(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-08
(45)【発行日】2023-06-16
(54)【発明の名称】回転検出ジョイスティック
(51)【国際特許分類】
G05G 9/047 20060101AFI20230609BHJP
G05G 5/03 20080401ALI20230609BHJP
G05G 25/00 20060101ALI20230609BHJP
【FI】
G05G9/047
G05G5/03 A
G05G25/00 C
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018109149
(22)【出願日】2018-06-07
【審査請求日】2021-06-01
(31)【優先権主張番号】10 2017 112 545.0
(32)【優先日】2017-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518201739
【氏名又は名称】メソード・エレクトロニクス・マルタ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】METHODE ELECTRONICS MALTA LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100087815
【氏名又は名称】岡本 昭二
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・スピテリ
【審査官】増岡 亘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0147642(US,A1)
【文献】特開2002-278695(JP,A)
【文献】特開2005-4315(JP,A)
【文献】特開2015-15203(JP,A)
【文献】特開平9-265873(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05G 9/047
G05G 5/03
G05G 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定数の回動軸を中心とした回転を検出するジョイスティック(10)であって、該ジョイスティック(10)は、
スティック(12)と、
前記スティック(12)が取り付けられる基部(14)と、
前記基部(14)の少なくとも一部が配置され、底板(18)を有する筐体(16)と、
所定数の磁石(20a~20d)であって、該所定数の磁石(20a~20d)は、前記複数の回動軸(22a~22d)に対応して
おり、該磁石(20a~20d)は、
前記基部(14)に取り付けられており、前記磁石(20a~20d)のそれぞれは、
前記回動軸(22a~22d)を規定し、前記基部(14)は、
前記回動軸を中心として前記筐体(16)に対して回転することができ、これによって、前記磁石(20a~20d)のうちの1つによって規定される
前記回動軸(22a~22d)は、この磁石(20a~20d)とは正反対に位置している、所定数の磁石(20a~20d)と、
前記筐体(16)の底板(18)に取り付けられるか、または前記筐体(16)の底板(18)の一部であるか、もしくは前記筐体(16)の底板(18)を構成す
る平板(24)である、磁性材料からなる磁気要素と、
前記所定数の回動軸(22a~22d)のうちの少なくとも1つを中心とした前記基部(14)の回転を検出するための少なくとも1つのセンサーと
を含む、ジョイスティック(10)であり、
前記基部(14)および前記基部(14)に取り付けられた前記磁石(20a~20d)は、前記磁石(20a~20d)が、引力によって前記磁気要素に向かって引き寄せられるように、前記磁気要素に対向して前記磁気要素と相互作用するように配置され
、
前記スティック(12)の中心軸(11)は、ノブ(26)の軸方向を規定しており、
前記ノブ(26)は、前記中心軸(11)からの径方向の広がり(27)を有しており、
前記回動軸(22a~22d)のうちの各回動軸に向かう方向における、前記中心軸(11)からの前記ノブ(26)の前記径方向の広がり(27)は、前記各回動軸(22a~22d)のすべての点について、前記各回動軸(22a~22d)から中央点(13)までの距離よりも小さいものである、
ジョイスティック(10)。
【請求項2】
所定数の回動軸を中心とした回転を検出するジョイスティック(10)であって、該ジョイスティック(10)は、
スティック(12)と、
前記スティック(12)が取り付けられる基部(14)と、
前記基部(14)の少なくとも一部が配置され、底板(18)を有する筐体(16)と、
スティック(12)内に配置され、前記複数の回動軸(22a~22d)に対応してい
