(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-07
(45)【発行日】2023-06-15
(54)【発明の名称】ルーム管理装置、及び、ルーム管理用プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230608BHJP
G10K 15/04 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
G06Q50/10
G10K15/04 302D
(21)【出願番号】P 2021052057
(22)【出願日】2021-03-25
【審査請求日】2022-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】396004833
【氏名又は名称】株式会社エクシング
(74)【代理人】
【識別番号】100157118
【氏名又は名称】南 義明
(72)【発明者】
【氏名】竹内 大介
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 大介
【審査官】鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-186384(JP,A)
【文献】特開2011-227847(JP,A)
【文献】管理運営施設における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン,Web Archive[ONLINE],公益財団法人江東区文化コミュニティ財団,2020年10月25日,p.1-21,[令和5年1月18日検索],インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20201025135546/https://www.kcf.or.jp/cms/files/pdf/original/18517_1007_管理運営施設における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン.pdf>
【文献】公益財団法人江東区文化コミュニティ財団管理運営施設 新型コロナウイルス感染拡大防止のための利用人数(上限)一覧表<単位:人>,Web Archive[ONLINE],2020年10月25日,p.1-10,[令和5年1月18日検索],インターネット<URL: https://web.archive.org/web/20201025143645/https://www.kcf.or.jp/cms/files/pdf/original/18311_【9月19日以降】感染拡大防止のための利用人数.pdf>
【文献】カラオケボックス等の歌唱を伴う飲食の場における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン,Web Archive[ONLINE],一般社団法人日本カラオケボックス協会連合会ほか,2020年07月20日,p.1-6,[令和5年1月18日検索],インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20200720221533/https://www.karaoke.or.jp/img/guideline.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G10K 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
条件に適合するルームを検索するルーム管理装置であって、
入力処理と、読み出し処理と、検索処理と
、予約処理と、状況変更処理とを実行可能とし、
入力処理は、利用人数、日付を入力可能とし、
読み出し処理は、日付と状況指数を対応付けた設定情報を参照し、入力された日付に対応する状況指数を読み出し、
検索処理は、読み出された状況指数に基づいて、ルームの収容人数もしくは、入力された利用人数を変換し、利用可能なルームを検索
し、
予約処理は、少なくとも利用人数について利用可能なルームの予約情報を形成し、
状況変更処理は、設定情報の状況指数に変更が生じ、予約情報が利用可能なルームでなくなった場合、利用可能なルームに再割当をする、もしくは、注意喚起を行う
ルーム管理装置。
【請求項2】
ルームの収容人数を通知するルーム管理装置であって、
入力処理と、読み出し処理と、通知処理と
、予約処理と、状況変更処理とを実行可能とし、
入力処理は、日付を入力可能とし、
読み出し処理は、日付と状況指数を対応付けた設定情報を参照し、入力された日付に対応する状況指数を読み出し、
