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特許7292004送電網ネットワークのゲートウェイアグリゲーション
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-08
(45)【発行日】2023-06-16
(54)【発明の名称】送電網ネットワークのゲートウェイアグリゲーション
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/46 20060101AFI20230609BHJP
   H02J 3/00 20060101ALI20230609BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20230609BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20230609BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20230609BHJP
【FI】
H02J3/46
H02J3/00 180
H02J3/32
H02J3/38 110
H02J3/38 130
H02J3/38 160
H02J13/00 311R
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2017500031
(86)(22)【出願日】2015-07-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2017-07-27
(86)【国際出願番号】 US2015039232
(87)【国際公開番号】W WO2016004433
(87)【国際公開日】2016-01-07
【審査請求日】2018-07-02
【審判番号】
【審判請求日】2021-11-15
(31)【優先権主張番号】62/021,085
(32)【優先日】2014-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】14/791,438
(32)【優先日】2015-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509222372
【氏名又は名称】エクスレント エナジー テクノロジーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】マタン ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ホートン フレッド
(72)【発明者】
【氏名】マローネ フランク
(72)【発明者】
【氏名】ボルジーニ クレイトン
【合議体】
【審判長】角田 慎治
【審判官】赤穂 美香
【審判官】丸山 高政
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-067760(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/00-5/00
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
階層的な分散送電網ネットワークとインターフェースする方法であって、
制御ノードにおいて、1つ以上の外部送電網入力を受信して前記送電網ネットワークとの共通結合点(PCC)の送電網側から見た前記送電網の電気的状態を示すステップと、
前記PCCの需要家側の前記制御ノードのエネルギー計において1つ以上の局所的なセンサー入力を受信するステップであって、
前記エネルギー計は基本電流成分と高調波電流成分を有する合成信号を生成し、
前記エネルギー計は、供給された電力を需要者に課金するために公益事業体に対して送電網側から見た前記PCCに供給された電力を計測する送電網上において前記PCCに結合された送電網メーターとは別個である、ステップと、
前記需要家側における前記PCCに結合している局所的な負荷の電力需要を前記合成信号の変化に基づいて識別するステップと、
需要家側における前記PCCに結合した局所エネルギー源を識別するステップと、
前記1つ以上の外部送電網入力、前記局所エネルギー源、前記1つ以上の局所的なセンサー入力、および前記局所的な負荷の前記電力需要に基づいて前記PCCの前記需要家側に結合しているマイクロインバーターを用いて前記局所エネルギー源から発生させるべき出力電力を計算するステップであって、
前記需要家側から見た前記PCCの下流側の電力に対する無効電力出力対有効電力出力の比を決定することを含むステップと、及び、
前記局所的な負荷の無効電力需要を満たすために前記PCCの下流に提供する無効電力を発生するように前記計算された出力電力に基づいて前記マイクロインバーターから電力を出力するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記外部送電網入力を受信するステップが、集中送電網コントローラーからのディスパッチ情報、送電網コントローラーからの特定の制御信号、または前記送電網ネットワーク内の他のノードからの送電網の状態情報のうちの1つ以上を受信するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
電力を出力するステップが、局所的な負荷が消費する電力を出力するステップか、または、局所的なエネルギー貯蔵リソースを充電するための電力を出力するステップか、または、金銭的なクレジットと引き換えに送電網の市場に有効電力を出力するステップか、または、1つ以上のアンシラリーサービスに電力を出力するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
送電網システムの送電網ネットワーク内の需要家ノードであって、
1つ以上の外部送電網入力および1つ以上の局所的なセンサー入力を受信し、基本電流成分と高調波電流成分との合成信号の変化から前記需要家側において前記送電網ネットワークとの共通結合点(PCC)に結合している局所的な負荷の電力需要を識別し、前記需要家側において前記PCCに結合している局所エネルギー源を識別する、前記送電網ネットワークの側の前記PCCに結合している送電網メーターとは別個の、前記送電網ネットワークに対する前記PCCの前記需要家側のエネルギー計と、
前記需要家側から前記PCCにおける電力潮流を制御する、前記需要家側において前記PCCに結合しているマイクロインバーターと、
前記エネルギー計から情報を受信し、前記1つ以上の外部送電網入力、前記局所エネルギー源の容量、前記1つ以上の局所的なセンサー入力、および前記局所的な負荷の前記電力需要に基づいて、前記局所エネルギー源から発生させるべき局所的な出力電力を計算し、前記計算された出力電力を出力するように前記マイクロインバーターに要求するように結合されているゲートウェイコントローラーと、
を備え、
前記計算が、前記需要家側から見た前記PCCの下流側の電力に対する無効電力出力対有効電力出力の比を決定することを含み、
前記マイクロインバーターに前記局所的な負荷の無効電力需要を満たすために前記PCCの下流に提供する無効電力を発生させるように構成された、需要家ノード。
【請求項5】
前記エネルギー計が、集中送電網コントローラーからのディスパッチ情報、送電網コントローラーからの特定の制御信号、または前記送電網ネットワーク内の他のノードからの送電網の状態情報のうちの1つ以上を前記外部送電網入力として受信するものである、請求項4に記載の需要家ノード。
【請求項6】
前記エネルギー計が、温度情報、または局所的なエネルギー源がエネルギーを発生させる能力に影響する1つ以上の状態に関する情報のうちの1つ以上を前記局所的なセンサー入力として受信するものである、請求項4に記載の需要家ノード。
【請求項7】
前記マイクロインバーターが、局所的な容量向けに電力を出力するもの、または、送電網市場、または有効電力および/もしくは無効電力の送電網支援、前記送電網ネットワークへの周波数支援、自力起動動作、上方調整動作、下方調整動作、もしくはこれらの組み合わせを含む1つ以上のアンシラリーサービスを前記送電網ネットワークに提供するものである、請求項4に記載の需要家ノード。
【請求項8】
送電網システムであって、
前記送電網システムの送電網ネットワークとの共通結合点(PCC)の需要家側に結合している、有効電力を発生させる局所的なエネルギー源と、
前記PCCにおいて前記局所的なエネルギー源に結合している制御ノードと、を備え、該制御ノードは、
1つ以上の外部送電網入力を受信して、前記送電網の電気的状態と、及び1つ以上の局所的センサー入力からの基本電流成分と高調波電流成分との合成信号と、を示し、かつ前記合成信号の変化から前記需要家側における前記PCCに結合している1つ以上の外部送電網入力および前記送電網ネットワークとの共通結合点(PCC)の需要家側に結合している局所的な負荷の電力需要を識別し、かつ前記需要家側の前記PCCに結合している局所エネルギー源を識別する、前記送電網ネットワークの側の前記PCCに結合している送電網メーターとは別個の、前記前記PCCの前記需要家側のエネルギー計と、
前記需要家側から前記PCCにおける電力潮流を制御する、前記需要家側の前記PCCに結合しているマイクロインバーターと、
前記エネルギー計から情報を受信し、前記1つ以上の外部送電網入力、前記局所エネルギー源の容量、前記1つ以上の局所的なセンサー入力、および前記局所的な負荷の前記電力需要に基づいて前記局所エネルギー源から発生させるべき局所的な出力電力を計算し、
前記局所エネルギー源から無効電力を発生させて、前記局所的な負荷の無効電力需要を満たすために前記PCCの下流に提供する無効電力を発生させるために、前記需要家側から見た前記PCCの下流側の電力に対する無効電力出力対有効電力出力の比を発生させること、を含む前記計算された出力電力を出力するように前記マイクロインバーターに要求するように結合されているゲートウェイコントローラーと、を備える、送電網システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本出願は、2014年7月4日付で出願された米国特許仮出願第62/021,085号に基づく非仮出願であり、同仮出願の優先権の利益を主張するものである。前記仮出願は、この参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本出願は、「GRID NETWORK GATEWAYAGGREGATION」と題された米国特許出願第14/791,438号の優先権の利益を主張する国際出願である。本出願は、「HIERARCH-ICAL AND DISTRIBUTED POWER GRIDCONTROL」と題された米国特許出願第14/791,429号に関連する。
【0003】
分野
本発明の実施形態は、広くは送電網に関し、より具体的にはデータのアグリゲーションに基づいて制御判断を生成する送電網ゲートウェイに関する。
【0004】
著作権表示/許諾
本特許文書の開示の一部には、著作権保護の対象となる資料が含まれている場合がある。著作権の保有者は、本特許文書または本特許開示のいずれかの者が特許商標局の特許ファイルまたは記録に表示されているとおりに複製することに異議を唱えてはいないが、その外についてはすべての著作権を留保する。著作権の告示は下記のすべてのデータ、本明細書に添付の図面、ならびに下記のすべてのソフトウェアに適用される。著作権2015年 Apparent Inc. 無断転用禁止。
【0005】
背景
従来の公益事業体の送電網は集中電源(例えば石炭火力発電機、原子力発電機、水力発電ダム発電機、ウィンドファーム、またはその他)および集中管理装置を含んでいる。「送電網」は、異なる電源からの電力をマクロレベルで送電網のインフラストラクチャー全体にわたって共有することができるように、その他の電源と接続することもできる。しかし、送電網は、従来、関連付けられる電柱および鉄塔を伴う公益事業体の電力線などのかなりの量のインフラストラクチャーならびに電力を配電するための変電所を含んでいる。送電網は、従来、相互接続された需要家のピーク時の需要を満たすだけの十分な電力を提供できる大規模な発電機に基づいている。顧客としては、住宅、企業、セルラー電話タワー、もしくはその他の公共施設ボックス、またはその他の電力利用者を挙げることができる。最も少量のエネルギー利用者から商用重機の大電力需要を有する大企業まで、異なる需要家によってピーク需要が異なる場合がある。
【0006】
従来の送電網インフラストラクチャーは、構築し保守するための費用が高い。さらに、集中電源から数百キロメートルも離れている場合もある需要家にエネルギーを送出する必要がある。変電所および近隣地域の変圧器などのその他インフラストラクチャーは、電圧を送電網上に供給される電流と同相に維持し、電圧レベルを規制されたレベルに維持するために、集中管理装置によって制御されている。通常、送電網から電力を引き出す電動装置は、送電網の力率を劣化させる。マクロスケールでは、送電網管理装置は、このような電動装置による送電網の力率の擾乱を制御するように試みてきた。近代的な電子機器のより新しいスイッチング電源の設計は、無効電力を必要とし送電網にノイズを導入して返すことにより、送電網の力率および電圧安定化をさらに複雑なものとしている。
【0007】
送電網により供給される電力は、一般的に、有効電力成分および無効電力成分からなる。有効電力は、電圧波形と電流波形とが完全に同期して供給される電力である。無効電力は、電圧波形と電流波形とが同期せずに供給される電力である。無効電力は、電流波形と電圧波形との位相差に基づいて進み位相または遅れ位相であることができる。
【0008】
需要家にとっての電力は、電力を計算するために提供されるエネルギー自体とは異なる理解をすることができる。電力は、通常、W・h、即ち、ワット時によって表される。ワット時に公益事業体が課金する料率を掛けることにより、需要家が公益事業体に支払わなければならない金額がもたらされる。しかし、エネルギーはいろいろな方法で表すことができ、複数の異なる方法で計測することができる。例としては、(VA)V・I(電圧ベクトル×電流ベクトルで求めるボルトアンペア)、V・I・PF(電圧ベクトル×電流ベクトル×力率で求めるワット)、およびW^2の平方根(ワットの二乗の平方根で求めるボルトアンペア無効電力)が挙げられる。需要家は、通常、施設に供給されるエネルギーのコストを示すワット時での電力を見る。公益事業体もまた、利用者の施設での無効電力消費量を計測し課金し始めている。
【0009】
需要家の場所で電力を発生させるための再生可能資源を局所的に追加する送電網の需要家が著しく増えている。再生可能エネルギー源は太陽エネルギーおよび/または風力である傾向があるが、非常に著しい数のソーラーシステムが追加されつつある。顧客の電源に対する1つの制約は、これらが同時に電力を発生させる傾向にあり、送電網上で使用できるよりも大きな電力を発生させかねないことである。送電網インフラストラクチャーは、従来的には片方向方式であり、顧客の施設から集中管理装置および集中電源に向かって逆送出される有効電力は、送電網の電圧制御および送電網上の無効電力の不安定性の問題を招きかねない。これらの問題により、送電事業者は送電網に接続できる再生可能エネルギーの量を制限してきた。場合によっては、送電網上に戻る電力の流れを制御するために、需要家の所またはその近傍に追加のハードウェアまたは送電網インフラストラクチャーが必要である。
【0010】
再生可能資源によって引き起こされる問題に加えて、空調機器および無効電力を大量に引き出すその他の負荷の使用の増加が、送電網管理装置が電圧レベルを必要なレベルに保つうえでのさらなる負担を招いている。近年の猛暑の結果、輪番節電および輪番停電が行われている。あるいは、人々が仕事から帰宅してそこでの電力消費量を増加させるとき、負荷の変化に対応するために設備のインターフェースがリセットされ、送電網上の一時的な中断が起こる。従来より、集中管理装置は、送電網の規制(例えば電圧レベル)の準拠を維持しなければならない。送電網に接続されているものが過電圧シナリオに至るたびにそれが送電網から切り離され、これにより、次に周辺地域に追加的な負荷が生じかねず、結果的に、集中管理装置が送電網の安定性を復帰させることができないうちに送電網のより広範な領域が遮断されるおそれがある。
【0011】
以下の説明は、本発明の実施形態の実施の例として示された実例を有する図の検討を含んでいる。図面は、制限としてではなく、例として理解すべきものである。本明細書内で使用するにあたって、1つ以上の「実施形態」に関する言及は、本発明の少なくとも1つの実施態様に含まれる特定の機構、構造、および/または特徴の記述として理解すべきである。したがって、本明細書内に記載されている「一実施形態」または「別の実施形態」のような言い回しは、本発明の様々な実施形態および実施態様を記述しており、必ずしもすべてが同一の実施形態を指すものではない。しかし、これらはまた、必ずしも相互に排他的ではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】階層型送電網制御を有するシステムの実施形態のブロック図である。
図2】近隣地域内の共通結合点での監視および制御を有するシステムの実施形態のブロック図である。
図3】分散送電網システムの実施形態のブロック図である。
図4】電流の高調波成分が基本電流成分に対してオフセット角を有するシステム内の電流の成分の実施形態の図形表現である。
図5】電流ベクトルが基本電流成分と高調波電流成分との合成であるシステム内の電流の成分の実施形態の図形表現である。
図6】分散送電網システム内のゲートウェイ装置の実施形態のブロック図である。
図7】ゲートウェイアグリゲーターシステムの実施形態のブロック図である。
図8】PCCにおいて電力を監視する計量装置の実施形態のブロック図である。
図9】分散送電網のノードの実施形態のブロック図である。
図10】ハードウェア波形制御装置に結合されたソフトウェアフィードバック制御サブシステムを用いて高調波歪みを制御するシステムの実施形態のブロック図である。
図11】局所電源から送電網に連結している負荷へと力率調節を伴って電力を転送するシステムの実施形態のブロック図である。
図12】インテリジェントな局所的なエネルギー貯蔵装置を有する需要家ノードの実施形態のブロック図である。
図13】データアグリゲーションを用いて送電網ノードを制御する処理の実施形態のフロー図である。
図14】局所的な状態情報および送電網に基づく状態情報をアグリゲートする処理の実施形態のフロー図である。
図15】アグリゲーターゲートウェイを用いて送電網の制御動作を発生させる処理の実施形態のフロー図である。
図16】電池バックアップのインテリジェント制御の処理の実施形態のフロー図である。
【0013】
下記の実施形態のいくつかまたはすべてを描写することのできる図の説明ならびに本明細書内で提示される発明の概念の他の潜在的な実施形態または実施態様の検討を含む、特定の詳細および実施態様の説明を以下に記す。
【0014】
詳細な説明
本明細書内で説明するに際して、分散送電網ネットワークインテリジェンスは、局所的な制御ノードにおけるデータアグリゲーションを可能とする。需要家ノードにおいて、メーターは、共通結合点(point of common coupling:PCC)の需要家側にある。メーターは、1つ以上の外部送電網入力および1つ以上の局所的なセンサー入力を受け取ることができる。送電網入力はPCCの外側にあるソースに由来することができ、局所的なセンサー入力は、PCCにおけるおよび/またはPCC内における状態を監視する。メーターはPCC内の電力需要を識別し、局所的な電力変換器を用いて発生させるべき出力電力を計算することができる。計算は単に電力需要に基づくのではなく、1つ以上の外部送電網入力、1つ以上の局所的なセンサー入力、および局所的な負荷の電力需要を含むアグリゲーション情報に基づく。次に、局所的な電力変換器は、計算された出力電力に一致する電力を出力することができる。
一実施形態において、制御ノードは、分散送電網の制御を可能とする。複数の独立した制御ノードを送電網全体に分散させることができる。制御ノードは、複数の制御ノードを複数の制御ノードの共通の制御ノードに接続することにより階層的に構造化することができる。各制御ノードは、送電網との共通結合点(PCC)を管理する。PCCは、複数の下流側の負荷および/または局所電源が送電網に接続される相互接続点である。本明細書内の目的として、各制御ノードは、複数の負荷および/またはエネルギー源に結合し、したがって、PCCと関連付けられる。各制御ノードはその送電網とのインターフェースまたは相互接続をその他一切の制御ノードから独立して管理するので、送電網制御インテリジェンスを送電網全体にわたって分散させることができる。
【0015】
一実施形態において、各制御ノードは、公益事業体の送電網とPCCまたは制御ノードの下流側のすべての機器との間の発電量および電力需要をその制御ノードのPCCにおいて監視し管理することにより、その他の制御ノードから独立して動作する。下流側の機器には、太陽発電および/または風力発電などのエネルギー源、有効電力および/または無効電力の需要家(例えば需要家ノード)などの負荷、ならびにその他のPCCまたはその他の制御ノードを含むことができる。一実施形態において、各制御ノードは、その送電網とのインターフェースまたは相互接続を管理して送電網の規制の準拠を維持する。一実施形態において、制御ノードは、下流側に接続されている任意数の需要家ノードおよび任意数のエネルギー源を有する。需要家ノードは、顧客の施設であることができる。一実施形態において、顧客の施設は、複数の需要家ノードを含むことができる。一実施形態において、需要家ノードが複数の顧客の施設を含む場合がある。一実施形態において、1つの制御ノードが複数の顧客の施設を管理する。各制御ノードは、下流側から発電量および電力需要を監視し、送電網上の需要が許容レベル内であることを保証することができる。制御ノードは、PCCを介して制御ノードと集中送電網管理装置との間のインターフェースを調節することにより送電網制御を提供して、PCCにおける送電網の規制の準拠を維持することができる。
【0016】
一実施形態において、制御ノードは、下流側の有効電力の消費量を調節する。一実施形態において、制御ノードは、下流側の無効電力の消費量を調節する。一実施形態において、制御ノードは、下流側の無効電力の発生量を調節する。一実施形態において、制御ノードは、下流側の有効電力の発生量を調節する。一実施形態において、制御ノードは、PCCにおけるエネルギーを制御して、送電網の観点からPCCで見た(即ち、送電網側からまたはPCCを通って下流側を望む集中送電網管理装置もしくは送電網インフラストラクチャーから見たときの)電力の量および種類を管理する。
【0017】
図1は、階層型送電網制御を有するシステムの実施形態のブロック図である。システム100は、階層型制御を有する送電網を表している。一実施形態において、システム100は、発電所110および送電網基幹回線120を含むが、一実施形態において、階層型送電網は、集中送電網管理装置および集中送電網発電所に接続することなく適用することができる。システム100は、電力需要家が相互におよび電源に接続されている送電網システムを表している。
【0018】
発電所110は、送電網基幹回線120に給電する大規模発電所を表している。発電所110は、従来的には、水力発電ダム発電機、原子力発電所、石炭火力発電所、または大規模ウィンドファームである。近年の大規模ソーラーファームもまた、追加されている。送電網基幹回線120は、鉄塔、電線、変圧器、変電所、および需要家を発電所110に相互接続するためのその他のインフラストラクチャーを含んでいる。送電網基幹回線120は、電力を何キロメートルも伝送する高圧電線を有する送電網インフラストラクチャーを含んでいる。実際上、複数の電源または発電所を同一の送電網基幹回線120に接続することができるが、すべてが大規模で、通常、可能な限り大きな電力を発生させ可能な限り多くの需要家に供給するように設計されている。送電網基幹回線120は、従来、発電所110から需要家への片方向配電のために設計されている。「送電網」または「公益事業体の送電網」に関する言及は、発電所110および送電網基幹回線120のインフラストラクチャーを指すことができる。
【0019】
一実施形態において、送電網は、送電網の様々な異なるセグメントに階層的に分離できるネットワークとして考えることができる。各送電網セグメントは、別個の制御ノードによって制御することができる。一実施形態において、システム100は、制御ノード130、140、および150を含んでいる。各制御ノードは、送電網の複数の負荷および/または複数のサブセグメントが相互に結合するPCC、即ち、共通結合点を管理することができる。PCCは、各セグメントおよびサブセグメントを相互におよび/または送電網に接続することができる。
PCCは、地理的な接続点であると共に、またはその代わりに、電気的等価点であることができることが理解されるであろう。図示の階層の最上位は、下流側のすべてのセグメントおよび部分を相互に直接接続するPCC[0]である。
PCC[0]はまた、下流側のすべての点を送電網基幹回線120に接続することもできる。「下流側」に関する言及は、配電経路に沿ってより遠くにある機器または品目を指す。したがって、送電網の配電経路上の一点にある住宅または顧客の施設がある場合、配電経路に沿ってより遠くにある別の顧客の施設はその下流側である。追加の構造物を有するその他の送電網セグメントは発電所110からより遠くにあり、したがって集中送電網管理装置から見たときに配電経路のより先にあることから、PCC[0]の下流側であることができることが理解されるであろう。
【0020】
システム100は、送電網ネットワークと呼ぶことができ、送電網基幹回線120および発電所110を含む場合もあれば、含まない場合もある。送電網ネットワークは、各PCCが複数の下位レベルのPCCをアグリゲートすることができるという点において、階層的であることができる。各PCCは、下流側のすべての機器に接続点を提供する。PCC[0]は、システム100の階層の最上位にある。一実施形態において、図示していない複数の追加の機器をPCC[0]に接続することができる。図示していないこのような機器は、ノード130と並列にPCC[0]に結合することとなる。送電網ネットワークの階層の最下位レベルは、PCC[3]を有する顧客の施設160にあるノード162のような、顧客の施設にある制御ノートであることが理解されるであろう。一実施形態において、顧客の施設に1つ以上の制御ノードが存在する。一実施形態において、システム100内には制御ノードを有しない顧客の施設が存在する。
【0021】
システム100内には、顧客の施設160および顧客の施設180の2つの顧客の施設が図示されている。また、顧客の施設は、需要家または需要家ノードと呼ぶこともできる。一実施形態において、顧客の施設としては、家庭、企業、公園、負荷、サーモスタット、ポンプ、車両充電スタンド、および/またはその他の電力の需要家を挙げることができる。各顧客の施設は、電力に依存して動作する1つ以上の負荷または機器を含んでいる。一実施形態において、顧客の施設160は、単一の制御ノード162を含んでいる。一実施形態において、顧客の施設180は、複数の制御ノード182および184を含んでいる。顧客の施設にゼロ個以上の制御ノードが存在することができる。送電網ネットワークの設計ならびに顧客の施設における負荷および電源の数次第で、1つの顧客の施設に多くの制御ノードが存在することができる。システム100内に、その他の顧客の施設を含むことができる。顧客の施設のうちのゼロ個以上は、他の図面に関して下記により詳細に述べるエネルギーの発生を含むことができる。
