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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-07
(45)【発行日】2023-06-15
(54)【発明の名称】再配達抑制方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20230101AFI20230608BHJP
   G06Q 30/0207 20230101ALI20230608BHJP
【FI】
G06Q10/083
G06Q30/0207
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019032695
(22)【出願日】2019-02-26
(65)【公開番号】P2020091822
(43)【公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-12-01
(31)【優先権主張番号】P 2018221161
(32)【優先日】2018-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】518421304
【氏名又は名称】ano-hayashi.com株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104396
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 信昭
(72)【発明者】
【氏名】林 千明
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-221360(JP,A)
【文献】特開2009-020808(JP,A)
【文献】特開2002-157376(JP,A)
【文献】特開2000-259954(JP,A)
【文献】特開2010-015358(JP,A)
【文献】特開2003-040458(JP,A)
【文献】特開2002-362745(JP,A)
【文献】特開2003-331180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して、それぞれ少なくとも1台の、荷物受取人の受取人端末と配達事業者の配達事業者端末とに同一のプラットフォームサービス・アプリケーションを提供する配達管理サーバを利用した再配達抑制方法であって、
当該配達管理サーバが、配達予定荷物の配達予定日を含む配達情報を、当該配達事業者端末と当該受取人の当該受取人端末に同時または逐次に送信する配達情報送信ステップと、
当該配達事業者端末が、当該配達情報に基づき当該配達予定荷物が配達された際に、配達完了を示す配達完了情報を当該配達管理サーバに送信する配達完了情報送信ステップと、
当該配達管理サーバが、当該配達完了情報を受けた際に、当該配達完了に係る荷物受取人のアカウントに所定のプレミアムポイントを加算するポイント加算ステップと、
当該配達管理サーバが、プレミアムポイントが加算されたことによる過去のポイントとの合計プレミアムポイントを示すポイント情報を、当該配達完了に係る荷物受取人の受取人端末に送信するポイント情報送信ステップと、
当該配達管理サーバが、当該荷物受取人に付与された合計プレミアムポイントが所定量に達したとき即時にもしくは予め定めた所定期間ごとに抽選を行い、予め定めてある択一的もしくは段階的プレミアムを当該抽選の当選者のみに贈呈すべきことを示す贈呈情報を生成し、当該贈呈情報を当選した荷物受取人の受取人端末に送信する贈呈情報送信ステップと、を含み、さらに
当該抽選の結果、当該当選者以外となる落選者がいるときに、当該落選者が新規のプレミアムポイントを獲得したとき敗者復活抽選を行い、当該敗者復活抽選に当選した者のみに対し生成した当該贈呈情報を当選した荷物受取人の受取人端末に送信する敗者復活贈呈情報送信ステップを含む、
ことを特徴とする再配達抑制方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、宅配便の再配達を抑制するための再配達抑制方法に関する。
【背景技術】
【0002】
宅配便の需要増大と配達事業者の人不足が重なり、以前にもまして宅配便の再配達の頻度を低減させることが必要とされている。特許文献1では、宅配ボックスを有効活用する提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6212236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、宅配ボックスは常に設置されているわけではないので、その便益の活用は必ずしも簡単ではない。そもそも配達物の受取は、受取人の意識が大きく影響するので、その意識を変えることが重要である。
【0005】
そこで本発明は、受取人が配達物を通知され、もしくは指定した日に受け取る方向に向かわせることで再配達を抑制できるように、予定通りに配達物を受け取った受取人に、懸賞的プレミアムを与える再配達抑制方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために鋭意検討した発明者は、荷物を受け取ることに対し遊び心あるメリットを提供することが有効であると考えた。その詳しい構成については、行を改めて説明する。
