(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-08
(45)【発行日】2023-06-16
(54)【発明の名称】多層種子発芽及び植物発育培地
(51)【国際特許分類】
A01G 31/00 20180101AFI20230609BHJP
A01G 9/00 20180101ALI20230609BHJP
【FI】
A01G31/00 611A
A01G9/00 E ZBP
(21)【出願番号】P 2020573363
(86)(22)【出願日】2019-01-22
(86)【国際出願番号】 US2019014561
(87)【国際公開番号】W WO2020005319
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2021-02-25
(32)【優先日】2018-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】523138220
【氏名又は名称】エアロファームズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィリッポフ,アレキサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ビューロー,ロジャー
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-037835(JP,U)
【文献】実開平01-072058(JP,U)
【文献】実開平02-070649(JP,U)
【文献】特開2018-000013(JP,A)
【文献】特開昭52-112537(JP,A)
【文献】特開2007-151442(JP,A)
【文献】特開2016-198040(JP,A)
【文献】特開平09-163886(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0390045(US,A1)
【文献】特開昭63-160520(JP,A)
【文献】特開2011-244721(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0086867(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 31/00
A01G 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発芽中の種子及び成長中の植物を支持する物品であって、
1つ以上の根の塊を収容する底部支持層を通る複数の開口部を有する底部支持層;
底部支持層の上に配置され、且つ底部支持層から分離可能な無土壌成長培地であって、前記無土壌成長培地が種子の発芽及び無土壌成長培地を通して発育中の植物からの根の侵入を支持する、前記無土壌成長培地;
種子を含有するように成形された複数の開口部を有する光バリア層であって、光バリア層の非開口部が光バリア層中の任意の開口部を通る光透過率の量よりも少ない光透過率を有し、光バリア層が、無土壌成長培地から分離可能であり、無土壌成長培地の上に配置され、且つ無土壌成長培地と構造的に異なり、光バリア層の底部表面と無土壌成長培地層の近接が、種子が層の間に配置又は捕捉されるのを防ぐ、前記光バリア層;及び
光バリア層から分離可能であり、且つ光バリア層の上に配置された上層であって、上層が複数の開口部を有し、上層中の開口部が光バリア層中の開口部の少なくとも一部と重なり、重なりが、光が発芽中の種子に達し、且つ植物を発育させるのに十分であり、上層の前記複数の開口部のサイズが種子と実質的に同じサイズであり、且つ、上層中の開口部が光バリア層中の開口部よりも小さい、前記上層
を含む、前記物品。
【請求項2】
光バリア層若しくは上層又は光バリア層及び上層が蛍光材料を含む、
請求項1記載の物品。
【請求項3】
上層が光バリア層の上にスライド可能に配置され、且つ、上層の開口部の底部端及び光バリア層の開口部の上部端が植物の茎を切断するように成形される、
請求項1記載の物品。
【請求項4】
光バリア層又は上層の1つ以上が蛍光材料を含み、且つ、1つ以上の種子が、光バリア層の複数の開口部中に、及び無土壌成長培地の上に配置される、
請求項1記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.関連出願に対する相互参照
本出願は、2018年6月29日に出願され、第62/692,361号と指定された「多層種子発芽及び植物発育培地」という名称の仮特許出願に対する優先権の利益を主張する。前述の仮出願の内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
2.技術分野
本開示の実施形態は、気耕及び水耕農業において有用な無土壌多層種子発芽及び植物発育培地に関する。
【背景技術】
【0003】
3.背景技術
気耕農業は、発育中の植物の根に液状の栄養溶液を噴霧することを含む。これらの植物の根は、一般に、栄養が噴霧される成長チャンバー中において、剥き出しで、ぶらさがっている。いくつかの気耕農業の方式において、種子は、フレームによって支持され得る布の上部表面上に正確に置かれる。種子は発芽し、次いで、フレーム上の布は成長チャンバーに設置される。成長チャンバーにおいて、布の上側は、発育中の植物の成長を促進する適切な波長及び強度の光に供され、布の下側及び発育中の根の塊は、栄養溶液を受ける。種子から生じる植物は、成長の所望の段階で収穫される。成長チャンバーは、施設内の空間を節約するため、並びに栄養溶液、温度、湿度及び二酸化炭素を成長チャンバーに提供するサブシステムの共同使用を可能にするために、互いに積み重ねることができ、並びに/又は隣り合って置くことができる。急速な発育及び健康な植物のキャノピーは、布培地に達する光の量を低減し、有害藻類の形成を低減することができるので、これらのシステムに有益である。
【0004】
布材料は、発芽及び成長基材として、又は気耕農業における培地として使用されている。藻類の形成は、種子を発芽させるため及び植物を成長させるために使用される栄養をたっぷり含んだ水分及び光が存在する比較的広い表面積の布繊維において起こり得る。藻類の成長は、栄養、光及び水分について、発芽中の種子及び成長中の植物と競合する。これらの成長基材における藻類の存在は、審美的に望ましくなく、使用の間の成長基材の洗浄をより困難にし、コストを増加させる。成長基材における藻類の存在はまた、基材の閉塞をもたらし得、気耕の噴霧及び空気の流れを妨げる。藻類の形成は、成長システムの他の部分への藻類の広がりを防ぐための洗浄及び濾過によって除去するために必要なノズル並びに下層の排水トレイにおいても生じ得る。この追加の洗浄、フィルターの費用、並びにフィルターの取り替え及び機械設備の洗浄のための関連する成長タワーの中断時間にコストがかかる。
【0005】
藻類の成長及び植物の腐敗は、過剰な水分及び種子が蓄積し、光の存在下で互いに接触する布成長培地の低い場所でより一般的である。これを試行及び克服するために成長培地上でより均一に種子の間隔を空けるために自動播種機を使用することができるが、これらは高価であり、維持するのにコストがかかり、培地上の低い場所の問題には対処しない。藻類の成長は、栄養溶液を含有する布成長培地の下の表面においても生じ得る。広げられた布成長培地及び培地中のフレーム又は孔の間のギャップを通過する光は、直接光が藻類の成長を支持し得る開口部を通過することが可能である。
【0006】
いくつかの気耕農業において使用される布からの水の蒸発は、屋内農場の空調設備及び水の使用のために必要なコストの増加ももたらし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、気耕及び水耕農業において使用することができ、収穫量を改善し、藻類の成長を低減し、並びに布成長培地の洗浄及び修復に関連するコストを低減する、改善された成長培地及び基材に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
概要
気耕及び/又は水耕農業のために使用される無土壌成長培地における藻類の成長は、複数の開口部を有する光バリア層を含む発芽中の種子及び成長中の植物を支持する多層物品若しくはフラット(flat)であって、光バリア層の非開口部が、光バリア層中の任意の開口部を通る光透過率の量よりも少ない、強度によって測定される光透過率を有する、多層物品若しくはフラットによって低減又は排除することができる。光バリア層は、無土壌成長培地から自由に分離可能であり、且つ無土壌成長培地の上に配置される。多層物品は、複数の開口部を有する底部支持層をさらに含むことができる。開口部は、底部支持層を通過し、覆われた植物からの1つ以上の根の塊を収容する。底部支持層中の開口部はまた、支持層の下に置かれたミスト若しくは霧又は栄養源が無土壌成長培地に達することを可能にする。無土壌成長培地は、底部支持層の上に配置されてもよく、自由に分離可能であり、底部支持層に固定されない。本開示のいくつかの実施形態において、光バリア層と無土壌成長培地の上部表面の近接近は、シール又はバリアを形成する。シール又はバリアは、フラットの使用の間に、光バリア層の固形部分及び無土壌成長培地の間に光バリアの開口部中の種子が配置されるのを不可能にする。無土壌成長培地は、種子の発芽、培地を通して発育中の植物からの根の侵入を支持し、培地を通して栄養のミスト又は霧の液滴の直接通過を防ぐ。
【0009】
本開示のいくつかの実施形態において、多層物品又はフラットは、光バリア層から分離可能であり、且つ光バリア層の上に配置される上層も含む。上層は、光バリア層中の開口部の区域の一部又は全部と重なる複数の開口部を有する。上層中の開口部(複数可)及び光バリア層中の開口部(複数可)の間の重なりは、光が、開口部を通して無土壌成長培地に達し、並びに/又は無土壌成長培地上の開口部中に配置された発芽中の種子及び発育中の植物に達するのに十分であり得る。本開示のさらに他の実施形態において、上層中の開口部は、光バリア層中の開口部よりも小さく、2つの層中の開口部は重なる。上層中の開口部は、それぞれの上層の開口部中に単一の種子を収容するのに十分に大きいが、光バリア層中の開口部は、吸収及びその後の植物の発育の間に単一の種子を収容するのに十分に大きい。本開示のいくつかの実施形態において、光バリア層中の1つ以上の開口部は単一の種子を含み、種子は下層の成長培地と接触する。
【0010】
本開示のいくつかの実施形態において、光バリア層、上層又は光バリア層及び上層の1つ以上は、蛍光材料又はリン光体を含むことができる。
【0011】
いくつかの実施形態において、上層は光バリア層の上にスライド可能に配置され得、上層の開口部の底部端及び光バリア層の開口部の上部端は、上層及び光バリア層が互いに対して移動した場合に、植物の茎を切断するように成形される。
【0012】
本開示のいくつかの実施形態において、光バリア層、上層又はこれらの組合せは、植物の茎が光バリア層及び上層中の開口部を通過して互いに分離することができるプレートであり、その結果、茎のカッターはプレート間を通過し、茎を切断することができる。
【0013】
本開示の実施形態は、光バリア層中の複数の開口部に配置された1つ以上の種子を有するこれらの物品を含み得る。本開示の実施形態は、光バリア層中の複数の開口部に配置された1つ、2つ又は3つの種子を有するこれらの物品を含み得る。本開示のいくつかの実施形態において、種子を有する光バリア層中のそれぞれの開口部は、開口部中の単一の種子を有する。光バリア層の開口部中の種子は、光バリア層の下に置かれた成長培地と接触する。いくつかの実施形態において、光バリア層は蛍光材料又はリン光体を含む。
【0014】
本開示の実施形態は、多層物品又はフラットに播種する方法だけでなく、種子を発芽させ、種子から植物を発育させる方法も含む。いくつかの実施形態において、方法は、種子が開口部中の曝された成長培地と接触するように、光バリア層中の複数の開口部に種子を配置することを含み得る。他の実施形態において、方法は、種子が開口部中の曝された成長培地と接触するように、光バリア層中の複数の開口部に1つ、2つ又は3つの種子を配置することを含み得る。いくつかの実施形態において、種子を有する光バリア層中の複数の開口部のいずれかは単一の種子を含有し、光バリア層は無土壌成長培地を覆う。光バリア層は、成長培地に結合されず、又は固定されない。無土壌成長培地は、無土壌成長培地を通して成長している1つ以上の根の塊を収容する開口部を有する支持層の上にあり得る。いくつかの実施形態において、複数の開口部を有する上層は光バリア層の上に配置される。上層中の開口部は光バリア層中の開口部の区域の一部又は全部と重なり、分離した層中の開口部の間の重なりは、光を、光バリア層中の開口部を通して、無土壌成長培地、発芽中の種子、発育中の植物若しくはこれらの任意の組合せの1つ以上を照らすのに十分である。光バリア層の底部表面及び/若しくは開口部の端表面と無土壌成長培地層との物理的接触並びに/又は圧縮を含み得る近接近は、種子がこれらの層の間に配置若しくは捕捉されるのを防ぐ、バリア又は緩いシールを形成する。
【0015】
方法の実施形態において、光バリア層は、物品の表面、例えば、植物の表面ではない表面に入射する光の一部又は全部を、より長い波長の光の一部を発芽中の種子及び/又は発育中の植物に向け直すことができるより長い波長の光に変換する蛍光材料を含むことができる。他の実施形態において、光バリア層、上層又は光バリア層及び上層の1つ以上は、蛍光材料を含むことができる。いくつかの他の実施形態において、光バリア層、上層又は光バリア層及び上層の1つ以上は光分散層を含むことができ、それにより未利用の光を、層を通り、葉に向け直す。また別の実施形態において、上層又は光バリア層のいずれかである最上層は、反射性であり、未利用の光を葉の方に向け直す。蛍光又はリン光材料を含有する層を使用して、種子のための開口部を有する光反射層又は光分散層は、種子にまでだけでなく、平坦な表面から葉にも光を向け直すために使用することができる。
【0016】
本開示のいくつかの実施形態において、多層物品又はフラットは、光バリア層から分離可能であり、且つ光バリア層の上に配置される上層も含む。上層は、光バリア層中の開口部の区域の一部又は全部と重なる複数の開口部を有する。上層中の開口部及び光バリア層中の開口部の間の重なりは、光を、光バリア層中の開口部を通して、植物を発育及び成長させるために、無土壌成長培地、発芽中の種子、又はこれらの任意の組合せの1つ以上を照らすのに十分である。本開示のさらに他の実施形態において、上層中の開口部は光バリア層中の開口部よりも小さく、2つの層中の開口部は、光を、光バリア層中の開口部を通して、無土壌成長培地、発芽中の種子、発育中の植物若しくはこれらの任意の組合せの1つ以上を照らすのに十分に重なっている。上層中の開口部は、それぞれの上層の開口部中に単一の種子を収容するのに十分に大きいが、光バリア層中の開口部は、吸収及びその後の植物の発育の間に単一の種子を収容するのに十分に大きい。本開示のいくつかの実施形態において、光バリア層中の複数の開口部は単一の種子を含み、種子は下層の成長培地と接触する。
【0017】
方法の1つの実施形態において、種子の光バリア層中の複数の開口部への配置は、重なった光バリアの開口部に落下する上層中の複数の開口部から種子を受けることを含む。いくつかの実施形態において、上層の開口部のサイズは種子と実質的に同じサイズ、例えば、サイズの分布内であり、光バリア層中の開口部は上層中の重なった開口部よりも大きい。
