(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-07
(45)【発行日】2023-06-15
(54)【発明の名称】ディスプレイデバイスおよび視野角制御光学素子
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13 20060101AFI20230608BHJP
G02B 5/30 20060101ALI20230608BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20230608BHJP
G02F 1/13363 20060101ALI20230608BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
G02F1/13 505
G02B5/30
G02F1/1335 510
G02F1/13363
G02F1/13357
(21)【出願番号】P 2020540797
(86)(22)【出願日】2019-01-24
(86)【国際出願番号】 US2019014889
(87)【国際公開番号】W WO2019147762
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2022-01-11
(32)【優先日】2018-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516384542
【氏名又は名称】リアルディー スパーク エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン、マイケル ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ウッドゲート、グラハム ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ハロルド、ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ラムゼイ、ロバート エー.
【審査官】近藤 幸浩
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2006/030702(WO,A1)
【文献】国際公開第2009/011199(WO,A1)
【文献】国際公開第2008/093445(WO,A1)
【文献】特表2007-501966(JP,A)
【文献】国際公開第2008/078764(WO,A1)
【文献】特開2009-020293(JP,A)
【文献】特開2006-139160(JP,A)
【文献】特開2007-148279(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13
G02F 1/1335
G02F 1/13363
G02F 1/13357
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲照明で使用するためのディスプレイデバイスであって、
光を出力するように配設された空間光変調器(SLM)であって、
前記SLMが、前記SLMの出力側上に配設された出力偏光器を備え、前記出力偏光器が、直線偏光器である、SLMと、
前記出力偏光器の出力側上に配設された追加の偏光器であって、前記追加の偏光器が、直線偏光器である、追加の偏光器と、
前記出力偏光器と前記追加の偏光器との間に配設された反射偏光器であって、前記反射偏光器が、直線偏光器である、反射偏光器と、
前記反射偏光器と前記追加の偏光器との間に配設された
複数の極性制御リターダ
と、を備
え、
前記反射偏光器と前記追加の偏光器との間には更なる偏光器は存在せず、
前記複数の極性制御リターダが、液晶材料の層を備える切り替え可能な液晶リターダと少なくとも1つのパッシブ極性制御リターダとを備え、前記複数の極性制御リターダが、前記切り替え可能な液晶リターダの切り替え可能な状態において、同時に、前記複数の極性制御リターダの平面の法線に沿った軸に沿って前記反射偏光器を通過する光の直交偏光成分に正味の相対位相シフトを導入しないように、かつ前記複数の極性制御リターダの平面の法線に対して傾斜した軸に沿って前記反射偏光器を通過する光の直交偏光成分に正味の相対位相シフトを導入するように配設されている、ディスプレイデバイス。
【請求項2】
前記少なくとも1つのパッシブ
極性制御リターダが、前記少なくとも1つのパッシブ
極性制御リターダの平面の法線に沿った軸に沿って前記反射偏光器を通過する光の直交偏光成分に正味の相対位相シフトを導入しないように、かつ前記少なくとも1つのパッシブ
極性制御リターダの平面の法線に対して傾斜した軸に沿って前記反射偏光器を通過する光の直交偏光成分に正味の相対位相シフトを導入するように配設されている、請求項
1に記載のディスプレイデバイス。
【請求項3】
前記切り替え可能な液晶リターダが、前記切り替え可能な液晶リターダの両側上に、前記液晶材料
の前記層に隣接して配置され、かつ隣接する前記液晶材料
の前記層でホメオトロピック整合を提供するように各々が配設された、2つの表面整合層を備える、請求項
1に記載のディスプレイデバイス。
【請求項4】
前記切り替え可能な液晶リターダの前記液晶材料の層が、負の誘電異方性を有する液晶材料を含む、請求項
3に記載のディスプレイデバイス。
【請求項5】
前記液晶材料の層が、500nm~1000nmの範囲で
、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する、請求項3または
4に記載のディスプレイデバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つのパッシブ
極性制御リターダが、
パッシブリターダを備え、前記パッシブリターダの平面に対して垂直な光学軸を有
し、前記パッシブリターダが、-300nm~-900nmの範囲で
、550nmの波長の光に対するリターダンスを有するか、または
前記少なくとも1つのパッシブ
極性制御リターダが、前記パッシブリターダの平面内で交差する光学軸を有するパッシブリターダ対を備え、前記パッシブ
極性制御リターダ対の各パッシブリターダが、300nm~800nmの範囲で
、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する、請求項
3~5のいずれか一項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項7】
前記切り替え可能な液晶リターダが、前記液晶材料の層に隣接して前記切り替え可能な液晶リターダの両側上に配置され、かつ前
記液晶材料
の層にホモジニアス整合を提供するように各々が配設された、2つの表面整合層を備える、請求項
1に記載のディスプレイデバイス。
【請求項8】
前記切り替え可能な液晶リターダの前記液晶材料の層が、正の誘電異方性を有する液晶材料を含む、請求項
7に記載のディスプレイデバイス。
【請求項9】
前記液晶材料の層が、500nm~900nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する、請求項
7または8に記載のディスプレイデバイス。
【請求項10】
前記少なくとも1つのパッシブ
極性制御リターダが、
パッシブリターダを備え、前記パッシブリターダの平面に対して垂直な光学軸を有
し、前記パッシブリターダが、-300nm~-700nmの範囲で
、550nmの波長の光に対するリターダンスを有し、または
前記少なくとも1つのパッシブ
極性制御リターダが、前記パッシブリターダの平面内で交差する光学軸を有するパッシブリターダ対を備え、前記パッシブリターダ対の各パッシブリターダが、300nm~800nmの範囲で
、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する、請求項
7~9のいずれか一項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項11】
前記切り替え可能な液晶リターダが、前記液晶材料の層に隣接して前記切り替え可能な液晶リターダの両側上に配置された2つの表面整合層を備え、前記表面整合層のうちの一方が、前
記液晶材料にホメオトロピック整合を提供するように配設されており、前記表面整合層のうちの他方が
、前記液晶材料
の層にホモジニアス整合を提供するように配設されている、請求項
1に記載のディスプレイデバイス。
【請求項12】
ホモジニアス整合を提供するように配設された前記表面整合層が、前記液晶材料の層と前記極性制御リターダとの間にあり、
前記液晶材料の層が、700nm~2000nmの範囲で
、550nmの波長の光に対するリターダンスを有し、
前記少なくとも1つのパッシブ
極性制御リターダが、
パッシブリターダを備え、前記パッシブリターダの平面に対して垂直な光学軸を有
し、前記少なくとも1つのパッシブ
極性制御リターダが、-400nm~-1800nmの範囲で
、550nmの波長の光に対するリターダンスを有し、
前記少なくとも1つのパッシブ
極性制御リターダが、前記パッシブリターダの平面内で交差する光学軸を有するパッシブリターダ対を備え、前記パッシブリターダ対の各パッシブリターダが、400nm~1800nmの範囲で
、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する、請求項
11に記載のディスプレイデバイス。
【請求項13】
ホメオトロピック整合を提供するように配設された前記表面整合層が、前記液晶材料の層と前記極性制御リターダとの間にあり、
前記液晶材料の層が、500nm~1800nmの範囲で
、550nmの波長の光に対するリターダンスを有し、かつ
前記少なくとも1つのパッシブ
極性制御リターダが、
パッシブリターダを備え、前記パッシブリターダの平面に対して垂直な光学軸を有
し、前記少なくとも1つのパッシブ
極性制御リターダが、-300nm~-1600nmの範囲で
、550nmの波長の光に対するリターダンスを有するか、または
前記少なくとも1つのパッシブ
極性制御リターダが、前記パッシブリターダの平面内で交差する光学軸を有するパッシブリターダ対を備え、前記パッシブリターダ対の各パッシブリターダが、400nm~1600nmの範囲で
、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する、請求項
11に記載のディスプレイデバイス。
【請求項14】
各整合層が、前記反射偏光器の電気ベクトル透過方向に対して平行であるか、または逆平行であるか、または直交する成分を前記液晶材料の層の平面内に有するプレチルト方向を有するプレチルトを有する、請求項
1~13のいずれか一項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項15】
前記少なくとも1つの極性制御リターダが2つのパッシブリターダをさらに備え、前記切り替え可能な液晶リターダが、前記2つのパッシブリターダ間に設けられている、請求項
1に記載のディスプレイデバイス。
【請求項16】
前記切り替え可能な液晶リターダに隣接する前記2つのパッシブリターダの各々の側面上に形成された透過電極および液晶表面整合層をさらに備える、請求項
15に記載のディスプレイデバイス。
【請求項17】
前記切り替え可能な液晶リターダが間に設けられた第1の基板および第2の基板をさらに備え、前記第1の基板および前記第2の基板が各々前記2つのパッシブリターダのうちの一方を備える、請求項
15または16に記載のディスプレイデバイス。
【請求項18】
前記2つのパッシブリターダが各々、-300nm~-700nmの範囲で
、550nmの波長の光に対する合計のリターダンスを有する、前記パッシブリターダの平面に対して垂直な光学軸を有するパッシブリターダを備える、請求項
15~17のいずれか一項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項19】
前記2つのパッシブリターダの各々が、前記パッシブリターダの平面内に光学軸を有し、
前記光学軸が交差しており、
パッシブリターダ対の各パッシブリターダが、150nm~800nmの範囲で
、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する、請求項
15~18のいずれか一項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項20】
前記切り替え可能な液晶リターダが、前記液晶材料の層を制御するための電圧を印加するように配設された透過性電極をさらに備える、請求項
1~19のいずれか一項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項21】
前記透過性電極が、前記液晶材料の層の両側上にある、請求項
20に記載のディスプレイデバイス。
【請求項22】
前記透過性電極が、少なくとも2つのパターン領域を提供するようにパターン化されている、請求項
20または21に記載のディスプレイデバイス。
【請求項23】
前記切り替え可能な液晶リターダの前記透過性電極間に印加された前記電圧を制御するように配設された制御システムをさらに備える、請求項
20~22のいずれか一項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項24】
前記少なくとも1つの極性制御リターダが、少なくとも1つのパッシブ
極性制御リターダであって、前記少なくとも1つのパッシブ
極性制御リターダの平面の法線に沿った軸に沿って前記反射偏光器を通過する光の直交偏光成分に正味の相対位相シフトを導入しないように、かつ前記少なくとも1つのパッシブ
極性制御リターダの平面の法線に対して傾斜した軸に沿って前記反射偏光器を通過する光の直交偏光成分に正味の相対位相シフトを導入するように配設されている少なくとも1つのパッシブ
極性制御リターダを備える、請求項
1に記載のディスプレイデバイス。
【請求項25】
前記少なくとも1つのパッシブ
極性制御リターダが、少なくとも2つの異なる向きの光学軸を有する少なくとも2つのパッシブリターダを備える、請求項
24に記載のディスプレイデバイス。
【請求項26】
前記少なくとも1つのパッシブ
極性制御リターダが、
パッシブリターダを備え、前記パッシブリターダの平面に対して垂直な光学軸を有す
る、請求項
24または25に記載のディスプレイデバイス。
【請求項27】
前記少なくとも1つのパッシブ
極性制御リターダが、パッシブリターダ対であって、前記パッシブリターダの平面内で交差する光学軸を有する、パッシブリターダ対を備える、請求項
24~26のいずれか一項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項28】
前記パッシブリターダ対が、前記出力偏光器の電気ベクトル透過方向に対して、それぞれ45°および135°で延在する光学軸を有する、請求項
27に記載のディスプレイデバイス。
【請求項29】
前記少なくとも1つのパッシブ
極性制御リターダが、第1の言及したパッシブリターダ対間に配置され、かつ前記パッシブリターダの平面内で交差する光学軸を有する追加のパッシブリターダ対をさらに備える、請求項
27または28に記載のディスプレイデバイス。
【請求項30】
前記追加のパッシブリターダ対が、前記出力偏光器の電気ベクトル透過に対して平行である電気ベクトル透過方向に対して、各々がそれぞれ0°および90°で延在する光学軸を有する、請求項
29に記載のディスプレイデバイス。
【請求項31】
前記少なくとも1つのパッシブ
極性制御リターダが、
パッシブリターダを備え、前記パッシブリターダの平面に対して垂直な成分と前記パッシブリターダの平面内の成分とを有して方向付けられている光学軸を有す
る、請求項
24~30のいずれか一項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項32】
前記パッシブリターダの平面内の前記成分が、前記出力偏光器の電気ベクトル透過に対して平行または垂直である電気ベクトル透過方向に対して0°で延在する、請求項
31に記載のディスプレイデバイス。
【請求項33】
前記少なくとも1つのパッシブ
極性制御リターダが、前記パッシブリターダの平面に対して垂直な光学軸を有するパッシブリターダ、または前記パッシブリターダの平面内で交差する光学軸を有するパッシブリターダ対をさらに備える、請求項
31または32に記載のディスプレイデバイス。
【請求項34】
前記出力偏光器と前記反射偏光器との間に配設された少なくとも1つのさらなる極性制御リターダをさらに備える、請求項
1~33のいずれか一項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項35】
さらなる追加の偏光器が、前記少なくとも1つのさらなる極性制御リターダと前記反射偏光器との間に配設されている、請求項
34に記載のディスプレイデバイス。
【請求項36】
第1の言及した前記少なくとも1つの極性制御リターダが、第1の液晶材料の層を備える第1の切り替え可能な液晶リターダを備え、前記少なくとも1つのさらなる極性制御リターダが、第2の液晶材料の層を備える第2の切り替え可能な液晶リターダを備える、請求項
34または35に記載のディスプレイデバイス。
【請求項37】
前記第1の切り替え可能な液晶リターダと前記第2の切り替え可能な液晶リターダとが、異なるリターダンスを有する、請求項
36に記載のディスプレイデバイス。
【請求項38】
前記第1の切り替え可能な液晶リターダおよび前記第2の切り替え可能な液晶リターダの両端間に共通電圧を印加することを制御するように配設された制御システムをさらに備え、前記第1の切り替え可能な液晶リターダの前記第1の液晶材料が、前記第2の切り替え可能な液晶リターダの前記第2の液晶材料とは異なっている、請求項
37に記載のディスプレイデバイス。
【請求項39】
前記第1の切り替え可能な液晶リターダおよび前記第2の切り替え可能な液晶リターダの各々の
前記第1および第2の液晶材料の層が、450nm~850nmの範囲で
、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する、請求項
36~38のいずれか一項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項40】
第1の言及した前記少なくとも1つの極性制御リターダが、パッシブリターダの平面内で、交差し、かつ前記出力偏光器の電気ベクトル透過方向に対してそれぞれ45°および135°で延在する光学軸を有する、パッシブリターダ対をさらに備え、
前記少なくとも1つのさらなる極性制御リターダが、さらなるパッシブリターダの平面内で、交差し、かつ前記出力偏光器の電気ベクトル透過方向に対してそれぞれ45°および135°で延在する光学軸を有する、さらなるパッシブリターダ対を備え、
互いに最も近い、第1の言及した前記パッシブリターダ対の一方と、前記さらなるパッシブリターダ対の一方と、の前記光学軸が、同じ方向に延在する、請求項
36~39のいずれか一項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項41】
第1の言及した前記パッシブリターダ対の各パッシブリターダと前記さらなるパッシブリターダ対の各パッシブリターダとが、300nm~800nmの範囲で
、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する、請求項
40に記載のディスプレイデバイス。
【請求項42】
前記少なくとも1つのさらなる極性制御リターダが、少なくとも1つのさらなるパッシブリターダを備える、請求項
34~39のいずれか一項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項43】
光を出力するように配設されたバックライトであって、前記SLMが、前記バックライトからの出力光を受け取るように配設された透過型SLMであり、前記SLMが、前記SLMの入力側上に配設された入力偏光器をさらに備え、前記入力偏光器が、直線偏光器である、バックライトと、
前記入力偏光器の入力側上に配設されたさらなる追加の偏光器であって、前記さらなる追加の偏光器が、直線偏光器である、さらなる追加の偏光器と、
前記さらなる追加の偏光器と前記入力偏光器との間に配設された少なくとも1つのさらなる極性制御リターダと、をさらに備える、請求項
1に記載のディスプレイデバイス。
【請求項44】
第1の言及した前記少なくとも1つの極性制御リターダが、第1の液晶材料の層を備える第1の切り替え可能な液晶リターダを備え、前記少なくとも1つのさらなる極性制御リターダが、第2の液晶材料の層を備える第2の切り替え可能な液晶リターダを備える、請求項
43に記載のディスプレイデバイス。
【請求項45】
前記第1の切り替え可能な液晶リターダと前記第2の切り替え可能な液晶リターダとが、異なるリターダンスを有する、請求項
44に記載のディスプレイデバイス。
【請求項46】
前記第1の切り替え可能な液晶リターダおよび前記第2の切り替え可能な液晶リターダの両端間に共通電圧を印加することを制御するように配設された制御システムをさらに備え、前記第1の切り替え可能な液晶リターダの前記第1の液晶材料が、前記第2の切り替え可能な液晶リターダの前記第2の液晶材料とは異なっている、請求項
45に記載のディスプレイデバイス。
【請求項47】
前記第1の切り替え可能な液晶リターダおよび前記第2の切り替え可能な液晶リターダの各々の
前記第1および第2の液晶材料の層が、450nm~850nmの範囲で
、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する、請求項
44~46のいずれか一項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項48】
第1の言及した前記少なくとも1つの極性制御リターダが、パッシブリターダの平面内で、交差し、かつ前記出力偏光器の電気ベクトル透過方向に対してそれぞれ45°および135°で延在する光学軸を有する、パッシブリターダ対をさらに備え、
前記少なくとも1つのさらなる極性制御リターダが、さらなるパッシブリターダの平面内で、交差し、かつ前記出力偏光器の電気ベクトル透過方向に対してそれぞれ45°および135°で延在する光学軸を有する、さらなるパッシブリターダ対を備え、
互いに最も近い、第1の言及した前記パッシブリターダ対の一方と、前記さらなるパッシブリターダ対の一方と、の前記光学軸が、同じ方向に延在する、請求項
44~47のいずれか一項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項49】
第1の言及した前記パッシブリターダ対の各パッシブリターダと前記さらなるパッシブリターダ対の各パッシブリターダとが、300nm~800nmの範囲で
、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する、請求項
48に記載のディスプレイデバイス。
【請求項50】
前記少なくとも1つのさらなる極性制御リターダが、少なくとも1つのさらなるパッシブリターダを備える、請求項
43~49のいずれか一項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項51】
光を出力するように配設されたバックライトであって、前記SLMが、前記バックライトからの出力光を受け取るように配設された透過型SLMである、バックライトをさらに備え、
前記バックライトが、前記SLMの法線に沿った輝度の最大30%
である、45度よりも大きい、前記SLMの法線に対する極角での輝度を提供する、請求項
1に記載のディスプレイデバイス。
【請求項52】
前記SLMが放出型SLMであ
る、請求項
1から51のいずれか一項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項53】
前記反射偏光器および前記出力偏光器が、平行である電気ベクトル透過方向を有する、請求項
1~52のいずれか一項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項54】
前記反射偏光器および前記追加の偏光器が、平行である電気ベクトル透過方向を有する、請求項
1~53のいずれか一項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項55】
前記反射偏光器および前記追加の偏光器が、平行でない電気ベクトル透過方向を有し、
前記ディスプレイデバイスが、前記反射偏光器と前記追加の偏光器との間に配設された回転器リターダをさらに備え、前記回転器リターダが、前記出力偏光器および前記追加の偏光器の前記電気ベクトル透過方向間で前記回転器リターダに入射する偏光の偏光方向を回転させるように配設されている、請求項
1~52のいずれか一項に記載のディスプレイデバイス。
【請求項56】
光を出力するように配設された空間光変調器(SLM)を備える、周囲照明で使用するためのディスプレイデバイスの出力側に適用するための視野角制御光学素子であって、
前記SLMが、前記SLMの出力側上に配設された出力偏光器を備え、
前記視野角制御光学素子が、
追加の偏光器と、
前記ディスプレイデバイスに前記視野角制御光学素子を適用する際に、前記出力偏光器と前記追加の偏光器との間に配設された反射偏光器と、
前記反射偏光器と前記追加の偏光器との間に配設された
複数の極性制御リターダと、を備え、
前記反射偏光器と前記追加の偏光器との間には更なる偏光器は存在せず、
前記複数の極性制御リターダが、液晶材料の層を備える切り替え可能な液晶リターダと少なくとも1つのパッシブ極性制御リターダとを備え、前記複数の極性制御リターダが、前記切り替え可能な液晶リターダの切り替え可能な状態において、同時に、前記複数の極性制御リターダの平面の法線に沿った軸に沿って前記反射偏光器を通過する光の直交偏光成分に正味の相対位相シフトを導入しないように、かつ前記複数の極性制御リターダの平面の法線に対して傾斜した軸に沿って前記反射偏光器を通過する光の直交偏光成分に正味の相対位相シフトを導入するように配設されている、
視野角制御光学素子。
【請求項57】
ディスプレイデバイスであって、
空間光変調器(SLM)と、
前記SLMの少なくとも一方側上に配設されたディスプレイ偏光器であって、前記ディスプレイ偏光器が、直線偏光器である、ディスプレイ偏光器と、
前記少なくとも1つのディスプレイ偏光器のうちの1つと前記SLMの同じ側上に配設された、第1の追加の偏光器であって、前記第1の追加の偏光器が、直線偏光器である、第1の追加の偏光器と、
前記第1の追加の偏光器と前記少なくとも1つのディスプレイ偏光器のうちの前記1つとの間に配設された第1の極性制御リターダと、
前記第1の追加の偏光器の外側に、前記少なくとも1つのディスプレイ偏光器のうちの前記1つと前記SLMの同じ側上に配設されたさらなる追加の偏光器であって、前記さらなる追加の偏光器が、直線偏光器である、さらなる追加の偏光器と、
前記第1の追加の偏光器と前記さらなる追加の偏光器との間に配設されたさらなる極性制御リターダと、を備え、
前記第1の極性制御リターダが、パッシブリターダの平面内で、交差し、かつ前記ディスプレイ偏光器の電気ベクトル透過方向に対してそれぞれ45°および135°で延在する光学軸を有する、パッシブリターダ対を備え、
前記さらなる極性制御リターダが、さらなるパッシブリターダの平面内で、交差し、かつ前記ディスプレイ偏光器の電気ベクトル透過方向に対してそれぞれ45°および135°で延在する光学軸を有する、さらなるパッシブリターダ対を備え、
互いに最も近い、第1の前記パッシブリターダ対の一方と、前記さらなるパッシブリターダ対の一方と、の前記光学軸が、同じ方向に延在する、ディスプレイデバイス。
【請求項58】
前記第1の極性制御リターダおよび前記さらなる極性制御リターダが各々、液晶材料の層を備える切り替え可能な液晶リターダをさらに備え、前記第1の極性制御リターダおよび前記さらなる極性制御リターダが各々、前記切り替え可能な液晶リターダの切り替え可能な状態において、同時に、前記極性制御リターダの平面の法線に沿った軸に沿って前記少なくとも1つのディスプレイ偏光器のうちの前記1つを通過する光の直交偏光成分に正味の相対位相シフトを導入しないように、かつ前記極性制御リターダの平面の法線に対して傾斜した軸に沿って前記少なくとも1つのディスプレイ偏光器のうちの前記1つを通過する光の直交偏光成分に正味の相対位相シフトを導入するように配設されている、請求項
57に記載のディスプレイデバイス。
【請求項59】
光を出力するように配設されたバックライトをさらに備え、前記SLMが、前記バックライトからの出力光を受け取るように配設された透過型SLMであり、前記ディスプレイデバイスが、前記SLMの入力側上に配設された入力偏光器であるディスプレイ偏光器と前記SLMの出力側上に配設された出力偏光器と、を備える、請求項
57または
58に記載のディスプレイデバイス。
【請求項60】
前記SLMが、放出型SLMであり、前記ディスプレイ偏光器が、前記SLMの出力側上に配設された出力偏光器である、請求項
57または
58に記載のディスプレイデバイス。
【請求項61】
ディスプレイデバイスであって、
光を出力するように配設されたバックライトと、
前記バックライトからの出力光を受け取るように配設された透過型空間光変調器(SLM)と、
前記SLMの入力側上に配設された入力偏光器、および前記SLMの出力側上に配設された出力偏光器であって、前記入力偏光器および前記出力偏光器が、直線偏光器である、入力偏光器および出力偏光器と、
前記出力偏光器の出力側上に配設された第1の追加の偏光器であって、前記第1の追加の偏光器が、直線偏光器である、第1の追加の偏光器と、
前記第1の追加の偏光器と前記出力偏光器との間に配設された第1の極性制御リターダと、
前記バックライトと入力偏光器との間に配設されたさらなる追加の偏光器であって、前記さらなる追加の偏光器が、直線偏光器である、さらなる追加の偏光器と、
前記
さらなる追加の偏光器と前記入力偏光器との間に配設されたさらなる極性制御リターダと、を備え、
前記第1の極性制御リターダが、パッシブリターダの平面内で、交差し、かつ前記出力偏光器の電気ベクトル透過方向に対してそれぞれ45°および135°で延在する光学軸を有する、パッシブリターダ対を備え、
前記さらなる極性制御リターダが、さらなるパッシブリターダの平面内で、交差し、かつ前記出力偏光器の電気ベクトル透過方向に対してそれぞれ45°および135°で延在する光学軸を有する、さらなるパッシブリターダ対を備え、
互いに最も近い、第1の前記パッシブリターダ対の一方と、前記さらなるパッシブリターダ対の一方と、の前記光学軸が、同じ方向に延在する、ディスプレイデバイス。
