(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-07
(45)【発行日】2023-06-15
(54)【発明の名称】統合リセット可能温度ヒューズ付きのコネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/696 20110101AFI20230608BHJP
H01C 7/02 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
H01R13/696
H01C7/02
(21)【出願番号】P 2019505495
(86)(22)【出願日】2017-07-31
(86)【国際出願番号】 US2017044607
(87)【国際公開番号】W WO2018026689
(87)【国際公開日】2018-02-08
【審査請求日】2020-07-27
【審判番号】
【審判請求日】2022-08-19
(32)【優先日】2016-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505441524
【氏名又は名称】ボーンズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エイハーン,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】チュー,ステラー
【合議体】
【審判長】平田 信勝
【審判官】小川 恭司
【審判官】内田 博之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第6239977(US,B1)
【文献】国際公開第2015/190020(WO,A1)
【文献】特開2002-280746(JP,A)
【文献】特開2011-210716(JP,A)
【文献】特開2011-14525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/696
H01C 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスとの電気通信を提供するコネクタであって、前記コネクタは、
非導電材料および導電材料のパターン化層を含む基板と、
前記基板上に取り付けられ、かつ前記導電材料と電気的に接続されたインターフェース部材と、
前記基板内に埋め込まれ、かつ前記導電材料および前記インターフェース部材と電気的に接続されたリセット可能温度ヒューズと、を備え、
前記リセット可能温度ヒューズの少なくとも一部が、
前記インターフェース部材から前記リセット可能温度ヒューズへの熱伝導経路が存在するように、前記インターフェース部材の直下に配置されて
おり、前記リセット可能温度ヒューズは、前記インターフェース部材の導電線を流れる過剰な電流を防止するように構成され、
前記コネクタは、前記電子デバイスと他の電子デバイスの間で電力およびデータ通信のうち少なくとも1つを供給するように構成された、1つ以上の端子を含む、
コネクタ。
【請求項2】
前記リセット可能温度ヒューズは、正温度係数(PTC)ヒューズを含む、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記リセット可能温度ヒューズは、前記非導電材料内に完全に埋め込まれている、請求項1または2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記リセット可能温度ヒューズの一部は、前記インターフェース部材の直下に配置され、前記リセット可能温度ヒューズの別の部分は、前記インターフェース部材の外側に横方向に配置されている、請求項1または2に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記リセット可能温度ヒューズ全体は、前記インターフェース部材の直下に配置されている、請求項1または2に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記導電材料は、前記基板の上面に接触パッドを備え、前記インターフェース部材は、
前記接触パッドと電気的に接続されている、請求項1または2に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記導電材料は、第1の導線と、前記接触パッドと前記リセット可能温度ヒューズの第1の電極との間の前記非導電材料の第1の層を貫通して、前記インターフェース部材と前記リセット可能温度ヒューズとの間に電気通信を提供する第1のビアを備える、請求項6に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記導電材料は、前記非導電材料の第2の層を貫通して、前記リセット可能温度ヒューズの第2の電極へ電気通信を提供する第2のビアを含む第2の導線を更に備える、請求項7に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記第2の導線は、前記基板の下面にまたは付近に配置されている、請求項8に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記基板の上面にまたは付近に第3のビアおよび第3の導線を更に備え、前記第3のビアは、前記非導電材料を貫通して、前記第2の導線と前記第3の導線とを電気的に接続する、請求項9に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記基板は、プリント回路基板(PCB)を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項12】
