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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-06
(45)【発行日】2023-06-14
(54)【発明の名称】生体吸収性メディカルデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20230607BHJP
   A61F 2/08 20060101ALI20230607BHJP
【FI】
A61B17/00 500
A61F2/08
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021541530
(86)(22)【出願日】2020-01-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-04
(86)【国際出願番号】 US2020014001
(87)【国際公開番号】W WO2020150557
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2021-08-27
(31)【優先権主張番号】62/794,312
(32)【優先日】2019-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【弁理士】
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】マイケル シー.チャン
(72)【発明者】
【氏名】エドワード エイチ.カリー
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー ビー.ダンカン
(72)【発明者】
【氏名】バイロン ケー.ヘイズ
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル ジョインソン
(72)【発明者】
【氏名】トム アール.マクダニエル
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ジェイ.メシック
(72)【発明者】
【氏名】エドワード イー.ショー
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0249899(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0077180(US,A1)
【文献】特表2007-523686(JP,A)
【文献】特表2016-526438(JP,A)
【文献】国際公開第2018/053352(WO,A1)
【文献】特表2002-502625(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00
A61B 17/12
A61F 2/04 - A61F 2/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織を支持し、かつ、規定された期間内に分解するように構成された複数の吸収性フィラメントを含む支持構造体と、
該複数の吸収性フィラメントを完全にカプセル化する構造部材の周りに配置された膜であって、該フィラメントの破壊又は分解に応答して該複数の吸収性フィラメントの断片を封じ込め、かつ、該膜内への組織の内部成長及び該膜の少なくとも一部の組織カプセル化のうちの少なくとも1つを促進するように構成された膜と、
を含んでなる装置。
【請求項2】
前記膜は、健康な組織の成長を促進し、前記吸収性フィラメントの分解後に組織とともに残るように構成されている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記吸収性フィラメントは、生体吸収性及び生体腐食性のうちの少なくとも1つである、請求項1又は2記載の装置。
【請求項4】
前記複数の吸収性フィラメントの近位端に配置された近位ハブ、前記複数の吸収性フィラメントの遠位端に配置された遠位ハブ、組織壁の第一の側に接触するように構成された近位ディスク、及び、組織壁の第二の側に接触するように構成された遠位ディスクをさらに含む、請求項1~3のいずれか1項記載の装置。
【請求項5】
前記近位ハブ及び前記遠位ハブに結合され、前記支持構造体内に配置された弾性伸長性部材をさらに含み、前記弾性伸長性部材は、前記近位ディスクを前記組織壁の第一の側と並置させ、そして前記遠位ディスクを前記組織壁の第二の側と並置させるように構成されている、請求項4記載の装置。
【請求項6】
係合すると、前記支持構造体内で前記近位ハブ及び前記遠位ハブを接続するように配置されたキャッチ部材をさらに含み、前記キャッチ部材は、前記近位ディスクを前記組織壁の第一の側と並置させ、そして前記遠位ディスクを前記組織壁の第二の側と並置させるように構成されている、請求項4記載の装置。
【請求項7】
前記近位ハブは、前記複数の吸収性フィラメントの近位端部分を含み、前記遠位ハブは、前記複数の吸収性フィラメントの遠位端部分を含む、請求項4記載の装置。
【請求項8】
前記複数の吸収性フィラメントの近位端部分は一緒に加工されて近位ハブを形成し、前記複数の吸収性フィラメントの遠位端部分は一緒に加工されて遠位ハブを形成する、請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記近位ハブは、前記複数の吸収性フィラメントの近位端部分の周りに配置された材料のバンドを含み、前記遠位ハブは、前記複数の吸収性フィラメントの遠位端部分の周りに配置された材料のバンドを含む、請求項4~7のいずれか1項記載の装置。
【請求項10】
前記複数の吸収性フィラメントの中央部分を含む中間ハブをさらに含む、請求項4~9のいずれか1項記載の装置。
【請求項11】
前記中間ハブは、前記複数の吸収性フィラメントの中央部分の周りに配置された材料のバンドを含む、請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記膜は、前記複数の吸収性フィラメントと血液又は湿分との接触を可能にして前記複数の吸収性フィラメントの分解を促進するように構成されている、請求項1~11のいずれか1項記載の装置。
【請求項13】
前記膜は、前記吸収性フィラメントとの直接的な組織の接触を可能にするように構成されたギャップを含む、請求項1~12のいずれか1項記載の装置。
【請求項14】
前記膜は非連続的である、請求項1~13のいずれか1項記載の装置。
【請求項15】
前記膜は、少なくとも2つの片を含み、かつ、前記複数の吸収性フィラメントを封じ込めるように取り付けられている、請求項14記載の装置。
【請求項16】
前記複数の吸収性フィラメントのうちの少なくとも1つは、不均一、ギザギザ、星状及び多角形のうちの少なくとも1つである断面を含む、請求項1~15のいずれか1項記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年1月18日に出願された仮出願第62/794,312号の利益を主張し、あらゆる目的のためにその全体を参照により本明細書に取り込む。
【0002】
本開示は、一般に、インプラント可能なメディカルデバイスに関する。より具体的には、本開示は、一般に、卵円孔開存(PFO)又は、心臓、血管系その他患者内の他の場所のシャントのような、心臓及び血管欠損部又は組織開口部の修復のための、全体的又は部分的に吸収されるインプラント可能なメディカルデバイスを対象とする。
【背景技術】
【0003】
開心手術による閉塞デバイス移植は、歴史的に、心臓欠損部又は組織開口部を治療するために使用されてきた。より最近では、開心手術に関連する外傷及び合併症を回避するために、様々な経カテーテル閉鎖技術が開発されている。そのような技術において、閉塞デバイスは、カテーテルを介して開口部又は欠損部の部位にデリバリーされ、そこで展開される。
【発明の概要】
【0004】
1つの例(「例1」)によれば、装置は、組織を支持し、かつ、規定された期間内に分解するように構成された複数の吸収性フィラメントを含む支持構造体、及び、前記複数の吸収性フィラメントの周りに配置された膜であって、フィラメントの破壊又は分解に応答して前記複数の吸収性フィラメントの断片を封じ込め、前記膜内への組織の内部成長及び前記膜の少なくとも一部の組織カプセル化のうちの少なくとも1つを促進するように構成された膜を含む。
【0005】
別の例(「例2」)によれば、例1の装置に加えて、前記膜は、健康な組織の成長を促進し、前記吸収性フィラメントの分解後に組織とともに残るように構成されている。
【0006】
別の例(「例3」)によれば、例1~2のいずれか1つの装置に加えて、前記吸収性フィラメントは、生体吸収性及び生体腐食性のうちの少なくとも1つである。
【0007】
別の例(「例4」)によれば、例1~3のいずれか1つの装置に加えて、前記装置はまた、前記複数の吸収性フィラメントの近位端に配置された近位ハブ、前記複数の吸収性フィラメントの遠位端に配置された遠位ハブ、組織壁の第一の側に接触するように構成された近位ディスク、及び、組織壁の第二の側に接触するように構成された遠位ディスクを含む。
【0008】
別の例(「例5」)によれば、例4の装置に加えて、前記装置はまた、前記近位ハブ及び前記遠位ハブに結合され、前記支持構造体内に配置された弾性伸長性部材を含み、前記弾性伸長性部材は、前記近位ディスクを前記組織壁の第一の側と並置させ、そして前記遠位ディスクを前記組織壁の第二の側と並置させるように構成されている。
【0009】
別の例(「例6」)によれば、例4の装置に加えて、前記装置はまた、係合すると、前記支持構造体内で前記近位ハブ及び前記遠位ハブを接続するように配置されたキャッチ部材を含み、前記キャッチ部材は、前記近位ディスクを前記組織壁の第一の側と並置させ、そして前記遠位ディスクを前記組織壁の第二の側と並置させるように構成されている。
【0010】
別の例(「例7」)によれば、例4の装置に加えて、前記近位ハブは、前記複数の吸収性フィラメントの近位端部分を含み、前記遠位ハブは、前記複数の吸収性フィラメントの遠位端部分を含む。
【0011】
別の例(「例8」)によれば、例7の装置に加えて、前記複数の吸収性フィラメントの近位端部分は一緒に加工されて近位ハブを形成し、前記複数の吸収性フィラメントの遠位端部分は一緒に加工されて遠位ハブを形成する。
【0012】
別の例(「例9」)によれば、例4~7のいずれか1つの装置に加えて、前記近位ハブは、前記複数の吸収性フィラメントの近位端部分の周りに配置された材料のバンドを含み、前記遠位ハブは、前記複数の吸収性フィラメントの遠位端部分の周りに配置された材料のバンドを含む。
【0013】
別の例(「例10」)によれば、例4~9のいずれか1つの装置に加えて、前記装置はまた、前記複数の吸収性フィラメントの中央部分を含む中間ハブを含む。
【0014】
別の例(「例11」)によれば、例10の装置に加えて、前記中間ハブは、前記複数の吸収性フィラメントの中央部分の周りに配置された材料のバンドを含む。
【0015】
別の例(「例12」)によれば、例4~11のいずれか1つの装置に加えて、前記複数の吸収性フィラメントの中央部分は、前記複数の吸収性フィラメント内に開放中央領域を形成するように構成されたウエストを形成する。
【0016】
別の例(「例13」)によれば、例12の装置に加えて、前記ウエストは、前記近位ディスクを前記組織壁の第一の側と並置させ、前記遠位ディスクを前記組織壁の第二の側と並置させるように構成されている。
【0017】
別の例(「例14」)によれば、例1~13のいずれか1つの装置に加えて、前記膜は、血液又は湿分との接触を可能にして前記複数の吸収性フィラメントの分解を促進するように構成されている。
