(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-07
(45)【発行日】2023-06-15
(54)【発明の名称】自動車のフロントエンドモジュール用の気流調整用の装置
(51)【国際特許分類】
B60K 11/04 20060101AFI20230608BHJP
B60K 11/08 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
B60K11/04 J
B60K11/08
(21)【出願番号】P 2020517501
(86)(22)【出願日】2018-09-18
(86)【国際出願番号】 FR2018052279
(87)【国際公開番号】W WO2019063910
(87)【国際公開日】2019-04-04
【審査請求日】2021-09-08
(32)【優先日】2017-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】505113632
【氏名又は名称】ヴァレオ システム テルミク
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック、バッカ
(72)【発明者】
【氏名】シモン、ティエルス
(72)【発明者】
【氏名】カリム、アラブ
(72)【発明者】
【氏名】ソフィ、ベド
【審査官】宇佐美 琴
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-224153(JP,A)
【文献】特開2010-173534(JP,A)
【文献】特開平10-100818(JP,A)
【文献】特開2001-180300(JP,A)
【文献】仏国特許出願公開第02972392(FR,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0038396(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0019025(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 11/00-11/08
B60R 19/52
B62D 35/00-35/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用のフロントエンドモジュール用の吸気口用の気流調整装置(24)であって、
支持フレーム(26)と、
前記支持フレームに可動に取り付けられた複数の遮断フラップ(2)であって、前記フラップの少なくとも一つは、
前記フラップの全開状態における前縁(6)と後縁(10)とを備え、これらの縁の一つは、前記支持フレーム(26)に当接するように配置されている、遮断フラップ(2)と、を備え、
前記支持フレーム(26)は、この支持フレームと前記フレームに当接するようになっている前記フラップとの間の空気の流れに乱れを生じさせるように構成された障害物(40)を備
え、
前記フラップの各々は、前記前縁(6)と前記後縁(10)とを有するパネル(4)を備え、
前記後縁(10)は、空気の流れの乱れを生じさせるように構成された少なくとも2つの障害物(18)を備え、
前記前縁(6)は、空気の流れの乱れを生じさせるように構成された少なくとも1つの障害物(18)であって、前記後縁(10)の前記障害物(18)が位置する面の反対側の前記フラップの面に位置する少なくとも1つの障害物(18)を備え、
前記後縁(10)の前記障害物(18)は、前記フラップの幅方向に延在する少なくとも2つのリブ(22)であって、2つの前記リブ(22)の間に溝を画定するように間隔をあけて配置された少なくとも2つのリブ(22)を含み、
前記前縁(6)の前記障害物(18)は、前記フラップの幅方向に延在する少なくとも1つのリブ(22)を含み、
前記フラップの閉状態において、前記前縁(6)の前記リブ(22)は、前記後縁(10)の2つの前記リブ(22)によって画定される前記溝内に位置する、気流調整装置。
【請求項2】
前記障害物(40)は、前記フラップが前記フレームに当接しているときに、前記フラップと接触するように配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記障害物(40)は、前記フレームの平面
