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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-08
(45)【発行日】2023-06-16
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20230609BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20230609BHJP
   F21V 29/67 20150101ALI20230609BHJP
   F21V 31/03 20060101ALI20230609BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20230609BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20230609BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230609BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20230609BHJP
【FI】
F21S2/00 377
F21V29/503
F21V29/67 100
F21V29/67 200
F21V31/03 100
H05K7/20 G
H05K7/20 H
F21Y101:00 300
F21Y115:10
F21Y115:30
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019117023
(22)【出願日】2019-06-25
(65)【公開番号】P2021005444
(43)【公開日】2021-01-14
【審査請求日】2022-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】中野 貴之
(72)【発明者】
【氏名】北野 博史
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-153198(JP,A)
【文献】特開2018-092927(JP,A)
【文献】特開2002-040562(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 29/503
F21V 29/67
F21V 31/03
H05K 7/20
F21Y 101/00
F21Y 115/10
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一空間と、当該第一空間とは別の第二空間とを区画する区画体に対して埋め込まれる照明装置であって、
光源部と、
前記光源部を冷却するための気流を発生させる冷却機構と、
前記光源部及び前記冷却機構を収容し、前記第二空間内に配置された状態で、前記第一空間に対して前記光源部からの光を出射させるように前記区画体に取り付けられた筐体と、
前記筐体内に配置され、前記光源部からの光を起因として画像を形成するための画像素子と、を備え、
前記筐体は、前記冷却機構により発生された気流で外気を吸気する吸気口と、当該気流を排気する排気口とを有し、
前記吸気口は、前記第一空間に対向する位置に配置されている
照明装置。
【請求項2】
前記排気口は、前記第一空間に対向する位置であって前記吸気口とは別の位置に配置されている
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記吸気口を覆う第一フィルタを有する
請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記排気口を覆う第二フィルタを有する
請求項1~3のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記筐体内に配置され、前記冷却機構により発生された気流を前記吸気口から前記光源部まで案内する吸気ダクトを有する
請求項1~のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記筐体内に配置され、前記冷却機構により発生された気流を前記排気口まで案内する排気ダクトを有する
請求項1~のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記筐体は、前記冷却機構により発生された気流を前記第二空間に向けて排気する第二排気口を有する
請求項1~のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記第二排気口を覆う第三フィルタを有する
請求項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光投影装置であるプロジェクタを照明装置(ライト)の代わりに使用して、空間演出を行う照明システムがある。このような照明システムにおいては、光投影装置は、例えば天井から吊り下げられた状態で設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-161882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、照明空間の美観を高めるために、当該照明空間を区画する区画体(例えば天井、床、壁など)に照明装置(光投影装置)を埋め込んで設置することが検討されている。建物内において、区画体により区画された照明空間とは反対側の空間(例えば天井裏、床下、壁裏)は、閉塞された閉塞空間であるために、照明空間よりも多くの埃が存在している。
