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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-07
(45)【発行日】2023-06-15
(54)【発明の名称】呼吸デバイス用の騒音低減装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/00 20060101AFI20230608BHJP
【FI】
A61M16/00 380
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021564102
(86)(22)【出願日】2019-06-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-03
(86)【国際出願番号】 CN2019090387
(87)【国際公開番号】W WO2020243956
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2021-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】520376373
【氏名又は名称】ヴィンセント メディカル(ドングアン)マニュファクチャリング シーオー.,エルティーディー.
(73)【特許権者】
【識別番号】521241111
【氏名又は名称】ヴィンセント メディカル(ドングアン)テクノロジー シーオー.,エルティーディー.
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ス,ジェビン
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ハイビン
(72)【発明者】
【氏名】フー,ヂェンシィアン
(72)【発明者】
【氏名】レイ,ユー
【審査官】佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-278604(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸デバイスに取り付けられるように構成され、側壁と気体出口とを備える本体と
記本体と着脱可能に係合されるように構成されるカバーと、
前記カバーを前記本体にスライド可能にロックするためのロック機構と、
を備え、
前記カバーは、気体入口および気体通路を形成するために前記ロック機構を介して前記本体に係合され、前記気体通路の少なくとも一部を規定するガイド部材を備え、前記ガイド部材は、前記本体と前記カバーとの間に前記気体通路を形成するために前記本体の側壁に連結されるように構成される、呼吸デバイス用の騒音低減装置。
【請求項2】
形成された前記気体通路は、前記気体出口で排出する前に、前記気体入口に対して前記気体出口の中心回りに少なくとも180度~330度の角回転を移動するように気流を導く、請求項1に記載の騒音低減装置。
【請求項3】
形成された前記気体通路は、前記気体出口で排出する前に、前記気体入口に対して前記気体出口の中心回りに少なくとも270度~330度の角回転を移動するように気流を導く、請求項1に記載の騒音低減装置。
【請求項4】
形成された前記気体通路は、前記気体出口で排出する前に、前記気体入口に対して前記気体出口の中心回りに少なくとも330度の角回転を移動するように気流を導く、請求項1に記載の騒音低減装置。
【請求項5】
前記ガイド部材は、前記カバーの内面から前記本体に向かって垂直に延出するように構成される、請求項1に記載の騒音低減装置。
【請求項6】
前記ガイド部材はC字状の形である、請求項5に記載の騒音低減装置。
【請求項7】
前記ガイド部材は、前記本体の側壁とシールを形成する端部を含む、請求項6に記載の騒音低減装置。
【請求項8】
前記気体入口の一部は、前記本体の側壁と前記カバーの側壁との間に形成される、請求項1に記載の騒音低減装置。
【請求項9】
前記気体入口の一部は、前記カバーの側壁と前記ガイド部材との間に形成される、請求項8に記載の騒音低減装置。
【請求項10】
前記カバーは、前記気体入口に近接する流れ偏向部分を有する、請求項1に記載の騒音低減装置。
【請求項11】
前記本体は、その中にフィルタが収容されるように構成される、請求項1に記載の騒音低減装置。
【請求項12】
前記本体の内面は、前記フィルタを支持するための複数の直立突起を有する、請求項11に記載の騒音低減装置。
【請求項13】
