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  • 特許-配管構造体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-07
(45)【発行日】2023-06-15
(54)【発明の名称】配管構造体
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/48 20230101AFI20230608BHJP
   C02F 5/00 20230101ALI20230608BHJP
   F17D 1/08 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
C02F1/48 A
C02F5/00 610A
F17D1/08
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018229290
(22)【出願日】2018-12-06
(65)【公開番号】P2020089843
(43)【公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-08-03
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507214083
【氏名又は名称】メタウォーター株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】515243246
【氏名又は名称】株式会社サイライズ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100150360
【弁理士】
【氏名又は名称】寺嶋 勇太
(72)【発明者】
【氏名】山崎 正志
(72)【発明者】
【氏名】森 豊
(72)【発明者】
【氏名】本山 信行
(72)【発明者】
【氏名】深町 尭
【審査官】高橋 成典
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-184916(JP,A)
【文献】実開平03-015695(JP,U)
【文献】特開平11-90452(JP,A)
【文献】特開平11-147089(JP,A)
【文献】登録実用新案第3056635(JP,U)
【文献】特開平10-118658(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/46 - 1/48
5/00 - 5/14
F17D 1/00 - 5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄、鋳鉄またはステンレス鋼よりなる第一の配管と、一端が前記第一の配管に接続された第二の配管と、前記第二の配管の他端に接続された第三の配管とを備える配管構造体であって、
前記第二の配管は、被処理水が流通する管路と、前記管路の半径方向外側において周方向に間隔を開けて配置された複数の板状体または棒状体よりなる誘導電流伝達体と、少なくとも一部が前記管路の外周面と前記誘導電流伝達体との間に位置する電磁波発振部と、前記電磁波発振部に交流電流を流す交流電流発生器とを備え、
前記誘導電流伝達体は、鉄、鋳鉄またはステンレス鋼よりなり、且つ、前記第一の配管および前記第三の配管に導電可能に接続されており、
前記第三の配管は、鉄、鋳鉄またはステンレス鋼よりなり、
前記管路は、塩化ビニル樹脂よりなり、且つ、前記第一の配管および前記第三の配管と等しい内径を有している、配管構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、周波数が時間的に変化する交流電流をコイルに流し、発生した電磁波で被処理水を処理することにより、錆びやスケールの発生を防止する技術が知られている。
【0003】
具体的には、例えば特許文献1では、塩化ビニル樹脂などの低透磁性材料からなる配管に巻き付けたコイルに対して周波数が時間的に変化する交流電流を流して配管内を流れる下水を電磁波処理すると共に下水に硫化水素抑制剤を供給することにより、スケールおよび硫化水素の発生を抑制している。
【0004】
また、例えば特許文献2では、鉄、鋳鉄およびステンレス鋼などの透磁性および導電性を有する材料よりなる配管に巻き付けたコイルに対して周波数が時間的に変化する交流電流を流すことにより、表皮効果を利用して、コイルを設置した部分と、コイルを設置した部分の上流側および下流側の双方とを含む幅広い範囲において配管の内表面近傍を流れる排水を電磁波処理し、錆びやスケール等の発生を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005-296796号公報
【文献】特開2017-202455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、上記特許文献1に記載されているような、低透磁性材料からなる配管に巻き付けたコイルに対して交流電流を流して配管内を流れる被処理水を電磁波処理する技術では、コイルを設置した部分では配管の中心部近傍まで被処理水を良好に電磁波処理することができるものの、コイルを設置した部分の上流側および下流側では、被処理水を電磁波処理することができない。
