(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-08
(45)【発行日】2023-06-16
(54)【発明の名称】スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
H01H 9/02 20060101AFI20230609BHJP
H01H 36/00 20060101ALI20230609BHJP
【FI】
H01H9/02 N
H01H36/00 J
(21)【出願番号】P 2018013021
(22)【出願日】2018-01-29
【審査請求日】2020-09-25
【審判番号】
【審判請求日】2022-05-30
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】宮本 賢吾
(72)【発明者】
【氏名】中村 将之
【合議体】
【審判長】平田 信勝
【審判官】小川 恭司
【審判官】岡本 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-130688(JP,A)
【文献】特許第5323226(JP,B1)
【文献】特開2010-251076(JP,A)
【文献】特開2013-30415(JP,A)
【文献】特開平3-143739(JP,A)
【文献】特開2014-120208(JP,A)
【文献】特開2017-210053(JP,A)
【文献】特開平5-174979(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/00 - 9/28
H01H 13/00 - 13/88
H01H 36/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の照明器具を制御するための入力を受け付ける操作部と、前記複数の照明器具を制御する制御部と、を備え、建物の壁に設置されるスイッチ装置であって、
前記スイッチ装置は、1連用の取付枠の開口に設けられ、
前記操作部は、前記スイッチ装置が前記取付枠の開口に設けられた場合に露出する操作面を有し、さらに、前記複数の照明器具のうち1以上の照明器具を選択する入力を受け付ける選択入力部、および、前記照明器具の作動状態を変更する入力を受け付ける作動入力部を有し、
前記選択入力部および前記作動入力部は、タッチパネルで構成され、かつ、同一の前記操作面上に設けられ、
前記選択入力部は、水平方向に沿うタッチ入力を受け付けることで前記照明器具を選択する入力を受け付け、
前記作動入力部は、垂直方向に沿うタッチ入力を受け付けることで前記作動状態を変更する入力を受け付け、
前記制御部は、前記選択入力部にて受け付けた入力に基づいて前記1以上の照明器具を選択し、前記作動入力部にて受け付けた入力に基づいて、選択された前記1以上の照明器具の作動状態を制御し、
さらに、前記制御部は、
前記水平方向に沿うタッチ入力を前記選択入力部を介して受け付けるごとに、前記複数の照明器具の中からまだ選択されていない照明器具を順に選択し、
前記複数の照明器具の全ての選択を順に終えた後、さらに、前記水平方向に沿うタッチ入力を前記選択入力部を介して受け付けると前記複数の照明器具の全てを選択し、
さらに、前記制御部は、
前記照明器具が消灯している状態にて、前記垂直方向に沿う上向きのタッチ入力を前記作動入力部を介して受け付けた場合に、前記上向きのタッチ入力のタッチの移動距離が第1の距離であるときに前記照明器具を50%点灯させ、当該タッチの移動距離が前記第1の距離
の倍であるときに、前記照明器具を100%点灯させ、
前記照明器具が100%点灯している状態にて、前記垂直方向に沿う下向きのタッチ入力を前記作動入力部を介して受け付けた場合に、前記下向きのタッチ入力のタッチの移動距離が第2の距離であるときに前記照明器具を50%点灯させ、当該タッチの移動距離が前記第2の距離
の倍であるときに、前記照明器具を消灯させる
スイッチ装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記水平方向に沿うタッチ入力を前記選択入力部を介して受け付けると、前記複数の照明器具のうちの1つの照明器具を選択し、