前記フィルタは、前記ガイド部材と前記本体との間に挟み込まれる、請求項12に記載の騒音低減装置。
【請求項14】
前記ガイド部材により囲まれた面積は、前記気体出口の面積の少なくとも2倍である、請求項1に記載の騒音低減装置。
【請求項15】
前記ロック機構は、前記本体に配置された少なくとも1つのスロットと、前記カバーに配置された少なくとも1つの対応するタブとを備える、請求項に記載の騒音低減装置。
【請求項16】
前記気体入口は前記気体出口に垂直に配置される、請求項1に記載の騒音低減装置。
【請求項17】
前記気体入口は、大気を前記呼吸デバイスに供給するために構成される、請求項1に記載の騒音低減装置。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか1項に記載の騒音低減装置を備える、呼吸デバイス。
【請求項19】
加圧気体を供給するための加圧気体入口と、
前記騒音低減装置の気体出口および前記加圧気体入口と流体連通され、大気と前記加圧気体とを混合するためのチャンバと、
前記チャンバの下流に設けられた騒音減衰装置と、
を更に備える、請求項18に記載の呼吸デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼吸デバイス用の騒音低減装置に関し、特に、呼吸デバイスの気体入口に使用される騒音低減デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
現代の臨床医学において、呼吸デバイスは、通常、呼吸器疾患(例えば、急性呼吸窮迫症候群、重篤な喘息および慢性閉塞性肺疾患)に罹患した患者に使用され、また、手術中の麻酔および呼吸管理、救急蘇生に使用され、更に、支持療法の家庭に使用されている。呼吸デバイスは、重要な医療装置であり、呼吸不全を予防して治療し、合併症を減少させて患者の生命を延ばすことができる。
【0003】
現在の呼吸デバイスは多くの欠点を有する。例えば、空気がブロワーにより呼吸デバイスに吸い込まれると、空気流と気体入口の通路との間の摩擦により騒音が発生する。呼吸デバイスが静かな環境で使用される時、または患者が寝ている時、騒音は特に著しくなり、患者に身体的および精神的な迷惑をかける可能性がある。
【0004】
呼吸デバイスの気体入口で発生する騒音を低減するために、多くの騒音低減装置が設計されている。例えば、2007年11月21日に開示された王鴻慶(Hongqing Wang)のCN101075431Aでは、気流を呼吸デバイス内に導くために側壁によって規定された気体通路を備える騒音低減装置が開示されている。気体は、気体出口に到達する前に、60度だけ角距離を移動する可能性があり、これは気体通路にとって短過ぎて乱流気流を低減して効果的な騒音低減を提供することができない。従って、このような設計は、顕著な騒音低減を提供することができないことが既に発見されている。
【0005】
そのため、呼吸デバイスの気体入口での騒音レベルを顕著に低減するために、気体を気体入口から気体出口へ流すよう改良された騒音低減装置を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、現在の呼吸デバイスの気体入口で発生する騒音の技術的問題を少なくとも解決する呼吸デバイス用の騒音低減装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、呼吸デバイスの気体入口に取り付けられるように構成される本体と、気体入口および気体通路を形成するために本体と着脱可能に係合されるように構成されるカバーとを備える呼吸デバイス用の騒音低減装置を提供する。本体は、側壁と気体出口とを備え、カバーは、気体通路の少なくとも一部を規定するガイド部材を備える。ガイド部材は、本体とカバーとの間に気体通路を形成するために本体の側壁に連結されるように構成される。
【0008】
本発明の別の態様によれば、本明細書に実質的に記載された騒音低減装置を備える呼吸デバイスを提供する。呼吸デバイスは、加圧気体を供給するための加圧気体入口と、騒音低減装置の気体出口および加圧気体入口と流体連通され、大気と加圧気体とを混合するためのチャンバと、チャンバの下流に設けられた騒音減衰装置とを更に備えてもよい。
【発明の効果】
【0009】
理論によって制限される意図なく、本発明における騒音低減装置は、例えば、気流が気
