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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-08
(45)【発行日】2023-06-16
(54)【発明の名称】喫煙代替消耗品
(51)【国際特許分類】
   A24B 15/16 20200101AFI20230609BHJP
   A24F 47/00 20200101ALI20230609BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20230609BHJP
【FI】
A24B15/16
A24F47/00
A24F40/42
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020532898
(86)(22)【出願日】2018-12-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 EP2018084043
(87)【国際公開番号】W WO2019115408
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2021-11-26
(31)【優先権主張番号】1721032.9
(32)【優先日】2017-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】515298925
【氏名又は名称】インペリアル タバコ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Imperial Tobacco Limited
【住所又は居所原語表記】121 Winterstoke Road,Bristol BS3 2LL United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】フェリー, ケイト
(72)【発明者】
【氏名】シェントン, エドワード ロス
【審査官】松井 裕典
(56)【参考文献】
【文献】再公表特許第2010/047389(JP,A1)
【文献】特表2014-526275(JP,A)
【文献】特表2017-523133(JP,A)
【文献】特表2017-511693(JP,A)
【文献】特開2016-152808(JP,A)
【文献】特表2014-533941(JP,A)
【文献】特開平04-246365(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
A24B 1/00-15/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部を貫通する流路を画定している管状蒸気生成部材を有する非燃焼・加熱式消耗品であって、
上記蒸気生成部材の少なくとも活性部は、内表面積を有しており、且つ加熱器によって加熱されると蒸気を生成するよう構成されたエアロゾル生成剤を含み
上記管状蒸気生成部材は、上記消耗品の第1端に上記流路への入口開口部を有しており、上記消耗品の第1端は、加熱装置と協働させるためのものであり、
上記活性部は、活性物質の量が上記内表面積1mmあたり0.0001ミリグラム~0.02ミリグラムであり、
上記活性部は、厚さが1.5mm未満の側壁を有する、
非燃焼・加熱式消耗品。
【請求項2】
上記活性部の上記活性物質の量は、上記内表面積1mmあたり0.001ミリグラム~0.01ミリグラムである、請求項1に記載の非燃焼・加熱式消耗品。
【請求項3】
上記消耗品は、上記入口開口部と、該消耗品の第2端に位置する出口開口部との間に延在する気流路を有しており、上記活性部を貫通する上記流路は、上記気流路の少なくとも一部を構成している、請求項1又は2に記載の非燃焼・加熱式消耗品。
【請求項4】
上記活性部は、長手全長が10mm超である、請求項1~のいずれか1項に記載の非燃焼・加熱式消耗品。
【請求項5】
上記活性部は、全長が35mm未満である、請求項1~のいずれか1項に記載の非燃焼・加熱式消耗品。
【請求項6】
上記活性部を貫通する上記流路は、横断面の大きさ及び形状が上記入口開口部の横断面とほぼ等しい、請求項1~のいずれか1項に記載の非燃焼・加熱式消耗品。
【請求項7】
上記活性部に含まれる活性基材は、総質量が100mg超1000mg未満である、請求項1~のいずれか1項に記載の非燃焼・加熱式消耗品。
【請求項8】
上記活性部の活性基材は、活性物質を0.2ミリグラム~2.0ミリグラム含む、請求項に記載の非燃焼・加熱式消耗品。
【請求項9】
上記活性部の活性基材は、該活性基材1ミリグラムあたり0.0002ミリグラム~0.02ミリグラムの活性物質を含む、請求項又はに記載の非燃焼・加熱式消耗品。
【請求項10】
上記消耗品は、長手全長が100mm以下である、請求項1~のいずれか1項に記載の非燃焼・加熱式消耗品。
【請求項11】
上記消耗品は、長手全長が50mm以上である、請求項1~10のいずれか1項に記載の非燃焼・加熱式消耗品。
【請求項12】
上記活性路の長手全長は、上記消耗品の全長の20%~40%である、請求項1~11のいずれか1項に記載の非燃焼・加熱式消耗品。
【請求項13】
上記気流路内において上記活性部の下流に位置する混合ゾーンを更に有する請求項1~12のいずれか1項に記載の非燃焼・加熱式消耗品。
【請求項14】
上記活性物質はニコチンを含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の非燃焼・加熱式消耗品。
【請求項15】
上記蒸気生成部材は再構成タバコシートを有する、請求項1~14のいずれか1項に記載の非燃焼・加熱式消耗品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙代替装置用の消耗品に関する。本発明は、とりわけ、タバコを含む非燃焼・加熱式消耗品に関するが、これらに限定されない。
【背景技術】
【0002】
タバコを「喫煙」すると、喫煙者は有害な恐れのある物質に暴露されると一般的には考えられている。一般的に、タバコが燃える及び/又は燃焼することによる熱や、タバコの煙自体に含まれるタバコ燃焼物の成分によって、有害な恐れのある物質が相当な量生成されると思われている。
【0003】
タバコ等の有機物が燃焼すると、タール等の有害な恐れのある副産物が生成されることが知られている。タバコの喫煙を避けるために、様々な喫煙代替装置が提案されている。
【0004】
このような代替装置は、喫煙をやめてニコチンへの依存を克服したいと望んでいる人々を対象としたニコチン代替療法の一部となり得る。
【0005】