【0018】
さまざまな実施形態において、方法は、支持層中の開口部を通して無土壌成長培地の底部表面上に栄養溶液を提供する行為又は工程を含むことができる。栄養溶液は、溶液のファインミスト若しくは霧として、又は容器中で溶液と根の一部を接触させることによって、根に提供することができる。方法は、適切な周波数及び強度の光で光バリア層の一部を照射する行為又は工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、光バリア層及び/又は上層に当たる発育中の植物によって利用されない光は、より長い波長の放射線に変換され得、発芽中の種子又は発育中の植物の一部に向けられ得る。
【0019】
本開示の実施形態の利点としては、種子が光バリア層の開口部及び無土壌成長培地によって形成された空洞に本質的に捕捉又は保持され得るので、種子が播種後に布上を移動できない場合があるため、成長培地におけるより均一な成長パターンが挙げられる。本明細書において開示される多層物品又はフラットは、種子を発芽させるために使用することができ、成長チャンバー中で栄養及び光を供給することができる。さまざまな層、例えば、光バリア層、上層、底部支持層及びこれらの組合せの固形部分又は閉鎖部分は、光の侵入を最小化することができ、栄養溶液の加熱を低減し得、成長培地からの蒸発を低減し得る。さまざまな層、例えば、光バリア層、上層、底部支持層及びこれらの組合せの閉鎖部分は、光の侵入を最小化し、成長培地、ノズル及び内部排液パン又は栄養容器において藻類の成長も低減し得る。光バリア層で覆うことによって提供される成長培地の上の閉鎖区域又は被覆区域は、植物の葉が湿った成長培地に直接接触することができる区域を著しく低減し得、植物の腐敗及び藻類との接触をさらに低減し得る。光バリア層及び/又は上層を有することで、成長培地からの蒸発を減少させることもでき、それにより非被覆成長培地と比較した場合に、室内農場における空調及び水の消費を低減する。
【0020】
上層及び光バリア層が分離可能である実施形態の1つの利点は、植物を「立たせ」、分離した層の間にカッターを通過させて、より良好な収穫を与える能力、及びカッターの真下を通過する「失敗した(flopped)」植物を効率的に排除する能力である。植物を立たせることで、葉への損傷を最小化し、収穫量を増加させることができる。カッターが通過する層の間の分離の量を選択することによって、収穫産物中の植物の茎の高さは、産物のエンドユーザーに適合させることもできる。フラットの層の分離を制御する能力を使用して、切断された茎の長さを制御及び変えることができ、単にさまざまな層の間の分離を変更することによって、マイクログリーン、葉物野菜及び他の植物の収穫を可能にする。
【0021】
いくつかの実施形態において、光バリア層又は上層の上のフレキシブル層、例えば、開口部を有するシート又はフィルムは上層の開口部と整列され、切断がフレキシブル層の下で起こるので、フレキシブル層は切断の間又は切断後にバスケット又はパンの形状に形成することができ、その結果、植物は、バッチで収穫することができ、農場における特定のフラット又は場所まで追跡することができる。
【0022】
本明細書において開示される実施形態は、藻類の成長の低減を伴う発芽中の種子及び発育中の植物のため、並びに改善された植物の収穫量のためのシステム及び方法を提供することによって、これら及び他の必要性を満たす。
以下、本発明の実施形態を示す。
[1]発芽中の種子及び成長中の植物のための物品であって、
種子の発芽及び無土壌成長培地を通して発育中の植物からの根の侵入を支持する無土壌成長培地、並びに
複数の開口部を有する光バリア層であって、開口部の形状がそれぞれの開口部中に1つ以上の種子を収容し、光バリア層の非開口部が光バリア層中の任意の開口部を通る光透過率の量よりも少ない光透過率を有し、光バリア層が、無土壌成長培地から分離可能であり、無土壌成長培地の上に配置され、且つ無土壌成長培地と構造的に異なる、光バリア層
を含む、物品。
[2]光バリア層から分離可能であり、且つ光バリア層の上に配置された上層をさらに含み、上層が複数の開口部を有し、上層中の開口部が光バリア層中の開口部の少なくとも一部と重なり、開口部の重なりが、光が発芽中の種子及び発育中の植物に達するのに十分である、[1]に記載の物品。
[3]底部支持層をさらに含み、前記底部支持層が1つ以上の根の塊を収容する底部支持層を通る複数の開口部を有し、底部支持層が、無土壌成長培地の下に配置され、且つ無土壌成長培地から分離可能である、[1]に記載の物品。
[4]前記光バリア層が、無土壌成長培地の上部表面とバリアを形成し、前記バリアが、種子が光バリア層の固形部分及び無土壌成長培地の上部表面の間に配置されるのを不可能にする、[1]に記載の物品。
[5]光バリア層中の複数の開口部を通して成長している発育中の植物からの植物の茎を有する[1]に記載の物品を使用して植物を収穫する方法であって、光バリア層中の複数の開口部を通して成長する植物の茎を切断することを含む、方法。
[6]上層をさらに含み、光バリア層、上層又はこれらの組合せの開口部を無土壌成長培地に対して移動させる、[5]に記載の植物を収穫する方法。
[7]移動が、無土壌成長培地から、光バリア、上層又はこれらの組合せを分離することを含む、[6]に記載の植物を収穫する方法。
[8]移動が、光バリア層、底部支持層、上層又はこれらの組合せの1つ以上をスライドさせることを含む、[6]に記載の植物を収穫する方法。
[9]植物の茎の切断がカッターを植物の茎を横切って移動させることを含む、[5]に記載の植物を収穫する方法。
[10]光バリア層、底部支持層若しくは上層又はこれらの組合せの1つ以上のスライドが植物の茎を切断する、[8]に記載の植物を収穫する方法。
[11]発芽中の種子及び成長中の植物を支持する物品であって、
1つ以上の根の塊を収容する底部支持層を通る複数の開口部を有する底部支持層、
底部支持層の上に配置され、且つ底部支持層から分離可能な無土壌成長培地であって、前記無土壌成長培地が種子の発芽及び無土壌成長培地を通して発育中の植物からの根の侵入を支持する、無土壌成長培地、並びに
種子を含有するように成形された複数の開口部を有する光バリア層であって、光バリア層の非開口部が光バリア層中の任意の開口部を通る光透過率の量よりも少ない光透過率を有し、光バリア層が、無土壌成長培地から分離可能であり、無土壌成長培地の上に配置され、且つ無土壌成長培地と構造的に異なり、光バリア層の底部表面と無土壌成長培地層の近接が、種子が層の間に配置又は捕捉されるのを防ぐ、光バリア層
を含む、物品。
[12]光バリア層から分離可能であり、且つ光バリア層の上に配置された上層をさらに含み、上層が複数の開口部を有し、上層中の開口部が光バリア層中の開口部の少なくとも一部と重なり、重なりが、光が発芽中の種子に達し、且つ植物を発育させるのに十分である、[11]に記載の物品。
[13]上層の開口部のサイズが種子と実質的に同じサイズであり、上層中の開口部が光バリア層中の開口部よりも小さい、[12]に記載の物品。
[14]光バリア層若しくは上層又は光バリア層及び上層が蛍光材料を含む、[12]に記載の物品。
[15]上層が光バリア層の上にスライド可能に配置され、上層の開口部の底部端及び光バリア層の開口部の上部端が植物の茎を切断するように成形される、[12]に記載の物品。
[16]光バリア層又は上層の1つ以上が蛍光材料を含み、1つ以上の種子が、光バリア層の複数の開口部中に、且つ無土壌成長培地の上に配置される、[15]に記載の物品。
[17]光バリア層が蛍光材料を含み、光バリア層中の複数の開口部の形状が非イメージング光学の形状と一致する、[11]に記載の物品。
[18]種子を植える方法であって、
種子を光バリア層中の複数の開口部に配置することを含み、光バリア層中の複数の開口部の大部分が種子を有し、前記光バリア層が、無土壌成長培地を覆い、且つ無土壌成長培地から分離可能であり、無土壌成長培地が無土壌成長培地を通して成長中の1つ以上の根の塊を収容する開口部を有する支持層を覆う、方法。
[19]光バリア層から分離可能であり、且つ光バリア層の上に配置された上層をさらに含み、上層が複数の開口部を有し、上層中の開口部が光バリア層中の開口部の区域の一部又は全部と重なり、重なりが、光が発芽中の種子及び発育中の植物を照らすのに十分である、[18]に記載の方法。
[20]光バリア層の一部を照射すること、放射線の一部をより長い波長に変換すること、並びに発芽中の種子又は発育中の植物の一部をより長い波長の放射線と接触させることをさらに含む、[18]に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】異なる層を有する本開示の実施形態の図示である。
【
図2A】上の2つの層の分離を図示する異なる層を有する本開示の実施形態の図示である。
【
図2B】植物を収穫するための分離された層の間のカッターの通過を表す。
【
図3】上層中の複数の開口部が下の光バリア層の複数の開口部よりも小さいこと、及び2つの層中の開口部が重なっていることを示す、異なる層を有する本開示の実施形態の図示である。
【
図4A】上層中の開口部が下の光バリア層中の開口部よりも小さいこと、2つの層中の開口部が重なっていること、及び光バリア層の開口部中の種子の配置を示す、成長培地の上に異なる層を有する本開示の実施形態の図示である。
【
図4B】バリア層中の開口部に配置された種子、及び上層の除去後の無土壌成長培地の接触の図示である。
【
図5A】上層が光バリア層から分離可能である本開示の実施形態における、容器及び光バリア層の開口部であり得る上層の開口部を通して成長している発育中の植物の図示である。
【
図5B】上層が光バリア層、並びに上層及び光バリア層の間で植物の茎を切るカッターから分離された本開示の実施形態の図示であり、収穫された植物は上層の容器に収集される。
【
図5C】光バリア層が無土壌成長培地から分離可能である本開示の実施形態において、光バリア層の開口部を通して成長している発育中の植物の図示である。
【
図5D】無土壌成長培地及び光バリア層の間で植物の茎を切るカッターを示す無土壌成長培地から分離された光バリア層を有する本開示の実施形態の図示である。
【
図6A】種子が上層の開口部に配置される本開示の実施形態、及び上層の開口部が光バリア層中の開口部に重なるように配置される場合に、光バリア層中の開口部に
図6Bに図示されるようなその後の種子の配置の図示である。
【
図6B】種子が上層の開口部に配置される本開示の実施形態、及び上層の開口部が光バリア層中の開口部に重なるように配置される場合に、光バリア層中の開口部に
図6Bに図示されるようなその後の種子の配置の図示である。
【
図7】支持層、無土壌成長培地及び光バリア層を示す本開示の実施形態の断面の図示である。
【
図8】支持層、無土壌成長培地、光バリア層及び上層を示す本開示の実施形態の断面の図示である。
【
図9A】実施例1に記載の光バリア層上に広げられた種子の図示である。
【
図9B】実施例1に記載の光バリア層中の複数の開口部又はアレイの開口部の図示である。
【
図9C】発芽した実施例1の光バリア層中のアレイの開口部における種子の図示である。
【
図10A】光バリア層(上部)、無土壌成長培地(中央)及び支持層(底部)の分離を示す図示(上部から底部)であり、無土壌成長培地に侵入した実施例1に記載の発芽した種子から、成長培地に侵入することも示す。
【
図10B】光バリア層中の開口部を通り、無土壌成長培地を通して成長している発育中の植物の図示であり、実施例1に記載の底部支持層の開口部によって分離された植物の根を示す。
【
図10C】実施例1に記載の光バリア層の開口部を通して成長している発育中の植物の図示である。
【
図11A-11B】上層及び光バリア層中の複数の開口部を通して成長する発育中の植物の茎の切断を示す本開示の実施形態を図示する。
【
図12】発育中の植物及び光バリア層に入射する光を図示する。
【
図13A-13C】光の一部が植物材料と相互作用し、光の一部が成長培地に反射する、本開示の実施形態を図示する。
【
図14A】植物材料が成長培地中の開口部内に少なくとも部分的に配置され、光が開口部の壁に反射する、本開示の実施形態を図示する。
【
図15】青色光が吸収され、赤色光として再放射され、植物材料の方に向かう、本開示の実施形態を図示する。
【
図16】植物の一部が光バリア層の開口部内に含有されるように、上層が光バリア層よりも小さい開口部を有する、本開示の実施形態を図示する。
【
図17】種子の発芽のために一緒に積み重ねることができ、その後に植物を発育させるために成長チャンバー中への配置のために分離することができる、本開示のいくつかの実施形態における多層物品又はフラットを図示する。
【
図18A-18B】発育した植物が、多層種子の発芽及び植物の発育のフラットの上部層を下層から分離すること、並びに光バリア層中の開口部を通して成長する植物の茎を切断することによって、収穫及び収集される、本開示の実施形態を図示する。
【
図19A】茎及び根を、任意選択で、発育した植物の上部部分から別々に収穫することができる、本開示の実施形態を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
詳細な説明
以下の説明において、用語、例えば、「上部」、「底部」、「外部」、「内部」などは便宜上の語であり、限定する用語として解釈されるべきではないことが理解される。ここに、添付の図面及び実施例において説明される本開示の実施形態を詳細に参照する。一般に図面を参照して、説明が、本開示の特定の実施形態を記載する目的のためであって、これを限定することを意図するものではないことが理解される。
【0025】
本開示の特定の実施形態が、群の少なくとも1つの要素及びそれらの組合せを含むか、又はそれらからなることを言う場合はいつでも、実施形態が、個々に、又はその群の他の要素のいずれかとの組合せのいずれかで、群の要素のいずれかを含むか、又はそれらからなり得ることが理解される。
【0026】
本発明のこれら及び他の態様は、以下の説明及び添付の図面と併せて考慮する場合、より良好に認識及び理解される。以下の説明は、本発明のさまざまな実施形態及びその多数の特定の詳細を示しながら、限定ではなく例示として与えられる。多くの置換、改変、付加又は再配置は、本発明の範囲内で行ってもよく、本発明は、全てのそのような置換、改変、付加又は再配置を含む。
【0027】
気耕及び/又は水耕農業において使用される無土壌成長培地における藻類の成長は、無土壌成長培地層及び無土壌成長培地の上に配置された複数の開口部を有する光バリア層を含む発芽中の種子及び発育中の植物を支持する多層フラットによって、低減又は排除され得る。光バリア層は無土壌成長培地から分離可能である。
【0028】
フラットは、複数の開口部を有する底部支持層をさらに含むことができ、無土壌成長培地は底部支持体の上に配置することができる。無土壌成長培地は底部支持層から分離することができる。本開示の実施形態において、バリア層は、それらの間に成長培地層をサンドイッチするように底部支持体と一緒に配置することができる。
【0029】
