(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-07
(45)【発行日】2023-06-15
(54)【発明の名称】外壁パネルとサッシ窓の取合部構造
(51)【国際特許分類】
E04F 13/08 20060101AFI20230608BHJP
E04B 2/56 20060101ALI20230608BHJP
E06B 1/56 20060101ALI20230608BHJP
E06B 1/62 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
E04F13/08 101Y
E04B2/56 603B
E06B1/56 Z
E06B1/62 Z
(21)【出願番号】P 2019155078
(22)【出願日】2019-08-27
【審査請求日】2022-04-15
(73)【特許権者】
【識別番号】305003542
【氏名又は名称】旭トステム外装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】中村 大
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-067538(JP,A)
【文献】特開2002-038825(JP,A)
【文献】実開平02-149087(JP,U)
【文献】米国特許第06276099(US,B1)
【文献】特開平08-333957(JP,A)
【文献】米国特許第05921056(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 13/08
E04B 2/56
E06B 1/56
E06B 1/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁パネルの端部とサッシ窓の枠体とを接続する取合部の構造であって、
前記枠体を囲繞するように配設される取付具が、下地材に固定して配設される固定部と、前記固定部と所定の間隔をあけて配設されるバックアップ部と、前記固定部及び前記バックアップ部を連結する連結部と、を備えて略J字状に形成され、
前記下地材に固定した前記固定部と前記バックアップ部の間に前記外壁パネルの端部が配設され、
前記バックアップ部と前記外壁パネルの端部と前記枠体の外周面とで囲まれて形成されたシーリングスポットにシーリング材を充填して構成さ
れ、
前記固定部と前記バックアップ部と前記連結部と前記外壁パネルの端部で囲まれて形成された空間が排水流路である、外壁パネルとサッシ窓の取合部構造。
【請求項2】
前記枠体の左右の縦枠側にそれぞれに設けられた左右の前記取付具の下端部と、前記枠体の下枠側に設けられた下部の前記取付具の側端部とを接続するための接続用具を備え、
前記接続用具は、正面視L字状に形成された固定板部と、前記固定板部の表面から該表面に直交する方向に突出するととも
に前記固定板部の前記表面の内側端部に沿って正面視L字状に延設され、内孔の排水流路に連通する排水孔が貫通形成された筒状の排水部と、を備え、
前記左右の取付具の下端部と前記下部の取付具の側端部とにそれぞれ前記排水部の一片側の端部と他片側の端部を嵌合させた状態で、前記排水部の排水流路が前記左右の取付具と前記下部の取付具の前記排水流路に連通するように構成されている、
請求項
1に記載の外壁パネルとサッシ窓の取合部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、外壁パネルとサッシ窓の取合部の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の外壁面を形成する金属系、窯業系などの各種外壁パネル(サイディング)の端部と、外壁面の開口部に固定して設置される正面視方形状のサッシ窓の枠体とを接続する取合部は、防水性、気密性を確保することが重要である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
外壁パネル100の端部100aとサッシ窓101の枠体102との取合部の構造としては、例えば、
図13、
