(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-06
(45)【発行日】2023-06-14
(54)【発明の名称】サービス構成方法、装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04L 41/0806 20220101AFI20230607BHJP
H04W 92/12 20090101ALI20230607BHJP
H04J 3/16 20060101ALI20230607BHJP
H04J 14/08 20060101ALI20230607BHJP
【FI】
H04L41/0806
H04W92/12
H04J3/16
H04J14/08
(21)【出願番号】P 2021505829
(86)(22)【出願日】2019-06-27
(86)【国際出願番号】 CN2019093214
(87)【国際公開番号】W WO2020024736
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-02-02
(31)【優先権主張番号】201810879935.X
(32)【優先日】2018-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】周 志 斌
【審査官】前田 健人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/001280(WO,A1)
【文献】特開2011-130245(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00
H04W 92/12
H04J 3/16
H04J 14/00
H04L 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光伝送ネットワークOTN機器に適用されるサービス構成方法であって、
無線周波数ユニットRRU側のOTN機器は、ベースバンドユニットBBU側のOTN機器から送信された高次オーバーヘッドバイトを受信するステップと、
前記RRU側のOTN機器は前記高次オーバーヘッドバイトから回線側サービスデータを抽出し
、抽出した前記回線側サービスデータに基づいて指定された回線側のタイムスロットを占有する回線側サービスを構成するステップと、
前記RRU側のOTN機器は前記BBU側のOTN機器から送信された低次オーバーヘッドバイトを受信するステップと、
前記RRU側のOTN機器は前記低次オーバーヘッドバイトからクライアント側サービスデータを抽出し、抽出したクライアント側サービスデータに基づい
て指定されたクライアントポートのサービスを
、抽出した前記クライアント側サービスデータに基づいて確立するステップと
、
前記RRU側のOTN機器は前記指定されたクライアントポートを前記回線側のタイムスロットにクロスオーバーするクロスオーバー構成を行うステップと、を含む、サービス構成方法。
【請求項2】
前記高次オーバーヘッドバイトは、前記BBU側の回線側タイムスロットの光チャネルデータユニットODUkタイプが挿入されたマルチフレーム構造指示MSI高次オーバーヘッドバイトを含
み、前記BBU側の回線側タイムスロットは、前記回線側サービスが占有するタイムスロットを指定するために使用される、請求項1に記載のサービス構成方法。
【請求項3】
前記RRU側のOTN機器は前記高次オーバーヘッドバイトから回線側サービスデータを抽出し、
抽出した前記回線側サービスデータに基づいて指定された回線側のタイムスロットを占有する回線側サービスを構成する前記ステップは、
前記RRU側のOTN機器は高次PSIから前記MSI高次オーバーヘッドバイトを抽出するステップと、
前記RRU側のOTN機器は前記MSI高次オーバーヘッドバイトに搬送された情報に基づいて、前記MSI高次オーバーヘッドバイトに搬送されたODUkタイプを取得するステップと、
前記RRU側のOTN機器は前記ODUkタイプに応じて、回線側の光チャネルデータユニットODUが占有するタイムスロットを構成するステップと、を含む、請求項2に記載のサービス構成方法。
【請求項4】
前記低次オーバーヘッドバイトは、クライアントポートサービス構成情報およびクロスオーバー情報を含むクライアント側サービスデータが挿入されたMSI低次オーバーヘッドバイトを含み、クライアントポートサービス構成情報はRRU側クライアントポートに対応するサービスタイプとクライアントポート番号を含み、クロスオーバー情報はRRU側のクライアントポートと
