(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-08
(45)【発行日】2023-06-16
(54)【発明の名称】サポート部材及び横型ブラインド
(51)【国際特許分類】
E06B 9/322 20060101AFI20230609BHJP
【FI】
E06B9/322
(21)【出願番号】P 2019089802
(22)【出願日】2019-05-10
【審査請求日】2022-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】黒岩 修一
(72)【発明者】
【氏名】植松 貴俊
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-216991(JP,A)
【文献】特開平01-192988(JP,A)
【文献】特開2001-271576(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0222722(US,A1)
【文献】特開2010-255386(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0109471(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/24-9/388
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チルトサポートと、巻取軸サポートを備えるサポート部材であって、
前記チルトサポートは、チルトドラムを回転可能に支持可能であり、
前記巻取軸サポートは、巻取軸を回転可能に支持可能であり、
前記巻取軸サポートは、前記チルトサポートに
上下方向に着脱自在に構成され
、
前記巻取軸サポートを前記チルトサポートに取り付ける場合において、前記チルトサポートの上から前記巻取軸サポートが前記チルトサポートに取り付けられる、サポート部材。
【請求項2】
請求項
1に記載のサポート部材であって、
前記巻取軸サポートは、前記巻取軸の軸方向において、前記チルトドラムが支持される位置を境として対称に取り付け可能である、サポート部材。
【請求項3】
請求項
1に記載のサポート部材であって、
前記チルトサポートは、第1及び第2係合部を有し、
前記巻取軸サポートは、第1及び第2係合部に選択的に係合可能であり、
前記巻取軸サポートが第1係合部に係合しているときの前記巻取軸サポートの配置と、前記巻取軸サポートが第2係合部に係合しているときの前記巻取軸サポートの配置とは、前記巻取軸の軸方向において、対称である、サポート部材。
【請求項4】
請求項
3に記載のサポート部材であって、
前記巻取軸サポートは、取付部と、巻取軸サポート本体とを有し、
前記取付部は、第1及び第2係合部に選択的に係合可能であり、
前記巻取軸は、前記巻取軸サポート本体に設けられ、
前記取付部が第1係合部に係合している状態において、前記巻取軸サポート本体は第2係合部に配置され、
前記取付部が第2係合部に係合している状態において、前記巻取軸サポート本体は第1係合部に配置される、サポート部材。
【請求項5】
チルトサポートと、巻取軸サポートを備えるサポート部材であって、
前記チルトサポートは、チルトドラムを回転可能に支持可能であり、
前記巻取軸サポートは、巻取軸を回転可能に支持可能であり、
前記巻取軸サポートは、前記チルトサポートに着脱自在に構成され、
前記巻取軸サポートは、前記巻取軸の軸方向において、前記チルトドラムが支持される位置を境として対称に取り付け可能である、サポート部材。
【請求項6】
チルトサポートと、巻取軸サポートを備えるサポート部材であって、
前記チルトサポートは、チルトドラムを回転可能に支持可能であり、
前記巻取軸サポートは、巻取軸を回転可能に支持可能であり、
前記巻取軸サポートは、前記チルトサポートに着脱自在に構成され、
前記チルトサポートは、第1及び第2係合部を有し、
前記巻取軸サポートは、第1及び第2係合部に選択的に係合可能であり、
前記巻取軸サポートが第1係合部に係合しているときの前記巻取軸サポートの配置と、前記巻取軸サポートが第2係合部に係合しているときの前記巻取軸サポートの配置とは、前記巻取軸の軸方向において、対称である、サポート部材。
【請求項7】
チルトサポートと、巻取軸サポートを備えるサポート部材であって、
前記チルトサポートは、ドラム軸受部を有し、
前記ドラム軸受部は、チルトドラムを回転可能に支持可能であり、
前記巻取軸サポートは、巻取軸受部を有し、且つ、前記巻取軸サポートは、前記チルトサポートに着脱自在に構成され、