代替装置としては、エアロゾルを生成し、それを口から肺に吸い込んで(吸入して)吐き出すことで、使用者が喫煙行為を模倣できるような電子システムが挙げられる。吸入したエアロゾルは典型的にはニコチン及び/又はフレーバーを含んでいるが、従来の喫煙に伴う臭いや健康上のリスクが無いか又は少ない。
【0006】
一般に、代替装置及びシステムは、従来の喫煙及びタバコ製品で得られる体験及び満足感と類似したものを使用者に提供しつつ、喫煙の習慣の代わりを提供することを意図したものである。
【0007】
ここ数年で喫煙代替装置の人気及び使用が急増している。元来は、タバコの喫煙をやめたいと望んでいる喫煙常習者を助けるための補助器具として販売されていたが、消費者は次第に喫煙代替装置を望ましいライフスタイル用品だとみなすようになってきている。代替装置のなかには、従来の紙巻きタバコと似せて設計され、一端にマウスピースを有する円筒形状のものがある。他の代替装置は、概して紙巻きタバコに似せていない(例えば、該代替装置は略箱型状であってもよい)。
【0008】
いろいろなカテゴリーの代替システムが存在しており、それぞれが喫煙代替手法を採用している。代替手法は、代替システムが使用者に対して作動する様式に相当する。
【0009】
代替システムの手法の一つは、葉タバコであろうと再構成タバコであろうとタバコを加熱又は加温して蒸気を放出させるいわゆる「非燃焼・加熱式(HNB)」手法である。蒸気はニコチン及び/又はフレーバーを含んでいてもよい。HNB手法では、タバコが燃やされず、燃焼しないことを意図している。
【0010】
一般に、HNBシステムは加熱装置及び消耗品を有する。消耗品はタバコ材料を含む。消耗品は、加熱装置と係合するように構成されている。使用中、加熱装置の熱源からタバコ材料に熱が加えられる。タバコ材料中に空気が流れると、タバコ材料中の水分が蒸気として放出される。よって、第1の蒸気は、タバコ材料中のキャリア、例えばポリグリコール(PG)又は植物性グリセリン(VG)で形成される。更に、揮発性化合物も第2の蒸気としてタバコから放出される。タバコから放出される蒸気は、タバコを通過する気流に取り込まれる。
【0011】
蒸気が入口から(気流に取り込まれて)マウスピース(出口)へと装置を通過すると、蒸気は冷却、凝縮されてエアロゾルを形成し、それを使用者が吸入する。エアロゾルは揮発性化合物を含む。
【0012】
HNBシステムでは、タバコ材料を燃焼させるのではなく加熱することで、喫煙中に通常生成されるより有害な化合物又はその量が少なくなると考えられる。その結果、HNB手法では、タバコを燃やし、燃焼させ、熱分解させることにより生じる臭い及び/又は健康上のリスクを低減できる。
【0013】
HNB手法の現存する実現例として、まず、フィリップモリス社製のIQOSTM装置が挙げられる。IQOSTM装置は、包装内に再構成タバコが配置された消耗部材を使用する。消耗品は、マウスピースを組み込んだホルダーを有する。消耗品は加熱装置に挿入できる。熱による加熱装置は、消耗品を加熱装置へ挿入した際に、消耗品の再構成タバコを貫通する熱伝導性加熱ナイフを有している。加熱装置を作動させると加熱素子が加熱され、そして加熱素子が消耗品中のタバコを加熱する。タバコが加熱されるとタバコからニコチン蒸気及びフレーバーが放出され、使用者が吸入することでそれらがマウスピースから吸い込まれる。
【0014】
次のHNB手法の現存する実現例は、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ社製の「GloTM」として知られている装置である。GloTMは比較的に薄い消耗品を有する。消耗品は、加熱装置で加熱される葉タバコを含む。消耗品を加熱装置に配置すると、タバコは加熱素子に囲まれる。加熱装置を作動させると加熱素子が加熱され、そして加熱素子が消耗品中のタバコを加熱する。タバコが加熱されるとタバコからニコチン蒸気及びフレーバーが放出され、使用者が吸入することでそれらが消耗品から吸い込まれる。タバコは、加熱装置で加熱された際、(紙巻きタバコ等、喫煙装置中のように)燃焼時ではなく加熱時に蒸気を生成するよう構成されている。タバコは、植物性グリセリン(「VG」)又はプロピレングリコール(「PG」)等のエアロゾル生成剤(キャリア)を高濃度で含有していてもよい。
【0015】
IQOSTM及びGloTMの両装置に共通するのは、タバコの加熱が不均一且つ不完全なこと、あるいはタバコの一部分が燃焼する恐れがあることである。
【0016】
本発明の態様及び実施形態は、以上のことを念頭に置いて考案された。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
最も一般的な意味において、本発明は、内部を貫通する流路を画定している管状蒸気生成部材を有する非燃焼・加熱式消耗品であって、上記蒸気生成部材の少なくとも活性部は、加熱器によって加熱されることで蒸気を生成するよう構成されており、上記管状蒸気生成部材は、上記消耗品の第1端に上記流路への入口を有しており、上記消耗品の第1端は、加熱装置と協働させるためのものである、非燃焼・加熱式消耗品を提供する。
【0018】
このような非燃焼・加熱式消耗品は、以下に開示した特徴の1つ以上と組み合わせてもよい。
【0019】
第1の態様によれば、請求項1に記載の非燃焼・加熱式消耗品が提供される。該非燃焼・加熱式消耗品は、その内部を貫通する流路を画定している管状蒸気生成部材を有しており、上記蒸気生成部材の少なくとも活性部が、内表面積を有しており、且つ加熱器によって加熱されることで蒸気を生成するよう構成されており、上記管状蒸気生成部材は、上記消耗品の第1端に上記流路への入口を有しており、上記消耗品の第1端は、加熱装置と協働させるためのものであり、上記活性部は、活性物質の量が上記内表面積1mmあたり0.0001ミリグラム~0.02ミリグラムである。
【0020】
上記活性部の上記活性物質の量は、上記内表面積1mmあたり0.001ミリグラム~0.01ミリグラムであることが有利である。
【0021】
上記消耗品は、上記入口開口部と、該消耗品の第2端に位置する出口開口部との間に延在する気流路を有しており、上記活性部を貫通する上記流路は、上記気流路の少なくとも一部を構成していると都合がよい。
【0022】
上記活性部は、厚さが1.5mm未満の側壁を有することが好ましい。
【0023】
上記活性部は、長手全長が10mm超であることが有利である。
【0024】
上記活性部は、全長が35mm未満であると都合がよい。
【0025】
上記活性部を貫通する上記流路は、横断面の大きさ及び形状が上記入口開口部の横断面とほぼ等しいことが好ましい。
【0026】
上記活性部に含まれる活性基材は、総質量が100mg超1000mg未満であることが有利である。
【0027】
上記活性部の活性基材は、活性物質を0.2ミリグラム~2.0ミリグラム含むと都合がよい。