前記電子デバイスへおよび/または前記電子デバイスからデータを伝達するように構成された1つ以上のデータ線を更に備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項13】
前記1つ以上のデータ線は、前記基板の上面にまたは付近に配置され、かつ前記インターフェース部材と通信する、請求項12に記載のコネクタ。
【請求項14】
前記電子デバイスへおよび/または前記電子デバイスから電力を伝達するように構成された1つ以上の電力線を更に備える、請求項1~13のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項15】
前記1つ以上の電力線は、前記基板の下面にまたは付近に配置され、かつ前記リセット可能温度ヒューズおよび前記インターフェース部材と通信する、請求項14に記載のコネクタ。
【請求項16】
前記リセット可能温度ヒューズは、低抵抗状態および高抵抗状態を有し、前記リセット可能温度ヒューズは、前記インターフェース部材の温度が所定の温度を超えると、前記低抵抗状態から前記高抵抗状態へと移動するように構成された、請求項1~15のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項17】
前記所定の温度は、65°C~90°Cの範囲内である、請求項16に記載のコネクタ。
【請求項18】
前記リセット可能温度ヒューズは、第2の所定の温度が20°C~50°Cの範囲内であるときに、前記高抵抗状態から前記低抵抗状態へと移動するように構成された、請求項16または17に記載のコネクタ。
【請求項19】
前記リセット可能温度ヒューズは、低抵抗状態および高抵抗状態を有し、前記リセット可能温度ヒューズは、前記リセット可能温度ヒューズの温度が所定の温度を超えると、前記低抵抗状態から前記高抵抗状態へと移動するように構成された、請求項1~18のいず
れか一項に記載のコネクタ。
【請求項20】
前記所定の温度は、65°C~90°Cの範囲内である、請求項19に記載のコネクタ。
【請求項21】
前記リセット可能温度ヒューズは、第2の所定の温度が25°C~55°Cの範囲内であるときに、前記高抵抗状態から前記低抵抗状態へと移動するように構成された、請求項19または20に記載のコネクタ。
【請求項22】
前記コネクタの
動作を制御するように構成された1つ以上のデバイスチップを更に備える、請求項1~21のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項23】
計算デバイスと周辺デバイスとの間に電気通信を提供するケーブルであって、前記ケーブルは、請求項1~22のいずれか一項に記載のコネクタを備え、前記コネクタは、前記ケーブルの端部に配置されている、ケーブル。
【請求項24】
電子デバイスとの電気通信を提供するコネクタであって、前記コネクタは、
非導電材料および導電材料のパターン化層を含む基板と、
前記基板の上面上に取り付けられ、かつ前記導電材料と電気的に接続されたインターフェース部材と、
前記基板の前記上面に取り付けられ、かつ前記導電材料および前記インターフェース部材と電気的に接続されたリセット可能温度ヒューズであって、前記インターフェース部材に近接して横方向にオフセットされたリセット可能温度ヒューズと、
前記インターフェース部材と前記リセット可能温度ヒューズとの間に電気通信を提供する導電タブであって、
前記インターフェース部材から前記リセット可能温度ヒューズへの熱伝導経路が存在するように、前記基板の上面の上に配置された導電タブと、を備え
、前記リセット可能温度ヒューズは、前記インターフェース部材の導電線を流れる過剰な電流を防止するように構成され、
前記コネクタは、前記電子デバイスと他の電子デバイスの間で電力およびデータ通信のうち少なくとも1つを供給するように構成された、1つ以上の端子を含む、
コネクタ。
【請求項25】
前記リセット可能温度ヒューズは、正温度係数(PTC)ヒューズを含む、請求項24に記載のコネクタ。
【請求項26】
前記リセット可能温度ヒューズおよび前記インターフェース部材は、前記基板に沿って0.1mm~0.8mmの範囲内の距離で離間されている、請求項24または25に記載のコネクタ。
【請求項27】
前記導電タブは、ニッケルを含む、請求項24~26のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項28】
コネクタの製造方法であって、前記方法は、
非導電材料および導電材料のパターン化層を含む基板と、前記基板内に埋め込まれ、かつ前記導電材料と電気的に接続されたリセット可能温度ヒューズと、を提供することと、
インターフェース部材を前記基板上に取り付けることと、
前記インターフェース部材を前記導電材料および前記リセット可能温度ヒューズと電気的に接続することと、を含み、
前記リセット可能温度ヒューズの少なくとも一部が、
前記インターフェース部材から前記リセット可能温度ヒューズへの熱伝導経路が存在するように、前記インターフェース部
材の直下に配置されて
おり、前記リセット可能温度ヒューズは、前記インターフェース部材の導電線を流れる過剰な電流を防止するように構成され、
前記コネクタは、前記電子デバイスと他の電子デバイスの間で電力およびデータ通信のうち少なくとも1つを供給するように構成された、1つ以上の端子を含む、
方法。
【請求項29】
前記リセット可能温度ヒューズは、前記非導電材料内に完全に埋め込まれている、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記リセット可能温度ヒューズの一部は、前記インターフェース部材の直下に配置され、前記リセット可能温度ヒューズの別の部分は、前記インターフェース部材の外側に横方向に配置された、請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