【0018】
別の例(「例15」)によれば、例1~14のいずれか1つの装置に加えて、前記膜は、前記吸収性フィラメントとの直接的な組織の接触を可能にするように構成されたギャップを含む。
【0019】
別の例(「例16」)によれば、例1~15のいずれか1つの装置に加えて、前記膜は非連続的である。
【0020】
別の例(「例17」)によれば、例16の装置に加えて、前記膜は、少なくとも2つの片を含み、前記複数の吸収性フィラメントを封じ込めるように取り付けられている。
【0021】
別の例(「例18」)によれば、例17の装置に加えて、前記膜は、前記複数の吸収性フィラメントの動きを促進するように構成されている。
【0022】
別の例(「例19」)によれば、例1~18のいずれか1つの装置に加えて、前記複数の吸収性フィラメント及び膜は、移植後の心房中隔の交差を促進するように構成されている。
【0023】
別の例(「例20」)によれば、例1~19のいずれか1つの装置に加えて、前記複数の吸収性フィラメントのうちの少なくとも1つは、不均一、ギザギザ、星状及び多角形のうちの少なくとも1つである断面を含む。
【0024】
1つの例(「例21」)によれば、医療用のインプラント可能な閉塞デバイスは、少なくとも1つの吸収性フィラメントの編組体であって、展開状態及び伸長状態並びに近位端及び遠位端を有し、該展開状態で長手方向軸に沿って延在する近位端ハブと、近位拡張直径部分と、中央部分と、遠位拡張直径部分と、遠位ハブとを含み、かつ、該伸長状態で管状に延伸されるように構成されている編組体、並びに、該編組体の周りに実質的に配置された膜であって、該編組体の断片を封じ込め、かつ、該膜内への組織の内部成長及び該膜の少なくとも一部の組織カプセル化のうちの少なくとも1つを促進するように構成された膜を含んでなる。
【0025】
別の例(「例22」)によれば、医療用のインプラント可能な閉塞デバイスを製造する方法は、例1~21のいずれか1つを含む。
【0026】
1つの例(「例23」)によれば、患者の開口部を治療する方法は、治療部位の開口部内にメディカルデバイスをデリバリーすること、ここで、該デバイスの足場は、支持構造体に配置され、組織を支持し、かつ、規定された期間内に分解するように構成された複数の吸収性フィラメント及び該複数の吸収性フィラメントの周りに配置された膜を含み、該膜の範囲内で該複数のフィラメントを分解すること、該複数の吸収性フィラメントの破壊又は分解に応答して該膜内に該複数の吸収性フィラメントの断片を封じ込めること、及び 該複数のフィラメントの分解後に該開口部内に該膜を維持すること、を含んでなる。
【0027】
別の例(「例24」)によれば、例23の方法に加えて、前記複数の吸収性フィラメントの断片を封じ込めることは、粒子状分解生成物を解放するリスクを低減することを含む。
【0028】
別の例(「例25」)によれば、例23の方法に加えて、前記複数の吸収性フィラメントの断片を封じ込めることは、血管系における塞栓によって引き起こされる有害事象を低減することを含む。
【0029】
別の例(「例26」)によれば、装置は、組織を支持し、かつ、規定された期間内に分解するように構成された吸収性支持構造体と、該吸収性支持構造体の周りに配置された膜であって、該吸収性支持構造体の一部の破壊又は分解に応答して該吸収性支持構造体の断片を封じ込め、かつ、該膜内への組織の内部成長及び該膜の少なくとも一部の組織のカプセル化のうちの少なくとも1つを促進するように構成された膜と、を含んでなる。
【0030】
別の例(「例27」)によれば、例26の装置に加えて、前記吸収性支持構造体は、カットチューブ、カットシート、フィラメント、射出成形又は付加印刷から形成される。
【0031】
別の例(「例28」)によれば、例26の装置に加えて、前記吸収性支持構造体及び膜は、患者の血管系又は付属肢内に移植するように構成されている。
【0032】
別の例(「例29」)によれば、例26の装置に加えて、前記装置はまた、前記吸収性支持構造体の一端に配置されたプラグを含む。
【0033】
別の例(「例30」)によれば、例26の装置に加えて、前記膜は少なくとも部分的に吸収可能であり、健康な組織の内部成長を促進するように構成されている。
【0034】
上述の例はまさに実施例であり、本開示によって提供される本発明の概念のいずれかの範囲を制限するか、さもなければ狭めるために読まれるべきではない。複数の例が開示されているが、さらに他の実施形態は、例示的な実施例を示して説明する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に限定的なものではなく、本質的に例示的なものと考えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
添付の図面は、開示のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成し、実施形態を例示し、記載とともに、開示の原理を説明するのに役立つ。
【0036】
図1図1は、1つの実施形態による、例示的なオクルーダの端面図である。
【0037】
図2図2は、1つの実施形態による、例示的なオクルーダの斜視図である。
【0038】
図3図3は、1つの実施形態による、伸長構成の例示的なオクルーダの側面図である。
【0039】
図4図4は、1つの実施形態による、別の例示的なオクルーダの側面図である。
【0040】
図5図5は、1つの実施形態による、展開構成における別の例示的なオクルーダの部分的な断面側面図である。
【0041】
図6図6は、1つの実施形態による、膜を備えた別の例示的なオクルーダの側面図である。
【0042】
図7図7は、1つの実施形態による、管状構成の図であり、次いで、メディカルデバイスに形状固定することができる。
【0043】
図8図8は、1つの実施形態による、図7に示される管状構成から形成された例示的なメディカルデバイスである。
【0044】
図9図9は、1つの実施形態による、カットチューブから形成された拡張されたメディカルデバイスである。
【0045】
図10図10は、1つの実施形態による、例示的なステントの断面図である。
【0046】
図11図11A~Cは、1つの実施形態による、例示的なフィラメント断面の図である。
【0047】
図12図12は、1つの実施形態による、膜を備えた別の例示的なオクルーダの側面図である。
【0048】
図13A図13Aは、1つの実施形態による、第一の構成の膜及びキャッチ部材を備えた別の例示的なオクルーダの図である。
【0049】
図13B図13Bは、1つの実施形態による、第二の構成における、図13Aに示されるオクルーダである。
【0050】
図14A図14Aは、1つの実施形態による、膜を備えた別の例示的なオクルーダの図である。
【0051】
図14B図14Bは、1つの実施形態による、異なるウエスト構成にある、図14Aに示されるオクルーダである。
【0052】
図15図15は、1つの実施形態による、膜を備えた別の例示的なオクルーダの斜視図である。
【0053】
図16図16は、1つの実施形態による、別の例示的なオクルーダの側面図である。
【0054】
図17図17は、1つの実施形態による、膜を備えた別の例示的なオクルーダの側面図である。
【0055】
図18図18は、1つの実施形態による、膜を備えた別の例示的なオクルーダの側面図である。
【0056】
図19図19は、1つの実施形態による、オクルーダで使用することができる例示的なフレームの斜視図である。
【0057】
図20A図20Aは、1つの実施形態による、オクルーダで使用することができる例示的なフレームの第一の斜視図である。
【0058】
図20B図20Bは、1つの実施形態による、図20Aに示されたフレームの第二の斜視図である。
【0059】
図21図21は、1つの実施形態による、オクルーダで使用することができる例示的なフレームの斜視図である。
【0060】
図22図22は、1つの実施形態による、オクルーダで使用することができる例示的なフレームの斜視図である。
【0061】
図23図23は、1つの実施形態による、オクルーダで使用することができる例示的なフレームの斜視図である。
【0062】
図24図24は、1つの実施形態による、例示的なメディカルデバイスを示す。
【0063】
図25図25は、1つの実施形態による、例示的なメディカルデバイスを示す。そして、
【0064】
図26図26は、1つの実施形態による、例示的なフィラメントの断片の例示的な安定化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0065】
定義及び用語
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現されうることを容易に理解するであろう。本明細書で参照される添付の図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を例示するために誇張されていることがあり、その点で、図面は限定として解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【0066】
本開示は、限定的な方法で読まれることを意図するものではない。例えば、本出願で使用される用語は、その分野の用語がそのような用語に帰する意味の文脈で広く読まれるべきである。
【0067】
不正確さの用語に関して、「約(about)」及び「ほぼ(approximately)」という用語は、交換可能に使用され、記載された測定値を含み、記載された測定値に合理的に近いあらゆる測定値を含む測定値を指すことができる。記載された測定値に合理的に近い測定値は、関連技術の当業者によって理解され、容易に確認されるような、合理的に小さい量だけ記載された測定値から逸脱している。このような逸脱は、例えば、測定誤差又は性能を最適化するために行われる小さな調整に起因することができる。当業者がそのような合理的に小さな差異の値を容易に確認できないと判断される場合には、「約(about)」及び「ほぼ(approximately)」という用語は、記載された値の±10%を意味すると理解することができる。
【0068】
様々な実施形態の説明
本開示の様々な態様は、メディカルデバイスを形成するように配置された1つ以上の吸収性フィラメント(例えば、生体分解性又は生体腐食性)を有するメディカルデバイスを対象とする。吸収性フィラメントは、生体腐食性、生体分解性、又は、生体腐食性と生体分解性との両方(例えば、組み合わせ)であることができる。吸収性フィラメント(ストラット、繊維、編組体、織物繊維、複合繊維又は他の構造要素)は、意図されたインプラント用途に適する組織応答をもたらす1つ以上の種類の化学及び/又は生物学系機構によって分解又は溶解することができる。膜は、1つ以上のフィラメントの少なくとも一部とともに配置され又は該部分に取り付けられることができる。膜は、分解又は破壊中にフィラメントの一体性を構造的に強化及び/又は維持するように構成されうる。メディカルデバイスとしては、例えば、ステント又はステントグラフト、組織開口部(例えば、卵円孔開存症(PFO)又は心房中隔欠損症(ASD))内に配置して閉鎖するためのオクルーダ、血管閉鎖デバイス又は他の同様のデバイスを挙げることができる。特定の例において、吸収性フィラメントは、メディカルデバイスがインプラントされる空間(開口部)を構造的に強化又は支持するように構成される。特定の例において、生体分解性又は生体腐食性フィラメントは分解し、その間に、膜が健康な組織の内部成長又は再成長を促進し、その結果、生体分解性又は生体腐食性フィラメントによって提供される構造体を不要にすることができる。
