(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-07
(45)【発行日】2023-06-15
(54)【発明の名称】電気掃除装置
(51)【国際特許分類】
A47L 9/28 20060101AFI20230608BHJP
A47L 5/24 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
A47L9/28 U
A47L5/24 A
(21)【出願番号】P 2019228577
(22)【出願日】2019-12-18
【審査請求日】2022-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 大典
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-200379(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0051109(US,A1)
【文献】特開2016-127783(JP,A)
【文献】特開2015-024124(JP,A)
【文献】特開2001-149289(JP,A)
【文献】特開2019-187576(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/28
A47L 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気掃除機と、前記電気掃除機の充電装置と、を備え、
前記電気掃除機は、
本体と、
前記本体に着脱可能な二次電池と、
前記二次電池が蓄える電力を消費して駆動する電動送風機と、を備え、
前記充電装置は、
前記本体に装着されている前記二次電池へ電力を供給する給電路と、
前記本体から取り外されている前記二次電池を充電可能な充電回路と、を備え
、
前記電気掃除機は、
前記給電路を前記二次電池へ接続する受電端子と、
前記二次電池が前記本体から取り外されている場合には、前記受電端子と前記給電路との接続を阻止し、前記二次電池が前記本体に装着されている場合には、前記受電端子と前記給電路との接続を許可する端子接続規制部をさらに備える電気掃除装置。
【請求項2】
前記電気掃除機は、前記受電端子に前記給電路が接続されている場合には、前記二次電池が前記本体から取り外されることを規制する取外規制部を備える請求項
1に記載の電気掃除装置。
【請求項3】
前記充電装置は、前記充電装置に前記電気掃除機が装着されて前記給電路が前記二次電池へ給電可能な場合には、前記二次電池が前記本体から取り外されることを規制する第二取外規制部を備える請求項1
または2に記載の電気掃除装置。
【請求項4】
前記電気掃除機は、前記二次電池が充電中であること、および満充電であることを報知する報知部を備える請求項1から
3のいずれか1項に記載の電気掃除装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に係る実施形態は、電気掃除装置に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池を備える電気掃除機と、電気掃除機の充電台と、を備える電気掃除装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コードレスタイプの電気掃除機は、電源として二次電池を備えている。コードレスタイプの電気掃除機は、二次電池の充電率(State Of Charge、SOC)が低下した場合には、二次電池を再充電するまで使用できない。
【0005】
そこで、複数の二次電池を予め準備し、電気掃除機に装着されている二次電池を、電気掃除機から取り外されている二次電池(以下、「予備電池」と呼ぶ。)に交換することで、電気掃除機の使用を継続できる。
【0006】
しかしながら、複数の二次電池を交互に利用して、電気掃除機の運転時間を長持ちさせるためには、電気掃除機に装着されている二次電池、および予備電池を含む複数の二次電池を、同時期に充電しておかなければならない。
【0007】
そこで、本発明は、電気掃除機に装着されている二次電池、および予備電池を同時期に充電して電気掃除機の運転時間を長持ちさせることが可能であって、利便性の高い電気掃除装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するため本発明の実施形態に係る電気掃除装置は、電気掃除機と、前記電気掃除機の充電装置と、を備え、前記電気掃除機は、本体と、前記本体に着脱可能な二次電池と、前記二次電池が蓄える電力を消費して駆動する電動送風機と、を備え、前記充電装置は、前記本体に装着されている前記二次電池へ電力を供給する給電路と、前記本体から取り外されている前記二次電池を充電可能な充電回路と、を備え、前記電気掃除機は、前記給電路を前記二次電池へ接続する受電端子と、前記二次電池が前記本体から取り外されている場合には、前記受電端子と前記給電路との接続を阻止し、前記二次電池が前記本体に装着されている場合には、前記受電端子と前記給電路との接続を許可する端子接続規制部をさらに備えている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る電気掃除装置の斜視図。