図14に示すように、外壁パネル100の厚さに合わせた所定の奥行間隔を設けて平行する外装部103a及び固定部103b、外装部103aと固定部103bの端部同士を繋ぐ連結部103cからなる略コ字状の取付具(役物、ジョイナー等の軒天)103を備えて構成されている。
【0004】
この取合部の構造では、取付具103が連結部103cと枠体102との間に所定の隙間をあけ、左右一対の縦枠102a、上枠102b、下枠102cに沿って枠体102を囲繞するように配設され、柱材104や、柱材104に固定した胴縁(縦胴縁、横胴縁)105にビスや釘106を用いて固定部103bを固定して設置される。このように枠体102を囲繞して配設された取付具103の外装部103aと固定部103bの間に端部(側端部、上端部、下端部)100aを挿入し、サッシ窓101の枠体102の周囲の所定位置に外壁パネル100が配設される。
【0005】
さらに、取付具103の連結部103cと枠体102の間の隙間に、丸棒状のバックアップ材107を挿入するとともに、バックアップ材107と連結部103cと枠体102で形成した隙間部分、すなわち、シーリングスポットに第1のシーリング材108を充填する。
【0006】
外装部103aの先端と外壁パネル100の表面(外壁面)の間の隙間にも第2のシーリング材109を塗布、充填する。これにより、雨水などの水の浸入がシーリング材108、109によって阻止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来の外壁パネル100とサッシ窓101の取合部構造においては、サッシ窓101の枠体102の周囲に、枠体102側から第1のシーリング材108、取付具103の外装部103a、第2のシーリング材109、外壁パネル100が狭い間隔で共存した形となり、外壁面を見た際にこの部分の見栄えが悪くなるおそれがあった。
【0009】
外壁面の温度変化に伴う枠体102、外壁パネル100などの変位や、経年劣化などによって、第1のシーリング材108、第2のシーリング材109の密着状態(隙間部分の水密性、気密性)が切れるおそれがあった。
【0010】
複数箇所にシーリングを施す必要があるため、施工手間、施工管理などに多大な労力と時間、コストを要するという不都合もあった。
【0011】
取付具103は、薄板状の金属材であり、外装部103a、固定部103b、連結部103cを備えた直棒状の状態で現場に搬入される。取付具103を枠体102の周囲に設置する際には、枠体102の縦枠102a、上枠102b、下枠102cの寸法を測り、取付具103を所定の長さに切断したり、取付具103の枠体102の角部Rに相当する部分に切り込みを入れて折り曲げ、枠体102の周囲の所定位置に設置できるようにしている。このような取付具103に対して切断、切り込み及び折り曲げを現場で行うことになるため、この点からも、施工手間、施工管理などに多大な労力と時間、コストを要するという不都合があった。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の外壁パネルとサッシ窓の取合部構造の一態様は、外壁パネルの端部とサッシ窓の枠体とを接続する取合部の構造であって、前記枠体を囲繞するように配設される取付具が、下地材に固定して配設される固定部と、前記固定部と所定の間隔をあけて配設されるバックアップ部と、前記固定部及び前記バックアップ部を連結する連結部と、を備えて略J字状に形成され、前記下地材に固定した前記固定部と前記バックアップ部の間に前記外壁パネルの端部が配設され、前記バックアップ部と前記外壁パネルの端部と前記枠体の外周面とで囲まれて形成されたシーリングスポットにシーリング材を充填して構成されたものである。
【発明の効果】
【0013】
本開示の外壁パネルとサッシ窓の取合部構造の一態様によれば、従来のように、それぞれ個別の複数の箇所にシーリングを施すことなく、防水性、気密性を確保することができる。また、施工手間、施工管理などの労力と時間、コストを大幅に低減することが可能になる。
【0014】
従来と比較し、シーリングが狭い間隔で共存せず、外壁面を見た際の見栄えを大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】一態様の外壁構造、外壁パネルとサッシ窓の取合部構造を示す正面図である。