気耕及び/又は水耕農業において使用される無土壌成長培地における藻類の成長は、複数の開口部を有し、且つ支持体の上の無土壌成長培地から分離可能である底部支持層を含む発芽中の種子及び発育中の植物を支持する多層物品又はフラットによって、低減又は排除され得る。無土壌成長培地の上部表面の上には、光バリアの固形表面中に複数の開口部を有する光バリア層、及び固形で開口部のない光バリア層の領域がある。光バリア層は、成長培地から分離可能であり、底部支持体と一緒にそれらの間に成長培地をサンドイッチする。
【0030】
複数の開口部を有する上層は、本開示のいくつかの実施形態において、光バリア層の上部に置くことができる。上層は上層の固形表面に複数の開口部を有する。上層はその下の光バリア層から自由に分離可能であり、2つの層中の開口部は少なくとも部分的に重なり得る。
【0031】
種子は、光バリア層中の複数の開口部に配置することができ、光バリア層の下の成長培地と接触することができる。好ましくは、単一の種子のみが光バリア層中の任意の開口部を占め、種子は、接着剤なしで、光バリアの開口部の壁及び無土壌成長培地の表面によって開口部に保持される。
【0032】
図1はいくつかの層を含む本開示の実施形態の図示である。
図1において底部から上部に、第1の層(L1)は、1つ以上の覆われた層(L2~L5又はそれよりも多く)を支持するために使用することができる任意のフレームである。(L2)は1つ以上又は複数の開口部を有する底部支持層である。底部支持層(L2)は、覆われた植物からの1つ以上の根の塊を収容することができる。底部支持層中の開口部は、支持体の下に置かれていてもよい噴霧器からミスト又は霧が成長培地に達することを可能にすることができる。底部支持体の非開口部分は、フラットに入射する光の全部又は一部を底部支持体の下の表面に達するのを妨害することができる。底部支持体の下のこれらの表面は、排液パン及びノズル又は栄養容器を含むことができる(示さない)。(L3)は、底部支持層(L2)の上に配置することができ、底部支持層(L2)から自由に分離可能であり、底部支持層(L2)に固定されない、無土壌成長培地である。無土壌成長培地(L3)は、種子の発芽、培地を通して発育中の植物からの根の侵入を支持し、且つ培地を通して栄養のミスト又は霧の液滴の直接通過も防ぐ。光バリア層(L4)は、複数の開口部を有し、且つ非開口部分を有する。光バリア層(L4)の非開口部分又は固形部分は、強度によって測定される光透過率を有し、これは光バリア層中の任意の開口部を通る光透過率の量よりも少なく、いくつかの実施形態において少なくとも50%少ない。光バリア層(L4)は、無土壌成長培地から自由に分離可能であり、且つ無土壌成長培地の上に配置される。(L4)中の開口部は、光バリア層の面積の20%~70%の間であり得る。光バリア層(L4)から自由に分離可能であり、複数の開口部を有し、且つ光バリア層の上に配置される、任意の上層(L5)を使用することができる。上層(L5)中の開口部は光バリア層中の開口部の区域の一部又は全部と重なり、2つの層の間の開口部の重なりは、光が、開口部を通して、無土壌成長培地(L3)並びに/若しくは成長培地上の発芽中の種子に達し、又は植物を発育させるのに十分である。(L5)及び(L4)は互いに分離することができ、カッターは、茎を切り、発育した植物を収穫するためにそれらの間を通過することができる。いくつかの実施形態において、光バリア層、上層又は光バリア層及び上層の1つ以上は、蛍光材料又はリン光材料を含むことができる。いくつかの実施形態において、層(L1)及び層(L2)は、
図3又は
図7に図示されるように、単一層に組合せることができ、又は単一層に統合することができる。
【0033】
図2Aは、いくつかの植物が(L3)、(L4)及び(L5)を通して成長している根とともに示される、本開示の実施形態を図示する。上層(L5)は、いくつかの実施形態において、自立することができる。
図2Bにおいて、光バリア層(L4)及び上層(L5)が、カッター10が(L4)及び(L5)の間を通過して、光バリア層中の開口部を通して成長する植物の茎を切ることができるように、互いに十分な距離の量で分離されていることを示す。発育中の植物が重なった光バリア層(L4)及び上層(L5)の開口部を通して突き出した自立した上層は有利であり得る。いくつかの実施形態において、強化する支持具を、追加される支持体のために上層の端に追加することができる。
【0034】
図3は、開口部(392)を有する支持層(390)を有する本開示の実施形態の側面図の図示である。支持層(390)の上に配置されるのは、無土壌成長培地層(330)、光バリア層(320)及び上層(310)の少なくとも1つであり得る。上層(310)中の開口部(350a、b、cなど)は、実質的に同じサイズであり得、下の光バリア層中の開口部(360a、b、cなど)よりも小さくてもよい。3つの開口部(350a、b、c及び360a、b、c)として表されるが、追加の開口部が予測されることが理解されるべきである。光バリア層(320)は上層の下に置かれ、2つの層中の開口部は少なくとも部分的に重なる。
図3において、光バリア層(320)は無土壌成長培地(330)の上にある。光バリア層中の開口部(360a、b、c)は、複数の種子、発芽した種子からの複数の発育中の植物及びこれらの組合せを保持する形状を有していてもよい。例えば、光バリア層中の開口部(360a、b、c)は、種子(342a及び342b)、又は根(372)、茎(376)及び葉(374)を有する発芽した種子(370)から発育中の植物を保持するように適合される。
【0035】
本開示の実施形態において、層、例えば、底部支持層、光バリア層及び上層中のいくつかの複数の開口部は、平方センチメートルあたり約1個~平方センチメートルあたり約10個の範囲であり得る。他の実施形態において、層、例えば、支持層、光バリア層及び上層中のいくつかの開口部は、平方センチメートルあたり約2個~平方センチメートルあたり約6個の範囲であり得る。それぞれの層は同じ又は異なる数の開口部を有することができ、開口部のサイズ及び形状は同じ又は異なり得る。有利には、底部支持層中の開口部は、支持層を通して、成長培地330を通して、及び覆われた光バリア層320及び上層310中の開口部を通して、空気の直接通過も可能にし得る。層中の開口部の数は、さまざまな植物の密度、植物の品種及び/又は植物のサイズに適合され得る。複数の開口部は、ランダムに、又はさまざまなパターン、例えば、限定されないが、1次元線形アレイ、弧状に構成された開口部、交互パターン、さまざまな2次元パターン又はアレイで配列することができる。複数の開口部の他の配列は、層中にあり、装飾的デザイン及びパターンを含むことが可能である。
【0036】
本開示のいくつかの実施形態において、光バリア層及び/又は上層の厚さを通る開口部のサイズは、1つの種子が一度に開口部を占め、層中の開口部を通して成長培地の表面に自由に移動することを可能にする層を通る開口部を指す、種子と実質的に同じサイズであるとして特徴付けられる。例えば、
図3に図示されるように、種子342aは開口部350aを占め、種子342aは上層310中の開口部350aを通して、光バリア層320中の開口部360aに自由に通過することができる。種子342bは、開口部350bを通して自由に移動するように示され、種子342bのサイズよりも大きい光バリア層の開口部360b中の成長培地330に配置されて示され、開口部360bは種子342bの発芽を収容することができる。
【0037】
本開示のいくつかの実施形態において、光バリア層の厚さを通る開口部のサイズは、発芽した種子と実質的に同じサイズであるとして、又は発芽した種子を収容することが可能なサイズを有するとして特徴付けられる。
図3は開口部360cを図示し、これは、発芽した種子370を収容することができる開口部360a及び360bと同様のサイズである。
【0038】
図4A及び4B(任意の底部支持層は省略する)は、光バリア層(420)の上にスライド可能に配置された上層(410)を有する本開示の実施形態を図示する。成長培地(430)の上の光バリアの配置は、上層中の開口部(450)が下の光バリア層中の開口部(460)よりも小さいことを示す。2つの層中の開口部(450、460)の部分は重なっていてもよい。
図4Aにおいて、種子は、最初上層の開口部(450)に配置され、その後光バリア層の開口部(460)に配置され、無土壌成長培地(430)に接触するように図示される。種子は上層の開口部(450)を通して光バリア層の開口部(460)に落ちてもよく、又は種子は上層の開口部(450)を通して光バリア層の開口部(460)に置かれてもよい。上層(410)は、
図4Bに表されるように、移動し、再使用して、別の光バリア層に種まきすることができる。
【0039】
図5Aは、上層が光バリア層から分離可能である(底部支持層は、任意であり、明確性のために示さない)本開示の実施形態において、上部層(510)の開口部(550)及び光バリア層(520)中の開口部(560)中でこれを通して成長している発育中の植物(578)の図示である。それぞれの開口部(560)は、無土壌成長培地(530)に侵入する根(572)を有し、光バリア層(520)中の開口部(560)を通して成長している発芽した種子からの発育した植物を図示する。発育した植物はまた、上層中の開口部(550)を通して成長することもできる。上層(510)は、植物が所望の高さに達したら、光バリア層(520)から分離することができ、いくつかの実施形態において、光バリア層(520)から持ち上げ、離すことができる。
図5B(底部支持層は、任意であり、明確性のために省略する)は、光バリア層(520)から分離された上層(510)、並びに上層及び光バリア層の間の茎(590)の領域において植物の茎を切断又は切る上層及び光バリア層の間のカッター(535)を示す。上層(510)及び切断された植物(582)は、移動させることができ、その後切断された植物を包装することができる。
【0040】
本開示のいくつかの実施形態において、植物が成長するために通る複数の開口部を有する光バリア層又は上層は、任意選択で容器又は容器に形成することができる材料であり得る。例えば、
図5A及び
図5Bにおいて、上層(510)は側壁(512)を含む容器若しくはバスケットであり得るか、又は上層(510)は側壁(512)を有する小袋に折り畳むことができる材料であり得る。任意の側壁(512)を有する上層(510)を使用して、
図5Bに図示されるように切断された植物(582)を収集することができる。光バリア層若しくは上層の容器又は材料は、植物の茎の切断の前又は間に、下層のいずれかから分離することができる。
図5Cは、光バリア層(520)が、任意選択で容器又は容器に形成することができる材料であり得る本開示の実施形態において、光バリア層(520)中の開口部(560)中でこれを通して成長している発育中の植物(578)の図示である。例えば、
図5Cにおいて、光バリア層(520)は側壁(522)を含む容器若しくはバスケットであり得るか、又は光バリア層(520)は側壁(522)を有する小袋を構成又はそれに折り畳むことができる材料であり得る。任意の側壁(522)を有する光バリア層(520)は無土壌成長培地(530)から分離可能である。光バリア層(520)中のそれぞれの開口部(560)は、無土壌成長培地(530)に侵入する根(572)、及び光バリア層(520)中の開口部(560)を通して成長している茎の部分を有する発芽した種子からの発育した植物を図示する。光バリア層(520)は、植物が収穫のための所望の高さに達したら、無土壌成長培地(530)から分離することができ、いくつかの実施形態において、無土壌成長培地(530)から持ち上げ、離すことができる。
図5Dは、無土壌成長培地(530)から分離された任意の側壁(522)を有する光バリア層(520)を示し、無土壌成長培地及び光バリア層の間を通過するカッター(535)を表す。カッター(535)は、無土壌成長培地及び光バリア層の間の茎(590)の領域において植物の茎を切るか、又は切断する。切断された植物(582)を含有するための側壁(522)を有する光バリア層(520)は、移動させることができ、その後切断された植物を包装することができる。
【0041】
本開示の実施形態において、容器であり得、フラットからのバッチに実質的に全ての収穫された植物を収集するために使用することができる光バリア層又は上層は、農場における特定のフラット又は成長チャンバーの場所に戻って植物を追跡するために有利である。下記の本明細書に記載の本開示の実施形態において、収穫された植物を収集するために使用することができ、多層フラットの積み重ね及び発芽を容易にし得るフラットの光バリア層又は上層は、フラット用の別個の発芽カートのための必要性及びコストをさらに低減することができる。
【0042】
本開示のいくつかの実施形態において、光バリア層中の開口部を通して成長している植物の茎を切断又は切る物品を使用して、発育した植物を収穫することができる。物品は、カッター、例えば、限定されないが、刃、ワイヤ若しくは鋸刃状ワイヤ、帯鋸又は他の機械技術、例えばウォータージェットであり得る。
【0043】
本開示の実施形態は、本明細書に記載の多層物品又はフラットを使用する植物を収穫する方法を含む。いくつかの実施形態において、フラットは、無土壌成長培地及び開口部を有する光バリア層を含み、光バリア層は成長培地の上に配置され、発育中の植物からの植物の茎は光バリア層中の複数の開口部を通して成長する。他の実施形態において、フラットは、光バリア層中の複数の開口部を通して成長している発育中の植物からの植物の茎を有する、成長培地、光バリア層及び光バリア層の上の上層、無土壌成長培地の下の底部支持層、又は上層及び底部支持層の両方を含むことができる。方法は、光バリア層中の複数の開口部を通して成長する植物の茎を切断する行為又は工程を含む。いくつかの実施形態において、方法は、上層及び光バリア層の間で光バリア層中の複数の開口部を通して成長する植物の茎を切断する行為又は工程を含む。方法は、光バリア層又は上層の開口部を無土壌成長培地に対して移動させることを含むことができる。いくつかの実施形態において、上層の開口部は光バリア層の開口部に対して移動される。いくつかの実施形態において、移動させる行為又は工程は、上層及び光バリア層を分離すること、上層をスライドさせること、光バリアをスライドさせること、又は両方の層をスライドさせることのいずれか1つを含む。いくつかの実施形態において、上層及び/又は光バリア層のスライドを使用して、植物の茎を切断することができる。
【0044】
いくつかの実施形態において、光バリア層に対する上層の開口部の移動は、上層及び光バリア層の開口部中の茎を有する光バリアから上層を分離することを含む。いくつかの実施形態において、植物の茎を切断する物品は上層及び光バリア層の間を通過する。上層及び光バリア層の間で植物の茎を切断する物品は、刃、帯鋸又はワイヤであり得る。
【0045】
光バリア層中の開口部を通して成長している植物を収穫するための本開示の実施形態は、1つ以上の層、例えば、光バリア層及び/又は上層の開口部を無土壌成長培地に対して移動させることを含むことができる。いくつかの実施形態において、移動は、無土壌成長培地からある距離までの1つ以上の層を分離することを含み得る。例えば、
図5C及び
図5Dに図示されるように、光バリア層(520)は、カッター(535)が植物の茎を切る又は切断する光バリア層及び無土壌成長培地の間を移動することを可能にする距離まで、無土壌成長培地(530)から上方に離れるように移動させることができる。
図5A及び