【0007】
一方、上記特許文献2に記載されているような、透磁性および導電性を有する材料よりなる配管に巻き付けたコイルに対して交流電流を流して配管内を流れる被処理水を電磁波処理する技術では、コイルを設置した部分と、コイルを設置した部分の上流側および下流側の双方とを含む幅広い範囲において配管の内表面近傍を流れる被処理水を電磁波処理することができるものの、配管の中心部近傍を流れる被処理水を良好に電磁波処理することはできない。
【0008】
そこで、本発明は、配管の中心部近傍を流れる被処理水の電磁波処理と、幅広い範囲に亘る被処理水の電磁波処理とを両立可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の配管構造体は、高透磁性および導電性を有する材料よりなる第一の配管と、一端が前記第一の配管に接続された第二の配管とを備える配管構造体であって、前記第二の配管は、被処理水が流通する管路と、前記管路の半径方向外側に設けられた誘導電流伝達体と、少なくとも一部が前記管路の外周面と前記誘導電流伝達体との間に位置する電磁波発振部と、前記電磁波発振部に交流電流を流す交流電流発生器とを備え、前記誘導電流伝達体は、高透磁性および導電性を有する材料よりなり、且つ、前記第一の配管に導電可能に接続されており、前記管路は、前記第一の配管および前記誘導電流伝達体よりも透磁性の低い低透磁性材料よりなることを特徴とする。このように、誘導電流伝達体を設け、高透磁性および導電性を有する材料よりなる第一の配管と誘導電流伝達体とを導電可能に接続すれば、電磁波発振部に交流電流を流して電磁波を発生させた際に、電磁波の照射によって誘導電流伝達体で発生した誘導電流を第一の配管へと流し、第一の配管の内表面近傍を流れる被処理水を電磁波処理することができる。また、電磁波発振部に交流電流を流して発生させた電磁波を低透磁性材料よりなる管路を介して被処理水に照射すれば、第二の配管内を流れる被処理水を第二の配管の中心部近傍まで良好に電磁波処理することができる。
【0010】
ここで、本発明の配管構造体は、前記誘導電流伝達体が、内径が前記管路の外径よりも大きい管状体であり、前記管路と前記誘導電流伝達体とが二重管構造を形成していることが好ましい。誘導電流伝達体が管状体であれば、誘導電流を良好に発生させ、第一の配管の内表面近傍を流れる被処理水をより良好に電磁波処理することができる。また、管路と誘導電流伝達体とに二重管構造を形成させれば、管路および誘導電流伝達体を有する第二の配管を第一の配管と容易に接続することができる。
【0011】
そして、本発明の配管構造体は、前記第二の配管の他端に接続された第三の配管を有し、前記第三の配管は、高透磁性および導電性を有する材料よりなり、且つ、誘導電流伝達体と導電可能に接続されていることが好ましい。高透磁性および導電性を有する材料よりなる第三の配管を第二の配管の誘導電流伝達体と導電可能に接続すれば、電磁波発振部に交流電流を流して電磁波を発生させた際に、電磁波の照射によって誘導電流伝達体で発生した誘導電流を第三の配管にも流し、第三の配管の内表面近傍を流れる被処理水も電磁波処理することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の配管構造体によれば、配管の中心部近傍を流れる被処理水の電磁波処理と、幅広い範囲に亘る被処理水の電磁波処理とを両立し、被処理水を良好に電磁波処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】(a)は、本発明に従う配管構造体の一例の概略構造を示す正面図であり、(b)は、図1(a)に示す配管構造体の断面図である。
図2】本発明に従う配管構造体の他の例の概略構造を示す正面図である。
図3】本発明に従う配管構造体の別の例の概略構造を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一の構成要素を示すものとする。
【0015】
本発明の配管構造体は、例えば、上水道、中水道、下水道および各種水処理施設などにおいて用いることができる。
【0016】
ここで、図1(a)および(b)に、本発明の配管構造体の一例の概略構成を示す。図1(a)に正面図を示し、図1(b)に管径方向に沿う断面図を示す配管構造体1は、被処理水(例えば、上水、中水、下水、用水または排水等)を流通させるものであり、第一の配管10と、一端(図1では左端)が第一の配管10に接続された第二の配管20と、第二の配管20の他端(図1では右端)に接続された第三の配管30とを有している。
【0017】
そして、第一の配管10は、高透磁性および導電性を有する材料よりなる。ここで、高透磁性および導電性を有する材料としては、特に限定されることなく、例えば、鉄、ダクタイル鋳鉄等の鋳鉄およびステンレス鋼などを挙げることができる。
【0018】
また、図1(b)に示すように、第二の配管20は、被処理水が流通する管路21と、管路21の半径方向外側に設けられた誘導電流伝達体22とを備えている。更に、第二の配管20には、少なくとも一部(図1では全部)が管路21の外周面と誘導電流伝達体22との間に位置する電磁波発振部43と、電磁波発振部43に交流電流を流す交流電流発生器41とを備える電磁波処理装置40が設けられている。
【0019】
