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特許7291463多機能無線周波数システムならびにUV滅菌、空気浄化および解凍動作のための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-07
(45)【発行日】2023-06-15
(54)【発明の名称】多機能無線周波数システムならびにUV滅菌、空気浄化および解凍動作のための方法
(51)【国際特許分類】
   F25D 11/00 20060101AFI20230608BHJP
   H05H 1/24 20060101ALI20230608BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20230608BHJP
   A61L 9/20 20060101ALI20230608BHJP
   A61L 9/22 20060101ALI20230608BHJP
   F25D 11/02 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
F25D11/00 101B
H05H1/24
F25D23/00 302M
A61L9/20
A61L9/22
F25D11/02 L
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2018138091
(22)【出願日】2018-07-24
(65)【公開番号】P2019066161
(43)【公開日】2019-04-25
【審査請求日】2021-07-07
(31)【優先権主張番号】15/721,436
(32)【優先日】2017-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504199127
【氏名又は名称】エヌエックスピー ユーエスエイ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NXP USA,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ピエール マリー ジーン ピール
(72)【発明者】
【氏名】ライオネル モンジャン
(72)【発明者】
【氏名】ポール リチャード ハート
【審査官】五十嵐 公輔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0164022(US,A1)
【文献】特開2011-237109(JP,A)
【文献】特開平10-134953(JP,A)
【文献】特開平04-148115(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 1/00-31/00
F24C 7/02
A23L 3/365
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷を収容するように構成された第1のキャビティを含むハウジングと、
前記第1のキャビティ内に少なくとも部分的に配置され、前記第1のキャビティ内の前記負荷を解凍するために第1の周波数で第1の無線周波数(RF)信号を受信するように構成された解凍システムと、
前記ハウジングと流体連通し、第2の周波数で第2のRF信号を受信し、前記第2のRF信号に応答して空気処理プロセスを実行するように構成された第1の空気処理デバイスと、
RF信号を出力するための電力出力を有するRF信号源と、
前記解凍システムおよび前記第1の空気処理デバイスを前記RF信号源の前記電力出力に選択的に電気的に接続するように構成されたスイッチング構成と、
前記スイッチング構成に、前記解凍システムおよび前記第1の空気処理デバイスの一方のみを前記RF信号源の前記電力出力に選択的に電気的に接続させ、
前記解凍システムが前記RF信号源の前記電力出力に電気的に接続されている場合、前記RF信号源に、前記第1の周波数で前記第1のRF信号を出力させ、
前記第1の空気処理デバイスが前記RF信号源の前記電力出力に電気的に接続されている場合、前記RF信号源に、前記第2の周波数で前記第2のRF信号を出力させるように構成されたコントローラと、
を備える、システム。
【請求項2】
前記ハウジングと流体連通する第2の空気処理デバイスをさらに備え、
前記第2の空気処理デバイスは、第3の周波数で第3のRF信号を受信し、前記第3のRF信号に応答して空気処理プロセスを実行するように構成され、
前記コントローラは、前記スイッチング構成に、前記第2の空気処理デバイスを前記RF信号源の前記電力出力に電気的に接続させるようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1および第2の空気処理デバイスは、プラズマ発生器および紫外線源から選択される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記スイッチング構成に結合された第1の端子および前記解凍システムに結合された第2の端子を有する可変インピーダンスネットワークをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記可変インピーダンスネットワークのインピーダンスを調整して、前記RF信号源のインピーダンスを、前記解凍システムのインピーダンスに整合させるように構成されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記コントローラは、前記スイッチング構成に、前記第1の空気処理デバイスおよび前記第2の空気処理デバイスを所定のスケジュールに従って前記RF信号源の前記電力出力に電気的に接続させるように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
ユーザ入力に応答して制御信号を前記コントローラに送信するように構成されたユーザインタフェースをさらに備え、前記コントローラは、前記スイッチング構成に、前記制御信号に応答して、前記解凍システムおよび前記第1の空気処理デバイスの一方を前記RF信号源の前記電力出力に電気的に接続させるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記ハウジングと流体連通する空気浄化チャンバをさらに備え、前記第1の空気処理デバイスは、前記空気浄化チャンバ内に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記空気浄化チャンバ内に配置されたファンをさらに備え、前記ファンは前記コントローラに接続され、前記コントローラは、前記第2の周波数で前記第2のRF信号が前記第1の空気処理デバイスに供給されたときに前記ファンを作動させるように構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
多機能無線周波数(RF)機器であって、
複数の出力周波数でRF信号を供給するための電力出力を有するRF信号源と、
第1の周波数で第1のRF信号によって電力供給されるように構成された第1のデバイスと、
第2の周波数で第2のRF信号によって電力供給されるように構成された第2のデバイスと、
前記第1のデバイスおよび前記第2のデバイスを前記RF信号源の前記電力出力に選択的に電気的に接続するように構成されたスイッチング構成と、
前記スイッチング構成に、前記第1のデバイスを前記RF信号源の前記電力出力から電気的に切断させ、前記第2のデバイスを前記RF信号源の前記電力出力に電気的に接続させ、
前記第2のRF信号の前記第2の周波数を決定し、
前記RF信号源に、前記第2の周波数で前記第2のRF信号を前記第2のデバイスに供給させるように構成されたコントローラと、
を備える多機能RF機器。
【請求項11】
前記スイッチング構成に接続された第1の端子と前記第2のデバイスに接続された第2の端子とを有する可変インピーダンスネットワークをさらに備える、請求項10に記載の多機能RF機器。
【請求項12】
前記コントローラは、前記RF信号源のインピーダンスを前記第2のデバイスのインピーダンスに整合させるように前記可変インピーダンスネットワークのインピーダンスを調整するように構成されている、請求項11に記載の多機能RF機器。
【請求項13】
前記コントローラは、前記スイッチング構成に、所定のスケジュールに従って前記第1のデバイスを前記RF信号源の前記電力出力から電気的に切断させ、前記第2のデバイスを前記RF信号源の前記電力出力に電気的に接続させるように構成されている、請求項10に記載の多機能RF機器。
【請求項14】