前記リセット可能温度ヒューズは、正温度係数(PTC)ヒューズを含む、請求項28~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記インターフェース部材は、第1の前記電子デバイスと第2の前記電子デバイスとの間に機械的接続および電気通信を提供するように、前記電子デバイスの対応する部分に取り外し可能に挿入され得る、又は、前記電子デバイスの対応する部分を受けることが可能に構成される、
請求項1に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本分野は、統合リセット可能温度ヒューズ付きのコネクタ、特に、統合された正温度係数(positive temperature coefficient:PTC)ヒューズ付きのコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な種類の電子デバイスは、電子デバイスを各種の周辺デバイスに接続できるようにする1つ以上のポートを含み得る。電子デバイスまたは計算デバイス(ラップトップコンピュータ、デスクコンピュータ、スマートフォン、タブレット計算デバイスなど)は、所望の周辺デバイスに関連するケーブルに接続するポートを含み得る。例えば、周辺デバイスは、別の計算デバイス、外部マウスもしくはキーボード、メモリデバイス(ポータブルメモリスティックなど)、電源電子機器(電源コード用変圧器など)、および/または任意の他の好適な種類の周辺デバイスを含み得る。
【0003】
ケーブルがポート内に挿入されると、データは、周辺デバイスと電子デバイスとの間でケーブルの1つ以上のデータ線に沿って交換されてもよく、および/または電力は、周辺デバイスと電子デバイスとの間でケーブルの1つ以上の電力線に沿って転送されてもよい。いくつかの構成では、ケーブルに沿った電気エネルギーの転送により、電子デバイスおよび/または周辺デバイス内に過熱および/または過剰な電流がもたらされ得る。このような過熱および/または過電流条件では、電子デバイスおよび/または周辺デバイスを損傷し得る。したがって、ケーブル内の過剰な温度および/または電流によって引き起こされる損傷を低減または排除することが継続して必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、電子デバイスとの電気通信を提供するコネクタが開示される。コネクタは、非導電材料および導電材料のパターン化層を含む基板を含み得る。コネクタは、基板上に取り付けられ、かつ導電材料と電気的に接続されたインターフェース部材を含み得る。正温度係数(PTC)ヒューズは、基板内に埋め込まれ、かつ導電材料およびインターフェース部材と電気的に接続され得る。PTCヒューズの少なくとも一部は、インターフェース部材の直下に配置され得る。
【0005】
一実施形態では、電子デバイスとの電気通信を提供するコネクタが開示される。コネクタは、非導電材料および導電材料のパターン化層を含む基板を含み得る。コネクタは、基板上に取り付けられ、かつ導電材料と電気的に接続されたインターフェース部材を含み得る。コネクタは、基板内に埋め込まれ、かつ導電材料およびインターフェース部材と電気的に接続されたリセット可能温度ヒューズを含み得る。リセット可能温度ヒューズの少なくとも一部は、インターフェース部材の直下に配置され得る。
【0006】
別の実施形態では、電子デバイスとの電気通信を提供するコネクタが開示される。コネクタは、非導電材料および導電材料のパターン化層を含む基板を含み得る。コネクタは、基板の上面上に取り付けられ、かつ導電材料と電気的に接続されたインターフェース部材を含み得る。コネクタは、基板の上面に取り付けられ、かつ導電材料およびインターフェース部材と電気的に接続されたリセット可能温度ヒューズを含むことができ、リセット可能温度ヒューズは、インターフェース部材に近接して横方向にオフセットすることができる。コネクタは、インターフェース部材とリセット可能温度ヒューズとの間に電気通信を提供し、基板の上面の上に配置された導電タブを含み得る。
【0007】
別の実施形態では、コネクタの製造方法が開示される。本方法は、非導電材料および導電材料のパターン化層を含む基板と、基板内に埋め込まれ、かつ導電材料と電気的に接続されたリセット可能温度ヒューズと、を提供すること含み得る。本方法は、インターフェース部材を基板上に取り付けることを含み得る。本方法は、インターフェース部材を導電材料およびリセット可能温度ヒューズと電気的に接続することを含み得る。リセット可能温度ヒューズの少なくとも一部は、インターフェース部材の直下に配置され得る。
【0008】
これらの実施形態のすべては、本明細書にて開示されている本発明の範囲内にあることを意図している。これらのおよび他の実施形態は、添付の図面を参照して、好ましい実施形態についての以下の詳細な記述から当業者には容易に明らかであり、本発明は、開示された任意の特定の好ましい実施形態(単数または複数)に制限されない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の特定の実装は、以下の図面を参照して説明され、これは、限定ではなくて例として提供される。
【0010】
【
図1A】様々な実施形態による、コネクタの概略斜視図である。
【
図1B】
図1Aに示されるコネクタの一部の概略側面断面図である。
【
図2】
図2Aは、様々な実施形態による、基板の概略上平面図である。