前記水平方向に沿うタッチ入力を前記選択入力部を介してさらに受け付けると、前記1つの照明器具と異なる他の照明器具を選択し、
前記水平方向に沿うタッチ入力を前記選択入力部を介してさらに受け付けて前記複数の照明器具の全ての選択を順に終えた後、さらに、前記水平方向に沿うタッチ入力を前記選択入力部を介して受け付けると前記複数の照明器具の全てを選択する
請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記操作部は、前記操作面に垂直な方向から見た場合に、長方形状である
請求項
1または2に記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記複数の照明器具に1対1で接続する複数のスイッチ素子部を備え、前記選択入力部で受け付けた入力に基づいて、前記複数のスイッチ素子部のうち1以上の前記スイッチ素子部を選択し、前記作動入力部で受け付けた入力に基づいて、選択された前記スイッチ素子部を制御する
請求項
1~3のいずれか1項に記載のスイッチ装置。
【請求項5】
前記スイッチ素子部は、電界効果トランジスタを含む
請求項
4に記載のスイッチ装置。
【請求項6】
前記制御部は、位相制御によって前記照明器具の作動状態を制御する
請求項
1~5のいずれか1項に記載のスイッチ装置。
【請求項7】
選択された前記1以上の照明器具を示す、または、前記1以上の照明器具の作動状態を示す報知部をさらに備え、
前記制御部は、前記操作部で受け付けた入力に基づいて、前記報知部を作動させる
請求項
1~6のいずれか1項に記載のスイッチ装置。
【請求項8】
前記操作面には、前記複数の照明器具に対応する複数のマークが設けられ、
前記操作面に設けられた前記複数のマークの裏面には、複数のLEDライトが設けられ、
前記制御部は、前記選択入力部にて受け付けた入力に基づいて前記複数のLEDライトのうちの1つを点灯させる
請求項
1~7のいずれか1項に記載のスイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷を制御するためのスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明器具などの負荷を制御するためのスイッチ装置が知られている。この種のスイッチ装置の一例として、特許文献1には、規格化されたサイズに対応した1連用の取付枠を用いて建物の壁に取り付けられるスイッチ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたスイッチ装置では、制御対象である負荷と、その負荷を制御するためのスイッチ装置とが1対1で対応している。そのため、例えば複数の負荷を制御する場合は、多連用の取付枠に複数のスイッチ装置を設ける必要があり、壁における複数のスイッチ装置の占有面積が大きくなる。
【0005】
そこで、本発明は、1連用の取付枠に設けられるスイッチ装置で、複数の負荷を制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のスイッチ装置の一態様は、複数の照明器具を制御するための入力を受け付ける操作部と、前記複数の照明器具を制御する制御部と、を備え、建物の壁に設置されるスイッチ装置であって、前記スイッチ装置は、1連用の取付枠の開口に設けられ、前記操作部は、前記スイッチ装置が前記取付枠の開口に設けられた場合に露出する操作面を有し、さらに、前記複数の照明器具のうち1以上の照明器具を選択する入力を受け付ける選択入力部、および、前記照明器具の作動状態を変更する入力を受け付ける作動入力部を有し、前記選択入力部および前記作動入力部は、タッチパネルで構成され、かつ、同一の前記操作面上に設けられ、前記選択入力部は、水平方向に沿うタッチ入力を受け付けることで前記照明器具を選択する入力を受け付け、前記作動入力部は、垂直方向に沿うタッチ入力を受け付けることで前記作動状態を変更する入力を受け付け、前記制御部は、前記選択入力部にて受け付けた入力に基づいて前記1以上の照明器具を選択し、前記作動入力部にて受け付けた入力に基づいて、選択された前記1以上の照明器具の作動状態を制御し