【0069】
本明細書での吸収性とは、溶解によって直接的に、又はインプラントをより小さな構成要素に分解して次に吸収することによって間接的に体に吸収されうる材料を指す。吸収性という用語はまた、本明細書で使用され、外科分野内及び外科分野間で歴史的に交換可能に使用されてきた(しかし断続的に推定される分化を伴う)用語に対する様々な代替用語を網羅する。これらの用語としては、例えば、吸収性及びその誘導体、分解性及びその誘導体、生体分解性及びその誘導体、再吸収性及びその誘導体、生体再吸収性及びその誘導体、ならびに生体腐食性及びその誘導体が挙げられる。吸収性という用語は、本明細書で使用されるときに、複数の分解機構を包含することができ、該機構としては、限定するわけではないが、腐食及びエステル加水分解を含む。追加の吸収性関連の命名法については、ASTM F2902-16の付録X4をさらに参照することができる。
【0070】
さらに、フィラメントは、本明細書で論じられるように、モノフィラメントを含むことができ、モノフィラメントは、単一の繊維、ストランド、ワイヤ、ロッド、ビード、又は、断面の寸法の100倍を超える長手方向の寸法を有する他の非剛性の長尺の実質的に筒形の実施形態として記載することもできる。モノフィラメントは、場合により、下層の基本構造に固有ではない特徴を提供するために、1つ以上のオーバーレイコーティング又は他の表面修飾物を有することができる。さらに、本明細書に記載のデバイスは、1つ以上のフィラメントを含み、それらから形成されると記載されうるが、図9を参照して記載されるように、カットチューブなどの他の手段によって形成されることができる(例えば、レーザ切断及びその後のポリマー又は金属管の拡張及び形状固定)。
【0071】
図1は、1つの実施形態による、例示的なオクルーダ100の端面図である。オクルーダ100は、少なくとも1つの吸収性フィラメント102から形成されうる。少なくとも1つの吸収性フィラメント102は、オクルーダ100を形成するフレームに編組されうる。特定の例において、少なくとも1つの吸収性フィラメント102は、実質的に円形の周囲104を含むことができる。少なくとも1つの吸収性フィラメント102は、オーバーラッピング配置(例えば、編組、製織、巻き付け又は他の処理技術によって形成される)を有することができる。特定の例において、吸収性フィラメント102は、バランスのとれた管状構成で互いにオーバーラップすることができる(図7に示されるとおり)。次に、管状構成は、オクルーダなどの所望の形状に形状固定されうる。形状固定プロセスは、溶媒を使用して行うこともでき、適切な流体又は熱固定を介したポリマー吸収などの他の手段によっても行うことができる。さらに、少なくとも1つの吸収性フィラメント102は、実質的に円形の周囲104内のオーバーラップしているフィラメント102の間に開放セル106を作成することができる。
【0072】
特定の例において、実質的に円形の周囲104内の開放セル106は、少なくとも1つの吸収性フィラメント102を製織することによって形成される。さらに、少なくとも1つの吸収性フィラメント102は、管状構造に織り込まれ又は編組されて、実質的に円形の周囲104を有するオクルーダ100へと加工されうる。少なくとも1つの吸収性フィラメント102は、示されるような2つのディスクなどの1つ以上のディスク(例えば、近位ディスク及び遠位ディスク又は拡張直径部分)を含むデバイスに加工されうる。図1に示す端面図は単一のディスクを示す。
【0073】
図1に示されるように、少なくとも1つの吸収性フィラメント102は、オクルーダ100の端部で収束してハブ108を形成することができる。ハブ108は、少なくとも1つの吸収性フィラメント102の端部をクリンプ又は保持する追加のバンド、アイレット又は材料を含むことができる。特定の例において、少なくとも1つの吸収性フィラメント102の端部は、結合、溶融又は他の方法で一緒に加工されて、ハブ108を形成することができる。以下でさらに詳細に説明されるように、膜は、実質的に編組体の周りに配置され、編組体の断片を封じ込め又は拘束し、組織の付着及び/又は組織の内部成長を促進するように構成されうる。
【0074】
図2は、1つの実施形態による、例示的なオクルーダ100の斜視図である。オクルーダ100は、支持構造体に配置された複数の吸収性フィラメント102を含むことができる。複数の吸収性フィラメント102は、組織を支持し、規定された期間内に分解するように構成されている。示されるように、複数の吸収性フィラメント102は、織り合わされて、支持構造体を形成する。
【0075】
図2に示されるように、オクルーダ100は、複数の吸収性フィラメント102の近位端に配置された近位ハブ108、及び、複数の吸収性フィラメント102の遠位端に配置された遠位ハブ110を含む。特定の例において、近位ハブ108は、複数の吸収性フィラメント102の近位端部分を含み、そして遠位ハブ110は、複数の吸収性フィラメント102の遠位端部分を含む。複数の吸収性フィラメント102の近位端部分及び複数の吸収性フィラメント102の遠位端部分は別々に成形、製織又は一緒に配置され、そして固定され、近位ハブ108及び遠位ハブ110は複数の吸収性フィラメント102の近位端部分の周りに配置された材料のバンドである。
【0076】
さらに、オクルーダは、組織壁の第一の側に接触するように構成された近位ディスク212と、組織壁の第二の側に接触するように構成された遠位ディスク210とを含むことができる。近位ディスク212及び遠位ディスク214は、複数の吸収性フィラメント102の編組によって形成される。複数の吸収性フィラメント102は、構造に織り合わされ又は編組され、近位ディスク212、遠位ディスク214、近位ハブ108及び遠位ハブ110を含む形状に固定されうる。
【0077】
特定の例において、そして図6を参照して以下でさらに詳細に論じられるように、図2のオクルーダ100は、複数の吸収性フィラメント102の周りに配置された膜を含むことができる。膜(図示せず)は、フィラメントの破壊又は分解に応答して複数の吸収性フィラメント102の断片を封じ込め又は拘束し、そして膜への組織の内部成長を促進するように構成されている。さらに、以下で詳細に議論されるように、吸収性フィラメント102は、デバイスがインプラントされる開口部(例えば、PFO)を通してデバイスの塞栓形成を防ぎ、膜が組織の付着、組織の内部成長及び/又は開口部を閉じるための組織のカプセル化を促進することができるように、隔壁に対して並置力を加えるように構成されている。
【0078】
図3は、1つの実施形態による、伸長構成の例示的なオクルーダ100の側面図である。オクルーダ100は、近位ハブ108、近位拡張直径部分(例えば、近位ディスク)212、中間ハブ又は中央ハブ316、遠位拡張直径部分(例えば、遠位ディスク)214及び遠位ハブ110を有する編組体を含む複数の吸収性フィラメント102を含むことができる。各要素は、展開状態で長手方向軸(ハブ108、110の間)に沿って延在し、複数の吸収性フィラメント102によって形成された編組体は、図3に示されるような負荷状態(又は伸長構成)の管状形成物へと延伸されるように構成されている。編組された複数の吸収性フィラメント102は、患者の解剖学的構造に適合するディスクを形成するように収縮しうるか、又は収縮されている。特定の例において、編組された複数の吸収性フィラメント102は、患者の心臓の生理学的運動に応答して組織との接触を維持するように構成されている。
【0079】
特定の例において、複数の吸収性フィラメント102の近位端部分は一緒に加工されて近位ハブ108を形成し、複数の吸収性フィラメント102の遠位端部分は一緒に加工されて遠位ハブ110を形成する。特定の例において、それぞれの端部は、結合され、溶融され又は他の方法で一緒に加工され、ハブ108、110を形成することができる。図3に示されるように、オクルーダはまた、複数の吸収性フィラメント102の中央部分を含む中間ハブ316を有することができる。中間ハブ316は、複数の吸収性フィラメント102の中央部分の周りに配置された材料のバンドを含むことができ、又は、図3に示されるように、複数の吸収性フィラメント102の中央部分は、結合され、溶融され又は他の方法で一緒に加工されて、中間ハブ316を形成することができる。特定の例において、ハブ108、110は、デバイス100の展開を促進するために、放射線不透過性材料(例えば、金、タンタル、白金、イリジウム、タングステン)から形成され、又は、それを含むことができる。
【0080】
特定の例において、デバイス100(及び本明細書で論じられる他のデバイス)は、吸収性及び非吸収性フィラメント102から形成されうる。これらの例において、非吸収性フィラメント100によって形成されたデバイス100の足場の102は、その場に残存しうる。デバイス100(及び本明細書で論じられる他のデバイス)が吸収性及び非吸収性フィラメント102を含む場合において、組織の構造的一体性は、膜520がインビボに留まることに加えて、インビボに留まる非吸収性フィラメント102によって支持されうる。
【0081】
図4は、1つの実施形態による、別の例示的なオクルーダ100の側面図である。オクルーダ100は、支持構造体に配置された複数の吸収性フィラメント102を含むことができる。複数の吸収性フィラメント102は、組織を支持し、規定された期間内に分解するように構成されている。示されるように、複数の吸収性フィラメント102は織り合わされて、支持構造体を形成する。
【0082】
オクルーダ100は、複数の吸収性フィラメント102の近位端に配置された近位ハブ108と、複数の吸収性フィラメント102の遠位端に配置された遠位ハブ110とを含む。特定の例において、近位端108は、複数の吸収性フィラメント102の近位端端部を含み、そして遠位ハブ110は、複数の吸収性フィラメント102の遠位端部分を含む。複数の吸収性フィラメント102の近位端部分及び複数の吸収性フィラメント102の遠位端部分は、端部部分又はハブ108、110が平面であるか、又はデバイスの端部(例えば、閉ループ編組ディスク)を超えて実質的に突出しないように織られている。
【0083】
オクルーダ100の端部は、組織壁の第一の側に接触するように構成された近位ディスク212と、組織壁の第二の側に接触するように構成された遠位ディスク214とを含むことができる。近位ディスク212及び遠位ディスク214は、複数の吸収性フィラメント102の編組によって形成される。複数の吸収性フィラメント102は、構造内で織り合わされるか又は編組され、近位ディスク212、遠位ディスク214、近位ハブ108及び遠位ハブ110を含む形状に固定されうる。伸長構成において、図4に示されるように、近位ディスク212及び遠位ディスク214は球根状であることができる。展開構成において、近位ディスク212及び遠位ディスク214の両端が実質的に平坦である近位ディスク212及び遠位ディスク214(ならびにハブ108、110)は、約0.5mm~2mmの範囲の厚さ又はフィラメント102の直径の2倍の厚さを含む。近位ディスク212及び遠位ディスク214の内側部分は、ウエスト418に向かってテーパー化しうる。
【0084】
ウエスト418は、複数の吸収性フィラメント102の中央部分から形成することができる。さらに、ウエスト418は、展開及び伸長構成のそれぞれにおいて、複数の吸収性フィラメント102内に開放中央領域を形成するように構成されうる。ウエスト418は、近位ディスク212を組織壁の第一の側と並置させ、遠位ディスク210を組織壁の第二の側と並置させるように構成されうる。
【0085】