図2Bは、
図2Aに示される基板の概略側面断面図である。
【
図3】別の実施形態による、コネクタの概略斜視図である。
【
図4】様々な実施形態による、ケーブルと結合されたコネクタの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書にて開示した様々な実施形態は、統合熱的リセット可能ヒューズ、例えば、正温度係数(PTC)素子またはヒューズ付きのコネクタに関する。例えば、上記で説明されるとおり、様々な種類の電子デバイスは、1つ以上のデータ線に沿ってデータを周辺デバイスと交換することができ、かつ1つ以上の電力線に沿って電力を周辺デバイスに転送することができる。このようなデバイスでは、大型電子デバイスおよび/または周辺デバイスへの損傷のリスクを低減するために、コネクタに過剰な温度および/または電流が流れないようにすることが重要であり得る。本明細書における大型デバイスおよび周辺デバイスへの言及は、単なる例であり、制限を意図するものではないに留意されたい。当業者は、本明細書に記載されたコネクタをUSBケーブルなどのデータ/電力ケーブルを含む多くの異なる用途に用いることができ、これは、多くの異なる種類のデバイスのいずれかを接続することができることを理解するであろう。動作中に第1の電子デバイスおよび第2の電子デバイスを接続するように機能するものとして記載されているが、本明細書に記載されたコネクタは、USBケーブルなどのケーブル内に存在することができ、これは、任意の電子デバイスに接続されなくてもよいことも理解されるであろう。
【0012】
いくつかの実施形態では、例えば、コネクタは、非導電材料を含む基板と、非導電材料で形成された導体と、を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、基板は、プリント回路基板(printed circuit board:PCB)を含んでもよく、これは、非導電材料(例えば、FR4またはFR5、「プリプレグ」としても既知)と導電材料(例えば、銅などの金属)との層が一緒に積層されている。コネクタはまた、基板に取り付けられ、かつ導体と電気的に接続されたインターフェース部材も含み得る。インターフェース部材は、(例えば、1つ以上のデータ線による)電子デバイスへのおよび/もしくは電子デバイスからのデータ通信を提供する、ならびに/または(例えば、1つ以上の電力線により)電子デバイスへ電力を提供し、および/もしくは電子デバイスから電力を引き込む、様々な入出力(I/O)端子を備え得る。コネクタはまた、基板内に埋め込
まれ、かつ導体およびインターフェース部材と電気的に接続された正温度係数(PTC)素子も含み得る。PTC素子の少なくとも一部は、インターフェース部材の直下に配置され得る。
【0013】
本明細書にて開示したコネクタは、ユニバーサルシリアルバス(USB)規格を利用するケーブルおよびデバイスと共に使用することができる。例えば、本明細書にて開示したコネクタは、1つ以上のデータ線および/または1つ以上の電力線を有するケーブル内に組み込まれ得る。本明細書にて開示した実施形態は、任意の好適なバージョンのUSB規格と共に使用することができる。一例として、開示された実施形態は、4個のI/O端子(2つは電力用、および2つはデータ用)が使用されるUSB2.0と関係して使用され得る。開示された実施形態はまた、10個のI/O端子(8つはデータ用および、2つは電力用)が提供されるUSB3.1でも使用され得る。いくつかの構成では、開示された実施形態は、USB3.0とも関係して使用され得る。実際に、本明細書にて開示したコネクタは、任意の好適なバージョンのUSBと共に、ならびに実際に他の規格に準拠するケーブルおよびデバイスと共に利用することができる。コネクタは、電子デバイス内に取り外し可能に挿入して、1つ以上のデータ線を介して電子デバイスへおよび/または電子デバイスからデータを転送し、かつ1つ以上の電力線を介して電子デバイスへ電力を供給し、および/または電子デバイスから電力を引き込むことができる。他の実施形態では、コネクタは、メモリスティック、計算デバイスなどのケーブル以外のデバイス内に組み込まれ得る。したがって、いくつかの実施形態では、コネクタは、ケーブルと統合されてもよく、他の実施形態では、コネクタは、特定の電子デバイスと統合されてもよい。様々な実施形態では、コネクタは、雄コネクタを含み得る。他の実施形態では、コネクタは、雌コネクタを含み得る。
【0014】
様々な構成では、コネクタは、温度上昇および/または過剰な電流を経験し得る。例えば、1つ以上の電力線に沿った電流の急増は、電子デバイスおよび/または電子デバイスに接続された周辺デバイスを損傷し得る。電子デバイスおよび/または周辺デバイスへの損傷を緩和または防止する1つの方法は、リセット可能ヒューズとして機能する正温度係数(PTC)素子をコネクタ内に組み込むことである。ヒューズは、PTC材料を組み込むことができ、これにより、常導電材料の抵抗率は、材料の温度が上昇するにつれて上昇する。PTC素子内で使用されるこのような材料の例は、有機ポリマーであり、その中で導電性フィラーを分散させることによって電気的に導電される。これらのポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびエチレン/プロピレンコポリマーなどのポリオレフィンを含み得る。導電性フィラーは、カーボンブラックおよび金属粉末を含み得る。いくつかの構成では、PTCヒューズは、は、導電性層の間に、例えば、上下の金属箔電極との間に挟まれた導電性ポリマーPTC材料の層を含む。
【0015】
