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特許7291966装飾体、装飾体作成キット、及び、装飾体の作成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-08
(45)【発行日】2023-06-16
(54)【発明の名称】装飾体、装飾体作成キット、及び、装飾体の作成方法
(51)【国際特許分類】
   A47G 33/00 20060101AFI20230609BHJP
   B44C 3/00 20060101ALI20230609BHJP
【FI】
A47G33/00 Q
B44C3/00 R
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021112455
(22)【出願日】2021-07-06
(65)【公開番号】P2023008700
(43)【公開日】2023-01-19
【審査請求日】2022-07-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521299293
【氏名又は名称】株式会社HANA竹屋
(74)【代理人】
【識別番号】100203460
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 肇
(72)【発明者】
【氏名】竹本 一平
【審査官】沖田 孝裕
(56)【参考文献】
【文献】実開昭49-034194(JP,U)
【文献】特開2002-169474(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 33/00
B44C 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被装飾物が、植物又は造花である装飾物により装飾されている装飾体であって、
前記装飾物が正面側に接着されている板状の第1部材と、
前記被装飾物が背面側に取り付けられている板状の第2部材と、を備え、
前記第2部材には、前後方向に貫通する一対の貫通孔と、前記一対の貫通孔の正面側の間で正面側から背面側へ向けて窪んだ溝とが設けられ、前記一対の貫通孔を通過し前記溝に沿う結束バンドが前記被装飾物に巻き回されており、
前記第1部材の背面側と前記第2部材の正面側とが対向して、前記第1部材と前記第2
部材とが接続されている、装飾体。
【請求項2】
前記第2部材は、板状の前側部材及び後側部材が、前記前側部材の背面と前記後側部材の正面とが対向するように接続されて構成されており、
前記前側部材には、前後方向に貫通し上下方向に延びる長孔が設けられており、
前記後側部材には、前後方向に延びる一対の孔が設けられており、
前記長孔と前記孔とにより前記貫通孔が形成され、
前記長孔と前記後側部材の正面とにより前記溝が形成されており、
前記後側部材の背面側に前記被装飾物が取り付けられている、請求項1に記載の装飾体。
【請求項3】
前記第1部材と前記第2部材との一方は、前記第1部材と前記第2部材を重畳させた場合に他方に対して大きく形成されている部分を有し、その部分には意匠が施された装飾部が設けられており、
且つ、前記第1部材と前記第2部材とは、外形の一部が同形状である、請求項1又は2に記載の装飾体。
【請求項4】
植物又は造花である装飾物により被装飾物が装飾される装飾体の作成に用いられる作成キットであって、
正面側に前記装飾物を接着可能な板状の第1部材と、
背面側に前記被装飾物を取り付け可能な板状の第2部材と、
結束バンドと、を備え、
前記第2部材は、前後方向に貫通する一対の貫通孔と、前記一対の貫通孔の正面側の間で正面側から背面側へ向けて窪んだ溝とが設けられ、前記一対の貫通孔を通過し前記溝に沿う前記結束バンドを前記被装飾物に巻き回し可能であり
前記第1部材と前記第2部材とは、前記第1部材の背面側と前記第2部材の正面側とが対向するようにして接続可能である、作成キット。
【請求項5】
前記第2部材は、板状の前側部材及び後側部材が、前記前側部材の背面と前記後側部材の正面とが対向するように接続されて構成されており、
前記前側部材には、前後方向に貫通し上下方向に延びる長孔が設けられており、
前記後側部材には、前後方向に延びる一対の孔が設けられており、
前記長孔と前記孔とにより前記貫通孔が形成され、
前記長孔と前記後側部材の正面とにより前記溝が形成されており、
前記後側部材の背面側に前記被装飾物が取り付け可能である、請求項4に記載の作成キット。
【請求項6】
前記第1部材と前記第2部材との一方は、前記第1部材と前記第2部材を重畳させた場合に他方に対して大きく形成されている部分を有し、その部分には意匠が施された装飾部が設けられており、
且つ、前記第1部材と前記第2部材とは、外形の一部が同形状である、請求項3又は4に記載の作成キット。