通知処理は、読み出された状況指数に基づいて、ルームの収容人数を変換し、変換された収容人数を通知
し、
予約処理は、少なくとも利用人数について利用可能なルームの予約情報を形成し、
状況変更処理は、設定情報の状況指数に変更が生じ、予約情報が利用可能なルームでなくなった場合、利用可能なルームに再割当をする、もしくは、注意喚起を行う
ルーム管理装置。
【請求項3】
入力処理は、時間を入力可能とし、
状況指数は、時間に対応付けられ、
読み出し処理は、入力された日付及び時間に対応する状況指数を読み出す
請求項1または請求項2に記載のルーム管理装置。
【請求項4】
入力処理は、利用用途を入力可能とし、
設定情報は、利用用途に対応付けられ、
検索処理は、入力された利用用途に対応する状況指数を読み出す
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のルーム管理装置。
【請求項5】
情報処理装置に、条件に適合するルームを検索させるルーム管理用プログラムであって、
入力処理と、読み出し処理と、検索処理と
、予約処理と、状況変更処理とを実行可能とし、
入力処理は、利用人数、日付を入力可能とし、
読み出し処理は、日付と状況指数を対応付けた設定情報を参照し、入力された日付に対応する状況指数を読み出し、
検索処理は、読み出された状況指数に基づいて、収容人数もしくは、入力された利用人数を変換し、利用人数を収容可能なルームを検索
し、
予約処理は、少なくとも利用人数について利用可能なルームの予約情報を形成し、
状況変更処理は、設定情報の状況指数に変更が生じ、予約情報が利用可能なルームでなくなった場合、利用可能なルームに再割当をする、もしくは、注意喚起を行う
ルーム管理用プログラム。
【請求項6】
情報処理装置に、ルームの収容人数を通知させるルーム管理用プログラムであって、
入力処理と、読み出し処理と、通知処理と
、予約処理と、状況変更処理とを実行可能とし、
入力処理は、日付を入力可能とし、
読み出し処理は、日付と状況指数を対応付けた設定情報を参照し、入力された日付に対応する状況指数を読み出し、
通知処理は、読み出された状況指数に基づいて、収容人数を変換し、変換された収容人数を通知
し、
予約処理は、少なくとも利用人数について利用可能なルームの予約情報を形成し、
状況変更処理は、設定情報の状況指数に変更が生じ、予約情報が利用可能なルームでなくなった場合、利用可能なルームに再割当をする、もしくは、注意喚起を行う
ルーム管理用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ店舗等で使用されるルーム管理装置、及び、ルーム管理用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
伴奏に合わせて歌唱を楽しむカラオケは、友人や職場仲間が集う状況における余興として人気を集めている。このようなカラオケは、所謂、カラオケボックスと呼ばれる複数のルーム(部屋)を有する店舗において利用することが可能である。利用者は、ルームを時間借りすることで、ルーム内に設置されたカラオケ装置を使用して歌唱を楽しむことになる。
【0003】
このようなカラオケ店舗では、他の店舗と同様、POS端末を使用した料金管理が行われることが一般的である。また、カラオケ店舗では、ルームを時間貸しするため、各ルームの貸し出し状況についても、このPOS端末を使用して行うことが可能となっている。
【0004】
特許文献1には、カラオケ装置のアイドル状態を検出することで、カラオケ装置を設置した部屋が空室状態であることを特定し、部屋が非空室状態となった場合に、非空室状態を予約した携帯端末の端末情報をPOS端末に予約通知するカラオケサービスシステムが開示されている。特許文献1のカラオケサービスシステムによれば、空室情報を容易に取得することができ、利用者側の操作負担を軽減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在、コロナウィルスによる感染が存在する中、カラオケ店舗では、感染を抑制するための各種措置が行われている。例えば、空気清浄機を設置する、あるいは、消毒を徹底する等、カラオケ店舗において、顧客を保護するための様々な措置が執られている。また、コロナ禍においては、密な状況を避けることが好ましい。しかしながら、感染の状況は、季節によっても変化することになり、状況に合わせて迅速に対策を取ることは困難である。
【0007】
本発明は、このような状況を鑑みたものであって、感染拡大等、各種状況に応じて、適切な収容人数のルームを検索する、あるいは、状況に応じたルームの収容人数を通知することを1つの目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのため、本発明に係るルーム管理装置は、以下の構成を採用するものである。