【0007】
(請求項1記載の発明の特徴)
請求項1記載の発明に係る再配達抑制方法は、ネットワークを介して、それぞれ少なくとも1台の、荷物受取人の受取人端末と配達事業者の配達事業者端末とに同一のプラットフォームサービス・アプリケーションを提供する配達管理サーバを利用した再配達抑制方法である。ここで、当該配達管理サーバが、配達予定荷物の配達予定日を含む配達情報を、当該配達事業者端末と当該受取人の当該受取人端末に同時または逐次に送信する配達情報送信ステップと、当該配達事業者端末が、当該配達情報に基づき当該配達予定荷物が配達された際に、配達完了を示す配達完了情報を当該配達管理サーバに送信する配達完了情報送信ステップと、当該配達管理サーバが、当該配達完了情報を受けた際に、当該配達完了に係る荷物受取人のアカウントに所定のプレミアムポイントを加算するポイント加算ステップと、当該配達管理サーバが、プレミアムポイントが加算されたことによる過去のポイントとの合計プレミアムポイントを示すポイント情報を、当該配達完了に係る荷物受取人の受取人端末に送信するポイント情報送信ステップと、当該配達管理サーバが、当該荷物受取人に付与された合計プレミアムポイントが所定量に達したとき即時にもしくは予め定めた所定期間ごとに抽選を行い、予め定めてある択一的もしくは段階的プレミアムを当該抽選の当選者のみに贈呈すべきことを示す贈呈情報を生成し、当該贈呈情報を当選した荷物受取人の受取人端末に送信する贈呈情報送信ステップと、を含み、さらに当該抽選の結果、当該当選者以外となる落選者がいるときに、当該落選者が新規のプレミアムポイントを獲得したとき敗者復活抽選を行い、当該敗者復活抽選に当選した者のみに対し生成した当該贈呈情報を当選した荷物受取人の受取人端末に送信する敗者復活贈呈情報送信ステップを含む、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、再配達の頻度を抑制できる再配達抑制方法を提供することができる。受取人は遊び心を持ちながらプレミアムポイントのメリットを得られるので、メリットを呼び水としてできるだけ1回で荷物を受け取ろうとする意欲が醸成される。その結果として、再配達を必要とする頻度を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】配達管理システムの全体構成を示す模式図である。
図2】配達管理サーバのブロック図である。
図3】受取人端末のブロック図である。
図4】配達事業者端末のブロック図である。
図5】受取管理サーバのブロック図である。
図6】倉庫管理サーバのブロック図である。
図7】再配達抑制方法手順を示すフローチャートである。
図8】受取人データベースに格納されているアカウントを示す図表である。
図9図7の再配達抑制方法手順を示すフローチャートの第1変形例の再配達抑制方法手順を示すフローチャートである。
図10図7の再配達抑制方法手順を示すフローチャートの第2変形例の再配達制方法手順を示すフローチャートである。
図11図10に示す第2変形例の再配達制方法手順を示すフローチャートの中のステップ51のサブルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
(宅配管理システムの概略構造)
図1に示される宅配管理システム1(以下、「管理システム1」という)は、電子通信販売などにより購入された配達予定荷物P(以下、単に「荷物P」という)の受取人への配達を管理するシステムである。管理システム1は、配達予定日に一度で荷物を受け取ることを促す、すなわち、再配達を抑制しながら、受取人への荷物の配達を管理する。宅配管理システム1には、「抽選」という遊び心がある点で、単なるポイント制のプレミアムと大きく異なる。これにより、受取人がなるべく1回で受け取ろうとする意欲が醸成され、これにより、再配達という経済的ロスの抑制を期待することができる。1回で受け取るということは配達事業者にとってメリットがあるだけでなく、受取人にとってもメリットがある。
【0012】
(配達管理システムの概略)
図1に示されるように、プラットフォームとして機能する本実施形態の配達管理システム1は、配達業者が荷物の配達や再配達抑制の手法などを管理するための配達管理サーバ3と、荷物の受取人が配達予定日などを知るために使用する受取人端末5と、配達事業者(具体的には配達者のドライバー)が配達完了・未了などの情報を配達管理サーバ3に送信するために所持する配達事業者端末7と、配達される荷物を受け取る営業所などに設けられた受取管理サーバ9および配達業者の営業所のようなところで使用される倉庫管理サーバ11とを有する。これらの端末やサーバは、その機能の一部または全部が他の端末やサーバに含まれる場合もある。
【0013】
配達管理サーバ3と、受取人端末5と、配達事業者端末7と、受取管理サーバ9と、倉庫管理サーバ11とは、たとえばインターネットのようなネットワークNを介して(部分的に又は全体的に必要な範囲で)互いに通信可能に接続されている。
【0014】
(ハードウェア構成)
図2乃至図6をそれぞれ参照して、配達管理サーバ3(図2)と、受取人端末5(図3)と、配達事業者端末7(図4)と、受取人管理サーバ9(図5)倉庫管理サーバ11(図6)のハードウェア構成について説明する。
【0015】
(配達管理サーバ)
