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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-08
(45)【発行日】2023-06-16
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/52 20230101AFI20230609BHJP
   H04N 25/70 20230101ALI20230609BHJP
   H04N 23/51 20230101ALI20230609BHJP
   H04N 23/68 20230101ALI20230609BHJP
   G03B 17/55 20210101ALI20230609BHJP
【FI】
H04N23/52
H04N25/70
H04N23/51
H04N23/68
G03B17/55
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022208597
(22)【出願日】2022-12-26
【審査請求日】2023-01-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】板屋 竣介
(72)【発明者】
【氏名】松尾 佑治
(72)【発明者】
【氏名】金田 憲和
(72)【発明者】
【氏名】天野 拓也
【審査官】大濱 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-152609(JP,A)
【文献】国際公開第2020/230745(WO,A1)
【文献】特開2012-049383(JP,A)
【文献】特開2011-120065(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/52
H04N 25/70
H04N 23/51
H04N 23/68
G03B 17/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、撮像素子を含む撮像モジュールと、
前記撮像モジュールに接触する第1の端部および前記ハウジングの内面に接触する第2の端部を備える熱伝導シートと、を有し、
前記熱伝導シートの前記第1の端部と前記第2の端部の間の中間部が、外側に凸に湾曲して前記ハウジングの内面の一部分に接触している、撮像装置。
【請求項2】
前記ハウジングが、ユーザが把持するグリップ部を備え、
前記熱伝導シートの前記中間部が、前記ハウジングの内面の前記グリップ部と異なる位置で接触する、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記ハウジング内に配置された伝熱プレートと、
前記ハウジング内に配置され、前記伝熱プレートに接触するヒートシンクと、
前記ハウジング内に配置され、前記ヒートシンクを冷却するファンと、をさらに有し、
前記伝熱プレートが、前記ハウジングの内面に接触している、請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記熱伝導シートの前記第1の端部と前記第2の端部とが間隔をあけて対向し、
前記熱伝導シートの前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置された弾性部材を、さらに有し、
前記弾性部材が、前記熱伝導シートの前記第1の端部を前記撮像モジュールに向かって付勢しつつ、前記熱伝導シートの前記第2の端部を前記ハウジングに向かって付勢している、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮像モジュールが、前記撮像素子を左右方向および高さ方向に変位させる手振れ補正機構を含んでいる、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記熱伝導シートが、グラファイトシートである、請求項1に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、撮像素子パッケージとハウジングとが熱伝導シートを介して熱的に接続されている放熱構造が開示されている。熱伝導シートの両端部がハウジングに接触し、熱電導シートの中間部が撮像素子パッケージに接触している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-120065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、熱源である撮像素子から発生した熱が熱伝導シートを介して放熱部材であるハウジングに伝わる撮像装置において、より放熱性を高めることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するために、本開示の一態様によれば、
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、撮像素子を含む撮像モジュールと、
前記撮像モジュールに接触する第1の端部および前記ハウジングの内面に接触する第2の端部を備える熱伝導シートと、を有し、
前記熱伝導シートの前記第1の端部と前記第2の端部の間の中間部が、外側に凸に湾曲して前記ハウジングの内面の一部分に接触している、撮像装置が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、熱源である撮像素子から発生した熱が熱伝導シートを介して放熱部材であるハウジングに伝わる撮像装置において、より放熱性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の一実施の形態に係る撮像装置の斜視図