【0022】
一実施形態において、各PCCは、制御ノードに関連付けられる。PCCに関連付けられた制御ノードは、その制御ノードにおける電気的動作を管理または制御する。例えば、一実施形態において、システム100内で、制御ノード130はPCC[1]に関連付けられており、送電網側からPCC[1]において見たときのPCC[1]の下流側の負荷需要および発電量を管理する。送電網側から望む、または送電網側から見ることに関する言及は、どのような正味電力需要(必要な電力または発生する電力のいずれか)がその点に存在するかを指す。送電網側から見るということはまた、その点の下流側を望むときにその点にどのような位相オフセットまたは正味無効電力が存在するかということを指すこともできる。PCCは、発電量および需要のアグリゲーション点である。正味電力需要は、同一のPCCのセグメントまたは領域内で発生する有効電力および無効電力に対する負荷需要に基づく必要な有効電力と無効電力との差であることができる。同一のセグメント内とは、PCC「内」、即ち、PCCに接続されている下流側ネットワーク内であると言うことができる。
【0023】
一実施形態において、各制御ノードは、その独自のPCCを独立して制御することができる。したがって、制御ノード130はPCC[1]を制御し、制御ノード150はPCC[2]を制御し、制御ノード140はPCC[4]を制御し、制御ノード162はPCC[3]を制御する。一実施形態において、独立した制御とは、各制御ノードがそのPCCにおける運転を監視および制御してPCCを送電網ルールの準拠に可能な限り近く維持することである。各制御ノードが規制の準拠を完全に達成することは常に可能ではないかもしれない。一実施形態において、制御ノードは、近隣の制御ノードの出力がどのようなものであるか、例えば当の制御ノードから近隣の制御ノードの方を望んだときにどのような需要が見えるかに基づいて動作する。しかし、別の制御ノードの動作を見ることによって動作を制御するということは、各制御ノードの動作が相互に依存することを意味しない。むしろ、一実施形態において、各制御ノードは、ノード全体(その「下側」または下流側に接続されているすべて)が他のノードの動作に関係なくすべての要件に従うことを確実にしようとする。近隣の制御ノードまたは近隣のPCCの性能または動作を監視することは、どのように動作し、上流側の送電網に対して支援を提供するべきか否かを決定するための検討であることができる。一実施形態において、各制御ノードは、集中データセンターおよび/または集中送電網管理装置からの入力を受信しこれに応答することができるが、このような入力なしでも動作することができる。このように、各制御ノードは、独立して動作してその接続点で見たときの正味の電力運用を制御する。
【0024】
一実施形態において、各制御ノードは、コンバーター装置またはインバーター装置および計量装置を含んでいる。一実施形態において、コンバーターは、電力変換装置または単に変換装置と呼ばれる。コンバーターに関する言及は、一緒に動作してPCCにおける運転および/またはインターフェースを制御することのできる1つまたは複数のコンバーターを含む場合がある。一実施形態において、制御ノードとコンバーターとは、別個の装置である。したがって、コンバーター132は、制御ノード130の一部であることができ、または単にPCC[1]でこれに接続することができる。同様に、コンバーター142は制御ノード140に関連付けられ、コンバーター152は制御ノード150に関連付けられ、コンバーター164は制御ノード162に関連付けられ、コンバーター192は制御ノード182に関連付けられ、コンバーター194は制御ノード184に関連付けられている。その他のネットワーク構成も可能である。システム100の全体が図示されていないことは理解されるであろう。
【0025】
既述のように、各顧客の施設が負荷であることができ、または負荷を含むことができる。顧客の施設160は、1つ以上の負荷172を含んでいる。各負荷172が電力を消費する。負荷172は、需要にとっての有効電力成分および需要にとっての無効電力成分を有する電力の需要を発生させることができる。従来より、無効電力は、顧客の施設にある重機(例えばコンデンサーバンクおよび/または誘導電動機)を除けば、送電網によって提供されてきた。負荷172は、照明、コンピューター機器、エンターテイメント装置、モーター、暖房換気空調(heating, ventilation,and air conditioning:HVAC)装置、家庭用および厨房用機器、または動作に電気を必要とするその他任意の種類の機器のような任意の形態の負荷であることができる。このような機器には、電源コンセントに接続することにより充電される再充電式機器を含むことができる。これらの機器の多くは、無効電力需要を発生させる。この無効電力の需要は、その負荷のPCCで見られ、需要が満たされない限り、その上流側のその他のPCCで見ることができる。一実施形態において、ノード162およびコンバーター164は、負荷172に無効電力を提供することができる。
【0026】
顧客の施設180内に負荷(具体的に図示せず)があることは理解されるであろう。一実施形態において、コンバーター164は、負荷172が結合しているPCC[3]に結合している。一実施形態において、コンバーター192および194は、負荷とPCC(PCC[2])との間に結合することができる。コンバーター164はPCC[3]に結合しており、PCC[3]における特定の性能パラメーターを維持するように動作するように設定することができる。一実施形態において、実際には、コンバーター164は、PCC[3]と制御ノード162のメーターとの間に結合している。性能パラメータは、PCCにおける有効電力および無効電力の制御に関連付けることができる。一実施形態において、コンバーターが負荷とPCCとの間に結合しているとき、コンバーターは、それに結合している特定の負荷を維持するように設定されている。
【0027】
一実施形態において、各制御ノードは、制御ノードに内蔵され、またはこれに関連付けられ、またその一部である計量装置またはエネルギー計を含んでいる。計量装置の実施形態のより詳細については、下記に述べる。計量装置は、PCCでのエネルギー使用量を計測し、下流側の正味電力需要または発電量を決定することができる。一実施形態において、計量装置は、PCCにおける送電網ネットワークの運転の監視を可能とする。一実施形態において、計量装置は、エネルギーシグネチャーを計測することができる。各コンバーターは、PCCにおける電力使用量を制御することができる。一実施形態において、コンバーターは、PCCにおける有効電力および/または無効電力の使用を制御する。
【0028】
一実施形態において、システム100の送電網の階層は、需要家の施設にある1つ以上の制御ノード、近隣地域内の1つ以上の制御ノード、変電所における1つ以上の制御ノード、またはその他の階層を含むことができる。階層内の各制御ノードは、その下位の運転を独立して制御し、上流側に伝達する。このように、各制御ノードは、送電網の規制の準拠を独立して管理することができる。送電網ネットワークのセグメントが故障した場合、階層のより上位の、即ち、より上流側のノードが運転を調節して、そのPCCよりも下位のサブネットワークの外側で故障が見られないように、即ち、発生しないように防止するように試みることができる。このように、分散送電網は故障からより迅速かつ効率的に回復することができ、送電網のその他のセグメントが故障するリスクを低減させることができる。例えば、送電網ネットワークの各分散制御ノードは、有効電力および無効電力の消費量を動的に調節してそのPCCにおける接続が送電網の接続要件に従うように維持することができる。
【0029】
一実施形態において、システム100の各分散制御ノードは、送電網または送電網ネットワークが関連付けられたPCCを介して送電網のセグメントをどのように見るかを制御することができる。このように、制御ノード130は送電網がPCC[1]の下流側のすべてをどのように見るかを制御でき、制御ノード150は送電網または送電網ネットワークがPCC[3]の下流側のすべてをどのように見るかを制御することができ、以下同様である。送電網がPCCを介して送電網のセグメントをどのように見るかを制御する機能は、送電網ネットワークのセグメント内での適応性のより高い挙動を可能とすることができる。例えば、現行の規制では、特定の状態(過電圧、過電流、単独運転、および/またはその他の状態)の違反により特定のインバーターがオフラインとなることが義務付けられているが、PCCと送電網との接続を制御することにより、送電網がPCCを介してのみセグメントを見ることが可能となる。このように、各制御ノードは、送電網ネットワークとの接続をPCCで制御することができるので、インバーターが回復に努めるためにより長時間オンラインであることを可能とすることができる。PCCに接続されている機器が集合的に規制に準拠している場合、PCCの下流側の各インバーターは、理論的には、通過要件および/または過電圧要件をある期間一時的に違反することができる。一実施形態において、あるPCCでの制御ノードおよびコンバーターが他のコンバーターからサポートを得られるようにし、またはそれらのコンバーターでの挙動を変えてPCCでの正味状態を変化させることができる場合、各インバーターは、同様に、制御ノードがPCC内のその他の機器の動作を変えることによりPCCを規制準拠の範囲内に維持する間、送電網条件に一時的に違反することができる。
【0030】
一実施形態において、分散制御または送電網もしくは送電網ネットワークは、送電網に混乱が生じた場合には共通結合点を押し出すステップを含む。通常であればその点で送電網の故障を引き起こすであろうPCC[2]での問題について検討する。一実施形態において、制御ノード150および130は、その状態を検出することができる。制御ノート150は、無効電力制御を変化させるなどのコンバーター152の動作を介してPCC[2]での送電網の状態を変化させるよう試みることができる。制御ノード150はまた、制御ノード130にその状態を通知することができる。一実施形態において、制御ノード130は、制御ノード140に合図することによりその状態に呼応して(例えばコンバーター142によって)その動作を変え、PCC[1]で見られる正味状態を均衡させる。制御ノード130はまた、その状態に呼応してコンバーター132の動作を変えることもできる。制御ノードの動作に基づき、PCC[2]の故障状態が規格によって許容されるよりも長時間続くかもしれない一方で、PCC[1]における状態は規格および規制に準拠することができる。このように、PCC[2]およびその設備は、問題を修正するように試みるために稼働し続けることができる。
【0031】
このように、制御ノードの分散およびこれらのノードを通じた制御動作の分散により、規制準拠の点を発電機および/または送電網基幹回線の方に可能な限り遠くに押しやって局所的な障害の影響を最小限に抑えることができる。このように、一実施形態において、送電網ネットワーク100の階層内の各点は、規制準拠に関しては別個の制御点である。一実施形態において、システム100は、階層の上方および下方に分散された冗長規制準拠を提供する。一実施形態において、各制御ノードは、規制準拠の範囲内で動作するように試みる。このような動作により、通常、送電網の各セグメントおよびサブセグメントの規制準拠に向けた動作を保証することができるが、一レベルで故障が発生した場合、より上位のレベルがこれを補正することができれば、送電網が遮断される結果には至らない。例えば、PCC[2]での故障に呼応して制御ノード130が動作を調節することができれば、制御ノード150およびその下流側のすべてはオンライン状態を維持してエラー状態を修正するよう試みることができる。このような動作では、送電網のセグメントは、その状態を補償できない最後の制御および規制準拠の点に至るまで遮断されることはない。
【0032】
図2は、近隣地域内の共通結合点での監視および制御を有するシステムの実施形態のブロック図である。システム200は送電網ネットワークを含み、図1のシステム100の実施形態に係る送電網ネットワークおよび/またはシステムの一例であることができる。送電網210は送電網インフラストラクチャーを表しており、集中発電機または発電所および集中送電網制御装置(具体的には図示せず)を含むことができる。
【0033】
近隣地域230は、送電網ネットワークのセグメントまたはサブセグメントを表している。近隣地域230は、PCC220を介して送電網210に結合する。PCC220は、これに関連付けられた制御ノード222を有する。制御ノード222は本明細書内で説明する任意の実施形態に係る制御ノードであることができ、PCC220における送電網の性能を制御するための処理論理回路を含むことができる。一実施形態において、制御ノード222は、PCCの動作を制御するためのコンバーターを含んでいる。一実施形態において、近隣地域は、システム200の分散制御の階層内の一レベルである。階層のその他のレベルについては具体的には図示していない。しかし、PCC220は、分散制御ノードを有するその他のPCCを介して送電網210に結合することができる。
【0034】
一実施形態において、近隣地域230は、送電網の任意のセグメントまたはサブセグメントであることができる。近隣地域230は、一般的に、送電網の顧客の施設の集合または集団を表している。集団は、制御ノードによって制御される任意の集団であることができる。一実施形態において、集団は、例えば、1つの変圧器によって給電されるすべての顧客の施設、1つの変電所、またはその他何らかの集団であることができる。一実施形態において、近隣地域は、複数の建物ならびに/または負荷および発電装置を有する、共通点(PCC220)を介して送電網210に結合する大規模な顧客の施設であることができる。このようなシナリオでは、単一の顧客の施設内に集団が存在する場合がある。一実施形態において、制御メーターに取り付けられたすべてまたは同一の制御メーターおよび/もしくは制御ノードの下流側については、異なる制御メーターに結合しているその他の機器(負荷)が別個に制御することができる。制御メーターは、これらに取り付けられたすべての負荷と送電網との接続を制御することができる。
【0035】
顧客の施設240について検討する。一実施形態において、顧客の施設240は、メーター242、コンバーター244、負荷246、およびエネルギー源248を含む。負荷246は、任意の種類および数の負荷を含むことができる。コンバーター244は、本明細書内で説明する任意の実施形態に係るコンバーターであることができる。エネルギー源248は、任意の種類の局所的なエネルギー源を含むことができる。太陽発電および風力発電が一般的な局所的エネルギー源である。このようなエネルギー源は、局所的に使用することができおよび/または送電網に送り返すことができる電力を発生させるので、通常、「電力」源と呼ばれる。しかし、従来のシステムは、電力、即ち、電圧×電流(P=VI)の観点から電源の出力を規制する。このような従来の運転は、特定の電流および/または電圧に固定しなければエネルギーをより高い自由度で使用することができることを考慮していない。電力を規制すると、必ず電力を無駄にすることになる。
【0036】
従来の方法とは対照的に、コンバーター244は、エネルギー源248が発生させたエネルギーを、有効電力であれ、無効電力であれ、またはその組み合わせであれ、負荷246が必要とする任意の種類の電力に変換することができる。さらに、コンバーター244は、エネルギーを有効電力および/または無効電力として、PCC220を介して送電網210に戻すことができる。このように、エネルギー源248は、出力を特定の電圧または電流に規制せずにエネルギーを転送することから、システム200との関連では「エネルギー」源と呼ぶことがより適切である。このようなコンバーターのより詳細については、下記に述べる。
【0037】
発電という意味で電力に制約があるように、顧客の施設240の運転を監視し計量するという意味で、電力の計量にもまた制約がある場合がある。エネルギーの計測を実施するには、複数の方法がある。概して、エネルギー計測を実施する方法に関する詳細には触れずに、エネルギーを正確に計測することが可能であると仮定する。このように、メーター242は、エネルギー計測を実施することができる。一実施形態において、メーター242は、ワット時(Wh)の代わりにエネルギーを計測する制御メーターである。一実施形態において、メーター242の動作は、システム200内のエネルギー消費およびエネルギー転送を制御するために使用することができる。一実施形態において、メーター242は、負荷246のエネルギーシグネチャーを追跡して共通結合点の制御の仕方を決定することができる。そのように具体的に図示され標識されてはいないものの、メーター242とコンバーター244の組み合わせにより顧客の施設240における制御ノードを提供することができることが理解されるであろう。このように、負荷246とコンバーター244およびメーター246との接続点がPCCであることができる。顧客の施設240のPCCは、負荷246による電力消費または電力需要に加えて、エネルギー源248による発電を含んでいる。
【0038】
一実施形態において、近隣地域230は、メーター252、コンバーター254、負荷256、およびエネルギー源258を同様に含む追加の顧客の施設250を含んでいる。負荷256および/またはエネルギー源258の量および種類が負荷246またはエネルギー源248と同じである必要はない。むしろ、各顧客の施設は、任意数の負荷および/または発電装置を有することができる。一実施形態において、近隣地域230は、エネルギー源を有する任意数の顧客の施設を有することができる。一実施形態において、近隣地域230は、エネルギー源を有しない1つ以上の顧客の施設を含むことができる。一実施形態において、エネルギー源を有しない顧客の施設であっても、下記のさらなる詳細に従って、メーターおよび電力変換器などの制御ノードを装着することができる。
【0039】
近隣地域230内のメーターは、(例えば、メーター242およびメーター252ならびにその他)は、相互と連絡して計量情報および/または制御情報を共有することができる。一実施形態において、このようなメーター間または制御ノード間の情報の共有は、メーターおよび/または制御ノードが、近隣地域(PCC220)の共通結合点(PCC)がネットワーク内をどのように移動するか、または異なるPCCを介した制御がネットワークまたは送電網全体の中でどのように行われるかを制御することを可能とすることができる。計量ノード間の通信には、任意の媒体を使用することができる。相互におよび/または集中データセンターと情報を共有する機能により、送電網上で何か起こっているかに基づいてネットワークまたは送電網が適応的に動作することを可能とすることができる。このように、一実施形態において、システム200は、分散リアルタイムデータの監視および共有を可能とする。データを受け取る他の装置は、無効電力補償を提供して、電圧支援を提供しおよび/またはそれらの制御の範囲内で有効電力の運転を変更して、PCCにおける正味運転を変更することができる。
【0040】
上述のように、一実施形態において、PCCに結合している1つ以上の顧客の施設は、ソーラーシステムなどのエネルギー源を含んでいる。図示のように、顧客の施設240および顧客の施設250は共に、それぞれのエネルギー源248および258を含んでいる。近隣地域230内のエネルギー源を含む各顧客の施設は、エネルギー源からのエネルギーの分配を制御するためのそれぞれの電力変換器246および256を含むことができる。一実施形態において、各コンバーターは、顧客の施設がエネルギー源から局所的負荷
(246および256など)に有効電力および/または無効電力を提供することを可能とする。一実施形態において、各コンバーターは、エネルギー源から送電網へと(例えば、近隣地域230が送電網に接続されているPCC220を介して送電網210へと)有効電力および/または無効電力を逆に提供することができる。一実施形態において、1つの需要家の施設における1つのコンバーターによって提供される電力は、PCCで見たときの電力使用量に作用することができる。例えば、局所的な消費のためおよび/または送電網に戻すために顧客の施設240におけるコンバーター244によって発生した電力は、メーター252およびコンバーター254によってPCC220で見られる正味電力使用量を変化させることができる。一実施形態において、各コンバーターは、近隣地域内の隣接した顧客の施設の電力使用量を支援することができる。このように、各顧客の施設240および250は、まず自給自足のために運転し、近隣地域230に拡張し、そして次にその他の近隣地域および/または送電網210全体へと送電網の階層を上って拡張するように運転することができる。
【0041】
システム200の階層を上って電力を提供することができるのと同様に、システム200はまた、送電網ネットワークの階層または構成の異なる各レベルでアイソレーションを達成することができる。一実施形態において、各メーター242および252は、装置自体の下流側の送電網のセグメント内の局所的な運転および近隣のメーターから局所的な運転までを監視する。例えば、近隣地域230内または送電網の階層の各レベル内のメーターは、電力需要および発電量の情報を含むことのできる監視情報を共有または配信することができる。このように、各メーターは、局所的な運転をリスニングし、その局所エリアの外側で何が起こっているかを認識しておくことができる。一実施形態において、このような動作により、システム200が、送電網全体上で何が起こっているかに基づいてPCCを移動させることが可能となる。上述のことと同様に、仮に近隣地域230内の何かが停止するかまたはエラー状態に陥ると、近隣地域230は、アイソレーションのルート変更を行って送電網の反応をシフトすることができる。近隣地域230は、近隣地域内の制御ノードの個別の動作によって、および制御ノード222によって、アイソレーションのルート変更を行うことができる。このような動作により、送電網がより長時間稼働し続けることができる。一実施形態において、近隣地域230は、その送電網のサブグループ内の無効電力需要を効果的に制御する一方で、場合によっては送電網全体から有効電力のみを取り出すことができる。このような操作は、PCC220および送電網ネットワークの階層内のその他のPCCにおける情報をアグリゲートすることにより可能である。このように、一実施形態において、近隣地域230自体は、送電網210の集中ディスパッチもしくは送電網管理動作を必要とせずまたはこれを待たずにPCC220において送電網イベントに対応することができる。一実施形態において、システム200は、送電網のイベント次第でPCCの領域を動的に再定義することができる。
【0042】
一実施形態において、一般的に、2つの近隣地域は分散送電網ネットワークの一部として相互に結合することができる。近隣地域は、送電網ネットワーク内の階層の同じレベルであることができ、または階層の異なるレベルであることができる。一方の近隣地域が他方に支援(例えば、電圧支援)を提供する一実施形態において、これらの近隣地域は、一方のPCCの制御が送電網から見たときの他方のPCCにおける性能に作用することができるほど地理的または電気的に十分近接しているであろう。
【0043】
送電網ネットワークは、分散制御ノードを含んでいる。一実施形態において、分散制御ノードがまずそれらのそれぞれの近隣地域内などのそれぞれのPCCにおいて規制に準拠しようとし、次に送電網全体の規制準拠を支援しようとする。一実施形態において、各制御ノードを、ゲートウェイ装置とみなすことができる。ゲートウェイ装置は、それに関連付けられたPCCにおける性能、力率、負荷制御および/または高調波歪みを制御することができる。各制御ノードは、上流側への電力出力および下流側の電力消費量を制御するための、関連付けられた電力変換器を有する。
【0044】
一実施形態において、分散制御ノードは、送電網ネットワーク内で位置認識している。一実施形態において、各制御ノードは、送電網ネットワークの階層内で自らの位置を知ることができる。さらに、一実施形態において、各制御ノードは、送電網に対して発電所からの自らの位置を知ることができる。一実施形態において、各近隣地域の各ノードは、まずその局所的な近隣地域の電力消費量を管理しようと努め、また、送電網の状態(例えば、その他の近隣地域で何が起こっているか)次第では送電網を支援することもできる。送電網の状態には、電圧レベル、力率、高調波歪み、および/またはその他の電気的パラメータなどの任意の性能パラメータを含めることができる。位置認識により、制御ノードが送電網の上流側の運転に関連する状態を考慮できるようにして制御ノードがより具体的な支援を提供できるようにすることが可能である。一実施形態において、各制御ノードが、送電網内で何が起こっているか、即ち、送電網の状態に基づいてより上位レベルのPCCに支援を提供できるようにすることができる。このようにすれば、各制御ノードが局所的な規制準拠を保証しようとし、また全体的な規制準拠を達成するための支援を提供しようとすることができる。
【0045】
一実施形態において、制御ノードが切断管理装置を含んでいない場合、その制御ノードはPCCに関連付けられておらず、および/またはゲートウェイ装置ではない。例えば、一実施形態において、近隣地域は、PCCに関連付けられたノードのみを有し、近隣地域内にはサブPCCは存在しない。このような実施態様において、PCCに関連付けられた制御ノードをゲートウェイ装置とみなすことができる。一実施形態において、切断管理はゲートウェイ装置においてのみ実行される。ゲートウェイ装置は、下流側のすべての機器を送電網に提示する。
【0046】
送電網内の位置認識は、装置が送電網からストリング状に連なった装置の中でその位置を知っている状況を指して、ストリング位置認識と呼ぶことができる。マイクロインバーターまたはその他の電力変換器による自らの領域外での支援の提供を可能とすることにより、位置認識がマイクロインバーターまたはその他の電力変換器の有用性を向上させることができる。例えば、制御ノードに関連付けられたマイクロインバーターまたはその他の電力変換器が、位置認識を用いて送電網の支援をより良く提供できるかもしれない。一実施形態において、バルクインバーターは、位置認識を使用してその動作を所望の総出力に合わせて調節することができる。バルクインバーターとは、スター構成もしくはカスケード構成またはその他のネットワーク構成で相互に接続されたインバーターを指す。バルクインバーターとは、需要家および/または発電装置の制御を提供することに関連して動作する複数のインバーターの一群を指す。このように、制御ノードの任意の例が、1つ以上の電力変換器を含むことができる。一実施形態において、ストリング状に連なった装置の先頭がゲートウェイ装置であり、ストリング全体の結合を制御する。このようなストリングの先頭が、送電網に対してストリング全体を代表することができる。
【0047】