ユーザ入力に応答して制御信号を前記コントローラに送信するように構成されたユーザインタフェースをさらに備え、前記コントローラは、前記スイッチング構成に、前記制御信号に応答して前記第1のデバイスを前記RF信号源の前記電力出力から電気的に切断させ、前記第2のデバイスを前記RF信号源の前記電力出力に電気的に接続させるように構成されている、請求項10に記載の多機能RF機器。
【請求項15】
前記第2のデバイスは、空気浄化チャンバ内に配置されたプラズマ発生器および紫外線源から選択される、請求項10に記載の多機能RF機器。
【請求項16】
前記空気浄化チャンバ内に配置されたファンをさらに備え、前記ファンは前記コントローラに接続され、前記コントローラは、前記第2の周波数で前記第2のRF信号が前記第2のデバイスに供給されたときに前記ファンを作動させるように構成されている、請求項15に記載の多機能RF機器。
【請求項17】
解凍システム、プラズマ発生器および紫外線発生器のうちの1つのみを無線周波数(RF)信号源の電力出力に選択的に電気的に接続する工程であって、
前記解凍システムは、前記RF信号源から第1のRF信号を受信して負荷を解凍するように構成され、
前記プラズマ発生器は、前記RF信号源から第2のRF信号を受信してプラズマを生成するように構成され、
前記紫外線発生器は、前記RF信号源から第3のRF信号を受信して紫外線を生成するように構成される、工程と、
前記解凍システムが前記RF信号源の前記電力出力に電気的に接続されているとき、前記解凍システムに前記第1のRF信号を提供する工程と、
前記プラズマ発生器が前記RF信号源の前記電力出力に電気的に接続されているとき、前記プラズマ発生器に前記第2のRF信号を提供する工程と、
前記紫外線発生器が前記RF信号源の前記電力出力に電気的に接続されているとき、前記紫外線発生器に前記第3のRF信号を提供する工程と
を備える、方法。
【請求項18】
前記解凍システムが前記RF信号源によって電力供給されているとき、前記解凍システムの入力インピーダンスに基づいて前記RF信号源の出力インピーダンスを修正する工程をさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
所定のスケジュールに従って前記プラズマ発生器および前記紫外線発生器に前記RF信号源で電力供給する工程と、
前記プラズマ発生器で生成されたプラズマおよび前記紫外線発生器で生成された紫外光で処理された空気を、空気浄化チャンバ外の空気と交換する工程と
をさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
プリセットスケジュールに基づいて前記プラズマ発生器および紫外線発生器に電力供給する工程と、ユーザ入力または割込みを受信すると前記プラズマ発生器および前記紫外線発生器への電力を遮断して前記解凍システムに電力供給する工程とをさらに備える、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の主題の実施形態は、概して、単一の無線周波数(RF)エネルギー源を使用して機器内の異なるデバイスに選択的に電力供給する多機能装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大量の生鮮食品が、不適切または不十分な貯蔵のために毎年、浪費されている。品質を維持しつつしばらくの間、食品を安全に貯蔵することは、通常、食品を十分に低温(例えば、-18℃未満)で貯蔵し、食品を損なう可能性のある細菌の増殖を制限し、食品の経時変化を加速する有機分子(例えば、アセトン)の存在を減らすことによって達成することができる。低温で保存されている食品を使用するには、例えば調理および/または消費可能となる前に、周囲の熱の導入によって食品を解凍する時間が必要である。
【0003】
食品の貯蔵および使用に関連する上述の機能などの機能をデバイスに追加することは、各機能を別個に提供すると、追加の高価な器材が必要となり、追加器材がスペース要件を増大させるため、費用がかかりすぎる可能性がある。例えば、冷蔵庫などの食品貯蔵機器では、器材に使用されるスペースは食品には利用できず、追加器材は機器のコストを増加させる。その結果、消費者が望む機能を追加するデバイスは、より大きく、より高価になる傾向がある。
【0004】
なお、空気を殺菌および浄化するためのプラズマ駆動触媒装置について、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第9,138,504号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
機器は通常、1つの機能を実行し、例えば、冷蔵庫は食品を冷たく保つ。追加機能を伴う機器は概して消費者には望ましいが、機能を追加することは、機器を実質的により大きくより高価にする傾向がある。本明細書に記載される主題の実施形態は、従来の技術を使用して達成可能であるものよりも、より小さいスペースで、より低コストで、異なる機能を実行することができる複数のデバイスを組み込んだ機器に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、より詳細に説明するように、例示的なシステムは、複数のデバイスに電力供給するために1つの無線周波数(RF)電源を使用することによって実現される。デバイスは、例えば、RF解凍器(例えば、冷たい温度からの急速解凍を可能にするため)、紫外線(UV)光源(例えば、細菌の増殖を制限するため)およびプラズマ源(例えば、空気中の有機化合物を分解して食品の経時変化を遅らせ、不快な臭いを除去するため)を含み得る。コントローラは、RF電源の出力を調整して、選択されたデバイスが動作する周波数を提供し、スイッチング構成は、RF源の出力を選択されたデバイスに導く。したがって、デバイスは、共通の器材を使用して複数の機能を提供することができる。そのような機能(すなわち、複数のデバイスを使用して実装される機能)を実行するための装置は、スタンドアローン機器として具体化することができるか、または、他のシステム(例えば、冷蔵庫などの機器)に組み込むことができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、2つ以上のデバイスのセット内のデバイスのうちの1つは、キャビティ内に配置された第1の電極と、増幅器構成(1つ以上のトランジスタを含む)と、増幅器構成の出力および第1の電極間に結合されたインピーダンス整合ネットワークと、解凍動作が完了したときを検出することができる測定および制御システムとを使用して実現することができるソリッドステート解凍器であり得る。一実施形態において、インピーダンス整合ネットワークは、増幅器構成とキャビティとの間の整合を改善するために解凍動作中に調整可能な可変インピーダンス整合ネットワークを含む。本明細書で使用する場合、「解凍」という用語は、負荷へのRF電力の供給によって負荷(例えば、食品負荷または他のタイプの負荷)の熱エネルギーまたは温度を上昇させるプロセスを意味する。したがって、様々な実施形態において、「解凍動作」は、任意の初期温度(例えば、約0℃を下回る任意の初期温度)を有する負荷に対して実行され得、解凍動作は、初期温度よりも高い任意の最終温度(例えば、0℃を上回るまたは下回る最終温度を含む)において停止され得る。
【0009】
セット内の別の可能性のあるデバイスは、プラズマを生成することができるプラズマ源であり得る。特定の実施形態では、プラズマは、例えば、容量結合プラズマ(CCP)源を使用して生成され得る。CCP源は、小さな距離で分離された金属電極を含み得、一方の電極はRF電源に接続され、他方の電極は接地されている。電極間に電界が生成されると、原子がイオン化して電子を放出する。ガス中の電子はRF場によって加速され、衝突によって直接的または間接的にガスをイオン化して二次電子を生成することができる。電場が十分に強い場合、それは電子雪崩として知られているものにつながる可能性がある。雪崩降伏後、ガスは豊富な自由電子のために導電性になる。
【0010】
セット内の第3の可能性のあるデバイスは、RF電力を用いてプラズマを励起することによって光を生成するガス放電ランプであり得る。そのようなランプでは、導波管を使用して、電界をプラズマ内に制限して集中させ得る。電場によって加速された自由電子は、ガスおよび金属原子と衝突する。ガスおよび金属原子中の電子は、これらの衝突によって励起され、電子をより高いエネルギー状態にする。プラズマランプの材料は、電子が元の(より低いエネルギーの)状態に戻るときにUV放射が放出されるように選択される。
【0011】
