(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-06
(45)【発行日】2023-06-14
(54)【発明の名称】楽曲再生玩具
(51)【国際特許分類】
G10K 15/04 20060101AFI20230607BHJP
A63H 5/00 20060101ALI20230607BHJP
A63H 33/00 20060101ALI20230607BHJP
【FI】
G10K15/04 302F
A63H5/00 C
A63H33/00 P
(21)【出願番号】P 2022087761
(22)【出願日】2022-05-30
【審査請求日】2022-12-23
(31)【優先権主張番号】P 2021176321
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】松本 亮
(72)【発明者】
【氏名】中島 史雄
(72)【発明者】
【氏名】川戸 祐太
【審査官】堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-348035(JP,A)
【文献】特開2001-215979(JP,A)
【文献】特開2001-344878(JP,A)
【文献】特開2003-323186(JP,A)
【文献】登録実用新案第3112258(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
A63H 5/00
A63H 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の楽曲に関する第1の音源データ及び第2の音源データを記憶する楽曲データ記憶部と、
前記第1の音源データに基づく音声と前記第2の音源データに基づく音声とを所与の音量割合で合成出力する音声出力制御部と、
所定の操作に応じて、前記音声出力制御部により合成出力される前記第1の音源データに係る音量を消音又は減音する第1音源音量抑制制御を行う第1音源音量抑制制御部と、
他機と近距離無線通信を行うための近距離無線通信部と、
を備え
、
前記楽曲データ記憶部は、前記楽曲として、所定の他機IDと対応づけられたID付き楽曲に関する前記第1の音源データ及び前記第2の音源データを記憶しており、
前記近距離無線通信によって前記他機から前記他機IDを受信した場合に、前記ID付き楽曲に関して前記音声出力制御部を機能させる楽曲再生玩具。
【請求項2】
前記楽曲は、所定の歌パートと所定の曲パートとを含む楽曲であり、
前記第1の音源データは、前記所定の歌パートの音源を少なくとも含むデータであり、
前記第2の音源データは、前記所定の歌パートの音源を含まず、前記所定の曲パートの音源を含むデータである、
請求項1に記載の楽曲再生玩具。
【請求項3】
所定の台詞音声に関する台詞音声データを記憶する台詞音声データ記憶部と、
所定の台詞音声出力操作に応じて、前記第1音源音量抑制制御を行うとともに、前記台詞音声データを再生して音声出力する台詞音声出力制御部と、
を更に備える請求項1又は2に記載の楽曲再生玩具。
【請求項4】
前記音声出力制御部は、所定の基本再生状態において、前記第1の音源データに係る音量と前記第2の音源データに係る音量とを、略同量の音量割合で合成出力し、
前記第1音源音量抑制制御部は、前記所定の操作に応じて、前記第2の音源データに係る音量を維持しつつ、前記第1音源音量抑制制御を行う、
請求項1
又は2に記載の楽曲再生玩具。
【請求項5】
前記所定の操作に応じて、前記第1音源音量抑制制御部が前記第1音源音量抑制制御を実行するのに合わせて、前記第2の音源データに係る音量を上げる第2音源音量制御を行う第2音源音量制御部、
を更に備える請求項1
又は2に記載の楽曲再生玩具。
【請求項6】
前記音声出力制御部は、所定の基本再生状態において、前記第2の音源データに係る音量を消音、又は、前記第1の音源データに係る音量よりも小さい音量、とする音量割合で合成出力する、
請求項5に記載の楽曲再生玩具。
【請求項7】
前記他機は、前記他機IDを近距離無線通信で送信することを含むID送信処理を実行し、当該ID送信処理に係る通信の成功直後に前記ID付き楽曲に係る音源データの再生出力を開始する機能を備えてお
り、
前記他機から前記他機IDを受信することを含むID受信処理を実行し、当該ID受信処理に係る通信の成功直後に、前記ID付き楽曲に関して前記音声出力制御部に前記合成出力を開始させる、
請求項
1に記載の楽曲再生玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽曲を再生・出力する楽曲再生玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、マイクによってユーザの歌声を集音し、集音した歌声と楽曲の音源データとを合成出力する玩具が知られている(例えば、特許文献1を参照)。この従来の玩具を用いることで、ユーザは、再生・出力される楽曲を聞きながら、カラオケを楽しむことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のようにカラオケを楽しむ玩具の場合、楽曲として出力されるのはオリジナルの楽曲そのものではなく、そのうちの伴奏部分の音源データとなる。独奏曲や合奏曲のカラオケ音を出力する場合であれば、独奏部分や主旋律部分を含まない伴奏部分のみの音源データが出力されるものとなる。そのため、楽曲の始めから最後までカラオケを楽しむことしかできず、カラオケとは別に、オリジナルの歌唱部分等も含めて聞いたり、当該歌唱部分等を聞きながら一緒に歌う等の楽しみ方はできなかった。すなわち、興趣性に乏しかった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、新たな興趣を追加することができる楽曲再生玩具の技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様は、所定の楽曲に関する第1の音源データ及び第2の音源データを記憶する楽曲データ記憶部と、前記第1の音源データに基づく音声と前記第2の音源データに基づく音声とを所与の音量割合で合成出力する音声出力制御部と、所定の操作に応じて、前記音声出力制御部により合成出力される前記第1の音源データに係る音量を消音又は減音する第1音源音量抑制制御を行う第1音源音量抑制制御部と、を備える楽曲再生玩具である。また本発明の態様は、所定の楽曲に関する第1の音源データ及び第2の音源データを記憶する楽曲データ記憶部と、前記第1の音源データに基づく音声と前記第2の音源データに基づく音声とを所与の音量割合で合成出力する音声出力制御部と、所定の操作に応じて、前記音声出力制御部により合成出力される前記第1の音源データに係る音量を消音又は減音する第1音源音量抑制制御を行う第1音源音量抑制制御部と、他機と近距離無線通信を行うための近距離無線通信部と、を備え、前記楽曲データ記憶部は、前記楽曲として、所定の他機IDと対応づけられたID付き楽曲に関する前記第1の音源データ及び前記第2の音源データを記憶しており、前記近距離無線通信によって前記他機から前記他機IDを受信した場合に、前記ID付き楽曲に関して前記音声出力制御部を機能させる楽曲再生玩具である。
【0007】
また、前記楽曲は、所定の歌パートと所定の曲パートとを含む楽曲であり、前記第1の音源データは、前記所定の歌パートの音源を少なくとも含むデータであり、前記第2の音源データは、前記所定の歌パートの音源を含まず、前記所定の曲パートの音源を含むデータとしてもよい。
【0008】
また、所定の台詞音声に関する台詞音声データを記憶する台詞音声データ記憶部と、所定の台詞音声出力操作に応じて、前記第1音源音量抑制制御を行うとともに、前記台詞音声データを再生して音声出力する台詞音声出力制御部と、を更に備えてもよい。
【0009】
また、前記音声出力制御部は、所定の基本再生状態において、前記第1の音源データに係る音量と前記第2の音源データに係る音量とを、略同量の音量割合で合成出力し、前記第1音源音量抑制制御部は、前記所定の操作に応じて、前記第2の音源データに係る音量を維持しつつ、前記第1音源音量抑制制御を行ってもよい。
【0010】
また、前記所定の操作に応じて、前記第1音源音量抑制制御部が前記第1音源音量抑制制御を実行するのに合わせて、前記第2の音源データに係る音量を上げる第2音源音量制御を行う第2音源音量制御部、を更に備えてもよい。
【0011】
また、前記音声出力制御部は、所定の基本再生状態において、前記第2の音源データに係る音量を消音、又は、前記第1の音源データに係る音量よりも小さい音量、とする音量割合で合成出力してもよい。
【0012】
また、前記楽曲データ記憶部は、前記楽曲として、所定の他機IDと対応づけられたID付き楽曲に関する前記第1の音源データ及び前記第2の音源データを記憶しており、他機と近距離無線通信を行うための近距離無線通信部と、前記近距離無線通信によって前記他機から前記他機IDを受信した場合に、前記ID付き楽曲に関して前記音声出力制御部を機能させる通信再生機能部と、を更に備えてもよい。
【0013】