【0028】
上記活性部の活性基材は、該活性基材1ミリグラムあたり0.0002ミリグラム~0.02ミリグラムの活性物質を含むことが好ましい。
【0029】
上記消耗品は、長手全長が100mm以下であることが有利である。
【0030】
上記消耗品は、長手全長が50mm以上であると都合がよい。
【0031】
上記活性路の長手全長は、上記消耗品の全長の20%~40%であることが好ましい。
【0032】
上記消耗品は、上記気流路内において上記活性部の下流に位置する混合ゾーンを更に有することが有利である。
【0033】
上記活性物質はニコチンを含むと都合がよい。
【0034】
上記蒸気生成部材は再構成タバコシートを有することが好ましい。
【0035】
本発明は、明らかに容認できない場合又は明らかに回避される場合を除いて、記載した態様及び好ましい特徴の組み合わせを包含する。
【0036】
本発明を理解しやすくするために、またその別の特徴が理解されるように、本発明の原理を説明する実施形態及び実験例を例として添付の図面を参照して以下に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】部分的に組み立てた本発明に係る第1の消耗品を表す。
図2】本発明に係る第2の消耗品の断面図を表す。
図3】本発明に係る第2の消耗品の断面図を表し、内部加熱の原理を説明する。
図4】本発明に係る第2の消耗品の断面図を表し、外部加熱の原理を説明する。
図5】部分的に組み立てた本発明に係る第3の消耗品を表す。
図6】本発明に係る第3の消耗品の断面図を表す。
図7】本発明に係る消耗品の端面図を表す。
図8】本発明に係る別の消耗品の端面図を表す。
図9】本発明に係る更に別の消耗品の端面図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
添付の図面を参照して、本発明の態様及び実施形態を以下で考察する。当業者には他の態様及び実施形態も明らかであろう。本明細書で言及した文献はいずれも参照により本明細書に援用する。
【0039】
概して、本発明はHNB消耗品に関する。HNB消耗品はHNBシステムの構成要素をなす。本発明に係るHNB消耗品は、加熱装置と共に使用されるように構成されている。組み合わせることで、HNB消耗品及び加熱装置がHNBシステムを構成する。HNB消耗品は、加熱装置と係合するように構成されていてもよい。
【0040】
理解される通り、非燃焼・加熱式(HNB)の概念は気化に基づいている。従って、HNB及びHNB装置は気化装置とみなすことができる。
【0041】
図1は、本発明の第1実施形態に係るHNB消耗品1を表す。消耗品1は、各構成要素及びそれらの関係が明確に確認できるように、開放され部分的に形成された形態で表されている。チップペーパー及び上包みはいずれも、製造工程において巻かれることで消耗品を長手方向に封止することが理解される。
【0042】
消耗品1は細長い形状を有している。すなわち、消耗品は、長手軸に沿った長手寸法が、消耗品の横軸に沿った消耗品の寸法よりも大きい。
【0043】
消耗品1は略細長い外形を有している。例えば、消耗品1は略円形の外部横断面形状を有している。しかしながら、消耗品1は同様に別の外部横断面形状を有することも考えられる。例えば、略正方形、略長方形、又は略楕円形であってもよい。外部横断面形状は、消耗品1の長手方向の長さに沿って略一定である。
【0044】
最も一般的な意味において、消耗品1は、消耗品1の第1端3から第2端4へと延在する細長い気流路2を形成する。消耗品1の第1端3は、加熱装置と相互作用するように構成されていてもよい。消耗品1の第2端4は、マウスピースを形成するよう構成されていてもよい。使用者は第2端4を口に直接くわえてもよいし、マウスピース部材を第2端に取り付けてから使用者がマウスピース部材をくわえてもよい。このようなマウスピース部材は本発明の一部を構成するものではない。従って、理解される通り、使用時に気流路2に沿って消耗品1を通過する気流の方向に対する一連の流れという意味において、消耗品1の第1端3は、消耗品1のいわゆる「上流」端を表すと考えることができ、消耗品1の第2端4は、消耗品1のいわゆる「下流」端を表すと考えることができる。
【0045】
消耗品は、第1端3に入口5を有し、反対側の第2端4に出口6を有する。使用時に、使用者が第2端4で吸うことで、気流が入口5で消耗品1中に引き込まれ、気流路2に沿って消耗品1中を通過し、出口6へと向かう。
【0046】
入口5に直に隣接して蒸気生成部材(VGM)7が配置されている。VGM7は、その内部を貫通する流路を画定している。VGM7を貫通する流路は、消耗品1を貫通する気流路2の一部を構成する。
【0047】
VGM7に隣接して支持構造チューブ8が配置されている。支持チューブ8は、その内部を貫通する流路を画定している。支持チューブ8を貫通する流路は、消耗品1を貫通する気流路2の一部を構成する。支持チューブ8は、VGM7の下流に(すなわち、一連の流れという意味において)、従ってVGM7と出口6との間に配置されている。
【0048】
支持チューブ8は、ダンボール材料等の紙系材料で形成されていてもよい。支持チューブ8の紙系材料は、密度が50gsm(グラム/平方メートル)超であってもよく、例えば約100gsmであってもよい。従って、支持チューブ8は、加熱されたとしても蒸気を生成しないよう構成されている限りにおいては不活性部材である。
【0049】
支持チューブ8は、その中央流路内で混合ゾーンを画定していてもよい。従って、混合ゾーンはVGM7の下流に位置している。すなわち、混合ゾーンはVGM7と出口6との間に配置されている。混合ゾーンにおいて、VGM7からの蒸気が、VGM7からか又は他の発生源からのものと互いに混合される。例えば、支持チューブ7はその側壁を貫通する穿孔を有していてもよい。穿孔があると、気流が穿孔を通って混合ゾーンへと入ることができる。
【0050】
また、支持チューブ8は、その内部を貫通する流路内に冷却ゾーンを形成してもよい。冷却ゾーンにおいてVGM7からの蒸気が冷却され、その結果、蒸気が凝縮されてエアロゾルとなり、それを使用者が吸入する。
【0051】
VGM7を貫通して形成された流路は、支持チューブ8を貫通する流路と略連続していてもよい。支持チューブ8の内部横断面形状は、VGM7の内部横断面形状と同じ大きさ及び形状であってもよい。
【0052】
支持チューブ8に隣接して及びその下流に、フィルター9が配置されている。フィルター9は、消耗品1の第2端6の近位で支持チューブ8の下流端と当接する。あるいは、フィルター9は、消耗品1の第2端6の近位で支持チューブ8の端部内に配置されていてもよい。すなわち、フィルター9は、消耗品1を貫通する気流路2内に形成されてもよい。従って、フィルター9はVGM7の下流に配置されている。また、フィルター9は、支持チューブ8の下流に配置されているか(フィルター9が支持チューブ8の端部と接している場合)、支持チューブ8の少なくとも一部の下流に配置されている(フィルター9が支持チューブ8の端部内に配置されている場合)。