【0005】
ここで、照明装置には、外気を吸気し排気する冷却機構が設けられているが、照明装置が区画体に埋め込まれていると閉塞空間から吸気することで埃を取り込んでしまい、品質が低下する可能性が高まる。
【0006】
本発明の目的は、区画体に埋め込まれたとしても、閉塞空間からの埃の吸引を抑えることで、長期的な品質の維持が可能な照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る照明装置は、第一空間と、当該第一空間とは別の第二空間とを区画する区画体に対して埋め込まれる照明装置であって、光源部と、光源部を冷却するための気流を発生させる冷却機構と、光源部及び冷却機構を収容し、第二空間内に配置された状態で、第一空間に対して光源部からの光を出射させるように区画体に取り付けられた筐体と、を備え、筐体は、冷却機構により発生された気流で外気を吸気する吸気口と、当該気流を排気する排気口とを有し、吸気口は、第一空間に対向する位置に配置されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る照明装置によれば、区画体に埋め込まれたとしても、閉塞空間からの埃の吸引を抑えることで、長期的に品質を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態に係る照明装置の概略構成を示す断面図である。
図2図2は、実施の形態に係る照明装置の制御構成を示すブロック図である。
図3図3は、変形例1に係る照明装置の概略構成を示す断面図である。
図4図4は、変形例2に係る照明装置の概略構成を示す断面図である。
図5図5は、変形例3に係る照明装置の概略構成を示す断面図である。
図6図6は、変形例4に係る照明装置の概略構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、本発明の実施の形態に係る照明装置について、図面を用いて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。従って、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態等は、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0012】
[実施の形態]
以下、実施の形態について説明する。まず、実施の形態に係る照明装置の使用態様について説明する。図1は、実施の形態に係る照明装置の概略構成を示す断面図である。図1に示すように、照明装置100は、建物内の天井板10に対して取り付けられている。天井板10は、建物の居住空間である第一空間11と天井裏である第二空間12とを区画する区画体の一例である。第二空間12は、通常時には閉塞された状態の閉塞空間である。このため、第二空間12は、掃除が施されにくく、埃などが溜まりやすい空間である。
【0013】
照明装置100は、天井板10に設けられた開口13に対して嵌め込まれ固定されている。照明装置100における光照射面101は、天井板10の表面(第一空間11側の主面)から露出した状態となっている。また、照明装置100の大部分は、第二空間12内に配置されている。
【0014】
次に、照明装置100の構成について説明する。照明装置100は、筐体110と、光源部120と、画像素子130と、冷却機構140と、吸気ダクト150と、排気ダクト160とを備えている。
【0015】
筐体110は、光源部120と、冷却機構140と、画像素子130と、吸気ダクト150と、排気ダクト160と、を収容している。筐体110は、例えば略直方体状の樹脂製あるいは金属製のケースである。筐体110は、その一面が光照射面101であり、当該光照射面101から光を照射する。具体的には、光照射面101の一部には投影レンズ111が埋め込まれており、投影レンズ111から光(図1における二点鎖線参照)が下方に向けて照射される。投影レンズ111からの光の照射方向は、光照射面101に対して交差した方向であればよい。
【0016】
また、光照射面101の一部には吸気口102及び排気口103が形成されている。具体的には、吸気口102と排気口103とは断面視において投影レンズ111を挟むように配置されている。吸気口102及び排気口103は、第一空間11に対して対向した位置に配置されている。
【0017】
吸気口102は、交換自在な第一フィルタ104によって全体が覆われている。排気口103は、交換自在な第二フィルタ105によって全体が覆われている。筐体110は、吸気口102及び排気口103以外の部分が密閉されており、吸気口102及び排気口103以外の部分からは、筐体110の内部と外部とが通気できないようになっている。
【0018】
第一フィルタ104は、集塵フィルタであり、吸気口102から筐体110内に侵入しようとする埃、油を除去する。第二フィルタ105は、集塵フィルタであり、排気口103から筐体110内に侵入しようとする埃、油を除去する。
