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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-07
(45)【発行日】2023-06-15
(54)【発明の名称】吸音構造および車両用マッドガード
(51)【国際特許分類】
   G10K 11/16 20060101AFI20230608BHJP
   B62D 25/18 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
G10K11/16 130
B62D25/18 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021029586
(22)【出願日】2021-02-26
(65)【公開番号】P2022130929
(43)【公開日】2022-09-07
【審査請求日】2022-02-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)学術団体「ICTSS2020」のウエブサイト http://conf.ejikei.org/ICTSS/2020/ 令和2年12月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】506097014
【氏名又は名称】アトス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085556
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100115211
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 三十義
(74)【代理人】
【識別番号】100153800
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 哲巳
(72)【発明者】
【氏名】筑井 克典
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 綾吾
【審査官】堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-338795(JP,A)
【文献】特開2012-008458(JP,A)
【文献】実開昭49-093714(JP,U)
【文献】米国特許第04013302(US,A)
【文献】特開2000-233693(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 11/16-11/172
B62D 25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤの周囲を覆う車両用マッドガードにおいて、
マッドガード本体と、このマッドガード本体の所定領域の内側に取り付けられてタイヤに対面する内側プレートと、前記所定領域の外側に取り付けられた外側プレートとを備え、
前記内側プレートと前記マッドガード本体との間に空洞をなす第1空間が形成され、前
記外側プレートと前記マッドガード本体との間に第2空間が形成され、前記第2空間に吸音材が収容され、
前記内側プレートに形成された通気部を介して前記第1空間と外部が連なり、前記マッ
ドガード本体の前記所定領域に形成された通気部を介して前記第1空間と前記第2空間が
連なっていることを特徴とする車両用マッドガード。
【請求項2】
前記外側プレートにも通気部が形成され、当該通気部を介して前記第2空間と外部が連なっていることを特徴とする請求項に記載の車両用マッドガード、
【請求項3】
前記マッドガード本体の前記通気部の開口面積が、前記内側プレートの前記通気部の開口面積より大であることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用マッドガード。
【請求項4】
前記マッドガード本体の通気部がスリットを含むことを特徴とする請求項に記載の車両用マッドガード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、比較的広い範囲の波長を吸音することができる構造およびこの吸音構造を応用した車両用マッドガードに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の外装材例えばマッドガードは、ホイールハウスに取り付けられてタイヤの周囲を覆い、タイヤが跳ね上げる泥や砂等がホイールハウス内に入るのを防止するものであり、フェンダーライナとも称されている。
マッドガードを吸音構造にし、タイヤからのロードノイズが床部等から車室内に侵入するのを抑制することは、公知である。例えば特許文献1には、硬質繊維板からなるマッドガードが開示されている。特許文献2には、不織布からなり通気性を有する基材層とその内側の保護層とを備えたマッドガードが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-264255
【文献】特開2009-1045
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたマッドガードは、着氷しやすく、長期使用により泥や砂で目詰まりし吸音効率が低下する。また、ロードノイズのうち比較的周波数の高い帯域での吸音率は良好であるが、低い周波数帯域での吸音率が低い。