図2に示される配達管理サーバ3は、プロセッサ31、メモリ33、ストレージ35、ストレージ35内に構築された受取人データベース37(受取人DB37)、乱数抽選部39、入出力部41、および通信インタフェース(IF)43等を備え、これらはバス45を通じて相互に電気的に接続されている。
【0016】
プロセッサ31は、配達管理サーバ3全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、およびアプリケーション(コンピュータを応用する目的に応じた、コンピュータ・プログラム)の実行に必要な情報処理等を行う演算装置である。プロセッサ10は、たとえば、中央演算処理装置、すなわちCPU(Central Processing Unit)により構成され、ストレージ35に格納されメモリ33に展開されたプログラム等を実行して各情報処理を実施するようになっている。
【0017】
メモリ33は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ33は、プロセッサ31のワークエリア等として使用され、また、配達管理サーバ3の起動時に実行されるBIOS(Basic Input Output System、Operating System(OS)の 起動前に、接続されたキーボード、マウス、CPU、ハードディスクなどハードウェアの管理・制御を行うプログラム)および各種設定情報等を格納する。ストレージ35は、アプリケーション・プログラム、およびユーザの認証プログラム等の各種プログラムを格納する。
【0018】
乱数抽選部37は、後述する贈答品(たとえば、旅行のようなサービスを含む。以下、同じ)を抽選決定する機能を有する。通信インタフェース43は、配達管理サーバ3をネットワークN(図1)に接続し、各サーバなどと必要な通信を行う。バス45は、上記の各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号、および各種制御信号を伝達する。
【0019】
(受取人端末)
図3に示す受取人端末5は、後述するように配達管理サーバ3から荷物の配達予定日などを受信したり、その逆に受取指定日などを送信したりするためのものである。受取人端末5は、これを例えばパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータで構成してもよいし、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant 携帯情報端末)、タブレット型コンピュータ等のデバイス等タッチパネルを備える端末を流用することもできる。図3に示されるように、受取人端末5は、プロセッサ51、メモリ53、ストレージ55、入出力部57、および通信インタフェース(IF)59等を有し、これらはバス61を通じて相互に電気的に接続されている。
【0020】
入出力部57は、マウスやキーボード等の情報入力機器、およびディスプレイ等の出力機器が該当する。通信インタフェース59は、受取人端末5をネットワークNに接続し、配達管理サーバ3との通信を行う。バス61は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号および各種制御信号を伝達する。
【0021】
プロセッサ51は、受取人端末5の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、およびアプリケーションの実行に必要な処理等を行う演算装置である。例えばプロセッサ20はCPUによって構成され、ストレージ55に格納されメモリ53に展開されたプログラム等を実行することによって、必要な各情報処理を実施するようになっている。
【0022】
メモリ53は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ53は、プロセッサ51のワークエリア等として使用され、また、受取人端末5の起動時に実行されるBIOS(Basic Input Output System、Operating System(OS)の起動前に、接続されたキーボード、マウス、CPU、ハードディスクなどハードウェアの管理・制御を行うプログラム)および各種設定情報等を格納する。ストレージ55は、アプリケーション・プログラム、およびユーザの認証プログラム等の各種プログラムを格納する。
【0023】
受取人端末5が、タッチパネルを有するデバイスである場合には、入出力部57の具体的構成として、前掲した中のたとえばスマートフォンのようにタッチパネルを備えているものであってよい。この場合のタッチパネルは、入力部および表示部を構成する。タッチパネルの入力部は、ユーザによるタッチパネルへの操作があったことを検知する。
【0024】
(受取人端末)
図4に示す配達事業者7は、荷物の配達完了や配達未了などの情報を配達管理サーバ3に送信したり、その逆に受取指定日などを受信したりするためのものである。受取人端末7は、これを例えばパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータで構成してもよいし、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant 携帯情報端末)、タブレット型コンピュータ等のデバイス等タッチパネルを備える端末を流用することもできる。図4に示されるように、配達事業者端末7は、プロセッサ71、メモリ73、ストレージ75、入出力部77、および通信インタフェース(IF)79等を有し、これらはバス81を通じて相互に電気的に接続されている。