条件に適合するルームを検索するルーム管理装置であって、
入力処理と、読み出し処理と、検索処理と、予約処理と、状況変更処理とを実行可能とし、
入力処理は、利用人数、日付を入力可能とし、
読み出し処理は、日付と状況指数を対応付けた設定情報を参照し、入力された日付に対応する状況指数を読み出し、
検索処理は、読み出された状況指数に基づいて、ルームの収容人数もしくは、入力された利用人数を変換し、利用可能なルームを検索し、
予約処理は、少なくとも利用人数について利用可能なルームの予約情報を形成し、
状況変更処理は、設定情報の状況指数に変更が生じ、予約情報が利用可能なルームでなくなった場合、利用可能なルームに再割当をする、もしくは、注意喚起を行う。
【0009】
また、本発明に係るルーム管理装置は、
ルームの収容人数を通知するルーム管理装置であって、
入力処理と、読み出し処理と、通知処理と、予約処理と、状況変更処理とを実行可能とし、
入力処理は、日付を入力可能とし、
読み出し処理は、日付と状況指数を対応付けた設定情報を参照し、入力された日付に対応する状況指数を読み出し、
通知処理は、読み出された状況指数に基づいて、ルームの収容人数を変換し、変換された収容人数を通知し、
予約処理は、少なくとも利用人数について利用可能なルームの予約情報を形成し、
状況変更処理は、設定情報の状況指数に変更が生じ、予約情報が利用可能なルームでなくなった場合、利用可能なルームに再割当をする、もしくは、注意喚起を行う。
【0010】
さらに、本発明に係るルーム管理装置において、
入力処理は、時間を入力可能とし、
状況指数は、時間に対応付けられ、
読み出し処理は、入力された日付及び時間に対応する状況指数を読み出す。
【0011】
さらに、本発明に係るルーム管理装置において、
入力処理は、利用用途を入力可能とし、
設定情報は、利用用途に対応付けられ、
検索処理は、入力された利用用途に対応する状況指数を読み出す。
【0012】
また、本発明に係るルーム管理用プログラムは、
情報処理装置に、条件に適合するルームを検索させるルーム管理用プログラムであって、
入力処理と、読み出し処理と、検索処理と、予約処理と、状況変更処理とを実行可能とし、
入力処理は、利用人数、日付を入力可能とし、
読み出し処理は、日付と状況指数を対応付けた設定情報を参照し、入力された日付に対応する状況指数を読み出し、
検索処理は、読み出された状況指数に基づいて、収容人数もしくは、入力された利用人数を変換し、利用人数を収容可能なルームを検索し、
予約処理は、少なくとも利用人数について利用可能なルームの予約情報を形成し、
状況変更処理は、設定情報の状況指数に変更が生じ、予約情報が利用可能なルームでなくなった場合、利用可能なルームに再割当をする、もしくは、注意喚起を行う。
【0013】
また、本発明に係るルーム管理用プログラムは、
情報処理装置に、ルームの収容人数を通知させるルーム管理用プログラムであって、
入力処理と、読み出し処理と、通知処理と、予約処理と、状況変更処理とを実行可能とし、
入力処理は、日付を入力可能とし、
読み出し処理は、日付と状況指数を対応付けた設定情報を参照し、入力された日付に対応する状況指数を読み出し、
通知処理は、読み出された状況指数に基づいて、収容人数を変換し、変換された収容人数を通知し、
予約処理は、少なくとも利用人数について利用可能なルームの予約情報を形成し、
状況変更処理は、設定情報の状況指数に変更が生じ、予約情報が利用可能なルームでなくなった場合、利用可能なルームに再割当をする、もしくは、注意喚起を行う。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るルーム管理装置、ルーム管理用プログラムによれば、状況に応じた適切な収容人数のルームを検索する、あるいは、状況に応じたルームの収容人数を通知することが可能となる。したがって、状況に応じた適切なルームを使用することが可能となり、感染拡大の抑制を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態に係るシステムの全体構成を示す図
【
図2】カラオケ店舗におけるネットワーク構成を示す図
【
図7】本実施形態に係る各種状況における最大収容人数を説明するための図
【
図8】本実施形態に係るルーム状態確認画面(状況C:通常)を示す図
【
図9】本実施形態に係るルーム状態確認画面(状況A:非常事態)を示す図
【
図10】本実施形態に係る状況変更処理を示すフロー図
【