から突出する突起(41)を備える、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記障害物(40)は、前記フレームのクロスメンバー上に延在する、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記障害物は、前記クロスメンバー(42)の全長の一部分のみに延在する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記支持フレーム(26)は、この支持フレームと前記フレームに当接するようになっている前記フラップとの間の空気の流れに乱れを生じさせるように構成された複数の障害物を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記障害物は、前記支持フレームのクロスメンバー上に
、一定間隔で分布している、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記フラップの前記障害物(18)は、前記フラップが前記支持フレームに当接しているときに、前記フレーム上の前記障害物(40)と接触するように配置されている、請求項
1から7のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、自動車用のフロントエンドモジュール用の気流調整装置用の遮断フラップである。本発明はまた、アクティブグリルシャッタとも呼ばれる、自動車用のフロントエンドモジュール用の吸気口用の気流調整装置、または吸気口制御装置にも関する。このようなデバイスは、「アクティブグリルシャッタ(Active Grille Shutter)」という表現から、しばしばAGSという頭字語で指定される。本発明はまた、このような気流調整装置を備える自動車用のフロントエンドモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の気流の挙動は、自動車の性能レベルだけでなく、特に燃料消費量(それゆえ汚染)にも影響を与えるため、重要な特徴である。これは、自動車が高速で走行しているときに特に重要である。
【0003】
フロントエンドモジュール用の気流調整装置は、自動車のグリルを介してエアアクセスを開閉することを可能にする。開位置では、空気はグリルを通って循環し、自動車のエンジンの冷却に寄与することができる。閉位置では、空気は抵抗を低減するグリルを介して入らず、それゆえ燃料消費量とCO2排出量を低減することを可能にする。AGSはそれゆえ、エンジンが外気によって冷却される必要がないときに、エネルギー消費量と汚染を低減することを可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フロントエンドモジュール用の気流調整装置は、抵抗係数を低減し、また冷却および空調性能レベルを向上させるために、通常、フロントエンドアクチュエータによって駆動されるフラップを備える。これらのフラップは通常平坦であり、一般に、閉位置では垂直に、開位置では水平に方向付けられる。その上、フラップは、回転軸を通過する平面のいずれかの側に置かれた端部を有し、フラップの閉位置において、フラップの端部の一方が、隣接して配置された同じフラップの他方の端部と重なり合うことを可能にしている。したがって、特に面と面の接触による、良好なシールがある。しかしながら、そのような端部は、開位置の間におけるフラップのエアロシグネチャ(aeraulic signature)の増大の別の原因を構成する。実際、遮断フラップが部分的に開位置にある場合、気流は、実質的に層流的に高速で循環し、異なる遮断フラップと遮断フラップの支持フレームとの間に形成された制限された空間を通って移動する。場合によっては、特にフラップが開位置から閉位置に切り替わるときに、これらの高速の層流の空気流量は、口笛のような望ましくないノイズを生じさせる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この欠点を克服する必要がある。
【0006】
したがって、本発明の主題は、自動車用のフロントエンドモジュール用の吸気口用の気流調整装置であって、
支持フレームと、
支持フレームに可動に取り付けられた複数の遮断フラップであって、フラップの少なくとも一つは、前縁と後縁とを備え、これらの縁の一つは、支持フレームに当接するように配置されている、遮断フラップと、を備え、
支持フレームは、この支持フレームとフレームに当接するようになっているフラップとの間の空気の流れに乱れ(disturbances)を生じさせるように構成された障害物を備える、気流調整装置である。
【0007】
