(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-07
(45)【発行日】2023-06-15
(54)【発明の名称】パネルおよびそれを含むカバー材
(51)【国際特許分類】
E04F 15/02 20060101AFI20230608BHJP
E04F 13/08 20060101ALI20230608BHJP
E04F 13/10 20060101ALI20230608BHJP
E04F 15/04 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
E04F15/02 G
E04F13/08 M
E04F13/08 N
E04F13/10 B
E04F15/04 F
(21)【出願番号】P 2021544689
(86)(22)【出願日】2019-01-30
(86)【国際出願番号】 NL2019050057
(87)【国際公開番号】W WO2020159355
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】520250741
【氏名又は名称】アイ4エフ・ライセンシング・エヌヴィ
【氏名又は名称原語表記】I4F LICENSING NV
【住所又は居所原語表記】INDUSTRIEDIJK 19, 2300 TURNHOUT, BELGIUM
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ペッラ,アントニオ・ジュゼッペ
【審査官】吉村 庄太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04426820(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0284105(US,A1)
【文献】特開2000-145104(JP,A)
【文献】特開2011-140863(JP,A)
【文献】特開2002-004552(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 15/00-15/22
E04F 13/00-13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルであって、複数の該パネルを含むカバー材を構築するために使用されるように構成され、
底部および上部を有するコアであって、該コアは、前記パネルの第1側部および第2側部にて該コアの前記底部から延出した下部延出領域を含み、かつ前記パネルの第3側部および第4側部にて該コアの前記上部から延出した上部延出領域を含み、前記第3側部および前記第4側部が、それぞれ前記第1側部および前記第2側部の反対側にある、コアを含み、
前記パネルは矩形の形状を有し、前記パネルの前記第1側部および前記第3側部は、横方向に延在する該矩形パネルの短辺に対応し、前記パネルの前記第2側部および前記第4側部は、縦方向に延在する該パネルの長辺に対応し、
前記下部延出領域は、前記パネルの前記第1側部にて前記コアの第1内壁から離れてかつ該第1内壁と平行に走る第1上向き舌部と、前記パネルの前記第2側部にて前記コアの第2内壁から離れてかつ該第2内壁と平行に走る第2上向き舌部とを含み、
前記上部延出領域は、前記パネルの前記第3側部にて前記コアの第3内壁から離れてかつ該第3内壁と平行に走る第3下向き舌部と、前記パネルの前記第4側部にて前記コアの第4内壁から離れてかつ該第4内壁と平行に走る第4下向き舌部とを含み、
前記第1上向き舌部と前記コアの前記第1内壁の間のクリアランスが、前記複数のパネルのうちの隣接するパネルの第3下向き舌部を受容するように構成された第1上向き溝を画定し、
前記第2上向き舌部と前記コアの前記第2内壁の間のクリアランスが、前記複数のパネルのうちの隣接するパネルの第4下向き舌部を受容するように構成された第2上向き溝を画定し、
前記第3下向き舌部と前記コアの前記第3内壁の間のクリアランスが、前記複数のパネルのうちの隣接するパネルの第1上向き舌部を受容するように構成された第3下向き溝を画定し、
前記第4下向き舌部と前記コアの前記第4内壁の間のクリアランスが、前記複数のパネルのうちの隣接するパネルの第2上向き舌部を受容するように構成された第4下向き溝を画定し、
前記第3下向き舌部および前記第1上向き舌部は、各々、前記コアの前記第4内壁と平行に延在する第2側壁を含む、パネルにおいて、
前記第3下向き舌部の前記第2側壁および前記第1上向き舌部の前記第2側壁は、各々、第3連結要素を含み、該第3連結要素は、各々、前記縦方向に沿って延在し、
第2上向き舌部は、前記縦方向に沿って延在し、該第2上向き舌部の外側部上に配置された第4連結要素を含み、
前記パネルの前記第1上向き舌部が、前記複数のパネルのうちの第1の隣接するパネルの第3下向き溝に連結され、前記第1の隣接するパネルの前記第3下向き舌部が、前記パネルの前記第1上向き溝に連結されるとき、前記パネルの前記第1上向き舌部および前記第1の隣接するパネルの前記第3下向き舌部の前記第3連結要素同士は整列して、本質的に連続した第3連結要素を形成し、
前記複数のパネルのうちの第3の隣接するパネルの前記第2上向き舌部が、前記パネルの前記第4下向き溝および前記第1の隣接するパネルの前記第4下向き溝に連結されるとき、前記第4連結要素は、前記第1の隣接するパネルの前記第3下向き舌部と、前記パネルの前記第1上向き舌部と、前記第3の隣接するパネルの前記第2上向き舌部とを同時にロックする目的で、前記本質的に連続した第3連結要素と協働
し、
前記第3連結要素は、第1ロック要素および第2ロック要素の一方を含み、前記第4連結要素は、第1ロック要素および第2ロック要素の他方を含み、第3関連壁が、前記第1上向き舌部の前記第2側壁、前記パネルの前記第4内壁、または前記第3下向き舌部の前記第2側壁であり、第4関連壁は、前記第2上向き舌部の前記外側部であり、
前記第1ロック要素は、前記第3関連壁または前記第4関連壁の一方に対して内向きに延出した凹部を含み、該凹部は、底部と、該底部から前記第3関連壁または前記第4関連壁の前記一方の外側部まで延出した側壁とを有し、前記第1ロック要素は、さらに、前記底部から前記第3関連壁または前記第4関連壁の前記一方の前記外側部の方へ延出した突出部を含み、
前記第2ロック要素は、それぞれ前記第3関連壁および前記第4関連壁の他方の外側部から基部まで外向きに延出した側壁と、該基部から前記第3関連壁および前記第4関連壁の前記他方に対して内向きに延出した凹部とを含む突出部を含み、