特定の用途に応じて所望の結果を達成するために、デバイスの異なる組み合わせを機器に組み込むことができる。例えば、特定の実施形態では、UV光が細菌のような微生物の増殖を阻害し、プラズマが臭気の原因となる分子を分解することによって不快な臭気を低減するので、共通のRF電源を伴うUV源およびプラズマ源を組み込むことは、空気浄化/清浄にとって有用である可能性がある。このような空気浄化システムは、例えば、家屋、オフィスビル、医療施設(病院または診療所など)、車両(個人または商業用)などで空気を浄化し得る。他の実施形態では、プラズマ源および解凍器(RF電源を伴う)を機器に組み込み得る。デバイスのこのペアリングは、例えば冷蔵庫で有用であり得、ユーザが、解凍器を使用して食品を解凍すること、および、有機分子を分解するためのプラズマの使用によって食品の経時変化を遅らせ、解凍プロセスから生じ得る匂いを低減することが可能となる。さらに他の実施形態では、UV光を照射することによって抗菌機能を提供するために、RF電源を共有する解凍器およびプラズマ源を含む、例えば冷蔵庫(またはスタンドアローン機器)にUV光源をさらに組み込み得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】多機能システムの例示的な実施形態を含む冷蔵庫/冷凍庫機器の斜視図。
図2】例示的な実施形態による、多機能RFシステムの簡略ブロック図。
図3】例示的な実施形態による、多機能RFシステムを動作させる方法のフローチャート。
図4】例示的な実施形態による、プラズマ発生器、紫外線(UV)源および解凍器を伴う多機能RFシステムを動作させる方法のフローチャート。
図5】別の例示的な実施形態による、プラズマ発生器、UV源および解凍器を伴う多機能RFシステムを動作させる方法のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
主題のより完全な理解は、以下の図面と併せて考慮するとき、詳細な説明および特許請求の範囲を参照することによって導き出され得、図面を通して同様の参照符号は同様の要素を指す。
【0014】
以下の詳細な説明は、本質的に単なる例示であり、本主題の実施形態またはそのような実施形態の用途および使用を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、「例示」および「例」という用語は、「例、事例、または例示としての役割を果たす」ことを意味する。例示または例として本明細書に記載されたいずれの実施態様も、必ずしも他の実施態様よりも好ましいかまたは有利であると解釈されるわけではない。さらに、先行技術分野、背景、または以下の詳細な説明に示された明示または黙示の理論に拘束される意図はない。
【0015】
図1は、RF発電機を共有する2つ以上のデバイスが組み込まれ得る冷蔵庫/冷凍庫機器100の斜視図である。より具体的には、多機能システム110は、システム100の冷凍庫区画112内に組み込まれるように示され、多機能システム120は、システム100の冷蔵庫区画122内に組み込まれるように示される。実際の冷蔵庫/冷凍庫機器は、多機能システム110,120のうちの1つだけを含む可能性が高いが、両方とも図1に示されており、両方の実施形態を簡潔に伝える。多機能システム110,120の各々は、加熱キャビティ(それぞれ区画112,122の内側)と、制御パネル114,124とを含む。例えば、キャビティは、引き出しの底部、側壁、前壁および後壁の内面ならびに引き出しが摺動する固定棚116,126の内部上面によって画定され得る。引き出しを棚の下に完全に摺動させた状態で、引き出しと棚とがキャビティを、密閉された空気キャビティとして画定する。本明細書で使用される場合、用語「空気キャビティ」は、空気または他の気体を含む、囲い込まれた領域を意味し得る。
【0016】
解凍器を伴う多機能システムの場合、第1の電極(例えば、電極270、図2)は、第1の電極が残りのキャビティ壁から電気的に絶縁された状態で、キャビティ壁に近接して配置され得、残りのキャビティ壁は接地される。他のシステム実装では、複数の電極を解凍システムに組み込んで、解凍システム内にて食品負荷を温めるために複数の電極にわたって電位を確立し得る。このような構成では、解凍器は、単純化すればキャパシタとしてモデル化され得、第1の電極が1つの導電性平板として機能し、接地されたキャビティ壁が第2の導電性平板(または電極)として機能し、空気キャビティ(そこに含まれる任意の負荷を含む)が第1および第2の導電性平板間の誘電媒体として機能する。実施形態によると、多機能システム100の動作中、ユーザ(図示せず)は、解凍キャビティ内に1つ以上の負荷(例えば、食品および/または液体)を配置し得、制御パネル114、124を介して任意選択的に、負荷のおよその重量または材料などの、負荷の特性を指定する入力を提供し得る。さらに、指定された負荷特性は、負荷が形成される材料(例えば、肉、パン、液体)を示し得る。代替実施形態では、負荷特性は、負荷パッケージング上のバーコードをスキャンすること、または負荷上のもしくはその中に埋め込まれた無線周波数識別(RFID)タグからRFID信号を受信することなど、他の何らかの方法で取得され得る。いずれにせよ、このような負荷特性に関する情報は、システムコントローラ(例えば、システムコントローラ230、図2)が、システムのインピーダンス整合ネットワークの初期状態を解凍動作の開始時に確立することを可能にし、初期状態は、負荷への最大RF電力伝達を可能にする最適状態に比較的近いものであり得る。あるいは、解凍動作の開始前に負荷特性が入力または受信されずともよく、システムコントローラがインピーダンス整合ネットワークのデフォルト初期状態を確立し得る。
【0017】
システムコントローラは、RF信号源(例えば、RF信号源240、図2)にRF信号を第1の電極へ供給させ、これに応答して電磁エネルギーを多機能システム110,120の解凍キャビティへと放射する。電磁エネルギーは、負荷の熱エネルギーを増加させる(すなわち、電磁エネルギーにより負荷が温まる)。解凍動作中、負荷の熱エネルギーが増加すると、負荷のインピーダンス(ひいては、キャビティと負荷との全入力インピーダンス)が変化する。インピーダンス変化は、RFエネルギーの負荷への吸収を変化させ、したがって、反射電力の大きさを変える。一実施形態によれば、電力検出回路(例えば、電力検出回路278、図2)は、RF信号源(例えば、RF信号源240、図2)と第1の電極との間の伝送経路(例えば、伝送経路248、図2)に沿った順方向および/または反射電力を連続してまたは周期的に測定する。これらの測定に基づいて、システムコントローラ(例えば、システムコントローラ230、図2)は、解凍動作の完了を検出し得る。さらなる実施形態によれば、インピーダンス整合ネットワークは可変であり、順方向および/または反射電力測定値に基づいて、システムコントローラは、解凍動作中にインピーダンス整合ネットワークの状態を変更して、負荷によるRF電力の吸収を増大させ得る。
【0018】
当業者であれば、本明細書の記載に基づいて、解凍システムの実施形態を、他の構成を有する多機能システムまたは機器にもまた組み込み得ることを理解するであろう。したがって、スタンドアローン機器、冷凍庫および冷蔵庫における多機能システムの上述の実施態様は、これらのタイプのシステムのみに実施形態を使用することを限定することを意味するものではない。多機能システム110,120は、それらの構成要素が互いに対して特定の相対的な向きで示されているが、様々な構成要素が異なる方向にも向けられ得ることを理解されたい。さらに、様々な構成要素の物理的構成が異なり得る。例えば、制御パネル114、124は、より多くの、より少ない、もしくは異なるユーザインタフェース要素を有し得、および/または、ユーザインタフェース要素が異なって配置され得る。さらに、実質的に立方体のキャビティが図1に示されているが、解凍キャビティは、他の実施形態で異なる形状(例えば、円筒状など)を有し得ることを理解されたい。さらに、多機能システム110,120内の解凍システムは、図1または図の他の箇所に具体的に示されていない追加の構成要素(例えば、ファン、固定または回転平板、トレイ、電気コードなど)を含み得る。
【0019】
