(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-08
(45)【発行日】2023-06-16
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20230609BHJP
H04N 25/70 20230101ALI20230609BHJP
【FI】
H01L27/146 A
H01L27/146 E
H04N25/70
(21)【出願番号】P 2020554757
(86)(22)【出願日】2019-06-26
(86)【国際出願番号】 JP2019025285
(87)【国際公開番号】W WO2020090150
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2022-01-26
(31)【優先権主張番号】P 2018203932
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107641
【氏名又は名称】鎌田 耕一
(74)【代理人】
【識別番号】100202201
【氏名又は名称】兒島 淳一郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 好弘
(72)【発明者】
【氏名】村上 雅史
【審査官】柴山 将隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-127265(JP,A)
【文献】特開2016-197617(JP,A)
【文献】特開2014-146820(JP,A)
【文献】特開2012-019166(JP,A)
【文献】特開2005-228956(JP,A)
【文献】国際公開第2017/169478(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H04N 25/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、光電変換を行う第1画素と、静電シールドとして機能する第1シールドと、を備え、
前記第1画素は、
前記半導体基板内に存在する第1拡散領域と、
前記第1拡散領域に接続された第1配線であって、前記第1画素による前記光電変換で得られた第1信号電荷が流れる第1配線と、
前記第1配線を経由して前記第1信号電荷が流入するゲートを含む第1トランジスタと、
前記第1トランジスタのドレインまたはソースへの電圧供給経路の少なくとも一部を構成する第1電圧線であって、互いに異なる電圧が印加される第1電圧線と、
を含み、
前記第1電圧線と前記第1シールドとの間の距離は、前記第1電圧線と前記第1配線との間の距離よりも小さ
く、
前記第1シールドの少なくとも一部は、平面視において前記第1配線と前記第1電圧線との間に位置する、
撮像装置。
【請求項2】
半導体基板と、光電変換を行う第1画素と、光電変換を行う第2画素と、静電シールドとして機能する第1シールドと、を備え、
前記第1画素および前記第2画素は、互いに隣接しており、
前記第1画素は、
前記半導体基板内に存在する第1拡散領域と、
前記第1拡散領域に接続された第1配線であって、前記第1画素による前記光電変換で得られた第1信号電荷が流れる第1配線と、
を含み、
前記第2画素は、
前記第2画素による前記光電変換で得られた第2信号電荷が流入するゲートを含む第1トランジスタと、
前記第1トランジスタのドレインまたはソースへの電圧供給経路の少なくとも一部を構成する第1電圧線であって、互いに異なる電圧が印加される第1電圧線と、
を含み、
前記第1電圧線と前記第1シールドとの間の距離は、前記第1電圧線と前記第1配線との間の距離よりも小さ
く、
前記第1シールドの少なくとも一部は、平面視において前記第1配線と前記第1電圧線との間に位置する、
撮像装置。
【請求項3】
前記第1シールドの電圧が固定された状態で、前記第1電圧線の電圧が変更される、
請求項1または請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記半導体基板の厚さ方向に関する第1の位置に設けられた第1配線層をさらに備え、
前記第1電圧線は、前記第1配線層内に配置され、
前記第1シールドは、前記第1配線層内に配置され、
前記第1配線は、前記第1配線層内に位置する第1部分を含み、
平面視において、前記第1シールドは、前記第1部分と前記第1電圧線との間にある、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記半導体基板の厚さ方向に関する互いに異なる位置に設けられた第1配線層および第2配線層をさらに備え、
前記第1電圧線は、前記第1配線層内に配置され、
前記第1シールドは、前記第2配線層内に配置され、
前記第1配線は、前記第2配線層内に位置する第1部分を含み、
平面視において、前記第1シールドは、前記第1部分と前記第1電圧線との間にある、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項6】
静電シールドとして機能する第2シールドをさらに備え、
前記第1電圧線と前記第2シールドとの間の距離は、前記第1電圧線と前記第1配線との間の距離よりも小さ
く、
前記第2シールドの少なくとも一部は、平面視において前記第1配線と前記第1電圧線との間に位置する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記第1シールドと前記第1電圧線との間の距離は、前記第1シールドと前記第1配線との間の距離よりも小さい、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項8】
平面視において、前記第1電圧線と前記第1シールドとの間に、配線が存在しない、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記第1シールドは、第1シールド線を含み、
前記第1電圧線と前記第1シールド線との間の距離は、前記第1電圧線と前記第1配線との間の距離よりも小さい、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項10】
平面視において、前記第1シールド線は、前記第1電圧線の少なくとも一部と重なっている、
請求項9に記載の撮像装置
【請求項11】
平面視において、前記第1シールド線は、前記第1電圧線の全体と重なっている、
請求項10に記載の撮像装置。
【請求項12】
容量素子をさらに備え、
前記容量素子は、
一対の電極と、
前記一対の電極に挟まれた誘電体層と、
を含み、
前記第1シールドは、前記一対の電極の一方を含む、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記一対の電極の前記一方は、前記一対の電極の他方に比べて前記第1電圧線に近く、
前記一対の電極の前記一方と前記第1電圧線との間の距離は、前記第1配線と前記第1電圧線との間の距離よりも小さい、
請求項12に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記第1画素は、第1光電変換部をさらに備え、
前記第1光電変換部は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置された光電変換層と、を含み、
前記光電変換層は、入射光を前記第1信号電荷に変換し、
前記第1配線は、前記第2電極と前記第1拡散領域とを接続している、
請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記半導体基板の厚さ方向に関し、前記第1電圧線および前記第1シールドは、前記第1光電変換部と前記半導体基板との間の位置にある、
請求項14に記載の撮像装置。
【請求項16】
前記半導体基板の厚さ方向に関する互いに異なる位置に設けられた複数の配線層をさらに備え、
前記複数の配線層は、第1配線層を含み、
前記第1電圧線は、前記第1配線層に配置され、
前記第1配線層は、前記複数の配線層のうち前記第1光電変換部に最も近い層である、
請求項14または請求項15に記載の撮像装置。
【請求項17】
前記半導体基板の厚さ方向に関し、前記第2電極と、前記第1シールドと、前記第1電圧線と、前記半導体基板とは、この順に並んでいる、
請求項14から請求項16のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項18】
第3電極をさらに備え、
前記第3電極は、前記光電変換層からみて前記第2電極と同じ側に設けられており、
前記第3電極は、前記第2電極と電気的に分離されており、
前記第3電極は、前記第1シールドと電気的に接続されている、
請求項14から請求項17のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項19】
前記第1シールドと前記第1電圧線との間の距離は、
前記半導体基板の厚さ方向に関する前記第2電極と前記第1電圧線との間の距離よりも小さく、かつ、
平面視における前記第1電圧線と前記第1配線との間の距離よりも小さい、
請求項14から請求項18のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項20】
前記第1画素は、前記半導体基板内に存在する第1フォトダイオードを更に含み、
前記第1拡散領域は、第1フォトダイオードに含まれ、
前記第1フォトダイオードは、入射光を前記第1信号電荷に変換し、
前記第1配線は、前記第1トランジスタと前記第1拡散領域とを電気的に接続している、
請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項21】
前記第1画素は、前記半導体基板内に存在する第1フォトダイオードを更に含み、
前記第1拡散領域は、1つ又は複数のトランジスタを介して前記第1フォトダイオードに接続され、
前記第1フォトダイオードは、入射光を前記第1信号電荷に変換し、
前記第1配線は、前記第1トランジスタと前記第1拡散領域とを電気的に接続している、
請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項22】
半導体基板と、光電変換を行う第1画素と、静電シールドとして機能する第1シールドと、を備え、
前記第1画素は、
前記半導体基板内に存在する第1拡散領域と、
前記第1拡散領域に接続された第1配線であって、前記第1画素による前記光電変換で得られた信号電荷が流れる第1配線と、
第1トランジスタと、
前記第1トランジスタのゲートへの電圧供給経路の少なくとも一部を構成する第1電圧線であって、互いに異なる電圧が印加される第1電圧線と、
を含み、
前記第1電圧線と前記第1シールドとの間の距離は、前記第1電圧線と前記第1配線との間の距離よりも小さ
く、
前記第1シールドの少なくとも一部は、平面視において前記第1配線と前記第1電圧線との間に位置する、
撮像装置。
【請求項23】
半導体基板と、光電変換を行う第1画素と、光電変換を行う第2画素と、静電シールドとして機能する第1シールドと、を備え、
前記第1画素および前記第2画素は、互いに隣接しており、
前記第1画素は、
第1トランジスタと、
前記第1トランジスタのゲートへの電圧供給経路の少なくとも一部を構成する第1電圧線であって、互いに異なる電圧が印加される第1電圧線と、
を含み、
前記第2画素は、
前記半導体基板内に存在する第1拡散領域と、
前記第1拡散領域に接続された第1配線であって、前記第2画素による前記光電変換で得られた信号電荷が流れる第1配線と、
を含み、
前記第1電圧線と前記第1シールドとの間の距離は、前記第1電圧線と前記第1配線との間の距離よりも小さ
く、
前記第1シールドの少なくとも一部は、平面視において前記第1配線と前記第1電圧線との間に位置する、
撮像装置。
【請求項24】
前記第1電圧線に前記互いに異なる電圧を印加する電圧供給回路をさらに備えた請求項1から請求項23のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項25】
前記電圧供給回路は、前記第1シールドに固定電圧を印加した状態で、前記第1電圧線の電圧を変更する、請求項24に記載の撮像装置。
【請求項26】
前記第1シールドは、前記第1電圧線と前記第1配線との間の寄生容量を低減する請求項1から請求項25のいずれか一項に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラなどに、イメージセンサが用いられている。イメージセンサとしては、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサおよびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサが例示される。これらのイメージセンサでは、半導体基板に、フォトダイオードが設けられている。
【0003】
他方、特許文献1および2では、半導体基板と光電変換部との積層構造を有する撮像装置が提案されている。特許文献1および2の積層型の撮像装置では、光電変換部は、光電変換を行う光電変換層を有する。光電変換により、電荷が生成される。電荷は、電荷蓄積領域(「フローティングディフュージョン」と呼ばれる)に蓄積される。半導体基板には、CCD回路またはCMOS回路が設けられている。電荷蓄積領域に蓄積された電荷の量に応じた信号が、CCD回路またはCMOS回路を介して読み出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6108280号
【文献】特許第6124217号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ノイズを抑制する技術が要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、
半導体基板と、光電変換を行う第1画素と、第1シールドと、を備え、
前記第1画素は、
前記半導体基板内に存在する第1拡散領域と、
前記第1拡散領域に接続された第1配線であって、前記第1画素による前記光電変換で得られた第1信号電荷が流れる第1配線と、
前記第1配線を経由して前記第1信号電荷が流入するゲートを含む第1トランジスタと、
前記第1トランジスタのドレインまたはソースへの電圧供給経路の少なくとも一部を構成する第1電圧線であって、互いに異なる電圧が印加される第1電圧線と、
を含み、
前記第1電圧線と前記第1シールドとの間の距離は、前記第1電圧線と前記第1配線との間の距離よりも小さい、
撮像装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本開示は、ノイズを抑制する技術を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、撮像装置の例示的な回路構成を示す模式図である。
【
図2】
図2は、画素の例示的な回路構成を示す模式図である。
【
図3】
図3は、画素の例示的な回路構成を示す模式図である。
【
図4】
図4は、撮像装置の例示的な回路構成を示す模式図である。
【
図5】
図5は、読み出し回路の動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図6】
図6は、画素における各配線のレイアウトの一例を模式的に示す平面図である。
【
図7A】
図7Aは、画素における各配線のレイアウトの一例を模式的に示す平面図である。
【
図7B】
図7Bは、画素における各配線のレイアウトの一例を模式的に示す平面図である。
【
図8】
図8は、画素における各配線のレイアウトの一例を模式的に示す平面図である。
【
図9】
図9は、画素における断面の一例を模式的に示す断面図である。
【
図10】
図10は、画素における断面の一例を模式的に示す断面図である。
【
図11】
図11は、画素における断面の一例を模式的に示す断面図である。
【
図12】
図12は、画素における断面の一例を模式的に示す断面図である。
【
図14】
図14は、画素における断面の一例を模式的に示す断面図である。
【
図15】
図15は、撮像装置の例示的な回路構成を示す模式図である。
【
図16】
図16は、画素の例示的な回路構成を示す模式図である。
【
図17】
図17は、読み出し回路の動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図18】
図18は、画素における各配線のレイアウトの一例を模式的に示す平面図である。
【
図19】
図19は、画素における各配線のレイアウトの一例を模式的に示す平面図である。
【
図20】
図20は、画素における断面の一例を模式的に示す断面図である。
【
図21】
図21は、画素における断面の一例を模式的に示す断面図である。
【
図22】
図22は、画素における各配線のレイアウトの一例を模式的に示す平面図である。