したがって、乱れは、気流の流れを断ち、したがって気流の層流高速を低減させる。例えば、気流の流れの構造が流れ渦(vortex)に対応する場合、この高速層流は、渦がいくつかのより小さなスワール(swirls)に分割されることによって低減され得る。したがって、遮断フラップによって画定される空間を通過する気圧波はより小さくなり、もはや同期されず、したがってそれらを互いに中和し、したがって気流調整装置内の口笛ノイズを低減する。支持フレームに1つ以上の障害物を設けることによって、支持フレームとフレームに隣接するフラップとの間に生じ得るノイズをさらに弱めることが可能である。
【0008】
本発明の一態様によれば、フレーム上の障害物は、フレームの平面に対して特に実質的に直角に突出する突起を備える。
【0009】
本発明の一態様によれば、障害物は、フレームのクロスメンバー上に延在する。
【0010】
本発明の一態様によれば、フレームの障害物は、クロスメンバーの全長の一部分のみに延在する。
【0011】
本発明の一態様によれば、支持フレームは、この支持フレームとフレームに当接するようになっているフラップとの間の空気の流れに乱れを生じさせるように構成された複数の障害物を備える。
【0012】
本発明の一態様によれば、障害物は、支持フレームのクロスメンバー上に、特に一定間隔で分布している。
【0013】
本発明の一態様によれば、障害物は、ノッチの形状を有する。変形例として、障害物は、ピンの形状またはその他の適切な形状を有する。
【0014】
本発明の一態様によれば、フレームの障害物は、それが支持フレームのクロスメンバーに対して直角の方向から観察されるとき、実質的に長方形の外周(perimeter)を有する。
【0015】
本発明の一態様によれば、各フラップは、空気の流れに対する前縁と後縁とを有するパネルを備え、後縁は、空気の流れの乱れを生じさせるように構成された少なくとも1つの障害物を備える。
【0016】
本発明の一態様によれば、フラップの障害物は、後縁の平面から、または変形例としてフラップの前縁から突出する少なくとも1つの突起を備える。
【0017】
本発明の一態様によれば、フラップの障害物は、フラップが支持フレームに当接しているときに、フレーム上の障害物と接触するように配置されている。
【0018】
他の実施形態は、フラップ上の障害物について、以下を提案する:
‐障害物は、後縁の平面から突出する少なくとも1つの突起を備える;
‐前縁は、空気の流れの乱れを生じさせるように構成された少なくとも1つの障害物を備える;
‐前縁に配置された少なくとも1つの障害物は、後縁に配置された少なくとも1つの障害物が位置する面の反対側の遮断フラップの面に位置している;
‐後縁および/または前縁は、後縁および/または前縁に均一に分布する複数の障害物を備える;
‐障害物は、遮断フラップの2つの対向面上の後縁に分布している;
‐前縁は、遮断フラップの2つの対向面上に配置された障害物を備える;
‐パネルは内部空洞を備える、または、言い換えれば、パネルは中空である;
‐後縁は、少なくとも2つのリブであって、2つのリブの間に溝を画定するように間隔を空けて配置された少なくとも2つのリブを備える;
‐後縁は、遮断フラップの2つの対向面上に配置された障害物を備える。
【0019】
本発明はまた、前述した複数の遮断フラップと、遮断フラップが配置された支持フレームと、を備える、自動車用のフロントエンドモジュールの吸気口用の気流調整装置に関する。本発明によれば、各遮断フラップの後縁は、別の遮断フラップの前縁または支持フレームに当接するように配置される。
【0020】
本発明によれば、前縁に配置された各障害物は、フラップが遮断フラップが空気の流れを妨げる閉構成にあるときに、吸気口を完全に遮断するように、後縁に配置された各障害物を補完する形状である。
【0021】
本発明はまた、空気の流れに対する前縁と後縁とを有するパネルを備え、後縁が空気の流れの乱れを生じさせるように構成された少なくとも1つの障害物を含むことを特徴とする、自動車用のフロントエンドモジュール用の気流調整装置用の遮断フラップに関する。本発明によるフラップは、明らかに上記に項目化された特徴を備える。
【0022】
本発明の他の特徴および利点は、以下の記述を読むと明らかになるだろう。後者は単なる例示であり、添付の図面に照らして読まれるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、第1の実施形態による遮断フラップの一部を斜視図で示す。
【
図2】
図2は、第2の実施形態による遮断フラップの一部を斜視図で示す。
【
図3】
図3は、第3の実施形態による遮断フラップの一部を斜視図で示す。
【
図4】
図4は、本発明による気流調整装置の一部を斜視図で示す。
【
図5】
図5は、第2の実施形態による2つの遮断フラップの一部を側面図で示す。