【0053】
フィルター9は、冷却素子として作用でき、そこを通過する蒸気又はエアロゾルを冷却するよう構成されていてもよい。それに加えて又はその代わりに、フィルター9は、気流抵抗素子を形成して、そこを通過する気流に対して抵抗を与えるよう構成されていてもよい。それに加えて又はその代わりに、フィルター9はフィルター混合素子を形成していてもよく、その内部で、VGM7からの蒸気が、同じくVGM7からか又は他の発生源からの他の流体成分と混合される。あるいは、いくつかの実施形態では、フィルター9を省略できると考えられる。
【0054】
VGM7を囲んでいるのはチップペーパー10である。チップペーパー10はVGM7の周囲を囲んでいる。チップペーパー10は紙系材料で形成されていてもよい。チップペーパー10の紙系材料は、密度が例えば45~80gsmであってもよい。チップペーパー10は、例えば接着剤によってVGM7を囲む位置に保持されてもよい。
【0055】
チップペーパー10は、消耗品1の長手寸法においてVGM7より長い。従って、チップペーパー10の第1(上流)長手縁部11を入口5の縁部と揃えると、チップペーパー10の反対側(下流)縁部12はVGM7の長手方向範囲を超え、支持チューブ8の少なくとも一部と重なり合う。従って、チップペーパー10によって、VGM7と支持チューブ8とが係合しやすくなる。支持チューブ8と重なり合う部分の長さは、例えば20~45mmであってもよい。
【0056】
また、チップペーパー10を有することで、VGM7の周辺において消耗品1の剛性及び強度が向上する。
【0057】
チップペーパー10、VGM7、支持チューブ8、及びフィルター9を囲んでいるのは上包み13である。上包み13は、消耗品1の長手全長に沿って延在する。上包み13は紙系材料で形成されていてもよい。上包みの紙系材料は、密度が10~30gsmであってもよく、例えば15gsmであってもよい。上包み13は、例えば接着剤によって、VGM7、支持チューブ8、及びフィルター9を囲む位置に保持されてもよい。
【0058】
図2は、本発明に係る別のHNB消耗品1の長手方向断面図を表す。
【0059】
消耗品1は、消耗品1の第1端3に略面して配置された管状VGM7を有する。消耗品1の第1端3には入口5がある。フィルター9は消耗品1の第2端4に配置されており、消耗品1の出口6の略全面に形成されている。本実施形態において、フィルター9はVGM7から離れている。外包装14がVGM7及びフィルター9を囲み、連結する。図2の消耗品1では、図1の消耗品1と比較して、支持チューブ8及びチップペーパー10が省略されており、図1の上包みは、図2では消耗品1の外包装14に置き換えられている。外包装14は紙系材料で形成されていてもよい。外包装14の紙系材料は、密度が20~100gsmであってもよい。チップペーパー10と比較して外包装14の紙が重いと、外包装14が図2の消耗品1にいくらか剛性を付与できる。
【0060】
更に、消耗品をより少ない部材で形成することによって、より単純に且つより低いコストで消耗品を製造できる。
【0061】
誤解を避けるために言うと、図2の説明が明確になるように、半径方向にVGM7と外包装14との間に隙間を表している。同様に、説明が明確になるように、半径方向にフィルター9と外包装14との間に隙間を表している。外包装14は、VGM7の外表面及びフィルター9の外表面と接している。
【0062】
VGM7は、長手全長15(L_vgm)及び内径16(D_vgm)を有する。消耗品は長手全長17(L_cons)を有する。
【0063】
L_vgm/L_consは0.25~0.5であってもよく、例えば0.25~0.333であってもよい。あるいは、0.50以上、0.55以上、0.60以上、0.65以上、0.70以上、0.75以上、0.80以上、0.85以上、0.90以上、又は0.95以上であってもよい。一例として図5を参照されたい。
【0064】
消耗品1は、全長17(L_cons)が30mm~100mmであってもよい。
【0065】
全長17(L_cons)は、少なくとも30mmであってもよく、好ましくは少なくとも40mm、より好ましくは少なくとも50mm、より好ましくは少なくとも60mm、より好ましくは少なくとも60mm、より好ましくは少なくとも70mm、より好ましくは少なくとも80mm、より好ましくは少なくとも90mmであってもよい。
【0066】
全長17(L_cons)は、100mm以下であってもよく、好ましくは90mm以下、より好ましくは80mm以下、より好ましくは70mm以下、より好ましくは60mm以下、より好ましくは50mm以下、より好ましくは40mm以下であってもよい。
【0067】
消耗品1の全長17(L_cons)の上限及び下限は、それぞれ独立に上記値から選択することができ、例えば、30mm~50mm、80mm~100mmの長さであってもよい。
【0068】
例えば、消耗品1は、全長17(L_cons)が従来の紙巻きタバコと略同一、例えば83mmであってもよい。あるいは、消耗品1は、全長17(L_cons)が40~60mmであってもよく、例えば約50mmであってもよい。
【0069】
VGM7を貫通する流路の内径16(D_vgm)は、3mm~12mmであってもよい。例えば、VGM7を貫通する流路の内径16(D_vgm)は、約7.0mmであってもよい。消耗品1は、VGM7の半径方向外側に配置された追加部材(例えば、チップペーパー10及び上包み13、又は外包装14)を考慮しつつ、略同様な直径範囲の外径を有していてもよい。
【0070】
内径16(D_vgm)は、少なくとも3mmであってもよく、好ましくは少なくとも4mm、より好ましくは少なくとも5mm、より好ましくは少なくとも6mm、より好ましくは少なくとも7mm、より好ましくは少なくとも8mm、より好ましくは少なくとも9mm、より好ましくは少なくとも10mm、より好ましくは少なくとも11mmであってもよい。
【0071】
内径16(D_vgm)は、12mm以下であってもよく、好ましくは11mm以下、より好ましくは10mm以下、より好ましくは9mm以下、より好ましくは8mm以下、より好ましくは7mm以下、より好ましくは6mm以下、より好ましくは5mm以下、より好ましくは4mm以下であってもよい。
【0072】
内径16(D_vgm)の上限及び下限は、それぞれ独立に上記値から選択することができ、例えば、4mm~11mm、8mm~10mmの内径16(D_vgm)であってもよい。
【0073】