様々な多機能システムの実施形態は、互いに同じ場所に配置され得る(またはされない)デバイスを組み込む。図2は、例示的な実施形態による、多機能システム200(例えば、多機能システム110,120、図1)の簡略ブロック図である。多機能システム200は、一実施形態では、解凍キャビティ210、ユーザインタフェース220、システムコントローラ230、RF信号源240、電源およびバイアス回路250、可変インピーダンス整合ネットワーク260、電極270、および電力検出回路278を含む。さらに、他の実施形態では、多機能システム200は、空気浄化チャンバ282内のプラズマ発生器280の一部として使用されるプラズマ電極を含み得る。多機能システム200は、UV源290の一部として使用される1つ以上のUV管も含み得、これは、特定の実施形態では空気浄化チャンバ282内にまた配置され得、または、別個のチャンバ(図示せず)内に配置され得る。様々な実施形態では、UV源290は、透明な(例えば、ガラス)管が配置されたフィラメントを含み得る。そのようなUV源290は、無電極であり得、そのため、透明管のいずれかの端部に金属接点を組み込み得ない。実施形態によれば、空気がキャビティ210とチャンバ282との間で交換され得るように、解凍キャビティ210と空気浄化チャンバ282との間に1つ以上の開口またはバッフル開口が存在し得る。他の実施形態では、システムは、空気浄化チャンバ282がまた、あるいは代替的に、空気を他のシステムスペース(例えば、冷蔵庫および/または冷凍庫区画112,122の内部)と交換し得るように構成され得る。
【0020】
特定の実施形態では、1つ以上のファン295が、空気浄化チャンバ282および/またはキャビティ210内に配置される(または別様に流体連通する)。ファン295は、空気を循環させて、空気浄化チャンバ/キャビティおよび取り囲む周囲空気(例えば、冷蔵庫および/または冷凍庫区画112,122内部の空気)の間の空気交換を有効化するために使用され得る。例えば、プラズマおよびUV光を空気浄化チャンバ282内の空気に適用するために、プラズマ発生器280のプラズマ電極を使用してプラズマを発生させ得、UV源290のUV管を用いてUV光を放出させ得る。実施形態では、プラズマ発生器280およびUV源290は、同じハウジングを共有し得る。ファン295はそして、空気浄化チャンバ内のプラズマおよび/またはUV光で処理された空気を、例えば、キャビティ210内の空気または多機能システム200を含む(スタンドアローンのまたは別様の)機器内の空気などの空気浄化チャンバ282の外部の空気と交換し得る。様々な実施形態において、ファン295は、システムコントローラ230によって制御され得る(それにより、ファン295は、例えばプラズマ生成および/またはUV光照射のタイミングに基づいて、システムコントローラ230によってオンにされるか、またはその速度が変化する)。他の実施形態では、ファン295は、多機能システム200が組み込まれた機器のコントローラによって(独立してまたはそれと併せて)制御され得る。例えば、冷蔵庫のコントローラは、プラズマおよび/またはUV光の適用のスケジュールとは独立しているか、またはそれと協調し得るスケジュールに従ってファン295を動作させ得る。
【0021】
図2は、解説および説明を容易にするための多機能システム200の簡略化された表現であり、実際の実施形態は、追加の機能および特徴を提供するための他のデバイスおよび構成要素を含み得、ならびに/または、多機能システム200は、より大きな電気システムの一部であり得ることが理解されよう。他の実施形態では、例えば、多機能システム200は、プラズマ発生器280(例えば、プラズ発生器280、図2)およびUV源290(例えば、UV源290、図2)を有し得るが、解凍器は有していない。代替的に、いくつかの実施形態では、多機能システム200は、プラズマ発生器またはUV源(ただし両方ではない)のいずれかを伴う解凍器を含み得る。
【0022】
ユーザインタフェース220は、例えば、ユーザが解凍動作のためのパラメータ(例えば、解凍されるべき負荷の特性など)、プラズマ生成動作(例えば、プラズマ生成の持続時間およびタイミング)、UV源動作(例えば、UV光のタイミングおよび強度)のためのパラメータに関する入力をシステムに提供することを可能にする制御パネル(例えば、制御パネル114,124、図1)、開始および取消ボタン、機械的制御(例えば、ドア/引き出しオープンラッチ)などに対応し得る。さらに、ユーザインタフェース220は、解凍動作の状態を示すユーザ知覚可能な出力(例えば、カウントダウンタイマ、解凍動作の進行または完了を示す可視表示、および/または解凍動作の完了を示す可聴トーン)ならびに他の情報を提供するように構成され得る。
【0023】
システムコントローラ230は、1つ以上の汎用または専用プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)など)、揮発性および/または不揮発性メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、フラッシュ、様々なレジスタなど)、1つ以上の通信バス、ならびに他の構成要素を含み得る。一実施形態によれば、システムコントローラ230は、ユーザインタフェース220、RF信号源240、可変インピーダンス整合ネットワーク260、電力検出回路278、プラズマ発生器280、UV源290およびファン295に結合される。システムコントローラ230は、ユーザインタフェース220を介して受信したユーザ入力を示す信号を受信し、電力検出回路278からの順方向および/または反射電力測定値を受信するように構成される。受信信号および測定値に応じて、システムコントローラ230は、電源およびバイアス回路250とRF信号源240のRF信号発生器242とに制御信号を提供する。さらに、システムコントローラ230は、制御信号を可変インピーダンス整合ネットワーク260に提供し、これは、整合ネットワーク260にその状態または構成を変更させる。
【0024】
スイッチング構成265は、解凍器(例えば、電極270)、プラズマ発生器280(例えば、プラズマ電極を含むプラズマ発生器280)およびUV源290(例えば、UV管を含むUV源290)にRF信号源240の出力を選択的に接続するように構成されている。RF信号源240を使用して電力供給されるデバイスは、特定の周波数を必要とし得(すなわち、異なる周波数帯域に入る周波数を伴うRF信号を使用して動作するように設計され)、システムコントローラ230は、RF信号発生器242に、RF信号源240を使用して電力供給されるデバイスに適した周波数を伴うRF信号を生成するよう指示し得る。スイッチング構成260は、システムコントローラ230により指定された別のデバイスに切り替えるよう指示され得る。他の実施形態では、デバイスが異なる周波数で(例えば、非重複周波数帯域内で)動作される場合、スイッチング構成は、(システムコントローラ230によって指示されるように)RF信号源240によって供給されるRF周波数を検出し、その対応する周波数で動作するデバイスに切り替え得る。RF信号源240をデバイス(例えば、UV源240、プラズマ発生器208および電極270)間で切り替えるとき、RF信号源240は、RF信号源240によって出力されるRF信号の電力を低減するように構成され得、その結果、スイッチング構成への潜在的な損傷の可能性が低減され得るとともに、スイッチング時に過渡信号の生成が低減される。スイッチング構成が所望のデバイス(例えば、プラズマ発生器208、UV源240または電極270)をRF信号源240に接続した後、RF信号源240によって出力される信号の電力を増加させることはできない。
【0025】
第1の電極270は、一実施形態では、可変インピーダンス整合ネットワーク260および導電性伝送経路248を介してRF信号源240に電気的に結合される。可変インピーダンス整合回路260は、キャビティ210の負荷によって修正されるようにRF信号源240のインピーダンスから解凍キャビティ210の入力インピーダンスへのインピーダンス変換を実行するように構成される。一実施形態では、可変インピーダンス整合ネットワーク260は、受動構成要素(例えば、インダクタ、キャパシタ、抵抗器)のネットワークを含む。より具体的な実施形態によれば、可変インピーダンス整合ネットワーク260は、複数の固定値集中定数インダクタを含み、これらはキャビティ210内に配置されて第1の電極270に電気的に結合される。さらに、可変インピーダンス整合ネットワーク260は、複数の可変インダクタンスネットワークを含み、これらは、キャビティ210内または外に位置し得る。可変インダクタンスネットワークの各々によって提供されるインダクタンス値は、システムコントローラ230からの制御信号を使用して確立される。いずれにしても、可変インピーダンス整合ネットワーク260の状態を解凍動作中に変化させて常に変化するキャビティ入力インピーダンスを動的に整合させることにより、負荷によって吸収されるRF電力の量を、解凍動作中の負荷インピーダンス変化にもかかわらず高いレベルに維持し得る。
【0026】