所定の値よりも低い温度にて、PTC素子は、比較的低い抵抗率を示し得る(これは、比較的一定であり得る)。しかし、PTC素子の温度が所定の温度を超えて上昇すると、PTC素子の材料の抵抗率は、温度と共に急激に上昇する。様々な実施形態では、例えば、抵抗率は、電流がPTC素子を通過するのを著しく防ぐような程度まで増加する場合がある。PTC素子内の材料の温度が所定の温度より低くなると、抵抗率は、電流が有意な損失なしに通過することができるように、その低い値に逆戻りする。したがって、PTC素子のヒステリシス特性により、PTC素子は、電流がほとんど抵抗なくPTC素子を通過する第1の通常動作状態で使用され得る。温度過昇または過電流状態を示すようにPTC素子の温度が所定の温度を超えて上昇すると、PTC素子は、第2の故障状態に切り替わり、この状態では、1つ以上の接続されたデバイスを保護するために、ほとんどの電流がPTC素子を通過しない。温度が所望のレベルに下がると、PTC素子は、通常動作状態に戻り得る。様々な実施形態では、PTC素子が第1の状態から第2の状態へ切り替わる所定の温度は、65°C~170°Cの範囲内である。いくつかの実施形態では、PT
C素子が第1の状態から第2の状態へ切り替わる所定の温度は、65°C~90°Cの範囲内、65°C~80°Cの範囲内、または68°C~72°Cの範囲内である。いくつかの実施形態では、PTC素子が第1の状態から第2の状態へ切り替わる所定の温度は、100°C~170°Cの範囲内、110°C~150°Cの範囲内、または115°C~125°Cの範囲内である。様々な構成では、温度および/または電流を使用して、いつPTC素子が第1の状態から第2の状態へ切り替わるかを定義することができる。例えば、PTC素子は、1A~5Aの範囲内、2A~4Aの範囲内、または2.5A~3.5Aの範囲内の電流にて、第1の状態から第2の状態へ切り替わることができる。開示された実施形態のいずれかと関連して使用され得るPTC素子または材料の更なる詳細は、米国特許出願公開第2006/0055501号明細書に見ることができ、その開示は、その全体があらゆる目的のために参照として本明細書に組み込まれる。
【0016】
図1Aは、様々な実施形態による、コネクタ1の概略斜視図である。
図1Bは、コネクタ1の一部の概略側面断面図である。コネクタ1は、第1の電子デバイスと第2の電子デバイスとの間に(例えば、データ通信および/または電力を含む)電気通信を提供するように構成することができる。上記で説明されるとおり、第1の電子デバイスは、計算デバイス(ラップトップコンピュータ、デスクコンピュータ、スマートフォン、タブレット計算デバイスなど)、イメージングシステム、オーディオシステムなどを含み得る。第2の電子デバイスは、別のデバイス、例えば、周辺機器の、電子デバイスもしくは計算デバイス、外部マウスもしくはキーボード、メモリデバイス(ポータブルメモリスティックなど)、電源電子機器(電源コード用)、イメージングシステム、オーディオシステム、および/または任意の他の好適な種類の周辺デバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、コネクタ1は、usb.orgで述べられているようなUSB2.0またはUSB3.1などのUSB規格に準拠し得る。
【0017】
コネクタ1は、基板3と、基板3の上面11に取り付けられたインターフェース部材2と、を備え得る。簡単なブロックとして概略的に示されているインターフェース部材2は、(例えば、1つ以上のデータ線による)電子デバイスへのおよび/もしくは電子デバイスからのデータ通信を提供する、ならびに/または(例えば、1つ以上の電力線により)電子デバイスへ電力を提供し、および/もしくは電子デバイスから電力を引き込む、様々なI/O端子を備え得る。様々な実施形態では、インターフェース部材2は、第1の電子デバイスと第2の電子デバイスとの間に機械的接続および電気通信を提供するように、電子デバイスの対応する部分内に取り外し可能に挿入され得る(または受けることできる)。したがって、インターフェース部材2は、電子デバイスに機械的に接続するための好適な機械的接続またはラッチ、ならびに電子デバイスとデータ通信および/または電気通信するためのIO端子を含むことができる。コネクタ1は、ケーブル(例えば、USBケーブル)の終端に形成されることができ、または電子デバイスのうちの1つから(例えば、メモリスティックから)一体化して延びることができる。基板3は、コネクタ1をコネクタが一体化されたケーブル配線または電子デバイスと電気的に接続することができる。
【0018】
図1Bにて示すように、基板3は、1つ以上のパターン化層、例えば、非導電材料6、ならびに非導電材料6で形成され、および/またはその中に埋め込まれた1つ以上の導体(例えば、第1の導体および第2の導体10、15)を含む導電材料を含み得る。いくつかの実施形態では、基板3は、PCB基板などの積層基板を含むことができ、導体10、15は、非導電材料6(FR-4またはFR-5板など)内に埋め込まれてもよい。いくつかの実施形態では、基板3は、可撓性基板を含み得る。他の実施形態では、基板3は、1つ以上の導体で形成されたセラミック非導電材料などの任意の好適な種類の材料を含み得る。第1の導体および第2の導体10、15は、(例えば、インターフェース部材2から第2の電子デバイスへ延びるケーブルにより)インターフェース部材2と第1の電子デバイスとの間で信号を転送するために、金属トレースおよび/または接触パッドとして機
能することができる。
【0019】
図1Aおよび
図1Bにて示すように、コネクタ1は、熱的リセット可能ヒューズ18を備え得る。
図1Aおよび