【
図23】
図23は、画素における断面の一例を模式的に示す断面図である。
【
図24A】
図24Aは、画素における各配線のレイアウトの一例を模式的に示す平面図である。
【
図24B】
図24Bは、画素における各配線のレイアウトの一例を模式的に示す平面図である。
【
図25】
図25は、画素における断面の一例を模式的に示す断面図である。
【
図26】
図26は、画素における断面の一例を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本開示に係る一態様の概要)
本開示の第1態様に係る撮像装置は、
半導体基板と、第1画素と、第1シールドと、を備え、
前記第1画素は、
前記半導体基板に設けられた第1拡散領域と、
前記第1拡散領域に接続された第1配線であって、前記第1画素による光電変換で得られた第1信号電荷が流れる第1配線と、
前記第1信号電荷が流入するゲートを含む第1トランジスタと、
前記第1トランジスタのドレインまたはソースへの電圧供給経路の少なくとも一部を構成する第1電圧線であって、互いに異なる電圧が印加される第1電圧線と、
を含み、
前記第1電圧線と前記第1シールドとの間の距離は、前記第1電圧線と前記第1配線との間の距離よりも小さい。
【0010】
第1態様は、ノイズを抑制するのに適している。具体的には、第1態様の第1シールドは、第1電圧線が原因で第1配線にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0011】
本開示の第2態様に係る撮像装置は、
半導体基板と、第1画素と、第2画素と、第1シールドと、を備え、
前記第1画素および前記第2画素は、互いに隣接しており、
前記第1画素は、
前記半導体基板に設けられた第1拡散領域と、
前記第1拡散領域に接続された第1配線であって、前記第1画素による光電変換で得られた第1信号電荷が流れる第1配線と、
を含み、
前記第2画素は、
前記第2画素による光電変換で得られた第2信号電荷が流入するゲートを含む第1トランジスタと、
前記第1トランジスタのドレインまたはソースへの電圧供給経路の少なくとも一部を構成する第1電圧線であって、互いに異なる電圧が印加される第1電圧線と、
を含み、
前記第1電圧線と前記第1シールドとの間の距離は、前記第1電圧線と前記第1配線との間の距離よりも小さい。
【0012】
第2態様は、ノイズを抑制するのに適している。具体的には、第2態様の第1シールドは、第1電圧線が原因で第1配線にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0013】
本開示の第3態様において、例えば、第1態様または第2態様に係る撮像装置では、
前記第1シールドの電圧が固定された状態で、前記第1電圧線の電圧が変更されてもよい。
【0014】
第3態様の第1シールドは、第1電圧線が原因で第1配線にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0015】
本開示の第4態様において、例えば、第1から第3態様のいずれか1つに係る撮像装置は、前記半導体基板の厚さ方向に関する第1の位置に設けられた第1配線層をさらに備えていてもよく、
前記第1電圧線は、前記第1配線層に配置されていてもよく、
前記第1シールドは、前記第1配線層に配置されていてもよく、
前記第1配線は、前記第1配線層内に位置する第1部分を含んでいてもよく、
平面視において、前記第1シールドは、前記第1部分と前記第1電圧線との間にあってもよい。
【0016】
第1電圧線および第1シールドが、同じ配線層に配置されている場合がある。そのような場合において、第4態様の第1シールドは、上記ノイズ抑制効果を発揮し得る。
【0017】
本開示の第5態様において、例えば、第1から第3態様のいずれか1つに係る撮像装置は、前記半導体基板の厚さ方向に関する互いに異なる位置に設けられた第1配線層および第2配線層をさらに備えていてもよく、
前記第1電圧線は、前記第1配線層に配置されていてもよく、
前記第1シールドは、前記第2配線層に配置されていてもよく、
前記第1配線は、前記第2配線層内に位置する第1部分を含んでいてもよく、
平面視において、第1シールドは、前記第1部分と前記第1電圧線との間にあってもよい。
【0018】
第1電圧線および第1シールドが、互いに異なる配線層に配置されている場合がある。そのような場合において、第5態様の第1シールドは、上記ノイズ抑制効果を発揮し得る。
【0019】
本開示の第6態様において、例えば、第1から第5態様のいずれか1つに係る撮像装置は、第2シールドを備えていてもよく、
前記第1電圧線と前記第2シールドとの間の距離は、前記第1電圧線と前記第1配線との間の距離よりも小さくてもよい。
【0020】
第6態様の第2シールドは、第1電圧線が原因で第1配線にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0021】
本開示の第7態様において、例えば、第1から第6態様のいずれか1つに係る撮像装置では、
前記第1シールドと前記第1電圧線との間の距離は、前記第1シールドと前記第1配線との間の距離よりも小さくてもよい。
【0022】
第7態様の第1シールドは、第1電圧線が原因で第1配線にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0023】
本開示の第8態様において、例えば、第1から第7態様のいずれか1つに係る撮像装置では、
平面視において、前記第1電圧線と前記第1シールドとの間に、配線が存在しなくてもよい。
【0024】
第8態様の第1シールドは、第1電圧線が原因で第1配線にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0025】
本開示の第9態様において、例えば、第1から第8態様のいずれか1つに係る撮像装置では、
前記第1シールドは、第1シールド線を含んでいてもよく、
前記第1電圧線と前記第1シールド線との間の距離は、前記第1電圧線と前記第1配線との間の距離よりも小さくてもよい。
【0026】
第9態様の第1シールド線は、第1電圧線が原因で第1配線にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0027】
本開示の第10態様において、例えば、第1から第9態様のいずれか1つに係る撮像装置は、容量素子をさらに備えていてもよく、
前記容量素子は、
一対の電極と、
前記一対の電極に挟まれた誘電体層と、
を含んでいてもよく、
前記第1シールドは、前記一対の電極の一方を含んでいてもよい。
【0028】
第10態様の容量素子の電極は、上記ノイズ抑制のためのシールドとして作用し得る。
【0029】
本開示の第11態様において、例えば、第10態様に係る撮像装置では、
前記一対の電極の前記一方は、前記一対の電極の他方に比べて前記第1電圧線に近い近くてもよく、
前記一対の電極の前記一方と前記第1電圧線との間の距離は、前記第1配線と前記第1電圧線との間の距離よりも小さくてもよい。
【0030】
第11態様の一対の電極の一方は、第1電圧線が原因で第1配線にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0031】
本開示の第12態様において、例えば、第1から第11態様のいずれか1つに係る撮像装置は、第1光電変換部をさらに備えていてもよく、
前記第1光電変換部は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置された光電変換層と、を含んでいてもよく、
前記光電変換層は、入射光を前記第1信号電荷に変換してもよく、
前記第1配線は、前記第2電極と前記第1拡散領域とを接続していてもよい。
【0032】
第12態様の第1配線は、第1光電変換部から第1拡散領域へと信号電荷を流すのに適している。第12態様の第1電極および第2電極は、光電変換層に印加される電界を調整して光電変換層で生成される第1信号電荷の量を調整するのに適している。
【0033】
本開示の第13態様において、例えば、第12態様に係る撮像装置では、
前記半導体基板の厚さ方向に関し、前記第1電圧線および前記第1シールドは、前記第1光電変換部と前記半導体基板との間の位置にあってもよい。
【0034】
第13態様の第1電圧線および第1シールドの配置は、第12態様において採用され得る配置の一例である。
【0035】
本開示の第14態様において、例えば、第12態様または第13態様に係る撮像装置は、前記半導体基板の厚さ方向に関する互いに異なる位置に設けられた複数の配線層をさらに備えていてもよく、
前記複数の配線層は、第1配線層を含んでいてもよく、
前記第1電圧線は、前記第1配線層に配置されていてもよく、
前記複数の配線層のうち前記第1光電変換部に最も近い層を近位層と定義したとき、前記第1配線層は、前記近位層であってもよい。
【0036】
第14態様は、第1電圧線からみて第1光電変換部側に信号線および電源線を配置するのを回避するのに適している。このようにすれば、第1電圧線の電圧変動を考慮した設計が一部緩和され、配線が容易となる。
【0037】
本開示の第15態様において、例えば、第12から第14態様のいずれか1つに係る撮像装置では、
前記半導体基板の厚さ方向に関し、前記第2電極と、前記第1シールドと、前記第1電圧線と、前記半導体基板とは、この順に並んでいてもよい。
【0038】
第15態様の第1シールドは、第1電圧線が原因で第2電極にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0039】
本開示の第16態様において、例えば、第15態様に係る撮像装置では、
前記第1シールドは、第1シールド線を含んでいてもよく、
平面視において、前記第1シールド線は、前記第1電圧線の少なくとも一部と重なっていてもよい。
【0040】
第16態様のシールド線は、第1電圧線が原因で第2電極にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0041】
本開示の第17態様において、例えば、第16態様に係る撮像装置では、
平面視において、前記第1シールド線は、前記第1電圧線の全体と重なっていてもよい。
【0042】
第17態様のシールド線は、第1電圧線が原因で第2電極にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0043】
本開示の第18態様において、例えば、第12から第17態様のいずれか1つに係る撮像装置は、第3電極をさらに備えていてもよく、
前記第3電極は、前記光電変換層からみて前記第2電極と同じ側に設けられていてもよく、
前記第3電極は、前記第2電極と電気的に分離されていてもよく、
前記第3電極は、前記第1シールドと電気的に接続されていてもよい。
【0044】
第18態様の構成は、第3電極と第1シールドとが共通の電圧供給元を利用可能な構成の一例である。
【0045】
本開示の第19態様において、例えば、第12から第18態様のいずれか1つに係る撮像装置では、
前記第1シールドと前記第1電圧線との間の距離は、
前記半導体基板の厚さ方向に関する前記第2電極と前記第1電圧線との間の距離よりも小さく、かつ、
平面視における前記第1電圧線と前記第1配線との間の距離よりも小さくてもよい。
【0046】
第19態様の第1シールドは、第1電圧線が原因で第2電極にノイズが重畳されるのを抑制することと、第1電圧線が原因で第1配線にノイズが重畳されるのを抑制することと、に適している。
【0047】
本開示の第20態様において、例えば、第1から第11態様のいずれか1つに係る撮像装置では、
前記第1拡散領域と、前記半導体基板とによって、第1フォトダイオードが構成されていてもよく、
前記第1フォトダイオードは、入射光を前記第1信号電荷に変換してもよく、
前記第1配線は、前記第1トランジスタと前記第1拡散領域とを電気的に接続していてもよい。
【0048】
第20態様によれば、フォトダイオードを用いた撮像装置を実現できる。
【0049】
本開示の第21態様に係る撮像装置は、
半導体基板と、第1画素と、第1シールドと、を備え、
前記第1画素は、
前記半導体基板に設けられた第1拡散領域と、
前記第1拡散領域に接続された第1配線であって、前記第1画素による光電変換で得られた信号電荷が流れる第1配線と、
第1トランジスタと、
前記第1トランジスタのゲートに接続された第1電圧線であって、互いに異なる電圧が印加される第1電圧線と、
を含み、
前記第1電圧線と前記第1シールドとの間の距離は、前記第1電圧線と前記第1配線との間の距離よりも小さい。
【0050】
第21態様は、ノイズを抑制するのに適している。具体的には、第21態様の第1シールドは、第1電圧線が原因で第1配線にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0051】
本開示の第22態様は、
半導体基板と、第1画素と、第2画素と、第1シールドと、を備え、
前記第1画素および前記第2画素は、互いに隣接しており、
前記第1画素は、
第1トランジスタと、
前記第1トランジスタのゲートに接続された第1電圧線であって、互いに異なる電圧が印加される第1電圧線と、
を含み、
前記第2画素は、
前記半導体基板に設けられた第1拡散領域と、
前記第1拡散領域に接続された第1配線であって、前記第2画素による光電変換で得られた信号電荷が流れる第1配線と、
を含み、
前記第1電圧線と前記第1シールドとの間の距離は、前記第1電圧線と前記第1配線との間の距離よりも小さい。
【0052】
第22態様は、ノイズを抑制するのに適している。具体的には、第22態様の第1シールドは、第1電圧線が原因で第1配線にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0053】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、いずれも包括的または具体的な例を示す。以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。本明細書において説明される種々の態様は、矛盾が生じない限り互いに組み合わせることが可能である。また、以下の実施形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。
【0054】
本明細書では、2つの物体間の距離は、2つの物体を結ぶ最短の線分の長さを指す。
【0055】
本明細書では、FD配線およびシールド線という用語を用いることがある。FD配線は、ビアを含んでいてもよい要素を指す。シールド線は、ビアを含んでいてもよい要素を指す。また、本明細書では、ビアホールおよびその内部の導体をまとめて「ビア」と呼ぶ。
【0056】
本明細書では、第1、第2、第3・・・という序数詞を用いることがある。ある要素に序数詞が付されている場合に、より若番の同種類の要素が存在することは必須ではない。必要に応じて序数詞の番号を変更することができる。
【0057】
<1-1.撮像装置100の構造>
以下、第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る撮像装置100の構造を示す図である。
図1を参照しながら、撮像装置100の構造を説明する。
【0058】
以下に説明する例では、撮像装置100は、光電変換膜積層型の撮像装置である。撮像装置100では、光電変換膜が半導体基板の一方面側に積層された構成となっている。
【0059】
撮像装置100は、複数の画素101と、周辺回路と、を備える。
【0060】
複数の画素101により、画素領域が構成されている。本実施形態では、複数の画素101は、二次元状に配置されている。ただし、複数の画素101は、一次元に配列されていてもよい。その場合、撮像装置100は、ラインセンサである。
【0061】
図1の例では、複数の画素101は、行方向および列方向に配列されている。行方向は、行が延びる方向である。列方向は、列が延びる方向である。垂直方向が、列方向である。水平方向が、行方向である。
【0062】
撮像装置100は、制御信号線CON1、制御信号線CON2、制御信号線CON3と、出力信号線111と、電源線CON4と、電源線112と、を備える。制御信号線CON1、制御信号線CON2および制御信号線CON3は、行毎に配置されている。出力信号線111および電源線CON4は、列毎に配置されている。電源線112は、基準電圧Vpが印加され、全ての画素に基準電圧Vpを供給する。画素101の各々は、対応する列に対応して配置されている出力信号線111に接続されている。画素101の詳細な説明は後述する。
【0063】
周辺回路は、垂直走査回路102と、カラム信号処理回路103と、水平信号読み出し回路104と、定電流源105Aと、定電流源105Bとを含む。垂直走査回路102は、行走査回路とも呼ばれる。カラム信号処理回路103は、行信号蓄積回路とも呼ばれる。水平信号読み出し回路104は、列走査回路とも呼ばれる。