前記第2ロック要素の前記突出部は、前記第2ロック要素の前記凹部によって、二つの対向配置された副突出部に分割され、
前記第1ロック要素の前記凹部は、前記第1ロック要素の前記突出部によって、二つの対向配置された副凹部に分割され、
前記第1ロック要素の前記突出部は、前記第2ロック要素の前記凹部に受容されるように構成され、
前記第2ロック要素の各副突出部は、前記第1ロック要素のそれぞれの副凹部に受容されるように構成されることを特徴とするパネル。
【請求項2】
前記コアの前記第4内壁も、前記縦方向に沿って延在する第3連結要素を含み、前記パネルの前記第1上向き舌部が、前記第1の隣接するパネルの前記第3下向き溝に連結され、前記第1の隣接するパネルの前記第3下向き舌部が、前記パネルの前記第1上向き溝に連結されるとき、前記パネルの前記第1上向き舌部、前記パネルの前記コアの前記第4内壁、および前記第1の隣接するパネルの前記第3下向き舌部の前記第3連結要素同士は整列して、前記本質的に連続した第3連結要素を形成するようになっている、請求項
1に記載のパネル。
【請求項3】
前記縦方向に沿う前記第3連結要素の横断面が、前記第1上向き舌部と、前記第3下向き舌部と、前記第4内壁との間で実質的に一定である、請求項
2に記載のパネル。
【請求項4】
前記パネルと前記第1の隣接するパネルが連結されるとき、前記連続した第3連結要素は、実質的に、前記パネルおよび前記第1の隣接するパネルの全長にわたって延在する、請求項
2または3に記載のパネル。
【請求項5】
前記第3連結要素は、凹部および突起の一方を含み、前記第4連結要素は、凹部および突起の他方を含む、請求項
1から4のいずれかに記載のパネル。
【請求項6】
パネルであって、複数の該パネルを含むカバー材を構築するために使用されるように構成され、
底部および上部を有するコアであって、該コアは、前記パネルの第1側部および第2側部にて該コアの前記底部から延出した下部延出領域を含み、かつ前記パネルの第3側部および第4側部にて該コアの前記上部から延出した上部延出領域を含み、前記第3側部および前記第4側部が、それぞれ前記第1側部および前記第2側部の反対側にある、コアを含み、
前記パネルは矩形の形状を有し、前記パネルの前記第1側部および前記第3側部は、横方向に延在する該矩形パネルの短辺に対応し、前記パネルの前記第2側部および前記第4側部は、縦方向に延在する該パネルの長辺に対応し、
前記下部延出領域は、前記パネルの前記第1側部にて前記コアの第1内壁から離れてかつ該第1内壁と平行に走る第1上向き舌部と、前記パネルの前記第2側部にて前記コアの第2内壁から離れてかつ該第2内壁と平行に走る第2上向き舌部とを含み、
前記上部延出領域は、前記パネルの前記第3側部にて前記コアの第3内壁から離れてかつ該第3内壁と平行に走る第3下向き舌部と、前記パネルの前記第4側部にて前記コアの第4内壁から離れてかつ該第4内壁と平行に走る第4下向き舌部とを含み、
前記第1上向き舌部と前記コアの前記第1内壁の間のクリアランスが、前記複数のパネルのうちの隣接するパネルの第3下向き舌部を受容するように構成された第1上向き溝を画定し、
前記第2上向き舌部と前記コアの前記第2内壁の間のクリアランスが、前記複数のパネルのうちの隣接するパネルの第4下向き舌部を受容するように構成された第2上向き溝を画定し、
前記第3下向き舌部と前記コアの前記第3内壁の間のクリアランスが、前記複数のパネルのうちの隣接するパネルの第1上向き舌部を受容するように構成された第3下向き溝を画定し、
前記第4下向き舌部と前記コアの前記第4内壁の間のクリアランスが、前記複数のパネルのうちの隣接するパネルの第2上向き舌部を受容するように構成された第4下向き溝を画定し、
前記第1上向き舌部および前記第3下向き舌部は、各々、前記コアの前記第2内壁と平行に延在する第1側壁を含み、
前記第3下向き舌部および前記第1上向き舌部は、各々、前記コアの前記第4内壁と平行に延在する第2側壁を含む、パネルにおいて、
前記第1上向き舌部の前記第1側壁および前記第3下向き舌部の前記第1側壁は、各々、第1連結要素を含み、該第1連結要素は、各々、前記縦方向に沿って延在し、
前記第3下向き舌部の前記第2側壁および前記第1上向き舌部の前記第2側壁は、各々、第3連結要素を含み、該第3連結要素は、各々、前記縦方向に沿って延在し、
第4下向き舌部は、前記縦方向に沿って延在し、該第4下向き舌部の外側部上に配置された第2連結要素を含み、
第2上向き舌部は、前記縦方向に沿って延在し、該第2上向き舌部の外側部上に配置された第4連結要素を含み、
前記パネルの前記第1上向き舌部が、前記複数のパネルのうちの第1の隣接するパネルの第3下向き溝に連結され、前記第1の隣接するパネルの前記第3下向き舌部が、前記パネルの前記第1上向き溝に連結されるとき、
前記パネルの前記第1上向き舌部および前記第1の隣接するパネルの前記第3下向き舌部の前記第1連結要素同士は整列して、本質的に連続した第1連結要素を形成し、
前記パネルの前記第1上向き舌部および前記第1の隣接するパネルの前記第3下向き舌部の前記第3連結要素同士は整列して、本質的に連続した第3連結要素を形成し、
前記複数のパネルのうちの第3の隣接するパネルの前記第2上向き舌部が、前記パネルの前記第4下向き溝および前記第1の隣接するパネルの前記第4下向き溝に連結されるとき、前記第4連結要素は、前記第1の隣接するパネルの前記第3下向き舌部と、前記パネルの前記第1上向き舌部と、前記第3の隣接するパネルの前記第2上向き舌部とを同時にロックする目的で、前記本質的に連続した第3連結要素と協働し、
前記複数のパネルのうちの第2の隣接するパネルの前記第4下向き舌部が、前記パネルの前記第2上向き溝および前記第1の隣接するパネルの前記第2上向き溝に連結されるとき、前記第2連結要素は、前記パネルの前記第1上向き舌部と、前記第1の隣接するパネルの前記第3下向き舌部と、前記第2の隣接するパネルの前記第4下向き舌部とを同時にロックする目的で、前記本質的に連続した第1連結要素と協働
し、
前記第3連結要素は、第1ロック要素および第2ロック要素の一方を含み、前記第4連結要素は、第1ロック要素および第2ロック要素の他方を含み、第3関連壁が、前記第1上向き舌部の前記第2側壁、前記パネルの前記第4内壁、または前記第3下向き舌部の前記第2側壁であり、第4関連壁は、前記第2上向き舌部の前記外側部であり、
前記第1ロック要素は、前記第3関連壁または前記第4関連壁の一方に対して内向きに延出した凹部を含み、該凹部は、底部と、該底部から前記第3関連壁または前記第4関連壁の前記一方の外側部まで延出した側壁とを有し、前記第1ロック要素は、さらに、前記底部から前記第3関連壁または前記第4関連壁の前記一方の前記外側部の方へ延出した突出部を含み、