【
図2】本発明の実施形態に係る電気掃除装置の収納状態の側面図。
【
図3】本発明の実施形態に係る電気掃除装置の掃除機本体の側面図。
【
図4】本発明の実施形態に係る電気掃除装置の掃除機本体の側面図。
【
図5】本発明の実施形態に係る電気掃除装置の電池装着部の側面図。
【
図6】本発明の実施形態に係る電気掃除装置の電池装着部の側面図。
【
図7】本発明の実施形態に係る電気掃除装置の充電台の他の例の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る電気掃除機の実施形態について
図1から
図7を参照して説明する。なお、複数の図面中、同一または相当する構成には同一の符号が付されている。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置の斜視図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る電気掃除装置1は、電気掃除機2と、電気掃除機2の充電装置3と、を備えている。
【0013】
電気掃除機2は、例えばスティック型である、電気掃除機2は、把手11を有して手持ち操作可能な掃除機本体12と、掃除機本体12に着脱可能な二次電池13(蓄電池、充電式電池、および充電池とも呼ばれる。)と、掃除機本体12に接続される延長管15と、延長管15に接続される吸込口体16と、を備えている。
【0014】
なお、電気掃除機2は、二次電池13を電源とするキャニスター型、アップライト型、またはハンディ型であっても良い。
【0015】
また、説明を容易にするために以下、
図1に示すように、吸込口体16を被掃除面に接地させ、把手11を使用者が把持している状態を電気掃除機2の使用状態とし、この使用状態における上下方向を電気掃除機2の上下方向とする。さらに、
図1に示すように、被掃除面に設置している状態における上下方向を充電装置3の上下方向とする。
【0016】
掃除機本体12は、把手11を有する本体ケース17と、本体ケース17に収容されて吸込負圧を生じさせる電動送風機18と、本体ケース17に着脱自在に設けられる塵埃分離集塵部19と、主に電動送風機18を制御する本体制御部21と、二次電池13の充電状態を報知する報知部22と、を備えている。
【0017】
掃除機本体12は、二次電池13が蓄える電力によって電動送風機18を駆動させ、電動送風機18の駆動によって発生する負圧を延長管15に作用させる。電気掃除機2は、吸込口体16および延長管15を通じて床面から塵埃を含んだ空気(以下、「含塵空気」と呼ぶ。)を吸い込み、含塵空気から塵埃を分離し、分離後の塵埃を捕集し、蓄積するとともに分離後の空気を排気する。
【0018】
本体ケース17は、側面視において延長管15の延長線上に配置される円筒状の前半部17aと、前半部17aから屈曲して延長管15の延長線から徐々に離れる後半部17bと、を備えている。本体ケース17の前半部17aの上方には、塵埃分離集塵部19が設けられている。本体ケース17の後半部17bは、吸込口体16を床上に配置した使用状態(
図1)において、後方へ向かって延びている。
【0019】
本体ケース17の正面部分には、本体接続口23が設けられている。本体ケース17の後部下面には、二次電池13を着脱可能な電池装着部25が設けられている。
【0020】
本体接続口23は、延長管15を着脱可能な継手である。本体接続口23は、本体ケース17の円筒状の前半部17aから正面へ向かって突出している。本体接続口23は、掃除機本体12の流体的な入口であり、延長管15と塵埃分離集塵部19とを流体的に接続する。掃除機本体12から延長管15を取り外すことによって、本体接続口23は、掃除機本体12を単体で使用する際の吸込口としても機能する開口23aを有している。
【0021】
把手11は本体ケース17に一体に設けられている。把手11は、電気掃除機2で床面を掃除するために、使用者が手で把持する部分である。把手11は、塵埃分離集塵部19の後端部の近傍から本体ケース17の後端部へアーチ状に架かっている。また、把手11は、延長管15中心線の延長線上に交差して配置されている。
【0022】
把手11の近傍には、把手11を握った使用者が、その手指を動かせる範囲に配置される入力部26が設けられている。
【0023】