【
図3】
図1のX1-X1線矢視図であり、一態様の外壁パネルとサッシ窓の取合部構造を示す断面図である。
【
図4】一態様の外壁パネルとサッシ窓の取合部構造の取付具を示す図である。
【
図5】一態様の外壁パネルとサッシ窓の取合部構造の左右の取付具の上端部を示す図である。
【
図6】一態様の外壁パネルとサッシ窓の取合部構造の左右の取付具の上端部と上部の取付具の側端部を接続する状態を示す図である。
【
図7】一態様の外壁パネルとサッシ窓の取合部構造の左右の取付具の上端部と上部の取付具の側端部を接続する接続部を示す斜視図である。
【
図8】一態様の外壁パネルとサッシ窓の取合部構造の左右の取付具の上端部と上部の取付具の側端部を接続する接続部を示す正面図である。
【
図9】一態様の外壁パネルとサッシ窓の取合部構造の左右の取付具の下端部を示す図である。
【
図10】一態様の外壁パネルとサッシ窓の取合部構造の左右の取付具の下端部と下部の取付具の側端部を接続する状態を示す図である。
【
図11】一態様の外壁パネルとサッシ窓の取合部構造の左右の取付具の下端部と下部の取付具の側端部を接続する接続部を示す斜視図である。
【
図12】一態様の外壁パネルとサッシ窓の取合部構造の左右の取付具の下端部と下部の取付具の側端部を接続する接続部を示す正面図である。
【
図13】従来の外壁パネルとサッシ窓の取合部構造を示す正面図である。
【
図14】
図13のX1-X1線矢視図であり、従来の外壁パネルとサッシ窓の取合部構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、
図1 から
図12を参照し、一実施形態に係る外壁パネルとサッシ窓の取合部構造について説明する。
【0017】
はじめに、本実施形態の建物の外壁構造1は、
図1に示すように、横方向に所定の間隔をあけて並設されるとともに上下方向に立設される複数の柱材、柱材に固定した胴縁などの下地材2と、下地材2に支持されて外壁面を形成する複数の外壁パネル(外壁材)3と、外壁面の所定位置に形成された開口部に設置されるサッシ窓4と、を備えて構成されている。
【0018】
サッシ窓4は、例えば、固定窓、片開き窓、両開き窓、引違い窓などの建具であり、アルミニウム製や樹脂製などの左右の縦枠5aと上枠5bと下枠5cからなる枠体5と、枠体5の内側に取り付けられて開口部を閉鎖あるいは開閉するガラス(障子)6と、を備えて正面視略方形状に形成されている。なお、サッシ窓4は、枠体5を備えていれば、特にその構成を限定する必要はない。
【0019】
外壁パネル3は、例えば、金属系、窯業系などのサイディングであり、本開示の建物の外壁構造1では、正面視矩形状に形成された外壁パネル3を複数の柱材などの下地材2に支持させつつ上下方向に積層して並設し、建物の外壁面を形成するように設けられている。
【0020】
一方、本開示の外壁パネルとサッシ窓の取合部構造Aは、
図1、
図2、
図3に示すように、外壁パネル3の端部3aと、サッシ窓4の枠体5とを防水性、気密性を確保しつつ接続するための構造であり、取付具7と、シーリング材10と、を備えて構成されている。
【0021】
取付具7は、例えば、金属製の押出成形品であり、
図3、
図4に示すように、柱材、胴縁などの下地材2に固定して配設される固定部7aと、固定部7aと奥行方向に所定の間隔をあけて平行(略平行を含む)に配設されたバックアップ部7bと、固定部7a及びバックアップ部7bの端部同士を連結する連結部7cと、を備えて略J字状に形成されている。
【0022】
この取付具7は、
図2、
図3に示すように、固定部7aを柱材、胴縁などの下地材2にビス止めなどで固定した状態で、連結部7cが枠体5の外周面に当接するように配設されている。また、枠体5の左右の縦枠5aと上枠5bと下枠5cのそれぞれの外周面に連結部7cを当接させて、左右一対の取付具7と上部の取付具7と下部の取付具7の4つの取付具7が枠体5を囲繞するように設けられている。
【0023】
このように下地材に固定して各取付具7を設置すると、バックアップ部7bが、枠体5の外周面に直交し、枠体5の外周面に対して所定の突出量で突設されるとともに、枠体5の厚さ範囲よりも下地材側に、且つ外壁パネル3の厚さ範囲よりも下地材側配設される。