前記第2ロック要素は、それぞれ前記第3関連壁および前記第4関連壁の他方の外側部から基部まで外向きに延出した側壁と、該基部から前記第3関連壁および前記第4関連壁の前記他方に対して内向きに延出した凹部とを含む突出部を含み、
前記第2ロック要素の前記突出部は、前記第2ロック要素の前記凹部によって、二つの対向配置された副突出部に分割され、
前記第1ロック要素の前記凹部は、前記第1ロック要素の前記突出部によって、二つの対向配置された副凹部に分割され、
前記第1ロック要素の前記突出部は、前記第2ロック要素の前記凹部に受容されるように構成され、
前記第2ロック要素の各副突出部は、前記第1ロック要素のそれぞれの副凹部に受容されるように構成されることを特徴とするパネル。
【請求項7】
前記コアの前記第2内壁も、前記縦方向に沿って延在する第1連結要素を含み、前記パネルの前記第1上向き舌部が、前記第1の隣接するパネルの前記第3下向き溝に連結され、前記第1の隣接するパネルの前記第3下向き舌部が、前記パネルの前記第1上向き溝に連結されるとき、前記パネルの前記第1上向き舌部、前記パネルの前記コアの前記第2内壁、および前記第1の隣接するパネルの前記第3下向き舌部の前記第1連結要素同士は整列して、前記本質的に連続した第1連結要素を形成するようになっており、
前記コアの前記第4内壁も、前記縦方向に沿って延在する第3連結要素を含み、前記パネルの前記第1上向き舌部が、前記第1の隣接するパネルの前記第3下向き溝に連結され、前記第1の隣接するパネルの前記第3下向き舌部が、前記パネルの前記第1上向き溝に連結されるとき、前記パネルの前記第1上向き舌部、前記パネルの前記コアの前記第4内壁、および前記第1の隣接するパネルの前記第3下向き舌部の前記第3連結要素同士は整列して、前記本質的に連続した第3連結要素を形成するようになっている、請求項
6に記載のパネル。
【請求項8】
前記縦方向に沿う前記第1連結要素の横断面が、前記第1上向き舌部と、前記第3下向き舌部と、前記第2内壁との間で実質的に一定であり、前記縦方向に沿う前記第3連結要素の横断面が、前記第1上向き舌部と、前記第3下向き舌部と、前記第4内壁との間で実質的に一定である、請求項
7に記載のパネル。
【請求項9】
前記パネルと前記第1の隣接するパネルが連結されるとき、前記連続した第1連結要素は、実質的に、前記パネルおよび前記第1の隣接するパネルの全長にわたって延在し、前記連続した第3連結要素は、実質的に、前記パネルおよび前記第1の隣接するパネルの全長にわたって延在する、請求項
7または8に記載のパネル。
【請求項10】
前記第1連結要素は、第1凹部および第1突起の一方を含み、前記第2連結要素は、第1凹部および第1突起の他方を含む、前記第3連結要素は、第2凹部および第2突起の一方を含み、前記第4連結要素は、第2凹部および第2突起の他方を含む、請求項
6から9のいずれかに記載のパネル。
【請求項11】
さらに、前記第1上向き舌部の外側辺、前記第1上向き舌部の内側辺、および前記第1内壁の少なくとも一つに配置された第5連結要素と、前記第4内壁、前記第3下向き舌部の内側辺、および前記第3下向き舌部の外側辺の少なくとも一つに配置された第6連結要素とをそれぞれ含み、前記第5連結要素および前記第6連結要素は互いに相補的である、請求項
6から10のいずれかに記載のパネル。
【請求項12】
前記第5連結要素は、凹部および突起の一方であり、前記第6連結要素は、該凹部および該突起の他方である、請求項
11に記載のパネル。
【請求項13】
前記第5連結要素および前記第6連結要素は、前記横方向に沿って一定の横断面を有する、請求項
12に記載のパネル。
【請求項14】
前記コアは、中密度繊維板(MDF)、高密度繊維板(HDF)、およびポリ塩化ビニルの少なくとも一つから作られる、
請求項1~13のいずれかに記載のパネル。
【請求項15】
前記第1連結要素は、第1ロック要素および第2ロック要素の一方を含み、前記第2連結要素は、第1ロック要素および第2ロック要素の他方を含み、第1関連壁が、前記第1上向き舌部の前記第1側壁、前記パネルの前記第2内壁、または前記第3下向き舌部の前記第1側壁であり、第2関連壁は、前記第4下向き舌部の前記外側部であり、
前記第1ロック要素は、前記第1関連壁または前記第2関連壁の一方に対して内向きに延出した凹部を含み、該凹部は、底部と、該底部から前記第1関連壁または前記第2関連壁の前記一方の外側部まで延出した側壁とを有し、前記第1ロック要素は、さらに、前記底部から前記第1関連壁または前記第2関連壁の前記一方の前記外側部の方へ延出した突出部を含み、
前記
第2ロック要素は、それぞれ前記第1関連壁および前記第2関連壁の他方の外側部から基部まで外向きに延出した側壁と、該基部から前記第1関連壁および前記第2関連壁の前記他方に対して内向きに延出した凹部とを含む突出部を含み、
前記第2ロック要素の前記突出部は、前記第2ロック要素の前記凹部によって、二つの対向配置された副突出部に分割され、
前記第1ロック要素の前記凹部は、前記第1ロック要素の前記突出部によって、二つの対向配置された副凹部に分割され、
前記第1ロック要素の前記突出部は、前記第2ロック要素の前記凹部に受容されるように構成され、
前記第2ロック要素の各副突出部は、前記第1ロック要素のそれぞれの副凹部に受容されるように構成される、
請求項6~13のいずれかに記載のパネル。
【請求項16】
前記第5連結要素は、第1ロック要素および第2ロック要素の一方を含み、前記第6連結要素は、第1ロック要素および第2ロック要素の他方を含み、第5関連壁が、前記第1上向き舌部の外側部、前記第1上向き舌部の内側部、および前記第1内壁の一つであり、第6関連壁が、それぞれ、前記第3内壁、前記第3下向き舌部の内側部、および前記第3下向き舌部の外側部であり、
前記第1ロック要素は、前記第5関連壁または前記第6関連壁の一方に対して内向きに延出した凹部を含み、該凹部は、底部と、該底部から前記第5関連壁または前記第6関連壁の前記一方の外側部まで延出した側壁とを有し、前記第1ロック要素は、さらに、前記底部から前記第5関連壁または前記第6関連壁の前記一方の前記外側部の方へ延出した突出部を含み、
前記
第2ロック要素は、それぞれ前記第5関連壁または前記第6関連壁の他方の外側部から基部まで外向きに延出した側壁と、該基部から前記第5関連壁または前記第6関連壁の前記他方に対して内向きに延出した凹部とを含む突出部を含み、