図3は、分散送電網システムの実施形態のブロック図である。システム300は送電網ネットワークを含み、図1のシステム100および/または図2のシステム200の実施形態に係る送電網ネットワークおよび/またはシステムの一例であることができる。システム300は、前述のシステムのうちの1つのセグメントまたは一部のみであってもよい。一実施形態において、システム300は、前述のシステムのうちの1つの代替形態であることができる。一実施形態において、システム300は、集中送電網管理装置を有せずに運転する送電網ネットワークである。一実施形態において、システム300は、集中発電所または送電網全体に電力を提供するその他の大規模電源を有せずに運転する送電網ネットワークである。一実施形態において、システム300は、仮想送電網および/またはモジュール型送電網である。一実施形態において、システム300は、独立したセグメントとして依然として従来の送電網に接続することのできる仮想送電網である。一実施形態において、システム300は、その他の仮想送電網および/またはモジュール型送電網セグメントに接続することができる。
【0048】
システム300は、本明細書内で説明する任意の実施形態に係る近隣地域であることのできる近隣地域340および近隣地域360を図示している。より具体的には、近隣地域340および360は、局所的なエネルギー源を含む任意数の需要家およびこれらを含まない任意の需要家を有することができ、局所的な制御ノードを含む任意数の需要家およびこれらを含まない任意数の需要家を含むことができる。近隣地域340は、制御ノード332に結合している。同様に、近隣地域は、制御ノード334に結合している。制御ノード332および334は、本明細書内で説明する任意の実施形態に係る制御ノードを代表することができる。制御ノード332および334は何らかのインフラストラクチャーによって相互に結合しており、このインフラストラクチャーは、送電網インフラストラクチャーと同じでもよく、または単に、制御ノードが相互に結合して相互に電気的な支援を提供することを可能とするのに十分な容量を有する送電線であってもよい。
【0049】
一実施形態において、制御ノードは、PCCである。したがって、制御ノード332はPCC322であることができ、制御ノード334はPCC324であることができる。一実施形態において、制御ノード332および334は、集中データセンター310と結合している。データセンター310は、システム300の送電網ネットワーク内の複数の分散ノードの動作に関する情報をアグリゲートすることができる。データセンター310は、制御ノード332および334がデータセンターにデータを提供し、データセンターから情報を受け取るという点において、集中的である。一実施形態において、データセンター310は、各ノードが送電網の状態に応じてどのような動作を行うべきかを決定することのできる処理エンジンおよび解析エンジンを含んでいる。一実施形態において、データセンター310は、集中送電網管理装置と同様であるが、より簡易であることもできる。集中送電網管理装置が、通常、集中発電所と送電網との相互接続またはインターフェースならびに場合によっては変電所の運転を制御するのに対し、データセンターは分散ノードに情報を提供することができる。分散ノードは、送電網ネットワークのそれぞれのセグメント内で独立して動作して送電網の状態に対応することができる。一実施形態において、データセンター310は、分散制御ノードにディスパッチ情報を提供する。
【0050】
一実施形態において、近隣地域340は、局所的なエネルギー源を有しない1つ以上の需要家342を含んでいる。一実施形態において、近隣地域340は、局所的なエネルギー源352および局所的な制御ノード354を含む1つ以上の需要家350を含んでいる。エネルギー源および局所的な制御ノードは、本明細書内で説明する任意の実施形態によることができる。一般的に、近隣地域340は、近隣地域内の電力需要を表す総負荷および近隣地域内の発電量を表す総容量を有する。負荷から容量を差し引いたものが正味電力需要を表すことができ、これは正となることもあれば負となることもある。負の電力需要は、近隣地域340がその局所的な需要家によって消費されるよりも大きなエネルギーを発生させることを示すことができる。電力需要は、需要家が異なる量の電力を使用し発生させるにつれて、一日および年間を通じて変動することが理解されるであろう。制御ノード332は、その関連付けられた近隣地域340の正味電力需要を継続的に監視することができる。
【0051】
一実施形態において、近隣地域360は、局所的なエネルギー源を有しない1つ以上の需要家362および局所的なエネルギー源372および局所的な制御ノード374を含む1つ以上の需要家370を含んでいる。近隣地域340の説明は、近隣地域360にも等しくよく当てはめることができる。近隣地域360はまた、近隣地域内の電力需要を表す総負荷および近隣地域内の発電量を表す総容量を有し、これらは近隣地域340の総負荷および総容量とは全く異なることができる。
【0052】
一実施形態において、これら近隣地域のいずれかまたは両方が、局所的なエネルギー貯蔵装置を含むことができる。例えば、近隣地域340はエネルギーストア344を伴って図示され、近隣地域360はエネルギーストア364を伴って図示されている。一実施形態において、少なくとも1つの近隣地域がエネルギー貯蔵装置を有しない。一実施形態において、すべての近隣地域がエネルギー貯蔵装置を含んでいる。エネルギーストア344および364は、近隣地域内に存在することのできる任意の種類のエネルギー貯蔵装置を表している。エネルギーストア344および364は、近隣地域内の個々の需要家のすべての局所的なエネルギー貯蔵装置リソースの合計を代表することができる。一実施形態において、1つ以上の近隣地域が、近隣地域用エネルギーストアを含んでいる。近隣地域用エネルギーストアは、個々の需要家における局所的なエネルギー貯蔵装置に追加的なものまたはその代替的なものであることができる。
【0053】
一実施形態において、エネルギーストア344および364としては、電池リソースを挙げることができ、この電池リソースは任意の種類の電池を含むことができる。電池は、化学的および/または電気的手段によってエネルギーを貯蔵する装置であり、このエネルギーは後ほど取り出すことのできる。しかし、エネルギー貯蔵装置は、電池に限定されない。例えば、一実施形態において、一需要家に対して局所的であるかまたは複数の需要家間もしくは近隣地域全体で共有されるかのいずれかであるエネルギーストアは、活性エネルギーを位置エネルギー(この位置エネルギーは後に位置エネルギーから活性エネルギーへの逆変換によって回収することができる)に変換する作業を実行する機構を含んでいる。例えば、エネルギーストアとして水貯蔵システムを検討する。需要家内および/または近隣地域内に余剰の容量が存在するとき、システムがポンプを起動してこれを余剰電力で動作させて、重力に逆らって汲み上げる、基本的には任意の方法で水を「坂の上」に汲み上げることができる。エネルギーの回収としては、重力を利用して水を坂の下に逆流させて発電機またはミニ発電機を回転させてエネルギーを発生させる方法を挙げることができる。もう1つの代替的な方法として、エネルギーを使用して空気を圧縮し、次に空気が減圧するときにこれを利用して発電機を運転することができる。エネルギー貯蔵装置が従来の電池リソースに限定されないその他の例を使用することもできることは理解されるであろう。
【0054】
一実施形態において、システム300は、分散制御を含む送電網のセグメントである。このようなシナリオにおいて、送電網ネットワークの階層内の各ノードは、そのPCCにおいて規格の準拠または期待される性能に合わせて自らの状態を管理することができる。一実施形態において、各ノードはまた、送電網ネットワーク側(そのセグメントの上流側)で性能が低下する状態を見ると、近隣のセグメントまたはPCCに電気的な支援を提供することもできる。一実施形態において、各ノードは、データセンター310もしくはその他のノードからの情報の受信および/または集中管理装置からのディスパッチ情報もしくは制御情報の受信に応じて近隣のセグメントまたはPCCに電気的な支援を提供することができる。
【0055】
一実施形態において、システム300は、送電網ネットワークに電力を提供するために結合されている1つ以上の電源312を含んでいる。1つ以上の電源312は、需要家における局所的なエネルギー源に対する追加であることができる。一実施形態において、個々の電源312のいずれも、需要家の電力需要を満たすだけの十分な容量を有しない。例えば、産業用または公益事業体規模の発電所ではなく、1つ以上の電源312を送電網のセグメントに局所的に含めることができる。このセグメントは、近隣地域内にあることもでき、または複数の近隣地域間で共有することもできる。電源312は、公益事業体の完全な実施態様よりも小型でありながら、通常、需要家または顧客の施設で使用されるであろうものよりは大型であろう、より小規模の発電機を含むことができる。近隣地域に設置された電源312は、制御ノードに直接関連付けることができる(例えば、電源312を制御ノード332に結合させ、これによって制御することができる)。制御ノードは、電源の出力を管理することができる。
【0056】
大規模発電所を必要とせず、かつその代わりにより小規模なエネルギー発生装置(例えば、近隣地域の発電機、近隣地域の太陽発電設備、小規模水力発電機またはその他の電源)を用いて、今日の送電網と比較して最小限のインフラストラクチャーで送電網ネットワークを設置することができる。このようなモジュール型送電網ネットワークは、現在の需要に基づいて送電網から構築し、その後その他の独立した送電網ネットワークのセグメントと相互接続することを可能とすることができる。各セグメントは独立して継続的に運転することができるが、その後、利用可能性に基づいて、近隣のセグメントとの間で発電量および電力需要をより良く配分できる利益を享受できる。各インターフェースまたは相互接続点は、電力の使用および上流側への電力の提示を制御するための、各々1つ以上の電力変換器を含むことのできる1つ以上の制御ノードを含むことができる。このように、局所的な送電網ネットワークを構築し、その後、この構築された送電網ネットワークと別の局所的なな送電網ネットワークとをインターフェースする送電網ネットワークの階層の別の層が追加されたときに、この層によってこの2つの独立したセグメントを結合させることができる。
【0057】
一実施形態において、近隣地域340が、局所的なエネルギー源352を有する複数の顧客の施設350を有することについて検討する。従来であれば、送電網は、単一の大規模発電所から需要家へと電力を供給するように設計されているので、一方向性として設計され構築されている。顧客の施設350における発電装置を用いて、近隣地域340および接続されている送電網に至るまでが事実上双方向性のシステムとなることができ、電力を集中電源から需要家へと供給することができるが、一方では、需要家もまた、送電網上に送り返す余剰容量を発生させることができる。近隣地域および隣接する近隣地域のための発電量が瞬間的な電力需要を超えると、発電された電力は送電網を遡って発電所の方に向かって押し返される。このような状態は、送電網インフラストラクチャーに難題を突きつける場合がある。
【0058】
送電網事業者(例えば、公益事業体)は、著しい量のエネルギーが送電網を遡って発電所の方へと押し返されるシナリオのリスクを低減するために、通常、どのくらいの局所的な発電量を送電網に接続できるかに制限を設定している。このような制限は、しばしば飽和と呼ばれ、送電網に加えることが許される容量の閾値量がある。飽和の閾値に達すると、需要家は、通常、公益事業体が需要家の発電を送電網から選択的に切断することを可能とする追加的なインフラストラクチャー(追加的な設備)の支払いをしなければならない。また、このようなシナリオでは、発電を送電網が使用できず、したがって、送電網事業者は需要家にその支払いをしないので、需要家は同じレベルのコスト削減を享受できず、需要家と公益事業体とは互いに相容れない状態となる。
【0059】
一実施形態において、システム300は、送電網の飽和に対処する代替的な機構を提供することができる。一実施形態において、システム300内の分散制御は、PCCで見たときおよび/または顧客の施設もしくは制御ノードの下流側の任意の場所から見たときの電力需要および発電量の動的な制御を提供することができる。一実施形態において、制御ノードは、有効および無効電力需要ならびに有効および無効電力の発生量を制御するための電力変換器を含んでいる。より具体的には、制御ノードは、PCCから下流側を見たときの電力の有効電力成分およびPCCから上流側を見たときの有効電力成分に作用するように、動作を調節することができる。制御ノードは、PCCから下流側を見たときの電力の無効電力成分およびPCCから上流側を見たときの無効電力成分に作用するように、動作を調節することができる。一実施形態において、制御ノードは、需要および発電に制御を適用する電力変換器として、1つ以上のインバーターまたは1つ以上のマイクロインバーターを含むことができる。
【0060】
一実施形態において、ノード332は、送電網ネットワーク内の上流側を接続する送電網接続装置を含んでいる。送電網接続装置は、既知の接続装置ならびに高電圧信号線および低電圧信号線を含むことができる。ノード332は、近隣地域340の送電網ネットワークのセグメントのPCC(PCC322)であるか、またはこれに接続されている。ノード332は、どのように動作するかを決定するためのコントローラーもしくはマイクロプロセッサーなどの制御論理回路またはその他の論理回路を含んでいる。一実施形態において、ノード332は、近隣地域340内が飽和閾値に達したことを決定する。このような決定は、発電量が電力需要を超えることを決定するための動的監視の結果として行うとができる。このような決定は、データセンターまたは集中送電網管理装置からの通知に応じて行うことができる。このような決定は、その他の分散制御ノードからのデータに応じて行うことができる。一実施形態において、近隣地域340内の各エネルギー源352は、近隣地域内の制御ノード354に関連付けられている。一実施形態において、各制御ノード354は、その関連付けられたエネルギー源352の容量に関する情報で設定されている。一実施形態において、各局所的な制御ノード354は制御ノード332に登録し、これによりノード332が近隣地域340の総容量を知ることを可能とすることができる。
【0061】
一実施形態において、ノード332は、設定および/または需要家に分散しているメーターもしくはその他の機器との通信を介した動的識別などによって、近隣地域340の総ピーク有効電力需要を知っている。一実施形態において、有効電力の値を識別する総ピーク有効電力需要の閾値割合があり、有効電力の発生容量がこの値を超えると、近隣地域は飽和しているとみなされる。一実施形態において、ノード332は、飽和状態に応じて電力変換器の動作を動的に調節して近隣地域340と送電網との間のインターフェースを調節する。一実施形態において、ノード332は、PCC322の上流側から見たとき(例えば、PCC324から見たときおよび/または集中送電網管理装置もしくは送電網ネットワークの別の部分から見たとき)の近隣地域340の有効電力対無効電力の比を調節する。
【0062】
一実施形態において、ノード332は、近隣地域340に関する送電網の飽和のレベルを示すデータセンター310または送電網管理装置からのディスパッチ情報を受信する。一実施形態において、ノード332は、メーターおよび/またはノード354を介するなどして下流側からPCC322の下流側の送電網の飽和のレベルを示す情報を受信する。一実施形態において、ノード332は、下流側の制御ノード354と通信してこれらの有効電力出力を調節するなどにより、近隣地域340に対して少なくとも有効電力の発生量を調節する。一実施形態において、ノード332は、下流側と通信して制御ノード354に上流側への無効電力出力対有効電力出力の比を変えさせることができる。一実施形態において、ノード332は、PCC322における有効電力および/もしくは無効電力の発生量ならびに/または需要を調節してPCC322から上流側を見たときの電気的状態を調節する。一実施形態において、ノード332および/またはノード354は、動作を調節して有効電力および/または無効電力の少なくとも一部をエネルギーストア344に分流させる。
【0063】
一実施形態において、システム300は、仮想送電網または仮想送電網のセグメントを表している。仮想送電網として、システム300は、従来の公益事業体の送電網に共通の従来型のインフラストラクチャー、集中発電所、または集中送電網管理装置を必要としない。システム300は、一実施形態において、各近隣地域340、360が他方の領域から独立して局所的な電力を発電し、局所的な需要を満たすことができるという点において、仮想送電網であることができる。独立しているにもかかわらず、近隣地域340および360は相互に結合して各近隣地域が他方の近隣地域に支援を提供しおよび/または他方から支援を受けることを可能とすることができる。従来の送電網には大掛かりなインフラストラクチャーが必要であることに比べて、近隣地域340と360との間の相互接続は、最小限であることができる。
【0064】
一実施形態において、ノード332および334は、PCCとして相互に結合しており、および/または別のPCCを介して相互に結合しているとみなすこともできる。一実施形態において、PCC322およびPCC324は別個の制御ノード(明示的には図示せず)を有するPCC326を介して相互に結合するであろう。PCC326は、送電網ネットワークの階層でPCC322および324よりも上位であるとみなすことができる。PCC326は、下流側のすべての接続の運転を制御しようとし、および上流側の接続を管理する制御ノードの観点から管理することができる。一実施形態において、ノード332および334は、PCC326を介してではなく送電網ネットワークの階層の最上位レベルにおいて相互に結合しており、相互に通信し、送電網支援を提供することができる。一実施形態において、近隣地域340内で利用可能な任意の発電量は、たとえ自らのピーク電力需要を満たすに十分であっても、近隣地域340および360のピーク電力需要を満たすには不十分である。近隣地域360の発電量についても同じことが言える。
【0065】
制御ノード332および334は、これらの局所的な電源を独立して管理する。各近隣地域の観点からは、近隣地域内の発電リソースが発電できるという点において、近隣地域全体が「電源」を有するように見える。ノード332および334は、それぞれの近隣地域から各々局所的に発電された電力の配電を制御する。近隣地域と呼んではいても、各々が局所的な発電装置を有し、各々が制御ノードを有する別個の2つの需要家にも同様の原理を適用できることが理解されるであろう。2つの需要家を相互に結合することにより、仮想送電網を形成することができる。このように、仮想送電網は、個別の需要家のレベルでも、または大規模な需要家群および近隣地域のレベルでも運転することができる。一実施形態において、各制御ノードは、その局所的な電力需要および局所的な発電量に基づくと共に、結合している近隣地域または需要家からの電力需要および発電量に関する監視および/または通信に基づいて動作する。
【0066】
一実施形態において、1つ以上の仮想送電網ネットワークのセグメントを公益事業体の送電網に接続することができる。一実施形態において、1つ以上の追加的な需要家または近隣地域が、仮想送電網として、相互に結合している需要家または近隣地域と相互に結合することができる。一実施形態において、各制御ノードは、ネットワーク構造を発見するための通信および制御論理回路を含んでいる。一実施形態において、システム300内のノード332のような1つの制御ノードが、マスターノードとして動作することができる。マスター制御ノードは、それに結合した1つ以上のスレーブノードを有することができる。例えば、ノード334は、ノード332にとってのスレーブノードであることができる。マスター/スレーブのシナリオにおいて、制御ノード332は、ノード334の動作を制御して、ノード334に、マスターノード332が発する1つ以上の命令または要求に従って局所的なまたは下流側のリソースを制御させることができる。このように、ノード332は、その局所的なセグメントおよびスレーブセグメントとして接続されている1つ以上のサブセグメントの制御を提供することができる。このようなシナリオにおいて、ノード332は、規制または要件に対する各送電網ネットワークのセグメントの準拠を保証する役割を担うことができる。ノード332は、このように、システム300全体の電力および電力需要の配分を制御することができる。
【0067】
一実施形態において、システム300の送電網ネットワークは、その大きさをモジュール式に調節することができる。送電網ネットワーク内の各近隣地域340、360、等々が独立して運転できることから、近隣地域、需要家、および/またはネットワークのその他のセグメントもしくは集団を送電網ネットワークに動的に追加しおよび/または除外することができる。例えば、開発途上地域では、第1の近隣地域340をその発電装置を用いて構築してその需要家の需要を満たすように試みることができる。一実施形態において、電源312を接続することができてもそれ自体では近隣地域340のピーク需要を満たすには不十分であるが、局所的なエネルギー源が需要を満たすのに不十分であるときには需要を提供することができる。一実施形態において、近隣地域360をさらに開発することができ、その後、近隣地域340に接続(例えば、ノード332および334を結合)することができる。より上位レベルのPCCおよび制御ノードを介して、ならびに/または近隣地域の制御ノードを結合することにより、その他の近隣地域を同様に追加することができる。このとき、一実施形態において、制御ノードを介した配電によって電源312が両方の近隣地域に給電することができ、近隣地域は、概ね局所的な発電に依存するであろうが、支援電源としての電源312から電力を受け取ることができる。一実施形態において、エネルギーストアからの電力の変換を含む局所的な発電量が需要を満たさない場合、電源312からの電力が使用される。一実施形態において、一方の制御ノードが、無効電力出力を調節して近隣地域の相互接続点における電圧および電力潮流を変化させることにより、他方の制御ノードを支援する。近隣地域において局所的に発電されおよび/または消費される電力の無効電力または位相オフセットを変化させることにより、他方の近隣地域が追加的な電力を受け取る必要があるかまたは放出する必要があるか次第で電力を異なる方向に流す電気的状態を生じさせることができる。
【0068】
図4は、電流の高調波成分が基本電流成分に対してオフセット角を有するシステム内の電流の成分の実施形態の図形表現である。ダイアグラム410は、電流の複素ベクトル表現を提供している。ベクトルは、大きさと方向を有する。従来なされたように単に電力を計測する代わりに、一実施形態において、メーターおよび/または制御ノードが、複素電力ベクトルの表現を含むエネルギーシグネチャーとしての電力を監視することができる。一実施形態において、各シグネチャーは、シグネチャーを定義しおよび/または「名づける」特徴を識別する。各シグネチャーは、基本電流のベクトルおよび1つ以上の高調波のベクトルを提供する複素ベクトル表現を含んでいる。
【0069】
ベクトル420は、基本電流のベクトルである。一般的な表現において、x座標は、ページを横切って左から右へと延伸するベクトル成分である。y成分は、ページの下部から上部へと至る。簡略化のためにここでは表示していないものの、ベクトルが負のy成分を有し得ることは理解されるであろう。xy座標は、ベクトルの端部を画定する。ここで、基本電流ベクトル420のx座標およびy座標が平面を画定すると仮定する。発明者らによってなされた研究および著作によれば、高調波を想像する最も適切な方法は、高調波を3次元ベクトルとして表現することである。したがって、ベクトル420のxy座標が基準面を画定する場合、高調波のうちの1つ以上は、基本電流ベクトルの平面に対してオフセット角を有することができる。
【0070】
例えば、ダイアグラム410の例について検討する。第1高調波がベクトル430を有するとして図示されており、このベクトル430はx成分およびy成分を含み、これら成分の大きさは基本電流の成分に対して任意の大きさであることができる。第1高調波ベクトル430は、xおよびy座標に加えて、基本電流ベクトル420の基準面に対してベクトルのオフセット角452を画定するz座標成分を含んでいる。基本電流および高調波の起点が同じであることは理解されるであろう。このように、高調波ベクトル、即ち、複素ベクトルの第3の次元は必ずしも絶対z座標成分ではなく、基本電流に対するオフセット角である。
【0071】
図示のように、第3高調波ベクトル440もまた、x成分およびy成分ならびに第1高調波ベクトル430のオフセット角452とは異なる(より大きいまたはより小さい)ことのできるオフセット角454を有している。オフセット角の角度シフトは、電流に対する磁気効果を表す。発明者らは、最大第40高調波までの電力消費に対する顕著な効果を計測した。このように、高調波オフセットの寄与を軽視すべきではない。高調波は、電流を流そうとするときの磁束の異なる共鳴効果により、オフセット角に対してシフトする。基本電流ベクトル420が、需要家が期待する電流である。しかし、高調波成分は、かなりの(計測可能な)電力消費量を追加する場合がある。高調波のオフセットは、期待される単純な2次元電流ベクトルを3次元電流ベクトル(複素電流ベクトル)にシフトすることができる。シフトしたまたはオフセットした高調波成分によって表される磁気成分を克服するためには追加的な電力が必要となるので、従来の電力ベクトル図では需要家による電力使用量を完全に取り扱うことができない。
【0072】
図5は、電流ベクトルが基本電流成分と高調波電流成分との合成であるシステム内の電流の成分の実施形態の図形表現である。ダイアグラム510、520、530、および540は、図4のダイアグラム410の実施形態に係る複素電流ベクトルの成分の部分を図示している。図示のように、ダイアグラム510は基本電流ベクトル512を表している。基本電流はx成分およびy成分を含み、高調波の基準座標系を画定する。
【0073】
ダイアグラム520は、x成分およびy成分ならびにオフセット角524を含む第1高調波ベクトル522を表している。ダイアグラム530は、x成分およびy成分ならびにオフセット角534を含む第3高調波ベクトル532を表している。ダイアグラム540は、x成分およびy成分ならびにオフセット角544を含む第5高調波ベクトル542を表している。基本電流512および様々な高調波(522、532、542)の各々は、各々について従来的に期待されるところの2次元「電力ベクトル図」の表現として示されている。しかし、既に述べたように、高調波は往々にして基本電流の成分ベクトルに対してオフセット角を有しており、したがって、結果として得られる合成電流ベクトルは、基本電流ベクトル512と同じ平面内にはないであろう。
【0074】
