IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 鈴茂器工株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-食材処理装置 図1
  • 特許-食材処理装置 図2
  • 特許-食材処理装置 図3
  • 特許-食材処理装置 図4
  • 特許-食材処理装置 図5
  • 特許-食材処理装置 図6
  • 特許-食材処理装置 図7
  • 特許-食材処理装置 図8
  • 特許-食材処理装置 図9
  • 特許-食材処理装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-08
(45)【発行日】2023-06-16
(54)【発明の名称】食材処理装置
(51)【国際特許分類】
   A23L 7/10 20160101AFI20230609BHJP
【FI】
A23L7/10 E
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019068133
(22)【出願日】2019-03-29
(65)【公開番号】P2020162530
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2022-02-25
(73)【特許権者】
【識別番号】591094262
【氏名又は名称】鈴茂器工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101971
【弁理士】
【氏名又は名称】大畑 敏朗
(72)【発明者】
【氏名】小根田 育冶
(72)【発明者】
【氏名】矢内 政利
(72)【発明者】
【氏名】神山 孝司
(72)【発明者】
【氏名】平井 悠太
(72)【発明者】
【氏名】中野 達也
【審査官】関根 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-055664(JP,A)
【文献】特開2001-198004(JP,A)
【文献】特開2000-144941(JP,A)
【文献】特開2001-046302(JP,A)
【文献】特開2011-004965(JP,A)
【文献】実公昭58-023302(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 7/10
A47J 27/00
日経テレコン
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に開いた開口部が形成され、蒸気を発するとともに保温が必要とされる食材を貯留する貯留部を備えた本体部と、
前記開口部を覆うように前記本体部に回動可能に取り付けられ、前記貯留部に食材を投入する際に開閉操作される蓋部材とを有し、
前記蓋部材の裏面は、前記蓋部材の回動軸と平行になって直線状に延びた複数の頂部および複数の谷部が交互に形成された波状面になっている、
ことを特徴とする食材処理装置。
【請求項2】
前記波状面には、前記回動軸と交差する方向に延びる複数の起伏溝が形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の食材処理装置。
【請求項3】
前記起伏溝の前記回動軸に沿った方向の断面は、湾曲状に形成されている、
ことを特徴とする請求項2記載の食材処理装置。
【請求項4】
前記頂部および前記谷部は、前記回動軸の方向に対して互い違いに形成されている、
ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の食材処理装置。
【請求項5】
前記貯留部に貯留された食材である米飯を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段に搬送された食材を解すように取り崩す解し手段と、
前記解し手段から落下した食材の重量を計量する計量手段と、
前記計量手段に計量された食材を食材受容部に落下供給する供給手段と、
をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の食材処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食材処理装置に関し、特に、食材処理装置における蓋部材の裏面の結露に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
弁当や丼物等を作る場合、米飯(食材)を弁当箱や椀等の容器に供給するための食材処理装置が知られている。この食材処理装置は、貯留部であるホッパに米飯を貯留しておき、そこから米飯を抽出して計量することにより、一定量の米飯を容器に自動的に供給する装置である。
【0003】
ここで、食材処理装置においては、貯留されている米飯から湯気が発生し、上蓋(蓋部材)の裏面に結露することになる。
【0004】
例えば特許文献1では、ホッパ筐体、開閉蓋部および円筒筐体の金属材料の外面側の全域に各々面状ヒータを接合し、各面状ヒータの外面側の全域を断熱材料にて被覆するように構成して結露を防止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-14983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さて、前述のように食材処理装置の上蓋の裏面には米飯からの湯気が水滴となって結露するが、このとき、結露した水滴は、上蓋裏面の全面にわたって不規則に付着している。