システム200はまた、プラズマ発生器280のプラズマ電極およびUV源290のUV管に対してインピーダンス整合を提供するが、これらのデバイスの入力インピーダンスは、解凍器(加熱されると著しく変化し得るインピーダンスを伴う負荷を含む)と同じように変動するとは限らない。時間が経過しても比較的安定した入力インピーダンスを伴うデバイスについて、可変インピーダンス整合ネットワークは不要であり得る。例えば、プラズマ発生器280のプラズマ電極およびUV源290のUV管の入力インピーダンスは、経時的にかなり静的にとどまり得る。したがって、RF信号源240のインピーダンスは、対応するデバイスのうちの1つを動作させるときに、プラズマ電極またはUV管のインピーダンスに整合される。
【0027】
一実施形態によれば、RF信号源240は、RF信号発生器242と、(例えば、1つ以上の電力増幅器段244,246を含む)電力増幅器とを含む。システムコントローラ230によって提供される制御信号に応答して、RF信号発生器242は、所望の周波数を有する発振電気信号を生成するように構成される。RF信号発生器242は、様々な実施形態において、異なる電力レベルおよび/または異なる周波数の発振信号を生成するように制御され得る。例えば、RF信号発生器242は、約3.0メガヘルツ(MHz)~約300MHzの範囲で発振する信号を生成し得る。いくつかの望ましい周波数は、例えば、13.56MHz(±5%)、27.125MHz(±5%)および40.68MHz(±5%)であり得る。実施形態では、例えば、プラズマ発生器は、約13.56MHzの周波数および約1W~5kWの範囲の電力レベルで、RF信号発生器342によって生成されたRF信号によって駆動され得るが、いくつかの実施形態では、電力レベルは1~20Wの範囲であり得る。別の実施形態では、例えば、RF信号発生器342は、解凍器による使用のために、約40.66MHz~約40.70MHzの範囲で、約1W~5kWの範囲の電力レベルで発振する信号を生成し得る。さらに別の実施形態では、例えば、RF信号発生器342は、UV源290のUV管による使用のために約1W~約20Wまたはそれ以上の範囲の電力レベルを伴う信号を生成するように制御され得る。あるいは、発振周波数および/または電力レベルがより低くてもより高くてもよい。例えば、UV源およびプラズマ発生器のみに信号を供給する場合、RF信号発生器342は、1MHzから10ギガヘルツ(GHz)までの範囲の周波数を有する信号を提供し得る。UV源、プラズマ発生器および加熱電極に信号を供給する場合、例えば、RF信号発生器342は、例えば、1MHzから1GHzまでの範囲の周波数を有する信号を提供し得る。いずれにしても、上記の例は、RF信号発生器342および増幅器段244,246を制御して(例えば、システムコントローラ230によって)、スイッチング構成265が、解凍器に、プラズマ発生器280に、またはUV源290に信号を供給しているかどうかに応じて、異なる周波数および/または異なる電力レベルを有し得るRF信号をスイッチング構成265に提供し得ることを示す。
【0028】
図2の実施形態では、電力増幅器は、ドライバ増幅器段244および最終増幅器段246を含む。電力増幅器は、RF信号発生器242から発振信号を受信し、その信号を増幅して、電力増幅器の出力で実質的により高い電力の信号を生成するように構成される。例えば、出力信号は、より低い電力レベルをも有し得るが、約100ワット~約400ワットまたはそれ以上の範囲の電力レベルを有し得る。電力増幅器によって適用される利得は、電源およびバイアス回路250によって各増幅器段244,246に提供されるゲートバイアス電圧および/またはドレイン供給電圧を使用して制御され得る。より具体的には、電源およびバイアス回路250は、バイアスおよび供給電圧を、システムコントローラ230から受信した制御信号に従って、各RF増幅器段244,246に提供する。
【0029】
一実施形態では、各増幅器段244,246は、入力端子(例えば、ゲートまたは制御端子)および2つの電流搬送端子(例えば、ソースおよびドレイン端子)を有する電界効果トランジスタ(FET)などのパワートランジスタとして実装される。インピーダンス整合回路(図示せず)は、様々な実施形態において、ドライバ増幅器段244の入力(例えばゲート)、ドライバと最終増幅器段246との間、および/または、最終増幅器段246の出力(例えば、ドレイン端子)に結合され得る。一実施形態では、増幅器段244,246の各トランジスタは、横方向拡散金属酸化物半導体FET(LDMOSFET)トランジスタを含む。しかしながら、トランジスタはいかなる特定の半導体技術にも限定されるものではなく、他の実施形態では、各トランジスタは、窒化ガリウム(GaN)トランジスタ、別のタイプのMOSFETトランジスタ、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、または別の半導体技術を利用したトランジスタとして実現され得ることに留意されたい。
【0030】
図2では、電力増幅器構成は、他の回路構成要素に特定の態様で結合された2つの増幅器段244,246を含むように示されている。他の実施形態では、電力増幅器構成は、他の増幅器トポロジーを含み得、および/または、増幅器構成は、1つの増幅器段のみ、または、2つ超の増幅器段を含み得る。例えば、電力増幅器構成は、シングルエンド増幅器、ダブルエンド増幅器、プッシュプル増幅器、ドハティ増幅器、スイッチモード電力増幅器(SMPA)、または別のタイプの増幅器の様々な実施形態を含み得る。
【0031】
電力検出回路278は、様々な実施形態において、RF信号源240の出力とスイッチング構成265への入力との間で伝送経路248に沿って結合され得る。代替的な実施形態では、電力検出回路278は、整合ネットワーク260の出力と第1の電極270との間で伝送経路249に結合され得る。いずれの場合も、電力検出回路278は、伝送経路248に沿って進行する順方向信号(すなわち、RF信号源240から第1の電極270に向かう)および/または反射信号(すなわち、第1の電極270からRF信号源240に向かう)の電力を、監視、測定または別様に検出するように構成される。
【0032】
電力検出回路278は、順方向および反射信号電力の大きさを伝達する信号をシステムコントローラ230に供給する。システムコントローラ230は一方、順方向信号電力に対する反射信号電力の比またはS11パラメータを計算し得る。反射電力が閾値を超えるか、または反射対順方向電力比が閾値を超える場合、これは、システム200が適切に整合していないこと、および、負荷によるエネルギー吸収が準最適であり得ることを示す。このような状況では、システムコントローラ230は、反射電力または反射対順方向電力比が所望のレベルに低下するまで、可変インピーダンス整合ネットワークの状態を変更するプロセスを調整し、したがって、許容可能な整合を再確立し、より最適な負荷によるエネルギー吸収を促進する。
【0033】
多機能システム200のいくつかの実施形態は、システムコントローラ230にデータを提供するために、温度センサ(複数可)、IRセンサ(複数可)および/または重量センサ(複数可)を含み得る。センサからの情報(例えば、温度情報)により、システムコントローラ230は、(例えば、電源およびバイアス回路250によって提供されるバイアスおよび/または供給電圧を制御することによって)RF信号源240によって供給されるRF信号の電力を変更すること、可変インピーダンス整合ネットワーク260の状態を調整すること、および/または、動作(例えば解凍)をいつ終了すべきかを決定することができる。重量センサ(複数可)は、負荷の下に配置され得、システムコントローラ230に負荷の重量の推定値を提供するように構成され、システムコントローラ230は、重量情報を使用して、例えば、RF信号源240によって供給されるRF信号についての所望の電力レベルを決定し、可変インピーダンス整合ネットワーク260の初期設定を決定し、および/または、解凍動作のおおよその持続時間を決定し得る。
【0034】
一実施形態によれば、可変インピーダンス整合ネットワーク260は、受動構成要素のネットワーク、より具体的には、固定値インダクタ(例えば、集中定数誘導性構成要素)および可変インダクタ(または可変インダクタンスネットワーク)を含み得る。本明細書で使用される場合、用語「インダクタ」は、他のタイプの構成要素(例えば、抵抗器またはキャパシタ)を介在させることなく互いに電気的に結合されたディスクリートインダクタまたは誘導性構成要素のセットを意味する。
【0035】