また、前記他機は、前記他機IDを近距離無線通信で送信することを含むID送信処理を実行し、当該ID送信処理に係る通信の成功直後に前記ID付き楽曲に係る音源データの再生出力を開始する機能を備えており、前記通信再生機能部は、前記他機から前記他機IDを受信することを含むID受信処理を実行し、当該ID受信処理に係る通信の成功直後に、前記ID付き楽曲に関して前記音声出力制御部に前記合成出力を開始させてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、新たな興趣を追加することができる楽曲再生玩具の技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3】楽曲の再生・出力と台詞音声の再生・出力とを説明する図。
【
図4】デュエット曲に関する音源データを説明する図。
【
図5】楽曲再生玩具の通信再生機能及び再生出力開始機能を説明する図。
【
図6】変形例において楽曲再生玩具が再生可能なデュエット曲を示す図。
【
図7】楽曲再生玩具の機能構成例を示すブロック図。
【
図8】楽曲再生玩具が行う処理の流れを示すフローチャート。
【
図9】通信再生制御処理及び再生出力開始制御処理の流れを示すフローチャート。
【
図13】楽曲再生玩具の通信再生機能及び再生出力開始機能を説明する図。
【
図14】変形例における楽曲の再生・出力と台詞音声の再生・出力とを説明する図。
【
図15】変形例において楽曲再生玩具が行う処理の流れを示すフローチャート。
【
図16】変形例における通信再生制御処理及び再生出力開始制御処理の流れを示すフローチャート。
【
図17】変形例における再生時処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照し、本発明の好適な実施形態について、全体形状がマイク形状の楽曲再生玩具を例に挙げて説明する。なお、以下説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
【0017】
図1及び
図2は、本実施形態の楽曲再生玩具1の概略構成例を示す図である。
図1及び
図2に示すように、本実施形態では、外観の異なる2種類の楽曲再生玩具1(1-1,1-2)が用意される。3種類以上を用意することとしてもよい。何れもマイクを模した形態とされるが、別々の歌手やキャラクタ(
図1及び
図2ではキャラクタC1,C2;以下「イメージキャラクタ」ともいう)をそれぞれイメージして、各部の配色や装飾等が異なる外観となっている。以下、楽曲再生玩具1の種類のことを「タイプ」と呼び、
図1-1のタイプを「タイプX」、
図1-2のタイプを「タイプY」と呼んで識別する。
【0018】
楽曲再生玩具1は、所定の楽曲や所定の台詞音声を再生・出力することができる。本実施形態では、楽曲は、所定の歌パートと所定の曲パートとを含む楽曲とする。具体的には、例えば、楽曲再生玩具1-1において再生・出力可能な楽曲は、対応するイメージキャラクタC1の歌唱付き(ボーカル付き)の楽曲である。また、再生・出力可能な台詞音声は、対応するイメージキャラクタC1の台詞音声である。一方、楽曲再生玩具1-2において再生・出力可能な楽曲は、対応するイメージキャラクタC2の歌唱付き(ボーカル付き)の楽曲である。また、再生・出力可能な台詞音声は、対応するイメージキャラクタC2の台詞音声である。
【0019】
より詳細には、
図1及び
図2に示すように、各楽曲再生玩具1(1-1,1-2)は、例えば、3つのソロ曲と、2つのデュエット曲と、5種類の台詞音声と、の再生・出力が可能となっている。
【0020】
ソロ曲は、ソロの歌パートと、曲パートとで構成された楽曲であり、曲パートの演奏を背景に、当該玩具に対応するイメージキャラクタが歌パートをソロで歌った楽曲として用意される。ソロであるため、歌パートは1つの歌パートと言うことができる。
【0021】
デュエット曲は、デュエットとしての2つの歌パートと、曲パートとで構成された楽曲であり、曲パートの演奏を背景に、当該玩具に対応するイメージキャラクタと、当該玩具ではないもう一方の玩具(他機と言うことができる)に対応するイメージキャラクタとが担当の歌パートをそれぞれ歌った楽曲として用意される。本実施形態では、2つの歌パートのうちの一方をメインパート(MP)と呼び、他方をサブパート(SP)と呼んで区別する。
【0022】
具体的には、例えば、楽曲再生玩具1のタイプ毎に、当該タイプをメインパートに割り当てたデュエット曲(当該タイプのイメージキャラクタがメインパートを歌うデュエット曲)が1曲ずつ用意される。本実施形態では、タイプは2種類であるので、メインパートの割り当てがタイプXで、サブパートの割り当てがタイプYであるデュエット曲Sxyと、メインパートの割り当てがタイプYで、サブパートの割り当てがタイプXであるデュエット曲Syxと、が各楽曲再生玩具1にて再生・出力可能なデュエット曲として用意される。タイプが3つ以上ある場合には、メインパートとは異なるタイプをサブパートに割り当てたデュエット曲を、メインパート及びサブパートの各タイプの楽曲再生玩具1で再生・出力可能なデュエット曲として用意しておく。
【0023】
デュエット曲は、所定のIDと対応づけられたID付き楽曲に相当する。詳細を後述するように、デュエット曲については、メインパート及びサブパートの各タイプの楽曲再生玩具1間でIDを用いた所定の通信が成功した場合にのみ、再生・出力が可能となる。
【0024】
ユーザは、楽曲再生玩具1(1-1,1-2)をマイクのように手に持ち、音声出力される楽曲を聞いたり、そのイメージキャラクタの歌手等になりきってソロ曲やデュエット曲の音声出力に合わせて歌ったり、台詞音声を出力して楽しむことができる。なお、再生・出力可能なソロ曲、デュエット曲、及び台詞音声の数は一例であって、例示した数に特に限定されない。
【0025】
1.装置構成について
図1等に示すように、各タイプの楽曲再生玩具1のそれぞれは、楽曲の開始指示等を入力するためのAボタン11と、台詞音声の開始指示を入力するためのBボタン13と、「ボーカルオン」と「ボーカルオフ」との切替指示を入力するためのボーカルスイッチ15と、楽曲の音源データや台詞音声データを音声出力するためのスピーカー17と、赤外線通信モジュール19と、を備える。また、その他にも、電源ボタンや音量ボタン、内蔵バッテリー等を備える。なお、マイクの機能を追加し、集音したユーザの歌声を楽曲の出力に合わせて音声出力する構成も可能である。
【0026】
楽曲再生玩具1は、電源が投入されると、楽曲(ソロ曲又はデュエット曲)や台詞音声の開始指示等を受け付ける待機モードに移行する。Aボタン11は各種の操作が可能なボタンであり、ユーザは待機モード中に単発の押下操作をすることでソロ曲の開始指示として入力することができ、繰り返しの押下操作をすることで出力対象のソロ曲を順番に切り替えることができる。
【0027】
また、ユーザは、待機モード中にAボタン11を長押し操作することでデュエット曲の開始指示として入力することができる。
【0028】
また、ユーザは、楽曲(ソロ曲又はデュエット曲)の出力中にAボタン11を長押し操作することで出力の停止指示として入力することができる。停止指示がなされると、当該楽曲の再生・出力が強制終了して、待機モードに移行する。
【0029】
Bボタン13は、待機モード中又は楽曲の音声出力中の押下操作(台詞音声出力操作)を、台詞音声の開始指示として入力するためのボタンである。
【0030】
ボーカルスイッチ15は、例えば、ボーカルオンとボーカルオフとを切り替えるスライドスイッチを用いて構成される。スライドスイッチは、2つの位置のどちらかにボタンを変位させて切り替えるタイプとしてもよいし、所定の初期位置に戻るように付勢されたボタンをその付勢力に抗ってスライドさせるようにして操作するタイプとしてもよい。後者の場合には、ボーカルスイッチ15による切替操作は、楽曲の音声出力中のみ有効(すなわち操作入力を受け付けること)とすると好適である。
【0031】
赤外線通信モジュール19は、他の楽曲再生玩具1との間で近距離無線通信の1つである赤外線通信を行う。なお、他の楽曲再生玩具1との間で行う通信は赤外線通信に限らず、Bluetooth(登録商標)による通信等の他の近距離無線通信を行う構成としてもよい。その場合は、本実施形態の赤外線通信にかえて、当該他の近距離無線通信を行う。
【0032】
2.再生・出力について
上記したように、本実施形態の楽曲再生玩具1は、楽曲の再生・出力、及び、台詞音声の再生・出力を行う。そして、出力にあたっては、途中で歌パートに係る音量をゼロにする消音制御を行って曲パートのみの音が出力されるようにしたり、一度消音した歌パートの音を再び曲パートと併せて出力させることができる。また、楽曲の音声出力中に台詞音声を出力させることも可能である。
【0033】
そのために、楽曲再生玩具1には、楽曲毎に、当該楽曲の音源データとして、第1の音源データ及び第2の音源データが記憶されている。第1の音源データは、例えば、該当する楽曲の歌パートの音源と曲パートの音源とを含むデータ(以下「ボーカル付き音源データ」という)であり、第2の音源データは、該当する楽曲の歌パートの音源を含まず、曲パートの音源を含むデータ(以下「ボーカル無し音源データ」という)である。また、楽曲再生玩具1には、各台詞音声の台詞音声データが記憶されている。
【0034】
図3は、ソロ曲を例に挙げて、楽曲の再生・出力と、当該楽曲の出力中における台詞音声の再生・出力とを説明する図であり、操作入力に応じた音源データ及び台詞音声データの音量の変化を示している。