前記回線側サービスが占有するタイムスロット間の対応関係を含む、請求項1に記載のサービス構成方法。
【請求項5】
前記RRU側のOTN機器は前記低次オーバーヘッドバイトからクライアント側サービスデータを抽出し、抽出したクライアント側サービスデータに基づい
て指定されたクライアントポートのサービスを
、抽出した前記クライアント側サービスデータに基づいて確立する前記ステップは、
前記RRU側のOTN機器は低次PSIから前記MSI低次オーバーヘッドバイトを抽出するステップと、
前記RRU側のOTN機器は前記MSI低次オーバーヘッドバイトに搬送された情報に基づいて、クライアントポートサービス構成情報及びクロスオーバー情報を取得するステップと、
前記RRU側のOTN機器は、前記クライアントポートサービス構成情報及びクロスオーバー情報に基づいて、クライアント側サービスマッピングを構成し、前記クロスオーバー情報に応じて、指定されたクライアントポートに対してクロスオーバーを構成することにより、指定されたクライアントポートのサービスを確立するステップと、を含む、請求項4に記載のサービス構成方法。
【請求項6】
前記RRU側のOTN機器は前記低次オーバーヘッドバイトからクライアント側サービスデータを抽出し、抽出したクライアント側サービスデータに基づい
て指定されたクライアントポートのサービスを
、抽出した前記クライアント側サービスデータに基づいて確立した後、
受信したクライアントポートサービス構成情報及びクロスオーバー情報に基づいて、前記RRU側のOTN機器のサービス構成及びクロスオーバー構成を更新するステップをさらに含む、請求項4または5のいずれか1項に記載のサービス構成方法。
【請求項7】
前記サービス構成が追加される場合、まず、前記サービス構成を実行し、次に、前記サービス構成に関連するクロスオーバー構成を実行するステップと、
サービスが削除される場合、まず、前記サービスに関連するクロスオーバー構成を削除し、次に、前記サービスを削除するステップと、をさらに含む、請求項6に記載のサービス構成方法。
【請求項8】
RRU側に設けられ、
メモリと、プロセッサと、前記メモリ上に記憶され、前記プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムとを備え、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行されると、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法のステップを実現するOTN機器。
【請求項9】
BBU側ネットワーク要素と、BBU側OTN機器と、請求項8に記載のRRU側OTN機器とを備え、
前記BBU側ネットワーク要素は、高次オーバーヘッドバイトに設定された回線側サービスデータと低次オーバーヘッドバイトに設定されたクライアント側サービスデータとを設定することに用いられ、
前記BBU側OTN機器は、前記BBU側ネットワーク要素が回線側サービスデータ及びクライアント側サービスデータの設定を完了した後、前記高次オーバーヘッドバイトを前記RRU側OTN機器に送信し、回線側サービス構成が完了した後、前記低次オーバーヘッドバイトを前記RRU側OTN機器に送信することに用いられ、
前記RRU側OTN機器は、前記BBU側のOTN機器から送信された高次オーバーヘッドバイトを受信し、前記高次オーバーヘッドバイトから回線側サービスデータを抽出し、抽出した
前記回線側サービスデータに基づいて
指定された回線側のタイムスロットを占有する回線側サービスを構成し、前記BBU側のOTN機器から送信された低次オーバーヘッドバイトを受信し、前記低次オーバーヘッドバイトからクライアント側サービスデータを抽出し、抽出したクライアント側サービスデータに基づい
て指定されたクライアントポートのサービスを
、抽出した前記クライアント側サービスデータに基づいて確
立し、前記指定されたクライアントポートを前記回線側のタイムスロットにクロスオーバーするクロスオーバー構成を行うことに用いられる、サービス構成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年08月03日に提出された、発明の名称が「サービス情報構成方法、装置及びシステム」である中国特許出願CN201810879935.Xの優先権を主張し、その全内容が引用により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明の実施例は、通信技術分野に関し、特にサービス構成方法、装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