前記巻取軸受部は、巻取軸を回転可能に支持可能であり、
前記ドラム軸受部の軸心と前記巻取軸受部の軸心とは、水平前後方向に配置されている、サポート部材。
【請求項8】
チルトサポートを備え、
前記チルトサポートは、チルトドラムを回転可能に支持可能であり、且つ、巻取軸を回転可能に支持可能な巻取軸サポートが着脱自在に構成され、且つ、昇降コードを通す孔部を有する、サポート部材。
【請求項9】
チルト・巻取ユニットと、チルトユニットとを備える横型ブラインドであって、
前記チルト・巻取ユニットは、第1サポート部材に前記巻取軸と前記チルトドラムが支持されて構成され、
第1サポート部材は、請求項1~請求項
7の何れか1つに記載のサポート部材であり、
前記チルトユニットは、第2サポート部材に前記チルトドラムが支持されて構成され、
第2サポート部材は、第1サポート部材の前記チルトサポートと同一構成である、横型ブラインド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サポート部材及び横型ブラインドに関する。
【背景技術】
【0002】
横型ブラインドは、板状の回動可能なスラットを複数有するものが各種提案されている。横型ブラインドのスラットにはラダーコード及び昇降コードが付設される(例えば、特許文献1参照)。ラダーコードは操作部(例えば、操作コード等)の操作に伴って動作し、それに伴って、スラットが回動する。また、昇降コードも、操作部の操作に伴って上下に動作しそれに伴って、スラットがスライド移動する。
【0003】
ここで、従来の横型ブラインドには、ラダーコードが取り付けられているチルトドラムと、昇降コードが取り付けられている巻取軸と、これらを保持するケースと、を備えるサポート部材が搭載されているものがある。この従来のサポート部材は、ラダーコードを動作させる構成及び昇降コードを動作させる構成がユニット化されている(以下、第1構成と称する)。また、従来のサポート部材には、例えば、チルトドラムのみを保持するケースを備えたものもある(以下、第2構成と称する)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
横型ブラインドには、ラダーコード及び昇降コードがスラットに並列に設けられる箇所や、ラダーコードのみがスラットに設けられる箇所がそれぞれ存在することがある。この場合には、第1構成のサポート部材を設計する必要があるだけでなく、第2構成のサポート部材も併せて設計する必要がある。つまり、従来の横型ブラインドのサポート部材は、上述した箇所に対応することができるように、2ユニット分の設計が必要になる。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、汎用性が高められているサポート部材及び横型ブラインドを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、チルトサポートと、巻取軸サポートを備えるサポート部材であって、前記チルトサポートは、チルトドラムを回転可能に支持可能であり、前記巻取軸サポートは、巻取軸を回転可能に支持可能であり、前記巻取軸サポートは、前記チルトサポートに着脱自在に構成されている、サポート部材が提供される。
【0008】
本発明によれば、サポート部材は巻取軸サポート及びチルトサポートを備えており、そして、巻取軸サポートは、チルトサポートに着脱自在に構成されている。
ラダーコード及び昇降コードが遮蔽材に並列に設けられる箇所には、巻取軸サポートがチルトサポートに取り付けられた状態のサポート部材が、ヘッドボックスに取り付けられる。
ラダーコードのみが遮蔽材に設けられる箇所には、巻取軸サポートを取り外したチルトサポートが、ヘッドボックスに取り付けられる。
つまり、本発明によれば、1ユニットとしての巻取軸サポート及びチルトサポートの設計をしておけば、上述した両方の箇所に対応することができるので、汎用性が高められている。
【0009】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記巻取軸サポートは、前記チルトサポートに対して、上下方向に着脱自在に構成されている、サポート部材が提供される。
好ましくは、前記巻取軸サポートは、前記巻取軸の軸方向において、前記チルトドラムが支持される位置を境として対称に取り付け可能である、サポート部材が提供される。
好ましくは、前記チルトサポートは、第1及び第2係合部を有し、前記巻取軸サポートは、第1及び第2係合部に選択的に係合可能であり、前記巻取軸サポートが第1係合部に係合しているときの前記巻取軸サポートの配置と、前記巻取軸サポートが第2係合部に係合しているときの前記巻取軸サポートの配置とは、前記巻取軸の軸方向において、対称である、サポート部材が提供される。