図3に示すように、待機モード中にAボタン11が押下操作されてソロ曲の開始指示が入力された場合には、楽曲再生玩具1は、再生対象のソロ曲を選択する。そして、楽曲再生玩具1は、選択したソロ曲のボーカル付き音源データと、ボーカル無し音源データとを同時に再生して合成出力する音声出力制御処理を実行する。例えば、楽曲再生玩具1は、当該ソロ曲のボーカル付き音源データ及びボーカル無し音源データを、予め基本音量として定められた所定の音量で合成出力する。これにより、楽曲再生玩具1は、楽曲(ここではソロ曲)の基本再生状態となる。
【0035】
そして、当該ソロ曲の出力中にBボタン13が押下操作されて台詞音声の開始指示が入力された場合には、楽曲再生玩具1は、再生対象の台詞音声を、例えばランダムに選択する。そして、楽曲再生玩具1は、第1音源音量抑制制御を行ってボーカル付き音源データに係る音量を消音するとともに、選択した台詞音声の台詞音声データを再生して基本音量で音声出力する台詞音声出力制御処理を実行する。このとき、ボーカル無し音源データは継続して出力されているため、ボーカル無し音源データと台詞音声データとが合成出力される状態となる。台詞音声データの再生・出力を終えたならば、楽曲再生玩具1は、ボーカル付き音源データに係る音量を基本音量に戻す。すなわち、ボーカル付き音源データとボーカル無し音源データとを同時に基本音量で合成出力する状態(基本再生状態)に戻す。
【0036】
また、当該ソロ曲の音声出力中にボーカルスイッチ15がボーカルオフに切り替えられた場合には、楽曲再生玩具1は、ボーカル付き音源データに係る音量を消音することで第1音源音量抑制制御を行う第1音源音量抑制制御処理を実行する。ここでの処理により、ボーカル付き音源データの音量がゼロとされる。結果、歌パートが聞こえなくなり、ボーカル無し音源データのみ(当該ソロ曲の曲パートのみ)が流れるカラオケモードとなる。なお、ボーカル付き音源データの音量がゼロになった分全体の音量も小さくなるため、ボーカル無し音源データの音量を基本音量よりも大きくする音量調整を行う構成としてもよい。
【0037】
また、その後にボーカルスイッチ15がボーカルオンに切り替えられた場合には、楽曲再生玩具1は、ボーカル付き音源データに係る音量を基本音量に戻す。第1音源音量抑制制御処理の際にボーカル無し音源データの音量を基本音量よりも大きく調整している場合には、当該音量を基本音量に戻す。結果、ボーカル付き音源データとボーカル無し音源データとを同時に基本音量で合成出力する状態(基本再生状態)に戻り、歌パートが再び聞こえるようになる。ユーザは、合成出力中に所定の操作を行うことでボーカル無し音源データのみが聞こえるカラオケモードにしたり、ボーカル付き音源データとボーカル無し音源データとの両方の合成音声を聞ける状態に戻したりして、音声出力される楽曲を多様に楽しむことができる。例えば、ボーカル音声を楽しんでいる途中でカラオケモードに切り替え、曲のサビ部分だけユーザが自分で歌って楽しむ等、思い思いの使い方で楽しむことができる。
【0038】
3.デュエット曲の再生について
基本的には、デュエット曲についても音源データが楽曲再生玩具1に記憶され、
図3を参照して説明したソロ曲と同様の要領で再生・出力される。ただし、デュエット曲はID付き楽曲であり、その音源データには所定のIDが対応づけられている。そして、デュエット曲は、一方のタイプの楽曲再生玩具1(以下適宜「自機」と呼ぶ)と、自機のタイプではない他のタイプの楽曲再生玩具1(以下適宜「他機」と呼ぶ)との間で当該デュエット曲に係るIDを用いた通信が成功した場合に限り、再生・出力が可能になっている。以下、1つのデュエット曲Sxyに着目して、音源データの構成と、その再生・出力に係る楽曲再生玩具1の機能と、について説明する。
【0039】
3-1.デュエット曲の音源データについて
デュエット曲は、上記したように、メインパート及びサブパートの2つの歌パートと、曲パートとで構成され、メインパートに割り当てられたタイプの楽曲再生玩具1と、サブパートに割り当てられたタイプの楽曲再生玩具1とで再生・出力が可能とされる。
図4は、デュエット曲Sxyに関する音源データを説明する図である。本実施形態では、ソロ曲及びデュエット曲の各楽曲の音源データは、該当する楽曲に係る楽曲データに含めて各楽曲再生玩具1-1,1-2の記憶部150(
図7を参照)に記憶される。
【0040】
具体的には、
図4に示すように、楽曲データ200は、楽曲を識別するための楽曲番号201と、当該楽曲がソロ曲なのかデュエット曲なのかを示す楽曲種類202と、ボーカル付き音源データ207(207-1,207-2)と、ボーカル無し音源データ209と、を格納する。また、楽曲データ200は、当該楽曲がデュエット曲の場合には、メインパートタイプ203と、サブパートタイプ204と、ID205と、を格納する。
【0041】
メインパートタイプ203には、該当するデュエット曲のメインパートに割り当てられた楽曲再生玩具1のタイプが設定される。また、サブパートタイプ204には、当該デュエット曲のサブパートに割り当てられた楽曲再生玩具1のタイプが設定される。
【0042】
ID205は、当該デュエット曲のサブパートに割り当てられた楽曲再生玩具1のタイプを示すIDが対応づけられる。例示するデュエット曲SxyのサブパートにはタイプYが割り当てられているため、ID205には「Y」が設定される。
【0043】
ここで、楽曲再生玩具1-1を自機として着目すると、デュエット曲SxyのID205は他機である楽曲再生玩具1-2のタイプYを示しており、他機IDに該当する。よって、楽曲再生玩具1-1にとってデュエット曲Sxyは、他機IDと対応づけられたID付き楽曲である。これに対し、楽曲再生玩具1-2を自機として着目した場合、デュエット曲SxyのID205は自機のタイプを示している。よって、楽曲再生玩具1-2にとってデュエット曲Sxyは、他機IDと対応づけられたID付き楽曲には該当しない。
【0044】
デュエット曲の音源データは、ソロ曲と同様に、第1の音源データであるボーカル付き音源データ207と、第2の音源データであるボーカル無し音源データ209とで構成される。ただし、デュエット曲の場合、自機のタイプがメインパート及びサブパートの何れに割り当てられているのかによって、ボーカル付き音源データ207のデータ内容が異なる。
図4のデュエット曲Sxyを例に挙げると、メインパートに割り当てられたタイプXの楽曲再生玩具1-1には、メインパートの音源及び曲パートの音源を含むデータ(メインパート用のデータ)が、ボーカル付き音源データ207-1として記憶される。一方、サブパートに割り当てられたタイプYの楽曲再生玩具1-2には、サブパートの音源及び曲パートの音源を含むデータ(サブパート用のデータ)が、ボーカル付き音源データ207-2として記憶される。デュエット曲Syxの場合には、各楽曲再生玩具1のメインパートとサブパートとがデュエット曲Sxyと逆になるので、記憶される音源データ(メインパート用のデータかサブパート用のデータか)も逆になる。
【0045】
そして、各楽曲再生玩具1は、待機モード中にAボタン11が長押し操作されてデュエット曲の開始指示が入力された場合には、後述するデュエット曲再生機能によって、出力対象のデュエット曲について音声出力制御処理を開始する。これにより、各楽曲再生玩具1は、楽曲(ここではデュエット曲)の基本再生状態となる。但し、待機モード中にどちらの楽曲再生玩具1のAボタン11が長押し操作されるかによって、出力対象のデュエット曲が変わる。例示のデュエット曲Sxyを開始する場合であれば、楽曲再生玩具1-1のAボタン11が長押し操作される必要がある。Aボタン11が長押し操作された楽曲再生玩具1-1は、通信再生機能によってデュエット要求を楽曲再生玩具1-2に送信する等の通信が成功した場合に音声出力制御処理を開始し、メインパート用のデータである、ボーカル付き音源データ207-1及びボーカル無し音源データ209を同時に再生して合成出力する。
【0046】
一方、楽曲再生玩具1-2では、楽曲再生玩具1-1からのデュエット要求を受信する等の通信が成功した場合に再生出力開始機能によって楽曲再生玩具1-1と同時期に音声出力制御処理を開始し、サブパート用のデータである、ボーカル付き音源データ207-2及びボーカル無し音源データ209を同時に再生して合成出力する。すなわち、楽曲再生玩具1-1での合成出力によりデュエット曲Sxyのメインパート及び曲パートが音声出力されるとともに、これと同期するようにして、楽曲再生玩具1-2での合成出力によりデュエット曲Sxyのサブパート及び曲パートが音声出力される。結果、各楽曲再生玩具1での合成出力が重なって、曲パートに合わせたメインパート及びサブパートの音声出力が実現される。
【0047】
また、当該デュエット曲Sxyの音声出力中に、楽曲再生玩具1-1にてボーカルスイッチ15がボーカルオフに切り替えられると、楽曲再生玩具1-1が第1音源音量抑制制御処理を実行することで、メインパートが消音される。一方、楽曲再生玩具1-2にてボーカルスイッチ15がボーカルオフに切り替えられると、楽曲再生玩具1-2が第1音源音量抑制制御処理を実行することで、サブパートが消音される。
【0048】
つまり、デュエット曲については、2つの楽曲再生玩具1により、以下の組み合わせの音声が出力可能となる。
(1)「メインパート+サブパート+曲パート」
楽曲再生玩具1-1:メインパート+曲パートの音声出力
楽曲再生玩具1-2:サブパート+曲パートの音声出力
(2)「メインパート+曲パート」
楽曲再生玩具1-1:メインパート+曲パートの音声出力
楽曲再生玩具1-2:曲パートの音声出力(ボーカルオフ)
(3)「サブパート+曲パート」
楽曲再生玩具1-1:曲パートの音声出力(ボーカルオフ)