【0019】
光源部120は、画像素子130に対して光を照射する装置である。光源部120に備わる光源としては、例えば水銀ランプ、LED(Light Emitting Diode)、LD(Laser Diode)などが挙げられる。いずれの光源においても、光照射時においては熱源となり、高温となる。光源部120は、赤色光、青色光、緑色光をそれぞれ発する複数の光源を有していてもよい。また、光源部120は、一つの色光の光源のみを有し、当該光源が発した色光を異なる色光へと波長変換するための蛍光体ホイールを有していてもよい。
【0020】
画像素子130は、光源部120からの光により投影画像を形成する素子である。画像素子130としては、透過型液晶素子、反射型液晶素子、DMD(Digital Micromirror Device)などが挙げられる。図1においては、画像素子130は、反射型液晶素子またはDMDを想定して図示している。画像素子130においても、駆動時においては熱源となり、高温となる。
【0021】
なお、本実施の形態では、図示していないが筐体110内には、光源部120から照射された光を画像素子130まで案内する光学系、画像素子130で反射された光を投影レンズ111まで案内する光学系が設けられている。
【0022】
冷却機構140は、筐体110内の熱源(光源部120及び画像素子130など)を冷却するための機構である。具体的には、冷却機構140は、第一ファン141と、第二ファン142とを備えている。第一ファン141は、筐体110内において吸気口102の近傍に配置されている。第一ファン141は、回転駆動することによって、第一空間11内の空気を吸気口102から筐体110内に引き込む。第二ファン142は、筐体110内において排気口103の近傍に配置されている。第二ファン142は、回転駆動することによって、筐体110内の空気を排気口103から第一空間11に向けて排出する。図1において、第一ファン141と第二ファン142とが駆動することで筐体110内に発生する気流は、破線矢印で示されている。この気流に沿って、光源部120及び画像素子130が配置されているので、冷却機構140が生成した一つの気流だけで光源部120及び画像素子130を効率的に冷却することができる。特に、発熱量の大きい光源部120が画像素子130よりも上流側に配置されているので、第一空間11から取り込んだばかりの空気で光源部120を効率的に冷却することができる。
【0023】
吸気ダクト150は、筐体110内に配置された例えば金属製または樹脂製のダクトである。吸気ダクト150は、冷却機構140により発生された気流を吸気口102から光源部120まで案内する。具体的には、吸気ダクト150の一端部は、吸気口102の近傍で、当該吸気口102を囲むように配置されており、他端部は光源部120の近傍に配置されている。吸気ダクト150内には、第一ファン141が収容されている。これにより、第一ファン141が駆動することにより発生した気流を吸気ダクト150内で確実に通過させることができる。
【0024】
排気ダクト160は、筐体110内に配置された例えば金属製または樹脂製のダクトである。排気ダクト160は、冷却機構140により発生された気流を排気口103まで案内する。具体的には、排気ダクト160の一端部は、熱源である画像素子130の近傍に配置されており、他端部は排気口103の近傍で、当該排気口103を囲むように配置されている。排気ダクト160内には、第二ファン142が収容されている。これにより、第二ファン142が駆動することにより発生した気流を排気ダクト160内で確実に通過させることができる。
【0025】
図2は、実施の形態に係る照明装置の制御構成を示すブロック図である。図2に示すように、照明装置100は、光源部120、画像素子130及び冷却機構140を制御する制御部170を備えている。制御部170は、CPU、ROM、RAMなどを備えており、CPUが、ROMに格納されたプログラムを読み込み、RAMに展開することで、様々な処理が実行される。ROMには、予め画像素子130が形成する画像の画像データが記憶されている。なお、制御部170は、通信部190を介して、例えばスマートフォン、PC、リモコンなどの外部機器から画像データを取得してもよい。
【0026】
制御部170は、電源がONとなると、光源部120、画像素子130、第一ファン141及び第二ファン142を駆動させる。これにより、照明装置100の直下においては、投影レンズ111から光が第一空間11に向けて照射される。また、筐体110内においては、吸気口102から排気口103まで気流が発生し、光源部120及び画像素子130が冷却される。なお、制御部170が搭載された回路基板、電源基板などの他の熱源も、冷却機構140を起因とした気流の流路に配置しておけば、他の熱源も効率的に冷却することが可能である。
【0027】
[効果など]
以上のように、本実施の形態によれば、第一空間11と、当該第一空間11とは別の第二空間12とを区画する天井板10(区画体)に対して埋め込まれる照明装置100であって、光源部120と、光源部120を冷却するための気流を発生させる冷却機構140と、光源部120及び冷却機構140を収容し、第二空間12内に配置された状態で、第一空間11に対して光源部120からの光を出射させるように天井板10に取り付けられた筐体110と、を備え、筐体110は、冷却機構140により発生された気流で外気を吸気する吸気口102と、当該気流を排気する排気口103とを有し、吸気口102は、第一空間11に対向する位置に配置されている。