前記第2ロック要素の前記突出部は、前記第2ロック要素の前記凹部によって、二つの対向配置された副突出部に分割され、
前記第1ロック要素の前記凹部は、前記第1ロック要素の前記突出部によって、二つの対向配置された副凹部に分割され、
前記第1ロック要素の前記突出部は、前記第2ロック要素の前記凹部に受容されるように構成され、
前記第2ロック要素の各副突出部は、前記第1ロック要素のそれぞれの副凹部に受容されるように構成される、
請求項11~13のいずれかに記載のパネル。
【請求項17】
請求項1~16のいずれかにおいて定められた複数の同一パネルを含むカバー材において、
前記複数のパネルのうちの第1パネルの前記第1上向き舌部は、前記複数のパネルのうちの第2パネルの前記第3下向き溝に連結され、
前記第1パネルの前記第1上向き溝は、前記第2パネルの前記第3下向き舌部に連結され、
前記複数のパネルのうちの第3パネルの前記第4下向き舌部は、前記第1パネルの前記第2上向き舌部および前記第2パネルの前記第2上向き舌部に連結され、
前記第3パネルの前記第4下向き溝は、前記第1パネルの前記第2上向き溝および前記第2パネルの前記第2上向き溝に連結され、
前記複数のパネルのうちの第4パネルの前記第2上向き舌部は、前記第1パネルの前記第4下向き溝および前記第2パネルの前記第4下向き溝に連結され、
前記第4パネルの前記第2上向き溝は、前記第1パネルの前記第4下向き舌部および前記第2パネルの前記第4下向き舌部に連結される、カバー材。
【請求項18】
前記カバー材が床カバー材および壁カバー材の一方である、請求項
17に記載のカバー材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネルおよび複数の当該パネルを含むカバー材に関する。本発明は、特に床パネルに関し、より具体的には、積層床パネル、堅木材床パネル、無垢材床パネル、またはポリ塩化ビニル(PVC)系床パネルに関する。
【0002】
積層床パネルは、典型的には、底部および上部を有するコアを含む。当該コアは、概して、前記パネルの第1側部および第2側部にて当該コアの前記底部から延出した下部延出領域を含み、かつ、前記パネルの第3側部および第4側部にて当該コアの前記上部から延出した上部延出領域を含み、前記第3側部および前記第4側部は、それぞれ前記第1側部および前記第2側部の反対側にある。
【0003】
前記コアは、典型的には、中密度繊維板(MDF)層または高密度繊維板(HDF)層を含む。前記床パネルと下地床材の間にはアンダーレイメントが配置されることができ、防音材として働く。
【0004】
ほとんどのパネルは矩形の形状を有する。このような場合、前記パネルの上述の第1側部および第3側部は、横方向に延在する、当該矩形パネルのいわゆる短辺のことを指してよい。前記パネルの前記第2側部および第4側部は、縦方向に延在する、前記パネルのいわゆる長辺のことを指してよい。
【0005】
このようなパネルの一例が、欧州特許第2440724号から知られている。このパネルでは、前記下部延出領域は、前記パネルの前記第1側部にて前記コアの第1内壁から離れてかつ当該第1内壁と平行に走る第1上向き舌部と、前記パネルの前記第2側部にて前記コアの第2内壁から離れてかつ当該第2内壁と平行に走る第2上向き舌部とを含む。また、前記上部延出領域は、前記パネルの前記第3側部にて前記コアの第3内壁から離れてかつ当該第3内壁と平行に走る第3下向き舌部と、前記パネルの前記第4側部にて前記コアの第4内壁から離れてかつ当該第4内壁と平行に走る第4下向き舌部とを含む。
【0006】
前記第1上向き舌部および前記コアの前記第1内壁の間のクリアランスが、複数のパネルのうちの隣接するパネルの第3下向き舌部を受容するように構成された第1上向き溝を画定する。前記第2上向き舌部と前記コアの前記第2内壁の間のクリアランスが、前記複数のパネルのうちの隣接するパネルの第4下向き舌部を受容するように構成された第2上向き溝を画定する。前記第3下向き舌部と前記コアの前記第3内壁の間のクリアランスが、前記複数のパネルのうちの隣接するパネルの第1上向き舌部を受容するように構成された第3下向き溝を画定する。前記第4下向き舌部と前記コアの前記第4内壁の間のクリアランスが、前記複数のパネルのうちの隣接するパネルの第2上向き舌部を受容するように構成された第4下向き溝を画定する。
【0007】
前記第1上向き舌部および前記第3下向き舌部は、各々、前記コアの前記第2内壁に平行に延在する第1側壁を含む。さらに、前記第1上向き舌部および前記第3下向き舌部は、各々、前記コアの前記第4内壁に平行に延在する第2側壁を含む。
【0008】
これらの床パネルを含むカバー材の周知の問題は、特に前記床パネルが湿気を帯びるときの、熱膨張または収縮に関連している。前記床パネルの収縮または膨張に関連した機械的応力の結果、隣接するパネル間の隙間が、特に前記パネルの前記短辺にて、見えるようになることがある。さらに極端な場合では、前記パネルが互いから外れてしまうことがある。例えば、所与のパネルの第1上向き舌部が、隣接するパネルの前記第3下向き溝から外れてしまうことがあり、当該隣接するパネルの前記第3下向き舌部は、当該所与のパネルの前記第1上向き溝から外れてしまうことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の一つの目的は、これらの問題が発生しない、または少なくとも程度が小さくなったパネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、この目的は、請求項1に定められるパネルで達成され、当該パネルは、前記第1上向き舌部の前記第1側壁および前記第3下向き舌部の前記第1側壁が、各々、第1連結要素を含み、当該第1連結要素が、各々、前記縦方向に沿って延在することを特徴とする。さらに、前記第4下向き舌部は、前記縦方向に沿って延在し、当該第4下向き舌部の外側部上に配置された第2連結要素を含む。本発明によれば、前記パネルの前記第1上向き舌部が、前記複数のパネルのうちの第1の隣接するパネルの第3下向き溝に連結され、当該第1の隣接するパネルの前記第3下向き舌部が、前記パネルの前記第1上向き溝に連結されるとき、前記パネルの前記第1上向き舌部および前記第1の隣接するパネルの前記第3下向き舌部の前記第1連結要素同士は整列して、本質的に連続した第1連結要素を形成する。また、前記複数のパネルのうちの第2の隣接するパネルの前記第4下向き舌部が、前記パネルの前記第2上向き溝および前記第1の隣接するパネルの前記第2上向き溝に連結されるとき、前記第2連結要素は、前記パネルの前記第1上向き舌部と、前記第1の隣接するパネルの前記第3下向き舌部と、前記第2の隣接するパネルの前記第4下向き舌部とを同時にロックする目的で、前記本質的に連続した第1連結要素と協働する。