【請求項62】
前記第1の極性制御リターダおよび前記さらなる極性制御リターダが各々、液晶材料の層を備える切り替え可能な液晶リターダをさらに備え、前記第1の極性制御リターダおよび前記さらなる極性制御リターダが各々、前記切り替え可能な液晶リターダの切り替え可能な状態において、同時に、前記極性制御リターダの平面の法線に沿った軸に沿って少なくとも1つの偏光器のうちの1つを通過する光の直交偏光成分に正味の相対位相シフトを導入しないように、かつ前記極性制御リターダの平面の法線に対して傾斜した軸に沿って少なくとも1つの偏光器のうちの1つを通過する光の直交偏光成分に正味の相対位相シフトを導入するように配設されている、請求項
61に記載のディスプレイデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、光変調デバイスからの照明に関し、より具体的には、プライバシーディスプレイを含むディスプレイで使用するための反射光学スタックに関する。
【背景技術】
【0002】
プライバシーディスプレイは、通常、軸上位置にある主ユーザに、画像視認性を提供し、通常、軸外位置にある覗き見者に、画像内容の低減された視認性を提供する。プライバシー機能は、ディスプレイから軸上方向には高輝度を透過し、軸外位置では低輝度となるマイクロルーバー光学フィルムによって提供される場合があるが、このようなフィルムは切り替え可能でないため、ディスプレイはプライバシーのみの機能に制限される。
【0003】
軸外の光出力を制御することにより、切り替え可能なプライバシーディスプレイが提供される場合がある。
【0004】
制御は、輝度低減によって、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)空間光変調器(SLM)のための切り替え可能なバックライトによって、提供され得る。ディスプレイのバックライトは、一般に、導波路と、導波路の少なくとも1つの入力エッジに沿って配設された光源と、を使用する。特定のイメージング指向性バックライトは、ディスプレイパネルを通して照明を視認ウィンドウに向ける追加機能を有する。イメージングシステムは、複数の光源とそれぞれのウィンドウ画像との間に形成され得る。イメージング指向性バックライトの一例は、折り畳まれた光学システムを使用し得る光学バルブであり、それゆえ、折り畳まれたイメージング指向性バックライトの一例でもあり得る。光は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第9,519,153号に記載されているように、光学バルブを通して一方向に実質的に損失なく伝搬することができ、同時に逆伝搬光が、チルトしたファセットからの反射によって抽出され得る。
【0005】
軸外プライバシーの制御は、コントラスト低減によって、例えば、面内スイッチングLCDの液晶面バイアスチルトを調整することによって、さらに提供され得る。
【発明の概要】
【0006】
本開示の第1の態様によれば、周囲照明で使用するためのディスプレイデバイスが提供され、ディスプレイデバイスは、光を出力するように配設されたSLMであって、SLMが、SLMの出力側上に配設された出力偏光器を備え、出力偏光器が、直線偏光器である、SLMと、出力偏光器の出力側上に配設された追加の偏光器であって、追加の偏光器が、直線偏光器である、追加の偏光器と、出力偏光器と追加の偏光器との間に配設された反射偏光器であって、反射偏光器が、直線偏光器である、反射偏光器と、反射偏光器と追加の偏光器の間に配設された少なくとも1つの極性制御リターダと、を備え、少なくとも1つの極性制御リターダが、同時に、少なくとも1つの極性制御リターダの平面の法線に沿った軸に沿って反射偏光器を通過する光の直交偏光成分に正味の相対位相シフトを導入せず、かつ少なくとも1つの極性制御リターダの平面の法線に対して傾斜した軸に沿って反射偏光器を通過する光の直交偏光成分に相対位相シフトを導入することが可能である。
【0007】
少なくとも1つの極性制御リターダが、少なくとも1つの極性制御リターダの平面の法線に沿った軸に沿って反射偏光器を通過する光の偏光成分に位相シフトを導入しないように、および/または少なくとも1つの極性制御リターダの平面の法線に対して傾斜した軸に沿って反射偏光器を通過する光の偏光成分に位相シフトを導入するように、配設されてもよい。
【0008】
有利なことに、軸外の視認位置に対して高反射率および低輝度を提供し、かつ軸上の視認位置に対して低反射率および高輝度を提供する、指向性ディスプレイを提供することができる。このような増加した反射率および低下した輝度により、周囲照明された環境でのディスプレイの軸外の視認者に対して高められた視覚的セキュリティレベル(VSL)を含む、強化されたプライバシー性能を提供する。周囲条件でディスプレイを視認する軸外の覗き見者に対して画像の低視認性を有するプライバシーディスプレイを提供することができる。軸上の視認者は、実質的に変更されないディスプレイを観測することができる。一部の視認者に対する低画像視認性と他の視認者に対する高画像視認性とを有する低迷光ディスプレイを提供することができる。ディスプレイは、乗客または運転者の視認を妨げるために自動車に使用されてもよい。
【0009】
少なくとも1つの極性制御リターダが、LC材料の層を備える切り替え可能な液晶(LC)リターダを備えてもよく、少なくとも1つの極性制御リターダが、切り替え可能なLCリターダの切り替え可能な状態において、同時に、少なくとも1つの極性制御リターダの平面の法線に沿った軸に沿って反射偏光器を通過する光の直交偏光成分に正味の相対位相シフトを導入しないように、かつ少なくとも1つの極性制御リターダの平面の法線に対して傾斜した軸に沿って反射偏光器を通過する光の直交偏光成分に正味の相対位相シフトを導入するように配設されていてもよい。
【0010】
有利なことに、覗き見者に対して高反射率および低輝度を有するプライバシーモードまたは低迷モードと、軸外のユーザに対して増加した輝度および減少した反射率を有する広視認角度モードと、の間でディスプレイを切り替えて、複数のディスプレイユーザに対して高コントラスト画像を達成することができる。主ユーザは、両方の動作モードで実質的に同じ高輝度および低反射率でディスプレイを観測することができる。
【0011】
少なくとも1つの極性制御リターダは、少なくとも1つのパッシブリターダであって、少なくとも1つのパッシブリターダの平面の法線に沿った軸に沿って反射偏光器を通過する光の直交偏光成分に正味の相対位相シフトを導入しないように、かつ少なくとも1つのパッシブリターダの平面の法線に対して傾斜した軸に沿って反射偏光器を通過する光の直交偏光成分に正味の相対位相シフトを導入するように配設され得る少なくとも1つのパッシブリターダをさらに備えてもよい。
【0012】
有利なことに、高VSLが達成され得る極領域を、切り替え可能なLC極性制御リターダを有さずにパッシブ極性制御リターダを有するディスプレイと比較して、実質的に増加させることができる。
【0013】
少なくとも1つの極性制御リターダが切り替え可能なLCリターダを備える場合、一代替形態では、切り替え可能なLCリターダは、切り替え可能なLCリターダの両側上にLC材料に隣接して配置され、かつ隣接するLC材料でホメオトロピック整合を提供するように各々が配設された、2つの表面整合層を備えてもよい。切り替え可能なLCリターダのLC材料の層は、負の誘電異方性を有するLC材料を含んでもよい。LC材料の層は、500nm~1000nmの範囲で、好ましくは600nm~900nmの範囲で、および最も好ましくは700nm~850nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有してもよい。
【0014】
ホメオトロピック整合を提供する2つの表面整合層が設けられる場合、少なくとも1つの極性制御リターダが、リターダの平面に対して垂直な光学軸を有するパッシブリターダをさらに備えてもよく、パッシブリターダが、-300nm~-900nmの範囲で、好ましくは-450nm~-800nmの範囲で、および最も好ましくは-500nm~725nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する。
【0015】
代替的に、ホメオトロピック整合を提供する2つの表面整合層が設けられる場合、少なくとも1つの極性制御リターダが、リターダの平面内で交差する光学軸を有するパッシブリターダ対をさらに備え、パッシブリターダ対の各パッシブリターダが、300nm~800nmの範囲で、好ましくは500nm~700nmの範囲で、および最も好ましくは550nm~675nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する。有利なことに、この場合、電圧が印加されない広視野にわたって、高透過率および低反射率を提供することができる。さらに、プライバシー動作モードでは、狭い視野を横方向に提供することができ、電力消費が少ない。
【0016】
少なくとも1つの極性制御リターダが切り替え可能なLCリターダを備える場合、別の代替形態では、切り替え可能なLCリターダは、切り替え可能な層LCリターダの両側上にLC材料の層に隣接して配置され、かつ隣接するLC材料でホモジニアス整合を提供するように各々が配設された、2つの表面整合層を備えてもよい。有利なことに、LCの両側上のホメオトロピック整合と比較して、圧力が加えられている間のLC材料の流れの視認性に対する増加した回復力を達成することができる。
【0017】
切り替え可能なLCリターダのLC材料の層は、正の誘電異方性を有するLC材料を含んでもよい。LC材料の層は、500nm~900nmの範囲で、好ましくは600nm~850nmの範囲で、および最も好ましくは700nm~800nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有してもよい。
【0018】
ホモジニアス整合を提供する2つの表面整合層が設けられる場合、少なくとも1つの極性制御リターダが、リターダの平面に対して垂直な光学軸を有するパッシブリターダをさらに備えてもよく、パッシブリターダが、-300nm~-700nmの範囲で、好ましくは-350nm~-600nmの範囲で、および最も好ましくは-400nm~500nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する。
【0019】
代替的に、ホモジニアス整合を提供する2つの表面整合層が設けられる場合、少なくとも1つの極性制御リターダが、リターダの平面内で交差する光学軸を有するパッシブリターダ対をさらに備えてもよく、パッシブリターダ対の各パッシブリターダが、300nm~800nmの範囲で、好ましくは350nm~650nmの範囲で、および最も好ましくは450nm~550nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する。
【0020】
リターダの平面内で交差する光学軸を有するパッシブリターダ対を使用する視野は、プライバシー動作モードにおける輝度の低下および反射率の増加を向上させることができる。
【0021】
少なくとも1つの極性制御リターダが切り替え可能なLCリターダを備える場合、別の代替形態では、切り替え可能なLCリターダが、LC材料の層に隣接して切り替え可能なLCリターダの両側上に配置された2つの表面整合層を備えてもよく、表面整合層のうちの一方が、隣接するLC材料にホモジニアス整合を提供するように配設されており、表面整合層のうちの他方が、隣接するLC材料にホモジニアス整合を提供するように配設されている。
【0022】
ホモジニアス整合を提供するように配設された表面整合層がLC材料の層と極性制御リターダとの間にある場合、LC材料の層は、700nm~2000nmの範囲で、好ましくは1000nm~1500nmの範囲で、および最も好ましくは1200nm~1500nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有してもよい。
【0023】
ホモジニアス整合を提供するように配設された表面整合層がLC材料の層と極性制御リターダとの間にある場合、少なくとも1つの極性制御リターダが、リターダの平面に対して垂直な光学軸を有するパッシブリターダをさらに備えてもよく、少なくとも1つのパッシブリターダが、-400nm~-1800nmの範囲で、好ましくは-700nm~-1500nmの範囲で、および最も好ましくは-900nm~1300nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する。
【0024】
ホモジニアス整合を提供するように配設された表面整合層がLC材料の層と極性制御リターダとの間にある場合、少なくとも1つの極性制御リターダが、リターダの平面内で交差する光学軸を有するパッシブリターダ対をさらに備えてもよく、パッシブリターダ対の各リターダが、400nm~1800nmの範囲で、好ましくは700nm~1500nmの範囲で、および最も好ましくは900nm~1300nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する。有利なことに、圧力が加えられている間のLC材料の流れの視認性に対する増加した回復力を達成することができる。
【0025】
ホメオトロピック整合を提供するように配設された表面整合層がLC材料の層と極性制御リターダとの間にある場合、LC材料の層は、500nm~1800nmの範囲で、好ましくは700nm~1500nmの範囲で、および最も好ましくは900nm~1350nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有してもよい。
【0026】
ホメオトロピック整合を提供するように配設された表面整合層がLC材料の層と極性制御リターダとの間にある場合、少なくとも1つの極性制御リターダが、リターダの平面に対して垂直な光学軸を有するパッシブリターダをさらに備えてもよく、少なくとも1つのパッシブリターダが、-300nm~-1600nmの範囲で、好ましくは-500nm~-1300nmの範囲で、および最も好ましくは-700nm~-1150nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する。
【0027】
ホメオトロピック整合を提供するように配設された表面整合層がLC材料の層と極性制御リターダとの間にある場合、少なくとも1つの極性制御リターダが、リターダの平面内で交差する光学軸を有するパッシブリターダ対をさらに備えてもよく、パッシブリターダ対の各リターダが、400nm~1600nmの範囲で、好ましくは600nm~1400nmの範囲で、および最も好ましくは800nm~1300nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する。有利なことに、LCの両側上のホメオトロピック整合と比較して、圧力が加えられている間のLC材料の流れの視認性に対する増加した回復力を達成することができる。
【0028】
各整合層は、電気ベクトル透過方向に対して平行であるかまたは逆平行であるかまたは直交するLC材料の層の平面内に成分を有するプレチルト方向を有するプレチルトを有してもよい。有利なことに、正面の視認位置に対して高輝度を達成することができる。
【0029】
各整合層は、電気ベクトル透過方向に対して平行であるかまたは逆平行であるかまたは直交するLC材料の層の平面内に成分を有するプレチルト方向を有するプレチルトを有してもよい。
【0030】
少なくとも1つの極性制御リターダが切り替え可能なLCリターダを備える場合、少なくとも1つのパッシブリターダはさらに2つのパッシブリターダを備えてもよく、切り替え可能なLCリターダは2つのパッシブリターダの間に設けられる。ディスプレイデバイスは、切り替え可能なLCリターダに隣接する2つのパッシブリターダの各々の側面上に形成された透過電極およびLC表面整合層をさらに備えてもよい。ディスプレイデバイスは、間に切り替え可能なLCリターダが設けられた第1の基板および第2の基板をさらに備えてもよく、第1の基板および第2の基板が各々2つのパッシブリターダのうちの1つを備える。2つのパッシブリターダは各々、リターダの平面に対して垂直な光学軸を有するパッシブリターダを備えてもよく、パッシブリターダが、-300nm~-700nmの範囲で、好ましくは-350nm~-600nmの範囲で、および最も好ましくは-400nm~-500nmの範囲で、550nmの波長の光に対する合計のリターダンスを有する。2つのパッシブリターダの各々は、リターダの平面内に光学軸を有してもよく、光学軸は交差しており、パッシブリターダ対の各パッシブリターダが、150nm~800nmの範囲で、好ましくは200nm~700nmの範囲で、および最も好ましくは250nm~600nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する。有利なことに、厚さ、コスト、および複雑さを低減することができる。
【0031】
切り替え可能なLCリターダは、LC材料の層を制御するための電圧を印加するように配設された透過性電極をさらに備えてもよい。透過性電極は、LC材料の層の両側上にあってもよい。ディスプレイデバイスは、切り替え可能なLCリターダの電極間に印加される電圧を制御するように配設された制御システムをさらに備えてもよい。有利なことに、ディスプレイを制御して、プライバシー動作モードとパブリック動作モードとの間で切り替えることができる。
【0032】
電極は、少なくとも2つのパターン領域を提供するようにパターン化されていてもよい。有利なことに、迷彩パターンを、輝度および反射率のためにプライバシーモードで適用することができ、正面の輝度および反射率を実質的に変更しないことが可能である。
【0033】
少なくとも1つの極性制御リターダが、少なくとも1つのパッシブリターダであって、少なくとも1つのパッシブリターダの平面の法線に沿った軸に沿って反射偏光器を通過する光の直交偏光成分に正味の相対位相シフトを導入しないように、かつ少なくとも1つのパッシブリターダの平面の法線に対して傾斜した軸に沿って反射偏光器を通過する光の直交偏光成分に正味の相対位相シフトを導入するように配設された少なくとも1つのパッシブリターダを備えてもよい。有利なことに、切り替え可能なLC極性制御リターダが設けられない場合、厚さおよびコストを低減することができ、効率を高めることができる。
【0034】
少なくとも1つの極性制御リターダは、少なくとも1つのパッシブリターダを備えてもよい。少なくとも1つのパッシブリターダは、少なくとも2つの異なる向きの光学軸を有する少なくとも2つのパッシブリターダを備えてもよい。有利なことに、低コストのプライバシーディスプレイおよび低迷光ディスプレイを提供することができる。
【0035】
一代替形態では、少なくとも1つのパッシブリターダは、リターダの平面に対して垂直な光学軸を有するリターダを備えてもよい。有利なことに、厚さを低減することができる。
【0036】
別の代替形態では、少なくとも1つのパッシブリターダは、リターダの平面内で交差する光学軸を有するパッシブリターダ対を備えてもよい。有利なことに、パッシブリターダのコストを低減することができ、高い均一性の延伸フィルムがパッシブリターダに使用される。
【0037】
リターダ対は、出力偏光器の電気ベクトル透過方向に対して、それぞれ45°および135°で延在する光学軸を有してもよい。
【0038】
ディスプレイデバイスは、第1の言及したパッシブリターダ対間に配置され、かつ前記パッシブリターダの平面内で交差する光学軸を有する、追加のパッシブリターダ対をさらに備えてもよい。有利なことに、プライバシーディスプレイまたは低迷光ディスプレイを、横向きおよび縦向きの両方に提供することができる。自動車では、フロントガラスおよび他のガラス表面からの反射を低減することができる。
【0039】
追加のパッシブリターダ対は、出力偏光器の電気ベクトル透過に対して平行である電気ベクトル透過方向に対して、各々がそれぞれ0°および90°で延在する光学軸を有してもよい。有利なことに、いくらかの回転対称性を有する極領域に高VSLを提供することができる。
【0040】
別の代替形態では、少なくとも1つのパッシブ極性制御リターダは、リターダの平面に対して垂直な成分とリターダの平面内の成分とを有して方向付けられた光学軸を有するパッシブリターダを備えてもよい。パッシブリターダの面内の成分は、ディスプレイ偏光器の電気ベクトル透過に対して平行または垂直である電気ベクトル透過方向に対して0°で延在してもよい。少なくとも1つのパッシブ極性制御リターダは、パッシブリターダの平面に対して垂直な光学軸を有するパッシブリターダ、またはパッシブリターダの平面内で交差する光学軸を有するパッシブリターダ対をさらに備えてもよい。
【0041】
有利なことに、低いコストおよび複雑さで輝度の低下および横方向の反射の増加を達成するプライバシーディスプレイを提供することができる。モバイルディスプレイを、主ユーザにとって快適な画像の視認性を達成しながら、水平軸を中心に回転させることができる。
【0042】
ディスプレイデバイスは、出力偏光器と反射偏光器との間に配設された少なくとも1つのさらなる極性制御リターダをさらに備えてもよい。有利なことに、視野プロファイルのさらなる変更を透過光に提供することができる。覗き見者に対して輝度を低下させることができると同時に、主ユーザは実質的に同じ輝度を観測することができる。
【0043】
ディスプレイデバイスは、光を出力するように配設されたバックライトをさらに備えてもよく、SLMは、バックライトからの出力光を受け取るように配設された透過型SLMであり、バックライトは、45度よりも大きいSLMの法線に対してある極角で、SLMの法線に沿った輝度の最大30%、好ましくはSLMの法線に沿った輝度の最大20%、および最も好ましくはSLMの法線に沿った輝度の最大10%である輝度を提供する。有利なことに、薄い厚さおよび低コストで高VSLを提供することができる。さらに、周囲照度が低下した環境では、VSLが高くなり得る。
【0044】
さらなる偏光制御リターダと反射偏光器との間に、さらなる追加の偏光器が配設されていてもよい。ディスプレイデバイスは、少なくとも1つのさらなる極性制御リターダおよびさらなる追加の偏光器をさらに備えてもよく、少なくとも1つのさらなる極性制御リターダは、第1の言及したさらなる偏光器とさらなる追加の偏光器との間に配設されている。有利なことに、覗き見者に対して輝度を低下させることができる。
【0045】
少なくとも1つのさらなる極性制御リターダは、少なくとも1つのさらなるパッシブリターダを備えてもよい。有利なことに、厚さおよびコストの増加を小さくすることができる。
【0046】
第1の言及した少なくとも1つの極性制御リターダは、LC材料の第1の層を備える第1の切り替え可能なLCリターダを備えてもよく、少なくとも1つのさらなる極性制御リターダは、LC材料の第2の層を備える第2の切り替え可能なLCリターダを備えてもよい。さらなる切り替え可能なLCリターダは、反射偏光器に対して平行にまたは逆平行にまたは直交して整合したLC材料の層の平面内の成分を有するプレチルト方向を有するプレチルトを有するLC材料に隣接して配置された少なくとも1つの表面整合層を備えてもよい。
【0047】
有利なことに、パブリック動作モードでの視野を実質的に変更しないことが可能であると同時に、プライバシー動作モードでの透過光に視野プロファイルのさらなる変更を提供することができる。覗き見者に対して輝度を低下させることができると同時に、主ユーザは実質的に同じ輝度を観測することができる。第1のLCリターダと第2のLCリターダとは、異なるリターダンスを有してもよい。視認角度による色変化を低減することができる。
【0048】
反射偏光器の電気ベクトル透過方向は、追加の偏光器の電気ベクトル透過方向と平行であってもよく、および/または出力偏光器の電気ベクトル透過方向と平行であってもよい。
【0049】
第1の切り替え可能なLCリターダおよび第2の切り替え可能なLCリターダの各々のLC材料の層は、450nm~850nmの範囲で、好ましくは500nm~750nmの範囲で、および最も好ましくは550nm~650nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有してもよい。高極視認角度でのVSLを高めることができる。
【0050】
第1の言及した少なくとも1つの極性制御リターダは、リターダの平面内で交差する光学軸を有するパッシブリターダ対をさらに備え、パッシブリターダ対の第1のものは、出力偏光器の電気ベクトル透過方向に対してそれぞれ45°および135°で延在する光学軸を有し、パッシブリターダ対の第2のものは、出力偏光器の電気ベクトル透過方向に対して135°で延在する光学軸を有し、少なくとも1つのさらなる極性制御リターダは、リターダの平面内で交差する光学軸を有するさらなるパッシブリターダ対を備え、さらなるパッシブリターダ対の第1のものは、出力偏光器の電気ベクトル透過方向に対してそれぞれ45°および135°で延在する光学軸を有し、互いに最も近い、第1の言及したパッシブリターダ対の一方と、さらなるパッシブリターダ対の一方と、の光学軸は、同じ方向に延在する。
【0051】
有利なことに、軸外の覗き見者に対する反射光および透過光の色の出現は、正および負の横視認角度に対して対称であり得る。最小限のVSLを高めることができる。
【0052】
第1の言及したパッシブリターダ対の各パッシブリターダとさらなるパッシブリターダ対の各パッシブリターダとが、300nm~800nmの範囲で、好ましくは350nm~650nmの範囲で、および最も好ましくは400nm~550nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する。高極視認角度でのVSLを高めることができる。
【0053】
ディスプレイデバイスは、光を出力するように配設されたバックライトであって、SLMが、バックライトからの出力光を受け取るように配設された透過型SLMであり、SLMが、SLMの入力側上に配設された入力偏光器をさらに備え、入力偏光器が、直線偏光器である、バックライトと、入力偏光器の入力側上に配設されたさらなる追加の偏光器であって、さらなる追加の偏光器が、直線偏光器である、さらなる追加の偏光器と、さらなる追加の偏光器と入力偏光器との間に配設された少なくとも1つのさらなる極性制御リターダと、をさらに備えてもよい。有利なことに、SLMと視認者との間の厚さの増加が低減される。画像の忠実度を高めて提供することができ、拡散を増加させて正面のユーザに対する鏡面前面反射の出現を低減することができる。積層ステップ数を低減することができ、VSLを高めることができる。広視認角度でパブリックモードを提供することができる。
【0054】
ディスプレイデバイスは、第1の切り替え可能なLCリターダおよび第2の切り替え可能なLCリターダの両端間に共通電圧を印加することを制御するように配設された制御システムをさらに備えてもよく、第1のLCリターダのLC材料が、第2のLCリターダのLC材料とは異なっている。有利なことに、制御システムのコストを低減することができる。視認角度による色変化を低減することができる。
【0055】
反射偏光器および出力偏光器は、平行である電気ベクトル透過方向を有することができる。反射偏光器および追加の偏光器は、平行である電気ベクトル透過方向を有することができる。反射偏光器および追加の偏光器は、平行でない電気ベクトル透過方向を有してもよく、ディスプレイデバイスは、反射偏光器と追加の偏光器との間に配設された回転器リターダをさらに備えてもよく、回転器リターダは、ディスプレイ偏光器と追加の偏光器との電気ベクトル透過方向間で回転器リターダに入射する偏光の偏光方向を回転させるように配設されている。有利なことに、高効率を提供することができる。追加の偏光器は、電気ベクトル透過方向に整合して、一般的なユーザの向きに対して偏光サングラスを通して光を透過させることができる。TN-LCDなどの非並列出力電気ベクトル透過方向を有するSLMを使用することができる。
【0056】
本開示の第2の態様によれば、光を出力するように配設されたSLMを備える、周囲照明で使用するためのディスプレイデバイスの出力側に適用するための視野角制御光学素子が提供され、SLMは、SLMの出力側上に配設された出力偏光器を備え、視野角制御光学素子は、追加の偏光器と、ディスプレイデバイスへの視野角制御光学素子の適用時に出力偏光器と追加の偏光器との間に配設される反射偏光器と、反射偏光器と追加の偏光器の間に配設された少なくとも1つの極性制御リターダと、を備え、少なくとも1つの極性制御リターダが、同時に、少なくとも1つの極性制御リターダの平面の法線に沿った軸に沿って反射偏光器を通過する光の直交偏光成分に正味の相対位相シフトを導入せず、かつ少なくとも1つの極性制御リターダの平面の法線に対して傾斜した軸に沿って反射偏光器を通過する光の直交偏光成分に相対位相シフトを導入することが可能である。
【0057】
有利なことに、ディスプレイユーザによってアフターマーケット素子をディスプレイに取り付けることができる。素子は、複雑な整合を必要としない。素子とディスプレイのピクセルとの間のモアレビートは存在せず、ピクセルピッチに関する成分の選択は必要とされない。在庫コストが低減される。代替的に、視野角制御光学素子を、好都合に工場でディスプレイモジュールに備え付けることができる。
【0058】
本開示の第1の態様に関して上記で述べた様々な特徴および代替形態は、本開示の第2の態様に同様に適用され得る。
【0059】
本開示の第3の態様によれば、ディスプレイデバイスが提供され、ディスプレイデバイスは、SLMと、SLMの少なくとも一方側上に配設されたディスプレイ偏光器であって、ディスプレイ偏光器が、直線偏光器である、ディスプレイ偏光器と、少なくとも1つのディスプレイ偏光器の1つとSLMの同じ側上に配設された第1の追加の偏光器であって、第1の追加の偏光器が、直線偏光器である、第1の追加の偏光器と、第1の追加の偏光器と少なくとも1つのディスプレイ偏光器のうちの1つとの間に配設された第1の複数の極性制御リターダと、第1の追加の偏光器の外側に、少なくとも1つのディスプレイ偏光器のうちの上記の1つとSLMの同じ側上に配設されたさらなる追加の偏光器であって、さらなる追加の偏光器が、直線偏光器である、さらなる追加の偏光器と、さらなる第1の追加の偏光器と少なくとも1つのディスプレイ偏光器さらなる追加の偏光器のうちの1つとの間に配設されたさらなる複数の極性制御リターダと、を備え、第1の言及した複数の極性制御リターダが、リターダの平面内で交差する光学軸を有するパッシブリターダ対を備え、パッシブリターダ対の第1のものは、出力偏光器の電気ベクトル透過方向に対して45°で延在する光学軸を有し、パッシブリターダ対の第2のものは、出力偏光器であるディスプレイ偏光器の電気ベクトル透過方向に対して135°で延在し、かつ出力偏光器の電気ベクトル透過方向に対してそれぞれ45°および135°で延在する光学軸を有し、さらなる複数の極性制御リターダは、リターダの平面内で交差する光学軸を有するさらなるパッシブリターダ対を備え、さらなるパッシブリターダ対の第1のものは、出力偏光器の電気ベクトル透過方向に対して135°で延在する光学軸を有し、さらなるパッシブリターダ対の第2のものは、出力偏光器であるディスプレイ偏光器の電気ベクトル透過方向に対して45°で延在し、かつ出力偏光器の電気ベクトル透過方向に対してそれぞれ45°および135°で延在する光学軸を有し、互いに最も近い、第1のパッシブ極性制御リターダ対の一方と、さらなるパッシブ極性制御リターダ対の一方と、の光学軸が同じ方向に延在する。