図11】本実施形態に係る予約管理画面(状況変更前)を示す図
【
図12】本実施形態に係る予約管理画面(状況変更後)への変化の様子を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本実施形態に係るシステムの全体構成を示す図である。本実施形態のシステムは、カラオケ店舗に設置される管理装置5を少なくとも備えて構成されている。その他、システムの外部構成としては、決済サーバ81、カラオケ管理サーバ84、無線基地局83、個人宅等に設置された家庭用コンピュータ72、個人が所持する携帯端末71、カラオケ店舗に設置された管理装置5等が存在している。
【0017】
図2は、カラオケ店舗におけるネットワーク構成を示す図である。カラオケ店舗では、カラオケ装置2a~2kが設置された部屋(ルーム)を有して構成されている。カラオケ装置2a~2kの利用を希望する顧客は、ルームを時間借りすることで、カラオケ装置2a~2kを使用し、歌唱を楽しむことになる。本実施形態では、このような、カラオケ装置2a~2kが設置されたルームの時間貸しを行う店舗において、カラオケの他、楽器の練習、コンサートのライブ中継、コンサートの録画映像、映画、ドラマ等、各種コンテンツの再生を行うことも行われる。また、仕事仲間が集って会議するための会議用、あるいは、テレワーク、学習のための自習室として利用することも行われている。
【0018】
図1に示されるようにカラオケ店舗には、カラオケ店舗を管理するための管理装置5が設置されている。管理装置5は、各ルームの利用状況の確認、利用設定、予約、利用料金の計算等、各ルームに関する管理を行うことが可能である。管理装置5は、一般的なパーソナルコンピュータ等で構成され、ルータ120、光モデム121を介してインターネットに接続されており、イベント管理システム82とインターネットを介した通信を行うことが可能である。
【0019】
イベント管理システム82は、カラオケ店舗のルームにおいて、各種コンテンツの視聴に関する管理を実行する。例えば、コンサートのライブ中継を行う場合、前もって顧客に対しチケットを販売すると共に、顧客が視聴するルームの割当等を実行する。チケットを購入した顧客は、割り当てられたルームで、コンサートのライブ中継等、各種コンテンツを視聴することが可能である。顧客におけるチケットの購入等は、顧客が所持する携帯端末71、あるいは、顧客の自宅に設置された家庭用コンピュータ72から行われる。携帯端末71は、無線基地局83を介して、また、家庭用コンピュータ72は、光モデム73を介してインターネットに接続され、イベント管理システム82等、各種サーバと通信を行うことが可能である。
【0020】
コロナ禍の現状、
図2に示されるような複数のルームを管理するカラオケ店舗では、複数の顧客が集うことでの感染拡大が心配されている。従来、このようなルームに対しては、最大収容人数が規定されているが、従来の基準では、密な状況となることが考えられる。感染の拡大状況に応じて収容人数をコントロールすることも考えられるが、正確に行うことはできなかった。
【0021】
本実施形態は、このような状況を鑑みたものであって、感染拡大等、各種の状況に応じて適切な収容人数のルームを検索する、あるいは、状況に応じたルームの収容人数を通知することとしている。
【0022】
[第1実施形態:検索処理]
まず、カラオケ店舗において行われる検索処理について説明を行う。
図3は、本実施形態に係る検索処理を示すフロー図であり、
図4は、本実施形態に係る状況指数テーブルを示す図であり、
図5は、本実施形態に係る状況確認画面を示す図であり、
図6は、本実施形態に係るルーム検索画面を示す図である。
【0023】
カラオケ店舗に設置された管理装置5では、来店した顧客の要望(利用人数、利用時間、希望する機種等)に基づき、適合するルームの検索を行う。
図6には、ルーム検索画面の一例が示されている。ルーム検索画面には、日付入力欄52a、開始時刻入力欄52b、利用時間入力欄52c、機種選択欄52d、利用人数入力欄52e、利用用途選択欄52f、検索ボタン52g、戻るボタン52hが設けられている。
【0024】
例えば、顧客が来店した場合、日付入力欄52a、開始時刻入力欄52b、利用時間入力欄52cを使用して、顧客の利用したい時間帯を設定する。機種選択欄52dでは、顧客の利用したいブランド、あるいは、ブランドにおける機種を選択することが可能である。先に説明したコンテンツ視聴については、利用できる機種が限定される場合がある。ここで、コンテンツ視聴を行うことのできる機種を選択して検索することで、コンテンツ視聴を楽しむことのできるルームを見つけることが可能となる。利用人数入力欄52eには、実際に利用する人数が入力される。利用用途選択欄52fは、ルームの利用用途を選択するための選択欄であり、本実施形態では、カラオケ、会議、視聴(コンテンツ視聴)の3つの中から選択することが可能となっている。