楽曲再生玩具1-2:サブパート+曲パートの音声出力
(4)「曲パートのみ」
楽曲再生玩具1-1:曲パートの音声出力(ボーカルオフ)
楽曲再生玩具1-2:曲パートの音声出力(ボーカルオフ)
【0049】
したがって、タイプの異なる楽曲再生玩具1が各々に記憶されている楽曲データ200に基づいてデュエット曲を再生することにより、ユーザは、メインパート及びサブパートの両方を聞きながら一緒に歌ったり、何れか一方や両方の音を消したカラオケモードを楽しむことが可能となる。同じデュエット曲でありながら、出力させる音声を多様にして、楽しみの幅を広げることができる。
【0050】
3-2.デュエット曲再生機能について
本実施形態の楽曲再生玩具1(1-1,1-2)では、再生・出力可能なデュエット曲のうち、自機に対するユーザの開始指示を受け付け可能なデュエット曲は、メインパートに自機のタイプが割り当てられたデュエット曲のみとなっている。言い換えると、ユーザの開始指示を受け付け可能なデュエット曲は、サブパートに自機ではない他のタイプが割り当てられ、当該他のタイプを示すID205が対応づけられたデュエット曲のみとなっている。つまり、自機に対するユーザの開始指示を受け付け可能なデュエット曲は、他機IDと対応づけられたID付き楽曲である。
【0051】
本実施形態では、各タイプがメインパートに割り当てられるのはそれぞれ1曲ずつなので、Aボタン11が長押し操作された楽曲再生玩具1がどれかによって、再生・出力するデュエット曲が確定する。具体的には、楽曲再生玩具1-1では、Aボタン11の長押し操作を、デュエット曲Sxy(
図1を参照)の開始指示として受け付ける。楽曲再生玩具1-2では、Aボタン11の長押し操作を、デュエット曲Syx(
図2を参照)の開始指示として受け付けることとなる。
【0052】
そして、各楽曲再生玩具1では、Aボタン11が長押し操作されてデュエット曲の開始指示を受け付けた場合に当該デュエット曲の再生・出力を開始させる機能である通信再生機能を実現するための通信再生制御処理と、他の楽曲再生玩具1にてデュエット曲の開始指示がなされたことを受けて当該デュエット曲の再生・出力を開始させる機能であるデュエット曲再生機能を実現するための再生出力開始制御処理と、を実行する。
【0053】
図5は、楽曲再生玩具1の通信再生機能及び再生出力開始機能を説明する図である。
図5では、デュエット曲Sxyの再生にあたって楽曲再生玩具1-1が通信再生制御処理を実行し、楽曲再生玩具1-2が再生出力開始制御処理を実行することで行われる、デュエット曲Sxyに係るIDを用いた楽曲再生玩具1-1,1-2間の通信を示している。また、
図5では、各楽曲再生玩具1(1-1,1-2)が記憶しているデュエット曲とIDとの関係を吹き出しで示している。
【0054】
上記したように、楽曲再生玩具1は、電源が投入されると待機モードに移行するが、この待機モードへの移行とともに、赤外線の受信を待機する待機状態となる。
【0055】
そして、
図5に示すように、待機モード中に楽曲再生玩具1-1のAボタン11が長押し操作され、デュエット曲の開始指示がなされると、再生対象がデュエット曲Sxyとして確定する。そして、当該開始指示があった楽曲再生玩具(以下「要求側玩具」ともいう)1-1では、前述の待機状態を解除した後、通信再生制御処理を実行する。通信再生制御処理では、先ず、要求側玩具1-1は、自機のタイプを示す自タイプ情報「X」を赤外線通信で送信することにより、通信圏内の楽曲再生玩具1に向けたデュエット要求の送信を行う。
【0056】
一方、待機状態にある楽曲再生玩具1が他の楽曲再生玩具1からのデュエット要求を受信した場合には、待機状態を解除した後、再生出力開始制御処理を実行する。
図5の例では、要求側玩具1-1と楽曲再生玩具(以下「受信側玩具」ともいう)1-2との間で通信が確立し、受信側玩具1-2が要求側玩具1-1からのデュエット要求を受信したことで、受信側玩具1-2が再生出力開始制御処理を開始する。
【0057】
再生出力開始制御処理では、先ず、受信側玩具1-2は、再生可能なデュエット曲Syx,Sxyの中から、受信側玩具1-2のタイプ「Y」がサブパートに割り当てられたデュエット曲であって、デュエット要求に係る自タイプ情報「X」がメインパートに割り当てられたデュエット曲Sxyを、再生対象のデュエット曲として特定する。その後、受信側玩具1-2は、特定したデュエット曲に係るID「Y」を赤外線通信で送信することを含むID送信処理を実行する。そして、受信側玩具1-2は、当該ID送信処理に係る通信の成功直後にデュエット曲Sxyについて音声出力制御処理を開始させることで、ボーカル付き音源データ207-2及びボーカル無し音源データ209の合成出力を開始させる。
【0058】
一方、要求側玩具1-1では、デュエット要求の送信後、再生対象のデュエット曲Sxyに係るIDを受信することを含むID受信処理を実行する。そして、要求側玩具1-1は、受信側玩具1-2からID「Y」を受信し、それが再生対象のデュエット曲SxyのID205と一致したことをもって、当該ID受信処理に係る通信が成功したと判定する。その場合は、要求側玩具1-1は、当該通信の成功直後にデュエット曲Sxyについて音声出力制御処理を開始させることで、ボーカル付き音源データ207-1及びボーカル無し音源データ209の合成出力を開始させる。これにより、他機IDが対応づけられたID付き楽曲について、他機と同期して再生する構成が実現できる。
【0059】
なお、本実施形態では、楽曲再生玩具1のタイプを2つとした。これに対し、タイプが3つ以上あり、2つの楽曲再生玩具1の組み合わせで再生・出力するデュエット曲が異なる場合も、上記の要領で各楽曲再生玩具1のタイプをメインパートに割り当てたデュエット曲を1曲ずつ用意し、サブパートに割り当てたタイプを示すIDを当該デュエット曲の音源データに対応づけておけばよい。
【0060】
図6は、楽曲再生玩具1のタイプが3つ(例えばタイプX,Y,Z)の場合に、各楽曲再生玩具1(1-1,1-2,1-3)において再生可能なものとして記憶されるデュエット曲の一例を示す図である。本変形例では、
図1や
図2等で例示したデュエット曲Sxy,Syxに加えて、タイプZをメインパートに割り当てたデュエット曲Szx、Szyや、タイプZをサブパートに割り当てたデュエット曲Sxz、Syzが用意されている。これにより、楽曲再生玩具1のタイプが3つ以上の場合でも、メインパートのタイプの楽曲再生玩具1が行ったデュエット要求を送信する赤外線通信に対し、サブパートのタイプの楽曲再生玩具1がIDを送信して応答する形で、再生対象のデュエット曲を同時期に(同期して)再生する構成が実現できる。
【0061】
例えば、タイプZの楽曲再生玩具1-3にてデュエット曲の開始指示があったことで楽曲再生玩具(要求側玩具)1-3が通信再生制御処理を実行し、自タイプ情報「Z」をデュエット要求として送信したとする。そして、タイプYの楽曲再生玩具(受信側玩具)1-2が、要求側玩具1-3からのデュエット要求を受信して再生出力開始制御処理を開始したとする。楽曲再生玩具1-3での開始指示なので、楽曲再生玩具1-3では再生対象がデュエット曲Szyで確定している。
【0062】
その場合には、受信側玩具1-2は、再生可能な3つのデュエット曲の中から、受信側玩具1-2のタイプ「Y」がサブパートに割り当てられたデュエット曲Sxy,Szyであって、デュエット要求として受信した自タイプ情報「Z」がメインパートに割り当てられたデュエット曲Szyを、再生対象のデュエット曲として特定する。そして、受信側玩具1-2は、当該デュエット曲Szyに係るID「Y」を送信するID送信処理を実行し、通信の成功直後にデュエット曲Szyについて音声出力制御処理を開始させる。
【0063】
一方、要求側玩具1-3では、再生対象のデュエット曲Szyに係るID「Y」を受信することを含むID受信処理を実行し、通信の成功直後にデュエット曲Szyについて音声出力制御処理を開始させる。
【0064】
4.機能構成について
図7は、楽曲再生玩具1の機能構成例を示すブロック図である。
図7に示すように、楽曲再生玩具1は、操作入力部110と、音出力部120と、近距離無線通信部130と、制御部140と、記憶部150とを備える。
【0065】
操作入力部110は、ユーザの操作入力に応じた操作入力信号を制御部140へ出力する。例えば、プッシュスイッチやスライドスイッチ、ダイヤルスイッチ、レバースイッチ等によって実現できる。
図1や
図2では、Aボタン11、Bボタン13、ボーカルスイッチ15がこれに該当する。
【0066】
音出力部120は、制御部140からの音信号に基づく各種音出力を行う。本実施形態では、再生対象の楽曲の音源データや台詞音声の台詞音声データを音声出力する。
図1や
図2では、スピーカー17がこれに該当する。
【0067】
近距離無線通信部130は、他の楽曲再生玩具1との近距離無線通信を実現する。例えば、赤外線通信やBluetooth(登録商標)による通信等を行う近距離無線機で構成される。
図1や
図2では、赤外線通信モジュール19がこれに該当する。
【0068】
制御部140は、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等の各種プロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(field-programmable gate array)、ICメモリ等の電子部品によって実現され、装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部110からの操作入力信号、他の楽曲再生玩具1から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を実行し、楽曲再生玩具1の動作を統括的に制御する。