【請求項7】
被装飾物が、植物又は造花である装飾物により装飾されている装飾体を作成する作成方法であって、
前記装飾物を、板状の第1部材の正面側に接着する第1工程と、
後方向に貫通する一対の貫通孔と、前記一対の貫通孔の正面側の間で正面側から背面側へ向けて窪んだ溝とが設けられている板状の第2部材の背面側に、前記被装飾物を、前記一対の貫通孔を通過し前記溝に沿う結束バンドをその被装飾物に巻き回して取り付ける第2工程と、
前記第1部材の背面側と前記第2部材の正面側とを対向させて接続する第3工程と、を実施する、作成方法。
【請求項8】
前記第2工程の前に、
前後方向に貫通し上下方向に延びる長孔が設けられている板状の前側部材の背面と、
板状であり、前後方向に延びる一対の孔が設けられている後側部材の正面と、を接続し、
前記長孔と前記孔とにより前記貫通孔が形成され、
前記長孔と前記後側部材の正面とにより前記溝を形成することで、前記第2部材を構成する工程をさらに実施し、
前記第2工程では、前記第2部材を構成する前記後側部材の背面側に前記被装飾物を取り付ける、請求項7に記載の作成方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物又は模造植物により被装飾物が装飾されている装飾体、その装飾体の作成に用いられる装飾体作成キット、及び、その装飾体の作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、注連縄飾り等のように、植物又は模造植物である装飾物を被装飾物に対して取り付けて、ひとつの装飾体を構成しているものがある。このような装飾体として、特許文献1に記載の注連縄飾りがある。特許文献1に記載の注連縄飾りでは、被装飾物である注連縄に、植物や水引等の装飾物を取り付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-008340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1等に記載の注連縄飾りにおいて、一般的には、装飾物を被装飾物に対して取り付ける際には、接着剤により接着することが一般的である。しかしながら、植物又は模造植物である装飾物を注連縄等の被装飾物に接着する場合には、互いに凹凸を有する形状であるため、接着剤が硬化するまでは人が支持する必要があるうえ、接着剤の量は必然的に多くなり硬化までの時間が長くなる。したがって、注連縄飾りの製造に要する時間が長くなるうえ、製造には一定の技術が必要となる。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、製造時の手間を削減可能な装飾体、その装飾体の作成に用いられる作成キット、及び、その装飾体の作成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の構成は、被装飾物が、植物又は造花である装飾物により装飾されている装飾体であって、装飾物が正面側に接着されている第1部材と、被装飾物が背面側に取り付けられている第2部材と、を備え、第1部材の背面側と第2部材の正面側とが対向して、第1部材と第2部材とが接続されている。
【0007】
第1の構成では、立体形状の装飾物である植物や造花を第1部材に接着しておき、第2部材には被装飾物を取り付けておけば、第1部材と第2部材との接続により装飾体を得ることができる。したがって、容易に且つ短時間で製造可能な装飾体を提供することができる。
【0008】
第2の構成は、第1の構成に加えて、第1部材及び第2部材は板状である。
【0009】
第2の構成では、第1部材及び第2部材による嵩張りを抑制できるため、装飾物により被装飾物を装飾するうえで、形状の違和感を軽減することができる。
【0010】
第3の構成は、第1又は第2の構成に加えて、第2部材は、板状の正面部材と、その正面部材の背面側に取り付けられている板状の背面部材とにより構成されており、正面部材の正面側に第1部材が接続されており、背面部材の背面側に被装飾物が取り付けられている。
【0011】
第3の構成では、正面部材と背面部材のそれぞれに異なる機能を持たせることができるため、装飾体の拡張性を向上させることができる。
【0012】
第4の構成は、第1~第3のいずれかの構成に加えて、第1部材と第2部材とは、外形の少なくとも一部が同形状である。
【0013】
第4の構成では、第1部材と第2部材とを接続するうえで、外形の同形状の部分が一致するようにして取り付けることができるため、装飾物と被装飾物との位置のずれを抑制することができる。
【0014】
第5の構成は、第1~第4のいずれかの構成に加えて、第1部材と第2部材との一方は他方よりも外形が大きく、第1部材と第2部材を重畳させた場合に他方に対して大きく形成されている部分には、意匠が施された装飾部が設けられている。