【0025】
ルーム検索画面では、顧客の希望する条件を入力後、検索ボタン52gを操作することで、条件に適合するルームが検索結果として表示される。ところで、先に説明したように、感染の拡大状況によっては、ルーム内での密な状況を避けることが好ましい。このような感染状況の拡大については、政府や自治体が発令によって発令される宣言、警戒、警告等によって通知される。また、ある程度の期間を予定して通知されることが多い。
【0026】
本実施形態では、このような政府、自治体による感染状況の拡大に関する宣言等、各種状況を利用して、状況に応じた適切な収容人数のルームを検索することとしている。なお、状況としては、政府、自治体による宣言等ではなく、店舗自体が判断した状況を使用することも可能である。
【0027】
図4は、このような状況を設定するための状況指数テーブルを示す図である。本実施形態では、状況を3つの段階に分け、各段階に状況指数を設定している。本実施形態の状況指数は、予め規定されているルームの収容人数に対する割合を示しており、規定されている収容人数にこの状況指数を乗算することで、実際に利用可能な収容人数を算出することが可能となっている。なお、本実施形態では、乗算で生じた小数点以下については、切り捨てる演算を行っている。演算については、切り捨てることに限定されるものではなく、切り上げ、四捨五入することでもよい。
【0028】
また、本実施形態では、ルームの利用用途に応じても異なる状況指数を設定している。例えば、カラオケでは、歌唱を行うとともに、飲食も伴う場合もあり、密な状況はできるだけ避けたい。一方で、会議を行う場合においては、会話程度が行われるに過ぎない。そして、視聴においては、コンテンツの視聴を楽しむことが目的であり、会話もより少ないことが考えられる。
【0029】
したがって、本実施形態では、状況指数については、ある状況についてみた場合、カラオケ<会議<視聴の順となっている。例えば、同じ状況下では、カラオケよりも視聴の方がより多い収容人数とすることとしている。
【0030】
なお、本実施形態では、状況指数に基づいて、ルームの収容人数を変換する形態を採用している。このような形態では、実際に利用可能なルームの収容人数に変換することが可能であって、ユーザに対して変換されたルームの収容人数を提示することも可能である。一方、検索を行う場合であって、利用可能なルームの収容人数について提示する必要の無い場合は、利用人数を変換する状況指数を使用することとしてもよい。例えば、
図4の状況指数テーブルと同じ換算率とする場合、
図4の状況指数の逆数を取ることで、利用人数を変換する状況指数とすることができる。例えば、状況Aにおける「カラオケ」利用時については、50%(0.5)の逆数を取ることで、利用人数を変換する状況指数は2となる。また、状況Cにおける「カラオケ」利用時については、100%(1)の逆数を取ることで、利用人数を変換する状況指数は1となる。
【0031】
図5は、本実施形態に係る状況確認画面51を示す図である。
図4で説明した状況指数テーブル中、状況は、日付に対応して設定されることになる。管理装置5では、この状況確認画面を参照し、各日付の状況を確認することが可能となっている。状況確認画面には、月を移動するための戻しボタン51a、送りボタン51b、設定ボタン51d、戻るボタン51eが設けられている。
【0032】
本実施形態の状況確認画面51は、カレンダー形式で1月分の状況を日毎に確認することが可能である。本実施形態では、状況表示バー51cで日毎の状況が示されている。例えば、2月1日~2月4日までは、「状況A」が表示された状況表示バー51cが表示されている。一方、2月の週末(土曜、日曜)には、「状況B」が表示された状況表示バー51cが表示されている。また、状況表示バー51cが表示されない日は、状況C(通常)となっている。
【0033】
本実施形態の状況確認画面51に表示される状況表示バー51cの設定は、設定ボタン51dを操作することで行うことが可能である。設定ボタン51dを操作することで、設定ウィンドウ(図示せず)が表示され、日毎に状況を設定することが可能である。設定された状況は、状況表示バー51cとして表示される。
【0034】
なお、状況の設定は、このように店舗での操作ではなく、インターネットに接続されたカラオケ管理サーバ84等のサーバから設定することとしてもよい。チェーン展開されている店舗等においては、複数の店舗に対する状況を一括して設定することが可能である。
【0035】