る1つの磁石(29)であって、該磁石(29)は、
前記回動軸(22a~22d)を規定し、前記基部(14)は、
前記回動軸を中心として前記筐体(16)に対して回転することができる、1つの磁石(29)と、
前記筐体(16)の底板(18)に取り付けられるか、または前記筐体(16)の底板(18)の一部であるか、もしくは前記筐体(16)の底板(18)を構成す
る平板(24)である、磁性材料からなる磁気要素と、
前記所定数の回動軸(22a~22d)のうちの少なくとも1つを中心とした前記基部(14)の回転を検出するための少なくとも1つのセンサーと
を含む、ジョイスティック(10)であり、
前記基部(14)および前記磁石(29)は、前記磁石(29)が、引力によって前記磁気要素に向かって引き寄せられるように、前記磁気要素に対向して前記磁気要素と相互作用するように配置され
、
前記スティック(12)の中心軸(11)は、ノブ(26)の軸方向を規定しており、
前記ノブ(26)は、前記中心軸(11)からの径方向の広がり(27)を有しており、
前記回動軸(22a~22d)のうちの各回動軸に向かう方向における、前記中心軸(11)からの前記ノブ(26)の前記径方向の広がり(27)は、前記各回動軸(22a~22d)のすべての点について、前記各回動軸(22a~22d)から中央点(13)までの距離よりも小さいものである、
ジョイスティック(10)。
【請求項3】
前記スティック(12)は中心軸に沿って延びていて、前記基部(14)は少なくとも部分的に板状であり、少なくとも前記板状の部分は平面上に延びており、前記スティック(12)の中心軸と、前記板状の部分が延びる平面との交点は、前記ジョイスティック(10)の中央点を規定しており、前記回動軸(22a~22d)のいずれもが前記中央点を含んでいない、請求項1または2に記載のジョイスティック(10)。
【請求項4】
前記スティック(12)および前記基部(14)は、一体に形成されている、請求項
1~3のいずれか1項に記載のジョイスティック(10)。
【請求項5】
前記スティック(12)および前記基部(14)は、プラスチック製である、請求項
1~4のいずれか1項に記載のジョイスティック(10)。
【請求項6】
前記スティック(12)は、前記基部(14)に取り付けられた第1の端部(12a)と、第2の端部(12b)とを含んでおり、前記第2の端部(12b)には、ノブ(26)が、前記スティック(12)を中心として回転可能に配置され、該ノブ(26)は、前記スティック(12)を中心とした前記ノブ(26)の回転量を検出するために備えられる、請求項1~5のいずれか1項に記載のジョイスティック(10)。
【請求項7】
前記回動軸(22a~22d)の所定数と前記磁石(20a~20d)の所定数とは同
一であるか、または前記回動軸(22a~22d)の所定数は、前記磁石(20a~20d)の所定数の2倍である、請求項1に記載のジョイスティック(10)。
【請求項8】
前記回動軸(22a~22d)を中心とした前記基部(14)の回転を支持する回動点(28)を更に含む、請求項1~7のいずれか1項に記載のジョイスティック(10)。
【請求項9】
前記スティック(12)の中心軸が、前記スティック(12)の軸方向を規定し、前記スティック(12)は、前記中心軸から径方向に広がっており、前記回動軸(22a~22d)のうちの1つの回動軸に向かう方向における、前記中心軸からの前記スティック(12)の径方向の広がりは、前記回動軸(22a~22d)のうちの1つの回動軸のすべての点について、前記回動軸(22a~22d)のうちの1つの回動軸から前記中央点までの距離よりも小さい、請求項3~8のいずれか1項に記載のジョイスティック(10)。
【請求項10】
前記スティック(12)の中心軸が、前記スティック(12)の軸方向を規定し、前記スティック(12)は、前記中心軸から径方向に広がっており、前記回動軸(22a~22d)のうちの各回動軸に向かう方向における、前記中心軸からの前記スティック(12)の径方向の広がりは、各回動軸(22a~22d)のすべての点について、各回動軸(22a~22d)から前記中央点までの距離よりも小さい、請求項3~8のいずれか1項に記載のジョイスティック(10)。
【請求項11】
前記スティック(12)の中心軸が、前記ノブ(26)の軸方向を規定し、前記ノブ(26)は、前記中心軸から径方向に広がっていて、前記回動軸(22a~22d)のうちの各回動軸に向かう方向における、前記中心軸からの前記ノブ(26)の径方向の広がりは、各回動軸(22a~22d)のすべての点について、各回動軸から前記中央点までの距離よりも小さい、請求項6~10のいずれか1項に記載のジョイスティック(10)。
【請求項12】