VGM7の内表面と、直に隣接する消耗品1の外表面との半径方向総距離は、好ましくは0.5~1.5mmであってもよく、好ましくは0.6~1.4mm、好ましくは0.7~1.3mm、好ましくは0.6~1.2mm、好ましくは0.9~1.1mmであってもよい。
【0074】
VGM7の厚さは、好ましくは0.2~1.0mmであってもよく、好ましくは0.3~0.9、好ましくは0.4~0.8mm、好ましくは0.4~0.7mm、好ましくは0.4~0.6mm、好ましくは約0.5mmであってもよい。
【0075】
VGM7の厚さは、少なくとも0.2mmであってもよく、好ましくは少なくとも0.3mm、より好ましくは少なくとも0.4mm、より好ましくは少なくとも0.5mm、より好ましくは少なくとも0.6mm、より好ましくは少なくとも0.7mm、より好ましくは少なくとも0.8mm、より好ましくは少なくとも0.9mmであってもよい。
【0076】
VGM7の厚さは、1.0mm以下であってもよく、好ましくは0.9mm以下、より好ましくは0.8mm以下、より好ましくは0.7mm以下、より好ましくは0.6mm以下、より好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.4mm以下、より好ましくは0.2mm以下であってもよい。
【0077】
VGM7の厚さの上限及び下限は、それぞれ独立に上記値から選択することができ、例えば、0.2mm~0.8mm、0.4mm~1.0mmの厚さであってもよい。
【0078】
VGM7の厚さは、VGM7の側壁の厚さに相当するものであってもよい。
【0079】
図3及び図4は、それぞれ本発明に係る消耗品1のVGM7の活性部の内部及び外部加熱の原理を説明する。
【0080】
図3及び図4において、加熱装置の加熱器で熱を加える方向を矢印で表す。VGM7の活性部は、加熱装置の加熱素子で加熱されるよう構成されたVGM7の一部であってもよい。特定の加熱装置は、内部加熱及び外部加熱を実施するよう構成されていてもよい。
活性部は、VGM7に対して熱が直接加えられる距離より長くてもよい。例えば、VGM7に対して熱が直接加えられる領域の下流においてVGM7がいくらか加熱されてもよい。
【0081】
更に、活性部はVGM7全体を構成していてもよい。例えば、図1の実施形態において、支持チューブ8及びVGM7の長さは、VGM7全体が活性部に含まれるよう選択してもよい。
【0082】
また、VGM7の活性部は、活性物質及び/キャリアを含んでいてもよい。あるいは、活性部は、(VGM7の不活性下流部と比較して)追加の活性物質及び/又はキャリアを含んでいてもよい。
【0083】
VGM7の活性部は、活性長18(L_act)を有する。活性長18(L_act)は、消耗品1の全長17(L_cons)より短くてもよい。L_act/L_consは、0.25~0.5であってもよく、好ましくは0.3~0.45、好ましくは約0.3333(すなわち1/3)であってもよい。
【0084】
活性長18(L_act)は、VGM7の全長15(L_vgm)より短くてもよい。あるいは、活性長18(L_act)は、VGM7の全長15(L_vgm)と略同一であってもよい。
【0085】
活性長18(L_act)は、例えば10~35mmであってもよい。
【0086】
本明細書に記載した全ての実施形態について、加熱装置による加熱が生じると、VGM7を貫通する流路によって、VGM7の活性部の加熱を速やかに行うことができる。また、活性部を単一温度まで又は狭い温度範囲内まで一貫して加熱することもできる。これは、タバコの加熱が遅く、タバコ内の温度範囲が大きくなる従来技術に対する改善点である。例えば、従来技術ではタバコの一部が燃焼するが、他の部分はエアロゾルが実質的に生成されないほど冷たいままである。
【0087】
VGM7の総活性内表面積はpi×D_vgm×L_actに等しい。これは、加熱装置により内部加熱で加熱されるように構成されたVGM7の総活性内表面積である。外部加熱の場合、VGM7の総活性外表面積は、通常、VGM7の総活性内表面積に相当する。
【0088】
当然ながら当業者であれば、断面形状が異なるVGM7の場合には内表面積の数式が異なることを理解するであろう。
【0089】
上述の通り、VGM7の活性内表面積はpi×D_vgm×L_actに等しい。L_vgmがL_actと等しい場合、活性内表面積はVGM7の総内表面積とほぼ等しくてもよい。
【0090】
VGM7の総活性内表面積は、少なくとも100平方ミリメートル(mm)であってもよく、好ましくは少なくとも200mm、より好ましくは少なくとも300mm、より好ましくは少なくとも400mm、より好ましくは少なくとも500mm、より好ましくは少なくとも600mm、より好ましくは少なくとも700mm、より好ましくは少なくとも800mm、より好ましくは少なくとも900mm、より好ましくは少なくとも1000mm、より好ましくは少なくとも1100mm、より好ましくは少なくとも1200mm、より好ましくは少なくとも1300mm、より好ましくは少なくとも1400mm、より好ましくは少なくとも1500mm、より好ましくは少なくとも1600mm、より好ましくは少なくとも1700mm、より好ましくは少なくとも1800mm、より好ましくは少なくとも1900mmであってもよい。
【0091】
VGM7の総活性内表面積は、2000平方ミリメートル(mm)以下であってもよく、好ましくは1900mm以下、より好ましくは1800mm以下、より好ましくは1700mm以下、より好ましくは1600mm以下、より好ましくは1500mm以下、より好ましくは1400mm以下、より好ましくは1300mm以下、より好ましくは1200mm以下、より好ましくは1100mm以下、より好ましくは1000mm以下、より好ましくは900mm以下、より好ましくは800mm以下、より好ましくは700mm以下、より好ましくは600mm以下、より好ましくは500mm以下、より好ましくは400mm以下、より好ましくは300mm以下、より好ましくは200mm以下、より好ましくは100mm以下であってもよい。
【0092】
VGM7の総活性内表面積は独立に上記値から選択することができ、例えば、VGM7の総活性内表面積は300mm~1300mm、500mm~600mmであってもよい。
【0093】
VGM7は蒸気生成基材を有する。蒸気生成基材は、少なくとも1種の活性物質が配置されているVGM7の部材であり、そこから該活性物質が気化される。単一の消耗品中の蒸気生成基材の総質量は、100~1000ミリグラム(mg)であってもよい。
【0094】