図2】本開示の一実施の形態に係る撮像装置の分解斜視図
図3】本開示の一実施の形態に係る撮像モジュールの分解斜視図
図4】ハウジングと撮像モジュールの熱的接続を示す部分断面図
図5】撮像モジュールがハウジングに取り付けられる直前の状態を示す部分断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0009】
なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0010】
以下、本開示の一実施の形態に係る撮像装置について図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は、本開示の一実施の形態に係る撮像装置の斜視図である。また、図2は、本開示の一実施の形態に係る撮像装置の分解斜視図である。
【0012】
ここで、図に示すX-Y-Z直交座標系は、本開示の実施の形態の理解を容易にするためのものであって、本開示の実施の形態を限定するものではない。X軸方向は撮像装置の前後方向であって、Y軸方向は左右方向であって、Z軸方向は高さ方向である。また、撮影時に被写体が存在する側を、撮像装置の前側とする。さらに、本明細書における「左右方向」は、撮像装置の前方から撮像装置の前面を見た場合の左右方向である。
【0013】
図1および図2に示すように、本実施の形態に係る撮像装置10は、いわゆるデジタルカメラである。
【0014】
具体的には、撮像装置10は、ハウジング12を備える。そのハウジング12の前面12aには、レンズが取り付けられるレンズマウント(図示せず)が設けられている。なお、図面は、レンズマウントにレンズキャップ14が取り付けられた状態を示している。
【0015】
ハウジング12の左側には、ユーザが把持するグリップ部12bが設けられている。そのグリップ部12bの上面には、シャッタボタン16が設けられている。さらに、ハウジング12の後面には、バリアングルモニタ18が設けられている。
【0016】
なお、本実施の形態の場合、ハウジング12は、金属材料から作製されたフロントケーシング20、リアケーシング22、およびトップケーシング24から構成されている。フロントケーシング20は、ハウジング12の前側部分であって、ハウジング12の前面12aを備える。リアケーシング22は、ハウジング12の後側部分であって、ハウジング12の後面を備える。トップケーシング24は、ハウジング12の上側部分であって、ハウジング12の上面12cを備える。
【0017】
図2に示すように、ハウジング12内には、撮像モジュール30が配置されている。
【0018】
図3は、本開示の一実施の形態に係る撮像モジュールの分解斜視図である。
【0019】
図2および図3に示すように、撮像モジュール30は、撮像素子32を含んでいる。撮像素子32は、レンズマウントに取り付けられたレンズを透過した被写体の像(画像光)を受光面で受光し、受光した画像光を電気信号に変換するデバイスである。なお、撮像素子32は、保護ガラス34によって覆われて保護されている。
【0020】
本実施の形態の場合、撮像モジュール30は、手振れ補正機構を含んでいる。手振れ補正機構は、撮像装置10を持つユーザの手の振動によって画像ぶれが生じないように、撮像装置10の光軸の延在方向(すなわち前後方向(X軸方向))と直交する方向(すなわち左右方向(Y軸方向)および高さ方向(Z軸方向))に、撮像素子32を変位させる機構である。
【0021】
具体的には、撮像モジュール30は、撮像素子32を支持する可動フレーム36と、可動フレーム36を左右方向(Y軸方向)および高さ方向(Z軸方向)に移動可能に支持するフロントフレーム38とリアフレーム40とを含んでいる。なお、撮像モジュール30は、フロントフレーム38を介して、ハウジング12の前面12aの裏側部分であるハウジング12の内面の前側部分(本実施の形態の場合、フロントケーシング20)に、ねじなどを介して固定される。
【0022】
フロントフレーム38とリアフレーム40は、互いに固定され、その間で可動フレーム36が変位するように、可動フレーム36を支持する。可動フレーム36を変位させるために、フロントフレーム38とリアフレーム40それぞれに複数の磁石42、44が設けられている。また、複数の磁石42、44の間に位置する可動フレーム36の部分に、複数のコイル(図示せず)が設けられている。コイルに電流が流れることにより、磁石42、44の間に形成された磁界の中でコイルが変位する。その結果、可動フレーム36が変位する。
【0023】
図2に示すように、ハウジング12内において、撮像モジュール30の前方には、シャッタモジュール46が配置されている。シャッタモジュール46は、露光時間を調節するためのシャッタを含んでいる。また、ハウジング12内において、撮像モジュール30の後方には、回路基板48が配置されている。回路基板48は、バリアングルモニタ18、撮像モジュール30、シャッタモジュール46などを制御する制御基板である。
【0024】
また、撮像装置10は、いくつかの熱源と、それらの熱源から発生した熱を外部に排熱するためのいくつかの放熱経路を備えている。
【0025】