図5Bに図示される他の実施形態において、上層(510)は、光バリア層及び上層の間を通過するカッター(535)のための隙間を提供する距離まで光バリア(520)から分離することができる。有利には、1つ以上の層の分離は、収穫される植物の茎の長さを適合及び選択することを可能にし、これはエンドユーザーに対する収穫産物の価値及び外観を増大させることができる。フラットの1つ以上の層の分離及び発育した植物の収穫は、光バリア層中の開口部を通して成長している植物の実質的に全ての茎(90%よりも多く)がカッターによって切られるので、高収穫量も提供する。
【0046】
光バリア層中の開口部を通して成長している植物を収穫する本開示の他の実施形態において、無土壌成長培地に対して1つ以上の層を移動させる行為又は工程は、光バリア層及び/又は上層の1つ以上を無土壌成長培地に対して水平にスライド又は移転させること(1186)を含むことができる。例えば、無土壌成長培地(1130)及び光バリア層中の開口部(1160)に対して上層の開口部(1150)の水平なスライド又は移転(1186)は、
図11A及び
図11Bに図示されるように、開口部を通して成長している植物の茎を切る又は切断することができる。別の例において、光バリア層及び上層は、第1の行為又は工程において所定の距離まで無土壌成長培地から分離されてもよく、次いで、上層の開口部は、光バリアの開口部に対してスライドされて、第2の行為又は工程において所定の高さで植物を切断する。有利には、この方法での植物の収穫は高収量を提供し、ここで光バリア層を通して成長している実質的に全ての植物の茎(90%よりも多く)を切り、方法及び物品は、別個の収穫機についての必要性並びに収穫機の購入及び操作に関連するコストを除く。任意選択で、
図11A及び
図11Bにおける上層(1110)は、切断された植物を収集する容器(示さない)として構成され得る。
【0047】
底部支持層(L2)は、シート、プレート又はフィルムの形態であり得、金属、ポリマー、セラミック又は複合材料で作製することができる。いくつかの実施形態において、底部層はまた、金属スクリーン、金属メッシュ、プラスチックメッシュ又は複合メッシュであり得る。支持層(L2)は、フレーム(L1)の上部に置くことができ、又は無土壌成長培地(L3)を支持するフレーム(L1)の代わりに使用されてもよい。例えば、
図3に図示されるように、底部支持層(390)は、無土壌成長培地(330)及びその上の他の層を支持するスクリーン(例えば、金属)であり得るか、又は
図7におけるように、支持層(790)は、成長培地(730)及び開口部(760)を有する光バリア層(720)の蛍光体含有材料を支持するスクリーン(例えば、金属)であり得る。底部支持層は、支持層の固形部分によって分離される支持層の厚さを通る複数の開口部を有する。底部支持層を通る開口部は1つ以上の根の塊を収容する。開口部は、任意の幾何学的形状を有することができ、形状の組合せを含むことができる。いくつかの開口部は、例えば、1つの表面から別の表面まで寸法が変化する先細形状又は非対称形状(例えば、円錐状又はピラミッド状)を有することができる。開口部を含む底部支持体の面積パーセントは、支持層の面積の20%~90%であり得る。開口部を含む底部支持層は、底部支持層の面積の20%~90%の範囲であり得る。開口部のサイズは、開口部の最大の態様、例えば、楕円の主軸、長方形の対角線又は円の直径が約0.1センチメートル~約5センチメートルの範囲であり得る。いくつかの実施形態において、底部支持体中の開口部のサイズは、直径が約0.1センチメートル~約1.5センチメートルの範囲であり得る。いくつかの実施形態において、底部支持層中の開口部は、約0.5センチメートル~約5センチメートルの間の中央から中央の間隔を有することができる。底部支持層中の開口部は、他の層中の開口部のいずれかの部分と重なっていてもよく、又は重なっていなくてもよい。支持層の非開口部分は、成長培地の底部表面に接触する栄養溶液の量を低減し得、気耕成長システムにおける支持層の下に配置された栄養排液パン及びノズルに達する光の量を低減又は遮断し得、或いは水耕成長システムにおける栄養容器に光が達するのを遮断し得る。
【0048】
底部支持層の設計、例えば、支持体の厚さ、支持体の開口部分及び固形部分の幾何学的形状並びに間隔は、支持体の開口部を被覆する無土壌成長培地が種子の発芽及び植物の発育の間に依然として実質的に不可欠なままであるように、選択することができる。不可欠な無土壌成長培地は、培地中の開口部を通して、又はフラットの端で直接光の侵入を防ぐことができる。本開示のいくつかの実施形態において、底部支持層の端部分は、開口部なしで、固形に作製することができ、例えば、直接光の侵入を防ぎ、無土壌成長培地を保持し、且つ層に構造的強剛性を提供する、
図9Aにおける固形ボーダー又は端(918)を参照のこと。隣接層の間の無土壌成長培地のサンドイッチは、有利には、層中の開口部の上の無土壌成長培地を支持し、従来の布の無土壌成長培地及びフレームのフラットと比較して、フレームの端で成長培地を延伸し、固定する必要性を排除することができる。本開示の実施形態は、フレーム装着具を無土壌成長培地の周辺に固定するため、固定具によって無土壌培地をフレームに取り付けるための人件費も低減し、水耕及び気耕農業における多種多様な無土壌成長培地の使用を可能にする。
【0049】
植物の切断及び収穫後の無土壌成長培地の上からの層の除去後、使用された無土壌成長培地は、留め具を緩める必要なく、下層の支持層から自由に分離することができる。無土壌成長培地が生分解性又は堆肥化される実施形態において、無土壌成長培地は植物の破片とともに底部支持体から除去し、堆肥化施設に送ることができる。
【0050】
無土壌成長培地(L3)は、種子の発芽及び無土壌成長培地を通して発育中の植物の根の侵入を支持する織物材料であってもよい。いくつかの実施形態において、織物は布又は他の布地であり得る。布地としては、限定されるものではないが、セルロース、ポリエステル、綿布、黄麻布、レーヨン、ウール、シルク、麻、これらのブレンド、及びこれらと他の繊維との組合せを含有する繊維が挙げられ得る。他の無土壌成長培地の織物としては、材料、例えば、限定されるものではないが、紙、ボール紙及びこれらの組合せが挙げられ得る。いくつかの実施形態において、無土壌成長培地は、ココナッツ繊維のような有機繊維状材料を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、無土壌成長培地は生分解性材料であってもよく、又は無土壌成長培地は、発芽及び植物の発育を支持し、且つ収穫後フラットから他の植物の部分と一緒に使用した後、パルプ化するか、又はそうでなければ物理的に引き裂くことができる堆肥化材料であってもよい。いくつかの実施形態において、成長培地は、ピート、コケ、土壌又はそれらの任意の組合せを含まない。無土壌成長培地は、無土壌成長培地を通る栄養ミストの液滴の通過を阻害し得る。無土壌成長培地は、支持層の下に置かれた気耕ノズル及び噴霧器からの液滴噴霧のための蛇行状経路を提供するが、無土壌成長培地は、通気性があり、ガスの流れを透過することができる。無土壌成長培地は、底部支持層の上に配置されてもよく、堆肥化のために有利である多層物品を組み立てる場合に、底部支持層に接着されない。無土壌成長培地及び底部支持体中の開口部を通過する根のもつれは、底部支持層に成長培地を貼り付けず、これは底部支持体の洗浄及び再使用のために有利である。支持層及び光バリア層の間で測定される無土壌成長培地の厚さは2センチメートル未満であり得る。いくつかの実施形態において、支持層及び光バリア層の間で測定される無土壌成長培地の厚さは0.05センチメートル~0.5センチメートルの間であり得る。本開示の実施形態において、未延伸の無土壌成長培地のサイズ及び形状は、底部支持体の開口部分を覆うことができる。
【0051】
光バリア層(L4)は、シート、プレート又はフィルムの形態であり得、金属、ポリマー、セラミック、複合材料及びそれらの任意の組合せから製造することができる。いくつかの実施形態において、光バリア層は、光バリア層の表面、例えば、植物の表面ではない表面に入射する光の一部又は全部を、一部を成長培地における発芽中の種子及び/又は発育中の植物に向けることができるより長い波長の光に変換する、蛍光材料又はリン光体を含むことができる。
【0052】
光バリア層は無土壌成長培地(L3)の上部に置かれてもよい。光バリア層は、光バリア層の固形部分によって分離される光バリア層の厚さを通る複数の開口部を有する。いくつかの実施形態において、光バリア層の端部分は、直接光の侵入を防ぎ、層への構造的強剛性を提供する固体である。光バリア層を通る開口部は、任意の幾何学的形状を有することができ、形状の任意の組合せを含むことができる。いくつかの開口部は、例えば、1つの表面から別の表面まで寸法が変化する先細形状又は非対称形状(例えば、円錐状又はピラミッド状)を有することができる。開口部を含む光バリア層の面積パーセントは、光バリア層の面積の20%~90%の範囲であり得る。開口部のサイズは、開口部の最大の態様、例えば、楕円の主軸、長方形の対角線又は円の直径が約0.025センチメートル~約2.5センチメートルの範囲であり得る。いくつかの実施形態において、光バリア層の開口部は、約0.5センチメートル~約5センチメートルの間の中央から中央の間隔を有することができる。いくつかの実施形態において、光バリア層の開口部は、約0.75センチメートル~約1.5センチメートルの間の中央から中央の間隔を有することができる。いくつかの実施形態において、開口部のサイズは、開口部の最大の態様、例えば、楕円の主軸、長方形の対角線又は円の直径が約0.25ミリメートル~約2.5ミリメートルの範囲であり得る。本開示のいくつかの実施形態において、開口部のサイズは、3つ以下の種子を収容することができる。本開示の他の実施形態において、光バリア層中の開口部は、それぞれの開口部中に1つの種子を収容するサイズである。本開示のいくつかの実施形態において、光バリア層の固形部分は、強度によって測定される光透過率を有することができ、これは光バリア層中の開口部を通る光透過率の量よりも少ない。本開示の他の実施形態において、光バリア層の固形部分は、強度によって測定される光透過率を有することができ、これは光バリア層中の開口部を通る光透過率の量よりも少なく、いくつかの実施形態において50%以下である。光バリア層を通る光透過率が低いと、無土壌成長培地及び他の湿った表面に達して藻類の成長を支持することができる光の量が低減する。光バリア層は、無土壌成長培地から分離可能であり、且つ無土壌成長培地の上にある。光バリア層は、無土壌成長培地の表面との任意の接着剤又は他の固定具が存在しない。光バリア層の任意の開口部中の種子又は複数の種子は、開口部の壁及び無土壌成長培地の上部表面によって開口部に保持され;種子(複数可)は無土壌成長培地に接着又は留められない。種子(複数可)は成長培地の表面及び光バリア層の固形部分の間にサンドイッチされない。
【0053】
孔又は開口部のパターンを有する光バリア層は、種子、したがって成長培地上の植物の均一な分布を作り出すことができる。種子は、トレイが移動、振とう又は傾いた場合でさえ、それらの位置に留まる。光バリア層中の開口部のパターンは、植物の間に光を均一に分布させ、根の塊の分布を助け、且つフレーム上に培地を広げる必要なく無土壌成長培地上の低い場所の問題を排除するために使用することもできる。
【0054】
本開示のいくつかの実施形態、例えば、
図1及び
図3に図示される物品は、光バリア層(L4、320)から分離可能であり、且つ光バリア層(L4、320)の上部に配置される上層(L5、310)をさらに含むことができる。上層(L5、310)及び光バリア層(L4、320)は、それらが分離される場合、又はそれらが互いにスライドして接触する場合、互いに対して移動することができる(
図11A及び11Bを参照のこと)。上層は、上層の厚さを通り、上層の固形部分によって分離される複数の開口部を有していてもよい。上層(L5)は、シート、プレート又はフィルムの形態であり得、金属、ポリマー、セラミック、複合材料及びそれらの任意の組合せから製造することができる。いくつかの実施形態において、上層の端部分は、直接光の侵入を防ぎ、層への構造的強剛性を提供する固体である。上層を通る開口部は、任意の幾何学的形状を有することができ、形状の組合せを含むことができる。いくつかの開口部は、例えば、1つの表面から別の表面まで寸法が変化する先細形状又は非対称形状(例えば、円錐状又はピラミッド状として)を有することができる。開口部を含む上層の面積パーセントは、上層の面積の20%~90%の範囲であり得る。開口部のサイズは、開口部の最大の態様、例えば、楕円の主軸、長方形の対角線又は円の直径が約0.025センチメートル~約2.5センチメートルの範囲であり得る。いくつかの実施形態において、上層の開口部のサイズは、開口部の最大の態様、例えば、楕円の主軸、長方形の対角線又は円の直径が約0.25ミリメートル~約2.5ミリメートルの範囲であり得る。いくつかの実施形態において、上層中の開口部は、約0.5センチメートル~約5センチメートルの間の中央から中央の間隔を有することができる。いくつかの実施形態において、上層中の開口部は、約0.75センチメートル~約1.5センチメートルの間の中央から中央の間隔を有することができる。いくつかの実施形態において、上層は、上層の表面、例えば、植物の表面ではない表面に入射する光の一部又は全部を、一部を成長培地における発芽中の種子及び/又は発育中の植物に向けることができるより長い波長の光に変換する、蛍光材料又はリン光材料を含むことができる。他の実施形態において、上層は、光に対して透明であり得、入射光の一部を、蛍光材料を含み得る光バリア層に伝達することができる。
【0055】
本開示のいくつかの実施形態において、上層中の開口部は、それぞれの開口部中に1つの種子を収容するサイズであり得る。上層が気耕又は水耕成長システムに取り付けられる物品の一部である場合、
図1に示されるように、上層中の開口部は、光が開口部中の無土壌成長培地及び/又は発芽中の種子に達することができるように、光バリア層中の開口部の少なくとも一部と重なり、開口部は発育中の植物がそれを通して成長するための余地を提供する。本開示の実施形態において、
図6A及び
図6Bに図示されるように(底部支持層は省略する)、上層(610)は光バリア層中の開口部(660b、660c、660d、660e)に播種するために使用することができる。上層及び光バリア層中の開口部(650b、650c、650d、650e)は、2つの層中に開口部の間に重なりが存在しないように、
図6Aに図示されるように埋め合わせることができ、最初に配置することができる。種子は、(610)上に広げ、上層の開口部(650b、650c、650d、650e)に配置することができる。開口部内に配置されない種子、例えば、(642a)及び(642f)は、上層(610)を拭き取ること又は洗浄することによって、上層(610)から除去することができる。上層(610)及び光バリア層(620)は、次いで、上層の開口部(650b、650c、650d、650e)及び光バリアの開口部(660b、660c、660d、660e)が、種子(642b、c、d、e)が光バリア層の開口部(660b、660c、660d、660e)内に落ち、配置されるように少なくとも部分的に整列されるように、互いに対して移動し得る。