【0069】
また、制御部140は、音声出力制御部141と、第1音源音量抑制制御部143と、台詞音声出力制御部145と、通信再生機能部147と、再生出力開始制御部149とを含む。これらの機能部は、プログラムを実行することによりソフトウェアとして実現される処理ブロックであってもよいし、ASICやFPGA等のハードウェア回路によって実現される回路ブロックであってもよい。
【0070】
音声出力制御部141は、音声出力制御処理を実行する機能部であり、再生対象の楽曲に関するボーカル付き音声データに基づく音声と、ボーカル無し音声データに基づく音声とを所与の音量割合で合成出力する。本実施形態では、音声出力制御部141は、基本再生状態において、ボーカル付き音声データに係る音量とボーカル無し音声データに係る音量とを、略同量の音量割合で合成出力する。例えば、音声出力制御部141は、待機モード中にAボタン11が押下操作されて楽曲の開始指示が入力された場合に、ボーカル付き音声データ及びボーカル無し音声データを基本音量で合成出力する。
【0071】
第1音源音量抑制制御部143は、第1音源音量抑制制御処理を実行する機能部であり、音声出力制御部141による楽曲音声の出力中にボーカルスイッチ15がボーカルオフに切り替えられた場合に、音声出力中の楽曲の当該楽曲のボーカル付き音源データに係る音量を消音する第1音源音量抑制制御を行う。本実施形態では、第1音源音量抑制制御部143は、当該楽曲のボーカル無し音声データに係る音量を維持しつつ、第1音源音量抑制制御を行う。
【0072】
台詞音声出力制御部145は、台詞音声出力制御処理を実行する機能部であり、楽曲音声の出力中にBボタン13が押下操作された場合に、先ず、再生対象の台詞音声をランダムに選択する。そして、台詞音声出力制御部145は、第1音源音量抑制制御部143が行う要領で第1音源音量抑制制御を行い、音声出力中の楽曲のボーカル付き音源データに係る音量を消音するとともに、当該台詞音声の台詞音声データを再生して音声出力する。また、本実施形態では、台詞音声出力制御部145は、待機モード中にBボタン13が押下操作された場合にも再生対象の台詞音声を選択し、当該台詞音声の台詞音声データを再生して音声出力する。
【0073】
通信再生機能部147は、通信再生制御処理を実行して通信再生機能を実現する機能部である。具体的には、通信再生機能部147は、待機モード中にAボタン11が長押し操作されてデュエット曲の開始指示を受け付けた場合に、他の楽曲再生玩具1との間で近距離無線通信(例えば赤外線通信)を行う。そして、通信再生機能部147は、
図5を参照して説明したID受信処理を実行し、当該ID受信処理に係る通信に成功した場合には、成功直後に音声出力制御部141を機能させて、当該デュエット曲に関して音声出力制御処理を開始させる。
【0074】
再生出力開始制御部149は、再生出力開始制御処理を実行して再生出力開始機能を実現する機能部である。具体的には、再生出力開始制御部149は、他の楽曲再生玩具1にてデュエット曲の開始指示がなされ、当該楽曲再生玩具1にて通信再生機能部147が通信再生制御処理を実行したことで当該楽曲再生玩具1からのデュエット通知を受信した場合に、
図5を参照して説明したID送信処理を実行する。そして、当該ID送信処理に係る通信に成功した場合には、成功直後に音声出力制御部141を機能させて、当該デュエット曲に関して音声出力制御処理を開始させる。
【0075】
記憶部150には、楽曲再生玩具1を動作させ、楽曲再生玩具1が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。
【0076】
例えば、記憶部150は、楽曲再生プログラム151を記憶する。楽曲再生プログラム151は、制御部140を音声出力制御部141、第1音源音量抑制制御部143、台詞音声出力制御部145、通信再生機能部147、及び再生出力開始制御部149として機能させるためのプログラムである。
【0077】
また、記憶部150は、楽曲データ記憶部として楽曲データ200を記憶するとともに、台詞音声データ記憶部として台詞データ300を記憶する。
【0078】
楽曲データ200は、再生・出力可能な楽曲毎に用意される。
図4では、当該楽曲がデュエット曲の場合の楽曲データ200のデータ構成を例示した。当該楽曲がソロ曲の場合には、
図4の構成からメインパートタイプ203、サブパートタイプ204、及びID205を省いた(或いはそれらが未設定の)構成が楽曲データ200の構成となる。
【0079】
台詞データ300は、再生・出力可能な台詞音声毎に用意される。1つの台詞データ300は、該当する台詞音声の台詞番号301と、当該台詞音声に関する台詞音声データ303と、を含む。
【0080】
5.処理の流れについて
図8は、本実施形態において電源ボタンが押下操作されて電源が投入された場合に楽曲再生玩具1が行う処理の流れを示すフローチャートである。ここで説明する処理は、制御部140が楽曲再生プログラム151を読み出して実行することによって実現される。
【0081】
図8に示すように、楽曲再生玩具1は、電源が投入されると待機モードに移行する(ステップS1)。そして、待機モードに移行した場合は、制御部140は、赤外線の受信を待機する待機状態を設定する(ステップS3)。
【0082】
そして、制御部140は、待機モード中にAボタン11が押下操作された場合には(ステップS5:YES)、待機状態を解除した後(ステップS7)、再生対象のソロ曲を選択する(ステップS9)。繰り返しAボタン11が押下操作された場合には、当該押下操作のたびに再生可能なソロ曲を順番に選択していくことで、再生対象のソロ曲を選択する。当該選択の後、音声出力制御部141が音声出力制御処理を実行し、ステップS9で選択したソロ曲の再生・出力を開始する(ステップS11)。音声出力制御処理では、音声出力制御部141は、当該ソロ曲に係る楽曲データ200を参照し、ボーカル付き音声データ及びボーカル無し音声データを同時に再生して合成出力する。そして、再生・出力を開始した後は、再生時処理を行う(ステップS13)。
【0083】
また、制御部140は、待機モード中にAボタン11が長押し操作された場合には(ステップS15:YES)、待機状態を解除した後(ステップS17)、通信再生機能部147が、通信再生制御処理を実行する(ステップS19)。
【0084】
また、制御部140は、待機モード中にBボタン13が押下操作された場合には(ステップS21:YES)、待機状態を解除した後(ステップS23)、台詞音声出力制御部145が、再生対象の台詞音声を例えばランダムに選択する(ステップS25)。そして、台詞音声出力制御部145は、当該台詞音声の台詞音声データを再生して音声出力する(ステップS27)。
【0085】
また、制御部140は、待機モード中に他の楽曲再生玩具1との通信が確立し、デュエット要求を受信した場合には(ステップS29:YES)、待機状態を解除した後(ステップS31)、再生出力開始制御部149が、再生出力開始制御処理を実行する(ステップS33)。
【0086】
その後、制御部140は、終了判定を行って、終了と判定するまでは(ステップS35:NO)、ステップS1に戻って待機モードに移行し、上記した処理を繰り返す。例えば、電源ボタンが押下操作され、電源を遮断する場合は(ステップS35:YES)、本処理を終える。
【0087】
図9は、
図8のステップS19で実行する通信再生制御処理及びステップS33で実行する再生出力開始制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、楽曲再生玩具1の2つのタイプのうちの一方のタイプの楽曲再生玩具(要求側玩具)1にて通信再生機能部147が通信再生制御処理を行い、他方のタイプの楽曲再生玩具(受信側玩具)1との通信が確立したことで受信側玩具1の再生出力開始制御部149が再生出力開始制御処理を行う場合を想定し、各処理の流れを説明する。なお、
図9では、要求側玩具1の通信再生制御処理の前段の処理をステップS15及びステップS17として示し、受信側玩具1の再生出力開始制御処理の前段の処理をステップS29及びステップS31として示している。
【0088】
図9に示すように、要求側玩具1にて待機モード中にAボタン11が長押し操作されると(ステップS15:YES)、待機状態を解除した後(ステップS17)、通信再生機能部147が通信再生制御処理を実行する(ステップS19)。すなわち、通信再生制御処理では、通信再生機能部147は、先ず、自機のタイプを示す自タイプ情報を赤外線通信で送信することにより、デュエット要求の送信を行う(ステップS191)。
【0089】
一方、受信側玩具1では、デュエット要求を受信すると(ステップS29:YES)、待機状態を解除した後(ステップS31)、再生出力開始制御部149が再生出力開始制御処理を実行する(ステップS33)。すなわち、再生出力開始制御部149は、デュエット要求に係る自タイプ情報をもとに再生対象のデュエット曲を特定する(ステップS331)。続いて、再生出力開始制御部149は、ID送信処理を実行し、特定したデュエット曲に係るIDを赤外線通信で送信する(ステップS332)。そして、再生出力開始制御部149は、ステップS332で実行したID送信処理に係る通信に成功したならば(ステップS333:YES)、成功直後に音声出力制御処理を開始させることで、再生対象のデュエット曲の再生を開始する(ステップS334)。そして、再生を開始させたならば、再生出力開始制御処理を終えて、再生時処理を実行する(ステップS335)。