【0007】
そして、米飯を追加補充する際に上蓋を開けると、上蓋の開口先端から上蓋の回動支点へと結露が集結し、そこから米飯に流れ落ちてしまう。すると、過剰に水分を含んでふやけた箇所が生じ、食感がばらついてしまう。
【0008】
また、上蓋の裏面に結露した水滴が貯留された米飯に滴下する際に特定の箇所に偏って滴下すると、米飯には、結露の戻りがないために乾燥気味になった箇所と過剰に水分を含んでふやけた箇所が生じ、やはり食感がばらついてしまう。
【0009】
本発明は、上述の技術的背景からなされたものであって、食材の貯留部の上面を覆う蓋部材を開けたときに、当該蓋部材の裏面に結露した水滴を食材に満遍なく滴下させることのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の食材処理装置は、上方に開いた開口部が形成され、蒸気を発するとともに保温が必要とされる食材を貯留する貯留部を備えた本体部と、前記開口部を覆うように前記本体部に回動可能に取り付けられ、前記貯留部に食材を投入する際に開閉操作される蓋部材とを有し、前記蓋部材の裏面は、前記蓋部材の回動軸と平行になって直線状に延びた複数の頂部および複数の谷部が交互に形成された波状面になっている、ことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の本発明の食材処理装置は、請求項1記載の発明において、前記波状面には、前記回動軸と交差する方向に延びる複数の起伏溝が形成されている、ことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の本発明の食材処理装置は、請求項2記載の発明において、前記起伏溝の前記回動軸に沿った方向の断面は、湾曲状に形成されている、ことを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の本発明の食材処理装置は、請求項1~3の何れか一項に記載の発明において、前記頂部および前記谷部は、前記回動軸の方向に対して互い違いに形成されている、ことを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の本発明の食材処理装置は、請求項1~4の何れか一項に記載の発明において、前記貯留部に貯留された食材である米飯を搬送する搬送手段と、前記搬送手段に搬送された食材を解すように取り崩す解し手段と、前記解し手段から落下した食材の重量を計量する計量手段と、前記計量手段に計量された食材を食材受容部に落下供給する供給手段と、をさらに有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、蓋部材の裏面は、蓋部材の回動軸と平行になって直線状に延びた複数の頂部と複数の谷部とが交互に形成された波状面になっているので、蓋部材を開いた際には、当該蓋部材の裏面のどの位置に結露している水滴も、蓋部材の回動軸側の端部に達する前に何れかの頂部に集まり、そこから滴下することになる。これにより、蓋部材の裏面に結露した水滴を食材に満遍なく滴下させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施の形態である食材処理装置を示す斜視図である。
図2図1の食材処理装置の上部について上蓋を開いた状態で示す斜視図である。
図3図1の食材処理装置の断面図である。
図4図1のIV-IV線に沿った断面図である。
図5図4の断面の一部を抽出して示す斜視図である。
図6図5のS部を拡大して示す斜視図である。
図7】本実施の形態の食材処理装置において上蓋を開いたときの水滴の落下状態を示す説明図である。
図8】(a)(b)は図6のVIII-VIII線に沿った断面において結露した水滴の動きを示す説明図である。
図9】(a)は図1の食材処理装置における上蓋の裏面に形成された頂部と谷部のレイアウトを示す説明図、(b)は変形例としての食材処理装置における上蓋の裏面に形成された頂部と谷部のレイアウトを示す説明図である。
図10】変形例としての上蓋の裏面の断面形状を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0018】
図1は本発明の一実施の形態である食材処理装置を示す斜視図、図2図1の食材処理装置の上部について上蓋を開いた状態で示す斜視図、図3図1の食材処理装置の断面図である。
【0019】
図1および図2に示すように、本実施の形態の食材処理装置Aは、正面板10および当該正面板10の背面に位置する背面板11、ならびにこれら正面板10および背面板11の両側に位置する側面板12を備え、上方に開いた開口部13が形成された本体部1を有している。また、本体部1には、開口部13を覆う上蓋(蓋部材)14が、蝶番ユニット15を介して回動軸Jを支点にして回動可能に取り付けられている。この上蓋14は、後述するホッパ(貯留部)20に米飯(食材)Rを投入する際に開閉操作される。なお、上蓋14は、開口部13を閉鎖したときに外側に位置する外蓋部14-1と、裏側に位置する裏蓋部14-2とで構成されている。
【0020】
図示するように、正面板10には、タッチパネル式の表示部16が備えられている。表示部16は、操作コマンドを入力したりメッセージ等を表示する画面であり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)により構成されている。本体部1の背面側には、食材処理装置Aの動作制御を行うための図示しないCPUなどの様々な電子部品が実装された基板17(図3)が設置されている。