図6Aに表されるように、上層の開口部(650b)中の種子(642b)は、上層(610)中の開口部が光バリア層(620)中の開口部と少なくとも部分的に整列される場合、光バリア層の開口部(660b)内に
図6Bに示されるように配置することができる。(610)及び(620)中の開口部の少なくとも部分的な整列は、同様に、種子642bに関して記載されるように他の種子の関与をもたらす。例えば、限定されるものではないが、上層の開口部(650c)中の種子(642c)は光バリア層の開口部(660c)に示されるように配置され、上層の開口部(650d)中の種子(642d)は光バリア層の開口部
(660d)に示されるように配置され、上層の開口部(650e)中の種子(642e)は光バリア層の開口部(660e)に示されるように配置される、など。上層は、ユニット又は物品が成長システムに取り付けられる場合、位置を保たれてもよく、又は上層は除去することができ、別の光バリア層に播種するために使用することができる。
【0056】
いくつかの実施形態において、種子の大部分はそれぞれの上層の開口部に単一の種子のみが配置されるように広げられるので、上層は直径及び高さの両方において実質的に同じサイズである開口部を含む。光バリア層の開口部に対して上層中により小さい開口部を有する利点は、上層を使用して、発芽した種子と実質的に同じサイズであるより大きな光バリア層の開口部に単一の種子を正確に置く能力である。さらに、発育中の植物が光バリア層の開口部から上層の開口部を通して成長する場合、上層はバリア層から分離することができ、カッターはそれらの間を通過して植物の茎を切ることができる。
【0057】
本開示の実施形態において、底部層、光バリア層、上層又は無土壌成長培地を含まない追加の層のいずれか中の開口部の表面及び端は、
図3及び
図6Bに図示されるように、上部又は下部の層中の開口部に隣接する表面と実質的に平ら若しくは平坦である層の片側又は両側にあり得る。これらの層の表面は、種子が開口部(360a、b、c)の端から離れた光バリア層(320)及び無土壌成長培地(330)の固形部分の間に配置、埋め込み又は捕捉されるのを許容する隣接層の間に凹凸、隙間などがほとんどない又はない、実質的に平坦であり得る。平坦又は平らな層の表面及び開口部は、隣接層の表面が互いに全体わたってスムーズに移転又はスライドすることを可能にし、この特徴を利用して、開口部の端が引っかかるか又は捕まることなく、及び収穫産物中に望ましくない粒子を作り出すことなく、植物の茎を切断することができる。切断ツールは、層の表面が接触する危険性を低減して、滑らかな層の間を通過することもできる。平坦又は平らな開口部を有することで、引っかかること又は削られることによって損傷を受けた層の表面を修理するコストも最小化される。光バリア層の底部表面若しくは開口部の端表面と無土壌成長培地層の上部表面との物理的接触並びに/又は圧縮を含み得る近接近は、種子がフラットの使用の間に開口部の端から離れてこれらの層の間に配置若しくは捕捉されるのを防ぐ、物理的バリア又はシールを形成する。光バリア層の底部表面若しくは開口部の端と無土壌成長培地の上部表面との接近は、使用される種子の厚さ若しくは直径未満での分離、光バリア層及び無土壌成長培地の間の物理的接触、光バリア層による無土壌成長培地の圧縮、又はこれらの任意の組合せを含み得る。無土壌成長培地及び光バリア層の固形部分の間に配置若しくは捕捉される種子を低減又は排除することで、この状態によって引き起こされる無土壌成長培地上での藻類の成長を低減又は実質的に排除し、無駄な種子のコストを低減することができるので、有利である。
【0058】
本開示のいくつかの実施形態において、底部支持層、光バリア層及び上層のそれぞれの厚さは2センチメートル未満であり得る。いくつかの実施形態において、それらの底部表面及びそれらの上部表面の間で測定されるこれらの層のいずれかの厚さは、0.05センチメートル~1センチメートルの間であり得る。光バリア層中の複数の開口部を通して成長している発育中の植物からの植物の茎を有する植物を収穫するための本開示の実施形態において、底部支持層(L2)、光バリア層(L4)又は上層(L5)のいずれかは、茎を切断するため及び/又は茎を切断するカッターからの摩耗に抵抗するために繰り返し使用した後に刃先を保持するのに十分な硬さ及び密度がある材料から製造することができる。このような材料の例としては、金属、セラミック、ポリマー及び複合材料が挙げられる。さまざまな層における刃先の保持は、中断時間及び人件費の増加をもたらす表面を修理する必要がないので、運用コストを低減する。摩耗に抵抗するさまざまな層の表面は、小さな粒子が産物の品質に影響を与えるのを防ぐ。
【0059】
図11Aは、さまざまな層(例えば、隣接層)中の開口部の端を使用して発育した植物を切断することができる、本開示の実施形態を図示する。
図11Aは、上層(1110)の開口部(1150)及び光バリア層(1120)中の開口部(1160)を通して成長している発育中の植物(1178)を示す。上層の開口部(1150)は端(1192)を有し、光バリア層の開口部も端(1194)を有する。上層(1110)は、スライド可能に配置され、且つ光バリア層(1120)から分離可能である。無土壌成長培地(1130)は、底部支持層(1190)の上及び光バリア層(1120)の下に配置される。それぞれの開口部(1160)は、無土壌成長培地(1130)及び底部支持体(1190)中の開口部(1196)に侵入する根(1172)を有する発芽した種子から発育した植物を図示する。上層の開口部の底部端(1192)の配置は、光バリアの開口部の上部端(1194)に関して、1つ以上の層を移動又はスライドすることによって、変更され得る(1186)。層の移動は、発育中の植物(1178)が植物の茎を切断するための所望の高さに達したら、生じさせてもよい。光バリアの開口部の上部端(1194)に関する上層の開口部の底部端(1192)の配置の変化は、端(1192)及び(1194)が植物の茎を切断又は切るように、上層を移動若しくはスライドさせる行為又は工程、光バリア層を移動若しくはスライドさせる行為又は工程、上層及び光バリア層の両方を移動若しくはスライドさせる行為又は工程によって達成することができる。例えば、
図11Bは、光バリア層(1120)に対して移動し、それにより上層の開口部の底部端(1192)及び光バリア層の上部端(1194)は、上層及び光バリア層の間の植物の茎を切断又は切られた後の上層(1110)を図示する。上層及び切断された植物(1180)は、移動させることができ、その後植物を包装することができる。上層中の開口部(1150)は、光バリア層(1160)中の開口部と同じサイズ又はそれよりも小さくてもよい。
【0060】
有利には、本開示の実施形態を使用して、光バリア層中の複数の開口部に1つ以上の種子を配置することができる。いくつかの実施形態において、開口部は、成長培地と接触する複数の種子、例えば、2つの種子、3つの種子、4つの種子又はそれ以上を収容するサイズである。この大多数は、特定の値又は分布に標準化され得、例えば、限定されるものではないが、全ての開口部は、3つの種子を収容するか、又は3~4つの種子を収容する。本開示の実施形態は、層中の複数の開口部のそれぞれに配置された種子を含むことができる。いくつかの実施形態は、成長培地と接触し、種子を含有するそれぞれの開口部内に配置された単一の種子から構成され得る。追加の実施形態は、2つ以上の種子を含有する開口部のいくつかの小さい名目数(例えば、10%未満)で、それぞれの開口部に配置された単一の種子を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、例えば、
図6A及び
図6Bに図示されるように、上層中の開口部は、それぞれの開口部に単一の種子を収容するサイズであり得、成長培地と接触する発芽中の種子を収容することができる開口部を有する光バリア層と対をなしてもよい。成長する植物のサイズ及び種子のサイズに応じて、さまざまな開口部のパラメーターを変更してもよい(例えば、開口部のサイズ、深さ及び最大断面の態様)。
【0061】
種子は、種子が光バリア層の開口部に落下するように、光バリア層の上部表面上に広げることができ、表面全体に広げることができる。いくつかの実施形態において、上層は、光バリア中の開口部よりも小さい開口部を含んでいてもよい。上層の開口部は、光バリアの開口部と少なくとも部分的に重なるように配置されてもよい。種子は、種子が上層の開口部の大部分又は全部に存在するまで、上層全体に広げることができる。
【0062】
図7は、無土壌成長培地層(730)及び光バリア層(720)に近接近した配置であり得る開口部(792)を有する底部支持層(790)を含む、本開示の実施形態の側面図の図示である。例えば、成長培地(730)は、支持層(790)及び光バリア層(720)の間に配置されてもよい。光バリア層(720)中の開口部(760b、c、d、eなど)は、支持層(790)中の開口部(792)と異なるサイズであり得る。開口部(760b、c、d、eなど)は、底部層(790)中の開口部(792)と整列していてもよく、整列していなくてもよい。底部層(790)、成長培地層(730)及び光バリア層(720)は、互いから分離可能であり、一緒に固定されない。光バリア層中の開口部(760b、c、d、eなど)は、種子(742b、c、d、eなど)又は発芽した種子から発育中の植物を保持するように成形され得る。いくつかの実施形態において、底部層790は単一層であり得る。いくつかの実施形態において、種子は、自動播種機を使用して光バリア層の開口部に配置することができる。
【0063】
図8は、開口部(892)を有する支持層(890)、無土壌成長培地層(830)、光バリア層(820)及び上層(810)を含む本開示の実施形態の側面図の図示であり、ここで、無土壌成長培地層(830)、光バリア層(820)及び上層(810)は支持層(890)の上に配置され得る。上層(810)は、開口部、例えば、限定されるものではないが(850b、c、d、e)を含み、開示される開口部のそれぞれは底部端(812)を含む。上層(810)は光バリア層(820)の上に配置され得る。上層(810)は光バリア層(820)とスライド可能に関与し得る。光バリア層(820)は、開口部、例えば、限定されるものではないが(860b、c、d、e)を含み、開口部のそれぞれは上部端(822)を含む。光バリア層(820)中の開口部(860b、c、d、eなど)は、支持層(890)中の開口部(892)と異なるサイズであり得、これは成長培地層(830)の下に配置され得、上層(810)中の開口部(850b、c、d、eなど)と同じ又は異なるサイズであり得る。光バリア層中の開口部は、底部層(890)中の開口部(892)と整列していてもよく、整列していなくてもよい。上層中の開口部(850b、c、d、eなど)は、光バリア層中の開口部(860b、c、d、eなど)と部分的に(又は完全に)重なっていてもよい。いくつかの実施形態において、底部層(890)、成長培地層(830)、光バリア層(820)及び上層(810)は、互いから分離可能であり、一緒に固定されない。光バリア層中の開口部(860b、c、d、eなど)は、種子(842b、c、d、eなど)又は発芽した種子から発育中の植物を保持するように設計されてもよい。いくつかの実施形態において、上層は光バリア層の上にスライド可能に配置されてもよく、上層の開口部の底部端(812)及び光バリア層の開口部の上部端(822)は、例えば、正方形の非ラジアス端で構成されて、上層及び光バリア層が互いに対して移動し、茎が2つの表面中の開口部の間でつまむか剪断することによって切られる場合に、植物の茎が切断される。いくつかの実施形態において、上層はプレートであり、光バリア層中の開口部の深さは成長培地における発芽した種子の部分よりも大きい。
【0064】
本開示の実施形態において、さまざまな層(無土壌成長培地以外)、例えば、支持層、光バリア層及び上層は、10重量%以下の水分含量、いくつかの実施形態において、約10マイクログラム/g~0.1g/gの水分含量を有していてもよい。上述の層中の低い水分含量は、無土壌成長培地における藻類の成長の低減を助け、これらの表面における藻類の成長も阻害する。
【0065】
本開示の実施形態において、「発育中の植物」という用語は、1つ以上の発芽中の種子、本葉を有するか又は本葉を有さない1つ以上の苗、1つ以上の成長中の植物、又は一般に成長培地の上部表面に存在し得るこれらの任意の組合せを指すことができる。
【0066】
本開示の実施形態における栄養溶液は、一般に、水、カリウム、ナトリウム、銅、マグネシウムのような金属イオン、窒素源、リン源及び硫黄源、並びに発育中の植物の根への他の溶解栄養分の1つ以上を提供するために使用される溶液を指す。
【0067】
本開示の実施形態において、「直接光」という用語は無土壌成長培地の片側の供給源からの光を指し、その一部は、開口部、例えば、無土壌成長培地の裂け目若しくは孔、又は無土壌成長培地及び支持層若しくはフレームの間のギャップを本質的に連続して通過し得る。フラットの無土壌成長培地中の開口部又はギャップを通して観察される「直接光」は、藻類の成長を促進し得るフラットの下の濡れた表面に光が達するための経路を提供し得る不備が無土壌成長培地に存在することを示す。無土壌成長培地若しくはフラットの層を作製する材料を通して伝達されるか、又はそれらによって散乱される光は、直接光ではない。
【0068】
本開示のいくつかの実施形態は、例えば、
図3における底部支持体(390)、
図7における底部支持体(790)又は
図17における底部支持体(1790a)によって示されるように、フレーム、例えばL1の構造的支持特徴を、底部支持体、例えばL2と組み合わせて、無土壌成長培地を支持する底部支持層を有することができる。根がそこを通って成長する生分解性、堆肥化又は他の無土壌成長培地材料であり得る無土壌成長培地、例えば(330又は1730a)は、底部支持体の上に配置することができる。栄養溶液のための蒸発バリアの機能も果たし、発育した植物がそこを通して成長する複数の開口部を有する光バリア層、例えば(320又は1720a)は、成長培地の上に置かれる。いくつかの実施形態において、複数の開口部を有する光バリア層は、バスケット、容器のような剛性構造又は小袋/バッグに形成することができる柔軟な材料であり得、成長培地の上に置くことができ、切断された発育した植物を収集するために使用することができる。任意選択で、バスケット(例えば、510)、容器のような剛性構造又は小袋/バッグに形成することができる柔軟な材料であり得、植物がそこを通して成長することができる開口部を有する上層、例えば(310、510又は1710a)は光バリア層の上に置くことができる。統合された底部支持体、無土壌成長培地、光バリア層及び任意のものは、フラット中で互いから自由に分離可能である。いくつかの実施形態において、フラット中の1つ以上の層は、留め具、クリップ、側壁のスロットなどによって一緒に可逆的に固定することができ、これは、発芽の積み重ね、配置及び成長チャンバーからの除去の間に「サンドイッチ」を1つのユニットとして移動することを可能にする。フラットの構成要素は、収穫及び洗浄のために部分的又は全体的に分解することができる。
【0069】
いくつかの実施形態において、種子は、