【0090】
また、要求側玩具1では、通信再生機能部147は、ステップS191でデュエット要求を送信した後、ID受信処理を実行する(ステップS192)。その後、通信再生機能部147は、再生対象のデュエット曲に係るIDの受信を待機する。そして、通信再生機能部147は、当該IDを受信し、ステップS192で実行したID受信処理に係る通信に成功したならば(ステップS193:YES)、成功直後に音声出力制御処理を開始させることで、再生対象のデュエット曲の再生を開始する(ステップS194)。そして、再生を開始させたならば、通信再生制御処理を終えて、再生時処理を実行する(ステップS195)。
【0091】
次に、
図8のステップS13、
図9のステップS195及びステップS335で行う再生時処理を説明する。
図10は、再生時処理の流れを示すフローチャートである。
【0092】
再生時処理では、
図8のステップS13で当該再生時処理を行う場合であれば、ステップS11で再生・出力を開始したソロ曲の再生・出力を終了するまでの間、ユーザの各種操作を受け付ける。
図9のステップS195やステップS335で当該再生時処理を行う場合であれば、
図9のステップS194やステップS334で再生・出力を開始したデュエット曲の再生・出力を終了するまでの間、ユーザの各種操作を受け付ける。
【0093】
すなわち、再生時処理では、制御部140は、Aボタン11が長押し操作された場合には(ステップS101:YES)、音声出力中の楽曲(ソロ曲又はデュエット曲)の再生・出力(実行中の音声出力制御処理)を当該時点で終了する(ステップS103)。
【0094】
また、Bボタン13が押下操作された場合には(ステップS105:YES)、台詞音声出力制御部145が台詞音声出力制御処理を実行し、先ず、再生対象の台詞音声を例えばランダムに選択する(ステップS107)。続いて、台詞音声出力制御部145は第1音源音量抑制制御を行い、音声出力中の楽曲のボーカル付き音源データに係る音量を消音するとともに(ステップS109)、ステップS107で選択した台詞音声の台詞音声データを再生して音声出力する(ステップS111)。台詞音声データの再生・出力を終えたならば、台詞音声出力制御部145は、ステップS109で消音したボーカル付き音源データに係る音量を基本音量に戻す(ステップS113)。
【0095】
また、ボーカルスイッチ15がボーカルオンからボーカルオフに切替操作された場合には(ステップS115:YES)、第1音源音量抑制制御部143が第1音源音量抑制制御処理を実行し、音声出力中の楽曲のボーカル付き音源データに係る音量を消音する第1音源音量抑制制御を行う(ステップS117)。
【0096】
また、ボーカルスイッチ15がボーカルオフからボーカルオンに切替操作された場合には(ステップS119:YES)、第1音源音量抑制制御部143は、ステップS117で消音したボーカル付き音源データに係る音量を基本音量に戻す(ステップS121)。
【0097】
そして、再生・出力中の楽曲の再生が終了したならば(ステップS123:YES)、再生時処理を終える。なお、上記において音源データに係る音量を変化させる際に、音量を徐々に変化させて再生、消音(フェードイン、フェードアウト)するものであってもよい。
【0098】
以上説明したように、本実施形態によれば、歌パートと曲パートとを含む楽曲の音声の合成出力中にボーカルスイッチ15の切替操作をすることで、歌パートの音声を消音して曲パートだけを出力させたり、消音した歌パートを再び出力させたりして当該楽曲の再生を楽しむことができる。Bボタン13を押下操作することで、歌パートの音声を消音して台詞音声を出力させることもできる。また、デュエット曲の再生・出力にあたっては、近距離無線通信(例えば赤外線通信)によって他の楽曲再生玩具1とIDを用いた通信を行うことで、当該他の楽曲再生玩具1と同期して当該デュエット曲を再生することができる。したがって、出力される楽曲の音声を多様に楽しむことが可能となり、楽曲の音声出力における新たな興趣を追加した楽曲再生玩具1を提供することが可能となる。
【0099】
なお、本発明を適用可能な形態は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0100】
例えば、上記した実施形態では、楽曲再生玩具1の外観形態としてマイクを模した形態を例示したが、楽曲再生玩具1の外観形態は特に限定されない。例えば、
図11に示す楽曲再生玩具1Aのように、対応するイメージキャラクタ等のぬいぐるみの外観形態としてもよい。また、
図12に示す楽曲再生玩具1Bのように、イメージキャラクタ等を模したプラスチック製やソフト塩化ビニール製のフィギュアの外観形態で実現することもできる。その他、イメージキャラクタ等が使用するアイテムを模した外観形態等でもよい。ぬいぐるみやフィギュア等で実現する場合も、
図1等を参照して説明したAボタン11やBボタン13、ボーカルスイッチ15、スピーカー17等が適所に配置される。
【0101】
また、上記実施形態では、デュエット曲の再生を他タイプの楽曲再生玩具1との通信時にのみ可能とする構成を例示した。これに対し、メインパートの割り当てが自機のタイプであるデュエット曲については、サブパートの楽曲再生玩具1との通信の有無にかかわらず単独で再生可能な構成としてもよい。
【0102】
また、上記実施形態では、楽曲の歌パートの音源と曲パートの音源とを含むデータを第1の音源データとし、歌パートの音源を含まず、曲パートの音源を含むデータを第2の音源データとして、各データを同時に再生して合成出力する例を説明した。これに対し、第1の音源データについては、歌パートの音源のみで構成されたデータとすることもできる。その場合も、当該第1の音源データと第2の音源データとを同時に再生して合成出力することで、曲パートに合わせた歌パートの音声出力が実現される。
【0103】
また、上記実施形態では、歌パートと曲パートとを含む楽曲を例示したが、これに限定されない。例えば、独奏パートと伴奏パートとで構成された伴奏つきの独奏曲や合奏曲等、複数の曲パートで構成された楽曲にも同様に適用することができる。例えば、独奏パートの音源を含むデータを第1の音源データとし、独奏パートの音源を含まず、伴奏パートの音源を含むデータを第2の音源データとする等としてもよい。
【0104】
また、上記実施形態では、ボーカルスイッチ15がボーカルオフに切り替えられた場合や、Bボタン13が押下操作されて台詞音声の開始指示が入力された場合に行う第1音源音量抑制制御として、ボーカル付き音源データの音量をゼロにして消音する例を示したが、必ずしもゼロにする必要はなく、基本音量よりも小さく調整して減音する(例えば音量を半分にしたり、10%程度にしたりする)構成としてもよい。減音時音量を予め定めておくことで実現できる。
【0105】
また、上記実施形態では、デュエット曲に関して、例えば、メインパートに割り当てられたタイプXの楽曲再生玩具1-1には、メインパートの音源及び曲パートの音源を含むデータ(メインパート用のデータ)が他機ID「Y」と対応づけて記憶され、サブパートに割り当てられたタイプYの楽曲再生玩具1-2には、サブパートの音源及び曲パートの音源を含むデータ(サブパート用のデータ)が自機のID「Y」と対応づけて記憶されることとして説明した。これに対して、対応付けるIDを逆にしてもよい。
【0106】
具体的には、メインパートに割り当てられたタイプXの楽曲再生玩具1-1には、メインパート用のデータを自機のID「X」と対応づけて記憶することとし、サブパートに割り当てられたタイプYの楽曲再生玩具1-2には、サブパート用のデータを他機のID「X」と対応づけて記憶することとしてもよい。
【0107】
この場合の2つの楽曲再生玩具1間の通信は、例えば、
図13に示すようになる。
図13は、デュエット曲Sxyに係るIDを用いた楽曲再生玩具1-1,1-2間の通信を示す図であり、
図5に対応する変形例として、
図5と異なる箇所を太線及び太字で示している。
【0108】
先ず、要求側玩具1-1は、待機モード中にAボタン11が長押し操作され、デュエット曲の開始指示がなされると、自機がメインパートであるデュエット曲Sxyを再生対象のデュエット曲として確定する。次いで、要求側玩具1-1は、自機のタイプを示す自タイプ情報「X」を含むデュエット要求を送信する。
【0109】
デュエット要求を受信した受信側玩具1-2は、再生可能なデュエット曲Syx,Sxyの中から、受信側玩具1-2のタイプ「Y」がサブパートに割り当てられたデュエット曲であって、デュエット要求に係る自タイプ情報「X」がメインパートに割り当てられたデュエット曲Sxyを、再生対象のデュエット曲として特定する。次いで、受信側玩具1-2は、特定が出来たことを示す受信確認通知を赤外線通信で送信し、受信確認通知に係る通信の成功直後にデュエット曲Sxyについて音声出力制御処理を開始させる。
【0110】
一方、要求側玩具1-1では、デュエット要求の送信後、受信側玩具1-2から受信確認通知を受信したことをもって通信が成功したと判定する。要求側玩具1-1は、当該通信の成功直後にデュエット曲Sxyについて音声出力制御処理を開始させる。