【0025】
入出力部77は、タッチペン等の情報入力機器、およびタッチパネル等の出力機器が該当する。通信インタフェース79は、配達事業者端末7をネットワークNに接続し、配達管理サーバ3との通信を行う。バス81は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号および各種制御信号を伝達する。
【0026】
プロセッサ71は、配達事業者端末7の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、およびアプリケーションの実行に必要な処理等を行う演算装置である。例えばプロセッサ71はCPUによって構成され、ストレージ75に格納されメモリ73に展開されたプログラム等を実行することによって、必要な各情報処理を実施するようになっている。
【0027】
メモリ73は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ73は、プロセッサ71のワークエリア等として使用される。ストレージ75は、アプリケーション・プログラム、およびユーザの認証プログラム等の各種プログラムを格納する。
【0028】
通信インタフェース79は、配達事業者端末7をネットワークN(図1)に接続し、配達管理サーバ3と通信を行う。バス81は、上記の各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号、および各種制御信号を伝達する。
【0029】
(受取管理サーバ)
受取管理サーバ9は、受取人宛ての荷物の受付を処理し、送付者や受取人を特定する情報とともに荷物が倉庫管理サーバ11(図1)の管理下にある倉庫に到着する予定日情報を配達管理サーバ3に送信するように構成されている。例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって構成されたものでもよい。
【0030】
図5に示される受取管理サーバ9は、プロセッサ91、メモリ93、ストレージ95、入出力部97、および通信インタフェース(IF)99等を備え、これらはバス100を通じて相互に電気的に接続されている。
【0031】
プロセッサ91は、受取管理サーバ9全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、およびアプリケーション(コンピュータを応用する目的に応じた、コンピュータ・プログラム)の実行に必要な情報処理等を行う演算装置である。プロセッサ91は、たとえば、中央演算処理装置、すなわちCPU(Central Processing Unit)により構成され、ストレージ95に格納されメモリ93に展開されたプログラム等を実行して各情報処理を実施するようになっている。
【0032】
メモリ93は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ93は、プロセッサ91のワークエリア等として使用され、また、配達管理サーバ1の起動時に実行されるBIOS(Basic Input Output System、Operating System(OS)の起動前に、接続されたキーボード、マウス、CPU、ハードディスクなどハードウェアの管理・制御を行うプログラム)および各種設定情報等を格納する。ストレージ95は、アプリケーション・プログラムその他の各種プログラムを格納する。
【0033】
通信インタフェース99は、受取管理サーバ9をネットワークN(図1)に接続し、各サーバなどと必要な通信を行う。バス100は、上記の各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号、および各種制御信号を伝達する。
【0034】
(倉庫管理サーバ)
受取管理サーバ9は、配達事業者の倉庫などにおいて到着した荷物を管理するためのものである。例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって構成されたものでもよい。
【0035】
図6に示される倉庫管理サーバ11は、プロセッサ111、メモリ113、ストレージ115、入出力部117、および通信インタフェース(IF)119等を備え、これらはバス121を通じて相互に電気的に接続されている。
【0036】
プロセッサ111は、倉庫管理サーバ11全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、およびアプリケーション(コンピュータを応用する目的に応じた、コンピュータ・プログラム)の実行に必要な情報処理等を行う演算装置である。プロセッサ91は、たとえば、中央演算処理装置、すなわちCPU(Central Processing Unit)により構成され、ストレージ115に格納されメモリ113に展開されたプログラム等を実行して各情報処理を実施するようになっている。
【0037】
メモリ113は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ93は、プロセッサ111のワークエリア等として使用され、また、配達管理サーバ1の起動時に実行されるBIOS(Basic Input Output System、Operating System(OS)の起動前に、接続されたキーボード、マウス、CPU、ハードディスクなどハードウェアの管理・制御を行うプログラム)および各種設定情報等を格納する。ストレージ115は、アプリケーション・プログラムその他の各種プログラムを格納する。