また、状況は地域によって異なることが考えられる。そのため、状況は地域別に行われるものであってもよい。店舗に対応する地域の状況を取得することで、地域別に適した状況を設定することが可能となる。
【0036】
本実施形態では、
図4の状況指数テーブル、
図5の状況確認画面に示される日付毎の状況を使用して適切なルーム検索を行うことが可能となっている。
図3は、本実施形態の検索処理(予約処理)を示すフロー図である。本実施形態では、検索した結果を通知する形態としているが、検索した結果を予約することとしてもよい。
【0037】
検索処理が開始されると、まず、検索条件の入力が行われる(S101)。検索条件の入力は、先に説明した
図6のルーム検索画面が使用される。次に、ルーム使用日時における状況指数が読み出される(S102)。状況指数は、
図5の状況確認画面で説明したように、日毎に設定されている。そのため、検索条件中、入力された日付を参照することで状況指数を読み出すことが可能である。本実施形態では、利用用途も使用しているため、日付及び利用用途に対応する状況指数が読み出される。例えば、2021年2月2日の場合において、利用用途がカラオケである場合、
図4の状況指数テーブルから「50%」の状況指数が読み出される。
【0038】
本実施形態では、読み出された状況指数を使用し、予めルームに設定されている収容人数を変換することとしている(S103)。例えば、2021年2月2日の場合において、利用用途がカラオケである場合、状況指数テーブルから「50%」であるから、収容人数×50%とすることで、実際に利用可能な収容人数が算出される。
図7は、状況指数によって変換されたルームの収容人数(最大収容人数)を示す図である。
図7(A)~
図7(C)は、各利用用途(カラオケ時、会議時、視聴時)に対応している。例えば、
図7(A)のカラオケ時におけるA号室を見ると、状況C(通常)では10人であり、状況A(非常事態)では5人、状況B(警戒)では、8人となっている。一方、
図7(C)の視聴時におけるA号室については、状況C(通常)では10人であり、状況A(非常事態)では8人、状況B(警戒)では、10人となっており、カラオケ時よりも緩く設定されている。
【0039】
ルームの検索(S104)においては、S103で算出された新たな収容人数を使用して検索が行われる。検索条件に適合するルームがある場合(S105:Yes)、適合したルームの通知(例えば、モニタへの表示)が行われる(S106)。一方、検索条件に適合するルームが無い場合(S107:No)、エラー通知が行われる(S107)。なお、検索後、予約を行う場合には、適合したルームの予約が実行される。予約の実行時には、適合したルームを通知後に、候補の中から予約させることとしてもよいし、適合したルームを通知することなく、適宜基準に基づいて候補の中から選択し、予約を行うこととしてもよい。
【0040】
[第2実施形態:収容人数の通知]
次に、第2実施形態について説明を行う。第1実施形態では、検索条件に基づきルームを検索することとしていた。カラオケ店舗では、顧客が来店した場合、現在のルームの状況を確認し、顧客を空きルームに案内することがある。このような場合、各ルームの収容人数をルーム状態確認画面にて参照し、顧客の希望人数を案内できるルームを探すことになる。
【0041】
本実施形態は、このような状況を鑑みたものであって、例えば、
図8のルーム状態確認画面53において、状況に応じた収容人数を通知することとしている。
図8は、本実施形態に係るルーム状態確認画面53(状況C:通常)を示す図であり、
図9は、本実施形態に係るルーム状態確認画面53(状況A:非常事態)を示す図である。
【0042】
図8、
図9のルーム状態確認画面53は、日時(状況)異なる場合を示したものである。ルーム状態確認画面53には、現在年月日53a、現在時刻53b、ルーム状態表示欄53c、現在状況53dが表示されている。また、管理者は、用途選択欄53g、利用登録ボタン53e、戻るボタン53fを操作することが可能である。
【0043】
店舗のフロントに顧客が来店した場合、管理者は、このルーム状態確認画面を参照して、各ルーム(A号室からK号室)の空き状態等を確認する。ルーム状態表示欄53cには、利用可能な場合「空き」が表示される。一方、既に入室済み、あるいは、近い時間に予約がある場合、その状況が表示される。本実施形態では、入室時刻、退室(予定)時刻、用途、入室人数が表示されている。
【0044】
また、本実施形態のルーム状態確認画面53では、用途選択欄53gを使用して、来店した顧客の用途(カラオケ、会議、視聴)を選択することが可能である。また、各ルームのルーム状態表示欄53cには、現在の状況が表示されている。また、ルーム状態表示欄53cのルーム名の右隣には、括弧書きで、現在の状況における収容人数が表示されている。この収容人数は、現在の状況、用途選択欄53gで選択された用途に応じて変化する。