【0060】
有利なことに、パブリック動作モードにおいて広視野にわたって高い画像視認性を有する、切り替え可能なプライバシーディスプレイを提供することができる。コリメート化バックライトと比較してコストが低減され、かつ耐久性が高められた、広角バックライトを提供することができる。プライバシー動作モードでは、低ディスプレイ反射率で、軸外の覗き見者が位置し得る広視野にわたって高VSLを達成することができる。正面反射の視認性を最小限に抑えながら高いピクセル忠実度を達成するための表面粗さを有するディフューザがディスプレイの前面上に配設され得るように、リターダおよび追加の偏光器がバックライトとSLMとの間に配設されていてもよい。色度および輝度のロールオフは対称であってもよい。
【0061】
本開示の第4の態様によれば、バックライトからの出力光を受け取るように配設された透過型SLMと、SLMの入力側上に配設された入力偏光器、およびSLMの出力側上に配設された出力偏光器であって、入力偏光器および出力偏光器が、直線偏光器である、入力偏光器および出力偏光器と、出力偏光器の出力側上に配設された第1の追加の偏光器であって、第1の追加の偏光器が、直線偏光器である、第1の追加の偏光器と、第1の追加の偏光器と出力偏光器との間に配設された第1の極性制御リターダと、バックライトと入力偏光器との間に配設されたさらなる追加の偏光器であって、さらなる追加の偏光器が、直線偏光器である、さらなる追加の偏光器と、第1の追加の偏光器と入力偏光器との間に配設されたさらなる極性制御リターダと、が提供され、第1の極性制御リターダが、交差し、かつ出力偏光器の電気ベクトル透過方向に対してそれぞれ45°および135°で延在する光学軸をリターダの面内に有するパッシブリターダ対を備え、さらなる極性制御リターダが、交差し、かつ出力偏光器の電気ベクトル透過方向に対してそれぞれ45°および135°で延在する光学軸を有するさらなるパッシブリターダ対を備え、互いに最も近い、第1のパッシブ極性制御リターダ対の一方と、パッシブ極性制御リターダ対の一方と、の光学軸が、同じ方向に延在する。
【0062】
有利なことに、パブリック動作モードにおいて広視野にわたって高い画像視認性を有する、切り替え可能なプライバシーディスプレイを提供することができる。コリメート化バックライトと比較してコストが低減され、かつ耐久性が高められた、広角バックライトを提供することができる。プライバシー動作モードでは、低ディスプレイ反射率で、軸外の覗き見者が位置し得る広い視野にわたって高VSLを達成することができる。正面反射の視認性を最小限に抑えながら高ピクセル忠実度および高画像コントラストを達成するための表面粗さを有するディフューザがディスプレイの前面上に配設され得るように、リターダおよび追加の偏光器がバックライトとSLMとの間に配設されてもよい。色度および輝度のロールオフは対称であってもよい。SLMからの散乱は、リターダのうちの1つと追加の偏光器とを透過する光に影響を与えないことが可能であるため、VSLを高めることができる。
【0063】
本開示の各実施形態は、広範な光学システムで使用することができる。実施形態は、様々なプロジェクタ、投影システム、光学部品、ディスプレイ、マイクロディスプレイ、コンピュータシステム、プロセッサ、自内蔵型プロジェクタシステム、ビジュアルシステムおよび/またはオーディオビジュアルシステム、ならびに電気デバイスおよび/または光学デバイスを含んでもよく、またはこれらと共に作動してもよい。本開示の態様は、光学デバイスおよび電気デバイス、光学システム、プレゼンテーションシステム、または任意のタイプの光学システムを包含してもよい任意の装置に関連する、実質的にいかなる装置に使用されてもよい。したがって、本開示の実施形態は、視覚および/または光学プレゼンテーション、視覚周辺機器などで使用される光学システム、デバイス、およびいくつかのコンピューティング環境で使用することができる。
【0064】
詳細に開示する複数の実施形態に進む前に、本開示は、他の実施形態が可能であるので、用途または作成において、示される特定の配置の詳細に限定されないことを理解するべきである。さらに、本開示の態様は、独自の固有の実施形態を規定するために異なる組み合わせおよび配設で述べられてもよい。また、本明細書で使用する用語は、説明の目的のためのものであって、限定するためのものではない。
【0065】
本開示の前述および他の利点ならびに特徴は、本開示をその全体にわたって読むことで、当業者に明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0066】
例示のために、実施形態が添付の図面に例示され、添付の図面において、同様の参照符号は、類似の部分を示す。
【
図1A】透過型SLM、反射偏光器、および補償された切り替え可能なリターダを備える、周囲照明で使用するための切り替え可能なプライバシーディスプレイを側面斜視図で例示している図である。
【
図1B】放出型SLMおよび補償された切り替え可能なリターダを備える、周囲照明において使用するための切り替え可能なプライバシーディスプレイを側面斜視図で例示している図である。
【
図2A】
図1Aの光学スタックにおける光学層の整合を正面図で例示している図である。
【
図2B】反射偏光器、パッシブ極性制御リターダ、切り替え可能なLCリターダ、および追加の偏光器を備える視野角制御素子を側面斜視図で例示している図である。
【
図3】プライバシーモードでのパッシブ負のC-プレート極性制御リターダを備える切り替え可能なLCリターダの配設を透視側面図で例示している図である。
【
図4A】プライバシーモードにおける
図1Aの光学スタックを通したSLMからの出力光の伝搬を側面図で例示している図である。
【
図4B】
図4Aの透過光線について極方向による出力輝度の変化を例示しているグラフである。
【
図5A】プライバシーモードにおける
図1Aの光学スタックを通した周囲照明光の伝搬を上面図で例示している図である。
【
図5B】
図5Aの反射光線について極方向による反射率の変化を例示しているグラフである。
【
図5C】
図5Aの反射光線について横方向による反射率の変化の測定値を例示しているグラフである。
【
図6A】プライバシーモードにおけるディスプレイの透過出力光の観測を正面斜視図で例示している図である。
【
図6B】ディスプレイのインターフェース表面からの反射された周囲光の観測を正面斜視図で例示している図である。
【
図6C】プライバシーモードにおける
図1Aおよび
図1Bのディスプレイについて反射された周囲光の観測を正面斜視図で例示している図である。
【
図7A】プライバシーモードにおける
図1Aおよび
図1Bのディスプレイの外観を正面斜視図で例示している図である。
【
図7B】反射偏光器を有する配設および有さない配設について、プライバシーモードにおける
図1Aおよび
図1Bの切り替え可能なプライバシーディスプレイの軸外の覗き見者の周囲照度に対する知覚ダイナミックレンジの変化を例示しているグラフである。
【
図7C】コリメート化バックライトを備える
図1Aのディスプレイについて極方向によるVSLの変化を例示しているグラフである。
【
図7D】複数のリターダを備えないディスプレイについて極方向によるVSLの変化を例示しているグラフである。
【
図8A】エンターテインメントモードと共有モードとの両方について車両内に配設された切り替え可能な指向性ディスプレイを有する自動車を側面図で例示している図である。
【
図8B】エンターテインメントモードにある、車両内に配設された切り替え可能な指向性ディスプレイを有する自動車を上面図で例示している図である。
【
図8C】共有モードにある、車両内に配設された切り替え可能な指向性ディスプレイを有する自動車を上面図で例示している図である。
【
図8D】夜間モードと昼間モードとの両方について、車室内に配設された切り替え可能な指向性ディスプレイを有する自動車を上面図で例示している図である。
【
図8E】夜間モードにある、車室内に配設された切り替え可能な指向性ディスプレイを有する自動車を側面図で例示している図である。
【
図8F】昼間モードにある、車室内に配設された切り替え可能な指向性ディスプレイを有する自動車を側面図で例示している図である。
【
図9A】パブリックモードにある切り替え可能なリターダの配設を透視側面図で例示している図であり、切り替え可能なリターダが、ホメオトロピック整合を有する切り替え可能なLC層とパッシブC-プレート極性制御リターダとを備える。
【
図9B】パブリックモードにおける
図1Aの光学スタックを通したSLMからの出力光の伝搬を側面図で例示している図である。
【
図9C】
図9Bの透過光線について極方向による出力輝度の変化を例示しているグラフである。
【
図9D】パブリックモードにおける
図1Aの光学スタックを通した周囲照明光の伝搬を上面図で例示している図である。
【
図9E】
図9Dの反射光線について極方向による反射率の変化を例示しているグラフである。
【
図10A】パブリックモードでのディスプレイの透過出力光の観測を正面斜視図で例示している図である。
【
図10B】パブリックモードにおける
図1Aの切り替え可能なディスプレイからの反射された周囲光の観測を正面斜視図で例示している図である。
【
図10C】パブリックモードにおける
図1Aのディスプレイの外観を正面斜視図で例示している図である。
【
図11A】パブリックモードにある切り替え可能なリターダの配設を透視側面図で例示している図であり、切り替え可能なリターダが、ホモジニアス整合を有する切り替え可能なLC層と交差A-プレート極性制御リターダとを備える。
【
図11B】プライバシーモードにおける
図11Aの透過光線について極方向による出力輝度の変化を例示しているグラフである。
【
図11C】プライバシーモードにおける
図11Aの反射光線について極方向による反射率の変化を例示しているグラフである。
【
図11D】パブリックモードにおける
図11Aの透過光線について極方向による出力輝度の変化を例示しているグラフである。
【
図11E】パブリックモードにおける
図11Aの反射光線について極方向による反射率の変化を例示しているグラフである。
【
図11F】交差A-プレートパッシブ極性制御リターダおよびホモジニアス整合した切り替え可能なLCリターダを備え、パッシブ回転リターダをさらに備える、プライバシーモードにある切り替え可能な補償リターダの配設を透視側面図で例示している図である。
【
図12A】ホモジニアス整合した切り替え可能なLCリターダと、第1の電圧で駆動されるパッシブ負のC-プレートリターダと、を備える、プライバシーモードにある切り替え可能なリターダの配設を斜視側面図で例示している図である。
【
図12B】ホモジニアス整合した切り替え可能なLCリターダと、第1の電圧とは異なる第2の電圧で駆動されるパッシブ負のC-プレートリターダと、を備える、プライバシーモードにある切り替え可能なリターダの配設を斜視側面図で例示している図である。
【
図12C】プライバシーモードにおける
図12Aの透過光線について極方向による出力輝度の変化を例示しているグラフである。
【
図12D】プライバシーモードにおける
図12Aの反射光線について極方向による反射率の変化を例示しているグラフである。
【
図12E】パブリックモードにおける
図12Bの透過光線について極方向による出力輝度の変化を例示しているグラフである。
【
図12F】パブリックモードにおける
図12Bの反射光線について極方向による反射率の変化を例示しているグラフである。
【
図13A】ホモジニアス整合した切り替え可能なLCリターダを備える、プライバシーモードにある切り替え可能なリターダの配設を斜視側面図で例示している図である。
【
図13B】プライバシーモードにおける
図13Aの透過光線について極方向による出力輝度の変化を例示しているグラフである。
【
図13C】プライバシーモードにおける
図13Aの反射光線について極方向による反射率の変化を例示しているグラフである。
【
図13D】パブリックモードにおける
図13Aの透過光線について極方向による出力輝度の変化を例示しているグラフである。
【
図13E】パブリックモードにおける
図13Aの反射光線について極方向による反射率の変化を例示しているグラフである。
【
図13F】反射偏光器、切り替え可能なLCリターダ、および追加の偏光器を備える視野角制御素子を側面斜視図で例示している図である。
【
図14A】交差A-プレートパッシブリターダとホメオトロピック整合した切り替え可能なLCリターダとを備える、プライバシーモードにある切り替え可能なリターダの配設を斜視側面図で例示している図である。
【
図14B】プライバシーモードにおける
図14Aの透過光線について極方向による出力輝度の変化を例示しているグラフである。
【
図14C】プライバシーモードにおける
図14Aの反射光線について極方向による反射率の変化を例示しているグラフである。
【
図14D】交差A-プレートパッシブリターダとホメオトロピック整合した切り替え可能なLCリターダとを備える、パブリックモードにある切り替え可能なリターダの配設を透視側面図で例示している図である。
【
図14E】パブリックモードにおける
図14Dの透過光線について極方向による出力輝度の変化を例示しているグラフである。
【
図14F】プライバシーモードにおける
図14Dの反射光線について極方向による反射率の変化を例示しているグラフである。
【
図15A】ホモジニアス整合およびホメオトロピック整合した切り替え可能なLCリターダおよびパッシブ負のC-プレートリターダを備える、プライバシーモードにある切り替え可能なリターダの配設を透視側面図で例示している図である。
【
図15B】プライバシーモードにおける
図15Aの透過光線について極方向による出力輝度の変化を例示しているグラフである。
【
図15C】プライバシーモードにおける
図15Aの反射光線について極方向による反射率の変化を例示しているグラフである。
【
図15D】パブリックモードにおける
図15Aの透過光線について極方向による出力輝度の変化を例示しているグラフである。
【
図15E】パブリックモードにおける
図15Aの反射光線について極方向による反射率の変化を例示しているグラフである。
【
図16】非コリメートバックライト、反射再循環偏光器と透過型SLMとの間に配設されたパッシブリターダ、反射偏光器、補償された切り替え可能なリターダ、および追加の偏光器を備える、周囲照明で使用するための切り替え可能なプライバシーディスプレイを側面透視図で例示している図である。
【
図17A】放出型SLM、パッシブコントロールリターダ、追加の偏光器、反射偏光器、補償された切り替え可能なリターダ、および追加の偏光器を備える、周囲照明で使用するための切り替え可能なプライバシーディスプレイを側面斜視図で例示している図である。
【
図17B】パッシブ制御リターダ、第1の追加の偏光器、反射偏光器、パッシブ極性制御リターダ、切り替え可能なLCリターダ、および第2の追加の偏光器を備える、視野角制御素子を側面斜視図で例示している図である。
【
図18A】広角バックライトを備える、周囲照明で使用するための切り替え可能なプライバシーディスプレイを側面斜視図で例示している図であり、第1の複数のリターダがバックライトとSLMとの間に配設され、さらに複数のリターダがSLMから光を受け取るように配設されている。
【
図18B】反射偏光器と追加の偏光器との間に配設された複数のリターダと、透過型SLMの入力偏光器とさらなる追加の偏光器との間に配設された複数のリターダと、を備える光学スタックの光学層の配設を正面図で例示している図であり、複数のリターダおよびさらなる複数のリターダが各々、交差A-プレートを備える。
【
図18C】交差パッシブA-プレートおよびホモジニアス整合した切り替え可能なLCリターダを備える複数のリターダの透過光線について極方向による対数出力輝度の変化を例示しているグラフである。
【
図18D】交差パッシブA-プレートおよびホモジニアス整合した切り替え可能なLCリターダを備える複数のリターダの透過光線について横視認角度による対数出力輝度の変化を横方向に例示しているグラフである。
【
図18E】放出型SLM、第1の補償された切り替え可能なLCリターダ、第1の追加の偏光器、反射偏光器、第2の補償された切り替え可能なLCリターダ、および第2の追加の偏光器を備える、周囲照明で使用するための切り替え可能なプライバシーディスプレイを側面斜視図で例示している図である。
【
図18F】反射偏光器と追加の偏光器との間に配設された複数のリターダと、出力偏光器と反射偏光器であるさらなる追加の偏光器との間に配設されたさらなる複数のリターダと、を備える光学スタックの光学層の配設を正面図で例示している図であり、複数のリターダおよびさらなる複数のリターダが各々、交差A-プレートを備える。
【
図18G】さらなる追加の光吸収偏光器と追加の偏光器との間に配設された複数のリターダと、出力偏光器とさらなる追加の偏光器との間に配設されたさらなる複数のリターダと、を備える光学スタックの光学層の配設を正面図で例示している図であり、複数のリターダおよびさらなる複数のリターダが各々、交差A-プレートを備える。
【
図18H】さらなる追加の光吸収偏光器と追加の偏光器との間に配設された複数のリターダと、入力偏光器とさらなる追加の偏光器との間に配設されたさらなる複数のリターダと、を備える透過型SLM用光学スタックの光学層の配設を正面図で例示している図であり、複数のリターダおよびさらなる複数のリターダが各々、交差A-プレートを備える。
【
図18I】さらなる追加の偏光器と透過型SLMの入力偏光器との間に配設された複数のリターダと、出力偏光器と追加の偏光器との間に配設されたさらなる複数のリターダと、を備える透過型SLM用光学スタックの光学層の配設を正面図で例示している図であり、複数のリターダおよびさらなる複数のリターダが各々、交差A-プレートを備える。
【
図18J】出力偏光器と反射偏光器との間に配設された、第1の負のC-プレートパッシブリターダおよび第1のホモジニアス整合した切り替え可能なLCリターダと、反射偏光器とさらなる追加の偏光器との間に配設された、第2の負のC-プレートパッシブリターダおよび第2のホモジニアス整合した切り替え可能なLCリターダと、を備える、プライバシーモードにある切り替え可能なリターダの配設を透視側面図で例示している図である。
【
図18K】第1の補償された切り替え可能なLCリターダ、第1の追加の偏光器、反射偏光器、第2の補償された切り替え可能なLCリターダ、および第2の追加の偏光器を備える視野角制御素子を側面斜視図で例示している図である。
【
図19A】昼間モードおよび/または共有モードについて、車室内に配設された切り替え可能な指向性ディスプレイを有する自動車を上面図で例示している図である。
【
図19B】昼間モードおよび/または共有モードについて、車室内に配設された切り替え可能な指向性ディスプレイを有する自動車を側面図で例示してる図である。
【
図19C】夜間モードおよび/またはエンターテインメントモードについて、車室内に配設された切り替え可能な指向性ディスプレイを有する自動車を上面図で例示してる図である。
【
図19D】夜間モードおよび/またはエンターテインメントモードについて、車室内に配設された切り替え可能な指向性ディスプレイを有する自動車を側面図で例示している図である。
【
図20A】バックライト、透過型SLM、反射偏光器、リターダスタック、および追加の偏光器を備える、周囲照明で使用するためのプライバシーディスプレイを側面透視図で例示している図である。
【
図20B】反射偏光器、リターダスタック、および追加の偏光器を備える視野角制御素子を側面斜視図で例示している図である。
【
図20C】第1のリターダスタックおよび追加の偏光器、反射偏光器、第2のリターダスタックおよびさらなる追加の偏光器を備える視野角制御素子を側面斜視図で例示してる図である。
【
図20D】バックライト、反射再循環偏光器、入力リターダスタック、透過型SLM、反射偏光器、リターダスタック、および追加の偏光器を備える、周囲照明で使用するためのプライバシーディスプレイを側面斜視図で例示している図である。
【
図21A】負のC-プレートを備え、かつディスプレイデバイスの視野変更を提供するように配設された、パッシブリターダの光学スタックを側面斜視図で例示してる図である。
【
図21B】
図21Aのパッシブリターダにおける透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示しているグラフである。
【
図21C】ディスプレイ偏光器の電気ベクトル透過方向に直交する平面でチルトした負のOプレートと、負のC-プレートと、を備え、かつディスプレイデバイスの視野変更を提供するように配設された、パッシブリターダの光学スタックを側面斜視図で例示している図である。
【
図21D】
図21Cのパッシブリターダにおける透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示しているグラフである。
【
図21E】ディスプレイ偏光器の電気ベクトル透過方向に直交する平面内でチルトした正のO-プレートと、交差A-プレートと、を備え、かつディスプレイデバイスの視野変更を提供するように配設された、パッシブリターダの光学スタックを側面斜視図で例示している図である。
【
図21F】
図21Eのパッシブリターダにおける透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示しているグラフである。
【
図22A】2つの交差A-プレート対を備えるディスプレイデバイスの視野変更を提供するように配設された光学スタックを側面斜視図で例示している図である。
【
図22B】
図22Aのパッシブリターダにおける透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示しているグラフである。
【
図23A】透過型SLM、反射偏光器、LCリターダ、補償リターダ、および追加の偏光器を備える、周囲照明で使用するためのプライバシーディスプレイを側面図で例示している図である。
【
図23B】透過型SLM、反射偏光器、LCリターダ、補償リターダ、および追加の偏光器を備える、周囲照明で使用するためのプライバシーディスプレイを側面図で例示している図である。
【
図24A】第1のC-プレートパッシブ極性制御リターダと第2のC-プレートパッシブ極性制御リターダとの間に配設されたホモジニアス整合した切り替え可能なLCリターダを備える、プライバシーモードにある切り替え可能な補償されたリターダの配設を透視側面図で例示している図である。
【
図24B】パブリックモードにおける
図24Aの光学スタックの透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示しているグラフである。
【
図24C】プライバシーモードにおける
図24Aの光学スタックの透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示しているグラフである。
【
図24D】プライバシーモードにおける
図24Aの反射光線について極方向による反射率の変化を例示しているグラフである。
【
図25A】第1のC-プレートパッシブ極性制御リターダ基板と第2のC-プレートパッシブ極性制御リターダ基板との間に配設された切り替え可能な補償されたリターダを備えるディスプレイを斜視側面図で例示している図である。
【
図25B】第1のC-プレートパッシブ極性制御リターダ基板と第2のC-プレートパッシブ極性制御リターダ基板との間に配設された切り替え可能な補償されたリターダを備えるディスプレイの一部を側面図で例示している図である。
【
図25C】第1の交差A-プレートパッシブ極性制御リターダと第2の交差A-プレートパッシブ極性制御リターダとの間に配設されたホモジニアス整合した切り替え可能なLCリターダを備える、パブリックモードにある切り替え可能な補償されたリターダの配設を透視側面図で例示している図である。
【
図25D】広角モードにおける
図25Cの配設に対する透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示しているグラフである。
【
図25E】プライバシーモードにおける
図25Cの配設に対する透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示しているグラフである。
【
図26A】負のC-プレートパッシブリターダおよびホメオトロピック整合した切り替え可能なLCリターダを備え、パターン化された電極層をさらに備える、プライバシーモードにある切り替え可能なリターダの配設を透視側面図で例示している図である。
【
図26B】カモフラージュ輝度制御されるプライバシーディスプレイによる主視認者および覗き見者の照明を透視正面図で例示している図である。
【
図26C】カモフラージュ輝度制御されるプライバシーディスプレイによる覗き見者の照明を透視側面図で例示している図である。
【
図27A】ホモジニアス整合した切り替え可能なLCリターダの配設を透視側面図で例示している図である。
【
図27B】第1の印加電圧に対する
図27Aの透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示しているグラフである。
【
図27C】第1の印加電圧よりも大きい第2の印加電圧に対する
図27Aの透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示しているグラフである。
【
図27D】平行な偏光器間に配設されたC-プレートを透視側面図で例示している図である。
【
図27E】
図27Dの透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示しているグラフである。
【
図28A】平行な偏光器間に配設されたC-プレートと直列に平行な偏光器間に配設されたホモジニアス整合した切り替え可能なLCリターダの配設を透視側面図で例示している図である。
【
図28B】第1の印加電圧に対する
図28Aの透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示しているグラフである。
【
図28C】第1の印加電圧よりも大きい第2の印加電圧に対する
図28Aの透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示しているグラフである。
【
図29A】C-プレートの極性制御リターダと直列のホモジニアス整合した切り替え可能なLCリターダの配設を透視側面図で例示している図であり、ホモジニアス整合した切り替え可能なLCおよびC-プレート極性制御リターダが、単一の平行な偏光器対間に配設されている。
【
図29B】第1の印加電圧に対する
図29Aの透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示しているグラフである。
【
図29C】第1の印加電圧よりも大きい第2の印加電圧に対する
図29Aの透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示しているグラフである。
【
図30A】指向性バックライトを正面斜視図で例示している図である。
【
図30B】無指向性バックライトを正面斜視図で例示している図である。
【
図30C】異なる視野を有するディスプレイの横視認角度による輝度の変化を例示しているグラフである。
【
図31A】イメージング導波路および切り替え可能なLCリターダを備える切り替え可能な指向性ディスプレイ装置を側面図で例示している図である。
【
図31B】狭角モードにおけるイメージング導波路の動作を背面斜視図で例示している図である。
【
図31C】切り替え可能なLCリターダを有さないディスプレイ装置で使用される場合の
図31Bの出力の視野輝度プロットを例示しているグラフである。
【
図32A】プライバシーモードにおける切り替え可能なコリメート導波路および切り替え可能なLCリターダを備える切り替え可能な指向性ディスプレイ装置を側面図で例示している図である。
【
図32B】コリメート導波路の出力を上面図で例示している図である。
【
図32C】
図32Aのディスプレイ装置の等輝度視野の極座標プロットを例示しているグラフである。
【
図33A】軸外光によるリターダ層の照明を斜視図で例示している図である。
【
図33B】0度の第1の直線偏光状態の軸外光によるリターダ層の照明を斜視図で例示している図である。
【
図33C】90度の第1の直線偏光状態の軸外光によるリターダ層の照明を斜視図で例示している図である。
【
図33D】45度の第1の直線偏光状態の軸外光によるリターダ層の照明を斜視図で例示している図である。
【
図34A】正の高度を有する軸外偏光によるC-プレートリターダの照明を斜視図で例示している図である。
【
図34B】負の横角を有する軸外偏光によるC-プレートリターダの照明を斜視図で例示している図である。
【
図34C】正の高度および負の横角を有する軸外偏光によるC-プレートリターダの照明を斜視図で例示している図である。
【
図34D】正の高度および正の横角を有する軸外偏光によるC-プレートリターダの照明を斜視図で例示している図である。
【
図35A】正の高度を有する軸外偏光による交差A-プレートリターダ層の照明を斜視図で例示している図である。
【
図35B】負の横角を有する軸外偏光による交差A-プレートリターダ層の照明を斜視図で例示している図である。
【
図35C】正の高度および負の横角を有する軸外偏光による交差A-プレートリターダ層の照明を斜視図で例示している図である。
【
図35D】正の高度および正の横角を有する軸外偏光による交差A-プレートリターダ層の照明を斜視図で例示している図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
