なチャネルプレート構成として設計可能な残りのチャネルプレート構成も(チャネルプレート基本構成も)、伸長手段なしで動作できるということである。したがって、伸長手段を少なくとも一時的に取り外して後で再度設置し直すことで、道路仕上げ機が狭い通路をうまく通過でき、それによって困難な地形でも道路仕上げ機の適用性が向上する。
【0023】
1つの実施形態では、伸長手段は、案内手段を用いてチャネルプレート構成に配置され、案内手段は、伸長手段の位置をチャネルプレート構成に対して調整するように設計される。したがって、チャネルプレート構成の有効幅の調整は、より広い範囲にわたって実現できる。なぜなら、伸長手段もシフトでき、開始位置から動いて、第1のチャネルプレートを水平に、例えばチャネルプレート構成の中心からさらに遠くに動けるからである。
【0024】
さらに、チャネルプレート構成は、少なくとも2つの懸架部を有することができ、懸架部は、互いに離れて配置されて伸長手段と切り離し可能なように接続され、伸長手段は、道路仕上げ機の運転方向を横断する方向に、チャネルプレート構成を設置した状態で道路仕上げ機に配置される。伸長手段の懸架点を適応させることで、チャネルプレート構成の有効幅を大きくできることも達成できる。この実施形態と前の実施形態とを好都合に組み合わせて、一方では、懸架部を段階的に調整し、それによって伸長手段の開始位置を調整することも可能になり、他方では、伸長手段の開始位置をこれらの段階の間で継続的に可変調整することも可能になる。
【0025】
第2のチャネルプレートも同じく、特に液圧、電気および/または空圧による動的な枢動手段を介して枢動するように第1のチャネルプレートに構成され得る。この枢動手段は、特に、アクチュエータとしても設計でき、あるいはアクチュエータを含むこともできる。液圧による枢動により、オペレータは、チャネルプレート構成の有効幅を簡単に変更できる。
【0026】
好適な実施形態では、動的な駆動手段と能動的な枢動手段とを連結して、第1のチャネルプレートの動きと第2のチャネルプレートの枢動の両方をそれぞれ同時に、または同期させて起こすことができる。
【0027】
特に、駆動手段および/または枢動手段は、枢動および/または駆動をスクリードの作業幅に応じて部分的に自動か完全に自動で起こすことができる。そのために、例えば、距離センサまたは位置決めセンサなどの1つ以上のセンサを備えて、スクリードの作業幅に関する情報を明らかにできる(例えば剛性拡張部分および/または可動式で伸張式の付加部分および/または可動式で伸長式のスクリード部分を考慮に入れる)。これらの情報に基づいて、その後、制御ユニットが枢動手段および/または駆動手段を作動させて、第1のチャネルプレートおよび/または第2のチャネルプレートを(同期させて)動かす(すなわち枢動および/または駆動)ことができる。
【0028】
1つの実施形態では、第2のチャネルプレートは、第2のチャネルプレートが例えば第1のチャネルプレートに平行に構成されている開始位置から、道路仕上げ機の運転方向の方向に、および/または道路仕上げ機の運転方向の反対に枢動するように取り付けられる。これはつまり、第2のチャネルプレートは、前方か後方のいずれかの運転方向に枢動しているということであり、これは道路仕上げ機の用途に応じて好都合となり得る。ここでの開始位置は、第1のチャネルプレートに平行となるように恣意的に述べているにすぎない。ここでは任意の他の開始位置も構想可能であり、この実施形態よれば、この開始位置から始まって、運転方向および/または運転方向の反対のいずれか少なくとも一方向に枢動することが可能である。
【0029】
さらに、チャネルプレート構成は、有効基本幅を有することができる。この実施形態によれば、チャネルプレート構成は、伸長手段がなくても(チャネルプレート基本構成の意味で)特定の幅にわたって運転方向に敷設材料が下層土または基礎それぞれの望ましくない場所に置かれるのを防止する。
【0030】
1つの実施形態では、伸長手段は、伸長手段に対する位置が固定されている第3のチャネルプレートを含む。
【0031】
したがって、伸長手段は、第1のチャネルプレートと第2のチャネルプレートとの相対位置に関係なく、材料の敷設を制限している。これは特に、チャネルプレート構成全体で(伸長手段も含む)間隙を回避するためにチャネルプレート構成に伸長手段を可変配置する実施形態に関して好都合となり得る。