入力部26は、電動送風機18の運転開始操作を受け付ける運転開始スイッチ26aと、電動送風機18の運転停止操作を受け付ける運転停止スイッチ26bと、を備えている。運転開始スイッチ26aおよび運転停止スイッチ26bは、本体制御部21に電気的に接続されている。電気掃除機2の使用者は、入力部26を操作して電動送風機18の運転モードを択一的に選択できる。運転開始スイッチ26aは、電動送風機18の運転中に、運転モードの切替スイッチとしても機能している。この場合、本体制御部21は、運転開始スイッチ26aから操作信号を受け取る度に運転モードを強→中→弱→強→中→弱→………の順に切り換える。なお、入力部26は、運転開始スイッチ26aに代えて、強運転スイッチ(図示省略)、中運転スイッチ(図示省略)、および弱運転スイッチ(図示省略)を個別に備えていても良い。
【0024】
塵埃分離集塵部19は、掃除機本体12の上面側に配置され、かつ掃除機本体12に着脱できる。塵埃分離集塵部19は、掃除機本体12に流れ込む含塵空気から塵埃を分離し、捕集し、蓄積する一方で、塵埃が除去された清浄な空気を電動送風機18へ送る。塵埃分離集塵部19は、電気掃除機2が吸い込む、塵埃と空気との質量の差異を利用して塵埃と空気とを遠心分離する遠心分離方式であっても良いし、含塵空気から塵埃を濾し取るフィルターを有する濾過分離方式であっても良い。
【0025】
電動送風機18は、塵埃分離集塵部19から空気を吸い込んで負圧(吸込負圧)を発生させる。
【0026】
本体制御部21は、マイクロプロセッサ、およびマイクロプロセッサが実行する各種演算プログラム、パラメータなどを記憶する記憶装置を備えている。記憶装置は、予め設定される複数の運転モードに関連する種々の設定(引数)を記憶している。複数の運転モードは電動送風機18の出力に関連付けられている。それぞれの運転モードには、相互に異なる入力値(電動送風機18の入力値、電動送風機18に流れる電流目標値)が設定されている。それぞれの運転モードは、入力部26が受け付ける操作入力に関連付けられている。本体制御部21は、入力部26への操作入力に対応する任意の運転モードを、予め設定される複数の運転モードから択一的に選択し、選択した運転モードの設定を記憶部から読み出し、読み出した運転モードの設定にしたがって電動送風機18を運転する。
【0027】
二次電池13は、電動送風機18や本体制御部21で消費される電力を蓄える。二次電池13は、本体ケース17に着脱できる。換言すると、電気掃除機2は、複数の二次電池13を適宜に交換して利用できる。電気掃除機2に装着されている二次電池13の充電率が低下した場合には、この二次電池13を、充電済みの二次電池13に交換することによって、電気掃除機2は、運転を継続できる。
【0028】
報知部22は、本体制御部21によって制御され、二次電池13の充電状態、例えば二次電池13が充電中であること、二次電池13が満充電であること、二次電池13の充電率が所定の充電率よりも低下し、いわゆる電池切れであること、を報知する。報知部22は、例えば、文字などの情報を表示するディスプレイ、点灯または点滅するランプやLED(Light Emitting Diode)など電気掃除機2の使用者の視覚に訴えるもの、電気的に合成された音声やブザー音などを発する発音器など電気掃除機2の使用者の聴覚に訴えるもの、バイブレータなど電気掃除機2の使用者の触覚に訴えるもの、の少なくともいずれかである。報知部22は、入力部26の近傍に設けられていることが好ましい。そのように配置することによって、報知内容の認知性が高められる。
【0029】
延長管15および吸込口体16は、電動送風機18から作用する負圧によって、床面上の塵埃を空気とともに吸い込んで掃除機本体12へ案内する。
【0030】
延長管15は、本体ケース17の本体接続口23および塵埃分離集塵部19を介して電動送風機18の吸込側に流体的に接続されている。延長管15は、使用者が掃除機本体12の把手11を把持した状態で実質的に床面に届く長さを有する。延長管15の一方の端部には、掃除機本体12の本体接続口23に着脱自在な継手構造が設けられている。延長管15の他方の端部には、掃除機本体12の吸込口体16を着脱自在な継手構造が設けられている。延長管15は、伸縮可能であっても良いし、そうでなくても良い。
【0031】
吸込口体16は、木床やカーペットなどの床面上を走行自在または滑走自在であり、走行状態または滑走状態において床面に対向する底面に吸込口27を有する。また、吸込口体16は、吸込口27に配置される回転自在な回転清掃体28と、回転清掃体28を駆動させる電動機29と、を備えている。吸込口体16の一方の端部には、延長管15の他方の端部に着脱自在な継手構造が設けられている。吸込口体16は、延長管15を介して電動送風機18の吸込側に流体的に接続されている。吸込口体16、延長管15、および塵埃分離集塵部19は、電動送風機18から吸込口27へ至る吸込風路である。
【0032】