、さらに、前記制御部は、前記水平方向に沿うタッチ入力を前記選択入力部を介して受け付けるごとに、前記複数の照明器具の中からまだ選択されていない照明器具を順に選択し、前記複数の照明器具の全ての選択を順に終えた後、さらに、前記水平方向に沿うタッチ入力を前記選択入力部を介して受け付けると前記複数の照明器具の全てを選択し、さらに、前記制御部は、前記照明器具が消灯している状態にて、前記垂直方向に沿う上向きのタッチ入力を前記作動入力部を介して受け付けた場合に、前記上向きのタッチ入力のタッチの移動距離が第1の距離であるときに前記照明器具を50%点灯させ、当該タッチの移動距離が前記第1の距離の倍であるときに、前記照明器具を100%点灯させ、前記照明器具が100%点灯している状態にて、前記垂直方向に沿う下向きのタッチ入力を前記作動入力部を介して受け付けた場合に、前記下向きのタッチ入力のタッチの移動距離が第2の距離であるときに前記照明器具を50%点灯させ、当該タッチの移動距離が前記第2の距離の倍であるときに、前記照明器具を消灯させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、1連用の取付枠に設けられるスイッチ装置で、複数の負荷を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】実施の形態に係るスイッチ装置を含む負荷制御システムを示す概略ブロック図である。
【
図1B】実施の形態に係るスイッチ装置のスイッチ素子部を示す回路図である。
【
図2】実施の形態に係るスイッチ装置および取付枠が造営材に取り付けられる様子を示す図である。
【
図3】実施の形態に係るスイッチ装置および取付枠を示す図である。
【
図4A】実施の形態に係るスイッチ装置の操作部の一例を示す図である。
【
図4B】実施の形態に係るスイッチ装置の操作部の他の一例を示す図である。
【
図5】実施の形態の変形例に係るスイッチ装置の操作部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0010】
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する。
【0011】
(実施の形態)
まず、実施の形態に係るスイッチ装置1を含む負荷制御システム2について説明する。
【0012】
図1Aは、スイッチ装置1を含む負荷制御システム2を示すブロック図である。
図2は、スイッチ装置1および取付枠8が造営材9に取り付けられる様子を示す図である。
図3は、スイッチ装置1および取付枠8を示す図である。なお、
図2では、取付枠8を覆うプレート枠および化粧プレートの記載を省略している。
【0013】
図1Aに示すように、負荷制御システム2は、複数の負荷L1、L2、L3と、1つのスイッチ装置1とを備えている。スイッチ装置1は、共通の端子tcと、それぞれ異なる3つの端子t1、t2、t3とを有している。各負荷L1~L3は、配線を介してAC電源に接続されている。AC電源は、配線を介して共通の端子tcに接続されている。また、負荷L1は、配線を介して端子t1に接続され、負荷L2は、配線を介して端子t2に接続され、負荷L3は、配線を介して端子t3に接続されている。
【0014】
各負荷L1~L3は、例えば、シーリングライトまたはダウンライトなどの照明器具であり、建物の造営材である天井に設置される。各負荷L1~L3は、照明器具に限られず、送風機であってもよい。負荷の数は3に限られず、2以上であってもよい。
【0015】
スイッチ装置1は、各負荷L1~L3を制御するための装置である。スイッチ装置1は、
図2に示すように、建物の造営材9の一例である壁に設置される。具体的には、造営材9の開口9aに、1連用の取付枠8が締結部材等を用いて取り付けられ、スイッチ装置1は、取付枠8の開口8aに挿入された状態、すなわち取付枠8に収納された状態で、取付枠8に固定される。
【0016】
なお、造営材9の開口9aは、長方形状であり、規格化された収納サイズを有している。1連用の場合、造営材9の開口9aの寸法は、例えば垂直方向が90mmまたは95mmであり、水平方向が51mmである(JIS C 8304参照)。1連用の取付枠8は、この規格化された収納サイズに取り付けられる。なお、2連用の場合、造営材9の開口9aの寸法は、垂直方向が90mmまたは95mmであり、水平方向が97mmである。