ここで、本開示の目的のための光学リターダに関する用語について記載する。
【0068】
一軸複屈折材料を含む層には、光学異方性を支配する方向があるのに対して、それに対して垂直な(またはそれに対して所与の角度である)すべての方向には、等価な複屈折がある。
【0069】
光学リターダの光学軸は、複屈折が発生しない一軸性複屈折材料における光線の伝搬方向を指す。これは、例えば、主光線が沿って伝搬する対称軸またはディスプレイ面の法線に平行であり得る、光学システムの光学軸とは異なる。
【0070】
光学軸に直交する方向に伝搬する光の場合、遅相軸に対して平行な電気ベクトル方向を有する直線偏光が最も遅い速度で進行するとき、光学軸は遅相軸である。遅相軸方向は、設計波長における最も高い屈折率を有する方向である。同様に、進相軸方向は、設計波長における最も低い屈折率を有する方向である。
【0071】
正の誘電異方性一軸複屈折材料の場合、遅相軸方向は、複屈折材料の異常軸である。負の誘電異方性一軸複屈折材料の場合、進相軸方向は、複屈折材料の異常軸である。
【0072】
半波長および四分の一波長という用語は、通常500nm~570nmであり得る設計波長λ0に対するリターダの動作に関連している。本発明の例示的実施形態では、例示的なリターダンス値は、特に指定のない限り、550nmの波長で提供される。
【0073】
リターダは、リターダに入射する光波の2つの直交偏光成分間の相対位相シフトを提供し、2つの偏光成分に付与する相対位相、Γの量によって特徴付けられる。状況によっては、「位相シフト」という用語は、「相対」という語を伴わずに使用されるが、それでも相対位相シフトを意味する。相対位相シフトは、次によって、リターダの複屈折Δnおよび厚さdに関連する。
Γ=2.π.Δn.d/λ0 式1
【0074】
式1中、Δnは、異常屈折率と常屈折率との差として定義され、すなわち、
Δn=ne-no 式2
【0075】
半波長リターダの場合、d、Δn、およびλ0の間の関係は、偏光成分間の位相シフトがΓ=πであるように選択される。四分の一波長リターダの場合、d、Δn、およびλ0の間の関係は、偏光成分間の位相シフトがΓ=π/2であるように選択される。
【0076】
本明細書における半波長リターダという用語は、通常、リターダに対して直角にかつ空間光変調器(SLM)に対して直角に伝搬する光を指す。
【0077】
ここで、偏光器対間の透明なリターダを通る光線の伝搬のいくつかの態様について記載する。
【0078】
光線の偏光状態(SOP)は、2つの直交偏光成分間の相対振幅および相対位相シフトによって記述される。透明なリターダは、これら直交偏光成分の相対振幅を変更せずに、それらの相対位相にのみ作用する。直交偏光成分間に正味の位相シフトを提供すると、SOPが変更される一方、正味の相対位相を維持するとSOPが保持される。
【0079】
直線SOPには、振幅がゼロでない偏光成分と、ゼロの振幅を有する直交偏光成分と、がある。
【0080】
直線偏光器は、直線偏光器の電気ベクトル透過方向に対して平行な直線偏光成分を有し、かつ異なるSOPの光を減衰させる固有の直線SOPを透過させる。
【0081】
吸収偏光器は、入射光の1つの偏光成分を吸収し、かつ第2の直交偏光成分を透過する偏光器である。吸収直線偏光器の例は、二色性偏光器である。
【0082】
反射偏光器は、入射光の1つの偏光成分を反射し、かつ第2の直交偏光成分を透過させる偏光器である。反射直線偏光器の例は、3M Corporation製のDBEF(商標)またはAPF(商標)などの多層高分子フィルムスタック、またはMoxtek製のProFlux(商標)などのワイヤーグリッド偏光器である。反射直線偏光器は、直列に配設された、コレステリック反射材料および四分の一波長板をさらに備えてもよい。
【0083】
正味の相対位相シフトを導入しない直線偏光器と平行直線分析偏光器との間に配設されたリターダは、直線偏光器内の残留吸収以外の光の完全な透過を提供する。
【0084】
直交偏光成分間の正味の相対位相シフトを提供するリターダは、SOPを変更し、分析偏光器での減衰を提供する。
【0085】
本開示において、「A-プレート」は、光学軸が層の平面に対して平行な複屈折材料層を利用する光学リターダを指す。
【0086】
「正のA-プレート」は、正の複屈折A-プレート、すなわち、正のΔnを有するA-プレートを指す。
【0087】
本開示において、「C-プレート」は、光学軸が層の平面に対して垂直な複屈折材料層を利用する光学リターダを指す。「正のC-プレート」は、正の複屈折C-プレート、すなわち、正のΔnを有するC-プレートを指す。「負のC-プレート」は、正の複屈折C-プレート、すなわち、正のΔnを有するC-プレートを指す。
【0088】
「O-プレート」は、層の平面に対して平行な成分と層の平面に対して垂直な成分とを有する光学軸を有する複屈折材料層を利用する光学リターダを指す。「正のO-プレート」は、正の複屈折O-プレート、すなわち、正のΔnを有するO-プレートを指す。
【0089】
リターダの材料に、次のように波長λと共に変化するリターダンスΔn.dを具備する無色リターダが提供されてもよい。
Δn.d/λ=κ 式3
【0090】
式中、κは、実質的に一定である。
【0091】
好適な材料の例として、Teijin Films製の変性ポリカーボネートが挙げられる。本実施形態では、以下に記載するように、輝度低下が少ない極角視認方向と、輝度低下が増大する極角視認方向と、の間の色変化を有利に最小化するために、無色リターダを設けることができる。
【0092】
ここで、リターダおよび液晶に関連して本開示で使用される様々な他の用語について説明する。
【0093】
液晶セルは、Δn.dによって与えられるリターダンスを有し、ここで、Δnは液晶セル内の液晶材料の複屈折であり、dは、液晶セル内の液晶材料の整合とは独立した液晶セルの厚さである。
【0094】
ホモジニアス整合は、分子が基板に対して実質的に対して平行に整合する、切り替え可能なLCDにおける液晶の整合を指す。ホモジニアス整合は、プラナー整合と呼ばれることがある。ホモジニアス整合は、通常、2度などの小さいプレチルトを具備している場合があり、これにより、以下に説明するように、液晶セルの整合層の表面の分子はわずかに傾斜している。プレチルトは、セルの切り替えの悪化を最小限に抑えるように配設されている。
【0095】
本開示において、ホメオトロピック整合は、棒状液晶分子が基板に対して実質的に垂直に整合する状態である。ディスコティック液晶では、ホメオトロピック整合は、円盤状の液晶分子によって形成された柱状構造の軸が、表面に対して垂直に整合する状態と定義される。ホメオトロピック整合では、プレチルトは、整合層に近い分子の傾斜角であり、通常、90度に近く、例えば88度であり得る。
【0096】
ツイスト液晶層では、ネマチック液晶分子のツイスト構成(らせん構造またはらせんとしても知られている)が設けられる。ツイストは、整合層の非平行整合によって達成され得る。さらに、コレステリックドーパントを液晶材料に添加して、ツイスト方向(時計回りまたは反時計回り)の悪化を解決し、緩和(通常は駆動されない)状態でのツイストのピッチをさらに制御することができる。スーパーツイスト液晶層は180度より大きいツイストを有する。SLMで使用されるツイストネマティック層は、通常、90度のツイストを有する。
【0097】
正の誘電異方性を有する液晶分子は、印加された電界によって、ホモジニアス整合(A-プレートリターダの配向など)からホメオトロピック整合(C-プレートまたはO-プレートリターダの配向など)に切り替えられる。
【0098】
負の誘電異方性を有する液晶分子は、印加された電界によって、ホメオトロピック整合(C-プレートまたはO-プレートリターダの配向など)からホモジニアス整合(A-プレートリターダの配向など)に切り替えられる。
【0099】
棒状分子は、式2に記載されるように、ne>noであるように、正の複屈折を有する。円盤状分子は、ne<noであるように、負の複屈折を有する。
【0100】
A-プレート、正のO-プレート、および正のC-プレートなどの正のリターダは、通常、延伸フィルムまたは棒状液晶分子によって提供され得る。負のC-プレートなどの負のリターダは、延伸フィルムまたは円盤様液晶分子によって提供され得る。
【0101】
平行な液晶セル整合は、ホモジニアス整合層の整合方向が平行であるか、またはより典型的には逆平行を指す。予めチルトしたホメオトロピック整合の場合、整合層は、実質的に平行または逆平行である成分を有し得る。ハイブリッド整合した液晶セルは、1つのホモジニアス整合層および1つのホメオトロピック整合層を有し得る。ツイスト液晶セルは、例えば、互いに90度に配向した、平行な整合を有さない整合層によって提供され得る。
【0102】
透過型SLMは、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,237,876号に開示されているように、入力ディスプレイ偏光器と出力ディスプレイ偏光器との間にリターダをさらに備えてもよい。このようなリターダ(図示せず)は、本実施形態のパッシブリターダとは異なる箇所にある。このようなリターダは、軸外視認場所のコントラスト劣化を補償し、これは、本実施形態の軸外視認場所の輝度低下に異なる効果である。
【0103】
ディスプレイのプライベート動作モードは、画像が鮮明に見えないような低いコントラスト感度を観測者が見る動作モードである。コントラスト感度は、静止画像の異なるレベルの輝度を区別する能力の尺度である。逆コントラスト感度は、高視覚的セキュリティレベル(VSL)が低画像視認性に対応するという点で、視覚的セキュリティの尺度として使用され得る。
【0104】
観測者に画像を提供するプライバシーディスプレイの場合、視覚的セキュリティは次のように与えられ得る。
VSL=(Y+R)/(Y-K) 式4
【0105】
式中、VSLは、視覚的セキュリティレベル、Yは、覗き見者の視認角度でのディスプレイの白状態の輝度、Kは、覗き見者の視認角度でのディスプレイの黒状態の輝度、Rは、ディスプレイからの反射光の輝度である。
【0106】
パネルのコントラスト比は次のように与えられる。
C=Y/K 式5
【0107】
高コントラストの光学LCDモードの場合、白状態の透過率は視認角度に対して実質的に一定のままである。本実施形態のコントラスト減少液晶モードでは、白状態の透過率は、通常、次のように、黒状態の透過率が増加するにつれて減少する。
Y+K~P.L 式6
【0108】
次に、視覚的セキュリティレベルは、次のようにさらに与えられ得る。
【数1】
【0109】
式中、軸外相対輝度Pは、通常、覗き見者角度での正面輝度Lのパーセンテージとして定義され、ディスプレイは、画像コントラスト比Cを有することができ、表面反射率はρである。
【0110】
軸外相対輝度Pは、プライバシーレベルと呼ばれることがある。ただし、このようなプライバシーレベルPは、正面輝度と比較した所与の極角でのディスプレイの相対輝度を表し、プライバシーの外観の尺度ではない。
【0111】
ディスプレイは、ランバートの周囲照度Iで照明される場合がある。したがって、完全に暗い環境では、高コントラストディスプレイは、およそ1.0のVSLを有する。周囲照度が増加するにつれて、知覚される画像コントラストが低下し、VSLが増加し、プライベート画像が知覚される。
【0112】
典型的な液晶ディスプレイの場合、パネルコントラストCは、ほぼすべての視認角度で100:1を超えるため、視覚的なセキュリティレベルを次のように近似することができる。
VSL=1+I.ρ/(π.P.L) 式8
【0113】
プライバシーディスプレイと比較して、広角ディスプレイは標準的な周囲照度条件で容易に観測されることが望ましい。画像視認性の1つの尺度は、次によって与えられるマイケルソンコントラストなどのコントラスト感度によって与えられる。
M=(Imax-Imin)/(Imax+Imin) 式9
【0114】
したがって、
M=((Y+R)-(K+R))/((Y+R)+(K+R))=(Y-K)/(Y+K+2.R) 式10
【0115】
したがって、視覚的セキュリティレベル(VSL)は、1/Mと等価である(ただし、同一ではない)。本考察では、与えられた軸外相対輝度Pについて、広角画像の視認性Wは、次のように近似される。
W=1/VSL=1/(1+I.ρ/(π.P.L)) 式11
【0116】
例えばプライバシーディスプレイで使用するための、ディスプレイ偏光器と追加の偏光器との間に配設された複数のリターダを備える切り替え可能な指向性ディスプレイ装置は、米国特許第10,126,575号と、2018年9月14日に出願された「Optical stack for switchable directional display」(代理人整理番号412101)と題する米国特許出願第16/131,419号と、に記載されており、その両方は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。ディスプレイ偏光器とリターダとの間に配設された反射偏光器をさらに備える指向性ディスプレイデバイスは、米国特許公開第2018/0329245号に記載されており、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。ディスプレイ偏光器と追加の偏光器との間に配設されたパッシブリターダを備える指向性ディスプレイ偏光器は、米国特許公開第2018/0321553号に記載されており、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0117】
ここで、様々な切り替え可能なディスプレイデバイスの構造および動作について記載する。この説明では、共通の要素は共通の参照符号を有する。任意の要素に関する開示は、同じまたは対応する要素が提供される各デバイスに適用されることに留意されたい。したがって、簡潔にするために、このような開示を繰り返さない。
【0118】
図1Aは、周囲照明で使用するためのディスプレイデバイスの光学スタックを側面斜視図で例示する概略図であり、
図1Bは、放出型空間光変調器(SLM)および補償された切り替え可能なリターダを備える、周囲照明において使用するための切り替え可能なプライバシーディスプレイを側面斜視図で例示する概略図であり、
図2Aは、
図1Aの光学スタックにおける光学層の整合を正面図で例示する概略図である。
【0119】
周囲照明604で使用するためのディスプレイデバイス100は、光400を出力するように配設されたSLM48であって、SLM48が、SLM48の出力側上に配設された出力偏光器218を備え、出力偏光器218が、直線偏光器である、SLM48と、出力偏光器218の出力側上に配設された追加の偏光器318であって、追加の偏光器318が、直線偏光器である、追加の偏光器318と、出力偏光器218と追加の偏光器318との間に配設された反射偏光器302であって、反射偏光器302が、直線偏光板である、反射偏光器302と、を備える。典型的な偏光器210、218、318は、二色性偏光器などの偏光器であってもよい。
【0120】
反射偏光器302と追加の偏光器318との間に、少なくとも1つの極性制御リターダ300が配設されている。反射偏光器302の電気ベクトル透過方向303は、追加の偏光器318の電気ベクトル透過方向319に対して平行である。反射偏光器302の電気ベクトル透過方向303は、出力偏光器218の電気ベクトル透過方向219に対して平行である。
【0121】
したがって、周囲照明604で使用するためのディスプレイデバイスは、光400を出力するように配設されたSLM48を備える。本開示では、SLM48は、基板212、216、液晶層214、および赤、緑および青のピクセル220、222、224を伴って、入力偏光器210と、出力偏光器218と、を備える液晶ディスプレイを備え得る。バックライト20は、SLM48を照明するように配設され得、入力光源15と、導波路1と、後部反射器3と、拡散器、光転向フィルム、および他の知られている光学バックライト構造を備える光学スタック5と、を備え得る。例えば、横方向と比較して高度方向に増大した拡散を伴う非対称表面レリーフフィーチャを備え得る非対称ディフューザが光学スタック5に設けられていてもよい。有利なことに、画像の均一性を高めることができる。
【0122】
プライバシーディスプレイで使用するためのバックライト20の構造および動作について、以下の
図30A~32Cを参照してさらに記載する。
図1Aの例示的な実施形態では、45度よりも大きい、SLMの法線に対する極角での輝度は、最大18%であり得る。
【0123】
ディスプレイは、バックライト20とSLM48との間に配設された反射再循環偏光器208をさらに備え得る。反射再循環偏光器208は、本実施形態の反射偏光器302とは異なる。反射再循環偏光器208は、二色性入力偏光器210の電気ベクトル透過方向に対して直交する偏光を有するバックライトからの偏光の反射を提供する。反射再循環偏光器208は、周囲光604を覗き見者に反射しない。
【0124】
図1Bに示されるように、SLM48は、代替的に、出力偏光器218を有する有機LEDディスプレイ(OLED)などの、放出によって出力光400を提供する他のディスプレイタイプによって提供されてもよい。出力偏光器218は、出力ディスプレイ偏光器218とOLEDピクセル平面との間に挿入された1つ以上のリターダ518によって、OLEDピクセル平面から反射された光の輝度の低減を提供することができる。1つ以上のリターダ518は、四分の一波長板であってもよく、本開示のリターダ330とは異なる。
【0125】
したがって、SLM48は、SLM48の出力側上に配設された出力偏光器218を備える。出力偏光器218は、SLM48のピクセル220、222、224からの光に高い消光比を提供し、かつ反射偏光器302からピクセル220、222、224に向かう後方反射を防止するように構成されていてもよい。
【0126】
極性制御リターダ300は、反射偏光器302と追加の偏光器318との間に配設されている。
図1A~
図1Bの実施形態では、極性制御リターダ300は、パッシブ極性制御リターダ330および切り替え可能な液晶リターダ301を備えるが、一般に、少なくとも1つのリターダの他の構成によって置き換えられてもよく、そのいくつかの例が、以下に記載されるデバイスに存在する。
【0127】
少なくとも1つの極性制御リターダ300は、同時に、少なくとも1つの極性制御リターダ300の平面の法線に沿った軸に沿って反射偏光器302を通過する光の直交偏光成分に正味の相対位相シフトを導入せず、かつ少なくとも1つの極性制御リターダ300の平面の法線に対して傾斜した軸に沿って反射偏光器302を通過する光の直交偏光成分に相対位相シフトを導入することができる。極性制御リターダ300は、極性制御リターダ300の平面の法線に沿った軸に沿って反射偏光器302、極性制御リターダ300、および追加の偏光器318を通過する光の輝度に影響を与えないが、極性制御リターダ300は、少なくとも切り替え可能なリターダ301の切り替え可能な状態のうちの1つにおいて、極性制御リターダ300の平面の法線に対して傾斜した軸に沿ってそこを通過する光の輝度を低減する。この効果につながる原理は、
図33A~
図35Eを参照して以下により詳細に記載されており、極性制御リターダ300の結晶材料に対して異なる角度をなす軸に沿った光に極性制御リターダ300によって導入される位相シフトの有無を基に生じる。以下に記載するすべてのデバイスで同様の効果が達成される。
【0128】
極性制御リターダ300は、液晶材料層314を備える切り替え可能な液晶リターダ301と、反射偏光器302と追加の偏光器318との間に配設された基板312、316と、を備える。したがって、少なくとも1つの極性制御リターダ300は、液晶材料414の層314を備える切り替え可能な液晶リターダ301を備え、少なくとも1つの極性制御リターダ300は、切り替え可能な液晶リターダ301の切り替え可能な状態において、同時に、少なくとも1つの極性制御リターダ300の平面の法線に沿った軸に沿って反射偏光器302を通過する光の直交偏光成分に正味の相対位相シフトを導入しないように、かつ少なくとも1つの極性制御リターダの平面の法線に対して傾斜した軸に沿って反射偏光器302を通過する光の直交偏光成分に正味の相対位相シフトを導入するように配設される。
【0129】
図2Aに例示されるように、SLM48が液晶ディスプレイである場合、入力偏光器210における入力電気ベクトル透過方向211は、液晶層214によって変換され得る入力偏光成分を提供し、出力偏光器218の電気ベクトル透過方向219によって決定される出力偏光成分を提供する。反射偏光器302の電気ベクトル透過方向は、出力偏光器218の電気ベクトル透過方向に対して平行である。さらに、反射偏光器302の電気ベクトル透過方向303は、追加の偏光器318の電気ベクトル透過方向319に対して平行である。
【0130】
切り替え可能な液晶リターダ301の
図1Aに例示される基板312、316は、液晶材料414の層314の両端間に電圧を提供するように配設された電極413、415(
図3に例示される)を備える。制御システム352は、切り替え可能な液晶リターダ301の電極間に電圧ドライバ350によって印加される電圧を制御するように配設されている。
【0131】
極性制御リターダ300は、以下にさらに記載されるように、パッシブ極性制御リターダ330をさらに備える。少なくとも1つの極性制御リターダ300は、少なくとも1つのパッシブリターダ330を備え、少なくとも1つのパッシブリターダ330が、少なくとも1つのパッシブリターダの平面の法線に沿った軸に沿って反射偏光器302を通過する光の直交偏光成分に正味の相対位相シフトを導入しないように、かつ少なくとも1つのパッシブリターダの平面の法線に対して傾斜した軸に沿って反射偏光器302を通過する光の直交偏光成分に正味の相対位相シフトを導入するように配設されている。
【0132】
以下に記載されるように、パッシブ極性制御リターダ330は、固体複屈折材料430を有するリターデーション層を備えてもよい一方、切り替え可能な液晶リターダ301は、液晶材料414の層314を備えてもよい。
【0133】
図2Bは、反射偏光器302と、パッシブ極性制御リターダ330、切り替え可能な液晶リターダ301を備える極性制御リターダ300と、追加の偏光器と、を備える視野角制御素子260を側面斜視図で例示する概略図である。さらに詳細には考察されていない
図2Bの配設の特徴は、特徴の任意の潜在的な変形を含めて、上で考察された等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0134】
視野角制御光学素子260は、光を出力するように配設されたSLM48を備える周囲照明604で使用するためのディスプレイデバイスの出力側に適用するための視野角制御光学素子260が提供され、SLM48は、SLM48の出力側上に配設された出力偏光器218を備え、視野角制御光学素子260は、追加の偏光器318と、ディスプレイデバイスへの視野角制御光学素子260の適用時に出力偏光器218と追加の偏光器318との間に配設される反射偏光器302と、反射偏光器302と追加の偏光器318との間に配設された少なくとも1つの極性制御リターダ300と、を備え、少なくとも1つの極性制御リターダ300が、同時に、少なくとも1つの極性制御リターダ300の平面の法線に沿った軸に沿って反射偏光器302を通過する光の直交偏光成分に正味の相対位相シフトを導入せず、かつ少なくとも1つの極性制御リターダの平面の法線に対して傾斜した軸に沿って反射偏光器302を通過する光の直交偏光成分に相対位相シフトを導入することが可能である。
【0135】
使用中、視野角制御光学素子260は、ユーザによって取り付けられてもよいか、または偏光出力SLM48に工場で取り付けられてもよい。視野角制御光学素子260は、湾曲ディスプレイおよび屈曲ディスプレイのための可撓性フィルムとして提供されてもよい。代替的に、視野角制御光学素子260は、ガラス基板などの剛性基板上に設けられていてもよい。
【0136】
有利なことに、モアレアーチファクトを回避するためにパネルピクセル解像度へのマッチングを必要としないアフターマーケットプライバシー制御素子および/または迷光制御素子を設けることができる。SLM48に工場で取り付けるために、視野角制御光学素子260をさらに設けることができる。
【0137】
図2Bの視野角制御光学素子260を既存のディスプレイデバイスに取り付けることにより、
図1A~
図2Aのいずれかに示されるようなディスプレイデバイスを形成することが可能である。
【0138】
ここで、切り替え可能な液晶リターダ301を備える極性制御リターダ300の配設および動作について考察する。
【0139】
図3は、プライバシー動作モードにある負のC-プレートパッシブ極性制御リターダ330およびホメオトロピック整合した切り替え可能な液晶リターダ301を備える、プライバシー動作モードにある極性制御リターダ300の配設を斜視側面図で例示する概略図である。
【0140】
図3および以下の他の概略図では、明確にするために、光学スタックのいくつかの層が省略されている。例えば、切り替え可能な液晶リターダ301は、基板312、316を省略して示されている。さらに詳細には考察されていない
図3の配設の特徴は、特徴の任意の潜在的な変形を含めて、上で考察された等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0141】
切り替え可能な液晶リターダ301は、負の誘電異方性を有する液晶材料414の層314を備える。パッシブ極性制御リターダ330は、円盤状材料430の配向によって概略的に例示される、リターダ330の平面に対して垂直な光学軸を有する負のC-プレートを備える。
【0142】
液晶リターダ301は、液晶材料を制御するように配設された透過性電極413、415をさらに備え、液晶材料層は、電極に印加されている電圧を調整することによって切り替え可能である。電極413、415は、層314を挟むことができ、液晶リターダ301を制御するための電圧を印加するように配設されている。透過性電極は、液晶材料414の層の両側上にあり、例えば、ITO電極によってもよい。
【0143】
電極413、415と層314の液晶材料414との間に、整合層が形成されていてもよい。各整合層がプレチルトを有するように、整合層のプレチルト方向によって、x-y平面での液晶分子の配向が決定され、各整合層のプレチルトは、反射偏光器302の電気ベクトル透過方向303に対して平行であるか、または逆平行であるか、または直交する、層314の平面内の成分417a、417bを有するプレチルト方向を有する。
【0144】
ドライバ350は、液晶分子が垂直に対してチルト角で傾斜し、Oプレートを形成するように、切り替え可能な液晶材料414の層314の両端間の電圧Vを電極413、415に提供する。チルトの平面は、基板312、316の内面上に形成された整合層のプレチルト方向によって決定される。
【0145】
パブリックモードとプライバシーモードとを切り替える一般的な使用では、液晶材料層は、2つの状態間で切り替え可能であり、第1の状態はパブリックモードであるため、複数のユーザがディスプレイを使用することができ、第2の状態は、覗き見者による視認性を最小限に抑えて主ユーザが使用するためのプライバシーモードである。切り替えは、電極間に印加されている電圧によるものであり得る。
【0146】
一般に、このようなディスプレイは、第1の広角状態および第2の低下した軸外輝度状態を有すると見なすことができる。このようなディスプレイは、プライバシーディスプレイを提供することができる。さもなくば、別の使用では、例えば、乗客または運転者が中間の電圧レベルによって、十分な不明瞭さを伴わずに、表示された画像のある程度の視認性を望み得る自動車環境において、軸外の観測者に制御された輝度を提供する。夜間の動作では迷光を低減することができる。
【0147】
ここで、出力偏光器218からの偏光の伝搬を、軸上方向および軸外方向について考慮する。
【0148】
図4Aは、プライバシー動作モードにおける
図1Aの光学スタックを通したSLMからの出力光の伝搬を側面図で例示する概略図であり、
図4Bは、
図4Aの透過光線について極方向による出力輝度の変化を例示する概略グラフである。液晶材料層314が上記の2つの状態のうちの第2の状態にあるとき、極性制御リターダ300は、偏光成分360の全体的な変換を提供せずに、切り替え可能なリターダの平面に対して垂直な軸に沿って極性制御リターダ300を通過する光線400を出力するが、リターダの平面に対する垂線に対して鋭角をなすいくつかの極角で極性制御リターダ300を通過する光線402への偏光成分361の全体的な変換を提供する。さらに詳細には考察されていない
図4Aの配設の特徴は、特徴の任意の潜在的な変形を含めて、上で考察された等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0149】
出力偏光器218からの偏光成分360は、反射偏光器302を透過し、リターダ300に入射する。軸上光は、成分360から変更されていない偏光成分362を有する一方、軸外光は、極性制御リターダ300によって変換される偏光成分364を有する。最低限、偏光成分361は、直線偏光成分364に変換され、追加の偏光器318によって吸収される。より一般的には、偏光成分361は楕円偏光成分に変換され、楕円偏光成分は追加の偏光器318によって部分的に吸収される。
【0150】
したがって、プライバシーモードにおける極性制御リターダ300および追加の偏光器318による透過の極表示では、
図4Bに例示されるように、高透過率領域および低透過率領域が提供される。
【0151】
図4Bに例示される光透過の極分布は、下にあるSLM48の輝度出力の極分布を変更する。SLM48が指向性バックライト20を備える場合、上述のように、軸外輝度がさらに低下し得る。
【0152】
有利なことに、軸上観測者のために高輝度を維持しながら、軸外の覗き見者に対して低輝度を有するプライバシーディスプレイが提供される。
【0153】
ここで、周囲光源604からの光に対する反射偏光器302の動作について記載する。
【0154】
図5Aは、プライバシー動作モードにおける
図1Aの光学スタックを通した周囲照明光の伝搬を上面図で例示する概略図であり、
図5Bは、
図5Aの反射光線について極方向による反射率の変化を例示する概略グラフである。さらに詳細には考察されていない
図5Aの配設の特徴は、特徴の任意の潜在的な変形を含めて、上で考察された等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0155】