【
図6A】
図6Aは、特定の実施形態による本発明による遮断フラップを側面図で示す。
【
図6B】
図6Bは、特定の実施形態による本発明による遮断フラップを側面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の実施形態による遮断フラップ2を斜視図で概略的に示している。遮断フラップ2は、
図1における軸によって表されるように、例えば車両の軸に対して長手方向(X)、横断方向(Y)および垂直方向(Z)に延びている。
【0025】
遮断フラップ2は、3つの平坦部6、8および10から成るパネル4を備え、中央平坦部8は、それぞれが遮断フラップ2の長手方向端部に置かれた他の2つの端部平坦部6、10の間に置かれている。中央平坦部8は、ランプとも呼ばれる傾斜区域12、14によって各端部平坦部6、10に連結されて、中央平坦部8は、2つの端部平坦部6、10に対して垂直(Z)にオフセットされている。言い換えれば、遮断フラップ2、特にパネル4は、オメガプロファイルセクション(omega profile section)を有している。言い換えれば、端部平坦部6、10は、同一平面内に配置され、中央平坦部8は、端部平坦部6、10の平面に平行な別個の平面内に配置されている。明らかに、本発明は、この遮断フラップ2の形状に限定されず、単一の平面内に書き記される長方形のパネルのような他の形状のフラップが想定され得る。
【0026】
ここで矢印Fによって示される気流Fの流れに対して、遮断フラップ2は、第1の端部平坦部6が気流Fに通過されるようになっているように構成されている。第1の端部平坦部6は、平坦な前縁6に対応する。気流Fに通過されるようになっている第2および最後の端部平坦部10は、平坦な後縁10に対応する。傾斜区域12、14は、前縁6および後縁10の一部を形成しない。遮断フラップ2はさらに、この回転軸16周りの遮断フラップ2の旋回を可能にするために、ここで中央部8に配置された回転軸16を備えている。
【0027】
言い換えれば、各遮断フラップ2は、空気の流れに対する前縁6と後縁10とを備えている。フラップの前縁6は、遮断フラップ2が構成する空気力学的プロファイル(aerodynamic profile)の前方区域である。したがって、前縁6は、流れが2つの区域(それぞれがプロファイルの一方の側を通過する)に分割されるよどみ点(stagnation point)を含む。前縁6は、相対風(relative wind)に面しており、動いている(前進している)自動車に装置が設置されたときに相対風が最初に到達する遮断フラップ2の一部である。後縁10は、フラップのプロファイルの後方部である。
【0028】
各遮断フラップ2の回転軸16は、回転によって、フラップを開閉することを可能にする。遮断フラップ2を開くことは、それが適切に方向付けられている間、できるだけ気流Fの通過を妨げないように、それを(回転によって)位置付けることを意味する。遮断フラップ2を閉じることは、他の遮断フラップ2と連携して、最大限に気流Fの流れを妨げるように、それを位置付けることを意味する。遮断フラップ2の回転軸16は、互いに平行である。したがって、すべての遮断フラップ2に適用される回転は、並進を除いて、すべて同一軸上の回転である。
【0029】
本発明による遮断フラップ2は、空気の流れに対する前縁6および後縁10を有するパネル4を備え、後縁10は、気流Fの流れの乱れを生じさせるように構成された少なくとも1つの障害物18を備えている。
図1に示される実施形態による障害物18は、後縁10の平面から突出する複数のブロック20に対応する。複数のブロック20は、遮断フラップ2の幅、すなわち横断方向寸法Yの少なくとも半分以上に延在している。傾斜区域12、14は前縁6および後縁10の一部を形成しないため、傾斜区域12、14に障害物はなく、言い換えれば、傾斜区域12、14の外面は滑らかであり、これらの傾斜区域はノッチを有していない。
【0030】
ブロック20は、例えば、円筒の形状、すなわち、
図1に示されるように、円筒面と2つの厳密に平行な平面とによって定められ、後縁10の平面に平行な楕円形の断面を有するブロック20であり得る。明らかに、ブロック20は、いくつかの非限定的な例を与えるために、円形、楕円形、半楕円形、長方形、正方形、ひし形の断面のような他の形状の断面を備えることができる。
【0031】
ブロック20はまた、例えば、ドーム、ピラミッド、バブル、コーン、ピン、および他のそのような形状のような他の形状を有することができる。ブロック20はまた、ブロック20ごとに異なる形状を有することもできる。