体出口で排出する前に気体入口に対して約60度回転することだけを可能にする現在の騒音低減装置よりも優れた顕著な利点を提供すると考えられる。具体的には、本発明における騒音低減装置はより長い経路を提供でき、且つ、本発明の実施例において、気流の乱流および抵抗をより大きな程度で低減することで、乱流気流と呼吸デバイスの気体入口との間の摩擦による騒音を低減するために、気体を気体入口から気体出口へ流すようより長い螺旋状通路を提供すると考えられる。また、カバーに位置するガイド部材の構造は、より容易かつより便利な気体通路を洗浄する方式を提供すると考えられる。カバーは、本体から離脱でき、且つ、医療機器の常用の消毒方法に対応する。このような配置は、ガイド部材で摩耗または損傷が発見された場合にカバーの交換を容易にする。摩耗または損傷は、入った気体の乱流の流れを増加させて騒音を引き起こす可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】参照文献CN101075431Aにおける騒音低減装置(上記参照)を示す。
図2】本体とカバーとが互いに離脱した場合の本明細書の騒音低減装置の実施例の斜視図を示す。
図3】カバーと係合する前の本体の実施例の正面図を示す。
図4図2のカバーの実施例の背面図を示す。
図5】本体とカバーとが係合されている場合の騒音低減装置の実施例を示す。
図6】本体とカバーとが係合されている場合の騒音低減装置の実施例における気流の方向を示す。
図7】呼吸デバイスに取り付けられた騒音低減装置の実施例を示す。
図8図7における呼吸デバイスの部材の実施例を示す。
【0011】
本明細書の図面は、説明のみを目的としており、且つ、必ずしもスケールに従って描画されるわけではない。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、気体(特に、大気または加圧気体)が関連するデバイス(例えば、気体の供給が必要となる呼吸デバイスであるが、これに限定されない)に入る際に発生する騒音を最小化するための騒音低減装置に関する。呼吸デバイスは加湿器、呼吸器、ネブライザ等であってもよいが、これらに限定されない。
【0013】
必要に応じて、本明細書で使用される気体は、通常、大気または酸素ガスリッチな空気を含む。必要に応じて、本明細書の気体は、環境室温にあってもよいし、室温より高くなってもよいし、該室温より低くなってもよい。本明細書の気体は、周囲環境の環境圧力下にあってもよいし、周囲環境より高い圧力下にあってもよい。必要に応じて、本明細書の気体は、環境湿度にあってもよいし、環境湿度より湿度が高くなってもよいし、または環境湿度より乾燥してもよい。
【0014】
図1は、例えば、CN101075431Aに開示された騒音低減装置(上記参照)を示す。騒音低減装置は、側壁5によって規定された気体通路3を備える。気体入口1は、気体通路3の外端に設けられ、中心7を有する気体出口6は気体通路3の内端に設けられている。図1では、2本の破線が追加され、1本は中心7から気体入口1へ延出し、他本は中心7から側壁5の内端4へ延出し、中心7回りの角回転αを規定し、これにより、入った気体が気体入口1から気体出口6まで移動する最短距離を示し、約90度である。言い換えれば、気体が気体出口に到達する前に約90度だけ移動する可能性があり、これは気体通路にとって短過ぎて乱流気流を低減して効果的な騒音低減を提供することができない。従って、このような設計は、顕著な騒音低減を提供することができないことが既に発見されている。
【0015】
図2を参照し、本発明の騒音低減装置の実施例を示す。本発明の騒音低減装置100はカバー102と本体104とを備える。カバー102および本体104は、好ましくは個別に製造され、且つ、スライドおよび螺合のようなロック手段により互いに着脱可能に係合され得る。
【0016】
該実施例において、カバー102および本体104は、熱硬化性プラスチック、樹脂、高分子材料等のようなプラスチックで作製できる。このようなプラスチックは本分野で知られており、且つ、通常、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリメチルメタクリレート、ベークライト、メラミンホルムアルデヒド、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、尿素-ホルムアルデヒド、ポリエーテルエーテルケトンおよび
それらの組み合わせの材料を含む。また、プラスチックは、例えば、コーティング層を含み、抗菌化合物をプラスチックに組み込むこと等により抗菌化合物を結合することができる。
【0017】