むしろ、合成電流ベクトルの電力ベクトル図を3次元ボックス内の三角形とみなされたい。ダイアグラム550は、この概念の簡略図を提供している。基本電流ベクトル512がダイアグラム550の3次元ボックスの一面上にあることが観察されるであろう。ある意味で、高調波が合成電流の三角形をボックスの「中に」押し込む。合成電流ベクトル552は、基本電流ベクトル512に対して大きさがより大きいと共に角度的にオフセットしている。オフセット554は、オフセット角を表している。基本電流ベクトル512および合成電流ベクトル552がボックスの「形状」を画定することが理解されるであろう。高調波の寄与の程度により、ボックスの形状が異なる。合成電流ベクトル552は、計量装置によって記憶されたシグネチャーであることができる。基本電流512の基準面は、送電網の電力(PCCを介して送電網で見たときの電力状態を指す)の平面として画定することができる。
【0075】
発生するノイズおよび高調波に関しては、一般的に、スイッチング電源および磁気共鳴に対して規制があることが理解されるであろう。各機器が、規制準拠(例えば、UL認定)の試験を受ける。各機器または負荷が個別に設計どおりおよび試験されたとおりに機能すると、各々が規制により義務付けられたとおりに従う。しかし、複数の負荷および/または機器が相互に結合すると、予期しない共鳴が生じる傾向がある。発明者らは、第1から最大第40までの高調波によるエネルギーベクトル図に対する寄与度を計測した。このように、通常、送電線上ではかなりの量の高調波ノイズが発生している。高調波抑制は、従来より、特定のノイズ成分を標的としたフィルターを含む。しかし、いろいろな機器がオンラインとなりオフラインとなるに従って、およびネットワークの電気共振構造が継続的に変化するので、ノイズ成分は継続的に変化する場合がある。一実施形態において、メーターは、各負荷または負荷群の特徴を検出する。これらの特徴を高調波のシグネチャーと呼ぶことができる。
【0076】
一実施形態において、電力計またはエネルギー計は、エネルギーの寄与度を計測することにより、このようなシフトを高調波電流ベクトルのオフセット角として検出することができる。電力変換器は、負荷および/またはPCCを送電網と整合させるために必要な無効電力を提供することにより、実際の合成電流を補償することができる。このように、負荷における電流は、合成電流を単に力率においてではなく複素ベクトルにおいて送電網と整合させるために、コンバーターによって調節することができる。このような動作により、当然ながら、送電網に負荷をかけることにより生じる高調波歪みが排除され、または少なくとも低減される。
【0077】
一実施形態において、負荷に関して説明されることはまた、エネルギー生成に関しても実行することができる。一実施形態において、メーターは、PCCにおけるエネルギーシグネチャーを決定することができ、(公益事業体以外の力率を所望の場合は)送電網を所望のオフセット量にオフセットさせ、および/または公益事業体の力率を所望の場合は送電網と整合させるためにはどのような電流が必要となるかを計算することができる。コンバーターは、送電網のインターフェースをPCCの下流側とより効率的に整合させるために、動作を調節して電力出力を無効電力需要に調節するのみならず複素電流ベクトルのシフトにも調節することができる。
【0078】
ダイアグラム550内に表示されているエネルギーベクトル図は、負荷または需要家によって引き出される電力の電流成分を見るときに見られる効果の数学的表現として表すことができることは理解されるであろう。この効果は、通常、熱として現れる廃棄エネルギーである。従来よりの問題は、システムがうまく整合せずに、かなりのノイズ成分があることである。一実施形態において、制御ノードは、特定のエネルギーシグネチャーの送電網との接続を提供するために、インピーダンスを整合させるのみならずノイズまたは高調波の補正をも整合させる。このように、制御ノードは、送電網上に電力を出力するにせよまたは送電網から電力を受け取るにせよ、電力インターフェースに関して送電網ネットワークとの「よりクリーンな」接続を提供することができる。
【0079】
図6は、分散送電網システム内のゲートウェイ装置の実施形態のブロック図である。計量装置600は、送電網システムの一実施形態を表しており、本明細書内で説明する任意の実施形態に係る送電網システムであることができる。例えば、システム600は、システム100、システム200、および/またはシステム300に係るシステムの一例であることができる。送電網610は送電網ネットワークを表しており、公益事業体の送電網であれ、仮想送電網であれ、分散階層型送電網ネットワークであれ、またはその組み合わせであれ、本明細書内で説明する任意の種類の送電網であることができる。メーター620は送電網メーター、または送電網が供給する電力を計測しこれに課金するために送電網内で使用されるメーターを表している。一実施形態において、メーター620は送電網インフラストラクチャーの一部とみなすことができ、入口メーターと呼ぶことができる。ゲートウェイ630のメーター634は、メーター620とは別個であると理解される。一実施形態において、メーター620は、送電網610が本明細書内で説明する任意の実施形態に係るPCCを表すPCC622に供給する電力を監視する。
【0080】
一実施形態において、システム600は、本明細書内の任意の実施形態に係る制御ノードであることができ、および/またはその一部であることができるゲートウェイを含んでいる。一実施形態において、ゲートウェイ630は、制御ノードの「頭脳」を表している。一実施形態において、ゲートウェイは、ゲートウェイ630がPCCの外側の機器のような他の機器と通信することを可能とするルーター632を含んでいる。一実施形態において、ルーター632は、ゲートウェイ630がデータセンター680と通信することを可能とする。データセンター680は、分散送電網ネットワークの集中データロケーションを代表することができる。一実施形態において、データセンター680は、集中送電網管理装置を表している。このように、データセンター680は、制御、ディスパッチ情報、または送電網の運営に関するその他のデータなどの、送電網に基づく情報のソースを表している。ルーター632は、イーサネット(登録商標)接続またはインターネットプロトコルを使用するその他の接続を含んでいる。ルーター632は、送電網の相互接続を含むことができる。ルーター632は、プロプライエタリーなコネクターを含むことができる。ルーター632は、送電網とのインターフェースまたは接続を提供するハードウェアコネクターに加えて通信を発生させ処理するためのゲートウェイ630内のスタックまたはプロトコルエンジンを代表することができる。
【0081】
一実施形態において、ゲートウェイ630は、図8の装置800に係る計量装置を表すメーター634を含んでいる。メーター634は、ゲートウェイ
630が、PCC622の需要家側における電力需要および/または発電量を監視することを可能とする。PCC622の需要家側は、送電網とは反対側である。需要家側は、需要家の負荷および/または負荷制御装置との電気的接触点である。通常、PCCは、何らかのヒューズシステムおよび/またはその他の切断機構を含んでいる。ヒューズシステムは、ソフトヒューズ(例えば、スイッチもしくは電気的に開閉できるその他の機構)または機械的にもしくは物理的にリセットもしくは交換しなければならないハードヒューズであることができる。一実施形態において、メーター634は、エネルギーシグネチャーを記憶し管理する。一実施形態において、メーター634は、アグリゲーションを実行する。
【0082】
ゲートウェイ630は、ゲートウェイの動作を制御するためのハードウェア処理リソースを表すコントローラー636を含んでいる。コントローラー636はまた、ゲートウェイ630の動作を制御するためのソフトウェア論理またはファームウェア論理を表すこともできる。一実施形態において、コントローラー636は、1つより多くのハードウェア構成要素によって実施することができる。一実施形態において、コントローラー636は、埋め込み型コンピューターシステムであるかまたはこれを含んでいる。例えば、コントローラー636は、埋め込み型パーソナルコンピューター(personal computer:PC)ボードおよび/またはその他のハードウェア論理を含むことができる。コントローラー636は、一般的に、ルーター632および/またはメーター634の制御などのゲートウェイ630の動作を制御する。一実施形態において、ゲートウェイ630が何かをするように命じられると、命じられたことを実行するための動作をコントローラー636が遂行するとみなすことができる。
【0083】
一実施形態において、システム600は、PCC622の需要家側に1つ以上の負荷640を含んでいる。一実施形態において、システム600は、1つ以上のエネルギー源660を含んでいる。エネルギー源660は、需要家におけるまたはPCC622の需要家側における発電リソースを表している。一実施形態において、エネルギー源660は、風力または太陽発電システムなどの再生エネルギー源である。一実施形態において、エネルギー源660は、有効電力を発電する。一実施形態において、ノード600は、電池バックアップ670を含んでいる。電池バックアップは、本明細書内で説明する任意の形態のエネルギーストアまたはエネルギー貯蔵装置であることができる。
【0084】
一実施形態において、需要家は、局所的な電力変換器650を含んでいる。コンバーター650は、本明細書内で説明するコンバーターの任意の実施形態によることができる。コンバーター650は、インターフェースを管理または制御するために1つ以上の動作を行う。一実施形態において、インターフェースは、機器とPCC622との相互接続を意味する。一実施形態において、インターフェースは、機器と別の点との電気的相互接続または電気的結合を意味する。例えば、コンバーター650は、送電網と負荷との間で電力またはエネルギーがどのように転送されるかを変更することなどにより、PCC622と負荷640との間のインターフェースを調節するように動作することができる。一実施形態において、コンバーター650は、エネルギー源660と負荷640との間のインターフェースを調節するように、例えば、局所的なエネルギー源から負荷に電力を供給するように、動作することができる。一実施形態において、コンバーター650は、エネルギー源660とPCC622との間のインターフェースを調節するように、例えば、エネルギー源から送電網に電力を供給するように、動作することができる。一実施形態において、コンバーター650は、電池バックアップ670とPCC622および/またはエネルギー源660との間のインターフェースを調節するように、例えば、エネルギーストアを充電し、および/またはエネルギーストアからの電力を負荷および/または送電網での使用のために提供するように、動作することができる。
【0085】
図7は、ゲートウェイアグリゲーターシステムの実施形態のブロック図である。システム700は、ゲートウェイ装置の一実施形態であり、本明細書内で説明する任意の実施形態に係る制御ノードであることができ、またはこれに含むことができる。アグリゲーター710は、データのアグリゲーションを実行するためのハードウェア論理およびソフトウェア論理を表している。アグリゲーター710は、アグリゲートされた情報に基づいてインターフェースの制御の仕方の決定を計算することができる。
【0086】
アグリゲーション論理720は、アグリゲーター710が送電網の状態に関連したデータの複数の要素を収集することを可能とする論理を表している。外部I/O722は、送電網の状態情報を提供することのできるPCCの外部のソースを表している。通常、このような情報は、送電網全体の状態または需要家もしくは近隣地域もしくはアグリゲーター710に関連付けられる制御ノードが管理する部分よりも大きな送電網の特定のセグメントもしくは区画を考慮して提供される。外部I/O722の例としては、ディスパッチ情報および送電網制御信号を挙げることができるが、これに限定されない。ディスパッチ情報は、送電網ネットワークに一斉送信することができ、または送電網ネットワーク内の特定のエリアに送信することができる。送電網制御は、PCCが準拠しおよび/または対処することとなっている少なくとも1つの電気的状態を示す特定の信号を表す。例えば、PCCから特定の出力を提供するように、PCCに要求することができる。別の例として、送電網ネットワークの別の場所における状態に基づいて規制に準拠するように、
PCCに具体的に要求することができる。
【0087】
センサー724は、例えば、制御ノードまたはその他のゲートウェイ装置もしくはアグリゲーション装置に局所的な1つ以上のセンサーのような、PCC内のデータのソースを表している。センサーデータの例としては、負荷情報、局所的な温度、光状態、および/またはその他の情報を挙げることができるが、これに限定されない。一実施形態において、負荷情報は、負荷に関する複素電流ベクトルを表すエネルギーシグネチャーによるなどして、どんな負荷が電力を引き出しているかを決定するメーターによって収集または監視される。一実施形態において、負荷情報はアグリゲーター710内に設定することができ、特定の負荷の接続(例えば、ブレーカー、コンセント、またはその他の接続)を可能とする最大負荷容量であることができる。一実施形態において、局所的なエネルギー源の動作は温度によって影響を受ける場合があり、または温度は特定の負荷および/もしくはエネルギー源に関して期待される効率および/もしくは需要の示度である場合がある。光状態はソーラーシステムに特有であるが、その代わりにまたは追加的に風センサーなどの他のセンサーを使用することもできる。
【0088】
各センサーは、PCC内でのおよび/またはPCCの外部への電力の出力の仕方あるいはインターフェースの制御の仕方を決定するときに考慮すべき情報を提供することができる。一実施形態において、各センサーは、アグリゲーション論理720に登録する。アグリゲーション論理720は、各種センサーからの情報を収集しアグリゲートするセンサー制御ハブを含むことができる。一実施形態において、アグリゲーター710は、アグリゲーションデータおよび/または生データをメモリー742に記憶させる。メモリー742はアグリゲーター710に局所的であることができ、センサー情報および/または送電網制御情報を記憶することができる。
【0089】
一実施形態において、アグリゲーション論理720は、特定のデータに対してその他のデータよりも大きな重みを提供する重みを含んでいる。重みは、時間に基づいておよび/またはその他の受信データに基づいて変化することができる。例えば、温度データは、どのような動作を実行すべきかを決定するために考慮することができるが、送電網制御が受信された時には重みを非常に低くするか完全に無視することができる。その他無数の例が考えられる。一実施形態において、アグリゲーション論理720は、ある種の複雑な状態機械として動作する。一実施形態において、アグリゲーション論理720によって発生した各条件出力は、各種入力に基づいて決定された状態を識別する。例えば、アグリゲーション論理720は、データの範囲に基づいて決定を下すことができ、例えば、光状態が所与の範囲内であり、温度が特定の範囲内であるとき、かつ送電網状態が一定の範囲内であるときには、特定の条件出力が発生する。その他の範囲であれば、その他の条件出力が生成される。条件出力はアグリゲーター710がどの状態にあるかを示して電力変換器の動作の制御の仕方を決定することができる。
【0090】
一実施形態において、アグリゲーション論理720は、遂行論理750が遂行するための1つ以上の条件を発生させる。一実施形態において、アグリゲーター710は、決定された条件を変化させるためのゼロ個以上の他の論理要素を含むことができる。一実施形態において、アグリゲーター710は、1つ以上のフォーキャスト論理730および/または前方予測740を含んでいる。一実施形態において、アグリゲーター710内のすべての論理ブロックをアグリゲーターの制御論理とみなすことができる。このように、計算を実行するアグリゲーターは、アグリゲーション論理720、フォーキャスト論理730、前方予測740、遂行論理750、および/または図示していないその他の論理の動作を含むことができる。
【0091】
一実施形態において、フォーキャスト論理730は、料率ソース情報
732を受信することができる。料率ソース情報732は、需要家の料率もしくは価格情報および/または市場料率もしくは市場価格情報を含むことができる。一実施形態において、需要家の料率は、有効電力および無効電力について異なる料率を含むであろう。一実施形態において、市場料率は、有効電力および無効電力について異なる料率を含むであろう。無効電力は、一般的に、「アンシラリー市場」向けに、即ち、アンシラリーサービスを提供するために、送電網に供給することができる。このように、無効電力料率は、実際には、市況および選択されたアンシラリー市場に依存して多くの異なる料率を含むことができる。料率情報は、一日を通じておよび/または季節もしくは一年を通じて変更することができることが理解されるであろう。このように、時刻および時節は、料率情報に基づいて実行される計算動作のために考慮される情報であることができる。一実施形態において、料率ソース732はリアルタイムの料率情報源であり、料率契約情報、瞬間料率、および/またはその他の情報などの、規制緩和されたエネルギー市場に関連するデータを提供することができる。一実施形態において、アグリゲーター710は、外部I/O
722を介して料率ソース732に結合する。
【0092】
一実施形態において、フォーキャスト論理730は、アグリゲーション論理720によって識別された条件および料率情報に基づいて実行すべき動作を決定し、または計算する。フォーキャスト論理730は、料率情報および条件情報の組み合わせに基づいて1つ以上の取るべきアクションを決定することができる。例えば、アグリゲーション論理720が計算したとおりに決定された条件は、アグリゲーター710が管理するインターフェースの動作の特定の状態またはゾーンを識別することができる。アグリゲーター710は、局所的な負荷および送電網に電力を提供できる制御ノードに関連付けられている。このように、フォーキャスト論理730は、例えば、局所的に発生したエネルギーの最良の用途を決定することができる。フォーキャスト論理730は、需要家にとって経済的な見返りが最大となる場合に基づいてインターフェースの最良な制御の仕方を決定することができる。
【0093】
例えば、日によっては、送電網ネットワークの状態次第で、市場価格は有効電力とアンシラリーサービスとの間で変動するかもしれない。有効電力の料率が高いときには、フォーキャスト論理730は、関連付けられた電力変換器が発生させた有効電力が送電網に伝送されるように仕向けるよう、決定することができる。その後、1つ以上のアンシラリー市場価格が有効電力市場料率よりも高くなれば、フォーキャスト論理730は、電力変換器が発生した無効電力が送電網に伝送されるように仕向けるよう、決定することができる。別の例において、需要家が負荷需要を有する負荷を有することを検討する。しかし、市場料率は現在、エネルギーを局所的に消費する価値よりも高いので、フォーキャスト論理730は、エネルギーを送電網に伝送し、負荷に給電する電力を送電網から引き出すように決定する。同様に、市場料率が下落すると、フォーキャスト論理730は、より大きなエネルギーを局所的な負荷需要に向け直すように決定することができる。このように、アグリゲーター710は、局所的なPCCから送電網へのインターフェースを動的に監視および制御して局所的な需要家および送電網にとってのエネルギーの価値を最大化することができる。
【0094】
一実施形態において、前方予測740は、メモリー742から履歴情報を取り出す。履歴情報は、実行される関連付けられた動作を伴う1つ以上の条件、料率に関する過去の傾向情報、電気的状態、電力需要、および/またはその他の情報を含むことができる。履歴または履歴情報は、アグリゲーター710が以前の動作に基づく傾向またはパターンを識別することを可能とすることができる。このように、制御ノードがより長い間動作状態にあるほど、その履歴データはより多くを動作に通知することができる。一実施形態において、アグリゲーター710は、履歴情報を使用する前のデータ収集期間を含んでいる。データ収集の時間はアグリゲーターの異なる用途に応じて可変とすることができるが、数時間、数日、数週間、または数か月とすることさえできる。一実施形態において、このような情報は、履歴データの解析もしくは評価またはどのような動作を実行すべきかの計算に徐々により大きな重みを与えることにより、徐々に「段階的に導入」することができる。
【0095】
一実施形態において、履歴データは、特定の動作状態およびその次の動作状態ならびに両者間にどれだけの時間が経過したかを識別することができる。このように、例えば、前方予測は、このような条件または状態が経済的な利益に見合うほど十分に長い間持続しそうであるかを示す履歴情報に基づいて、決定されたアクションを実行するべきか否かを決定することができる。一実施形態において、前方予測740は、選択されたアクションまたは状態および履歴データから、制御ノードがどのような動作を遂行すべきかを決定する。一実施形態において、各予測は、エネルギー負荷、エネルギー価格、天候条件、料率、および/またはその他の情報の過去のデータを考慮したうえで、現在の条件に基づいてどのような決定を下すべきかの推定を表す。一実施形態において、履歴データは、監視される/制御される送電網ノード内の動作を指して、動作履歴または動作データと呼ぶことができる。
【0096】
一実施形態において、遂行論理750は、アグリゲーション論理720、フォーキャスト論理730、および前方予測740からそれぞれ、1つ以上の条件、1つ以上のアクション、および/または1つ以上の予測を受け取る。遂行論理750は、入力データを解析し、受信データに基づいて実行すべき1つ以上の動作を計算することができる。一実施形態において、アグリゲーター710は、集合的に、接続されている局所的なエネルギー源、入口メーター情報、エネルギーストアまたはエネルギーバックアップシステム、局所的なまたはオンサイトの負荷、およびその他の情報の知識を有することができる。一実施形態において、アグリゲーター710などのゲートウェイ装置内で収集されるすべての情報は、局所的なメーターによって収集される。アグリゲーター710内の論理は、複数のソースからデータを受け取り、データに基づいて決定を下すことができる。データのアグリゲーション自体は、以前の制御ノードとは異なる。フォーキャストおよび/または予測をアグリゲーターに追加することができる。一実施形態において、遂行論理750は、計算された条件、アクション、および予測に基づいて動作を選択的に発生させる。
【0097】
メーターが、冷却負荷がオンとなったためにより大きな無効電力が必要であることを検出する例について検討する。メーターは、例えば、負荷の異なる負荷エネルギーシグネチャーを計算または処理することにより、このような決定を下すことができる。例えば、システム内に既に存在する合成電流について検討する。別の負荷が追加的にオンラインとなることにより、全体的な合成電流が変化するであろう。一実施形態において、メーターは、新しい合成電流と以前の合成電流との差を計算して新しい負荷のエネルギーシグネチャーを決定することができる。このように、メーターは、特定の負荷を識別し、アグリゲーター710を介した運転に変化をもたらすことを決定して特定の負荷の電力需要に対応することができる。このような計算は、具体的な負荷を見分けるために、ベクトル解析および/または計算を必要とする場合があることは理解されるであろう。一実施形態において、アグリゲーター710は、1つ以上のエネルギーシグネチャーに関する履歴データを保持することができ、したがって、履歴の平均に基づいて、所与の負荷がどのくらい長い間オンであることが期待されるかを決定することができる。このように、エネルギーシグネチャーを履歴データおよび/またはアグリゲーター内で計算されるその他の決定データと共に使用してどのような動作を遂行すべきかを決定することができる。
【0098】
冷却負荷がオンラインとなる例を継続すると、一実施形態において、メーターは、システム内の無効電力の需要の増加を検出する。一実施形態において、メーターは、冷却負荷のエネルギーシグネチャーを検出する。ゲートウェイは、付属のソーラーシステムに(例えば、ソーラーシステムに結合しているコンバーターおよび/またはインバーターを介して)その位相角を調節させて冷却負荷に対処するためのより大きな無効電力を生成させることができる。一旦冷却負荷がオフになると、ゲートウェイは、余剰電力を電池バックアップシステムを充電し、または送電網に支援を提供するために使用するように、ソーラーシステムに告げることができる。ここでも、考え得るいろいろな例は数えるに余りある。
【0099】
一実施形態において、遂行論理750は、動作を発生させ、その動作を遂行する。一実施形態において、遂行論理750は、局所的な出力752および/または市場出力754の動作を発生させることができる。局所的な出力の例としては、負荷への有効電力および/もしくは無効電力の提供、エネルギー貯蔵装置を充電するための有効電力および/もしくは無効電力の提供、ならびに/または1つ以上の負荷および1つ以上のエネルギー貯蔵装置を代表することのできる局所的な「容量」への電力の提供を挙げることができるが、これに限定されない。市場出力の例としては、送電網への有効電力の提供および/またはアンシラリーサービスの提供を挙げることができるが、これに限定されない。
【0100】
アンシラリーサービスとしては、考え得るすべてのサービスを例示しないものの、一般的に表すことのできる多くの異なるサービスを挙げることができる。アンシラリーサービスとしては、送電網支援、周波数支援、上方調整、下方調整、および/または自力起動サービス、および/またはその他のサービスを挙げることができる。送電網支援とは、PCCにおける送電網電圧状態を上昇させまたは低下させる任意の種類の電圧支援サービスを意味する。上方調整および下方調整とは、特定の周波数支援サービスを指す。上方調整および下方調整とは、負荷インターフェースを制御してPCCにおいて見られる負荷を変化させることを指すことができる。周波数支援とは、その他の種類の周波数サービスを意味し、これは、PCCにおいて見たときのAC電力の周波数を調節するために、インターフェースを変化させて送電網上へのエネルギーの流れを変化させることを含むことができる。自力起動サービスとは、送電網を強化して送電網のうちの切断されている部分を送電網ネットワークに再接続できるようにするために実行される動作を意味する。すべてのアンシラリーサービスは、PCCにおいて見たときの送電網による需要に応じるための容量の提供を含むことができる。
【0101】
一般的に、一実施形態において、需要家ノードは、制御ノードを含むことができる。通常、制御ノードは、エネルギー計およびコントローラーを含んでいる。コントローラーは、アグリゲーター710および/またはその他のゲートウェイ装置によることができる。エネルギー計およびコントローラーはPCCの需要家側に位置しており、PCC内で動作を実行してPCCを介して送電網から見たときのインターフェースを変化させる。需要家ノードは、コントローラーおよび/またはメーターからの命令または制御に応じてその動作を変更する1つ以上の電力変換器を含んでいる。電力変換器の動作は、コントローラーが下す決定に従ってPCCとのインターフェースを変化させる。電力変換器による動作は、局所的なノードにおいて送電網ネットワーク内のエネルギーの流れを変化させることができる。