図2に示すように、本実施の形態の場合、撮像装置10は、そのハウジング12内に、放熱部材であるヒートシンク50と、ヒートシンク50を冷却するファン52とを有する。ヒートシンク50は、高い熱伝導率を備える材料から作製されている。ヒートシンク50上にファン52が載置された状態で、ヒートシンク50とファン52は、ハウジング12の上面12cの中央部分から突出する突出部12d(本実施の形態の場合、トップケーシング24)内に格納されている。そのため、図1に示すように、突出部12dの前端の底面に吸気口12eが設けられ、突出部12dの左右方向(Y軸方向)の両側面に排気口12fが設けられている。ファン52が回転すると、空気が、吸気口12eを介して突出部12d内に流入し、ヒートシンク50を冷却し、そして排気口12f介して突出部12dの外部に流出する。
【0026】
本実施の形態の場合、ヒートシンク50に取り付けられて接触し、それによりヒートシンク50に熱的に接続する伝熱プレート54が、ハウジング12内に設けられている。伝熱プレート54は、高い熱伝導率を備える金属材料から作製されている。
【0027】
伝熱プレート54は、撮像モジュール30と回路基板48との間に配置されている。また、伝熱プレート54は、回路基板48上に搭載された、熱源であるICチップなどの実装部品56とシリコーンゴム等の高熱伝導性放熱部材(図示せず)を介して接触し、実装部品56の熱を吸収する。これにより、実装部品56から発生した熱が、伝熱プレート54を介して、ヒートシンク50に伝わる。
【0028】
また、本実施の形態の場合、撮像モジュール30における可動フレーム36が、ヒートシンク50に熱的に接続されている。具体的には、図2および図3に示すように、可動フレーム36には、ループ状の熱伝導シート58が設けられている。熱伝導シート58は、可撓性と高い熱伝導率を備えるシートである。熱伝導シート58は、例えばグラファイトシートである。ループ状の熱伝導シート58がヒートシンク50の下面に固定されることにより、可動フレーム36が、ループ状の熱伝導シート58を介して、ヒートシンク50に熱的に接続されている。これにより、熱源である撮像素子32から発生した熱が、可動フレーム36と熱伝導シート58とを介して、ヒートシンク50に伝わる。
【0029】
さらに、ハウジング12と撮像モジュール30とが熱的に接続されている。
【0030】
図4は、ハウジングと撮像モジュールの熱的接続を示す部分断面図である。
【0031】
図2および図4に示すように、ハウジング12と撮像モジュール30との間には、熱伝導シート60が配置されている。熱伝導シート60は、可撓性と高い熱伝導率を備えるシートである。熱伝導シート60は、例えばグラファイトシートである。本実施の形態の場合、熱伝導シート60は、ハウジング12の右側部分内に配置されている。
【0032】
熱伝導シート60は、撮像モジュール30の前面38a(本実施の形態の場合、フロントフレーム38の前面38a)に接触する第1の端部60aと、ハウジング12の内面の前側部分12g(本実施の形態の場合、フロントケーシング20の裏面の部分12g)に接触する第2の端部60bとを備える。
【0033】
また、本実施の形態の場合、熱伝導シート60の第1の端部60aと第2の端部60bは、前後方向(X軸方向)に間隔をあけて対向している。さらに、第1の端部60aと第2の端部60bの間の熱伝導シート60の中間部60cは、左右方向(Y軸方向)の外側(本実施の形態の場合、右側)に凸に湾曲している。
【0034】
本実施の形態の場合、熱伝導シート60の第1の端部60aと第2の端部60bの間には、弾性部材62が配置されている。弾性部材62は、例えば発砲ウレタンなどの弾性材料から作製された部材である。
【0035】
本実施の形態の場合、熱伝導シート60の第1の端部60aと第2の端部60bが弾性部材62に対して、両面テープなどの接着部材(図示せず)を介して固定されている。また、熱伝導シート60の第1の端部60aは、撮像モジュール30のフロントフレーム38の前面38aに対して、両面テープなどの接着部材(図示せず)を介して固定されている。これは、撮像装置10の組み立て性を向上させるためである。
【0036】
図5は、撮像モジュールがハウジングに取り付けられる直前の状態を示す部分断面図である。
【0037】
上述したように、撮像モジュール30は、フロントフレーム38を介して、ハウジング12(本実施の形態の場合、フロントケーシング20)に、ねじなどを介して固定される。固定するとき、撮像モジュール30が、フロントケーシング20に対して前後方向(X軸方向)に接近される。撮像モジュール30がフロントケーシング20に接近すると、熱伝導シート60の第2の端部60bが、フロントケーシング20の裏面の部分12gに接触する。なお、この接触したタイミングでは、熱伝導シート60の中間部60cは、フロントケーシング20に接触していない。
【0038】
熱伝導シート60の第2の端部60bがフロントケーシング20に接触したタイミングからさらに撮像モジュール30がフロントケーシング20に接近され、その後、撮像モジュール30がフロントケーシング20に固定される。これにより、図4に示すように、弾性部材62が前後方向(X軸方向)に圧縮され、熱伝導シート60の第1の端部60aと第2の端部60bが前後方向に接近する。それにより、熱伝導シート60の中間部60cが、第2の端部60bがフロントケーシング20に接触する前に比べてより鋭く凸に左右方向(Y軸方向)の外側に湾曲する。その結果、熱伝導シート60の中間部60cが、ハウジング12の内面の一部分12h(本実施の形態の場合、ハウジング12の内面の右側部分12h)に接触し続ける。また、弾性部材62が第1の端部60aを撮像モジュール30のフロントフレーム38に向かって付勢しつつ、第2の端部60bをフロントケーシング20に向かって付勢する。これにより、熱伝導シート60の第1の端部60aが撮像モジュール30のフロントフレーム38に接触し続けるとともに、第2の端部60bがフロントケーシング20に接触し続ける。