【0064】
カラム信号処理回路103、定電流源105Aおよび定電流源105Bは、例えば、二次元に配列された画素101の列毎に配置される。以下、周辺回路の構成の一例を説明する。
【0065】
垂直走査回路102は、制御信号線CON1と制御信号線CON2と制御信号線CON3とに接続されている。垂直走査回路102は、制御信号線CON1に所定の電圧を印加することにより、各行に配置された複数の画素101を行単位で選択する。これにより、選択された画素101の信号電圧の読み出しと、後述する画素電極のリセットとが実行される。
【0066】
各列に配置された画素101は、各列に対応した出力信号線111を介してカラム信号処理回路103に電気的に接続されている。カラム信号処理回路103は、相関二重サンプリングに代表される雑音抑圧信号処理およびアナログ-デジタル変換(AD変換)などを行う。
【0067】
複数の列に対応して設けられた複数のカラム信号処理回路103には、水平信号読み出し回路104が電気的に接続されている。水平信号読み出し回路104は、複数のカラム信号処理回路103から出力された信号を水平信号共通線113に順次読み出す。
【0068】
電源線CON4には、複数の値の電圧が印加される。例えば、これら複数の値の電圧は、図示しない電圧源により生成される。なお、この電圧源は、撮像装置100の内部に設けられていてもよいし、撮像装置100の外部に設けられていてもよい。
【0069】
図2は、本実施形態に係る撮像装置100内の画素101の例示的な構成を示す回路図である。画素101は、光電変換部121と、読み出し回路122とを含んでいる。
【0070】
光電変換部121は、光検出器である。光電変換部121は、光信号である入射光を電気信号である信号電荷に変換する。
【0071】
読み出し回路122は、光電変換部121により検出された電気信号を読み出す。読み出し回路122は、帯域制御部123と、電荷蓄積領域124と、選択トランジスタ125と、増幅トランジスタ126とを含んでいる。
【0072】
電荷蓄積領域124は、光電変換部121によって検出された信号電荷が蓄積される領域の一部を指す。具体的には、電荷蓄積領域124は、半導体基板に設けられた拡散領域に対応する。電荷蓄積領域124を、フローティングディフュージョン(FD)と呼ぶことができる。
【0073】
以下では、電荷蓄積部CSPという用語を用いることがある。電荷蓄積部CSPは、光電変換部121によって検出された信号電荷が蓄積される構成全体を指す。電荷蓄積部CSPは、電荷蓄積領域124を含む。
【0074】
例えば、光電変換部121は、第1電極と、第2電極と、光電変換膜とを有する。光電変換膜は、第1電極と第2電極との間に位置する。光電変換膜は、例えば、有機光電変換膜である。第1電極には基準電圧Vpが印加される。電荷蓄積領域124が第2電極に電気的に接続されている。これにより、光電変換部121で生成された信号電荷は電荷蓄積領域124に蓄積される。
【0075】
光電変換膜を有する光電変換部121を用いる場合において、信号電荷を電荷蓄積領域124に蓄積する方法を具体的に説明する。
【0076】
光電変換膜に光が入射すると、光電変換により電子-正孔対が発生する。第1電極と第2電極との間に電位差がある場合、発生した電子あるいは正孔の一方が、第2電極に移動する。例えば、第1電極に印加される基準電圧Vpが第2電極の電圧よりも高い場合には、正孔が第2電極に移動する。第2電極の電圧は、例えばリセット電圧である。正孔は配線を介して電荷蓄積領域124に移動する。これにより、正孔を信号電荷として利用することができる。
【0077】
電子を信号電荷として用いることもできる。
【0078】
他の一例では、
図3に示す画素101のように、光電変換部として、フォトダイオード127が用いられる。フォトダイオード127は、例えば基板表面に位置するn型拡散層と、基板内に位置し、n型拡散層に接するp型拡散層とを含む。フォトダイオード127のp型層にはグランド電位または基準電圧Vpが印加される。一具体例では、図示しない転送トランジスタを介してフォトダイオード127と電荷蓄積領域124とが電気的に接続され得る。この具体例は、後述の
図26の形態に対応する。この具体例では、フォトダイオード127で生成された信号電荷は、転送トランジスタを介して電荷蓄積領域124に転送され、蓄積される。ただし、
図25に示すように、転送トランジスタは必須ではない。光電変換部としてフォトダイオード127が用いられる場合については、
図25および26を参照して後述する。
【0079】
光電変換部として、光電変換機能を有する素子を広く利用することができる。
【0080】
再び
図2を参照する。電荷蓄積領域124は、配線層を介して光電変換部121と接続されている。電荷蓄積領域124は、増幅トランジスタ126のゲートに接続されている。増幅トランジスタ126は、電荷蓄積領域124に蓄積された信号電荷の量に対応した信号を帯域制御部123および選択トランジスタ125に出力する。
【0081】
帯域制御部123は、リセットトランジスタ131と、帯域制御トランジスタ132と、容量素子133と、容量素子134とを含んでいる。リセットトランジスタ131は、電荷蓄積領域124をリセットするために用いられる。帯域制御トランジスタ132は、電荷蓄積領域124から増幅トランジスタ126を通り帰還される帰還信号の帯域を制限するために用いられる。
【0082】
後述する「ノイズ抑制期間」において、電荷蓄積領域124から読み出された信号電荷は、増幅トランジスタ126によって増幅され、帯域制御トランジスタ132によって帯域制限をかけられた後に電荷蓄積領域124に帰還される。つまり、読み出し回路122は、増幅トランジスタ126から出力された、信号電荷の量に応じた信号を、電荷蓄積領域124に負帰還する帰還経路を有する。この帰還経路は、電荷蓄積領域124と、増幅トランジスタ126と、帯域制御トランジスタ132と、容量素子134とを含む。
【0083】
選択トランジスタ125は、少なくとも2つの画素101で共有される出力信号線111に接続されている。出力信号線111を共有する画素101は、同じ列に属していてもよい。出力信号線111は、全ての列に配置されていなくてもよい。例えば、複数の列に対して一本の出力信号線111が配置されており、複数の列で一本の出力信号線111を共有していてもよい。あるいは、1つの列に複数の出力信号線111が配置されていてもよい。例えば、
図4に示すように、1つの列に第1出力信号線111Aおよび第2出力信号線111Bが配置され、奇数行に位置する画素101の信号が第1出力信号線111Aに出力され、偶数行に位置する画素101の信号が第2出力信号線111Bに出力されてもよい。
【0084】
後述する「読み出し期間およびリセット読み出し期間」において、増幅トランジスタ126によって増幅された信号は、選択トランジスタ125を介して出力信号線111に出力される。この期間において、帰還経路は形成されない。「容量素子」は、電極の間に絶縁膜などの誘電体が挟まれた構造を意味する。また、「電極」は、金属から形成された電極に限定されず、ポリシリコン層などを広く含むように解釈される。本明細書における「電極」は、半導体基板の一部分であってもよい。
【0085】
<1-2.読出し回路122の動作>
読出し回路122の動作について説明する。なお、トランジスタのドレインおよびソースは、厳密には印加電圧により決定されるものであり、構造上区別できない場合がある。よって、本実施形態では、これらをドレインおよびソースの一方、または、ドレインおよびソースの他方と記す。また、便宜上、
図2における下側の端子をドレインおよびソースの一方と記し、上側の端子をドレインおよびソースの他方と記す。また、ドレインおよびソースは、それぞれ拡散領域で構成される。
【0086】
図2に示すように、増幅トランジスタ126のゲートには、電荷蓄積領域124が電気的に接続されている。増幅トランジスタ126のドレインおよびソースの他方は、帯域制御トランジスタ132のドレインおよびソースの他方と、選択トランジスタ125のドレインおよびソースの一方とに、電気的に接続されている。
【0087】
また、帯域制御トランジスタ132のドレインおよびソースの一方は、容量素子133の一端に電気的に接続されている。また、容量素子133の他端には基準電圧VR1が印加される。これにより、帯域制御トランジスタ132と容量素子133とによってRCフィルタ回路が形成される。
【0088】
帯域制御トランジスタ132のドレインおよびソースの一方は、さらに、容量素子134の一端と電気的に接続されている。また、容量素子134の他端は、電荷蓄積領域124に電気的に接続されている。
【0089】
帯域制御トランジスタ132のゲートには、制御信号線CON2が接続されている。制御信号線CON2の電圧により、帯域制御トランジスタ132のオン・オフが決定される。
【0090】
例えば、制御信号線CON2の電圧がハイレベルのとき、帯域制御トランジスタ132はオンする。その結果、電荷蓄積領域124と、増幅トランジスタ126と、帯域制御トランジスタ132と、容量素子134とによって、帰還経路が形成される。
【0091】
制御信号線CON2の電圧が低くなると、帯域制御トランジスタ132の抵抗成分が大きくなる。そのため、該抵抗成分と帰還経路における容量成分とによって定まるカットオフ周波数が低くなり、帰還する信号の周波数領域は狭くなる。
【0092】
帰還経路が形成されているとき、帯域制御トランジスタ132が出力する信号は、容量素子134および電荷蓄積領域124の寄生容量によって形成される減衰回路で減衰され、減衰された信号が電荷蓄積領域124に帰還される。容量素子134の容量をCc、電荷蓄積領域124の寄生容量をCfdとすると、減衰率Bは、Cc/(Cc+Cfd)で表される。
【0093】
制御信号線CON2の電圧がさらに低くなり、ローレベルになると、帯域制御トランジスタ132はオフする。この場合、帰還経路は形成されない。
【0094】
電荷蓄積領域124は、さらに、リセットトランジスタ131のドレインおよびソースの一方に電気的に接続されている。リセットトランジスタ131のドレインおよびソースの一方は、電荷蓄積領域124として機能してもよい。つまり、リセットトランジスタ131のドレインおよびソースの一方は、電荷蓄積領域124であってもよい。リセットトランジスタ131のドレインおよびソースの他方は、ノード129に接続されている。ここで、ノードは、電気回路における複数の要素間の電気的な接続部を意味し、該要素間の電気的な接続を担う配線などを含む概念である。
【0095】
リセットトランジスタ131のゲートには、制御信号線CON3が接続されている。制御信号線CON3の電圧により、リセットトランジスタ131の状態が決定される。例えば、制御信号線CON3の電圧がハイレベルのとき、リセットトランジスタ131はオンする。これにより、電荷蓄積領域124はノード129の電圧にリセットされる。
【0096】
選択トランジスタ125のソースまたはドレインの他方は、出力信号線111に接続されている。選択トランジスタ125のゲートは制御信号線CON1に接続されている。制御信号線CON1の電圧により選択トランジスタ125のオン・オフが決定される。例えば、制御信号線CON1の電圧がハイレベルのとき、選択トランジスタ125はオンする。これにより、増幅トランジスタ126と出力信号線111とは電気的に接続される。制御信号線CON1の電圧がローレベルのとき、選択トランジスタ125はオフする。その結果、選択トランジスタ125と出力信号線111とは電気的に分離される。
【0097】
増幅トランジスタ126のドレインおよびソースの一方には、電源線CON4が接続されている。電荷蓄積領域124がリセットされるリセット期間において、増幅トランジスタ126のドレインおよびソースの一方には、電源線CON4から電圧VA1が印加される。また、電荷蓄積領域124から電荷が読み出される読み出し期間において、増幅トランジスタ126のドレインおよびソースの一方には、電源線CON4から電圧VA2が印加される。電源線CON4に印加される電圧を制御することにより、増幅トランジスタ126のドレインおよびソースの一方に印加する電圧が、電圧VA1または電圧VA2に切り替えられる。
【0098】
例えば、電圧VA1は、GNDである。GNDは、接地電圧である。電圧VA2は、VDDである。VDDは、電源電圧である。
【0099】
電源線CON4と増幅トランジスタ126とを含む増幅回路は、画素101毎に設けられていてもよいし、複数の画素101で共有されていてもよい。増幅回路を複数の画素101で共有することで、1画素当りの素子数を削減できる。
【0100】
出力信号線111には、定電流源105Aまたは105Bが接続され得る。選択トランジスタ125がオンのとき、選択トランジスタ125、増幅トランジスタ126、および定電流源105Aまたは105Bによって、ソースフォロア回路が形成される。
【0101】
電荷蓄積領域124に蓄積された信号電荷に応じた信号は、出力信号線111に出力され、外部に読み出される。具体的には、後述するリセット期間およびノイズ抑制期間においては、定電流源105Aが出力信号線111に接続される。読み出し期間およびリセット読み出し期間においては、定電流源105Bが出力信号線111に接続される。
【0102】
次に、タイミングチャートを用いて読み出し回路122の動作を説明する。
図5は、読み出し回路122の動作の一例を示すタイミングチャートである。各グラフにおいて、横軸は時刻を示している。縦軸は、上から、制御信号線CON1の電圧レベル、制御信号線CON2の電圧レベル、制御信号線CON3の電圧レベル、および、電源線CON4の電圧レベルを、それぞれ示す。
【0103】
(露光期間)
時刻t0から時刻t1までが、露光期間に対応する。
【0104】
時刻t0から時刻t1までの期間では、制御信号線CON1の電圧がローレベルであるため、選択トランジスタ125はオフしている。また、この期間において、入射光に応じて生成された信号電荷が電荷蓄積領域124に蓄積される。
【0105】
(読み出し期間)
時刻t1から時刻t2までが、読み出し期間に対応する。
【0106】
時刻t1において制御信号線CON1の電圧がハイレベルになることで、選択トランジスタ125がオンする。また、電源線CON4の電圧レベルは電圧VA2(例えばVDD)である。この状態においては、増幅トランジスタ126と定電流源105Bとがソースフォロア回路を形成する。これにより、電荷蓄積領域124に蓄積された信号電荷に応じた信号が出力信号線111に出力される。このとき、ソースフォロア回路の増幅率は、例えば1倍程度である。
【0107】
(リセット期間)
時刻t2から時刻t3までが、リセット期間に対応する。
【0108】
時刻t2において制御信号線CON2の電圧がハイレベルになることで、帯域制御トランジスタ132がオンする。また、電源線CON4の電圧レベルが電圧VA1になり、増幅トランジスタ126のドレインおよびソースの一方に電圧VA1が印加される。電圧VA1は、例えばGNDである。さらに、制御信号線CON3の電圧がハイレベルになることでリセットトランジスタ131がオンする。これにより、電荷蓄積領域124の電圧は、電圧VA1にリセットされる。
【0109】
なお、電源線CON4には、抵抗成分がある。電源線CON4を電流が流れると、この抵抗成分により電圧降下が生じる。このため、厳密には、リセットトランジスタ131がオンすることにより、電荷蓄積領域124の電圧は、電圧VA1からずれた基準電圧にリセットされる。現実には他の配線においてもその抵抗成分による電圧降下は生じるが、説明の便宜上、そのような電圧降下の議論は割愛する。
【0110】
(ノイズ抑制期間)
時刻t3から時刻t4までが、ノイズ抑制期間に対応する。
【0111】
時刻t3において、制御信号線CON3の電圧がローレベルになることでリセットトランジスタ131がオフする。このとき、読み出し回路122は、-A×Bの増幅率で帰還経路を形成している。そのため、リセットトランジスタ131をオフしたときの電荷蓄積領域124のkTCノイズは、1/(1+A×B)倍に抑制される。ここで、Aは、増幅トランジスタ126の増幅率である。Bは、減衰率である。先に述べたように、減衰率は、B=Cc/(Cc+Cfd)で表される。Ccは、容量素子134の容量である。Cfdは、電荷蓄積領域124の寄生容量である。
【0112】
時刻t2から時刻t3までの期間においては、制御信号線CON2の電圧は、ハイレベルの電圧に設定される。これに対し、時刻t3から時刻t4の期間においては、制御信号線CON2の電圧は、ハイレベルとローレベルとの間のミドルレベルの電圧に設定される。このため、時刻t2から時刻t3までの期間に比べ、時刻t3から時刻t4の期間においては、帯域制御トランジスタ132の動作帯域が狭い。
【0113】