図3は、カバー(図2の102を参照)と係合する前の本体104の実施例を示す。本体104は気体出口106を有し、且つ、後に使用するために気体を呼吸デバイス内に排出するように、呼吸デバイス(図7の162を参照)に取り付けられるように構成されることが好ましい。該実施例において、本体104に側壁110で囲まれたキャビティ108が構成されている。側壁110は内面112の周辺から垂直に延出し、第1端部111を含む。側壁110の構造に応じて、キャビティ108は開放されてもよいし、閉鎖されてもよい。該実施例において、キャビティ108は開放され、側壁110はC字状に構造され、即ち、開放部分114が残っている。側壁110の少なくとも一部は、緊密なシールを形成するためにカバー(図2の102を参照)に連結されてもよい。
【0018】
キャビティ108は、その中にフィルタ115(破線に示すように)を収容することができる。気体が呼吸デバイスに入る前に、気体(特に、大気)から埃、花粉、カビ、細菌等を濾過するために、フィルタ115を提供してもよい。フィルタ115が本体104のキャビティ108内に着脱可能に配置されている実施例において、フィルタ115は、濾過後の気体に埃、花粉、カビ、細菌等がなく、または少なくとも量が減少された埃、花粉、カビ、細菌等を有することを保つように、ランダムまたは規則的に新たなフィルタに置き換えられてもよい。呼吸デバイスが臨床用途に適用される場合、これは特に有利である。更に、フィルタ115は、気体が騒音低減装置(図2の100を参照)を通過する際にキャビティ108内で発生する騒音を減少するための騒音抑圧装置として機能することもできると考えられる。フィルタ115は、例えば、紙フィルタ、フォームフィルタ、コットンフィルタ、または高性能微粒子エアフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)であってもよい。当業者は、様々な適当なフィルタが本発明の騒音低減装置100に適用可能であることを理解できる。
【0019】
該実施例において、気体出口106は径方向にずれ、支持構造116により支持され、該支持構造は、気体出口106に連結された内面112に複数の直立突起118を有する。気体出口106は呼吸デバイスにおける気体経路に合致して乱流の形成を低減することができる。当業者は、類似する目的を実現するために、気体出口106をキャビティ108の中心に位置決めしてもよいことを理解できる。
【0020】
キャビティ108は、内面112における収束部分120を更に備えてもよく、該収束部分は、気体の流れに寄与するように、気体出口106に向かって収束する。気体出口106に向かって気流を導くほか、支持構造116は、更にフィルタ115を適当な位置に保持することに寄与してもよい。理論によって制限される意図なく、更に、直立突起11
8および支持構造116は、本体104および/またはカバー(図2の102を参照)の構造的完全性を更に強化できると考えられる。直立突起118および収束部分120はフィルタ115を支持し、これは、フィルタ115と内面112との分離に寄与し、フィルタ115の有効表面積を増加し、従って濾過された気体流れの量を増加することができる。これは、その作業負荷を低減して発生した騒音を更に低減することにより、呼吸デバイスのブロワー(図7の162を参照)の保護に相乗的に役立つことができる。該実施例において、支持構造116の直立突起118は、気体出口106から連続的または不連続的に径方向に延出するように構成される。
【0021】
図2および図3の実施例において、本体104は、カバー102と着脱可能に係合されるように構成される。好ましくは、本体104は、カバー102に係合されてからカバー102により閉鎖される。本体104は2つのスロット122(またはタブ)を備えてもよく、前記2つのスロット(またはタブ)は、側壁110の実質的に直径方向に反対側にそれぞれ配置され、カバー102における対応するタブ(またはスロット)と相補的にスライドロックするために用いられる。
【0022】
カバー102に目を向けると、その背面図を示す図4を参照し、カバー102は側壁124と内面126とを備え、騒音低減装置(図2の100を参照)を形成するために該カバーが本体と係合(図3の104を参照)されている場合、内面126は本体(図3の104を参照)の内面(図3の112を参照)に面している。側壁124は内面126の周辺から垂直に延出し、且つカバー102を部分的に囲んでキャビティ128を形成する。該実施例において、キャビティ128は開放され、側壁124は、側壁124で第2端部130および第3端部132をそれぞれ規定して開放部分134を残すために、実質的にC字状に構成されている。
【0023】