なお、吸込口体16は、電動機29に代えて回転清掃体28を駆動させる風車(図示省略)を備えていても良い。この風車は、電気掃除機2に吸い込まれる空気の流動によって回転し、回転清掃体28を駆動させる。
【0033】
電気掃除機2は、運転開始スイッチ26aが操作されると電動送風機18を始動させる。例えば、電気掃除機2は、電動送風機18が停止している状態で運転開始スイッチ26aが操作されると、先ず電動送風機18を強運転モードで始動させ、再び運転開始スイッチ26aが操作されると電動送風機18の運転モードを中運転モードに変更し、三度、運転開始スイッチ26aが操作されると電動送風機18の運転モードを弱運転モードに変更し、以下同様に繰り返す。強運転モード、中運転モード、および弱運転モードは、予め設定される複数の運転モードである。電動送風機18に対する入力値は、強運転モードが最も大きく、弱運転モードが最も小さい。始動した電動送風機18は、塵埃分離集塵部19から空気を吸込み、塵埃分離集塵部19内を負圧にする。
【0034】
塵埃分離集塵部19内の負圧は、本体接続口23、延長管15、および吸込口体16を順次に通じて吸込口27に作用する。電気掃除機2は、吸込口27に作用した負圧によって、被掃除面上の塵埃を空気とともに吸い込んで被掃除面を掃除する。塵埃分離集塵部19は、電気掃除機2に吸い込まれた含塵空気から塵埃を分離し、蓄積する一方で、含塵空気から分離した空気を電動送風機18へ送る。電動送風機18は、塵埃分離集塵部19から吸い込んだ空気を掃除機本体12外へ排気する。
【0035】
他方、電気掃除機2の充電装置3は、床面上に置かれる。充電装置3は、電気掃除機2の収納台を兼ねている。充電装置3は、居室の壁面に設置される、いわゆる壁掛けタイプであっても良い。
【0036】
また、充電装置3は、床面に接する円盤状の脚部31と、脚部31の中央から上方へ延びる円柱状の支持台32と、商用交流電源から電力を導く電源コード35と、を備えている。電源コード35の入力端には、配線用差込接続器(図示省略、所謂コンセント)に差し込まれる差込プラグ36が設けられている。
【0037】
支持台32の頂部には、収納状態における掃除機本体12を支える支持部37が設けられている。支持台32の根元部には、電気掃除機2から取り外された二次電池13を単独で充電可能な充電部38が設けられている。つまり。二次電池13は、充電装置3の充電部38に着脱可能であり、かつ掃除機本体12の電池装着部25に着脱可能である。充電部38には、電気掃除機2の報知部22と同様の、二次電池13の充電状態を報知する第二報知部39が並設されていることが好ましい。
【0038】
次に、電気掃除機2の収納状態について詳細に説明する。
【0039】
図2は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置の収納状態の側面図である。
【0040】
図1に加えて
図2に示すように、本実施形態に係る電気掃除装置1の充電装置3は、掃除機本体12を下方から支えて電気掃除機2を収納する。また、充電装置3は、掃除機本体12から取り外された延長管15と吸込口体16とを一体で収納する。
【0041】
充電装置3の脚部31は、支持部37に収納された状態の掃除機本体12の下方投影よりも大きく拡がり、充電装置3の安定性を高めている。
【0042】
充電装置3の支持台32は、収納状態から使用状態へ、また使用状態から収納状態へと掃除機本体12を取り扱いやすいように、掃除機本体12を床面から離し、相応の高さ、例えば70cmから80cm程度の高さに把手11を配置できるよう、上方へ延びている。
【0043】
また、充電装置3は、本体接続口23を下方へ向けた姿勢で掃除機本体12を支える支持部37と、掃除機本体12が支持部37に支持される状態において本体接続口23に対面する底板41を有する凹部42と、凹部42を充電装置3の側方へ開放して見通しを確保する切り欠き44を有する側壁部43と、を備えている。
【0044】
さらに、充電装置3は、凹部42の底板41に設けられて掃除機本体12の本体接続口23に嵌まり込む凸部45を備えている。
【0045】
また、充電装置3は、掃除機本体12に装着されている二次電池13へ電力を供給する給電路47と、掃除機本体12から取り外されている二次電池13を充電可能な充電回路48と、を備えている。
【0046】
支持部37は、支持台32の頂部に設けられている。支持部37は、本体ケース17の円筒状の前半部17aを受けるカップ状の枠である。支持部37は、前半部17aの前端部に接して掃除機本体12を支える段部49を有している。
【0047】
凹部42は、支持部37の下方に連続して設けられている。凹部42は、支持部37によって掃除機本体12が支えられた状態、つまり掃除機本体12の収納状態において、掃除機本体12の一部、具体的には本体ケース17から突出する本体接続口23が配置される空間を画定している。凹部42の底板41は、支持部37および凹部42内で最も低い位置にある。底板41は、切り欠き44で開放されている縁が最も低くなるように傾斜していることが好ましい。