このような多機能システムを動作させる方法の様々な実施形態を、図3を参照して以下に説明する。より具体的には、図3は、例示的な実施形態による、多機能システム(例えば、システム200、図2)を動作させる方法のフローチャートである。方法は、ブロック302において、システムコントローラ(例えば、システムコントローラ230、図2)が、新たな動作(例えば、解凍、プラズマ生成またはUV照射)が開始すべきであるという指示を受信すると開始し得る。このような指示は、例えば、ユーザが解凍キャビティ(例えば、キャビティ210、図2)へと負荷を配置し、(例えば、ドアまたは引き出しを閉じることによって)キャビティを封止し、(例えば、図2のユーザインタフェース220の)スタートボタンを押した後に受信され得る。このような指示は、特定の時間または特定の頻度(例えば、深夜に、1時間に1回など)でのプラズマまたはUV光の生成など、システムコントローラに提供されるか、またはシステムコントローラによって保存される所定のスケジュールに基づき得る。あるいは、このような指示はまた、解凍動作の完了、閾値を横切るキャビティ内空気品質測定値、閾値を横切るキャビティ温度、ドアまたは引き出しの開放または閉鎖などの別のトリガイベントの発生に基づき得る。
【0036】
ブロック304において、動作が現在、デバイスによって実行されている場合(すなわち、動作が「インプロセス」である場合)、システムコントローラは、インプロセス動作が完了するのを待機し得る。例えば、インプロセス動作が負荷を解凍する場合、システムコントローラは解凍動作が完了するのを待機し得る。あるいは、システムコントローラは、インプロセス動作のサブプロセスが完了するのを待機し得る。例えば、解凍動作が、ある時間(例えば5分間)、電極に電圧を印加し、ある時間(例えば5分間)、電極に電圧を印加することを一時停止するサブプロセスを交互に行うことを含む場合、システムコントローラは、繰り返し電圧印加の間の一時停止を待機し得る(例えば、システムコントローラは、1つのサブプロセスが完了するのを待機し得る)。他の実施形態では、システムコントローラは、インプロセス動作(UV照射など)が停止する前にある時間、継続することを可能にするために、所定/プリセット時間(例えば1分)、待機し得る。他の実施形態では、システムコントローラは、インプロセス動作を一時停止し、その後、新たな動作が完了した後に一時停止動作を再開し得る。あるいは、システムコントローラは、一時停止動作と新たな動作とを交互に行い得る。さらに他の実施形態では、新たな動作が実行されるべきである場合、インプロセス動作は取消され得る。取消された動作は、新たなユーザコマンド、プリセットスケジュール、またはトリガイベントに従って後に実行され得る。
【0037】
ブロック306において、新たな動作が、RF電力発生器によって電力供給されることについてまだ選択されていないデバイスを使用して実行される(すなわち、スイッチング構成がまだRF信号をデバイスに供給するように構成されていない)場合、システムコントローラ(例えば、システムコントローラ230)は、制御信号を提供してスイッチング構成(例えば、スイッチング構成265)に、アイドル状態から、または、RF信号源(例えば、RF信号源240)によって生成されたRF信号を以前の/インプロセスの動作を実行するために使用されるデバイスに提供することから、新たな動作を実行するために使用される別の(新たな)デバイスにRF信号を供給することへと変更(切り替え)させ得る。これは、必要に応じて、RF信号発生器によって生成されたRF周波数を新たなデバイスの動作周波数に調整することを含み得る。ブロック308において、現在、RF電源によって電力供給されているデバイス(すなわち、RF信号が現在、提供されているデバイス)は、新たな動作の実行に従事させられる。より具体的には、デバイスの意図された機能を実行するため、適宜、デバイスにRF信号を変換または消費させ、電極(例えば、電極270またはプラズマ発生器280の電極(複数可))または管(例えば、UV源290のUV管)を励起し、1つ以上の制御信号を新たなデバイスに供給し得る。動作はそして、新たな動作について開始指示が受信されるまで(ブロック304)、または、動作が完了する(例えば、時間切れが発生する、動作完了が検出される、動作が中断される、または、動作停止をトリガする別のイベントが発生する)まで継続する。図3に示すブロックに関連する動作の順序は、例示的な実施形態に対応するものであり、図示された順序にのみ動作のシーケンスを限定すると解釈されるべきではないことを理解されたい。代わりに、いくつかの動作は異なる順序で実行され得、および/またはいくつかの動作は並行して実行され得る。
【0038】
図4は、例示的な実施形態による、プラズマ発生器(例えば、プラズマ発生器280)、UV源(例えば、UV源290)および解凍器(例えば、整合ネットワーク260および電極270を含む)を伴う多機能システムを動作させる方法のフローチャートである。ブロック402において、多機能システムのコントローラ(例えば、システムコントローラ230)は、所定のスケジュール(例えば、工場でプリセットされているか、またはユーザによってプログラムされ得る)に従ってプラズマ発生器およびUV源を動作させるために制御信号を送信し得る。例えば、システムコントローラは、RF信号をプラズマ発生器(およびプラズマ電極)に供給するように制御信号をスイッチング構成(例えば、スイッチング構成265)に、および、ある期間(例えば、毎時間1分、またはトリガイベントに基づく何らかの他の期間)、プラズマを生成するように制御信号をプラズマ発生器に、送信し得る。異なる時間に、システムコントローラは、制御信号をスイッチング構成に送信して、UV源(およびUV管)にRF信号を供給し、UV源に制御信号を送信して、ある期間(例えば、毎時間5分、またはトリガイベントに基づく何らかの他の期間)、UV光を生成し得る。システムコントローラは、プラズマ動作とUV動作との間の休止をスケジュールし得る。プラズマ発生器が作動されるたびに、RF信号源(例えば、RF信号源240)の周波数およびインピーダンスは、プラズマ発生器の動作周波数およびインピーダンスに対応するように調整され、スイッチング構成は、特定の実施形態では、RF信号源の出力をプラズマ発生器に接続する。同様に、UV源が起動されるたびに、RF信号源の周波数およびインピーダンスは、UV源の動作周波数およびインピーダンスに対応するように調整され、スイッチング構成は、特定の実施形態では、RF信号源の出力をUV源に接続する。他の実施形態では、プラズマ発生器およびUV源の一方または両方が、代替的または追加的に、ユーザコマンド(ユーザインタフェースを介して受信される)または別のトリガイベントに基づいて動作され得る。さらに、実施形態は、非重複期間中にプラズマ発生器およびUV源を動作させることを含むが、他の実施形態は、プラズマ発生器およびUV源の同時動作を含み得る。
【0039】
ブロック404において、システムコントローラは、解凍動作を開始するコマンドが(例えば、ユーザインタフェースを介してユーザから、または、予定された解凍動作の結果として)受信されたかどうかを決定する。この決定は、特定の実施形態では、プラズマおよびUV生成動作間で繰り返し実行され得、または、割込みに基づいて行われ得る。他の実施形態では、チェックは、より頻繁に(例えば、プラズマおよびUV生成動作の間であって、その場合、上述のようにプラズマ/UV動作が例えば一時停止または取消され得る)、またはより少ない頻度で(例えば、定期的に20秒ごとに1回、またはプラズマおよびUV生成動作間にのみ20秒ごとに1回)、実行され得る。解凍開始コマンドが受信されない場合(404)、システムコントローラは、予定されたプラズマおよびUV生成動作を続ける(402)。解凍コマンドが受信されると(404)、ブロック406において、システムコントローラはスイッチング構成に、解凍器(例えば、整合ネットワーク260および電極270)をRF信号源(例えば、RF信号源240)の出力に接続させる。ブロック408において、解凍器に電力供給するためにRF信号源が使用され、上述のように、可変インピーダンス整合ネットワーク(例えば、整合ネットワーク260)がRF信号源のインピーダンスと解凍器のインピーダンスとを整合させるために使用される。ブロック410において、解凍動作が完了したとき(これは、例えば、負荷の温度および/またはインピーダンスに基づいて決定され得る)、システムコントローラは、プラズマおよびUV生成動作を実行する制御信号を提供することに戻り得る(402)。解凍動作が完了していない場合、RF信号源は解凍器に電力を供給し続け、可変インピーダンス整合ネットワークは、解凍動作が完了するまでインピーダンスを整合し続ける。
【0040】
代替実施形態では、解凍動作を中断して(一時停止させて)、例えば、予定されたプラズマおよび/またはUV動作を行うことができるようにし得る。そのような実施形態では、解凍動作がプラズマ動作のために一時停止されるとき、プラズマ発生器は、プラズマ動作が完了するまで電力供給され、同様に、解凍動作がUV動作のために一時停止されるとき、UV動作が完了するまで、UV発生器は電力供給される。プラズマ/UV動作が実行されると、解凍器に電力が供給されて解凍動作が再開され得る。