中国移動会社のフルサービスオペレーションの展開に伴い、メトロポリタンエリアネットワークアクセスのサービスにも大きな変化が生じた。従来のメトロポリタンエリアネットワークのアクセス層は、基地局アクセスが主であるが、フルサービスアクセスの背景には、グループユーザ、ホームコミュニティのサービスアクセス、及び各種の専用線タスクも担っている。アクセスサービスが多様化しており、長期的進化(Long Term Evolution、LTE)基地局の高帯域幅、光回線端末(Optical Line Terminal、OLT)の1000Mの伝送速度のイーサネット(登録商標)(Gigabit Ethernet(登録商標)、GE)、さらには10Gの上り帯域幅など、帯域幅も大きくなり、大量の大規模クライアント専用回線サービスにもGE以上のアクセス帯域幅が必要とされる。パケット伝送ネットワーク(Package Transport Network、PTN)はプレミアムプレーンを構築することができ、3G、LTE段階の無線サービスの返送を実現し、またプレミアム大規模クライアント専用回線サービスにアクセスすることができる。大量のOLT上りサービス及び一般的な大規模クライアント専用線サービスは、光伝送ネットワーク(Optical Transport Network、OTN)を通じて高帯域幅のアクセスを実現することができる。
【0004】
LTE/LTE-A(LTE-Advanced、後続進化)の発展において、事業者はサイトのリース料と基地局資源の集中管理を低減させるために、ベースバンドユニット(Building Base band Unit、BBU)を集中することが主流となるネットワーク構築方式として採用されてきた。ベースバンド部(BBU)は統合機械室に集中して配置され、無線周波数部(RRU、Radio Remote Unit)はすべて屋外の各カバーポイントに配置され、BBUとRRUは共通公共無線インタフェース(Common Public Radio Interface、CPRI)を介してサービスを遠隔化する。屋外OTN機器(RRU側)と統合機械室OTN機器(BBU側)がドッキング伝送を行う。開局してサービスを開通する際に、まず、屋外OTN機器をネットワーク回線で接続し、機器とネットワーク管理者が同一のネットワークセグメントになるようにし、その後、ネットワーク管理者サーバを利用してネットワーク要素を作成し、OTN機器を管理し、ネットワーク管理者がこの機器を監視できるようになった後、これについてネットワーク管理者インタフェースを介してサービス構成を行い、サービス開通を行うために対応するクロスオーバーを構成する。この過程から分かるように、この方式では、RRU側OTN機器の場所を柔軟に配置するため、非常に辺鄙な場所になる場合があり、RRU側は多くの場合、ネットワーク管理者により管理するのが非常に困難である(ネットワークケーブル、ネットワーク管理サーバは固定されているため、携帯サービス端末を携帯して機器とともに現場に行ってサービスを開通してから、サービス開通後にメインネットワーク要素と直列に接続しなければならない)、開局の難しさを増加させ、そして専門家はサービス開通のために現場に行かなければならず、このため、運営コストが増える。
【発明の概要】
【0005】
これに鑑み、本発明の実施例の目的は、サービス構成方法、装置及びシステムを提供することにあり、RRU側OTN機器の管理には開局が困難であり、しかも専門家が現場に行ってサービス開通を行わなければならず、運営コストが大きくなるという従来技術の問題を解決した。
【0006】
本発明の実施例が上記課題を解決するために採用される技術案は下記のとおりである。
本発明の実施例の第一の態様によれば、光伝送ネットワークOTN機器に適用されるサービス構成方法を提供し、前記方法は、
無線周波数ユニットRRU側のOTN機器は、ベースバンドユニットBBU側のOTN機器から送信された高次オーバーヘッドバイトを受信するステップと、
前記高次オーバーヘッドバイトから情報を抽出し、回線側サービスデータを構成するステップと、
前記BBU側のOTN機器から送信された低次オーバーヘッドバイトを受信するステップと、
前記低次オーバーヘッドバイトから情報を抽出し、クライアント側サービスデータを構成するステップとを含む。
【0007】
本発明の実施例の第二の態様によれば、RRU側に設けられ、メモリと、プロセッサと、前記メモリ上に記憶され、前記プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムとを備え、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行されると、第一の態様に記載の方法のステップを実現するOTN機器を提供する。