図1Bのヒューズ18は、第1の金属電極17aと第2の金属電極17bとの間に挟まれたPTC材料4を含み得る。例えば、PTC材料4は、通常動作条件下で導電性であるが、トリップ閾値温度を超えると絶縁状態になる導電性粒子(例えば、カーボンブラック)で充填されたポリマー材料を含み得る。上記で説明されるとおり、ヒューズ18は、温度がリセット閾値を下回るとヒューズ18が導通できるように、ヒステリシス挙動を示すことができる。2つの電極17a、17b、およびPTC材料4は、まとめてヒューズ18を形成し、これは、インターフェース部材2の直下に、かつ水平に重なって配置される。ヒューズ18のPTC材料4とインターフェース部材2との間の熱伝導度が高くなるように、PTC材料4をインターフェース部材2(これは、大型電子デバイスに接続する)にできるだけ近く配置することが重要であり得る。一方、PTC材料4がコネクタ1から離れて配置されると、PTC材料4の温度は、コネクタ1の温度とは著しく異なる場合がある。したがって、
図1A~
図1Bにて示すように、ヒューズ18の少なくとも一部は、基板3に垂直の平面がインターフェース部材2およびPTC材料4の少なくとも一部を貫通するように、インターフェース部材2の直下に配置され得る。いくつかの実施形態では、ヒューズ18の一部のみがインターフェース部材2の直下に配置され、ヒューズ18の別の部分は、インターフェース部材2の外側に横方向に配置される。他の実施形態では、ヒューズ18全体は、インターフェース部材2の直下に配置される。いくつかの実施形態では、ヒューズ18は、基板3より小さい、基板3より大きい、または基板3とほぼ同じサイズであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、ヒューズ18は、ヒューズ18と基板3との間に少なくとも部分的に水平に重なるように、基板3に対して十分な大きさであり得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、ヒューズ18は、ヒューズ18が基板3の上面11にて露出されないように完全に基板3内に埋め込まれてもよい。このような構成では、例えば、ヒューズ18は、非導電材料6の異なる層の間に挟まれ得る。ヒューズ18は、第1の導体10およびインターフェース部材2と電気的に接続され得る。例えば、インターフェース部材2(
図1Bでは破線で概略的に示される)は、基板3の上面11上に露出された第1の導体10の接触パッド8に電気的に接続することができる。例えば、インターフェース部材2は、はんだ、導電性エポキシなどの任意の好適な導電性相互接続部16を用いて接触パッド8に取り付けられ得る。第1の導体10がインターフェース部材2とヒューズ18との間に電気通信を提供するように、第1の導電ビア7aは、非導電材料6を貫通して、ヒューズ18の第1の電極17aを露出することができる。
【0021】
更に、
図1Bにて示すように、第2の導体15は、非導電材料6で形成することができ、第2の導体15がヒューズ18と第2の電子デバイスとの間に電気通信を提供するように、第2のビア7bは、非導電材料6を貫通して、ヒューズ18の第2の電極17bを露出することができる。
図1Bにて示すように、第2の導体15は、基板3の下面12にまたは付近に配置され得る。
【0022】
図1A~
図1Bの実施形態では、第1の導体および第2の導体10、15は、第1の電子デバイスと第2の電子デバイスとの間のコネクタ1を通って電流を供給する電力線の一部を形成することができる。例えば、動作中に、電流は、接触パッド8、第1のビア7a、ヒューズ18の第1の電極17a、ヒューズ18のPTC材料4、ヒューズ18の第2の電極17b、および第2のビア7bを通って、インターフェース部材2と第2の導体15との間を流れることができる。第2の導体15は、第2の電子デバイスへとおよび/または第2の電子デバイスから電流を伝達することができる。インターフェース部材2は、
コネクタ1が接続されることになる第1の電子デバイスへとおよび/または第1の電子デバイスから電流を伝達することができる。
【0023】
インターフェース部材2が過剰な温度および/または電流を経験する場合、第1の導電ビア7aは、PTC素子4を加熱することができる短い熱経路を提供することができる。有利なことに、ヒューズ18の少なくとも一部をインターフェース部材2の直下に近接して配置することにより、PTC材料4の温度は、インターフェース部材2の温度を密接に追跡し、有意な熱を非導電材料6でさえも通って転送することができる。例えば、様々な実施形態では、ヒューズ18は、動作中のインターフェース部材2とPTC素子4との温度の差が5°C~55°Cの範囲内、またはより詳細には、10°C~50°Cの範囲内、例えば、10°C~40°Cの範囲内であるような(例えば、ヒューズ18の上面とインターフェース部材2の下面との間に定義された)距離で、インターフェース部材2の下に離間され得る。いくつかの実施形態では、ヒューズ18は、動作中のインターフェース部材2とPTC素子4との温度の差が5°C~20°Cの範囲内、5°C~15°Cの範囲内、または8°C~12°Cの範囲内であるような距離で、インターフェース部材2の下に離間され得る。いくつかの実施形態では、ヒューズ18は、動作中のインターフェース部材2とPTC素子4との温度の差が40°C~50°Cの範囲内、または43°C~50°Cの範囲内であるような距離で、インターフェース部材2の下に離間され得る。いくつかの実施形態では、PTC素子4は、インターフェース部材2の下に、5mm未満の距離、またはより詳細には、3mm未満の距離、例えば、1mm未満の距離で離間され得る。例えば、PTC素子4は、インターフェース部材2の下に、0.1mm~5mmの範囲内、0.1mm~3mmの範囲内、0.1mm~2mmの範囲内、0.1mm~1mmの範囲内、0.2mm~1mmの範囲内、0.3mm~1mmの範囲内、0.3mm~0.9mmの範囲内、0.4mm~1mmの範囲内、または0.4mm~0.9mmの範囲内の距離で離間され得る。