【0041】
図5は、別の例示的な実施形態による、プラズマ発生器、UV源および解凍システムを伴う多機能システムを動作させる方法のフローチャートである。方法は、デフォルトループ(502)および解凍/調理ループ(504)を含む。デフォルトループ(502)は、解凍動作のためのプリセットスケジュールまたはユーザコマンドによって空気浄化が中断されるまで(505)、所定のスケジュールに従って空気を浄化するためにプラズマ発生器およびUV源を使用することを含み、その際、解凍/調理ループ(504)は、解凍動作が完了するか、中断されるか、または別様にその過程を実行するまで実行される。
【0042】
ブロック506において、システムコントローラは、プラズマ発生器をRF信号源に接続するために、制御信号をスイッチング構成に送信する。次に、ブロック508において、システムコントローラは、プラズマで処理された空気が空気浄化チャンバ/機器を通って循環できるように、ファン(例えば、ファン295)を起動するための制御信号を送信し得る。ブロック510において、システムコントローラはRF信号源に制御信号を送信し、RF信号源によって生成された出力信号をプラズマ発生器によって必要とされる周波数に設定する。RF信号源は、ブロック512においてシステムコントローラが制御信号をスイッチング構成に送信してプラズマ発生器をRF信号源から切断するまで(プリセットスケジュールに従って)一定期間、プラズマ発生器にRF信号を供給する。ブロック514において、システムコントローラは、UV源をRF信号源に接続するために制御信号をスイッチング構成に送信し、ブロック516において、システムコントローラは、RF信号源に追加の制御信号を送信して、RF信号源によって生成される出力信号をUV源によって必要とされる周波数に設定する。システムコントローラは、ブロック518においてシステムコントローラが制御信号をスイッチング構成に送信してUV源をRF信号源から切断するまで(プリセットスケジュールに従って)一定期間、RF信号源にRF信号をUV源に供給させ得る。デフォルトループプロセスがそして、ブロック506にループバックすることにより繰り返され、システムコントローラは、プリセットスケジュールに基づいてプラズマ発生器を再び動作させることができる。デフォルトループ(502)は代替的に、プラズマ発生器をRF電源に接続する代わりに、UV源をRF信号源に接続することによって、またはファンを作動させることによって、開始し得ることに留意されたい。言い換えれば、デフォルトループにおける動作の順序は、図5に示されるものとは異なり得る。
【0043】
割込み(505)が発生すると(例えば、解凍動作を実行するためにユーザコマンドが受信されるか、またはスケジュールされた解凍動作の時間に達すると)、プラズマ発生器またはUV源は、RF信号源に接続され得るが、システムコントローラは、次のスケジュールされたプラズマ/UV動作時間が所定のスケジュールに従って到着するのを待機しているかもしれないので、対応する動作が実行されていてもよく、実行されていなくてもよい。プラズマ動作またはUV動作が現在、実行中であるとき、システムコントローラは制御信号を送信して、プラズマ発生器またはUV源の動作を停止させ、スイッチング構成にプラズマ発生器またはUV源をRF信号源から切断させ得る。あるいは、いくつかの実施形態では、システムコントローラは、現在、実行中のプラズマ/UV動作が現在の動作を完了するのを待機し得る。他の実施形態では、システムコントローラは、完了までの残りの時間が特定の最小時間閾値を下回る場合にのみ、インプロセス動作を完了させることができ得る。例えば、プラズマまたはUV動作に1分以下(または何らかの他の期間)しか残っていない場合、システムコントローラは、解凍動作を開始する前に動作を完了させることができ得る。さらに他の実施形態では、システムコントローラは、プリセット持続時間の後に動作が完了するかどうかに関わらず、30秒(または何らかの他の期間)などの追加のプリセット持続時間の間、インプロセス動作を実行し続け得る。あるいは、システムコントローラは、特定の最小時間(30秒または何らかの他の期間などの)にわたって動作が実行されている場合にのみ、インプロセス動作を停止させ得、それにより、デバイスは、起動後すぐに(またはまもなく)停止することはない。これは、例えば、デバイスが急速な遷移(パワーアップおよびパワーダウン)によって過度の摩耗を経験するであろう場合に有用であり得る。
【0044】
デフォルトループ(502)から解凍/調理ループ(504)への割込み(505)は、解凍/調理動作に関する特定の情報をシステムコントローラにフィードし得る。この情報は、例えば、ユーザインタフェースを介してユーザによって入力されたエントリ、および/または、システムコントローラによって行われた計算に基づき得る。そのような情報は、解凍または調理動作の期間、食品の種類、食品の量などを含み得る。解凍/調理ループ(504)は、コントローラによってブロック520において開始され、コントローラは、スイッチング構成に制御信号を送信し、接続されているいずれかのプラズマ発生器またはUV源を切断する。システムコントローラはそして、ブロック522において、解凍器をRF信号源に接続するために制御信号をスイッチング構成に送信し得、ブロック524で、RF信号源によって生成された出力信号を解凍器によって必要とされる周波数に設定する。システムコントローラは、ユーザによって入力され得たか、または食品の種類および量に基づいて計算され得た解凍動作期間をさらに設定し得る。システムコントローラは、ブロック526において、上述したように、可変インピーダンス整合ネットワーク(例えば、整合ネットワーク260)を用いて解凍動作が進むにつれてインピーダンスを調整するための制御信号を送信し得る。解凍動作が完了するか、または別様に中断されると、システムコントローラはブロック528において、制御信号をスイッチング構成に送信し、解凍システムをRF信号源から切断し、ブロック530において、プロセスはデフォルトループに戻る(502)。
【0045】
上述したように、多機能システムの実施形態は、RF励起信号を生成するように構成されたRF励起信号源と、RF励起信号を複数のデバイスの1つに提供するように構成されたスイッチングシステムまたは構成とを含む。このシステムは、スタンドアローン機器にて具体化され得、または商業用および産業用機器(例えば、ハイブリッド解凍/空気浄化/殺菌システムを組み込んだカウンタートップおよび冷蔵庫タイプの機器)などのより大きなシステムに組み込まれ得る。特定の実施形態では、多機能システムは、解凍システム(例えば、整合ネットワーク、電極、接地ハウジングなど)、UV源(UV管を含む)およびプラズマ発生器(プラズマ電極を含む)の構成要素を含み得、これらはすべて共通のRF信号源に選択的に結合されている。システムはまたスイッチング構成を含み得、これは、解凍構成要素(解凍動作が進行中の場合)に、UV源(負荷のUV滅菌が必要な場合)に、または、プラズマ発生器(空気滅菌が必要な場合)に、RF信号を供給することを可能にする。滅菌プロセスのために、キャビティからの空気を別個の浄化チャンバを介して循環させ得る。代わりに、多機能システムは、他の実施形態では、RF信号源によって電力供給される任意のセットのデバイスを組み込むことができる。
【0046】
本明細書に含まれる様々な図に示される接続線は、様々な要素間の例示的な機能的関係および/または物理的結合を表すことが意図されている。主題の実施形態には、多くの代替的または追加的機能関係または物理的接続が存在し得ることに留意されたい。さらに、特定の用語は、参照のみの目的のために本明細書中で使用され得、したがって限定することを意図するものではなく、用語「第1」、「第2」および構造を指す他のそのような数値用語は、文脈によって明確に示されていない限り、シーケンスまたは順序を暗示しない。
【0047】
前述の説明は、共に「接続された」または「結合された」要素またはノードまたは特徴を指す。本明細書で使用される場合、別段の明示的な記載がない限り、「接続された」とは、ある要素が別の要素に直接接合されている(または直接通信する)ことを意味し、必ずしも機械的に接合されている必要はない。同様に、別段の明示的な記載がない限り、「結合された」とは、ある要素が別の要素に直接的または間接的に接合されている(または直接的または間接的に通信する)ことを意味し、必ずしも機械的に接合されている必要はない。したがって、図面に示される概略図は、要素の1つの例示的な配置を示しているが、図示された主題の実施形態に追加の介在要素、デバイス、特徴または構成要素が存在し得る。
【0048】