【0008】
本発明の実施例の第三の態様によれば、BBU側ネットワーク要素と、BBU側OTN機器と、第二の態様に記載のRRU側OTN機器とを備え、
前記BBU側ネットワーク要素は、高次オーバーヘッドバイトに設定された回線側サービスデータと低次オーバーヘッドバイトに設定されたクライアント側サービスデータとを設定することに用いられ、
前記BBU側OTN機器は、前記BBU側ネットワーク要素が回線側サービスデータ及びクライアント側サービスデータの設定を完了した後、前記高次オーバーヘッドバイトを前記RRU側OTN機器に送信し、回線側サービスが確立された後、前記低次オーバーヘッドバイトを前記RRU側OTN機器に送信することに用いられ、
前記RRU側OTN機器は、受信した高次オーバーヘッドバイトに基づいて回線側サービスデータを構成し、受信した低次オーバーヘッドバイトに基づいてクライアント側サービスデータを構成することに用いられる、サービス構成システムを提供する。
【0009】
本発明の実施例によるサービス構成方法、装置及びシステムでは、OTN機器は、高次オーバーヘッドバイトを用いて回線側サービスデータを伝送し、低次オーバーヘッドバイトを用いてクライアント側サービスデータを伝送し、それにより、RRU側のOTN機器は現場でネットワーク管理者による管理及び配置を行うことなく、上流のBBU側OTN機器のサービス構成に自動的に追従することができ、サービス自動開通機能を備え、RRU側OTN機器の管理には開局が困難であり、しかも専門家が現場に行ってサービス開通を行わなければならず、運営コストが大きくなるという従来技術の問題を解決した。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は本発明の実施例1によって提供されるサービス構成方法のフローチャートである。
【
図2】
図2は本発明の実施例においてOTN機器がBBU側とRRU側とで通信を確立する場合の模式図である。
【
図3】
図3はOPUK多重化オーバーヘッドのフレーム構造の模式図である。
【
図4】
図4は本発明の実施例2におけるOTN機器のネットワーキング模式図である。
【
図5】
図5は本発明の実施例2のサービス構成方法のフローチャートである。
【
図6】
図6は本発明の実施例2におけるG709 OPU2 MSI符号化(ペイロード・タイプ=21)の定義を示す表である。
【
図7】
図7は本発明の実施例3によって提供されるOTN機器のモジュール構造の模式図である。
【
図8】
図8は本発明の実施例4によって提供されるサービス構成システムの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施例の目的の達成、機能的特徴及び利点については、実施例にて図面を参照しながらさらに説明する。
【0012】
本発明の実施例の解決しようとする技術課題、技術案及び有益な効果をより明確、明瞭にするために、以下は図面及び実施例を組み合わせて本発明の実施例をさらに詳しく説明する。ここで説明する具体的な実施例は、本発明の実施例を説明するためのものであり、本発明の実施例を限定するものではないことが理解されるべきである。
【0013】
本発明の実施例1は、RRU側のOTN機器に適用されるサービス構成方法を提供し、
図1に示すように、該方法は、ステップS101~ステップS104を含む。
【0014】
ステップS101において、RRU側のOTN機器は、BBU側のOTN機器から送信された高次オーバーヘッドバイトを受信する。
【0015】
ステップS102において、この高次オーバーヘッドバイトから情報を抽出し、回線側サービスデータを構成する。
【0016】
ステップS103において、このBBU側のOTN機器から送信された低次オーバーヘッドバイトを受信する。
【0017】
ステップS104において、この低次オーバーヘッドバイトから情報を抽出し、クライアント側サービスデータを構成する。
【0018】
図2は、OTN機器がBBU側とRRU側とで通信を確立する場合の模式図である。
BBU側のネットワーク要素NE2は、サービスとクロスオーバーを設定し、サービスはNE2にアクセスし、回線にクロスオーバーをベアラし、RRU側のネットワーク要素NE1(実際の応用では、ネットワーク要素NE2は仮想であってもよい)では、NE1サービス及びクロスオーバープレーンは構成されて開通する。
【0019】