帯域制御トランジスタ132の動作帯域を狭くすることにより、ノイズ抑制効果は大きくなる。一方、そのようにすると、ノイズ抑制に必要な時間は長くなり、従って時刻t3から時刻t4までの時間として長い時間が必要となる。時刻t3から時刻t4までの時間として許容できる時間に応じて、設計者は、帯域制御トランジスタ132の動作帯域を任意に調整できる。以下、ノイズ抑制期間における帯域制御トランジスタ132の動作帯域を、増幅トランジスタ126の動作帯域よりも十分に低いものとして扱う。なお、ノイズ抑制期間における帯域制御トランジスタ132の動作帯域が増幅トランジスタ126の動作帯域より高くても、ノイズ抑制効果は得られる。
【0114】
ノイズ抑制期間における帯域制御トランジスタ132の動作帯域が増幅トランジスタ126の動作帯域よりも低い状態においては、帯域制御トランジスタ132で発生するkTCノイズは、1/(1+A×B)1/2倍に抑制される。
【0115】
この状態で時刻t4において制御信号線CON2の電圧がローレベルになると、帯域制御トランジスタ132がオフする。帯域制御トランジスタ132をオフした時に電荷蓄積領域124に残存するkTCノイズは、リセットトランジスタ131に起因したkTCノイズと、帯域制御トランジスタ132に起因したkTCノイズと、の二乗和平方根となる。
【0116】
容量素子133の容量をCsとする。この場合、帰還による抑制がない状態において発生する帯域制御トランジスタ132のkTCノイズは、帰還による抑制がない状態で発生するリセットトランジスタ131のkTCノイズに比べて(Cfd/Cs)1/2倍になる。この点を考慮すると、帰還がある場合のkTCノイズは、帰還がない場合に対して〔{1+(1+A×B)×Cfd/Cs}1/2/(1+A×B)〕倍に抑制される。
【0117】
(リセット読み出し期間)
時刻t4から時刻t5までが、リセット読み出し期間に対応する。
【0118】
時刻t4において、電源線CON4の電圧レベルが電圧VA2になる。電圧VA2は、例えばVDDである。これにより、増幅トランジスタ126のドレインおよびソースの一方に電圧VA2が印加される。この状態においては、増幅トランジスタ126と定電流源105Bとがソースフォロア回路を形成する。これにより、リセット電圧に応じた信号が出力信号線111に出力される。
【0119】
例えば、後段の回路において、このリセット読み出し期間に読み出された信号と、読み出し期間に読み出された信号との差分が算出される相関二重サンプリング処理が行われる。そして、得られた差分が画素信号として撮像装置100の外部に出力される。
【0120】
kTCノイズは、ランダムノイズに含まれる。ここで、ランダムノイズは、光電変換部121で変換される電気信号が0である時の出力の揺らぎを意味する。kTCノイズはノイズ抑制期間に〔{1+(1+A×B)×Cfd/Cs}1/2/(1+A×B)〕倍に抑制される。その結果、ランダムノイズが抑制された良好な画像データを取得することができる。
【0121】
容量素子133の容量Csは、容量素子134の容量Ccよりも大きいことが好ましい。
【0122】
通常、電荷蓄積領域124の容量を大きくすると、ランダムノイズは低減される。しかし、電荷蓄積領域124において電荷信号を電圧信号に変換する際、信号が小さくなってしまう。したがって、単純に電荷蓄積領域124自体の容量を大きくするだけでは、結果としてS/Nは改善されない。
【0123】
本実施形態では、電荷蓄積領域124と容量素子133との間に、容量素子134が介在されている。この介在により、電荷蓄積領域124と容量素子133とが電気的に分離されている。したがって、容量素子133の容量を大きくしても、電荷蓄積領域124における信号の低下は生じにくい。よって、信号の低下を抑制しつつ、ランダムノイズを効果的に抑制できる。これにより、S/Nを効果的に改善できる。
【0124】
本実施形態では、読み出し期間において、電荷蓄積領域124の信号はソースフォロア回路により読み出されるので、増幅率は1倍程度である。しかし、これに限定されるものではなく、設計者は、システムに必要なS/Nまたは回路レンジに応じて増幅率を変えてもよい。
【0125】
本実施形態によれば、ノイズキャンセルのための帰還を各画素内で行う。これにより、例えば、出力信号線111を介した帰還を行う場合に比べて、出力信号線111の時定数が与える影響を低減できる。よって、ノイズキャンセルを高速に行える。さらに、画素101内に配置する容量素子の容量を大きくすることにより、より大きなノイズ抑制効果が得られる。
【0126】
<1-3.寄生容量低減(シールド挿入)>
読出し回路122の動作についての上述の説明により理解されるように、電源線CON4の電圧は、読出し期間からリセット期間への遷移時に変動する。つまり、電源線CON4の電圧は、
図5の時刻t2において変動する。また、電源線CON4の電圧は、ノイズ抑制期間からリセット読出し期間への遷移時にも変動する。つまり、電源線CON4の電圧は、
図5の時刻t4において変動する。
【0127】
電源線CON4と電荷蓄積部CSPとの間には、寄生容量が生じることがある。この寄生容量の存在により、時刻t2および時刻t4における電源線CON4の電圧の電圧変動が、電荷蓄積部CSPの電圧を変動させ得る。
【0128】
これを踏まえ、本実施形態では、電源線CON4と電荷蓄積部CSPとの間の寄生容量を低減するためのシールドが設けられている。ここでのシールドは、導電体の電界の影響を遮断する静電シールドを意味する。シールドは導電性を有する材料を含み得る。シールドは所定の電位に保持される。
【0129】
図6は、
図1の構成における画素101のFD配線141、電源線CON4および第1シールド171のレイアウトの一例を模式的に示す平面図である。FD配線141は、電荷蓄積領域124に接続されている。FD配線141は、電荷蓄積部CSPに含まれる。
【0130】
第1シールド171の材料は、例えば、金属、ポリシリコン、半導体である。
【0131】
図6の例では、第1シールド171は、第1シールド線171Lを含む。第1シールド171は、シールド線171Lによって構成されていてもよい。ただし、第1シールド171は、非線状体によって構成されていてもよい。第1シールド171は、シールド線と非線状体とを含んでいてもよい。
【0132】
図6の例では、第1シールド171は、平面視において、FD配線141と電源線CON4との間に位置する。第1シールド171は、FD配線141よりも電源線CON4に近接している。平面視において、電源線CON4および第1シールド171の間には、配線は存在しない。
【0133】
この例では、平面視は、半導体基板に垂直な方向から観察することをいう。
【0134】
具体的には、第1シールド線171Lは、平面視において、FD配線141と電源線CON4との間に位置する。第1シールド線171Lは、FD配線141よりも電源線CON4に近接している。平面視において、電源線CON4および第1シールド線171Lの間には、配線は存在しない。
【0135】
電源線CON4は、列方向に延びている。ただし、電源線CON4は、行方向等の他の方向に延びていてもよい。
【0136】
第1シールド線171Lは、列方向に延びている。ただし、第1シールド線171Lは、行方向等の他の方向に延びていてもよい。
【0137】
非連続なパタンを、隣接する2つの画素101間または1つの画素101内に設けてもよい。そのような非連続なパタンの全部または一部は、シールドとして機能し得る。非連続なパタンは、複数の部分によって構成できる。
【0138】
複数の部分は、電気的に互いに分離されていてもよい。この場合、複数の部分に、互いに異なる電圧を印加することができる。一具体例では、複数の部分のそれぞれに所定の電圧を供給できるように、画素101内で、各部分が、対応する固定電圧の電圧源に接続される。
【0139】
複数の部分は、電気的に互いに接続されていてもよい。例えば、ある配線層に複数の部分を設け、その配線層に隣接する配線層の同一配線からこれら複数の部分に複数のビアを延ばすことができる。このようにすれば、複数の部分を電気的に接続することができる。
【0140】
上記複数の部分は、第1シールド171と第2シールド172とを含み得る。
図7Aおよび7Bに示す例では、上記複数の部分は、第1シールド線171Lと第2シールド線172Lとを含む。
【0141】
図7Aに示す例では、第1シールド線171Lと第2シールド線172Lとの間には、ギャップGが形成されている。第1シールド線171Lおよび第2シールド線172Lは、共通軸CX上を延びている。共通軸CXは、電源線CON4と平行に延びている。
【0142】
図7Bに示す例では、第1シールド線171Lと第2シールド線172Lは、共通軸上を延びていない。この例では、第1シールド線171Lは、電源線CON4の一部と平行に延びている。第2シールド線172Lは、電源線CON4の別の一部と平行に延びている。
【0143】
電源線CON4は、
図1に示すように全画素に対して共通に用いられる電源線であってもよい。この場合、電源線CON4は、少なくとも列方向に延びる配線部分を有する。例えば、電源線CON4は、画素領域内において列方向に延びる複数の配線部分を有する。配線部分は、列毎に設けられる。また、複数の配線部分は、画素領域外で電気的に互いに接続されている。
【0144】
上述の説明により理解されるように、電源線CON4の電圧は、読出し期間からリセット期間への遷移時に変動する。電源線CON4の電圧は、ノイズ抑制期間からリセット読出し期間への遷移時にも変動する。電源線CON4とFD配線141との間には寄生容量があるため、これらの電圧変動は、FD配線141に伝わることがある。しかし、
図6,7Aおよび7Bに例示する構成をとることにより、電源線CON4とFD配線141間の寄生容量を低減し、容量カップリングによるFD配線141の電圧変動を抑制できる。
【0145】
図8に例示する構成が用いられてもよい。
図8は、
図4の構成における画素101の電荷蓄積領域124、電源線CON4およびシールドのレイアウトの一例を模式的に示す平面図である。
【0146】
図8の例では、平面視において、FD配線141は、第1シールド171Aと、第1シールド171Bとの間に配置されている。具体的には、平面視において、FD配線141は、第1シールド線171LAと、第1シールド線171LBとの間に配置されている。
【0147】
図8の例では、平面視において、第1シールド171Aは、FD配線141と電源線CON4Aとの間に位置する。具体的には、平面視において、第1シールド線171LAは、FD配線141と電源線CON4Aとの間に位置する。
【0148】
図8の例では、平面視において、第1シールド171Bは、FD配線141と電源線CON4Bとの間に位置する。具体的には、平面視において、第1シールド線171LBは、FD配線141と電源線CON4Bとの間に位置する。
【0149】
第1シールド171Aと第1シールド171Bは、電気的に接続されていてもよく、電気的に分離されていてもよい。
【0150】
図4および
図8の例では、電源線CON4Aおよび電源線CON4Bは、同じ列に配置されている。電源線CON4Aおよび電源線CON4Bは、画素領域内において電気的に接続されていない。電源線CON4Aおよび電源線CON4Bは、互いに異なる画素101に接続されている。具体的には、電源線CON4Aは、ある画素101に含まれる増幅トランジスタ126のソースおよびドレインの一方に電気的に接続されている。電源線CON4Bは、別の画素101に含まれる増幅トランジスタ126のソースおよびドレインの一方に電気的に接続されている。例えば、電源線CON4Aは、奇数行に位置する画素101に含まれる増幅トランジスタ126のソースおよびドレインの一方に電気的に接続されており、電源線CON4Bは、偶数行に位置する画素101に含まれる増幅トランジスタ126のソースおよびドレインの一方に電気的に接続されていてもよい。
【0151】
別例では、電源線CON4Aおよび電源線CON4Bは、同じ列に配置されている。電源線CON4Aおよび電源線CON4Bは、画素領域内において電気的に接続されている。電源線CON4Aおよび電源線CON4Bは、同じ画素101に接続されている。具体的には、電源線CON4Aおよび電源線CON4Bは、ある画素101に含まれる増幅トランジスタ126のソースおよびドレインの一方に電気的に接続されている。
【0152】
電源線CON4Aが設けられており電源線CON4Bが設けられていない列Aと、電源線CON4Bが設けられており電源線CON4Aが設けられていない列Bと、が存在してもよい。列Aと列Bとが交互に並んでいてもよい。1つの列に対して設けられる電源線CON4の数は、1つであってもよく、複数であってもよい。
【0153】
例えば、同じ列において、画素101Aと、画素101Bと、が隣接しているとする。また、その列に対して電源線CON4Aと電源線CON4Bとが設けられているとする。画素101Aに電源線CON4Aが接続され、画素101Bに電源線CON4Bが接続され得る。このような状態において、
図8のように第1シールド171Aおよび第1シールド171Bを設ければ、画素101A内の素子と電源線CON4Bとの間の容量カップリングを抑制でき、画素101B内の素子と電源線CON4Aとの間の容量カップリングを抑制できる。これに関連する技術は、第6実施形態の
図24Bを用いた例において詳細に説明する。
【0154】
図9に、
図6のA0-A1線の断面を模式的に表す断面図を示す。
図10に、
図8のA0-A1線の断面を模式的に表す断面図を示す。図示の例では、光電変換部121および半導体基板151を含む積層構造が構成されている。ここでは、半導体基板151としてp型シリコン(Si)基板を用いる例を説明する。
【0155】
図示する例において、半導体基板151、層間絶縁層152、光電変換部121は、この順に並んでいる。層間絶縁層152は、層間絶縁層152A、152B、152Cおよび152Dを含む。層間絶縁層152A、152B、152Cおよび152Dは、この順に積層されている。
【0156】
図示する例において、光電変換部121は、第1電極153と光電変換層154と第2電極155とを含む。第1電極153と光電変換層154と第2電極155とは、この順に並んだ状態で積層されている。第1電極153は、光電変換層154の、被写体からの光が入射する側の面に設けられている。光電変換層154は、第1電極153と第2電極155との間に配置されている。典型的には、光電変換層154は、膜の形状を有する。光電変換層154は、例えば、有機光電変換膜である。光電変換層154は、アモルファスシリコン膜であってもよい。
【0157】
ある画素101の第2電極155とその画素101に隣接する画素101の第2電極155との間には、シールド電極156が設けられている。シールド電極156は、互いに隣接する画素101の境界で光電変換した電荷を排出し、混色特性を向上させる。シールド電極156には、固定電圧が供給され得る。
【0158】
図9の例では、シールド電極156には、配線159Cおよびビア159Dを介して電圧が印加され得る。具体的には、図示しない電源から配線159Cおよびビア159Dを介してシールド電極156に電圧が印加され得る。
【0159】
図9では図示が省略されているが、増幅トランジスタ126は、半導体基板151と光電変換部121との間に形成されている。FD配線141は、配線157A,157Bおよび157Cと、ビア158A,158B,158Cおよび158Dと、を含む。配線157A~157Cおよびビア158A~158Dは、層間絶縁層152内に配置されている。
【0160】
図9の例では、配線157A~157Cは、互いに異なる配線層に配置されている。具体的には、配線157Aは、配線層192Aに配置されている。配線157Bは、配線層192Bに配置されている。配線157Cは、配線層192Cに配置されている。
【0161】
図9の例では、第1シールド171と、電源線CON4と、配線157Bは、同じ配線層192Bに配置されている。電源線CON4と配線157Bとの間に第1シールド171が配置されている。これにより、FD配線141と電源線CON4との寄生容量による容量カップリングを抑制できる。
【0162】
図9の例では、具体的には、第1シールド線171Lと、電源線CON4と、配線157Bは、同じ配線層192Bに配置されている。電源線CON4と配線157Bとの間に第1シールド線171Lが配置されている。
【0163】
図10の例では、第1シールド171Aと、電源線CON4Aと、配線157Bは、同じ配線層192Bに配置されている。電源線CON4Aと配線157Bとの間に第1シールド171Aが配置されている。これにより、FD配線141と電源線CON4Aとの寄生容量による容量カップリングを抑制できる。
【0164】
図10の例では、具体的には、第1シールド線171LAと、電源線CON4Aと、配線157Bは、同じ配線層192Bに配置されている。電源線CON4Aと配線157Bとの間に第1シールド線171LAが配置されている。