【0048】
凹部42は、本体接続口23に触れていても良いが、本体接続口23と凹部42の底板41との間に隙間を隔てることによって、掃除機本体12の重量を支持部37の段部49で確実に受けて支持を安定させることができる。
【0049】
支持部37および凹部42は、凹部42の底板41へ向かって狭くなっている。支持部37および凹部42は、掃除機本体12を充電装置3へ収納する際に、掃除機本体12の本体接続口23を凹部42の底板41へ誘導する。
【0050】
具体的には、支持部37および凹部42は、より大径な本体ケース17に対応する支持部37から、より小径な本体接続口23に対応する凹部42へ向かって狭くなっている。また、掃除機本体12を支持部37へ納める方向、つまり平面視において、凹部42は、支持部37に包絡されるように配置されている。これによって、支持部37へ侵入する掃除機本体12は、本体接続口23の筒先を凹部42の底板41へ向かって誘導されることになる。
【0051】
また、支持部37の上方開口端部は、中央側に向かって傾斜している。この傾斜は、掃除機本体12を収納位置へ円滑に導く。
【0052】
側壁部43の切り欠き44は、支持部37の幅寸法よりも狭く、また、側壁部43の切り欠き44は、実質的に凹部42の全幅を開放する。
【0053】
切り欠き44は、凹部42を水平方向へ開放するものであれば、側壁部43の前後左右いずれの方向へ設けられていても良い。また、凹部42は、水平方向にみて本体接続口23の形状に対応しつつ切り欠き44の奥側へ向かって狭くなる楔状の形状であっても良い。
【0054】
凸部45は、本体接続口23の内側に嵌まり込むことで、支持部37に支えられる掃除機本体12が前後左右へ倒れ込むことを阻止して収納状態を安定させる。
【0055】
給電路47は、商用交流電源から電源コード35を介して給電される商用交流電力を直流電力に変換し、掃除機本体12の受電端子51を介して掃除機本体12に装着されている二次電池13へ給電する。
【0056】
給電路47は、支持部37の適宜の箇所、例えば頂部近傍から引き出されて線状に延びる引出線52を備えている。引出線52は、掃除機本体12が充電装置3に収納されていようが、収納されてなかろうが、給電路47を受電端子51に接続可能なように、取り回すことができる。
【0057】
給電路47の出力端、つまり引出線52の自由端には、受電端子51に着脱可能な給電端子53が設けられている。給電端子53は、例えばプラグである。
【0058】
充電回路48は、商用交流電源から電源コード35を介して給電される商用交流電力を直流電力に変換し、充電部38に装着されている二次電池13を充電する。
【0059】
給電路47および充電回路48は、商用交流電力を直流電力に変換するAC-DCコンバーター回路を共有していても良いし、AC-DCコンバーター回路をそれぞれ個別に備えていても良い。また、給電路47および充電回路48は、AC-DCコンバーター回路に代えてACアダプター(商用交流電力を直流電力に変換して出力するAC-DCアダプター)を備えていても良い。AC-DCコンバーター回路は、充電装置3の支持台32の下半部に収容されている。
【0060】
充電装置3は、給電路47による電気掃除機2への給電と充電回路48による二次電池13の充電と、を同時に実施できる。つまり、給電路47を介して収納状態の電気掃除機2へ直流電力を給電し、電気掃除機2に装着されている二次電池13を充電すると同時に、充電回路48を介して充電部38に装着されている二次電池13を充電することができる。
【0061】
次いで、掃除機本体12の電池装着部25について詳細に説明する。
【0062】
図3および
図4は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置の掃除機本体の側面図である。
【0063】
図5および
図6は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置の電池装着部の側面図である。
【0064】
図3および
図5は、二次電池13が掃除機本体12の電池装着部25に取り付けられている状態を示している。
図4および
図6、二次電池13が掃除機本体12の電池装着部25から取り外されている状態を示している。
【0065】
図2に加えて、
図3から
図6に示すように、本実施形態に係る電気掃除装置1の電気掃除機2は、二次電池13を着脱可能な電池装着部25を備えている。
ソケット
【0066】
電池装着部25は、本体ケース17の円筒状の後半部17bの下面側に設けられた凹部である。電池装着部25および二次電池13には、二次電池13を電池装着部25に機械的に着脱可能に保持する機構が設けられている。この機構は、例えば電池装着部25に設けられるシューと、二次電池13に設けられてシューに嵌合可能なレールとの組み合わせである。