【0012】
本発明は、異なる隣接し合うパネルの前記短辺上に配置されたこれらのパネルの前記舌部同士の、さらなるパネルの前記長辺上に配置された当該さらなるパネルの舌部による連結を提案する。先行技術のパネルと比較して、隣接し合うパネルの前記短辺間の向上した連結が達成されることができ、これらのパネル同士が外れる可能性を低減する。
【0013】
好ましくは、前記コアの前記第2内壁も、前記縦方向に沿って延在する第1連結要素を含み、前記パネルの前記第1上向き舌部が、前記第1の隣接するパネルの前記第3下向き溝に連結され、前記第1の隣接するパネルの前記第3の下向き舌部が前記パネルの前記第1上向き溝に連結されるとき、前記パネルの前記第1上向き舌部、前記パネルの前記コアの前記第2内壁、および前記第1の隣接するパネルの前記第3下向き舌部の前記第1連結要素同士は整列して、前記本質的に連続した第1連結要素を形成するようになっている。
【0014】
前記縦方向に沿う前記第1連結要素の横断面は、前記第1上向き舌部と、前記第3下向き舌部と、前記第2内壁との間で実質的に一定でよい。このように、前記第1の隣接するパネルおよび前記パネルに対する前記第2の隣接するパネルの位置決めは、あまり重要ではない。
【0015】
それに加えて、またはその代わりに、前記連続した第1連結要素は、前記パネルの前記第1上向き舌部と前記第1の隣接するパネルの前記第3下向き舌部の間の境界にわたって延在するだけでなく、両パネルの実質的に全長にわたって延在してよい。
【0016】
前記第1連結要素は、凹部および突起の一方を含んでよく、前記第2連結要素は、凹部および突起の他方を含んでよい。
【0017】
上記では、前記第1連結要素は前記第2内壁上で実現した。しかしながら、このような連結要素は、前記第4内壁上に設けられることもできるだろう。その趣旨で、本発明は、第2態様によれば、請求項6に定められるパネルを提供する。このパネルでは、前記第3下向き舌部および前記第1上向き舌部は、各々、前記コアの前記第4内壁と平行に延在する第2側壁を含む。当該パネルは、前記第3下向き舌部の前記第2側壁および前記第1上向き舌部の前記第2側壁が、各々、第3連結要素を含み、当該連結要素が、各々、前記縦方向に沿って延在することを特徴とする。さらに、前記第2上向き舌部は、前記縦方向に沿って延在し、前記第2上向き舌部の外側部上に配置された第4連結要素を含む。本発明のこの第2態様によれば、前記パネルの前記第1上向き舌部が、前記複数のパネルのうちの第1の隣接するパネルの第3下向き溝に連結され、前記第1の隣接するパネルの前記第3下向き舌部が、前記パネルの前記第1上向き溝に連結されるとき、前記パネルの前記第1上向き舌部および前記第1の隣接するパネルの前記第3下向き舌部の前記第3連結要素同士は整列して、本質的に連続した第3連結要素を形成する。また、前記複数のパネルのうちの第3の隣接するパネルの前記第2上向き舌部が、前記パネルの前記第4下向き溝および前記第1の隣接するパネルの前記第4下向き溝に連結されるとき、前記第4連結要素は、前記第1の隣接するパネルの前記第3下向き舌部と、前記パネルの前記第1上向き舌部と、前記第3の隣接するパネルの前記第2上向き舌部とを同時にロックする目的で、前記本質的に連続した第3連結要素と協働する。
【0018】
好ましくは、前記コアの前記第4内壁も、前記縦方向に沿って延在する第3連結要素を含み、前記パネルの前記第1上向き舌部が、前記第1の隣接するパネルの前記第3下向き溝に連結され、前記第1の隣接するパネルの前記第3の下向き舌部が、前記パネルの前記第1上向き溝に連結されるとき、前記パネルの前記第1上向き舌部、前記パネルの前記コアの前記第2内壁、および前記第1の隣接するパネルの前記第3下向き舌部の前記第3連結要素同士は整列して、前記本質的に連続した第3連結要素を形成するようになっている。
【0019】
前記縦方向に沿う前記第3連結要素の横断面は、前記第1上向き舌部と、前記第3下向き舌部と、前記第2内壁との間で実質的に一定でよい。このように、前記第1の隣接するパネルおよび前記パネルに対する前記第2の隣接するパネルの位置決めは、あまり重要でない。
【0020】
それに加えて、またはその代わりに、前記連続した第3連結要素は、前記パネルの前記第1上向き舌部と前記第1の隣接するパネルの前記第3下向き舌部の間の境界にわたって延在するだけでなく、実質的に両パネルの全長にわたって延在してよい。
【0021】
前記第3連結要素は、凹部および突起の一方を含んでよく、前記第4連結要素は、凹部および突起の他方を含んでよい。
【0022】
ここまで、第1連結要素が前記第2内壁上に配置されたパネルを説明し、第3連結要素が前記第4内壁上に配置されたパネルを説明した。しかしながら、本発明は、第3態様によれば、これらの連結要素が組み合わされたパネルも提供する。このようなパネルは、請求項11および請求項11に従属する請求項において説明されている。
【0023】
本発明の前記第1態様、前記第2態様、または前記第3態様に係るパネルは、さらに、前記第1上向き舌部の外側部、前記第1上向き舌部の内側部、および前記第1内壁の少なくとも一つに配置された第5連結要素と、前記第3内壁、前記第3下向き舌部の内側部、および前記第3下向き舌部の外側部の少なくとも一つに配置された第6連結要素とをそれぞれ含んでよく、前記第5連結要素および前記第6連結要素は互いに相補的である。前記第5連結要素および前記第6連結要素は、隣接し合うパネルの前記短辺間に付加的な連結を提供する。また、ここでは、前記第5連結要素は、凹部および突起の一方でよく、前記第6連結要素は、当該凹部および当該突起の他方でよい。さらに、前記第5連結要素および前記第6連結要素は、前記横方向に沿って一定の横断面を有してよい。
【0024】
本発明の前記(一つまたは複数の)パネルの前記コアは、中密度繊維板(MDF)、高密度繊維板(HDF)、およびポリ塩化ビニルの少なくとも一つから作られる。
【0025】
前記第1連結要素から前記第6連結要素は、凹部または突起のいずれか、例えば、膨らみとして構成されることができるが、その他の連結要素を排除しない。
【0026】