特許文献2に開示されたマッドガードは、内側に保護層が配置されているので、着氷を抑制することができ、基材層の目詰まりも防止できる。しかし、特許文献1のマッドガードと同様にロードノイズのうち低い周波数帯域の吸音率が低い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、吸音構造において、吸音対象となる音源側に配置されるべき第1プレートと、音源とは反対側に配置されるべき第2プレートと、前記第1プレートと前記第2プレートとの間に配置される中間プレートとを備え、前記第1プレートと前記中間プレートとの間に空洞をなす第1空間が形成され、前記第2プレートと前記中間プレートとの間に第2空間が形成され、前記第2空間に吸音材が収容され、前記第1プレートに形成された通気部を介して前記第1空間と外部が連なり、前記中間プレートに形成された通気部を介して前記第1空間と前記第2空間が連なっていることを特徴とする。
上記構成によれば、高い周波数帯域のみならず低い周波数帯域の吸音効果をも得ることができ、広い周波数帯域での吸音が可能となる。
【0006】
好ましくは、前記第2プレートにも通気部が形成され、当該通気部を介して前記第2空間と外部が連なっている。
上記構成によれば、低い周波数帯域での吸音効果をさらに高めることができる。
【0007】
好ましくは、前記中間プレートの前記通気部の開口面積が、前記第1プレートの前記通気部の開口面積より大である。
上記構成によれば、低い周波数帯域での吸音率をより一層高めることができる。
【0008】
本発明の他の態様は、前記吸音構造を備えた車両用マッドガードであって、タイヤの周囲を覆うマッドガード本体の少なくとも一部が前記第1プレート、前記中間プレート、前記第2プレートのいずれか1つに相当し、残りの2つに相当するプレートが前記マッドガード本体に取り付けられていることを特徴とする。
本発明のさらに他の態様は、タイヤの周囲を覆う車両用マッドガードにおいて、マッドガード本体と、このマッドガード本体の所定領域の内側に取り付けられてタイヤに対面する内側プレートと、前記所定領域の外側に取り付けられた外側プレートとを備え、前記内側プレートと前記マッドガード本体との間に空洞をなす第1空間が形成され、前記外側プレートと前記マッドガード本体との間に第2空間が形成され、前記第2空間に吸音材が収容され、前記内側プレートに形成された通気部を介して前記第1空間と外部が連なり、前記マッドガード本体の前記所定領域に形成された通気部を介して前記第1空間と前記第2空間が連なっていることを特徴とする。
上記構成によれば、ロードノイズの広い周波数帯域を吸音することができる。
【0009】
好ましくは、前記外側プレートにも通気部が形成され、当該通気部を介して前記第2空間と外部が連なっている。
好ましくは、前記マッドガード本体の前記通気部の開口面積が、前記内側プレートの前記通気部の開口面積より大である。
好ましくは、前記マッドガード本体の通気部がスリットを含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明の吸音構造によれば、広い周波数帯域にわたり吸音率を向上させることができる。また、本発明のマッドガードによれば、着氷や吸音材の目詰まりを防止しつつ、ロードノイズの広い周波数帯域を吸音することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係る吸音構造の概略構成を示す縦断面図である。
図2】(A)は音源側に配置されるべき上記吸音構造の第1プレートの正面図、(B)は上記吸音構造の中間プレートの正面図である。
図3】上記吸音構造の広い周波数帯域にわたる吸音率を、比較例とともに示すグラフである。
図4】本発明の第2実施形態に係る吸音構造を装備したマッドガードを示す斜視図である。
図5】同マッドガードの分解斜視図である。
図6】同マッドガードを車両後方から見た分解正面図である。
図7】(A)は同マッドガードの内側プレートの要部拡大正面図、(B)はマッドガード本体の要部拡大正面図、(C)は外側プレートの要部拡大正面図である。
図8】同マッドガードの水平横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の第1実施形態について、図1図3を参照しながら説明する。図1に示すように、吸音構造1は、円筒状の樹脂製の保持筒2と、この保持筒2内に軸方向に間隔をおいて配置された円板形状の樹脂製の3つのプレート3,4,5を備えている。
吸音対象の音源側に配置されるべき第1プレート3と中間プレート4との間には、空洞からなる閉塞された第1空間6が形成されている。音源の反対側に配置されるべき第2プレート5と中間プレート4との間には、閉塞された第2空間7が形成されている。この第2空間7には吸音材8が充填されている。吸音材8は、例えば樹脂製の繊維からなる円形の不織布で構成されている。より具体的には、住友スリーエム社のシンサレート(登録商標;Thinsulate)が用いられている。なお、プレート3,4,5と吸音材8は円形以外の形状を採用してもよい。吸音材8はガラス繊維により形成してもよい。
【0013】
第1プレート3は、図1図2(A)に示すように、分散配置された多数の丸い穴3a(通気部)を有している。第2プレート5も第1プレート3と同様に配置された多数の丸い穴5a(通気部)を有している。第1プレート3の穴3aは第1空間6と外部とを連通させ、第2プレート5の穴5aは第2空間7と外部とを連通させている。第2プレート5の通気部の総開口面積は、第1プレート3の通気部の総開口面積とほぼ等しい。