【0015】
第5の構成では、装飾物と被装飾物に加えて、第1部材と第2部材との一方が備える装飾部の意匠を組み合わせた装飾体を提供することができる。
【0016】
第6の構成は、第1~第5のいずれかの構成に加えて、第1部材は、装飾物が接着される位置を示す表示部を備える。
【0017】
第6の構成では、表示部を参照しつつ装飾物を接着することができるため、製造をより容易に行うことができる。
【0018】
第7の構成は、植物又は造花である装飾物により被装飾物が装飾される装飾体の作成に用いられる作成キットであって、正面側に装飾物を接着可能な第1部材と、背面側に被装飾物を取り付け可能な第2部材と、を備え、第1部材と第2部材とは、第1部材の背面側と第2部材の正面側とが対向するようにして接続可能である。
【0019】
第7の構成では、第1の構成に係る装飾体を作成することが可能な作成キットを提供することができる。
【0020】
第8の構成は、植物又は造花である装飾物により被装飾物が装飾される装飾体を作成する作成方法であって、装飾物を、第1部材の正面側に接着する第1工程と、被装飾物を、第2部材の背面側に取り付ける第2工程と、第1部材の背面側と第2部材の正面側とを対向させて接続する第3工程と、を実施する。
【0021】
第8の構成の作成方法では、第1の構成に係る装飾体を好適に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】装飾体の正面図である。
図2】作成キットの構成を示す斜視図である。
図3】第1部材及び第2部材の正面図である。
図4】第2部材の構成を示す斜視図である。
図5】前側部材及び後側部材の正面図である。
図6】第1部材への装飾物の取り付けを説明する図である。
図7】装飾物が取り付けられた第1部材の正面図である。
図8】第2部材への被装飾物の取り付けを説明する図である。
図9】第2実施形態に係る第1部材の正面図である。
図10】第3実施形態に係る前側部材の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<実施形態>
実施形態に係る装飾体10は、図1に示すように、植物又は模造植物を含む装飾物11を、円環状の注連縄である被装飾物12に対して取り付けることで、非装飾物12を装飾物11により装飾しているものである。また、被装飾物12は、水引13によっても装飾されている。この装飾物11を作成するうえで、図2に示す作成キット20が用いられる。なお、以下の説明において、装飾体11を飾った場合における天地の方向を上下方向とし、装飾物11と被装飾物12とが重畳している方向を前後方向として説明する。
【0024】
作成キット20は、図2及び図3に示すように、板状の第1部材30と、板状の第2部材40とにより構成されている。また、第2部材40は、図4及び図5に示すように、板状の前側部材50と後側部材60とにより構成されている。第1部材30、前側部材50、及び後側部材60は外形及び厚みが等しく、これらは厚みが均一な板状であり、外形は左右方向を長軸とする楕円形である。
【0025】
前側部材50の左右の端部近傍のそれぞれには、前後方向に貫通する左側長孔51及び右側長孔52が設けられている。この左側長孔51及び右側長孔52は、前側部材50の短軸と平行に上下方向に延びる長方形であり、左側長孔51及び右側長孔52の中心は、前側部材50の長軸上に位置している。また、左側長孔51の前側部材50の左端からの距離と、右側長孔52の前側部材50の右端からの距離は、等しくなっている。
【0026】
後側部材60の左上側近傍、左下側近傍、右上側近傍、右下側近傍のそれぞれには、正方形の左上孔61、左下孔62、右上孔63、及び右下孔64が設けられている。これらの左上孔61、左下孔62、右上孔63、及び右下孔64の辺の長さは、前側部材50の左側長孔51及び右側長孔52の幅と等しい。また、前側部材50と後側部材60とを重畳させた場合に、左側長孔51の上端及び左右端と左上孔61の上端及び左右端とが一致し、左側長孔51の下端及び左右端と左下孔62の下端及び左右端とが一致し、右側長孔52の上端及び左右端と右上孔63の上端及び左右端とが一致し、右側長孔52の下端及び左右端と右下孔64の下端及び左右端とが一致する。すなわち、左上孔61、左下孔62、右上孔63、及び右下孔64の後側部材60の短軸からの距離はいずれも等しく、且つ、左上孔61、左下孔62、右上孔63、及び右下孔64の後側部材60の長軸からの距離も等しくなっている。
【0027】