前記第1連結要素および前記第2連結要素に関して、前記第1連結要素が第1ロック要素および第2ロック要素の一方を含み、前記第2連結要素が第1ロック要素および第2ロック要素の他方を含むことが有利である可能性がある。前記第1上向き舌部の前記第1側壁、前記パネルの前記第2内壁、または前記第3下向き舌部の前記第1側壁として、第1関連壁が特定されることができ、前記第4下向き舌部の前記外側部として、第2関連壁が特定されることができる。
【0027】
前記第1ロック要素は、前記第1関連壁または前記第2関連壁の一方に対して内向きに延出した凹部を含んでよく、当該凹部は、底部と、当該底部から前記第1関連壁または前記第2関連壁の前記一方の外側部まで延出した側壁とを有する。前記第1ロック要素は、さらに、前記底部から前記第1関連壁または前記第2関連壁の前記一方の前記外側部の方へ延出した突出部を含む。
【0028】
前記第2ロック要素は、それぞれ前記第1関連壁および前記第2関連壁の他方の外側部から基部まで外向きに延出した側壁と、当該基部から前記第1関連壁および前記第2関連壁の前記他方に対して内向きに延出した凹部とを含む突出部を含んでよい。
【0029】
同様に、前記第3連結要素および前記第4連結要素に関して、前記第3連結要素が第1ロック要素および第2ロック要素の一方を含み、前記第4連結要素が第1ロック要素および第2ロック要素の他方を含むと有利である可能性がある。前記第1上向き舌部の前記第2側壁、前記パネルの前記第4内壁、または前記第3下向き舌部の前記第2側壁として、第3関連壁が特定されることができる。前記第2上向き舌部の前記外側部として、第4関連壁が特定されることができる。
【0030】
前記第1ロック要素は、前記第3関連壁または前記第4関連壁の一方に対して内向きに延出した凹部を含んでよく、当該凹部は、底部と、当該底部から前記第3関連壁または前記第4関連壁の前記一方の外側部まで延出した側壁とを有する。前記第1ロック要素は、さらに、前記底部から前記第3関連壁または前記第4関連壁の前記一方の前記外側部に向かって延出した突出部を含んでよい。
【0031】
前記第2ロック要素は、それぞれ前記第3関連壁および前記第4関連壁の他方の外側部から基部まで外向きに延出した側壁と、当該基部から前記第3関連壁および前記第4関連壁の前記他方に対して内向きに延出した凹部とを含む突出部を含んでよい。
【0032】
前記第5連結要素および前記第6連結要素に関して、前記第5連結要素が、第1ロック要素および第2ロック要素の一方を含み、前記第6連結要素が、第1ロック要素および第2ロック要素の他方を含むと有利である可能性がある。前記第1上向き舌部の外側部、前記第1上向き舌部の内側部、および前記第1内壁の一つとして、第5関連壁が特定されることができる。それぞれ、前記第3内壁、前記第3下向き舌部の内側部、および前記第3下向き舌部の外側部として、第6関連壁が特定されることができる。
【0033】
前記第1ロック要素は、前記第5関連壁または前記第6関連壁の一方に対して内向きに延出した凹部を含んでよく、当該凹部は、底部と、当該底部から前記第5関連壁または前記第6関連壁の前記一方の外側部まで延出した側壁とを有する。前記第1ロック要素は、さらに、前記底部から前記第5関連壁または前記第6関連壁の前記一方の前記外側部の方へ延出した突出部を含んでよい。
【0034】
前記第2ロック要素は、それぞれ前記第5関連壁または前記第6関連壁の他方の外側部から基部まで外向きに延出した側壁と、前記基部から前記第5関連壁または前記第6関連壁の前記他方に対して内向きに延出した凹部とを含む突出部を含んでよい。
【0035】
上記の第1連結要素から第6連結要素の各々に関して、前記第2ロック要素の前記突出部は、前記第2ロック要素の前記凹部によって、二つの対向配置された副突出部に分割されることができる。さらに、前記第1ロック要素の前記凹部は、前記第1ロック要素の前記突出部によって、二つの対向配置された副凹部に分割されることができる。前記第1ロック要素の前記突出部は、前記第2ロック要素の前記凹部に受容されるように構成されることができ、前記第2ロック要素の各副突出部は、前記第1ロック要素のそれぞれの副凹部に受容されるように構成されることができる。
【0036】
本発明は、製造が比較的容易なロック要素の新規の組み合わせを提案する。また、三重のロック機能が得られる。より具体的には、第1ロックは、前記第1ロック要素の前記突出部と前記第2ロック要素の前記凹部の間の連結を含む。第2ロックおよび第3ロックは、前記第1ロック要素の前記副凹部と前記第2ロック要素の前記副突出部の間のそれぞれの連結によって形成される。
【0037】
本出願人は、上記に定められた第1ロック要素および第2ロック要素を採用することによって、前記パネルを製造する複雑さおよび/またはコストを低減しながら、隣接するパネル間の適切なロックが達成されることができる。
【0038】
前記第1連結要素から前記第6連結要素の各々に関して、前記第1ロック要素の前記突出部は、好ましくは、前記第1ロック要素の前記凹部内に全体が配置され、前記第2連結要素の前記凹部は、好ましくは、前記第2ロック要素の前記突出部内に全体が配置される。
【0039】
上述の組み合わせを、次の表を使用しながらより詳細に説明する。
【表1】
【0040】
この表において、連結要素対とは、a)前記第1連結要素と前記第2連結要素、b)前記第3連結要素と前記第4連結要素、またはc)前記第5連結要素と前記第6連結要素の組み合わせを指す。
【0041】
関連壁(1)を指示する列は、前記第1ロック要素および前記第2ロック要素の一方が配置される特定の壁に関し、関連壁(2)を指示する列は、前記第1ロック要素および前記第2ロック要素の他方が配置される特定の壁に関する。
【0042】
上述の連結要素対の各々に関して、一方の連結要素が前記第1ロック要素を含んでよく、他方の連結要素が前記第2ロック要素を含んでよい。例えば、連結要素対1+2は、前記第1連結要素および前記第2連結要素の組み合わせを指す。このとき、前記第1ロック要素は、前記第2内壁、前記第1上向き舌部の前記第1側壁、および/または前記第3下向き舌部の前記第1側壁上に配置されてよい(関連壁(1))。あるいは、前記第1ロック要素は、前記第4下向き舌部の前記外側部上に配置される(関連壁(2))。このとき、前記第2ロック要素は、他方の関連壁上に配置される。
【0043】
前記第1ロック要素は、当該第1ロック要素の前記凹部の対向側部上に配置される一対のさらなる突起を含んでよく、前記第2ロック要素は、前記第2ロック要素の前記突出部の対向側部上に配置される一対のさらなる凹部を含んでよく、各当該さらなる凹部は、それぞれのさらなる突起を受容するように構成される。このようにして、さらなるロック機能性が達成されることができる。
【0044】