少なくとも1つの例示的な実施形態が前述の詳細な説明で提示されているが、膨大な数の変形例が存在することを理解されたい。本明細書に記載された1つまたは複数の例示的な実施形態は、特許請求の範囲に記載された主題の、範囲、適用可能性または構成を決して限定するものではないことを理解されたい。むしろ、上述の詳細な説明は、記載された1つまたは複数の実施形態を実装するための便利なロードマップを当業者に提供するであろう。この特許出願を出願した時点での既知の均等物および予見可能な均等物を含む、特許請求の範囲によって規定される範囲から逸脱することなく、要素の機能および配置に様々な変更を加えることができることを理解されたい。
【0049】
実施例
本明細書に開示される技術の例示的な実施例を以下に示す。技術の実施形態は、以下に記載される実施例の任意の1つ以上および任意の組み合わせを含み得る。
【0050】
実施例1において、システムは、負荷を収容するように構成された第1のキャビティを含むハウジングと、第1のキャビティ内に少なくとも部分的に配置され、第1のキャビティ内の負荷を解凍するために第1の周波数で第1の無線周波数(RF)信号を受信するように構成された解凍システムと、ハウジングと流体連通し、第2の周波数で第2のRF信号を受信し、第2のRF信号に応答して空気処理プロセスを実行するように構成された第1の空気処理デバイスと、RF信号を出力するための電力出力を有するRF信号源と、解凍システムおよび第1の空気処理デバイスをRF信号源の電力出力に選択的に電気的に接続するように構成されたスイッチング構成と、スイッチング構成に、解凍システムおよび第1の空気処理デバイスの一方をRF信号源の電力出力に電気的に接続させ、解凍システムがRF信号源の電力出力に電気的に接続されている場合、RF信号源に、第1の周波数で第1のRF信号を出力させ、第1の空気処理デバイスがRF信号源の電力出力に電気的に接続されている場合、RF信号源に、第2の周波数で第2のRF信号を出力させるように構成されたコントローラと、を備える。
【0051】
実施例2は、実施例1の主題を含み、ハウジングと流体連通する第2の空気処理デバイスをさらに備え、第2の空気処理デバイスは、第3の周波数で第3のRF信号を受信し、第3のRF信号に応答して空気処理プロセスを実行するように構成され、コントローラは、スイッチング構成に、第2の空気処理デバイスをRF信号源の電力出力に電気的に接続させるようにさらに構成されている。
【0052】
実施例3は、実施例1および/または2の主題を含み、第1および第2の空気処理デバイスは、プラズマ発生器および紫外線源から選択される。
実施例4は、実施例1,2および/または3の主題を含み、スイッチング構成に結合された第1の端子および解凍システムに結合された第2の端子を有する可変インピーダンスネットワークをさらに備える。
【0053】
実施例5は、実施例1,2,3および/または4の主題を含み、コントローラは、可変インピーダンスネットワークのインピーダンスを調整して、RF信号源のインピーダンスを、解凍システムのインピーダンスに整合させるように構成されている。
【0054】
実施例6は、実施例1,2,3,4および/または5の主題を含み、コントローラは、スイッチング構成に、第1の空気処理デバイスおよび第2の空気処理デバイスを所定のスケジュールに従ってRF信号源の電力出力に電気的に接続させるように構成されている。
【0055】
実施例7は、実施例1,2,3,4,5および/または6の主題を含み、ユーザ入力に応答して制御信号をコントローラに送信するように構成されたユーザインタフェースをさらに備え、コントローラは、スイッチング構成に、制御信号に応答して、解凍システムおよび第1の空気処理デバイスの一方をRF電源の電力出力に電気的に接続させるように構成されている。
【0056】
実施例8は、実施例1,2,3,4,5,6および/または7の主題を含み、ハウジングと流体連通する空気浄化チャンバをさらに備え、第1の空気処理デバイスは、空気浄化チャンバ内に配置される。
【0057】
実施例9は、実施例1,2,3,4,5,6,7および/または8の主題を含み、空気浄化チャンバ内に配置されたファンをさらに備え、ファンはコントローラに接続され、コントローラは、第2の周波数で第2のRF信号が第1の空気処理デバイスに供給されたときにファンを作動させるように構成されている。
【0058】
実施例10において、多機能無線周波数(RF)機器は、複数の出力周波数でRF信号を供給するための電力出力を有するRF信号源と、第1の周波数で第1のRF信号によって電力供給されるように構成された第1のデバイスと、第2の周波数で第2のRF信号によって電力供給されるように構成された第2のデバイスと、第1のデバイスおよび第2のデバイスをRF信号源の電力出力に選択的に電気的に接続するように構成されたスイッチング構成と、スイッチング構成に、第1のデバイスをRF信号源の電力出力から電気的に切断させ、第2のデバイスをRF信号源の電力出力に電気的に接続させ、第2のRF信号の第2の周波数を決定し、RF信号源に、第2の周波数で第2のRF信号を第2のデバイスに供給させるように構成されたコントローラと、を備える。
【0059】
実施例11は、実施例10の主題を含み、スイッチング構成に接続された第1の端子と第2のデバイスに接続された第2の端子とを有する可変インピーダンスネットワークをさらに備える。
【0060】
実施例12は、実施例10および/または11の主題を含み、コントローラは、RF電源のインピーダンスを第2のデバイスのインピーダンスに整合させるように可変インピーダンスネットワークのインピーダンスを調整するように構成されている。
【0061】
実施例13は、実施例10,11および/または12の主題を含み、コントローラは、スイッチング構成に、所定のスケジュールに従って第1のデバイスをRF信号源の電力出力から電気的に切断させ、第2のデバイスをRF信号源の電力出力に電気的に接続させるように構成されている。
【0062】
実施例14は、実施例10,11,12および/または13の主題を含み、ユーザ入力に応答して制御信号をコントローラに送信するように構成されたユーザインタフェースをさらに備え、コントローラは、スイッチング構成に、制御信号に応答して第1のデバイスをRF信号源の電力出力から電気的に切断させ、第2のデバイスをRF信号源の電力出力に電気的に接続させるように構成されている。
【0063】
実施例15は、実施例10,11,12,13および/または14の主題を含み、第2のデバイスは、空気浄化チャンバ内に配置されたプラズマ発生器および紫外線源から選択される。
【0064】
実施例16は、実施例10,11,12,13,14および/または15の主題を含み、空気浄化チャンバ内に配置されたファンをさらに備え、ファンはコントローラに接続され、コントローラは、第2の周波数で第2のRF信号が第2のデバイスに供給されたときにファンを作動させるように構成されている。
【0065】
実施例17において、方法は、解凍システム、プラズマ発生器および紫外線発生器のうちの1つを無線周波数(RF)信号源の電力出力に電気的に接続する工程であって、解凍システムは、RF信号源から第1のRF信号を受信して負荷を解凍するように構成され、プラズマ発生器は、RF信号源から第2のRF信号を受信してプラズマを生成するように構成され、紫外線発生器は、RF信号源から第3のRF信号を受信して紫外線を生成するように構成される、工程と、解凍システムがRF信号源の電力出力に電気的に接続されているとき、解凍システムに第1のRF信号を提供する工程と、プラズマ発生器がRF信号源の電力出力に電気的に接続されているとき、プラズマ発生器に第2のRF信号を提供する工程と、紫外線発生器がRF信号源の電力出力に電気的に接続されているとき、紫外線発生器に第3のRF信号を提供する工程とを備える。
【0066】
実施例18は、請求項17の主題を含み、解凍システムがRF電源によって電力供給されているとき、解凍システムの入力インピーダンスに基づいてRF信号源の出力インピーダンスを修正する工程をさらに備える。
【0067】
実施例19は、請求項17および/または18の主題を含み、所定のスケジュールに従ってプラズマ発生器および紫外線発生器にRF電源で電力供給する工程と、プラズマ発生器で生成されたプラズマおよび紫外線発生器で生成された紫外光で処理された空気を、空気浄化チャンバ外の空気と交換する工程とをさらに備える。
【0068】
実施例20は、請求項17,18および/または19の主題を含み、プリセットスケジュールに基づいてプラズマ発生器および紫外線発生器に電力供給する工程と、ユーザ入力または割込みを受信するとプラズマ発生器および紫外線発生器への電力を遮断して解凍システムに電力供給する工程とをさらに備える。
図1
図2
図3
図4
図5