【0102】
このように、電力変換器は、アグリゲーション情報に基づいて動作の仕方を決定するコントローラーによる決定に応じて動作を変更することにより、アグリゲーション情報に応じることができる。アグリゲーション情報としては、1つ以上のセンサー、1つ以上の送電網側コントローラーまたはデータセンター、ならびに局所的な電力需要および局所的な状態からの情報を挙げることができる。コントローラーによる決定は、収集された局所的な状態情報および送電網の状態情報に基づく計算を含むことができる。一実施形態において、決定は、料率情報に基づく計算を含んでいる。一実施形態において、決定は、履歴情報に基づく計算を含んでいる。一実施形態において、決定は、1つ以上の電力変換器の1つ以上の制御を発生させるための遂行論理による計算を含んでいる。電力変換器は、本明細書内で説明する任意の実施形態に従って、PCC内および/またはPCCと送電網との間のエネルギーの流れを変化させる。電力変換器は、本明細書内で説明する任意の実施形態に従って、局所的なエネルギー源および/または送電網からの有効電力および無効電力の組み合わせを制御することができる。
図8は、PCCにおいて電力を監視する計量装置の実施形態のブロック図である。計量装置800は、本明細書内で説明する任意の実施形態に係る電力計またはエネルギー計であることができる。一実施形態において、計量装置800は、本明細書内で説明する任意の実施形態に係る制御ノードであるかまたはその一部である。装置800は、送電網ネットワークと相互接続して上流側と接続しおよび/または近隣の送電網ネットワークノードと接続するためのハードウェア構成要素を含んでいる。一実施形態において、装置800は、1つ以上の負荷および/または電力計量装置の下流側に結合しているその他の機器もしくはノードと相互接続するためのハードウェア構成要素を含んでいる。装置800は、送電網から供給される電力を計測しこれに課金するために送電網によって使用されるメーターとは別個であってもよいことは理解されるであろう。1つの送電網メーターに複数の装置800が結合することができる。
装置800は、負荷インターフェース820を含んでいる。負荷インターフェース820は、下流側の機器と相互接続するためのハードウェアを提供する。装置800は、下流側の機器のエネルギー使用量を監視する。一実施形態において、装置800は、電圧検知ハードウェア824および電流検知ハードウェア822を含んでいる。電流検知ハードウェア822は、負荷によって引き出される電流を計測することができ、電力需要の高調波成分を計測することのできるハードウェアを含むことができる。電流検知822は、負荷または負荷群によって引き出される電流の大きさ、位相オフセット(例えば、力率)、周波数、および/またはその他の電気的特性を含むことができる。一実施形態において、装置800は、エネルギーシグネチャーを生成し、このようなエネルギーシグネチャーの計算値を記憶されたエネルギーシグネチャーと比較することができる。装置800はまた、計算された新しいエネルギーシグネチャーを記憶することができる。電圧検知ハードウェア824は、電圧波形の位相、周波数、大きさ、および/またはその他の電気的特性を含む電圧を計測することができる。
【0103】
プロセッサー810は、装置800の制御論理回路またはコントローラーを表している。プロセッサー810は、エネルギーの監視を実行するように設定またはプログラムすることができる。プロセッサー810は、エネルギーシグネチャーを計算し、および/または電流および電圧の示度をエネルギーシグネチャーと比較するための計算を実行するように設定することができる。一実施形態において、プロセッサー810は、高調波、送電網の状態、もしくはPCCを規制に準拠させるためのその他の条件を補償し、および/または別の制御ノードにおける故障を補償するための支援を提供するために、電流をどのように調節できるかを決定する。プロセッサー810は、動作を実行し、装置800よりも下位の送電網ネットワークのセグメントのエネルギー消費量を追跡するためのハードウェアおよび/または制御論理を含むことができ、その下位の局所的な送電網ネットワークのセグメントを規制に準拠させるためにどのように補償するべきかを決定する。図示してはいないが、計量装置800は、電力変換器と連携して動作して監視によって示される必要な無効電力を提供する。
【0104】
装置800は、装置800をその他の計量装置または制御ノードと接続し、データセンターまたはその他の集中データ装置と接続することを可能とするための、外部I/O840を含んでいる。一実施形態において、外部I/O840は、装置800を従来の公益事業体の送電網の送電網管理装置に接続することを可能とする。一実施形態において、外部I/O840は、装置800が集中データセンターにデータを送信し、および/または集中データセンターからデータを受信することを可能とする。外部I/O840は、装置800に関するディスパッチ情報を受信することができる。外部I/O840は、既知の配線式および/または無線通信機構を含む任意の種類の通信インターフェースを含むことができる。一実施形態において、外部I/O840はプロプライエタリーなおよび/または顧客の通信機構を含み、これには、通信を送受信するハードウェアスタックおよびソフトウェアスタックまたはその他の処理論理を含む配線および/または無線通信プラットフォームを含むことができる。
【0105】
送電網インターフェース850は、装置800が送電網ネットワークに結合することを可能とするハードウェアを表している。一実施形態において、送電網インターフェース850は、装置800が装置800に関連付けられるPCCでの送電網の状態を決定することを可能とする。一実施形態において、送電網インターフェース850は、装置800が局所的なエネルギー源に結合することを可能とするハードウェアを表している。一実施形態において、送電網インターフェース850および/または装置800内のその他のインターフェースは、装置800の下流側の機器からどんな種類(どのくらい)のエネルギー支援を提供することができるかを装置800が決定することを可能とする。例えば、装置800は、局所的なエネルギー源によってどのくらいのエネルギーが生成されているかを決定することができる。電力変換器は、PCCにどんな電流波形が現れるかを含め、その動作を調節することにより、PCCにおける送電網とのインターフェースを調節する。
【0106】
一実施形態において、装置800は、メモリーおよび/またはハードドライブもしくは個体記憶装置などの記憶装置リソースを含んでいる。記憶装置830は、装置800のメモリーリソースを表している。一実施形態において、装置800は、負荷を監視し制御するために使用する複数のシグネチャー832を記憶する。一実施形態において、各シグネチャー832は、様々な負荷の下に引き出される電流波形の状態を表す複素電流ベクトルである。一実施形態において、プロセッサー810は、シグネチャー832を生成し記憶することができる。一実施形態において、シグネチャー832は、装置800上に事前ロードされている。一実施形態において、プロセッサー810は、シグネチャー832と比較する合成電流波形情報を計算する。プロセッサー810は、シグネチャーとの一致に依存して、所与の負荷シナリオ(電力需要)および/または発電シナリオに望ましい電流波形の位相ならびに形状を計算することができる。
【0107】
一実施形態において、プロセッサー810は、規制準拠情報834の1つ以上の項目にアクセスする。一実施形態において、規制準拠情報834は、記憶装置830に記憶される。一実施形態において、規制準拠情報834は、外部I/O840を介して受信される。一実施形態において、プロセッサー810は、規制準拠情報834に基づいて所与の電力需要シナリオおよび/または発電シナリオに望ましい電流波形の位相および形状を計算する。このように、規制準拠情報834は、装置800がどのように動作するかに作用することができる。一実施形態において、外部I/O840は、装置800が関連付けられるコンバーターに結合することを可能とする。プロセッサー810の行う計算に基づいて、装置は、コンバーターに対して、所望の電流を得るためにどのように動作すべきかを合図することができる。一実施形態において、装置800はコンバーターに対して単に所望の電流を示し、次に、コンバーターが別途、どのように電流を生成するかを計算することができる。一実施形態において、装置800は、コンバーター装置への入力としての特定のパラメータを計算し、PCCにおいて所望される電流波形に合わせてコンバーターがその動作を調節する。
【0108】
一実施形態において、計量装置800は、前述の位置認識に従って、位置認識をすることができる。一実施形態において、プロセッサー810は、位置認識によってその位置を決定することができる。このように、送電網インターフェース850に関して計測されまたは受信された状態に基づいて、プロセッサー810は、位置検出に基づいて必要とされる無効電力を計算することができる。次に、外部I/O840は、関連付けられたコンバーターに対して、電力を発生させるように合図することができる。装置800は、PCCにおける制御ノードが負の、即ち、遅れ位相の無効電力支援を与えるようにすることにより、発電機または集中送電網ネットワーク管理装置に向けて上流側に電圧支援を提供すべきであることを検出し決定することができる。装置800は、PCCにおける制御ノードが正の、即ち、進み位相の無効電力支援を与えるようにすることにより、発電機または集中送電網管理装置から遠ざかる下流側に電圧支援を提供すべきであることを検出し決定することができる。進み支援とは、送電網のAC電圧よりも位相が進んでいる電流波形を指すことは理解されるであろう。同様に、遅れ支援とは、送電網のAC電圧よりも位相が遅れている電流波形を指す。
【0109】
シグネチャー832は、1つ以上の負荷の複素電流ベクトルを表す。複素電流ベクトルは、負荷が活性状態にあるときに引き出される合成電流である。一実施形態において、各シグネチャーは、それに関連付けられた、皮相電力成分および負荷が使用する有効電力をシフトさせる高調波成分を伴う複素電流ベクトルを有する。一実施形態において、装置800は、シグネチャーを追跡し、オンラインとなりおよび/またはオフラインとなる特定の負荷の検出に基づいて、関連付けられた電力変換器に異なる動作をさせることができる。
【0110】
一実施形態において、プロセッサー810は、監視されている電流のベクトル計算および/またはベクトル解析を実行することができる。このように、装置800は、様々なエネルギーシグネチャーまたは電流シグネチャーを識別および追跡することができる。様々な負荷が活性状態にある、即ち、動作中であるとき、オンラインとなる負荷に関連付けられる特定の識別可能な電流ベクトルが存在するであろうことを指して、シグネチャー832を電流シグネチャーと呼ぶことができる。複素ベクトル自体が、活性状態にある負荷による複素エネルギーの使用量の表現であることを指して、シグネチャー832をエネルギーシグネチャーと呼ぶことができる。
【0111】
より具体的には、シグネチャー832は、負荷のためのエネルギーの計測可能な電力成分だけではなく、高調波または高調波ノイズに関する情報をも含めて表すことができる。このように、一実施形態において、装置800は、高調波情報ならびに計測可能なエネルギー使用量をアグリゲートすることができる。結果として得られるシグネチャー832の表現は、従来の電力ベクトルではなく、高調波に関する情報を含んでいる。一実施形態において、高調波の知識は、コンバーターの動作に、電源とのインターフェースを調節して高調波を抑制するように通知することができる。
【0112】
一実施形態において、エネルギーシグネチャー832は、負荷の合成電流の計測および計算に基づいて、1つ以上の負荷または負荷の状態に固有である。一実施形態において、各エネルギーシグネチャー832は、特定の機器を識別するのとは対照的に、負荷の状態(様々な負荷が同時にオンとなっているシナリオ)を表す。装置800は、基本電流の有効電力成分および無効電力成分、ならびに高調波の有効電力成分、無効電力成分、および基本電流に対する角変位の識別を含め、負荷の複素電流ベクトルを識別することができる。
【0113】
図9は、分散送電網のノードの実施形態のブロック図である。ノード900は、制御ノードを表しており、本明細書内で説明する任意の実施形態に係る制御ノードの例であることができる。ノード900は、その動作を可能とする様々なハードウェアの要素を含んでいる。一般的に、ハードウェアは、プロセッサー
910、配電ハードウェア920、および電力監視ハードウェア930として説明することができる。これらの要素の各々は、特定の種類および機能性のハードウェアを含むことができ、これらのうちのいくつかは図9のその他の要素によって表すことができる。
【0114】
プロセッサー910は、ノード900内の1つ以上のコントローラーまたはプロセッサーを表している。一実施形態において、ノード900は、電力計、電力変換器、およびこれら2つの要素をインターフェースし送電網と結合させる制御ハードウェアを含んでいる。一実施形態において、各々別個の品目が、計量装置内のコントローラーおよび電力変換器内のコントローラーなどのコントローラーを含んでいる。電力変換器は、電力抽出器用コントローラー、インバーター用コントローラー、およびこれらを管理するための別のコントローラーを含むことができる。このように、コントローラー910は、複数のコントローラーまたはノード900が電力を監視し配電することを可能とする制御論理の要素を代表することができる。
【0115】
プロセッサー910は、上述の任意のハードウェアを含むノード900内のハードウェアの動作を管理および制御する。プロセッサー910は、ノード900に最新式送電網インテリジェンス(modern grid intelligence:MGI)を提供するように遂行することができる。一実施形態において、プロセッサー910は、論理を遂行してノード910に関して説明する機能のうちの少なくともいくつかを提供する。説明する機能がハードウェアによって提供される範囲において、プロセッサー910をハードウェアの動作を制御するコントローラーとみなすことができる。一実施形態において、プロセッサー910は、ノード900の制御ノードのオペレーティングシステムを遂行する。一実施形態において、オペレーティングシステムは、最新式送電網インテリジェンスオペレーティングシステム(Modern Grid Intelligent Operating System:MGIOS)である。MGIOSは、以下のうちの少なくともいくつか含む機能および利益を提供することができる。
【0116】
MGIOSは、計算およびノード900の動作の全般的な制御を提供することができる。一実施形態において、MGIOSは、ノードがデータを収集し、データをノードの外部に送る決定を下すことを可能とする。一実施形態において、MGIOSは、データを使用してPCCと同じ側に結合している局所的な要素などの局所的なシステムを制御することができる。一実施形態において、MGIOSはまた、公益事業体の管理装置および/または送電網ネットワーク内のその他のノードなどの外部実体による使用に供するためにデータを送る。
【0117】
一実施形態において、MGIOSは、ノード900のディスパッチの機能性を制御する。ディスパッチするステップは、データ、中でもどのように配電するかを決定するために使用される警報を提供し受け取るステップを含むことができる。一実施形態において、MGIOSは、送電網ネットワークのノードが送電網の運転を制御するノード同士の間で情報を共有することを可能とする自律的なディスパッチを可能とすることができる。自律的なディスパッチとは、ディスパッチ情報を発生させまたは配信するために、集中送電網の事業者が関与する必要がないことを指す。
【0118】
一実施形態において、MGIOSは、制御の機能性を可能とする。制御は、人間、クラウド、および/または自動化された制御論理によって行うことができる。一実施形態において、MGIOSは、ノード900が、個別のノードとして独立して機能し、および/または送電網ネットワーク内のその他の制御ノードと集合的に機能することを可能とする。各々の独立した動作により、分散ネットワークが集中発電所を必要とせずに、および/または集中送電網管理装置の関与を最小限に抑えて機能することを可能とすることができる。
【0119】
一実施形態において、MGIOSは、自力起動動作を可能とすることができる。自力起動動作とは、ノード900が送電網のそのセグメントをオフライン状態からオンラインに復帰させることができることである。このような動作は、送電網ネットワークの各ノード900が送電網ネットワーク内の上流側および下流側の状態を独立して監視することなどにより、集中送電網管理装置から自立して起こることができる。このように、ノード900は条件が許せば、送電網の事業者が電力をノードへと下流に配電することを制御するのを待つ必要なく、オンラインとなることができる。このように、ノード900は、送電網との間の電力の流れの送受を制御することにより、そのノードのセグメントをインテリジェントにオンラインに復帰させることができるので、起動時の問題を防止することができる。
【0120】
一実施形態において、MGIは、ノード900が複数の線間電圧を提供することを可能とする。一実施形態において、プロセッサー910の制御論理によって実現することのできる送電網インターフェース980は、複数の異なるトリップ点電圧に合わせて設定することができる。各トリップ点電圧は、異なる制御イベントを提供することができる。各制御イベントは、プロセッサー910に制御動作を行わせて制御ノードのインターフェースを調節させることができる。インターフェースは、負荷とのインターフェースおよび/または送電網ネットワークとのインターフェースであることができる。
【0121】
一実施形態において、MGIは、送電網ネットワーク内の相互接続を節約することができる。一実施形態において、ノード900は、逆流を制限することにより、および/または出力を調節して送電網に提示される電力の種類を変えることにより、送電網ネットワーク上への逆流を制御する。一実施形態において、ノード900は、従来的には集中発電所からの電力の流れを制御する公益事業体の送電網管理装置が行う公益事業体の制御機能を提供する。ノード900は、送電網制御機能を提供して分散送電網を可能とすることができる。
【0122】
配電ハードウェア920は、送電線、コネクター、位相同期ループ、誤差補正ループ、変圧器などのインターフェース保護装置もしくは分離装置、および/または制御ノードがエネルギーを1つの点から別の点へと転送することを可能とし、インターフェースを制御して送電網全体を通じて電力がどのように流れるかを制御することを可能とし、もしくはその他の動作を可能とするその他のハードウェアを含んでいる。一実施形態において、電力変換器は、配電ハードウェア内に含めることができる。電力変換器はスマートインバーターまたはマイクロインバーターであることができ、システム1500および1600に関して説明するものによることができる。
【0123】
電力監視ハードウェア930は、コネクター、信号線、サンプリングハードウェア、フィードバックループ、計算ハードウェア、ならびに/または制御ノードが1つ以上の送電網の状態および/もしくは負荷の状態を監視することを可能とするその他のハードウェアを含んでいる。送電網の状態は、電圧レベル、位相、周波数、および送電網の運転に関するその他のパラメータであることができ、またはこれらを含むことができる。負荷の状態は、電圧、電流、位相、周波数、および負荷による電力需要に関するその他のパラメータであることができ、またはこれらを含むことができる。
一実施形態において、ノード900は、送電網制御装置940を含んでいる。送電網制御装置は、送電網ネットワークとのインターフェースを制御するハードウェアおよび論理(例えば、ソフトウェア/ファームウェア論理、設定など)を表している。一実施形態において、送電網インターフェース980は、送電網ネットワークのインターフェースを表している。送電網制御装置940は、有効電力制御装置942および無効電力制御装置944を含むことができる。有効電力制御装置および無効電力制御装置は、本明細書内で説明する任意の実施形態によることができる。一実施形態において、有効電力制御装置942は、送電網に有効電力を提供する論理(ハードウェアおよび/またはソフトウェア)を含んでいる。一実施形態において、無効電力制御装置944は、送電網に無効電力を提供する論理を含んでいる。送電網に電力を提供するステップは、インターフェースを変化させて送電網に流すことが望まれる種類および組み合わせの電力を生じさせるステップを含むことができる。
【0124】
一実施形態において、ノード900は、局所的な制御装置950を含んでいる。局所的な制御装置は、負荷または送電網ネットワークに結合しているPCCの下流側の品目とのインターフェースを制御するハードウェアおよび論理(例えば、ソフトウェア/ファームウェア論理、設定など)を表している。局所的な制御装置950は、有効電力制御装置952および無効電力制御装置954を含むことができる。有効電力制御装置および無効電力制御装置は、本明細書内で説明する任意の実施形態によることができる。一実施形態において、有効電力制御装置952は、負荷に有効電力を提供する論理(ハードウェアおよび/またはソフトウェア)を含んでいる。一実施形態において、無効電力制御装置954は、負荷に無効電力を提供する論理を含んでいる。負荷に電力を提供するステップは、インターフェースを変化させて局所的なエネルギー源および/または送電網から負荷に流すことが望まれる種類および組み合わせの電力を生じさせるステップを含むことができる。
公益事業体の送電網は、使用量だけではなく使用時刻にも基づく料率構造を有することは理解されるであろう。例えば、公益事業体の送電網は、階層的料率を有することができる。一実施形態において、プロセッサー910は、送電網制御装置940および/または局所的な制御装置950を用いてインターフェースをどのように変化させるかに関する計算を行うときに料率構造情報を織り込むことを可能とする料率構造情報を含んでいる。料率構造情報を織り込むステップは、所与の状況下でどのような種類の(有効または無効)電力がより価値を有するかを決定するステップを含むことができる。このように、プロセッサー910は、エネルギー生成の価値を最大化し、および/またはエネルギー消費のコストを最小化することができる。階層的料率構造が存在する実施態様において、プロセッサー910は、消費を可能な限り最も低い階層に維持する方法および電力を可能な限り最も高い料率で提供する方法に基づいて、送電網制御装置940および/または局所的な制御装置950に指示を出すことができる。一実施形態において、プロセッサー910は、送電網制御装置940および/または局所的な制御装置950の動作を制御するときに、公益事業体または送電網ネットワークの要件を考慮に入れる。例えば、送電網は、電力がどのように提供されおよび/または消費されるべきかに影響を与える削減策またはその他の条件を有することができる。一実施形態において、ノード900は、負荷が動的にオンラインとなりオフラインとなるときに電力出力を調節することができる。例えば、局所的な制御装置950は、負荷がオフラインとなるときに出力を低減させることができ、負荷がオンラインとなるときに出力を増加させることができる。
計量装置960は、ノード900の計量機能を表しており、本明細書内で説明する任意の実施形態に係るメーターを含むことができる。一実施形態において、計量装置960は、負荷制御計量装置962を含むことができる。負荷制御装置962は、負荷の電流需要を監視する論理を含むことができる。一実施形態において、計量装置960は、シグネチャー管理装置964を含むことができる。シグネチャー管理装置964は、負荷に何が起こっているかを監視するためにエネルギーシグネチャーを生成し、記憶し、使用する論理を含んでいる。より具体的には、シグネチャー管理装置964は、本明細書内で説明する任意の実施形態に係る複素電流ベクトルを含むエネルギーシグネチャーを管理することができる。
【0125】
従来は、送電網に接続するためには正味エネルギー計が必要であった。しかし、より新しい規制により、特定の機能が満たされない限り、送電網との接続が全くできなくなる可能性がある。計量装置960は、ノード900がインバーターまたはコンバーターを制御してライン上で識別される特定の負荷および/または特定のエネルギーシグネチャーに応じることを可能とすることができる。ノード900は、計量装置960が検出するものに基づいて、エネルギーの生成および負荷による消費のリアルタイムの制御を提供することができる。
【0126】
一実施形態において、ノード900は、データインターフェース970を含んでいる。一実施形態において、データインターフェース970は、データセンターまたはデータ管理装置に送信する制御データおよびデータセンターまたはデータ管理装置から受信するデータを制御するためのデータ管理装置972を含んでいる。データ管理装置972は、データセンターまたは類似のデータソースに要求することによりデータを収集することができる。一実施形態において、データインターフェース970は、データセンター、集中送電網管理装置、送電網ネットワーク内のその他のノード、および/またはその他のデータソースとのインターフェースを管理することのできる外部管理装置974を含んでいる。一実施形態において、データ管理装置972は、データソースから送られるデータに応じてデータを受け取る。一実施形態において、外部管理装置974は、データソースにデータを要求する。要求は、数ある標準通信プロトコルおよび/またはプロプライエタリーなプロトコルのうちのいずれかによることができる。通信のための媒体はノード900とデータソースとを通信可能に結合する任意の媒体であることができる。一実施形態において、外部管理装置974は、一定間隔でデータソースと通信する。一実施形態において、外部管理装置974は、外部データが利用可能となったことの指示を受け取るにせよ、または局所的なデータが送信待ち状態であることをデータ管理装置972が指示するにせよ、さらなるデータが利用可能となるなどのイベントに応じてデータソースと通信する。データインターフェース970は、市場用途のためのリアルタイムのデータを可能とすることができる。一実施形態において、データインターフェース970は、一実施形態においてエネルギーシグネチャーに関する電流を識別するために使用することのできるデータ収集を提供する。
一実施形態において、ノード900は、送電網インターフェース980を含んでいる。一実施形態において、送電網インターフェース980は、公益事業体の送電網とインターフェースするための公益事業体インターフェース982を含んでいる。一実施形態において、送電網インターフェース980は、分散送電網ネットワークとインターフェースするための仮想インターフェース984を含んでいる。送電網インターフェースの動作は最新式送電網インテリジェンス(modern grid intelligence:MGI)と呼ぶことができ、プロセッサー910によるMGIOSの遂行を指す。送電網インターフェース980は、従来の公益事業体の送電網インフラストラクチャーであれ、および/または分散送電網ネットワークであれ、送電網インフラストラクチャーにノード900を結合する任意の種類のインターフェースを含むことができる。一実施形態において、送電網インターフェース980は、ノード900が電力の方向を知ることを可能とすることができる。一実施形態において、送電網ネットワークは、電力の方向を示す給電線からの信号を提供するなど、ディスパッチ情報を提供する。ノード900は、送電網ネットワーク内の電力潮流の方向に基づいてその動作を管理することができる。送電網インターフェース980はまた、電力潮流の方向の変化を動的に監視することができる。