本実施例では、BBU側機器サービス及びクロスオーバーは手動で設定可能であり、RRU側機器サービス及びクロスオーバーはBBU側サービス構成に応じて自動的に開通する。
【0020】
1つの実現可能な態様では、この高次オーバーヘッドバイトは、このBBU側の光チャネル(OCH)側タイムスロットの光チャネルデータユニット(ODUk)タイプが挿入された高次ペイロード構造指示識別子(PSI)に配置されたマルチフレーム構造指示(MSI)高次オーバーヘッドバイトを含み、
この低次オーバーヘッドバイトは、RRU側クライアントポートに対応するサービスタイプ及びクライアントポート番号が挿入された、低次PSIに設定されたMSI低次オーバーヘッドバイトを含む。
【0021】
1つの実行可能な態様では、ステップS102において、この高次オーバーヘッドバイトから情報を抽出し、回線側サービスデータを構成するステップは、
前記高次PSIから前記MSI高次オーバーヘッドバイトを抽出するステップと、
このMSI高次オーバーヘッドバイトに搬送された情報に基づいて、回線側に光チャネルデータユニット(ODU)のタイムスロットを構成するステップと、を含む。
【0022】
1つの実行可能な態様では、ステップS103において、この低次オーバーヘッドバイトから情報を抽出し、クライアント側サービスデータを構成するステップは、
前記低次PSIから前記MSI低次オーバーヘッドバイトを抽出するステップと、
このMSI低次オーバーヘッドバイトに搬送された情報に基づいて、クライアントポートサービス構成情報及びクロスオーバー情報を取得するステップと、
このクライアントポートサービス構成情報及びクロスオーバー情報に基づいて、指定されたクライアントポートのサービスを確立するステップと、を含む。
【0023】
実際の応用では、光チャネルペイロードユニット(Optical Channel Payload Unit、OPUK)多重オーバーヘッドにおける多重化構造は、MSIオーバーヘッドバイトを指示することができる。具体的には、
図3に示すように、高次オーバーヘッドバイトは回線側サービスデータを伝達することに用いられ、低次オーバーヘッドバイトはクライアント側サービスデータを伝達することに用いられ、このようにすると、階層が明確で理解されやすくなるという顕著な利点がある。
【0024】
BBU側NE2ネットワーク要素の機器の場合、NE2はネットワーク管理者によって管理されているため、インタフェースが対応するサービス及びクロスオーバー構成をサポートし、NE2ネットワーク要素機器では、規格要件に従って、回線側高次オーバーヘッド(たとえば、高次ペイロード構造指示識別子PSI)にMSI高次オーバーヘッドバイトを設定するとともに、MSI高次オーバーヘッドバイトに自端の光チャネル(optical channel、OCH)側の各タイムスロットの光チャネルデータユニット(optical channel date Unit、ODUk)タイプを挿入し、低次オーバーヘッドにMSI低次オーバーヘッドバイトを設定するとともに、そこにRRU側クライアントポートに対応するサービスタイプ及びクライアントポート番号(具体的にどのクライアントポートにクロスオーバーするかは、BBU側ネットワーク管理者で指定)を挿入する。BBU側の構成が完了すると、BBU側のOTN機器はRRU側のOTN機器との間で回線側サービスを確立することができる。
【0025】
RRU側NE1ネットワーク要素の機器の場合、まず、MSI高次オーバーヘッドバイトにより、回線側のBBU側に関する構成を取得する。RRU側は、情報に基づいて回線側サービスを構成し、回線側のサービス構成が完了した後、RRU側はMSI低次オーバーヘッドバイトを取得することができ(実際の応用では、回線側のタイムスロットがすべて正しく構成されると、RRU回線側は対応する低次オーバーヘッドを取得する)、低次オーバーヘッドから送られてきた情報を用いて対応するクライアントポートサービスを構成し、クロスオーバー構成には、低次オーバーヘッドの先頭タイムスロットを取得し、このタイムスロットによって指定されたクライアントポートにクロスオーバーし、このとき、RRU側の回線側、クライアント側のサービス構成及びクロスオーバー確立が完了し、サービス開通が完了する。
【0026】
1つの実行可能な態様では、ステップS104において、この低次オーバーヘッドバイトから情報を抽出し、クライアント側サービスデータを構成した後、該方法は、
受信したサービス情報に基づいて、このRRU側機器のサービス構成及びクロスオーバー構成を更新するステップをさらに含む。
【0027】
実際の応用では、RRU側機器のサービス構成及びクロスオーバー構成の更新はサービスの削除と増加を含む。