【0028】
これによれば、吸気口102が第一空間11に対向する位置に配置されているので、第一空間11から吸気口102を介して筐体110内に外気を取り込むことができる。第一空間11は、第二空間12よりも清潔な空間であるので、筐体110内に埃が取り込まれにくい。このように、照明装置100が天井板10に埋め込まれたとしても、閉塞空間である第二空間12からの埃の吸引を抑えることができる。したがって、長期的に照明装置100の品質を維持することが可能となる。
【0029】
また、閉塞空間である第二空間12は、季節によっては高温化している場合もある。例えば、第二空間12が天井裏である場合には、夏場には60℃~70℃となる建物環境も存在する。しかし、本実施の形態のように、吸気口102が第一空間11に対向する位置に配置されていれば、第二空間12よりも高温化していない第一空間11から空気を筐体110内に取り込むことができ、効率的に冷却を行うことが可能である。
【0030】
また、排気口103は、第一空間11に対向する位置であって吸気口102とは別の位置に配置されている。
【0031】
これによれば、排気口103が第一空間11に対向する位置に配置されているので、筐体110内の熱源により暖められた空気を第一空間11に排気することができる。これにより、排気によって第二空間12に熱がこもることを抑制することができる。また、排気口103が第一空間11に対向する位置に配置されていることで、停止時などの気流が発生していない場合においても、第二空間12の埃が排気口103に侵入することを防止することができる。
【0032】
また、照明装置100は、吸気口102を覆う第一フィルタ104を有する。
【0033】
これによれば、吸気口102が第一フィルタ104により覆われているので、埃や油が吸気口102から吸引されようとしたとしても、当該埃を第一フィルタ104で除去することができる。したがって、筐体110内に侵入する埃をより抑制することができ、より長期的に照明装置100の品質を維持することができる。
【0034】
また、照明装置100は、排気口103を覆う第二フィルタ105を有する。
【0035】
これによれば、排気口103が第二フィルタ105により覆われているので、埃や油が排気口103から侵入しようとしたとしても、当該埃を第二フィルタ105で除去することができる。したがって、筐体110内に侵入する埃をより抑制することができ、より長期的に照明装置100の品質を維持することができる。
【0036】
また、照明装置100は、筐体110内に配置され、光源部120からの光を起因として画像を形成するための画像素子130を有する。
【0037】
これによれば、画像素子130が、光源部120からの光を起因として画像を形成するので、多様な形態の照明光を実現することができる。また、駆動時においては画像素子130も熱源となるが、筐体110内には冷却機構140により気流が発生しているので、画像素子130も冷却することが可能である。前述したように筐体110内には埃が侵入しにくい構造であるため、画像素子130に対しても埃が付着しにくい。したがって、画像素子130の品質も長期的に維持することができる。
【0038】
また、照明装置100は、筐体110内に配置され、冷却機構140により発生された気流を吸気口102から光源部120まで案内する吸気ダクト150を有する。
【0039】
これによれば、吸気ダクト150が、冷却機構140からの気流を吸気口102から光源部120まで案内するので、光源部120をスムーズに冷却することができる。したがって、冷却効率をより高めることができ、照明装置100の品質をより長期的に維持することができる。
【0040】
また、照明装置100は、筐体110内に配置され、冷却機構140により発生された気流を排気口103まで案内する排気ダクト160を有する。
【0041】
これによれば、排気ダクト160が、冷却機構140からの気流を排気口103まで案内するので、温まった空気をスムーズに筐体110の外部に排出することができる。このため、筐体110内に熱がこもりにくくなり、結果として冷却効率をより高めることができる。したがって、照明装置100の品質をより長期的に維持することができる。
【0042】
[変形例1]
次に、変形例1について説明する。変形例1は、冷却機構により発生された気流を第二空間に向けて排気する第二排気口が筐体に設けられている点で、上記実施の形態とは異なる。以下の説明において、上記実施の形態に係る照明装置100と同一の部分においては、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0043】
図3は、変形例1に係る照明装置の概略構成を示す断面図である。図3に示すように、照明装置100Aの筐体110aには、第二空間12に対向する位置に第二排気口107が設けられている。具体的には、第二排気口107は、筐体110aにおける光照射面101とは反対側の面であって、排気口103に対向する位置に配置されている。なお、第二排気口107は、第二空間12に対向する位置であれば、筐体110aの如何なる部分に配置されていてもよい。第二排気口107は、交換自在な第三フィルタ108によって全体が覆われている。