【0032】
非限定的な例において、ブロック20は、例えば一のブロック20から他のブロック20まで所定の距離を有する列で、後縁10上に均一な配置で整列させることができる。複数の列のブロック20を千鳥状にまたは整列して配置することも可能である。別の非限定的な例において、複数のブロック20は、後縁10上にランダムに配置される。
【0033】
本発明による遮断フラップ2はまた、前縁6に障害物18を備えることもできる。
図1に示される実施形態による障害物18は、前縁6の平面から突出する複数のブロック20に対応する。
【0034】
図2は、本発明の別の実施形態による遮断フラップ2を斜視図で概略的に示している。ここで、障害物18は、後縁10の平面から突出するリブ22、または細長いストリップに対応する。障害物18はまた、後縁10の平面に記載された轍(furrow)またはスプラインに対応することもできる。
【0035】
図2に示される実施形態によれば、後縁10は、2つの間に溝を画定するように間隔を空けて配置された2つのリブ22を備えている。リブ22は、遮断フラップ2の幅、すなわち横断方向寸法Yの少なくとも半分以上に延在している。リブ22はここで、三角形のプロファイルセクションを有するが、明らかに、このプロファイルセクションは、長方形、正方形、半楕円形、またはその他の多角形(ひし形、五角形、六角形など)であり得る。
【0036】
図3に示される実施形態によれば、後縁10は、均一に間隔を空けて配置された複数の小さなリブ22を備える。小さなリブ22のセットは、遮断フラップ2の幅、すなわち横断方向寸法Yの少なくとも半分以上に延在している。リブ22はここで、三角形のプロファイルセクションを有するが、明らかに、このプロファイルセクションは、長方形、正方形、半楕円形、またはその他の多角形(ひし形、五角形、六角形など)であり得る。
【0037】
すべての想定し得る実施形態による本発明による遮断フラップ2は、前縁6に障害物18を備えることもできる。ここで、障害物18は、前縁6の平面から突出するリブ22、または細長いストリップに対応する。障害物18はまた、轍またはスプラインに対応することもできる。
【0038】
遮断フラップ2はまた、すべての想定し得る実施形態によって、その縁の少なくとも1つに、弾性材料で作製されたシールを備えることもできる。
【0039】
本発明はまた、自動車のフロントエンド用の気流Fの調整装置24に関する。
図4は、そのような気流Fの調整装置24を部分的に示し、調整装置24は、遮断フラップ2用の支持フレーム26を備え、軸Aによって表される回転軸周りに画定された同じ回転運動によって開端位置と閉端位置との間で遮断フラップ2を駆動するアクチュエータ28を有し、遮断フラップ2は、接続ロッド30によって共に連結されている。
【0040】
支持フレーム26は、所与の厚さのための2つの長手方向側面と2つの横側面とを有するフレームに対応する。支持フレーム26は、長手方向側面が横側面よりも大きくなるように長方形の形状を有している。調整装置24は、遮断フラップ2のセットが支持フレーム26の内面のすべてを覆うように配置されている。
【0041】
遮断フラップ2が
図4に表されるように開位置にあるとき、すなわち長手方向(X)および横断方向(Y)に延びているとき、吸気口は開けており、外気の流れは、矢印Fに従って支持フレーム26の通路を通過することができる。遮断フラップ2が閉位置にあるとき、すなわち例えば車両の軸に対して横断方向(Y)および垂直方向(Z)に延びているとき、吸気口は遮断され、空気は支持フレーム26を横断することができず、したがって、実際に、この位置において、遮断フラップ2は、気流Fの循環をその前面によって妨げる障害物を構成する。
【0042】
言い換えると、調整装置24は、遮断フラップ2が気流Fの通過を完全に遮断する閉構成から、遮断フラップ2が気流Fを最大流量で通過させることを可能にするように位置付けられた開構成に切り替わるように構成されている。
【0043】
本発明は、装置に存在するフラップの数に限定されない。実際、吸気口の表面のすべてを覆う単一のフラップを有するシステムを有することを想定することが可能である。装置は、同一のフラップのセットを備えている。これにより、構築物が簡素化される。
【0044】
図5は、遮断フラップ2が閉構成にある実施形態を示している。各遮断フラップ2の前縁10は、別の遮断フラップ2の前縁6または支持フレーム26に当たる、または当接するように配置される。換言すれば、気流調整装置が閉構成を採用するとき、後縁10と前縁6とが互いに向き合うようになる。前縁6に配置された障害物18は、吸気口を完全に遮断するように、したがってより良好なシールを保証するように、後縁10に配置された障害物18を補完する形状である。換言すれば、ここで、後縁10は、雄部分を有する障害物18を提示し、前縁6は、雌部分を有する障害物18を提示し、またはその逆も同様である。