図5は、1つの実施形態による、展開構成における別の例示的なオクルーダ100の部分断面側面図である。オクルーダ100は、支持構造体に配置された複数の吸収性フィラメント102を含むことができる。複数の吸収性フィラメント102は、組織を支持し、規定された期間内に分解するように構成され、支持構造体を形成するように織り合わされることができる。
【0086】
オクルーダ100は、複数の吸収性フィラメント102の遠位端に配置された遠位ハブ110を含む。上記で詳細に論じられるように、遠位ハブ110は、複数の吸収性フィラメント102の遠位端部分を含む。図5に示されるように、オクルーダ100の近位端508は近位ディスク212の一体部分である。複数の吸収性フィラメント102の近位端部分は、端部分又はハブ108、110が平面であるか、又はオクルーダ100の端部を超えて実質的に突出しないように織られている。特定の例において、近位ディスク212は、特徴部を生成しないような閉ループ編組ディスクであることができる。遠位ディスク214は、遠位ディスク214が遠位ハブ110を含まないように同様に形成されうる。この例において、近位及び遠位の指定は、体内での移植の配向を示すものではない。例えば、近位ディスク212の一体部分である近位端508は、血栓形成を最小限にするために左心房に移植されうる。
【0087】
オクルーダ100の端部は、組織壁の第一の側に接触するように構成された近位ディスク212と、組織壁の第二の側に接触するように構成された遠位ディスク214とを含むことができる。近位ディスク212及び遠位ディスク214は、複数の吸収性フィラメント102の編組によって形成される。複数の吸収性フィラメント102は、構造内で一緒に織り合わされ、又は編組され、近位ディスク212、遠位ディスク214、近位ハブ108及び遠位ハブ110を含む形状に固定されうる。近位ディスク212及び遠位ディスク214は、図5に示すように異なる形状に加工されうる。さらに、近位ディスク212及び遠位ディスク214の内側部分は、ウエスト418に向かってテーパー化されうる。
【0088】
ウエスト418は、複数の吸収性フィラメント102の中央部分から形成されうる。さらに、ウエスト418は、展開及び伸長構成のそれぞれにおいて、複数の吸収性フィラメント102内に開放中央領域を形成するように構成されうる。ウエスト418は、近位ディスク212を組織壁の第一の側と並置させ、遠位ディスク214を組織壁の第二の側と並置させるように構成されうる。
【0089】
示されるように、吸収性フィラメント102は、足場を形成するように編組されることができ、吸収性フィラメント102は、時間とともに分解するように構成されている。特定の例において、編組は、本質的に可撓性で順応性のあるステント構造を提供し、デバイス100が組織及び解剖学的構造に自然に順応することを可能にする。編組構造はまた、偶数のらせん状に巻かれ、織り合わされたフィラメント102で複数の方向にバランスがとられている。編組体のバランスをとることにより、デバイス100は、内部の束縛されたねじれ又は曲げ力を減少させることによって、その意図された形状に自然に拡張することができる。
【0090】
さらに、膜520は、吸収性フィラメント102の周囲に(例えば、医療用接着剤を使用して)取り付けることができる。医療用接着剤はまた、吸収性であることができる。特定の例において、膜520は、流体又は湿分交換が膜520の細孔を通して起こり、吸収性フィラメント102の分解を可能にするように多孔性であることができる。他の例において、吸収性フィラメント102は、非多孔質膜内で自然に分解することができる。
【0091】
特定の例において、膜520は、健康な組織の内部成長又は再成長を促進するように構成されうる。膜520へのこの組織付着は、吸収性フィラメント102によって提供される構造が不必要になるように、解剖学的構造内での固定を確保する。膜520は、吸収性フィラメント102の断片が治療部位からの動きを制限されるように、デバイス100を安定化することができる表面構造を有することができる。特定の例において、膜520は、組織の内部成長もしくはカプセル化又は吸収性フィラメント102の構造の付着を促進することができる。
【0092】
さらに、膜520は、フィラメント102の周りで完全にカプセル化して多孔質ジャケット材料を提供することができる。フィラメント102を包囲する膜520は、分解及びフィラメント102への膜520の開放多孔性を介して起こる流体又は湿分交換を可能にしながら、継続的な構造一体性を提供するための引張強度及び靭性を備えることができる。特定の例において、一時的な足場として機能するフィラメント102は、膜520がインビボでの初期期間(例えば、30~60日)の間に接触を維持し、フィラメント102が分解した後に、組織の足場構造を維持するために、膜520を組織に対して支持することを可能にするために十分な外側方向力及び/又は圧力を提供するように構成されている。膜520は、フィラメント102の周りに配置され、フィラメント102の破壊又は分解に応答してフィラメント102の断片を封じ込めるか又は拘束し、そしてデバイス100の構造を維持するように構成されうる。特定の例において、フィラメント102は、膜520の範囲内で分解する。
【0093】
複数の吸収性フィラメント102の断片を封じ込めるか又は拘束することは、被覆されていない吸収性フィラメントと比較して、粒子状分解生成物を解放するリスクを低減する。さらに、吸収性フィラメント102の断片を封じ込めることは、移行の機会、及び、血栓形成又は血管系における塞栓の生成によって引き起こされる潜在的な有害事象の機会を低減しうる。
【0094】
上記のように、膜520は多孔性であることができる。膜520の多孔性は、フィラメント102が分解する速度を制御又は分解する速度に影響を及ぼすことができる。フィラメント102及び膜520は、不健康な又は不十分に形成された組織を増強又は修復するために患者に移植されうる。上記のように、デバイス100は、PFO又はASD開口部内に移植されうる。デバイス100は、開口部をシールするか、又は、さもなければ隔壁を横切る短絡を防止又は低減することができる。膜520内そして膜を通して又は超えた微小血管新生組織の内部成長は、より健康的な全体としての組織成長及び組織の構造一体性の回復を促進して、開口部をシールすることができる。特定の例において、分解性であるフィラメント102は、金属又は半金属フィラメントとは対照的に、一般により生体適合性のある膜520を所定の位置に残したまま、開口部の閉鎖を可能にする。
【0095】
特定の例において、1つ以上のフィラメント102は、治療剤がコーティングされ又は吸収されうる。膜520は、治療薬の放出を制御し、分解生成物の物理的又は化学的寸法が細孔及び/又は得られる膜/組織複合体を通過できるサイズに低減するまで分解生成物を封じ込める、操作された多孔性を有するであろう。特定の例において、膜520は、断片が患者によって良性に吸収されうるのに十分に小さいサイズに低減される前に、断片が治療部位から離れた状態を維持するように構成されうる。
【0096】
さらに、フィラメント102のうちの1つ以上は、吸収性金属(マグネシウムなど)であることができ、膜520は、非分解性ポリマー(ePTFEなど)であることができる。このデバイスはまた、フィラメント102の1つ以上が金属性の分解性材料から形成されているならば、フィラメント102の1つ以上の金属フレームワークに起因する放射線不透過性及び初期強度を提供することができ、又は、膜520が放射線不透過性材料を吸収するならば、デバイスは放射線不透過性であることができる。
【0097】
特定の例において、膜520は、吸収され得る又は部分的に吸収され得る。膜520は、吸収される場合、吸収性フィラメント102と同等又はそれより短い寿命を有することができる。膜520は、これらの例において、下層の吸収性フィラメント102上の組織被覆を向上/増強することができる。膜520は、これらの例において、吸収性フィラメント102の分解又は破壊の間に、吸収性フィラメント102から発出しうる断片又は粒子の移行を効果的に拘束し又は封じ込めることができる。非吸収性膜と同様に、分解性である膜520は、組織の付着及び/又は上層の組織を安定化する内部成長を可能にし、その結果、分解しているフィラメントから発出する断片及び粒子状物質の移行を封じ込め又は実質的に拘束することができる。分解性フィラメント102の持続時間よりも長い期間、安定で強化された上層組織を提供する強度及び/又は能力を保持しうる多孔性吸収性膜520は好ましい。膜520は、吸収性である部分及び非吸収性である部分(例えば、部分的に吸収性の膜520)を含むことができる。
【0098】
図6は、1つの実施形態による、膜520を備えた別の例示的なオクルーダ100の側面図である。膜520は、(上記で詳細に論じたように)複数の吸収性フィラメントの周りに配置され、フィラメントの破壊又は分解に応答して複数の吸収性フィラメントの断片を封じ込め、膜内への組織の内部成長を促進するように構成されうる。特定の例において、膜520は、健康な組織成長を促進し、吸収性フィラメントの分解後に組織とともに残るように構成されている。吸収性フィラメント102は、オクルーダがインプラントされる空間を構造的に強化又は保持開放するように構成されている。吸収性フィラメント102は、デバイスがインプラントされる開口部(例えば、PFO)を通したデバイスの塞栓形成を防止し、膜520が開口部の近傍での組織の内部成長を促進しうるように、隔壁に対して並置力を加えるように構成されている。生体分解性又は生体腐食性フィラメントの分解の間に、膜520は、生体分解性又は生体腐食性フィラメントによって提供される構造が不要になることができるように、健康な組織の内部成長又は再成長を促進する。膜520は、患者内に維持され、非分解性ステントで生じるような金属構造を残さずに構造を提供する。
【0099】
特定の例において、膜520は、フィラメント102の断片が膜520から逃げることなく血液と接触できるように構成されている。膜520は、フィラメントの片又は断片が逃げること(このことは塞栓形成をもたらすことがある)を許さずに、流体又は湿分を通過させることができる。
【0100】
特定の例において、膜520は、ギャップ622を含み、吸収性フィラメント102の直接の組織接触及びカプセル化を可能にするように構成されている。ギャップ622は、オクルーダ100のさらなる安定化のための組織付着又は内部成長を促進するために隔壁に面することができる。さらに、膜520は非連続的であることができる。さらに、膜520はまた、(ギャップ622によって分離された)2つの片から形成され、複数のフィラメントに取り付けられることができる。これらの例において、膜520は、複数の吸収性フィラメント102の動きを促進するように構成されうる。膜520は、1つ以上の位置でフィラメントに取り付けられることができる。
【0101】
複数の吸収性フィラメント102及び膜520は、移植後の(心房)中隔の交差を促進するように構成されうる。フィラメントの分解は、組織内にアクセスポイントを残すことができ、その結果、(心房)中隔は、他の手順のために移植後に再交差されうる。
【0102】
特定の例において、フィラメントは1年以内に吸収又は分解し、また、心房中隔に移植されたときに、将来の経中隔処置のための左心房へのアクセスを維持する。吸収性フレーム構造は、金属フレームの破損によって引き起こされる不確実性を排除するのに役立つことができる。さらに、内部フィルムパッチ(図示せず)を編組ディスクの内部で使用して、閉鎖シールの創成を促進することができる。
【0103】