【0021】
また、正面板10の下方には、米飯Rを盛り付けるときの容器(食材受容部)が設置される容器設置部18が設けられ、正面板10と容器設置部18との間には、所定の奥行きおよび高さを有した凹部空間19が形成されている。この凹部空間19は容器を収容するに十分な空間となっており、その上方から米飯Rが落下して容器に供給される。
【0022】
図2および図3に示すように、前述した開口部13内には、当該開口部13から投入された米飯Rが貯留されるホッパ(貯留部)20が設置されている。また、図3に示すように、本体部1の一部をなすホッパ20の底面付近には、米飯Rを搬送(図3においては、図面右側から斜め左上側に搬送)するための螺旋状の搬送スクリュ(搬送手段)21が設けられている。搬送スクリュ21における米飯Rの搬送方向の下流側には、搬送スクリュ21の回転によりホッパ20内を搬送された米飯Rを解すように取り崩して落下させるドラム型で外周に多数の爪22aが設けられた解しローラ(解し手段)22が配置されている。さらに、解しローラ22の直下には、当該解しローラ22から落下した米飯Rの落下経路を開閉する一対のシャッタ(供給手段)23が備えられている。
【0023】
解しローラ22の回転軸は搬送スクリュ21の回転軸と直交するような位置関係になっている。これにより、ホッパ20に貯留された米飯Rは、ホッパ20に設けられた搬送スクリュ21の回転により解しローラ22へと搬送される。そして、解しローラ22に搬送された米飯Rは、当該解しローラ22の回転に伴う爪22aの働きにより、解されながら落下する。
【0024】
また、シャッタ23は、前述した解しローラ22によって落下する米飯Rの落下経路上に位置している。このシャッタ23は、米飯Rが蓄積可能に下方に膨らんだ形状となっており、下方に向けて開閉可能になった一対の部材で形成されている。そして、容器に米飯Rを供給する際にはシャッタ23が開き、供給を停止する際に閉じることにより、米飯Rの容器への供給動作と供給停止動作とが行われる。
【0025】
さらに、食材処理装置Aは、シャッタ23に蓄積された米飯R(つまり、容器設置部18に載置された容器に供給されることになる米飯R)の計量を行う計量手段であるロードセル(計量手段)24を備えている。
【0026】
ロードセル24は、検出素子として例えばひずみゲージが用いられ、荷重によるひずみを電気信号に変換する荷重変換器である。そして、閉鎖位置にあるシャッタ23に蓄積された米飯Rの計量値(ロードセル24による計量値)が目標計量値に到達する直前に搬送スクリュ21および解しローラ22の回転動作が停止し、最終的に目標計量値に到達したときにシャッタ23が開放位置になって米飯Rが容器に落下供給される。
【0027】
ここで、上蓋14の構造の詳細について、図2および図4図8を用いて説明する。図4図1のIV-IV線に沿った断面図、図5図4の断面の一部を抽出して示す斜視図、図6図5のS部を拡大して示す斜視図、図7は本実施の形態の食材処理装置において上蓋を開いたときの水滴の落下状態を示す説明図、図8(a)(b)は図6のVIII-VIII線に沿った断面において結露した水滴の動きを示す説明図である。
【0028】
図2および図4に示すように、上蓋14の裏面つまり上蓋14を構成する裏蓋部14-2のホッパ20に対応した部分は、直線状に延びた複数の頂部L1と、同じく直線状に延びた複数の谷部L2とが交互に形成された波状面になっている。また、頂部L1と谷部L2とは、上蓋14の回動軸Jと平行になっており、ホッパ20の全幅にわたって形成されている。
【0029】
図5および図6に示すように、裏蓋部14-2の波状面には、上蓋14の回動軸Jと交差する方向に延びる複数の起伏溝Gが形成されている。そして、図6に詳しく示すように、起伏溝Gの回動軸Jに沿った方向の断面(図6において、VIII-VIII線に沿った方向の断面)は、湾曲状になっている。
【0030】
次に、本実施の形態の食材処理装置Aにおける米飯Rの供給動作の概略について説明する。
【0031】
先ず、上蓋14を開いておいて、炊き上がった温かな米飯Rをホッパ20に投入する。その後、上蓋14を閉めてタッチパネル式の表示部16で所定の盛付ボタンを押す。容器設置部18に容器を設置すると、図示しないセンサが容器の設置を検出して搬送スクリュ21と解しローラ22とが回転を開始し、閉鎖位置にあるシャッタ23内に米飯Rが蓄積されていく。このとき、シャッタ23に蓄積された米飯Rの重量はロードセル24によって逐次計測される。そして、前述のように、計測値が目標値に到達する直前に搬送スクリュ21および解しローラ22の回転動作が停止し、最終的に目標値に到達したときにシャッタ23が開放位置になって米飯Rが容器に落下供給される。
【0032】
このような構造を有する食材処理装置Aにおいて、温かな米飯Rがホッパ20に投入されて上蓋14を閉めると、米飯Rから立ち上る湯気が結露し、裏蓋部14-2の全面に付着した水滴Wとなる。そして、この水滴Wは徐々に頂部L1に集結して行き、所定の大きさにまで成長すると米飯Rの上に滴下する。このとき、頂部L1は、直線状に延びて谷部L2と交互に複数形成されているので、水滴Wは、裏蓋部14-2の特定の箇所から下方に滴下するのではなく、裏蓋部14-2の全域から滴下することになる。