【0045】
図8のルーム状態確認画面53は、2021年2月5日の状態を示したものである。
図5の状況確認画面51を参照すると、この日は、状況C(通常)にあたる。また、用途選択欄53gで入力された利用用途は、カラオケであるため、
図4の状況指数テーブルを参照し、状況指数100%が読み出される。この状況指数に、各ルームに規定されている収容人数を乗算することで、ルーム状態表示欄53cに表示される収容人数が決定される。この場合、状況指数は100%であるため、規定されている収容人数と、表示される収容人数は一致している。
【0046】
一方、
図9のルーム状態確認画面53は、
図8とは異なる日付におけるものであって、2021年2月2日(火)の状態を示したものである。
図5の状況確認画面51を参照すると、この日は、状況Aにあたる。また、用途選択欄53gで入力された利用用途は、カラオケであるため、
図4の状況指数テーブルを参照し、状況指数50%が読み出される。この状況指数に、各ルームに規定されている収容人数を乗算することで、ルーム状態表示欄53cに表示される収容人数が決定される。この場合、状況指数は50%であるため、表示される収容人数は、規定されている収容人数の半分になる。
【0047】
このように、本実施形態では、カラオケ店舗のフロント等において、ルームの収容人数を確認する場合、状況に応じた収容人数を確認することが可能となる。また、利用用途に応じて変化させることで、利用用途に応じた収容人数を確認することも可能である。
【0048】
[第3実施形態:状況変更処理]
ところで、前もって予約を済ませているルームについて、予約の後、状況が変化することが考えられる。例えば、10人収容可能なルームを10人で予約していた場合、状況変化により、収容人数が5人となってしまい、収容人数を超過することが考えられる。本実施形態は、このような状況を鑑みたものであって、既に予約済みルームについて、状況変化に対応できることを特徴としている。
【0049】
図10は、本実施形態に係る状況変更処理を示すフロー図であり、
図11は、本実施形態に係る予約管理画面54(状況変更前)を示す図であり、
図12は、本実施形態に係る予約管理画面54(状況変更後)への変化の様子を説明するための図である。
【0050】
図11、
図12に示される予約管理画面54は、管理装置5を使用して、管理者が日付を指定して予約状況を確認することが可能である。本実施形態の予約管理画面54には、指定日付54a、日付指定ボタン54b、現在日付54c、指定日付における状況54dが表示されている。また、指定日付における各ルームの予約状況が、時刻に対応して表示されている。例えば、
図11のB号室については、19時~22時までの期間、水野様による予約が行われていることが分かる。また、予約状況には、氏名に加え、予約人数、利用用途も併せて表示されている。
【0051】
例えば、
図11の状態において、指定日付(2021年2月28日)の到来前に、同指定日付における状況が、状況C(通常)から状況Aに変更された場合を考える。この場合、
図4の状況指数テーブルを参照すると、カラオケの利用用途では、各ルームの収容人数が半分になってしまう。そのため、
図11に示されるA号室、B号室、K号室については、利用人数が収容人数を超過してしまう。
【0052】
そのため、本実施形態では、状況が変更される毎に状況変更処理を実行することで、状況に応じたルームを確保することとしている。
図10は、状況変更処理を示すフロー図である。状況変更処理では、状況に変更が生じた場合(S201:Yes)、S202~S207の処理を実行する。
【0053】
まず、変更対象となった日付における予約情報を1つ取得する(S202)。予約情報には、ルームの予約日、予約時間帯、利用人数、利用用途等が記述されている。そして、当該予約情報を参照し、状況変更に伴い変更された収容人数が適切か否かを判断する(S203)。適切である場合(S203:Yes)、予約情報に変更は加えない。
【0054】
一方、適切で無い場合(S203:No)、予約情報中、予約日、予約時間帯において、適切な空きルームが存在するか否かを確認する。適切な空きルームが存在する場合(S204:Yes)、適切なルームに再割当てを行い、予約情報を変更する(S205)。一方、適切な空きルームが存在しない場合(S204:No)、エラー通知を実行する(S206)。変更対象となった日付の予約情報を確認し終えた場合(S207:Yes)、状況の変更監視(S201)に戻る。