カバー102はガイド部材136を有し、該ガイド部材は、内面126から実質的に垂直に延出するように構成される。ガイド部材136自体は、気体通路138の少なくとも一部を規定し、本体(図3の104を参照)とカバー102とが係合されている場合に本体とカバー102との間に気体通路138を形成するように構成される。当業者は、所望の設計および騒音低減要求に応じて、コーツ螺旋(Cotes’s spiral)、アルキメデス螺旋および黄金螺旋を含む螺旋のようなガイド部材の可能な構造を使用してもよいことを理解できる。好ましくは、ガイド部材136により囲まれた面積は、フィルタ115の有効濾過面積を増加させて気体抵抗を低減し、騒音の発生を更に低減するように、気体出口106の面積の少なくとも2倍である。
【0024】
該実施例において、ガイド部材136は実質的にC字状となる。ガイド部材136は、開口144を規定する第4端部140および第5端部142を有し、該開口は開放部分134に合致し、且つ、本体(図3の104を参照)とカバー102とが係合されている場合、該開口は本体(図3の104を参照)の側壁110により閉鎖される。第4端部140は、本体104とカバー102とが係合されている場合、本体104の第1端部111(図3の111を参照)との追加係合および位置固定のための突起146を備える。
【0025】
第4端部140および第2端部130は共に気体通路138の一部である流れ偏向部分148を規定し、気体の進入レベルを増加するための拡大部分を提供し、気体が螺旋状に気体通路に流れ込むことに寄与する。流れ偏向部分148は、騒音の呼吸デバイス内のブロワーから外部環境への伝達を回避することもできる。
【0026】
該実施例において、カバー102は本体(図3の104を参照)と着脱可能に係合され、且つ、係合されてから本体104を閉鎖することが好ましい。本体104に類似し、2つのタブ150は、側壁124の実質的に直径方向に反対側にそれぞれ配置され、本体1
04における対応するスロット122と相補的にスライドロックしてバヨネットマウントを形成するために用いることができる。
【0027】
図5は、本体104とカバー102とがスライド可能に互いにロックされている場合の騒音低減装置100を示す。該実施例において、本体104は、配向されてカバー102のキャビティ(図4の128を参照)内に挿入され、これにより、タブ(図4の150を参照)はスロット(図3の122を参照)内に受け入れられる。本体104またはカバー102の僅かな回動は、ロック機構152であるバヨネットロックによりこの2つの部材をロックし、それらを適当な位置に保持する。本発明において、ロック機構152は、本体104に配置された少なくとも1つのスロット(図3の122を参照)と、カバー102に配置された少なくとも1つの対応するタブ(図4の150を参照)とを備える。別の実施例において、ロック機構152は、カバー102および本体104に配置された、ロック装置としての一対の磁性部材を備えてもよい。当業者は、本明細書では、プッシュロック、スライドロック、ねじ、プラグおよび/またはそれらの組み合わせのような他のロック装置を使用してもよいことを理解できる。
【0028】
該図において、本体104の外面154に気体出口106が示され、該気体出口は、呼吸デバイス(図7の162を参照)に取り付けられ、気体を呼吸デバイス内に排出するために用いられる。本体104によりカバーされていない流れ偏向部分148は、側壁124の第2端部130に近接するように示されている。流れ偏向部分148に近接するのは、側壁(図3の110を参照)と側壁124との間に配置された気体入口156である。側壁110の第1端部111は気体入口156に近接して配置されている。2つのタブ160(1つのみを示す)は、スライドにより呼吸デバイス(図7の162を参照)に着脱可能に取り付けるために、外面154の実質的に直径方向に反対の端部に設けられている。当業者は、呼吸デバイスの構造に応じて、螺合のような他のロック手段を使用してもよいことを理解できる。
【0029】