【0127】
一実施形態において、MGIOSは、ノード900がPCCの下流側に接続されている1つ以上の要素の動作を調節して送電網の運転を縮小することを可能とする。PCCの下流側に結合している空調装置の例について検討する。一実施形態において、MGIOSは送電網ネットワークに高負荷が掛かっていることを検出することができ、送電網の負担を5~10分の間緩和するためにすべての空調装置を減速させるべきことを決定することができる。このように、機器を停止する必要はなく、送電網はどのセグメントへの電力も遮断する必要がない。その代わりに、送電網が自ら復帰することができるように、選択された負荷への電力をある期間低減することができる。このように、MGIOSは、負荷および/または電源を制御することができる。このような操作により、例えば供給を完全に遮断する代わりに電力需要を軽減することにより、ブラウンアウトまたは輪番停電を削減または防止することができる。
【0128】
ノード900は動作のために一定量の電力を必要とすることは理解されるであろう。ノード900が消費する電力は風袋損失と呼ぶことができ、これは、ノードが電力を発生していないときに制御装置がどれだけの電力を消費するかを示す。一実施形態において、ノード900は、風袋損失を低減するためのスリープ機能を含んでいる。例えば、ソーラーなどの準安定的なエネルギー源を制御するノードは、太陽が出ていないときにはスリープすることができ、太陽が出たときにウェイクアップすることができる。一実施形態において、ノードは、低電力状態を初期設定とし、太陽光検出装置からの信号、イーサネット(登録商標)を介した電力、またはこれをウェイクアップさせるその他何らかの外部信号トリガーに応じてウェイクアップすることができる。一実施形態において、ノードは、夜間のスリープサイクル中にウェイクアップしてアップグレードを実行しまたはその他のアンシラリーサービスを実行することができる。
【0129】
図10は、ハードウェア波形制御装置に結合されたソフトウェアフィードバック制御サブシステムを用いて高調波歪みを制御するシステムの実施形態のブロック図である。システム1000は、電源1004、負荷1006、および出力を生成し電源と負荷との間のインターフェースを制御するコンバーター1002を含んでいる。一実施形態において、コンバーター1002は、2010年2月18日付で出願され、「POWER TRANSFER MANAGEMENT FOR LOCAL POWER SOURCES OF A GRID-TIED LOAD」と題された米国特許出願第12/708,514号に記載されているものによる。一実施形態において、電力変換は、2007年8月31日付で出願され、「MULTI-SOURCE,MULTI-LOAD SYSTEMS WITH A POWER EXTRACTOR」と題された米国特許出願第11/849,242号によることができる。システム1000は、本明細書内で説明する任意の実施形態に係る制御ノード用のコンバーターを含むシステムの一例であることができる。
【0130】
電力経路1010は、コンバーター1002によって制御される、電源1004から負荷1006までの電力の経路を表している。コンバーター1002は、電源1004から入力電力を受け取り、それを別の形態(例えばDCからAC)に変換するための入力電力変換器1020を含んでいる。入力電力変換器1020は、変換すべき電力信号を受信するためのハードウェア構成要素を含んでおり、適切な電力用構成要素を含むことができる。一実施形態において、入力電力変換器1020は、動的インピーダンス整合を実施し、これにより、入力電子回路が電源1004からの最大電力を転送することができる。動的インピーダンス整合は、常に最大電力点を追跡するステップならびに入力電力カプラー(例えば、変圧器)を駆動して電力勾配を可能な限り平坦(例えば、ゼロ勾配)に維持するステップを含む。入力電力変換器1020は、コントローラー1030から制御信号または情報を受け取ると共に、コンバーターの動作を示す入力を提供することができる。一実施形態において、動的インピーダンス整合は、変圧器またはインダクターを介して入力電力の高周波スイッチングを行うことでコンバーター1002内の内部ノードを充電するステップを含む。このとき、内部ノードは、別の変圧器またはインダクターを介した出力の高周波スイッチングのエネルギー貯蔵器の機能を果たし、必要な任意の電力を負荷が引き出すことを可能とすることができる。このように、入力電力変換器1020は、入力から出力への規制のないエネルギー転送を提供することができる。
【0131】
入力フィードフォワード1012は、電源電力に関する情報(例えば、最大電力値、必要に応じて周波数、または入力電力変換器のハードウェアを制御するためのその他の情報)をコントローラー1030に提供する。コントローラー1030は、入力電力に関する入力情報に基づいて入力電力変換器1020を制御する。コントローラー1030は、コンバーター1002に埋め込むことのできる任意の種類のプロセッサーコントローラーを表している。コントローラー1030は、任意の種類のマイクロコントローラー、デジタル信号プロセッサー(digital signal processor:DSP)、論理アレイまたはその他の制御論理回路であることができ、またはこれを含むことができる。さらに、コントローラー1030は、コードまたはランタイム動作中に生成もしくは取得された値もしくは事前計算された値を記憶するための適切なメモリーまたは記憶構成要素(例えば、ランダムアクセスメモリー、リードオンリーメモリー
(read only memory:ROM)、レジスター、および/もしくはフラッシュメモリー)を含むことができる。
【0132】
コントローラー1030は、プログラマブル波形発生器1040を駆動して所望の出力波形を発生させることができる。発生器1040もまた電力経路
1010上にあり、入力電力変換器1020から入力電力を受け取って出力する。電力を転送することができるものの、その電力は、必ずしも受け取られた時と同じ波形では出力されない。例えば、DC信号を正弦波信号として出力することができる。その他の電力変換も、同様に達成することができる。一実施形態において、発生器1040は、出力波形を発生させるパルス波変調器(pulse wave modulator:PWM)を含んでいる。発生器1040は、コントローラー1030から制御信号および情報を受け取り、コントローラー1030に状態もしくは動作の情報またはフィードバックを提供することができる。出力波形は、電流または電圧のいずれかであることができる。一実施形態において、出力は、高調波を含まない出力を可能とするための、負荷電圧波形に対して位相オフセットおよびオフセット角を有する電流である。
【0133】
コンバーター1002は、出力波形の発生に、特定のタイミング、位相調整、またはその他の周波数情報を組み入れることができる。このようなタイミング、位相調整、またはその他の周波数情報は、「入力同期データ」と呼ぶことができる。一実施形態において、このような入力同期データはリアルタイムの負荷情報に由来し、その場合は「負荷同期入力」と呼ぶことができる。負荷同期入力または入力同期データは、上述の同期信号を決定するために必要な情報を示す。このような情報は、コンバーター1002内で出力同期信号1014として示されている。出力が予期される(例えば、送電網と接続されている)システムにおいて、特定の電圧、タイミング、またはその他の情報(例えば、60Hzで120V)を期待することができ、初期の推定値をシステム内にプログラムし、または同システムによって始動時に作ることができる。負荷同期データに基づいて、初期の推定値を調節することができる。
【0134】
コントローラー1030はまた、電力経路1010からの出力フィードバック1016を計測して発生器1040によって発生した実際の出力を決定する。実際の出力は理想基準値と比較され、所望の出力が発生しているかが決定される。一実施形態において、出力フィードバック1016は、コントローラー1030による出力計測を表す抽象概念であって、それ自体は別個の構成要素を含んでいない。一実施形態において、出力フィードバック1016は、理想基準信号と比較するためのサンプリング機構またはその他のデータ選択機構を含んでいる。理想基準信号は、所望の出力波形の理想化された表現であることができる。出力は、負荷または送電網自体の標的波形ではなく理想化された波形に収束する。出力フィードバック1016がコントローラー1030とは別個の構成要素を含んでいる場合、それはコントローラー1030によって駆動され、コントローラー1030から比較データを受け取り、誤差またはフィードバック情報を提供することができる。一実施形態において、出力フィードバック1016は、少なくとも出力線とインターフェースするためのフィードバック制御処理に必要なハードウェア構成要素を含んでいると理解される。さらに、出力フィードバック1016は、計測、計算、および/または処理を実行するためのその他のハードウェアを含むことができる。
【0135】
出力同期信号1014および出力フィードバック1016は共に、フィードバックループとみなすことができる。出力同期信号1014および出力フィードバック1016は同じものではなく、異なる目的を果たすことが理解されるであろう。出力同期信号1014は、基準波形テーブル1032に記憶されている理想基準信号がどんな形をしているべきかを示す。出力フィードバック1016は、実際の出力が基準信号とはどのように異なるかを示す。更新テーブル1034は、出力フィードバック1016に呼応して発生したデータを表す。一実施形態において、出力同期信号1014は電力経路1010の出力に関する電圧情報に基づいている一方、出力フィードバック1016は電力経路1010の出力で発生する出力電流に基づいている。
【0136】
出力同期信号1014に基づいて(または出力同期信号の初期の推定値に基づいて)、コンバーター1002は、発生器1040によって発生することが望まれる出力波形の理想形を表す基準波形テーブル1032を記憶し、および/または生成する。基準波形テーブル1032は、出力波形がどのように見える「べきか」を反映するテーブルまたはその他の点(もしくは設定値)の集合として記憶することができる。基準波形は、任意の周期波形であることができる。一実施形態において、基準波形は、振幅および位置を有する一連の点として表される。このように、基準波形に収束するステップは、出力波形発生器を駆動してサンプリングされた出力点を基準波形を表す設定値に一致させるステップを含むことができる。基準波形テーブル1032は、あるいは基準波形ソースと呼ぶこともできる。
【0137】
出力フィードバック1016に基づいて、コンバーター1002は更新テーブル1034を生成する。更新テーブル1034は、基準波形テーブル1032の波形により綿密に一致する出力を提供するためには発生器1040の動作をどのように修正するべきかを示すエントリーまたは点を含んでいる。更新テーブル1034はテーブルとして示されているものの、特定の間隔で修正される(例えば、計測誤差データを反映するために各エントリーが必要に応じて更新される)記憶されたテーブルであることができ、または更新間隔毎に新たに生成することができる。更新テーブル1034は、あるいは更新データソースと呼ぶこともできる。「更新」は、旧い値の修正であることができ、値の置換であることができ、またはコントローラー1030がアクセスするメモリー内の異なる場所に記憶させることもできる。一実施形態において、更新テーブル1034の各値は、点集合のうちの各々について「増加」「減少」、または変化なしを示す。このような値は、発生器1040の出力を制御して出力信号を所望の理想波形に収束させるハードウェアに適用される。
【0138】
一観点からは、コンバーター1002は、5つの機能または構成要素を有するとみなすことができる。これらの機能は、特定のブロック図によってシステム1000内に描写されているものの、これらの機能のうちの1つ以上を実施するために、異なる構成および様々な異なる構成要素を使用できることが理解されるであろう。制約としてではなく論述を目的として、これらの機能を、「機能1」、「機能2」、等々といった参照に従って記述する。このような取り決めは説明する機能または構成要素の内容を参照するための単なる簡略表記であり、順番または重要性に関して必ずしも何かを示すものではないことが理解されるであろう。
【0139】
機能1は、特定のタイミング、位相調整、またはその他の周波数情報を組み入れる手段を含むことができる。この手段は、上記に言及した出力同期信号
1014に基づく入力同期データまたは負荷同期入力を発生させこれを受け取るハードウェアおよび/またはソフトウェアを含む。機能2は基準波形テーブル
1032を含み、これには出力波形1008の理想形を表すデータのテーブルまたはソフトウェア内の等式を含めることができる。機能3はコントローラー1030を含み、これは発生器1040によって発生した実際の出力波形を基準波形テーブル1032によって代表される理想的なテーブル形式の表現と比較するソフトウェアアルゴリズムであることができ、またはこれを含むことができる。機能4は、更新テーブル1034によって代表される更新データを計算し、ないしは別の方法で選択および生成する、コントローラー1030内のアルゴリズムを含む。機能5は、更新テーブル1034からの更新データを使用して所望の形状、比率、タイミング、および位相の出力波形1008を発生させる発生器1040を含む。
【0140】
機能1に関して、特定のタイミング、位相調整、またはその他の周波数情報が、コントローラー1030内の比較アルゴリズムおよび更新アルゴリズムに同期情報を提供する。情報は、テーブル、等式、ハードウェアがリアルタイムで監視する信号のサンプリング、またはその他のソースによってもたらされる。
【0141】
機能2に関して、基準波形を表すデータは、テーブル内であれば、任意の長さおよび任意の形式であることができ、整数または非整数であることができる。このようなテーブルは、ランタイムで動的に生成することもでき、またはコンパイル時にハードコーディングすることもできる。表示される波形の理想形は、正弦波または非正弦波であることができる。波形は、時間領域内で等間隔もしくは不等間隔な、時間軸の順方向もしくは逆方向の、またはこれらの任意の組み合わせのデータ値によって表すことができる。あるいは、波形は、周波数領域内で任意の方法で体系化されたデータ値によって表すことができる。データは、圧縮してもしなくてもよい。データは計算されたデータの設定値ではなく等式によって表すことができ、または部分的に等式で部分的にテーブルで表すこともできる。一実施形態において、テーブル内に記憶されている設定値は、等式の計算結果である。データは、ランタイムの処理中に変更して理想波形の形を異なる理想波形に変えることができる。ランタイムで変更され場合、基準波形テーブル1032内の値を修正するかまたは異なる値で置換することができる。データは、入力波形と全く同一の位相に揃えることもでき、または位相をシフトさせることもできる。
【0142】
機能3に関して、コントローラー1030は、任意の従来型のまたは標準的な比較アルゴリズムを含むことができる。制御アルゴリズムは、ハードウェアによってサンプリングされ、標準的なまたは非標準的なサンプリング技法によってソフトウェアデータ値に変換された出力波形を表すデータ値を比較する。一実施形態において、コントローラーは、テーブルの理想設定値または等式計算結果を同期情報と点毎に比較し、誤差データを点毎に生成する。一実施形態において、コントローラーは、点毎の代わりに、複数の点を一度に処理することができる。
【0143】
機能4に関して、コントローラー1030は、任意の標準的なまたは非標準的な技法を使用して新しいデータを作成または生成する選択アルゴリズムを含む。一実施形態において、選択アルゴリズムは、計算を実行するステップを伴う。あるいは、選択アルゴリズムは、処理または計算を実行せずに、単にデータを選択することができる。選択アルゴリズムは、設定値のテーブル内のデータ値を置換し、または別の記憶エリアを使用することを選んでテーブル内のデータ値をそのままにしておくことができる。選択アルゴリズムは、その選択処理の一環として、データを時間領域から周波数領域に変換することができ、その逆もまたできる。アルゴリズムは、適用されたときに出力波形を補正するデータ値を識別する点において、誤差更新機構(例えば、アルゴリズム)を提供する。このように、データ値の適用後の出力波形は、好ましい理想波形により近くなる。
【0144】
機能5に関して、更新テーブル1034によって代表される新しいデータ値は、標準的な処理によって発生器1040内のハードウェアに適用されて出力波形の生成を駆動する。一実施形態において、新しデータ値は、PWM機構または別個のデータ値をアナログ出力形式に変換するその他任意の機構により適用される。
図11は、局所電源から送電網に連結している負荷へと力率調節を伴って電力を転送するシステムの実施形態のブロック図である。システム1100は、エネルギー源、負荷、および送電網に結合している、送電網に連結しているコンバーターを図示している。システム1100のコンバーター1120は、本明細書内で説明する任意の実施形態によることのできる制御ノード用のコンバーターを表している。システム1100は、準安定的なエネルギー源1110、コンバーター1120、負荷1102、および公益事業体の送電網1130を含む電力システムを表している。負荷1102は、送電網1130に連結している需要家を表している。送電網1130は、本明細書内で説明する送電網ネットワークの任意の実施形態であることができる。準安定的なエネルギー源1110(例えば、太陽電池/アレイ、風力発電機、またはその他の時変電源もしくはグリーン電源)およびコンバーター1120は、PCCの同じ側にあり負荷に電力を提供するので、負荷1102に対して局所的である。一実施形態において、準安定的なエネルギー源1110は、変動性の/不安定なDC電力源を生成する。電源は、時変であってもよく、および/または環境条件によって利用可能な電力が変化してもよい。コンバーター1120は、動的電力抽出器およびインバーター装置を表している。
【0145】
エネルギー源1110は、変動性のまたは不安定な電源である。システム1100はコンバーター1120を含み、このコンバーター1120はDC/ACインバーター1124に結合しているDC/DCコンバーター1122を含み、この双方がコントローラー(CPU)1140に結合し、コントローラー1140によって制御されている。さらに、開閉機器S1126(例えば、リレー)が、インバーターを負荷1102および送電網1130に選択的に接続する。通常運転時には、エネルギー源1110からDC電力が引き出され、コンバーター1120によって抽出され、逆変換され、動的に処理されることにより、高調波歪みおよび変動性が比較的小さく、送電網1130からのAC電圧信号に対して所望の位相の最大AC電流が動的に生成される。発生したAC電流を送電網のAC電圧と同相にすることにより、負荷1102に供給される公益事業体と同じかまたはそれに近い力率のAC電力が生成され、即ち、負荷が引き出す全無効電力は送電網1130によってもたらされる。エネルギー源1110が負荷1102の有効電力要求を満たすだけの十分なエネルギーを生成する場合、コンバーターは負荷が送電網1130から引き出すAC電力のみを排他的にまたはほぼ排他的に無効電力とすることができる。エネルギー源1110が負荷1102の電力需要を完全に満たすだけの十分なDC電力を生成できない場合、コンバーター1120は、インターフェースを調節して送電網1130から負荷1102に有効電力が流れることを可能とすることができる。
【0146】
一実施形態において、コンバーター1120は、送電網のAC電圧信号に対してある程度まで意図的に位相をずらしてAC電流を発生させることができる。このように、単一のコンバーター1120が、任意の所望の力率で電力を供給して送電網1130上の電力の状態を補償することができる。一実施形態において、複数のコンバーター1120が同一のインターフェースで並列に動作することができ、各々が同一の力率で電力を発生させることができ、または各々を有効電力および無効電力の異なる組み合わせを生成するように動的に設定することができる。
【0147】
エネルギー源1110が負荷1102を満足させるだけの十分な電力を発生させる場合、インバーターの電流および送電網の電流は送電網1130に向かって流れる。一般的に、電力は概して送電網に返すことができ、送電網に提供された電力に応じて需要家に適切に補償することができる。一実施形態において、返還シナリオには、本明細書内で説明する任意の実施形態に従って、近隣の需要家に電力を提供することを含むことができる。
【0148】
一実施形態において、電力計1132は、負荷1102によって消費される有効電力を計測するメーターを表している。一実施形態において、VAR計1134は、負荷1102によって消費される無効電力を計測するメーターを表している。一実施形態において、電力計1132およびVAR計1134は、物理的におよび/または機能的に1つのメーターによって統合することができる。メーターは、送電網1130側に置くことができる。一実施形態において、(メーター1132および1134を統合した)メーターは、送電網に接続するようにPCCと共に配置され、コンバーター1120と共に制御ノードの一部である。このようなメーターは、本明細書内で説明する任意の実施形態によることができる。一実施形態において、メーター1132は、通常、電圧および電流を計測し、これらの計測値から電力を計算する。送電網1130から無効電力のみが引き出される場合、電力計1132は負荷1102による電力使用量を一切計測しないことは理解されるであろう。VAR計1134は、負荷における送電網の電力の電流および電圧の位相を計測し、計測値に基づいて計算を実行することなどにより、引き出された無効電力を計測し計算することができる。
既述のように、一実施形態において、コンバーター1120から負荷1102に供給される力率は、送電網1130に対して1.0またはその近辺である。このように、コンバーター1120は、力率補正を実行することができる。一実施形態において、コンバーター1120は、高調波歪み補正を提供することができる。一実施形態において、コンバーター1120は、テーブル式高調波歪み補正を提供する。以前の高調波歪み技法は、ハードウェア式の方法または高速フーリエ変換(FFT)を使用する。プロセッサーまたはコントローラー上で実施されるテーブル式の方法はインバーター当たりのコストを低減し、一般的なハードウェアによる実施態様よりもより良く調節でき、システム800を参照して説明したものによることができる。
【0149】
コンバーター1120のインバーター1124は、所望の力率(公益事業体であれ別のものであれ)に従って出力を発生させる。一実施形態において、インバーター1134は、負荷1102との接続点での運転状態を監視し、エネルギー源および電流負荷の変化に応じてリアルタイムかつ動的にエネルギー源1110からの最大電力を提供する。このように、エネルギー源1110が発生させるエネルギーの量が変化すると、コンバーター1120はそのエネルギー源に基づいてリアルタイムに出力を修正することができる。さらに、負荷1102の抵抗状態によっては(例えば、掃除機などの誘導電動機が作動している場合)、コンバーターは自動的に電力出力を変化させて負荷の需要に追従することができる。このような変化はすべて、状態が変化するにつれてリアルタイムに発生することができる。一実施形態において、コンバーター1120は高調波歪みの全体的な高調波歪み制御を規格が求めるものよりも効率的に提供する出力調節を提供することができ、したがって、変動性で不安定な電源および変化する負荷に対して動的に調節することにより、規格に準拠しシステムの性能を向上させることができる。
【0150】
コンバーター1120の出力電圧および出力電流の位相が(例えば、位相同期ループまたは発電サンプリングおよびフィードバック機構によって)相互に一致し、および送電網の電圧と一致する場合、必要な無効電力はすべて送電網から吸収されることは理解されるであろう。エネルギー源1110がより大きな有効電力を提供するほど、負荷1102では局所的に送電網電圧と送電網電流の位相がより大きくずれる。全有効電力が局所的に提供される場合、負荷1102では局所的に、送電網の電圧と電流は位相が90度ずれ、送電網による有効電力の寄与度は0まで低下する(Preal=(Vmax*Imax/2)cos(Vphase-Iphase)であることを想起されたい)。
【0151】
一実施形態において、電力変換器1120のDC/DCコンバーター1122は、装置を2つの部分に分離する破線によって表しているように、入力部分および出力部分を含んでいる。エネルギー源1110に結合している部分は入力部分と呼ぶことができ、DC/ACインバーター1124に結合している部分は出力部分と呼ぶことができる。一実施形態において、コンバーター1122の動作は入力インピーダンスおよび出力インピーダンスを変化させてエネルギー源1110からインバーター1124にエネルギーを転送することである。一実施形態において、コンバーター1122は、電力抽出器と呼ぶことができる。
【0152】
コンバーター1122は、インピーダンス整合して入力に関するインターフェースを変化させて、電圧または電流を特定の値に固定せずに、エネルギー源
1110からのエネルギー転送を最大化することができる。むしろ、入力は電力がエネルギー源1110によって生成される何らかの電圧でフローティング状態となることを可能とすることができ、電流は生成される任意の総電力に基づいて整合する。同様に、出力に関して、コンバーター1122は、インピーダンス整合して出力インターフェースを変化させて、インバーターが動作する任意の電圧で必要な何らかの電力を負荷(この場合はインバーター1124)が引き出すことを可能とする。このように、コンバーター1122の出力は、インバーター1124の電圧と整合するようにフローティング状態となり、総電力と整合する電流を発生させることができる。コンバーター1122は、どれだけのエネルギーが利用可能でインバーター1124の電圧がいくらであるかによって大きさが決定される出力電流波形を発生させることができる。このように、出力は負荷と整合するようにフローティング状態にあり、電流または電圧に固定されない。コンバーター1122内の内部ノードはエネルギー貯蔵器として機能することができ、入力インピーダンス整合により内部ノードの効率的な充電が可能となり、出力インピーダンス整合により負荷が内部ノードからエネルギーを引き出すことが可能となる。入力および出力の双方がインダクターおよび/または変圧器を介して内部ノードと結合して、入力および出力を相互におよび内部ノードから分離している。
【0153】