好ましくは、前記巻取軸サポートは、取付部と、巻取軸サポート本体とを有し、前記取付部は、第1及び第2係合部に選択的に係合可能であり、前記巻取軸は、前記巻取軸サポート本体に設けられ、前記取付部が第1係合部に係合している状態において、前記巻取軸サポート本体は第2係合部に配置され、前記取付部が第2係合部に係合している状態において、前記巻取軸サポート本体は第1係合部に配置される、サポート部材が提供される。
【0010】
本発明の別の観点の実施形態によれば、チルトサポートと、巻取軸サポートを備えるサポート部材であって、前記チルトサポートは、ドラム軸受部を有し、前記ドラム軸受部は、チルトドラムを回転可能に支持可能であり、前記巻取軸サポートは、巻取軸受部を有し、且つ、前記巻取軸サポートは、前記チルトサポートに着脱自在に構成され、前記巻取軸受部は、巻取軸を回転可能に支持可能であり、前記ドラム軸受部の軸心と前記巻取軸受部の軸心とは、水平前後方向に配置されている、サポート部材が提供される。
【0011】
本発明の別の観点の実施形態によれば、チルトサポートを備え、前記チルトサポートは、チルトドラムを回転可能に支持可能であり、且つ、巻取軸を回転可能に支持可能な巻取軸サポートが着脱自在に構成され、且つ、昇降コードを通す孔部を有する、サポート部材が提供される。
【0012】
本発明の別の観点の実施形態によれば、チルト・巻取ユニットと、チルトユニットとを備える横型ブラインドであって、前記チルト・巻取ユニットは、第1サポート部材に前記巻取軸と前記チルトドラムが支持されて構成され、第1サポート部材は、上記の何れかに記載のサポート部材であり、前記チルトユニットは、第2サポート部材に前記チルトドラムが支持されて構成され、第2サポート部材は、第1サポート部材の前記チルトサポートと同一構成である、横型ブラインドが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図3】横型ブラインド10の正面図であって、ヘッドボックス11の内部構造の説明図である。
【
図4】ヘッドボックス11の上面図であって、ヘッドボックス11の内部構造の説明図である。
【
図5】
図4に示すヘッドボックス11等のA-A断面図である。
【
図6】チルト・巻取ユニット1の左正面斜視図である。
【
図7】チルト・巻取ユニット1の右背面斜視図である。
【
図8】チルト・巻取ユニット1の左正面分解斜視図である。
【
図9】チルト・巻取ユニット1の右正面分解斜視図である。
【
図10】チルト・巻取ユニット1の左背面分解斜視図である。
【
図11】チルト・巻取ユニット1の右背面分解斜視図である。
【
図12】
図12Aは取付部21を第1係合部ps1に取り付ける様子を示し、
図12Bは取付部21を第2係合部ps2に取り付ける様子を示している。
【
図13】巻取軸サポート20及びチルトサポート30の底面側分解斜視図である。
【
図14】巻取軸サポート20及びチルトサポート30が組み合わされた状態における上面側分解斜視図である。
【
図15】巻取軸サポート20及びチルトサポート30が組み合わされた状態における底面側分解斜視図である。
【
図16】巻取軸サポート20及びチルトサポート30が組み合わされた状態における背面側分解斜視図である。
【
図17】
図17Aは巻取軸23が巻取軸サポート20に設けられている状態における、巻取軸サポート20及びチルトサポート30の上面図であり、
図17Bは巻取軸23が巻取軸サポート20から取り外されている状態における、巻取軸サポート20及びチルトサポート30の上面図である。
図17A及び
図17Bではチルトドラム31がチルトサポート30から取り外されている。
【
図20】
図18Bに示す切断面A-Aで巻取軸サポート20及びチルトサポート30を2分割した状態を示す切断図である。
【
図23】
図23Aはチルトユニット3の左背面分解斜視図であり、
図23Bはチルトユニット3の右背面分解斜視図である。
【
図27】
図27Aは組立体2(巻取軸サポート20及び巻取軸23の組立体)の左正面分解斜視図であり、
図27Bは組立体2の右正面分解斜視図である。
【
図31】電動式の横型ブラインド10の正面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴について独立して発明が成立する。
【0015】
1.全体構成
図1~