以上説明した作成キット20を用いて、装飾体10を作成する手順について説明する。まず、前側部材50と後側部材60とを外径が一致するようにして重畳させ、接着剤により接着することで、第2部材40を形成する。このとき、左側長孔51と左上孔61とにより第2部材40を前後方向に貫通する左上貫通孔41が形成され、左側長孔51と左下孔62とにより第2部材40を前後方向に貫通する左下貫通孔42が形成され、右側長孔52と右上孔63とにより第2部材40を前後方向に貫通する右上貫通孔43が形成され、右側長孔52と右下孔64とにより第2部材40を前後方向に貫通する右下貫通孔44が形成される。また、左上貫通孔41と左下貫通孔42との間には、前側から後側へ向けて窪み、且つ上下方向に延びる長方形状の左側溝45が、左側長孔51と後側部材60の前面とにより形成される。同様に、右上貫通孔43と右下貫通孔44との間には、前側から後側へ向けて窪み、且つ上下方向に延びる長方形状の右側溝46が、右側長孔52と後側部材60の前面とにより形成される。
【0028】
第1部材30に装飾物11及び水引13を取り付ける場合には、ホットメルト樹脂を利用する。具体的には、ホットメルト樹脂をグルーガンにより溶かしつつ、装飾物11及び水引13に対して塗布する。そして、ホットメルト樹脂が硬化する前に図6のように装飾物11及び水引13を第1部材30に対して取り付け、ホットメルト樹脂が硬化するまで装飾物11を支持することで、図7に示すように第1部材30に対して装飾物11及び水引13が接着される。
【0029】
第2部材40に被装飾物12を取り付ける場合には、図8に示すように、2本の結束バンド14を利用する。まず、一方の結束バンド14は、左上貫通孔41と左下貫通孔42とを通過し、且つ、左側溝45に沿うように通す。同様に、他方の結束バンド14は、右上貫通孔43と右下貫通孔44とを通過し、且つ、右側溝46に沿うように通す。続いて、第2部材40の背面に被装飾物12を位置させ、結束バンド14を被装飾物12の背面を通過するように巻き回したうえで固定する。以上のようにして、第2部材40に対する被装飾物12の取り付けが完了する。
【0030】
以上のようにして第1部材30に対して装飾物11を接着し、第2部材40に対して被装飾物12を取り付けた後、第1部材30と第2部材40とを接続する。具体的には、第1部材30の背面及び第2部材40の正面の少なくとも一方に接着剤を塗布し、第1部材30の背面と第2部材40の正面とが対向するようにして取り付ける。このとき、第1部材30の外形と第2部材40の外形とが一致するように取り付けることが好ましい。
【0031】
なお、第1部材30に対する装飾物11の接着と、第2部材40に対する被装飾物12の取り付けについて、いずれを先に行ってもよい。
【0032】
上記構成により、本実施形態に係る装飾体10、作成キット20は、以下の効果を奏する。
【0033】
・立体形状の装飾物11である植物や造花を第1部材30に接着しておき、第2部材40には被装飾物12を取り付けておく製造工程であるため、第1部材30と第2部材40との接続により装飾体10を得ることができる。したがって、容易に且つ短時間で製造可能な装飾体10を提供することができる。
【0034】
・第1部材30及び第2部材40が板状であるため、嵩張りを抑制でき、装飾物11により被装飾物12を装飾するうえで、形状の違和感を軽減することができる。
【0035】
・第1部材30と第2部材40の形状が同形状であるため、第1部材30と第2部材40とを接続するうえで、外形が一致するようにして取り付けることができ、第1部材30に取り付けられた装飾物11と第2部材に取り付けられた被装飾物12との位置のずれを抑制することができる。
【0036】
<第2実施形態>
本実施形態では、第1部材130の構成が、第1実施形態と異なっている。本実施形態における第1部材130について、図9を参照して説明する。
【0037】
第1部材130には、格子状の区画線131が罫書かれており、この区画線131により、第1部材130が9つの領域に分割されている。そして、各領域には、アルファベットである記号132が罫書かれている。この記号132は第1部材130に対して接着される装飾体11に対応しており、本実施形態に係る第1部材130を用いて装飾体を作成するうえで、別途用意された説明書等を参照することで、正確に取り付け位置を把握することができる。なお、区画線131及び記号132を纏めて、装飾物11を取り付ける位置が表示されている表示部と称することができる。
【0038】
本実施形態に係る第1部材130に装飾物11や水引13等を接着する場合には、それらを対応する記号132の位置に接着する。第2部材40の形状や作成手順、及び、第1部材130と第2部材40との取り付け方法については第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0039】
上記構成により、本実施形態に係る装飾体は以下の効果を奏する。
【0040】