【0024】
本実施形態の外壁パネルとサッシ窓の取合部構造Aにおいては、上記のように、枠体5に対して各取付具7を所位置に配置した段階で、固定部7aの表面に裏面を面接触させ、且つ端部3aをバックアップ部7bの突出方向先端に当接させて外壁パネル3が設置される。
【0025】
これにより、
図3(
図1、
図2)に示すように、外壁パネル3の端部3a(端面)とバックアップ部7bと枠体5の外周面で囲まれて凹状のシーリングスポットHが形成され、このシーリングスポットHにシーリング材10を充填することによって、外壁パネル3とサッシ窓4の取合部の防水性、気密性が確保される。
【0026】
ここで、
図2に示す左右の取付具7のそれぞれの上端部と、上部の取付具7の両側端部のそれぞれとの接続部15は、
図5に示すように、左右の取付具7のバックアップ部7bと連結部7cの上端部が上部の取付具7のバックアップ部7bと連結具7cの高さ位置に合うように、左右の取付具7の上端部側のバックアップ部7bと連結部7cの一部(
図5の破線部分)を切り欠く。
【0027】
図6に示すように、左右の取付具7の上端部側の切り欠き部分に上部の取付具7の側端部を係合させ、
図7、
図8に示すように、左右の取付具7のそれぞれの上端部と、上部の取付具7の両側端部のそれぞれとを接続(連結)する。
【0028】
これにより、上部の取付具7の固定部7aの下端部側とバックアップ部7bと連結部7cで囲まれて形成された溝状の内部に雨水などの水が浸入した場合に、浸入した水を溝状の内部の排水流路11に沿って横方向に流し、左右の取付具7の固定部7aの一側端部とバックアップ部7bと連結部7cで囲まれて形成された上下方向に延びる溝状の内部を排水流路11として下方に水を導水することができる。
【0029】
一方、
図2に示す左右の取付具7のそれぞれの下端部と、下部の取付具7の両側端部のそれぞれとの接続部16は、
図9に示すように、左右の取付具7のバックアップ部7bと連結部7cの下端部側のバックアップ部7bと連結部7cの一部と、下部の取付具7の両側端部側のそれぞれのバックアップ部7bと連結部7cの一部とをそれぞれ、所定の長さ分だけ切り欠く(
図9の破線部分参照)。
【0030】
左右の取付具7のそれぞれの下端部と、下部の取付具7の両側端部のそれぞれとの接続部16においては、
図10、
図11、
図12に示すように、接続用具17を用いて左右の取付具7のそれぞれの下端部と、下部の取付具7の両側端部のそれぞれとを接続(連結)する。
【0031】
接続用具17は、接続部16の角部の形状に合わせて正面視L字状に形成された平板状の固定板部17aと、L字状の固定板部17aの表面の内側端部の表面から、この表面に直交する方向に突出するとともに、内側端部に沿って固定板部17aの一片側の上端部(先端部)側から角部で屈曲して固定板部17aの他片側の側端部(先端部)側まで延びる正面視L字状で断面略方形状の排水部17bと、を備えて形成されている。
【0032】
排水部17bは、少なくとも一片側の上端部側と他片側の側端部側が中心に排水流路11を備えた略角筒状に形成されている。排水部17bは、一片側の上端部側と他片側の側端部側がそれぞれ、左右の取付具7の下端部側、下部の取付具7の側端部側に嵌合し、嵌合によって排水部17bと左右の取付具7の互いの排水流路11が連通するように形成されている。
【0033】
排水部17bは、一片側の上端部側と他片側の側端部側の突出方向先端の外壁構造1の厚さ方向外側を向く外面に、外面から排水流路11を形成する内面に貫通する排水孔18が開口して設けられている。
【0034】
これにより、左右の取付具7、下部の取付具7の排水流路11から流れてきた水を排水部17bの排水流路11に導入して接続用具17で受けるとともに、この水が排水孔18から外壁構造1の厚さ方向外側に排出される。
【0035】
また、このように左右の取付具7と下部の取付具7とを接続する接続用具17は、内周端側の角部と外周端側の角部を結んだ直線中心に一片側と他片側が対称形状(線対称)で形成されている。
【0036】
これにより、左側の取付具7と下部の取付具7とを接続する一方の接続用具17と、右側の取付具7と下部の取付具7とを接続する他方の接続用具17は、左右どちらでも使用できるように構成されている。