【0014】
図2(B)に示すように、中間プレート4は、第1空間6と第2空間7を連通させる通気部として、周方向に等角度間隔で配置された複数例えば4つのスリット4aと、多数の丸い穴4bとを有している。中間プレート4の通気部の総開口面積は、第1プレート3の通気部の総開口面積より大きい。
【0015】
スリット4aは、図中横方向(X軸方向)に延びる直線状のスリット部4xと、図中縦方向(Y軸方向)に延びる直線状のスリット部4yを、中間プレート4の中心近傍で直角に交差させることにより、L字形に形成されている。
中間プレート4には、各スリット4aにより領域Raが画成されており、この領域Raは中間プレート4の周縁領域に連なっている。この領域Raには、穴4bが分散配置されている。また、中間プレート4には4つのスリット4aにより十字形をなす領域Rbが画成されており、この領域Rbは4箇所で中間プレート4の周縁領域に連なっている。
【0016】
上記構成の吸音構造1において、音源からの音波は、第1プレート3の穴3aに入り、第1空間6、中間プレート4のスリット4aと穴4b、第2空間7を通って、第2プレート5の穴5aから抜ける。この過程で吸音がなされる。
【0017】
吸音試験
プレート3,4,5の直径を29mm、第1空間6、第2空間7の軸方向寸法を10mmとして、低周波数から高周波数までの帯域(車両走行時のタイヤからのロードノイズに対応する周波数帯域)での吸音率の試験(垂直入射試験)を行ない、図3の曲線Aで示す結果を得た。比較例として、保持筒にプレート3,4,5と同径の単一の吸音板を配置してなる吸音構造を用意した。この吸音板は、不織布を固めて円盤形状に成形したものである。比較例について同様の試験を行い、図3の曲線Bに示す結果を得た。
本実施形態の吸音構造1は比較例と比べて、高い周波数帯域(2KHz~4KHz)で同等以上の吸音率が得られ、これより低い周波数帯域(500Hz~2KHz)では比較例に比べて著しく高い吸音率が得られ、広い周波数帯域にわたり吸音率を高めることができた。
【0018】
吸音原理
吸音構造1の吸音の原理について説明する。本吸音構造1は主として下記の3つの吸音機能を発揮する
(吸音機能1・・ヘルムホルツ共鳴による吸音)
第1空間6と第2空間7および第2プレート5の背後空間が共鳴空間となり、内部空気がばねとして作用するため、穴3a,4b、5aおよびスリット4aと協働してヘルムホルツ共鳴が生じる。図3の曲線Aにおいて比較的低い周波数1.3KHzでの吸音率のピークは、第1空間6と第2空間7と背後空間が協働して共鳴空間となりヘルムホルツ共鳴が生じた結果であると考えられる。それより高い周波数例えば3.5KHzでのピークは、第1空間6または第2空間7でのヘルムホルツ共鳴の結果であると考えられる。
【0019】
(吸音機能2・・プレートの振動および通気部での粘性抵抗による吸音)
第1プレート3、中間プレート4、第2プレート5の振動により低い周波数帯域が吸音される。中間プレート4ではスリット4aにより画成された領域Ra,Rbでの振動も寄与している。また、穴3a,4b、5aおよびスリット4aでの空気の粘性抵抗により低周波数帯域から高周波帯域にわたり吸音される。
(吸音機能3・・吸音材による吸音)
不織布からなる吸音材8は、高い周波数帯域2KHz~4KHzの周波数を良好に吸音する。また、本構造を用いると低周波帯域でも吸音効果を発揮できる。
【0020】
上記吸音機能1~3により、上記吸音構造1は500Hz~4KHzの広い周波数帯域にわたって良好な吸音を行うことができる。
なお、吸音機能1における吸音率のピーク(共鳴周波数)は、第1プレート3、中間プレート4、第2プレート5の各通気部の開口面積および軸長と総開口面積、並びに空間6,7の軸方向寸法等により調整することができる。
【0021】
吸音構造の変形例と試験
本実施形態の吸音構造1の他に、次の変形例についても同様の試験を行った。
(吸音構造の変形例1)
中間プレート4の通気部を第1プレート3と等しくした(すなわちスリットを省き丸穴だけで構成した)吸音構造。この吸音構造では、500Hz~2KHzでの吸音率が上述した吸音構造1より劣るものの比較例より高く、高周波帯域でも比較例と同等以上の吸音特性を発揮できた。
(吸音構造の変形例2)
第2プレート5に通気部を形成しない吸音構造。この吸音構造では、500Hz~2KHzでの吸音率が上述した吸音構造1より劣るものの比較例より高く、高周波帯域でも比較例と同等以上の吸音特性を発揮できた。
【0022】
次に、本発明の第2実施形態に係る吸音構造1Aを装備した車両用マッドガード9について、図4図8を参照しながら説明する。
図4図5に示すように、マッドガード9はマッドガード本体10を主たる構成要素として備えている。マッドガード本体10は、通常のマッドガードと同様にタイヤTの上部を略半周にわたって囲っている。マッドガード本体10は、複数の取付部11を有し、これら取付部11を介してホイールハウス(図示しない)に取り付けられている。
【0023】
マッドガード本体10の後部(所定領域)と、その内側に配置された内側プレート20と、その外側に配置された外側プレート30と、吸音材40により、吸音構造1Aが構成されている。マッドガード本体10と内側プレート20と外側プレート30は、樹脂射出成形品からなり、吸音材40は第1実施形態の吸音構造1の吸音材8と同様に樹脂繊維の不織布からなる。吸音材40はガラス繊維により形成してもよい。