前記少なくとも1つのセンサーは、ホールセンサーまたは光学式センサーである、請求項1~11のいずれか1項に記載のジョイスティック(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載のジョイスティックに関する。
【背景技術】
【0002】
ジョイスティックは、従来、多くの分野で用いられてきた。1980年代には、ジョイスティックは、例えば、コンピュータゲームや他のアプリケーションの制御に広く用いられるようになった。
【0003】
近年、ジョイスティックは、自動車において、自動車のいくつかの機能を制御するのに、ますます用いられている。通常、このようなジョイスティックは、ナビゲーションシステム、ラジオ、携帯電話を操作したり、各自動車の設定を調整したりするために、自動車に備えられる。
【0004】
例えば、ジョイスティックは、アプリーションのメニュー内を移動するために、1つ以上(通常は4つ)の回動軸を中心としたスティックの動き(通常は回転)を検出するように備えられる。その動きは、通常、ジョイスティック内に配置されている弾性要素の力に抗して実現される。検出された動きは、その後、例えば、項目リスト内を下に移動したり、上、左、または右に移動したりするなど、メニュー内を移動するのに利用される。
【0005】
当該技術水準において公知のジョイスティックの実施形態が、独国特許出願DE10 2014 108 195 A1号に開示されており、この出願では、円筒形の操作シャフトを有する操作部材と、操作部材とともに、単一の回動軸に沿って傾倒動作を行い、操作シャフトをその中心から、すなわち磁石の内側で回動させ、それにより操作シャフトの一方側の磁石の分離および反対側の磁石の引き寄せを利用して操作シャフト力を得ることが可能な傾倒部材とを含む、多方向性アクチュエーター装置が示されている。
【0006】
しかしながら、この解決策の欠点として、ジョイスティックを回動方向にのみ動かすということができないということがある。したがって、この解決策では、動きの数を制限する追加部品が必要となる。操作シャフトをその中心から回動させることによって単一の回動軸を与えるのは、操作部材のみであるため、使用者にはその触覚が柔らかいものとなり、使用者の操作によって操作部材に作用する力が、操作部材の外側に位置する磁石へと正確に伝達されない。
【0007】
この構成のさらなる欠点として、ゼロ位置(スティックが回動軸のまわりを回転していない場合)においてジョイスティックに軽く触れた場合に、例えば0.1~0.4ミリメートル程度のいくらかの遊びが生じるということがある。技術的観点からは、この遊びは現実のものではなく、ゼロ位置におけるスティックの前負荷が約0.4~0.6ニュートンと低く、遊びと感じる感覚を使用者に与えることに起因するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】DE 10 2014 108 195 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
先行技術に係るジョイスティックの上記欠点に鑑み、本発明は、使用時、スティックがゼロ位置にある場合に遊びの感覚を感じることのないジョイスティックを提供することを目的とする。
【0010】
また、ジョイスティックが動く方向にかかわらず、ジョイスティックの触覚を均一にすることをさらなる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、本発明の請求項1に記載のジョイスティックによって達成される。
【0012】
したがって、本発明の目的は、所定数の回動軸を中心とした回転を検出するジョイスティックによって達成され、該ジョイスティックは、スティックと、前記スティックが取り付けられる基部と、前記基部の少なくとも一部が配置され、底板を有する筐体とを含む。前記ジョイスティックは、1つ、または所定数すなわち複数の磁石をさらに含む。1つより多い複数の回動軸が備えられ、これらの回動軸を中心とした回転が検出される。前記1つまたは複数の磁石は、前記基部に取り付けられており、前記1つの磁石または前記複数の磁石のそれぞれは、前記複数の回動軸のうちの1つの回動軸を規定し、前記基部は、その回動軸を中心として前記筐体に対して回転することができる。前記回動軸はそれぞれ、各磁石に対向している。前記ジョイスティックは、前記筐体の底板に取り付けられるか、または前記筐体の底板の一部であるか、もしくは前記筐体の底板を構成する、特に平板である、磁性材料からなる磁気要素と、前記所定数の回動軸のうちの少なくとも1つを中心とした前記基部の回転を検出するための少なくとも1つのセンサーとをさらに含む。前記基部および前記基部に取り付けられた前記1つまたは複数の磁石は、前記磁石が、引力によって前記磁気要素に向かって引き寄せられるように、前記磁気要素に対向して前記磁気要素と相互作用するように配置される。
【0013】