周囲光源604は、非偏光でディスプレイ100を照明する。追加の偏光器318は、追加の偏光器318の電気ベクトル透過方向319に対して平行な直線偏光成分である第1の偏光成分372で、ディスプレイ表面に対して直角をなす光線410を透過させる。
【0156】
両方の動作状態において、偏光成分372は、偏光制御リターダ300によって変更されないままであり、そのため、透過偏光成分382は、反射偏光器302および出力偏光器218の透過軸に対して平行であり、そのため、周囲光は、SLM48を通して方向付けられ、消失する。
【0157】
比較すると、光線412の場合、軸外光は、反射偏光器302に入射する偏光成分374が反射され得るように、極性制御リターダ300を通して方向付けられる。このような偏光成分は、リターダ300を通過した後に成分376に再変換され、追加の偏光器318を透過する。
【0158】
したがって、液晶材料層314が上記の2つの状態のうちの第2の状態にあるとき、反射偏光器302は、極性制御リターダ300の平面に対して垂直な軸に沿って追加の偏光器318、次いで極性制御リターダ300を通過する周囲光線410に対して反射光を提供せずに、極性制御リターダ300の平面に対する垂線に対して鋭角をなすいくつかの極角度をなして追加の偏光器318、次いで極性制御リターダ300を通過する周囲光に反射光線412を提供し、反射光412は、極性制御リターダ300を再度通過し、次いで、追加の偏光器318を透過する。
【0159】
したがって、極性制御リターダ300は、切り替え可能なリターダの平面に対して垂直な軸に沿って追加の偏光器318、次いで極性制御リターダ300を通過する周囲光線410に偏光成分380の全体的な変換を提供せずに、極性制御リターダ300の平面に対する垂線に対して鋭角をなすいくつかの極角をなして吸収型偏光器318、次いで極性制御リターダ300を通過する周囲光412に偏光成分372の全体的な変換を提供する。
【0160】
したがって、
図5Bに例示される光反射の極分布は、極性制御リターダ300のプライバシー状態によって、典型的な覗き見者の場所で高反射率を提供することができることを例示している。したがって、プライバシー動作モードでは、
図4Bに例示されるように、軸外の視認位置の反射率が増加し、SLMからの軸外光の輝度が低下する。
【0161】
有利なことに、軸上の観測者に対して低反射率を維持しながら、軸外の覗き見者に対して高反射率を有するプライバシーディスプレイが提供される。上述したように、このような増加した反射率は、周囲照明環境におけるディスプレイの高められた視覚的セキュリティレベルを提供する。
【0162】
別の用途では、このようなディスプレイは、切り替え可能なミラーの外観を提供することができる。このようなディスプレイは、動作していないディスプレイの美的外観を向上させることができる。例えば、家庭環境でのテレビへの適用では、ディスプレイは、軸外の視認のためのミラーとして提供されてもよく、そのため周囲の光を反射することにより、大面積テレビに典型的な「ブラックホール」を隠し、有利なことに、生活空間の知覚される拡大を提供する。
【0163】
ここで、
図5Aの配設の反射率の測定について記載する。
【0164】
図5Cは、いくつかの反射光線412に対する横視認角度392での反射率390の変化の測定値を例示する概略グラフである。プロファイル394は、プライバシーモードにおけるディスプレイの反射率の変化を例示している一方、プロファイル396は、パブリックモードにおけるディスプレイの反射率の変化を例示している。
【0165】
図5Bと比較して、ピーク反射率はおよそ20%であり、ここで50%は、完全な反射偏光器302の反射率を表す。このような低下した反射率は、追加の偏光器318からの透過損失、反射偏光器偏光反射効率、極性制御リターダ300の同調点の色変化、および光学スタック内の他の反射および散乱損失によるものである。
【0166】
ここで、
図1Aのディスプレイのプライバシーモードの動作についてさらに記載する。
【0167】
図6Aは、プライバシーモードで動作しているディスプレイの透過出力光の観測を正面斜視図で例示する概略図である。ディスプレイ100は、白領域603および黒領域601を具備し得る。覗き見者は、観測領域601、603間の輝度差が知覚され得る場合、ディスプレイ上の画像を観測し得る。動作中、主ユーザ45は、指向性ディスプレイの光学窓であり得る視認場所26までの光線400によって全輝度画像を観測する。覗き見者47は、例えば、イメージング導波路を備える指向性ディスプレイの光学窓であり得る視認場所27において、低減された輝度光線402を観測する。領域26、27は、極グラフ4Bおよび5Bの軸上および軸外の領域をさらに表す。
【0168】
図6Bは、ディスプレイのインターフェース表面からの反射周囲光の観測を正面斜視図で例示する概略図である。したがって、
図5Aに例示されるいくつかの光線404は、追加の偏光器318の前面とディスプレイの他の表面とによって反射され得る。通常、このような反射率は、空気偏光器インターフェースでのフレネル反射に起因して、法線入射の結合光学スタックでは4%、45度入射の結合光学スタックではおよそ5%であり得る。したがって、光源604の低輝度反射画像605は、ディスプレイ100の前面に対する覗き見者によって観測され得る。
【0169】
図6Cは、プライバシーモードで動作している
図1Aのディスプレイに対する反射周囲光の観測を正面斜視図で例示する概略図である。
図6Bと比較すると、実質的により高い反射輝度が、光源604の反射606から観測可能である。さらに詳細には考察されていない
図6A~
図6Cの配設の特徴は、特徴の任意の潜在的な変形を含めて、上で考察された等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0170】
反射画像606の形状および分布は、周囲光源604の空間分布によって決定されるが、特に追加の偏光器318の出力表面における拡散層によってさらに決定されてもよい。
【0171】
図7Aは、異なる視認位置からでは
図4Bおよび
図5Bに例示されるような輝度および反射率の変化を伴うプライバシーモード1で動作している
図1Aのディスプレイの外観を正面斜視図で例示する概略図である。したがって、9つの視認520、522、524、526、528、530、532、534、および536の各々は、それらの視認の斜視によって示されるように、対応する視認位置からの視認に対応する。
【0172】
したがって、上方視認象限視認530、532、下方視認象限視認534、536、および横視認位置視認526、528は、周囲光源604の低下した輝度と増加した反射606、605との両方を提供するのに対して、上方/下方中央視認領域視認522、524および正面視認520は、反射偏光器302からの反射の視認性が実質的にない、はるかにより高輝度および低反射率の領域605を提供する。
【0173】
図7Bは、反射偏光器302を有するプロファイル624と反射偏光器302を有さないプロファイル626との配設のための、および表1の例示的な実施形態のためのプライバシー動作モードにおける
図1Aの切り替え可能なプライバシーディスプレイの軸外の覗き見者の正面輝度に対する周囲照度の比622に対する視覚的セキュリティレベル620の変化を例示する概略グラフである。
【表1】
【0174】
したがって、
図7Bは、有利なことに反射偏光器302によって視覚的セキュリティレベルが高まることを例示している。
【0175】
本実施形態と比較して、反射偏光器302の省略は、典型的な周囲照度に対して4.0未満である視覚的セキュリティレベルVを提供する。このような視覚的なセキュリティレベルは、覗き見者27に対する望ましいプライバシーを達成しない。本実施形態は、20%以下のルクス/ニト比に対して4.0を上回る高視覚的セキュリティレベルを達成する。例えば、40ニトの周囲照度を有する環境において200ニトの画像を観測する正面のユーザ26に対して望ましい視覚的セキュリティが達成され得る。周囲照度が増加するにつれて、視覚的セキュリティレベルが高まる。
【0176】
図7Cは、
図32A~
図32Cと20%の正面輝度(ニト)に対する周囲照度(ルクス)の比(ルクス/ニト)に関して以下にさらに記載されるように、コリメート化バックライト20を備える
図1Aのディスプレイについて極方向による視覚的セキュリティレベルの変化を例示する概略グラフである。
【0177】
図7Cは、1.2未満の視覚的セキュリティレベルVが達成され、83%よりも大きい画像視認性、Wをもたらす、主ユーザ26が視認するための第1の極領域690を例示している。有利なことに、ディスプレイ100を、好都合に高コントラストで見ることができる。第2の極領域692では、視覚的セキュリティレベルVは4.0よりも大きく、この領域に位置する覗き見者の目は、ディスプレイ上の情報を容易に識別することができないようになっている。極領域694は、領域690および692の中間にあり、視覚的セキュリティの望ましいレベルではないが、画像視認性が低下した領域である。有利なことに、本実施形態は、主ユーザのための大きな極領域690、および覗き見者のための大きな極領域692と、小さな遷移領域694と、を達成する。
【0178】
図7Dは、
図7Cと同じルクス/ニト比に対して複数のリターダを備えないディスプレイについて極方向による視覚的セキュリティレベルの変化を例示する概略グラフである。本実施形態と比較して、望ましい視覚的セキュリティレベルV>4の極領域692は大幅に低減され、画像視認性は低下するが不十分な視覚的セキュリティレベルの極領域694が増加する。
【0179】
本開示と比較すると、狭い角度範囲にわたって高反射率を提供する単一のリターダ(単一のリターダ層に典型的であり、例えば
図27A~
図27Bを参照して記載される、「ブルズアイ」パターンなど)は、広い角度範囲にわたって高反射率を達成しない。特に、
図5Aに例示される反射光の二重通過は、高反射率である非常に狭い領域を提供する。反射光は、ディスプレイの法線に対して入力と出力との光線方向を反転させてリターダを2回通過しなければならない。これにより、光学効果が倍増し、設計角度に近い高度(例えば、+/-45度の横角および0度の高度)を有する光線に対して高反射率が限定される。本実施形態の水平についての根本的な拡張プライバシー性能は、はるかにより大きな高視覚的セキュリティ領域、例えば極領域692を生じる。
【0180】
本実施形態の本複数のリターダは、広い角度範囲にわたって高反射率を提供し、軸外の覗き見者に対する望ましいプライバシーを達成する。さらに、本リターダは、パブリック動作モードで低反射率および高画像視認性を提供するように切り替えられ得る。有利なことに、複数のリターダは、極領域690において主ユーザに対して快適な画像視認性を達成しながら、大幅に増加した極領域692と大幅に低減された極領域694とを達成する。
【0181】
自動車に制御可能なディスプレイ照明を提供することが望ましい場合がある。
【0182】
図8Aは、エンターテインメント動作モードと共有動作モードとの両方について、自動車600の車室602内に配設された切り替え可能な指向性ディスプレイ100を有する自動車を側面図で例示する概略図である。光円錐610(例えば、輝度がピーク輝度の50%よりも大きい光の円錐を表す)は、高度方向におけるディスプレイ100の輝度分布によって提供されてもよく、切り替え可能ではない。さらに、ディスプレイ反射率は、この光円錐610の外側の正面反射率と比較して増加し得る。
【0183】
図8Bは、エンターテインメント動作モードで車室602内に配設され、プライバシーディスプレイと同様に動作する切り替え可能な指向性ディスプレイ100を有する自動車を上面図で例示する概略図である。光円錐612は、狭い角度範囲を具備しており、これにより、乗客606にはディスプレイ100が見え得るが、運転者604には低下した輝度および増加した反射率の結果としてディスプレイ100上の画像は見ることができない。有利なことに、エンターテインメント画像は、運転者604の邪魔になることなく乗客606に表示され得る。
【0184】
図8Cは、共有動作モードで車室602内に配設された切り替え可能な指向性ディスプレイ100を有する自動車を上面図で例示する概略図である。光円錐614は、例えばディスプレイが動いていないとき、または邪魔にならない画像が提供されるときに、すべての搭乗者がディスプレイ100上の画像を知覚し得るように、広い角度範囲を具備している。
【0185】
図8Dは、夜間動作モードと昼間動作モードとの両方について、車室602内に配設された切り替え可能な指向性ディスプレイ100を有する自動車を上面図で例示する概略図である。
図8Bおよび
図8Cの配設と比較して、光出力は、ディスプレイの高度方向が運転者604と乗客606との場所間の軸に沿うように回転される。光円錐620は、運転者604と乗客606との両方を、低ディスプレイ反射率で照明する。
【0186】
図8Eは、夜間動作モードで車室602内に配設された切り替え可能な指向性ディスプレイ100を有する自動車を上面図で例示する概略図である。したがって、ディスプレイは、狭い角度の出力光円錐622を提供することができる。車室602の内面および搭乗者を照明し、かつ運転者604に注意散漫を引き起こす迷光は、有利なことに実質的に低減され得る。運転者604と乗客606との両方が、有利なことに画像を観測することができる。
【0187】
図8Fは、夜間動作モードで車室602内に配設された切り替え可能な指向性ディスプレイ100を有する自動車を上面図で例示する概略図である。したがって、ディスプレイは、狭い角度の出力光円錐624を提供することができる。有利なことに、ディスプレイは、好都合に室602のすべての搭乗者が観測することができる。
【0188】
図8A~
図8Fのディスプレイ100は、運転者計器ディスプレイ、センターコンソールディスプレイ、およびシートバックディスプレイなどの他の車室場所に配設されてもよい。
【0189】
ここで、第1の状態を表すパブリックモードでのディスプレイデバイス100の動作について記載し、極性制御リターダ300のさらなる詳細を例示する。
【0190】
図9Aは、パブリック動作モードにおける極性制御リターダ300の配設を斜視側面図で例示する概略図である。本実施形態では、液晶リターダ301の両端間にゼロ電圧が提供され、表2は、
図9Aの構成の例示的な実施形態について記載している。さらに詳細には考察されていない
図9Aの配設の特徴は、特徴の任意の潜在的な変形を含めて、上で考察された等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【表2】
【0191】
切り替え可能な液晶リターダ301は、電極413、415上に、かつ液晶材料414の層に隣接して、かつ切り替え可能な液晶リターダ301の両側上に配置された2つの表面整合層を備え、各々は、隣接する液晶材料414にホメオトロピック整合を提供するように配設される。切り替え可能な液晶リターダ301の液晶材料414の層は、負の誘電異方性を有する液晶材料を含む。T液晶分子414は、切り替えにおける縮退を除去するために、例えば水平から88度のプレチルトを具備し得る。
【0192】
本実施形態では、リターダスタックのシミュレーションとディスプレイ光学スタックを用いた実験とによって、リターデーションおよび電圧の望ましい範囲が確立されている。ここで、様々な光学層の設計構成を提供するリターダンスの範囲について記載する。
【0193】
液晶材料層314は、500nm~1000nmの範囲で、好ましくは600nm~900nmの範囲で、および最も好ましくは700nm~850nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有し、リターダ330は、リターダの平面に対して垂直な光学軸を有するパッシブリターダをさらに備え、パッシブリターダは、-300nm~-900nmの範囲で、好ましくは-450nm~-800nmの範囲で、および最も好ましくは-500nm~-725nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する。
【0194】
代替的に、パッシブ極性制御リターダ330は、リターダの平面に対して垂直な成分とリターダの平面内の成分とを有して方向付けられた光学軸を有するOプレートリターダを備えてもよい。このようなリターダは、液晶材料414の残留チルトに対する補償をさらに提供することができる。
【0195】
図9Bは、パブリック動作モードにおける
図1Aの光学スタックを通したSLMからの出力光の伝搬を側面図で例示する概略図であり、
図9Cは、
図9Bの透過光線について極方向による出力輝度の変化を例示する概略グラフである。さらに詳細には考察されていない
図9B~
図9Cの実施形態の特徴は、特徴の任意の潜在的な変形を含む、上で考察された等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0196】
したがって、液晶リターダ301が上記の2つの状態のうちの第1の状態にあるとき、極性制御リターダ300は、切り替え可能なリターダ301の平面に対して垂直に、または切り替え可能なリターダ301の平面に対する垂線に対して鋭角をなして極性制御リターダ300を通過する光に、偏光成分360、361の全体的な変換を提供しない。すなわち、偏光成分362は、偏光成分360と実質的に同じであり、偏光成分364は、偏光成分361と実質的に同じである。したがって、
図9Cの角度透過プロファイルは、広い極領域にわたって実質的に均一に透過している。有利なことに、ディスプレイを広視野に切り替えることができる。
【0197】
図9Dは、パブリック動作モードにおける
図1Aの光学スタックを通した周囲照明光の伝搬を上面図で例示する概略図であり、
図9Eは、
図9Dの反射光線について極方向による反射率の変化を例示する概略グラフである。さらに詳細には考察されていない
図9D~
図9Eの配設の特徴は、特徴の任意の潜在的な変形を含めて、上で考察された等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0198】
したがって、液晶リターダ301が上記の2つの状態のうちの第1の状態にあるとき、極性制御リターダ300は、極性制御リターダ300の平面に対して垂直であるか、または極性制御リターダ300の平面に対する垂線に対して鋭角をなす、追加の偏光器318、次いで極性制御リターダ300を通過する周囲光線412に、偏光成分372の全体的な変換を提供しない。
【0199】
パブリック動作モードでは、入力光線412は、追加の偏光器318を透過した後、偏光状態372を有する。正面方向と軸外方向との両方で、偏光変換は行われず、したがって、反射偏光器302からの光線402の反射率は低い。光線412は、反射偏光器302を透過し、ディスプレイ偏光器218、210、または
図1Aのバックライト、または
図1Bの放出型SLM38の光アイソレータ218、518で消失する。
【0200】
有利なことに、パブリック動作モードでは、広視野にわたって高輝度および低反射率が提供される。このようなディスプレイは、好都合に複数の観測者によって高いコントラストで視認され得る。
【0201】
ここで、第1の状態のパブリックモードにおける
図1Aのディスプレイの外観について記載する。
【0202】
図10Aは、パブリックモードで動作しているディスプレイの透過出力光の観測を正面斜視図で例示する概略図であり、
図10Bは、パブリックモードにおける
図1Aの切り替え可能なディスプレイからの反射周囲光の観測を正面斜視図で例示する概略図であり、
図10Cは、パブリックモードで動作している
図1Aのディスプレイの外観を正面斜視図で例示する概略図である。
【0203】
したがって、ユーザ49にとって望ましい軸外の観測位置は、高ディスプレイ輝度を有し、反射偏光器302からの反射が実質的にない。高画像視認性値を達成し、ディスプレイ情報を好都合に複数のユーザに弁別することができる。フレネル反射605は、従来のディスプレイのように依然として存在し、通例の低レベルである。高性能のパブリックモードが提供される。
【0204】
ここで、リターダのさらなる配設について記載する。
【0205】
図11Aは、パブリック動作モードにおける切り替え可能なリターダの配設を透視側面図で例示する概略図であり、切り替え可能なリターダは、ホモジニアス整合を有する切り替え可能な液晶層と交差A-プレート極性制御リターダとを備え、
図11Bは、プライバシー動作モードにおける
図11Aの透過光線について極方向による出力輝度の変化を例示する概略グラフであり、
図11Cは、プライバシー動作モードにおける
図11Aの反射光線について極方向による反射率の変化を例示する概略グラフであり、
図11Dは、パブリック動作モードにおける
図11Aの透過光線について極方向による出力輝度の変化を例示する概略グラフであり、
図11Eは、表3Aに例示される実施形態を含むパブリック動作モードにおける
図11Aの反射光線について極方向による反射率の変化を例示する概略グラフである。さらに詳細には考察されていない
図11A~
図11Eの実施形態の特徴は、特徴の任意の潜在的な変形を含む、上で考察された等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【表3】
【0206】
切り替え可能な液晶リターダ301は、液晶材料421の層に隣接して、かつ切り替え可能な液晶リターダ301の両側上に配置された2つの表面整合層419a、419bを備え、各々は、隣接する液晶材料421にホモジニアス整合を提供するように配設されている。切り替え可能な液晶リターダ301の液晶材料421の層314は、正の誘電異方性を有する液晶材料421を含む。液晶材料421の層は、500nm~900nmの範囲で、好ましくは600nm~850nmの範囲で、および最も好ましくは700nm~800nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する。リターダ330は、リターダの平面内で交差する光学軸を有するパッシブリターダ330A、330Bの対をさらに備え、パッシブリターダ対の各パッシブリターダは、300nm~800nmの範囲で、好ましくは350nm~650nmの範囲で、および最も好ましくは450nm~550nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する。
【0207】
表2の実施形態と比較して、パッシブ極性制御リターダ330は、交差した軸を有するA-プレート330A、330Bの対によって提供される。本実施形態において、「交差した」とは、リターダの平面内の2つのリターダの光学軸間の実質的に90°の角度を指す。リターダ材料のコストを低減するために、例えば、フィルム製造中の延伸誤差に起因するリターダ配向のいくらかの変動を材料に提供することが望ましい。好ましい方向から離れたリターダの配向の変化は、正面輝度を低減し、最小透過率を増加させることができる。好ましくは、角度310Aは、少なくとも35°かつ最大55°、より好ましくは少なくとも40°かつ最大50°、および最も好ましくは少なくとも42.5°かつ最大47.5°である。好ましくは、角度310Bは、少なくとも125°かつ最大145°、より好ましくは少なくとも130°かつ最大135°、および最も好ましくは少なくとも132.5°かつ最大137.5°である。
【0208】
表2の実施形態と比較して、液晶リターダの整合は、ホメオトロピック整合ではなくホモジニアス整合によって提供される。ホモジニアス整合は、有利なことに、ディスプレイにタッチしたときなど、機械的な歪みの際の短縮された回復時間を提供する。
【0209】
パッシブリターダは、低コストおよび高い均一性を有利に達成するために、延伸フィルムを使用して提供されてもよい。さらに、加えられた圧力中の液晶材料の流れの視認性に回復性を提供しながら、ホモジニアス整合を有する液晶リターダの視野を増大させる。
【0210】
追加の偏光器318に、出力偏光器218および反射偏光器302の電気ベクトル透過方向とは異なる電気ベクトル透過方向を提供することが望ましい場合がある。
【0211】
図11Fは、交差A-プレートパッシブ極性制御リターダ330A、330Bおよびホモジニアス整合した切り替え可能な液晶リターダ301を備え、表3Bに例示される実施形態を含むパッシブ回転リターダ460をさらに備える、プライバシー動作モードにおけるリターダ300の配設を透視側面図で例示する概略図である。さらに詳細には考察されていない
図11Fの配設の特徴は、特徴の任意の潜在的な変形を含めて、上で考察された等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【表4】
【0212】
反射偏光器302および追加の偏光器318は、平行でない電気ベクトル透過方向303、319を有し、ディスプレイデバイス100は、反射偏光器302と追加の偏光器318との間に配設された回転器リターダ406をさらに備え、回転器リターダ406は、回転器リターダ406に入射する偏光の偏光方向を、ディスプレイ偏光器218の電気ベクトル透過方向と追加の偏光器318の電気ベクトル透過方向との間で回転させるように配設されている。
【0213】
出力偏光器218および反射偏光器302は、例えば、ツイストネマチックLCDディスプレイの場合、45度の角度317であり得る電気ベクトル透過方向219、303を具備し得る。追加の偏光器318は、通常垂直偏光を透過させる偏光サングラスを着用し得るユーザに垂直偏光を提供するように配設されていてもよい。
【0214】
パッシブ回転リターダ460は、本実施形態の極性制御リターダ330とは異なり、ここでその動作について記載する。パッシブ回転リターダ460は、複屈折材料462を含み、例えば550nmの波長でリターダンスを有する、275nmの半波長板であってもよい。パッシブ回転リターダ460は、追加の偏光器318の電気ベクトル透過方向319に対して22.5度であり得る角度466で傾斜した進相軸の向き464を有する。したがって、パッシブ回転リターダ460は、極性制御リターダ330Bへと入射する光の偏光方向が方向319に対して平行であるように、出力偏光器218からの偏光を回転させる。
【0215】
動作中、パッシブ回転リターダ460は、出力偏光器218からの偏光成分の角回転を提供することにより、軸上偏光状態を変更する。極性制御リターダ330A、330Bを合わせたものと比較して、軸上偏光状態を変更しない。さらに、パッシブ回転リターダ460は、軸外方向の視認角度による出力輝度の小さな変化のみを提供する偏光の回転を提供する。比較すると、極性制御リターダ330A、330Bは、視認角度による出力輝度の実質的な変更を提供する。
【0216】
有利なことに、ディスプレイは、例えば偏光サングラスでの視界を提供するために、ディスプレイ偏光器偏光方向219とは異なる出力偏光方向319を具備することができる。
【0217】
代替の実施形態では、半波回転を提供するために、別個のリターダ460を省略し、
図11Aのリターダ330Bのリターダンスを増加させてもよい。例示的な実施形態を続けて、550nmの波長でのリターダ330Bのリターダンスは、リターダ330Aのリターダンスよりも275nm大きくてもよい。有利なことに、層数、複雑さ、およびコストを低減することができる。
【0218】
他の実施形態では、パッシブ回転リターダ460は、反射偏光器302および追加の偏光器318の電気ベクトル透過方向303、319が平行であるように、ディスプレイ出力偏光器218と反射偏光器302との間に設けられていてもよい。
【0219】
図12Aは、第2の電圧V1で駆動される液晶421とパッシブ負のC-プレートリターダ330とを備えるホモジニアス整合した切り替え可能な液晶リターダを備えるプライバシー動作モードにおける切り替え可能なリターダの配設を透視側面図で例示する概略図であり、
図12Bは、第1の電圧V1とは異なる第2の電圧V2で駆動されるホモジニアス整合した切り替え可能な液晶リターダとパッシブ負のC-プレートリターダとを備えるプライバシー動作モードにおける切り替え可能なリターダの配設を透視側面図で例示する概略図である。さらに詳細には考察されていない
図12A~
図12Bの配設の特徴は、特徴の任意の潜在的な変形を含めて、上で考察された等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0220】
図12Aの配設と比較して、液晶リターダの層314の中心にある液晶材料414の分子の増加したチルトを提供するために、駆動電圧V2を増加させる。このような増加したチルトは、プライバシーモードとパブリックモードとの間で、切り替え可能な液晶リターダ301のリタデーションを変化させる。
【0221】
図12Cは、プライバシー動作モードにおける
図12Aの透過光線について極方向による出力輝度の変化を例示する概略グラフであり、
図12Dは、プライバシー動作モードにおける
図12Aの反射光線について極方向による反射率の変化を例示する概略グラフである。
図12Eは、パブリック動作モードにおける
図12Bの透過光線について極方向による出力輝度の変化を例示する概略グラフであり、
図12Fは、パブリック動作モードにおける
図12Bの反射光線について極方向による反射率の変化を例示する概略グラフである。パッシブリターダと組み合わせたホモジニアス整合の配設の例示的な実施形態を表4Aに示す。
【表5】
【0222】
切り替え可能な液晶リターダ301は、液晶材料の層に隣接して、かつ切り替え可能な液晶リターダ301の両側上に配置された2つの表面整合層を備え、各々は、隣接する液晶材料414にホモジニアス整合を提供するように配設されている。切り替え可能な液晶リターダ301の液晶材料414の層314は、正の誘電異方性を有する液晶材料414を含む。液晶材料414の層は、500nm~900nmの範囲で、好ましくは600nm~850nmの範囲で、および最も好ましくは700nm~800nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する。リターダ330は、リターダの平面に対して垂直な光学軸を有するパッシブリターダをさらに備え、パッシブリターダが、-300nm~-700nmの範囲で、好ましくは-350nm~-600nmの範囲で、および最も好ましくは-400nm~-500nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する。
【0223】
図11Aと比較して、有利なことに、リターダ330の厚さおよび複雑さを低減することができる。
【0224】
ここで、パッシブ極性制御リターダ330を省略した構造について記載する。
【0225】