蒸気生成基材の総質量は、少なくとも100ミリグラムであってもよく、好ましくは少なくとも200ミリグラム、より好ましくは少なくとも300ミリグラム、より好ましくは少なくとも400ミリグラム、より好ましくは少なくとも500ミリグラム、より好ましくは少なくとも600ミリグラム、より好ましくは少なくとも700ミリグラム、より好ましくは少なくとも800ミリグラム、より好ましくは少なくとも900ミリグラムであってもよい。
【0095】
蒸気生成基材の総質量は、1000ミリグラム以下であってもよく、好ましくは900ミリグラム以下、より好ましくは800ミリグラム以下、より好ましくは700ミリグラム以下、より好ましくは600ミリグラム以下、より好ましくは500ミリグラム以下、より好ましくは400ミリグラム以下、より好ましくは300ミリグラム以下、より好ましくは200ミリグラム以下、より好ましくは100ミリグラム以下であってもよい。
【0096】
蒸気生成基材の総質量は独立に上記値から選択することができ、例えば、蒸気生成基材の総質量は300ミリグラム~900ミリグラム、200ミリグラム~600ミリグラムであってもよい。
【0097】
活性部における蒸気生成基材の総質量は、上述した蒸気生成基材と同じ値から選択することができる。
【0098】
上述の通り、蒸気生成基材は、少なくとも1種の活性物質を含んでいてもよい。特定の蒸気生成基材が含む特定の活性物質の総量は0.2~2.0mgであってもよい。そのような活性物質の一つとして、例えばニコチンが挙げられる。
【0099】
本発明のパラメーター表示として、VGM7の単位活性内表面積あたりの活性物質量が挙げられる。活性物質(ニコチン等)を0.2~2.0mg含み、活性部内表面が100~2000mmである消耗品1の場合には、消耗品1は、活性物質面密度が0.0001mg/mm~0.02mg/mmである。消耗品1の活性物質面密度は、0.0005mg/mm~0.015mg/mm、0.001mg/mm~0.03mg/mm、0.0015mg/mm~0.025mg/mmであることが好ましい。
【0100】
本発明に係るVGM7の一例としては、タバコを用いたものが挙げられる。VGM7は、再構成タバコを含んでいてもよい。例えば、VGM7は、再構成タバコシートを1枚以上有していてもよい(例えば図7図9を参照)。再構成タバコ(又は「recon」)の調製においてタバコ材料を使用する方法は、通常、以下の通り実施できる。
【0101】
まず、ちり状、顆粒状、又は植物の葉若しくは茎材料を細断した状態のタバコを集める(以下、「植物材料」)。植物材料は、タバコ加工の副産物であってもよい。植物材料を結合材料(用語が示す通り、植物材料を結合・凝集させるもの)と均一に混合する。本方法で使用できる結合材料としては、それ自体が植物材料粒子を結合・凝集させる材料の他、植物材料自体に含まれる天然由来の結合剤(その後、植物材料を実際に結合・凝集させる)を放出させる効果を有することで、そのような結合・凝集を間接的に生じさせる材料が挙げられる。
【0102】
それ自体が植物材料を結合・凝集させる結合材料としては、例えば、フィルム形成材料、架橋剤等が挙げられる。フィルム形成材料及び該材料を水に不溶な繊維、シート等に変換する手法は当該技術分野でよく知られている。
【0103】
分散液又は溶液の状態の結合材料へ植物材料を加えたら(あるいは、植物材料を結合材料と乾式混合してから溶媒に加えたら)、得られた混合物を十分にブレンドして均一且つ均質な混合物を得る。その後、この混合物を当該技術分野で知られている多くの方法のうちの1つで処理して、植物材料に添加された又は植物材料から放出されたフィルム形成材料を不溶化するか、あるいは架橋剤を添加している場合は架橋させる。
【0104】
得られる植物材料結合物は、各種寸法を有する様々な形状及び形態で製造できることを理解すべきである。従って、上述の通り、結合材料とちり状タバコとの混合物を紡いで繊維化しても、圧延してシート化しても、枠内にキャストしても、押し出して他の形状としてもよい。
【0105】
茎や微細構造等の植物材料副産物を水と混合してスラリーを調製してから精製することが好ましい。凝集した植物材料粒子をスラリーに加えたら、当該技術分野における従来の方法で各成分が完全にブレンドされるようにスラリーを混合して、均一且つ均質な混合物を得る。製紙工程、スラリーを紙基材上で層にする工程、スラリーを金型にキャストする工程、又は押出し工程のいずれかによって、スラリーから再構成植物材料シートを形成する。
【0106】
製紙工程により再構成植物材料を調製する方法は、カナダ特許第862,497号明細書(参照により本明細書に援用する)で例示される通り、当該技術分野でよく知られている。当該文献に記載された工程は、再構成タバコ材料(「recon」)シートを調製するための製紙工程では特に有利である。
【0107】
通常、凝集した植物材料粒子を含む材料シートを製紙工程により形成したら、シートを乾燥し、切断又はプレスして所望の物理的形態にする。
【0108】
本明細書中、VGM7は植物製品を含んでいてもよく、あるいは植物製品で形成されていてもよい。「植物製品」とは、そこから活性物質がエアロゾル化して、使用者に吸入される呼吸に適した流体の流れとなる植物を意味する。誤解を避けるために言うと、好適な植物製品としては、Amaranthus dubius、Arctostaphylos uva-ursi(クマコケモモ)、Argemone mexicana、Amica、Artemisia vulgaris、Yellow Tees、Galea zacatechichi、Canavalia maritima(ハマナタマメ)、Cannabis、Cecropia mexicana(Guamura)、Cestrum noctumum、Cynoglossum virginianum(ワイルドコンフリー)、Cytisus scoparius、Damiana、Entada rheedii、Eschscholzia califomica(カリフォルニアポピー)、Fittonia albivenis、Hippobroma longiflora、Humulus japonica(カナムグラ)、Humulus lupulus(ホップ)、Lactuca virosa(オピウムレタス)、Laggera alata、Leonotis leonurus、Leonurus cardiaca(マザーワート)、Leonurus sibiricus(ハニーウィード)、Lobelia cardinalis、Lobelia inflata(インディアンタバコ)、Lobelia inflata、Lobelia siphilitica、Nepeta cataria(キャットニップ)、Nicotiana種(タバコ)、Nymphaea alba(ホワイトリリー)、Nymphaea caerulea(ブルーリリー)、Opium poppy、Passiflora incamata(パッションフラワー)、Pedicularis densiflora(インディアンウォリアー)、Pedicularis groenlandica(エレファンツヘッド)、Salvia divinorum、Salvia dorrii(タバコセージ)、Salvia種(セージ)、Scutellaria galericulata、Scutellaria lateriflora、Scutellaria nana、Scutellaria種(スカルキャップ)、Sida acuta(ワイヤウィード)、Sida rhombifolia、Silene capensis、Syzygium aromaticum(クローブ)、Tagetes lucida(メキシカンタラゴン)、Tarchonanthus camphoratus、Tumera diffusa(ダミアナ)、Verbascum(マレイン)、Zamia latifolia(Maconha Brava)、これらの組み合わせ、これらと機能的に等価なもの、及び/又はこれらの代替合成物が挙げられる。