図7は、1つの実施形態による、管状構成700の図であり、次いで、メディカルデバイスに形状固定することができる。管状構成700は、一緒に編組されたフィラメント102を含むことができる。フィラメント102は、上で詳細に論じたように、吸収性フィラメントであることができるか、又は、フィラメント102は、非吸収性ポリマー(例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK))から形成されうる。
【0104】
フィラメント102は、吸収性であろうと非吸収性であろうと、編組されて管状構成700を形成しうる。フィラメント102は、らせん状に一緒に織られて管状構成700になりうる。編組は、管状構成700から形成されたデバイスが組織及び解剖学的構造に自然に順応することを可能にする、本質的に可撓性かつ順応性がある構造を提供する。編組構造はまた、偶数のらせん状に巻かれ、織り合わされたフィラメント102で複数の方向にバランスがとられている。編組体のバランスをとることにより、管状構成700から形成されたデバイスが、内部の束縛されたねじれ又は曲げ力を減少させることによって、意図された形状に自然に拡張することを可能にすることができる。次に、管状構成は、例えば、図8に示されるように、オクルーダなどの所望の形状に形状固定されうる。管状構成700はまた、図1~6に示されるデバイスに成形されうる。
【0105】
図8は、1つの実施形態による、図7に示される管状構成700から形成された例示的なメディカルデバイス100である。図8に示されるメディカルデバイス100は、管状構成700を示された形状に成形し、形状固定することによって形成することができる。
【0106】
メディカルデバイス100は、上記で詳細に記載したように同様に構築することができる。例えば、メディカルデバイス100は、一緒に編組されたフィラメント102を含むことができる。フィラメント102は、上で詳細に論じたように、吸収性フィラメントであることができるか、又は、フィラメント102は、非吸収性ポリマーから形成されることができる。フィラメント102が吸収性フィラメント102である場合に、上で詳細に論じたように、吸収性フィラメント102は、組織を支持し、規定された期間内に分解するように構成されており、織り合わされて支持構造体を形成することができる。
【0107】
デバイス100は、フィラメント102の遠位端に配置された遠位ハブ110を含む。上で詳細に論じたように、遠位ハブ110は、フィラメント102の遠位端部分を含む。さらに、近位ハブ108は、フィラメント102の近位端部分を含む。特定の例において、フィラメント102の近位端部分又は遠位端部分は、端部分又はハブ108、110が平面であるか、又はデバイス100の端を超えて実質的に突出しないように織られている。特定の例において、近位ディスク212又は遠位ディスク214は、突出した特徴部がないように、閉ループ編組ディスクであることができる。
【0108】
オクルーダ100の端部は、組織壁の第一の側に接触するように構成された近位ディスク212と、組織壁の第二の側に接触するように構成された遠位ディスク214とを含むことができる。近位ディスク212及び遠位ディスク214は、フィラメント102の編組によって形成される。フィラメント102は、構造内で一緒に織り合わされ又は編組され、近位ディスク212、遠位ディスク214、近位ハブ108及び遠位ハブ110を含む形状に固定されうる。さらに、近位ディスク212及び遠位ディスク214の内側部分は、ウエスト418に向かってテーパー化されうる。
【0109】
ウエスト418は、フィラメント102の中央部分から形成されうる。さらに、ウエスト418は、展開された長尺の構成のそれぞれにおいて、フィラメント102内に開放中央領域を形成するように構成されうる。ウエスト418は、近位ディスク212を組織壁の第一の側と並置させ、遠位ディスク214を組織壁の第二の側と並置させるように構成されうる。
【0110】
特定の例において、デバイス100は、ハブ108、110の間及びウエスト418内に配置された弾性伸長性部材830を含むことができる。特定の例において、弾性伸長性部材830は、延伸又は伸長されたときにデバイス100を一緒にスナップするように、又はさもなければ遠位ハブと近位ハブ108、110を一緒に戻すように構成されうる。弾性伸長性部材830は、デバイス100が図8に示される意図された展開構成を維持するのを促進することができる。弾性伸長性部材830は、ハブ108、110に接着又は結合されうる。さらに、弾性伸長性部材830は、延伸されて、弾性限界に保持されうる。
【0111】
弾性伸長性部材830は、デバイス100が展開されたときに、デバイス100のディスク212、214の間に並置力を生成するように構成されうる。並置力は、弾性伸長性部材830を含まないデバイス100と比較して増加されうる。弾性伸長性部材830は、デバイス100が展開されるときに張力下にあることができる。デバイス100が伸長されると、弾性伸長性部材830の張力は増加するが、弾性伸長性部材830の引張限界未満にとどまる。デバイス100がその伸長状態から解放されると、弾性伸長性部材830の引張力は、追加の力でディスク212、214を引っ張るように作用する。
【0112】
特定の例において、ウエスト418は、フィラメント102の中央部分を取り囲む中間ハブ316を含むことができる。中間ハブ316は、フィラメント102の中央部分の周りに配置された材料のバンド(例えば、ePTFE)を含むことができる。中間ハブ316の周りの材料のバンドは、デバイス100及び弾性伸長性部材830の延伸中にウエスト418の直径を維持することができる。
【0113】
さらに、膜(図示せず)をフィラメント102の周囲に(例えば、医療用接着剤を使用して)取り付けることができる。特定の例において、膜は、流体又は水分交換が膜の細孔を通して起こり、フィラメント102の分解を可能にするように多孔性であることができる。特定の例において、膜520は、膜520の健康な組織カプセル化、膜520への組織の内部成長、及び/又は、組織の再成長を促進するように構成されうる。弾性伸長性部材830はまた、上で詳細に論じたように、膜のみが残されるように、吸収性材料から形成されうる。
【0114】
図9は、1つの実施形態による、カットチューブから形成された拡張したメディカルデバイス100である。材料の管又は構造体をレーザ切断又は切開して、図9に示されるメディカルデバイス100を形成することができる。特定の例において、そして図9に示されるように、メディカルデバイス100は、展開構成で外向きに扇状に広がるフレーム要素102aを含むことができる。このメディカルデバイス100は、上で詳細に記載したようにディスクを含むことができる。
【0115】
図10は、1つの実施形態による、例示的なステントの断面図である。ステントは、フィラメントから形成されうるか、又はカットチューブから形成されうるフレーム要素102a(フィラメント102又はカットチューブ要素であることができる)を含むことができる。例えば、ステントは、図7に示されるように管状であることができ、又は、ストラットもしくは個別のステントリングのらせんパターンを含むことができる。ステント、又は本明細書で論じられる他のメディカルデバイスは、膜520a、520bの層の間に配置されうる。膜520a、520b(その特性は上で詳細に論じられている)の層は、フレーム要素102aを挟むことができる。フレーム要素102aは、吸収性であることができる。
【0116】
図11A~Cは、1つの実施形態による、例示的なフィラメント102の断面の図である。上に示して詳細に論じたように、フィラメント102は、実質的に円形の断面を含むことができる。他の例において、図11A~Cに示されるように、フィラメント102は、断面が実質的に円形ではない断面を含むことができる。
【0117】
フィラメント102は、例えば、星状の断面を含むように形成又は延伸されることができる。図11A~Cに示されるような、フィラメント102の星状又は多角形の断面は、、実質的に円形の断面を有するフィラメント102と比較して、フィラメント102の表面積を増加させることができる。結果として、表面で酵素分解を受けやすいポリマーから形成されたフィラメント102の分解プロファイルは、フィラメント102の断面に基づいて調整されうる。例えば、フィラメント102は、大きな表面積で、より速い分解プロファイル又は速度を有することができる。逆に、バルク加水分解性ポリマーでは、星形又は多角形のより高い断面表面対体積比は、フィラメント102のコア対外面距離の効果的な減少を通じて、フィラメント102のコア内の低モル質量の酸性分解生成物の濃度によって示される酸触媒作用のリスクを低減することにより加水分解を比較的に遅くすることができる。図11A~Cに示されるフィラメントは特定の形状を含むが、本明細書で論じられるフィラメント102は、不均一で、ギザギザで又は多角形辺を含み、又は、図11A~Cに示される辺よりも多い又は少ない辺を含むことができる(例えば、三角形、正方形、五角形、六角形)。特定の例において、本明細書で論じられるように、フィラメント102は中空であることができる(例えば、マイクロチュービング)。
【0118】
図12は、1つの実施形態による、膜を備えた別の例示的なオクルーダ1200の側面図である。1つの実施形態によれば、オクルーダ1200は膜520を備える。膜520は、(上記で詳細に論じたように)複数の吸収性フィラメントの周りに配置され、フィラメントの破壊又は分解に応答して複数の吸収性フィラメントの断片を封じ込め、膜内への組織の内部成長又は膜の組織カプセル化を促進するように構成されうる。特定の例において、膜520は、健康な組織成長を促進し、吸収性フィラメントの分解後に組織とともに残るように構成されている。フィラメントは、近位ディスク212及び遠位ディスク214を形成することができる。
【0119】
吸収性フィラメント(上記で詳細に論じられそして示されている)は、オクルーダがインプラントされる空間を構造的に強化し又は開放保持(閉止保持)するように構成されている。吸収性フィラメントは、インプラントされる開口部(例えば、PFO)を通したデバイスの塞栓形成を防ぎ、膜520が開口部の近傍での組織の内部成長又は膜520の組織カプセル化を促進しうるように、隔壁に対して並置力を加えるように構成されている。生体分解性又は生体腐食性フィラメントの分解中に、膜520は、膜520への健康な組織の内部成長、組織の再成長、及び/又は、膜520の組織カプセル化を促進し、その結果、生体分解性又は生体腐食性フィラメントによって提供される構造は不要になることができる。膜520は、患者内に維持され、非分解性ステントで生じるような金属構造を残さない構造を提供する。
【0120】
ウエスト418は、複数の吸収性フィラメントの中央部分から形成されうる。さらに、ウエスト418は、展開された長尺構成のそれぞれにおいて、複数の吸収性フィラメント内に開放中央領域を形成するように構成されうる。ウエスト418は、近位ディスク212を組織壁の第一の側と並置させ、遠位ディスク214を組織壁の第二の側と並置させるように構成されうる。
【0121】
オクルーダ1200はまた、ハブ108、110を含むことができる。ハブ108、110は、フィラメントによって形成することができる、又は、フィラメントの端部を一緒に圧着又は保持する追加のバンド、アイレット又は材料を含むことができる。特定の例において、フィラメントの端部は、ハブ108、110に結合、溶融又は他の方法で一緒に形成されうる。場合により、膜520は、ハブの形成中に取り付けられることができる。
【0122】