【0038】
入出力部117は、マウスやキーボード等の情報入力機器、およびディスプレイ等の出力機器が該当する。通信インタフェース119は、倉庫管理サーバ11をネットワークN(図1)に接続し、各サーバなどと必要な通信を行う。バス45は、上記の各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号、および各種制御信号を伝達する。
【0039】
(再配達抑制方法)
続いて、再配達抑制方法の一例として、図1および7を参照しながら管理システム1により実行される再配達抑制手順を示す。配達管理サーバ3は、受取管理サーバ9から荷物P(図1参照)の受け取りを示す荷物受取情報を受信したとき(ステップ1)、配達予定の荷物Pの配達予定日を含む配達情報を、配達事業者端末7(倉庫管理サーバ11経由でもよい)と受取人の受取人端末5に送信する(配達情報送信、ステップ2)。配達情報の送信は、配達事業者端末7と受取人端末5に同時に行ってもよいし、僅かな時差を設けて逐次に行なってもよい。ステップ2を実行した後は、配達管理サーバ3、配達事業者端末7および受取人端末5が、荷物Pの配達情報を共有する状態となる。ただ、配達事業者端末7が得た配達情報はその情報に沿って業務を行う配達担当者によって認識されやすいが、受取人端末5が得た配達情報は受取人が荷物到着を意識していなかったり見落としたりする可能性がある。このため配達管理サーバ3が、受取人の注意を引くためステップ2の配達情報の送信を繰り返して実行するようにしてもよい。
【0040】
受取人端末5を介して配達情報を認識した受取人は、配達情報に含まれる配達予定日もしくは当該配達予定日の所定時間帯において受け取ることができるのであれば、その旨を受取人端末5から配達管理サーバ3に送信するようにすることもできるが、本実施形態では受取人の負担を増やさないため予め定める所定期間(たとえば、配達予定日の前日の所定時間まで)受取人の返信がなかったらこれをもって受取人による先の配達日の了承とみなすことにしている。一方、配達管理サーバ3から配達予定日は不在であるなどの理由により受取日を変更したい受取人は、受取指定日を含む受取指定情報を受取人端末5から配達管理サーバ3に送信する(ステップ3、ステップ5、受取指定情報送信)。受取指定日は、配達予定日の後であって受取人が荷物の受け取りを希望する日のことをいう。たとえば午前・午後、何時から何時までの間のような時間帯を含めることが可能であれば、含められるようにしてもよい。受取指定日と併せ、荷物の受け取り場所を自宅から、たとえばコンビニエンスストアや所定の宅配ボックスのような受取指定場所に変更するように設定してもよい。
【0041】
配達管理サーバ3は、所定期間、受取人端末5から受取指定情報が送信されるのを待ち、送信されなければ配達予定日を確定させ(ステップ7)、送信されたら受取指定日を送信するステップ9へ進む。ステップ9では、配達管理サーバ3が受信した受取指定情報を配達事業者端末7に送信する。これにより、配達事業者端末7を操作する配達者によって荷物Pを配達すべき配達日が認識される。好ましい態様として、配達管理サーバ3は、受取指定日を確認した旨を示す受取指定日確認情報を受取人端末5に送信する(ステップ11)。配達事業者と受取人との意思疎通を密にすることで、受取人不在となることを効果的に抑制することができる。
【0042】
配達予定日もしくは受取指定日に配達に出向いた配達者は、在宅の受取者もしくはその代わりとなる受取者に配達できたなら、その旨を配達完了情報として配達事業者端末7から配達管理サーバ3に送信する(ステップ13、ステップ15、配達完了情報送信ステップ)。一方、受取者が不在のため荷物を配達できず持ち帰った配達者は、その旨を配達未了情報として配達事業者端末7から配達管理サーバ3に送信する(ステップ17)。配達未了のときは、メール送信や不在者伝票の投函を行い、不在のため配達未了であることや、再配達の希望日を受取者端末5や電話などを介して配達事業者に知らせてほしいことなどを受取者に伝達するようにしてもよい。次回以降の荷物受取の際に、受取予定日もしくは受取指定日に再配達なしに1回で受け取れば、後述するプレミアムがもらえる可能性等を伝達することで、受取者の受け取ろうとする意識・意欲を高めるためである。さらに受取人端末5をこまめにチェックしない受取人に対して不在者伝票などの異なる手段で併せて伝えることでシステム1の再配達抑制の効果向上を期待できるからである。
【0043】
配達の完了・未完了について配達管理サーバ3は、配達完了ならステップ21へ進み、配達未了ならステップ23へ進む(ステップ19)。つまり、ステップ21の処理を行う配達管理サーバ3は、配達予定日もしくは受取指定日に荷物を受け取った受取人のアカウントに所定のプレミアムポイントを加算する(プレミアムポイント加算ステップ、後述)。また、ステップ23の処理を行う配達管理サーバ3は、プレミアムポイントを減算する(プレミアムポイント減算ステップ、後述)。こうして加算若しくは減算したプレミアムポイントの情報は、配達管理サーバ3から受取人端末5に送信される(ステップ25)。加算もしくは減算を知らせることで、受取人が次のプレミアムポイントを得るために1回で荷物を受け取るようにしようという意識を高めるためである。ここで、一旦、図7のフローチャートから離れ、アカウントとプレミアムポイントについて説明する。