図17に示されるように、組み立てられたフラット、例えば、フラットA、フラットB、フラットCなどを使用して発芽させることができる。種子、例えば(1742a、172b、1742cなど)は光バリア(1720a、1720b、1720cなど)の開口部に置くことができる。それぞれのフラット中の光バリア層は、根の塊のための開口部を有するそれぞれ統合された底部支持体(1790a、1790b、170cなど)の上に配置された対応する無土壌成長培地(1730a、1730b、1730cなど)の上に配置される。無土壌成長培地は、播種の前に湿らせることができ、光バリアの開口部に種子を置いた後に湿らせることができ、又は特定の種子のために必要なこれらの行為若しくは工程の任意の組合せであり得る。光バリア層中の開口部と部分的に重なる開口部を有する積み重ね可能な容器/バスケットは光バリア層の上部に置かれる。フラット中の光バリア層の開口部に配置された種子は発芽することができる。多層フラットの部品は、フラットA、フラットB、フラットCによって
図17において図示されるように、種子を発芽させるために互いの上部に積み重ねることができる。互いの上部にフラットを積み重ねる能力は、これが発芽のためにフラットを分離するために典型的に使用される発芽カートのためのコスト及び空間の要件を排除するので、有利である。
【0070】
種子が発芽したら、それぞれのフラットを積み重ねから分離し、成長チャンバーに置き、植物を発育させるための光及び栄養を提供することができる。成長チャンバーにおいて、単一のフラットについての
図18Aに図示されるように、植物は、発育し、開口部を通してバスケットの内部で成長することができる。発芽した種子(1870)から発育した植物(1878)は、光バリア層及び上層中の開口部を通して突き出した茎(1876)を有する。植物(1878)は無土壌成長培地(1830)を通して突き出した根(1872)を有する。発育した植物(1878)は、
図18Aに図示されるバスケット(1810)中に本質的に含有される。上層が使用されないいくつかの実施形態において、光バリア層は、植物が光バリア層及び成長培地の間で切断される茎を有してそこを通して成長している(示さない)開口部を有するバスケットでもあり得る。発育した植物(1878)は、
図18Bに示されるように組立品から容器/バスケットを分離すること、及び
図18Cに図示されるようにカッター(1835)が茎を横断することによって、収穫することができる。切断された植物(1879)はバスケット(1810)に収集されるが、茎(1876)及び根(1872)は
図18Cに表されるようにフラットに残る。
【0071】
図19Aに図示されるように、成長培地に残る茎、根又は両方は、任意選択で、バスケットなしのフラットの部分組立品から上を切断することができる。例えば、切断された茎(1875)はカッター(1835)により茎(1876)を切断することによって単離することができる。同様に、切断された根(1871)はカッター(1835)により根(1872)を切断することによって単離することができる。除去された茎及び根を有するか又は有さない収穫されたフラットの部分組立品は、分解及び洗浄することができる。いくつかの実施形態において、無土壌成長培地は、除去、洗浄及び再使用することができる。他の実施形態において、無土壌成長培地は残った茎及び根の部分を用いて堆肥にすることができる。組み立てられたフラットの洗浄構成要素は、生分解性又は堆肥化可能な無土壌成長培地を使用する場合、洗浄機、噴霧ブース及び乾燥機を排除することによって、布の洗浄と比較して、簡素化することができる。発芽及び植物の発育を支持する生分解性材料又は堆肥化材料は、収穫後他の植物の部分と一緒に使用した後、パルプ化するか、又はそうでなければ物理的に引き裂かれたフラットから除去することができる。
【0072】
有利には、フラットにおける光バリア中の開口部を通して成長している発育した植物の実質的に100パーセントをカッターによって切断することができ、容器の表面若しくは光バリア層の表面における藻類の成長はほとんどないか、又はない。成長システムからの蒸発は、気耕成長のためのフラットにおいて使用される従来の非被覆布培地と比較して、50パーセント以上低減することができる。本開示の実施形態における組み立てられたフラット構造は、留め金を使用して伸ばされた布を支持トレイに取り付ける必要性を排除し、伸ばされた布及びフレームの端に沿ったギャップ並びに過剰噴霧を防げる。
【0073】
図12は発芽中の種子(1270)及び発育中の植物(1278)に入射する光を図示する。光バリア層(1220)は成長培地(1230)に対して配置され得、根のための開口部(1296)を有する任意の支持層(1290)は成長培地(1230)の下に配置され得る。入射光は、根(1272)を有する発育中の植物(1278)に直接当たる光(1288)、及び根(1273)を有する発芽中の種子(1270)に直接当たる光を含むことができる。発芽中の種子は光バリア層(1220)の開口部(1260)に配置され得る。入射光は、発育中の植物(1278)及び発芽中の種子(1270)に直接当たらない光(1280)を含むこともできる。本開示の実施形態において、光バリア層(1220)は、物品の表面(例えば、発育中の植物及び/又は発芽中の種子の表面ではない表面)に入射する光の一部を、その一部を発芽中の種子(1270)及び/又は発育中の植物の葉(1278)に向け直され得るより長い波長の光(1286)に変換することができる蛍光材料又はリン光材料を含んでいてもよい。例えば、発育中の植物及び/又は発芽中の種子の表面ではない表面に入射するより短い波長の青色光は、発育中の植物及び発芽中の種子に向け直され得るより長い波長の赤色光に変換されてもよい。
図12は、植物に当たらないいくつかの入射光(1280)を、同じ波長(1280)又はより長い波長(1286)で発育中の植物(1278)に戻るように反射又は再放射することができることも図示する。成長培地(1230)と接触し、種子のための複数の開口部を規定する光を低減するのに十分な厚さの光バリア層(1220)を使用して、光を開口部中の発芽中の種子に下に向け直すだけでなく、光を発育中の植物の葉に光バリア層から上に向け直してもよい。開示される光バリア層(1220)は、蛍光体若しくはリン光体含有材料、光反射材料、光分散材料及びそれらの任意の組合せから製造されてもよい。
【0074】
いくつかの例において、発芽した種子及び子葉の成長を開始した種子は、成長培地の区域の面積の小さな部分を占める。例えば、1日目の種子(1302)(
図13Aを参照のこと)、2日目の発芽した種子、及び4~5日目の子葉の成長を開始した種子は、成長培地(1310)の面積の約1~約15%を占める。
【0075】
層4及び5(「L4及びL5」)を欠くシステムにおいて、成長培地(L3)に向けられる光のかなりの部分は、植物材料(例えば、種子、発芽した種子、子葉を有する種子など)に当たらず、成長培地に当たる。
図13Bに図示されるように、光(1306)は種子(1302)に当たらない光を表す。結果として、システムがL4及び/又はL5なしである例において、システムは、当たらない光(1306)の少なくとも一部が種子(1302)及び発育中の植物(1304)の方に反射して戻るように、成長培地(1310)の反射率を増加させることから利益を得るだろう。
図13Cに図示されるように、光(1308)は発育中の植物(1304)に直接当たる光を表し、光(1306)は、植物(1304)に当たらないが成長培地(1310)から植物(1304)の方に反射する光を表す。
【0076】
光バリア層として総称されるL4及び/又はL5を有するシステムにおいて、光バリア層は反射要素を含んでいてもよく、それぞれの開口部は開口部の表面又は壁に入射する光の一部を発育中の植物に向けるように作製されている。光バリア層の反射要素は、少なくとも約50%の表面反射率及び約2%未満の透過率を有する材料を使用することによって達成され得る。これは、光を遮断し、入射光の一部を発育中の植物に反射するために使用してもよい。材料は、少なくとも約70%の反射率を有する白色プラスチックから製造されてもよい。
【0077】
開口部の形状は、
図1に示されるように円柱状であってもよく、又は一般に非イメージング光学と一致する形状を形成する先細の壁を含んでいてもよい。開口部の壁は、鏡面反射鏡を作出するために、金属化されてもよく、又は露出した金属を含んでいてもよい。開口部の壁の形状は、イメージング又は非イメージング光学を再現するために製造されてもよい。開口部及び壁は、非イメージング光学と一致する形状及び1つ以上の種子、発芽した種子又は発育中の植物を収容する体積を有することができる。
図14A~14Cに示されるように、光バリア層(1402)は複数の反射開口部(1404)を含み、これは先細壁(1406)によって規定される。種子(1408)は開口部(1404)内に少なくとも部分的に配置され得、光(1410)は開口部(1404)の方向に向けられ得る。
図14Aに示されるように、光(1410)は、種子(1408)の方に向けられる光を増加させるために、先細壁(1406)に反射し得る。
図14Cは、
図14Bの光バリア層(1402)の断面を表す。
【0078】
光バリア層又は他の層は、埋め込まれたリン光体及び/若しくは蛍光粒子を含み得るプラスチック又は複合材料のクラスから製造されてもよい。光が開口部を通過せず、フレネル反射から反射しない例において、光はプラスチックの光バリア層の本体に吸収され得る。プラスチックの本体に入ると、光子はリン光体及び/又は蛍光粒子にぶつかり得る。典型的には、プラスチック内の光子の経路が長くなると、これらの粒子の1つに当たる機会が多くなる。光子がリン光体又は蛍光粒子に当たる場合、粒子は光子を吸収し、次いで異なるより長い波長でランダムな方向でそれを再放射してもよい。方向又は再放射が、プラスチック及び空気のフラットの端の境界での全反射によって捕捉される角度分布内にある場合、再放射された光子は、光子が吸収されるか又はプラスチックの端に当たるまで、プラスチック内に捕捉されて留まる。
【0079】
光子がプラスチックの端に当たる場合、それはプラスチックから空気中に抜け出る。開示される開口部は、再放射された光子が開示される開口部によって規定される空気の空間に抜け出す確率を増加させるために、少なくとも1つのこれらの端を含んでいてもよく、いくつかの場合において、複数の端を含んでいてもよい。そのような例において、光子は開口部内に少なくとも部分的に配置された植物材料の方に向けられ、この植物材料によって吸収され得る。したがって、そうでなければ植物材料に対して有益ではないであろう光子を回収及び再使用することができ、それにより所与の植物材料と相互作用する光子の数が増加する。
【0080】
いくつかの実施形態において、光源は青色光を生成し得、リン光体はより長い黄色及び/又は赤色の波長を放射し得る。しかしながら、供給源及び/又はリン光体の波長を調節して植物の成長を最適化してもよい。いくつかの例において、植物は、青色光の方向に向きを変えて成長し、吸収された追加の赤色光子からより速く成長する。
図15に表されるように、青色光(1508)は、光バリア層(1502)の開口部(1504)内に少なくとも部分的に配置される植物材料(1506)(例えば、種子、発芽した種子、子葉を有する種子、発育中の植物など)に適用され得る。光バリア層(1502)と相互作用する青色光は、吸収され得、より長い波長の赤色光(1510)として再放射され得る。赤色光(1510)は、植物材料(1506)の方に少なくとも部分的に向けられ得る。赤色光(1510)は、ある角度で植物材料(1506)の方に向けられ得る。加えて、開口部に進入するが植物材料によって吸収されない再放射された光子は、それらが植物材料を温めるのを支援し得る布によって吸収され得る。
【0081】
いくつかの実施形態において、上記で議論したように、植物材料を増加した光密度に曝露するために、開口部内の植物材料の部分を含有することは有益であり得る。特にこれらの実施形態において、L4は蛍光プラスチックを用いて少なくとも部分的に製造される。
図16に表されるように、L5は、少なくとも部分的に透明であり得、L4の開口部(1604)よりも小さい直径を有する少なくとも1つの開口部(1602)を含み得る。そのような例において、植物材料の部分はL5の開口部を通過するのに大きすぎるので、植物材料の部分は成長を続け、L4の開口部を満たす。例えば、植物の子葉(1606)は、L4の開口部内に捕捉され得、増加した光のレベルから利益を受け得る。L5中の開口部(1602)は、植物の茎(1608)が開口部(1602)を通してL5の上部の空気に成長を続けることを可能にするために十分に大きくてもよい。
【0082】
追加の実施形態において、任意の層は、L3及びL4の間に組み込まれ、L6として本明細書に表され得る。L6はL4よりも低い屈折率の材料から製造され得る。操作において、L6はL4がL3と接触するのを防ぎ、それにより大部分の区域にわたってL4及びL3の間に空気のバリアを維持する。開示される空気のバリアは、それが全反射によって反射される再放射された光のより大きな範囲の角度を可能にするので、有益であり、これは開口部(1602、1604)に抜け出す再放射された光の量を増加させる。L6はL4よりも低い屈折率の材料から製造され得、L6の材料としては、限定されるものではないが、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)、ポリ(フッ化ビニリデン)及び他のフッ素含有ポリマー材料(例えば、メッシュ又は穿孔シート)のようなプラスチックが挙げられ得る。
【0083】
図17は、フラットの層が、例えば底部支持層(1790c)、種子を有する無土壌成長培地(1730c)、発育中の植物がそれを通して成長する開口部を有する光バリア層(1720c)及び開口部を有する上層(1710c)を含む、本開示の実施形態を図示する。これらの層は、組み立てられ、互いの上に積み重ねて、フラットを形成することができる(例えば、フラットC)。同じ若しくは異なる層及び/又は種子の種類(フラットCと同様であるとして示される)を有し得る追加のフラット、例えば、フラットB及びフラットAは、フラットCの上に積み重ねることができ、種子(1742a、1742b及び1742c)の発芽のために一緒に使用することができる。種子の発芽後、フラットは成長チャンバー中への設置のために分離することができる。
図17において、上層(1710a、1710b及び1710c)は、発育中の植物がそれを通して成長することができる開口部を有する容器であり得る。
【0084】
図18Aは、発芽した種子(1870)からの根(1872)及び茎(1876)を有する発育した植物(1878)を表す本開示の実施形態を図示する。茎(1876)は、フラット(1800)の上層の容器(1810)中の開口部及び光バリア層(1820)の開口部を通して成長していることが表される。フラット(1800)は、底部支持層(1890)、無土壌成長培地(1830)、発育中の植物(1978)のための開口部を有する光バリア層(1820)及び発育中の植物のための開口部を有する上層(1810)を含む。
図18Bは、光バリア層(1820)の上部表面及び曝された茎(1876)からの上層の容器(1810)の分離を図示する。
図18Cは、分離された上層の容器(1810)及び光バリア層(1820)の上部表面の間を通過するカッター(1835)を有する光バリア層(1820)中の複数の開口部を通して成長している茎(1876)の切断を図示する。植物の収穫部分(1879)は上層の容器(1810)に収集される。