特定の例において、オクルーダ1200は、ハブ108、110の間に配置されたキャッチ部材1220を含むことができる。キャッチ部材1220は、デリバリーカテーテル又はデリバリーシステムに結合するように構成されうる。特定の例において、キャッチ部材1220は、デリバリーカテーテル又はデリバリーシステム上の対応するねじ付き部材とねじ止めするように構成されたねじ付き端部を含むことができる。キャッチ部材1220は、ディスク212、214の展開を促進することができる。特定の例において、キャッチ部材1220は、ハブ108、110に取り付けられた統一構成要素を含む。キャッチ部材1220は、オクルーダ1200が展開されたときに、ディスク212、214を一緒に引き寄せて、組織との並置を維持することができる。キャッチ部材1220は、吸収性材料又は他の材料(例えば、ニチノール)から形成することができる。キャッチ部材1220は、ディスク212、214の順応性を可能にするために、本体中央部分において可撓性であることができる。特定の例において、キャッチ部材1220は、組織とのディスク212、214の並置を維持するためにばね荷重をかけられることができる。キャッチ部材1200は、再交差性を可能にするためにそれを通る管腔を含むことができる。
【0123】
図13Aは、1つの実施形態による、第一の構成の膜520及びキャッチ部材1220を備えた別の例示的なオクルーダ1300の図である。1つの実施形態によると、オクルーダ1300は膜520を備えている。膜520は、(上記で詳細に論じたように)複数の吸収性フィラメントの周りに配置され、フィラメントの破壊又は分解に応答して複数の吸収性フィラメントの断片を封じ込め、膜520への組織の内部成長及び/又は膜520の組織カプセル化を促進するように構成されうる。特定の例において、膜520は、健康な組織成長を促進し、吸収性フィラメントの分解後に組織とともに残るように構成されている。フィラメントは、近位ディスク212及び遠位ディスク214を形成することができる。
【0124】
吸収性フィラメント(上で詳細に論じられ、示されている)は、オクルーダがインプラントされる空間を構造的に強化するか、又は、開放保持するか、又は、閉止するように構成される。吸収性フィラメントは、インプラントされる開口部(例えば、PFO)を通したデバイスの塞栓形成を防ぎ、膜520が開口部の近傍の組織の内部成長又は膜の組織カプセル化を促進しうるように、隔壁に対して並置力を加えるように構成されている。生体分解性又は生腐食性フィラメントの分解中に、膜520は健康な組織の内部成長又は再成長(及び/又は膜520の組織カプセル化)を促進し、その結果、生体分解性又は生腐食性フィラメントによって提供される構造は不要になることができる。膜520は、患者内に維持され、非分解性ステントで生じるような金属構造を残さずに構造を提供する。
【0125】
オクルーダの端部108、110はフィラメントによって形成されることができ、又はフィラメントの端部を一緒に圧着又は保持する追加のバンド、アイレット又は材料を含むことができる。図13Bに示されるように、オクルーダ1330の遠位端110は、フィラメント102が内側に延在し、近位端108に向かって戻るように反転される。図13Aに示されるように、オクルーダ1300は、近位端108内に配置されてデリバリーカテーテル又はデリバリーシステムに結合するキャッチ部材1220を含むことができる。
【0126】
図13Bに示されるように、近位端108はボール1330を含むことができる。ボール1330は、吸収性であることができる(又は、とげ特徴部であることができる)。ボール1330は、デリバリー後にオクルーダ1300の捕捉を促進するか、又は、さもなければオクルーダ1300を通る経路を遮断することができる。
【0127】
図14Aは、1つの実施形態による、膜520を備えた別の例示的なオクルーダ1400の図である。図14Bは、1つの実施形態による、図14Aに示されるオクルーダ1400であり、異なるウエスト構成418を有する。異なるウエスト418の直径は、オクルーダ1400の標的位置に関係されるる。例えば、心房中隔欠損症(ASD)内に配置されるときに、オクルーダ1400は、図14Aに示されるように、より大きなウエストを含むことができる。卵円孔開存(PFO)内に配置されたときに、オクルーダ1400は、図14Bに示されるように、より小さなウエストを含むことができる。
【0128】
上記で詳細に論じたように、オクルーダ1400は、(上記で詳細に論じたように)複数の吸収性フィラメントの周りに配置され、フィラメントの破壊又は分解に応答して複数の吸収性フィラメントの断片を封じ込め、膜への組織の内部成長及び/又は膜520の組織カプセル化及び/又は健康な組織の再成長を促進するように構成されている。特定の例において、膜520は、健康な組織成長を促進し、吸収性フィラメントの分解後に組織とともに残るように構成されている。フィラメントは、近位ディスク212及び遠位ディスク214を形成することができる。
【0129】
吸収性フィラメント(上で詳細に論じられ、示されている)は、オクルーダがインプラントされる空間を構造的に強化するか、又は開放保持するように構成されている。吸収性フィラメントは、インプラントされる開口部(例えば、PFO)を通したデバイスの塞栓形成を防ぎ、膜520が開口部の近傍の組織の内部成長及び/又は膜520の組織のカプセル化及び/又は健康な組織の再成長を促進しうるように、隔壁に対して並置力を加えるように構成されている。生体分解性又は生腐食性フィラメントの分解中に、膜520は、健康な組織の内部成長又は再成長を促進し、その結果、生体分解性又は生体分解性フィラメントによって提供される構造は不要になることができる。膜520は、患者内に維持され、非分解性ステントで生じるような金属構造を残さずに構造を提供する。
【0130】
オクルーダ1400はまた、ハブ108、110を含むことができる。ハブ108、110は、フィラメントによって形成されうるか、又は、フィラメントの端部を一緒に圧着又は保持する追加のバンド、アイレット又は材料を含むことができる。特定の例において、フィラメントの端部は、ハブ108、110に結合、溶融又は他の方法で一緒に形成されうる。場合により、膜520は、ハブの形成中に取り付けられることができる。
【0131】
図15は、1つの実施形態による、膜520を備えた別の例示的なオクルーダ1500の斜視図である。上で詳細に論じたように、オクルーダ1500は、(上記で詳細に論じたように)複数の吸収性フィラメントの周りに配置され、フィラメントの破壊又は分解に応答して複数の吸収性フィラメントの断片を封じ込め、膜への組織の内部成長又は膜520の組織カプセル化を促進するように構成されうる膜520を含む。特定の例において、膜520は、健康な組織成長を促進し、吸収性フィラメントの分解後に組織とともに残るように構成されている。フィラメントは、近位ディスク212及び遠位ディスク214を形成することができる。
【0132】
吸収性フィラメント(上で詳細に論じられ、示されている)は、オクルーダがインプラントされる空間を構造的に強化するか、又は開放保持するように構成されている。吸収性フィラメントは、インプラントされる開口部(例えば、PFO)を通したデバイスの塞栓形成を防ぎ、膜520が開口部の近傍で組織の内部成長を促進しうるように、隔壁に対して並置力を加えるように構成されている。生体分解性又は生体腐食性フィラメントの分解中に、膜520は、健康な組織の内部成長又は再成長(又は膜520の組織カプセル化)を促進し、その結果、生体分解性又は生体腐食性フィラメントによって提供される構造は不要になることができる。膜520は、患者内に維持され、非分解性ステントで生じるような金属構造を残さずに構造を提供する。
【0133】
オクルーダ1500はまた、ハブ108、110を含むことができる。ハブ108、110は、フィラメントによって形成されうるか、又は、フィラメントの端部を一緒に圧着又は保持する追加のバンド、アイレット又は材料を含むことができる。特定の例において、フィラメントの端部は、ハブ108、110に結合、溶融又は他の方法で一緒に形成されうる。場合により、膜520は、ハブの形成中に取り付けられることができる。
【0134】
特定の例において、示されるように、オクルーダ1500は、放射線不透過性要素1550、1552を含むことができる。放射線不透過性要素1550、1552は、ディスク212、214内に配置されうる。特定の例において、放射線不透過性要素1550、1552は、ハブからディスク212、214の周囲まで延在している。放射線不透過性要素1550、1552は、放射線不透過性材料(例えば、金、タンタル、ヨウ素又はそれらの組み合わせ)から形成されうるか、又はそれらを含むことができる。特定の例において、放射線不透過性要素1550、1552は、膜520材料で包囲されたフィラメントであることができる。放射線不透過性要素1550、1552は、膜520材料内に放射線不透過性材料をカプセル化するために、スパッタコーティング又はスプレーコーティングされうる。
【0135】
図16は、1つの実施形態による、別の例示的なオクルーダ1600の側面図である。上で詳細に論じたように、オクルーダ1600は、(上で詳細に論じたように)複数の吸収性フィラメント102のそれぞれの周りに個別に配置され、複数の吸収性フィラメント102の破壊又は分解に応答してフィラメント102の断片を封じ込め、そして膜への組織の内部成長又は膜520の組織カプセル化を促進するように構成されうる膜520を含む。特定の例において、膜520は、健康な組織成長を促進し、吸収性フィラメントの分解後に組織とともに残るように構成されている。フィラメント102は、近位ディスク212及び遠位ディスク210を形成することができる。
【0136】
吸収性フィラメント102は、オクルーダ1600がインプラントされる空間を構造的に強化するか又は開放保持するように構成されている。吸収性フィラメント102は、デバイスがインプラントされる開口部(例えば、PFO)を通したデバイスの塞栓形成を防止し、隔壁に対して並置力を加えるように構成されている。特定の例において、膜構成要素520はまた、開口部の近傍で組織の内部成長を促進することができるように、ディスク212、214内に配置されうる。生体分解性又は生体腐食性フィラメント102の分解中に、ディスク212、214内の膜構成要素520は健康な組織の内部成長又は再成長を促進し、その結果、生体分解性又は生体腐食性フィラメントによって提供される構造は不要になることができる。フィラメント102の周りに個別に配置された膜520及びディスク212、214内の膜構成要素520は、患者内に留まり、非分解性ステントで生じるような金属構造を残さずに構造を提供する。
【0137】
オクルーダ1600はまた、ハブ108、110を含むことができる。ハブ108、110は、フィラメントによって形成されうるか、又はフィラメントの端部を一緒に圧着又は保持する追加のバンド、アイレット又は材料を含むことができる。特定の例において、フィラメントの端部は、ハブ108、110に結合、溶融又は他の方法で一緒に形成されうる。場合により、膜520は、ハブの形成中に取り付けられることができる。
【0138】
図17は、1つの実施形態による、膜520を備えた別の例示的なオクルーダ1700の側面図である。上で詳細に論じたように、オクルーダ1700は、(上で詳細に論じたように)複数の吸収性フィラメント102の周りに配置され、フィラメント102の破壊又は劣化に応答して複数の吸収性フィラメント102の断片を封じ込め、膜520への組織の内部成長又は膜520の組織カプセル化を促進するように構成されうる膜520を含む。特定の例において、膜520は、健康な組織成長を促進し、吸収性フィラメント102の分解後に組織とともに残るように構成されている。フィラメント102は近位ディスク212及び遠位ディスク214を形成することができる。
【0139】