ここで、管路21は、特に限定されることなく、第一の配管10および第三の配管30と等しい内径を有している。また、管路21は、図1(b)に示す例では両端にフランジ部21aを有しており、当該フランジ部21aにおいて誘導電流伝達体22と管径方向に接合されている。なお、フランジ部21aと誘導電流伝達体22とを接合する方法としては、特に限定されることなく、接着剤を用いた接着、溶接などの既知の方法を用いることができる。
【0020】
そして、管路21は、第一の配管10および誘導電流伝達体22よりも透磁性の低い低透磁性材料で形成されている。
なお、管路21を形成し得る低透磁性材料としては、特に限定されることなく、例えば、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。
【0021】
誘導電流伝達体22は、図1(b)に示す例では内径が管路21の外径よりも大きい管状体よりなり、管路21と共に二重管構造を形成している。
また、誘導電流伝達体22は、図1(b)に示す例では両端にフランジ部22aを有しており、フランジ部22aにおいて、第一の配管10および第三の配管30に導電可能に接続されている。ここで、誘導電流伝達体22と、第一の配管10および第三の配管30との導電可能な接続は、特に限定されることなく、例えば、ステンレス鋼などの導電性を有する材料よりなるナット51およびボルト52を用いて、第一の配管10の端部に設けられたフランジ部11および第三の配管30の端部に設けられたフランジ部31と、第二の配管20のフランジ部22aとをフランジ締結することにより達成することができる。なお、配管同士を水密に接続する観点から、フランジ締結されるフランジ部間には、Oリングやパッキンなどのシール材を介在させることができる。
更に、誘導電流伝達体22は、図1(b)に示す例では下側の外周面に貫通孔22bを2つ有しており、当該貫通孔22bには、交流電流発生器41から延びるケーブル42が挿通されている。
【0022】
そして、誘導電流伝達体22は、高透磁性および導電性を有する材料よりなる。ここで、高透磁性および導電性を有する材料としては、特に限定されることなく、例えば、鉄、ダクタイル鋳鉄等の鋳鉄およびステンレス鋼などを挙げることができる。
なお、誘導電流伝達体22は、第一の配管10と同一の材料で形成されていてもよいし、第一の配管10とは異なる材料で形成されていてもよい。
【0023】
電磁波発振部43は、図1(b)に示す例ではケーブル42を管路21の外周に捲き回して形成したコイルよりなる。そして、ケーブル42は、電磁波発振部43に交流電流を流すことにより電磁波を発生させる交流電流発生器41に接続されている。
【0024】
ここで、電磁波発振部43は、管路21側と、誘導電流伝達体22側との双方に電磁波を照射することが可能なものであれば、コイルに限定されるものではない。
【0025】
また、交流電流発生器41としては、特に限定されることなく、例えば特開2011-255345号公報や特開2013-167160号公報に記載の装置や、株式会社サイライズ製の「ウォーター・ウォッチャー」などを用いることができる。中でも、交流電流発生器としては、周波数が時間的に変化する方形波またはサイン波などの交流電流を発生させる交流電流発生器、並びに、単一周波数の交流電流または互いに周波数の異なる2つ以上の単一周波数の交流電流を発生させる交流電流発生器を用いることが好ましく、単一周波数の交流電流または互いに周波数の異なる2つ以上の単一周波数の交流電流を発生させる交流電流発生器を用いることがより好ましい。なお、交流電流発生器41が発生する交流電流の周波数は、特に限定されることなく、例えば10Hz以上1MHz以下とすることができる。また、発生させる電磁波の磁束密度は、10mG以上とすることが好ましい。なお、磁束密度は、電磁波発振部上(例えば、コイルを形成するケーブル上)で測定することができる。
【0026】
そして、上述した交流電流発生器41、ケーブル42および電磁波発振部43は、管路21内を流れる被処理水および誘導電流伝達体22に電磁波を照射する電磁波処理装置40として機能する。
なお、誘導電流伝達体22に誘導電流を良好に発生させる観点からは、電磁波発振部43と誘導電流伝達体22との間の管径方向に沿う距離は、50mm以下であることが好ましい。
【0027】
誘導電流伝達体22に導電可能に接続された第三の配管30は、高透磁性および導電性を有する材料よりなる。ここで、高透磁性および導電性を有する材料としては、特に限定されることなく、例えば、鉄、ダクタイル鋳鉄等の鋳鉄およびステンレス鋼などを挙げることができる。
なお、第三の配管30は、第一の配管10と同一の材料で形成されていてもよいし、第一の配管10とは異なる材料で形成されていてもよい。また、第三の配管30は、誘導電流伝達体22と同一の材料で形成されていてもよいし、誘導電流伝達体22とは異なる材料で形成されていてもよい。
【0028】