【0165】
図10の例では、第1シールド171Bと、電源線CON4Bと、配線157Bは、同じ配線層192Bに配置されている。電源線CON4Bと配線157Bとの間に第1シールド171Bが配置されている。これにより、FD配線141と電源線CON4Bとの寄生容量による容量カップリングを抑制できる。
【0166】
図10の例では、具体的には、第1シールド線171LBと、電源線CON4Bと、配線157Bは、同じ配線層192Bに配置されている。電源線CON4Bと配線157Bとの間に第1シールド線171LBが配置されている。
【0167】
1つの電源線CON4が、複数の配線層をまたぐように配置されていてもよい。複数の配線層に、互いに異なる電源線CON4を配置してもよい。これらの場合、電源線CON4が存在する各配線層に第1シールド171(具体的には第1シールド線171L)を配置することによって、寄生容量を抑制できる。具体的には、上記各配線層において、本実施形態で説明したように第1シールド171を配置することによって、寄生容量を抑制できる。
【0168】
典型的には、第1シールド171には、画素の読出し期間において、変動しない電圧が供給される。ここで画素の読出し期間は、信号読出し期間、リセット期間、リセット読出し期間を含む。先に説明したとおり、信号読出し期間は、
図5の時刻t1からt2までの期間に対応する。リセット期間は、
図5の時刻t2からt3までの期間に対応する。リセット読出し期間は、
図5の時刻t4からt5までの期間に対応する。
【0169】
第1シールド171に電圧を供給する電圧源は、他の要素に電圧を供給する電圧源と共通していてもよい。このようにすれば、撮像装置100における電源数を削減できる。例えば、GND、電源電圧VDD、およびシールド電極156に印加する電圧のいずれかを、第1シールド171に供給できる。ただし、第1シールド171用の専用電源を用いても良い。
【0170】
図11は、
図6に示すA0-A1線の断面の変形例を模式的に示す断面図である。
【0171】
図11に示す例では、第1シールド171(具体的には第1シールド線171L)が、複数の配線層にまたがって配置されている点で
図9に示す例と異なる。具体的には、
図11では、第1シールド171が3つの配線層192A,192bおよび192Cに配置されている。ただし、第1シールド171は、2つの配線層にまたがって配置されていてもよく、4つ以上の配線層にまたがって配置されていてもよい。
【0172】
FD配線141は、電源線CON4が配置された配線層192Bとは異なる配線層192Aおよび192Cにも配置されている。この場合、
図11に示すように、第1シールド171(具体的には第1シールド線171L)を、配線層192B内のみならず配線層192Aおよび配線層192C内にも配置することが考えられる。このようにすることは、FD配線141の配線157Aと電源線CON4との間、および、FD配線141の配線157Cと電源線CON4との間の容量カップリングを抑制する観点から有利である。
【0173】
本実施形態の撮像装置100は、以下のように説明され得る。
【0174】
撮像装置100は、半導体基板151と、第1画素101と、第1シールド171と、を備える。第1画素101は、第1拡散領域124と、第1配線141と、第1トランジスタ126と、第1電圧線CON4と、を含む。第1拡散領域124は、半導体基板151に設けられている。第1配線141は、第1拡散領域124に接続されている。第1配線141では、第1画素101による光電変換で得られた第1信号電荷が流れる。第1トランジスタ126は、第1信号電荷が流入するゲートを含む。第1電圧線CON4は、第1信号電荷126のドレインまたはソースへの電圧供給経路の少なくとも一部を構成する。第1電圧線CON4には、互いに異なる電圧VA1およびVA2が印加される。第1電圧線CON4と第1シールド171との間の距離Daは、第1電圧線CON4と第1配線141との間の距離Ddよりも小さい。本実施形態は、ノイズを抑制するのに適している。具体的には、本実施形態の第1シールド171は、第1電圧線CON4が原因で第1配線141にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0175】
撮像装置100は、第1電圧線CON4に互いに異なる電圧を印加する電圧供給回路を備えていてもよい。本実施形態では、第1拡散領域124は、電荷蓄積領域124に対応する。第1配線141は、FD配線141に対応する。第1トランジスタ126は、増幅トランジスタ126に対応する。第1電圧線CON4は、電源線CON4に対応する。例えば、光電変換部121の光電変換で得られた第1信号電荷は、光電変換部121に接続された第1配線141を介して、第1拡散領域124および第1トランジスタ126のゲートに流入する。
【0176】
具体的には、距離Daは、第1画素101内に存する第1電圧線CON4と、第1シールド171と、の間の距離である。距離Ddは、第1画素101内に存する第1電圧線CON4と、第1画素101内に存する第1配線141と、の間の距離である。そして、距離Daは、距離Ddよりも小さい。このような構成に係る第1シールド171は、第1画素101内に存する第1電圧線CON4が原因で第1画素101に存する第1配線141にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0177】
具体的には、第1シールド171は、第1配線141と第1電圧線CON4との間の電気力線の少なくとも一部を遮蔽することができる。
【0178】
典型的には、互いに異なる電圧は、互いに異なる直流電圧である。
【0179】
図2の例では、第1電圧線CON4は、第1信号電荷126のドレインまたはソースと接続されている。
【0180】
第1シールド171は、第1画素101に含まれていてもよく、第1画素101に含まれていなくてもよい。
【0181】
第1画素101に該当する画素の数は、1つであってもよく、複数であってもよい。撮像装置100におけるすべての画素が第1画素101に該当してもよい。
【0182】
本実施形態では、第1シールド171の電圧が固定された状態で、第1電圧線CON4の電圧が変更される。例えば、上述した電圧供給回路は、第1シールド171に固定電圧を印加した状態で、第1電圧線CON4の電圧を変更してもよい。このような構成に係る第1シールド171は、第1電圧線CON4が原因で第1配線141にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。なお、「第1シールド171の電圧が固定された状態で、第1電圧線CON4の電圧が変更される」という表現は、第1シールド171の電圧が常に一定である態様のみを表すと限定的に解釈されるべきではない。この表現は、第1電圧線CON4の電圧変更時以外には、第1シールド171の電圧は変動する態様を含むと解釈されるべきである。
【0183】
図9の例では、撮像装置100は、第1配線層192Bを備える。第1配線層192Bは、半導体基板151の厚さ方向に関する第1の位置に設けられている。第1電圧線CON4は、第1配線層192Bに配置されている。第1シールド171は、第1配線層192Bに配置されている。第1配線141は、第1配線層192B内に位置する第1部分を含む。平面視において、第1シールド171は、第1部分と第1電圧線CON4との間にある。このように、第1電圧線CON4および第1シールド171が、同じ配線層に配置されている場合がある。そのような場合において、この例の第1シールドは、上記ノイズ抑制効果を発揮し得る。この例では、第1部分は、配線157Bに対応する。
【0184】
図7Aおよび7Bの例では、撮像装置100は、第2シールド172を備える。第1電圧線CON4と第2シールド172との間の距離Dxは、第1電圧線CON4と第1配線141との間の距離Ddよりも小さい。このような構成に係る第2シールドは、第1電圧線CON4が原因で第1配線141にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0185】
具体的には、距離Dxは、第1画素101内に存する第1電圧線CON4と、第2シールド172と、の間の距離である。距離Ddは、第1画素101内に存する第1電圧線CON4と、第1画素101内に存する第1配線141と、の間の距離である。そして、距離Dxは、距離Ddよりも小さい。このような構成に係る第2シールド172は、第1画素101内に存する第1電圧線CON4が原因で第1画素101に存する第1配線141にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0186】
具体的には、第2シールド172は、第1配線141と第1電圧線CON4との間の電気力線の少なくとも一部を遮蔽することができる。
【0187】
第2シールド172の電圧が固定された状態で、第1電圧線CON4の電圧が変更され得る。このような構成に係る第2シールド172は、第1電圧線CON4が原因で第1配線141にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0188】
第1シールド171および第2シールド172は、電気的に分離されていてもよく、電気的に接続されていてもよい。
【0189】
第2シールド172は、第1画素101に含まれていてもよく、第1画素101に含まれていなくてもよい。
【0190】
第1シールド171に印加される電圧と第2シールド172に印加される電圧とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0191】
図6の例では、第1シールド171と第1電圧線CON4との間の距離Daは、第1シールド171と第1配線141との間の距離Dfよりも小さい。このような構成に係る第1シールド171は、第1電圧線CON4が原因で第1配線141にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0192】
図6の例では、平面視において、第1電圧線CON4と第1シールド171との間に、配線が存在しない。このような構成に係る第1シールド171は、第1電圧線CON4が原因で第1配線141にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0193】
図6の例では、撮像装置100は、第1配線層192Bを備える。第1配線層192Bは、半導体基板151の厚さ方向に関する第1の位置に設けられている。第1電圧線CON4は、第1配線層192Bに配置されている。第1シールド171は、第1配線層192Bに配置されている。第1配線141は、第1配線層192B内に位置する第1部分を含む。平面視において、第1シールド171は、第1部分と第1電圧線CON4との間にある。平面視において、第1電圧線CON4と第1シールド171との間に、配線が存在しない。
【0194】
図6の例では、第1シールド171は、第1シールド線171Lを含む。第1電圧線CON4と第1シールド線171Lとの間の距離Daは、第1電圧線CON4と第1配線141との間の距離Ddよりも小さい。このような構成に係る第1シールド線171Lは、第1電圧線CON4が原因で第1配線141にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0195】
具体的には、距離Daは、第1画素101内に存する第1電圧線CON4と、第1シールド線171Lと、の間の距離である。距離Ddは、第1画素101内に存する第1電圧線CON4と、第1画素101内に存する第1配線141と、の間の距離である。そして、距離Daは、距離Ddよりも小さい。このような構成に係る第1シールド線171Lは、第1画素101内に存する第1電圧線CON4が原因で第1画素101に存する第1配線141にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0196】
具体的には、第1シールド線171Lは、第1配線141と第1電圧線CON4との間の電気力線の少なくとも一部を遮蔽することができる。
【0197】
図7Aおよび7Bの例では、第2シールド172は、第2シールド線172Lを含む。第1電圧線CON4と第2シールド線172Lとの間の距離Dxは、第1電圧線CON4と第1配線141との間の距離Ddよりも小さい。このような構成に係る第2シールド線172Lは、第1電圧線CON4が原因で第1配線141にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0198】
具体的には、距離Dxは、第1画素101内に存する第1電圧線CON4と、第2シールド線172Lと、の間の距離である。距離Ddは、第1画素101内に存する第1電圧線CON4と、第1画素101内に存する第1配線141と、の間の距離である。そして、距離Dxは、距離Ddよりも小さい。このような構成に係る第2シールド線172Lは、第1画素101内に存する第1電圧線CON4が原因で第1画素101に存する第1配線141にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0199】
具体的には、第2シールド線172Lは、第1配線141と第1電圧線CON4との間の電気力線の少なくとも一部を遮蔽することができる。
【0200】
第1シールド線171Lおよび第2シールド線172Lは、電気的に分離されていてもよく、電気的に接続されていてもよい。
【0201】
図7Aおよび7Bの例では、第1シールド線171Lおよび第1電圧線CON4は、それらが最も接近している領域において、平行に延びている。第2シールド線172Lおよび第1電圧線CON4は、それらが最も接近している領域において、平行に延びている。
【0202】
図6の例では、第1シールド線171Lと第1電圧線CON4との間の距離Daは、第1シールド171と第1配線141との間の距離Dfよりも小さい。
【0203】
図6の例では、平面視において、第1電圧線CON4と第1シールド線171Lとの間に、配線が存在しない。
【0204】
図6の例では、撮像装置100は、第1配線層192Bを備える。第1配線層192Bは、半導体基板151の厚さ方向に関する第1の位置に設けられている。第1電圧線CON4は、第1配線層192Bに配置されている。第1シールド線171Lは、第1配線層192Bに配置されている。第1配線141は、第1配線層192B内に位置する第1部分を含む。平面視において、第1シールド線171Lは、第1部分と第1電圧線CON4との間にある。平面視において、第1電圧線CON4と第1シールド線171Lとの間に、配線が存在しない。
【0205】
図9の例では、撮像装置100は、第1光電変換部121を備える。第1光電変換部121は、第1電極153と、第2電極155と、第1電極153と第2電極155との間に配置された光電変換層154と、を含む。光電変換層154は、入射光を第1信号電荷に変換する。第1配線141は、第2電極155と第1拡散領域124とを接続している。このような構成に係る第1配線141は、第1光電変換部121から第1拡散領域124へと第1信号電荷を流すのに適している。また、第1電極153および第2電極155は、光電変換層154に印加される電界を調整して光電変換層154で生成される第1信号電荷の量を調整するのに適している。
【0206】
図9の例では、半導体基板151の厚さ方向に関し、第1電圧線CON4および第1シールド171は、第1光電変換部121と半導体基板151との間の位置にある。
【0207】
図9の例では、半導体基板151の厚さ方向に関し、第1電圧線CON4および第1シールド線171Lは、第1光電変換部121と半導体基板151との間の位置にある。
【0208】
図9の例では、撮像装置100は、第3電極156を備える。第3電極156は、光電変換層154からみて第2電極155と同じ側に設けられている。第3電極156は、第2電極155と電気的に分離されている。第3電極156を、第1シールド171と電気的に接続してもよい。この構成は、第3電極と第1シールドとが共通の電圧供給元を利用可能な構成の一例である。
図9の例では、第3電極156は、シールド電極156に対応する。
【0209】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について説明する。第2実施形態においては、第1実施形態と同様の内容については、説明を省略することがある。
【0210】
図12に示すように、第2実施形態では、電源線CON4と第1シールド171とが、互いに異なる配線層に配置されている。
【0211】
図12の例では、電源線CON4は、配線層192Bに配置されている。第1シールド171は、配線層192Aに配置されている。
【0212】
具体的には、第1シールド171は、第1シールド線171Lを含んでいる。電源線CON4と第1シールド線171Lとが、互いに異なる配線層に配置されている。第1シールド線171Lは、配線層192Aに配置されている。