【0017】
次に、スイッチ装置1の各構成について説明する。
【0018】
図1Aに示すように、スイッチ装置1は、各負荷L1~L3を制御するための入力を受け付ける操作部10と、各負荷L1~L3を制御する制御部20と、報知部30とを備えている。操作部10および報知部30のそれぞれは、制御部20に接続されている。
【0019】
操作部10は、ユーザから、負荷L1~L3を制御するための所定の操作入力を受け付ける部分であり、選択入力部11および作動入力部12を有している。
【0020】
選択入力部11は、負荷L1~L3のうち1以上の負荷を選択する入力を受け付ける。選択される1以上の負荷は、例えば、1つの負荷L1であってもよいし、2つの負荷L1、L2であってもよいし、全ての負荷L1~L3であってもよい。作動入力部12は、選択入力部11にて選択された1以上の負荷の作動状態を変更する入力を受け付ける。例えば、各負荷L1~L3が照明器具である場合、作動入力部12は、照明器具の調光に関する作動状態を変更する入力を受け付ける。
【0021】
操作部10は、例えば、静電容量式のタッチパネルTPを有している。また操作部10は、
図3に示すように、スイッチ装置1が取付枠8の開口8aに設けられた場合に露出する操作面10aを有している。操作面10aは、スイッチ装置1が取付枠8に設けられた場合に、垂直方向に沿って配置される。前述した選択入力部11および作動入力部12は、同一の操作面10a上に設けられる。
【0022】
制御部20は、選択入力部11にて受け付けた入力に基づいて上記1以上の負荷を選択する。また、制御部20は、作動入力部12にて受け付けた入力に基づいて、選択された上記1以上の負荷の作動状態を制御する。すなわち制御部20は、作動入力部12にて受け付けた負荷の作動状態の変更入力に基づいて、負荷の作動状態を変更し、かつ、変更後の作動状態を維持するように負荷を制御する。
【0023】
制御部20は、スイッチ制御部21と、スイッチ制御部21に接続される複数のスイッチ素子部22a、22b、22cとを有している。なお、
図1Aには示していないが、制御部20は、電源回路部、記憶部および所定のプログラムを有している。
【0024】
各スイッチ素子部22a~22cは、各負荷L1~L3に1対1で接続される。具体的には、スイッチ素子部22aの一端側は端子tcに接続され、他端側は端子t1に接続される。スイッチ素子部22bの一端側は端子tcに接続され、他端側は端子t2に接続される。スイッチ素子部22cの一端側は端子tcに接続され、他端側は端子t3に接続される。
【0025】
スイッチ制御部21は、選択入力部11で受け付けた入力に基づいて、スイッチ素子部22a~22cのうち、これから作動変更すべきである1以上のスイッチ素子部(例えばスイッチ素子部22a)を選択する。また、スイッチ制御部21は、作動入力部12で受け付けた入力に基づいて、選択されたスイッチ素子部22aを制御する。
【0026】
図1Bは、スイッチ装置1のスイッチ素子部22aを示す図である。ここでは、スイッチ素子部22a~22cのうち、スイッチ素子部22aを代表例に挙げて説明する。
【0027】
スイッチ素子部22aは、互いに直列接続されたトランジスタTr1、Tr2、および、トランジスタTr1に並列接続されたダイオードd1、トランジスタTr2に並列接続されたダイオードd2を有している。トランジスタTr1のドレイン側は、前述した端子tcに接続され、ソース側は、トランジスタTr2のソース側に接続されている。トランジスタTr2のドレイン側は、前述した端子t1に接続されている。トランジスタTr1、Tr2の各ゲートは、スイッチ制御部21に接続されている。ダイオードd1のアノードは、トランジスタTr1のソース側に接続され、カソードは、トランジスタTr1のドレイン側に接続されている。ダイオードd2のアノードは、トランジスタTr2のソース側に接続され、カソードは、トランジスタTr2のドレイン側に接続されている。
【0028】