【0111】
また、上記した実施形態では、楽曲の基本再生状態において、ボーカル付き音声データに係る音量と、ボーカル無し音声データに係る音量とを略同量の音量割合で合成出力する例を示したが、これに限定されない。
図14は、本変形例における楽曲の再生・出力と、当該楽曲の出力中における台詞音声の再生・出力と、をソロ曲を例に挙げて説明する図であり、操作入力に応じた音源データ及び台詞音声データの音量の変化を示している。
【0112】
本変形例において、待機モード中にAボタン11が押下操作されてソロ曲の開始指示が入力された場合には、楽曲再生玩具1は、上記実施形態と同様に、再生対象のソロ曲を選択する。そして、楽曲再生玩具1は、選択したソロ曲のボーカル付き音源データに基づく音声と、ボーカル無し音源データに基づく音声とを合成出力する音声出力制御処理を実行する。その際、本変形例では、楽曲再生玩具1は、
図14に示すように、当該ソロ曲のボーカル付き音源データに係る音量を基本音量とし、当該ソロ曲のボーカル無し音源データに係る音量を消音(ゼロ)とする音量割合で、当該合成出力を行う。これにより、楽曲再生玩具1は、楽曲(ここではソロ曲)の基本再生状態となる。つまり、本変形例での基本再生状態は、ボーカル無し音源データは音声出力されず、ボーカル付き音源データのみが音声出力される状態をいう。
【0113】
そして、当該ソロ曲の出力中にBボタン13が押下操作されて台詞音声の開始指示が入力された場合には、楽曲再生玩具1は、再生対象の台詞音声を、例えばランダムに選択する。そして、楽曲再生玩具1は、第1音源音量抑制制御を行い、ボーカル付き音源データに係る音量を消音する。また、楽曲再生玩具1は、当該第1音源音量抑制制御の実行に合わせて、ボーカル無し音源データに係る音量を上げる第2音源音量制御を行う。例えば、楽曲再生玩具1は、ボーカル無し音源データに係る音量を基本音量まで上げる。そして、楽曲再生玩具1は、選択した台詞音声の台詞音声データを再生して基本音量で音声出力する台詞音声出力制御処理を実行する。したがって、ボーカル付き音源データに係る音量を消音(ゼロ)とし、ボーカル無し音源データに係る音量を基本音量とし、更に、選択した台詞音声データに係る音量を基本音量とする音量割合で合成出力される状態となる。結果的にユーザが聞く音声は、ボーカル無し音源データ(当該ソロ曲の曲パートのみ)の音声の上に、台詞音声データの音声が重なったものとなる。
【0114】
台詞音声データの再生・出力を終えたならば、楽曲再生玩具1は、ボーカル付き音源データに係る音量を基本音量に戻すとともに、ボーカル無し音源データに係る音量をゼロ(消音)に戻す。すなわち、ボーカル付き音源データのみを音声出力する状態(基本再生状態)に戻す。そして、その際に、楽曲再生玩具1は、ボーカル付き音源データに係る音量については、ゼロから基本音量まで徐々に音量を上げてフェードインさせる制御を行う。また、楽曲再生玩具1は、ボーカル無し音源データに係る音量については、基本音量からゼロまで徐々に音量を下げてフェードアウトさせる制御を行う。
【0115】
また、当該ソロ曲の音声出力中にボーカルスイッチ15がボーカルオフに切り替えられた場合には、楽曲再生玩具1は、ボーカル付き音源データに係る音量を消音することで第1音源音量抑制制御を行う第1音源音量抑制制御処理を実行する。また、楽曲再生玩具1は、当該第1音源音量抑制制御の実行に合わせて、ボーカル無し音源データに係る音量を例えば基本音量まで上げる第2音源音量制御を行う。これにより、楽曲再生玩具1は、ボーカル付き音源データに係る音量を消音(ゼロ)とし、ボーカル無し音源データに係る音量を基本音量とする音量割合で合成出力する状態となる。結果、歌パートが聞こえなくなり、ボーカル無し音源データのみ(当該ソロ曲の曲パートのみ)が流れるカラオケモードとなる。ここで、楽曲再生玩具1は、ボーカル付き音源データに係る音量については、基本音量からゼロまで徐々に音量を下げてフェードアウトさせる制御を行う。また、楽曲再生玩具1は、ボーカル無し音源データに係る音量については、ゼロから基本音量まで徐々に音量を上げてフェードインさせる制御を行う。
【0116】
また、その後にボーカルスイッチ15がボーカルオンに切り替えられた場合には、楽曲再生玩具1は、ボーカル付き音源データに係る音量を基本音量に戻すとともに、ボーカル無し音源データに係る音量をゼロに戻す。その際、楽曲再生玩具1は、ボーカル付き音源データに係る音量については、ゼロから基本音量まで徐々に音量を上げてフェードインさせる制御を行う。また、楽曲再生玩具1は、ボーカル無し音源データに係る音量については、基本音量からゼロまで徐々に音量を下げてフェードアウトさせる制御を行う。結果、ボーカル付き音源データのみを音声出力する状態(基本再生状態)に戻り、歌パートが再び聞こえるようになる。
【0117】
このように、本変形例では、基本再生状態のときはボーカル付き音源データのみが基本音量で出力され、台詞音声データの再生・出力中やカラオケモードのときはボーカル無し音源データのみが基本音量で出力されることとなる。したがって、楽曲の音声出力中になされる台詞音声の開始指示やボーカルスイッチ15の操作の前後で、音量が大きく変化することがなくなる。
【0118】
図15~
図17は、本変形例において楽曲再生玩具1が行う処理の流れを示すフローチャートである。
図15は、本変形例において電源ボタンが押下操作されて電源が投入された場合に、楽曲再生玩具1が行う処理の流れを示すフローチャートである。また、
図16は、
図15のステップS19で実行する通信再生制御処理及びステップS33で実行する再生出力開始制御処理の流れを示すフローチャートである。また、
図17は、
図15のステップS13、
図16のステップS195及びステップS335で行う再生時処理の流れを示すフローチャートである。
図15~
図17の各図中、上記実施形態において
図8~
図10を参照して説明したのと同様の処理工程には、同一の符号を付して示している。
【0119】
図15に示すように、本変形例では、楽曲再生玩具1は、ステップS9で再生対象のソロ曲を選択した後、当該ソロ曲のボーカル付き音源データに基づく音声とボーカル無し音源データに基づく音声とを合成出力する音声出力制御処理を実行して、当該ソロ曲の再生・出力を開始する(ステップS91)。本変形例の音声出力制御処理では、楽曲再生玩具1は、当該ソロ曲に係る楽曲データ200を参照し、ボーカル付き音声データに係る音量を基本音量とし、ボーカル無し音源データに係る音量を消音(ゼロ)とする音量割合で、当該合成出力を行う。そして、再生・出力を開始した後は、ステップS13に移行して再生時処理を行う。
【0120】
また、本変形例では、楽曲再生玩具(要求側玩具)1は、
図16の通信再生制御処理(ステップS19)において、ステップS192で実行したID受信処理に係る通信に成功した場合に(ステップS193:YES)、成功直後に音声出力制御処理を開始させることで、再生対象のデュエット曲の再生を開始する(ステップS196)。ここでの音声出力制御処理では、楽曲再生玩具(要求側玩具)1は、当該デュエット曲に係る楽曲データ200を参照し、ボーカル付き音源データに基づく音声と、ボーカル無し音源データに基づく音声とを合成出力する。その際、楽曲再生玩具(要求側玩具)1は、ボーカル付き音声データに係る音量を基本音量とし、ボーカル無し音源データに係る音量を消音(ゼロ)とする音量割合で、当該合成出力を行う。再生を開始させたならば、通信再生制御処理を終えて、ステップS195の再生時処理を行う。
【0121】
また、本変形例では、楽曲再生玩具(受信側玩具)1は、
図16の再生出力開始制御処理(ステップS33)において、ステップS332で実行したID送信処理に係る通信に成功した場合に(ステップS333:YES)、成功直後に音声出力制御処理を開始させることで、再生対象のデュエット曲の再生を開始する(ステップS336)。ここでの音声出力制御処理では、楽曲再生玩具(受信側玩具)1は、当該デュエット曲に係る楽曲データ200を参照し、ボーカル付き音源データに基づく音声と、ボーカル無し音源データに基づく音声とを合成出力する。その際、楽曲再生玩具(受信側玩具)1は、ボーカル付き音声データに係る音量を基本音量とし、ボーカル無し音源データに係る音量を消音(ゼロ)とする音量割合で、当該合成出力を行う。再生を開始させたならば、再生出力開始制御処理を終えて、ステップS335の再生時処理を行う。
【0122】
また、本変形例では、楽曲再生玩具1は、
図17の再生時処理において実行する台詞音声出力制御処理において、ステップS107で再生対象の台詞音声を選択した後、ボーカルスイッチ15がボーカルオンか否かを判定する。そして、ボーカルオンではない場合(オフの場合)には(ステップS131:NO)、楽曲再生玩具1は、ステップS107で選択した台詞音声の台詞音声データを再生して音声出力する(ステップS133)。
【0123】
一方、ボーカルスイッチ15がボーカルオンの場合には(ステップS131:YES)、楽曲再生玩具1は、第1音源音量抑制制御を行って、音声出力中の楽曲のボーカル付き音源データに係る音量を消音する(ステップS135)。また、楽曲再生玩具1は、第2音源音量制御部として、ステップS135での第1音源音量抑制制御の実行に合わせて、ボーカル無し音源データに係る音量を例えば基本音量まで上げる第2音源音量制御を行う(ステップS137)。そして、楽曲再生玩具1は、ステップS107で選択した台詞音声の台詞音声データを再生して音声出力する(ステップS139)。台詞音声データの再生・出力を終えたならば、楽曲再生玩具1は、ステップS135で消音したボーカル付き音源データに係る音量を基本音量に戻すとともに、ステップS137で上げたボーカル無し音源データに係る音量をゼロ(消音)に戻す(ステップS141)。その際、楽曲再生玩具1は、ボーカル付き音源データの音量をフェードインさせ、ボーカル無し音源データの音量をフェードアウトさせる制御を行う。