スティックという表現の同義語としては、例えばシャフト、操作部材、バーなどが挙げられる。
【0014】
本発明の一実施形態(第1の実施形態)は、複数の、すなわち多数の磁石を含んでおり、前記所定数の磁石は、前記スティックの外側に配置され、かつ前記複数の、すなわち多数の回動軸に対応しており、これらの回動軸を中心とした回転が検出される。
【0015】
本発明の他の実施形態(第2の実施形態)は、有利には、前記スティック内において同軸上に配置される単一の磁石を含む。また、この実施形態においては、前記単一の磁石は、複数の、すなわち多数の回動軸に対応しており、これらの回動軸を中心とした回転が検出される。この実施形態(第2の実施形態)によって、前記ジョイスティックのより良い、特に均一な触覚が得られる。何故なら、標準的な製造公差を免れない各単一磁石において、力(引張力)の値が異なるために触覚に影響を及ぼす効果が、回避されるからである。
【0016】
どちらの実施形態においても、前記複数の回動軸が、前記1つの磁石または複数の磁石とは正反対に位置しているということが共通している。よって、異なる構造上の特徴を区別する必要が生じない限り、どちらの実施形態も統一的に説明する。
【0017】
どちらの実施形態においても、前記スティックおよび基部は、前記磁気要素に向かって引き寄せられる1つ以上の磁石によって、ゼロ位置に保持される。このことは、前記磁気要素から前記磁石を持ち上げて引き離す(回動軸を中心として回転させる場合、前記スティックは、前記磁気要素から1つの磁石-つまり、前記基部が回転する回動軸を規定する磁石-を持ち上げる方向に動く)のに必要な初期力は、高い力であり、すなわち、前記スティックおよび基部を動かすプロセス全体において最も高い力が必要であるということを意味する。したがって、ゼロ位置において、遊びの感覚は生じない。
【0018】
好ましくは、前記スティックは中心軸に沿って延びていて、前記基部は少なくとも部分的に板状であり、少なくとも前記板状の部分は平面上に延びており、前記スティックの中心軸と、前記板状の部分が延びる平面との交点は、前記ジョイスティックの中央点を規定しており、前記回動軸のいずれもが前記中央点を含んでいない。このことは、すべての回動軸が、分散して並んでいることを意味する。
【0019】
前記スティックおよび前記基部は、一体に形成されていてもよく、例えばプラスチック、金属、またはアルミニウム製の同じ材料で形成されていてもよい。これによって、生産費用を抑えることができる。
【0020】
前記スティックは、場合によっては、前記基部に取り付けられた第1の端部と、第2の端部とを含んでいてもよく、前記第2の端部には、ノブが、前記スティックを中心として回転可能に配置され、該ノブは、前記スティックを中心とした前記ノブの回転量を検出するために備えられる。これによって、装置またはアプリケーションの制御における自由度がさらに高まる。前記スティックが動く方向を検出することに次いで、前記アプリケーションまたは装置の制御のために、前記ノブの回転量を検出することができる。
【0021】
第1の実施形態においては、前記回動軸の所定数と前記磁石の所定数とは同一であり、特に、4つ、6つ、または8つである。したがって、前、後、左、および右、または中間段階への動きを、容易にかつ確実に検出することができる。前記複数の回動軸は、それぞれ、前記スティックに力がかかった際、すなわち前記スティックおよび前記基部が対応する回動軸を中心として回転する際に持ち上げられる特定の磁石と相互作用する。このことは、磁石によって規定される前記複数の回動軸は、それぞれ、常に、前記スティックにかかる力の方向において、前記磁石と反対の位置にあるということを意味する。これは、例えば、ラジオ、ナビゲーションシステム、または例えば自動車の設定などの同様のアプリケーションおよび装置のメニュー内を移動するのに理想的な構成である。他の可能な実施形態においては、より少ない磁石でさらなる動きを得ることが可能である。例えば、4つの磁石を用いて8種の動きを検出することができる。別の実施形態においては、前記ジョイスティックは、触覚を与える磁石のうちの2つに対して斜めに回動することが可能である。この場合、N/E/S/W群(傾倒方向を地理的な方向で示す場合)とNE/SE/SW/NW群との間において、力は均一にはならないが、このように実現されることで、経済的な構成が確実なものとなる。
【0022】
第2の実施形態は、複数の磁石、多数の磁石は備えずに、1つ(単一)の磁石を備えるという点で第1の実施形態と異なる。有利には、前記1つの磁石は、前記スティック内に同軸上に配置される。より好ましい実施形態においては、前記磁石は、前記基部に近い前記スティックの底面部において、同軸上に位置している。また、この実施形態においても、前記ジョイスティックに対する力が実現されている。第1の実施形態と比較して、前記回動軸は変化していない。前記スティックは、第1の実施形態に係るスティックと同様に、前、後、左、右、または中間段階へと動く。第2の実施形態は、磁石を1つのみ有しているが、前記スティックにかかる力の方向と反対の位置にある回動軸が有効となるように、前記複数の回動軸のそれぞれが、この単一の磁石に関連している。