第4態様によれば、本発明は、上記に定められた複数の同一パネルを含むカバー材を提供し、当該複数のパネルのうちの第1パネルの前記第1上向き舌部は、当該複数のパネルのうちの第2パネルの前記第3下向き溝に連結され、前記第1パネルの前記第1上向き溝は、前記第2パネルの前記第3下向き舌部に連結され、前記複数のパネルのうちの第3パネルの前記第4下向き舌部は、前記第1パネルの前記第2上向き舌部および前記第2パネルの前記第2上向き舌部に連結され、前記第3パネルの前記第4下向き溝は、前記第1パネルの前記第2上向き溝および前記第2パネルの前記第2上向き溝に連結され、前記複数のパネルのうちの第4パネルの前記第2上向き舌部は、前記第1パネルの前記第4下向き溝および前記第2パネルの前記第4下向き溝に連結され、前記第4パネルの前記第2上向き溝は、前記第1パネルの前記第4下向き舌部および前記第2パネルの前記第4下向き舌部に連結される。前記カバー材は、床カバー材および壁カバー材の一方でよい。
【0045】
次に、添付の図面を参照しながら本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1A】本発明に係るパネルのそれぞれ平面斜視図および底面斜視図を示す。
【
図1B】本発明に係るパネルのそれぞれ平面斜視図および底面斜視図を示す。
【
図2A】互いに連結された
図1に示す四つの同一パネルの概観を示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1Aおよび
図1Bは、本発明に係るパネル1の、それぞれ平面斜視図および底面斜視図を示す。
図2Aは、
図1Aに示す複数の前記パネルを用いたカバー材の一部を示す。これらのパネルをパネル1、1'、1''、1'''と呼ぶ。さらに、このカバー材は、例えば、床カバー材に対応することができるだろう。
【0048】
パネル1は、底部2Bおよび上部2Aを有するコア2を含む。
図1Aを参照すると、パネル1の第1側部S1および第2側部S2にてコア2の底部2Bから下部延出領域E1が延出している。
図1Bを参照すると、パネル1の第3側部S3および第4側部S4にてコア2の上部2Aから上部延出領域E2が延出している。
【0049】
側部S1およびS3をパネル1の短辺と呼び、側部S2およびS4をパネル1の長辺と呼ぶ。
【0050】
下部延出領域E1は、パネル1の第1側部S1にてコア2の第1内壁31から離れてかつ当該第1内壁31と平行に走る第1上向き舌部11と、パネル1の第2側部S2にてコア2の第2内壁32から離れてかつ当該第2内壁32と平行に走る第2上向き舌部12とを含む。
【0051】
図1Bに示すように、上部延出領域E2は、パネル1の第3側部S3にてコア2の第3内壁33から離れてかつ当該第3内壁33と平行に走る第3下向き舌部13と、パネル1の第4側部S4にてコア2の第4内壁34から離れてかつ当該第4内壁34と平行に走る第4下向き舌部14とを含む。
【0052】
第1上向き舌部11とコア2の第1内壁31の間のクリアランスが、前記複数のパネルのうちの隣接するパネルの第3下向き舌部13を受容するように構成された第1上向き溝21を画定する。
【0053】
第2上向き舌部12とコア2の第2内壁32の間のクリアランスが、前記複数のパネルのうちの隣接するパネルの第4下向き舌部14を受容するように構成された第2上向き溝22を画定する。
【0054】
第3下向き舌部13とコア2の第3内壁33の間のクリアランスが、前記複数のパネルのうちの隣接するパネルの第1上向き舌部11を受容するように構成された第3下向き溝23を画定する。
【0055】
第4下向き舌部14とコア2の第4内壁34の間のクリアランスが、前記複数のパネルのうちの隣接するパネルの第2上向き舌部12を受容するように構成された第4下向き溝24を画定する。
【0056】
第1上向き舌部11および第3下向き舌部13は、各々、コア2の第2内壁32に平行に延在する第1側壁51、52を含む。また、第1上向き舌部11および第3下向き舌部13は、各々、コア2の第4内壁34に平行に延在する第2側壁53、54を含む。
【0057】
第1上向き舌部11の第1側壁51、第3下向き舌部13の第1側壁52、およびコア2の第2内壁32は、各々、凹部の形をした第1連結要素41を含む。
図1Bに示すように、第4下向き舌部14は、第4下向き舌部14の外側部上に配置された突起の形をした第2連結要素42を含む。
【0058】
図1Bに示すように、第1上向き舌部11の第2側壁53、第3下向き舌部13の第2側壁54、およびコア2の第4内壁34は、各々、凹部の形をした第3連結要素43を含む。
図1Aに示すように、第2上向き舌部12は、第2上向き舌部12の外側部上に配置された突起の形をした第4連結要素44を含む。
【0059】
図2Aに示す連結状態では、パネル1の第1上向き舌部11は、第1の隣接するパネル1'の第3下向き溝13に連結される。第1の隣接するパネル1'の第3下向き舌部13は、パネル1の第1上向き溝11に連結される。
【0060】
第1上向き舌部11、第3下向き舌部13、およびコア2の第2内壁32の第1連結要素41同士は整列して、本質的に連続した第1連結要素41を形成する。
図2Cに示すように、この連続した第1連結要素は、第4下向き舌部14の外側辺上に配置された第2連結要素42によって係合される。その結果、パネル1の第1上向き舌部11と、第1の隣接するパネル1'の第3下向き舌部13と、第2の隣接するパネル1''の第4下向き舌部14とが相互にロックされる。
【0061】
同時に、第1上向き舌部11、第3下向き舌部13、およびコア2の第4内壁34の第3連結要素43同士は整列して、本質的に連続した第3連結要素43を形成する。前記連続した第1連結要素の前記係合と同様に、前記連続した第3連結要素は、パネル1'''の第2上向き舌部12の外側辺上に配置された第4連結要素44によって係合される。その結果、パネル1の第1上向き舌部11と、第1の隣接するパネル1'の第3下向き舌部13と、第3の隣接するパネル1'''の第2上向き舌部12とが相互にロックされる。全てのパネル1から1'''は同一であるため、この連結は
図2Cでも特定されることができることに留意する。
【0062】
図2Bは、第5連結要素45および第6連結要素46の一例を示す。本発明は、これらの連結要素がパネル1の異なる壁上に配置される実施形態にも等しく関する。例えば、前記第5連結要素および前記第6連結要素45、46が配置されることができる異なる壁区分対が特定されることができる。例えば、前記第1上向き舌部の外側辺および前記第3内壁を含む壁区分対上、前記第1上向き舌部の内側辺および前記第3下向き舌部の内側辺を含む壁区分対上、および前記第1内壁および前記第3下向き舌部の外壁を含む壁区分対上である。前記第5連結要素および前記第6連結要素の使用により、前記パネルの短辺における前記パネル間の連結がさらに強化される。