【0055】
図12の予約管理画面54は、
図11の状況から、状況が変更された場合の変化の様子が示されている。各ルーム(A号室~K号室)の収容人数は、状況C(通常)から状況Aに変化したことに伴い、半分になっていることが分かる。なお、この例では、全てのルームについて、その利用用途をカラオケに限定して説明する。利用用途がカラオケ以外も含む場合は、その利用用途に応じて収容人数が変更される。このような変更後の状況においては、A、B、K号室の予約について、利用人数が許容人数を満たさなくなってしまう。そのため、本実施形態では、ルームの再割当を実行する。例えば、A号室の予約(山田様、8人、カラオケ)については、利用人数が許容人数を満たすI号室(許容人数:15人)に変更する再割当Aが実行される。また、K号室の予約(鈴木様、9人、カラオケ)については、利用人数が許容人数を満たすJ号室(許容人数:10人)に変更する再割当Bが実行される。ルームの再割当については、各種条件(例えば、希望の利用機種等)を考慮して行われることが好ましい。
【0056】
一方、B号室の予約(水野様、20人、カラオケ)については、利用人数である20人を収容できるルームが存在しなくなった。そのため、予約管理画面54には、「要連絡」と表記された注意表示54eが表示される。管理者は、この注意表示54eを確認し、予約者に連絡を取り、ルームを2つに分割する確認、あるいは、キャンセルの確認等の措置をとる。
【0057】
このように本実施形態では、状況が変更された場合であっても、既に予約済みのルームについて、適切なルームに変更する、もしくは、利用における注意喚起を行うことが可能となる。
【0058】
以上、3つの実施形態について説明したが、これら実施形態は、日付に対応した状況指数を使用して、許容人数が適切なルームを選択できる点において共通するものである。以下に、変形例を説明する。
【0059】
[変形例1]
上述の実施形態では、状況指数は、日付に対応することとしていた。ところで、感染拡大に伴う注意喚起は、日中と夜間で異なることが考えられる。そのような事情を踏まえ、状況指数は、日付、及び、時間に応じて変化させることとしてもよい。日付と時間に応じた、許容人数が適切なルームを選択することが可能となる。
【0060】
[変形例2]
上述の実施形態では、カラオケ店舗の管理装置5を利用してルームの検索等を行うものであった。現在、カラオケ店舗のルーム予約は、
図1で説明した携帯端末71、あるいは、家庭用コンピュータ72を使用して行うことも可能である。本発明に係るルーム管理装置は、携帯端末71、あるいは、家庭用コンピュータ72とする、あるいは、携帯端末71、あるいは、家庭用コンピュータ72において実行可能なルーム管理用プログラムであってもよい。そのような場合、操作する者は、カラオケ店舗の管理者(従業者)ではなく、ルームを使用する顧客となる。
【0061】
携帯端末71、あるいは、家庭用コンピュータ72からのルーム予約は、カラオケを利用用途とする場合に限らず、コンテンツ視聴のチケット購入時であってもよい。コンテンツ視聴時の利用用途においては、イベントが開催される日時に応じて、
図4で説明した状況指数テーブルを使用して収容人数が変更される。ユーザは、人数を指定してコンテンツ視聴するためにチケットを購入することになるが、変更された収容人数が使用されることになる。このような場合、ルーム管理装置は、イベント管理システム82とする、あるいは、イベント管理システム82において実行可能なルーム管理用プログラムであってもよい。
【0062】
以上、本発明に係るルーム管理装置について説明を行ったが、本発明は、管理装置(情報処理装置)で実行されるプログラム(ルーム管理用プログラム)についても、その範疇に属する。
【符号の説明】
【0063】
2(2a~2k):カラオケ装置 53d:現在状況
5:管理装置 53e:利用登録ボタン
51:状況確認画面 53f:戻るボタン
51a:戻しボタン 53g:用途選択欄
51b:送りボタン 54:予約管理画面
51c:状況表示バー 54a:指定日付
51d:設定ボタン 54b:日付指定ボタン
51e:戻るボタン 54c:現在日付
52a:日付入力欄 54d:状況
52b:開始時刻入力欄 54e:注意表示
52c:利用時間入力欄 71:携帯端末
52d:機種選択欄 72:家庭用コンピュータ
52e:利用人数入力欄 73:光モデム
52f:利用用途選択欄 81:決済サーバ
52g:検索ボタン 82:イベント管理システム
52h:戻るボタン 83:無線基地局
53:ルーム状態確認画面 84:カラオケ管理サーバ
53a:現在年月日 120:ルータ
53b:現在時刻 121:光モデム
53c:ルーム状態表示欄