吸収性フィラメント102(上で詳細に論じられ、示されている)は、オクルーダがインプラントされる空間を構造的に増強するか、又は開放保持するように構成されている。吸収性フィラメント102は、インプラントされる開口部(例えば、PFO)を通したデバイスの塞栓形成を防止し、膜520が開口部の近傍で組織の内部成長を促進することができるように、隔壁に対して並置力を加えるように構成されている。生体分解性又は生体腐食性フィラメント102の分解中に、膜520は、健康な組織の内部成長又は再成長(又は膜520の組織カプセル化)を促進し、その結果、生体分解性又は生体腐食性フィラメント102によって提供される構造は不要になることができる。膜520は、患者内に維持され、非分解性ステントで生じるような金属構造を残さずに構造を提供する。
【0140】
オクルーダ1700はまた、ハブ108、110を含むことができる。ハブ108、110は、フィラメント102によって形成されることができ、又はフィラメント102の端部を一緒に圧着又は保持する追加のバンド、アイレット又は材料を含むことができる。特定の例において、フィラメント102の端部は、ハブ108、110に結合、溶融又は他の方法で一緒に形成されうる。場合により、膜520は、ハブの形成中に取り付けられることができる。特定の例において、ハブ108、110及びウエスト418のうちの1つ以上は、リング(ハブ108によって示されるとおり)又はフィラメント102の巻線(ウエスト4189及びハブ110によって示されるとおり)によって形成されうる。
【0141】
図18は、1つの実施形態による、膜を備えた別の例示的なオクルーダの側面図である。上で詳細に論じたように、オクルーダ1800は、(上で詳細に論じたように)複数の吸収性フィラメント102の周りに配置され、フィラメントの破壊又は劣化に応答して複数の吸収性フィラメント102の断片を封じ込め、そして膜への組織の内部成長を促進する構成されうる膜520を含む。特定の例において、膜520は、健康な組織成長を促進し、吸収性フィラメント102の分解後に組織とともに残るように構成されている。フィラメント102は、近位ディスク212及び遠位ディスク210を形成することができる。
【0142】
吸収性フィラメント102(上で詳細に論じられ、示されている)は、オクルーダがインプラントされる空間を構造的に強化するか、又は開放保持するように構成されている。吸収性フィラメント102は、インプラントされる開口部(例えば、PFO)を通したデバイスの塞栓形成を防止し、膜520が開口部の近傍で組織の内部成長又は組織のカプセル化を促進することができるように、隔壁に対して並置力を加えるように構成されている。生体分解性又は生腐食性フィラメント102の分解中に、膜520は、健康な組織の内部成長又は再成長を促進し、その結果、生体分解性又は生体腐食性フィラメント102によって提供される構造は不要になることができる。膜520は、患者内に維持され、非分解性ステントで生じるような金属構造を残さずに構造を提供する。
【0143】
オクルーダ1800はまた、近位端108及び遠位端110、110を含むことができる。端108、110は、フィラメント102によって形成されることができ、又はフィラメント102の端部を一緒に圧着又は保持する追加のバンド、アイレット又は材料を含むことができる。特定の例において、フィラメント102の端部は、ハブ108、110に結合、溶融又は他の方法で一緒に形成されうる。場合により、膜520は、ハブの形成中に取り付けられることができる。フィラメント102はらせん状に巻かれることができ、ディスク212、214のうちの1つ以上は、ディスク214によって示されるように閉ループであることができ、したがって、遠位端110にハブは存在しない。さらに、ウエスト418は、ウエスト418部分を拘束するためのリングを含むことができる。
【0144】
図19は、1つの実施形態による、オクルーダで使用することができる例示的なフレーム1900の斜視図である。示されるように、フレーム1900は、ディスク212、214及びハブ108、110を含む。ディスク212、214のそれぞれは、ハブ212、214で収束する複数のペタル1950を含むことができる。ハブ108、110は、筒形であることができる。フレーム1900は、吸収性材料のカットパターン(チューブ又はシース)から形成されている。フレーム1900は、示されるパターンでフレーム1900を形状固定するように押し出され、急冷されることができる。フレーム1900は、カットパターンによって形成された複数のストラット又はフィラメントを含むと考えることができる。フレーム1900は、カットパターンによって形成された複数のストラット又はフィラメントを含むものと考えることができる。
【0145】
図20Aは、1つの実施形態による、オクルーダで使用されうる例示的なフレーム2000の第一の斜視図であり、図20Bは、図20Aに示されるフレーム2000の第二の斜視図である。示されるように、フレーム2000は、吸収性材料のカットパターン(チューブ又はシース)から形成されたプラグ構造を形成する。プラグ構造は、多角形を含みうる複数のセル2002を含むことができる。フレーム2000は、生体吸収性支持構造体であることができ、上記で詳細に説明したように、支持構造体の周りに配置された膜(図示せず)を含むことができる。プラグ2004は、フレーム2000内の一端又は両端に配置することができる。プラグ2004は分解可能であり、デリバリーカテーテル又はシステムと界面形成することができる。特定の例において、フレーム2000は、血管プラグとして、又は付属肢(例えば、左心耳)などの身体の他の部分のオクルーダとして使用されうる。フレーム2000は、心臓及び血管欠損部又は組織の開口部、血管系又は患者内の他の位置をシールするために使用することができる。フレーム2000(及び本明細書で論じられる他のフレーム)は、足場又は生体吸収性支持構造体である。フレーム2000は、カットパターンによって形成された複数のストラット又はフィラメントを含むものと考えることができる。
【0146】
図21は、1つの実施形態による、オクルーダで使用することができる例示的なフレームの斜視図である。示されるように、フレーム2100は、ディスク212、214及びハブ108、110を含む。ディスク212、214のそれぞれは、ハブ212、214で収束する複数のペタル1950を含むことができる。ハブ108、110は筒形であることができる。フレーム2100は、吸収性材料のカットパターン(チューブ又はシース)から形成されている。フレーム2100は、示されるパターンでフレーム2100を形状固定するように押出され、急冷されることができる。他の例において、フレーム2100は、付加印刷又は付加製造から形成されうる。フレーム2100は、カットパターンによって形成された複数のストラット又はフィラメントを含むものと考えることができる。フレーム2100は、カットパターンによって形成された複数のストラット又はフィラメントを含むものと考えることができる。フレーム2100は射出成形されうるか、又は付加印刷によって形成されうる。
【0147】
図22は、1つの実施形態による、オクルーダで使用することができる例示的なフレーム2200の斜視図である。示されるように、フレーム2100は、ディスク212、214及びハブ108、110を含む。ディスク212、214のそれぞれは、ハブ212、214で収束する複数のペタル1950を含むことができる。ハブ108、110は、筒形であることができる。フレーム2100は、吸収性材料のカットパターン(チューブ又はシース)から形成されている。フレーム2100は、示されるパターンでフレーム2100を形状固定するように押し出され、急冷されることができる。他の例において、フレーム2200は、付加印刷又は付加製造から形成されうる。フレーム2200は、カットパターンによって形成された複数のストラット又はフィラメントを含むと考えることができる。フレーム2200は、カットパターンによって形成された複数のストラット又はフィラメントを含むと考えることができる。フレーム2200は、射出成形されうるか、又は付加印刷によって形成されうる。
【0148】
図23は、1つの実施形態による、メディカルデバイスで使用することができる例示的なフレーム2300の斜視図である。示されるように、フレーム2100は、1つのディスク212及びハブ108を含む。図24は、フレーム2300によって形成された2つのディスク212、214を含む例示的なフレーム2400を示す。1つ又は2つのディスク212、214のそれぞれは、ハブ212、214で収束する複数のペタル1950を含むことができる。ハブ108、110は筒形であることができる。フレーム2200、2300は、吸収性材料のカットパターン(チューブ又はシース)から形成することができる。フレームフレーム2200、2300は、示されるパターンでフレーム2200、2300を形状固定するように押し出され、急冷されることができる。他の例において、フレーム2200、2300は、付加印刷又は付加製造から形成されうる。フレーム2300は、カットパターンによって形成された複数のストラット又はフィラメントを含むと考えることができる。フレーム2300は、カットパターンによって形成された複数のストラット又はフィラメントを含むと考えることができる。フレーム2300は、射出成形されうるか、又は付加印刷によって形成されうる。
【0149】
図24は、1つの実施形態による、例示的なメディカルデバイス2400を示す。メディカルデバイス2400は、瘻孔デバイス2400であることができる。瘻孔デバイス2400は、吸収性フィラメント102から形成され、一端又は両端にフランジ2402を含むことができる。示されるように、フランジ2402は、瘻孔デバイス2400の一端に配置される。瘻孔デバイス2400は、本明細書で論じられるオクルーダに関して上記で詳細に記載されるように、瘻が成熟し、時間とともに弛緩する間に支持を提供する。瘻孔デバイス2400は、フィラメント102の周りに配置された膜(図示せず)を含むことができる。
【0150】
図25は、1つの実施形態による、例示的なメディカルデバイス2500を示す。メディカルデバイス2500はシャントデバイス2500であることができる。シャントデバイス2500は、上で詳細に記載されるように、吸収性フィラメント102及び膜520から形成されうる。シャントデバイス2500は、ディスク212、214の間に中央に配置された通路2502を含むことができる。ディスクのそれぞれは、組織壁に順応することができるペタル950を含むことができる。特定の例において、シャントデバイス2500は、アクセス部位又は組織内にインプラントされ、組織の治癒を促進することができる。
【0151】
上記のように、膜520は、フィラメント102の周りに配置され、フィラメント102の破壊又は分解に応答して複数の吸収性フィラメント102の断片を封じ込め、膜520への組織の内部成長又は膜520の組織カプセル化を促進するように構成されうる。特定の例において、膜520は、健康な組織成長又は膜520の組織カプセル化を促進し、吸収性フィラメント102の分解後に組織とともに残るように構成されている。組織の内部成長又はカプセル化及びフィラメント102の分解後に残る膜520により、必要に応じてさらなる手順のための再交差性が可能になる。
【0152】