【0063】
図3Aおよび
図3Bは、本発明に係る第1ロック要素100および第2ロック要素200の実施形態を示す。第1連結要素41は、前記第1ロック要素および前記第2ロック要素の一方を含んでよく、第2連結要素42は、前記第1ロック要素および前記第2ロック要素の他方を含んでよい。それに加えて、またはその代わりに、第3連結要素43は、前記第1ロック要素および前記第2ロック要素の一方を含んでよく、第4連結要素44は、前記第1ロック要素および前記第2ロック要素の他方を含んでよい。それに加えて、またはその代わりに、第5連結要素45は、前記第1ロック要素および前記第2ロック要素の一方を含んでよく、第6連結要素46は、前記第1ロック要素および前記第2ロック要素の他方を含んでよい。
【0064】
図3Aおよび
図3Bは、前記ロック要素の横断面図を示していることに留意する。実際の実施形態では、前記ロック要素は、連結要素41から44と同様に、各自の長さに沿って実質的に一定の断面を有する細長い構造である。本出願人は、これらのロック要素が、
図1から
図2に関連して言及された前記凹部および前記突起よりも良好なロックを提供することを見出した。
【0065】
第1ロック要素100および第2ロック要素200の各々は、前記パネルの壁上に配置される。関連壁と呼ぶ前記パネルのいずれの壁が使用されるかは、いずれの連結要素が関連ロック要素を含むかによって決まる。これを次の表で解説するが、連結要素の各可能な対を、二つの隣接する行によって指示する。
【表2】
【0066】
図3Aおよび
図3Bでは、第1ロック要素100に対する前記関連壁である前記関連壁はW2で指示され、第2ロック要素200に対する前記関連壁である前記関連壁はW1で指示されている。例えば、上記表を参照すると、第1連結要素41が第1ロック要素100を含むとき、関連壁W2は、第1上向き舌部11の第1側壁51、第2内壁32、および/または第3下向き舌部13の第1側壁52に対応する。この場合、第2連結要素42は第2ロック要素200を含み、関連壁W1は、第4下向き舌部14の前記外側辺に対応する。
【0067】
さらなる一例として、第5連結要素45が第2ロック要素200を含むとき、関連壁W1は、第1上向き舌部11の前記外側辺、第1上向き舌部11の前記内側辺、および第1内壁31の一つに対応してよい。この場合、第6連結要素46は第1ロック要素100を含み、関連壁W2は、それぞれ、第3内壁33、第3下向き舌部13の前記内側辺、および第3下向き舌部13の前記外側辺に対応してよい。しかしながら、前記ロック要素は、これらの壁の二つまたは三つに設けられてもよい。
【0068】
ここで
図3Aを参照すると、第1ロック要素100は、関連壁W2上に配置され、関連壁W2に対して内向きに延出した凹部101を含む。凹部101は、底部102と、底部102から関連壁W2の外側部まで延出した側壁103とを含む。第1ロック要素100は、さらに、底部102から関連壁W2の前記外側部の方へ延出した突出部104を含む。図示のように、突出部104は、凹部101内に全体が配置される。
【0069】
関連壁W1上に配置されると仮定される第2ロック要素200は、関連壁W1の外側部から基部203まで外向きに延出した側壁202と、基部203から関連壁W1に対して内向きに延出した凹部204とを含む突出部201を含む。図示のように、凹部204は、突出部201内に全体が配置される。
【0070】
突出部201は、凹部204によって、対向配置された副突出部201A、201Bに分割される。また、凹部101は、突出部104によって、対向配置された副凹部101A、101Bに分割される。
【0071】
図3Aの右手側に連結状態で示すように、突出部104は凹部204に受容され、各副突出部201A、201Bは、それぞれの副凹部101A、101Bに受容される。このようにして、第1ロック要素および第2ロック要素100、200によって三重のロック機能が得られる。
【0072】
図3Bは、第1ロック要素および第2ロック要素100、200の一変形を示し、
図3Aの第1ロック要素100および第2ロック要素200は、各々、前記関連壁上に配置されたそれぞれの突出部110、210内または突出部110、210上に配置されている。図示のように、第1ロック要素100の底部102は、関連壁W2の残りの部分と実質的に一直線にある。
【0073】
上記の説明では、本発明をその詳細な実施形態を用いて解説した。しかしながら、本発明はこれらの実施形態に限定されず、図示の実施形態に対しては、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって定められた本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正を実施することができる。
【符号の説明】
【0074】
1 パネル
1' 第1の隣接するパネル
1'' 第2の隣接するパネル
1''' 第3の隣接するパネル
2 コア
2A コアの上部
2B コアの底部
11 第1上向き舌部
12 第2上向き舌部
13 第3下向き舌部
14 第4下向き舌部
21 第1上向き溝
22 第2上向き溝
23 第3下向き溝
24 第4下向き溝
31 第1内壁
32 第2内壁
33 第3内壁
34 第4内壁
41 第1連結要素
42 第2連結要素
43 第3連結要素
44 第4連結要素
45 第5連結要素
46 第6連結要素
51 第1上向き舌部の第1側部
52 第3下向き舌部の第1側部
53 第1上向き舌部の第2側部
54 第3下向き舌部の第2側部
100 第1ロック要素
101 第1ロック要素の凹部
101A、101B 第1ロック要素の副凹部
102 第1ロック要素の底部
103 第1ロック要素の側壁
104 第1ロック要素の突出部
110 突出部
200 第2ロック要素
201 第2ロック要素の突出部
201A、201B 第2ロック要素の副突出部
202 第2ロック要素の側壁
203 第2ロック要素の基部
204 第2ロック要素の凹部
210 突出部
E1 下部延出領域
E2 上部延出領域
S1 パネルの第1側部
S2 パネルの第2側部
S3 パネルの第3側部
S4 パネルの第4側部
W1 第2ロック要素の関連壁
W2 第1ロック要素の関連壁