【0044】
ステップ21(プレミアムポイント加算ステップ)では、受取予定日もしくは受取指定日に荷物Pを受取者が受け取った場合(配達者が配達できた場合)、そのたびに所定のポイント(ここでは1ポイントとする)をプレミアムポイントとして当該受取人のアカウント15(図8参照)のプレミアムポイントの欄に加算記入する。すなわち、たとえば、3回連続して予定日等に荷物Pを受け取った受取人は、合計3ポイントを取得することになる。
【0045】
一方、何らかの理由により予定日等に受取人が荷物Pを受け取ることができず配達未了になった場合は、当該受取人のアカウントから配達未了のたびに所定のポイント(ここでは1ポイント)を減算し、その旨をアカウント15のプレミアムポイントの欄にも反映させる。これが、ステップ23(プレミアムポイント減算ステップ)の処理である。本明細書では、上記のように1ポイントの加算、1ポイントの減算としたが、これらは自由に設定してよい。たとえば、連続して1回で配達予定日もしくは配達指定日に配達されたなら、割増でポイントを付与したり、減算する場合にゼロ減算としたりゼロよりマイナスにしない(ゼロ止まり)ように設定することもできる。ゼロ止まりにするということは、たとえば3ポイントを取得している受取人が、1回未配達となると1ポイント減算で残高2ポイントとなるわけであるが、4回未配達でもマイナスにならずゼロとして再スタートするという意味である。
【0046】
ここでアカウントとは、図8に示すように、複数の受取人の氏名、住所、Eメールアドレス、電話番号等の配達に必要な情報を識別記号(パスワード)に紐づけて格納してある金庫と考えてよい。この金庫の鍵となるのが、受取人が配達管理サーバにアカウントを作成したときに設定したID(識別符号)とパスワードを使えば受取人それぞれが自分のアカウント15にログインして自分の情報を閲覧することができるようになっている。アカウント15の中身は、図8に示すように上記した識別記号等とともにプレミアムポイントが付されている。各アカウントは、配達管理サーバ3の受取人データベース37(図2)に検索可能に格納されている。プレミアムポイントは、配達管理サーバ300を操作する配達事業者のみが書き換え可能であり、受取人は閲覧できても書き変えはできない。受取人が書き変えられるのだとすると、プレミアムポイントの信頼性・公平性を担保できないためシステム自体が機能しなくなるからである。
【0047】
上述のようにして加算されたプレミアムポイントが、ある値(抽選ポイント)に達したときに、後述する抽選を行うように設定しておく。抽選ポイントについても配達事業者の裁量で予め設定しておく。本実施形態では、分かりやすくするため10ポイントを抽選ポイントとする。すなわち、未配達が一回もなかったとして10回分のプレミアムポイントが加算されたときに抽選ポイントに達するように設定してある。
【0048】
一方、受取人が不在のため配達未了情報を受信した配達管理サーバ300は、所定のプレミアムポイントを受取者のアカウントから減ずるように設定することができることは上述したとおりである。繰り返しになるが、この減算については、配達未了の際に減算するかどうか、減算するとしてどのように行うかについて、再配達を抑制するためにどうするべきかという配達事業者の営業政策的判断により自由設定することができる。減算されるからこそ、それを防ぐための意識が高まるという考え方もあれば、配達予定日もしくは配達指定日に受け取れなかったときはポイント加算なしのみに留め(すなわちゼロ減算)、受け取れたときだけポイント加算すれば足りるという考え方もあり得よう。いずれにしろこの再配達抑制という営業政策的判断は、後述する抽選後に贈呈される贈呈品の価値とも関係する相対的なものである。ゼロ減算なしで現実に減算するということにした場合、既得のプレミアムポイントを一気にゼロにする方法、同じく半減する方法、所定ポイントだけ減じる方法、予め設定してある条件に従い加重的に減じる方法などが考えられる。
【0049】
ここで、図7のフローチャートに戻り、配達管理サーバ3がプレミアムポイントの情報を配達管理サーバ3から荷物Pを受け取った受取人端末5に送信したステップ25の後のステップを説明する。配達管理サーバ3は、受取人DB37(図2)に登録されている各受取人のうち、新たにプレミアムポイントを獲得した受取人(ここでは図8に示すアカウント15最上段の「受取人A」とする)のプレミアムポイントの合計点数が所定数(本実施形態では、10ポイント)に達しているかどうかを確認し(ステップ27)、達していないときはステップ37経由でステップ1に戻り、次のプレミアムポイントの加算のための荷物受取情報を待つ。仮にここで9ポイントに達している時は、受取人Aの受取人端末5に、「抽選ポイントまであと1回です。もう1回、配達予定日もしくは配達指定日に荷物を受け取れば抽選により贈呈品が贈呈されます」などというメッセージを配達管理サーバ3から送るようにして受取者が荷物を再配達なしに1回で受け取ることにメリットがあるという意識を高めるように工夫するとよい。
【0050】