【0023】
前記回動軸を中心とした前記基部の回転を支持する回動点は、前記ジョイスティックの一部であってもよい。これによって、安定した構成となる。
【0024】
どちらの実施形態に関しても、前記スティックの中心軸が、前記スティックの軸方向を規定しており、前記スティックは、前記中心軸から径方向に広がっている。前記回動軸のうちの少なくとも1つの回動軸または各回動軸に向かう方向における、前記中心軸からの前記スティックの径方向の広がりは、各回動軸のすべての点について、各回動軸から前記中央点までの距離よりも小さい。あるいは、またはさらには、前記回動軸のうちの少なくとも1つの回動軸または各回動軸に向かう方向における、前記中心軸からの前記スティックの径方向の広がりは、各回動軸から前記スティックの中心軸までの最小距離よりも小さい。
【0025】
どちらの実施形態においても、前記スティックの中心軸が、前記ノブの軸方向を規定していてもよく、前記ノブは、前記中心軸から径方向に広がっていて、前記回動軸のうちの各回動軸に向かう方向における、前記中心軸からの前記ノブの径方向の広がりは、各回動軸のすべての点について、各回動軸から前記中央点までの距離よりも小さい。あるいは、またはさらには、前記回動軸のうちの各回動軸に向かう方向における、前記中心軸からの前記ノブの径方向の広がりは、各回動軸から前記スティックの中心軸までの最小距離よりも小さい。
【0026】
径方向の寸法および距離が上記のように規定されているために、前記回動軸は、上方から基部にわたる前記スティックおよび/またはノブの突出の外側に位置している。これは、前記スティックおよび/またはノブの中心軸と平行な力がかかった際に、前記スティックおよび/またはノブを傾倒させることができず、したがって、回動軸のうちの1つを中心とした前記スティック/ノブおよび基部の回転は、そのような力がかかった際に開始されないということを意味する。
【0027】
前記回転を検出するための少なくとも1つのセンサーは、ホールセンサーまたは光学式センサーであってもよい。これによって、正確な無接触測定が確実に行われる。
【0028】
本発明のさらなる任意の特徴については、従属クレームおよび以下の図面の説明において述べる。いずれの場合においても、記載の特徴は、個別に実現することもできるし、所望の任意の組み合わせで実現することもできる。したがって、本発明を、添付の図面を参照し、かつ例示的な実施形態に基づいて、以下で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明のジョイスティックの第1の実施形態に係る例示的な構成の側断面図。
【
図3】スティックおよび基部を傾倒させた状態の
図1のジョイスティックの側断面図。
【
図4】スティックおよび基部を傾倒させた状態の第2の実施形態に係る例示的な構成の側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
例えば
図1に見られるように、本発明に係るジョイスティック10の可能な実施形態は、スティック12と、スティック12が取り付けられる基部14と、基部14が配置される筐体16とを含む。筐体16は、底板18を含む。
【0031】
ジョイスティック10は、4つの磁石20a~20dをさらに含み、複数の磁石は、複数の回動軸(すなわち、4つの回動軸22a~22d)に対応していて、これらの回動軸を中心とした回転が検出される。磁石20a~20dは、基部14に取り付けられており、磁石20a~20dは、それぞれ、対応する回動軸22a~22dを規定し、この回動軸を中心として、基部14が筐体16に対して回転することができる。
【0032】
ここで説明する実施形態において平板24として実装されている、(強磁性またはフェリ磁性)磁性材料(例えば磁性鋼)からなる磁気要素は、筐体16の底板18に取り付けられる。別の実施形態においては、平板24は、底板18の一部であってもよいし、底板18を構成するものであってもよい。基部14および基部14に取り付けられた磁石20a~20dは、磁石が、引力によって平板24に向かって引き寄せられるように、平板24に対向して平板24と相互作用するように配置される。スティック12および基部14のゼロ位置において、すなわちスティック12および基部14が、回動軸22a~22dのうちのいずれにおいても回転していない位置において、磁石20a~20dは、基部14を平板24に確実に固定する。
【0033】