【0213】
電源線CON4が配置された配線層にシールドを設けることが、容易ではない状況がある。例えば、電源線CON4とFD配線141との間隔が狭い状況が、そのような状況に該当する。また、電源線CON4が配置された配線層と他の配線層とを電気的に接続するためのビアが、電源線CON4とFD配線141との間に配置されている場合も、そのような状況に該当する。
【0214】
上記のような状況において、電源線CON4が配置された配線層とは異なる配線層にシールドを配置することが考えられる。異なる配線層に配置された場合であっても、シールドは、FD配線141と電源線CON4との寄生容量による容量カップリングを抑制し得る。例えば、シールドの方が電源線CON4よりもFD配線141の近くに配置されている場合、シールドは、電源線CON4とFD配線141との間の電気力線の一部を遮蔽し得る。
【0215】
図12の例では、電源線CON4が配置された配線層からみて半導体基板151側の配線層に、第1シールド171が配置されている。ただし、後述する第3実施形態で説明するように、電源線CON4が配置された配線層からみて半導体基板151とは反対側の配線層に、第1シールド171が配置されていてもよい。電源線CON4が配置された配線層からみて半導体基板151側の配線層と半導体基板151とは反対側の配線層の両方に、第1シールド171が配置されていてもよい。
【0216】
具体的には、
図12の例では、電源線CON4が配置された配線層からみて半導体基板151側の配線層に、第1シールド線171Lが配置されている。ただし、電源線CON4が配置された配線層からみて半導体基板151とは反対側の配線層に、第1シールド線171Lが配置されていてもよい。電源線CON4が配置された配線層からみて半導体基板151側の配線層と半導体基板151とは反対側の配線層の両方に、第1シールド線171Lが配置されていてもよい。
【0217】
本実施形態の撮像装置100は、以下のように説明され得る。
【0218】
撮像装置100は、第1配線層192Bおよび第2配線層192Cを備えている。第1配線層192Bおよび第2配線層192Cは、半導体基板151の厚さ方向に関する互いに異なる位置に設けられている。第1電圧線CON4は、第1配線層192Bに配置されている。第1シールド171は、第2配線層192Aに配置されている。第1配線141は、第2配線層192A内に位置する第1部分を含む。平面視において、第1シールド171は、第1部分と第1電圧線CON4との間にある。このように、第1電圧線および第1シールドが、互いに異なる配線層に配置されている場合がある。そのような場合において、本実施形態の第1シールドは、上記ノイズ抑制効果を発揮し得る。
図12の例では、第1部分は、配線157Aに対応する。
【0219】
図12の例では、第1配線141は、第1配線層192B内に位置する第2部分を含む。平面視において、第1シールド171は、第2部分と第1電圧線CON4との間にある。
図12の例では、第2部分は、配線157Aに対応する。
【0220】
図12の例では、第1シールド線171Lは、第2配線層192Aに配置されている。平面視において、第1シールド線171Lは、第1部分と第1電圧線CON4との間にある。平面視において、第1シールド線171Lは、第2部分と第1電圧線CON4との間にある。
【0221】
図12の例では、第1電圧線CON4が位置している第1配線層192Bおよび第1シールド171が位置している第2配線層192Aは、互いに隣接している。ただし、第1電圧線CON4が位置している配線層および第1シールド171が位置している配線層は、互いに隣接していなくてもよい。
【0222】
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について説明する。第3実施形態においては、第2実施形態と同様の内容については、説明を省略することがある。
【0223】
図13Aに示すように、第3実施形態では、電源線CON4が配置された配線層192Bからみて半導体基板151とは反対側の配線層192Cに、第1シールド171が配置されている。
【0224】
具体的には、第1シールド171は第1シールド線171Lを含んでいる。上記反対側の配線層192Cに、第1シールド線171Lが配置されている。
【0225】
半導体基板151の厚さ方向に関し、第2電極155と、第1シールド171と、電源線CON4と、半導体基板151とは、この順に並んでいる。具体的には、半導体基板151の厚さ方向に関し、第2電極155と、第1シールド171線と、電源線CON4と、半導体基板151とは、この順に並んでいる。
【0226】
第2電極155は、電荷蓄積部CSPに含まれる。このため、ノイズを低減する観点からは、電源線CON4とFD配線141との間の寄生容量のみならず、電源線CON4と第2電極155との間の寄生容量を抑制することが有利である。
【0227】
これを考慮し、本実施形態の撮像装置100は、以下のように説明され得る特徴を有している。
【0228】
第1シールド171は、第1シールド線171Lを含む。平面視において、第1シールド線171Lは、第1電圧線CON4の少なくとも一部と重なっている。このように構成すると、第1電圧線CON4と第2電極155との間の電気力線を遮蔽し易い。このような構成に係る第1シールド線171Lは、第1電圧線CON4が原因で第2電極155にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0229】
図13Aの例では、平面視において、第1シールド線171Lは、第1電圧線CON4の全体と重なっている。このように構成すると、第1電圧線CON4と第2電極155との間の電気力線を特に遮蔽し易い。したがって、この構成は、第1電圧線CON4が原因で第2電極155にノイズが重畳されるのを抑制するのに特に適している。
【0230】
図13Aの例では、平面視において、第1シールド線171Lの幅は、第1電圧線CON4の幅よりも広い。このように構成すると、第1電圧線CON4と第2電極155との間の電気力線を遮蔽し易い。したがって、この構成は、第1電圧線CON4が原因で第2電極155にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。なお、平面視において、第1シールド線171Lと第1電圧線CON4とが重複していなくても、第1電圧線CON4と第2電極155との間の電気力線を遮蔽する効果は得られる。
【0231】
【0232】
図13Bの例では、撮像装置100は、半導体基板151の厚さ方向に関する互いに異なる位置に設けられた複数の配線層192A~192Cを備える。複数の配線層192A~192Cは、第1配線層192Cを含む。第1電圧線CON4は、第1配線層192Cに配置されている。複数の配線層192A~192Cのうち第1光電変換部151に最も近い層を近位層と定義したとき、第1配線層192Cは、近位層である。このようにすることは、第1電圧線CON4からみて光電変換層154側に、信号線および電源線を配置するのを回避するのに適している。このようにすれば、第1電圧線CON4の電圧変動を考慮した設計が一部緩和され、配線が容易となる。
【0233】
半導体基板151の厚さ方向に関する層間絶縁層152Dのサイズが大きく、第2電極155と近位層192Cとの間隔が大きい場合がある。特に限定されないが、そのような場合には、
図13Bの構成を採用することが有利である。なぜなら、そのような場合には、第2電極155と第1電圧線CON4との間の寄生容量が大きくなり難いためである。
【0234】
【0235】
図13Cの例では、第1シールド171と第1電圧線CON4との間の距離Dcは、半導体基板151の厚さ方向に関する第2電極155と第1電圧線CON4との間の距離Dbよりも小さい。距離Dcは、平面視における第1電圧線CON4と第1配線141との間の距離Ddよりも小さい。
【0236】
図13Cの例では、具体的には、第1シールド線171Lと第1電圧線CON4との間の距離Dcは、半導体基板151の厚さ方向に関する第2電極155と第1電圧線CON4との間の距離Dbよりも小さい。距離Dcは、平面視における第1電圧線CON4と第1配線141との間の距離Ddよりも小さい。
【0237】
(第4実施形態)
以下、第4実施形態について説明する。第4実施形態においては、第3実施形態と同様の内容については、説明を省略することがある。
【0238】
図14に示すように、第4実施形態では、撮像装置100は、容量素子185を備える。容量素子185は、電極181と、電極183と、誘電体層182と、を含む。電極181および電極183は、誘電体層182を挟んで互いに反対側にある。
【0239】
図14の例では、容量素子185は、MIM(Metal Insulator Metal)容量である。電極181を、第1MIM電極181と称することができる。電極183を、第2MIM電極183と称することができる。
【0240】
容量素子185として、容量素子133または容量素子134を採用可能である。
【0241】
第1MIM電極181は、図示しない電源に電気的に接続されている。一例では、この電源は、第1MIM電極181に固定電圧を供給する。第2MIM電極183は、第2拡散領域184に電気的に接続されている。第2拡散領域184は、半導体基板151に設けられている。第2拡散領域184は、第1拡散領域124とは異なる拡散領域である。第2拡散領域184は、リセットトランジスタ131のドレインおよびソースの他方であってもよい。
【0242】
上述のように、電源線CON4と同一の配線層にシールドを設けることが、容易ではない状況がある。例えば、電源線CON4とFD配線141との間隔が狭い状況が、そのような状況に該当する。また、電源線CON4が配置された配線層と他の配線層とを電気的に接続するためのビアが、電源線CON4とFD配線141との間に配置されている場合も、そのような状況に該当する。そのような状況において、本実施形態の容量素子185の電極により、電源線CON4とFD配線141との間の電気力線の一部を遮蔽し得る。これにより、FD配線141と電源線CON4との寄生容量による容量カップリングを抑制し得る。
【0243】
図14の例では、第1MIM電極181が、電源線CON4とFD配線141との間の電気力線の一部を遮蔽する役割を担う。第1MIM電極181は、第1シールド171に含まれていると考えることができる。
【0244】
本実施形態の撮像装置100は、以下のように説明され得る。
【0245】
撮像装置100は、容量素子185を備える。容量素子185は、一対の電極181および183と、誘電体層182と、を含む。誘電体層182は、一対の電極181および183に挟まれている。第1シールド171は、一対の電極181および183の一方を含む。このような構成に係る容量素子185の電極は、上記ノイズ抑制のためのシールドとして作用し得る。
【0246】
図14の例では、一対の電極181および183の上記一方は、一対の電極181および183の他方に比べて第1電圧線CON4に近い。一対の電極181および183の上記一方と第1電圧線CON4との間の距離Deは、第1配線141と第1電圧線CON4との間の距離Ddよりも小さい。このような構成に係る近位電極は、第1電圧線が原因で第1配線141にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
図14の例では、一対の電極181および183の上記一方は、第1MIM電極181に対応する。
【0247】
(第5実施形態)
以下、第5実施形態について説明する。第5実施形態においては、第1実施形態と同様の内容については、説明を省略することがある。
【0248】
図15に示すように、第5実施形態の撮像装置200では、
図1に示す第1実施形態の撮像装置100と同様、複数の画素201は、行方向および列方向に配列されている。
【0249】
図1の例では、列毎に、1本の出力信号線111が設けられている。各列の出力信号線111は、その列の画素101に接続されている。各列の出力信号線111に対して、定電流源105Aまたは定電流源105Bが接続され得る。
【0250】
図15の例では、列毎に、1本の信号線211が設けられている。各列の信号線211は、その列の画素201に接続されている。各列の信号線211に対して、定電流源105Bまたは電源線CON4が接続され得る。
【0251】
図15の例では、さらに、信号線212が、各画素201に接続されている。出力信号線212に対して、定電流源105Aまたは電源VDDが接続され得る。
【0252】
図16に、本実施形態に係る撮像装置200内の画素201の例示的な回路図を示す。
図16の例では、
図2に示す第1実施形態の回路構成とは異なる回路構成が採用されている。
【0253】
以下、
図2の回路構成を、
図16の回路構成と比較しつつ説明する。以下では、
図2に関する説明に倣い、
図16における下側の端子をドレインおよびソースの一方と記し、上側の端子をドレインおよびソースの他方と記す。
【0254】
具体的には、
図2の例では、増幅トランジスタ126のドレインおよびソースの一方に、電源線CON4が接続されている。増幅トランジスタ126のドレインおよびソースの他方に、定電流源105Aまたは定電流源105Bが、選択トランジスタ125を介して電気的に接続され得る。
【0255】
図16の例では、増幅トランジスタ126のドレインおよびソースの一方に、定電流源105Bまたは電源線CON4が、選択トランジスタ125を介して電気的に接続され得る。増幅トランジスタ126のドレインおよびソースの他方に、定電流源105Aまたは電源VDDが電気的に接続され得る。
【0256】
図2の例では、選択トランジスタ125のドレインおよびソースの一方は、増幅トランジスタ126のドレインおよびソースの他方に電気的に接続されている。選択トランジスタ125のドレインおよびソースの一方は、帯域制御トランジスタ132に電気的に接続されている。
【0257】
図16の例では、選択トランジスタ125のドレインおよびソースの他方は、増幅トランジスタ126のドレインおよびソースの一方に電気的に接続されている。選択トランジスタ125のドレインおよびソースの一方は、定電流源105Bまたは電源線CON4が電気的に接続され得る。
【0258】
次にタイミングチャートを用いて読出し回路222の動作について説明する。
図17は、読み出し回路222の動作の一例を示すタイミングチャートである。各グラフの横軸は時刻を示す。縦軸は、上から、制御信号線CON1の電圧レベル、制御信号線CON2の電圧レベル、制御信号線CON3の電圧レベル、および、電源線CON4の電圧レベルを、それぞれ示す。
【0259】
なお、以下に説明する例では、電源線CON4がとる電圧の値は、1値である。ただし、電源線CON4がとる電圧の値は、複数の値であってもよい。
【0260】
(露光期間)
時刻t0から時刻t1までが、露光期間に対応する。
【0261】
時刻t0から時刻t1までの期間では、制御信号線CON1の電圧がローレベルであるため、選択トランジスタ125はオフしている。また、この期間において、入射光に応じて生成された信号電荷が電荷蓄積領域124に蓄積される。
【0262】
(読み出し期間)
時刻t1から時刻t2までが、読み出し期間に対応する。
【0263】
時刻t1において制御信号線CON1の電圧がハイレベルになることで、選択トランジスタ125がオンする。また、読み出し期間においては、増幅トランジスタ126に電源VDDが電気的に接続され、選択トランジスタ125に定電流源105Bが電気的に接続されている。この状態においては、増幅トランジスタ126と定電流源105Bとがソースフォロア回路を形成する。これにより、電荷蓄積領域124に蓄積された信号電荷に応じた信号が信号線211に出力される。
【0264】
(リセット期間)
時刻t2から時刻t3までが、リセット期間に対応する。
【0265】
時刻t2において制御信号線CON2の電圧がハイレベルになることで、帯域制御トランジスタ132がオンする。また、リセット期間においては、増幅トランジスタ126に定電流源105Aが電気的に接続され、選択トランジスタ125に電源線CON4が電気的に接続され、増幅トランジスタ126のドレインおよびソースの一方に電圧VA1が印加される。さらに、時刻t2において、制御信号線CON3の電圧がハイレベルになることでリセットトランジスタ131がオンする。これにより、電荷蓄積領域124の電圧は、電圧VA1にリセットされる。
【0266】
時刻t3において、制御信号線CON3の電圧がローレベルになることでリセットトランジスタ131がオフする。このとき、読み出し回路122は、-A×Bの増幅率で帰還経路を形成している。そのため、リセットトランジスタ131をオフしたときの電荷蓄積領域124のkTCノイズは、1/(1+A×B)倍に抑制される。