図5に示すように、横型ブラインド10には、建築物等に据付されるヘッドボックス11から垂下されるループ状の操作コード15が設けられている。操作コード15は実施形態においてボールチェーンであるが、これに限定されるものではない。ヘッドボックス11は、例えばヘッドボックス等に対応する構成である。横型ブラインド10は水平方向に延びる複数のスラット12を備えている。そして、複数のスラット12がヘッドボックス11から降ろされている状態において、複数のスラット12は
図1に示すように、上下方向に並ぶように設けられている。
【0016】
横型ブラインド10は、ヘッドボックス11と、複数のスラット12と、昇降コード13Aと、ラダーコード13B(チルトコードに対応)と、ボトムレール14と、操作コード15とを備えている。
【0017】
ヘッドボックス11は、ブラケット5と、プーリー6と、動力伝達装置7と、速度調整部8と、昇降軸16Aと、チルト軸16Bと、チルト・巻取ユニット1(
図4の右側)と、チルトユニット3(
図4の左側)とを備えている。実施形態では、ヘッドボックス11には、少なくとも、2つのチルト・巻取ユニット1(
図6~
図11参照)が設けられている。
【0018】
ブラケット5は、窓の上枠等といった被取付体に固定される。これにより、横型ブラインド10は被取付体に固定される。ヘッドボックス11内には、操作コード15が掛装されたプーリー6が設けられている。ヘッドボックス11内には動力伝達装置7が設けられている。動力伝達装置7は昇降軸16A及びチルト軸16Bに連結している。動力伝達装置7は、プーリー6の回転を昇降軸16A及びチルト軸16Bに伝達し、昇降軸16A及びチルト軸16Bを回転させる機能を有する。昇降軸16Aは速度調整部8に連結している。速度調整部8は、昇降軸16Aに働くトルクを調整する機能を有し、スラット12及びボトムレール14の下降速度を落とすことができる。
【0019】
スラット12は、ヘッドボックス11に吊下支持されている。具体的には、
図2Bに示すように、ラダーコード13Bは、一対の縦糸(前側縦糸13B1及び後側縦糸13B2)と、その間に挟まれる複数の横糸を備え、各横糸によってスラット12が支持されている。
図2Bに示すように、ラダーコード13Bの前側縦糸13B1及び後側縦糸13B2はヘッドボックス11からそれぞれ引き出されている。ラダーコード13Bはチルトサポート30のチルトドラム31に取り付けられ、ラダーコード13Bはチルトドラム31の回転に追従してラダーコード13Bを変位可能に構成されている。つまり、チルトドラム31を右側面からみたときにおいてチルトドラム31が例えば反時計周りに回転すると、前側縦糸13B1が下方に引き出されるように変位し、後側縦糸13B2が上方に引き戻されるように変位する。これにより、スラット12はその前端が下に向くように回動する。チルトドラム31の回転方向が逆であれば、スラット12はその前端が上に向くように回動する。
【0020】
図2Bに示すように、昇降コード13Aはヘッドボックス11の背面側の部分から引き出されている。昇降コード13Aの一端側は、チルト・巻取ユニット1の巻取軸23(
図8~
図11参照)に取り付けられ、昇降コード13Aは巻取軸23に巻き取り及び巻き戻し可能になっている。また、昇降コード13A及びラダーコード13Bの下端部にはボトムレール14が取り付けられている。昇降コード13Aが巻取軸23に巻き取られることで、スラット12はボトムレール14とともに上昇し、昇降コード13Aが巻取軸23に巻き戻されることで、スラット12はボトムレール14とともに下降する。
【0021】
2.チルト・巻取ユニット1
図6~
図11に示すように、チルト・巻取ユニット1は、サポート部材と、巻取軸23と、チルトドラム31と、カバー4とを備えている。
【0022】
2-1.チルト・巻取ユニット1のサポート部材
チルト・巻取ユニット1のサポート部材は、巻取軸サポート20と、チルトサポート30とを備える。チルト・巻取ユニット1のサポート部材は、第1サポート部材に対応する。
【0023】
2-1-1.巻取軸サポート20
図27A~
図30Bに示すように、巻取軸サポート20は、取付部21と、巻取軸サポート本体22とを備えている。巻取軸サポート20は、巻取軸23を回転可能に支持可能である。
【0024】
<取付部21>
取付部21は、後述するチルトサポート30の台部30Aに着脱自在である。取付部21は台部30Aに係合することで、チルトサポート30の台部30Aに取り付けられる。取付部21は台部30Aに向かうように下方向に押し込まれることで、チルトサポート30と係合する。
【0025】
図16、
図18A~
図19に示すように、取付部21は、基部21aと、係合部21bと、係合部21cと、係合部21dと、リブ21eと、巻取軸受部22Aとを備える。