回動軸22a~22dを中心とした基部の回転を検出するための4つのセンサー(図示せず)が、筐体16の底板18に配置される。ここで説明する実施形態においては、センサーは、ホールセンサーである。別の実施形態においては、例えば光学式センサーなどの他の種類のセンサーが用いられてもよい。
【0034】
基部に平行な方向に作用する力、または基部14に平行な方向に作用する成分を有する力(
図3中矢印で示す)がスティック12にかかった場合(
図3参照)、磁石20a~20dのうちの1つとスティック12とが平板24から持ち上げられ、スティック12および基部14が、磁石20a~20dで規定される、すなわち持ち上げられる磁石20a~20dに対応する、回動軸22a~22dのうちの対応する回動軸を中心として回転する。なお、磁石20a~20dで規定される回動軸22a~22dとは、常に、スティック12にかかる力の方向において、磁石と反対の位置にある回動軸である。力が北方向に向いてかかった場合、スティックの南に位置する磁石20a~20dが持ち上げられ、スティック12および基部14は、スティック12の北に位置する回動軸22a~22dを中心として回転する。磁石を持ち上げるための初期力は、かなり高いので、ゼロ位置にあるスティック12において、遊びの感覚は生じ得ない。
【0035】
スティック12は、中心軸11に沿って伸びており(
図1、
図3参照)、基部14は、少なくとも部分的に板状であり、少なくとも板状の部分は平面上に延びており、スティック12の中心軸11と、板状の部分が延びる平面との交点は、ジョイスティック10の中央点13を規定している。回動軸22a~22dのいずれもが、中央点を含んでいない。
【0036】
スティック12および基部14は、一体的に形成されており、プラスチックまたは他の適切な材料からなる。スティック12は、第1の端部12aと、第2の端部12bとを含み、第2の端部12bは、基部14に取り付けられている。第1の端部12aには、ノブ26が、スティック12を中心として回転可能に配置され、ノブ26は、スティック12を中心としたノブ26の回転量を検出するために備えられる。ノブによって、使用者のさらなる動き(自由度)を検出して制御操作などに用いることができる。
【0037】
回動軸22a~22dを中心とした基部14の回転を支持する回動点28は、矩形の筐体16の角に配置されている。
【0038】
スティック12の中心軸11は、スティック12の軸方向を規定しており、スティック12は、逆向きの矢印で示される、中心軸11からの径方向の広がり15を有していて、回動軸22a~22dのうちの各回動軸に向かう方向における、中心軸からのスティック12の径方向の広がりは、各回動軸22a~22dのすべての点について、各回動軸22a~22dから中央点13までの距離よりも小さい。
【0039】
さらに、スティック12の中心軸11は、ノブ26の軸方向を規定しており、ノブ26は、逆向きの矢印で示される、中心軸11からの径方向の広がり27を有していて、回動軸22a~22dのうちの各回動軸に向かう方向における、中心軸11からのノブ26の径方向の広がり27は、各回動軸22a~22dのすべての点について、各回動軸22a~22dから中央点13までの距離よりも小さい。
【0040】
したがって、回動軸22a~22dは、上方から基部14にわたる前記スティック12および/またはノブ26の突出の外側に位置しており、これは、スティック12および/またはノブ26の中心軸と平行な力がかかった際に、スティック12および/またはノブ26を傾倒させることができず、したがって、回動軸22a~22dのうちの1つを中心としたスティック12/ノブ26および基部14の回転は、そのような力がかかった際に開始されないということを意味する。
【0041】
例えば
図4に見られるように、本発明に係るジョイスティック10の可能な第2の実施形態は、スティック12と、スティック12が取り付けられる基部14と、基部14が配置される筐体16とを含む。筐体16は、底板18を含む。
【0042】
ジョイスティック10は、1つの磁石29をさらに含み、この磁石は、複数の回動軸(すなわち、4つの回動軸22a~22d)に対応しており、これらの回動軸を中心とした回転が検出される。磁石29は、スティック12の底面部において、同軸上に配置され、かつ基部14に取り付けられており、磁石29は、対応する回動軸22a~22dを規定し、この回動軸を中心として、基部14が筐体16に対して回転することができる。
【0043】
ここで説明する実施形態において平板24として実装されている、(強磁性またはフェリ磁性)磁性材料(例えば磁性鋼)からなる磁気要素は、筐体16の底板18に取り付けられる。別の実施形態においては、平板24は、底板18の一部であってもよいし、底板18を構成するものであってもよい。基部14および基部14に取り付けられた磁石29は、磁石29が、引力によって平板24に向かって引き寄せられるように、平板24に対向して平板24と相互作用するように配置される。スティック12および基部14のゼロ位置において、すなわちスティック12および基部14が、回動軸22a~22dのうちのいずれにおいても回転していない位置において、磁石29は、基部14を平板24に確実に固定する。