【0024】
本明細書で説明されるとおり、ヒューズ18は、低抵抗状態および高抵抗状態を有することができ、これにより、ヒューズ18は、インターフェース部材2の温度が所定の温度を超えると、低抵抗状態から高抵抗状態へと移動するように構成されている。インターフェース部材2の所定の温度は、65°C~170°Cの範囲内、65°C~120°Cの範囲内、70°C~100°Cの範囲内、65°C~90°Cの範囲内、65°C~80°Cの範囲内、または68°C~72°Cの範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、インターフェース部材2の所定の温度は、100°C~170°Cの範囲内、110°C~150°Cの範囲内、または115°C~125°Cの範囲内であり得る。ヒューズ18は、非対称ヒステリシス特性を示すことができ、これにより、ヒューズ18は、インターフェース部材2の第2の所定の温度が50°C未満、例えば、40°C未満であるときに、高抵抗状態から低抵抗状態へと移動するように構成することができる。例えば、ヒューズ18は、インターフェース部材2の所定の温度が20°C~50°Cの範囲内、25°C~40°Cの範囲内、または30°C~40°Cの範囲内であるときに、高抵抗状態から低抵抗状態へと移動するように構成することができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、ヒューズ18は、低抵抗状態および高抵抗状態を有することができ、これにより、ヒューズ18は、ヒューズ18の温度が所定の温度を超えると、低抵抗状態から高抵抗状態へと移動するように構成されている。ヒューズ18の所定の温度は、65°C~170°Cの範囲内、65°C~120°Cの範囲内、70°C~100°Cの範囲内、65°C~90°Cの範囲内、65°C~80°Cの範囲内、または68°C~72°Cの範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、インターフェース部材2の所定の温度は、100°C~170°Cの範囲内、110°C~150°Cの範囲内、または115°C~125°Cの範囲内であり得る。ヒューズ18は、ヒューズ18の第2の所定の温度が55°C未満、例えば、50°C未満であるときに、高抵抗状態から低
抵抗状態へと移動するように構成することができる。例えば、ヒューズ18は、ヒューズ18の所定の温度が25°C~55°Cの範囲内、30°C~50°Cの範囲内、または35°C~45°Cの範囲内であるときに、高抵抗状態から低抵抗状態へと移動するように構成することができる。
【0026】
PTC材料4の温度が所定の温度を超えて上昇すると、電流がPTC材料4を通って流れるのを著しく防ぐように、ヒューズ18の抵抗がそれに応じて上昇することがある。故障条件または状態における高抵抗のPTC材料4は、電子デバイスおよび/または周辺デバイスを保護するように機能することができる。過電流または温度過昇故障条件が沈静すると、PTC材料4の温度もまた、沈静する。PTC材料4の温度の低下に応じて、ヒューズ18の抵抗が減少する場合があり、より多くの電流がインターフェース部材2と第2の導体15との間のヒューズ18を通過することができるようになる。
【0027】
単一の電力線のみが示されているが(導体10、15に関して)、様々な実施形態では、例えば、接地線および電力供給線を提供するように追加の電力線を設けてもよい。更に、示されていないが、1つ以上のデータ線は、インターフェース部材2と周辺デバイスとの間でデータを送信するために、基板3内に提供され得る。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上のデータ線は、基板の上面11にまたは付近に提供され得る。したがって、いくつかの構成では、1つ以上のデータ線は、上面11に沿ってまたは付近に提供されてもよく、1つ以上の電力線は、基板3の中に、例えば、上面11のまたは付近の接触パッド8から下面12のまたは付近の第2の導体15へと延び得る。第2の導体15は、下面12にまたは付近に配置されているように示されているが、いくつかの実施形態では、第2の導体15は、基板3内に埋め込まれてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上の絶縁層(FR-4板など)は、第2の導体15の下および上に配置され得る。いくつかの実施形態では、更に、第2の導体15からの電流は、例えば、1つ以上のビア19およびトレース21により、上面11にまたは付近に戻るように経路設定され得る(
図2B参照)。
【0028】
米国特許出願公開第2006/0055501号明細書(「’501公報」)(その全体が参照として本明細書に組み込まれる)は、PCB技術を使用するヒューズ18の形成方法を教示する。このプロセスは、表面取付デバイスを形成するためにヒューズを単一化する’501公報のプロセスの一部を省略することによって、本明細書に教示されている埋込みヒューズ18を形成するために使用することができる。代わりに、ヒューズ18は、PCB材料内に埋め込まれたままであってもよく、基板3の残りの部分は、後述の
図2Aおよび
図2Bにて示すように、信号線および電力線を配線し、かつ表面に取り付けられたデバイスと相互接続するために通常どおり処理され得る。
【0029】
図2Aは、様々な実施形態による、基板3の概略上平面図である。
図2Bは、
図2Aに示される基板3の概略側面断面図である。インターフェース部材2は、