基部21aは板状部材である。基部21aの一方側の面には、係合部21b、係合部21c及び係合部21dが接続され、基部21aの他方側の面にはリブ21eが接続されている。係合部21b、係合部21c及び係合部21dが、後述するチルトサポート30の係合部に係合する部分である。
【0026】
係合部21b、係合部21c及び係合部21dは板状部材である。係合部21b、係合部21c及び係合部21dは巻取軸23の軸方向に突出するように設けられている。係合部21b及び係合部21dは互いに平行に設けられている。係合部21b、係合部21c及び係合部21dは基部21aに直交するように形成され、係合部21b、係合部21c及び係合部21dは台部30Aの載置面に直交するように設けられる。
【0027】
リブ21eは取付部21を補強する機能を有する。具体的には、リブ21eは取付部21をチルトサポート30の台部30Aに押し込んだときに取付部21が座屈することを抑制する機能を有する。リブ21eも板状部材である。リブ21eは係合部21bと係合部21cとの間に配置されている。リブ21eは係合部21b及び係合部21dに平行に設けられている。リブ21eは基部21aに直交するように形成され、リブ21eは台部30Aの載置面に直交するように設けられる。
【0028】
図8~
図11に示すように、巻取軸受部22Aは巻取軸23を回転自在に支持する。巻取軸受部22Aは環状に構成されており、その中央の開口に巻取軸23が挿入される。巻取軸受部22Aが環状に構成されていることで、巻取軸23が巻取軸サポート20から外れにくくなっている。
【0029】
<巻取軸サポート本体22>
巻取軸サポート本体22は箱状に形成されており、巻取軸23が取り付けられる。巻取軸サポート本体22は巻取軸受部22Aを備える。巻取軸受部22Aは巻取軸23を回転自在に支持する。巻取軸受部22Aは巻取軸サポート本体22の壁面が下側に抉れるように凹状に形成される。
図15及び
図16に示すように、巻取軸サポート本体22には開放部22Bが形成されている。開放部22Bは、巻取軸サポート本体22の正面側及び背面側のそれぞれに形成されている。開放部22Bは、巻取軸23に巻き付いている昇降コード13Aをチルトユニット3側に引き出したときに昇降コード13Aと巻取軸サポート本体22の壁面との干渉を避ける機能を有する。
【0030】
巻取軸サポート本体22も台部30Aに向かうように下方向に押し込まれることで、後述するチルトユニット3の係合部に係合する。具体的には
図15及び
図16に示すように、巻取軸サポート本体22には係合部22Cが形成されている。係合部22Cは開放部22Bの上部に設けられている。係合部22Cの端部はクランク状に形成されている。
図15及び
図16に示すように、係合部22Cは後述する台部30Aに立設する係合部30C2に係合する。
【0031】
2-1-2.チルトサポート30
チルトサポート30は、台部30Aと、係合部(係合部30C1~30C3)と、収容部30Bとを備える。チルトサポート30は、チルトドラム31を回転可能に支持可能である。チルトサポート30及び巻取軸サポート20は、
図5に示すように、チルトドラム31及び巻取軸23が水平前後方向に並ぶように、チルトドラム31及び巻取軸23を取付可能である。つまり、チルトサポート30の軸受部の軸心と、巻取軸サポート20の軸受部の軸心とは、水平前後方向に配置されている。なお、チルトサポート30の軸受部は、後述するドラム軸受部30B1であり、巻取軸サポート20の軸受部は、巻取軸受部21A、22Aである。
【0032】
<台部30A>
台部30Aは巻取軸サポート20の取付部21が載置される。台部30Aは、孔部30Dと、滑車部30Eと、孔部30Fと、傾斜面30F1とを備える。孔部30Dは昇降コード13Aが挿入される孔であり、台部30Aには孔部30Dが4つ形成されている。孔部30Dには滑車部30Eが設けられている。孔部30Dには段部が形成されており、滑車部30Eはこの段部上に回転自在に支持されている。孔部30Fはラダーコード13Bが挿入される孔であり、台部30Aには孔部30Fが4つ形成されている。
【0033】
図18B、
図25A及び
図25Bに示すように、孔部30F及び滑車部30Eは、前後方向Dr1に、それぞれ2つずつ設けられている。例えば、昇降コード13Aが、
図25Aに示す矢印Aに示す破線領域の孔部30Fに挿入され、当該破線領域の滑車部30Eに引っ掛けられる場合には、昇降コード13Aはスラット12の後端側に配置される。この場合には、その他の3つの孔部30D及び滑車部30E(
図25Aの矢印B~Dに示す破線領域参照)は用いられない。また、例えば、昇降コード13Aが、