【0028】
あるクライアントポートのサービスが開通すると、RRU側のOTN機器のサービスポートは、BBU側からの情報を受信するたびに、次の情報を待ち始め、予め設定された時間が経過しても何も受信しない場合、BBU側で当該クライアントポートのサービスが削除されたものとみなし、この場合、RRU側の対応するサービスを削除する。
【0029】
サービス構成が追加される場合、まず、サービス構成を実行し、次にクロスオーバー構成を実行する。
【0030】
本発明の実施例によるサービス構成方法では、OTN機器は、高次オーバーヘッドバイトを用いて回線側サービスデータを伝送し、低次オーバーヘッドバイトを用いてクライアント側のサービスデータを伝送し、これにより、RRU側のOTN機器は現場でネットワーク管理者による管理と配置を行うことなく、上流のBBU側OTN機器のサービス構成に自動的に追従することができ、サービス自動開通機能を備えているので、現場に行く必要がなく、光ファイバを接続するだけでサービスを開通することができ、それにより、開局難度及び運営コストを低減することができる。
【0031】
本発明をより詳細に説明するために、前述の実施例に基づいて、本発明の実施例2は別のサービス構成方法を提供し、この方法については、光チャネル伝送ユニットOTU2(ペイロードタイプ21)が公共ラジオCPRI3サービスをベアラーすることと組み合わせて説明する。
図4に示すように、双方向矢印付きのサービスラインがサービスの1つであり、ネットワークのネットワーキングが完了した後、全体の流れはBBU側機器により開始され、RRU側機器はBBU側の構成に追従し、BBU側のサービスが変更された場合、RRU側機器は変更に追従する。
【0032】
図5に示すように、本実施例について、BBU側機器及びRRU側機器の機能の流れに基づいて説明する。
【0033】
ステップS501において、BBU側機器ネットワーク管理者はサービスを構成する。
実際の応用では、BBU側で構成されるサービスには、回線側サービスとクライアント側サービスが含まれる。
【0034】
回線側サービス(それぞれ第1、第2、第3、第4のタイムスロットを占有する2つのODU1を含む)の場合、RRU側が正しいODUkタイプを取得することを確保するために、ペイロード構造識別子PSI[14-29]を使用して8つのタイムスロットのODUkタイプを記述する。本実施例では、高次PSIオーバーヘッドにMSI高次オーバーヘッドバイトを設定するとともに、MSI高次オーバーヘッドバイトに自端のOCH側の各タイムスロットのODUkタイプを挿入してもよい。
【0035】
クライアント側サービス(CPRI3)の場合、ODU1への標準マッピング方式を採用する。本実施例では、低次PSIオーバーヘッドにMSI低次オーバーヘッドバイトを設定し、MSI低次オーバーヘッドバイトにRRU側クライアントポートに対応するサービスタイプ及びクライアントポート番号を挿入してもよい。
【0036】
BBU回線側サービスの構成が成功すると、回線側サービスは開通している(本実施例では、RRU回線側はデフォルトでOTU2サービスである)。
【0037】
ステップS502において、BBU側OTN機器は、回線側サービス構成に基づいて、RRU側OTN機器に高次PSIオーバーヘッドバイトを送信する。
【0038】
ステップS503において、RRU側OTN機器は、高次PSIオーバーヘッドバイトを抽出し、高次PSIオーバーヘッドバイトに基づいてODU1タイムスロットを構成する。
【0039】
MSIオーバーヘッドバイトに搬送された情報に基づいて、
図6に示すように、1、2タイムスロットの分岐ポートは一致し、PSI[14-15]、PSI[16-17]に基づいて、これらの2つのタイムスロットはODU1であることを示しているので、回線側でODU1(1、2タイムスロットを占有)を構成することができ、同じ方法によって、もう1つのODU1(3、4タイムスロットを占有)を構成することができる。
【0040】
実際の応用では、RRU側の回線サービス配置に必要な情報を表1に示す。
【0041】
【0042】
ステップS504において、BBU側機器ネットワーク管理者は、低次PSIオーバーヘッドに、RRU側クライアントポートクロスオーバーと回線側(OCH)のタイムスロットとの対応関係を設定する。
【0043】
RRU側クライアントポートがOCH側のどのタイムスロットにクロスオーバーするかを設定するためには、BBUネットワーク管理者で指定する必要がある。本実施例では、1、2タイムスロットはクライアントポート1、3、4タイムスロットはクライアントポート5を指定し、このステップはRRU側のクライアント側(OAC)ポート番号とタイムスロットとの対応関係を完了し、RRU側のクロスオーバー確立のための準備を行う。