【0032】
さらに別の実施形態では、伸長手段は、道路仕上げ機のスクリードと連結して動くように設計されているため、チャネルプレート構成の有効幅は、スクリードの作業幅に対して調整可能である。したがって、スクリードの作業幅を調整することによって、チャネルプレート構成の有効幅の正しい調整を実現できる。これは、例えば前述したセンサおよび制御ユニットを介して実現できる。チャネルプレート構成の動きをスクリードの動きまたは作業幅につなげることは、ここでは、例えば1つまたは複数のセンサを使用する制御ループを介する機械的連結および/または制御関連の連結を含むことができる。
【0033】
第1のチャネルプレートの位置は、第2のチャネルプレートの枢動とは無関係に調整可能であってよい。そのため、チャネルプレート構成およびその有効幅に関して異なる要件を実現できる。
【0034】
第1のチャネルプレートの位置は、第2のチャネルプレートの枢動とは無関係に調整可能であってよい。
【0035】
本発明による道路仕上げ機は、牽引車、材料容器、拡散スクリュー、およびスクリード、ならびに前述の実施形態のうちの1つによるチャネルプレート構成を備える。この道路仕上げ機は、スクリードの作業幅またはチャネルプレート構成の有効幅をそれぞれ調整することを可能にし、これはオペレータにとって容易になる。
【0036】
道路仕上げ機は、1つの実施形態によれば、スクリードの作業幅に応じてチャネルプレート構成の有効幅を制御するための制御ユニットを備える。したがって、チャネルプレート構成の有効幅およびスクリードの作業幅を(全)自動で調整することを確実にでき、よって道路仕上げ機の運転がオペレータにとってさらに容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1図1は、本発明の一実施形態によるスクリードおよびチャネルプレート構成を有する道路仕上げ機の概略平面図である。
図2図2は、一実施形態による拡張手段を有するチャネルプレート構成の図である。
図3図3は、第2の実施形態による拡張手段を有するチャネルプレート構成の別の図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、本発明の一実施形態による発明性のある道路仕上げ機100を示している。
【0039】
道路仕上げ機は通常、牽引車102および牽引車に装着されたスクリード110、ならびに拡散スクリュー116を備えている。牽引車両または牽引車102の実施形態は、単なる例として理解すべきものである。スクリードは、むしろ道路の仕上げに用いられる何らかの適切な牽引車両または牽引車と共に使用できるものである。
【0040】
例示的な実施形態では、牽引車両102は、下層土に敷設する材料、例えばアスファルトを格納する材料容器121を備えている。運搬システムは、ここには詳細に図示していないが任意選択で1つ以上のスクレーパーベルトを有しており、当該スクレーパーベルトは材料を材料容器121から牽引車両を通ってスクリード110の方へ運搬でき、当該材料は拡散スクリューによって進行方向を横切ってスクリードの前方に拡散される。
【0041】
牽引車両102は、運転者が着席できる運転室122をさらに備えることができる。ここで、自動運転の実施形態または自律運転の実施形態も構想可能である。その場合、これらの実施形態では必ずしも運転室122を備えている必要はない。
【0042】
牽引車両102の横には、バーまたはシリンダ123を各側に配置し、スクリード110を牽引車両と接続して、両者を例えば高さに対して調整できる。バーまたはシリンダは、スクリードを下層土の上に「牽引する」ことのみを役割としてそれ以外の機能はないとすることも可能である。
【0043】
スクリードは、図1に示した実施形態によれば、少なくとも1つの「基本スクリード」111を備えている。基本スクリードは、ある特定の作業幅W1を有するが、この作業幅はここでは詳細に明記しない。例えば1m、2m、または3mであり得る。特に好適な形態では、スクリードは、全体的に様々に調整可能な作業幅を有する。
【0044】