【0067】
電池装着部25は、掃除機本体12に装着された二次電池13を着脱可能に固定するロック機構61を備えている。
【0068】
ロック機構61は、掃除機本体12に装着された二次電池13を離脱可能なようにロック機構61の解除操作を受け付ける操作部62と、二次電池13に設けられた凹部63に引っ掛かり、二次電池13が掃除機本体12から離脱することを妨げる凸部65を有する梃子66と、凸部65が凹部63に引っ掛かるように梃子66を移動させる力を発生させる弾性部材67と、を備えている。
【0069】
操作部62は梃子66の一方の端部に設けられ、凸部65は梃子66の他方の端部に設けられている。
【0070】
梃子66は、掃除機本体12の内側へ向かって押し込まれる操作部62の動きを、凹部63から凸部65が抜け出るように凸部65を動かす力に変換する。
【0071】
また、電池装着部25は、二次電池13を掃除機本体12の電気回路に電気的に接続する接続端子69と、掃除機本体12に装着された二次電池13を充電する際に、充電装置3の給電路47を二次電池13へ電気的に接続する受電端子51と、を備えている。
【0072】
接続端子69は、電気掃除機2が二次電池13に蓄えられた電力を消費する際に二次電池13から電力を取り出す出口端子であり、電気掃除機2に装着された二次電池13を充電する際に二次電池13へ電力を送り込む入口端子でもある。接続端子69は、電気掃除機2に装着された二次電池13を充電する際に、電気掃除機2内の電路、および受電端子51を介して充電装置3の給電路47に接続される。
【0073】
受電端子51は、例えばソケットである。受電端子51は、充電装置3の給電端子53、例えばプラグを容易に接続し、切り離すことができる。受電端子51は、電気掃除機2内の電路を介して接続端子69に接続されている。受電端子51は、本体ケース17内に収容されている。そのため、本体ケース17は、給電端子53を受電端子51に案内可能な貫通孔71を有している。
【0074】
ところで、掃除機本体12から二次電池13が取り外されている状態であっても、受電端子51に充電装置3の給電端子53が接続された場合には、接続端子69には電圧が印加される。また、掃除機本体12から二次電池13が取り外されている状態では、接続端子69が、掃除機本体12の外観に露出する場合がある。つまり、掃除機本体12から二次電池13が取り外されている状態で、受電端子51に充電装置3の給電端子53が接続された場合には、電圧が印加された接続端子69が、掃除機本体12の外観に露出してしまう。このように電圧が印加された接続端子69が、掃除機本体12の外観に露出することは、機器の安全上、好ましくない。
【0075】
そこで、本実施形態に係る電気掃除機2は、二次電池13が掃除機本体12から取り外されている場合には、受電端子51と給電路47との接続を阻止し、二次電池13が掃除機本体12に装着されている場合には、受電端子51と給電路47との接続を許可する端子接続規制部73を備えている。
【0076】
また、本実施形態に係る電気掃除機2は、受電端子51に給電路47が接続されている場合には、二次電池13が掃除機本体12から取り外されることを規制する取外規制部75を備えている。
【0077】
端子接続規制部73は、電池装着部25の貫通孔71の開口度を変化させて、受電端子51と給電路47との接続を阻止したり、受電端子51と給電路47との接続を許可したりする。端子接続規制部73は、例えば貫通孔71を開閉可能なシャッターである。端子接続規制部73は、貫通孔71を閉じることで受電端子51と給電路47との接続を阻止し、貫通孔71を開くことで受電端子51と給電路47との接続を許可する。なお、端子接続規制部73は、受電端子51と給電路47との接続を阻止する際に、貫通孔71を全閉させなくても良い。端子接続規制部73は、給電端子53が貫通孔71を通過しない程度に貫通孔71を閉じることができれば良い。
【0078】
端子接続規制部73は、電池装着部25に装着される二次電池13の動きに連動して貫通孔71を開閉させる。具体的には、端子接続規制部73は、二次電池13が掃除機本体12から取り外されている場合には、電池装着部25に露出し、二次電池13を掃除機本体12に装着する際に、二次電池13によって本体ケース17内に押し込まれる作動片76を有している。端子接続規制部73は、電池装着部25に二次電池13を装着する際に、二次電池13に押し込まれる作動片76の動きに連動して貫通孔71を開く。なお、作動片76は、電池装着部25に露出していなくても良い。作動片76は、常に本体ケース17内にあって電池装着部25の外観に現れず、二次電池13に設けられた突起を本体ケース17内に挿入することで、二次電池13の動きに連動して端子接続規制部73を作動させ、貫通孔71を開くものであっても良い。