【0024】
マッドガード本体10の後部は第1実施形態の吸音構造1の中間プレート4に相当する役割を担い、内側プレート20は吸音構造1の第1プレート3に相当する役割を担い、外側プレート30は吸音構造1の第2プレート5に相当する役割を担う。
【0025】
図5図6に示すように、マッドガード本体10の後部には、縦横に配置された多数の通気パターン12が形成されている。各通気パターン12は、図7(B)に示すように、複数のスリット13(通気部)と多数の穴14(通気部)を有している。各通気パターン12は第1実施形態の吸音構造1の中間プレート4と同様であるから、説明を省略する。スリット13により画成される領域については、図7(B)において第1実施形態と同じ符号Ra,Rbを付す。
【0026】
図5図6に示すように、内側プレート20は、マッドガード本体10の後部内面に沿う縦長の湾曲形状をなし、その略全領域には、縦横に配置された通気パターン22が形成されている。各通気パターン22は、図7(A)に示すように、分散配置された多数の穴24(通気部)を有している。この通気パターン22は第1実施形態の第1プレート3と同様であるから説明を省略する。
【0027】
外側プレート30は、マッドガード本体10の後部外面に沿う縦長の湾曲形状をなし、その略全領域には、縦横に配置された通気パターン32が形成されている。各通気パターン32は、図7(C)に示すように、分散配置された多数の穴34(通気部)を有している。この通気パターン32は第1実施形態の第2プレート5と同様であるから説明を省略する。
【0028】
マッドガード本体10の多数の通気パターン12の総開口面積は、内側プレート20の多数の通気パターン22の総開口面積よりも大きい。外側プレート30の多数の通気パターン32は内側プレート20とほぼ同程度である。
【0029】
図5図6に示すように、内側プレート20の周縁には複数箇所例えば4箇所に取付フランジ25が一体をなして形成されている。取付フランジ25には挿通穴25aが形成されている。同様に、外側プレート30の周縁には複数箇所例えば4箇所に取付フランジ35が一体をなして形成されている。取付フランジ35には挿通穴35aが形成されている。
【0030】
マッドガード本体10の後部には、内側プレート20と外側プレート30の挿通穴25a,35aに対応する位置(4箇所)に挿通穴15が形成されており、これら挿通穴15,25a,35aを挿通するクリップ(図示しない)により、内側プレート20と外側プレート30がマッドガード本体10に取り付けられている。
【0031】
図8に示すように、マッドガード本体10と内側プレート20との間には、閉塞された空洞をなす第1空間51が形成されている。マッドガード本体10と外側プレート30との間には閉塞された第2空間52が形成されている。吸音材40は、第2空間52に対応する形状を有し、第2空間52に収容されている。
【0032】
上記マッドガード9によれば、タイヤTからのロードノイズの主たる周波数帯域(500~4KHz)にわたり、高い吸音率で吸音することができる。その吸音の原理については第1実施形態の吸音構造1の原理と同様であるから説明を省略する。
本実施形態のマッドガード9によれば、内側プレート20とマッドガード本体10により、吸音材40がタイヤTから隔てられているので、泥や砂が吸音材40に及ばず長期にわたって目詰まりせず、良好な吸音性能を維持できる。また、吸音材40が露出していないので着氷も抑制することができる。
【0033】
上記第2実施形態ではマッドガード本体10が第1実施形態の中間プレート4に相当する役割を担っているが、マッドガード本体が第1実施形態の第1プレート3に相当する役割を担い、その外側に第1実施形態の中間プレート4、第2プレート5の役割をそれぞれ担うプレートを装着してもよい。また、マッドガード本体が第1実施形態の第2プレート5に相当する役割を担い、その内側に第1実施形態の第1プレート3、中間プレート4に相当する役割をそれぞれ担うプレートを装着してもよい。
【0034】
本発明は、前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変をなすことができる。
通気部の形状は種々採用可能である。
第2実施形態ではマッドガード本体の後部に吸音構造が装備されているが、その位置に制約されず、マッドガード本体の前部、上部または周方向に沿う長い領域にわたって装備してもよい。外側プレートには通気部を形成しなくてもよい。
吸音材として、樹脂繊維やガラス繊維の不織布の他に、発泡材を用いてもよい。
本発明の吸音構造は、マッドガード以外の車両の外装材に装備してもよいし、車両内装材に装備してもよいし、車両以外に装備してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、例えば車両用マッドガード等の車両外装材や内装材に適用できる。
【符号の説明】
【0036】
1、1A 吸音構造
3 第1プレート
3a 穴(通気部)
4 中間プレート
4a スリット(通気部)
4b 穴(通気部)
5 第2プレート
5a 穴(通気部)
6 第1空間
7 第2空間
8 吸音材
9 マッドガード
10 マッドガード本体
13 スリット(通気部)
14 穴(通気部)
20 内側プレート
24 穴(通気部)
30 外側プレート
34 穴(通気部)
40 吸音材
51 第1空間
52 第2空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8