以下の説明では、簡略化のために、スクリードが上記の意味で伸長式スクリードであると仮定する。つまりスクリードは、伸長式スクリード部分を有していて、伸長式スクリード部分は、基本スクリード本体に接続され、この基本スクリード本体に対して好ましくは液圧方式で可動式であるということである。本発明は伸長式スクリードであるスクリードに限定されるものではなく、剛性スクリードを用いたスクリードの実施形態も可能であることが理解されるであろう。つまり、以下ではスクリードが伸長式スクリードである実施形態を考察するが、このスクリードを剛性スクリードとして設計し、任意選択で拡張部分および液圧によって調整できる伸長式の付加部分を有している設計も常に包含される。
【0045】
そのために、ここで提示する実施形態では、伸長式スクリード部分113を提供する。これらの伸長式スクリード部分は、基本スクリード111に対してここに示した両矢印の方向に動き、それによってスクリードの作業幅を変更できる。
【0046】
プロセスでは、作業幅Wは、例えば基本スクリード111の全幅と伸長式スクリード部分113とを合わせることによって定義できる。基本スクリードおよび伸長式スクリード部分の前方で、材料が例えば拡散スクリュー116によって拡散される領域は、通常、材料がスクリードの外側領域に出るのを防ぐ側部シールド114によって制限される。
【0047】
基本スクリード111および伸長式スクリード部分113ならびにシールド114は、基本的には公知のものであり、先行技術で公知の機能を実行する。
【0048】
伸長式スクリード部分113は、スクリードの作業幅Wを調整するために基本スクリード111に対して液圧で調整可能とすることができる(ただし必須ではない)。代替案として、伸長式スクリード部分は、必要に応じて、基本スクリード111に接続され、手動で調整できるか手動で脱着可能な追加部分として提供できる。
【0049】
剛性スクリードの場合、基本スクリード111以外に、スクリードの一部として基本スクリードに接続できる(剛性)拡張部分も提供できる。このような場合、基本スクリードから見えている拡張部分の外側端部に、液圧で調整できる伸長可能な付加部分が配置される。
【0050】
本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。
【0051】
本発明によれば、本明細書に図示した道路仕上げ機100の一部としてチャネルプレート構成101が提供される。
【0052】
このチャネルプレート構成101は、チャネルプレート構成およびスクリードを道路仕上げ機に装着した状態では、スクリード110(基本スクリード111および伸長式スクリード部分113ならびに任意選択でスクリード拡張部分を備えている可能性がある)の反対側である拡散スクリュー116の側に位置している。特に、チャネルプレート構成は、拡散スクリュー116の側部の前方で進行方向Fに位置している。
【0053】
チャネルプレート構成101は、拡散スクリュー116によって下層土の上に拡散された材料が進行方向に向かってチャネルプレート構成101を越えて漏れないようにする機能を有する。これによって意図しない材料の冷却を効果的に防止できるだけでなく、道路仕上げ機100の損傷も防止できる。その上、これによって拡散スクリューの前方に材料を連続して流すことができ、さらに材料の流れから材料が熱的および/または機械的に分離するのを防止できる。
【0054】
スクリードの作業幅は、基本スクリード111(および任意選択で備えられるスクリード拡張部分)によって決定されるため、一実施形態では、チャネルプレート構成101は、「有効基本幅」を有することができ、これは例えば、基本スクリードまたは基本スクリード本体111に一致する作業幅にほぼ相当する。チャネルプレート構成101の有効幅は、基本的に材料が牽引車両の方へ漏れるのを防止できる幅である。有効基本幅は、例えば基本スクリード111と同じように、チャネルプレート基本構成112によって実現できる。
【0055】
そのために、チャネルプレート構成101は、例えばスクリードおよび/または拡散スクリューのねじクロスヘッドおよび/またはシャシに、例えばねじ締めまたは溶接によってしっかりと接続できる1つ以上のチャネルプレートを備えることができる。
【0056】
本発明によれば、チャネルプレート構成はさらに伸長手段115を備え、伸長手段115は、チャネルプレート構成101の有効幅を(好ましくはスクリードの作業幅に応じて)可変調整するように構成される。
【0057】