【0044】
また、照明装置100Aは、第二排気ダクト180を有している。第二排気ダクト180は、筐体110内に配置された例えば金属製または樹脂製のダクトである。第二排気ダクト180は、冷却機構140により発生された気流を第二排気口107まで案内する。具体的には、第二排気ダクト180の一端部は、熱源である画像素子130の近傍に配置されており、他端部は第二排気口107の近傍で、当該第二排気口107を囲むように配置されている。第二排気ダクト180の一端部は、排気ダクト160の一端部の近傍に配置されている。第二排気ダクト180の一端部と、排気ダクト160の一端部との上流側に第二ファン142が配置されている。これにより、第二ファン142で発生した気流は、排気ダクト160と第二排気ダクト180とに分流されて、それぞれ排気口103と第二排気口107とから筐体110a外に排気される。
【0045】
このように、筐体110aは、冷却機構140により発生された気流を第二空間12に向けて排気する第二排気口107を有する。
【0046】
これによれば、第二排気口107から第二空間12に向けて排気されるので、暖められた空気で第二空間12内を換気することが可能である。このため、第二空間12内の湿度を下げることができる。つまり、照明装置100の熱源を冷却しながらも、閉塞空間である第二空間12の湿度を下げることができ、建物の結露なども抑制することが可能である。建物の結露が低減されれば、その結露を起因とした照明装置100Aの故障なども抑制することができる。したがって、照明装置100Aの品質を長期的に維持することができる。
【0047】
また、照明装置100Aは、第二排気口107を覆う第三フィルタ108を有する
これによれば、第二排気口107が第三フィルタ108により覆われているので、埃が第二排気口107から侵入しようとしたとしても、当該埃を第三フィルタ108で除去することができる。したがって、筐体110a内に侵入する埃をより抑制することができ、より長期的に照明装置100の品質を維持することができる。
【0048】
[変形例2]
次に、変形例2について説明する。変形例2は、変形例1に係る照明装置100Aから排気口103と排気ダクト160とが取り除かれた点で、変形例1とは異なる。以下の説明において、変形例1に係る照明装置100Aと同一の部分においては、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0049】
図4は、変形例2に係る照明装置の概略構成を示す断面図である。図4に示すように、照明装置100Bの筐体110bには、第二空間12に対向する位置に第二排気口107が設けられているが、第一空間11に対向する位置には排気口は設けられていない。また、第二ファン142は、第二排気ダクト180内に収容されている。このため、第二ファン142が駆動することにより発生した気流を第二排気ダクト180内で確実に通過させることができる。
【0050】
ここで、第二排気口107が熱源よりも上方に設けられているので、不具合などで第二ファン142が駆動しなかったとしても、対流によってスムーズに排気を行うことができる。また、変形例2の場合には、筐体110b内の全ての気流が第二排気口107から排出されるので、閉塞空間である第二空間12に対する換気効果をより高めることができる。
【0051】
[変形例3]
次に、変形例3について説明する。変形例3は、照明装置が壁板に取り付けられている点で、実施の形態とは異なる。以下の説明において、上記実施の形態に係る照明装置100と同一の部分においては、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0052】
図5は、変形例3に係る照明装置の概略構成を示す断面図である。図5に示すように、変形例3に係る照明装置100Cは、建物内の壁板10cに対して取り付けられている。壁板10cは、建物の居住空間である第一空間11と、壁の内部空間である第二空間12cとを区画する区画体の一例である。第二空間12cは、通常時には閉塞された状態の閉塞空間である。このため、第二空間12cは、掃除が施されにくく、埃などが溜まりやすい空間である。
【0053】
照明装置100Cは、壁板10cに設けられた開口13cに対して嵌め込まれ固定されている。照明装置100Cにおける光照射面101は、壁板10cの表面(第一空間11側の主面)から露出した状態となっている。また、照明装置100Cの大部分は、第二空間12c内に配置されている。
【0054】
壁板10cに取り付けられた照明装置100Cでは、制御部170の制御によって、光源部120、画像素子130、第一ファン141及び第二ファン142が駆動されると、照明装置100の側方においては、投影レンズ111から光が第一空間11に向けて照射される。また、筐体110内においては、吸気口102から排気口103まで気流が発生し、光源部120及び画像素子130が冷却される。ここで、吸気口102が第一空間11に対向する位置に配置されているので、第一空間11から吸気口102を介して筐体110内に外気を取り込むことができる。第一空間11は、第二空間12よりも清潔な空間であるので、筐体110内に埃が取り込まれにくい。このように、照明装置100Cが壁板10cに埋め込まれたとしても、閉塞空間である第二空間12cからの埃の吸引を抑えることができる。したがって、長期的に照明装置100Cの品質を維持することが可能となる。