図13Aは、プライバシー動作モードにあるホモジニアス整合した切り替え可能な液晶リターダ301を備えるプライバシー動作モードにある切り替え可能なリターダの配設を透視側面図で例示する概略図である。切り替え可能な液晶リターダ301は、液晶材料421の層に隣接して配置され、かつ隣接する液晶材料421でホモジニアス整合を提供するように配設された表面整合層419a、419bを備える。
図13Bは、プライバシー動作モードにおける
図13Aの透過光線について極方向による出力輝度の変化を例示する概略グラフであり、
図13Cは、プライバシー動作モードにおける
図13Aの反射光線について極方向による反射率の変化を例示する概略グラフであり、
図13Dは、パブリック動作モードにおける
図13Aの透過光線について極方向による出力輝度の変化を例示する概略グラフであり、
図13Eは、パブリック動作モードにおける
図13Aの反射光線について極方向による反射率の変化を例示する概略グラフである。
【0226】
図13Aの配設の例示的な実施形態が表4Bに与えられている。
【表6】
【0227】
切り替え可能な液晶リターダ301は、液晶材料の層に隣接して、かつ切り替え可能な液晶リターダ301の両側上に配置された2つの表面整合層を備え、各々は、隣接する液晶材料414にホモジニアス整合を提供するように配設されている。切り替え可能な液晶リターダの液晶材料層は、正の誘電異方性を有する液晶材料を含む。液晶リターダ301は、500nm~1500nmの範囲で、好ましくは700nm~1200nmの範囲で、および最も好ましくは800nm~1000nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有することができる。
【0228】
図13A~
図13Eの実施形態は、有利なことに、パッシブリターダが設けられないため、低減されたコストおよび複雑さを達成する。さらに、パブリックモードは、層314の液晶材料の非駆動状態であり得、プライバシーモードで比較的低い電圧が使用される。さらに、ホメオトロピック整合と比較して、ホモジニアス整合層は、有利なことに、例えば、タッチパネルが使用される場合に、ディスプレイ表面の取り扱いから生じる液晶材料の流れの低減された視認性を提供することができる。
【0229】
図13Fは、反射偏光器、切り替え可能な液晶リターダ、および追加の偏光器を備える視野角制御素子を側面斜視図で例示する概略図である。切り替え可能な「ブルズアイ」視野プロファイルを有するプライバシーを提供する、低コストの切り替え可能なアフターマーケット層を提供することができる。
【0230】
ここで、切り替え可能なリターダ300のさらなる配設について記載する。
【0231】
図14Aは、交差A-プレートパッシブリターダ330A、330Bとホメオトロピック整合した切り替え可能な液晶リターダ301とを備える、プライバシー動作モードにおける切り替え可能なリターダの配設を透視側面図で例示する概略図である。
図14Bは、プライバシー動作モードにおける
図14Aの透過光線について極方向による出力輝度の変化を例示する概略グラフであり、
図14Cは、プライバシー動作モードにおける
図14Aの反射光線について極方向による反射率の変化を例示する概略グラフである。さらに詳細には考察されていない
図14A~
図14Cの実施形態の特徴は、特徴の任意の潜在的な変形を含む、上で考察された等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0232】
図14Dは、交差A-プレートパッシブリターダとホメオトロピック整合した切り替え可能なLCリターダとを備える、パブリック動作モードにある切り替え可能なリターダの配設を透視側面図で例示する概略図である。
図14Eは、パブリック動作モードにおける
図14Dの透過光線について極方向による出力輝度の変化を例示する概略グラフであり、
図14Fは、パブリック動作モードにおける
図14Dの反射光線について極方向による反射率の変化を例示する概略グラフである。さらに詳細には考察されていない
図14D~
図14Fの実施形態の特徴は、特徴の任意の潜在的な変形を含む、上で考察された等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0233】
したがって、パッシブ極性制御リターダ330は、リターダの平面内で交差する光学軸を有するリターダ330A、330Bの対を備える。リターダ330A、330Bの対は、出力偏光器の電気ベクトル透過方向に対して各々+/-45°で延在する光学軸を有する。リターダ330A、330Bの対は各々、単一のA-プレートを備える。表5に、例示的な実施形態が記載されている。
【表7】
【0234】
切り替え可能な液晶リターダ301は、電極413、415上に、かつ液晶材料414の層に隣接して、かつ切り替え可能な液晶リターダ301の両側上に配置された2つの表面整合層を備え、各々は、隣接する液晶材料414にホメオトロピック整合を提供するように配設されている。切り替え可能な液晶リターダ301の液晶材料414の層は、負の誘電異方性を有する液晶材料を含む。液晶材料層314は、500nm~1000nmの範囲で、好ましくは600nm~900nmの範囲で、および最も好ましくは700nm~850nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する。リターダ301は、リターダの平面内で交差する光学軸を有するパッシブリターダ対をさらに備え、パッシブリターダ対の各パッシブリターダは、300nm~800nmの範囲で、好ましくは500nm~700nmの範囲で、および最も好ましくは550nm~675nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する。
【0235】
有利なことに、プライバシーモードでは、広視野にわたって高反射率を提供することができる。A-プレートを、より好都合に、C-プレートリターダの場合よりも低コストで製造することができる。
【0236】
ここで、ハイブリッド整合液晶リターダ301について記載する。
【0237】
図15Aは、液晶材料423を含むホモジニアス整合およびホメオトロピック整合した切り替え可能な液晶リターダ301と、パッシブ負のC-プレートリターダ330と、を備える、プライバシー動作モードにある切り替え可能なリターダの配設を透視側面図で例示する概略図である。
図15Bは、プライバシー動作モードにおける
図15Aの透過光線について極方向による出力輝度の変化を例示する概略グラフであり、
図15Cは、プライバシー動作モードにおける
図15Aの反射光線について極方向による反射率の変化を例示する概略グラフである。
図15Dは、パブリック動作モードにおける
図15Aの透過光線について極方向による出力輝度の変化を例示する概略グラフであり、
図15Eは、パブリック動作モードにおける
図15Aの反射光線について極方向による反射率の変化を例示する概略グラフである。さらに詳細には考察されていない
図15A~
図15Eの実施形態の特徴は、特徴の任意の潜在的な変形を含む、上で考察された等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0238】
パッシブリターダと組み合わせたホメオトロピック整合層とホモジニアス整合層との両方を備えるハイブリッド整合の配設の実施形態が、表6に例示されている。
【表8】
【0239】
切り替え可能な液晶リターダ301は、液晶材料414の層314に隣接して、かつ切り替え可能な液晶リターダ301の両側上に配置された2つの表面整合層419a、419bを備え、表面整合層419aのうちの一方は、隣接する液晶材料414にホメオトロピック整合を提供するように配設されており、表面整合層419bのうちの他方は、隣接する液晶材料414においてホモジニアス整合を提供するように配設されている。
【0240】
2つのホメオトロピック整合層または2つのホモジニアス整合層を有する実施形態と比較して、ホメオトロピック整合層419aの側に設置されるか、またはホモジニアス整合層419bの側に設置されるかで、パッシブ極性制御リターダ330の設計は異なり得る。
【0241】
ホモジニアス整合を提供するように配設された表面配向層419bが液晶材料414の層314と極性制御リターダ330との間にある場合、液晶リターダ301は、700nm~2000nmの範囲で、好ましくは1000nm~1500nmの範囲で、および最も好ましくは1200nm~1500nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する。極性制御リターダ300は、リターダの平面に対して垂直な光学軸を有するパッシブ極性制御リターダ330をさらに備えてもよく、パッシブ極性制御リターダ330は、-400nm~-1800nmの範囲で、好ましくは-700nm~-1500nmの範囲で、および最も好ましくは-900nm~-1300nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する。
【0242】
図15AのC-プレートは、交差A-プレートによって置き換えられてもよい。極性制御リターダ300が、リターダの平面内で交差する光学軸を有するパッシブリターダ対をさらに備える場合、リターダ対の各リターダは、400nm~1800nmの範囲で、好ましくは700nm~1500nmの範囲で、および最も好ましくは900nm~1300nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する。
【0243】
ホメオトロピック整合を提供するように配設された表面配向層419aが液晶材料414の層314と極性制御リターダ330との間にある場合、液晶リターダ301は、500nm~1800nmの範囲で、好ましくは700nm~1500nmの範囲で、および最も好ましくは900nm~1350nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する。極性制御リターダ300は、リターダ330の平面に対して垂直な光学軸を有するパッシブ極性制御リターダ330をさらに備えてもよく、パッシブ極性制御リターダ330は、-300nm~-1600nmの範囲で、好ましくは-500nm~-1300nmの範囲で、および最も好ましくは-700nm~-1150nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有し、または、リターダ330は、リターダの平面内で交差する光学軸を有するパッシブリターダ対をさらに備えてもよく、リターダ対の各リターダは、400nm~1600nmの範囲で、好ましくは600nm~1400nmの範囲で、および最も好ましくは800nm~1300nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する。
【0244】
有利なことに、
図15Aのハイブリッド整合は、反射偏光器302からの反射率が増加する、増大した極角範囲を達成する。
【0245】
ここで、プライバシーまたは低迷光ディスプレイ装置の視野の制御を達成するための複数の光学スタックを備える、さらなるディスプレイ構造について記載する。
【0246】
図16は、非コリメートバックライト20、反射再循環偏光器318Bと透過型SLM48との間に配設されたさらなるパッシブ極性制御リターダ300B、反射偏光器302、極性制御リターダ300A、および追加の偏光器318Aを備える、周囲照明で使用するための切り替え可能なプライバシーディスプレイ100を側面斜視図で例示する概略図である。したがって、
図1Aのディスプレイと比較して、
図16は、透過型SLM48の入力偏光器210とさらなる追加の偏光器318Bとの間に配設されたさらなるパッシブ極性制御リターダ300Bをさらに備える。バックライト20内で光を再循環させ、かつ
図1Aの反射偏光器208と同様の方法で効率を有利に増加させるように配設された反射偏光器318Bによって、さらなる追加の偏光器318Bが提供される。
【0247】
有利なことに、ディスプレイの視野は、SLM48からの軸外輝度を低減するように、さらなる追加の偏光器318Bによって変更される。迷光が軽減され、覗き見者に対する視覚的セキュリティレベルが高まる。追加の偏光器318Bは、反射偏光器であり得る。これは、反射偏光器302とは異なる。追加の反射偏光器318Bは、バックライト20に光再循環を提供し、プライバシーモードでは前面反射を増加させない。有利なことに、効率が増大する。
【0248】
図17Aは、放出型SLM48、パッシブコントロールリターダ300B、さらなる追加の偏光器318B、反射偏光器302、複数のリターダ300、および追加の偏光器318Aを備える、周囲照明で使用するための切り替え可能なプライバシーディスプレイを側面斜視図で例示する概略図である。出力偏光器218と反射偏光器302との間に、さらなる偏光制御リターダ300Bが配設されている。さらなる偏光制御リターダ300Bと反射偏光器302との間に、さらなる追加の偏光器318Aが配設されている。
【0249】
図17Bは、放出型ディスプレイのための視野角制御素子260を側面斜視図で例示する概略図である。
【0250】
動作中、ディスプレイ出力偏光器218からの光は、パッシブ極性制御リターダ300Bおよびさらなる追加の偏光器318Bからの視野変更を有する。有利なことに、放射型ディスプレイからの視野が縮小される。反射偏光器302、複数の極性制御リターダ300A、および追加の偏光器318Aは、SLM48、リターダ300B、およびさらなる追加の偏光器318Bによって決定されるパブリックモードと、
図1Bのディスプレイ100によって達成されるものと比較して高軸外反射率および低軸外輝度を有するプライバシーモードと、の切り替えを提供する。
【0251】
図1Bのディスプレイと比較して、
図17Aは、さらなる極性制御リターダ300Bおよびさらなる追加の偏光器318Bをさらに備え、さらなる極性制御リターダ300Bは、第1の言及した追加の偏光器とさらなる追加の偏光器318との間に配設されている。
【0252】
軸外視認に対する高画像視認性有するパブリックモードと、高視覚的セキュリティレベルを有するプライバシーモードと、が提供されれば、望ましいことである。ここで、さらなる複数のリターダおよびさらなる追加の偏光器を備える切り替え可能なプライバシーディスプレイの実施形態について記載する。
【0253】
図18Aは、広角バックライト20を備える、周囲照明604で使用するための切り替え可能なプライバシーディスプレイ100を側面斜視図で例示する概略図であり、第1の極性制御リターダ300Aは、バックライト20とSLM48との間に配設されており、さらなる極性制御リターダ300Bは、SLM48からの光を受け取るように配設されている。さらに詳細には考察されていない
図16~
図18Bの実施形態の特徴は、特徴の任意の潜在的な変形を含む、上で考察された等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0254】
図18Aは、SLMの出力偏光器218からの光を受け取るように設けられた視野角制御素子260Aを有する
図1Aと同様の構造を有する。
【0255】
比較として、バックライト20は、指向性バックライト以外の他の箇所に記載されるように、広角バックライト20によって提供されてもよい。SLM48は、バックライト20からの出力光400を受け取るように配設された透過型SLMであり、SLM48は、SLM48の入力側上に配設された入力偏光器210をさらに備え、入力偏光器210は直線偏光器である。さらなる追加の偏光器318Bは、入力偏光器210の入力側上に配設されており、さらなる追加の偏光器318Bは、直線偏光器である。さらなる追加の偏光器318Bと入力偏光器210との間に、少なくとも1つのさらなる極性制御リターダ300Bが配設されている。
【0256】
第1の言及した少なくとも1つの極性制御リターダ300Aは、第1の液晶材料層314Aを備える第1の切り替え可能な液晶リターダ301Aを備え、少なくとも1つのさらなる極性制御リターダ300Bは、第2の液晶材料層314Bを備える第2の切り替え可能な液晶リターダ301Bを備える。
【0257】
極性制御リターダ300Aは、パッシブ極性制御リターダ330Aおよび切り替え可能な液晶リターダ301Aを備える。さらなる極性制御リターダ300Bは、パッシブ極性制御リターダ330Bおよび切り替え可能な液晶リターダ301Bを備える。本明細書の他の箇所に記載するように、極性制御リターダ300Bは、出力透過極輝度プロファイルの変更を提供し、極性制御リターダ300Aは、出力透過極輝度および反射率のプロファイルの変更を提供する。
【0258】
図16と比較して、バックライト20が軸外の極場所に対してより高い輝度を有するため、パブリックモードで増加した軸外輝度が達成され、それにより、両方の液晶層314A、314Bの制御によって、軸外のユーザに対して画像の視認性が増大する。プライバシーモードでは、軸外輝度が2つの乗算型輝度制御極性制御リターダ300A、300Bおよびそれぞれの追加の偏光器318A、318Bによって減少するため、軸外の覗き見者に対して視覚的セキュリティレベルが高まる。さらに、軸外のユーザには高反射率が提供される。
【0259】
有利なことに、
図1Aを参照して記載した動作を有する反射再循環偏光器(反射偏光器302とは機能が異なる)は、さらなる追加の偏光器318Bを提供して、プライバシー動作に対する高効率および縮小された視野をさらに達成することができる。
【0260】
図18Aの配設は、SLM48の前面に単一の視野角制御素子260Aを有する。有利なことに、スクリーン前面の厚さを低減することができる。さらに、偏光器318の前面上に、または視野角制御素子260Aと出力偏光器218との間に、ディフューザが配設されてもよい。有利なことに、前面反射の視認性を低下させることができる。さらに、視野角制御素子260Bを、好都合にSLM48とバックライト20との間に設けることができる。組み立てのコストおよび複雑さを低減することができる。ピクセル層214とディスプレイユーザ26との間の表面の数を低減し、有利なことに増大した画像コントラストを達成することができる。
【0261】
ここで、パッシブリターダ330A、330Bが各々パッシブな複数のリターダの対を備える
図18Aと同様の配設について記載する。
【0262】
図18Bは、反射偏光器302と追加の偏光器318Aとの間に配設された極性制御リターダ300Aと、透過型SLM48の入力偏光器210とさらなる追加の偏光器318Bとの間に配設されたさらなる極性制御リターダ300Bと、を備える光学スタックの光学層の整合を正面図で例示する概略図であり、極性制御リターダ300Aおよびさらなる極性制御リターダ300Bは各々、交差A-プレートを備える。表7および表8Aに、例示的な実施形態が提供されている。
【表9】
【表10】
【0263】
図11Aの実施形態と比較して、
図18A~
図18Fの実施形態は、広視野で高輝度を有する透過型SLM48および広角バックライト20、または放射型SLM48のいずれかを備える。
【0264】
さらに、実施形態は、極性制御リターダ300A、追加の偏光器318A、さらなる極性制御リターダ300B、およびさらなる追加の偏光器318Bを備える。このような配設の透過プロファイルは乗算的である。したがって、+/-45度の横角および0度の高度などの設計極角では、非常に低い輝度を達成することができる。ただし、設計の極角よりも高い角度でのバックライトまたは放出型SLMからの高輝度は、高められた光レベルと低下した反射率とを提供する。高角度の覗き見者に対して、視覚的セキュリティレベルが低下する可能性がある。少なくとも1つのさらなる極性制御リターダ300Bは、少なくとも1つのさらなるパッシブリターダを備え、
図18Bの実施形態では、2つの交差パッシブ極性制御リターダ330BA、330BBが提供される。
【0265】
45度よりも大きい、例えば50度と65度との間の横角をなす最小値に調整された設計を提供することが望ましい場合がある。さらなる極性制御リターダ300Bを有する配設では、切り替え可能な液晶リターダ301A、301Bの液晶材料414の層314A、314Bは各々、450nm~850nmの範囲で、好ましくは500nm~750nmの範囲で、および最も好ましくは550nm~650nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有してもよい。
【0266】
第1の言及した複数のリターダおよびさらなる複数のリターダは各々、リターダの平面内で交差する光学軸を有するパッシブリターダ対を備えてもよく、パッシブリターダ330A、330Bの第1の言及した対の各パッシブリターダは、300nm~800nmの範囲で、好ましくは350nm~650nmの範囲で、および最も好ましくは400nm~550nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する。
【0267】
有利なことに、高角度での輝度および反射率を低減することができ、高視認角度での覗き見者に対して視覚的セキュリティレベルを高めることができる。ここで、切り替え可能なプライバシーディスプレイにおける色の非対称性の低減について考察する。
【0268】
図18Cは、表8Aの交差A-プレートリターダ330AA、330ABおよび液晶層314Aを備える極性制御リターダ300Bのうちの1つに対する、交差パッシブA-プレートと、ホモジニアス整合した切り替え可能な液晶リターダと、を備える複数のリターダの透過光線について、極方向による対数出力輝度の変化を例示する概略グラフであり、
図18Dは、表8Bのリターダ330AA、330AB、314Aを備える極性制御リターダリターダ300Bのうちの1つに対する、交差パッシブA-プレートと、ホモジニアス整合した切り替え可能な液晶リターダと、を備える複数のリターダの透過光線について、横視認角度による対数出力輝度の変化470Aを横方向に例示する概略グラフである。
【0269】
図18Cおよび
図18Dは、交差A-プレート330AA、330ABのシーケンスによって提供されるいくらかの輝度非対称性があることを例示している。輝度プロファイルは波長依存性であるため、動作中、このような非対称性は、角度領域472L、472Rに例示されるように、ディスプレイのいずれかの側で異なる外観を有する顕著な色変化を提供する可能性がある。
図11Aの配設では、コリメート化バックライト20の低輝度に起因して、このような色シフトは通常はあまり見られない。しかしながら、高角度での増加したバックライト20の輝度により、または放出型SLMの場合、非対称性がより鮮明に見える。非対称の色外観が提供されれば、望ましいことである。
【0270】
図18Bに戻ると、第1の言及した極性制御リターダ300Aは、リターダ330AA、330ABの平面内で交差する光学軸331AA、331ABを有するパッシブリターダ330AA、330ABの対を備え、パッシブリターダ330AAの対の第1のものは、出力偏光器218の電気ベクトル透過方向219に対して45°で延在する光学軸331AAを有し、パッシブリターダ331ABの対の第2のものは、出力偏光器218の電気ベクトル透過方向219に対して135°で延在する光学軸331ABを有する。
【0271】
少なくとも1つのさらなる極性制御リターダ300Bは、リターダ330BA、330BBの平面内で交差する光学軸331BA、331BBを有するパッシブリターダ330BA、330BBのさらなる対を備え、パッシブリターダ330BAのさらなる対の第1のものは、出力偏光器218の電気ベクトル透過方向219に対して135°で延在する光学軸331BAを有し、パッシブリターダ330BBのさらなる対の第2のものは、出力偏光器218の電気ベクトル透過方向219に対して45°で延在する光学軸331BBを有する。各パッシブリターダ対の第2のリターダ330AB、330BBは、それぞれのパッシブ極性制御リターダ330A、330Bの対の第1のリターダ330AA、330BAからの光を受け取るように配設されている。したがって、互いに最も近い、第1の対のパッシブリターダ330AAとさらなる対のパッシブリターダ330BBとは、同じ方向に延在するそれぞれの光学軸331AAおよび331ABを有する。
【0272】
本開示では、パッシブリターダの光学軸の回転方向は、各パッシブリターダ対内の光学軸のうちのいずれか1つがそれぞれ45°および135°に延在するように、時計回りまたは反時計回りであってもよい。例示的な例では、回転方向は、時計回りである。
【0273】
図18Dに戻ると、交差A-プレート330BA、330BBおよび液晶リターダ314Bの輝度プロファイルは、プロファイル470Bによって例示されている。組み合わせでは、プロファイル470A、470Bは、乗算的である。したがって、
図18Bのリターダの配設は、2つの輝度プロファイルの平均化を達成し、さらに色対称性を達成する。有利なことに、角度均一性が向上する。
【0274】
任意選択で、
図18Aおよび18Bの例では、反射偏光器318Bは省略されてもよい。その場合、反射偏光器318Bは、任意選択で、二色性吸収偏光器(図示せず)によって置き換えられてもよい。
【0275】
ここで、極性制御リターダ300A、およびさらなる極性制御リターダ300Bの別の配設が与えられる。
【0276】
図18Eは、放出型SLM48、第1の極性制御リターダ300A、第1の追加の偏光器318A、反射偏光器302、第2の極性制御リターダ300B、および第2の追加の偏光器318Bを備える、周囲照明で使用するための切り替え可能なプライバシーディスプレイを側面斜視図で例示する概略図であり、
図18Fは、追加の光吸収偏光器318Aと反射偏光器302であるさらなる追加の偏光器318Bとの間に配設された極性制御リターダ300Aと、出力偏光器218とさらなる追加の偏光器318B、302との間に配設されたさらなる極性制御リターダ300Bと、を備える光学スタックの光学層の配設を正面図で例示する概略図であり、極性制御リターダ300Aおよびさらなる複数のリターダ300Bは各々、交差A-プレート330AA、330AB、330BAおよび330BBを備える。
【0277】
表8Bに、例示的な実施形態が提供されている。
【表11】
【0278】
図18Aの配設と比較して、SLM48からの散乱が視野角制御素子260Bからの輝度プロファイルの視野を変更しないため、軸外の視認場所に対して低減された輝度が有利に提供され得る。さらに、単一の光学部品スタックが、好都合なアフターマーケットまたは工場での取り付けのために提供されてもよい。
【0279】
図18E~
図18Fの実施形態は、反射偏光器302がさらなる複数のリターダ300Bの追加の偏光器318Bをさらに提供できることを、さらに例示している。有利なことに、コストおよび厚さが低減され、効率が向上する。
【0280】
ここで、対称な色および輝度の出力を有する輝度制御ディスプレイの実施形態について記載する。
【0281】
図18Gは、追加の光吸収偏光器318Aとさらなる追加の偏光器318Bとの間に配設された偏光制御リターダ300Aと、出力偏光器218とさらなる追加の偏光器318Bとの間に配設されたさらなる極性制御リターダ300Bと、を備える光学スタックの光学層の整合を正面図で例示する概略図であり、極性制御リターダ300Aおよびさらなる複数のリターダ300Bは各々、交差A-プレートリターダ330AA、330AB、330BA、および330BBを備える。
【0282】
したがって、ディスプレイデバイスは、SLM48と、SLMの少なくとも一方側上に配設されたディスプレイ偏光器であって、ディスプレイ偏光器は、直線偏光器である、ディスプレイ偏光器と、少なくとも1つのディスプレイ偏光器のうちの1つとSLM48の同じ側上に配設された第1の追加の偏光器318Aであって、第1の追加の偏光器318Aは、直線偏光器である、第1の追加の偏光器318Aと、第1の追加の偏光器318Aと少なくとも1つのディスプレイ偏光器のうちの1つとの間に配設された第1の極性制御リターダ300Aと、第1の追加の偏光器318Aの外側に、少なくとも1つのディスプレイ偏光器のうちの上記の1つとSLMの同じ側上に配設されたさらなる追加の偏光器318Bであって、さらなる追加の偏光器318Bは、直線偏光器である、さらなる追加の偏光器318Bと、第1の追加の偏光器318Aとさらなる追加の偏光器318Bとの間に配設されたさらなる極性制御リターダ300Bと、を備え、第1の極性制御リターダは、交差し、かつ出力偏光器218の電気ベクトル透過方向に対してそれぞれ45°および135°で延在する光学軸331AA、331ABをリターダの平面内に有するパッシブリターダ330AA、330ABの対を備え、さらなる極性制御リターダは、交差し、かつ出力偏光器218の電気ベクトル透過方向に対してそれぞれ45°および135°で延在する光学軸331BA、331BBをリターダの平面内に有するパッシブリターダ330BA、330BBの対を備え、互いに最も近い、第1のパッシブ極性制御リターダ対の一方とさらなるパッシブ極性制御リターダの一方との光学軸331BB、331AAは、同じ方向に延在する。
【0283】
第1の極性制御リターダ300Aおよびさらなる極性制御リターダ300Bは各々、液晶材料414A、414Bの層314A、314Bを備える切り替え可能な液晶リターダ301A、301Bをさらに備え、第1の極性制御リターダ300Aおよびさらなる極性制御リターダ300Bは各々、切り替え可能な液晶リターダ301A、301Bの切り替え可能な状態において、同時に、極性制御リターダの平面の法線に沿った軸に沿って少なくとも1つのディスプレイ偏光器のうちの上記の1つを通過する光の直交偏光成分に正味の相対位相シフトを導入しないように、かつ極性制御リターダの平面の法線に対して傾斜した軸に沿って少なくとも1つのディスプレイ偏光器のうちの上記の1つを通過する光の直交偏光成分に正味の相対位相シフトを導入するように配設されている。
【0284】
図18Gの例は、反射偏光器302がさらなる追加の偏光器318Bによって置き換えられていることを除いて、
図18Eおよび
図18Fの例と同じである。有利なことに、
図18C~
図18Dによって例示されるのと同じ方法で、対称の色および輝度の出力を有する輝度制御ディスプレイを達成することができる。さらに、高軸外反射率が望ましくない環境では、反射偏光器302の反射率が排除される。
【0285】
図18Hは、さらなる追加の光吸収偏光器318Bと追加の偏光器318Aとの間に配設されたさらなる複数のリターダ300Bと、入力偏光器210と追加の偏光器318Aとの間に配設された複数のリターダ300Aと、を備える透過型SLM48用光学スタックの光学層の配設を正面図で例示する概略図であり、複数のリターダ300Aおよびさらなる複数のリターダ300Bが各々、交差A-プレートを備える。
【0286】