コントローラー1140は、DC/ACインバーター1124から流出するAC電流、および負荷1102に両端に現れる送電網1130の発生電圧を監視することができる。コントローラー1140は、コンバーター1122のインターフェースの少なくとも1つの電気的パラメータを制御してその動作を制御する。パラメータ1142および/または1144は、コンバーター1120内のコンバーター1122の動作を制御するためのコントローラー1140からの制御を表している。一実施形態において、パラメータ1142および/または1624は、入力および/または出力インピーダンス整合を変化させ、その結果、内部ノードの充電および内部ノードからの引き出しを制御する、電力抽出の切り替え信号のデューティサイクルであることができる。各パラメータの修正は、監視する電流および電圧の品質に依存することができる。コントローラー1140は、さらに、負荷1102が使用するために好適に調節された電力が利用可能な場合、開閉機器S1626を制御して負荷を(コンバーター1122およびインバーター1124によってエネルギー源1110から)生成された電力に結合する。
一実施形態において、コンバーター1120は、コンバーター1120の動作を調節して所望の無効電力を発生させるための、力率を制御するテーブル式の方法を提供するテーブル1150を含んでいる。テーブルは、有効電力および無効電力の所望の組み合わせを実現するための、計測されたシステムからの入力状態に基づいて取得したエントリーを含むことができる。送電網と連結しているノードからのフィードバックは、電圧ゼロ交差、電圧振幅、および電流波形の情報を含むことができる。コントローラー1140は、このような情報と共に、テーブル1150を使用してコンバーター1122および/またはインバーター1124の動作を調節する。テーブルは、システムが生じさせようと試みる理想化された出力信号を提供する設定値を含むことができる。出力性能を入力電力の理想化された表現に一致させることにより、従来の方法で単に出力をフィルタリングし調節するように試みるよりもより良いシステム性能が可能となる。
【0154】
一実施形態において、システム1100は、特定のエネルギー源1110を用いずに適用することができる。例えば、コンバーター1120を送電網1130から電力を受け取るように結合させ、負荷1102が必要とする有効電力および無効電力の任意の組み合わせを提供する、負荷1102への出力を発生させることができる。一実施形態において、コンバーター1122は、AC入力を受け取るように調節することができる。一実施形態において、コンバーター1122との接続をAC/DCコンバーターなどのハードウェアで構成して送電網からDC電力を発生させることができる。しかし、このような変換は幾分かの非効率を招くことが理解されるであろう。一実施形態において、コンバーター1122は、送電網の電力と内部ノードとの接続を可能とする入力変圧器で実施することができる。
【0155】
図12は、インテリジェントな局所的なエネルギー貯蔵装置を有する需要家ノードの実施形態のブロック図である。システム1200は、本明細書内で説明する任意の実施形態に係る需要家ノードまたはPCC内のエリアを表している。システム1200は、需要家ノードにおいて局所的なエネルギー貯蔵装置が局所的な発電装置と組み合わされている構成を具体的に示している。システム1200は、本明細書内で説明する任意の実施形態に係る制御ノードであることができ、またはこれを含むことができる。
【0156】
PCC1210は、送電網ネットワークとの相互接続点を表している。送電網電力は、送電網から引き出される電力を表している。一実施形態において、システム1200は、情報をアグリゲートし、そのアグリゲーション情報に基づいてシステム1200内の動作を制御するためのゲートウェイ1220を含んでいる。ゲートウェイ1220は、システム1200の容量および需要を管理することができる。容量とは、システム1200が局所的に発電できる能力を指す。需要とは、負荷(具体的には図示せず)に由来するシステム1200に局所的な負荷需要を指す。
【0157】
一実施形態において、システム1200は、1つ以上の局所的なエネルギー源1260を用いて容量を生じさせる。局所的なエネルギー源1260は、任意の種類のエネルギー発生システムであることができる。一実施形態において、局所的なエネルギー源1260のエネルギー発生機構は、有効電力を発生させる。一実施形態において、局所的なエネルギー源1260は、関連付けられる電力変換器および/またはインバーターを伴うエネルギー発生機構を表している。エネルギー源1260が電力変換器/インバーターを含んでいる場合、これをエネルギー発生システムと呼ぶことができる。需要家の施設では太陽発電システムが一般的に使用され、エネルギー源1260は、太陽発電システムであることができ、またはこれを含むことができる。
【0158】
システム1200は、PCC内のエネルギーの流れを制御するための1つ以上のエネルギー変換装置または電力変換装置を含んでいる。一実施形態において、コンバーター1252およびインバーター1254は、システム1200の電力変換装置を表している。一実施形態において、各インバーターは、電力変換器を含んでいる。一実施形態において、電力変換器は、システム1000およびシステム1100を参照して説明したものなどの、エネルギー源と負荷との間の効率的な結合を可能とするエネルギー変換装置を意味する。装置1252および/または1254は、システム1200内のエネルギーの交換の制御を提供する。一実施形態において、各エネルギー源は、インバーターおよび/またはコンバーターを含んでいる。このように、破線のボックス内に表示されている装置は、システム1200全体を通じて分散することのできる装置を表している。各需要家ノードは、エネルギーの流れを制御するための複数のコンバーター装置を含むことができる。一実施形態において、各エネルギー貯蔵リソースは、インバーターおよび/またはコンバーターを含んでいる。
【0159】
システム1200は、1つ以上のエネルギー貯蔵リソースを含んでいる。図示のように、電池バックアップシステム1230は、エネルギーを貯蔵するための商用電池のシステムを表している。エネルギーストア1240は、非電池式のバックアップまたはエネルギー貯蔵装置もしくはシステムを表しているが、電池バックアップがエネルギーストアの具体的な例として理解されるであろう。非電池式のバックアップの例としては、システム1200内の有効電力を運動エネルギーに変換するポンプまたはその他の動力化された装置を含むシステムを挙げることができる。例えば、エネルギーストア1240は、重力に逆らって水もしくはその他の液体を汲み上げることができ、空気もしくはその他の気体を圧縮することができ、重力に逆らってカウンターウェイトを持ち上げることができ、またはエネルギーをシステム内に貯蔵するための作業に変換するその他何らかの機能を実行することができる。貯蔵されたエネルギーは、逆の力(例えば、重力または減圧)を使用して発電機を動作させることにより、後ほど回収することができる。このように、エネルギー貯蔵システムは、運動エネルギーをシステム1200の有効電力に変換して戻すことができる。
【0160】
一実施形態において、コンバーター1252を使用して、エネルギーストア(例えば、1230、1240)が枯渇したときまたは部分的に枯渇したときに、これを充電することができる。一実施形態において、インバーター1254を使用して、エネルギーストアからのエネルギーを有効電力に変換することができる。ゲートウェイ1220は、エネルギー貯蔵装置1230、1240の使用をインテリジェントに制御することができる。例えば、ゲートウェイ1220は、送電網の状態を監視してエネルギー貯蔵装置を充電するのに最も「安価」な時刻が何時であるかを知ることができる。時として送電網電力がより安価であり、これを後で使用するための貯蔵エネルギーに変換することができる。時として、エネルギー貯蔵装置1230、1240に局所的に貯蔵できるエネルギー源1260からの余剰容量がある。
【0161】
一般的に、一実施形態において、システム1200は、PCC1210の需要家側に局所的なエネルギー源1260および局所的なエネルギーストア1230、1240を含んでいる。システム1200はまた、システム1200内のエネルギー貯蔵装置に出入りするエネルギーの流れを制御するためのコンバーター1252および/またはインバーター1254などの局所的なエネルギー変換装置を含んでいる。エネルギー変換により、システム1200がエネルギーストアからエネルギーを取り出し、および/またはエネルギーストアを充電することができる。一実施形態において、システム1200は、送電網電力からエネルギーストア1230、1240を充電する。一実施形態において、システム1200は、エネルギー源1260からエネルギーストア1230、1240を充電する。一実施形態において、システム1200は、局所的な電力需要を満たすために、エネルギーストア1230、1240内のエネルギーから局所的な負荷に給電する。一実施形態において、システム1200は、エネルギーストア1230、1240から送電網へと電力を転送する。貯蔵エネルギーの利用法としては、エネルギーがどこに転送されるかによって、局所的な負荷および/または送電網に必要な有効電力および無効電力の任意の組み合わせへのエネルギーの変換を挙げることができる。
【0162】
図13は、データアグリゲーションを用いて送電網ノードを制御する処理の実施形態のフロー図である。アグリゲーション情報を用いて送電網ノードを制御する処理1300は、制御ノードの要素によって実行することができる。一実施形態において、制御ノードは、アグリゲーターであることができ、またはこれを含むことのできるゲートウェイ装置を含んでいる。限定としてではなく簡略化のために、処理1300の説明は、アグリゲーターによる動作を参照する。アグリゲーターは、本明細書内で説明するアグリゲーターの任意の実施形態によることができる。一実施形態において、アグリゲーション情報は、局所的な状態および/または外部の送電網の状態を計測する局所的なメーターによって収集される情報を含んでいる。
【0163】
一実施形態において、1302で、アグリゲーターは1つ以上のセンサーとインターフェースし、センサーからのデータ計測値を受け取ることができる。一実施形態において、アグリゲーターは、送電網に関して1つ以上の形態の外部情報を受け取ることができる。1304で、外部情報は、アグリゲータが受け取ることのできる送電網の状態情報である。一実施形態において、1306で、アグリゲーターは、局所的な機器に関するセンサー情報を送電網に基づく情報と共にアグリゲートして、電力変換器の動作を用いて取り組むべき1つ以上の条件を決定する。このように、1308で、アグリゲーターは、アグリゲートされたデータに基づいて、送電網の条件情報のうちの1つ以上の項目を生成することができる。一実施形態において、送電網の条件情報は状態機械の状態を表し、この状態は、送電網の情報を含むことのできる状態情報とセンサー情報との関係に基づいて決定される。一実施形態において、アグリゲーターは、条件情報のリレーショナルデータベースを実施するアグリゲーションエンジンを含んでいる。例えば、リレーショナルデータベースは、条件に関するテーブルおよび後に状態に関する条件キーとなることのできる条件内の特定の範囲を表す行を含むことができる。一実施形態において、アグリゲーターは、電力変換器によって遂行するための「条件」としての、またはその他の決定論理のための入力としての状態を生成する。
【0164】
一実施形態において、1310で、アグリゲーターは、電力の価値または価格を示す料率情報を受け取るかまたは呼び出す。一実施形態において、1312で、アグリゲーターは、料率情報を使用して、アグリゲートされた条件情報または以前に決定された状態を考慮した電力の価値に基づいて最良の運転をフォーキャストする。一実施形態において、1314で、アグリゲーターは、需要家ノードの運転もしくは運転状態または局所的な制御ノードの動作に関する以前の履歴情報にアクセスする。一実施形態において、1316で、アグリゲーターは、履歴情報を考慮して、アグリゲーション情報および/またはフォーキャスト情報に基づいて前方予測を計算する。
【0165】
一実施形態において、1318で、アグリゲーターは、計算されたアクションおよび/または予測に基づいてインターフェースハードウェアに関する1つ以上の制御を生成する。このように、アグリゲーターは、送電網の状態情報ならびに局所的な負荷および動作の状態を一緒に評価することができ、料率情報および/または履歴情報によって評価を修正することができる。アグリゲーターは、1320で、情報に基づいて計算された動作に従って、局所的な容量および/または送電網に電力を提供するように、コンバーター/インバーターのハードウェアを用いてインターフェースを制御することができる。この動作に従って、1つ以上の電力変換器は、ノード内のおよび/またはノードと送電網とに間の電力の流れを制御する。
【0166】
図14は、局所的な状態情報および送電網に基づく状態情報をアグリゲートする処理の実施形態のフロー図である。情報のアグリゲーションに基づいて決定を下すための局所的な情報および送電網に基づく情報をアグリゲートする処理1400は、制御ノードの要素によって実行することができる。一実施形態において、制御ノードは、アグリゲーターであることができ、またはこれを含むことのできるゲートウェイ装置を含んでいる。限定としてではなく簡略化のために、処理1400の説明は、アグリゲーターによる動作を参照する。アグリゲーターは、本明細書内で説明するアグリゲーターの任意の実施形態によることができる。一実施形態において、アグリゲーション情報は、局所的な状態および/または外部の送電網の状態を計測する局所的なメーターによって収集される情報を含んでいる。
【0167】
一実施形態において、処理1400は、局所的なセンサーに関して監視するステップおよび送電網の状態情報に関して監視するステップを含んでいる。一実施形態において、1402で、局所的なセンサーは、アグリゲーターに登録する。一実施形態において、アグリゲーターはセンサーを登録して、センサーからデータを取得する頻度およびセンサーと相互接続するためのパラメータなど、センサーからのデータを監視するステップを設定する。1404で、アグリゲーターは、センサーからのデータによって局所的な状態を監視することができる。一実施形態において、アグリゲーターは、更新情報が利用可能となるまで、センサーを監視する。1406の「いいえ」分岐で更新データがない場合、アグリゲーターは、1404で、局所的な状態に関するセンサーの監視を継続することができる。1406の「はい」分岐で更新データがある場合、一実施形態において、アグリゲーターは、1408で、状態を記録する。
【0168】
一実施形態において、1410で、アグリゲーターはまた、送電網入出力部(input/output:I/O)とインターフェースするように自らを設定する。送電網I/Oは、アグリゲーターが、アグリゲーターがその一部である局所的なノードの外側から送電網の状態に関する情報を受け取ることを可能とすることができる。1412で、アグリゲーターは、送電網I/Oが示す送電網の状態を監視することができる。1414の「いいえ」分岐で更新データがない場合、アグリゲーターは、1412で、送電網I/Oの監視を継続する。1414の「はい」分岐で更新データが利用可能である場合、一実施形態において、アグリゲーターは、送電網I/Oが直ちに取り組む必要のある状態を示しているかを決定する。
1416の「いいえ」分岐で直ちにアクションをとる必要がない場合、アグリゲーターは、1408で、外部I/Oが示した送電網の状態を記録することができる。
【0169】
送電網および局所的なセンサーからの状態を記録した後、アグリゲーターは、1418で、局所的なノードにおける動作を調節するように決定することができる。一実施形態において、アグリゲーターは、スケジュールに基づいて決定を下す。一実施形態において、アグリゲーターは、各データイベントに対してとるべきアクションの決定を下すが、この場合、データイベントは、更新データが利用可能となるときであることができる。一実施形態において、1416の「はい」分岐で送電網から受信したデータに直ちに対応する必要がある場合、アグリゲーターは、1418で、制御ノードのコンバーターの動作を調節するように決定することができる。
【0170】
一実施形態において、1420で、アグリゲーターは、アグリゲートされたデータに重みをつけ、状態または条件を計算する。一実施形態において、重みをつけてデータのうちの1つの項目を別の項目よりも優先して考慮することができる。一実施形態において、直ちに対応を必要とする送電網情報が受信された場合、そのデータの「重み」は、制御ノードに直ちに要求に従わせるものであることができる。一実施形態において、1422で、アグリゲーターは、需要家ノードにおいて遂行すべき1つ以上の動作を発生させる。一実施形態において、状態の計算および/または遂行すべき動作の発生は、入力された条件に基づいて最もよく一致する出力のシナリオを検索する発見的決定アルゴリズムの遂行を含むことができる。
【0171】
動作は、制御ノード自体の装置および/または需要家ノード内の機器の装置であることのできる、制御ノードの電力変換器によって遂行することができる。一実施形態において、動作は、1424でのエネルギーを局所的な負荷に転送するステップ、1426での局所的なエネルギーストアとPCCとの間でエネルギーを転送するステップ、1428での局所的なエネルギー源とPCCとの間でエネルギーを転送するステップ、および/または1430でのPCCと送電網との間でエネルギーを転送するステップのうちの1つ以上を含むことができる。一実施形態において、局所的な負荷へのエネルギーの転送は、有効電力、無効電力、および/または有効電力および無効電力の組み合わせを含むことができる。一実施形態において、電力は、負荷のエネルギーシグネチャーの複素ベクトルをオフセットさせるように発生する。一実施形態において、エネルギーストアとPCCとの間でエネルギーを転送するステップは、電池を充電するステップまたはエネルギーストアから負荷に給電するステップを含むことができる。一実施形態において、局所的なエネルギー源とPCCとの間のエネルギーの転送は、有効電力、無効電力、またはその組み合わせを含むことができる。一実施形態において、制御ノードは、PCCを介して送電網に電力を供給することができ、この電力は、有効電力またはアンシラリーサービスであることができる。
【0172】
図15は、アグリゲーターゲートウェイを用いて送電網の制御動作を発生させる処理の実施形態のフロー図である。ゲートウェイアグリゲーターを用いて制御動作を発生させる処理1500は、制御ノードの要素によって実行することができる。一実施形態において、制御ノードは、アグリゲーターであることができ、またはこれを含むことのできるゲートウェイ装置を含んでいる。限定としてではなく簡略化のために、処理1500の説明は、アグリゲーターによる動作を参照する。アグリゲーターは、本明細書内で説明するアグリゲーターの任意の実施形態によることができる。一実施形態において、アグリゲーション情報は、局所的な状態および/または外部の送電網の状態を計測する局所的なメーターによって収集される情報を含んでいる。
一実施形態において、1502で、アグリゲーターのコントローラーまたは制御論理は、局所的な状態および送電網の状態を含むことのできるアグリゲーションデータを受け取る。アグリゲーションデータは、局所的な負荷の需要を含むことができ、またはこれを伴うことができる。一実施形態において、1504で、アグリゲーターは、局所的な電力需要を識別する。局所的な電力需要は、本明細書内で説明する任意の実施形態に係る局所的なメーターによって計測することができる。一実施形態において、1506で、アグリゲーターはまた、局所的な発電容量を識別することができる。局所的なセンサーによって識別されるある特定の局所的な状態は、局所的なエネルギー源がどれだけの電力を発電することができるかに影響する状態を含むことができる。例えば、太陽光強度は、ソーラーシステムがピーク出力を提供することができるか、または状態に基づいてそれよりも小さな出力を提供するかを決定することができる。
【0173】
一実施形態において、1508で、アグリゲーターは、料率情報にアクセスする。料率情報は、需要家価格情報および市場価格情報を含むことができる。アグリゲーターは、料率情報に基づいて、需要家にとっての最良の金銭的利益の観点から最良の動作をフォーキャストすることができる。一実施形態において、1510で、アグリゲーターは、履歴情報にアクセスする。履歴情報は、次にどのような状態が訪れるかをアグリゲーターが予測することを可能とすることのできる、以前の状態を示すことができる。アグリゲーターは、履歴データに基づいて、状態、料率、もしくはその他の状況、またはこれらの組み合わせを用いて何が起こるかの予測を反映する動作を発生させることができる。
【0174】
一実施形態において、1512で、アグリゲーターは、局所的なエネルギーの発生が局所的な負荷の電力需要を満たす能力を計算する。一実施形態において、1514の「はい」分岐で、局所的なエネルギー源からの電力は、局所的な電力需要を完全に満足させることができる。1514の「いいえ」分岐で局所的な需要を満足させるだけの十分な局所的な電力がない場合、一実施形態において、システムは、局所的なエネルギー貯蔵装置があるかを決定することができる。一実施形態において、局所的なエネルギー貯蔵装置は、局所的なセンサーデータおよびアグリゲーションデータの一部を用いて決定することができる。一実施形態において、1516の「いいえ」分岐で局所的なエネルギーストアがない場合、システムは、1518で、送電網から電力を引き出す。一実施形態において、1516の「はい」分岐で局所的なエネルギーストアがある場合は、システムは、1520で、エネルギーストアに容量があることを前提として、局所的なエネルギーストアからエネルギーを引き出すことができる。1524で、エネルギーストアまたは送電網から引き出されたエネルギーを、電力変換器によって局所的な需要を満たすための有効電力および無効電力の組み合わせに変換することができる。
【0175】
1514の「はい」分岐で需要を満たすだけの十分な局所的なエネルギーがあり、1522の「いいえ」分岐で余剰の局所的な電力がない場合、1524で、電力変換器によって局所的な電力を、負荷が必要とする有効電力および無効電力の組み合わせに変換することができる。一実施形態において、1522の「はい」分岐で局所的な負荷の需要を満たした後に余剰の局所的な電力がある場合、システムは、余剰のエネルギーを局所的なエネルギーストアに貯蔵すべきかどうかを決定することができる。一実施形態において、アグリゲーターによって決定された局所的な状態および送電網の状態によっては、システムは、局所的な電力需要を完全に満たすことをせずに局所的なエネルギーストアを充電することができる。このように、一実施形態において、1514で需要が完全に満たされているかを決定するステップは、需要を完全に満たすべきか、または局所的なエネルギーを他の方法で使用する(例えば、負荷用に送電網の電力を引き出す一方で局所的な電力で局所的なエネルギーストアを充電する)方がよいかを決定するステップを含むことができる。
【0176】
1528の「はい」分岐で、局所的なエネルギーストアを局所的な電力で充電するとシステムが決定した場合、システムは、1532で、局所的なエネルギーストアを充電する。一実施形態において、1528の「いいえ」分岐で、局所的なエネルギーストアを局所的な電力で充電しないとシステムが決定した場合、システムは、1530で、余剰の局所的な電力を送電網に印加することができる。局所的な電力を送電網に印加するステップは、エネルギーを送電網にどのように提供するかを決定するステップを含むことができる。一実施形態において、システムは、エネルギーを有効電力として印加する。一実施形態において、システムは、アンシラリーサービスを送電網に提供する。
【0177】
図16は、電池バックアップのインテリジェント制御の処理の実施形態のフロー図である。バックアップのインテリジェント制御の処理1600は、制御ノードの要素によって実行することができる。一実施形態において、制御ノードは、アグリゲーションデータを提供できるアグリゲーターであることができ、またはこれを含むことのできるゲートウェイ装置を含んでいる。制御ノードおよびゲートウェイ装置は、本明細書内で説明する任意の実施形態に係る装置であることができる。
【0178】
一実施形態において、1602で、制御ノードは、PCCにおいて1つ以上の送電網の状態を監視する。送電網の状態は、電圧レベル、位相、周波数、およびその他の状態、またはこれらの組み合わせを含むことができる。一実施形態において、1604で、制御ノードは、下流側の電力需要および下流側の発電量を監視する。下流側の電力需要とは、階層型送電網ネットワークのさらに下位のその他の送電網ノードを含むことのできる1つ以上の負荷による電力の需要を意味する。一実施形態において、下流側の発電とは、エネルギーを発生させる1つ以上のエネルギー源を意味する。一実施形態において、需要を決定するステップは、1つ以上のエネルギーシグネチャーを計算および/または識別するステップを含むことができる。
【0179】
一実施形態において、1606で、制御ノードは、制御ノードに関連付けられたアグリゲーターによってアグリゲーション情報を計算する。一実施形態において、1608で、アグリゲーターおよび制御ノードは、電池またはその他のエネルギーバックアップシステムの状態を含む局所的な状態を識別することができる。電池が具体的に識別されているものの、同じ説明が非電池式システムを含むことのできる別のエネルギー貯蔵装置にも等しく良好に当てはまることは理解されるであろう。一実施形態において、1610で、電池の状態がそのエネルギー備蓄量が少なくとも部分的に枯渇している状態である場合、一実施形態において、制御ノードは、電池を充電するための局所的なエネルギー源があるかを決定することができる。1612の「はい」分岐で電池を充電する局所的なエネルギー源がある場合、一実施形態において、1614で、制御ノードは、PCC内のインターフェースを調節して局所的なエネルギーを電池を充電するために印加する。1612の「いいえ」分岐で電池が枯渇しており局所的なエネルギー源がない場合、一実施形態において、1616で、制御ノードは、送電網から電池を充電するようにインターフェースを調節することを決定することができる。一実施形態において、利用可能な局所的なエネルギー源がない場合、時刻、電池が所定の枯渇閾値未満であるかもしくは送電網からの電力のコストが閾値コスト内である場合、またはその他の状態、またはこれらの組み合わせのように、一定の条件が満たされない限り、制御ノードは電池を充電しない。
【0180】
一実施形態において、1618で、電池の状態は、電池の電力が利用可能な状態である。一実施形態において、制御ノードは、電池の電力の使用の仕方を決定することができる。1620の「はい」分岐で局所的な電力需要がある場合、一実施形態において、制御ノードは、1622で、利用可能な電池の電力から局所的な負荷に給電するようにインターフェースを調節することができる。一実施形態において、1620の「いいえ」分岐で局所的な需要はないが、制御ノードにおいて電力またはサービスの需要がある場合、制御ノードは、1624で、電池の電力を送電網に印加するようにインターフェースを調節することができる。一実施形態において、1626で、電池の状態は充電しなければならないほど枯渇した状態以外であり、使用可能な状態であり、例えば、枯渇しているがまだ充電しなければならないほどではなく、貯蔵のために利用できるエネルギーが未使用であり、次に別の状態が存在でき、制御ノードは、他の状態と矛盾せずに動作を制御できる。