【0079】
また、端子接続規制部73は、電池装着部25から二次電池13が取り外されると、端子接続規制部73を移動させて貫通孔71を閉じる閉鎖用弾性部材77を備えている。閉鎖用弾性部材77は、二次電池13の動きに連動して貫通孔71を開く端子接続規制部73の動きによってエネルギーを蓄え、このエネルギーを消費して貫通孔71を閉じる。
【0080】
端子接続規制部73は、作動片76に一体で移動するものに限られない。端子接続規制部73は、例えばリンク機構やカム機構などの既知の機構であって、二次電池13の動きを貫通孔71の開閉に変換する機構を備えていても良い。
【0081】
取外規制部75は、例えば二次電池13に一体のフランジ部82に設けられる取外規制口83である。取外規制口83は、二次電池13が電池装着部25の正規位置に装着された状態で電池装着部25の貫通孔71に重なり、給電端子53が貫通孔71へ達することを許可する。
【0082】
また、取外規制口83は、受電端子51に給電端子53を接続した状態で電池装着部25に装着されている二次電池13の移動を妨げて、二次電池13が電池装着部25から取り外されることを規制する。具体的には、取外規制部75は、二次電池13を電池装着部25に機械的に着脱可能に保持する機構、例えばシューとレールとが噛み合わされている状態で、二次電池13のレールが電池装着部25のシューから抜け出る方向へ移動することを規制する。
【0083】
取外規制口83は、フランジ部82に設けられる取外規制口83に限られない。取外規制口83は、フランジ部82に設けられる切欠き、フランジ部82の縁、および二次電池13のケースの側壁など、受電端子51に接続された給電端子53に、機械的に接触して二次電池13の取り外しを妨げる部位であれば良い。
【0084】
本実施形態に係る電気掃除機2は、取外規制部75に代えて、二次電池13が掃除機本体12から取り外されると受電端子51と給電路47との接続を解除する接続解除機構を備えていても良い。接続解除機構は、受電端子51に給電路47が接続されている場合に二次電池13の取り外しを規制する取外規制部75と異なり、二次電池13の取り外しに連動させて受電端子51と給電路47との接続を解除する。
【0085】
接続解除機構は、例えば端子接続規制部73が貫通孔71を閉じる際に、閉鎖用弾性部材77のエネルギーを消費して給電路47を受電端子51から押し出す。この場合には、接続解除機構は、閉鎖用弾性部材77のエネルギーを、給電路47を受電端子51から押し出す力に変換するリンク機構やカム機構などの既知の機構で構成される。また、接続解除機構は、例えばロック機構61が解除される際に、操作部62に加わる力によって給電路47を受電端子51から押し出す。この場合には、接続解除機構は、操作部62に加わる力を、給電路47を受電端子51から押し出す力に変換するリンク機構やカム機構などの既知の機構で構成される。
【0086】
さらに、接続解除機構は、例えば二次電池13に設けられるフランジ部に孔(口)を有するものであっても良い。この場合には、掃除機本体12の貫通孔71は、二次電池13を電池装着部25に着脱する際に移動する方向へ開口していることが好ましい。二次電池13の孔は、二次電池13が電池装着部25に取り付けられると貫通孔71に重なって、給電端子53を受電端子51に接続可能にする一方で、二次電池13が電池装着部25から取り外されると、二次電池13の移動によって受電端子51から給電端子53を抜き取る。
【0087】
充電装置3は、掃除機本体12の収納台でもある。そして、充電装置3は、充電装置3電気掃除機2が装着されて給電路47が二次電池13へ給電可能な場合には、二次電池13が掃除機本体12から取り外されることを規制する第二取外規制部85を備えている。
【0088】
第二取外規制部85は、充電装置3の側壁部43の一部であって、掃除機本体12が充電装置3に収納された状態で、ロック機構61の操作部62を隠して操作を阻害する。第二取外規制部85は、給電路47が掃除機本体12の受電端子51に接続されていても、接続されていなくても、ロック機構61の操作部62を隠して操作を阻害する。
【0089】
第二取外規制部85は、充電装置3の側壁部43の一部であって、掃除機本体12が充電装置3に収納された状態で、ロック機構61の梃子66の移動を阻害するものであっても良い。
【0090】
また、第二取外規制部85は、充電装置3が設置される被掃除面や、充電装置3が設置される壁面によって、掃除機本体12が充電装置3に収納された状態で、ロック機構61の操作部62を隠して操作を阻害するものであっても良い。床面設置型の充電装置3では、ロック機構61の操作部62が被掃除面に対面して押し込み操作ができないよう、またはロック機構61の梃子66が被掃除面に接触して移動ができないよう、掃除機本体12は、横臥する姿勢(掃除機本体12の長手方向を横倒しにした姿勢)で被掃除面の近傍に収納される。壁掛け型の充電装置3では、ロック機構61の操作部62が壁面に対面して押し込み操作ができないよう、またはロック機構61の梃子66が壁面に接触して移動ができないよう、掃除機本体12は、起立する姿勢(掃除機本体12の長手方向を上下へ向けた姿勢)で壁面の近傍に収納される。