そして、配管構造体1では、低透磁性材料よりなる管路21の外周側(具体的には、管路21と誘導電流伝達体22との間)に電磁波発振部43が設けられているので、電磁波発振部43に交流電流を流して電磁波を発生させた際に、管路21の内部まで電磁波を良好に照射し、被処理水を良好に電磁波処理することができる。また、低透磁性材料よりなる管路21では、誘導電流を第一の配管10や第三の配管30へと伝達することが困難であり、電磁波発振部43を設置した部分の上流側および下流側では被処理水を電磁波処理することができないが、配管構造体1では高透磁性および導電性を有する材料よりなる誘導電流伝達体22が電磁波発振部43の管径方向外側に設けられており、且つ、誘導電流伝達体22が第一の配管10および第三の配管30と導電可能に接続されているので、電磁波発振部43に交流電流を流して電磁波を発生させた際に、表皮効果を利用し、電磁波の照射によって誘導電流伝達体22で発生した誘導電流を第一の配管10および第三の配管30へと流し、第一の配管10および第三の配管30の内表面近傍を流れる被処理水を電磁波処理することができる。
従って、第二の配管20内において中心部近傍を流れる被処理水を電磁波処理しつつ、第一の配管10側および第三の配管30側のそれぞれにおいて、幅広い範囲に亘って被処理水を電磁波処理することができる。そして、その結果、防錆やスケーリング抑制等の効果を良好に得ることができる。
【0029】
また、配管構造体1では、誘導電流伝達体22が管状体よりなり、管路21と共に二重管構造を形成しているので、電磁波発振部43から照射された電磁波を十分に広い面積で受けて誘導電流を良好に発生させ、第一の配管10および第三の配管30の内表面近傍を流れる被処理水をより良好に電磁波処理することができると共に、第二の配管20を第一の配管10および第三の配管30と容易に接続することができる。
【0030】
以上、一例を用いて本発明の配管構造体について説明したが、本発明の配管構造体は上述した配管構造体1に限定されるものではない。
【0031】
具体的には、本発明の配管構造体は、第三の配管を有していなくてもよい。即ち、第二の配管の他端は、例えば水槽等の配管以外の構造物に直接接続されていてもよいし、誘導電流伝達体よりも透磁性の低い低透磁性材料よりなる配管に接続されていてもよい。
【0032】
また、図1に示す配管構造体1では、管路21は誘導電流伝達体22と管径方向に接合されていたが、本発明の配管構造体では、管路は、誘導電流伝達体と接合されることなく、ボルトおよびナットなどの既知の手段を用いて第一の配管や第三の配管に水密に締結されていてもよい。
【0033】
更に、図1に示す配管構造体1では、管状体よりなる誘導電流伝達体22を用いたが、本発明の配管構造体では、誘導電流伝達体22の形状は管状体に限定されるものではない。具体的には、本発明の配管構造体は、図2,3に正面図を示すような構造を有していてもよい。また、第二の配管の誘導電流伝達体は、棒状体であってもよい。
ここで、図2に示す配管構造体1Aは、第二の配管20Aの誘導電流伝達体22Aが周方向に間隔を開けて配置された4枚の板状体よりなり、管路21と誘導電流伝達体22Aとの間には電磁波発振部43の一部が位置している点を除き、図1に示す配管構造体1と同様の構成を有している。このように板状体よりなる誘導電流伝達体22Aを使用した場合であっても、電磁波の照射によって誘導電流伝達体22Aで発生した誘導電流を第一の配管10および第三の配管30へと流し、第一の配管10および第三の配管30の内表面近傍を流れる被処理水を電磁波処理することができる。
また、図3に示す配管構造体1Bは、第二の配管20Bの誘導電流伝達体22Bが管路21とは別体に設けられて周方向に間隔を開けて配置された4枚の板状体よりなり、誘導電流伝達体22Bがボルト挿通孔を有して管径方向内方に向かって延びる係合部22a’をフランジ部に替えて有しており、管路21のフランジ部21aが第一の配管10のフランジ部11および第三の配管30のフランジ部31と同じ大きさを有しており、誘導電流伝達体22Bが第一の配管10のフランジ部11と第三の配管30のフランジ部31との間に亘って架け渡されて各配管10,30のフランジ部11,31と、管路21のフランジ部21aと、誘導電流伝達体22Bの係合部22a’とがナット51およびボルト52を用いて締結されており、管路21と誘導電流伝達体22Bとの間には電磁波発振部43の一部が位置している点を除き、図1に示す配管構造体1と同様の構成を有している。このように板状体よりなる誘導電流伝達体22Bを使用した場合であっても、電磁波の照射によって誘導電流伝達体22Bで発生した誘導電流を第一の配管10および第三の配管30へと流し、第一の配管10および第三の配管30の内表面近傍を流れる被処理水を電磁波処理することができる。なお、誘導電流伝達体22Bは、管路21とは別体に設けられているので、容易に取り付け及び取り外しができる。従って、配管構造体1Bでは、誘導電流伝達体22Bの配設数を容易に増減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の配管構造体によれば、配管の中心部近傍を流れる被処理水の電磁波処理と、幅広い範囲に亘る被処理水の電磁波処理とを両立し、被処理水を良好に電磁波処理することができる。
【符号の説明】
【0035】
1,1A,1B 配管構造体
10 第一の配管
11 フランジ部
20,20A,20B 第二の配管
21 管路
21a フランジ部
22,22A,22B 誘導電流伝達体
22a フランジ部
22a’ 係合部
22b 貫通孔
30 第三の配管
31 フランジ部
40 電磁波処理装置
41 交流電流発生器
42 ケーブル
43 電磁波発振部
51 ナット
52 ボルト
図1
図2
図3