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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-07
(45)【発行日】2023-06-21
(54)【発明の名称】レチクル保持システム
(51)【国際特許分類】
   G03F 1/66 20120101AFI20230608BHJP
   B65D 85/30 20060101ALI20230608BHJP
   G03F 1/62 20120101ALI20230608BHJP
   H01L 21/673 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
G03F1/66
B65D85/30 500
G03F1/62
H01L21/68 T
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020508509
(86)(22)【出願日】2019-10-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-04-15
(86)【国際出願番号】 CN2019113628
(87)【国際公開番号】W WO2020088394
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2020-02-14
【審判番号】
【審判請求日】2022-01-11
(31)【優先権主張番号】62/751,736
(32)【優先日】2018-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506017182
【氏名又は名称】家登精密工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】 GUDENG PRECISION INDUSTRIAL CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 書弘
(72)【発明者】
【氏名】荘 家和
(72)【発明者】
【氏名】邱 銘乾
(72)【発明者】
【氏名】薛 新民
【合議体】
【審判長】山村 浩
【審判官】松川 直樹
【審判官】野村 伸雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-329439(JP,A)
【文献】特表2008-531416(JP,A)
【文献】特開2000-340642(JP,A)
【文献】特開2013-167795(JP,A)
【文献】特開2005-91983(JP,A)
【文献】特開平11-237729(JP,A)
【文献】特開2006-153899(JP,A)
【文献】特開2007-233164(JP,A)
【文献】特開2002-231613(JP,A)
【文献】特開2013-54072(JP,A)
【文献】国際公開第2008/007521(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/102380(WO,A1)
【文献】国際公開第2007/074757(WO,A1)
【文献】国際公開第00/28380(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/027
H01L21/30
H01L21/68
G03F7/20-7/24
G03F9/00-9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の識別構成要素を備えるレチクルを受け入れるように構成された内側ポッドであって、
縁領域に囲まれたレチクル格納領域を有する内側基体であって、前記第一の識別構成要素の観測を可能にするように対応して配置された、前記レチクル格納領域に画定された第一の観測可能区域を有する内側基体と、
前記内側基体の前記周縁領域との係合を確立し、それによって前記レチクルを格納するための内部を画定するように構成された内側カバーと
を含む内側ポッドと、
前記内側基体を受け入れるように構成された外側ポッドであって、
前記内側ポッドを受け入れると、前記内側ポッドの前記第一の観測可能区域と観測可能に位置合わせされる、画定された第二の観測可能区域を有する外側基体と、
前記外側基体と係合し前記内側ポッドを覆うように構成された外側カバーと
を含む外側ポッドと
を含み、
前記内側基体は、前記第一の観測可能区域に封止して埋め込まれた二つの内側光学部材を含み、
前記外側基体は、前記第二の観測可能区域に埋め込まれて、前記二つの内側光学部材と観測可能に位置合わせされた外側光学部材を含み、
前記内側基体は、第三の識別構成要素を含み、前記外側光学部材は、前記第三の識別構成要素の観測を可能にするように配置され、
前記外側光学部材は、長方形の平面形を有し、
前記第三の識別構成要素は、前記外側光学部材の長方形の長辺方向に沿って前記二つの内側光学部材の間に配置され、
記外側光学部材を介して外部から前記第一の識別構成要素および前記第三の識別構成要素の両方を光学的に読み取り可能である、レチクル保持システム。
【請求項2】
前記内側ポッドは、前記第一の識別構成要素に近接して配置されたペリクルを有するレチクルを受け入れるようにさらに構成され、
前記内側基体の第一の観測可能区域は、前記第一の識別構成要素と前記ペリクルの一部との観測を可能にするように対応して配置された、請求項1に記載のレチクル保持システム。