図2A~
図2Bに示されていない。特に明記しない限り、
図2A~
図2Bの参照番号は、
図1A~
図1Bに示された部品と同一または類似の部品を表す。
図2Aは、1つ以上の追加の電気部品20(集積デバイスダイ、能動部品、キャパシタ、抵抗器などの受動部品など)がコネクタ1の基板3上に提供され得ることを示す。電気部品20は、コネクタ1の動作ならびにコネクタ1が周辺デバイスおよび/または電子デバイスとインターフェースする方法を制御するように構成することができる。例えば、様々な種類の集積デバイスダイ(コントローラダイなど)、能動部品、および/または受動部品は、基板3上に提供され得る。いくつかの構成では、様々な抵抗器、キャパシタ、インダクタ、ダイオード、および制御チップは、表面取付デバイスとして基板3上に提供され得る。更に、
図2Bにて示すように、いくつかの実施形態では、1つ以上のビア19は、第2の導体15から基板3の上面のまたは付近のトレース21に電気信号を戻すように経路設定できる。
【0030】
図3は、別の実施形態による、コネクタ1の概略斜視図である。特に明記しない限り、
図3の参照番号は、
図1A~
図2Bに示された部品と同一または類似の部品を表す。例えば、コネクタ1は、基板3に取り付けられたインターフェース部材2を備え得る。しかし、
図1A~
図2Bの実施形態とは異なり、ヒューズ18は、基板3の上面11に取り付けられることがあり、かつインターフェース部材2に対して水平に移動することがある。インターフェース部材2とヒューズ18との間の熱伝導度を高めるために、導電タブ30は、ヒューズ18とインターフェース部材2とを熱的に接続するように設けられ得る。
図3にて示すように、導電タブ30は、基板3の上面の上に設けられ得る。いくつかの実施形態では、導電タブ30は、基板3の上面に接触し得る。他の実施形態では、導電タブ30は、基板3に接触できないが、代わりに、基板3の上面上に垂直にオフセットされ得る。導電タブ30は、ヒューズ18およびインターフェース部材2の一部の周りを覆うことができる。導電タブ30は、ニッケルなどの任意の好適な種類の導体を含むことができる。タブ30は、ヒューズ18の温度がインターフェース部材2の温度を密接に追跡するように、インターフェース部材2とPTC素子4との間に直接熱伝導経路を有利に提供することができる。ヒューズ18の温度がインターフェース部材2の温度にできる限り近くなるように、ヒューズ18は、インターフェース部材2に近接して配置され得る。例えば、ヒューズ18は、0.1mm~0.8mmの範囲内、0.1mm~0.5mmの範囲内、または0.1mm~0.3mmの範囲内、例えば、いくつかの実施形態では、約0.2mm、またはいくつかの実施形態では、約0.6mmの離間距離で、インターフェース部材2から横方向に離間され得る。更に、
図3にて示すように、導電タブ30は、インターフェース部材2、基板3、および/またはヒューズ18の表面に沿うように曲げるかまたは成形することができる。例えば、導電タブ30は、インターフェース部材2の上面に接続することができ、インターフェース部材2の側壁に沿って下方に曲げるかまたは傾斜させることができ、更に、ヒューズ18に接続するために水平に外側に角度を付けることができる。
【0031】
図4は、様々な実施形態による、ケーブル25と結合されたコネクタ1の概略斜視図である。インターフェース部材2は、カプセル化材料26の内側に配置され得る。いくつかの実施形態では、
図4にて示すように、インターフェース部材2の遠心端部は、カプセル化材料26の外側かつそれを超えて遠心に延びることができる。例えば、インターフェース部材2の遠心に延びる部分は、電気的および/または電子的に電子デバイスに接続するための雄コネクタを含むことができる。
【0032】
上記で説明されるとおり、コネクタ1は、上記で説明されるとおり、1つ以上のUSB規格などの任意の好適な規格を準拠するようなサイズおよび構成にすることができる。例えば、コネクタ1は、1つ以上のUSB規格に準拠するような大きさにすることができる。様々な実施形態では、インターフェース部材2の幅wは、5mm~15mmの範囲内、7mm~14mmの範囲内、8mm~13mmの範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、幅wは、6mm~7mmの範囲内、8mm~9mmの範囲内、または11mm~13mmの範囲内であり得る。インターフェース部材2の高さhは、1mm~12mmの範囲内、例えば、4mm~5mmの範囲内、7mm~8mmの範囲内、10mm~11mmの範囲内、1.5mm~3.5mmの範囲内、または2mm~3mmの範囲内であり得る。
【0033】
本発明は、特定の実施形態および実施例に関連して開示されているが、本発明は、具体的に開示された実施形態を超えて、本発明の他の代替的実施形態および/または使用とその明白な修正および等価物に及ぶと、当業者によって理解されるであろう。加えて、本発明のいくつかの変形を詳細に示し、かつ説明してきたが、本発明の範囲内の他の修正は、本開示に基づいて当業者には容易に明らかであるだろう。実施形態の特定の特徴および態
様の様々な組み合わせまたは部分的組み合わせが作られ、かつ依然として本発明の範囲内に入り得ることも考えられる。開示された実施形態の様々な特徴および態様は、開示された発明の様々なモードを形成するために互いに組み合わせるか、または置換され得ると理解すべきである。したがって、本明細書に開示された本発明の範囲は、上述の特定の開示された実施形態によって限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲を公正に読むことによってのみ決定されるべきであることが意図される。