【0267】
(ノイズ抑制期間)
時刻t3から時刻t4までが、ノイズ抑制期間に対応する。
【0268】
時刻t2から時刻t3までの期間においては、制御信号線CON2の電圧は、ハイレベルの電圧に設定される。これに対し、時刻t3から時刻t4の期間においては、制御信号線CON2の電圧は、ハイレベルとローレベルとの間のミドルレベルの電圧に設定される。
【0269】
この状態で時刻t4において制御信号線CON2の電圧がローレベルになると、帯域制御トランジスタ132がオフする。
【0270】
結果として、ノイズは、第1実施形態と同様、帰還がない場合に対して〔{1+(1+A×B)×Cfd/Cs}1/2/(1+A×B)〕倍に抑制される。
【0271】
(リセット読み出し期間)
時刻t4から時刻t5までが、リセット読み出し期間に対応する。
【0272】
時刻t4において、再び、増幅トランジスタ126に電源VDDが電気的に接続され、選択トランジスタ125に定電流源105Bが電気的に接続される。この状態において、増幅トランジスタ126と定電流源105Bとがソースフォロア回路を形成する。これにより、リセット電圧に応じた信号が信号線211に出力される。
【0273】
読出し回路222の動作についての上述の説明により理解されるように、信号線211の電気的な接続先は、定電流源105Bと電源線CON4との間で切り替わる。この切り替わりは、信号線211の電圧の変動をもたらす。
【0274】
具体的には、信号線211の電圧は、読出し期間からリセット期間への遷移時に変動する。つまり、信号線211の電圧は、
図17の時刻t2において変動する。また、信号線211の電圧は、ノイズ抑制期間からリセット読出し期間への遷移時にも変動する。つまり、信号線211の電圧は、
図17の時刻t4において変動する。
【0275】
信号線211と電荷蓄積部CSPとの間には、寄生容量があることがある。この寄生容量があると、時刻t2および時刻t4における信号線211の電圧の電圧変動は、電荷蓄積部CSPの電圧を変動させ得る。
【0276】
これを踏まえ、本実施形態では、信号線211と電荷蓄積部CSPとの間の寄生容量を低減するためのシールドが設けられている。
【0277】
図18は、
図15の構成における画素201の電荷蓄積領域124、信号線211および第1シールド171のレイアウトの一例を模式的に示す平面図である。第1実施形態と同様、FD配線141は、電荷蓄積領域124に接続されている。
【0278】
図18の例では、第1シールド171は、平面視において、FD配線141と信号線211との間に位置する。この例では、第1実施形態と同様、平面視は、半導体基板151に垂直な方向から観察することをいう。
【0279】
図18の例では、第1シールド線171Lは、FD配線141よりも信号線211に近接している。平面視において、信号線211およびシールド線の間には、配線は存在しない。
【0280】
信号線211は、列方向に延びている。ただし、信号線211は、行方向等の他の方向に延びていてもよい。
【0281】
第1シールド線171Lは、列方向に延びている。ただし、第1シールド線171Lは、行方向等の他の方向に延びていてもよい。
【0282】
上述の説明により理解されるように、信号線211の電圧は、読出し期間からリセット期間への遷移時に変動する。信号線211の電圧は、ノイズ抑制期間からリセット読出し期間への遷移時にも変動する。信号線211とFD配線141との間に寄生容量があると、これらの電圧変動は、FD配線141に伝わることがある。しかし、
図18に例示する構成をとることにより、信号線211とFD配線141間の寄生容量を低減し、容量カップリングによるFD配線141の電圧変動を抑制できる。
【0283】
本実施形態の撮像装置200は、以下のように説明され得る。
【0284】
撮像装置200は、半導体基板151と、第1画素201と、第1シールド171と、を備える。第1画素201は、第1拡散領域124と、第1配線141と、第1トランジスタ126と、第1電圧線211と、を含む。第1拡散領域124は、半導体基板151に設けられている。第1配線141は、第1拡散領域124に接続されている。第1配線141では、第1画素201による光電変換で得られた第1信号電荷が流れる。第1電圧線211には、第1トランジスタ126のドレインまたはソースへの電圧供給経路の少なくとも一部を構成する。第1電圧線211には、互いに異なる電圧が印加される。第1電圧線211と第1シールド171との間の距離Daは、第1電圧線211と第1配線141との間の距離Ddよりも小さい。本実施形態は、ノイズを抑制するのに適している。具体的には、本実施形態の第1シールド171は、第1電圧線211が原因で第1配線141にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0285】
本実施形態では、第1電圧線211は、信号線211に対応する。信号線211に印加される電圧は、信号線211が定電流源105Bに接続されているときと電源線CON4に接続されているときとで変化し得る。
【0286】
具体的には、距離Daは、第1画素201内に存する第1電圧線211と、第1シールド171と、の間の距離である。距離Ddは、第1画素201内に存する第1電圧線211と、第1画素201内に存する第1配線141と、の間の距離である。そして、距離Daは、距離Ddよりも小さい。このような構成に係る第1シールド171は、第1画素201内に存する第1電圧線211が原因で第1画素201に存する第1配線141にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0287】
具体的には、第1シールド171は、第1配線141と第1電圧線211との間の電気力線の少なくとも一部を遮蔽することができる。
【0288】
典型的には、互いに異なる電圧は、互いに異なる直流電圧である。
【0289】
第1から第4形態で説明した技術を、第5実施形態に適用可能である。
【0290】
(第6実施形態)
以下、第6実施形態について説明する。第6実施形態においては、第1実施形態と同様の内容については、説明を省略することがある。
【0291】
第1実施形態では、FD配線141と電源線CON4との間の寄生容量の抑制について述べた。しかし、
図5のタイミングチャートに示したように、制御信号線CON1、制御信号線CON2、制御信号線CON3も、画素の読出し期間中に電圧が変動する。各信号線とFD配線141との間の寄生容量があると、その寄生容量を介してそれぞれの信号線の電圧変動によってFD配線141の電圧が変化する。このため、ノイズを低減する観点からは、FD配線141と制御信号線CON1との間の寄生容量、FD配線141と制御信号線CON2との間の寄生容量およびFD配線141と制御信号線CON3間の寄生容量を抑制することが有利である。第5実施形態についても、同様のことが言える。
【0292】
これを考慮すると、
図1に係る画素101の電荷蓄積領域124、制御信号線CON1、制御信号線CON2、制御信号線CON3および第1シールド171を、
図19に例示するようにレイアウトすることが考えられる。
【0293】
図19の例では、第1シールド171は、平面視において、FD配線141と制御信号線CON1との間に位置する。第1シールド171は、平面視において、FD配線141と制御信号線CON2との間に位置する。第1シールド171は、平面視において、FD配線141と制御信号線CON3との間に位置する。
【0294】
図19の例では、第1シールド171は、第1シールド線171Lを含む。第1シールド171は、シールド線171Lによって構成されていてもよい。ただし、第1シールド171は、非線状体によって構成されていてもよい。第1シールド171は、シールド線と非線状体とを含んでいてもよい。
【0295】
図19の例では、第1シールド線171Lは、平面視において、FD配線141と制御信号線CON1との間に位置する。第1シールド線171Lは、平面視において、FD配線141と制御信号線CON2との間に位置する。第1シールド線171Lは、平面視において、FD配線141と制御信号線CON3との間に位置する。
【0296】
図19の例では、第1シールド171は、FD配線141よりも制御信号線CON1に近接している。平面視において、制御信号線CON1および第1シールド171の間には、配線は存在しない。
【0297】
具体的には、第1シールド線171Lは、FD配線141よりも制御信号線CON1に近接している。平面視において、制御信号線CON1および第1シールド線171Lの間には、配線は存在しない。
【0298】
図19の例では、制御信号線CON1、制御信号線CON2、制御信号線CON3は、行方向に延びている。ただし、制御信号線CON1、制御信号線CON2、制御信号線CON3は、列方向に延びていてもよい。
【0299】
図19の例では、第1シールド線171Lは、行方向に延びている。ただし、第1シールド線171Lは、列方向に延びていてもよい。
【0300】
上述のように、非連続なパタンを、隣接する2つの画素101間または1つの画素101内に設けてもよい。そのような非連続なパタンの全部または一部は、シールドとして機能し得る。非連続なパタンは、電気的に互いに分離された複数の部分によって構成できる。
図7Aおよび
図7Bを参照して説明したように、上記複数の部分は、第1シールド171と第2シールド172とを含み得る。上記複数の部分は、第1シールド線171Lと第2シールド線172Lとを含み得る。
【0301】
制御信号線CON1、制御信号線CON2および制御信号線CON3の配置は、
図19の配置に限定されない。例えば、第1シールド171に近い方から、制御信号線CON3、制御信号線CON2および制御信号線CON1がこの順で並んでいてもよい。第1シールド線171Lに近い方から、制御信号線CON3、制御信号線CON2および制御信号線CON1がこの順で並んでいてもよい。
【0302】
図20に、
図19のA0-A1線の断面を模式的に表す断面図を示す。
【0303】
図19および
図20の例では、第1シールド171、制御信号線CON1、制御信号線CON2および制御信号線CON3は、同一の配線層192Bに配置されている。具体的には、第1シールド線171L、制御信号線CON1、制御信号線CON2および制御信号線CON3は、同一の配線層192Bに配置されている。
【0304】
制御信号線CON1、制御信号線CON2および制御信号線CON3は、互いに異なる配線層に配置されていてもよい。その場合は、
図21に示すように、平面視において各制御信号線とFD配線141との間に、第1シールド171を配置することができる。具体的には、平面視において各制御信号線とFD配線141との間に、第1シールド線171Lを配置することができる。
【0305】
図21の例では、制御信号線CON1は、配線層192Cに配置されている。制御信号線CON2は、配線層192Bに配置されている。制御信号線CON3は、配線層192Aに配置されている。また、
図21の例では、第1シールド171が複数の配線層にまたがって配置されている。具体的には、
図21では、第1シールド171が3つの配線層192C、配線層192B、および配線層192Aに配置されている。第1シールド171は、具体的には第1シールド線171Lを含む。配線層192Cにおいて、制御信号線CON1とFD配線141との間に、第1シールド線171Lが配置されている。
【0306】
配線層192Bにおいて、制御信号線CON2とFD配線141との間に、第1シールド線171Lが配置されている。
【0307】
配線層192Aにおいて、制御信号線CON3とFD配線141との間に、第1シールド線171Lが配置されている。
【0308】
このように構成することにより、FD配線141と制御信号線CON1、制御信号線CON2、および制御信号線CON3との間の容量カップリングを抑制することができる。
【0309】
図19のレイアウトとは異なるレイアウトを採用することもできる。
図22は、
図1の構成における画素101の電荷蓄積領域124、制御信号線CON1、制御信号線CON2、制御信号線CON3、およびシールドのレイアウトの別例を模式的に示す平面図である。
【0310】
図22の例では、FD配線141は、平面視において、第1シールド171Aと、第1シールド171Bとの間に位置する。第1シールド171Aは、平面視において、FD配線141と制御信号線CON1との間に位置する。第1シールド171Bは、平面視において、FD配線141と制御信号線CON3との間に位置する。
【0311】
具体的には、FD配線141は、平面視において、第1シールド線171LAと、第1シールド線171LBとの間に位置する。第1シールド線171LAは、平面視において、FD配線141と制御信号線CON1との間に位置する。第1シールド線171LBは、平面視において、FD配線141と制御信号線CON3との間に位置する。
【0312】
図23に、
図22のA0-A1線の断面を模式的に表す断面図を示す。
【0313】
図23の例では、制御信号線CON1、制御信号線CON2および制御信号線CON3は、同一の配線層192Bに配置されている。その配線層192Bに、第1シールド171Aおよび第1シールド171Bも配置されている。具体的には、配線層192Bに、第1シールド線171LAおよび第1シールド線171LBが配置されている。
【0314】
図22および23に示すように第1シールド171Aおよび171Bを設けることで、FD配線141の両側に制御信号線が配置される場合においても、容量カップリングを抑制できる。
【0315】
互いに隣接する画素間での容量カップリングを抑制可能なレイアウトも採用され得る。そのようなレイアウトの例を、
図24Aに示す。
図24Aは、同じ列で隣接する画素101Aおよび画素101Bにおけるレイアウトの一例を模式的に示す平面図である。
【0316】
図24Aの例では、画素101Aおよび画素101Bのそれぞれが、電荷蓄積領域124、制御信号線CON1、制御信号線CON2、制御信号線CON3、第1シールド171Aおよび第1シールド171Bを含んでいる。
【0317】
具体的には、画素101Aおよび画素101Bのそれぞれが、電荷蓄積領域124、制御信号線CON1、制御信号線CON2、制御信号線CON3、第1シールド線171LAおよび第1シールド線171LBを含んでいる。
【0318】
画素101Aでは、平面視において、FD配線141は、第1シールド171Aと、第1シールド171Bとの間に位置する。画素101Aでは、平面視において、第1シールド171Aは、FD配線141と制御信号線CON1との間に位置する。画素101Bについても同様である。
【0319】
具体的には、画素101Aでは、平面視において、FD配線141は、第1シールド線171LAと、第1シールド線171LBとの間に位置する。画素101Aでは、平面視において、第1シールド線171LAは、FD配線141と制御信号線CON1との間に位置する。画素101Bについても同様である。
【0320】
さらに、平面視において、画素101Bの第1シールド171Bは、画素101BのFD配線141と画素101Aの制御信号線CON3との間に位置する。
【0321】
具体的には、平面視において、画素101Bの第1シールド線171LBは、画素101BのFD配線141と画素101Aの制御信号線CON3との間に位置する。
【0322】
図24Aの構成によれば、画素101Aの第1シールド171Aによって、画素101AのFD配線141と画素101Aの制御信号線CON1との間の容量カップリングを抑制できる。画素101Bの第1シールド171Aによって、画素101BのFD配線141と画素101Bの制御信号線CON1との間の容量カップリングを抑制できる。また、画素101Bの第1シールド171Bによって、画素101BのFD配線141と画素101Aの制御信号線CON3との間の容量カップリングを抑制できる。
【0323】
画素101Aが第1シールド171Cを有しており、第1シールド171Cが、画素101Aの制御信号線のうち最も画素101BのFD配線141に近いものと、画素101BのFD配線141との間に位置していてもよい。この形態によっても、画素101Aの第1シールド171Cによって、画素101BのFD配線141と画素101Aの制御信号線CON1~3との間の容量カップリングを抑制できる。
【0324】
図24Bのレイアウトも採用可能である。
図24Bの例では、第2画素101Bの電源線CON4と第1シールド171との間の距離Daは、第2画素101Bの電源線CON4と第1画素101Bの第1配線141との間の距離Ddよりも小さい。このようにすれば、第2画素101Bの電源線CON4と第1画素101Bの第1配線141との間の容量カップリングを抑制できる。
【0325】
図24Bに係る撮像装置100は、以下のように説明され得る。
【0326】