【請求項3】
前記二つの内側光学部材は、前記第一の識別構成要素と前記ペリクルの前記一部との観測をそれぞれ可能にする、請求項2に記載のレチクル保持システム。
【請求項4】
前記内側ポッドは、前記第一の識別構成要素に近接するペリクルとそれらの間に配置されたペリクルフレームとを有するレチクルを受け入れるようにさらに構成され、
前記二つの内側光学部材の一方は、他方より大きな平面面積を提供され、前記ペリクルフレームの一部の観測を可能にするように構成され、
前記内側基体の前記レチクル格納領域は、その断面において前記周縁領域の厚さより小さな厚さを有する段差形を備える、請求項1に記載のレチクル保持システム。
【請求項5】
前記ペリクルフレーム上に第二の識別構成要素が設置され、
より大きな平面面積を有する前記内側光学部材が前記第二の識別構成要素の観測を可能にするように配置される、請求項4に記載のレチクル保持システム。
【請求項6】
前記外側光学部材は、投影的に前記二つの内側光学部材と重なる、請求項1に記載のレチクル保持システム。
【請求項7】
前記外側光学部材の平面面積は、前記二つの内側光学部材の平面面積より大きい、請求項6に記載のレチクル保持システム。
【請求項8】
前記内側基体は、前記第一の観測可能区域の外部に配置された追加の内側光学部材をさらに含み、
前記外側基体は、前記第二の観測可能区域の外部に配置された追加の外側光学部材をさらに含み、
前記外側光学部材および前記追加の外側光学部材は、前記内側光学部材および前記追加の内側光学部材より少ない、請求項1に記載のレチクル保持システム。
【請求項9】
第一の識別構成要素を備えるレチクルを受け入れるように構成された内側ポッドであって、
縁領域に囲まれたレチクル格納領域を有する内側基体であって、前記第一の識別構成要素の観測を可能にするように対応して配置された、前記レチクル格納領域に画定された第一の観測可能区域を有するとともに第三の識別構成要素を含む内側基体と、
前記内側基体の前記周縁領域との係合を確立し、それによって前記レチクルを格納するための内部を画定するように構成された内側カバーと
を含む内側ポッドと、
前記内側基体を受け入れるように構成された外側ポッドであって、
前記内側ポッドを受け入れると、前記内側ポッドの前記第一の観測可能区域と観測可能に位置合わせされる、画定された第二の観測可能区域を有する外側基体と、
前記外側基体と係合し前記内側ポッドを覆うように構成された外側カバーと
を含む外側ポッドと
を含み、
前記外側基体は、前記第二の観測可能区域に埋め込まれて、前記第一の観測可能区域と観測可能に位置合わせされた外側光学部材を含み、
前記外側基体は、実質的に平面且つ長方形を有し、
前記外側光学部材は、実質的に平面且つ長方形を有し、
前記外側光学部材の幾何学的中心から前記外側基体の前記長方形の長辺に平行な対称軸までの距離は、前記外側基体の前記長方形の何れか1辺の長さの30%より短く、
記外側光学部材を介して外部から前記第一の識別構成要素および前記第三の識別構成要素の両方を光学的に読み取り可能である、レチクル保持システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の記載
本出願は、ここで参照によって本明細書に取り込まれ、本明細書の一部となる2018年10月29日出願の米国特許仮出願第62/751736号の優先権を主張する。
本開示は、フォトマスク、レチクル(reticle)およびウエハなどの脆弱な物体の貯蔵、輸送、配送および加工のための容器に関し、特に、レチクルの貯蔵、輸送、配送および加工のための保持システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体産業において、潜在的な環境危険からの保護レベルの増加を求める要求を満たすために、フォトマスク保持装置(またはレチクル保持装置)はその積荷の精度要件の高まりとともに進化している。
【0003】
たとえば、より新しい世代のレチクル保持装置は、時にレチクルを受け入れるための内側ポッドと内側ポッドを格納するための外側ポッドとを含むデュアルポッド構成を提供される。供給時、レチクルは内側ポッドの内部に梱包することができる。リソグラフィープロセスを実行するために外側ポッドが開かれて外側ポッドからの内側ポッドの取り出しを可能にすることができる。内側ポッドは、次に、露光装置の内部の指定された位置に到達したら、中身のレチクルを用いる後続の露光プロセスのために開けることができる。
【0004】
記載される本開示の特徴、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な記載を詳細に理解することができる方法は、添付の図面中に一部が例示される実施形態への参照によって得ることができる。ただし、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態だけを例示し、したがって、その範囲の限定とみなすべきでない点に留意するべきである。なぜならば、本開示は、他の等しく効果的な実施形態に通じ得るからである。
【0005】
ただし、添付の図面は、本開示の例となる実施形態だけを例示し、したがってその範囲の限定とみなされるべきでない点に留意するべきである。なぜならば、本開示は、他の等しく効果的な実施形態に通じ得るからである。
【0006】