図6を参照し、本体(図2の104を参照)とカバー102とが係合されている場合、本体(図2の104を参照)の側壁110は気体通路138内に受け入れられ、且つ、本体(図2の104を参照)はカバー102により閉鎖される。第1端部(図3の111を参照)の位置は破線として示され、突起146とシールを形成し、且つ、側壁110とガイド部材136との間で平面螺旋状の気体通路138を規定するために、ガイド部材136の第4端部140に隣接し、ここで、第5端部142と側壁(図3の110を参照)との間に間隔があけられて隙間143を形成し、且つ、該実施例において、気体入口156は、気体出口106に垂直になるように構成される。フィルタ(図3の115を参照)が本体(図3の104を参照)に配置されている実施例において、本体(図3の104を参照)とカバー102とが係合されている場合、ガイド部材136は、フィルタ(図3の115を参照)をガイド部材136と本体(図2の104を参照)との間に挟み込むことでフィルタ(図3の115を参照)を適当な位置に保持するように、フィルタ(図3の115を参照)に接触する。これは、気体がフィルタ(図3の115を参照)を通過する際、本体(図3の104を参照)とカバー102との間のフィルタ(図3の115を参照)の振動の回避にも寄与する。
【0030】
動作中に、気体(通常、大気である)は、呼吸デバイスのブロワーを介して気体入口156に吸い込まれることが好ましく、ここで、気体は、気体抵抗を維持するまたは低減することでより平滑な気体の流れを実現するために、広い断面の流れ偏向部分148から狭い断面の気体通路138へ移動する。続いて、気体は、気体通路138、隙間143を通過し、開口144に流れる。その後、気体はフィルタ(図3の115を参照)を通過し、本体(図3の104を参照)とカバー102とが係合されている場合、該フィルタがガイド部材136と接触し、且つ、最終的に気体出口(図3の106を参照)(矢印に示され
るように)に到達する。当業者は、このような構造を利用することにより、入った気体が強制的に気体入口156から気体出口(図3の106を参照)の中心158回りに少なくとも330度の角回転βを移動して気体出口106に到達し、図1で記載された気体通路3の長さの2.5倍以上となるが、騒音低減装置100のサイズは著しく増加しないことを理解できる。1つの代替例において、形成された気体通路138は、気体出口(図3の106を参照)で排出する前に、気体入口156に対して気体出口(図3の106を参照)の中心158回りに少なくとも180度、少なくとも270度または少なくとも300度の角回転βを移動するように気流を導くことができる。
【0031】
図7は、呼吸デバイス162に取り付けられた本発明の騒音低減装置100を示す。本体104は、タブ160(図5の160を参照)により呼吸デバイス162の一側に取り付けられる。カバー102におけるタブ150(図4の150を参照)は、対応するスロット122とスライド可能にロックするように配向される。気体通路138を規定するために、シールは、第1端部111とガイド部材136の突起146とで形成される。
【0032】
図8を参照し、呼吸デバイス(図7の162を参照)の部材の実施例を示し、加圧気体を供給するための加圧気体入口164と、騒音低減装置(図5の100を参照)の気体出口106(図7の106を参照)および加圧気体入口164と流体連通され、大気と加圧気体とを混合するためのチャンバ166と、チャンバ166の下流に設けられた騒音減衰装置168とを更に備える。騒音減衰装置168は、気体源を呼吸デバイスに供給する際に発生する騒音を最小化するように、多孔質材料(例えば、多孔質セラミック、多孔質プラスチックまたは多孔質ポリマーフォーム)で作製され、騒音を吸収するために用いられる。
【0033】
本発明における騒音低減装置100は、気流の乱流および抵抗をより大きな程度で低減することで、変動する気流と呼吸デバイスの気体入口との間の摩擦による騒音を低減することにより、顕著な騒音低減効果を提供することができると考えられる。また、カバー102に位置するガイド部材136の構造は、より容易かつ便利な気体通路138を洗浄する方式を提供する。カバー102は本体104から離脱でき、且つ、医療機器の常用の消毒方法に対応する。このような配置は、ガイド部材で摩耗または損傷が発見された場合にカバーの交換を容易にすることもでき、摩耗または損傷は、入った気体の乱流の流れを増加させて騒音を引き起こす可能性がある。
【0034】
以上は、本発明の実施可能な例のみを示して記述しており、本発明の精神から逸脱しない場合、修正および/または変更を行ってもよいことが理解されるべきである。
【0035】
更に、明確にするために、個別の実施例の文脈で記述された本発明のいくつかの特徴は、組み合わせて単一の実施例に提供されてもよいことが更に理解されるべきである。逆に、簡潔にするために、単一の実施例の文脈で記述された本発明の様々な特徴も別々に提供されてもよいし、任意の適当なサブコンビネーションで提供されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8