ステップ27で、受取人Aのプレミアムポイントが抽選ポイント、すなわち、10ポイントに達していることを確認したときの配達管理サーバ3は、中にある乱数抽選部39(図2)にアクセスし、ランダムに贈呈品を抽選決定し(ステップ29)、決定に基づいて贈呈情報を生成し(ステップ31)、これを受取人の受取人端末5に送信する(ステップ33)。贈呈情報には、たとえば「おめでとうございます。厳正なる抽選によりあなたに1万円相当の指定レストランで使える食事券が当たりました。1週間以内に当社の宅配便でお届けしますので家族やお仲間と食事をお楽しみください」などというメッセージを添えてもよい。このメッセージを送った後、配送事業者は食事券を自ら配送するか、提供業者などに配送させることになる。食事券は一例であるが、このような食事券の現物を配送する代わりに、この食事券をレストランで使えるポイントとして配達管理サーバ3から受取人の受取人端末5に送信する方法も考えられる。
【0051】
上記の贈呈情報を生成した配達管理サーバ3は、当該受取人の受取人端末5に送信し(ステップ33)、受取人Aのプレミアムポイントをクリアし(ステップ35)、ステップ1にもどって新たな荷物受取情報を待つ(ステップ37、ステップ1)。受取人端末5に表示された贈呈情報を受けた受取人は、荷物は1回で受け取ろうとする方向にその意識が向かうので、これにより再配達が抑制される。
【0052】
配達管理サーバ3が抽選を行うタイミングは、配達事業者の判断により適宜設定してよい。たとえば、図2に示すアカウントに登録されたいずれかの受取人が抽選ポイントに達するごとに即時に抽選するようにしてもよいし、たとえば1週間とか1か月のように予め定めた所定期間ごとにその期間内に抽選ポイントに達した複数の受取人のすべてについて一括して抽選するようにしてもよい。また、抽選ポイントに達した受取人の数が、たとえば1万人に達するごとに、というように予め定めた人数に達したときに抽選を行うようにすることもできる。たとえば中元や年末のように配達需要が大きく伸びるときは、配達事業者にとって再配達抑制を特に強化したい時期なので、その時期に限ってプレミアムポイントを倍額にするなど(抽選チャンスが増える)のボーナス的政策を講じることも考えられる。いずれにしろ好ましいことは、再配達抑制の観点から受取人意識を高めるために最適と思われる方法を試しながら適宜選択していくことである。
【0053】
一方で、再配達抑制のためとはいえ贈呈品の贈呈には相応の費用がかかることも事実である。贈呈品の購入予算があり、それを超えてまで贈呈品の贈呈を行うことができないのであれば、やむなく抽選結果に「空くじ」を入れることを妨げない。つまり、抽選ポイントに達したので抽選を行ったが、その結果受け取れる賞品がないという受取人が現れる場合を設定することもあり得る。この場合でも、できるだけ1回で荷物を受け取ったほうがメリットのあることを受取人に知っておいてもらうため、たとえば、「今回は誠に残念でしたが、受取予定日または受取指定日に1回で受け取れば豪華賞品が用意されていますので、次のチャンスに期待してください」というようなメッセージを贈呈情報として配達管理サーバ3から当該受取人の受取人端末5に送信することが好ましい。
【0054】
なお、贈呈品(プレミアム)として、たとえば、有名ブランドの牛肉や米などの食品やそれらの交換券、金銭の代わりに通用する所定額の金券、カタログの中に記載されている商品と交換できるカタログ式ギフト券、先に挙げた旅行券、図書券のような有形・無形のものを予め定めておくとよい。贈答品は、たとえばある一定の金額を定めておきその中で商品やサービスを択一的に選択できるようにしたり、段階的に異なる金額に対応した商品やサービスの中から選べるようにしたりすることができる。また上記したプレミアムポイントについて、所定期間(たとえば1年)だけ有効として扱い、この所定期間を過ぎたときにポイントをゼロに戻すように設定してもよい。受取者にポイントを失わないようにしようという心理的圧力を加えることにより、再配達を抑制するためである。
【0055】
(再配達抑制方法の第1変形例)
図1及び9に基づき、再配達抑制方法の第1変形例(以下、「第1変形例」という)について説明する。抽選ポイントに達したとき抽選を行うか保留にするかについて受取人に選択権をもたせることに特徴がある第1変形例は、この特徴を有しない再配達抑制方法と異なっている。本欄では、この異なる特徴(図9の四角の破線で囲んだ部分)を中心に説明し、第1変形例と再配達抑制方法との間で共通する機能については重複を避けるために可能な範囲で省略する。これに伴い再配達抑制方法を示す図7と第1変形例を示す図9との間で共通する部分については同じ名称と符号を用いる。
【0056】
図9において、配達管理サーバ3は、受取人DB37(図2)に登録されている各受取人のうち、新たにプレミアムポイントを獲得した受取人(ここでは図8に示すアカウント15最上段の「受取人A」とする)のプレミアムポイントの合計点数が所定数(本実施形態では、10ポイント)に達しているかどうかを確認し(ステップ26)、達していないときはステップ37経由でステップ1に戻り、次のプレミアムポイントの加算のための荷物受取情報を待つまでは、図7で対応するそれらと同じである。
【0057】