【0109】
本明細書中、「活性物質」とは、化学的及び/又は生理学的活性種、又はそのような化学的及び/又は生理学的活性種の組み合わせ又は混合物であって、エアロゾル化されることを意図したものであり、該エアロゾルを含む呼吸に適した流体の流れを使用者が吸入した際、使用者に気晴らし効果及び/又は薬効を与えるものを意味する。誤解を避けるために言うと、好適な化学的及び/又は生理学的活性種としては、ニコチン、コカイン、THC、CBD、カフェイン、カンナボイド(cannaboid)類、オピエート類及びオポイド(opoid)類、カチン及びカチノン、カヴァラクトン、ミスチシン(mysticin)、β-カルボリンアルカノイド類、サルビノリンA、これらの組み合わせ、これらと機能的に等価なもの、及び/又はこれらの代替合成物からなる群が挙げられる。
【0110】
残りの図は、本発明に係る別の消耗品1及び原理を表しており、これらを以下で説明する。図1及び図2の実施形態についての上記考察は、残りの図の実施形態にも同様に適用される。残りの図についての下記考察は、図1及び図2の実施形態にも同様に適用される。
【0111】
図5は、本発明に係る別の消耗品1を表す。消耗品1は管状VGM7を有する。VGM7は、実質的に消耗品1の第1(上流)端3と第2(下流)端4との間に延在する。VGM7は、崩壊することなく自重を支えることができるくらいの剛性を有する。例えば、VGM7は再構成タバコシート部材で形成されていてもよい(例えば図7図9を参照)。シート部材は、密度が80gsm~145gsmであってもよい。
【0112】
第1端3には入口5がある。フィルター9は消耗品1の第2端4に配置されており、消耗品1の出口6の全面に形成されている。外包装19がVGM7及びフィルター9を囲み、相互に連結する。図5の消耗品1では、図1の消耗品1と比較して、支持チューブ8、チップペーパー10、及び上包み13が省略されている。
【0113】
フィルター9は、VGM7の端部と接するように配置され、且つ消耗品1の第2端4と隣接して配置されてもよく、あるいはフィルター9は、VGM7内に配置され、且つ消耗品1の第2端4と隣接して配置されてもよい。
【0114】
外包装19は紙系材料で形成されていてもよい。外包装19の紙系材料は、密度が20~100gsmであってもよい。
【0115】
外包装19は省略してもよい。それに加えて又はその代わりに、フィルター9を省略してもよい。VGM7が十分な剛性を有している場合、消耗品1は実質的にVGM7のみで構成されていてもよい。誤解を避けるために言うと、フィルター9は、そのようなVGM7の端部内に含まれていてもよい。繰り返すが、このように消耗品1に含まれる構成部材の数を減らすことによって、より単純に且つより高い費用効果で消耗品1を製造できる。
【0116】
図6は、図5に示した本発明に係る消耗品1の長手方向断面図を表す。VGM7は、活性長18(L_act)の活性部を有する。VGM7の全長15(L_vgm)も図示されている。VGM7の活性部の内部加熱は両矢印で表されている。VGM7及びフィルター9を包んでいる外包装19が図示されている。
【0117】
図6において、説明を明確にすることのみを目的として、半径方向にVGM7と外包装19との間に隙間を表している。同様に、説明を明確にすることのみを目的として、半径方向にフィルター9と外包装19との間に隙間を表している。外包装19は、VGM7の外表面及びフィルター9の外表面と接している。
【0118】
図5及び図6の実施形態において、消耗品1の全長(L_cons)に対するVGM7の全長15(L_vgm)の比(L_vgm/L_cons)は、0.5以上であってもよく、好ましくは0.55以上、好ましくは0.6以上、好ましくは0.65以上、好ましくは0.7以上、好ましくは0.75以上、好ましくは0.8以上、好ましくは0.85以上、好ましくは0.9以上、好ましくは0.95以上であってもよい。
【0119】
VGM7の活性部の活性長18(L_act)は、VGM7の全長15(L_vgm)の活性部分であってもよい。すなわち、L_act/L_vgmは1以下であってもよい。
【0120】
これにより、VGM7の不活性部20が活性部21の下流に配置されることとなる。不活性部20は、図1で説明した実施形態の不活性支持チューブ8と同様のものである。不活性部20は、その内部を貫通する流路内に混合ゾーンを形成してもよい。混合ゾーンにおいて、VGM7からの蒸気が、VGM7からか又は他の発生源(例えば、VGM7に形成された穿孔)からの他の流体成分と混合される。また、不活性部20は、その内部を貫通する流路内に冷却ゾーンを形成してもよい。冷却ゾーンにおいてVGM7からの蒸気が冷却され、その結果、蒸気が凝縮されてエアロゾルとなる。
【0121】
図7は、本発明に係る消耗品1の端面図を表す。消耗品1は、VGM7及び外包装19を有する。図7の消耗品1には間にチップペーパーが存在しないが、しかしながら、VGM7と外包装19との間に含まれることも考えられる。従って、図7のVGM7の形態は、図1~6のいずれの消耗品にも適用できる。
【0122】
VGM7は、シート部材22(これは図1図6の消耗品でも選択肢である)で形成されている。シート部材22は、ちょうど1回巻くことで管状VGM7に形成される。すなわち、シート部材22の対向する両縁部を、シート部材22の長手継ぎ目23に沿って互いに隣接させる。言い換えれば、シート部材22の両対向部は互いに重なり合っていない。互いに隣接させたシート部材22の対向する両縁部は、互いに接着されていなくてもよく、VGM7が管状となるように隣接して保持されるだけでもよい。対向する両縁部は、外包装19を用いて、又はシート部材22の剛性を利用して隣接して保持されてもよい。
【0123】