【0085】
図19Aは、収穫された植物の残った部分からの茎(1876)及び根(1872)を図示する。根(1872)は、無土壌成長培地(1830)を通して成長し、支持層(1890)中の開口部を通して突き出す。残った茎(1876)は、光バリア層(1820)中の開口部を通して突き出していることが示される。
図19Bは、カッター(1835)が茎を横断することによって得られる切断された茎(1875)を図示する。
図19Cは、カッター(1835)が支持層(1890)の近くの根の部分を横断することによって得られる切断された根(1871)を図示する。
【0086】
本開示の実施形態は、一般に米国特許出願公開第20140137471号(Harwood)に記載され、少なくとも1つの気耕モジュールを有する成長チャンバーを含む気耕システムにおいて使用され得る。フラットは、本開示の実施形態において、支持層、無土壌成長培地、光バリア層、及び任意選択で上層を含んでいてもよく、手動、自動及びそれらの組合せで成長チャンバーを通して進展し得る。いくつかの実施形態において、支持層、無土壌成長培地、光バリア層、及び任意選択で上層は、多層組立品を支持する横材(
図1、L1を参照のこと)を有するフレームに取り付けられていてもよい。これらのトレイは本明細書に記載のように播種及び収穫するために装備することができ、これらのトレイは成長チャンバーのそれぞれの側のレールにセットし、チャンバーを通って移動することができる。自動化された切断装置(示さない)は、カッターで植物を切断するように装備してもよい。成長チャンバーは、一般に、発育中の植物のためにチャンバーの温度、湿度及び二酸化炭素の管理を可能にし得る。成長チャンバー及び個々のモジュール中の空気流は、空気移動システム(例えば、ファン)によって制御され得る。成長チャンバーはいくつかの気耕モジュールを収納することができる。複数のチューブを使用して、栄養溶液を栄養ポンプシステムによってポンプで送られる栄養タンクから複数の噴霧ノズルに輸送することができる。噴霧ノズルは、フラットの底部に近接近して、無土壌成長培地を湿らせる底部支持体中の開口部を通して、栄養噴霧液を噴霧することができる。栄養溶液は発育中の植物に栄養を提供する。過剰の栄養溶液は、栄養返送トレイ上に滴り落ち得、再使用のために栄養溶液を栄養タンクに戻すことができる。栄養返送トレイの断面はアーチ状の形状を有することができる。閉鎖系を本明細書に記載するが、無土壌培地材料は、任意選択で排水システムへの流れにおいて、すなわち過剰な栄養溶液を再使用しない気耕システムに装備することができる。気耕システムにおいてフラットを形成する層は、高圧ナトリウムランプ及び発光ダイオードを含む1つ以上の光源を含み得る照明に曝され得る。
【0087】
本開示の実施形態は水耕成長システムでも使用され得る。水耕植物成長システムは、水及び植物を成長させる栄養の液体の組合せを保持するための蓋なしの外側容器を含むことができる。容器は液体の排出を可能にするように構成することができる。水耕成長システムのために使用されるフラットは、支持層、無土壌成長培地、光バリア層、及び任意選択で上層を含み得る。フラットは、下から栄養を受けるための外側容器の上又は外側に置かれ得る。照明は植物を発育させるために容器の上に提供され得る。植物は、根の一部又は全部が容器中の液体培地と接触して発育する。開口部を含む内側容器は、液体が成長システムに入り、そこから排出されることを可能にするために使用され得る。自動ポンプシステムを使用して、成長チャンバー中の発育中の植物の根に接触する栄養溶液及び酸素の正確な量並びにレベルを維持し得る。
【0088】
[実施例]
一般的な実験条件
その内容が参照によってそれらの全体が本明細書に組み込まれるHarwoodの米国特許出願公開第20140137471号に開示される、フラット、排液パン、栄養の噴霧器及び排水路、及び照明を有する成長チャンバーを含む気耕システムを利用する。さらに、本開示の実施形態における方法は、一般に、無土壌成長培地の少なくとも1つの表面に栄養溶液を噴霧することを含む。無土壌成長培地は、広げることなく底部支持体及び光バリア層の間の所定の場所に保持される。
【0089】
本開示のシステムは、一般に、Harwoodに開示される1つ以上の発芽因子及び植物発育因子を満足する。発芽因子としては、例えば、温度の範囲、pHレベルの範囲、相対湿度の範囲、光強度の範囲、光スペクトル、電気伝導率の範囲、種子の温度、例えば加熱又は冷却の前の種皮処理などの少なくとも1つを挙げることができる。温度の範囲はおよそ5℃~およそ35℃であり得る。pHレベルの範囲はおよそ4~およそ8であり得る。相対湿度の範囲はおよそ20%~およそ100%であり得る。光強度の範囲はおよそ0μmol・m2・s-1~およそ250μmol・m-2・s-1であり得る。光スペクトルは、UV-B放射におけるある程度の許容範囲、例えば、およそ280nm~およそ315nmを伴って、およそ400nm~およそ700nmであり得る。電気伝導率の範囲は、およそ1メートルあたり1.5デシシーメンス(dS・m-1)~およそ3.0dS・m-1であり得る。いくつかの種子について、明期及び暗期の両方を必要とする光周性が存在する場合がある。いくつかの実施形態において、例えば、いくつかの寒い季節の葉物野菜(キバナスズシロ(Eruca saliva)など)のために、好ましい温度はおよそ22℃であり得、pHレベルの範囲はおよそ5.0~およそ5.5であり得、電気伝導率の範囲はおよそ2.0dS・m-1~およそ2.5dS・m-1であり得、相対湿度はおよそ50%であり得る。いくつかの実施形態、例えば、いくつかの寒い季節の葉物野菜において、発芽の間の光強度はおよそ50μmol・m-2・s-1、成熟の幼若段階の間はおよそ250μmol・m-2・s-1であり得る。植物が出現したら、最高でおよそ1000ppmのCO2を有利な成長のために適用してもよい。いくつかの実施形態において、発芽後の光スペクトルは、およそ440nmの青色及びおよそ660nmの赤色であり得る。しかしながら、本明細書において提供される範囲が、代わりの種子又は植物を発芽及び成長させるために、その要件及び/又は最適環境に応じて変動し得ることが理解されるべきである。
【0090】
無土壌成長培地における植物の成長及び発育因子は、一般に、LED照明を使用し、同じ栄養溶液を提供し、実質的に同様の温度、空気の動き及び湿度を有する単一の成長チャンバーにおいて行った。光強度レベルは、1平方メートルあたり1秒あたり0マイクロモル(μmol-1 m-2 s-1)超~300μmol-1 m-2 s-1の間で変動するだろう。摂氏温度で測定される温度を含む成長チャンバーにおける追加の気候条件は、5℃~およそ35℃であり得る。栄養溶液の電気伝導率は、1メートルあたりデシシーメンス(dS/m)で測定される。特に、栄養溶液のための成長環境条件は、およそ15℃~およそ25℃の温度の範囲、およそ4.3~およそ6.6のpHレベルの範囲、およそ1.3dS/m~およそ2.9dS/mの電気伝導率の範囲の栄養を含むことができる。
【0091】
[実施例1]
この実施例は、多層フラットを使用して、非布基材上でベビーホウレンソウを成長させることを示す。
【0092】
ホウレンソウの種子を、4つの層構造を使用するフラットにおいて、発芽させ、植物に発育させた。
図9及び10に図示される構造を使用し、構造は、フレーム(905(
図1におけるL1と同じ))、グリッド又はアレイ中に複数の開口部1092を有するポリ塩化ビニル(PVC)支持層1090、紙系の無土壌成長培地(930、1030)、及び紙成長培地(930、1030)の上に配置されたグリッド又はアレイ中に複数の開口部(950)を有するPVC光バリア層(1020)を含んでいた。この実施例における紙系の無土壌成長培地は種子の発芽及び根の侵入を支持した。紙を、底部支持体又は光バリア層に紙を引き伸ばし又は固定することなく、支持層及び光バリア層の間の所定の位置に保持した。光バリア層中の開口部は、約0.32センチメートル(0.125インチ)の直径であり、グリッドパターンにおいて中心から中心まで約0.95センチメートル(0.375インチ)離して間隔を空けた。支持層中の開口部は、約1.3センチメートル(0.5インチ)の直径であり、グリッドパターンにおいて中心から中心まで約2.2センチメートル(0.875インチ)離して間隔を空けた。
【0093】
ホウレンソウの種子(942)を、
図9Aに示されるように、最初に光バリア層(920)の上部表面上に広げた。ホウレンソウの種子(942)を、それぞれの開口部に約1つの種子で、複数の開口部(950)にさっと入れ、いくつかの開口部は種子なしで示されるが、大部分の開口部は少なくとも1つの種子を含有していた。過剰の種子を、
図9Bに示されるように、掃引又はブラシがけによって発芽の前に光バリア層(920)から除去した。5日後、発芽した種子及び苗(980)が、
図9Cに示されるように、光バリア層中の開口部を通して成長して、観察された。
【0094】
ホウレンソウの苗からの根は、
図10Aに示されるように、紙成長培地(1030)に侵入した。
図10Aにさらに図示されるように、支持層(1090)、成長培地(930、1030)及び光バリア層(1020)は自由に分離可能であった。光バリア層の非開口領域又は固形領域(およそ0%の光透過率)と比較して、光バリア層(1020)中の開口部(およそ100%)を通る非常に大きな光透過率(直接光)も示す。気耕成長チャンバーにおける成長の数日後、根(1072)に提供される栄養溶液の噴霧及び空気からの酸素、並びに光バリア層の上部表面に供給される発光ダイオード(「LED」)ランプからの光により、根は、
図10Bに示されるように、底部支持体(1090)の開口部(1092)を通して成長し、それらによって収容されているのが明らかに見える。発育中の植物(1080)は、
図10Cに示されるように、光バリア層中の開口部を通して突き出している。
【0095】
無土壌紙成長培地及び光バリア層の開口部の端の間の近接近又は接触によって形成された開口部のインプリント又はイメージが紙上で観察された。紙上の光バリア層の開口部のインプリント又はイメージの外形は、種子が開口部に隔絶され、無土壌成長培地の固形部分の下に埋め込まれず、又は捕捉されなかったことを示した。
【0096】
光バリア層なしの布成長培地を使用して種子からホウレンソウを発芽及び成長させる以前の試みは成功しなかった。
【0097】
[実施例2]
この実施例は、多層フラットにおいて成長した発育中の植物の90%超の収穫、及び無土壌成長培地における低い藻類の成長を示す。
【0098】
ベビールッコラを、金属フレーム(L1)、底部支持層(L2)、隣接する光バリア層によって所定の場所に保持された未延伸のポリエステル系布無土壌成長培地及び上層を含む2つのフラットにおいて成長させた。未延伸のポリエステル系布無土壌成長培地は、種子の発芽及び培地を通る根の侵入を支持した。光バリア層及び上層は、くすんだ不透明の白いプラスチック素材で作製した。光バリア層及び上層の非開口部分又は固形部分は、光バリア層中の任意の開口部を通る光透過率の量よりも少ない光透過率を有していた(視覚的に決定した)。上層、光バリア層、布及び支持層を、フレームの末端に連結された2つのねじ式ボルト留め具によって一緒にサンドイッチした。光バリア層中の開口部は、約0.64センチメートル(0.25インチ)の直径であり、グリッドパターンにおいて中心から中心まで約1.27センチメートル(0.5インチ)離して間隔を空けた。2つのフラットに、およそ同じ量のルッコラをそれぞれ播種した。開口部中のルッコラの種子の数は分布しており、開口部ごとに0(空)~3つ以上の種子の間で含み、大部分の開口部は種子を含有していた。種子を有するフラット及び未播種のフラットを発芽カートに置いた。2つのフラットにおける開口部中の90%を超える種子が発芽した。
【0099】
発芽した種子を有するフラットを、成長チャンバーに置き、同じフレーム及びそのフレームに広げて固定された同じ無土壌成長培地を有するブランクの未播種のフラットによって分離した。
【0100】
栄養、光及び温度を含む同じ条件下での植物の発育のおよそ14日後、フラットを成長チャンバーから取り出した。発育した植物からの茎が、光バリア層中の複数の開口部を通して、且つ上層の開口部を通して、無土壌成長培地から成長しているのが観察された。植物のキャノピーは、発育した植物を有するそれぞれのフラットにわたって実質的に均一及び高密度であり、ギャップはフラットの端での植物の密度において観察されなかった。同じ成長チャンバーからの剥き出しの未播種のフラットは、成長培地におけるフラットの中央部分にわたって藻類が存在していることが観察された。
【0101】
それぞれのフラット上の発育した植物を、光バリア層及び上層の開口部を分離すること、分離された層の間の0.48センチメートルの直径の編組線を植物の茎を横切って移動させてそれらを切断することにより収穫した。切断された植物を秤量のためのボックスに置いた。
【0102】
分離された層の間のワイヤを引っ張って植物の茎を切断した後、上層は、上部表面上における藻類の成長がほとんどない又はないこと、及び開口部を通して任意の茎が突き出している場合はほとんどないこと、及びワイヤを引っ張ってそこを通る発育した植物の本質的に100パーセントが切断されたことが観察された。ボルト留め具を除去した後、光バリア層及び上層は布無土壌成長培地の上から容易に除去され、光バリア層及び布無土壌成長培地層も互いから容易に分離された。布無土壌成長培地の上部表面は、その上に光バリア層から開口部のアレイのインプリント又はイメージを有していることが観察された。開口部のインプリント又はイメージは、無土壌布成長培地及び開口部の端の間の接触又は近接近によって形成された。光バリア層の開口部のインプリント又はイメージの明確な外形及び無土壌成長培地上のインプリントの外側の隔絶された種子の非存在は、光バリアの開口部の端及び無土壌成長培地の間の接触又は近接近が、種子が光バリア層の固形部分及び布の間に配置又は捕捉されるのを防ぐための十分なバリアであったことを示した。一部の残った茎が切断後のインプリント領域で観察された。光バリア層及び上層の間をワイヤが通過する、90%を超える実質的に全ての植物が切断された。
【0103】
茎及び葉を含む2つのフラットからの収穫量は、13.8lbs.(6.3kg)及び15.9lbs.(7.2kg)であった。
【0104】
[実施例3]
この実施例は、同じ試験条件下でバリア層なしのフラットからの水の蒸発速度と比較して、無土壌成長培地の上に光バリア層を有する試験フラットからの水の低減された蒸発速度を示す。
【0105】
Harwoodの米国特許出願公開第20140137471に開示の極性フリース布を含む対照フラット、及び同じ極性フリース布及び布の上に配置された光バリア層(開口部及び固形部分を含む)を含む試験フラットからの水の蒸発速度を測定した。試験機器は、経時的に重量の変化を測定するためにフラットの下部に配置されたデータポートを有する0~400ポンドスケールを含んでいた。
【0106】
試験装置中の気温、湿度及び水温を、センサー及びセンサーの出力を記録するために使用するデータロガーを使用して測定した。対照及び試験フラットは、類似のサイズであり、およそ(1.5メートル×0.75メートル、5フィート×2.5フィート)で測定された。フラットを天秤に接続されたパン上に置いた。ファン及び光を試験設定に取り付けて、成長チャンバー中の蒸発環境をシミュレーションした。室温(およそ70F、21℃)で5ガロンの予備の水を使用して布を浸した。天秤をゼロにし、トレイ及びパン上の乾燥試験培地を蒸発試験設定に置き、乾燥重量を得た。