これらの図は、特定の例としての実施形態において利用される方法、構造および/または材料の一般的な特性を例示することと、下記に提供される文の記載を補うこととを意図する点に留意するべきである。ただし、これらの図面は一定のスケールではなく、いかなる所定の実施形態の正確な構造特性または性能特性も正確に反映することはできず、例としての実施形態によって包含される値または特性の範囲を定めるかまたは限定すると解釈するべきでない。たとえば、層、領域および/または構造要素の相対的な厚さおよび配置は、分かりやすさを目的として縮小または誇張されることがある。さまざまな図面における類似のまたは同一の参照番号の使用は、類似のまたは同一の要素または特徴物の存在を示すことを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示のいくつかの実施形態によるレチクル保持システムの概略断面図を例示する。
図2】本開示のある実施形態によるレチクル保持システムの概略平面図を例示する。
図3】本開示のある実施形態によるレチクル保持システムの等角分解図を例示する。
図4】本開示のいくつかの実施形態によるレチクル保持システムの断面図を例示する。
図5】本開示のいくつかの実施形態によるレチクル保持システムの部分断面図を例示する。
図6】本開示のいくつかの実施形態によるレチクル保持システムの平面図を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、次に、本開示の例となる実施形態が示される添付の図面を参照して、以下にさらに詳しく記載される。ただし、本開示は多数のさまざまな形で具体化することができ、本明細書に示される例となる実施形態に限定されると解釈するべきでない。それよりも、これら例となる実施形態は、本開示が欠落なく完全であり、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。全体を通じて同じような参照番号は同じような要素を指す。
【0009】
本明細書において用いられる用語法は、特定の例となる実施形態だけを記載することを目的とし、本開示の限定となることを意図しない。本明細書において用いられる単数形「a」、「an」および「the」は、状況によって明らかに異ならない限り、複数形も含むことが意図される。語「を含む(comprises)」および/または「を含んでいる(comprising)」または「を備える(includes)」および/または「を備えている(including)」または「を有する(has)」および/または「を有している(having)」は、本明細書において用いられるとき、言及される特徴物、領域、整数、ステップ、操作、要素および/または成分の存在を指定するが、一つ以上の他の特徴物、領域、整数、ステップ、操作、要素、成分および/またはそれらの群の存在または追加を排除しないとさらに理解される。
【0010】
特に別の定義がされない限り、本明細書において用いられるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本開示が属する技術分野における当業者によって共通に理解されると同じ意味を有する。用語、たとえば普通に用いられる辞書中で定義される用語は、関連分野および本開示の状況におけるその意味と矛盾しない意味を有すると解釈するべきであり、本明細書において明示的にそのように定義されていない限り、理想化された形または過剰に形式的な意味で解釈されないとさらに理解される。
【0011】
記載は、図1から6の添付図面と併せて例となる実施形態に関して行われる。本開示を詳細に記載するために図面の描画物への参照が行われ、図示される要素は必ずしも一定のスケールで示されず、同じようなまたは類似の要素は、いくつかの図を通じて同じまたは類似の参照番号および同じまたは類似の用語法によって指定される。
【0012】
図1は、本開示のいくつかの実施形態によるレチクル保持システムの概略断面図を例示する。例示の簡単さと分かりやすさとを目的として、典型的な装置のいくつかの詳細/副次的な構成部品は、本図において明示的に標示/図示されない。
【0013】
図1を参照すると、例となるレチクル保持システム100は、外側ポッド1と外側ポッド1によって受け入れるように構成された内側ポッド2とを含む。内側ポッド2は、レチクルを受け入れるように構成される。例示の実施形態において、内側ポッド2は、レチクル格納領域22aを画定する内側基体22を備える。レチクル格納領域22aは、周縁領域22bによって囲まれる。内側ポッド2は、内側基体22の周縁領域22bとの係合を確立してレチクルRを格納するために閉じると協同して内部体積を形成するように構成された内側カバー21をさらに備える。その繊細かつ脆弱な内容物に行き届いた保護を提供するために、いくつかの実施形態において、内側カバー21および内側基体22に電磁干渉(EMI)遮蔽性が提供される。EMI遮蔽能力を提供するための適当な材料は、金属などの導電性を備えることがある。いくつかの実施形態において、内側ポッド2の表面上に金属コーティング(銅または金など)が提供されることがある。いくつかの実施形態において、内側カバー21と内側基体22との両方が金属材料、たとえばアルミニウムで作られる。
【0014】
図1に示されるように、例となる外側ポッド1は、内側ポッド2を収容するように構成される。例示の実施形態において、外側ポッド1は、内側基体22を受け入れるように構成された外側基体12と、外側基体12と係合する(および内側ポッド2を覆う)ように構成された外側カバー11とを含む。外側基体12は静電荷散逸性を提供されることがある。いくつかの実施形態において、外側ポッド1は、導電性繊維と混合されたポリマー材料から構築されることがある。たとえば、いくつかの実施形態において、外側カバー11と外側基体12との一方または両方が炭素繊維を埋め込んだ樹脂材料から作られる。