スイッチ制御部21は、スイッチ素子部22a~22cにおける各トランジスタTr1、Tr2の作動を制御することで、負荷L1~L3の作動状態を制御する。具体的には、スイッチ制御部21は、逆位相制御によって、負荷L1~L3の作動状態を制御する。なお、スイッチ制御部21による負荷L1~L3の制御方式は、逆位相制御に限られず、順位相制御であってもよいし、PWM(Pulse Width Modulation)制御であってもよい。
【0029】
報知部30は、選択入力部11によって選択された負荷をユーザに報知する部分である。報知部30は、例えば、光を出力するLEDライトであり、操作面10a上に記されたマーク(番号)の裏面に設けられている。報知部30は、LEDライトに限られず、音を出力するスピーカであってもよい。制御部20は、操作部10で受け付けた入力に基づいて、報知部30を作動させ、作動変更の対象となっている負荷をユーザに知らせる。
【0030】
ここで、
図4Aおよび
図4Bを参照しながら、スイッチ装置1を用いた操作方法について説明する。
図4Aは、スイッチ装置1の操作部10の一例を示す図である。
図4Bは、スイッチ装置1の操作部10の他の一例を示す図である。
【0031】
操作部10は、操作面10aに垂直な方向から見た場合に、長方形状であり、前述した垂直方向と同じ方向である長手方向LDに延びる辺と、水平方向と同じ方向である短手方向SDに延びる辺とを有している。
【0032】
選択入力部11は、
図4Aに示すように、操作部10の短手方向SDに沿うタッチ入力を受け付けることで負荷L1~L3を選択する入力を受け付ける。例えば、負荷L1が選択されている場面で、操作面10aに触れたユーザの指を短手方向SDのプラス側に1回移動させると、負荷L2が選択される。さらに、指を短手方向SDのプラス側に1回移動させると、負荷L3が選択される。さらに、指を短手方向SDのプラス側に1回移動させると、全ての負荷L1~L3が選択される。
【0033】
また、負荷L1~L3が選択されている場面で、操作面10aに触れたユーザの指を短手方向SDのマイナス側に1回移動させると、負荷L3が選択される。さらに、指を短手方向SDのマイナス側に1回移動させると、負荷L2が選択される。さらに、指を短手方向SDのマイナス側に1回移動させると、負荷L1が選択される。
【0034】
作動入力部12は、
図4Bに示すように、操作部10の長手方向LDに沿うタッチ入力を受け付けることで、選択入力部11によって選択された負荷の作動状態を変更する入力を受け付ける。なお、
図4Bでは、選択入力部11によって負荷L1が選択され、負荷L1に対応するマーク(番号1)が点灯している状態が示されている。
【0035】
負荷L1が選択された状態で、操作面10aに触れたユーザの指を長手方向LDのプラス側またはマイナス側に移動させることで、負荷L1の作動状態が変更される。例えば、照明器具である負荷L1が消灯している場面で、指を長手方向LDのプラス側に25mm移動させると照明器具が50%点灯となり、50mm移動させると照明器具が100%点灯となる。また、照明器具である負荷L1が100%点灯している場面で、指を長手方向LDのマイナス側に25mm移動させると照明器具が50%点灯となり、50mm移動させると照明器具が消灯する。このように作動入力部12は、指の移動に合わせて負荷L1の作動状態が段階的に変化するようにまたは連続的に変化するように、作動状態を変更する入力を受け付ける。
【0036】
以上、本実施の形態に係るスイッチ装置1は、複数の負荷L1~L3を制御するための入力を受け付ける操作部10と、複数の負荷L1~L3を制御する制御部20と、を備える。スイッチ装置1は、1連用の取付枠8の開口8aに設けられる。操作部10は、複数の負荷L1~L3のうち1以上の負荷を選択する入力を受け付ける選択入力部11、および、負荷L1~L3の作動状態を変更する入力を受け付ける作動入力部12を有する。制御部20は、選択入力部11にて受け付けた入力に基づいて上記1以上の負荷を選択し、作動入力部12にて受け付けた入力に基づいて、選択された上記1以上の負荷の作動状態を制御する。
【0037】