【0037】
上記のように構成した本実施形態の外壁パネルとサッシ窓の取合部構造Aにおいては、サッシ窓4の枠体5に対して各取付具7を所位置に配置した段階で、固定部7aの表面に裏面を面接触させ、且つ端部3aをバックアップ部7bの突出方向先端に当接させて外壁パネル3が設置される。
【0038】
これにより、外壁パネル3の端部3aとバックアップ部7bと枠体5の外周面で囲まれて凹状のシーリングスポットHが形成され、このシーリングスポットHにシーリング材10を充填することによって、外壁パネル3とサッシ窓4の取合部の防水性、気密性を確保することが可能になる。
【0039】
したがって、本実施形態の外壁パネルとサッシ窓の取合部構造Aにおいては、従来のように、それぞれ個別の複数の箇所にシーリングを施すことなく、1箇所(一連)のシーリングスポットHにシーリング材10を充填して防水性、気密性を確保することができる。
【0040】
よって、本実施形態の外壁パネルとサッシ窓の取合部構造Aによれば、サッシ窓4の枠体5の周囲に、枠体5側から複数のシーリング材、取付具の外装部、外壁パネル3が狭い間隔で共存した形となることがなく、また、取付具7が外部に露出することがなく、従来と比較し、外壁面を見た際の見栄えを大幅に向上させることが可能になる。
【0041】
また、本実施形態の外壁パネルとサッシ窓の取合部構造Aにおいては、複数箇所にシーリングを施すことを不要にできるため、従来と比較し、施工手間、施工管理などの労力と時間、コストを大幅に低減することが可能になる。
【0042】
本実施形態の外壁パネルとサッシ窓の取合部構造Aにおいては、従来のように現場で取付具7に切り込みを入れて折り曲げ、枠体5の周囲の所定位置に設置する必要がなく、この点からも、施工手間、施工管理などの労力と時間、コストの低減を図ることが可能になる。
【0043】
本実施形態の外壁パネルとサッシ窓の取合部構造Aにおいては、取付具7の形状を調節し、バックアップ部7bの大きさ、設置される位置を調節することによって、シーリングスポットHの深さなどの大きさを自在に設定することができる。これにより、従来のように外壁面の温度変化に伴う枠体5、外壁パネル3などの変位や、経年劣化などによって、シーリング材10の密着状態(隙間部分の水密性、気密性)が切れることを効果的に抑止することが可能になる。
【0044】
また、本実施形態の外壁パネルとサッシ窓の取合部構造Aにおいては、左右の取付具7の下端部と下部の取付具7の側端部を接続するための接続用具17を備え、この接続用具17が固定板部17aと排水部17bを備えて形成されていることにより、接続用具17によって取付具7同士を連結するとともに、互いの排水流路11を連通させることができる。そして、排水部17bの外面に排水孔18が設けられていることによって、左右の取付具7、下部の取付具7の排水流路11から流れてきた水を排水部17bの排水流路11に導入して接続用具17で受けるとともに、この水を排水孔18から外壁構造1の厚さ方向外側に排出することが可能になる。よって、接続用具17を備えることで、さらに効果的に、外壁構造1の奥側に水が浸入することを防止できる。
【0045】
また、接続用具17が一片側と他片側を対称形状で形成されていることにより、左側の取付具7と下部の取付具7とを接続する一方の接続用具17と、右側の取付具7と下部の取付具7とを接続する他方の接続用具17は、左右どちらでも使用することが可能になる。これにより、接続用具17の使い勝手がよく、施工手間、施工管理などの向上、製造等に係るコストの低減などを図ることが可能になる。
【0046】
以上、外壁パネルとサッシ窓の取合部構造の一実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 建物の外壁構造
2 下地材
3 外壁パネル
3a 端部
4 サッシ窓
5 枠体
5a 左右の縦枠
5b 上枠
5c 下枠
7 取付具
7a 固定部
7b バックアップ部
7c 連結部
10 シーリング材
11 排水流路
15 接続部
16 接続部
17 接続用具
17a 固定板部
17b 排水部
18 排水孔
A 外壁パネルとサッシ窓の取合部構造
H シーリングスポット