図25Aに示す矢印Bに示す破線領域の孔部30Fに挿入され、当該破線領域の滑車部30Eに引っ掛けられる場合には、昇降コード13Aはスラット12の前端側に配置される。また、後述するように、チルトサポート30の配置位置を左右対象に入れ替えることで、昇降コード13Aを、矢印Cの破線領域に示す孔部30F又は矢印Dの破線領域に示す孔部30Fに通すこともできる。
【0034】
図23Aに示すように、滑車部30Eは、軸部30E1と、案内部30E2とを有する。軸部30E1は案内部30E2に接続されている。軸部30E1は孔部30Dの上述の段部上に配置される。案内部30E2は、昇降コード13Aを、巻取軸23側からヘッドボックス11の下側へ、案内する機能を有する。軸部30E1の軸方向は、巻取軸23の軸方向と平行ではない。つまり、軸30E1の軸方向は、巻取軸23の軸方向と交差する。
【0035】
また、
図19及び
図20に示すように、台部30Aには滑らかな曲面を有する傾斜面30F1が形成されており、チルトドラム31のラダーコード13Bが摩耗することが抑制される。台部30A上には後述する第2基体部の係合部(係合部30C1~30C3)が形成されている。また、台部30Aの正面側端部には収容部30Bが接続されている。
【0036】
ここで、第1係合部及び第2係合部を定義する。第1係合部ps1は、
図12Aに示すように、取付部21が配置される位置であり、第2係合部ps2は、
図12Bに示すように、取付部21が配置される位置である。第1係合部と第2係合部は、後述する係合部30C1を介して隔てられている。
【0037】
<第1係合部ps1及び第2係合部ps2>
第1係合部ps1は、
図12Aに示すように、取付部21を配置可能であり、第2係合部ps2は、
図12Bに示すように、取付部21を配置可能である。つまり、巻取軸サポート20は、巻取軸23の軸方向において、チルトドラム31が支持される位置を境として対称に取り付け可能である。換言すると、
図12A及び
図12Bに示すように、チルトサポート30は巻取軸サポート20を左右対称に配置することが可能となっている。このように、取付部21(巻取軸サポート20)は、第1係合部ps1又は第2係合部ps2に選択的に係合させることができる。このように、チルト・巻取ユニット1は汎用性が高められている。
図21A~
図23Bに示すように、第1係合部ps1及び第2係合部ps2のそれぞれは、次に説明する係合部(係合部30C1~30C3)を備える。
【0038】
第1係合部ps1及び第2係合部ps2のそれぞれは、巻取軸サポート20の係合部(係合部21b~21d及び係合部22C)に係合可能である。つまり、
図19に示す領域P1~P3の3箇所及び
図15に示す領域P4の1箇所において、巻取軸サポート20とチルトサポート30とは係合可能である。これにより、巻取軸サポート20がチルトサポート30に取り付けられた状態において、巻取軸サポート20の上下方向以外の動きが規制される。具体的には、巻取軸サポート20は、鉛直方向に平行な軸を中心として、回転することが規制されるとともに、巻取軸サポート20は、左右方向に平行移動することが規制される。
【0039】
図18A~
図19に示すように、係合部30C1は係合部21dと係合する。例えば、巻取軸サポート20を
図19の紙面の右側に平行移動させる力が作用とすると、係合部21dが係合部30C1に突き当り、巻取軸サポート20の動きが規制される。
係合部30C2は係合部21bと係合する。例えば、巻取軸サポート20を
図19の紙面の右側に平行移動させる力が作用したり、巻取軸サポート20を回転させる力が作用したりすると、係合部21bが係合部30C2に突き当り、巻取軸サポート20の動きが規制される。
係合部30C3は係合部21cと係合する。例えば、巻取軸サポート20を回転させる力が作用すると、係合部21cが係合部30C3に突き当り、巻取軸サポート20の動きが規制される。
【0040】
<収容部30B>
収容部30Bはチルトドラム31が取り付けられる。収容部30Bは一対のドラム軸受部30B1を備える。ドラム軸受部30B1はチルトドラム31を回転自在に支持する。
【0041】
2-2.巻取軸23
巻取軸23は、巻取軸本体23Aと、軸部23Bと、軸部23Cとを備える。
【0042】
<巻取軸本体23A>
巻取軸本体23Aは巻取軸サポート本体22に収容される。巻取軸本体23Aは筒状に形成され、昇降コード13Aは巻取軸本体23Aに巻き付けられる。
【0043】
<軸部23B及び軸部23C>
軸部23Bは巻取軸本体23Aの一端部に形成され、軸部23Cは巻取軸本体23Aの他端部に形成されている。軸部23Bは巻取軸サポート本体22の巻取軸受部22Aに支持され、軸部23Cは取付部21の巻取軸受部21Aに支持される。