【0107】
対照フラット及び試験フラットのための布を、水への浸漬によって同様に処理し、1分間浸した。布をバケツから取り出し、同様の状態でバケツに滴らせ、次いでトレイに取り付け、光バリア層を試験フラット上の湿った布の上に置いた。スケールをゼロにし、トレイを試験設定に置き、トレイをパンの中央に置いた。パンを天秤と接続して、水がそこから蒸発した場合の布地の重量変化を測定した。天秤、温度及び湿度のデータロガー、LED光ラック及びファンのスイッチを入れる。重量、温度及び湿度の記録を1分ごとに読み取る。1時間後試験を停止する。
【0108】
蒸発試験は、試験フラット(開口部及び固形部分を有する光バリア層を含む)からの蒸発の速度が、対照フラット(光バリア層なし)からの蒸発の速度より50%少なかったことを示した。フラットからのより低い蒸発速度は、それが栄養溶液からの水分損失を低減し、それにより植物の成長過程の安定性を改善するので、有利である。少ない水分損失は、投与装置、環境湿度制御、センサー及び栄養溶液濃度を維持するための化学分析に関連する装置並びに運用コストも低減する。
【0109】
以下の項は、本開示の特定の態様及び実施形態を定義する。
【0110】
項1.発芽中の種子及び成長中の植物を支持する物品であって、
複数の開口部を有する底部支持層の上の無土壌成長培地であって、無土壌成長培地が種子の発芽及び無土壌成長培地を通して発育中の植物からの根の侵入を支持する、無土壌成長培地、並びに
光バリアの厚さを通る複数の開口部を有する光バリア層であって、開口部の形状がそれぞれの開口部中に1つ以上の種子を収容し、光バリア層の非開口部が光バリア層中の任意の開口部を通る光透過率の量よりも少ない光透過率を有し、光バリア層が、無土壌成長培地から分離可能であり、無土壌成長培地の上に配置され、且つ無土壌成長培地と構造的に異なる、光バリア層
を含む、物品。
項2.光バリア層から分離可能であり、且つ光バリア層の上に配置された上層をさらに含み、上層が上層の厚さを通る複数の開口部を有し、上層中の開口部が光バリア層中の開口部の区域の一部又は全部と重なり、重なりが、光が無土壌成長培地に達し、且つ光バリア層の開口部中で植物を発育させるのに十分である、項1に記載の物品。
項3.光バリア層が蛍光材料を含む、項1に記載の物品。
項4.光バリア層、上層又は光バリア層及び上層が蛍光材料を含む、項2又は3のいずれか一項に記載の物品。
項5.光バリア層から分離可能であり、且つ光バリア層の上に配置された上層をさらに含み、上層が上層の厚さを通る複数の開口部を有し、上層中の開口部が光バリア層中の開口部の区域の一部又は全部と重なり、重なりが、光が無土壌成長培地に達し、且つ光バリア層の開口部中で植物を発育させるのに十分である、項3に記載の物品。
項6.底部支持層をさらに含む、項1~5のいずれか一項に記載の物品。
項7.光バリア層の開口部の大部分に、且つ無土壌成長培地の上に配置された1つ以上の種子を含む、項1~6のいずれか一項に記載の物品。
項8.光バリア層中の開口部が非イメージング光学と一致する形状を有する、項2~7のいずれか一項に記載の物品。
項9.前記光バリア層と無土壌成長培地の上部表面の近接が、種子が光バリア層の固形部分及び無土壌成長培地の間に配置されるのを不可能にするバリアを形成する、項1~8のいずれか一項に記載の物品。
項10.種子を光バリア層中の複数の開口部に配置することを含む方法であって、光バリア層中の複数の開口部の大部分が1つ以上の種子を収容する形状を有し、光バリア層が、無土壌成長培地を覆い、且つ無土壌成長培地から分離可能であり、無土壌成長培地が無土壌成長培地を通して成長中の1つ以上の根の塊を収容する開口部を有する支持層を覆う、方法。
項11.光バリア層から分離可能であり、且つ光バリア層の上に配置された上層をさらに含み、上層が上層の厚さを通る複数の開口部を有し、上層中の開口部が光バリア層中の開口部の区域の一部又は全部と重なり、重なりが、光が種子の発芽の前に光バリアの開口部中の無土壌成長培地を照らすのを可能にする、項10に記載の方法。
項12.光バリア層中の開口部の形状が非イメージング光学の形状と一致する、項10~11のいずれか一項に記載の方法。
項13.光バリア層中の複数の開口部への種子の配置が上層中の複数の開口部から種子を受けることを含み、上層の開口部のサイズが種子と実質的に同じサイズであり、光バリア層中の開口部が、上層中の開口部よりも大きい、項10~12のいずれか一項に記載の方法。
項14.光バリア層、上層、又は光バリア層及び上層が蛍光材料を含む、項10~13のいずれか一項に記載の方法。
項15.光バリア層の開口部中で1つ以上の種子を発芽させること、及び無土壌成長培地と接触させることをさらに含む、項10~14のいずれか一項に記載の方法。
項16.前記光バリア層と無土壌成長培地の上部表面の近接が、種子が光バリア層の固形部分及び無土壌成長培地の間に配置されるのを不可能にするバリアを形成する、項10~15のいずれか一項に記載の方法。
項17.上層の開口部の底部端及び光バリア層の開口部の上部端の間で発育中の植物の茎を項1~9のいずれか一項に記載の物品で切断することを含む、方法。
項18.上層が光バリア層の上にスライド可能に配置され、上層の開口部の底部端及び光バリア層の開口部の上部端が、上層及び光バリア層が互いに対して移動した場合に、植物の茎を切断するように成形される、項1~9のいずれか一項に記載の物品。
項19.光バリア層の開口部が切断端を含み、上層の開口部が切断端を含み、又は光バリア層及び上層の開口部の両方が切断端を含む、項18に記載の物品。
項20.発芽中の種子及び成長中の植物を支持する物品であって、
種子の発芽及び無土壌成長培地を通して発育中の植物からの根の侵入を支持する無土壌成長培地、並びに
光バリアの厚さを通る複数の開口部を有する蛍光材料を含む光バリア層であって、開口部がそれぞれの開口部中に種子を収容し、光バリア層の非開口部が光バリア層中の任意の開口部を通る光透過率の量よりも少ない光透過率を有し、光バリア層が、無土壌成長培地から分離可能であり、無土壌成長培地の上に配置され、且つ無土壌成長培地と構造的に異なる、光バリア層
を含む、物品。
項21.光バリア層の開口部の形状が発芽した種子を収容する、項20に記載の物品。
項22.前記光バリア層と無土壌成長培地の上部表面の近接が、種子が光バリア層の固形部分及び無土壌成長培地の間に配置されるのを不可能にするバリアを形成する、項20に記載の物品。
項23.光バリア層中の複数の開口部に種子を配置することを含む方法であって、前記光バリア層が蛍光材料を含み、種子を有する光バリア層中の複数の開口部の大部分が単一の種子を含有し、光バリア層が、無土壌成長培地を覆い、且つ無土壌成長培地から分離可能である、方法。
項24.光バリア層中の複数の開口部への種子の配置が上層中の複数の開口部から種子を受けることを含み、上層の開口部のサイズが種子と実質的に同じサイズであり、光バリア層中の開口部が上層中の開口部よりも大きい、項23に記載の方法。
項25.光バリア層の開口部が発芽した種子を収容するサイズを有する、項23又は24のいずれか一項に記載の方法。
項26.光バリア層の開口部のサイズが所定数の発芽した種子のために成形される、項23~25のいずれか一項に記載の方法。
項27.項1~9又は18~20のいずれか一項に記載の物品を使用して植物を発育させる方法であって、無土壌成長培地中で植物を発育させること、並びに無土壌成長培地を通して、及び光バリア層中の複数の開口部を通して、ガスを流すことを含む、方法。
項28.上層中の複数の開口部を通して、及び光バリア層中の複数の開口部を通して成長中の植物の茎を有する項2又は4~10のいずれか一項に記載の物品を使用して植物を収穫する方法であって、上層及び光バリア層の間の植物の茎を切断することを含む、方法。
項29.上層の開口部を光バリア層の開口部に対して移動させることをさらに含む、項28に記載の植物を収穫する方法。
項30.移動が、上層を光バリアから分離することを含む、項29に記載の植物を収穫する方法。
項31.移動が、上層をスライドさせること、又は光バリアをスライドさせることを含む、項29に記載の植物を収穫する方法。
項32.植物の茎を切断する物品が上層及び光バリア層の間を通過する、項28、29又は30のいずれか一項に記載の植物を収穫する方法。
項33.上層又は光バリア層のスライドが植物の茎を切断する、項31に記載の植物を収穫する方法。
項34.植物の茎を切断する物品が刃又はワイヤを含む、項32に記載の植物を収穫する方法。
項35.発芽中の種子及び成長中の植物のための物品であって、
種子の発芽及び無土壌成長培地を通して発育中の植物からの根の侵入を支持する無土壌成長培地、並びに
それぞれの開口部中に種子を収容するように成形された複数の開口部を有する光バリア層であって、光バリア層の非開口部が光バリア層中の任意の開口部を通る光透過率の量よりも少ない光透過率を有し、光バリア層が、無土壌成長培地から分離可能であり、無土壌成長培地の上に配置され、且つ無土壌成長培地と構造的に異なる、光バリア層
を含む、物品。
項36.底部支持層をさらに含み、前記底部支持層が1つ以上の根の塊を収容する底部支持層を通る複数の開口部を有し、底部支持層が無土壌成長培地の下に配置され、且つ無土壌成長培地から分離可能である、項35に記載の物品。
項37.光バリア層から分離可能であり、且つ光バリア層の上に配置された上層をさらに含み、上層が複数の開口部を有し、上層中の開口部が光バリア層中の開口部の少なくとも一部と重なり、重なりが、光が無土壌成長培地に達し、且つ光バリアの開口部中で植物を発育させるのに十分である、項35又は項36に記載の物品。
項38.光バリア層、上層又はこれらの任意の組合せが、これらの層に入射する光の一部をより長い波長の光に変換する蛍光体又はリン体含有材料を含み、光バリア層中の複数の開口部の形状が非イメージング光学の形状と一致する、項35~37のいずれか一項に記載の物品。
項39.前記光バリア層と無土壌成長培地の上部表面の近接が、種子が光バリア層の固形部分及び無土壌成長培地の間に配置されるのを不可能にするバリアを形成する、項35~38のいずれか一項に記載の物品。
項40.光バリア層中の複数の開口部を通して成長している発育中の植物からの植物の茎を有する項36~39のいずれか一項に記載の物品を使用して植物を収穫する方法であって、光バリア層中の複数の開口部を通して成長する植物の茎を切断することを含む、方法。
項41.光バリア層、上層又はこれらの組合せの開口部を無土壌成長培地に対して移動させることをさらに含む、項40に記載の植物を収穫する方法。
項42.移動が、無土壌成長培地から、光バリア、上層又はこれらの組合せを分離することを含む、項41に記載の植物を収穫する方法。
項43.移動が、光バリア層、底部支持層、上層又はこれらの組合せの1つ以上をスライドさせることを含む、項41に記載の植物を収穫する方法。
項44.植物の茎の切断が、カッターが分離された層の間、及び植物の茎を横切って移動することを含む、項40、41又は42のいずれか一項に記載の植物を収穫する方法。
項45.光バリア層、底部支持層若しくは上層又はこれらの任意の組合せの1つ以上のスライドが、植物の茎を切断する、項40、41、42又は43のいずれか一項に記載の植物を収穫する方法。
項46.カッターが刃又はワイヤを含む、項44に記載の植物を収穫する方法。
項47.項1~9、18~22又は36~39に記載の発芽中の種子及び発育中の植物を支持する物品のいずれか1つを含む、成長チャンバー。
【0111】
明細書及び特許請求の範囲の全体を通して本明細書で使用される場合、近似の語は、それが関連する基本機能の変化をもたらすことなく許容可能に変化し得る任意の定量的又は定性的な表現を修飾するために適用され得る。したがって、「約」などの用語によって修飾された値又は数値範囲は、特定の正確な値に限定されるべきではなく、特定された値と異なる値を含んでいてもよい。少なくともいくつかの例において、近似の語は、値を測定するための機器の精度に対応してもよい。
【0112】
本開示は、限られた数の態様及び実施形態のみと関連して詳細に記載されているが、本開示がこのような態様に限定されないことが理解されるべきである。むしろ、本開示は、これまで記載されていない任意の数の変形、変更、置換又は同等の配置を組み込むように改変することができるが、これは、特許請求の範囲に相応する。加えて、本開示のさまざまな実施形態を記載したが、本開示の態様が、記載された実施形態のいくつかのみを含む場合があることが理解されるべきである。したがって、本開示は、前述の説明によって限定されると解釈されるべきではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0113】
L1 第1の層
L2 底部支持層
L3 無土壌成長培地
L4 光バリア層
L5 上層
390 支持層
392 開口部
320 光バリア層
330 無土壌成長培地層
310 上層
350 開口部
360 開口部
342 種子
372 根
376 茎
374 葉
370 発芽した種子
410 上層
420 光バリア層
430 成長培地
450 開口部
460 開口部
578 発育中の植物
550 開口部
510 上部層
560 開口部
520 光バリア層
572 根
530 無土壌成長培地
535 カッター
512 側壁
522 側壁
582 切断された植物
590 茎
1186 移転
1150 開口部
1130 無土壌成長培地
1160 開口部
1110 上層
790 支持層
730 成長培地
720 光バリア層
760 開口部
918 端
610 上層
660 開口部
650 開口部
642 種子
620 光バリア層
1178 植物
1120 光バリア層
1190 底部支持体
1192 端
1194 端
1172 根
1196 開口部
792 開口部
890 支持層
892 開口部
830 無土壌成長培地層
820 光バリア層
810 上層
850 開口部
812 底部端
860 開口部
890 支持層
842 種子
1742 種子
1790 底部支持体
1730 無土壌成長培地
1720 光バリア層
510 バスケット
1878 植物
1870 種子
1876 茎
1830 無土壌成長培地
1872 根
1810 バスケット
1835 カッター
1879 植物
1270 種子
1278 植物
1220 光バリア層
1230 成長培地
1290 支持層
1296 開口部
1272 根
1273 根
1260 開口部
1280 光
1286 光
1306 光
1302 種子
1304 植物
1308 光
1310 成長培地
1402 光バリア層
1404 開口部
1406 先細壁
1408 種子
1410 光
1508 青色光
1506 植物材料
1504 開口部
1502 光バリア層
1510 赤色光
1602 開口部
1604 開口部
1606 子葉
1608 茎
1790 底部支持層
1730 無土壌成長培地
1720 光バリア層
1710 上層
1878 植物
1872 根
1876 茎
1870 種子
1820 光バリア層
1800 フラット
1830 無土壌成長培地
1978 植物
1835 カッター
1879 収穫部分
1810 容器
1890 支持層
1871 根