撮像装置100は、半導体基板151と、第1画素101Aと、第2画素101Bと、第1シールドと、を備える。第1画素101Aおよび第2画素101Bは、互いに隣接している。第1画素101Aは、第1拡散領域124と、第1配線141と、を含む。第1拡散領域124は、半導体基板151に設けられている。第1配線141は、第1拡散領域124に接続されている。第1配線141では、第1画素101Aによる光電変換で得られた第1信号電荷が流れる。第2画素101Bは、第1トランジスタ126と、第1電圧線CON4と、を含む。第1トランジスタ126は、第2画素101Bによる光電変換で得られた第2信号電荷が流入するゲートを含む。第1電圧線CON4は、第1トランジスタ126のドレインまたはソースへの電圧供給経路の少なくとも一部を構成する。第1電圧線CON4には、互いに異なる電圧VA1およびVA2が印加される。第1電圧線CON4と第1シールド171との間の距離Daは、第1電圧線CON4と第1配線141との間の距離Ddよりも小さい。この構成は、ノイズを抑制するのに適している。具体的には、このような構成に係る第1シールド171は、第1電圧線CON4が原因で第1配線141にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0327】
第1実施形態と同様、
図24Bの例では、第1拡散領域124は、電荷蓄積領域124に対応する。第1配線141は、FD配線141に対応する。第1トランジスタ126は、増幅トランジスタ126に対応する。第1電圧線CON4は、電源線CON4に対応する。
【0328】
具体的には、距離Daは、第2画素101B内に存する第1電圧線CON4と、第1シールド171と、の間の距離である。距離Ddは、第2画素101B内に存する第1電圧線CON4と、第1画素101A内に存する第1配線141と、の間の距離である。そして、距離Daは、距離Ddよりも小さい。このような構成に係る第1シールド171は、第2画素101B内に存する第1電圧線CON4が原因で第1画素101Aに存する第1配線141にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0329】
具体的には、第1シールド171は、第1配線141と第1電圧線CON4との間の電気力線の少なくとも一部を遮蔽することができる。
【0330】
典型的には、互いに異なる電圧は、互いに異なる直流電圧である。
【0331】
この例では、第1電圧線CON4は、第1信号電荷126のドレインまたはソースと接続されている。
【0332】
具体的には、
図24Bの例では、半導体基板151に、第2画素101Bの第2拡散層が設けられている。第2画素101Bの第2配線が、第2拡散層に接続されている。第2配線では、第2画素101Bの光電変換で得られた第2信号電荷が流れる。第2画素101Bの第1トランジスタ126のゲートには、第2拡散層が電気的に接続されている。第2拡散層は、第2画素101Bの電荷蓄積領域124に対応する。第2配線は、第2画素101BのFD配線141に対応する。
【0333】
第1シールド171は、第1画素101Aの構成要素であってもよく、第2画素101Bの構成要素であってもよく、これらの画素101Aおよび101Bの構成要素でなくてもよい。
【0334】
具体的には、撮像装置の画素は、アレイを構成している。第1画素101Aと第2画素101Bは、アレイの行方向または列方向に、互いに隣り合っている。
【0335】
第2画素101Bの増幅トランジスタ126および第1電圧線CON4は、第1実施形態等で先に説明した第2画素101Bの増幅トランジスタ126および第1電圧線CON4の特徴と同様の特徴を有し得る。その他、
図24Bの例に対し、先に説明した実施形態の特徴を組み合わせることができる。
【0336】
(第7実施形態)
以下、第7実施形態について説明する。第7実施形態においては、第1実施形態と同様の内容については、説明を省略することがある。
【0337】
光電変換部は、第1実施形態で説明されたものに限られない。第7実施形態では、光電変換部としてフォトダイオード127が用いられている。
【0338】
光電変換部としてフォトダイオード127が用いられる場合であっても、
図6に示すレイアウトを採用可能である。
図25は、その場合の
図6に示すA0-A1線の断面図の一例である。
【0339】
図25の例では、電荷蓄積領域124と、半導体基板151とで、フォトダイオード127が構成されている。第1実施形態と同様、半導体基板151に、電荷蓄積領域124が設けられていると言える。
【0340】
電荷蓄積領域124は、FD配線141に接続されている。
図25の例では、FD配線141は、電荷蓄積領域124と、図示しない増幅トランジスタ126のゲートと、を電気的に接続している。
【0341】
図25の例では、FD配線141の一部と、第1シールド171と、電源線CON4とが、同一の配線層192Aに配置されている。具体的には、FD配線141の一部と、第1シールド線171Lと、電源線CON4とが、同一の配線層192Aに配置されている。
【0342】
具体的には、FD配線141は、ビア158Aと、配線157Aと、を含んでいる。FD配線141の上記一部は、配線157Aである。例えば、フォトダイオード127で生成された信号電荷は、電荷蓄積領域124からFD配線141を経由して、
図3に示した増幅トランジスタ126のゲートに流入する。
【0343】
図25の例に対し、先に説明した実施形態の特徴を組み合わせることができる。
【0344】
例えば、
図25の例では、第1電圧線CON4と第1シールド171との間の距離Daは、第1電圧線CON4と第1配線141との間の距離Ddよりも小さい。
【0345】
図25の例では、配線層192Aにおいて、第1配線141の一部と第1電圧線CON4との間に、第1シールド171が配置されている。これにより、第1配線141と第1電圧線CON4との寄生容量による容量カップリングを抑制できる。
【0346】
撮像装置において、フォトダイオードとともに転送トランジスタが用いられる場合であっても、
図6に示すレイアウトを採用可能である。
図26は、その場合の
図6に示すA0-A1線の断面図の一例である。以下では、
図25の例と重複する説明は、省略することがある。
【0347】
図26の例では、
図25の例と同様、電荷蓄積領域と、半導体基板151とで、フォトダイオード127が構成されている。
【0348】
図26の例では、フォトダイオード127の電荷蓄積領域とは別の電荷蓄積領域124が、半導体基板151に設けられている。転送トランジスタ161および162を介して、フォトダイオード127と電荷蓄積領域124とが電気的に接続され得る。
【0349】
図26の例では、2つの転送トランジスタ161および162が用いられている。しかし、用いられる転送トランジスタの数は、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。例えば、フォトダイオード127で生成された信号電荷は、トランジスタ161、162を介して電荷蓄積領域124に流入し、さらに、電荷蓄積領域124から第1配線141を介して、
図3に示した増幅トランジスタ126のゲートに流入する。
【0350】
このように、本実施形態に係る撮像装置では、第1拡散領域124または拡散領域と、半導体基板151とによって、第1フォトダイオード127が構成されている。すなわち、第1フォトダイオード127は、半導体基板151内に存在し、第1拡散領域124または拡散領域を含む。第1フォトダイオード127は、入射光を第1信号電荷に変換する。第1配線141は、第1トランジスタ126と第1拡散領域124とを電気的に接続している。
【0351】
(
図19および
図24Aに係る撮像装置)
先に説明した
図24Aに係る撮像装置100は、以下のように説明され得る。
【0352】
撮像装置100は、半導体基板151と、第1画素101Aと、第1シールドと、を備える。第1画素101Aは、第1拡散領域124と、第1配線141と、第1トランジスタと、第1電圧線と、を含む。第1拡散領域124は、半導体基板151に設けられている。第1配線141は、第1拡散領域124に接続されている。第1配線141では、第1画素101Aによる光電変換で得られた信号電荷が流れる。第1電圧線は、第1トランジスタのゲートに接続されている。第1電圧線には、互いに異なる電圧が印加される。第1電圧線と第1シールドとの間の距離は、第1電圧線と第1配線141との間の距離よりも小さい。このような構成は、ノイズを抑制するのに適している。具体的には、このような構成に係る第1シールドは、第1電圧線が原因で第1配線にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0353】
第1トランジスタおよび第1電圧線の組み合わせは、第1画素101Aの選択トランジスタ125と第1画素101Aの制御信号線CON1の組み合わせに対応し得る。第1トランジスタおよび第1電圧線の組み合わせは、第1画素101Aの帯域制御トランジスタ132と第1画素101Aの制御信号線CON2の組み合わせに対応し得る。第1トランジスタおよび第1電圧線の組み合わせは、第1画素101Aのリセットトランジスタ131と第1画素101Aの制御信号線CON3の組み合わせに対応し得る。第1シールドは、
図24Aにおいて第1画素101Aを表す二点鎖線内を延びる第1シールド171Aに対応し得る。第1シールドは、具体的には、同二点鎖線内を延びる第1シールド線171LAに対応し得る。
【0354】
具体的には、第1画素101A内に存する第1電圧線と、第1シールドと、の間の距離は、第1画素101A内に存する第1電圧線と、第1画素101A内に存する第1配線141と、の間の距離よりも小さい。このような構成に係る第1シールドは、第1画素101A内に存する第1電圧線が原因で第1画素101Aに存する第1配線141にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0355】
具体的には、第1シールドは、第1配線141と第1電圧線との間の電気力線の少なくとも一部を遮蔽することができる。
【0356】
典型的には、互いに異なる電圧は、互いに異なる直流電圧である。
【0357】
第1シールドは、第1画素101Aの構成要素であってもよく、第1画素101Aの構成要素でなくてもよい。
【0358】
【0359】
先に説明した
図24Aに係る撮像装置100は、以下のようにも説明され得る。
【0360】
撮像装置100は、半導体基板151と、第1画素101Aと、第2画素101Bと、第1シールドと、を備える。第1画素101Aおよび第2画素101Bは、互いに隣接している。第1画素101Aは、第1トランジスタと、第1電圧線と、を含む。第1電圧線は、第1トランジスタのゲートに接続されている。第1電圧線には、互いに異なる電圧が印加される。第2画素101Bは、第1拡散領域124と、第1配線141と、を含む。第1拡散領域124は、半導体基板151に設けられている。第1配線141は、第1拡散領域124に接続されている。第1配線141では、第2画素101Bによる光電変換で得られた信号電荷が流れる。第1電圧線と第1シールドとの間の距離は、第1電圧線と第1配線141との間の距離よりも小さい。このような構成は、ノイズを抑制するのに適している。具体的には、このような構成に係る第1シールドは、第1電圧線が原因で第1配線にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0361】
第1トランジスタおよび第1電圧線の組み合わせは、第1画素101Aの選択トランジスタ125と第1画素101Aの制御信号線CON1の組み合わせに対応し得る。第1トランジスタおよび第1電圧線の組み合わせは、第1画素101Aの帯域制御トランジスタ132と第1画素101Aの制御信号線CON2の組み合わせに対応し得る。第1トランジスタおよび第1電圧線の組み合わせは、第1画素101Aのリセットトランジスタ131と第1画素101Aの制御信号線CON3の組み合わせに対応し得る。第1シールドは、
図24Aにおいて第2画素101Bを表す二点鎖線内を延びる第1シールド171Bに対応し得る。第1シールドは、具体的には、同二点鎖線内を延びる第1シールド線171LBに対応し得る。
【0362】
具体的には、第1画素101A内に存する第1電圧線と、第1シールドと、の間の距離は、第1画素101A内に存する第1電圧線と、第2画素101B内に存する第1配線141と、の間の距離よりも小さい。このような構成に係る第1シールドは、第1画素101A内に存する第1電圧線が原因で第2画素101Bに存する第1配線141にノイズが重畳されるのを抑制するのに適している。
【0363】
具体的には、第1シールドは、第1配線141と第1電圧線との間の電気力線の少なくとも一部を遮蔽することができる。
【0364】
典型的には、互いに異なる電圧は、互いに異なる直流電圧である。
【0365】
第1シールドは、第1画素101Aの構成要素であってもよく、第2画素101Bの構成要素であってもよく、これらの画素101Aおよび101Bの構成要素でなくてもよい。
【0366】
具体的には、撮像装置の画素は、アレイを構成している。第1画素101Aと第2画素101Bは、アレイの行方向または列方向に、互いに隣り合っている。
【0367】
<カメラシステム>
先に説明した各実施形態に係る撮像装置を用いて、カメラシステムを構成できる。以下、カメラシステムの一例を、
図27を参照しつつ説明する。
【0368】
図27に示すカメラシステム300は、光学系310と、撮像装置100と、信号処理回路360と、システムコントローラ370と、表示装置380と、を備えている。カメラシステム300は、例えば、スマートフォン、デジタルカメラおよびビデオカメラなどである。撮像装置100に代えて、撮像装置200を用いることも可能である。
【0369】
信号処理回路360は、例えばDSP(Digital Signal Processor)である。信号処理回路360は撮像装置100からの出力データを受け取り、例えばガンマ補正、色補間処理、空間補間処理、およびオートホワイトバランスなどの処理を行う。
【0370】
表示装置380は、例えば液晶ディスプレイおよび有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。表示装置380は、タッチパネルのような入力インタフェースを含んでいてもよい。これにより、ユーザは、タッチペンを用いて、信号処理回路360の処理内容の選択、制御および撮像条件を入力インタフェースを介して設定できる。
【0371】
システムコントローラ370は、カメラシステム300全体を制御する。システムコントローラ370は、典型的には半導体集積回路であり、例えばCPUである。
【0372】
図27のカメラシステム300によれば、撮影した画像を表示装置380に表示できる。このため、撮影した画像をすぐに確認できる。さらに、表示装置380を利用したGUI(Graphic User Interface)制御が可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0373】
本開示に係る撮像装置は、種々の撮像装置として有用である。またデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、カメラ付携帯電話、電子内視鏡などの医療用カメラ、車載カメラ、ロボット用カメラ等の用途にも応用できる。
【符号の説明】
【0374】
100,200 撮像装置
101,101A,101B,201 画素
102 垂直走査回路
103 カラム信号処理回路
104 水平信号読み出し回路
105A,105B 定電流源
111,111A,111B 出力信号線
112 電源線
113 水平信号共通線
121 光電変換部
122,222 読出し回路
123 帯域制御部
124 電荷蓄積領域
125 選択トランジスタ
126 増幅トランジスタ
127 フォトダイオード
128,130,157A,157B,157C 配線
129 ノード
131 リセットトランジスタ
132 帯域制御トランジスタ
133,134,185 容量素子
141 FD配線
151 半導体基板
152,152A,152B,152C,152D 層間絶縁層
153 第1電極
154 光電変換層
155 第2電極
156 シールド電極
158A,158B,158C,158D ビア
161,162 転送トランジスタ
171,171A,171B,172 シールド
171L,171LA,171LB,172L シールド線
181 第1MIM電極
182 誘電体層
183 第2MIM電極
192A,192B,192C 配線層
211,212 信号線
300 カメラシステム
310 光学系
360 信号処理回路
370 システムコントローラ
380 表示装置
CON1,CON2,CON3 制御信号線
CON4,CON4A,CON4B 電源線
CX 共通軸
Vp 基準電圧