【0044】
2-3.チルトドラム31
図22A~
図23Bに示すように、チルトドラム31は、一対の軸部31Aと、チルトドラム本体31Bとを備える。
【0045】
<チルトドラム本体31B>
チルトドラム本体31Bは収容部30Bに収容される。チルトドラム本体31Bは筒状に形成され、ラダーコード13Bはチルトドラム本体31Bに変位可能に取り付けられる。
【0046】
<軸部31A>
軸部31Aはチルトドラム本体31Bの一端部及び他端部にそれぞれ形成されている。軸部31Aは収容部30Bのドラム軸受部30B1に支持される。
【0047】
2-4.カバー4
図6~
図11に示すように、カバー4は、収容部30B及び取付部21の直上に取り付けられる。カバー4が設けられていることで、巻取軸23に巻き付いている昇降コード13Aが巻き乱れることが防止される。
【0048】
3.チルトユニット3
図8~
図11及び
図21A~
図26Bに示すように、チルトユニット3は、第2サポート部材にチルトドラム31が支持されて構成される。第2サポート部材は、チルトサポート30を備え、巻取軸サポート20を備えていない。チルトユニット3のチルトサポート30及びチルトドラム31は、上述したチルト・巻取ユニット1のチルトサポート30及びチルトドラム31と同一構成である。このため、チルトユニット3は、チルト・巻取ユニット1を構成する部品を流用して構成することができる。
【0049】
4.巻取軸サポート20及びチルトサポート30の着脱
図12A及び
図12Bに示すように、チルトサポート30は巻取軸サポート20を左右対称に配置することが可能となっている。そして、取付部21は台部30Aに向かうように下方向に押し込まれることで、チルトサポート30の係合部に係合する。また、取付部21が上方向に引き上げられることで、チルトサポート30の係合部との係合が解除される。
【0050】
5.昇降コード13A及びラダーコード13Bについて
図15、
図16及び
図21A~
図23Bに示すように、昇降コード13Aは巻取軸23から滑車部30E(孔部30D)にかけて延びている。昇降コード13Aは滑車部30Eに引っ掛けられている。昇降コード13Aの動作に伴い滑車部30Eが回転する。これにより、昇降コード13Aの動作がスムーズになる。
ここで、
図17A及び
図17Bに示すように、巻取軸本体23Aを上面視したときにおいて、巻取軸本体23Aの周面の端部23A1の延長上に、孔部30D及び滑車部30Eが位置している。加えて、滑車部30Eは、軸30E1の軸方向が巻取軸23の軸方向と交差するように、台部30Aに設けられている。このため、昇降コード13Aが巻取軸本体23Aに巻き付く量に応じて、昇降コード13Aのうち巻取軸本体23Aの巻き始め位置から滑車部30Eまでの部分の角度(配置)が変化したとしても、昇降コード13Aは孔部30Dから無理なく引き出される。
【0051】
図15、
図19及び
図20に示すように、ラダーコード13Bはチルトドラム31側から傾斜面30F1を介して孔部30Fにかけて延びている。傾斜面30F1が形成されていることで、ラダーコード13Bの動作がスムーズになる。
【0052】
6.実施形態の効果
実施形態に係るチルト・巻取ユニット1は、巻取軸サポート20及びチルトサポート30を備えており、巻取軸サポート20は、チルトサポート30に着脱自在に構成されている。このため、ラダーコード13B及び昇降コード13Aがスラット12に並列に設けられる箇所において、作業者は、巻取軸サポート20がチルトサポート30に取り付けられた状態のチルト・巻取ユニット1を、ヘッドボックス11に取り付ければよい。
また、ラダーコード13Bのみがスラット12に設けられる箇所において、作業者は、チルトユニット3を、ヘッドボックス11に取り付ければよい。
つまり、実施形態は、1ユニットとしての巻取軸サポート20及びチルトサポート30の設計をしておけば、上述の両方の箇所に対応することができるので、汎用性が高められている。
【0053】
ヘッドボックス11の内部空間はスペースが限られている。仮に、巻取軸サポート20がチルトサポート30に対して左右方向から着脱自在となっているとする。この場合には、例えば製品組立時において、作業者が巻取軸サポート20をチルトサポート30に取り付ける際に、巻取軸サポート20が他部材に干渉し、取り付け作業が行いにくくなる可能性がある。また、メンテナンス時において、作業者が巻取軸サポート20をチルトサポート30から取り外す際に、巻取軸サポート20が他部材に干渉し、取り外し作業が行いにくくなる可能性もある。