そのために、伸長手段115は、1つの実施形態によれば、少なくとも1つの第1のチャネルプレート151を備え、第1のチャネルプレート151は、ここに図示した画像平面内で、同じくここに図示した両矢印の水平方向に、例えば液圧駆動手段154(例えば液圧シリンダ)を介してシフトできる。
【0058】
したがって、チャネルプレート構成101の有効幅は、第1のチャネルプレートが外側にさらにシフトしたときに大きくなる。
【0059】
さらに、本発明によれば、チャネルプレート151の外側端部に第2のチャネルプレート152が、例えば液圧枢動手段を介して配置される。第2のチャネルプレート152は、本発明によれば、軸153周りに枢動するように配置されるが、軸の正確な位置は限定的なものと考えるべきではない。例えば、ここでの軸153は、投影面に対して垂直に延在するため、チャネルプレート152は投影面内で枢動する。軸153が投影面に位置しているか、軸が投影面との間に90°以外の角度を有している他の実施形態も構想可能である。
【0060】
ここに図示した第2のチャネルプレート152は、進行方向Fに反して枢動している。しかしながら、第2のチャネルプレート152は、開始位置(例えば第1のチャネルプレート151と一致する位置)から始まって軸153周りに進行方向Fに枢動していてもよい。さらに、第2のチャネルプレート152が軸153に沿って、または軸周りに、それぞれ任意に枢動できる実施形態を構想できる。
【0061】
伸長手段115は、一実施形態では、第1のチャネルプレート151および第2のチャネルプレート152、ならびに第1のチャネルプレートを水平方向に沿って動かすのに対応する手段および第2のチャネルプレートを軸153周りに動かすか枢動させる手段(枢動手段153)のみを備えることができ、かつ、例えばチャネルプレート構成に固定されている液圧シリンダによってチャネルプレート構成に直接接続できるため、液圧シリンダが作動すると、第1のチャネルプレートが残りのチャネルプレート構成に対して動く。
【0062】
代替案として、伸長手段は、1つ以上のさらなるチャネルプレート155も備えてもよい。ただし、この場合それらのチャネルプレート155は、チャネルプレート基本構成112に対して動かなくなるように構成されることが好ましい。これらのチャネルプレート155は、例えば第1のチャネルプレート151の動きおよび第2のチャネルプレート152の枢動に対して固定基準点を形成する。さらに、そのような追加の第3のチャネルプレートまたはさらに他のチャネルプレートを用いることによって、伸長手段を設置する際に、第1のチャネルプレートおよび第2のチャネルプレートを作動させる手段を、既存のチャネルプレート基本構成に適応させる必要をなくすことができる。
【0063】
図1に示した道路仕上げ機100の実施形態では、牽引車両102内の制御ユニット130がさらに概略的に示されている。この制御ユニットは、一実施形態では、例えば伸長式スクリード部分113および/またはチャネルプレート構成101の伸長手段115の作動を制御するようにできる。これによって、伸長式スクリード部分113および/または伸長手段115を少なくとも部分的に自動化したまたは完全に自動化した動きを実現でき、オペレータは、チャネルプレートを手動で調整する必要がない。
【0064】
制御ユニット130は、ここに図示した実施形態では牽引車両の一部として提供しているが、他の実施形態では、制御ユニットをスクリード110の一部として提供することも可能である。さらに、制御ユニットの一部をスクリードに配置し、制御ユニットの別の一部を牽引車両102に配置するという代替実施形態を構想できる。
【0065】
制御ユニットは、例えば牽引車両102のあらゆる機能および/またはスクリード110に対する制御コンピュータとすることができ、例えばキーボードなどの入力オプション、およびディスプレイなどの出力オプションを有することができる。
【0066】
さらに、制御ユニットにセンサを接続でき、センサは、例えばスクリードの幅を自動で算出でき、チャネルプレート構成の有効幅がスクリードの作業幅に応じて調整されるように、制御ループの意味で伸長手段および/または枢動手段153、および/または駆動手段154を介して協働できる。これは全自動で実行できることが好ましく、それによって例えば道路仕上げ機の運転中に雨溝および/または橋脚に達したときに、スクリードの作業幅と、それに基づいて、好ましくは同期して、チャネルプレート構成の有効幅とは、材料の衝突または望ましくない敷設を回避するように調整される。