図5に示されるように、後縁10に存在するリブ22が溝を画定するように配置される場合、前縁6に存在するリブ22は、後縁10に存在する2つのリブ22によって画定される溝に導入されるように構成される。明らかに、本発明は、各遮断フラップ2に存在するリブおよび溝の数に限定されない。
【0045】
図示されていない実施形態によれば、後縁10に配置された障害物18が複数のピン、言い換えれば小さな尖った突起20に対応するとき、後者は、障害物18のその目的のために設けられた対応するオリフィスに係合するようになっており、障害物18は、前縁6に配置された穴あきフィルムまたはテープに対応することができる。
【0046】
図1、
図2および
図3に示されるように、後縁10は、遮断フラップ2の面に配置された障害物18を備えている。同様に、前縁6は、後縁10の障害物18が位置している面と反対側の遮断フラップ2の面に配置された障害物18を備えている。言い換えれば、後縁10および前縁6はそれぞれ、遮断フラップ2の反対側の面に配置された障害物18を備えている。言い換えれば、前縁6に配置された障害物18は、後縁10に配置された障害物18が位置する面と反対側の遮断フラップ2の面に位置している。
【0047】
各遮断フラップ2は、例えば射出法によって得られ、言い換えれば、
図6Aに示されるように単一のプラスチック片に成形され、障害物18はその後オーバーモールドされることができる。各遮断フラップ2はまた、押出法から得ることもでき、すなわち、パネル4内に内部空洞30を備え、または、言い換えれば、遮断フラップ2の本体、特にパネル4は、
図6Bに示されるような中空を定める外皮を備え、障害物18はその後オーバーモールドされることができる。遮断フラップ2の本体は、場合によっては、その内部空洞30内に、遮断フラップ2の構造を強化するために外皮の2つの対向部分を連結する少なくとも1つのスペーサ32も備えることもできる。内部空洞30は、遮断フラップ2の各側端部で、図示されていないエンドフィッティングによって、いずれかの側で閉じられている。
【0048】
図6Bに示される実施形態によれば、後縁10は、遮断フラップ2の2つの対向面上に配置された障害物18を備えることができる。同様に、前縁6は、遮断フラップ2の2つの対向面上に配置された障害物18を備えることもできる。
【0049】
上述した実施形態においては、乱れを作り出すための障害物がフラップ上に形成される。
【0050】
図7および
図8に示されるように、支持フレーム26上に障害物40を設けることが可能であり、障害物は、この支持フレームとフレーム26に当接するようになっているフラップ2との間の空気の流れに乱れを生じさせるように構成されている。障害物40は、以前に定義された障害物、すなわちブロック、リブ、シケインなどに対応することができる。
【0051】
フレーム26上の障害物40はそれぞれ、フレーム26の平面に対して実質的に直角に突出する突起41を備えている。
【0052】
障害物40は、フレーム26のクロスメンバー42上、特に上部クロスメンバー上に延在している。
【0053】
障害物40は、支持フレーム26のクロスメンバー42上に一定間隔で分布している。
【0054】
各障害物40は、
図8に見られるように、支持フレーム26のクロスメンバーに対して直角の方向から観察されるとき、実質的に長方形の外周を有するノッチの形状を有している。言い換えれば、障害物40、特に突起41は、フレーム26の平面に対して実質的に直角に平面から突出するトレッドまたは歯に対応する。これらのノッチまたはトレッドは、フレーム26のクロスメンバー42全体に沿って配置されることができ、またはこれらのノッチまたはトレッドは、フレーム26のクロスメンバー42に沿ってスポット状に配置されることができる。言い換えれば、フレーム26、特にフレーム26のクロスメンバー42は、一連のノッチまたはトレッド、およびボイドに対応することができる。ノッチは、フレーム26のクロスメンバー42上に規則的または不規則に分布させることができる。
【0055】
フラップの障害物18、22は、フラップが支持フレームに当接しているときに、フレーム26上の障害物40と接触するように配置されており、言い換えれば、フラップの障害物18、22は、それらが互いに入れ子になることができるように、フレーム26上の障害物40を補完する形状である。