実施形態のように、巻取軸サポート20がチルトサポート30に上下方向に着脱自在となっていると、これらのような作業性の低下を抑制することができる。
【0054】
従来のサポート部材は、ラダーコードを動作させる構成及び昇降コードを動作させる構成がユニット化されているものがある(以下、第1構成と称する)。また、従来のサポート部材には、例えば、チルトドラムのみを保持するケースを備えたものもある(以下、第2構成と称する)。更に、従来の横型ブラインドでは、第1構成のラダーコードに対して、巻取軸が左右対称に配置されるサポート部材が搭載されることもある(以下、第3構成と称する)。
【0055】
横型ブラインドには、ラダーコード及び昇降コードがスラットに並列に設けられる箇所や、ラダーコードのみがスラットに設けられる箇所がそれぞれ存在することがある。この場合には、第1構成及び第3構成のいずれか一方又は両方のサポート部材が横型ブラインドに用いられる。
また、横型ブラインドには、ラダーコード及び昇降コードがスラットに並列に設けられる箇所だけでなく、ラダーコードだけがスラットに設けられる箇所がそれぞれ存在することがある。この場合には、第1構成及び第3構成のいずれか一方又は両方のサポート部材と、第2構成のサポート部材とが横型ブラインドに用いられる。
このように、横型ブラインドの構造に応じて、様々な構成(例えば、第1~第3構成)のサポート部材が必要になっている。つまり、従来の横型ブラインドのサポート部材では横型ブラインドの構造に応じて使い回しがしにくく、サポート部材の製造者は、横型ブラインドの構造に応じて、様々な構成のサポート部材を準備しておく必要がある。
【0056】
実施形態において、チルトサポート30は巻取軸サポート20を左右対称に配置することが可能となっている。換言すると、巻取軸サポート20が第1係合部ps1に係合しているときの巻取軸サポート20の配置と、巻取軸サポート20が第2係合部ps2に係合しているときの巻取軸サポート20の配置とは、巻取軸23の軸方向において、対称である。このように、チルトサポート30は巻取軸サポート20を左右対称に配置することが可能なので、チルト・巻取ユニット1は汎用性が高められ、且つ、部品点数を削減可能である。また、
図4に示すように、チルト・巻取ユニット1は、チルトサポート30単体で用いることもできるので、チルト・巻取ユニット1は更に汎用性が高められている。
【0057】
取付部21が第1係合部ps1に係合している状態において、巻取軸サポート本体22は第2係合部ps2に配置されている。また、取付部21が第2係合部ps2に取り付けられている状態において、巻取軸サポート本体22は第1係合部ps1に配置される。つまり、巻取軸サポート20がチルトサポート30に取り付けられている状態において、巻取軸サポート20はチルトサポート30にオーバラップするように設けられる。このため、チルト・巻取ユニット1はコンパクトである。
【0058】
7.その他の実施形態
実施形態で説明したチルト・巻取ユニット1やチルトユニット3は、
図31に示す電動式の横型ブラインド10にも適用することができる。電動式の横型ブラインド10は、操作コードや、操作コードが掛装されたプーリーを備えないが、モーター等から構成される電動動力装置(図示省略)を備える。電動動力装置は、ヘッドボックス11内に搭載され、昇降軸やチルト軸を駆動可能である。
【符号の説明】
【0059】
1 :チルト・巻取ユニット
2 :組立体
3 :チルトユニット
4 :カバー
5 :ブラケット
6 :プーリー
7 :動力伝達装置
8 :速度調整部
10 :横型ブラインド
11 :ヘッドボックス
12 :スラット
13A :昇降コード
13B :ラダーコード
13B1 :前側縦糸
13B2 :後側縦糸
14 :ボトムレール
15 :操作コード
16A :昇降軸
16B :チルト軸
20 :巻取軸サポート
21 :取付部
21A :巻取軸受部
21a :基部
21b :係合部
21c :係合部
21d :係合部
21e :リブ
22 :巻取軸サポート本体
22A :巻取軸受部
22B :開放部
22C :係合部
23 :巻取軸
23A :巻取軸本体
23A1 :端部
23B :軸部
23C :軸部
23D :開放部
30 :チルトサポート
30A :台部
30B :収容部
30B1 :ドラム軸受部
30C1 :係合部
30C2 :係合部
30C3 :係合部
30D :孔部
30E :滑車部
30E1 :軸部
30E2 :案内部
30F :孔部
30F1 :傾斜面
31 :チルトドラム
31A :軸部
31B :チルトドラム本体
ps1 :第1係合部
ps2 :第2係合部