【0091】
図7は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置の充電台の他の例の斜視図である。
【0092】
図7に示すように、本実施形態に係る充電装置3は、掃除機本体12の収納台としての機能を有していなくても良い。つまり、充電装置3は、二次電池13の充電部38と、掃除機本体12に装着されている二次電池13へ電力を供給する給電路47と、を備えていれば良く、掃除機本体12の置き台としての機能を有していなくても良い。
【0093】
以上のように構成される本実施形態に係る電気掃除装置1は、掃除機本体12に装着されている二次電池13へ電力を供給する給電路47と、掃除機本体12から取り外されている二次電池13、つまり予備電池を充電可能な充電回路48と、を有する充電装置3を備えている。そのため、電気掃除装置1は、複数の二次電池13を適宜に交換して、電気掃除機の運転時間を長持ちさせることができる。また、電気掃除装置1は、複数の二次電池13を適宜に交換して運転を継続できるので、容量の小さい二次電池13を採用して容易に軽量化、および小型化できる。したがって、電気掃除装置1は、二次電池13の重量による使い勝手の低下を容易に抑制しつつ、即時の使い勝手を向上できる。
【0094】
また、本実施形態に係る電気掃除装置1は、二次電池13が掃除機本体12から取り外されている場合には、受電端子51と給電路47との接続を阻止し、二次電池13が掃除機本体12に装着されている場合には、受電端子51と給電路47との接続を許可する端子接続規制部73を備えている。そのため、電気掃除装置1は、電圧が印加された接続端子69が、掃除機本体12の外観に露出することがなく、安全性が高い。
【0095】
さらに、本実施形態に係る電気掃除装置1は、受電端子51に給電路47が接続されている場合には、二次電池13が掃除機本体12から取り外されることを規制する取外規制部75を備えている。そのため、電気掃除装置1は、受電端子51に給電路47が接続されたままの状態で掃除機本体12から二次電池13が取り外されて、電圧が印加された接続端子69が、掃除機本体12の外観に露出することがなく、安全性が極めて高い。
【0096】
また、本実施形態に係る電気掃除装置1は、充電装置3に電気掃除機2が装着されて給電路47が二次電池13へ給電可能な場合には、二次電池13が掃除機本体12から取り外されることを規制する第二取外規制部85を備えている。そのため、電気掃除装置1は、収納状態における二次電池13の交換を阻害し、掃除機本体12から二次電池13が取り外された状態で、受電端子51に給電路47が接続されてしまい、電圧が印加された接続端子69が、掃除機本体12の外観に露出することを未然に防ぐことができる。
【0097】
さらに、本実施形態に係る電気掃除装置1は、二次電池13が充電中であること、および満充電であることを報知する報知部22を備えている。そのため、電気掃除装置1は、複数の二次電池13を適宜に交換して、電気掃除機の運転時間を長持ちさせることができる。
【0098】
したがって、本発明に係る電気掃除装置1によれば、電気掃除機2に装着されている二次電池13、および予備電池を同時期に充電して電気掃除機2の運転時間を長持ちさせることが可能であって、利便性が高まる。
【0099】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0100】
1…電気掃除装置、2…電気掃除機、3…充電装置、11…把手、12…掃除機本体、13…二次電池、15…延長管、16…吸込口体、17…本体ケース、17a…前半部、17b…後半部、18…電動送風機、19…塵埃分離集塵部、21…本体制御部、22…報知部、23…本体接続口、23a…開口、25…電池装着部、26…入力部、26a…運転開始スイッチ、26b…運転停止スイッチ、27…吸込口、28…回転清掃体、29…電動機、31…脚部、32…支持台、35…電源コード、36…差込プラグ、37…支持部、38…充電部、39…第二報知部、41…底板、42…凹部、43…側壁部、44…切り欠き、45…凸部、47…給電路、48…充電回路、49…段部、51…受電端子、52…引出線、53…給電端子、61…ロック機構、62…操作部、63…凹部、65…凸部、66…梃子、67…弾性部材、69…接続端子、71…貫通孔、73…端子接続規制部、75…取外規制部、76…作動片、77…閉鎖用弾性部材、82…フランジ部、83…取外規制口。