【0015】
いくつかの実施形態において、内側カバー21は、内側基体22の周縁領域22bとの封止係合を確立するように構成される。いくつかの実施形態において、内側カバー21は、外側基体12と外側カバー11との間が閉じると外側カバー11からの圧力によって内側基体22との押圧係合を確立するように構成されることがある。いくつかの実施形態において、実質的に平面の金属-金属界面によって内側カバー21と内側基体22との間の押圧係合が形成されることがある。一般に、この押圧係合は、塵埃および湿気が内側ポッド2の上部部材と下部部材との間の接触界面を通って内部体積に進入することを防ぐ封止係合を確立する。いくつかの実施形態において、環境汚染を阻止する能力をさらに強化するために、内側カバー21と内側基体21との一方または両方に、それぞれの係合界面領域において追加の封止要素(たとえば気密ガスケットまたはO-リング)が提供されることがある。
【0016】
図1に示されるように、例となるシステムは、レチクルRの観測を可能にするために、内側基体22のレチクル格納領域22aに画定された第一の観測可能区域Z11を有する。例示の実施形態において、内側基体22は、第一の観測可能区域Z11に提供された内側光学部材221を備える。いくつかの実施形態において、内側光学部材221は、赤外光、可視光または紫外線に対する信号透過材料で作られることがある。内側光学部材221の適当な材料は、ガラス(たとえば石英ガラス)、アクリル、透明プラスチックまたは同等な材料を含むことがある。例示の実施形態において、内側光学部材221は、内側基体22(レチクル格納領域22aに)に埋め込まれて配置された石英ガラス片を含むことがある。
【0017】
本実施形態において、第一の観測可能区域Z11は、レチクルR(概略例示中に明示的に示されてはいない)を受け入れるとレチクルRの第一の識別構成要素(例えば一次元または二次元バーコード)の観測を可能にするように、対応して設計される。いくつかの実施形態において、レチクルRの第一の識別構成要素は、第一の観測可能区域Z11の窓に面する面に形成される。
【0018】
外側基体12は、その上に画定された第2の観測可能区域Z12を有する。第2の観測可能区域Z12は、内側ポッド1の第一の観測可能区域Z11と観測可能に位置合わせされるように配置される。したがって、レチクル保持システム100に保持されたレチクルRの光確認(レチクルRの状態および第一の識別など)は、第二の観測可能区域Z12と第一の観測可能区域Z11とを通る光走査によって実現されることがある。よって、半導体製造プロセスの間のポッド開放の頻度は減少させることができ、それが今度は潜在的に危険な環境因子への繊細な精密ワークピースの曝露を最小限にする。
【0019】
例示の実施形態において、外側基体12は、第二の観測可能区域Z12に埋め込まれて配置された外側光学部材121を有する。いくつかの実施形態において、外側光学部材121は、赤外光、可視光または紫外線に対する信号透過材料で作られることがある。外側光学部材121の適当な材料は、ガラス(たとえば石英ガラス)、アクリル、透明プラスチックまたは同等な材料を含むことがある。いくつかの実施形態において、外側光学部材121の透過率値は、上述のスペクトル範囲の一つ以上における光学信号に対して80%より大きい。特定の利用要件に依存して、いくつかの実施形態において、光学部材(たとえば外側光学部材および/または内側光学部材)は、凹/凸表面を含むことがある。
【0020】
いくつかの実施形態において、内側光学部材221は、600nmから950nmの間の範囲の波長に対して外側光学部材121より低い反射率値を有する。いくつかの実施形態において、この光学部材のための対応する波長範囲は、約630nmから930nmの範囲にあることがある。いくつかの実施形態において、上述の波長範囲に対する外側光学部材121の反射率値は、15%より小さいことがある。いくつかの実施形態において、上述の波長範囲に対する内側光学部材221の反射率値は、0.5%より小さいことがある。いくつかの実施形態において、内側光学部材221は、反射防止コーティングをさらに提供されることがある。いくつかの実施形態において、内側光学部材221は、EMI遮蔽性を有する層をさらに提供されることがある。
【0021】
いくつかの実施形態において、内側光学部材221は、第一の観測可能区域Z11に封止して配置されることがある。たとえば、内側光学部材221の構造は、光学的に透過性の部材の周りの封止部材(たとえばO-リング)を含むことがある。一般に、内側光学部材221の構造は、塵埃および湿気が光学部材と内側基体との間の構造界面を通って内部体積に進入することを十分に防ぐことができる封止閉じ込めを提供する。いくつかの実施形態において、光学部材221は、気密レベルの封止を実現するように構築されることがある。
【0022】
塵埃抵抗および/または塵埃防御の要件が厳格であるいくつかの実施形態において、外側基体12の第二の観測可能区域Z12中の外側光学部材121は、類似の封止機構を提供されることがある。しかし、内側封止だけで十分である用途において、外側光学部材121は、構造的な複雑さ、重量およびコスト懸念の低減を目的として、封止機構を利用しないで構築されることがある。
【0023】