【0055】
また、その他の点についても、変形例3に係る照明装置100Cでは、上記実施の形態の照明装置100と同等の作用効果を奏することができる。
【0056】
[変形例4]
次に、変形例4について説明する。変形例4は、照明装置が床板に取り付けられている点で、実施の形態とは異なる。以下の説明において、上記実施の形態に係る照明装置100と同一の部分においては、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0057】
図6は、変形例4に係る照明装置の概略構成を示す断面図である。図6に示すように、変形例4に係る照明装置100Dは、建物内の床板10dに対して取り付けられている。床板10dは、建物の居住空間である第一空間11と、床下である第二空間12dとを区画する区画体の一例である。第二空間12dは、通常時には閉塞された状態の閉塞空間である。このため、第二空間12dは、掃除が施されにくく、埃などが溜まりやすい空間である。
【0058】
照明装置100Dは、床板10dに設けられた開口13dに対して嵌め込まれ固定されている。照明装置100Dにおける光照射面101は、床板10dの表面(第一空間11側の主面)から露出した状態となっている。また、照明装置100Dの大部分は、第二空間12d内に配置されている。
【0059】
床板10dに取り付けられた照明装置100Dでは、制御部170の制御によって、光源部120、画像素子130、第一ファン141及び第二ファン142が駆動されると、照明装置100の上方においては、投影レンズ111から光が第一空間11に向けて照射される。また、筐体110内においては、吸気口102から排気口103まで気流が発生し、光源部120及び画像素子130が冷却される。ここで、吸気口102が第一空間11に対向する位置に配置されているので、第一空間11から吸気口102を介して筐体110内に外気を取り込むことができる。第一空間11は、第二空間12よりも清潔な空間であるので、筐体110内に埃が取り込まれにくい。このように、照明装置100Dが床板10dに埋め込まれたとしても、閉塞空間である第二空間12dからの埃の吸引を抑えることができる。したがって、長期的に照明装置100Dの品質を維持することが可能となる。
【0060】
また、その他の点についても、変形例4に係る照明装置100Dでは、上記実施の形態の照明装置100と同等の作用効果を奏することができる。
【0061】
なお、照明装置100Dを床板10dに取り付ける場合には、床板10dにこぼれた液体が吸気口102及び排気口103内に侵入しないように、吸気口102及び排気口103の全体を遮水通気シートで覆ってもよい。また、床板10d上を歩く人やペットから保護するために、吸気口102及び排気口103の全体を、複数の貫通孔を有する剛性のメッシュ体で覆ってもよい。
【0062】
[その他]
以上、本発明に係る照明装置について、上記実施の形態及び各変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態及び各変形例に限定されるものではない。例えば、本発明は、上記実施の形態及び各変形例を組み合わせて得られた構成であってもよい。
【0063】
上記実施の形態では、画像素子130を備えた照明装置100を例示したが、照明装置は画像素子を備えていなくてもよい。
【0064】
また、上記実施の形態では、第一フィルタ104及び第二フィルタ105を備えた照明装置100を例示したが、照明装置は、第一フィルタ及び第二フィルタの少なくとも一方を備えていなくてもよい。
【0065】
また、上記実施の形態では、吸気ダクト150及び排気ダクト160を備えた照明装置100を例示したが、照明装置は、吸気ダクト150及び排気ダクト160の少なくとも一方を備えていなくてもよい。
【0066】
また、上記実施の形態では、冷却機構140が第一ファン141及び第二ファン142を備えている場合を例示したが、冷却機構が備えるファンは少なくとも1つであればよい。一つだけファンを設ける場合にはおいては、当該ファンを排気口側に配置することがよい。
【0067】
また、上記実施の形態では、天井板10に設けられた開口13に対して照明装置100が嵌め込まれている場合を例示した。照明装置は、天井板上に載置されていてもよい。この場合、天井板に対して、投影レンズ、吸気口及び排気口を露出させる開口部を形成すればよい。
【0068】
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0069】
10 天井板(区画体)
10c 壁板(区画体)
10d 床板(区画体)
11 第一空間
12、12c、12d 第二空間
100、100A、100B、100C、100D 照明装置
102 吸気口
103 排気口
104 第一フィルタ
105 第二フィルタ
107 第二排気口
108 第三フィルタ
110、110a、110b 筐体
120 光源部
130 画像素子
140 冷却機構
141 第一ファン
142 第二ファン
150 吸気ダクト
160 排気ダクト
180 第二排気ダクト
図1
図2
図3
図4
図5
図6