【0067】
図2は、チャネルプレート構成101の一実施形態を示している。
【0068】
ここに示した実施形態では、チャネルプレート構成101は、いくつかの懸架部261、262、および263を含むチャネルプレート基本構成112を有し、それぞれの懸架部は、伸長手段を受け入れて伸長手段をチャネルプレート基本構成または残りのチャネルプレート構成と脱着可能に接続するように構成される。
【0069】
ここに設けられている懸架部は、個別のスロットまたは細長い孔として図示されている。懸架部は、例えば縦方向に互いにずれている細長い孔のペアとすることも可能である。細長い孔の代わりに、例えばねじ山のある孔または開口またはクランプ手段がある他の実施形態もここでは構想可能である。
【0070】
基本的に、懸架部261~263は、伸長手段115とチャネルプレート基本構成112とを切り離せる接続になるように設計する必要があるだけである。
【0071】
懸架部261~263を例えば細長い孔として構成する場合、伸長手段は、これらの細長い孔と係合してチャネルプレート基本構成との(切り離せる)接続部を形成できるよう対応する係合部を有することができる。
【0072】
ここに示した図2の実施形態では、伸長手段は、第1のチャネルプレート151および第2のチャネルプレート152のほかに、図1に関して既に記載した第3のチャネルプレート155も有している。液圧シリンダ154は、このチャネルプレートに連結するか固定され、第1のチャネルプレート151は液圧シリンダを介して液圧によって動くことができる。
【0073】
液圧シリンダ154の代わりに、第1のチャネルプレートを水平に動かす駆動手段の他の実現形態も提供できる。例えば、空圧シリンダまたは空圧シリンダと液圧シリンダとを組み合わせたものを使用できる。
【0074】
液圧駆動手段の代わりに、第1のチャネルプレートの位置を第3のチャネルプレート155に対して、または全体的にチャネルプレート基本構成112に対して水平方向(両矢印で表示)に手動で調整することを、例えばクランクおよびスピンドルまたはこれと同類の手段を用いて実現できる。
【0075】
ここでは、伸長手段が配置されている第3のチャネルプレートが図示されているが、2つ以上の第3のチャネルプレートを、例えばスクリードの拡張部分に匹敵する1つ以上のチャネルプレート拡張部分の意味で備えて、チャネルプレート構成の幅を決定してよい。チャネルプレート基本構成から始まって最も外側のチャネルプレート拡張部分には、第1のチャネルプレートとこの第1のチャネルプレートに対して枢動する第2のチャネルプレートとを有する伸長手段を配置できる。チャネルプレート拡張部分は、例えばねじ込み継手を介してチャネルプレート基本構成に強固に接続できるように構成されることが好ましい。
【0076】
第3のチャネルプレート155を用意しない場合、図2の伸長手段とチャネルプレート基本構成との接続は、例えば部分的または完全に、液圧シリンダ154を用いて、またはさらに一般には任意選択で用意する(液圧)駆動手段を用いて実現してよく、駆動手段は、第1のチャネルプレート151を動かす手段を含むとともに、第1のチャネルプレートをチャネルプレート基本構成112と接続する手段も含む。
【0077】
図3に示した実施形態では、懸架部261~263の代わりに、2つの案内手段271および272が設けられ、この案内手段は、例えばレールの形態で構成でき、このレールに沿って伸長手段を可動式に取り付けることができる。2つの案内手段271および272の代わりに、案内手段を1つだけ設けることもできる。案内手段により、原則として、伸長手段115の第1のチャネルプレート151の水平方向の位置を継続的に様々に調整することが可能になり、これは図2に記載した実施形態とは対照的である。
【0078】
図2および図3に記載したこれらの実施形態を組みわせることも構想でき、その場合は、例えば懸架部261、262または263と接続できる接続手段を設ける一方で、この接続手段には伸長手段を装着する。接続手段により、伸長手段がチャネルプレート基本構成112の懸架部に対して水平運動または水平シフトが可能になる。
【0079】