【0181】
一態様において、送電網ネットワークとインターフェースする方法は、送電網ネットワークとの共通結合点(PCC)の需要家側のメーターにおいて1つ以上の外部送電網入力および1つ以上の局所的なセンサー入力を受信するステップと、PCCの需要家側に結合している局所的な負荷の電力需要を識別するステップと、1つ以上の外部送電網入力、1つ以上の局所的なセンサー入力、および局所的な負荷の電力需要に基づいてPCCの需要家側に結合している局所的な電力変換器を用いて発生させるべき出力電力を計算するステップと、計算された出力電力に基づいて局所的な電力変換器から電力を出力するステップとを含んでいる。
【0182】
一態様において、送電網システムの送電網ネットワーク内の需要家ノードは、1つ以上の外部送電網入力および1つ以上の局所的なセンサー入力を受信し、PCCの需要家側に結合している局所的な負荷の電力需要を識別する、送電網ネットワークとの共通結合点(PCC)の需要家側のエネルギー計と、PCCとのインターフェースを制御してPCCにおける電力潮流を制御する、PCCの需要家側に結合している局所的な電力変換器と、エネルギー計から情報を受信し、1つ以上の外部送電網入力、1つ以上の局所的なセンサー入力、および局所的な負荷の電力需要に基づいて発生させるべき局所的な出力電力を計算し、計算された出力電力を出力するように電力変換器に要求するように結合しているゲートウェイコントローラーとを含んでいる。
【0183】
一態様において、送電網システムは、送電網システムの送電網ネットワークとの共通結合点(PCC)の需要家側に結合している、有効電力を発生させる局所的なエネルギー源と、PCCにおいて局所的なエネルギー源に結合している制御ノードとを含み、この制御ノードは、1つ以上の外部送電網入力および1つ以上の局所的なセンサー入力を受信し、PCCの需要家側に結合している局所的な負荷の電力需要を識別する、送電網ネットワークとの共通結合点(PCC)の需要家側のエネルギー計と、PCCとのインターフェースを制御してPCCにおける電力潮流を制御する、PCCの需要家側に結合している局所的な電力変換器と、エネルギー計から情報を受信し、1つ以上の外部送電網入力、1つ以上の局所的なセンサー入力、および局所的な負荷の電力需要に基づいて発生させるべき局所的な出力電力を計算し、局所的なエネルギー源による発電を含む計算された出力電力を出力するように電力変換器に要求するように結合しているゲートウェイコントローラーとを含んでいる。
【0184】
前述の3つの段落の方法、需要家ノード、および/または送電網システムに関して、以下の実施形態が、適用可能であり例示的であるが限定的ではない実施形態の例を提供する。一実施形態において、送電網ネットワークは、公益事業体の送電網を備えている。一実施形態において、外部送電網入力を受信するステップは、集中送電網コントローラーからのディスパッチ情報、送電網コントローラーからの特定の制御信号、または送電網ネットワーク内の他のノードからの送電網の状態情報のうちの1つ以上を受信するステップを含んでいる。一実施形態において、局所的なセンサー入力を受信するステップは、温度情報、または局所的なエネルギー源がエネルギーを発生させる能力に影響する1つ以上の状態に関する情報のうちの1つ以上を受信するステップを含んでいる。一実施形態において、出力電力を計算するステップは、時刻もしくは時節または両方に基づいて入力に重みをつける決定アルゴリズムを適用するステップを含んでいる。一実施形態において、出力電力を計算するステップは、最もよく一致する出力シナリオを検索するための発見的決定アルゴリズムを適用するステップを含んでいる。一実施形態において、電力を出力するステップは、局所的な負荷が消費する電力を出力するステップを含んでいる。一実施形態において、電力を出力するステップは、局所的なエネルギー貯蔵リソースを充電するための電力を出力するステップを含んでいる。一実施形態において、電力を出力するステップは、金銭的なクレジットと引き換えに送電網の市場に有効電力を出力するステップを含んでいる。一実施形態において、電力を出力するステップは、有効電力および/もしくは無効電力の送電網支援、送電網ネットワークへの周波数支援、自力起動動作、上方調整動作、下方調整動作、またはこれらの組み合わせを含む1つ以上のアンシラリーサービスに電力を出力するステップを含んでいる。
【0185】
一態様において、送電網ネットワークとインターフェースする方法は、送電網ネットワークとの共通結合点(PCC)の需要家側の局所的な電力需要および局所的なエネルギー発生量を監視するステップと、PCCの需要家側の局所的なエネルギー貯蔵装置のインターフェース動作を計算するステップとを含み、インターフェース動作は、局所的な電力需要および局所的なエネルギーの発生量に基づいて局所的なエネルギー貯蔵装置からエネルギーを取り出しまたは局所的なエネルギー貯蔵装置を充電するステップと、PCCの需要家側に結合している局所的な電力変換器にトリガーを掛けて局所的なエネルギー貯蔵装置とのインターフェース動作を遂行するステップとを含んでいる。
【0186】
一態様において、送電網システム内の需要家ノードは、送電網ネットワークとの共通結合点(PCC)の需要家側の局所的なエネルギー源と、PCCの需要家側の局所的なエネルギーストアと、局所的なエネルギーストアからエネルギーを取り出しまたは局所的なエネルギーストアを充電して局所的なエネルギーストアとPCCとの間でエネルギーを転送するステップを含むインターフェース動作を遂行するための、PCCの需要家側のエネルギー変換装置とを含んでいる。
【0187】
一態様において、送電網システムは、公益事業体の送電網の送電網ネットワークとの共通結合点(PCC)の需要家側に結合している、有効電力を発生させる局所的なエネルギー源と、PCCの需要家側の局所的なエネルギーストアと、
PCCの需要家側の送電網の状態を監視するための計量装置を含み、PCCにおいて局所的なエネルギー源および局所的なエネルギーストアに結合している制御ノードであって、送電網の状態は送電網ネットワークの電気的状態を示すものである、制御ノードと、公益事業体の送電網の状態に応じて局所的なエネルギーストアからエネルギーを取り出しまたは局所的なエネルギーストアを充電して局所的なエネルギーストアとPCCとの間でエネルギーを転送するステップを含むインターフェース動作を遂行するためのエネルギー変換装置とを含んでいる。
【0188】
前述の3つの段落の方法、需要家ノード、および/または送電網システムに関して、以下の実施形態が、適用可能であり例示的であるが限定的ではない実施形態の例を提供する。一実施形態において、局所的なエネルギー貯蔵装置は、電池を備えている。一実施形態において、局所的なエネルギー貯蔵装置は、非電池式エネルギー貯蔵システムを備えている。一実施形態において、PCCの需要家側の送電網の状態を監視するステップであって、送電網の状態は送電網ネットワークの電気的状態を示すものである、監視するステップをさらに含み、インターフェース動作を計算するステップは、送電網ネットワークから局所的なエネルギー貯蔵装置を充電するための動作を発生させるステップを含んでいる。一実施形態において、送電網の状態を監視するステップは、PCCにおいて見たときの電圧レベル、位相、または周波数のうちの1つ以上を監視するステップを含んでいる。一実施形態において、局所的なエネルギーの発生量を監視するステップは、PCCの需要家側に結合している有効電力を発生させる局所的なエネルギー源によって発生する電力量を監視するステップを含んでいる。一実施形態において、インターフェース動作を計算するステップは、送電網ネットワークから局所的なエネルギー貯蔵装置を充電する動作を発生させるステップを含んでいる。一実施形態において、インターフェース動作を計算するステップは、局所的なエネルギー源から局所的なエネルギー貯蔵装置を充電する動作を発生させるステップを含んでいる。一実施形態において、インターフェース動作を計算するステップは、局所的なエネルギー貯蔵装置から局所的な負荷に給電する動作を発生させるステップを含んでいる。一実施形態において、電力変換器にトリガーを掛けてインターフェース動作を遂行するステップは、電力変換器にトリガーを掛けて有効電力および無効電力の組み合わせを発生させるステップを含んでいる。一実施形態において、インターフェース動作を計算するステップは、局所的なエネルギー貯蔵装置から送電網支援を提供する動作を発生させるステップを含んでいる。一実施形態において、インターフェース動作を計算するステップは、集中送電網コントローラーからのディスパッチ情報、送電網コントローラーからの特定の制御信号、送電網ネットワーク内の他のノードからの送電網の状態情報、局所的な温度情報、または局所的なエネルギー発生量に影響する1つ以上の局所的な状態に関する情報のうちの1つ以上を含むアグリゲーションデータに少なくとも部分的に基づいて計算を実行するステップをさらに含んでいる。
【0189】
一態様において、送電網ネットワークとインターフェースする方法は、送電網ネットワークとの共通結合点(PCC)の需要家側のメーターにおいて、
PCCにおける送電網ネットワークの電気的状態および局所的な運転状態を示す複数の入力を受信するステップと、PCCの需要家側に結合している局所的な負荷の電力需要を識別するステップと、複数の入力および局所的な負荷の電力需要に基づいて局所的なエネルギー源から出力すべき有効電力および無効電力の組み合わせを計算するステップと、計算された出力電力に基づいて局所的なエネルギー源から電力を出力するステップとを含んでいる。
【0190】
一態様において、送電網システムの送電網ネットワーク内の需要家ノードは、PCCにおける送電網ネットワークの電気的状態および局所的な運転状態を示す複数の入力を受信し、PCCの需要家側に結合している局所的な負荷の電力需要を識別する、送電網ネットワークとの共通結合点(PCC)の需要家側のエネルギー計と、PCCとのインターフェースを制御してPCCにおける電力潮流を制御する、PCCの需要家側に結合している局所的な電力変換器と、エネルギー計から情報を受信し、複数の入力および局所的な負荷の電力需要に基づいて局所的なエネルギー源から出力すべき有効電力および無効電力の組み合わせを計算し、計算された出力電力を出力するように電力変換器に要求するように結合しているゲートウェイコントローラーとを含んでいる。
【0191】
一態様において、送電網システムは、共通結合点(PCC)の需要家側において局所的な需要家ノードを公益事業体の送電網に結合するための送電網接続装置と、PCCの需要家側に結合している局所的なエネルギー源と、PCCにおいて局所的なエネルギー源に結合している制御ノードとを含み、制御ノードは、PCCにおける送電網ネットワークの電気的状態および局所的な運転状態を示す複数の入力を受信し、PCCの需要家側に結合している局所的な負荷の電力需要を識別する、送電網ネットワークとの共通結合点(PCC)の需要家側のエネルギー計と、PCCとのインターフェースを制御してPCCにおける電力潮流を制御する、PCCの需要家側に結合している局所的な電力変換器と、エネルギー計から情報を受信し、複数の入力および局所的な負荷の電力需要に基づいて局所的なエネルギー源から出力すべき有効電力および無効電力の組み合わせを計算し、計算された出力電力を出力するように電力変換器に要求するように結合しているゲートウェイコントローラーとを含んでいる。
【0192】
前述の3つの段落の方法、需要家ノード、および/または送電網システムに関して、以下の実施形態が、適用可能であり例示的であるが限定的ではない実施形態の例を提供する。一実施形態において、送電網ネットワークは、公益事業体の送電網を備えている。一実施形態において、外部送電網入力を受信するステップは、集中送電網コントローラーからのディスパッチ情報、送電網コントローラーからの特定の制御信号、または送電網ネットワーク内の他のノードからの送電網の状態情報のうちの1つ以上を受信するステップを含んでいる。一実施形態において、局所的なセンサー入力を受信するステップは、温度情報、または局所的なエネルギー源がエネルギーを発生させる能力に影響する1つ以上の状態に関する情報のうちの1つ以上を受信するステップを含んでいる。一実施形態において、出力電力を計算するステップは、発電した電力の価値を示す料率情報に少なくとも部分的に基づいて有効電力および無効電力の組み合わせを計算するステップをさらに含んでいる。一実施形態において、出力電力を計算するステップは、局所的な電力需要および局所的な発電量が過去にどのように発生したかの履歴を示す履歴情報からの外挿に少なくとも部分的に基づいて有効電力および無効電力の組み合わせを計算するステップをさらに含んでいる。一実施形態において、電力を出力するステップは、局所的な負荷が消費する電力を出力するステップを含んでいる。一実施形態において、電力を出力するステップは、局所的なエネルギー貯蔵リソースを充電するための電力を出力するステップを含んでいる。一実施形態において、電力を出力するステップは、金銭的なクレジットと引き換えに送電網の市場に有効電力を出力するステップを含んでいる。一実施形態において、電力を出力するステップは、有効電力および/もしくは無効電力の送電網支援、送電網ネットワークへの周波数支援、自力起動動作、上方調整動作、下方調整動作、またはこれらの組み合わせを含む1つ以上のアンシラリーサービスに電力を出力するステップを含んでいる。
【0193】
一態様において、送電網ネットワークとインターフェースする方法は、送電網ネットワークとの共通結合点(PCC)の需要家側のメーターにおいて送電網の条件情報を受信するステップであって、送電網の条件情報は、PCCにおける送電網ネットワークの電気的状態および局所的な電力需要を含む局所的な運転状態を示す複数の入力のアグリゲーションを含むものである、受信するステップと、需要家の電力価格および市場電力価格を示す送電網ネットワークの料率情報にアクセスするステップと、複数の入力、局所的な電力需要、および料率情報に基づいてPCCの需要家側に結合している局所的な電力変換器を用いて発生させるべき出力電力を計算するステップと、計算された出力電力に基づいて局所的な電力変換器から電力を出力するステップとを含んでいる。
【0194】
一態様において、送電網システムの送電網ネットワーク内の需要家ノードは、PCCにおける送電網ネットワークの電気的状態および局所的な電力需要を含む局所的な運転状態を示す複数の入力のアグリゲーションを含む送電網の条件情報を受信する、送電網ネットワークとの共通結合点(PCC)の需要家側のエネルギー計と、PCCとのインターフェースを制御してPCCにおける電力潮流を制御する、PCCの需要家側に結合している局所的な電力変換器と、エネルギー計から情報を受信し、複数の入力、局所的な電力需要、および料率情報に基づいて局所的な電力変換器を用いて発電すべき出力電力を計算し、計算された出力電力を出力するように電力変換器に要求するように結合しているゲートウェイコントローラーとを含んでいる。
【0195】
一態様において、送電網システムは、共通結合点(PCC)の需要家側において局所的な需要家ノードを公益事業体の送電網に結合するための送電網接続装置と、PCCの需要家側に結合している局所的なエネルギー源と、PCCにおいて局所的なエネルギー源に結合している制御ノードとを含み、制御ノードは、PCCにおける送電網ネットワークの電気的状態および局所的な電力需要を含む局所的な運転状態を示す複数の入力のアグリゲーションを含む送電網の条件情報を受信する、送電網ネットワークとの共通結合点(PCC)の需要家側のエネルギー計と、PCCとのインターフェースを制御してPCCにおける電力潮流を制御する、PCCの需要家側に結合している局所的な電力変換器と、エネルギー計から情報を受信し、複数の入力、局所的な電力需要、および料率情報に基づいて局所的な電力変換器を用いて局所的なエネルギー源からの電力を含む出力すべき出力電力を計算し、計算された出力電力を出力するように電力変換器に要求するように結合しているゲートウェイコントローラーとを含んでいる。
【0196】
前述の3つの段落の方法、需要家ノード、および/または送電網システムに関して、以下の実施形態が、適用可能であり例示的であるが限定的ではない実施形態の例を提供する。一実施形態において、外部送電網入力を受信するステップは、集中送電網コントローラーからのディスパッチ情報、送電網コントローラーからの特定の制御信号、または送電網ネットワーク内の他のノードからの送電網の状態情報のうちの1つ以上を受信するステップを含んでいる。一実施形態において、局所的なセンサー入力を受信するステップは、温度情報、または局所的なエネルギー源がエネルギーを発生させる能力に影響する1つ以上の状態に関する情報のうちの1つ以上を受信するステップを含んでいる。一実施形態において、料率情報にアクセスするステップは、リアルタイム市場料率ソースから料率情報を取得するステップを含んでいる。一実施形態において、料率情報にアクセスするステップは、需要家の有効電力および市場の有効電力に関する価格を示す料率情報にアクセスするステップを含んでいる。一実施形態において、料率情報にアクセスするステップは、需要家の無効電力およびアンシラリー市場に関する価格を示す料率情報にアクセスするステップを含んでいる。一実施形態において、出力電力を計算するステップは、メーターで監視される履歴データに基づいて前方予測を実行するステップをさらに含んでいる。一実施形態において、出力電力を計算するステップは、PCCの需要家側に結合している複数の電力変換器が実行すべき動作を決定するステップを含んでいる。一実施形態において、電力を出力するステップは、計算された出力電力のために局所的なエネルギー貯蔵装置を作動させるステップをさらに含んでいる。一実施形態において、電力を出力するステップは、局所的な容量が消費する電力を出力するステップを含んでいる。一実施形態において、電力を出力するステップは、送電網市場、または有効電力および/もしくは無効電力の送電網支援、送電網ネットワークへの周波数支援、自力起動動作、上方調整動作、下方調整動作、もしくはこれらの組み合わせを含む1つ以上のアンシラリーサービスに出力するステップを含んでいる。
【0197】
一態様において、送電網ネットワークとインターフェースする方法は、送電網ネットワークとの共通結合点(PCC)の需要家側のメーターにおいて送電網の条件情報を受信するステップであって、送電網の条件情報は、PCCにおける送電網ネットワークの電気的状態および局所的な電力需要を含む局所的な運転状態を示す複数の入力のアグリゲーションを含むものである、受信するステップと、PCCにおける様々な送電網の状態および運転状態に関する以前の電力出力の記録を含む局所的な制御ノードの動作履歴にアクセスするステップと、複数の入力、局所的な電力需要、および動作履歴に基づいてPCCの需要家側に結合している局所的な電力変換器を用いて発生させるべき出力電力を計算するステップと、計算された出力電力に基づいて局所的な電力変換器から電力を出力するステップとを含んでいる。
【0198】
一態様において、送電網システムの送電網ネットワーク内の需要家ノードは、PCCにおける送電網ネットワークの電気的状態および局所的な電力需要を含む局所的な運転状態を示す複数の入力のアグリゲーションを含む送電網の条件情報を受信する、送電網ネットワークとの共通結合点(PCC)の需要家側のエネルギー計と、PCCとのインターフェースを制御してPCCにおける電力潮流を制御する、PCCの需要家側に結合している局所的な電力変換器と、PCCにおける様々な送電網の状態および運転状態に関する以前の電力出力の記録を含む需要家ノードに関する動作履歴を記憶するためのメモリー装置と、エネルギー計から情報を受信し、複数の入力、局所的な電力需要、および動作履歴に基づいて局所的な電力変換器を用いて発電すべき出力電力を計算し、計算された出力電力を出力するように電力変換器に要求するように結合しているゲートウェイコントローラーとを含んでいる。
【0199】
一態様において、送電網システムは、共通結合点(PCC)の需要家側において局所的な需要家ノードを公益事業体の送電網に結合するための送電網接続装置と、PCCの需要家側に結合している局所的なエネルギー源と、PCCにおいて局所的なエネルギー源に結合している制御ノードとを含み、制御ノードは、PCCにおける送電網ネットワークの電気的状態および局所的な電力需要を含む局所的な運転状態を示す複数の入力のアグリゲーションを含む送電網の条件情報を受信する、送電網ネットワークとの共通結合点(PCC)の需要家側のエネルギー計と、PCCとのインターフェースを制御してPCCにおける電力潮流を制御する、PCCの需要家側に結合している局所的な電力変換器と、PCCにおける様々な送電網の状態および運転状態に関する以前の電力出力の記録を含む需要家ノードに関する動作履歴を記憶するためのメモリー装置と、エネルギー計から情報を受信し、複数の入力、局所的な電力需要、および動作履歴に基づいて局所的な電力変換器を用いて局所的なエネルギー源からを含む出力すべき出力電力を計算し、計算された出力電力を出力するように電力変換器に要求するように結合しているゲートウェイコントローラーとを含んでいる。
【0200】
前述の3つの段落の方法、需要家ノード、および/または送電網システムに関して、以下の実施形態が、適用可能であり例示的であるが限定的ではない実施形態の例を提供する。一実施形態において、外部送電網入力を受信するステップは、集中送電網コントローラーからのディスパッチ情報、送電網コントローラーからの特定の制御信号、または送電網ネットワーク内の他のノードからの送電網の状態情報のうちの1つ以上を受信するステップを含んでいる。一実施形態において、局所的なセンサー入力を受信するステップは、温度情報、または局所的なエネルギー源がエネルギーを発生させる能力に影響する1つ以上の状態に関する情報のうちの1つ以上を受信するステップを含んでいる。一実施形態において、動作履歴にアクセスするステップは、時刻に基づく動作状態にアクセスするステップを含んでいる。一実施形態において、動作履歴にアクセスするステップは、時節に基づく動作状態にアクセスするステップを含んでいる。一実施形態において、出力電力を計算するステップは、需要家の有効電力、市場の有効電力、需要家の無効電力、およびアンシラリー市場に関する価格を示す料率情報にアクセスするステップをさらに含んでいる。一実施形態において、動作履歴にアクセスするステップは、料率の履歴情報にアクセスするステップを含んでいる。一実施形態において、出力電力を計算するステップは、PCCの需要家側に結合している複数の電力変換器が実行すべき動作を決定するステップを含んでいる。一実施形態において、電力を出力するステップは、計算された出力電力のために局所的なエネルギー貯蔵装置を作動させるステップをさらに含んでいる。一実施形態において、電力を出力するステップは、局所的な容量が消費する電力を出力するステップを含んでいる。一実施形態において、電力を出力するステップは、送電網市場、または有効電力および/もしくは無効電力の送電網支援、送電網ネットワークへの周波数支援、自力起動動作、上方調整動作、下方調整動作、もしくはこれらの組み合わせを含む1つ以上のアンシラリーサービスに出力するステップを含んでいる。
【0201】
本明細書内で図示するフロー図は、様々な処理アクションのシーケンスの例を提供している。フロー図は、ソフトウェアルーチンまたはファームウェアルーチンならびに物理的動作によって遂行されるべき動作を指示することができる。一実施形態において、フロー図は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで実施することのできる有限状態機械(finite state machine:FSM)の状態を図示することができる。アクションの順序は、特定のシーケンスまたは順序で示されているものの、これらは、特に明記しない限り、変更することができる。このように、図示した実施形態は例としてのみ理解すべきであり、処理は異なる順序で実行することができ、アクションによっては並行して実行することができる。さらに、様々な実施形態において1つ以上のアクションを省略することができ、したがって、すべての実施形態においてすべてのアクションが必要なわけではない。この他の処理フローが可能である。
【0202】
本明細書内に様々な動作または機能が説明されている範囲において、これらは、ソフトウェアコード、命令、設定、および/またはデータとして記述または定義することができる。内容は直接遂行可能(「オブジェクトの」もしくは「遂行可能な」形態)、ソースコード、または差分コード(「デルタ」コードもしくは「パッチ」コード)であることができる。本明細書内で説明する実施形態のソフトウェアコンテンツは、コンテンツを記憶させた製品または通信インターフェースを介してデータを送る通信インターフェースの動作方法によって提供することができる。機械可読記憶媒体は説明した機能または動作を機械に実行させることができ、記録可能/再生専用媒体(例えば、読み取り専用メモリー(read only memory:ROM)、ランダムアクセスメモリー(random access memory:RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光学的記憶媒体、フラッシュメモリー装置など)のような、機械(例えば、コンピューティングデバイス、電子システムなど)によってアクセス可能な形態で情報を記憶する任意の機構を含んでいる。通信インターフェースとしては、メモリーバスインターフェース、プロセッサーバスインターフェース、インターネット接続、ディスクコントローラーなどのような、別の機器と通信する配線式、無線式、光学式などの媒体のいずれかとインターフェースする任意の機構が挙げられる。通信インターフェースは、設定パラメータを提供することによって、および/またはソフトウェアコンテンツを記述するデータ信号を提供するように通信インターフェースを準備するための信号を送信することによって設定することができる。通信インターフェースは、通信インターフェースに送られる1つ以上のコマンドまたは信号を介してアクセスすることができる。
【0203】
本明細書内で説明する様々な構成要素は、説明した動作または機能を実行する手段であることができる。本明細書内で説明する各構成要素は、ソフトウェア、ハードウェア、またはこれらの組み合わせを含んでいる。構成要素は、ソフトウェアモジュール、ハードウェアモジュール、特定の目的向けハードウェア(例えば、特定用途向けハードウェア、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuits:ASICs)、デジタル信号プロセッサー(digital signal processors:DSPs)など)、埋め込み型コントローラー、配線式回路などとして実施することができる。
【0204】
本明細書内で説明したこと以外でも、開示した本発明の実施形態および実施態様の範囲から逸脱せずに、これらに様々な修正を施すことができる。したがって、本明細書内の図示および例は例示的であって、制限的ではないと解釈すべきである。本発明の範囲は、以下の請求項を参照することによってのみ判断すべきである。
図1
図2
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