【0044】
ステップS505において、BBU側OTN機器は、低次PSIオーバーヘッドをRRU側OTN機器に伝達する。
【0045】
ステップS506において、RRU側OTN機器は、低次PSIオーバーヘッドからクライアントポートサービス構成情報及びクロスオーバー情報を取得し、OACサービスマッピング構成を実行する。
【0046】
本ステップにおいて、RRU側のクライアントのサービス構成に必要な情報を表2に示す。
【0047】
【0048】
以上の4つの情報に基づいて、指定されたクライアントポートのサービスを確立することができる。
【0049】
RRUがOACサービスマッピング構成を実行した後、クライアントポート1を回線ポート3、4タイムスロットにクロスオーバーさせ、クライアントポート5を回線ポート1、2タイムスロットにクロスオーバーさせ、このようにクロスオーバー構成が完了し、つまり、RRU側のクライアント側ポート1、5のサービスの自動開通が完了する。
【0050】
実際の応用では、
図3の回線側高次/低次ODUkに基づくPSIオーバーヘッドに対して、RRU側機器のサービス構成及びクロスオーバー構成をリアルタイムで更新する必要がある。また、サービス構成が追加される場合、まず、サービス構成を実行し、次に、クロスオーバー構成を実行し、サービスが削除される場合、まず、クロスオーバー削除を実行し、次に、サービスを削除する必要がある。
【0051】
本発明の実施例によるサービス構成方法では、OTN機器は、高次オーバーヘッドバイトを用いて回線側サービスデータを伝送し、低次オーバーヘッドバイトを用いてクライアント側のサービスデータを伝送し、これにより、RRU側のOTN機器は現場でネットワーク管理者による管理と配置を行うことなく、上流のBBU側OTN機器のサービス構成に自動的に追従することができ、サービス自動開通機能を備えているので、現場に行く必要がなく、光ファイバを接続するだけでサービスを開通することができ、それにより、開局難度及び運営コストを低減することができる。
【0052】
前述の実施例に基づいて、本発明の実施例3は、RRU側に設けられたOTN機器を提供し、
図7に示すように、前記OTN機器は、メモリ401と、プロセッサ402と、このメモリ401上に記憶され、このプロセッサ402上で実行可能であり、このプロセッサ402によって実行されると、実施例1又は実施例2の方法のステップを実現するコンピュータプログラムとを備え、このステップは、
無線周波数ユニットRRU側のOTN機器は、ベースバンドユニットBBU側のOTN機器から送信された高次オーバーヘッドバイトを受信するステップと、
前記高次オーバーヘッドバイトから情報を抽出し、回線側サービスデータを構成するステップと、
前記BBU側のOTN機器から送信された低次オーバーヘッドバイトを受信するステップと、
前記低次オーバーヘッドバイトから情報を抽出し、クライアント側サービスデータを構成するステップと、を含む。
【0053】
1つの実行可能な態様では、前記高次オーバーヘッドバイトは、前記BBU側の光チャネル(OCH)側タイムスロットの光チャネルデータユニット(ODUk)タイプが挿入されたマルチフレーム構造指示MSI高次オーバーヘッドバイトを含む。
【0054】
1つの実行可能な態様では、前記高次オーバーヘッドバイトから情報を抽出し、回線側サービスデータを構成するステップを実行する際に、このコンピュータプログラムがプロセッサ402によって実行されると、
前記高次PSIからMSI高次オーバーヘッドバイトを抽出するステップと、
前記MSI高次オーバーヘッドバイトに搬送された情報に基づいて、回線側に前記光チャネルデータユニットODUのタイムスロットを構成するステップも実現される。
【0055】
1つの実行可能な態様では、前記低次オーバーヘッドバイトは、RRU側クライアントポートに対応するサービスタイプ及びクライアントポート番号が挿入されたMSI低次オーバーヘッドバイトを含む。
【0056】
1つの実行可能な態様では、前記低次オーバーヘッドバイトから情報を抽出し、クライアント側サービスデータを構成するステップを実行する際に、このコンピュータプログラムがプロセッサ402によって実行されると、
前記低次PSIからMSI低次オーバーヘッドバイトを抽出するステップと、
前記MSI低次オーバーヘッドバイトに搬送された情報に基づいて、クライアントポートサービス構成情報及びクロスオーバー情報を取得するステップと、