図7では、管状消耗品1の入口5が見えている。入口5の大きさ及び形状は、VGM7の内表面で画定される。VGM7の内径16を図7に示す。
【0124】
図8は、本発明に係る別の消耗品1の端面図を表す。図8の消耗品1は図7の消耗品と類似しており、類似した部材には同一の参照番号を付している。図8の消耗品のVGM7は、2つの略同心シート部材22を有する。各シート部材22では、対向する両縁部がそれぞれの長手継ぎ目23で互いに隣接している。2つの長手継ぎ目23の位置は、互いに角度がずれている。すなわち、2つの長手継ぎ目23は互いに一直線になっていない。これにより、VGM7及び消耗品1の剛性を向上できる。
【0125】
VGM7は、図8の2枚のシート部材22よりも多く有していてもよい。それぞれのシート部材22の長手継ぎ目23は、互いに角度がずれていてもよい。あるいは、シート部材22の直に隣接する各ペアはいずれも、各ペアの長手継ぎ目23の位置の角度がずれていてもよい。
【0126】
図9は、本発明に係る消耗品1の端面図を表す。消耗品1は、VGM7及び外包装19を有する。図9の消耗品1には間にチップペーパー10は存在しないが、しかしながら、VGM7と外包装19との間に含まれることも考えられる。
【0127】
図9の消耗品において、VGM7はシート部材22で形成されている。シート部材22は、複数回巻くことで管状VGM7に形成される。すなわち、シート部材22の両対向部は互いに重なり合っている。図9には、ちょうど3回重なり合っているシート部材22が図示されている。整数回重なり合うことで、VGM7の壁厚をより均一にできる。巻かれたシート部材22は、外包装19を用いて、又はVGM7の材質を利用して巻かれた形態に保持されてもよい。例えば、シート部材22は、剛性を有するよう構成されていてもよく、これは、シート部材が実質的に巻かれた形態のままであることを意味する。あるいは、シート部材22は、接着剤によって巻かれた形態に保持されてもよい。シート部材22が重なり合う回数は、3回未満であっても3回超であってもよい。シート部材22が重なり合う回数は、5回以下であってもよい。
【0128】
シート部材22は螺旋状に巻かれてもよい。螺旋状に巻くことで、例えば接着剤塗布のための重なり合う表面積を大きくすることができる。
【0129】
図9では、管状消耗品1の入口5が見えている。入口5の大きさ及び形状は、VGM7の内表面で画定される。VGM7の内径16を図9に示す。
【0130】
上述したいずれの実施形態においても、VGM7は、密度が例えば80~145gsmである再構成タバコシート部材22で形成されていてもよい。重なり合う形態(図9等)又は多層形態(図8等)を採用すると、シート部材の密度を低くすることができる。
【0131】
従って、図7図9で説明したVGM7の形態は、全て本発明に係る消耗品のいずれにも適用できる。
【0132】
上述した各実施形態は、使用者が吸い込んだ際にエアロゾルの「パフ」を放出するよう構成されていてもよい。当業者には理解される通り、パフとは、使用者が口内に吸い込む1吸い分であり、そしてそれが肺に吸入される。従来の紙巻きタバコの喫煙では、通常、複数回のパフ、例えば10パフを吸う。
【0133】
キャリアはVGM7の活性部から気化される。また、活性物質もVGM7から気化される。いずれも入口5からの気流に取り込まれる。キャリア及び活性物質の両蒸気はエアロゾルを形成し、それが出口6を通って使用者に吸入される。エアロゾルは活性物質及びキャリアを含む。
【0134】
キャリアとしては、例えば、ポリグリコール(PG)、植物性グリセリン(VG)、若しくはポリエチレングリコール(PEG)、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0135】
使用時、使用者は、消耗品1の出口6で吸って(例えば)1パフのエアロゾルを使用者の口内に吸い込み、そしてそれが肺に吸入される。当業者には理解される通り、(生理学的違いや使用者の好み等により)各使用者が吸うパフには明らかに違いがある。
【0136】
使用者が装置を例えば0.5~5.0秒吸うと、装置からパフが放出される。パフの体積は20~120ミリリットル(ml)であってもよく、例えば50~60mlであってもよい。パフは、VGM7が活性化温度の加熱器で加熱される間放出されてもよい。活性化温度は170℃~250℃であってもよい。加熱器は、使用者が吸っている間はずっと略活性化温度で保たれてもよい。
【0137】
上記説明、以下の特許請求の範囲、又は添付図面において開示される特徴は、それらの特定の形態として、あるいは開示した機能を実施する手段、又は開示した結果を得るための方法若しくはプロセスに関して適宜表されているが、本発明をその多様な形態で実現するためにそれらの特徴を個別に又は組み合わせて使用できる。
【0138】
本発明を上述した例示的実施形態と共に説明したが、本開示に触れた当業者には多くの均等な変更例及び改変例が明らかであろう。従って、上記した本発明の例示的実施形態は、説明的なものであり非限定的であると考えられる。本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、記載した実施形態に様々な変更を加えることができる。
【0139】
誤解を避けるために言うと、本明細書中の理論的説明はいずれも、読者の理解を向上させる目的で示されている。本発明者らは、これらの理論的説明のいずれにも拘束されることを望むものではない。
【0140】
本明細書中の節の見出しはいずれも、単に構成上の目的で示されており、記載した主題を限定するものと解釈されるべきではない。
【0141】
以下の特許請求の範囲を含む本明細書全体を通じて、文脈上他の解釈が必要とされない限り、「含む」及び「有する」という語や、「含み」、「含んでいる」、及び「有している」等の変化形は、言及した整数又は工程や整数群又は工程群を包含することを意味していると理解され、他の整数又は工程や整数群又は工程群を排除するものではない。
【0142】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において、文脈上明確に他の解釈が求められない限り、単数形(a、an、及びthe)は複数の指示対象も包含することに留意しなければならない。本明細書中、範囲は、「おおよその」一特定値から及び/又は「おおよその」別の特定値までとして表されている場合がある。このような範囲が表されている場合、別の実施形態は、上記一特定値から及び/又は上記別の特定値までを包含する。同様に、先行詞「約」を用いて数値が近似値として表されている場合、その特定値が別の実施形態を構成すると理解される。数値に関する「約」という語は任意であり、例えば±10%を意味する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9