図2は、本開示のいくつかの実施形態によるレチクル保持システムの平面図を例示する。例示の簡単さと分かりやすさとを目的として、例となる装置のいくつかの詳細/副次的構成部品は、本図において明示的に標示/図示されない。たとえば、内側カバーおよび外側カバーは示されない。
【0024】
例示の実施形態において、レチクルR、内側基体22および外側基体12は、平面図において実質的に平面の長方形を有する。本図に示されるように、例となる内側基体22のレチクル格納領域22aは、一般にその幾何学的中心に形成される。
【0025】
図3は、本開示のある実施形態によるレチクル保持システムの等角分解図を例示する。例示の簡単さと分かりやすさとを目的として、例となる装置のいくつかの詳細/副次的構成部品は、本図において明示的に標示されない。
【0026】
例となるレチクル保持装置300は、外側ポッド31とその中に設置されるように構成された内側ポッド32とを含む。内側ポッド32は、レチクルを受け入れるように構成される。内側ポッド32は、内側基体322と内側カバー321とを備える。内側基体322は、周縁領域322bによって囲まれたレチクル格納領域322aを画定する。内側カバー321は、内側基体322の周縁領域322bとの係合を確立して、レチクルRを格納するために閉じられると協同して内部体積を画定するように構成される。
【0027】
外側ポッド31は、内側ポッド32を収容するように構成される。例示の実施形態において、外側ポッド31は、内側基体322を受け入れるように構成された外側基体312と、外側基体312と係合し内側ポッド32を覆うように構成された外側カバー311とを含む。
【0028】
いくつかの実施形態において、内側カバー321は、内側基体322の周縁領域322bとの封止係合を確立するように構成されることがある。たとえば、内側カバー321は、外側基体312と外側カバー311との間が係合されると外側カバー311によって押圧されように構成されることがある。
【0029】
いくつかの実施形態において、内側カバー321および内側基体322は、電磁干渉(EMI)遮蔽性を提供され、それによってレチクルRへの悪影響を軽減することがある。いくつかの実施形態において、内側カバー321および内側基体322の適当な材料および構造は、これまでの実施形態において記載されたものと同等のことがある。例示される実施形態において、内側カバー321と内側基体322との両方は、たとえばコンピュータ数値制御(CNC)機械加工技法を用いてアルミニウムで作られる。
【0030】
本図に示されるように、レチクルRの観測を可能にするために、内側基体322のレチクル格納領域322aに第一の観測可能区域Z31が画定される。例示の実施形態において、内側基体322は、第一の観測可能区域Z31に埋め込まれた二つの内側光学部材3221、3222を備える。
【0031】
例示の実施形態において、内側基体322は、その底側において第三の識別構成要素Iを含む。いくつかの実施形態において、第三の識別構成要素Iは、急速応答コード(QR(Quick Response)コード)などの二次元バーコードを備えることがある。いくつかの実施形態において、第三の識別構成要素Iは、外側ポッド31に対する内側ポッド32の配向を示すための視覚グラフィック構成要素のことがある。たとえば、第三の識別構成要素Iは、非対称パターンを備えることある。
【0032】
外側基体312は、内側ポッド31を受け入れると内側ポッド31の第一の観測可能区域Z31と観測可能に位置合わせされる、その上に画定された第二の観測可能区域Z32を有する。したがって、レチクル保持システム300に保持されているレチクルRの情報(レチクルRの条件または状態およびその第一の識別Iなど)に関する確認は、単に第二の観測可能区域Z32および第一の観測可能区域Z31を通して走査することによって実現され、それによって外側ポッド32を開けなければならない回数を減らすことがある。内側ポッド32の配向を識別するために、外側光学部材3121を通して内側ポッド32の第三の識別構成要素Iを走査するためにスキャナS(図4に示される)が提供されることがある。配向を微調整するためにその後の調整が行われることある。
【0033】
例示の実施形態において、外側基体312は、第二の観測可能区域Z32に埋め込まれた外側光学部材3121を有する。いくつかの実施形態において、外側光学部材3121は、赤外光、可視光または紫外線に対して光学的に透過性の材料で作られることがある。いくつかの実施形態において、外側光学部材3121の透過率値は、80%より大きい。外側光学部材121の適当な材料は、これまでの実施形態において記載された外側光学部材のものと同等のことがある。
【0034】
いくつかの実施形態において、内側光学部材3221は、600nmから950nmの間の範囲の波長に対して外側光学部材3121より低い反射率値を有する。いくつかの実施形態において、この光学部材のための対応する波長範囲は、約630nmから930nmの範囲のことがある。いくつかの実施形態において、対応する波長範囲に対する外側光学部材3121の反射率値は、約15%より小さいことがある。いくつかの実施形態において、対応する波長範囲に対する内側光学部材3221の反射率値は、約0.5%より小さいことがある。いくつかの実施形態において、内側光学部材3221は、反射防止コーティングをさらに提供されることがある。反射防止コーティングは、内側光学部材3221の低い反射率値に起因すると考えられることがある。