前記クライアントポートサービス構成情報及びクロスオーバー情報に基づいて、指定されたクライアントポートのサービスを確立するステップも実現される。
【0057】
1つの実行可能な態様では、前記低次オーバーヘッドバイトから情報を抽出し、クライアント側サービスデータを構成するステップを実行した後、このコンピュータプログラムがこのプロセッサ402によって実行されると、
受信したサービス情報に基づいて、前記RRU側機器のサービス及びクロスオーバー構成を更新するステップも実現される。
【0058】
1つの実行可能な態様では、このコンピュータプログラムがプロセッサ402によって実行されると、
サービス構成が追加される場合、まず、前記サービス構成を実行し、次に、前記サービス構成に関連するクロスオーバー構成を実行するステップと、サービスが削除される場合、まず、前記サービスに関連するクロスオーバー構成を削除し、次に、前記サービスを削除するステップも実現される。
【0059】
実際の応用では、RRU側機器のサービス及びクロスオーバー構成の更新はサービスの削除と増加を含む。
【0060】
あるクライアントポートのサービスが開通すると、RRU側のOTN機器のサービスポートは、BBU側の情報を受信するたびに、次の情報を待ち始め、予め設定された時間が経過しても何も受信しない場合、BBU側で当該クライアントポートのサービスが削除されたものとみなし、この場合、RRU側の対応するサービスを削除する。
【0061】
サービス構成が追加される場合、まず、サービス構成を実行し、次に、クロスオーバー構成を実行する。
【0062】
本発明の実施例によるサービス構成方法では、OTN機器は、高次オーバーヘッドバイトを用いて回線側サービスデータを伝送し、低次オーバーヘッドバイトを用いてクライアント側のサービスデータを伝送し、これにより、RRU側のOTN機器は現場でネットワーク管理者による管理と配置を行うことなく、上流のBBU側OTN機器のサービス構成に自動的に追従することができ、サービス自動開通機能を備えているので、現場に行く必要がなく、光ファイバを接続するだけでサービスを開通することができ、それにより、開局難度及び運営コストを低減することができる。
【0063】
前述の実施例に基づいて、本発明の実施例4は、サービス構成システムを提供し、
図8に示すように、前記システムは、BBU側ネットワーク要素801と、BBU側OTN機器802と、RRU側OTN機器803とを備え、
前記BBU側ネットワーク要素801は、高次オーバーヘッドバイトに設定された回線側サービスデータと低次オーバーヘッドバイトに設定されたクライアント側サービスデータとを設定することに用いられ、
前記BBU側OTN機器802は、前記BBU側ネットワーク要素が回線側サービスデータ及びクライアント側サービスデータの設定を完了した後、前記高次オーバーヘッドバイトを前記RRU側OTN機器に送信し、回線側サービスが確立された後、前記低次オーバーヘッドバイトを前記RRU側OTN機器に送信することに用いられ、
前記RRU側OTN機器803は、受信した高次オーバーヘッドバイトに基づいて回線側サービスデータを構成し、受信した低次オーバーヘッドバイトに基づいてクライアント側サービスデータを構成することに用いられる。
【0064】
実際の応用では、RRU側OTN機器803は、実施例3のようなOTN機器を用いてもよいが、ここでは詳しく説明しない。
【0065】
本発明の実施例によるサービス構成システムでは、OTN機器は、高次オーバーヘッドバイトを用いて回線側サービスデータを伝送し、低次オーバーヘッドバイトを用いてクライアント側のサービスデータを伝送し、これにより、RRU側のOTN機器は現場でネットワーク管理者による管理と配置を行うことなく、上流のBBU側OTN機器のサービス構成に自動的に追従することができ、サービス自動開通機能を備えているので、現場に行く必要がなく、光ファイバを接続するだけでサービスを開通することができ、それにより、開局難度及び運営コストを低減することができる。
【0066】
上記実施例に基づいて、本発明の実施例5は、1つ又は複数のプロセッサによって実行されて実施例1及び実施例2に記載のステップを実現することができる1つ又は複数のプログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体を提供する。
【0067】
以上は、図面を参照して本発明の実施例のいくつかの実施例を説明したが、本発明の実施例の権利範囲を限定するものではない。当業者が本発明の実施例の範囲及び本質を逸脱することなく行った如何なる修正、均等な置換や改良も、本発明の実施例の特許請求の範囲に属するものとする。