これによれば、1連用の取付枠8に設けられたスイッチ装置1で、複数の負荷L1~L3を制御することができる。すなわち、多連用の装置に比べて小さなサイズのスイッチ装置1にて、複数の負荷L1~L2を制御することができる。
【0038】
また、複数の負荷L1~L3のそれぞれは、照明器具であり、作動入力部12は、照明器具の調光に関する作動状態を変更する入力を受け付けてもよい。
【0039】
これによれば、1連用の取付枠8に設けられたスイッチ装置1で、複数の照明器具の調光を制御することができる。
【0040】
また、作動入力部12は、1以上の負荷(例えば負荷L1)の作動状態が段階的に変化するようにまたは連続的に変化するように、作動状態を変更する入力を受け付けてもよい。
【0041】
これによれば、負荷L1の作動状態をスムーズに、または、ユーザにとって違和感なく変更することができる。
【0042】
また、操作部10は、スイッチ装置1が取付枠8の開口8aに設けられた場合に露出する操作面10aを有し、選択入力部11および作動入力部12は、同一の操作面10a上に設けられていてもよい。
【0043】
これによれば、選択入力部11および作動入力部12を同じ操作面10a側から入力することができるので、スイッチ操作の利便性を向上することができる。
【0044】
また、操作部10は、操作面10aに垂直な方向から見た場合に、長方形状であり、選択入力部11および作動入力部12は、タッチパネルTPで構成されていてもよい。
【0045】
これによれば、選択入力部11および作動入力部12に入力する際の操作性を向上することができる。
【0046】
また、選択入力部11は、操作部10の短手方向SDに沿うタッチ入力を受け付けることで負荷L1~L3を選択する入力を受け付け、作動入力部12は、操作部10の長手方向LDに沿うタッチ入力を受け付けることで作動状態を変更する入力を受け付けてもよい。
【0047】
これによれば、選択入力部11および作動入力部12に入力する際の操作性を向上することができる。
【0048】
また、制御部20は、複数の負荷L1~L3に1対1で接続する複数のスイッチ素子部22a~22cを備え、選択入力部11で受け付けた入力に基づいて、複数のスイッチ素子部22a~22cのうち1以上のスイッチ素子部(例えばスイッチ素子部22a)を選択し、作動入力部12で受け付けた入力に基づいて、選択されたスイッチ素子部22aを制御してもよい。
【0049】
これによれば、各負荷L1~L3を確実に選択し、また、選択された負荷L1~L3を個別に作動制御することができる。
【0050】
また、スイッチ素子部(例えばスイッチ素子部22a)は、電界効果トランジスタを含んでいてもよい。
【0051】
これによれば、例えばスイッチ素子部22aがトライアックで構成されている場合に比べて、スイッチ素子部22aに流れる電流を小さくすることができる。これにより、スイッチ装置1内部における発熱を低減することができる。
【0052】
また、制御部20は、位相制御によって負荷L1~L3の作動状態を制御してもよい。
【0053】
これによれば、負荷L1~L3をスムーズに作動させることができる。
【0054】
(実施の形態の変形例)
次に、実施の形態の変形例に係るスイッチ装置1について説明する。変形例に係るスイッチ装置1は、操作部10がプッシュスイッチとなっている点で、上記実施の形態と異なる。
図5は、変形例に係るスイッチ装置1の操作部10を示す図である。
【0055】
変形例の操作部10は、スイッチ装置1が取付枠8の開口8aに設けられた場合に露出する操作面10aを有している。操作部10は、操作面10aに垂直な方向から見た場合に、長方形状である。
【0056】
選択入力部11および作動入力部12は、同一の操作面10a上に設けられている。選択入力部11は、操作部10の短手方向SDに並ぶ複数の第1プッシュスイッチp1、p2、p3で構成され、作動入力部12は、操作部10の長手方向LDに並ぶ複数の第2プッシュスイッチp4、p5で構成されている。
【0057】
選択入力部11は、第1プッシュスイッチp1~p3による入力を受け付けることで負荷L1~L3を選択する入力を受け付ける。第1プッシュスイッチp1~p3は、自己保持型の押圧スイッチであり、例えば、第1プッシュスイッチp1が押圧されると、負荷L1が選択される。また、負荷L1が選択された状態で、第1プッシュスイッチp1が押圧されると、負荷L1の選択が解除される。また、全ての第1プッシュスイッチp1~p3が押圧されると、全ての負荷L1~L3が選択される。