【0035】
いくつかの実施形態において、二つの内側光学部材3221、3222は、第一の観測可能区域Z31に封止して配置されることがある。いくつかの実施形態において、二つの内側光学部材3221、3222は、赤外光、可視光または紫外線に対して光学的に透過性の材料で作られることがある。いくつかの実施形態において、二つの内側光学部材3221、3222の適当な材料は、これまでの実施形態において記載されたものと同等のことがある。いくつかの実施形態において、外側光学部材3121は、第二の観測可能区域Z32に封止して配置されることがある。
【0036】
図4および5は、本開示のいくつかの実施形態によるレチクル保持システムの断面図および部分断面図をそれぞれ例示する。例示の簡単さと分かりやすさとを目的として、例となる装置のいくつかの詳細/副次的構成部品は、本図において明示的に標示されない。いくつかの実施形態において、図5は、図4に示された点線のボックスD中で描かれた部分断面図のことがある。
【0037】
図4は、内側基体422上でレチクル格納領域422aに受け入れられたレチクルRを示す。内側基体422の周縁領域422bが内側カバー421と押圧係合していることが示される。
【0038】
例示の実施形態において、レチクルRは、第一の識別構成要素I(たとえば二次元バーコード)、第一の識別構成要素Iに近接して配置されたペリクル(pellicle)Pとそれらの間に配置されたペリクルフレームPFとを備える。ペリクルフレームPF上に第二の識別構成要素I図5に示される)が配置される。外側光学部材4121を通して第一の識別構成要素Iを読み取るためにスキャナSが提供されることがある。外側光学部材4121および内側光学部材4221を通してペリクルPおよびペリクルフレームPFの一部が観測/検査(たとえば干渉計によって)されることがある。
【0039】
図5を参照すると、例示の実施形態において、第一の観測可能区域Z51の配置は、レチクルRを受け入れるとレチクルRの第一の識別構成要素I、ペリクルフレームPFの第二の識別構成要素I、ペリクルPの一部、およびペリクルフレームPFの一部の観測が可能になるように対応して設計される。
【0040】
内側基体522のレチクル格納領域522aは、その断面において、周縁領域522bの厚さT522bより小さな厚さT522aを有する段差形522sを備える。例示の実施形態において、レチクルRの周縁部は、段差形522sの上に支持され、一方ペリクルPおよびペリクルフレームPFは、段差形522sによって投影的に囲まれて配置される。いくつかの実施形態において、段差形522sは、外側光学部材5121と投影的に重なることがある。
【0041】
いくつかの実施形態において、レチクルRの状態(たとえばレチクルRの存在、そのシリアル番号、その配向)は、レチクル保持システムを開ける必要なく、外側光学部材5121と内側光学部材(たとえば本断面図から見ることができる部材5221)とを通してスキャナSで確認されることがある。また、内側ポッドの続き番号および状態を特定するために522の第三の識別構成要素Iが走査されることがある。
【0042】
図6は、本開示のいくつかの実施形態によるレチクル保持システムの平面図を例示する。例示の簡単さと分かりやすさとを目的として、例となる装置のいくつかの詳細/副次的な構成部品は、本図において明示的に標示/図示されない。たとえば、図6において内側カバーおよび外側カバーは示されない。
【0043】
例示の実施形態において、二つの内側光学部材6221、6222の一方が他方より大きな平面面積を提供される。たとえば、例示の平面図から、内側光学部材6221は、内側光学部材6222より大きな面積を有する。
【0044】
例示の実施形態において、内側光学部材6221は、ペリクルPと、ペリクルフレームPFの第二の識別構成要素Iと、ペリクルフレームPFの一部とへの同時光学アクセスを可能にするために、より大きな平面面積で設計される。他方、第一の識別構成要素Iの観測を可能にするために、内側光学部材6222は、より小さな平面面積を提供される。一方、外側光学部材6121は、二つの内側光学部材6221、6222と観測可能に位置合わせされ、それによってペリクルPと、ペリクルフレームPFの第二の識別構成要素IとペリクルフレームPFの一部との、ならびにそれらを通して第一の識別構成要素Iの観測を可能にする。
【0045】
例示の実施形態において、外側光学部材6121は、第三の識別構成要素Iの観測を可能にするように構成される。したがって、レチクルR、ペリクルP、ペリクルフレームPFおよび識別構成要素I、I、Iの状態などの情報に関する確認は、外側光学部材6121を通して観測することによって実現され、それによって外側ポッドを開けなければならない回数を減らすことがある。
【0046】
いくつかの実施形態において、外側光学部材は、これらの内側光学部材の対と投影的に重なることがある。例示の実施形態において、二つの内側光学部材6221、6222は、全体が外側光学部材6121と重なる(たとえば投影的に覆われる)ように構成される。そのような実施形態において、外側光学部材の平面面積は、二つの内側光学部材のもの以上である。たとえば、例示の平面図において、外側光学部材6121の平面面積は、二つの内側光学部材6221、6222のものより大きい。いくつかの実施形態において、二つの内側光学部材のいくつかの部分が外側光学部材と重ならないことがある。そのような実施形態において、外側光学部材の平面面積は、二つの内側光学部材のものより小さいことがある。