【0044】
回動軸22a~22dを中心とした基部の回転を検出するための複数のセンサー(図示せず)が、筐体16の底板18に配置される。ここで説明する実施形態においては、センサーは、ホールセンサーである。別の実施形態においては、例えば光学式センサーなどの他の種類のセンサーが用いられてもよい。
【0045】
基部14に平行な方向に作用する力、または基部14に平行な方向に作用する成分を有する力(
図3中矢印で示す)がスティック12にかかった場合(
図4参照)、磁石29とスティック12とが基部14から持ち上げられ、スティック12および基部14が、磁石29で規定される回動軸22a~22dのうちの対応する回動軸を中心として回転する。なお、磁石29で規定される回動軸22a~22dとは、常に、スティック12にかかる力に対して磁石29が平行に回動する方向と反対の位置にある回動軸である。力が、スティック12および磁石29に対して北方向に向いてかかった場合、スティックの南に位置する平板24の一部が持ち上げられ、スティック12および基部14は、スティック12および磁石29の北に位置する回動軸22a~22dを中心として回転する。磁石を持ち上げるための初期力は、かなり高いので、ゼロ位置にあるスティック12において、遊びの感覚は生じ得ない。
【0046】
スティック12は、中心軸11に沿って伸びており(
図4参照)、基部14は、少なくとも部分的に板状であり、少なくとも板状の部分は平面上に延びており、スティック12の中心軸11と、板状の部分が延びる平面との交点は、ジョイスティック10の中央点13を規定している(
図5参照)。回動軸22a~22dのいずれもが、中央点を含んでいない。
【0047】
スティック12および基部14は、一体的に形成されており、プラスチックまたは他の適切な材料からなる。スティック12は、第1の端部12aと、第2の端部12bとを含み、第2の端部12bは、基部14に取り付けられている。第1の端部12aには、ノブ26が、スティック12を中心として回転可能に配置され、ノブ26は、スティック12を中心としたノブ26の回転量を検出するために備えられる。ノブによって、使用者のさらなる動き(自由度)を検出して制御操作などに用いることができる。
【0048】
回動軸22a~22dを中心とした基部14の回転を支持する回動点28は、矩形の筐体16の角に配置されている。
【0049】
スティック12の中心軸11は、スティック12の軸方向を規定しており、スティック12は、逆向きの矢印で示される、中心軸11からの径方向の広がり15を有していて、回動軸22a~22dのうちの各回動軸に向かう方向における、中心軸11からのスティック12の径方向の広がりは、各回動軸22a~22dのすべての点について、各回動軸22a~22dから中央点13までの距離よりも小さい。
【0050】
さらに、スティック12の中心軸11は、ノブ26の軸方向を規定しており、ノブ26は、逆向きの矢印で示される、中心軸11からの径方向の広がり27を有していて、回動軸22a~22dのうちの各回動軸に向かう方向における、中心軸11からのノブ26の径方向の広がり27は、各回動軸22a~22dのすべての点について、各回動軸22a~22dから中央点13までの距離よりも小さい。
【0051】
したがって、回動軸22a~22dは、上方から基部14にわたる前記スティック12および/またはノブ26の突出の外側に位置しており、これは、スティック12および/またはノブ26の中心軸と平行な力がかかった際に、スティック12および/またはノブ26を傾倒させることができず、したがって、回動軸22a~22dのうちの1つを中心としたスティック12/ノブ26および基部14の回転は、そのような力がかかった際に開始されないということを意味する。
【0052】
図2および
図5の実施形態のいずれにおいても、「n」は、スティック12が動く方向と、さらに-第2の実施形態の場合-磁石29が動く方向との例示的な数を表す。スティック12の力利用長(force use length)は、力磁石半径(force magnet radius)Rに相当するので、FuLs=FmRである。
【符号の説明】
【0053】
10 ジョイスティック
11 中心軸
12 スティック
12a スティックの第1の端部
12b スティックの第2の端部
13 中央点
14 基部
15 径方向の広がり
16 筐体
18 底板
20a~20d 磁石
22a~22d 回動軸
24 磁性平板
26 ノブ
27 径方向の広がり
28 回動点
29 磁石