【0033】
これにより、ホッパ20内の米飯Rの全体に満遍なく水滴Wが戻るので、米飯Rの一部に局所的に多量の水滴Wが滴下して、乾燥気味になった箇所と過剰に水分を含んでふやけた箇所ができてしまうという不具合を防ぐことができ、米飯Rの食感の低下を防ぐことができる。
【0034】
さて、食材処理装置Aで米飯Rを容器に落下供給している作業中にホッパ20内の米飯Rが少なくなった場合は、ホッパ20内に新たな米飯Rを追加補充する必要がある。
【0035】
このとき、新たな米飯Rをホッパ20内に投入しようと回動軸Jを支点にして上蓋14を開けると、それまで上蓋14の裏面に結露していた水滴Wは、傾いた裏蓋部14-2を伝わって回動軸Jの方向へ流れる。
【0036】
しかしながら、本実施の形態では、上蓋14の裏面である裏蓋部14-2は、上蓋14の回動軸Jと平行になって直線状に延びた複数の頂部L1と複数の谷部L2とが交互に形成された波状面になっている。したがって、図7に示すように、上蓋14を開いた際には、上蓋14の裏面のどの位置に結露している水滴Wも、上蓋14の回動軸J側の端部に達する前に何れかの頂部L1に集まり、そこから滴下することになる。これにより、上蓋14の裏面に結露した水滴Wを米飯Rに満遍なく滴下させることが可能になる。よって、水滴Wが開いた上蓋14の回動支点付近に集結し、そこから米飯Rに流れ落ちる不具合を防ぐことができ、米飯Rの食感の低下を防ぐことができる。
【0037】
さらに、本実施の形態の食材処理装置Aにおいて、裏蓋部14-2の波状面には、前述のように、上蓋14の回動軸Jと交差する方向に延びる複数の起伏溝Gが形成されている。これにより、結露している水滴Wが溝内に集まって大きくなり、効率よく滴下させることができる。
【0038】
しかも、本実施の形態では、起伏溝Gの回動軸Jに沿った方向の断面は湾曲状になっているので、図8(a)に示すように、起伏溝G内の水滴Wは湾曲面に沿ってスムーズに溝内へ集結する。これにより、図8(b)に示すように、水滴Wが落下する大きさにまで短時間で成長できるので、素早く滴下させることが可能になる。
【0039】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではない。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【0040】
例えば、以上の説明では、本発明の食材処理装置を、貯留された米飯Rを計量して容器に落下供給する構造の装置に適用した場合が示されているが、米飯Rを保温する機能に特化した電子ジャーなどの食材処理装置であってもよい。
【0041】
また、本実施の形態では、裏蓋部14-2の波状面には、上蓋14の回動軸Jと交差する方向に延びる複数の起伏溝Gが形成されており、回動軸Jに沿った方向の断面は湾曲状になっている。しかしながら、起伏溝Gは形成されていなくてもよく、形成されていた場合であっても、断面は湾曲面以外であってもよい。
【0042】
また、本実施の形態では、図9(a)に示すように、回動軸Jの方向の一本のラインに対して直線状の頂部L1あるいは谷部L2の何れかが割り当てられているが、図9(b)に示すように、回動軸Jの方向に対して互い違いに形成されていてもよい。このように形成すれば、頂部L1の領域が分散されるので、当該頂部L1からの水滴Wを米飯Rに対してより分散して滴下することができる。
【0043】
また、図5図6に示すように、本実施の形態では、頂部L1の断面は尖っており、谷部L2の断面は丸くなっているが、逆に頂部L1の断面が丸くなっており、谷部L2の断面が尖っていてもよい。つまり、本願において「波状」とは、頂部L1の断面や谷部L2の断面は尖った形状でもよいし、丸くなった形状でもよい。したがって、図10に示すように、頂部L1および谷部L2の断面が何れも尖った鋸歯状であってもよい。なお、頂部L1の断面は尖っていた方が、水滴Wが先端により早く集結して滴下しやすくなるので望ましい。
【0044】
また、前述した実施の形態の食材処理装置Aにおいては、ロードセル24がシャッタ23に蓄積される米飯Rの計量を行ういわゆる上計量の構造が採用されているが、ロードセル24が容器設置部18に載置された容器に落下供給される米飯Rの重量を計測するいわゆる下計量の構造であってもよい。
【0045】
さらに、前述した実施の形態の食材処理装置Aにおいては、食材受容部の一例として容器が示されているが、容器に限定されるものではなく、例えば落下した米飯Rを所定の形状に成形するための成形型などであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
以上の説明では、食材の一例として米飯が適用されているが、これに限定されるものではなく、例えば裁断した温野菜など、蒸気を発するとともに保温が必要な食材である限り様々なものを適用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 本体部
13 開口部
14 上蓋(蓋部材)
14-1 外蓋部
14-2 裏蓋部
15 蝶番ユニット
20 ホッパ(貯留部)
21 搬送スクリュ(搬送手段)
22 解しローラ(解し手段)
23 シャッタ(供給手段)
24 ロードセル(計量手段)
A 食材処理装置
G 起伏溝
J 回動軸
L1 頂部
L2 谷部
R 米飯(食材)
W 水滴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10