図18Hの例は、光学スタックがSLMの入力側上に、かつバックライト20とSLM48との間に配設されていることを除いて、
図18Gの例と同じである。有利なことに、画面の前面の厚さが低減され、ピクセルをぼかすことなく前面に、増大させた拡散を供給することができる。さらに、画像コントラストを増加させることができる。
【0287】
図18Iは、さらなる追加の偏光器318Bと入力偏光器210との間に配設されたさらなる複数のリターダ300Bと、出力偏光器218と追加の偏光器318Aとの間に配設された複数のリターダ300Aと、を備える透過型SLM48用光学スタックの光学層の整合を正面図で例示する概略図であり、複数のリターダ300A、300Bおよびさらなる複数のリターダは各々、交差A-プレート330AA、330AB、330BA、330BBを備える。
【0288】
ディスプレイデバイスは、光を出力するように配設されたバックライト20と、バックライト20からの出力光を受け取るように配設された透過型SLM48と、SLM48の入力側上に配設された入力偏光器210、およびSLM48の出力側上に配設された出力偏光器218であって、入力偏光器210および出力偏光器218は、直線偏光器である、入力偏光器210および出力偏光器218と、出力偏光器218の出力側上に配設された第1の追加の偏光器318Aであって、第1の追加の偏光器318Aは、直線偏光器である、第1の追加の偏光器318Aと、第1の追加の偏光器318Aと出力偏光器218との間に配設された第1の極性制御リターダ300Aと、バックライト20と入力偏光器210との間に配設されたさらなる追加の偏光器318Bであって、さらなる追加の偏光器318Bは、直線偏光器である、さらなる追加の偏光器318Bと、入力偏光器210とさらなる追加の偏光器318Bとの間に配設されたさらなる極性制御リターダ300Bと、を備え、第1の極性制御リターダ300Aは、交差し、かつ出力偏光器218の電気ベクトル透過方向に対してそれぞれ45°および135°で延在する光学軸331AA、331ABをリターダの平面内に有するパッシブリターダ330AA、330ABのさらなる対を備え、さらなる極性制御リターダ300Bは、交差し、かつ出力偏光器218の電気ベクトル透過方向に対してそれぞれ45°および135°で延在する光学軸331BA、331BBをリターダの平面内に有するパッシブリターダ330BA、330BBのさらなる対を備え、互いに最も近い、第1のパッシブ極性制御リターダ対の一方とさらなるパッシブ極性制御リターダ対の一方との光学軸331BB、331AAは、同じ方向に延在する。
【0289】
図18Iの例は、光学スタックがSLM48の両側上に、かつバックライト20とSLM48との間に配設されていることを除いて、
図18Hの例と同じである。有利なことに、SLMからの散乱は、覗き見者に迷光を提供せず、より高い視覚的セキュリティレベルを達成することができる。
【0290】
図18Jは、プライバシー動作モードにある、出力偏光器218と反射偏光器302との間に配設された、負のC-プレートパッシブ極性制御リターダ330A、およびホモジニアス整合した切り替え可能な液晶リターダ301Aと、吸収型偏光器318と反射偏光器302との間に配設された、負のC-プレートパッシブ極性制御リターダ330Bおよびホモジニアス整合した切り替え可能な液晶リターダ301Bと、を備える、プライバシー動作モードにある切り替え可能なリターダの配設を透視側面図で例示する概略図である。したがって、ディスプレイデバイスは、出力偏光器218と反射偏光器302との間に配設されたリターダンス制御層300Aをさらに備えることができる。リターダンス制御層300Aは、出力偏光器218と反射偏光器302との間に配設されたさらなる切り替え可能な液晶リターダ301Aを備えることができる。
【0291】
第1の言及した極性制御リターダ300Bは、第1の液晶材料層414Bを備える第1の切り替え可能な液晶リターダ301Bを備え、さらなる極性制御リターダ300Aは、第2の液晶材料層414Aを備える第2の切り替え可能な液晶リターダ301Aを備える。さらなる切り替え可能な液晶リターダ301Aは、反射偏光器に対して平行に、または逆平行に、または直交して整合する成分を液晶材料層の平面内に有するプレチルト方向を有するプレチルトを有する、液晶材料414Aに隣接して配置された表面整合層307Aを備える。
【0292】
さらなる切り替え可能な液晶リターダ301Aの整合層のプレチルト方向307A、331Aは、第1の切り替え可能な液晶リターダ301Bの整合層307B、331Bのプレチルト方向に対して平行に、または逆平行に、または直交して整合する成分を液晶層314Aの平面内に有してもよい。パブリック動作モードでは、両方の切り替え可能な液晶層301B、301Aは、広視認角度を提供するように駆動される。プライバシー動作モードでは、切り替え可能な液晶リターダ301A、301Bは、協働して、増強された輝度低減を有利に達成し、したがって単一軸におけるプライバシーを向上させることができる。
【0293】
第1の液晶リターダ301Aと第2の液晶リターダ301Bとは、異なるリターダンスを有し得るる。第1の液晶リターダ301Bおよびさらなる液晶層314Aによって提供されるリタデーションは、異なり得る。制御システム352は、第1の切り替え可能な液晶リターダ301Aおよび第2の切り替え可能な液晶リターダ301Bの両端間に共通電圧を印加することを制御するように配設され得る。第1の液晶リターダ301Bの液晶材料414Bは、第2の液晶層301Aの液晶材料414Aとは異なり得る。軸外の色外観が有利に向上するように、本明細書の他の箇所に例示されている極輝度プロファイルの色変化を低減することができる。
【0294】
代替的に、切り替え可能な液晶リターダ301A、301Bは、水平方向と垂直方向との両方で低下した輝度が達成されるように直交整合を有して、ランドスケープおよびポートレートのプライバシー動作を有利に達成してもよい。
【0295】
リターダンス制御層300Aは、出力偏光器218と反射偏光器302との間に配設されたパッシブ極性制御リターダ330Aを備え得る。より一般的には、切り替え可能な液晶リターダ301Aは、省略されてもよく、パッシブリターダ330Aによって固定輝度低下が提供されてもよい。例えば、視認象限における輝度低下は、層330A単独によって提供されてもよい。有利なことに、輝度低下のための極領域を達成することができる。
【0296】
図18Jは、反射偏光器302がさらなる追加の偏光器318Bを提供し得ること、および例えば
図18Fの二色性偏光器318Bが省略され得ることをさらに例示している。有利なことに、増大した効率および低減された厚さを達成することができる。
【0297】
図18Kは、第1の極性制御リターダ300A、第1の追加の偏光器318A、反射偏光器302、第2の極性制御リターダ300B、および第2の追加の偏光器318Bを備える視野角制御素子260を側面斜視図で例示する概略図である。有利なことに、モアレアーチファクトを回避するためにパネルピクセル解像度へのマッチングを必要としないアフターマーケットプライバシー制御素子および/または迷光制御素子を設けることができる。SLM48に工場で取り付けるために、視野角制御光学素子260をさらに設けることができる。さらに詳細には考察されていない
図18E~
図18Hの実施形態の特徴は、特徴の任意の潜在的な変形を含む、上で考察された等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0298】
自動車においてエンターテインメント動作モードと夜間動作モードとの両方を提供することが望ましい場合がある。
【0299】
図19Aは、昼間動作モードおよび/または共有動作モードのために車室602内に配設された
図19A~
図19Bに例示されるものなどの切り替え可能な指向性ディスプレイを有する自動車を上面図で例示する概略図であり、
図19Bは、昼間動作モードおよび/または共有動作モードのために車室602内に配設された切り替え可能な指向性ディスプレイを有する自動車を側面図で例示する概略図である。光円錐630、632は、広視野角を具備し、したがって、ディスプレイは、有利なことに、低反射率により複数の搭乗者に見える。
【0300】
図19Cは、夜間動作モードおよび/またはエンターテインメント動作モードのために車室602内に配設された
図19A~
図19Bに例示されるものなどの切り替え可能な指向性ディスプレイを有する自動車を上面図で例示する概略図であり、
図19Dは、夜間動作モードおよび/またはエンターテインメント動作モードのために車室602内に配設された切り替え可能な指向性ディスプレイを有する自動車を側面図で例示する概略図である。光円錐634、636は、狭視野角を具備し、したがって、ディスプレイは、有利なことに、単一の搭乗者にのみ見える。軸外の搭乗者には、ディスプレイからの増加した反射が見え、視認性が低下する。有利なことに、夜間動作に対する迷光が低減され、運転者の安全性が高まる。さらに、フロントガラス601からのディスプレイの反射が低減され、運転者604の注意散漫が最小限に抑えられる。さらに詳細には考察されていない
図19A~
図19Dの実施形態の特徴は、特徴の任意の潜在的な変形を含む、上で考察された等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0301】
ここで、パッシブリターダ272である極性制御リターダ300を備え、かつ反射偏光器302および追加の偏光器318を備えるディスプレイ100についてさらに記載する。
【0302】
図20Aは、バックライト20と、透過型SLM48と、反射偏光器302と、パッシブリターダ272A、272B、272C、および272Cを備えるパッシブ極性制御リターダ300と、追加の偏光器318と、を備える、周囲照明604で使用するためのプライバシーディスプレイ100を側面斜視図で例示する概略図であり、
図20Bは、反射偏光器302と、パッシブ極性制御リターダ300と、追加の偏光器318と、を備える視野角制御素子を側面斜視図で例示する概略図である。
【0303】
このようなディスプレイの動作が、
図22A~
図22Bを参照して以下に記載される。有利なことに、低コストのプライバシーディスプレイ、または他のタイプの低迷光ディスプレイを提供することができる。さらに、切り替え可能なディスプレイ100と比較して、ディスプレイの複雑さおよび厚さが低減される。
【0304】
図20Cは、追加の偏光器318Aと反射偏光器302との間に配設されたパッシブリターダ272AA、272AB、272AC、272ADを備えるパッシブ極性制御リターダ300Aと、さらなる追加の偏光器318B、および反射偏光器302の入力側上に配設されたパッシブリターダ272BA、272BB、272BC、272BDを備えるさらなるパッシブ極性制御リターダ300Bと、を備える視野角制御素子260を側面斜視図で例示する概略図である。追加の偏光器および追加
図20Bと比較して、有利なことに、SLMの出力に取り付けられたときに正面輝度が実質的に維持され得る一方で、軸外輝度がさらに低減され得る。
【0305】
図20Dは、周囲照明で使用するためのプライバシーディスプレイを側面斜視図で例示する概略図である。
図20Aと比較すると、SLMへの入力に、反射偏光器であるさらなる追加の偏光器318Bと、リターダ272BA、272BBを備えるさらなる極性制御リターダ300Bと、が配設されている。さらなる追加の偏光器318Bおよび300Bは、広角バックライト20の増大した輝度低減を達成する。有利なことに、広角バックライトに対して視覚的セキュリティレベルを高めることができる。他の箇所に記載された切り替え可能な配設と比較して、厚さおよびコストが低減される。さらに詳細には考察されていない
図20A~
図20Dの実施形態の特徴は、特徴の任意の潜在的な変形を含む、上で考察された等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0306】
図20A~
図20Dの実施形態は、以下の
図22A~
図22Bに例示するように、4つのパッシブリターダを備えるパッシブ極性制御リターダ300のスタックを例示している。ただし、他のタイプのパッシブリターダスタックについても以下に記載し、これを組み込んでもよい。ここで、反射偏光器302と追加の偏光器318との間に配設されたパッシブリターダ272を備える極性制御リターダ300の様々な組み合わせについて記載する。
【0307】
図21Aは、負のC-プレートを備え、かつディスプレイデバイスの視野変更提供するように配設されたパッシブリターダの光学スタックを側面斜視図で例示する概略図であり、
図21Bは、
図21Aのパッシブリターダの透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示する概略グラフである。
【0308】
図21Cは、ディスプレイ偏光器の電気ベクトル透過方向に直交する平面内でチルトした負のO-プレートと、ディスプレイデバイスの視野変更を提供するように配設された負のC-プレートと、を備えるパッシブリターダの光学スタックを側面斜視図で例示する概略図であり、
図21Dは、表9Aに例示される構造を備える
図21Cのパッシブリターダの透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示する概略グラフである。
【表12】
【0309】
したがって、パッシブ極性制御リターダ300Bは、パッシブリターダ272Aの平面内の成分とパッシブリターダ272Aの平面に対して垂直な成分とを有する光学軸を有する負のO-プレートであるパッシブリターダ272Aを備える。さらに、パッシブリターダの平面内の成分は、ディスプレイ偏光器218の電気ベクトル透過219に対して平行である電気ベクトル透過方向に対して90°で延在する。パッシブリターダ272Bは、パッシブリターダの平面に対して垂直な光学軸を有するパッシブリターダを備える。
【0310】
有利なことに、横視認方向に対して輝度を低下させることができる。横方向の軸外の覗き見者に対するプライバシーを達成しながら、水平軸を中心にモバイルディスプレイを快適に回転させることができる。
【0311】
図21Eは、交差A-プレートおよび正のO-プレートを備えるパッシブリターダの光学スタックを側面斜視図で例示する概略図であり、
図21Fは、表9Bに例示される構造を備える
図21Eのパッシブリターダの透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示する概略グラフである。
【表13】
【0312】
したがって、パッシブ極性制御リターダ300Bは、交差A-プレートであるパッシブリターダ272A、272Bと、パッシブリターダ272Cの平面内の成分とパッシブリターダ272Cの平面に対して垂直な成分とを有する光学軸を有するリターダ272Cと、を備える。パッシブリターダの平面内の成分は、ディスプレイ偏光器218の電気ベクトル透過219に対して平行である電気ベクトル透過方向に対して90°で延在する。有利なことに、横視認方向に対して輝度を低下させることができる。横方向の軸外の覗き見者に対するプライバシーを達成しながら、水平軸を中心にモバイルディスプレイを快適に回転させることができる。
【0313】
横方向および高度方向の両方で輝度の低下を提供することが望ましい場合がある。
【0314】
図22Aは、2つの交差A-プレート対を備えるパッシブリターダ272A~272Dの光学スタックを側面斜視図で例示する概略図であり、
図22Bは、表10に例示される構造を備える
図22Aのパッシブリターダの透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示する概略グラフである。さらに詳細には考察されていない
図22A~
図22Bの実施形態の特徴は、特徴の任意の潜在的な変形を含む、上で考察された等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【表14】
【0315】
したがって、リターダは、リターダの平面内で交差する光学軸を有するパッシブリターダ272A、272Dの対を備える。リターダ対は各々、互いに異なる角度で整合したそれぞれの光学軸を有する複数のA-プレートを備える。パッシブリターダ272B、272Cの対は、ディスプレイ偏光器210の電気ベクトル透過211に対して平行である電気ベクトル透過方向に対して、それぞれ90°および0°で延在する光学軸を有する。
【0316】
パッシブリターダ272A、272Dの対は、それぞれディスプレイ偏光器218の電気ベクトル透過に対して平行である電気ベクトル透過方向211に対して、それぞれ45°および135°で延在する光学軸を有する。
【0317】
ディスプレイは、第1の言及したパッシブリターダ272A、272Dの対間に配置され、かつリターダの平面内で交差する光学軸を有する、パッシブリターダ272B、272Cの追加の対をさらに備える。パッシブ極性制御リターダ272B、272Cの追加の対は、ディスプレイ偏光器210、316の電気ベクトル透過に対して平行である電気ベクトル透過方向211、317に対して、各々がそれぞれ0°および90°で延在する光学軸を有する。
【0318】
550nmの波長の光に対する各A-プレートのリターダンスは、600nm~850nmの範囲、好ましくは650nm~730nmの範囲、および最も好ましくは670nm~710nmの範囲であってもよい。中心の視認場所から軸外の視認場所への吸収光の色変化を、有利に低減することができる。
【0319】
さらなる例示的な実施形態では、好ましくは、角度273Aは、少なくとも40°かつ最大50°、より好ましくは少なくとも42.5°かつ最大47.5°、および最も好ましくは少なくとも44°かつ最大46°である。好ましくは、角度273Dは、少なくとも130°かつ最大140°、より好ましくは少なくとも132.5°かつ最大137.5°、および最も好ましくは少なくとも134°かつ最大136°である。
【0320】
さらなる例示的な実施形態では、内側のリターダ対272B、272Cは、外側のリターダ対272A、272Dよりも緩い許容範囲を有することができる。好ましくは、角度273Bは、少なくとも-10°かつ最大10°、最も好ましくは少なくとも-5°かつ最大5°、および最も好ましくは少なくとも-2°かつ最大2°である。好ましくは、角度273Cは、少なくとも80°かつ最大100°、より好ましくは少なくとも85°かつ最大95°、および最も好ましくは少なくとも88°かつ最大92°である。
【0321】
本実施形態は、いくらかの回転対称性を有する透過率プロファイルを提供する。有利なことに、プライバシーディスプレイは、覗き見者の横視認位置または高い視認位置の広い視野からの低減された画像視認性を具備することができる。さらに、このような配設を使用して、モバイルディスプレイのランドスケープおよびポートレート動作の強化されたプライバシー動作を達成することができる。このような配設を車両に提供して、軸外の乗客への迷光を低減し、また車両のフロントガラスおよび他のガラス表面に当たる光を低減してもよい。
【0322】
図23A~
図23Bは、切り替え可能な補償されたリターダおよび光学結合層380を備えるディスプレイの一部を側面図で例示する概略図である。さらに詳細には考察されていない
図23A~
図23Bの実施形態の特徴は、特徴の任意の潜在的な変形を含む、上で考察された等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。フィルムおよび基板を積層するために光学結合層380を提供し、プライバシーモードで高視認角度で増大した効率および低下した輝度を達成してもよい。さらに、SLM48と極性制御リターダ300との間にエアギャップ384が設けられていてもよい。エアギャップ384での2つの表面の濡れを低減するために、極性制御リターダ300またはSLM48のうちの少なくとも1つに抗濡れ表面382が設けられていてもよい。
【0323】
リターダ330は、
図23Bに例示されるように、切り替え可能な液晶層314とSLM48との間に設けられていてもよく、または
図23Aに例示されるように、追加の偏光器318と切り替え可能な液晶層314との間に設けられていてもよい。本明細書の他の箇所に記載されたハイブリッド整合ト以外の両方のシステムで、実質的に同じ光学性能が提供される。光学部品の低減された厚さと低減された総数とが提供されれば、望ましいことである。
【0324】
図24Aは、第1および第2のC-プレートパッシブ極性制御リターダ間に配設されたホメオトロピック整合の切り替え可能な液晶リターダを備えるプライバシー動作角度モードにおける切り替え可能な補償されたリターダの配設を透視側面図で例示する概略図であり、
図24Bおよび
図24Cは、それぞれ、パブリック動作モードおよびプライバシー動作モードにおける
図24Aの光学スタックの透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示する概略グラフであり、
図24Dは、表11に例示される実施形態を含む、プライバシー動作モードにおける
図24Aの反射光線について極方向による反射率の変化を例示する概略グラフである。さらに詳細には考察されていない
図24A~
図24Bの実施形態の特徴は、特徴の任意の潜在的な変形を含む、上で考察された等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【表15】
【0325】
パッシブ極性制御リターダ330は、第1のC-プレート330Aおよび第2のC-プレート330Bを備え、切り替え可能な液晶層314は、第1のC-プレート330Aと第2のC-プレー330Bとの間に設けられている。切り替え可能な液晶リターダは、液晶材料414の層314に隣接して、かつ切り替え可能な液晶リターダの両側上に配置された2つの表面整合層419a、419bを備え、各々は、隣接する液晶材料414にホモジニアス整合を提供するように配設されている。切り替え可能な液晶リターダの液晶材料414の層は、負の正の誘電異方性を有する液晶材料414を含む。
【0326】
液晶材料314の層は、500nm~1000nmの範囲で、好ましくは600nm~900nmの範囲で、および最も好ましくは700nm~850nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する。2つのパッシブリターダは各々、-300nm~-700nmの範囲で、好ましくは-350nm~-600nmの範囲で、および最も好ましくは-400nm~-500nmの範囲で、550nmの波長の光に対する合計のリターダンスを有する、リターダの平面に対して垂直な光学軸を有するパッシブリターダを備える。
【0327】
図25Aは、第1および第2のC-プレートパッシブ極性制御リターダ基板間に配設された切り替え可能な補償されたリターダを備えるディスプレイを透視側面図で例示する概略図であり、
図25Bは、第1および第2のC-プレートパッシブ極性制御リターダ基板間に配設された切り替え可能な補償されたリターダを備えるディスプレイの一部を側面図で例示する概略図である。
【0328】
極性制御リターダ300は、2つのパッシブリターダ330A、330Bと、2つのパッシブリターダ330A、330B間に設けられた液晶材料層314を備える切り替え可能な液晶リターダ301と、を備える。ディスプレイデバイス100は、切り替え可能な液晶リターダ層314に隣接する2つのパッシブリターダ330A、330Bの各々の側面上に形成された、透過性電極413、415および液晶表面整合層409、411を備える。ディスプレイデバイス100は、切り替え可能な液晶リターダ層314が間に設けられる第1の基板および第2の基板をさらに備え、第1の基板および第2の基板は各々、2つのパッシブリターダ330A、330Bのうちの一方を備える。
【0329】
したがって、第1のC-プレート330Aは、一方側に形成された透明電極層415および液晶整合層411を有し、第2のC-プレート330Bは、一方側に形成された透明電極層413および液晶整合層409を有する。
【0330】
液晶層314は、第1の基板312と第2の基板316との間に設けられており、第1の基板312および第2の基板316は各々、第1のC-プレート330Aおよび第2のC-プレート330Bのうちの一方を備える。C-プレートは、ITOコーティングされて電極413、415を提供し、かつ液晶整合層409、411が上に形成された二重延伸COPフィルムに設けられていてもよい。
【0331】
有利なことに、
図1Aおよび
図1Bの配設と比較して、総数を低減することができ、厚さ、コスト、および複雑さが低減される。さらに、C-プレート330A、330Bは、可撓性基板とすることができ、可撓性のプライバシーディスプレイを提供することができる。
【0332】
第1および第2のA-プレート基板間に液晶層314が設けられれば、望ましいことである。
【0333】
図25Cは、第1および第2の交差A-プレートパッシブ極性制御リターダ間に配設されたホモジニアス整合した切り替え可能な液晶リターダを備える、パブリック動作モードにおける切り替え可能な補償されたリターダの配設を透視側面図で例示する概略図であり、
図25Dおよび
図25Eは、表11にさらに例示される実施形態を含む、それぞれ広角動作モードおよびプライバシー動作モードで駆動されるときの
図25Cの構造の透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示する概略グラフである。さらに詳細には考察されていない
図25A~
図25Eの実施形態の特徴は、特徴の任意の潜在的な変形を含む、上で考察された等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0334】
切り替え可能な液晶リターダは、液晶材料414の層314に隣接して、かつ切り替え可能な液晶リターダの両側上に配置された2つの表面整合層419a、419bを備え、各々は、隣接する液晶材料414にホモジニアス整合を提供するように配設されている。切り替え可能な液晶リターダの液晶材料414の層は、負の正の誘電異方性を有する液晶材料414を含む。
【0335】
液晶材料314の層は、500nm~1000nmの範囲で、好ましくは600nm~900nmの範囲で、および最も好ましくは700nm~850nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する。2つのパッシブリターダの各々は、パッシブリターダの平面内に光学軸を有し、光学軸は交差し、パッシブリターダ対の各パッシブリターダは、150nm~800nmの範囲で、好ましくは200nm~700nmの範囲で、および最も好ましくは250nm~600nmの範囲で、550nmの波長の光に対するリターダンスを有する。
【0336】
図24Aの配設と比較して、有利なことに、A-プレートを、C-プレートと比較して低減されたコストで製造することができる。
【0337】
プライバシー動作モードで覗き見者47が見るプライベート画像にカモフラージュを追加することにより、向上した画像外観が提供されれば、望ましいことである。
【0338】
図26Aは、負のC-プレートパッシブリターダと、パターン化電極415層をさらに備えるホメオトロピック整合した切り替え可能な液晶リターダと、を備える、プライバシー動作モードにある切り替え可能なリターダの配設を透視側面図で例示する概略図である。電極413、415のうちの少なくとも一方をパターン化することができ、この例では、電極415は、領域415a、415b、415cを有してパターン化され、電圧Va、Vb、Vcでそれぞれの電圧ドライバ350a、350b、350cにより駆動される。電極領域415a、415b、415c間にギャップ417を設けることができる。したがって、分子414a、414b、414cのチルトは、軸外視認に対して異なる輝度レベルを有するカモフラージュパターンを出現させるために独立して調整され得る。
【0339】
したがって、反射偏光器302と追加の偏光器318との間に配設された切り替え可能な液晶リターダ301は、アドレッシング電極415a、415b、415cおよび均一電極413によって制御される。アドレッシング電極は、電極415aおよびギャップ417を備える少なくとも2つのパターン領域を提供するようにパターン化されてもよい。
【0340】
図26Bは、カモフラージュ輝度制御されるプライバシーディスプレイによる主視認者および覗き見者の照明を透視正面図で例示する概略図である。ディスプレイ100は、視認ウィンドウ26pの主視認者45に見える、暗画像データ601および白背景データ603を有することができる。比較すると、覗き見者47には、カモフラージュ輝度制御されるプライバシーディスプレイによる覗き見者の照明を透視側面図で例示する概略図である
図26Cに例示されるように、カモフラージュ画像が見え得る。さらに詳細には考察されていない
図26A~
図26Cの実施形態の特徴は、特徴の任意の潜在的な変形を含む、上で考察された等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0341】
したがって、白背景領域603には、白領域603の混合された輝度を有するカモフラージュ構造が設けられ得る。したがって、電極415a、415b、415cのパターン領域は、カモフラージュパターンである。パターン領域のうちの少なくとも1つは、個別にアドレス可能であり、プライバシー動作モードで動作するように配設されている。
【0342】
パターン領域は、プライバシー動作モード中にどのパターンが提供されるかを制御することにより、複数の空間周波数のカモフラージュを提供するように配設されていてもよい。例示的な例では、高さ20mmのテキストを有するプレゼンテーションが提供されてもよい。第1の電極パターン制御で同様のパターンサイズを有するカモフラージュパターンが提供されてもよい。第2の例では、覗き見者47が最も見やすい大面積のコンテンツを有する写真が提供されてもよい。第1の電極領域と第2の電極領域とを組み合わせて電圧を提供して結果として得られるより低い空間周波数パターンを達成することにより、カモフラージュパターンの空間周波数を低減して、より大きな面積の構造を隠蔽することができる。
【0343】
有利なことに、層892の両端間の電圧Va、Vb、Vcの調整によって、制御可能なカモフラージュ構造を提供することができる。カモフラージュ構造は、正面の動作に対して実質的に全く見えないことが可能である。さらに、Va、Vb、およびVcを同じに提供することにより、カモフラージュ画像を除去することができる。
【0344】
プライベート画像の輝度変調に基づくカモフラージュを提供することに加えて、本実施形態は、周囲照明604を基とするカモフラージュ反射を提供し、主ユーザ45への非カモフラージュ反射を達成しながら、覗き見者47へのプライベート画像のさらなる隠蔽を有利に達成する。