【0124】
また、ボーカルスイッチ15がボーカルオンからボーカルオフに切替操作された場合には(ステップS115:YES)、第1音源音量抑制制御部143が第1音源音量抑制制御処理を実行し、音声出力中の楽曲のボーカル付き音源データに係る音量を消音する第1音源音量抑制制御を行う(ステップS143)。また、楽曲再生玩具1は、第2音源音量制御部として、ステップS143での第1音源音量抑制制御の実行に合わせて、ボーカル無し音源データに係る音量を例えば基本音量まで上げる第2音源音量制御を行う(ステップS145)。
【0125】
また、ボーカルスイッチ15がボーカルオフからボーカルオンに切替操作された場合には(ステップS119:YES)、楽曲再生玩具1は、ステップS143で消音したボーカル付き音源データに係る音量を基本音量に戻すとともに、ステップS145で上げたボーカル無し音源データに係る音量をゼロ(消音)に戻す(ステップS147)。その際、楽曲再生玩具1は、ボーカル付き音源データの音量をフェードインさせ、ボーカル無し音源データの音量をフェードアウトさせる制御を行う。なお、上記実施形態では、音源データの音量を徐々に変化させ、音量をフェードイン、フェードアウトさせる例を説明したが、これに限られることはなく、音源データの音量をすぐに切り替える仕様であってもよい。音源データの音量を徐々に変化させることで、より自然な音声の切り替えができて好ましい。
【0126】
なお、以上説明した変形例では、音声出力制御処理においてボーカル無し音源データの音量をゼロにして消音する例を示したが、必ずしもゼロにする必要はなく、ボーカル付き音源データの音量(基本音量)よりも小さい音量とする(例えば音量を半分にしたり、10%程度にしたりする)構成としてもよい。
【0127】
上記実施形態や変形例によれば、楽曲の再生・出力にあたり、当該楽曲に関する第1の音源データに基づく音声と第2の音源データに基づく音声とを所与の音量割合で合成出力することができる。また、所定の操作に応じて、合成出力される第1の音源データに係る音量を消音又は減音させることができる。そのため、例えば、合成出力中に所定の操作を行うことで主として第2の音源データを集中して聞ける状態にしたり、両方の合成音声を聞ける状態に戻したりして、出力される楽曲の音声を多様に楽しむことが可能な技術を実現できる。これによれば、楽曲の音声出力において新たな興趣が追加された楽曲再生玩具を実現することが可能となる。
【0128】
〔概括〕
上述した実施形態による本明細書の開示は、一例として次のように概括することができる。
【0129】
本開示の態様は、所定の楽曲に関する第1の音源データ及び第2の音源データを記憶する楽曲データ記憶部と、前記第1の音源データに基づく音声と前記第2の音源データに基づく音声とを所与の音量割合で合成出力する音声出力制御部と、所定の操作に応じて、前記音声出力制御部により合成出力される前記第1の音源データに係る音量を消音又は減音する第1音源音量抑制制御を行う第1音源音量抑制制御部と、を備える楽曲再生玩具である。
【0130】
この態様によれば、楽曲の再生・出力にあたり、当該楽曲に関する第1の音源データに基づく音声と第2の音源データに基づく音声とを所与の音量割合で合成出力することができる。そして、所定の操作に応じて、合成出力される第1の音源データに係る音量を消音又は減音させることができる。そのため、例えば、合成出力中に所定の操作を行うことで主として第2の音源データを集中して聞ける状態にしたり、両方の合成音声を聞ける状態に戻したりして、出力される楽曲の音声を多様に楽しむことが可能な技術を実現できる。これによれば、楽曲の音声出力において新たな興趣が追加された楽曲再生玩具を実現することが可能となる。
【0131】
また、前記楽曲は、所定の歌パートと所定の曲パートとを含む楽曲であり、前記第1の音源データは、前記所定の歌パートの音源を少なくとも含むデータであり、前記第2の音源データは、前記所定の歌パートの音源を含まず、前記所定の曲パートの音源を含むデータとしてもよい。
【0132】
歌パートと曲パートとを含む楽曲の再生・出力にあたり、歌パートの音源を少なくとも含むデータである第1の音源データと、歌パートの音源を含まず、曲パートの音源を含むデータである第2の音源データと、を同時に再生・出力させることができる。そのため、例えば、合成出力中に所定の操作を行うことで主として曲パートを集中して聞ける状態にしたり、歌パートと曲パートとの両方の合成音声を聞ける状態に戻したりして、出力される楽曲の音声を多様に楽しむことが可能な技術を実現できる。
【0133】
また、所定の台詞音声に関する台詞音声データを記憶する台詞音声データ記憶部と、所定の台詞音声出力操作に応じて、前記第1音源音量抑制制御を行うとともに、前記台詞音声データを再生して音声出力する台詞音声出力制御部と、を更に備えてもよい。
【0134】
台詞音声出力操作がなされた場合に、再生・出力中の楽曲について第1の音源データに係る音量を消音又は減音した上で、台詞音声データを再生して音声出力することができる。
【0135】
また、前記音声出力制御部は、所定の基本再生状態において、前記第1の音源データに係る音量と前記第2の音源データに係る音量とを、略同量の音量割合で合成出力し、前記第1音源音量抑制制御部は、前記所定の操作に応じて、前記第2の音源データに係る音量を維持しつつ、前記第1音源音量抑制制御を行ってもよい。
【0136】
所定の基本再生状態において、第1の音源データに係る音量と第2の音源データに係る音量とを、略同量の音量割合で合成出力することができる。そして、所定の操作に応じて、合成出力される第1の音源データに係る音量を消音又は減音させることができる。
【0137】
また、前記所定の操作に応じて、前記第1音源音量抑制制御部が前記第1音源音量抑制制御を実行するのに合わせて、前記第2の音源データに係る音量を上げる第2音源音量制御を行う第2音源音量制御部、を更に備えてもよい。
【0138】
第1の音源データに係る音量の消音又は減音時に、第2の音源データに係る音量を上げることができる。
【0139】
また、前記音声出力制御部は、所定の基本再生状態において、前記第2の音源データに係る音量を消音、又は、前記第1の音源データに係る音量よりも小さい音量、とする音量割合で合成出力してもよい。
【0140】
所定の基本再生状態において第2の音源データに係る音量を消音し、又は、当該基本再生状態において第2の音源データに係る音量を第1の音源データに係る音量よりも小さくすることができる。
【0141】
また、前記楽曲データ記憶部は、前記楽曲として、所定の他機IDと対応づけられたID付き楽曲に関する前記第1の音源データ及び前記第2の音源データを記憶しており、他機と近距離無線通信を行うための近距離無線通信部と、前記近距離無線通信によって前記他機から前記他機IDを受信した場合に、前記ID付き楽曲に関して前記音声出力制御部を機能させる通信再生機能部と、を更に備えてもよい。
【0142】
他機IDが対応づけられたID付き楽曲の再生・出力に先立ち、他機との間で近距離無線通信を行うことができる。そして、当該他機から当該他機IDを受信したら、当該ID付き楽曲の再生・出力を開始することができる。他機と一緒に用いることで、興趣性の幅が広がる楽曲再生玩具を実現することができる。
【0143】
また、前記他機は、前記他機IDを近距離無線通信で送信することを含むID送信処理を実行し、当該ID送信処理に係る通信の成功直後に前記ID付き楽曲に係る音源データの再生出力を開始する機能を備えており、前記通信再生機能部は、前記他機から前記他機IDを受信することを含むID受信処理を実行し、当該ID受信処理に係る通信の成功直後に、前記ID付き楽曲に関して前記音声出力制御部に前記合成出力を開始させてもよい。
【0144】
ID付き楽曲の再生・出力に先立ち、他機との間で他機IDを用いた近距離無線通信を行い、当該他機から当該他機IDを受信する。他機は、他機IDを近距離無線通信で送信する。そして、当該他機IDの受信及び送信が成功した直後に、互いに当該ID付き楽曲の再生・出力を開始することができる。したがって、他機IDが対応づけられたID付き楽曲については、他機と同期した音声の出力が可能となる。
【符号の説明】
【0145】
1(1-1,2,3),1A,1B…楽曲再生玩具
110…操作入力部
120…音出力部
130…近距離無線通信部
140…制御部
141…音声出力制御部
143…第1音源音量抑制制御部
145…台詞音声出力制御部
147…通信再生機能部
149…再生出力開始制御部
150…記憶部
151…楽曲再生プログラム
200…楽曲データ
201…楽曲番号
202…楽曲種類
203…メインパートタイプ
204…サブパートタイプ
205…ID
207(207-1,2)…ボーカル付き音源データ
209…ボーカル無し音源データ
300…台詞データ
301…台詞番号
303…台詞音声データ
11…Aボタン
13…Bボタン
15…ボーカルスイッチ
17…スピーカー
19…赤外線通信モジュール