【0047】
例示の実施形態において、内側光学部材6221、6222は、第三の識別構成要素Iの近くに配置される。そのような配置は、重なる外側光学部材6121の平面面積を減らし、従って、外側基体612の構造強度を強化する。いくつかの実施形態において、内側光学部材と第三の識別構成要素とは、互いから離れて配置されることがある。そのような実施形態において、外側基体612は、位置が第三の識別構成要素Iおよび内側光学部材6221、6222に対応する追加の外側光学部材(図示せず)を有することがある。
【0048】
いくつかの実施形態において、外側基体の底全体が第二の観測区域として作用するように設計されることがある。たとえば、外側基体の底全体を外側光学部材が占めることがある。
【0049】
例示の平面図において、外側光学部材6121は、実質的に長方形の平面形を有する。第三の識別構成要素Iは、外側光学部材6121の長方形の長さ方向Dに沿って二つの内側光学部材6221、6222の間に配置される。いくつかの実施形態において、内側光学部材6221、6222および外側光学部材6121の平面形は、一つ以上の丸くなった部分を備えることがある。
【0050】
光学部材(たとえば光学部材6121)の配置位置、材料および平面形は、さまざまな因子、たとえば装置構成部品の重量分布、構造一体性および全重量限界を考慮することがある。本実施形態に示されるように、外側光学部材6121は、外側基体622の幾何学的中心の方に配置される。たとえば、外側光学部材6121の幾何学的中心は、一般に、x方向とy方向との両方で外側基体622の中心からその外縁までの半分の距離の範囲内に配置される。そのようなレイアウト配置は、その構造一体性を維持しながら外側基体622のより良い全体的なバランスを保持する助けとなることがある。さらに、そのような配置位置は、基部材料(たとえば外側基体622)の周縁領域を他の機能構成部品、たとえば封止機構およびラッチ機構のために取っておく助けとなることがある。
【0051】
例示の実施形態において、外側光学部材6121の幾何学的中心6121cから外側基体612の対称軸Aまでの距離Dは、外側基体612の長方形の長さLの30%より短い。いくつかの実施形態において、距離Dは、外側基体612の長方形の幅Wの30%より短いことがある。いくつかの実施形態において、距離Dは76mm前後のことがあり、長さLは270mm前後のことがあり、幅Wは260mm前後のことがある。
【0052】
いくつかの実施形態において、幾何学的中心6121cから外側基体612の対称軸Aまでの距離は、外側基体612の長方形の長さLおよび/または幅Wの30%より短い。
【0053】
さらに、光学部材(たとえば光学部材6121)の配置位置は、基部材料(たとえば外側基体622)の中心領域を他の機能構成部品、たとえば支持機構のために取っておく助けとなることがある。本実施形態に示されるように、外側光学部材6121は、突き出て外側基体622の幾何学的中心をずらす。
【0054】
例示の実施形態において、外側光学部材6121の幾何学的中心6121cから外側基体612の対称軸Aまでの距離Dは、外側基体612の長方形の長さLおよび/または幅Wの10%より長い。いくつかの実施形態において、幾何学的中心6121cから対称軸Aまでの距離は、長さLおよび/または幅Wの10%より長い。いくつかの実施形態において、幾何学的中心6121cは、外側基体612の中心領域に配置されることがある。
【0055】
例示の実施形態において、内側基体622は、第一の観測可能区域Z31の外部に配置された追加の内側光学部材(例えば光学ポート62a)をさらに含む。同様に、外側基体に、内側ポッドの追加の光学ポート62aに対応して配置された追加の外側光学部材がさらに提供されることがある。たとえば、追加の内側光学部材62aと観測可能に位置合わせされ、追加の外側光学部材が対応して構成されることがある。いくつかの実施形態において、外側光学部材(たとえば光学ポート6121)の数は、内側光学部材(たとえばポート6121、6122、62a)の数より少ない。
【0056】
よって、本開示の一側面は、内側ポッドと外側ポッドとを含むレチクル保持装置を提供する。内側ポッドは、第一の識別構成要素を備えるレチクルを受け入れるように構成される。内側ポッドは、一般にその幾何学的中心にあって周縁領域によって囲まれたレチクル格納領域を有する内側基体と、内側基体の周縁領域との係合を確立し、それによってレチクルを格納するための内部を画定するように構成された内側カバーとを含む。内側基体は、第一の識別構成要素の観測を可能にするために対応して配置されたレチクル格納領域に画定された第一の観測可能区域を有する。外側ポッドは、内側基体を受け入れるように構成される。外側ポッドは、内側ポッドを受け入れると内側ポッドの第一の観測可能区域と観測可能に位置合わせされる、その上に画定された第二の観測可能区域を有する外側基体と、外側基体と係合し内側ポッドを覆うように構成された外側カバーとを含む。
【0057】
本開示のいくつかの実施形態において、内側ポッドは、第一の識別構成要素に近接して配置されたペリクルを有するレチクルを受け入れるようにさらに構成される。内側基体の第一の観測可能区域は、第一の識別構成要素とペリクルの一部との観測を可能にするように対応して配置される。
【0058】