【0039】
このような熱伝導シート60によれば、撮像素子32の発熱によって高温状態になった撮像モジュール30の熱は、そのフロントフレーム38から第1の端部60aを介して熱伝導シート60に伝わる。熱伝導シート60の熱は、第2の端部60bと中間部60cとを介して、ハウジング12のフロントケーシング20に伝わる。そして、熱は、フロントケーシング20から外部に放熱される。
【0040】
熱源である撮像モジュール30に接触する第1の端部60aと放熱部材であるハウジング12のフロントケーシング20に接触する第2の端部60bとの間の熱伝導シート60の中間部60cがフロントケーシング20に接触することにより、放熱性が向上する。すなわち、熱伝導シート60とハウジング12のフロントケーシング20との間の接触面積が増加する。その結果、熱伝導シート60の中間部60cが何も接触していない場合に比べて、撮像モジュール30からハウジング12への放熱性がさらに向上する。
【0041】
また、本実施の形態の場合、熱伝導シート60の中間部60cは、ハウジング12の内面の右側部分12hに接触している。すなわち、熱伝導シート60の中間部60cは、グリップ部12bの裏側であるハウジング12の内面の左側部分に接触していない。そのため、グリップ部12bを把持するユーザの手に熱が伝わることがなく、ユーザに不快感を与えることが抑えられる。
【0042】
さらに、本実施の形態の場合、上述したように、熱伝導シート60の第2の端部60bおよび中間部60cは、ハウジング12のフロントケーシング20に接触するものの固定されていない。そのため、撮像装置10のメンテナンス性が向上する。すなわち、熱伝導シート60を破壊することなく、撮像モジュール30をハウジング12のフロントケーシング20から取り外すことができる。
【0043】
なお、本実施の形態の場合、図4に示すように、伝熱プレート54の右側端は、ハウジング12のフロントケーシング20に接触している。したがって、熱伝導シート60を介してフロントケーシング20に移動した熱の一部は、伝熱プレート54に伝わる。上述したように、伝熱プレート54は、ファン52によって冷却されるヒートシンク50に熱的に接続されている。そのため、熱伝導シート60からハウジング12への放熱性がさらに向上する。
【0044】
以上のような本実施の形態によれば、熱源である撮像素子32から発生した熱が熱伝導シート60を介して放熱部材であるハウジング12に伝わる撮像装置10において、より放熱性を高めることができる。
【0045】
以上、上述の実施の形態を挙げて本開示の実施の形態を説明したが、本開示の実施の形態は上述の実施の形態に限定されない。
【0046】
例えば、上述の実施の形態の場合、図4および図5に示す熱伝導シート60は、可撓性を備えるグラファイトシートである。しかしながら、本開示の実施の形態はこれに限らない。例えば、熱伝導シート60は、弾性変形する金属材料から作製されてもよい。熱伝導シート60は、例えばアルミシートであってもよい。なお、熱伝導シート60の弾性変形(復元力)によって第1の端部60aと撮像モジュール30との接触および第2の端部60bとハウジング12との接触それぞれを維持できる場合、弾性部材62を省略することが可能である。また、この場合、熱伝導シート60の第1の端部60aと第2の端部60bとが前後方向(X軸方向)に対向しなくてもよい。
【0047】
すなわち、本開示の実施の形態に係る撮像装置は、広義には、ハウジングと、前記ハウジング内に配置され、撮像素子を含む撮像モジュールと、前記撮像モジュールに接触する第1の端部および前記ハウジングの内面に接触する第2の端部を備える熱伝導シートと、を有し、前記熱伝導シートの前記第1の端部と前記第2の端部の間の中間部が、外側に凸に湾曲して前記ハウジングの内面の一部分に接触している。
【0048】
以上のように、本開示における技術の例示として、上述の実施の形態を説明してきた。そのために、図面および詳細な説明を提供している。したがって、図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上述の技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0049】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略等を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本開示は、撮像素子を備える撮像装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0051】
12 ハウジング
30 撮像モジュール
60 熱伝導シート
60a 第1の端部
60b 第2の端部
60c 中間部
【要約】
【課題】熱源である撮像素子から発生した熱が熱伝導シートを介して放熱部材であるハウジングに伝わる撮像装置において、より放熱性を高める。
【解決手段】撮像装置は、ハウジング12と、ハウジング12内に配置され、撮像素子を含む撮像モジュール30と、撮像モジュール30に接触する第1の端部60aおよびハウジング12の内面に接触する第2の端部60bを備える熱伝導シートとを有する。熱伝導シート60の第1の端部60aと第2の端部60bの間の中間部60cが、外側に凸に湾曲してハウジング12の内面の一部分12hに接触している。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5