【0345】
ここで、直列に配設されたときの平行な偏光器間のリターダの性能について記載する。最初に、ホモジニアス整合した液晶リターダ301の視野がここで、2つの異なる駆動電圧に対して記載される。
【0346】
図27Aは、ホモジニアス整合した切り替え可能な液晶リターダの配設を透視側面図で例示する概略図であり、
図27Bは、第1の印加電圧に対する
図27Aの透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示する概略グラフであり、
図27Cは、表12に例示される構造を備える、第1の印加電圧よりも大きい第2の印加電圧に対する
図27Aの透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示する概略グラフである。
【0347】
図27Dは、平行な偏光器の間に配設されたC-プレートを透視側面図で例示する概略図であり、
図27Eは、表12に例示される構造を備える、
図27Dの透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示する概略グラフである。
【表16】
【0348】
図28Aは、平行な偏光器394、396の間に配設されたC-プレートリターダ392を備える視野制御パッシブリターダ392を有する、平行な偏光器394、396の間に直列に配設されたホモジニアス整合した切り替え可能な液晶リターダ390の配設を透視側面図で例示する概略図であり、
図28Bは、第1の印加電圧に対する、
図28Aの透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示する概略グラフであり、
図28Cは、表12に例示される構造を備える、第1の印加電圧よりも大きい第2の印加電圧に対する
図28Aの透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示する概略グラフである。
【0349】
図29Aは、C-プレート極性制御リターダと直列のホモジニアス整合した切り替え可能な液晶リターダの配設を透視側面図で例示する概略図であり、ホモジニアス整合した切り替え可能な液晶およびC-プレート極性制御リターダは、平行な偏光器の単一の対の間に配設されており、
図29Bは、第1の印加電圧に対する、
図29Aの透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示する概略グラフであり、
図29Cは、表12に例示される構造を備える、第1の印加電圧よりも大きい第2の印加電圧に対する
図29Aの透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示する概略グラフである。さらに詳細には考察されていない
図27A~
図29Cの実施形態の特徴は、特徴の任意の潜在的な変形を含む、上で考察された等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0350】
予期せぬことに、最大視野動作の最適条件は、非駆動状態の切り替え可能な液晶リターダ層314と比較して、極性制御リターダ330の等しく反対の正味のリターデーションによって提供される。理想的な極性制御リターダ330および切り替え可能な液晶リターダ層314は、(i)入力光からのパブリックモード性能の変更なし、および(ii)狭角度状態を提供するように配設されたときにすべての高度の軸外位置の横視認角度の最適な減少、を達成することができる。この教示は、本明細書に開示されるすべてのディスプレイデバイスに適用され得る。
【0351】
SLM48からの指向性照明によって、軸外輝度のさらなる低下が提供されれば、望ましいことである。ここで、指向性バックライト20によるSLM48の指向性照明について記載する。
【0352】
図30Aは、指向性バックライト20(または「狭角」もしくは「コリメート」バックライト)を正面斜視図で例示する概略図であり、
図30Bは、非指向性バックライト20(または「広角」バックライトもしくは「非コリメート」バックライト)を正面斜視図で例示する概略図であり、そのいずれも、本明細書に記載されるデバイスのうちの任意のものに適用され得る。したがって、
図30Aに示されるような指向性バックライト20は、狭円錐450を提供するのに対して、
図30Bに示されるような非指向性バックライト20は、光出力光線の広角度分布円錐452を提供する。
【0353】
図30Cは、様々な異なるバックライト構成について横視認角度による輝度の変化を例示する概略グラフである。
図30Cのグラフは、本明細書に記載される極視野プロファイルの断面であり得る。さらに詳細には考察されていない
図30A~
図30Cの実施形態の特徴は、特徴の任意の潜在的な変形を含む、上で考察された等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0354】
ランバートのバックライトは、視野角に依存しない輝度プロファイル846を有する。本実施形態では、バックライト20は、正面輝度と比較して、軸外視認位置に対して低下した輝度を有する角度光分布を提供するように配設されていてもよい。
【0355】
典型的な広角バックライトは、相対輝度の半値全幅が好ましくは40°よりも大きく、より好ましくは60°よりも大きく、および最も好ましくは80°よりも大きいことが可能であるように、より高い角度でロールオフを有する。典型的な広角バックライトは、相対的な輝度の半値全幅866が40°よりも大きく、好ましくは60°よりも大きく、および最も好ましくは80°よりも大きいことが可能であるように、より高い角度でロールオフを有する。さらに、+/-45°での相対輝度864は、好ましくは7.5%よりも大きく、より好ましくは10%よりも大きく、および最も好ましくは20%よりも大きい。有利なことに、広角バックライトと同様のロールオフを達成するディスプレイは、軸外のユーザに高画像視認性を提供することができる。
【0356】
広角バックライト20、唯一の追加の偏光器318、および極性制御リターダ330(さらなる偏光制御リターダ300Bおよびさらなる追加の偏光器318Bを備えない)を備えるディスプレイは、通常、プライバシー動作モードで軸外のユーザに対する望ましい視覚的セキュリティレベルを達成しない。望ましくは、このようなディスプレイは、ここで記載するように、指向性バックライト20を備え得る。
【0357】
バックライト20は、SLMの法線に沿った輝度の最大30%、好ましくはSLMの法線に沿った輝度の最大20%、およびより好ましくはSLMの法線に沿った輝度の最大10%である、少なくとも1つの方位角方向で45度よりも大きい、SLMの法線に対する極角での輝度を提供する指向性バックライトであり得る。指向性バックライト20は、相対輝度の半値全幅862が60°未満、好ましくは40°未満、および最も好ましくは20°未満であり得るように、より高い角度でロールオフを有し得る。例示的な例では、45度の輝度868は、バックライト20からの正面輝度の18%であり得る。
【0358】
このような輝度プロファイルは、以下に記載する指向性バックライト20によって提供されてもよいし、またあるいは本明細書の他の箇所に記載されるようなさらなる追加の偏光器318Bおよび極性制御リターダ300Bと組み合わせた広角バックライトによって提供されてもよい。
【0359】
ここで、切り替え可能なバックライト20の1つのタイプについて記載する。
【0360】
図31Aは、切り替え可能な液晶極性制御リターダ300およびバックライト20を備える切り替え可能な指向性ディスプレイ装置100を側面図で例示する概略図である。
図31Aのバックライト20は、本明細書に記載され、かつ入力端2を通して光源アレイ15によって照明されるイメージング導波路1を備えるデバイスのうちのいずれにも適用され得る。
図31Bは、狭角動作モードでの
図31Aのイメージング導波路1の動作を背面斜視図で例示する概略図である。
【0361】
イメージング導波路1は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第9,519,153号に記載されたタイプのものである。導波路1は、導波路1に沿って横方向に延在する入力端2を有する。光源15のアレイは、入力端2に沿って配置されており、光を導波路1に入力する。
【0362】
導波路1はまた、入力端2での光入力を導波路1に沿って前後にガイドするために入力端2から反射端4まで導波路1を横切って延在する、対向する第1のガイド表面6および第2のガイド表面8を有する。第2のガイド表面8は、反射端4に面し、かつ反射端4から導波路1を通して戻るようにガイドされた光の少なくとも一部を、入力端2を横切る異なる入力位置から、入力位置に依存する第1のガイド表面6を通る異なる方向に偏向するように配設された複数の光抽出機構12を有する。
【0363】
動作中、光線は、光源アレイ15から入力端を通して導かれ、反射端4へ損失なしに第1のガイド表面6と第2のガイド表面8との間でガイドされる。反射光線は、ファセット12へと入射し、反射によって光線230として出力されるか、または光線232として透過する。透過光線232は、背部反射器800のファセット803、805によって導波路1を通して戻るように導かれる。背部反射器の動作は、米国特許第10,054,732号にさらに記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0364】
図31Bに例示されるように、湾曲した反射端4およびファセット12の光パワーは、SLM48を透過し、通常は導波路1の光学軸199に整合される軸197を有する光学窓26を提供する。同様の光学窓26が、背部反射器800によって反射される透過光線232によって提供される。
【0365】
図31Cは、切り替え可能な液晶リターダを有さないディスプレイ装置で使用されるときの
図31Bの出力の視野輝度プロットを例示する概略グラフである。さらに詳細には考察されていない
図31A~
図31Cの実施形態の特徴は、特徴の任意の潜在的な変形を含む、上で考察された等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0366】
したがって、覗き見者47によって観測された軸外の視認位置については、例えば、0度の高度および+/-45度の横角で中央ピーク輝度の1%~3%の輝度が低下し得る。本実施形態の複数のリターダ301、330によって、軸外輝度のさらなる低減が達成される。
【0367】
したがって、バックライト20は、プライバシー動作モードでは低下した軸外輝度を、またパブリック動作モードではより高い軸外輝度を提供するために、出力角輝度プロファイルを切り替えるように配設された切り替え可能なバックライトをさらに備えることができる。
【0368】
ここで、低い軸外輝度を有する別のタイプの指向性バックライトについて記載する。
【0369】
図32Aは、切り替え可能なコリメート導波路901と切り替え可能な液晶極性制御リターダ300と追加の偏光器318とを備えるバックライト20を備える切り替え可能な指向性ディスプレイ装置を側面図で例示する概略図である。
図32Aのバックライト20は、本明細書に記載されたデバイスのうちの任意のものに適用することができ、以下のように配設される。
【0370】
導波路901は、導波路901に沿って横方向に延在する入力端902を有する。光源915のアレイは、入力端902に沿って配置されており、光を導波路1に入力する。導波路901はまた、入力端2での光入力を導波路1に沿って前後にガイドするために入力端2から反射端4まで導波路1を横切って延在する、対向する第1のガイド表面906および第2のガイド表面908を有する。動作中、光は、第1のガイド表面906と第2のガイド表面908との間でガイドされる。
【0371】
第1のガイド表面906は、複数の長尺のレンチキュラー素子905を備えるレンチキュラー構造904を具備することができ、第2のガイド表面908は、傾斜して光抽出機能として機能するプリズム構造912を具備することができる。レンチキュラー構造904の複数の長尺のレンチキュラー素子905と複数の傾斜した光抽出機構とは、導波路901を通してガイドされた入力光を偏向させて、第1のガイド表面906を通して出す。
【0372】
平面反射器であり得る背部反射器903は、表面908を透過した光を導波路901を通して戻すように導くために提供される。
【0373】
プリズム構造912とレンチキュラー構造904のレンチキュラー素子905との両方に入射する出力光線は、表面906へのグレージング入射に近い角度で出力される。ファセット927を備えるプリズム転向フィルム926は、SLM48および補償された切り替え可能な液晶極性制御リターダ300を介した全反射によって出力光線234を方向転換するように配設されている。
【0374】
図32Bは、コリメート導波路901の出力を上面図で例示する概略図である。プリズム構造912は、臨界角未満であり、したがって逃れることができるレンチキュラー構造904への入射角で光を提供するように配設されている。レンチキュラー表面のエッジでの入射時に、表面の傾斜が光線を逃がすための光偏向を提供し、コリメート効果を提供する。光線234は、コリメート化導波路901のレンチキュラー構造904の位置185に入射する光線188a~188cおよび光線189a~189cによって提供されてもよい。
【0375】
図32Cは、
図32Aのディスプレイ装置の等輝度視野の極プロットを例示する概略グラフである。したがって、構造904、912および転向フィルム926の構造によって決定されるサイズを有する、狭出力光円錐を提供することができる。さらに詳細には考察されていない
図32A~
図32Cの実施形態の特徴は、特徴の任意の潜在的な変形を含む、上で考察された等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0376】
有利なことに、例えば45度以上の横角で覗き見者が位置取る領域では、ディスプレイからの出力の輝度は小さく、通常2%未満である。出力輝度のさらなる低下が達成されれば、望ましいことである。このようなさらなる低下は、
図32Aに例示されるように、補償された切り替え可能な液晶極性制御リターダ300および追加の偏光器318によって提供される。有利なことに、低軸外輝度を有する高性能プライバシーディスプレイを広視野にわたって提供することができる。
【0377】
本実施形態の複数のリターダ301、330を併せ持つ
図31Aおよび
図32Aに記載されるタイプのような指向性バックライトは、典型的な覗き見者47の場所に対して、1.5%未満、好ましくは0.75%未満、および最も好ましくは0.5%未満の軸外輝度を達成することができる。さらに、主ユーザ45には、高軸上輝度および均一性を提供することができる。有利なことに、低軸外輝度を有する高性能プライバシーディスプレイを広視野にわたって提供することができ、それを、
図1Aに例示される制御システム352による切り替え可能なリターダ301の制御によってパブリックモードに切り替えることができる。
【0378】
ここで、軸外照明のための平行な偏光器間の極性制御リターダ層の動作についてさらに記載する。上述の様々なデバイスでは、少なくとも1つの極性制御リターダが、様々な異なる構成で反射偏光器318と追加の偏光器218との間に配設されている。各場合に、少なくとも1つの極性制御リターダは、少なくとも、補償された切り替え可能な極性制御極性制御リターダ300の切り替え可能な状態のうちの1つにおいて、(単数または複数の)極性制御リターダの平面の法線に沿った軸に沿って反射偏光器318、少なくとも1つの極性制御リターダ、および追加の偏光器218を通過する光の輝度に影響を与えないが、(単数または複数の)極性制御リターダの平面の法線に対して傾斜した軸に沿って反射偏光器318、少なくとも1つの極性制御リターダ、および追加の偏光器218を通過する光の輝度を低減するように構成されている。ここで、この効果のより詳細な説明が与えられ、その原理は、上述のデバイスのすべてに一般的に適用することができる。
【0379】
図33Aは、軸外光による極性制御リターダ層の照明を斜視図で例示する概略図である。極性制御リターダ630は、x軸に対して0度の光学軸方向634を有する屈折率楕円体632によって表された、複屈折材料を含むことができ、厚さ631を有する。さらに詳細には考察されていない以下の
図33A~
図35Eの実施形態の特徴は、特徴の任意の潜在的な変形を含む、上で考察された等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0380】
直角をなす光線636は、材料内の経路長が厚さ631と同じであるように伝搬する。光線637は、y-z平面内にあり、経路長が増加するが、材料の複屈折は光線636と実質的に同じである。比較すると、x-z平面内にある光線638は、複屈折材料の増加した経路長を有し、さらに複屈折は通常光線636とは異なる。
【0381】
したがって、極性制御リターダ630のリターダンスは、それぞれの光線の入射角に依存し、かつ、入射平面、すなわちx-zにおける光線638は、通常光線636およびy-z平面における光線637とは異なるリターダンスを有するものとなる。
【0382】
ここで、偏光と極性制御リターダ630との相互作用について記載する。指向性バックライト101における動作中の第1および第2の偏光成分と区別するために、以下の説明は第3および第4の偏光成分に言及する。
【0383】
図33Bは、x軸に対して90度をなす第3の直線偏光状態の軸外光による極性制御リターダ層の照明を斜視図で例示する概略図であり、
図33Cは、x軸に対して0度をなす第4の直線偏光状態の軸外光による極性制御リターダ層の照明を斜視図で例示する概略図である。このような配設では、入射直線偏光状態は、楕円632によって表される複屈折材料の光学軸に整合する。その結果、第3の直交偏光成分と第4の直交偏光成分との間の位相差は提供されず、各光線636、637、638に対する直線偏光入力の偏光状態の変化は生じない。したがって、極性制御リターダ630は、極性制御リターダ630の平面の法線に沿った軸に沿って極性制御リターダ630の入力側で偏光器を通過する光の偏光成分に位相シフトを導入しない。したがって、極性制御リターダ630は、極性制御リターダ630と極性制御リターダ630の各々の側の偏光器(図示せず)とを通過する光の輝度に影響を与えない。
図29A~
図29Cは、具体的には、パッシブである極性制御リターダ630に関連するが、同様の効果が、上述のデバイスの極性制御リターダによって達成される。
【0384】
図33Dは、45度の直線偏光状態の軸外光による極性制御リターダ630層の照明を斜視図で例示する概略図である。直線偏光状態を、光学軸634方向に対してそれぞれ直交する、および平行である第3の偏光成分と第4の偏光成分とに分解してもよい。極性制御リターダの厚さ631と屈折率楕円体632によって表される材料リターダンスとは、設計波長に対して、光線636で表される法線方向に入射する第3の偏光成分および第4の偏光成分の位相を半波長だけ、相対シフトする正味の効果を提供することができる。設計波長は、例えば、500~550nmの範囲であってもよい。
【0385】
設計波長において、光線636に沿って正常に伝搬する光の場合には、出力偏光は、90度回転して-45度の直線偏光状態640となることができる。光線637に沿って伝搬する光は、厚さの変化に起因する光線637に沿った位相差と同様であるが同一ではない位相差を見ることができ、したがって、楕円偏光状態639は、光線636の出力光の直線偏光学軸と同様の主軸を有し得る出力であってもよい。
【0386】
対照的に、光線638に沿った入射直線偏光状態の位相差は、大幅に異なってもよく、特に、より少ない位相差が提供されてもよい。このような位相差は、所与の傾斜角642で実質的に円形である出力偏光状態644を提供し得る。したがって、極性制御リターダ630は、極性制御リターダ630の平面の法線に対して傾斜した光線638に対応する軸に沿って、極性制御リターダ630の入力側で偏光器を通過する光の偏光成分に位相シフトを導入する。
図33Dは、パッシブである極性制御リターダ630に関連するが、同様の効果が、プライバシーモードに対応する切り替え可能な液晶極性制御リターダの切り替え可能な状態において、上述の極性制御リターダによって達成される。
【0387】
極性制御リターダスタックの軸外挙動を例示するために、ここで、追加の偏光器318と出力ディスプレイ偏光器218との間のC-プレート330A、330Bの角度輝度制御が、様々な軸外照明配設に対して、平行な偏光器500、210間のC-プレートの動作を参照して記載される。
【0388】
図34Aは、正の高度を有する軸外偏光によるC-プレート層の照明を斜視図で例示する概略図である。入射直線偏光成分704は、極性制御リターダ560の平面に対して垂直である光学軸方向507を有するC-プレートである極性制御リターダ560の複屈折材料632へと入射する。偏光成分704は、液晶分子の透過に正味の位相差を見ないため、出力偏光成分は成分704と同じである。したがって、偏光器210を通して最大の透過が見られる。したがって、極性制御リターダ560は、極性制御リターダ560の平面、すなわちx-y平面に対して垂直な光学軸561を有する。極性制御リターダの平面に対して垂直な光学軸を有する極性制御リターダ560は、C-プレートを備える。
【0389】
図34Bは、負の横角を有する軸外偏光によるC-プレート層の照明を斜視図で例示する概略図である。
図34Aの配設と同様に、偏光状態704は、正味の位相差を見ず、最大の輝度で透過する。したがって、極性制御リターダ560は、極性制御リターダ560の平面の法線に沿った軸に沿って極性制御リターダ560の入力側で偏光器を通過する光の偏光成分に位相シフトを導入しない。したがって、極性制御リターダ560は、極性制御リターダ560と極性制御リターダ560の各々の側の偏光器(図示せず)とを通過する光の輝度に影響を与えない。
図29A~
図29Cは、具体的には、パッシブである極性制御リターダ560に関連するが、同様の効果が、上述のデバイスの極性制御リターダによって達成される。
【0390】
図34Cは、正の高度および負の横角を有する軸外偏光によるC-プレート層の照明を斜視図で例示する概略図である。
図34A~
図34Bの配設と比較して、偏光状態704は、複屈折材料632に対して固有状態703、705に分解し、極性制御リターダ560の透過の際に正味の位相差を提供する。合成楕円偏光成分656は、
図34A~
図34Bに例示される光線と比較して、低下した輝度を有して偏光器210を透過する。
【0391】
図34Dは、正の高度および正の横角を有する軸外偏光によるC-プレート層の照明を斜視図で例示する概略図である。
図34Cと同様の方法で、偏光成分704は、正味の位相差を受ける固有状態703、705に分解され、偏光器の透過後に、それぞれの軸外光線の輝度を低下させる楕円偏光成分660が提供される。したがって、極性制御リターダ560は、極性制御リターダ560の平面の法線に対して傾斜した軸に沿って、極性制御リターダ560の入力側で偏光器を通過する光の偏光成分に位相シフトを導入する。
図34Dは、パッシブである極性制御リターダ560に関連するが、同様の効果が、プライバシーモードに対応する切り替え可能な液晶極性制御リターダの切り替え可能な状態において、上述の極性制御リターダによって達成される。
【0392】
図34Eは、
図34A~
図34Dの透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示する概略グラフである。したがって、C-プレートは、極象限における輝度低下を提供し得る。本明細書の他の箇所に記載された切り替え可能な液晶層314と組み合わせて、(i)C-プレートの輝度低下の除去を、第1の広角動作状態で提供してもよく、(ii)輝度低下のための拡張極領域を、第2のプライバシー動作状態で達成してもよい。
【0393】
極性制御リターダスタックの軸外挙動を例示するために、ここで、追加の偏光器318と出力ディスプレイ偏光器218との間の交差A-プレート330A、330Bの角度輝度制御について、様々な軸外照明配設に対して記載する。
【0394】
図35Aは、正の高度を有する軸外偏光による交差A-プレートリターダ層の照明を斜視図で例示する概略図である。電気ベクトル透過方向219を有する直線偏光器218は、交差A-プレート330A、330Bの第1のA-プレート330A上に、横方向に対して平行である直線偏光状態704を提供するために使用される。光学軸方向331Aは、横方向に対して+45度傾斜している。正の高度方向における軸外角度θ
1に対する極性制御リターダ330Aのリターダンスは、出力上で概ね楕円形である合成偏光成分650を提供する。偏光成分650は、第1のA-プレート330Aの光学軸方向331Aに直交する光学軸方向331Bを有する、交差A-プレート330A、330Bの第2のA-プレート330Bへと入射する。
図35Aの入射面では、軸外角度θ
1に対する第2のA-プレート330Bのリターダンスは、第1のA-プレート330Aのリターダンスと等しくかつ反対である。したがって、正味のゼロリターデーションが入射偏光成分704に提供され、出力偏光成分は入力偏光成分704と同じである。
【0395】
出力偏光成分は、追加の偏光器318の電気ベクトル透過方向に整合し、したがって効率的に透過する。有利なことに、ゼロの横角角度成分を有する光線に対して実質的に損失がもたらされないため、完全な透過効率が達成される。
【0396】
図35Bは、負の横角を有する軸外偏光による交差A-プレートリターダ層の照明を斜視図で例示する概略図である。したがって、入力偏光成分は、第1のA-プレート330Aによって、概ね楕円偏光状態である中間偏光成分652に変換される。ここでも、第2のA-プレート330Bは、出力偏光成分が入力偏光成分704と同じであり、かつ光が偏光器318を効率的に透過するように、第1のA-プレートに等しくかつ反対のリタデーションを提供する。
【0397】
したがって、極性制御リターダは、本実施形態においてx-y平面内にある、リターダ330A、330Bの平面内で交差する光学軸を有するリターダ330A、330Bの対を備える。リターダ330A、330Bの対は、偏光器318の電気ベクトル透過に対して平行である電気ベクトル透過方向に対して各々が45°で延在する光学軸331A、331Bを有する。
【0398】
有利なことに、完全な透過効率が達成されるように、ゼロ高度の角度成分を有する光線に対して実質的に損失がもたらされない。
【0399】
図35Cは、正の高度および負の横角を有する軸外偏光による交差A-プレートリターダ層の照明を斜視図で例示する概略図である。偏光成分704は、第1のAープレート330Aによって、楕円偏光成分654に変換される。合成楕円成分656は、第2のA-プレート330Bから出力される。楕円成分656は、第1の偏光成分704の入力輝度と比較して、輝度が低下した入力偏光器318によって分析される。
【0400】
図35Dは、正の高度および正の横角を有する軸外偏光による交差A-プレートリターダ層の照明を斜視図で例示する概略図である。第1のリターダおよび第2のリターダの正味リターダンスは補償を提供しないため、偏光成分658および660は、第1および第2のA-プレート330A、330Bによって提供される。
【0401】
したがって、輝度は、ゼロでない横角成分およびゼロでない高度成分を有する光線に対して低下する。有利なことに、主ディスプレイユーザの視感度が実質的に低減されない一方で、視認象限に配設された覗き見者については、ディスプレイのプライバシーを高めることができる。
【0402】
図35Eは、
図35A~
図35Dの透過光線について極方向による出力透過率の変化を例示する概略グラフである。
図34Eの配設と比較して、軸外視認に対して輝度低下の領域が増大する。ただし、切り替え可能な液晶層314は、第1のパブリック動作モードでの軸外視認のためのC-プレート配設と比較して、低下した均一性をもたらし得る。
【0403】
本明細書で使用され得るとき、用語「実質的に」および「およそ(ほぼ)」は、それに対応する用語および/または項目間の相対性に対して、業界で受け入れられる許容範囲を付与するものである。このような業界で受け入れられる許容範囲は、0パーセント~10パーセントの範囲であり、成分値、角度などが該当するが、これらに限定されない。このような項目間の相対性は、およそ0パーセント~10パーセントの範囲である。
【0404】
本明細書に開示される原理による様々な実施形態を上述してきたが、それらは限定としてではなく単なる一例として提示されていることを理解されたい。したがって、この開示の広さおよび範囲は、上述した例示的な実施形態のいずれによっても制限されてはならず、特許請求の範囲のいずれか、および本開示に由来するそれらの均等物に従ってのみ規定されるべきである。さらに、上記の利点および特徴は、記載された実施形態において提供されているが、上記の利点のいずれかまたはすべてを達成するプロセスおよび構造に対して、かかる由来の特許請求の範囲の適用を限定しない。
【0405】
さらに、本明細書における節の見出しは、米国特許法施行規則1.77に基づく示唆との一貫性を持たせるために、またはそれ以外では構成上の手がかりを提供するために、提供されている。これらの見出しは、本開示から生じ得る特許請求の範囲に定める(単数または複数の)実施形態を限定したり、または特徴付けたりしないものとする。具体的には、単に例示ではあるが、「技術分野」という見出しがあるが、いわゆる分野を説明するためにこの見出しの下に選択された表現によって、特許請求の範囲が限定されることはない。さらに、「背景技術」に記載された技術に関する記述は、特定の技術が、本開示における任意の(単数または複数の)実施形態に対する先行技術であることの承認として、解釈されるべきではない。「発明の概要」についても、公開される特許請求の範囲で述べられる(単数または複数の)実施形態を特徴付けるものとして考慮されるべきでない。さらに、本開示内での単数形の「発明」の言及は、本開示において単一の新規性のみ存在すると主張するために使用されるべきではない。複数の実施形態は、本開示により、公開される複数の特許請求の範囲の限定に従って、述べられる場合がある。したがって、かかる特許請求の範囲は、この(単数または複数の)実施形態およびそれらの均等物を定義することによって、それらを保護している。すべての例では、かかる請求項の範囲は、本開示に照らしてそれら自体のメリットを考慮されるであろうが、本明細書内で記載された見出しによって制約されるべきではない。