本開示のいくつかの実施形態において、内側基体は、第一の識別構成要素とペリクルの一部との観測をそれぞれ可能にするように第一の観測可能区域に封止して埋め込まれた二つの内側光学部材を含む。外側基体は、第二の観測区域に埋め込まれ、二つの内側光学部材と観測可能に位置合わせされた外側光学部材を含む。
【0059】
本開示のいくつかの実施形態において、二つの内側光学部材の一方が他方より大きな平面面積を提供される。
【0060】
本開示のいくつかの実施形態において、内側ポッドは、第一の識別構成要素に近接したペリクルとそれらの間に配置されたペリクルフレームとを有するレチクルを受け入れるようにさらに構成される。より大きな平面面積を有する内側光学部材がペリクルフレームの一部の観測を可能にするように構成される。
【0061】
本開示のいくつかの実施形態において、ペリクルフレームの上に第二の識別構成要素(I)が設置される。より大きな平面面積を有する内側光学部材が第二の識別構成要素の観測を可能にするように構成される。
【0062】
本開示のいくつかの実施形態において、内側基体は、第三の識別構成要素を含む。外側光学部材は、第三の識別構成要素の観測を可能にするように構成される。
【0063】
本開示のいくつかの実施形態において、外側光学部材は、長方形の平面を有する。第三の識別構成要素は、外側光学部材の長方形の長さ方向に沿って、二つの内側光学部材の間に配置される。
【0064】
本開示のいくつかの実施形態において、外側光学部材は、突き出て二つの内側光学部材と重なる。
【0065】
本開示のいくつかの実施形態において、外側光学部材の平面面積は、二つの内側光学部材のものより大きい。
【0066】
本開示のいくつかの実施形態において、内側基体は、第一の観測可能区域の外部に配置された追加の内側光学部材をさらに含む。外側基体は、第二の観測可能区域の外部に配置された追加の外側光学部材をさらに含む。外側光学部材は、内側光学部材より少ない。
【0067】
本開示のいくつかの実施形態において、内側基体のレチクル格納領域は、その断面において周縁領域のものより小さな厚さを有するステップを備える。
【0068】
本開示のいくつかの実施形態において、内側基体は、電磁干渉(EMI)遮蔽性を含む。
【0069】
本開示のいくつかの実施形態において、外側基体は、実質的に平面の長方形を有する。外側光学部材は、実質的に平面の長方形を有する。外側光学部材の幾何学的中心から外側基体の対称軸までの距離は、外側基体の長方形の長さの30%より短い。
【0070】
本開示のいくつかの実施形態において、内側光学部材は、600nmから950nmの間の範囲の波長に対して外側光学部材より低い反射率値を有する。
【0071】
本開示のいくつかの実施形態において、外側光学部材の反射率値は、15%より小さい。内側光学部材の反射率値は、0.5%より小さい。
【0072】
本開示のいくつかの実施形態において、外側光学部材の透過率値は、80%より大きい。
【0073】
よって、本開示の別の側面は、内側ポッドと外側ポッドとを含むレチクル保持装置を提供する。内側ポッドは、ペリクルに近接して配置された第一の識別構成要素を備えるレチクルを受け入れるように構成される。内側ポッドは、一般にその幾何学的中心にあり周縁領域(322b)によって囲まれたレチクル格納領域を画定する内側基体と、内側基体の周縁領域との封止係合を確立し、それによってレチクルを格納するための内部を画定するように構成された内側カバーとを含む。内側基体は、第一の識別構成要素とレチクルのペリクルの一部との同時観測を可能にするようにレチクル格納領域に封止して配置された二つの内側光学部材を備える。外側ポッドは、内側基体を受け入れるように構成される。外側ポッドは、内側ポッドを受け入れると内側ポッドの二つの内側光学部材と観測可能に位置合わせされる外側光学部材を備える外側基体と、内側ポッドと係合し覆うように構成される外側カバーとを含む。
【0074】
本開示のいくつかの実施形態において、内側ポッドは、ペリクルに近接して配置された第一の識別構成要素とそれらの間に配置されたペリクルフレームとを備えるレチクルを受け入れるようにさらに構成される。内側光学部材の一方が他方より大きな平面面積を提供され、ペリクルの一部とペリクルフレームの一部との観測を可能にするように配置される。
【0075】
本開示のいくつかの実施形態において、ペリクルフレームの上に第二の識別構成要素が配置される。より大きな平面面積を有する内側光学部材が第二の識別構成要素の観測を可能にするように配置される。
【0076】
本開示のいくつかの実施形態において、内側基体は、第三の識別構成要素をさらに含む。外側光学部材は、平面の長方形を有し、第三の識別構成要素の観測を可能にするように配置される。第三の識別構成要素は、外側光学部材の長方形の長さ方向に沿って二つの内側光学部材の間に配置される。
【0077】
上記に示され記載された実施形態は、例に過ぎない。放射線測定パネルおよび装置の他の構成要素などの分野において、多くの場合に多くの詳細が見いだされる。したがって、多くのそのような詳細が示されず、記載もされない。ここまでの明細書中に本技術の多数の特性および利点が構造および機能の詳細と共に規定されてきたが、本開示は例示にすぎず、請求項中で用いられる用語の広義の一般的な意味によって確立される限度一杯まで、および限度一杯を含めて、原理の範囲内で、特に部品の形状、サイズおよび配置の問題において細部で変更が行われることがある。したがって、上述の実施形態は、請求項の範囲内で改変することができると理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6