図26は、1つの実施形態による、例示的なフィラメント102の断片の例示的な安定化を示す。図26に示されるように、膜520は、足場構造(例えば、織られた、編まれた、不織、吸収性又は非吸収性)構成要素1122、1124から形成されうる。構成要素1122、1124は、フィラメント102が分解するときに構造構成要素及び断片を封じ込めることができる。特定の例において、構成要素1122、1124はまた、フィラメント102、100及び/又は膜520の分解から生成することができる断片及び/又は粒子を安定化するための多孔性を含むことができる。特定の例において、例えば、下にある構成要素1122は分解し、上にある構成要素1124は下にある構成要素1122を安定化させることができる。このように、膜520も、上記に詳細に記載されたように、分解し、そして安定化を促進することができる。
【0153】
分解時に、下にある構成要素1122はフィラメント102及び上にある構成要素1124を安定化させることができる。全体構造の物理的縮小は、膜520を組織に統合しながら、フィラメント102及び膜520の一部の両方の分解を促進することができる。上にある構成要素1124は分解することができ、下にある構成要素1122は組織に統合することができる。分解している上にある構成要素1124(又はフィラメント102のみが分解し、膜520はその全体が非分解性である)は、継続的な組織被覆及び成熟を促進することができる。上にある構成要素1124及び下にある構成要素1122は、連続膜520を形成することができ、又は、上にある構成要素1124及び下にある構成要素1122は別個の構造であることができる。上にある構成要素1124及び下にある構成要素1122が別個の構造である場合において、上にある構成要素1124は膜1202であることができ、下にある構成要素1122は吸収性層であることができる。
【0154】
吸収性フィラメントの例としては、限定するわけではないが、マグネシウム及びマグネシウム合金などの吸収性金属、鉄などの鉄材料、アルミニウム及びアルミニウム合金及び他の同様の材料が挙げられる。
【0155】
フィラメント又は膜成分のいずれかで使用できる吸収性ポリマーの例としては、限定するわけではないが、ポリマー、コポリマー(ターポリマーを含む)及びブレンドが挙げられ、それは、全体的又は部分的に、ポリエステルアミド、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、例えば、ポリ(3-ヒドロキシプロパノエート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)、ポリ(3-ヒドロキシバレレート)、ポリ(3-ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(3-ヒドロキシヘプタノエート)及びポリ(3-ヒドロキシオクタノエート)などのポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)、ポリ(4-ヒドロキシブチレート)、ポリ(4-ヒドロキシバレレート)、ポリ(4-ヒドロキシヘキサノート)、ポリ(4-ヒドロキシヘプタノエート)、ポリ(4-ヒドロキシオクタノエート)などのポリ(4-ヒドロキシアルカノエート)、ポリ(L-ラクチド-コ-グリコリド)及びコポリマー変種、ポリ(D,L-ラクチド)、ポリ(L-ラクチド)、ポリグリコリド、ポリ(D,L-ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(L-ラクチド-コ-グリコリド)、ポリカプロラクトン、ポリ(ラクチド-コ-カプロラクトン)、ポリ(グリコリド-カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリホスファゼン、ポリ(無水物)、ポリ(チロシンカーボネート)及びその誘導体、ポリ(チロシンエステル)及びその誘導体、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(乳酸-トリメチレンカーボネート)、ポリ(グリコール酸-トリメチレンカーボネート)、ポリホスホエステル、ポリホスホエステルウレタン、ポリ(アミノ酸)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、コポリ(エーテル-エステル)(例えば、PEO/PLA)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)などのポリアルキレンオキシド、ポリ(エーテルエステル)、ポリアルキレンオキサレート、ポリ(アスピリン)、生体分子、例えば、コラーゲン、キトサン、アルギネート、フィブリン、フィブリノーゲン、セルロース、デンプン、コラーゲン、デキストラン、デキストリン、ヒアルロン酸の断片及び誘導体、ヘパリン、ヘパリンの断片及び誘導体、グリコサミノグリカン(GAG)、GAG誘導体、多糖類、エラスチン、キトサン、アルギネート又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0156】
合成ポリマー(膜として使用することができる)の例としては、限定するわけではないが、ナイロン、ポリアクリルアミド、ポリカーボネート、ポリホルムアルデヒド、ポリメチルメタクリレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロクロロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、エラストマー有機ケイ素ポリマー、ポリエチレン、膨張ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリグリコール酸、ポリエステル、ポリアミド、それらの混合物、ブレンド及びコポリマーを挙げることができ、それは、膜材料として適している。1つの実施形態において、前記膜は、DACRON(登録商標)及びMYLAR(登録商標)を含むポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル及びKEVLAR(登録商標)などのポリアラミド、共重合ヘキサフルオロプロピレンを含む又は含まないポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(TEFLON(登録商標)又はGORE-TEX(登録商標))などのポリフルオロカーボン、及び、多孔質又は非多孔質ポリウレタンのクラスから作られる。特定の例において、膜は、延伸フルオロカーボンポリマー(特にePTFE)材料を含む。好ましいフルオロポリマーのクラスに含まれるのは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、テトラフルオロエチレン(TFE)及びペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PFA)のコポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)のホモポリマー、及び、TFEとのそのコポリマー、エチレン-クロロトリフルオロエチレン(ECTFE)エチレン-テトラフルオロエチレン(ETFE)のコポリマー、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、及び、ポリフッ化ビニル(PVF)である。血管プロテーゼで広く使用されているため、特に好ましいのはePTFEである。特定の例において、膜は、上記に列挙された前記材料の組み合わせを含む。特定の例において、膜は、体液に対して実質的に不透過性である。前記実質的に不透過性の膜は、体液に対して実質的に不透過性である材料から製造されることができ、又は、(例えば、上記又は当該技術分野で知られている異なるタイプの材料を層状にすることによって)体液に対して実質的に不透過性であるように処理又は製造された透過性材料から構築することができる。
【0157】
膜材料の追加の例としては、限定するわけではないが、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンヘキサフルオロプロピレン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ化ビニリデン、1-ヒドロペンタフルオロプロピレン、ペルフルオロ(メチルビニルエーテル)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ペンタフルオロプロペン、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロアセトン、ヘキサフルオロイソブチレン、フッ素化ポリ(エチレン-コ-プロピレン(FPEP)、ポリ(ヘキサフルオロプロペン)(PHFP)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)(PCTFE)、ポリ(フッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(フッ化ビニリデン-コ-テトラフルオロエチレン)(PVDF-TFE)、ポリ(フッ化ビニリデン-コ-ヘキサフルオロプロペン)(PVDF-HFP)、ポリ(テトラフルオロエチレン-コ-ヘキサフルオロプロペン)(PTFE-HFP)、ポリ(テトラフルオロエチレン-コ-ビニルアルコール)(PTFE-VAL)、ポリ(テトラフルオロエチレン-コ-ビニルアセテート)(PTFE-VAC)、ポリ(テトラフルオロエチレン-コ-プロペン)(PTFEP)、ポリ(ヘキサフルオロプロペン-コ-ビニルアルコール)(PHFP-VAL)、ポリ(エチレン-コ-テトラフルオロエチレン)(PETFE)、ポリ(エチレン-コ-ヘキサフルオロプロペン)(PEHFP)、ポリ(フッ化ビニリデン-コ-クロロトリフルオロエチレン)(PVDF-CTFE)及びそれらの組み合わせ、ならびに米国公開第2004/0063805号明細書(すべての目的でその全体を本明細書に参照により取り込む)に記載されている追加のポリマー及びコポリマーが挙げられる。追加のポリフルオロコポリマーとしては、テトラフルオロエチレン(TFE)/ペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)が挙げられる。PAVEは、ペルフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)、ペルフルオロエチルビニルエーテル(PEVE)又はペルフルオロプロピルビニルエーテル(PPVE)であることができる。他のポリマー及びコポリマーとしては、ポリラクチド、ポリカプロラクトン-グリコリド、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリアミノ酸、多糖類、ポリホスファゼン、ポリ(エーテル-エステル)コポリマー、例えば、PEO-PLLA又はそれらのブレンド、ポリジメチル-シロキサン、ポリ(エチレン-ビンジルアセテート)、アクリレートベースのポリマー又はコポリマー、例えば、ポリ(ヒドロキシエチルメチルメタクリレート、ポリビニルピロリジノン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素化ポリマー、セルロースエステル及び任意のポリマー及びコポリマーが挙げられる。
【0158】
本出願の発明は、一般的に及び特定の実施形態に関しての両方で上記に記載されてきた。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態において様々な変更及び変形を行うことができることは当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、それらが添付の特許請求の範囲及びそれらの均等形態の範囲内に入るかぎり、本発明の変更及び変形を網羅することが意図されている。
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