したがって、一方では、伸長手段の「おおまかな」長さを例えばスクリードの中心に向けて段階的に調整することを実行できる。他方では、その場合、伸長手段の正確な位置を継続的に可変調整することも可能である。
【0080】
ここで、伸長手段の位置を継続的に可変調整することは、好ましくは2つの隣接する懸架部の長さと最も等しいかこの長さよりも少なくともわずかに短い領域の上を水平方向に行うことが可能であってよい。懸架部の長さが例えば20cmである場合、接続部により、伸長手段の位置をチャネルプレート基本構成112に対して15cmまたは18cmよりも長く継続的に可変調整することが可能になる。ここで、任意の他の値も構想可能である。
【0081】
図2および図3に示した実施形態では、第3のチャネルプレート155は第1のチャネルプレートまでの距離が短いが、このような実施形態は、第1のプレート151を例えば液圧駆動手段154を用いて水平方向に調整した位置とは関係なく、第3のチャネルプレート155(ある場合)またはチャネルプレート基本構成112と第1のチャネルプレート151との間は途切れなく常に確実に重なっているという点で、特に好ましい。例えば、第1のチャネルプレートと第3のチャネルプレートまたはチャネルプレート基本構成との間にできる間隙から材料が意図せず漏れるのを回避できる。同時に、この重なりによって、第1のチャネルプレートが第3のチャネルプレートまたはチャネルプレート基本構成それぞれの後ろで進行方向に伸長した場合に、第1のチャネルプレートの安定性を向上させることができ、それによって第1のチャネルプレートは、材料の圧力により、拡散スクリューからチャネルプレート基本構成112または第3のチャネルプレート155それぞれに対して押される。
【0082】
前述の図3の実施形態で、伸長手段の位置をチャネルプレート基本構成に対して動かすか調整するための別の手段として案内手段を記載したが、案内手段は、2つの隣接する懸架部の間で、好ましくはオペレータにとって容易な方法で、伸長手段をシフトさせるために使用することもできる。
【0083】
図2および図3ならびに図1でも、1つの伸長手段115のみを採り上げているが、チャネルプレート基本構成112の両側にこれに相当する伸長手段115を配置できることが理解されるであろう。ここで、スクリードが非対称である実施形態も可能である。したがって、必要に応じて、伸長手段をチャネルプレート基本構成の片側のみに設け、もう一方の側ではチャネルプレート基本構成のみでチャネルプレート構成の有効幅が決まる。
【0084】
チャネルプレート構成は、使用するスクリードとは独立して備えることが可能なことが理解されるであろう。チャネルプレート構成を使用することは、作業幅を変更できるスクリード(特に伸長式スクリード)と組み合わせると特に好都合であるが、伸長手段を有するチャネルプレート構成は、道路仕上げ機に固定して、スクリードの作業幅を調整できない別のスクリードの作業幅に適応させることもできる。
【0085】
基本的に、既に記載した伸長式スクリード部分113をシフトさせることによってスクリード110の作業幅Wを大きくすることと、チャネルプレート構成101の有効幅を広げることとは、独立して可能であってよいが、ここで、制御関連の連結(例えば制御ユニット130を介して)だけでなく、スクリードの作業幅の調整部とチャネルプレート構成の有効幅との間の機械的連結ももたらすことができる。機械的連結は、例えば、伸長式スクリード部分を伸長手段と(少なくとも部分的に)強固に接続することによって実現できる。制御関連の連結は、例えば、このスクリードの作業幅を測定してそれを制御ユニットに送信する1つ以上のセンサを用いて行うことができ、また、チャネルプレート構成の有効幅がスクリードの作業幅に応じて調整されるように、センサによって決まるスクリードの作業幅に応じて制御ユニットによって枢動手段および/または駆動手段を作動させて行うことができる。
【0086】
特に、第1のチャネルプレートを動かす駆動手段を伸長式スクリード部分の要素と機械的に接続することでチャネルプレート構成の幅または第1のチャネルプレートの水平位置が継続的に変化し得る場合、伸長式スクリード部分の動きは伝達されて、第1のチャネルプレートの動きおよび/または完全な伸長構成の動きおよび/または第2のチャネルプレートの枢動になり得る。
図1
図2
図3