ここで配達管理サーバ3は、ステップ26でプレミアムポイントが所定量に達したことを確認したあと抽選を行う前に、抽選を行うべきか抽選を延期してプレミアムポイントを保留すべきかを問い合わせる抽選希望問い合わせ情報を、当該プレミアムポイントを手に入れた受取人の受取人端末5に送信し(抽選希望問い合わせステップ、ステップ27)、受取人の回答を待つ(ステップ29)。抽選希望問い合わせを受けた受取人が、自ら操作する受取人端末5から抽選すべきとの抽選回答情報を受け取ったとき配達管理サーバ3は、抽選を行う(ステップ30)。一方、当該受取人端末5から保留すべきとの保留回答情報を受信したときは当該荷物受取人の選択により行使可能な1回分の抽選権を配達管理サーバ3が有する当該受取人端末の荷物受取人のアカウント15(図8参照)に当該荷物受取人と紐づけて格納する(抽選保留ステップ、ステップ39)。
【0058】
図9では、ステップ39のあとステップ37経由でステップ1に戻るようにしてあり、この手順だと新た荷物を1回で受け取ってプレミアムポイントを受け取った際に当該抽選権を行使可能ということになっているが(ステップ1~ステップ28)、この抽選権は、受取人端末5から行使したい旨の連絡を受けたときに配達管理サーバ3が適宜抽選を行うように設定することもできる。プレミアムポイントの保留も複数回としてもよい。すなわち、先の例で10ポイントを得て1回分の抽選権をもった受取人は、2度以上の保留をして合計2回分以上の抽選権を得られるように設定することもよい、保留した抽選権が1回分であれば1回しか抽選されないが、複数回分あるときにそのうちの一部もしくは全部を行使する方法もある。
【0059】
ステップ30の抽選を行った配達管理サーバ3は、図7のそれと同じくステップ31以下の処理を行う。抽選タイミングと空くじの有無の設定も再配達抑制方法のそれらを同じである。
【0060】
(再配達抑制方法の第2変形例)
(再配達抑制方法の第1変形例)
図1、10及び11に基づき、再配達抑制方法の第2変形例(以下、「第2変形例」という)について説明する。ステップ30の抽選で当選しなかった者すなわち落選者が敗者復活できるステップを有することに特徴がある第1変形例は、この特徴を有しない第2変形例および第2変形例の前提となる再配達抑制方法と異なっている。本欄では、この異なる特徴(図10の四角の破線で囲んだ部分)を中心に説明し、第2変形例と再配達抑制方法との間で共通する機能については重複を避けるために可能な範囲で省略する。これに伴い再配達抑制方法を示す図9と第2変形例を示す図10との間で共通する部分については同じ名称と符号を用いる。
【0061】
図10のステップ30の抽選が行われたところから説明を始める。すなわち抽選の結果、配達管理サーバ3は、ステップ41に進み当選結果を確認する。ここで当選者以外となる落選者がいるとき(ステップ41のYes)、配達管理サーバ3は、敗者復活抽選のステップ(ステップ51、後述)を経てステップ1へ戻る。一方、当選者に対して配達管理サーバ3は、ステップ30で行われた図7のステップ29と同様な処理に基づいて贈呈情報を生成し(ステップ43)、これを受取人の受取人端末5に送信する(ステップ45)。贈呈情報は、図7のステップ31で行われる処理と同様な処理が行われる。
【0062】
上記の贈呈情報を生成した配達管理サーバ3は、当該受取人の受取人端末5に送信し(敗者復活贈呈情報送信ステップ、ステップ45)、受取人Aのプレミアムポイントをクリアし(ステップ47)、ステップ1にもどって新たな荷物受取情報を待つ(ステップ49、ステップ1)。受取人端末5に表示された贈呈情報を受けた受取人は、荷物は1回で受け取ろうとする方向にその意識が向かうので、これにより再配達が抑制される。
【0063】
(敗者復活抽選)
図10および11を参照しながらステップ51の敗者復活抽選サブルーチンについて説明する。ステップ41で落選した者に対し配達管理サーバ3は、落選情報を送信する(ステップ61)。ここで、図10のステップ19から配達完了の情報を得たとき(ステップ63)、すなわち、落選情報を送信したあとに受取人が1回の配達で荷物Pを受け取ることで新たにプレミアムポイントを得た場合の配達管理サーバ3は、この情報を契機として敗者復活抽選を行い(ステップ65)、その当選と落選を確認する(ステップ67)。ここで配達管理サーバ3は、当選の場合はステップ43へ進み(ステップ69)、落選の場合はステップ47へ進む(ステップ71)。これで敗者復活抽選サブルーチンは終了する。
【0064】
当選によりステップ43へ進んだ配送管理サーバ3は、生成した贈呈情報を受取人端末5に送信し、その後のポイントクリア(ステップ47)を経てステップ1に戻る(ステップ49)。一方、落選によりステップ47へ進んだ配送管理サーバ3は、ポイントクリアを実行したあとステップ1に戻る(ステップ49)。なお、上記ステップ63において新たにプレミアムポイントを得た場合の代わりに、たとえば半年ごとの所定期間経過後もしくは毎年年末のように所定期日において、荷物Pの受け取りのあるなしに関係なく抽選を行うように設定することもよい。以上により、ステップ30の抽選で落選した受取人であっても敗者復活する可能性があることで、受取指定日もしくは受取指定日に1回で受け取ろうとする意識が高まり、その結果として再配達が有効に抑制される。
【符号の説明】
【0065】
1・・・管理システム
3・・・配達管理サーバ
5・・・受取人端末
7・・・配達事業者端末
9・・・受取管理サーバ
11・・・倉庫管理サーバ
15・・・アカウント





図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11