・区画線131及び記号132を参照しつつ装飾物11を接着することができるため、製造をより容易に行うことができる。
【0041】
<第3実施形態>
本実施形態では、第2部材を構成する前側部材250の構造が第1実施形態と異なっている。本実施形態における前側部材250について、図10を参照して説明する。
【0042】
前側部材250の外形は、一部を除き、第1実施形態に係る前側部材50と同様の楕円形である、また、第1実施形態と同様に、左側長孔251及び右側長孔252を備えており、これらの位置及び形状は第1実施形態と同等であるため、説明を省略する。前側部材250は、さらに、正面視にて外形から外に飛び出した装飾部253を備えている。この装飾部253は正面視にて雪の結晶を模したものであり、前側部材250の他の部分と同等の均一な厚みを有している。
【0043】
以上説明した前側部材250と後側部材とを接着して第2部材を構成する場合、第2部材の周囲から装飾部253が飛び出した形状となり、装飾体を構成した場合にその装飾体に装飾部253による意匠を付加することができる。また、前側部材250の装飾部253が形成されている部分以外の形状は第1部材及び後側部材と同形状であるため、接着等を行う際の位置合わせの容易性は第1実施形態と同等である。
【0044】
<変形例>
・実施形態では、第1部材30に装飾物11を接着する場合にホットメルト樹脂を用いているが、その他の種々の接着剤を用いることができる。また、実施形態では装飾物11にホットメルト樹脂を塗布したうえで、第1部材30に接着するものとしたが、第1部材の前面に接着剤等を塗布しておき、接着剤が塗布された第1部材30に対して装飾物11を取り付けるものとしてもよい。
【0045】
・実施形態では、第2部材40に被装飾物12を取り付けるうえで結束バンドを用いているが、紐等を用いて取り付けてもよいし、接着剤により接着することで取り付けるものとしてもよい。また、その他の種々の取付手段を採用することができる。
【0046】
・実施形態では、第1部材30と第2部材40との接続に接着剤を用いているが、ネジ止めを行ったり、クリップ状の部材により挟み込んで固定したりする等、種々の接続手段を採用することができる。
【0047】
・実施形態では、第2部材40を前側部材50及び後側部材60により構成するものとしたが、ひとつの部材のみで構成してもよいし、3以上の部材を組み合わせて構成してもよい。また、第2部材40に貫通孔41~44を設けるものとしているが、第2部材40に対する被装飾物12の取付方法に応じて、貫通孔41~44等を設けないものとしてもよいし、貫通孔41~44の形状を適宜変更してもよい。
【0048】
・実施形態では、第1部材30と第2部材40の外形を等しくしているが、異なっていてもよい。この場合には、第1部材30及び第2部材40の一方に、他方との取付位置を示す目印を設けるとよい。また、第1部材30、前側部材50、後側部材60の厚みが異なっていてもよい。
【0049】
・実施形態では、第1部材30と第2部材40の外形を楕円形としているが、多角形とする等、他の種々の形状としてもよい。また、第1部材30、前側部材50、後側部材60について、実施形態では装飾物11と被装飾物12とに挟まれて隠れるものとしているが、第1部材30、前側部材50、後側部材60の少なくとも一つに対して意匠性を持たせるとともに装飾物11により隠れない程度の大きさとしてもよい。この場合には、装飾物11及び被装飾物12により構成される意匠に、第1部材30、前側部材50、後側部材60の少なくとも一つの意匠が付加されることとなる。
【0050】
・実施形態では、非装飾物12として円環状の注連縄を採用するものとしているが、クリスマス等で飾られるリースを被装飾物12として採用してもよいし、その他の種々のものを被装飾物として採用してもよい。
【0051】
・第2実施形態において、装飾物11の取り付け位置の表示方法は種々の変更が可能である。例えば、装飾物11の名称を第1部材130に表示する手段を採用することができる。また、前側部材又は後側部材に被装飾物12の取り付け位置を表示するものとしてもよい。
【0052】
・第3実施形態における装飾部253の形状は実施形態で示したものに限られず、種々の変更が可能である。また、前側部材に装飾部を設けず、第1部材又は後側部材に装飾部を設けるものとしてもよいし、第1部材、前側部材、後側部材のうちの2つに装飾部を設けてもよいし、それらのすべてに装飾部を設けるものとしてもよい。
【符号の説明】
【0053】
装飾体…10,装飾物…11,被装飾物…12、作成キット…20、第1部材…30,第2部材…40,前側部材…40,後側部材…50,第1部材…130,記号…132,前側部材…250、装飾部…253
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10