【0058】
作動入力部12は、第2プッシュスイッチp4、p5による入力を受け付けることで、選択された負荷の作動状態を変更する入力を受け付ける。例えば、照明器具である負荷L1が消灯している場面で、第2プッシュスイッチp4が1回押圧されると照明器具が50%点灯となり、さらに1回押圧されると照明器具が100%点灯となる。また、照明器具である負荷L1が100%点灯している場面で、第2プッシュスイッチp5が1回押圧されると照明器具が50%点灯となり、さらに1回押圧されると照明器具が消灯する。このように作動入力部12は、押圧操作に合わせて負荷L1の作動状態が段階的に変化するように、作動状態を変更する入力を受け付ける。
【0059】
報知部30は、選択された負荷の作動状態をユーザに報知する部分である。報知部30は、例えばインジケータランプであり、操作面10a上に設けられる。報知部30は、インジケータランプに限られず、音を出力するスピーカであってもよい。制御部20は、操作部10で受け付けた入力に基づいて、報知部30を作動させ、作動変更の対象となっている負荷の作動状態をユーザに知らせる。
【0060】
このように、変形例のスイッチ装置1においても、1連用の取付枠8に設けられたスイッチ装置1で、複数の負荷L1~L3を制御することができる。すなわち、多連用の装置に比べて小さなサイズのスイッチ装置1にて、複数の負荷L1~L3を制御することができる。
【0061】
また、変形例のスイッチ装置1の操作部10は、操作面10aに垂直な方向から見た場合に、長方形状である。選択入力部11は、操作部10の短手方向SDに並ぶ複数の第1プッシュスイッチp1~p3で構成され、作動入力部12は、操作部10の長手方向LDに並ぶ複数の第2プッシュスイッチp4、p5で構成されている。
【0062】
これによれば、選択入力部11および作動入力部12に入力する際の操作性を向上することができる。
【0063】
また、実施の形態1または変形例のスイッチ装置1は、選択された1以上の負荷(例えば負荷L1)を示す、または、1以上の負荷L1の作動状態を示す報知部30をさらに備え、制御部20は、操作部10で受け付けた入力に基づいて、報知部30を作動させる。
【0064】
これによれば、ユーザが、現在選択されている負荷L1、または、選択された負荷L1の作動状態を的確に把握することができる。
【0065】
(その他の形態)
以上、スイッチ装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【0066】
上記実施の形態では、各負荷L1~L3に対して位相制御を行う場合の一例として、2線式の負荷制御システム2(
図1A参照)が示されているが、それに限られず、3線式の負荷制御システムであってもよい。
【0067】
また、スイッチ素子部22aの一例として、複数の電界効果トランジスタを用いた例が示されているが、それに限られず、スイッチ素子部22aはトライアックで構成されていてもよい。
【0068】
また、実施の形態の操作部10の一例として、静電容量式のタッチパネルを用いた例が示されているが、それに限られず、抵抗膜式、赤外線式、電磁誘導式のタッチパネルであってもよい。
【0069】
また、実施の形態における操作入力の一例として、タッチ入力で操作入力する例が示されているが、それに限られない。例えば、操作部10がマイクを備えている場合は、音声入力によって、選択入力部および作動入力部への操作入力を行ってもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 スイッチ装置
2 負荷制御システム
8 取付枠
8a 開口
10 操作部
10a 操作面
11 選択入力部
12 作動入力部
20 制御部
22a、22b、22c スイッチ素子部
30 報知部
L1、L2、L3 負荷
LD 長手方向
p1、p2、p3 第1プッシュスイッチ
p4、p5 第2プッシュスイッチ
SD 短手方向
TP タッチパネル